特許第6768602号(P6768602)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6768602
(24)【登録日】2020年9月25日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】圃場マップ生成システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20120101AFI20201005BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
   G06Q50/02
   A01B69/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-124607(P2017-124607)
(22)【出願日】2017年6月26日
(65)【公開番号】特開2019-8613(P2019-8613A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2019年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】北原 麻央
【審査官】 衣川 裕史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−102924(JP,A)
【文献】 特開2017−55735(JP,A)
【文献】 特開2017−104036(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/038184(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
A01B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場を走行しながら作業装置によって農作業を行う農作業機において、機体の稼働に関する情報である稼働情報、圃場に関する情報である圃場情報、作物に関する情報である作物情報のうち少なくとも1つの情報を取得データとして取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって前記取得データが取得されたときの前記農作業機の位置情報であるデータ取得位置情報を取得可能な位置情報取得部と、
前記データ取得位置情報と、前記作業装置における作業幅と、前記データ取得部による前記取得データの取得タイミングと、に基づいてポリゴンを構築するポリゴン構築部と、
前記ポリゴン構築部によって構築された各ポリゴンに、前記取得データを割り当てるデータ割当部と、
ポリゴンを集合させることにより、ポリゴンの集合体としての圃場ポリゴンマップを生成する圃場マップ生成部と、を備え、
前記位置情報取得部によって前記データ取得位置情報が取得されなかった場合、前記ポリゴン構築部は、前記データ取得位置情報が取得されなかったタイミングの前後のタイミングに対応するポリゴンに基づいて、前記データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応するポリゴンを補完構築し、且つ、前記データ割当部は、補完構築されたポリゴンに、前記データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応する前記取得データを割り当てる圃場マップ生成システム。
【請求項2】
前記ポリゴン構築部は、ポリゴンを補完構築する際、前記農作業機の走行経路において、前記データ取得位置情報が取得されなかったタイミングの前のタイミングに対応するポリゴンと、前記データ取得位置情報が取得されなかったタイミングの後のタイミングに対応するポリゴンと、の間に位置する1つまたは複数のポリゴンとして前記データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応するポリゴンを補完構築する請求項1に記載の圃場マップ生成システム。
【請求項3】
前記農作業機の車速を検知する車速検知部を備え、
前記データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続した場合、前記ポリゴン構築部は、前記連続する複数のタイミングのそれぞれに対応するように、連続する複数のポリゴンを補完構築すると共に、前記車速検知部によって検知された車速と、前記データ取得部による前記取得データの取得時間間隔とに基づいて、補完構築される各ポリゴンにおける前記農作業機の進行方向に沿う長さを決定する請求項1または2に記載の圃場マップ生成システム。
【請求項4】
前記データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続した場合、前記ポリゴン構築部は、前記連続する複数のタイミングに対応する1つのポリゴンを補完構築し、且つ、前記データ割当部は、前記連続する複数のタイミングに対応する複数の前記取得データが前記取得データの属性に応じて平均化または加算されることによって得られた値を、補完構築された1つのポリゴンに対して割り当てる請求項1または2に記載の圃場マップ生成システム。
【請求項5】
前記データ取得部の取得する前記取得データには、前記稼働情報として、前記作業装置が作業状態であるか非作業状態であるかを示す作業情報が含まれており、
前記データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続し、且つ、前記連続する複数のタイミングに前記作業装置が非作業状態であるタイミングが含まれている場合、前記ポリゴン構築部は、前記作業装置が非作業状態であるタイミングよりも前のタイミングに対しては、前記農作業機の進行方向で後側に位置するポリゴンの前側への延長線上に1つまたは複数のポリゴンを補完構築すると共に、前記作業装置が非作業状態であるタイミングよりも後のタイミングに対しては、前記農作業機の進行方向で前側に位置するポリゴンの後側への延長線上に1つまたは複数のポリゴンを補完構築する請求項1から4の何れか一項に記載の圃場マップ生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業機において取得されたデータに基づいてマップを生成する圃場マップ生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような圃場マップ生成システムとして、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。この圃場マップ生成システムにおいては、農作業機によって収穫作業が行われる前に、圃場が所定の大きさで分割される。これにより、圃場は、複数の微小区画に区切られる。
【0003】
この微小区画は、圃場を等距離間隔に区切るものである。そして、農作業機の位置情報と作物の収量等のデータとを同じタイミングで経時的に取得すると共に、取得したデータを、取得した位置情報に従って各微小区画に対応付けることにより、精度の良好な圃場マップを生成することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−67308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、農作業機の位置情報を取得するための機器に関する一時的なトラブル等により、農作業機の位置情報が一時的に取得できなくなることがある。そして、そのときに取得された作物の収量等のデータは、対応する位置情報が存在しないため、微小区画に対応付けることができなくなってしまう。そして、微小区画に対応付けられなかったデータは、生成される圃場マップに反映されない。
【0006】
これにより、生成される圃場マップの精度が低くなる。
【0007】
本発明の目的は、農作業機の位置情報が一時的に取得されなかった場合であっても、精度の良好な圃場マップを生成することができる圃場マップ生成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴は、
圃場を走行しながら作業装置によって農作業を行う農作業機において、機体の稼働に関する情報である稼働情報、圃場に関する情報である圃場情報、作物に関する情報である作物情報のうち少なくとも1つの情報を取得データとして取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって前記取得データが取得されたときの前記農作業機の位置情報であるデータ取得位置情報を取得可能な位置情報取得部と、
前記データ取得位置情報と、前記作業装置における作業幅と、前記データ取得部による前記取得データの取得タイミングと、に基づいてポリゴンを構築するポリゴン構築部と、
前記ポリゴン構築部によって構築された各ポリゴンに、前記取得データを割り当てるデータ割当部と、
ポリゴンを集合させることにより、ポリゴンの集合体としての圃場ポリゴンマップを生成する圃場マップ生成部と、を備え、
前記位置情報取得部によって前記データ取得位置情報が取得されなかった場合、前記ポリゴン構築部は、前記データ取得位置情報が取得されなかったタイミングの前後のタイミングに対応するポリゴンに基づいて、前記データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応するポリゴンを補完構築し、且つ、前記データ割当部は、補完構築されたポリゴンに、前記データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応する前記取得データを割り当てることにある。
【0009】
本発明であれば、データ取得位置情報と、作業装置における作業幅と、データ取得部による取得データの取得タイミングと、に基づいて、ポリゴン構築部によりポリゴンが構築されると共に、構築されたポリゴンに取得データが割り当てられる。
【0010】
そして、データ取得位置情報が取得されなかった場合、ポリゴン構築部は、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングの前後のタイミングに対応するポリゴンに基づいて、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応するポリゴンを補完構築する。データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応する取得データは、この補完構築されたポリゴンに割り当てられる。
【0011】
即ち、本発明において、取得データは、対応するデータ取得位置情報が存在しない場合であっても、ポリゴンに対応付けられる。これにより、対応するデータ取得位置情報が存在しない取得データも、生成される圃場マップに反映されることとなる。
【0012】
従って、本発明であれば、農作業機の位置情報が一時的に取得されなかった場合であっても、精度の良好な圃場マップを生成することができる。
【0013】
さらに、本発明において、
前記ポリゴン構築部は、ポリゴンを補完構築する際、前記農作業機の走行経路において、前記データ取得位置情報が取得されなかったタイミングの前のタイミングに対応するポリゴンと、前記データ取得位置情報が取得されなかったタイミングの後のタイミングに対応するポリゴンと、の間に位置する1つまたは複数のポリゴンとして前記データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応するポリゴンを補完構築すると好適である。
【0014】
データ取得位置情報が取得されなかった場合、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングにおける農作業機は、その前のタイミングで取得されたデータ取得位置情報によって示される圃場位置と、その後のタイミングで取得されたデータ取得位置情報によって示される圃場位置と、の間を走行経路に沿って走行していたものと考えられる。
【0015】
ここで、上記の構成によれば、補完構築されるポリゴンは、農作業機の走行経路において、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングの前後のタイミングに対応するポリゴンの間に補完構築される。そのため、補完構築されたポリゴンに対応する圃場位置と、実際に農作業機が位置していた圃場位置と、の間の誤差が小さくなりやすい。これにより、圃場マップの精度が良好となる。
【0016】
さらに、本発明において、
前記農作業機の車速を検知する車速検知部を備え、
前記データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続した場合、前記ポリゴン構築部は、前記連続する複数のタイミングのそれぞれに対応するように、連続する複数のポリゴンを補完構築すると共に、前記車速検知部によって検知された車速と、前記データ取得部による前記取得データの取得時間間隔とに基づいて、補完構築される各ポリゴンにおける前記農作業機の進行方向に沿う長さを決定すると好適である。
【0017】
この構成によれば、データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続した場合、ポリゴン構築部は、それらのタイミングのそれぞれに対応するように、連続する複数のポリゴンを補完構築する。
【0018】
従って、ポリゴン構築部が、連続する複数のタイミングに対応する1つのポリゴンを補完構築する場合に比べて、生成される圃場マップにおいて、データ取得位置情報が取得されなかった部分がより詳細になる。
【0019】
そのため、圃場において、データ取得位置情報が取得されなかった部分における取得データの分布を詳細に示す圃場マップを生成することが可能となる。
【0020】
さらに、本発明において、
前記データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続した場合、前記ポリゴン構築部は、前記連続する複数のタイミングに対応する1つのポリゴンを補完構築し、且つ、前記データ割当部は、前記連続する複数のタイミングに対応する複数の前記取得データが前記取得データの属性に応じて平均化または加算されることによって得られた値を、補完構築された1つのポリゴンに対して割り当てると好適である。
【0021】
データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続した場合に、それらのタイミングのそれぞれに対応するように、連続する複数のポリゴンが補完構築される構成においては、補完構築される各ポリゴンにおける農作業機の進行方向に沿う長さを決定する必要がある。
【0022】
例えば、農作業機の車速と、取得データの取得時間間隔と、に基づいて、補完構築される各ポリゴンにおける農作業機の進行方向に沿う長さを決定する場合には、圃場マップ生成システムは、農作業機の車速と、取得データの取得時間間隔と、を取得すると共に、補完構築される各ポリゴンにおける農作業機の進行方向に沿う長さを決定する構成を備えている必要がある。これにより、圃場マップ生成システムの構成が複雑になりがちである。
【0023】
ここで、上記の構成によれば、ポリゴン構築部は、連続する複数のタイミングに対応する1つのポリゴンを補完構築する。そのため、連続する複数のタイミングのそれぞれに対応するように、連続する複数のポリゴンが補完構築される構成に比べて、圃場マップ生成システムの構成をシンプルなものにすることが可能となる。
【0024】
さらに、本発明において、
前記データ取得部の取得する前記取得データには、前記稼働情報として、前記作業装置が作業状態であるか非作業状態であるかを示す作業情報が含まれており、
前記データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続し、且つ、前記連続する複数のタイミングに前記作業装置が非作業状態であるタイミングが含まれている場合、前記ポリゴン構築部は、前記作業装置が非作業状態であるタイミングよりも前のタイミングに対しては、前記農作業機の進行方向で後側に位置するポリゴンの前側への延長線上に1つまたは複数のポリゴンを補完構築すると共に、前記作業装置が非作業状態であるタイミングよりも後のタイミングに対しては、前記農作業機の進行方向で前側に位置するポリゴンの後側への延長線上に1つまたは複数のポリゴンを補完構築すると好適である。
【0025】
データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続し、且つ、それらのタイミングに作業装置が非作業状態であるタイミングが含まれている場合、作業装置が非作業状態であるタイミングよりも前のタイミングにおける農作業機は、農作業機の進行方向で後側に位置するポリゴンに対応する圃場位置から前側への延長線上を走行していたものと考えられる。また、作業装置が非作業状態であるタイミングよりも後のタイミングにおける農作業機は、農作業機の進行方向で前側に位置するポリゴンに対応する圃場位置から後側への延長線上を走行していたものと考えられる。
【0026】
ここで、上記の構成によれば、補完構築されるポリゴンは、作業装置が非作業状態であるタイミングよりも前のタイミングに対しては、農作業機の進行方向で後側に位置するポリゴンの前側への延長線上に補完構築されると共に、作業装置が非作業状態であるタイミングよりも後のタイミングに対しては、農作業機の進行方向で前側に位置するポリゴンの後側への延長線上に補完構築される。
【0027】
そのため、補完構築されたポリゴンに対応する圃場位置と、実際に農作業機が位置していた圃場位置と、の間の誤差が小さくなりやすい。これにより、圃場マップの精度が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】圃場マップ生成システムの全体図である。
図2】圃場マップ生成システムの構成を示すブロック図である。
図3】ポリゴンを示す図である。
図4】圃場ポリゴンマップを示す図である。
図5】ケースC1でのポリゴンの補完構築を示す図である。
図6】ケースC2でのポリゴンの補完構築を示す図である。
図7】ケースC3でのポリゴンの補完構築を示す図である。
図8】第1別実施形態におけるケースC4でのポリゴンの補完構築を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。
【0030】
〔圃場マップ生成システムの全体構成〕
図1に示すように、圃場マップ生成システムAは、種々の農作業機1と、管理サーバ2と、を備えている。種々の農作業機1と管理サーバ2とは、互いに通信可能に構成されている。また、作業者によって操作される操作端末3は、管理サーバ2と通信可能に構成されている。操作端末3は、例えば、農家等に設置されたパーソナルコンピュータで構成される。
【0031】
図1に示すように、種々の農作業機1には、コンバイン10、トラクタ4、田植機5が含まれている。尚、コンバイン10、トラクタ4、田植機5は、何れも、本発明に係る「農作業機」に相当する。
【0032】
コンバイン10は、刈取部10a(本発明に係る「作業装置」に相当)を有している。コンバイン10は、圃場を走行しながら刈取部10aによって収穫作業を行う。
【0033】
トラクタ4は、耕耘装置4a(本発明に係る「作業装置」に相当)を有している。トラクタ4は、圃場を走行しながら耕耘装置4aによって耕耘作業を行う。
【0034】
田植機5は、植付装置5a(本発明に係る「作業装置」に相当)を有している。田植機5は、圃場を走行しながら植付装置5aによって苗の植え付け作業を行う。
【0035】
〔コンバインの構成〕
図2では、種々の農作業機1の一例として、コンバイン10が示されている。図2に示すように、コンバイン10は、データ取得部11、位置情報取得部16、作業幅検出部17、車速検知部18を有している。また、データ取得部11には、収量測定部12、タンパク測定部13、作業状態検出部14、燃料測定部15が含まれている。
【0036】
収量測定部12は、コンバイン10によって収穫された作物の収量(本発明に係る「作物情報」に相当)を経時的に測定する。これにより、収量測定部12は、コンバイン10によって収穫された作物の収量を取得データとして経時的に取得する。
【0037】
また、タンパク測定部13は、コンバイン10によって収穫された作物のタンパク含有率(本発明に係る「作物情報」に相当)を経時的に測定する。これにより、タンパク測定部13は、コンバイン10によって収穫された作物のタンパク含有率を取得データとして経時的に取得する。
【0038】
また、作業状態検出部14は、刈取部10aが作業状態であるか非作業状態であるかを を検出する。これにより、作業状態検出部14は、刈取部10aが作業状態であるか非作業状態であるかを示す作業情報(本発明に係る「稼働情報」に相当)を取得データとして取得する。
【0039】
詳述すると、コンバイン10は、作業クラッチ(図示せず)を備えている。作業クラッチは、エンジン(図示せず)から刈取部10aへの動力伝達を入切するように構成されている。
【0040】
また、コンバイン10は、穀稈センサ(図示せず)を備えている。穀稈センサは、刈取部10aの前端部に設置されている。そして、穀稈センサは、穀稈の存否を検出する。
【0041】
また、コンバイン10は、刈取部高さセンサ(図示せず)を備えている。刈取部高さセンサは、刈取部10aの圃場面からの高さを検出する。
【0042】
そして、作業状態検出部14は、作業クラッチの入切状態と、穀稈センサによる検出結果と、刈取部高さセンサによる検出結果と、に基づいて、刈取部10aが作業状態であるか非作業状態であるかを検出する。
【0043】
作業状態検出部14は、作業クラッチが入状態であり、且つ、穀稈センサにより穀稈の存在が検知されており、且つ、刈取部10aの圃場面からの高さが一定高さ以下である場合、刈取部10aが作業状態であることを検出する。一方で、それ以外の場合には、作業状態検出部14は、刈取部10aが非作業状態であることを検出する。
【0044】
燃料測定部15は、コンバイン10の燃料消費量及び燃費を経時的に測定する。ここで、燃費とは、燃料の単位消費量当たりの走行距離である。尚、燃料消費量及び燃費は、何れも、本発明に係る「稼働情報」に相当する。これにより、燃料測定部15は、コンバイン10の燃料消費量及び燃費を取得データとして経時的に取得する。
【0045】
尚、データ取得部11は、圃場の土中水分及び肥沃度を取得データとして経時的に取得する圃場情報取得部を有していても良い。尚、圃場の土中水分及び肥沃度は、何れも、本発明に係る「圃場情報」に相当する。
【0046】
このように、圃場マップ生成システムAは、圃場を走行しながら刈取部10aによって農作業を行うコンバイン10において、機体の稼働に関する情報である稼働情報、圃場に関する情報である圃場情報、作物に関する情報である作物情報のうち少なくとも1つの情報を取得データとして取得するデータ取得部11を備えている。
【0047】
また、このように、データ取得部11の取得する取得データには、稼働情報として、刈取部10aが作業状態であるか非作業状態であるかを示す作業情報が含まれている。
【0048】
そして、データ取得部11により取得された取得データは、取得データの取得タイミングを示す情報と共に、管理サーバ2へ送られる。
【0049】
位置情報取得部16は、データ取得位置情報を取得可能に構成されている。ここで、データ取得位置情報とは、データ取得部11によって取得データが取得されたときのコンバイン10の位置情報である。位置情報取得部16は、例えば、GPSによって構成される。
【0050】
このように、圃場マップ生成システムAは、データ取得部11によって取得データが取得されたときのコンバイン10の位置情報であるデータ取得位置情報を取得可能な位置情報取得部16を備えている。
【0051】
作業幅検出部17は、刈取部10aにおける作業幅を検出する。
【0052】
詳述すると、圃場でのコンバイン10の収穫作業走行においては、刈取部10aにおける一部しか刈取作業を行っていないことがある。即ち、刈取部10aの左右幅と実際の作業幅とは、必ずしも一致しない。そこで、作業幅検出部17は、刈取部10aにおいて実際に刈取作業を行っている部分を検出することにより、刈取部10aにおける作業幅を検出する。
【0053】
車速検知部18は、コンバイン10の車速を検知するように構成されている。
【0054】
このように、圃場マップ生成システムAは、コンバイン10の車速を検知する車速検知部18を備えている。
【0055】
〔管理サーバの構成〕
管理サーバ2は、ポリゴン構築部21、データ割当部22、圃場マップ生成部23、圃場マップ格納部24を有している。
【0056】
位置情報取得部16により取得されたデータ取得位置情報は、ポリゴン構築部21へ送られる。また、作業幅検出部17により検出された刈取部10aにおける作業幅は、ポリゴン構築部21へ送られる。また、車速検知部18により検知されたコンバイン10の車速は、ポリゴン構築部21へ送られる。
【0057】
ポリゴン構築部21は、データ取得位置情報と、刈取部10aにおける作業幅と、データ取得部11による取得データの取得タイミングと、コンバイン10の車速と、に基づいてポリゴンを構築する。
【0058】
より具体的には、図3及び図4に示すように、ポリゴンは長方形状である。そして、各ポリゴンの幅Wは、刈取部10aにおける作業幅である。また、各ポリゴンの長さLは、コンバイン10の車速と取得データの取得時間間隔との積により算出される。尚、取得データの取得時間間隔は、データ取得部11による取得データの取得タイミングに基づいて算出される。
【0059】
また、図3及び図4に示すように、各ポリゴンは、データ取得位置情報に基づいて、圃場における各位置に対応して構築される。そして、データ取得位置情報は、上述の通り、データ取得部11によって取得データが取得されたときのコンバイン10の位置情報である。即ち、各ポリゴンは、取得データ毎に構築される。例えば、コンバイン10の走行に伴い、取得データが5回取得された場合、ポリゴン構築部21は、5つのポリゴンを構築する。
【0060】
このように、圃場マップ生成システムAは、データ取得位置情報と、刈取部10aにおける作業幅と、データ取得部11による取得データの取得タイミングと、に基づいてポリゴンを構築するポリゴン構築部21を備えている。
【0061】
以上の構成により、図3及び図4に示すように、既刈地H1の各位置に対応して、ポリゴンが順次構築されていく。既刈地H1は、圃場においてコンバイン10により収穫作業走行が行われた部分である。
【0062】
尚、本明細書における「ポリゴン」は、実際の圃場の上に形成されるものではなく、圃場の各位置に対応して構築される仮想的なものである。図3では、ポリゴンが、コンバイン10の収穫作業走行に伴って順次構築されていくことが示されている。
【0063】
ただし、本発明はこれに限定されない。圃場マップ生成システムAは、ポリゴンがコンバイン10の収穫作業走行に伴って順次構築されていくのではなく、コンバイン10の収穫作業走行が完了した後に、各ポリゴンが構築されるように構成されていても良い。
【0064】
また、図3において、収穫作業走行が行われていない部分は、未刈地H2として示されている。
【0065】
収量測定部12によって取得された作物の収量は、データ割当部22へ送られる。また、タンパク測定部13によって取得された作物のタンパク含有率は、データ割当部22へ送られる。また、作業状態検出部14によって取得された作業情報は、データ割当部22へ送られる。また、燃料測定部15によって取得されたコンバイン10の燃料消費量及び燃費は、データ割当部22へ送られる。
【0066】
データ割当部22は、ポリゴン構築部21によって構築された各ポリゴンに、データ取得部11から受け取った各取得データを割り当てる。各取得データには、収量測定部12によって取得された作物の収量、タンパク測定部13によって取得された作物のタンパク含有率、作業状態検出部14によって取得された作業情報、燃料測定部15によって取得されたコンバイン10の燃料消費量及び燃費が含まれている。
【0067】
尚、この割り当てについて詳述すると、データ取得部11により取得された取得データには、取得された順番に応じたナンバーが付与される。そして、ポリゴン構築部21により構築されたポリゴンには、構築された順番に応じたナンバーが付与される。そして、ポリゴンには、そのポリゴンと同一のナンバーが付与された取得データが割り当てられる。
【0068】
このように、圃場マップ生成システムAは、ポリゴン構築部21によって構築された各ポリゴンに、取得データを割り当てるデータ割当部22を備えている。
【0069】
圃場マップ生成部23は、図4に示すように、ポリゴンを集合させることにより、ポリゴンの集合体としての圃場ポリゴンマップを生成する。生成された圃場ポリゴンマップは、圃場マップ格納部24に格納される。
【0070】
このように、圃場マップ生成システムAは、ポリゴンを集合させることにより、ポリゴンの集合体としての圃場ポリゴンマップを生成する圃場マップ生成部23を備えている。
【0071】
作業者は、操作端末3を介して、管理サーバ2にアクセスすることにより、圃場ポリゴンマップを見ることができる。上述の通り、ポリゴンには、取得データが割り当てられている。従って、作業者は、圃場ポリゴンマップを見ることにより、圃場における取得データの分布を知ることができる。例えば、作業者は、圃場ポリゴンマップを見ることにより、圃場における作物の収量の分布を知ることができる。
【0072】
〔ポリゴンの補完構築について〕
コンバイン10の収穫作業走行においては、位置情報取得部16における一時的なトラブル等により、データ取得位置情報が一時的に取得されない場合がある。そこで、ポリゴン構築部21は、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応するポリゴンを補完構築するように構成されている。
【0073】
以下では、ポリゴンが補完構築される場合として、ケースC1からC3を例に挙げて説明する。
【0074】
〔ケースC1〕
図5では、ケースC1における取得タイミングと、データ取得位置情報と、取得データと、刈取部10aにおける作業幅と、コンバイン10の車速と、が示されている。このケースC1では、図5に示すように、コンバイン10が走行経路Tに沿って走行すると共に、取得タイミングt1からt5において、取得データが取得されている。
【0075】
そして、取得データには、作物の収量と、作物のタンパク含有率と、作業情報と、が含まれている。尚、図5では省略しているが、取得データには、コンバイン10の燃料消費量及び燃費も含まれている。
【0076】
このケースC1では、取得タイミングt1、t2、t4、t5においては、データ取得位置情報が取得されている。そして、図5における左下に示すように、取得タイミングt1、t2、t4、t5に対応するポリゴンとして、ポリゴンPg1、Pg2、Pg4、Pg5が構築されている。
【0077】
例えば、取得タイミングt1においては、位置G1を示すデータ取得位置情報が取得されている。そして、位置G1に対応して、ポリゴンPg1が構築されている。
【0078】
そして、ポリゴンPg1、Pg2、Pg4、Pg5には、それぞれ、取得タイミングt1、t2、t4、t5に対応する取得データが割り当てられている。
【0079】
例えば、ポリゴンPg1には、作物の収量W1が割り当てられており、また、タンパク含有率Q1が割り当てられている。
【0080】
しかしながら、取得タイミングt3においては、データ取得位置情報が取得されていない。そのため、図5における左下に示すように、ポリゴンPg2とポリゴンPg4との間には、ポリゴンが構築されていない。
【0081】
このような場合、ポリゴン構築部21は、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングの前後のタイミングに対応するポリゴンに基づいて、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応するポリゴンを補完構築する。
【0082】
そして、データ割当部22は、補完構築されたポリゴンに、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応する取得データを割り当てる。
【0083】
即ち、このケースC1では、図5における右下に示すように、ポリゴン構築部21は、ポリゴンPg2及びポリゴンPg4に基づいて、取得タイミングt3に対応するポリゴンPg3を補完構築する。このとき、ポリゴン構築部21は、走行経路Tにおいて、ポリゴンPg2とポリゴンPg4との間に、ポリゴンPg3を補完構築する。
【0084】
そして、データ割当部22は、補完構築されたポリゴンPg3に、取得タイミングt3に対応する取得データを割り当てる。
【0085】
即ち、図5に示すように、ポリゴンPg3には、作物の収量W3及びタンパク含有率Q3が割り当てられる。また、取得タイミングt3に対応するその他の取得データも、ポリゴンPg3に割り当てられる。
【0086】
このように、位置情報取得部16によってデータ取得位置情報が取得されなかった場合、ポリゴン構築部21は、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングの前後のタイミングに対応するポリゴンに基づいて、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応するポリゴンを補完構築し、且つ、データ割当部22は、補完構築されたポリゴンに、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応する取得データを割り当てる。
【0087】
〔ケースC2〕
図6では、ケースC2における取得タイミングと、データ取得位置情報と、取得データと、刈取部10aにおける作業幅と、コンバイン10の車速と、が示されている。このケースC2では、図6に示すように、コンバイン10が走行経路Tに沿って走行すると共に、取得タイミングt6からt11において、取得データが取得されている。
【0088】
そして、ケースC1と同様に、取得データには、作物の収量と、作物のタンパク含有率と、作業情報と、が含まれている。尚、図6では省略しているが、取得データには、コンバイン10の燃料消費量及び燃費も含まれている。
【0089】
このケースC2では、取得タイミングt6、t7、t10、t11においては、データ取得位置情報が取得されている。そして、図6における左下に示すように、取得タイミングt6、t7、t10、t11に対応するポリゴンとして、ポリゴンPg6、Pg7、Pg10、Pg11が構築されている。
【0090】
例えば、取得タイミングt6においては、位置G6を示すデータ取得位置情報が取得されている。そして、位置G6に対応して、ポリゴンPg6が構築されている。
【0091】
そして、ポリゴンPg6、Pg7、Pg10、Pg11には、それぞれ、取得タイミングt6、t7、t10、t11に対応する取得データが割り当てられている。
【0092】
例えば、ポリゴンPg6には、作物の収量W6が割り当てられており、また、タンパク含有率Q6が割り当てられている。
【0093】
しかしながら、取得タイミングt8、t9においては、データ取得位置情報が取得されていない。そのため、図6における左下に示すように、ポリゴンPg7とポリゴンPg10との間には、ポリゴンが構築されていない。
【0094】
このように、データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続した場合、ポリゴン構築部21は、連続する複数のタイミングのそれぞれに対応するように、連続する複数のポリゴンを補完構築する。
【0095】
また、このとき、ポリゴン構築部21は、車速検知部18によって検知された車速と、データ取得部11による取得データの取得時間間隔とに基づいて、補完構築される各ポリゴンにおけるコンバイン10の進行方向に沿う長さを決定する。
【0096】
そして、データ割当部22は、補完構築されたポリゴンに、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応する取得データを割り当てる。
【0097】
即ち、このケースC2では、図6における右下に示すように、ポリゴン構築部21は、ポリゴンPg7及びポリゴンPg10に基づいて、取得タイミングt8、t9のそれぞれに対応するように、連続する2つのポリゴンPg8、Pg9を補完構築する。このとき、ポリゴン構築部21は、走行経路Tにおいて、ポリゴンPg7とポリゴンPg10との間に、ポリゴンPg8、Pg9を補完構築する。
【0098】
また、このとき、ポリゴン構築部21は、補完構築されるポリゴンPg8、Pg9におけるコンバイン10の進行方向に沿う長さを算出し、決定する。尚、コンバイン10の進行方向は、図6に矢印で示されている。
【0099】
ポリゴンPg8におけるコンバイン10の進行方向に沿う長さLp8は、取得タイミングt8に対応する車速V8と、取得タイミングt7からt8までの時間間隔と、の積により算出される。
【0100】
即ち、
Lp8=V8×(t8−t7)
となる。
【0101】
また、ポリゴンPg9におけるコンバイン10の進行方向に沿う長さLp9は、取得タイミングt9に対応する車速V9と、取得タイミングt8からt9までの時間間隔と、の積により算出される。
【0102】
即ち、
Lp9=V9×(t9−t8)
となる。
【0103】
そして、データ割当部22は、補完構築されたポリゴンPg8、Pg9に、それぞれ、取得タイミングt8、t9に対応する取得データを割り当てる。
【0104】
即ち、図6に示すように、ポリゴンPg8には、作物の収量W8及びタンパク含有率Q8が割り当てられる。また、取得タイミングt8に対応するその他の取得データも、ポリゴンPg8に割り当てられる。
【0105】
また、ポリゴンPg9には、作物の収量W9及びタンパク含有率Q9が割り当てられる。また、取得タイミングt9に対応するその他の取得データも、ポリゴンPg9に割り当てられる。
【0106】
このように、データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続した場合、ポリゴン構築部21は、連続する複数のタイミングのそれぞれに対応するように、連続する複数のポリゴンを補完構築すると共に、車速検知部18によって検知された車速と、データ取得部11による取得データの取得時間間隔とに基づいて、補完構築される各ポリゴンにおけるコンバイン10の進行方向に沿う長さを決定する。
【0107】
また、このように、ポリゴン構築部21は、ポリゴンを補完構築する際、コンバイン10の走行経路Tにおいて、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングの前のタイミングに対応するポリゴンと、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングの後のタイミングに対応するポリゴンと、の間に位置する1つまたは複数のポリゴンとしてデータ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応するポリゴンを補完構築する。
【0108】
〔ケースC3〕
図7では、ケースC3における取得タイミングと、データ取得位置情報と、取得データと、刈取部10aにおける作業幅と、コンバイン10の車速と、が示されている。
【0109】
そして、ケースC1と同様に、取得データには、作物の収量と、作物のタンパク含有率と、作業情報と、が含まれている。尚、図7では省略しているが、取得データには、コンバイン10の燃料消費量及び燃費も含まれている。
【0110】
このケースC3では、図7における左下に示すように、コンバイン10は、刈取部10aを作業状態としたままで、未刈地H2を直進走行して、既刈地H1と未刈地H2との境界線Eに到達する。境界線Eに到達すると、刈取部10aが作業状態から非作業状態へ切り替えられると共に、コンバイン10は、既刈地H1に進入しながら旋回走行し、再び境界線Eに到達する。その後、刈取部10aが非作業状態から作業状態へ切り替えられると共に、コンバイン10は、未刈地H2に進入し、直進走行を再開する。
【0111】
これにより、取得タイミングt18からt22、t26からt30においては、コンバイン10は未刈地H2を直進走行しており、刈取部10aは作業状態である。また、取得タイミングt23からt25においては、コンバイン10は既刈地H1を旋回走行しており、刈取部10aは非作業状態である。
【0112】
即ち、このケースC3では、図7に示すように、コンバイン10が走行経路Tに沿って走行すると共に、取得タイミングt18からt22、t26からt30において、取得データが取得されている。
【0113】
また、取得タイミングt23からt25においては、取得データのうち、作物の収量及びタンパク含有率は取得されていない。これは、取得タイミングt23からt25においては、刈取部10aが非作業状態であるためである。
【0114】
このケースC3では、取得タイミングt18、t19、t28、t29、t30においては、データ取得位置情報が取得されている。そして、図7における左下に示すように、取得タイミングt18、t19、t28、t29、t30に対応するポリゴンとして、ポリゴンPg18、Pg19、Pg28、Pg29、Pg30が構築されている。
【0115】
例えば、取得タイミングt18においては、位置G18を示すデータ取得位置情報が取得されている。そして、位置G18に対応して、ポリゴンPg18が構築されている。
【0116】
そして、ポリゴンPg18、Pg19、Pg28、Pg29、Pg30には、それぞれ、取得タイミングt18、t19、t28、t29、t30に対応する取得データが割り当てられている。
【0117】
例えば、ポリゴンPg18には、作物の収量W18が割り当てられており、また、タンパク含有率Q18が割り当てられている。
【0118】
しかしながら、取得タイミングt20からt27においては、データ取得位置情報が取得されていない。そのため、図7における左下に示すように、走行経路Tにおいて、ポリゴンPg19とポリゴンPg28との間には、ポリゴンが構築されていない。
【0119】
このように、データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続し、且つ、連続する複数のタイミングに刈取部10aが非作業状態であるタイミングが含まれている場合、ポリゴン構築部21は、連続する複数のタイミングのうち、刈取部10aが作業状態であるタイミングのそれぞれに対応するように、複数のポリゴンを補完構築する。
【0120】
このとき、ポリゴン構築部21は、刈取部10aが非作業状態であるタイミングよりも前のタイミングに対しては、コンバイン10の進行方向で後側に位置するポリゴンの前側への延長線上に1つまたは複数のポリゴンを補完構築する。
【0121】
また、ポリゴン構築部21は、刈取部10aが非作業状態であるタイミングよりも後のタイミングに対しては、コンバイン10の進行方向で前側に位置するポリゴンの後側への延長線上に1つまたは複数のポリゴンを補完構築する。
【0122】
そして、データ割当部22は、補完構築されたポリゴンに、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングのうち、刈取部10aが作業状態であるタイミングに対応する取得データを割り当てる。
【0123】
即ち、このケースC3では、図7における右下に示すように、ポリゴン構築部21は、ポリゴンPg19及びポリゴンPg28に基づいて、取得タイミングt20、t21、t22、t26、t27のそれぞれに対応するように、ポリゴンPg20、Pg21、Pg22、Pg26、Pg27を補完構築する。
【0124】
ここで、取得タイミングt23からt25は、刈取部10aが非作業状態であるタイミングである。また、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングの前後のタイミングに対応するポリゴンPg19及びPg28のうち、コンバイン10の進行方向で後側に位置するポリゴンはPg19であり、コンバイン10の進行方向で前側に位置するポリゴンはPg28である。
【0125】
従って、ポリゴン構築部21は、取得タイミングt23よりも前のタイミングに対しては、ポリゴンPg19の前側への延長線上にポリゴンを補完構築する。これにより、図7における右下に示すように、ポリゴンPg20、Pg21、Pg22が補完構築される。
【0126】
また、ポリゴン構築部21は、取得タイミングt25よりも後のタイミングに対しては、ポリゴンPg28の後側への延長線上にポリゴンを補完構築する。これにより、図7における右下に示すように、ポリゴンPg26、Pg27が補完構築される。
【0127】
そして、データ割当部22は、補完構築されたポリゴンPg20、Pg21、Pg22、Pg26、Pg27に、それぞれ、取得タイミングt20、t21、t22、t26、t27に対応する取得データを割り当てる。
【0128】
即ち、図7に示すように、ポリゴンPg20には、作物の収量W20及びタンパク含有率Q20が割り当てられる。また、取得タイミングt20に対応するその他の取得データも、ポリゴンPg20に割り当てられる。
【0129】
同様に、ポリゴンPg21、Pg22、Pg26、Pg27には、それぞれ、作物の収量W21、W22、W26、W27及びタンパク含有率Q21、Q22、Q26、Q27が割り当てられる。また、取得タイミングt21、t22、t26、t27に対応するその他の取得データも、それぞれ、ポリゴンPg21、Pg22、Pg26、Pg27に割り当てられる。
【0130】
尚、このケースC3では、取得タイミングt23からt25に対応するポリゴンは補完構築されていない。これは、刈取部10aが非作業状態であり、作物の収量及びタンパク含有率が取得されていないためである。
【0131】
しかしながら、本発明はこれに限定されず、ポリゴン構築部21は、刈取部10aが非作業状態であるタイミングに対応するポリゴンを補完構築するように構成されていても良い。この場合、データ割当部22は、補完構築された各ポリゴンに、刈取部10aが非作業状態であるタイミングに対応する取得データを割り当てるように構成されていても良い。
【0132】
また、このケースC3では、取得タイミングt23からt25は、刈取部10aが非作業状態である。そして、ポリゴン構築部21は、取得タイミングt23よりも前のタイミングに対しては、ポリゴンPg19の前側への延長線上に複数のポリゴンを補完構築している。また、ポリゴン構築部21は、取得タイミングt25よりも後のタイミングに対しては、ポリゴンPg28の後側への延長線上に複数のポリゴンを補完構築している。
【0133】
ここで、仮に、取得タイミングt21からt26において、刈取部10aが非作業状態であったならば、ポリゴン構築部21は、取得タイミングt20に対して、ポリゴンPg19の前側への延長線上に1つのポリゴンを補完構築し、また、取得タイミングt27に対して、ポリゴンPg28の後側への延長線上に1つのポリゴンを補完構築する。
【0134】
このように、データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続し、且つ、連続する複数のタイミングに刈取部10aが非作業状態であるタイミングが含まれている場合、ポリゴン構築部21は、刈取部10aが非作業状態であるタイミングよりも前のタイミングに対しては、コンバイン10の進行方向で後側に位置するポリゴンの前側への延長線上に1つまたは複数のポリゴンを補完構築すると共に、刈取部10aが非作業状態であるタイミングよりも後のタイミングに対しては、コンバイン10の進行方向で前側に位置するポリゴンの後側への延長線上に1つまたは複数のポリゴンを補完構築する。
【0135】
以上で説明した構成によれば、データ取得位置情報と、刈取部10aにおける作業幅と、データ取得部11による取得データの取得タイミングと、に基づいて、ポリゴン構築部21によりポリゴンが構築されると共に、構築されたポリゴンに取得データが割り当てられる。
【0136】
そして、データ取得位置情報が取得されなかった場合、ポリゴン構築部21は、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングの前後のタイミングに対応するポリゴンに基づいて、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応するポリゴンを補完構築する。データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応する取得データは、この補完構築されたポリゴンに割り当てられる。
【0137】
即ち、以上で説明した構成において、取得データは、対応するデータ取得位置情報が存在しない場合であっても、ポリゴンに対応付けられる。これにより、対応するデータ取得位置情報が存在しない取得データも、生成される圃場マップに反映されることとなる。
【0138】
従って、以上で説明した構成であれば、コンバイン10の位置情報が一時的に取得されなかった場合であっても、精度の良好な圃場マップを生成することができる。
【0139】
〔第1別実施形態〕
上記実施形態においては、図6に示すように、データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続した場合、ポリゴン構築部21は、連続する複数のタイミングのそれぞれに対応するように、連続する複数のポリゴンを補完構築する。
【0140】
しかしながら、本発明はこれに限定されない。以下では、本発明に係る第1別実施形態について、上記実施形態とは異なる点を中心に説明する。以下で説明している部分以外の構成は、上記実施形態と同様である。また、上記実施形態と同様の構成については、同じ符号を付している。
【0141】
本発明に係る第1別実施形態においては、データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続した場合、ポリゴン構築部21は、連続する複数のタイミングに対応する1つのポリゴンを補完構築する。
【0142】
そして、データ割当部22は、連続する複数のタイミングに対応する複数の取得データが取得データの属性に応じて平均化または加算されることによって得られた値を、補完構築された1つのポリゴンに対して割り当てる。
【0143】
以下では、本発明に係る第1別実施形態においてポリゴンが補完構築される場合として、ケースC4を例に挙げて説明する。
【0144】
〔ケースC4〕
図8では、ケースC4における取得タイミングと、データ取得位置情報と、取得データと、刈取部10aにおける作業幅と、コンバイン10の車速と、が示されている。このケースC4では、図8に示すように、コンバイン10が走行経路Tに沿って走行すると共に、取得タイミングt32からt37において、取得データが取得されている。
【0145】
そして、取得データには、作物の収量と、作物のタンパク含有率と、作業情報と、が含まれている。尚、図8では省略しているが、取得データには、コンバイン10の燃料消費量及び燃費も含まれている。
【0146】
このケースC4では、取得タイミングt32、t33、t36、t37においては、データ取得位置情報が取得されている。そして、図8における左下に示すように、取得タイミングt32、t33、t36、t37に対応するポリゴンとして、ポリゴンPg32、Pg33、Pg36、Pg37が構築されている。
【0147】
例えば、取得タイミングt32においては、位置G32を示すデータ取得位置情報が取得されている。そして、位置G32に対応して、ポリゴンPg32が構築されている。
【0148】
そして、ポリゴンPg32、Pg33、Pg36、Pg37には、それぞれ、取得タイミングt32、t33、t36、t37に対応する取得データが割り当てられている。
【0149】
例えば、ポリゴンPg32には、作物の収量W32が割り当てられており、また、タンパク含有率Q32が割り当てられている。
【0150】
しかしながら、取得タイミングt34、t35においては、データ取得位置情報が取得されていない。そのため、図8における左下に示すように、ポリゴンPg33とポリゴンPg36との間には、ポリゴンが構築されていない。
【0151】
このケースC4では、図8における右下に示すように、ポリゴン構築部21は、ポリゴンPg33及びポリゴンPg36に基づいて、取得タイミングt34、t35に対応する1つのポリゴンPg34を補完構築する。このとき、ポリゴン構築部21は、走行経路Tにおいて、ポリゴンPg33とポリゴンPg36との間に、ポリゴンPg34を補完構築する。
【0152】
そして、データ割当部22は、取得タイミングt34、t35に対応する取得データを、取得データの属性に応じて平均化または加算する。そして、この平均化または加算により得られた値を、補完構築されたポリゴンPg34に割り当てる。
【0153】
例えば、データ割当部22は、取得タイミングt34、t35に対応する作物の収量W34、W35を加算して得られた値を、補完構築されたポリゴンPg34に割り当てる。また、データ割当部22は、取得タイミングt34、t35に対応する作物のタンパク含有率Q34、Q35を平均化して得られた値を、補完構築されたポリゴンPg34に割り当てる。
【0154】
また、取得タイミングt34、t35に対応するその他の取得データも、取得データの属性に応じて平均化または加算され、ポリゴンPg34に割り当てられる。
【0155】
このように、データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続した場合、ポリゴン構築部21は、連続する複数のタイミングに対応する1つのポリゴンを補完構築し、且つ、データ割当部22は、連続する複数のタイミングに対応する複数の取得データが取得データの属性に応じて平均化または加算されることによって得られた値を、補完構築された1つのポリゴンに対して割り当てる。
【0156】
〔その他の実施形態〕
(1)圃場マップ生成部23により生成された圃場ポリゴンマップを、ポリゴンとは異なる複数の指標区画に区画された変換後マップに変換するマップ変換部が備えられていても良い。この場合、上記実施形態のように、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応するポリゴンが補完構築されていれば、各指標区画に対して、取得データを適宜割り当てることにより、精度の良好な変換後マップを生成することができる。しかしながら、データ取得位置情報が取得されなかったタイミングに対応するポリゴンが補完構築されない場合、生成される圃場ポリゴンマップには、ポリゴンの存在しない領域が含まれることとなる。そして、ポリゴンの存在しない領域を含む指標区画においては、割り当てられる取得データの精度が低くなってしまう。この場合は、ポリゴンの存在しない領域を含む指標区画と、ポリゴンの存在しない領域を含まない指標区画と、の表示状態を異ならせることにより、作業者は、各指標区画の信頼度を把握することができる。
【0157】
(2)データ取得部11により取得される取得データには、作物の水分値が含まれていても良いし、作物の食味が含まれていても良い。
【0158】
(3)データ取得部11により取得される取得データに、作業情報が含まれていなくても良い。
【0159】
(4)車速検知部18が設けられていない構成であっても良い。この構成においては、データ取得位置情報が取得されない状態が、連続する複数のタイミングに亘って継続した場合、ポリゴン構築部21が、連続する複数のタイミングのそれぞれに対応するように、連続する複数のポリゴンを補完構築すると共に、所定の車速と、データ取得部11による取得データの取得時間間隔とに基づいて、補完構築される各ポリゴンにおけるコンバイン10の進行方向に沿う長さを決定するように構成することができる。
【0160】
(5)作業幅検出部17が設けられていない構成であっても良い。この構成においては、刈取部10aの左右幅が作業幅として扱われるように構成することができる。
【0161】
(6)収量測定部12は設けられていなくても良い。
【0162】
(7)タンパク測定部13は設けられていなくても良い。
【0163】
(8)作業状態検出部14は設けられていなくても良い。
【0164】
(9)燃料測定部15は設けられていなくても良い。
【0165】
(10)ポリゴン構築部21、データ割当部22、圃場マップ生成部23、圃場マップ格納部24のうち、一部または全てがコンバイン10に備えられていても良い。
【0166】
(11)圃場マップ生成システムAは、トラクタ4において取得された取得データに基づいて圃場ポリゴンマップを生成するように構成されていても良い。この場合、ポリゴン構築部21が、データ取得位置情報と、耕耘装置4aにおける作業幅と、データ取得部11による取得データの取得タイミングと、に基づいてポリゴンを構築するように構成することができる。
【0167】
(12)圃場マップ生成システムAは、田植機5において取得された取得データに基づいて圃場ポリゴンマップを生成するように構成されていても良い。この場合、ポリゴン構築部21が、データ取得位置情報と、植付装置5aにおける作業幅と、データ取得部11による取得データの取得タイミングと、に基づいてポリゴンを構築するように構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明は、農作業機において取得されたデータに基づいてマップを生成する圃場マップ生成システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0169】
1 農作業機
4a 耕耘装置(作業装置)
5a 植付装置(作業装置)
10a 刈取部(作業装置)
11 データ取得部
16 位置情報取得部
18 車速検知部
21 ポリゴン構築部
22 データ割当部
23 圃場マップ生成部
A 圃場マップ生成システム
T 走行経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8