(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記キャップ体は、前記係合部が配設された下側部分と、前記当接部が配設された上側部分と、容器軸方向に伸長可能に形成されるともに、前記下側部分と前記上側部分とを容器軸方向に連結した伸長部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の塗布容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の塗布容器では、キャップ体が、容器本体の口部に対して、例えば強く締め込まれる等して大きく下降したときに、塗布栓も下降することで、塗布栓が、中栓部材の規制部に強く押し付けられて変形し、例えば、キャップ体を容器本体の口部から外すときに、塗布栓を、塗布位置から計量位置に円滑に移動させることが困難になる等のおそれがある。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、キャップ体が、容器本体の口部に対して大きく下降しても、塗布栓が、規制部に強く押し付けられるのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る塗布容器は、被塗布部に塗布する内容物が収容される有底筒状の容器本体と、前記容器本体の口部に装着され、前記容器本体内に連通する連通孔が形成された中栓部材と、前記中栓部材との間に、前記連通孔を通して前記容器本体内に連通する計量室を形成するとともに、頂部に前記計量室に連通する吐出孔が形成された計量筒部材と、前記計量室に設けられるとともに、先端部が前記吐出孔から前記計量室の外部に突出される塗布栓と、前記容器本体の口部、若しくは前記計量筒部材に着脱可能に装着され、前記吐出孔および前記塗布栓の先端部を覆うキャップ体と、を備え、前記塗布栓は、前記吐出孔と前記計量室との連通を遮断し、かつ前記計量室と前記連通孔とを連通させる計量位置と、前記計量位置よりも容器軸方向に沿う前記容器本体の底部側に位置するとともに、前記計量室と前記連通孔との連通を遮断し、かつ前記吐出孔と前記計量室とを連通させる塗布位置と、の間を容器軸方向に移動自在に配設され、前記中栓部材は、前記塗布位置に位置する前記塗布栓を、その容器軸方向の前記容器本体の底部側から支持する規制部を備え、前記キャップ体は、前記容器本体の口部、若しくは前記計量筒部材に着脱可能に係合した係合部と、前記塗布栓の先端部に、その容器軸方向に沿う前記容器本体の外側から当接する当接部と、を備え、前記当接部は、前記係合部に対して容器軸方向に離反可能に配設されていることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、キャップ体における当接部が係合部に対して容器軸方向に離反可能に配設されているので、キャップ体のうち、容器本体の口部、若しくは計量筒部材(以下、口部等という)に係合する係合部の配設された部分(以下、下側部分という)が、口部等に対して、容器軸方向に沿う容器本体の底部側、つまり下方に大きく移動しても、当接部が下降するのを抑制することができる。したがって、キャップ体の下側部分が口部等に対して大きく下降しても、当接部が、塗布栓に押し付けられるのを抑えることが可能になり、塗布栓が、規制部に強くあるいは過剰に押し付けられるのを抑制することができる。これにより、キャップ体の下側部分が口部等に対して大きく下降しても、塗布栓の変形が抑えられ、塗布栓を、塗布位置から計量位置に向けて円滑に移動可能な状態に保つことができる。
また、キャップ体が、塗布栓の先端部に、その容器軸方向に沿う容器本体の外側、つまり上側から当接する当接部を備えているので、キャップ体が口部等に装着された状態で、塗布栓が、例えば振動、若しくは容器本体の内圧上昇等に起因して、不意に塗布位置から計量位置側に移動するのを防ぐことができる。
【0009】
ここで、前記キャップ体は、前記係合部が配設された下側部分と、前記当接部が配設された上側部分と、容器軸方向に伸長可能に形成されるともに、前記下側部分と前記上側部分とを容器軸方向に連結した伸長部と、を備えてもよい。
【0010】
この場合、キャップ体が伸長部を備えているので、キャップ体の下側部分が、口部等に対して下方に大きく移動しても、伸長部を容器軸方向に伸長させることにより、上側部分が下降するのを抑制することができる。したがって、キャップ体の下側部分が口部等に対して大きく下降しても、上側部分に配設された当接部が、塗布栓に押し付けられるのを抑えることが可能になり、塗布栓の変形を抑制することができる。
しかも、このような作用効果が新たな部品を設けなくても奏されることとなり、コストの増大を抑えることができる。
【0011】
また、前記キャップ体のうち少なくとも前記伸長部を覆う外キャップを備えてもよい。
この場合、伸長部を覆う外キャップを備えているので、キャップ体に伸長部を備えさせたことによる見映えの悪化を防ぐこと等ができる。
【0012】
また、前記中栓部材は、内側が前記連通孔を通して前記容器本体内に連通するシリンダ筒と、前記シリンダ筒における径方向の内側に配置され容器軸方向に延びる案内軸と、を備え、前記塗布栓は、内側に前記案内軸が容器軸方向に相対移動自在に挿入された外挿筒と、前記外挿筒を径方向の外側から囲繞するとともに、前記塗布位置に位置するときに、前記シリンダ筒内に嵌合し前記計量室と前記連通孔との連通を遮断する一方、前記計量位置に位置するときに、前記シリンダ筒内から離脱し前記計量室と前記連通孔とを連通させるシール筒と、を備え、前記規制部は、前記案内軸に配設されるとともに、前記塗布栓の前記外挿筒を、その容器軸方向の前記容器本体の底部側から支持してもよい。
【0013】
この場合、塗布栓のうち、規制部に支持される部分が外挿筒となっていて、中実の軸体と比べて変形しやすくなっているので、前述のような、下側部分が口部等に対して大きく下降しても、上側部分が下降するのを抑制することができるといった作用効果が有効に奏功される。
また、塗布栓が塗布位置に位置している状態において、シール筒がシリンダ筒内に嵌合して計量室と連通孔との連通を遮断する一方、規制部が、シール筒ではなく外挿筒を支持することで、塗布栓の下方に向けた移動を規制する。したがって、塗布位置に位置した塗布栓において、計量室と連通孔との連通を遮断する部材(シール筒)と、塗布栓の下降を規制する部材(外挿筒)と、を異ならせることができる。これにより、例えば、塗布栓の先端部を被塗布部に押し当てて内容物を塗布する際に、塗布栓を被塗布部に強く押し当てる等しても、容器本体と計量室との間のシール性を維持することができる。
また前述のように、塗布位置に位置した塗布栓において、計量室と連通孔との連通を遮断する部材と、塗布栓の下降を規制する部材と、を異ならせることで、塗布栓の容器軸方向の位置を安定させつつ、計量室と連通孔との連通を遮断する部材であるシール筒の消耗を抑えることができる。これにより、例えば、計量室による計量を長期にわたって高精度に実施することができるとともに、この塗布容器の耐久性を向上させること等ができる。
また、規制部が案内軸と一体に形成された場合には、規制部と案内軸との相対的な変位を防止することができる。これにより、例えば、外挿筒が案内軸に対して容器軸方向に移動するときに径方向にがたつく等しても、塗布位置に位置した塗布栓の外挿筒を規制部によって確実に支持することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、キャップ体が、容器本体の口部に対して大きく下降しても、塗布栓が、規制部に強く押し付けられるのを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、
図1から
図5を参照し、本発明の一実施形態に係る塗布容器を説明する。この塗布容器1には、例えば人体の頭皮や皮膚等の被塗布部Sに塗布される育毛剤や薬液等の内容物が収容される。
【0017】
図1に示すように、塗布容器1は、被塗布部Sに塗布する内容物が収容される有底筒状の容器本体2と、容器本体2の口部3に装着され、容器本体2内に連通する連通孔5が形成された中栓部材4と、中栓部材4との間に、連通孔5を通して容器本体2内に連通する計量室6を形成するとともに、頂部19に計量室6に連通する吐出孔8が形成された計量筒部材7と、計量室6に設けられるとともに、先端部26が吐出孔8から計量室6の外部に突出される塗布栓9と、容器本体2の口部3に着脱自在に装着されて吐出孔8および塗布栓9の先端部26を覆うキャップ体10と、キャップ体10に装着された外キャップ30と、を備えている。
【0018】
ここで、容器本体2の口部3、計量筒部材7、キャップ体10、および外キャップ30それぞれの中心軸線が共通軸上に配置されている。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸O方向に沿う容器本体2の底部2a側(
図1における下側)を下側、容器軸O方向に沿う容器本体2の口部3側(
図1における上側)を上側という。また、容器軸O方向から見た平面視で容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0019】
容器本体2の口部3は、容器本体2のうち、口部3以外の胴部2b、底部2aおよび肩部2cよりも小径とされている。口部3の外周面には雄ねじ部が形成されている。この雄ねじ部は、例えば二条ねじであってもよい。口部3の上端部の外径は、口部3のうち、上端部より下方に位置する部分の外径より小さくなっており、口部3の上端部の外周面には、径方向の外側に突出するとともに周方向に延びる環状又は円弧状の突起が形成されている。口部3の下端部には、径方向の外側に向けて突出する回り止めリブ3bが形成されている。
【0020】
図2に示すように、中栓部材4は、容器本体2の口部3内に配設された有底筒状のシリンダ筒12と、シリンダ筒12の底壁から上側に向けて突出した支持体11と、シリンダ筒12より大径に形成されるとともに、シリンダ筒12から上側に向けて突出し、容器本体2の口部3内に嵌合した主嵌合筒13と、主嵌合筒13の上部を径方向の外側から囲繞するとともに主嵌合筒13に連結された外嵌合筒17と、を有している。
なお、本実施形態では、中栓部材4のシリンダ筒12、支持体11、主嵌合筒13および外嵌合筒17が一体に形成されている。
【0021】
支持体11は、シリンダ筒12の底壁に立設されて容器軸Oと同軸に配置された案内軸11aと、案内軸11aの下端部から径方向の外側に向けて突出するとともに容器軸O方向に延びる規制部11bと、を備えている。
案内軸11aは、シリンダ筒12における径方向の内側に配置され、案内軸11aの上端部は、シリンダ筒12および主嵌合筒13よりも上側に突出している。
規制部11bは、全周にわたって連続して延びる筒状に形成され、その内周面が案内軸11aの外周面と一体に形成されている。規制部11bは、シリンダ筒12の底壁の上面に連結されている。規制部11bは、シリンダ筒12の底壁および案内軸11aに一体に連結されている。規制部11bの上端縁は、シリンダ筒12の周壁の上端開口縁よりも下側に位置している。なお、規制部11bは、案内軸11aおよびシリンダ筒12と別体に形成されてもよい。
【0022】
シリンダ筒12は、容器軸Oと同軸に配置されている。シリンダ筒12には、周方向に間隔をあけて連通孔5が複数形成され、シリンダ筒12内は、連通孔5を通して容器本体2内に連通している。連通孔5は、シリンダ筒12における周壁および底壁にわたって一体に形成されている。ここで、規制部11bは、シリンダ筒12の底壁における連通孔5の開口周縁部に配置され、連通孔5の内周面のうち、径方向の内側に位置して径方向の外側を向く面、および規制部11bの外周面それぞれの径方向の位置が互いに同等になっている。なお、連通孔5の内周面のうち、シリンダ筒12の周壁に位置して下方を向く面は、規制部11bの上端縁よりも下側に位置している。
シリンダ筒12の周壁の内周面のうち、連通孔5より上側に位置する部分には、塗布栓9の下端部が上下摺動可能に嵌合している。
【0023】
主嵌合筒13の上部は、容器本体2の口部3から上方に突出している。主嵌合筒13の下端部は、フランジ部を介してシリンダ筒12の上端部に連結されている。
外嵌合筒17は、主嵌合筒13の上部に連結され、その下端縁が容器本体2の口部3の上端開口縁に当接している。外嵌合筒17の外周面には、径方向の外側に向けて突出するとともに周方向に延びる環状又は円弧状の突起が形成されている。
【0024】
計量筒部材7は、容器本体2の口部3に装着された装着筒部18と、装着筒部18より上側に位置して内側が吐出孔8とされた筒状の頂部19と、装着筒部18と頂部19との間に位置してこれら18、19を連結する連結筒部20と、を有している。
図示の例では、計量筒部材7は下側から上側へ向かって、装着筒部18、連結筒部20、および頂部19の順に段階的に縮径している。
【0025】
装着筒部18は、環状の天壁と、周壁と、を有する有頂筒状をなしている。装着筒部18の周壁は、容器本体2の口部3の上端部、および中栓部材4の外嵌合筒17に外嵌している。装着筒部18の周壁の内周面には、径方向の内側に向けて突出するとともに周方向に延びる環状又は円弧状の突起が、容器軸O方向に間隔をあけて2つ形成されている。これら2つの突起のうち、下側に位置する突起は、口部3の前記突起にアンダーカット嵌合し、上側に位置する突起は、外嵌合筒17の前記突起にアンダーカット嵌合している。
【0026】
装着筒部18の天壁は、外嵌合筒17の上端開口縁に、その上側から当接している。装着筒部18の天壁の内周縁部には、下方に向けて突出するとともに、中栓部材4における外嵌合筒17と主嵌合筒13の上部との間に挿入された筒体が形成されている。この筒体は、主嵌合筒13および外嵌合筒17のうちの少なくとも一方に嵌合し、計量室6における中栓部材4と計量筒部材7との連結部分の液密性を確保している。
【0027】
連結筒部20は、環状の天壁と、周壁と、を有する有頂筒状をなしている。連結筒部20の周壁は、装着筒部18の天壁の内周縁部から上側に向けて突出している。連結筒部20の周壁の内径は、主嵌合筒13の内径より大きく、図示の例では、主嵌合筒13の上部の外径と同等となっている。連結筒部20の天壁は、径方向の内側へ向かうに従い漸次、上側に向けて延びている。
頂部19は、連結筒部20の天壁の内周縁部から上側に向けて突出している。
本実施形態では、計量筒部材7の連結筒部20と、中栓部材4における主嵌合筒13、およびシリンダ筒12と、により画成される空間が計量室6とされている。
【0028】
塗布栓9は、吐出孔8と計量室6との連通を遮断し、かつ計量室6と連通孔5とを連通させる計量位置(例えば
図4に示す状態)と、計量位置よりも下側(容器軸方向に沿う容器本体の底部側)に位置するとともに、計量室6と連通孔5との連通を遮断し、かつ吐出孔8と計量室6とを連通させる(ここでいう「連通させる」とは、「連通する、又は連通可能な状態とする」の両方の意味を含む)塗布位置(例えば
図1、
図2、
図5に示す状態)と、の間を容器軸O方向(上下方向)に移動自在に配設されている。
図示の例では、塗布栓9が塗布位置に位置した状態で、塗布栓9の外周面と吐出孔8の内周面との間の隙間を通して、計量室6の内容物が吐出可能とされている。
【0029】
塗布栓9は、計量筒部材7内に配設された有頂筒状のシール筒24と、シール筒24の天壁から下方に向けて延び、シール筒24の周壁により径方向の外側から囲繞された外挿筒25と、シール筒24の天壁に立設された筒状の先端部26と、を有している。シール筒24、外挿筒25および先端部26は、容器軸Oと同軸に配置されるとともに、一体に形成されている。
【0030】
シール筒24の上部は、
図4に示す塗布栓9の計量位置で、吐出孔8の内側に摺動自在に嵌合しており、吐出孔8と計量室6との連通を遮断している。シール筒24の下端部は、
図2および
図5に示す塗布栓9の塗布位置で、シリンダ筒12の内側に摺動自在に嵌合している。図示の例では、シール筒24のうち、下端部の厚さは、他の部分の厚さより薄くなっている。
このようなシール筒24は、塗布位置に位置するときに、シリンダ筒12内に嵌合し計量室6と連通孔5との連通を遮断する一方、計量位置に位置するときに、シリンダ筒12内から上方に離脱し計量室6と連通孔5とを連通させる。
【0031】
塗布栓9は、径方向の外側に向けて突出するストッパー突起24cを備える。ストッパー突起24cは、シール筒24の外周面における容器軸O方向の中間部分に形成されている。ストッパー突起24cは、周方向に沿って延びる環状に形成されている。ストッパー突起24cは、
図4に示すように、塗布栓9が計量位置に位置するときに、計量筒部材7内における吐出孔8の開口周縁部に対して、下側から当接可能である。図示の例では、ストッパー突起24cは、計量筒部材7のうち連結筒部20の天壁の内周縁部に対して、その下側から当接可能となっている。
【0032】
塗布栓9が計量位置に位置した状態では、塗布栓9のストッパー突起24cが、計量筒部材7における吐出孔8の開口周縁部にその下側から当接することで、たとえ計量室6に対して塗布栓9を上側へ移動させる向きの外力が作用した場合でも、計量位置に位置した塗布栓9がそれ以上に上側に向けて移動することが規制されている。
ここで、シール筒24の上部における外周面には、径方向の外側に向けて突出するとともに周方向に延びる環状又は円弧状の第1係合突部24aが形成されている。この第1係合突部24aは、塗布栓9が塗布位置から計量位置に移動したときに、吐出孔8の内周面に形成された第2係合突部8aを上方に乗り越え、第2係合突部8aに第1係合突部24aの下側から係合する。なお、第1係合突部24aおよび第2係合突部8aは、互いに全周にわたって連続して係合しなくてもよい。
【0033】
外挿筒25は、中栓部材4の案内軸11aに上下摺動自在に外挿されている。言い換えると、外挿筒25の内側に、案内軸11aが容器軸O方向に相対移動自在に挿入されている。図示の例では、外挿筒25の下端開口縁は、シール筒24の下端開口縁よりも下側に位置している。
【0034】
図2に示すように、塗布栓9の塗布位置で、外挿筒25の下端開口縁は、支持体11の規制部11bの上端縁と当接し、支持体11の規制部11bに下側から支持されている。このとき、支持体11の案内軸11aの上端縁と、シール筒24の天壁と、の間には、容器軸O方向の隙間が設けられている。なおこれに代えて、案内軸11aの上端縁、およびシール筒24の天壁を互いに当接させて、塗布栓9のこれ以上の下降移動を規制してもよい。
【0035】
塗布栓9の先端部26は、計量筒部材7の頂部19内に配設されている。先端部26の外径は、シール筒24の外径より小さくなっている。
図2に示す塗布栓9の塗布位置で、シール筒24のうち、第1係合突部24aより上方に位置する上端部、および先端部26それぞれの外周面と、吐出孔8の内周面と、の間に、内容物が流通可能な隙間が設けられている。そして、この隙間を通して、計量室6内と容器外部とが連通されている。
先端部26の上端部における外周面には、径方向の外側に向けて突出するとともに周方向に延びる環状又は円弧状の被係合部26aが形成されている。
【0036】
キャップ体10は、有頂筒状をなしており、その周壁の下部における内周面に、口部3の雄ねじ部に螺着する雌ねじ部(係合部)10aが形成されている。雌ねじ部10aは、例えば二条ねじであってもよい。
なお、キャップ体10が、口部3に着脱可能に螺着するのに代えて例えば、キャップ体10の平滑な内周面に、口部3の平滑な外周面が着脱可能に嵌合したり、あるいはキャップ体10が口部3に着脱可能にアンダーカット嵌合したりする等、適宜変更してもよい。また、キャップ体10を、口部3に装着するのに代えて例えば、計量筒部材7に装着してもよい。
【0037】
キャップ体10の天壁には、下方に向けて突出するとともに、下端部が、塗布位置に位置する塗布栓9の先端部26の外周面と、吐出孔8の内周面と、の間の隙間に差し込まれた引き上げ筒31が形成されている。引き上げ筒31は、吐出孔8内に密に離脱可能に嵌合されている。引き上げ筒31の内周面には、径方向の内側に向けて突出するとともに周方向に延びる環状又は円弧状の引き上げ突起31aが形成されている。引き上げ突起31aは、塗布栓9の先端部26の被係合部26aにアンダーカット嵌合されており、キャップ体10の、口部3および計量筒部材7に対する上昇移動に伴い、塗布栓9が引き上げられ計量位置に移動する。なお、引き上げ筒31は、計量筒部材7の頂部19より上方に位置してもよい。
ここで、キャップ体10の引き上げ突起31aが、塗布栓9の被係合部26aから外れるときには、塗布栓9に下方に向けた弾性反発力が生ずるものの、前述したように、塗布栓9の第1係合突部24aが、計量筒部材7の第2係合突部8aに、第1係合突部24aの下側から係合しているので、塗布栓9の計量位置から下方に向けた移動が規制される。
【0038】
キャップ体10は、塗布栓9の先端部26にその上方から当接する当接部27を備える。当接部27は、キャップ体10の天壁から下方に向けて突出している。当接部27は、キャップ体10の天壁において、引き上げ筒31の内側に位置する部分に配置されている。当接部27は、周方向に間隔をあけて複数配置され、引き上げ筒31の内周面と一体に形成されている。当接部27の下端縁は、引き上げ筒31の下端開口縁より上方に位置している。当接部27の下端縁が、塗布栓9の先端部26の上端開口縁に当接している。なお、当接部27は環状に形成されてもよい。
【0039】
キャップ体10の内周面には、周方向を向く壁面を備えた段部32が形成されている。キャップ体10が容器本体2の口部3に装着された状態において、段部32は、容器本体2の回り止めリブ3bに周方向から当接可能とされている。段部32が回り止めリブ3bに周方向から当接することで、キャップ体10が口部3に過度に締め込まれることが規制される。
キャップ体10のうち、段部32より下方に位置する下端部は、下方に向かうに従い漸次、径方向の外側に向けて延びている。
【0040】
そして、本実施形態では、当接部27が、雌ねじ部10aに対して容器軸O方向に離反可能に配設されている。図示の例では、キャップ体10が、雌ねじ部10aが配設された下側部分22と、当接部27が配設された上側部分21と、容器軸O方向に伸長可能に形成されるともに、下側部分22と上側部分21とを容器軸O方向に連結した伸長部23と、を備える。伸長部23が容器軸O方向に伸長することで、当接部27が雌ねじ部10aに対して上方に離反する。
上側部分21は、キャップ体10における天壁と周壁の上端部とを備え、下側部分22は、キャップ体10のうち、周壁の上端部より下方に位置する部分となっている。
【0041】
伸長部23は、下側部分22および上側部分21を容器軸O方向に相対的に弾性変位可能に連結している。
伸長部23は、
図3に示されるように、容器軸O方向に延びる板体23aが、周方向に間隔をあけて複数配置されて構成されている。板体23aは、下方から上方に向かうに従い漸次、周方向の一方側に向けて延びている。図示の例では、板体23aは、下方から上方に向かうに従い漸次、周方向のうち、キャップ体10の口部3に対する緩み側から締め込み側に向けて延びている。板体23aは、容器軸Oに対する傾斜角度が変化するように弾性変形可能に形成されている。これにより、下側部分22および上側部分21の相対的な容器軸O方向の位置が変化するようになっている。板体23aは、下側部分22の上端開口縁と、上側部分21の下端開口縁と、を連結している。複数の板体23aは、全周にわたって等間隔をあけて配設されている。板体23aの上端部は、計量筒部材7の上端部より上方で、かつ塗布位置に位置する塗布栓9の先端部26の上端部より下方に位置している。
図2に示されるように、板体23aの下端部、および引き上げ筒31の下端部それぞれの容器軸O方向の位置が互いに同等になっている。板体23aの幅は、周方向で互いに隣り合う板体23a同士の間の、板体23aの幅方向に沿う間隔と同等になっている。
【0042】
なお、伸長部23としては、前記実施形態に限らず例えば、全周にわたって連続して延びる帯状領域が蛇腹状に形成された構成を採用してもよいし、帯状領域が変形可能な程度に薄肉に形成された構成を採用する等適宜変更してもよい。また伸長部23は、下側部分22および上側部分21を容器軸O方向に相対的に離反可能に連結すればよく、弾性変位可能に連結しなくてもよい。
【0043】
さらに本実施形態では、キャップ体10を覆う外キャップ30を備えている。外キャップ30は、キャップ体10のうち少なくとも伸長部23を覆っている。図示の例では、外キャップ30は、キャップ体10を全域にわたって覆っている。外キャップ30は有頂筒状に形成されている。外キャップ30の内側にキャップ体10が固定されている。外キャップ30の周壁の下端部内に、キャップ体10の下端部における径方向の外端部が、周方向の移動が規制された状態で、容器軸O方向に移動可能に係合されている。外キャップ30の天壁が、キャップ体10の天壁の上面に、例えば接着、若しくは融着等されている。なお、外キャップ30およびキャップ体10の嵌合、または螺合等により、それぞれの天壁を互いに固定してもよい。キャップ体10のうち、下側部分22を外キャップ30に固定する一方、上側部分21は外キャップ30に固定せず、キャップ体10の天壁と外キャップ30の天壁との間に、下側部分22および上側部分21を互いに離反可能にするための容器軸O方向の隙間を設けてもよい。
【0044】
塗布容器1は、中栓部材4、計量筒部材7、および塗布栓9が組み立てられてなる計量塗布具を、内容物の充填された容器本体2の口部3に装着した後に、外キャップ30内に固定されたキャップ体10を口部3に螺着することで形成される。
【0045】
以下、本実施形態の塗布容器1の作用について説明する。
【0046】
図2に示すように、塗布容器1の使用前では、塗布栓9のシール筒24の下端部がシリンダ筒12の周壁の内側に嵌合して、計量室6と連通孔5との連通が遮断されている。
容器本体2内の内容物を被塗布部Sに塗布するには、まず、キャップ体10を上側へ移動させて容器本体2の口部3から離脱させ、吐出孔8および塗布栓9の先端部26を容器外部に露出させる。ここで、キャップ体10が離脱される際には、引き上げ筒31の引き上げ突起31aと、塗布栓9の先端部26の被係合部26aと、が互いに容器軸O方向に係合することで、キャップ体10により塗布栓9が引き上げられて計量位置に移動する。この際、口部3の雄ねじ部、およびキャップ体10の雌ねじ部10aは、二条ねじであるため、一条ねじである構成と比較して、ねじのリードが大きくなる。このため、キャップ体10の周方向の回転量に対する容器軸O方向の変位量を大きくすることができる。これにより、塗布栓9を速やかに上側に移動させることができるとともに、キャップ体10を容器本体2の口部3から速やかに離脱させることができる。
【0047】
図4に示すように、塗布栓9が計量位置へ移動させられると、塗布栓9のストッパー突起24cが計量筒部材7の連結筒部20の天壁(吐出孔8の開口周縁部)に当接し、また、塗布栓9の第1係合突部24aが、計量筒部材7の第2係合突部8aを上方に乗り越え、第1係合突部24aが、第2係合突部8aに第1係合突部24aの下側から係合する。この状態から、さらに容器本体2の口部3に対してキャップ体10が上側へ移動することで、キャップ体10の引き上げ筒31の引き上げ突起31aが、塗布栓9の先端部26の被係合部26aを上方に乗り越えて、キャップ体10が容器本体2および塗布栓9から取り外される。
【0048】
次いで、塗布栓9が計量位置に位置した状態で、塗布容器1を倒立姿勢にすることで、容器本体2内の内容物を連通孔5を通して計量室6内に流入させる。これにより、計量室6に所定量の内容物が計量される。
次いで、
図5に示すように、計量位置に位置する塗布栓9の先端部26を、被塗布部Sに押し付けると、塗布栓9は、塗布位置に向けて移動する。この過程において、塗布栓9の外周面と吐出孔8の内周面との間の隙間を容器外部に開口させるとともに、外挿筒25を中栓部材4の規制部11bに突き当て、また、シール筒24の下端部をシリンダ筒12の周壁の内側に嵌合させる。
これにより、塗布容器1は、計量室6と連通孔5との連通が遮断されるとともに、吐出孔8と計量室6とが連通し、吐出孔8の内周面と塗布栓9の先端部26の外周面との間の隙間を通して内容物を被塗布部Sに塗布することができる。
【0049】
そして使用後(塗布後)は、キャップ体10の引き上げ筒31の下端部を、吐出孔8の内周面と塗布栓9の先端部26の外周面との間の隙間に差し込みつつ、引き上げ筒31の引き上げ突起31aを、先端部26の被係合部26aに被係合部26aの上方から当接させた状態で、キャップ体10の雌ねじ部10aを容器本体2の口部3の雄ねじ部に螺合することによって、引き上げ突起31aを、被係合部26aを下方に乗り越えさせるとともに、キャップ体10を容器本体2の口部3に装着する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態による塗布容器1によれば、キャップ体10が伸長部23を備えていて、キャップ体10における当接部27が雌ねじ部10aに対して容器軸O方向に離反可能に配設されているので、キャップ体10の下側部分22が、口部3に対して下方に大きく移動しても、伸長部23を容器軸O方向に伸長させることにより、キャップ体10の上側部分21が下降するのを抑制することができる。したがって、キャップ体10の下側部分22が口部3に対して大きく下降しても、キャップ体10の上側部分21に配設された当接部27が、塗布栓9に押し付けられるのを抑えることが可能になり、塗布栓9が、規制部11bに強くあるいは過剰に押し付けられるのを抑制することができる。これにより、キャップ体10の下側部分22が口部3に対して大きく下降しても、塗布栓9の変形が抑えられ、塗布栓9を、塗布位置から計量位置に向けて円滑に移動可能な状態に保つことができる。
なお、キャップ体10が伸長部23を備えていることから、キャップ体10に過剰に大きな、キャップ体10を下降させる外力が加えられても、その力を、伸長部23を容器軸O方向に伸長させることによって緩和させることができる。
しかも、このような作用効果が新たな部品を設けなくても奏されることとなり、コストの増大を抑えることができる。
【0051】
また、キャップ体10が、塗布栓9の先端部26に、その上側から当接する当接部27を備えているので、キャップ体10が口部3に装着された状態で、塗布栓9が、例えば振動、若しくは容器本体2の内圧上昇等に起因して、不意に塗布位置から計量位置側に移動するのを防ぐことができる。
また、伸長部23を覆う外キャップ30を備えているので、キャップ体10に伸長部23を備えさせたことによる見映えの悪化を防ぐこと等ができる。
また、塗布栓9のうち、規制部11bに支持される部分が外挿筒25となっていて、中実の軸体と比べて変形しやすくなっているので、前述のような、キャップ体10の下側部分22が口部3に対して大きく下降しても、キャップ体10の上側部分21が下降するのを抑制することができるといった作用効果が有効に奏功される。
【0052】
また、塗布栓9が塗布位置に位置している状態において、シール筒24がシリンダ筒12内に嵌合して計量室6と連通孔5との連通を遮断する一方、規制部11bが、シール筒24ではなく外挿筒25を支持することで、塗布栓9の下方に向けた移動を規制する。したがって、塗布位置に位置した塗布栓9において、計量室6と連通孔5との連通を遮断する部材(シール筒24)と、塗布栓9の下降を規制する部材(外挿筒25)と、を異ならせることができる。これにより、例えば、塗布栓9の先端部26を被塗布部Sに押し当てて内容物を塗布する際に、塗布栓9を被塗布部Sに強く押し当てる等しても、容器本体2と計量室6との間のシール性を維持することができる。
【0053】
また前述のように、塗布位置に位置した塗布栓9において、計量室6と連通孔5との連通を遮断する部材と、塗布栓9の下降を規制する部材と、を異ならせることで、塗布栓9の容器軸O方向の位置を安定させつつ、計量室6と連通孔5との連通を遮断する部材であるシール筒24の損耗または消耗を抑えることができる。これにより、例えば、計量室6による計量を長期にわたって高精度に実施することができるとともに、この塗布容器1の耐久性を向上させること等ができる。
【0054】
また、規制部11bが案内軸11aと一体に形成されているので、規制部11bと案内軸11aとの相対的な変位を防止することができる。これにより、例えば、外挿筒25が案内軸11aに対して容器軸O方向に移動するときに径方向にがたつく等しても、塗布位置に位置した塗布栓9の外挿筒25を規制部11bによって確実に支持することができる。
なおこのように、規制部11bによって外挿筒25を確実に支持することで、塗布栓9が過度に下方に移動するのを規制することができる。このため、シール筒24により計量室6と連通孔5との連通を確実に遮断することができる。また、キャップ体10の離脱時に、塗布栓9を確実に引き上げることもできる。
さらに、規制部11bが、シリンダ筒12の底壁および案内軸11aにわたって一体に形成されているので、規制部11bの剛性が確保され、規制部11bによって外挿筒25を確実に支持することができる。
【0055】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0056】
本実施形態に係る塗布容器51は、
図6に示されるように、外キャップ30を有さず、キャップ体33を備えている。
キャップ体33は、伸長部23を有さず、上側部分21の下端開口縁と下側部分22の上端開口縁とが容器軸O方向に直結された有頂筒状の本体筒34と、本体筒34内に配設された内装体35と、を備えている。
【0057】
内装体35は、引き上げ突起31aを有する引き上げ筒36と、引き上げ筒36の上端開口を閉塞し、かつ塗布栓9の先端部26にその上方から当接する当接部37と、本体筒34内に嵌合された装着環38と、装着環38と引き上げ筒36および当接部37とを連結する弾性部39と、を備える。引き上げ筒36、当接部37、装着環38、および弾性部39は、一体に形成されている。
引き上げ筒36および当接部37は全体で有頂筒状体を構成している。装着環38は、引き上げ筒36より下方に位置している。装着環38および連結筒部20の天壁それぞれの容器軸O方向の位置は互いに同等になっている。本体筒34の内周面には、装着環38の下端開口縁を支持する支持突起34aと、装着環38の上端開口縁を支持する段部34cと、が形成されている。装着環38は、容器軸O方向の移動が規制された状態で本体筒34内に嵌合されている。
【0058】
弾性部39は、
図7に示されるように、容器軸O方向に延びる弾性板39aが、周方向に間隔をあけて複数配置されて構成されている。弾性板39aは、下方から上方に向かうに従い漸次、周方向の一方側に向けて延びている。図示の例では、弾性板39aは、下方から上方に向かうに従い漸次、周方向のうち、キャップ体10の口部3に対する締め込み側から緩み側に向けて延びている。複数の弾性板39aの全てが、上下方向に対して同じ向きに傾斜している。弾性板39aの幅は、下方から上方に向かうに従い漸次、狭くなっている。弾性板39aは、容器軸Oに対する傾斜角度が変化するように弾性変形可能に形成されている。これにより、当接部37を雌ねじ部10aに対して容器軸O方向に離反させることが可能になっている。弾性板39aは、装着環38の上端開口縁と、当接部37の外周縁と、を連結している。複数の弾性板39aは、全周にわたって等間隔をあけて配設されている。
【0059】
本実施形態による塗布容器51によれば、キャップ体33が、当接部37を雌ねじ部10aに対して容器軸O方向に離反させることが可能な弾性部39を備えているので、本体筒34が、口部3に対して下方に大きく移動しても、弾性板39aを容器軸O方向に伸長させることにより、当接部37が塗布栓9に対して下降するのを抑制することが可能になり、前記第1実施形態と同様に、塗布栓9の変形を抑制することができる。
【0060】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
なお、この第3実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0061】
本実施形態に係る塗布容器52のキャップ体43では、
図8に示されるように、塗布栓9の先端部26にその上方から当接する当接部40が円板状に形成され、その外径が本体筒34の内径と同等になっており、当接部40が本体筒34内に上方に向けて摺動自在に嵌合されている。本体筒34の内周面には、当接部40の外周縁部を当接部40の下方から支持可能な支持突起34bが形成されている。
【0062】
引き上げ筒41が、当接部40の下面から下方に向けて突出している。引き上げ筒41には、塗布栓9の先端部26の被係合部26aに係合する引き上げ突起41aが形成されている。引き上げ突起41aは、径方向の内側に向けて突出する突曲面状に形成された上端部41bと、下端から上端部41bに向かうに従い漸次、径方向の内側に向けて延びる下部41cと、を備え、これらの上端部41bと下部41cとが段差なく滑らかに連なっている。引き上げ突起41aの上端部41bの容器軸O方向の長さは、引き上げ突起41aの下部41cの容器軸O方向の長さより短くなっている。
【0063】
これにより、キャップ体10が、口部3に対して上昇移動する過程において、キャップ体10における引き上げ突起41aの上端部41bが、塗布栓9の被係合部26aを上方に乗り越えたときに、被係合部26aが、引き上げ突起41aの下部41cに摺接することとなる。したがって、引き上げ突起41aが被係合部26aを上方に乗り越えたときに、塗布栓9に及ぼされる下方に向けた弾性反発力を抑えることができる。
【0064】
当接部40の上面と、本体筒34の天壁の下面と、の間には容器軸O方向の隙間が設けられている。この隙間に、当接部40の上面、および本体筒34の天壁の下面に当接した弾性部42が配設されている。当接部40、引き上げ筒41、および弾性部42は一体に形成されている。なお、弾性部42は、本体筒34と一体に形成されてもよい。
図9に示されるように、弾性部42は、周方向に間隔をあけて複数配置された弾性板42aを備えている。弾性板42aは、上面視で周方向に長い長方形状を呈する。弾性板42aは、上方に向かうに従い漸次、周方向の一方側に向けて延びている。図示の例では、弾性板42aは、下方から上方に向かうに従い漸次、周方向のうち、キャップ体10の口部3に対する締め込み側から緩み側に向けて延びている。複数の弾性板42aの全てが、上下方向に対して同じ向きに傾斜している。
【0065】
本実施形態による塗布容器52によれば、当接部40が本体筒34内に上方に向けて摺動自在に嵌合されていて、当接部40を雌ねじ部10aに対して容器軸O方向に離反させることが可能になっているので、本体筒34が、口部3に対して下方に大きく移動しても、当接部40を相対的に本体筒34に対して上昇させることが可能になり、前記第2実施形態と同様に、塗布栓9の変形を抑制することができる。
【0066】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0067】
例えば、塗布栓9の先端部26、または塗布栓9の全体を軟材質で形成したり、塗布栓9の先端部26を曲面状に形成したり、塗布栓9のうち、先端部26のみを軟材質からなる別部材としたり、塗布栓9のうち、先端部26のみが軟材質で形成されるように、塗布栓9をインサート成形で形成したりする等して、塗布栓9の塗布感触を、刺激が少なく快適で心地よい感触にすることも可能である。
【0068】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。