(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る実施の形態におけるプレスシステムについて図面を参照しながら以下に説明する。
<1.構成>
(1−1.プレスシステムの構成の概要)
図1は、本発明に係る実施の形態のプレスシステム1の側面図であり、
図2は、
図1の平面図である。
【0012】
本実施の形態のプレスシステム1は、順送り型およびトランスファー型の兼用であって、コイルライン2と、ディスタッカユニット3(
図2参照)と、プレス装置4と、フィーダユニット移動機構5(
図2参照)と、ディスタッカユニット移動機構6と、システム制御部10と、を主に備えている。
【0013】
コイルライン2は、コイル材100(
図1参照)をプレス装置4に供給する。ディスタッカユニット3は、シート材101(
図4参照)をプレス装置4に供給する。プレス装置4は、コイル材100またはシート材101をプレス加工して製品を形成する。プレス装置4には、上金型8aおよび下金型8bから構成される金型8が配置されている。なお、図では省略して記載しているが、プレス装置4には、搬送方向Xに沿って複数の金型が配置される。
【0014】
フィーダユニット移動機構5は、コイル材100をプレス加工する際には、フィーダユニット23(後述する)をプレス装置4の上流近傍の使用位置P3に移動し、シート材101をプレス加工する際には、フィーダユニット23をプレス装置4から離間した退避位置P4に移動する。
ディスタッカユニット移動機構6は、シート材101(後述する)をプレス加工する際には、ディスタッカユニット3をプレス装置4の上流近傍の使用位置P3に移動し、シート材101をプレス加工する際には、ディスタッカユニット3をプレス装置4から離間した退避位置P5に移動する。
【0015】
システム制御部10は、コイルライン2のコイルライン制御部20と、ディスタッカユニット3のディスタッカ制御部30と、プレス装置4のプレス制御部40と信号を送受信しプレスシステム1の全体の制御を行う。また、システム制御部10は、フィーダユニット移動機構5およびディスタッカユニット移動機構6に対して信号を送受信し制御を行う。
なお、システム制御部10、コイルライン制御部20、ディスタッカ制御部30およびプレス制御部40は、制御装置9に設けられている。制御装置9は、CPU、メモリ、ディスプレイおよび操作部(キーボード、ボタンなど)を有する。
【0016】
(1−2.コイルライン)
コイルライン2は、アンコイラ21と、レベラー22と、フィーダユニット23と、コイルライン制御部20と、を有する。アンコイラ21は、巻き回されたコイル材100を解きながら送り出す。レベラー22は、複数のローラ221を有しており、ローラ221の間を通過するコイル材100の巻き癖を矯正する。
【0017】
フィーダユニット23は、コイル材100の搬送方向Xを基準としてレベラー22の下流側に配置されている。
図3は、プレス装置4およびフィーダユニット23を示す側面図である。フィーダユニット23は、フィーダ24と、フィーダ移動機構25と、台座26と、を有する。フィーダ24は、少なくとも一対のローラ241を有し、アンコイラ21から繰り出されてレベラー22により矯正されたコイル材100をプレス装置へと搬送する。レベラー22とフィーダユニット23の間のフロアFには、凹状のループピット27が形成されており、コイル材100がループを形成する。このループによってフィーダユニット23の間欠送りの影響を除き、レベラー22を連続して運転することができる。台座26には、フィーダ24が載置されている。
【0018】
フィーダ移動機構25は、台座26に設けられており、フィーダ24を搬送方向Xに沿って移動する(
図3の矢印A1参照)。フィーダ移動機構25は、フィーダ24の下側に配置されており、例えば、ボールスクリュー251、ナット252、およびモータ253などを有する。
ナット252はボールスクリュー251に螺合しており、フィーダ24に固定されている。ボールスクリュー251は搬送方向Xに沿って台座26に回転可能に配置されている。モータ253は、ボールスクリュー251に連結されており、モータ253の回転によりボールスクリュー251が回転する。また、図示していないが、レールが搬送方向Xに沿って台座26に固定され、レールとスライド可能に嵌合したブロックがフィーダ24に固定されている。
【0019】
ボールスクリュー251が回転によりナット252が移動することにより、レールに沿ってフィーダ24が移動し、フィーダ24が台座26に対して搬送方向Xに沿って移動する。これにより、フィーダ24の先端がプレス装置4に進入し、ムービングボルスタ42の上流近傍に位置することができる。
図2および
図3には、ムービングボルスタ42の上流近傍に進入した進入位置P1に配置されているフィーダ24が実線で示され、プレス装置4から退出した退出位置P2に配置されているフィーダ24が二点鎖線で示されている。
コイルライン制御部20は、システム制御部10からの信号に基づいて、アンコイラ21、レベラー22、およびフィーダ24(ローラ241)の駆動の制御を行う。また、コイルライン制御部20は、モータ253の駆動制御を行ってフィーダ24を移動させる。
【0020】
(1−3.フィーダユニット移動機構)
フィーダユニット移動機構5は、
図2に示すように、台座26およびフィーダ24をプレス装置4の上流近傍の使用位置P3から、プレス装置4から幅方向Y(クランプ方向ともいう)に離間した退避位置P4まで移動可能に構成されている(矢印A2参照)。
【0021】
フィーダユニット移動機構5は、例えば、
図2に示すように、ボールスクリュー91、ナット92およびモータ93などを有する。また、
図2に示すように、例えば、幅方向Yに沿ったレール94が設けられており、フィーダユニット23の台座26の下面にはレール94に嵌合したブロック231が取付けられている。モータ93の回転によりボールスクリュー91が回転し、フィーダユニット23はレール94に沿って使用位置P3と退避位置P4の間を移動する。
【0022】
ここで、使用位置P3とは、プレス装置4の上流側近傍の位置であり、使用位置P3にフィーダユニット23が配置された状態において、フィーダユニット23からコイル材100をプレス装置4に供給できる。退避位置P4(二点鎖線で示す)とは、後述するシート材101をプレス加工する際に、プレス装置4の上流側にディスタッカユニット3を配置するためにフィーダユニット23が退避する位置である。
なお、フィーダユニット移動機構5は、システム制御部10によって制御される。具体的には、システム制御部10は、モータ93の回転制御などを行う。
【0023】
(1−4.ディスタッカユニット)
図4は、搬送方向Xの上流側からディスタッカユニット3を視た図である。なお、
図4では、ディスタッカユニット3は、プレス装置4にシート材101を供給するための使用位置P3に配置されている。また、
図4では、ディスタッカユニット3を視認しやすくするためにアプライト45、ムービングボルスタ42を点線で示す。
【0024】
ディスタッカユニット3は、ディスタッカ31と、ベルトコンベア32と、台座33と、ディスタッカ制御部30とを有する。ディスタッカ31およびベルトコンベア32は台座33の上側に配置されており、後述するディスタッカユニット移動機構6によって台座33とともに使用位置P3と退避位置P5の間を移動する。
ディスタッカ31は、シート材101が積層されたスタックから1枚のシート材101を分離してベルトコンベア32に移動する。ベルトコンベア32は、幅方向Yに沿って配置されており、ディスタッカ31によって分離されたシート部材をプレス装置4の上流側の位置に搬送する。ベルトコンベア32にて搬送されたシート材101は、図示しないストッパに当接し、所定の位置に位置決めされる。その後、図示しないリフタ装置が、シート材101の高さ方向の位置を、金型8の高さに合わせて移動する。
【0025】
ディスタッカ31は、吸着パッド311と、載置部321とを有しており、載置部321にシート材101が積層されたスタックが配置されている。吸着パッド311は、載置部321の上方とベルトコンベア32の上面との間を移動可能に構成されており、吸着したシート材101をスタックからベルトコンベア32の上面に搬送する。なお、載置部321の上下位置は移動可能に構成されている。
ディスタッカ制御部30は、システム制御部10からの信号に基づいて、吸着パッド311の駆動、載置部321の上下位置、ベルトコンベア32の回転駆動、およびリフタ装置の制御を行う。
【0026】
(1−5.ディスタッカユニット移動機構)
ディスタッカユニット移動機構6は、
図2に示すように、ディスタッカユニット3をプレス装置4の上流近傍の使用位置P3から、プレス装置4から幅方向Yに離間した退避位置P5まで移動可能に構成されている(矢印A3参照)。なお、退避位置P5は、使用位置P3を挟んで、フィーダユニット23の退避位置P4の反対側に位置する。
【0027】
ディスタッカユニット移動機構6は、例えば、
図2に示すように、ボールスクリュー95、ナット96およびモータ97などを有する。また、
図2に示すように、例えば、幅方向Yに沿ったレール98が設けられており、ディスタッカユニット3の台座33の下面にはレール98に嵌合したブロック331が取付けられている。モータ97の回転によりボールスクリュー95が回転し、ディスタッカユニット3はレール98に沿って使用位置P3と退避位置P5の間を移動する。
【0028】
使用位置P3にディスタッカユニット3が配置された状態において、ディスタッカユニット3からシート材101をプレス装置4に供給できる。退避位置P5とは、プレス装置4の上流側近傍から退避した位置であり、コイル材100をプレス加工する際にプレス装置4の上流側にフィーダユニット23を配置させるためにディスタッカユニット3が退避する位置である。
なお、上述したレール94とレール98は繋がっている。
また、ディスタッカユニット移動機構6は、システム制御部10によって制御される。具体的には、システム制御部10は、モータ97の回転制御などを行う。
【0029】
(1−6.プレス装置)
プレス装置4は、コイルライン2およびディスタッカユニット3の下流側に配置されており、
図3に示すように、プレス装置本体41と、ムービングボルスタ42と、搬送機構43と、プレス制御部40と、バー退避機構49と、を有する。
【0030】
(1−6−1.プレス装置本体)
プレス装置本体41は、ベッド44と、アプライト45と、クラウン46と、スライド47と、スライド駆動部48と、を有する。
ベッド44は、プレス装置4の土台を構成する。アプライト45は、柱状の部材であり、ベッド44上に4本配置されている。4本のアプライト45は、
図2に示すように、平面視において矩形状の各頂点を形成するように配置されている。クラウン46は、4本のアプライト45によって上方に支持されている。スライド47は、クラウン46の下側に吊下されている。
【0031】
スライド駆動部48は、クラウン46に設けられており、スライド47を昇降移動させる。スライド駆動部48は、例えば、駆動源としてのサーボモータ、サーボモータの回転を減速する減速機、およびクランク機構などを備えている。クランク機構によってサーボモータの回転運動が上下方向の運動に変換され、スライド47が上下移動する。
スライド47の下面には、移動式のダイクランパ80によって上金型8aが取り付けられる。
【0032】
(1−6−2.ムービングボルスタ)
ムービングボルスタ42は、下金型8bが載置される。フロアFおよびベッド44には、図示しないレールが敷設されている。ムービングボルスタ42は、レール上を自走可能な移動機構を有しており、
図2に示すように、プレス位置P6と金型交換位置P7の間と移動する(矢印A4参照)。プレス位置P6とは、プレス装置本体41の内側であってプレス加工が行われる位置である。金型交換位置P7は、プレス装置本体41の外側であり金型8の交換が行われる位置である。ムービングボルスタ42は、金型8を交換する際には、アプライト45の間を通って幅方向Yに移動し、金型交換位置P7に配置される。
【0033】
(1−6−3.搬送機構)
図5は、シート材101をプレス加工する場合における搬送機構43の一対のバー51を示す斜視図である。
図6(a)は、
図5のBB´間の矢示断面図であり、
図6(b)は、
図5のCC´間の矢示断面図である。
図6(c)は、
図5のDD´間の矢示断面図である。
図7は、搬送機構43のボックス52(52a、52b)の内部構成を示す斜視図である。
搬送機構43は、トランスファフィーダであり、一対のバー51と、ボックス52(52a、52b)と、リフト駆動機構53と、クランプ駆動機構54と、フィード駆動機構55と、を有する。
【0034】
(a.バーおよびフィード駆動機構)
一対のバー51は、シート材101をプレス加工する際に、アプライト45の内側であってムービングボルスタ42の上方に、搬送方向(フィード方向)Xに沿って互いに平行に配置されている。
【0035】
各々のバー51は、略四角柱形状の部材であり、
図3に示すように、3つに分割可能に構成され、搬送方向Xの上流側の第1端部51aと、搬送方向Xの下流側の第2端部51bと、中央部51c(保持部の一例)とを有する。第1端部51aは、ボックス52a内に配置されたリフト駆動機構53(詳しくは後述する)に支持されており、第2端部51bは、ボックス52b内に配置されたリフト駆動機構53に支持されている。中央部51cは、第1端部51aおよび第2端部51bと着脱可能である。なお、第1端部51aは、上流側のアプライト45の間に配置されており、第2端部51bは、下流側のアプライト45の間に配置されている。
【0036】
バー51の中央部51cは、シート材101を搬送するために設けられており、その上面には、シート材101およびシート材101から形成されているワークを保持するフィンガー102が着脱可能に取り付けられている。
フィード駆動機構55は、各々のバー51の第2端部51bに設けられている。フィード駆動機構55は、
図6(b)に示すように、支持プレート551と、リニアモータ553とを有している。
【0037】
支持プレート551は、Uの字形状の部材であって、第2端部51bの下側を覆うように設けられている。支持プレート551は、ボックス52b内に配置されたリフト駆動機構53の2本のリフトバー531a(後述する)の上端に固定されている。支持プレート551は、その両側壁の内側にガイドホルダ551aを有している。第2端部51bの側面には搬送方向Xに沿ってガイドレール511bが設けられている。ガイドレール511bにガイドホルダ551aが嵌合することにより、第2端部51bは、支持プレート551に対して搬送方向Xに移動可能に構成される。
【0038】
リニアモータ553は、主に、支持プレート551の内側底面に配置されたコイル553aと、第2端部51bの下面に配置されたマグネット板553bを有している。コイル553aとマグネット板553bは対向配置されており、コイル553aに電流を流すことにより、コイル553aとマグネット板553bとの間に吸引もしくは反発する力が発生し、第2端部51bが支持プレート551に対してフィード方向に移動する。
【0039】
第2端部51bにフィード駆動機構55が設けられており、第2端部51bは中央部51cと接続されている。これにより、第2端部51bの搬送方向X方向の移動に伴って中央部51cも移動し、中央部51cに取り付けられているフィンガー102によって保持されているシート材101を搬送方向Xに移動することができる。
なお、第1端部51aには、
図6(c)に示すように、支持プレート552が設けられている。支持プレート552は、逆Uの字形状の部材であって、第1端部51aの上側を覆うように設けられている。支持プレート552はボックス52a内に配置されたリフト駆動機構53の2本のリフトバー531a(後述する)の下端に固定されている。支持プレート552は、その両側壁の内側にガイドホルダ552aを有している。第1端部51aの側面には搬送方向Xに沿ってガイドレール511cが設けられている。ガイドレール511cにガイドホルダ552aが嵌合することにより、第1端部51aは、支持プレート551に対して搬送方向Xに移動可能に構成される。
以上のように、バー51は、第1端部51aと中央部51cと第2端部51bを有し、第2端部51bに設けられているフィード駆動機構55によりスライドプレート512がフィード方向に移動する。
【0040】
(b.ボックス)
ボックス52aは、
図3に示すように、プレス位置P6に配置されているときのムービングボルスタ42の搬送方向Xの上流側に配置されている。ボックス52bは、プレス位置に配置されているときのムービングボルスタ42の搬送方向Xの下流側に配置されている。ボックス52aは、第1端部51aの上側であって、上流側の2本のアプライト45に渡って固定されたフレーム部材70(
図4参照)に固定されている。ボックス52bは、第2端部51bの下側であってベッド44上に配置されている。
【0041】
図7は、ボックス52aおよびボックス52bの内部構造を示す斜視図である。ボックス52bの構成は、ボックス52aの構成を上下逆にしたものであるため、ボックス52aの内部構造について説明し、ボックス52bの内部構造の説明については省略する。
リフト駆動機構53およびクランプ駆動機構54は、ボックス52a、52bの各々に設けられている。
【0042】
(c.リフト駆動機構)
リフト駆動機構53は、2つのバー本体部511のそれぞれに固定されたリフトキャリア531と、リフトキャリア531を支持するリフトビーム532と、リフトビームを上下させるリフトモータ533と、バランサーとしてのエアシリンダ534とを有している。
【0043】
リフトキャリア531は、所定の間隔を空けてバー本体部511に固定された2本のリフトバー531aを有している。一対のリフトバー531aが、幅方向Yに2組配置されている。一対のリフトバー531aは、第1端部51aを搬送方向Xにスライド可能に支持している支持プレート552の上面に固定されている。
リフトビーム532は、幅方向Yに沿って配置された棒状の部材であり、一対のリフトバー531aの間に配置されている。リフトビーム532の左右端部における搬送方向Xの両側面には、幅方向Yに沿ってレール部材532aが設けられている。リフトバー531aには、レール部材532aを上下方向から挟むようにローラ(図示せず)が設けられている。これによりリフトキャリア531は、レール部材532aに沿ってリフトビーム532に支持されながら幅方向Yに移動できる。
【0044】
リフトビーム532は、ボックス52aの上面に回転可能に取り付けられている2つのスクリュー535によって下方から支持されている。スクリュー535は、ベルト536を介してリフトモータ533によって回転する。スクリュー535を回転させることにより、リフトビーム532が上下方向Zに移動するので、リフトキャリア531に固定されている第1端部51aも上下方向Zに移動する。
【0045】
エアシリンダ534は、幅方向Yに2つ設けられている。エアシリンダ534は、シリンダ部534aとロッド534bを有しており、シリンダ部534aがボックス52aの上面に固定されており、ロッド534bの下端がリフトビーム532に固定されている。これらエアシリンダ534は、バー51、リフトビーム532、リフトキャリア531などの重量をバランスさせるために設けられている。
【0046】
(d.クランプ駆動機構)
クランプ駆動機構54は、主に、一対のクランプキャリア541と、ボールねじ542と、クランプモータ543などを有している。
クランプキャリア541は、幅方向Yに配置された2つのリフトキャリア531のそれぞれに固定されている。
【0047】
ボールねじ542は、幅方向Yに沿って配置されており、幅方向Y両端においてクランプキャリア541に挿嵌されている。ボールねじ542は、2つのクランプキャリア541のそれぞれに挿嵌されている部分において反対向きにねじが形成されており、ボールねじ542の一方向への回転により2つのクランプキャリア541は幅方向Yの内側に向いて移動し、他方向への回転により2つのクランプキャリア541は幅方向Yの外側に向いて移動する。
【0048】
ボールねじ542には、プーリ544が固定されており、プーリ544とクランプモータ543がベルト545を介して連結されている。すなわち、クランプモータ543を駆動することにより、プーリ544およびボールねじ542が回転してクランプキャリア541が幅方向Yの内側または外側に移動する。クランプキャリア541はリフトキャリア531を介してバー51と接続されているため、2つのクランプキャリア541のクランプ方向Yの内側または外側の移動により、バー51もクランプ方向Yの内側または外側に移動する。
なお、ボックス52bの内部構成は、ボックス52aの内部構成と上下反対且つ向かい合うように設けられている。
【0049】
(1−6−4.バー退避機構)
図8Aは、シート材101をプレス加工する際のバー51の状態を示す平面模式図である。
図8Bは、コイル材100をプレス加工する際のバー51の状態を示す平面模式図である。
図8Aおよび
図8Bでは、スライド47は点線で示されている。
【0050】
バー退避機構49(第2退避機構の一例)は、ムービングボルスタ42に設けられており、図に示すように、コイル材100をプレス加工する際に一対のバー51の中央部51cをプレス加工が行われる加工領域よりも幅方向Y外側に移動させる。ここで、加工領域とは、加工の際にスライド47およびスライド47とともに動くダイクランパ80等の構成が移動する領域のことであり、加工領域の外側とは、幅方向Yにおいてスライド47およびスライド47とともに動くダイクランパ80等の構成に干渉しない位置のことである。
【0051】
ここで、加工領域とスライド47およびダイクランパ80の配置について説明する。ダイクランパ80は、
図3に示すようにスライド47の端に搬送方向Xに沿って複数設けられている。
図8Cは、搬送方向Xに沿って視たスライド47の端近傍を示す図である。スライド47の下端の幅方向Yの外側には、ダイクランパ80が設けられている。ダイクランパ80は、ボックス81と、クランパヘッド82とを有する。ボックス81は、スライド47に固定されている。ボックス81には、クランパヘッド82を幅方向Yに移動させる駆動手段(スプロケットおよびチェーン等)が配置されている。クランパヘッド82は、ボックス81の下側から突出するように設けられており、幅方向Yの内側に移動可能である(
図8C矢印参照)。上金型8aの幅方向Yの端には鍔部88aが形成されており、クランパヘッド82は鍔部88aの下側に移動する。
【0052】
鍔部88aの下側に配置された状態のクランパヘッド82に油圧が供給されると、クランパヘッド82によって上金型8aがスライド47に押し付けられ、上金型8aがスライド47に固定される。
このように、クランパヘッド82は、スライド47の内側の支持位置P12と、スライド47の外側の退避位置P13を移動する。
【0053】
また、金型8(上金型8a、下金型8b)には様々な形状のものが存在するため、
図8Aおよび
図8Bに示すように、複数のクランパヘッド82のうち支持位置P12に移動せずに退避位置P13(二点鎖線で示す)に配置されているものが存在する場合がある。
図8Aおよび
図8Bでは、クランパヘッド82の位置が丸で示されている。
このため、加工領域とは、ダイクランパ80を含む領域となり、例えば
図8Aの二点鎖線で示された領域Rとなる。
【0054】
図9は、搬送方向Xに沿って視たバー退避機構49を示す図である。
図9に示すように、バー退避機構49は、バー支持部材64(支持部材の一例)と、支持部材移動機構60(支持部材移動機構に一例)とを有する。バー支持部材64には、バー51の中央部51cが載置される。支持部材移動機構60は、バー支持部材64を幅方向Yに移動する。
支持部材移動機構60は、固定ボックス61と、スライド基板62と、ガイドレール63と、バー支持部材64(支持部材の一例)と、スライドシリンダ65等を有している。
【0055】
固定ボックス61は、ムービングボルスタ42の幅方向Yの側面に取付けられている。スライド基板62は、固定ボックス61の上面に幅方向Yに移動自在に設けられている。ガイドレール63は、固定ボックス61の上面に幅方向Yに沿って設けられており、スライド基板62と嵌合している。これにより、スライド基板62はガイドレール63に沿って移動できる。バー支持部材64は、スライド基板62上に固定されている。バー支持部材64の上面は、凹状に形成されており、バー51の中央部51cが配置される。バー支持部材64の凹部の中央には、バネ部材によって上方に付勢されたピン66が出没自在に設けられている。このピン66が、バー51の中央部51cの底面に形成されたピン孔51dに挿入されて、バー51の中央部51cの位置決めが行われ、横ズレが防止される。
【0056】
スライドシリンダ65は、固定ボックス61内に配置されており、その基端部が固定ボックス61に固定されている。スライドシリンダ65のロッド65aは、スライド基板62の下側に形成されたブラケット62aに接続されている。スライドシリンダ65には、ムービングボルスタ42に供給されているエアの一部が管路67を介して供給できる。
コイル材100をプレス加工する際には、
図9において実線で示す位置に配置されているバー支持部材64上に中央部51cが載置される(このときの中央部51cの位置が載置位置P14として示されている)。また、この状態の中央部51cが点線で
図8Dに示されている。仮に、この状態においてプレス加工を行うとすると、バー51の中央部51Cが、退避位置P13に配置されているクランパヘッド82およびボックス81と干渉する。なお、
図8Dに示すように、バー退避機構49は、搬送方向Xにおけるスライド47の下流側と上流側に配置されているため、ダイクランパ80と干渉しない。
【0057】
載置位置P14に中央部51cを配置した後、スライドシリンダ65を伸長することにより、バー支持部材64が幅方向の外側に移動される。これにより、
図9の仮想線で示すように中央部51cを幅方向Yにおけるアプライト45の内側面45aより外側の退避位置P10に配置することが出来る(矢印A5参照。)。詳細には、中央部51cの内端面51eが、搬送方向Xに対して垂直な幅方向Yにおいてアプライト45の内側面45aよりも外側に位置する。この移動によって
図8(b)の状態となる。これにより、中央部51cは、加工領域よりも外側に位置する。なお、加工領域に干渉しなければ、中央部51cは、その一部がアプライト45の内側面45aよりも内側に突出していてもよい。
【0058】
(1−6−5.バー51の第1端部51aの退避機構)
上述したようにコイル材100をプレス加工する際には、バー51は第1端部51a、中央部51cおよび第2端部51bに分割され、中央部51cは、バー退避機構49によって退避させられる。一方、プレス装置4の上流側には、コイル材100の先端をプレス装置4に送り込むためにフィーダ24の先端が進入する。そのため、フィーダ24の先端が進入する空間を確保するために、第1端部51aはリフト駆動機構53によって上方に移動する。このように、リフト駆動機構53は、第1端部51aを退避する機構も兼ねており、第1退避機構の一例に対応する。
【0059】
なお、第2端部51bは、コイル材100の搬送に干渉しないように例えば幅方向Yの最外位置に配置される。
以上のように、シート材101のプレス加工を行う際にシート材101の搬送に用いられるバー51の第1端部51aが上方の退避位置P11に移動し、バー51の中央部51cをプレス加工領域の外側の退避位置P10に移動させることによって、トランスファプレスであるプレス装置4においてコイル材100のプレス加工を行うことが可能となる。
なお、退避位置P11は、大抵の場合、シート材101の搬送時の動作におけるバー51の最上位置よりも上方に位置するが、交換前および交換後の金型の形状によっては、この限りではない。
【0060】
(1−6−6.プレス制御部)
プレス制御部40は、スライド47を昇降移動させるスライド駆動部48、プレス装置4内においてシート材101を搬送する搬送機構43、および中央部51cをプレス領域外に退避させるバー退避機構49の制御を行う。
【0061】
<2.動作>
次に、本実施の形態のプレスシステム1の動作について説明するとともに、本発明のプレス装置の制御方法の一例についても述べる。
図10は、本実施の形態のプレスシステム1の動作を示すフロー図である。
図11(a)〜(d)は、動作を説明するためのプレスシステム1の状態を示す模式図である。
【0062】
以下に、シート材101のプレス加工の終了後にコイル材100のプレス加工を行うまでの動作について説明する。
シート材101のプレス加工では、
図11(a)に示すようにディスタッカユニット3が使用位置P3に配置されており、フィーダユニット23が
図2に示す退避位置P4に配置されている。
【0063】
はじめに、ステップS10において、バー51の中央部51cがバー支持部材64に載置され、ムービングボルスタ42がプレス位置P6から金型交換位置P7に移動される。
次に、ステップS20において、システム制御部10から信号を受信したプレス制御部40は、バー退避機構49を制御して中央部51cを幅方向Yの外側に移動する。金型交換位置P7では、例えばコイル材100をプレス加工するための金型に載せかえられるが、中央部51cを外側に退避させることによって、金型交換作業の際に中央部51cと金型との接触を防ぐことが出来る。なお、中央部51cの外側への移動は、上記ムービングボルスタ42を金型交換位置P7に移動させる前にプレス位置P6において行われてもよい。
【0064】
次に、ステップS30において、システム制御部10からの指示を受けてプレス制御部40は、金型が交換されたムービングボルスタ42を金型交換位置P7からプレス位置P6へと移動する。ここで、中央部51cは外側に移動されているため、プレス位置P6に配置された状態において、
図8(b)に示すように、アプライト45の内側面45aよりも幅方向Yにおける外側に位置することなり、退避位置P10に配置されている。なお、ムービングボルスタ42が2台設けられている場合には、一方のムービングボルスタ42によってプレス加工が行われている間に、金型交換作業が行われる。なお、ステップS10、S20、およびS30が、本発明の第2退避ステップの一例に対応する。
【0065】
次に、ステップS40において、使用者の操作などに基づいて、システム制御部10は、ディスタッカユニット移動機構6に信号を送信してモータ97を制御し、ディスタッカユニット3を使用位置P3から退避位置P5に移動させる。なお、ステップS40は、ステップS10と同時に行われてもよい。
次に、ステップS50において、システム制御部10は、フィーダユニット移動機構5に信号を送信してモータ93を制御し、フィーダユニット23を退避位置P4から使用位置P3に移動する。この状態が、
図11(b)に示されている。
【0066】
次に、ステップS60において、システム制御部10から信号を受信したプレス制御部40は、ボックス52aに配置されているリフト駆動機構53を制御して第1端部51aを上方に引き上げる。これによって、第1端部51aが退避位置P11に配置される。なお、ステップS60は、ステップS10において中央部51cをバー支持部材64に配置した際に行われてもよい。この状態が、
図11(c)に示されている。また、ステップS60は、本発明の第1退避ステップの一例に対応する。
【0067】
次に、ステップS70において、プレス制御部40は、第1端部51aの退避位置P11への移動が完了したことを示す信号を、システム制御部10を介してコイルライン制御部20へと送信する。ステップS70が、本発明の発信ステップの一例に対応する。
次に、ステップS80において、システム制御部10から信号を受信したコイルライン制御部20は、モータ253を駆動してフィーダ24を台座26に対して搬送方向Xに移動させる。これによって、フィーダ24の先端がプレス装置4内に進入しムービングボルスタ42の上流側近傍に位置する。この状態が、
図11(d)に示されている。
【0068】
以上の動作によって、コイル材100の先端をプレス装置4に送り込むことが可能な状態となり、次に、コイルライン2からコイル材100をプレス装置4に供給することによって、コイル材100のプレス加工が行われる。
また、コイル材100の末端をプレス装置4内に送り込む際には、フィーダ24はプレス装置4に進入しムービングボルスタ42の上流近傍に移動する(
図11(d)と同様の状態)。
【0069】
また、コイル材100によるプレス加工後、シート材101によるプレス加工を行う際には、上記と逆の手順が行われる。
以上のように、シート材101のプレス加工を行う際にシート材101の搬送に用いられるバー51の第1端部51aが上方の退避位置P11に移動し、バー51の中央部51cをプレス加工領域の外側の退避位置P10に移動させることによって、トランスファプレスであるプレス装置4においてコイル材100の端末処理が可能となる。
また、プレス装置4の上流側に設けられた第1端部51aを上方に移動させているため、幅を広げることなくコンパクトな構成でフィーダ24が進入可能な空間を確保することができる。
【0070】
<3.特徴等>
(3−1)
本実施の形態のプレス装置4は、コイル材100およびシート材101の一方の素材を選択的にプレス加工可能なプレス装置4であって、一対のバー51と、リフト駆動機構53(第1退避機構の一例)とを備える。一対のバー51は、中央部51c(保持部の一例)と、第1端部51aと、第2端部51bと、を有する。中央部51c(保持部の一例)は、シート材101を保持可能である。第1端部51aは、素材の搬送方向Xにおける中央部51cの上流側であって中央部51cと着脱可能である。第2端部51bは、搬送方向Xにおける中央部51cの下流側であって中央部51cと着脱可能である。リフト駆動機構53は、コイル材100のプレス加工を行う際に、第1端部51aを上方の退避位置P11(第1退避位置の一例)に移動させる。
【0071】
上記構成により、リフト駆動機構53によって一対のバー51の上流側の第1端部51aを上方に退避することができる。このため、第1端部51aの下方にフィーダ24が進入可能な空間が形成され、ムービングボルスタ42の上流近傍までフィーダ24の先端を位置させることができコイル材100の端末処理が可能となる。
以上のように、第1端部51aを退避させることによって、バー51とフィーダ24との干渉を避けることができるため、コイル材100のプレス加工を行う際にフィーダ24をプレス装置4内に進入させることが可能となる。また、第1端部51aを上方に退避させているため、プレス装置4の幅を必要幅(プレス加工する素材の幅などから決定される幅)以上に広くする必要がない。そのため、コンパクトな構成でコイル材100およびシート材101をプレス加工可能となる。
【0072】
(3−2)
本実施の形態のプレス装置4は、バー退避機構49(第2退避機構の一例)を更に備える。バー退避機構49は、コイル材100のプレス加工を行う際に、一対のバー51の中央部51cをプレス加工が行われる領域の外側の退避位置P10(第2退避位置の一例)に退避させる。
【0073】
ここで、第1端部51a、中央部51c、および第2端部51bを連結させたまま退避位置P10にまとめて移動させる方法も考えられるが、その場合、中央部10cの位置が通常加工位置より高くなり、スライド47と干渉する可能性がある。
対して、バー51の中央部51cをプレス加工する領域から退避することができ、コイル材100のプレス加工を行うことが可能となる。
【0074】
(3−3)
本実施の形態のプレス装置4は、ムービングボルスタ42を更に備える。ムービングボルスタ42には、バー退避機構49(第2退避機構の一例)が設けられ、プレス加工が実施されるプレス位置P6と金型8の交換が実施される金型交換位置P7との間を移動可能である。バー退避機構49は、バー支持部材64(支持部材の一例)と、支持部材移動機構60と、を有する。バー支持部材64は、バー51の中央部51cを支持する。支持部材移動機構60は、バー支持部材64をプレス加工が行われる領域の外側に移動させる。
ここで、金型交換の際には、シート材101を保持するフィンガー102も交換することが多いためバー51の中央部51cを金型8とともにムービングボルスタ42によって金型交換位置P7に移動するが、この際に中央部51cを支持する支持部材としてバー退避機構49を用いることができる。
【0075】
(3−4)
本実施の形態のプレス装置4は、スライド47と、クラウン46と、複数のアプライト45と、を更に備える。スライド47は、上金型8aが下面に取り付け可能である。クラウン46は、スライド47の上方に配置され、スライド47を昇降可能に支持する。複数のアプライト45は、クラウン46をスライド47の上方に支持する。
図9に示すように、退避位置P10(第2退避位置の一例)は、搬送方向Xに対して垂直な幅方向においてアプライト45の内側面45aよりも外側に位置する。
これにより、バー51の中央部51cをプレス加工する領域から退避することができ、コイル材100のプレス加工を行うことが可能となる。
【0076】
(3−5)
本実施の形態のプレス装置4は、リフト駆動機構53を更に備える。リフト駆動機構53は、第1端部51aの上側に配置されており、シート材101の搬送を行う際に一対のバー51の第1端部51aを上下方向に移動する。リフト駆動機構53は、第1退避機構を兼ねており、コイル材100のプレス加工を行う際に、第1端部51aを上方の退避位置P11(第1退避位置の一例)に移動させる。
このように、バー51のリフト駆動機構53を用いてバー51の第1端部51aを上方に退避させることができる。
【0077】
(3−6)
本実施の形態のプレス装置4の制御方法は、コイル材100およびシート材101の一方の素材を選択的にプレス加工可能なプレス装置の制御方法であって、ステップS60(第1退避ステップの一例)と、ステップS70(発信ステップの一例)と、を備える。ステップS60(第1退避ステップの一例)は、コイル材100のプレス加工を行う際に、シート材101を保持する中央部51c(保持部の一例)と、素材の搬送方向Xにおける中央部51cの上流側であって中央部51cと連結および分離可能な第1端部51aと、搬送方向Xにおける中央部51cの下流側であって中央部51cと連結および分離可能な第2端部51bと、を有する一対のバー51の第1端部51aを上方の退避位置P11(第1退避位置の一例)に移動させる。ステップS70(発信ステップの一例)は、ステップS60(第1退避ステップの一例)が完了すると、コイル材100をプレス装置4に供給するフィーダ24をプレス装置4に進入させるトリガーとしての信号を発信する。
【0078】
上記動作により、一対のバー51の上流側の第1端部51aを上方に退避することができる。このため、第1端部51aの下方にフィーダ24が進入可能な空間が形成され、ムービングボルスタ42の上流近傍までフィーダ24が進入できコイル材100の端末処理が可能となる。
以上のように、第1端部51aを退避させることによって、バー51とフィーダ24との干渉を避けることができるため、コイル材100のプレス加工を行う際にフィーダ24をプレス装置4内に進入させることが可能となる。また、第1端部51aを上方に退避させているため、プレス装置4の幅を必要幅(プレス加工する素材の幅などから決定される)以上に広くする必要がない。そのため、コンパクトな構成でコイル材100およびシート材101をプレス加工可能となる。
【0079】
(3−7)
本実施の形態のプレス装置4の制御方法は、ステップS10、S20、およびS30(第2退避ステップの一例)を更に備える。ステップS10、S20、およびS30は、コイル材100のプレス加工を行う際に、一対のバー51の中央部51cをプレス加工が行われる領域の外側の退避位置P10(第2退避位置の一例)に退避させる。
これにより、バー51の中央部51cをプレス加工する領域から退避することができ、コイル材100のプレス加工を行うことが可能となる。
【0080】
<4.他の実施の形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0081】
(A)
上記実施の形態では、リフト駆動機構53が第1端部51aを退避位置P11に移動させているが、第1端部51aは、ボックス52aごと上方に移動してもよい。すなわち、ボックス52a、リフト駆動機構53、およびクランプ駆動機構54が、上下方向に沿って移動させてもよい。ボックス52aを上下方向に移動する構成としては様々な構成を用いることが可能であり、例えば、油圧シリンダや、ボールネジの構成を用いることができる。
【0082】
(B)
上記実施の形態では、バー51がフィード方向Xに移動しているが、バー51の全体は動かず、バー51の上部に設けられたスライドプレートのみがフィード方向Xに移動する構成であってもよい。
(C)
上記実施の形態では、ボックス52bは第2端部51bの下方に配置されているが、ボックス52aと同様に、第2端部51bの上方に配置されていてもよい。
【0083】
(D)
上記実施の形態におけるバー退避機構49では、バー支持部材64はスライドシリンダ65によって自動で移動可能に構成されているが、使用者の押釦の操作によってバー支持部材64が外側に移動する方がより好ましい。また、バー支持部材64は、手動で移動可能に構成されてもよい。また、上記実施の形態のフィーダユニット移動機構5、ディスタッカユニット移動機構6、およびフィーダ移動機構25はモータによって自動で駆動可能に構成されているが、手動であってもよい。
なお、手動の移動を可能にする場合には、インターロックが設けられている方が好ましい。
【0084】
(E)
上記実施の形態では、コイルライン2のコイルライン制御部20と、プレス装置4のプレス制御部40と、ディスタッカユニット3のディスタッカ制御部30は、システム制御部10とともに制御装置9に設けられているが、コイルライン制御部20、プレス制御部40、およびディスタッカ制御部30が単独で設けられていてもよい。例えば、コイルライン2、プレス装置4、ディスタッカユニット3のそれぞれに制御装置が設けられており、その制御装置内にそれぞれの制御部が設けられていてもよい。