特許第6768657号(P6768657)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6768657
(24)【登録日】2020年9月25日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】連結負荷測定方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/12 20060101AFI20201005BHJP
   F16D 1/033 20060101ALI20201005BHJP
   F16D 1/00 20060101ALI20201005BHJP
   F01D 15/12 20060101ALI20201005BHJP
   F02C 7/36 20060101ALI20201005BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20201005BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
   G01L5/12
   F16D1/033
   F16D1/00 200
   F01D15/12
   F02C7/36
   F02C7/00 A
   F01D25/00 V
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-530344(P2017-530344)
(86)(22)【出願日】2015年11月26日
(65)【公表番号】特表2018-509592(P2018-509592A)
(43)【公表日】2018年4月5日
(86)【国際出願番号】EP2015077720
(87)【国際公開番号】WO2016091597
(87)【国際公開日】20160616
【審査請求日】2018年11月22日
(31)【優先権主張番号】CO2014A000042
(32)【優先日】2014年12月12日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】513243790
【氏名又は名称】ヌオーヴォ ピニォーネ ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】NUOVO PIGNONE S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】特許業務法人サカモト・アンド・パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】マラッツォ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】マルクッチ,ダニエーレ
(72)【発明者】
【氏名】シオンコリーニ,ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】ジェルビ,フィリッポ
【審査官】 續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 実公平07−040190(JP,Y2)
【文献】 特開平03−107740(JP,A)
【文献】 実開昭63−039648(JP,U)
【文献】 特開平02−201234(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/089742(WO,A2)
【文献】 特開平11−223567(JP,A)
【文献】 仏国特許発明第992191(FR,A)
【文献】 特開2013−029413(JP,A)
【文献】 特開2014−169864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 5/12
F01D 15/12
F01D 25/00
F02C 7/00
F02C 7/36
F16D 1/00
F16D 1/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブ(3)によって接続された第1の駆動シャフト(1)と第2の従動シャフト(2)との間の負荷を測定するための連結負荷測定方法であって、
前記ハブ(3)は、前記ハブ(3)と前記第1のシャフト(1)および/または前記第2のシャフト(2)とに連結された少なくとも1つの可撓性連結要素(5、6)によって、前記第1のシャフト(1)および前記第2のシャフト(2)の両方に連結され、
前記方法は、前記シャフト(1、2)の動作中に、前記ハブ(3)の第1のフランジ(31)と前記可撓性連結要素(5、6)の第2のフランジ(61)との間の基準距離に対する距離変化を測定する測定ステップと、前記負荷を計算するために前記測定された距離変化を使用するステップとを備え、前記負荷は、前記測定された距離の線形関数として計算される、方法。
【請求項2】
記負荷はF=K×Xとして計算され、ただし、式中、Fは、前記負荷であり、Xは、前記基準距離に対する前記測定された距離変化であり、Kは、前記ハブ(3)を前記第1の駆動シャフト(1)および前記第2の従動シャフト(2)のいずれか1つに連結するために1つの連結要素が設けられている場合、前記可撓性連結要素(5、6)の軸方向の剛性に等しく、前記ハブ(3)を前記第1の駆動シャフト(1)および前記第2の従動シャフト(2)のいずれか1つに連結するために1つ以上の連結要素が設けられている場合、前記可撓性連結要素(5、6)の軸方向の剛性の和に等しい係数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定ステップが、前記第1のフランジ(31)および前記第2のフランジ(61)に対して非接触で行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記非接触の測定ステップは、少なくとも、前記第1のフランジ(31)と第1の測定ポイント(73)との間の距離を測定することによって、また前記第2のフランジ(61)と第2の測定ポイント(74)との間の距離を測定することによって行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記測定ステップが、前記第1のフランジ(31)および前記第2のフランジ(61)の少なくとも2つの異なる測定領域(7’、7”)で行われる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記2つの測定領域(7’、7”)が、前記ハブ(3)の反対側に配置されている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記2つの測定領域(7’、7”)が、前記ハブ(3)の反対側、前記ハブ(3)の中心回転軸(38)に対して互いに180°の位置に配置されている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記測定ステップは、少なくとも1つの測定ステーション(7’、7”)によって実行され、
前記方法は、少なくとも前記測定ステーション(7’、7”)を冷却するステップをさらに備える、請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ハブ(3)によって接続された第1の駆動シャフト(1)と第2の従動シャフト(2)との間の負荷を測定するための連結負荷測定装置(100)であって、
前記ハブ(3)は、前記ハブ(3)と前記第1のシャフト(1)および/または前記第2のシャフト(2)とに連結された少なくとも1つの可撓性連結要素(5、6)によって、前記第1のシャフト(1)および前記第2のシャフト(2)の両方に連結され、
前記可撓性連結要素(5、6)は、少なくとも1つの弾性要素(52、62)を備え、
前記可撓性連結要素(5、6)の前記弾性要素(52、62)は、前記ハブ(3)と、前記第1のシャフト(1)または前記第2のシャフト(2)のいずれか1つとの両方に連結されて、2つの間でトルクを伝達し、
前記装置(100)は、
前記ハブ(3)の第1のフランジ(31)と、
前記可撓性連結要素(5、6)の第2のフランジ(61)であって、前記弾性要素(52、62)と連結されている、第2のフランジ(51、61)と、
前記第1のフランジ(31)と前記第2のフランジ(61)との間の基準距離に対する距離変化を測定するための、少なくとも1つの測定ステーション(7’、7”)と
を備え
前記装置(100)は、前記負荷を、前記測定された距離の線形関数として計算する手段をさらに備える、装置(100)。
【請求項10】
前記負荷はF=K×Xとして計算され、ただし、式中、Fは、前記負荷であり、Xは、前記基準距離に対する前記測定された距離変化であり、Kは、前記ハブ(3)を前記第1の駆動シャフト(1)および前記第2の従動シャフト(2)のいずれか1つに連結するために1つの連結要素が設けられている場合、前記可撓性連結要素(5、6)の軸方向の剛性に等しく、前記ハブ(3)を前記第1の駆動シャフト(1)および前記第2の従動シャフト(2)のいずれか1つに連結するために1つ以上の連結要素が設けられている場合、前記可撓性連結要素(5、6)の軸方向の剛性の和に等しい係数である、請求項9に記載の装置(100)。
【請求項11】
前記第2のフランジ(61)は、前記第2の従動シャフト(2)に連結された前記可撓性連結要素(6)のフランジ(61)である、請求項9または10に記載の装置(100)。
【請求項12】
前記測定ステーション(7’、7”)は、前記第1のフランジ(31)および前記第2のフランジ(61)の間の前記基準距離に対する距離変化を測定するための少なくとも1つのセンサ(71、72)を備える、請求項9乃至11のいずれか1項に記載の装置(100)。
【請求項13】
前記測定ステーション(7’、7”)は、各々が1つの測定先端部(73、74)を有する少なくとも2つのセンサ(71、72)を備え、
前記各センサ(71、72)の前記測定先端部(73、74)は、前記第1のフランジ(31)および前記第2のフランジ(61)のいずれか1つに対向し、前記各測定先端部(73、74)と相対的な前記第1のフランジ(31)または前記第2のフランジ(61)との間の距離を測定する、請求項12に記載の装置(100)。
【請求項14】
前記第1のフランジ(31)および前記第2のフランジ(61)の対応する測定領域に各々配置された2つの測定ステーション(7’、7”)を備える、請求項9乃至13のいずれか1項に記載の装置(100)。
【請求項15】
前記2つの測定ステーション(7’、7”)は、前記ハブ(3)の反対側に配置されている、請求項14に記載の装置(100)。
【請求項16】
前記2つの測定ステーション(7’、7”)は、前記ハブ(3)の反対側、前記ハブ(3)の中心回転軸(38)に対して互いに180°の位置に配置されている、請求項15に記載の装置(100)。
【請求項17】
請求項9乃至16のいずれか1項に記載の装置(100)であって、
前記測定ステーション(7’、7”)は、
前記少なくとも1つのセンサ(71、72)を支持するための支持部(9)と、
前記支持部(9)および/または前記少なくとも1つのセンサ(71、72)を冷却するための冷却装置と
をさらに備える、装置(100)。
【請求項18】
請求項17に記載の装置(100)であって、
前記支持部(9)は、前記各センサ(71、72)に少なくとも1つの温度センサ(15、16、17、18)をえる、装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題の実施形態は、連結負荷測定のための方法および装置に対応し、特にタービン分野に対応するが限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
機械分野において、機器の2つの回転シャフト(駆動および従動)が互いに連結される場合、機器自体の損傷を避けるために、2つの相対的な変位を補償する必要がある。
【0003】
駆動シャフト(またはその全体における駆動/従動機械)の一方(または両方)が可変(高い)作動温度を受け、一方のシャフトに熱膨張を引き起こす可能性があり、連結の駆動シャフトと従動シャフトとの間にそれぞれの空間変位をもたらす場合、この必要性はさらに感じられる。
【0004】
特に、理解され得るように、この必要性は、タービンシャフトをギアボックスまたは1つ(またはそれ以上)の圧縮機に連結することが通常の状況であるガスタービン分野において特に感じられる。
【0005】
タービン駆動シャフトとギアボックスまたは圧縮機の従動シャフトとを接続するために、可撓性要素を備えた可撓性連結を使用することが当該技術分野において知られている。
【0006】
具体的には、このような可撓性連結要素は、一方から他方へトルクを伝達し、異なるタイプのミスアライメント(半径または角度または両方)を補償し、いずれも他方に過大な推力を及ぼすことがないように、シャフトの軸方向変位を補償するために、2つの回転シャフト(駆動および従動)を接続する。
【0007】
すべての可撓性連結要素は、互いに平行な第1のフランジと第2のフランジとの間に介在する1つ以上の可撓性要素を備え、トルクは、連結ハブによって、各々がスペーサにボルトで固定されている可撓性要素に伝達され、2つのシャフトのミスアライメントを補償する。
【0008】
可撓性連結要素を使用することにより、2つのシャフトに作用する力が低減される。
【0009】
このような連結可撓性要素の使用とは別に、ガスタービン分野では、2つのシャフト間で伝達されるトルクを制御する方法が開発されており、トルクを測定することができる装置の例は、米国特許第7,784,364号明細書および米国特許出願公開第2012/0234107号明細書に記載されている。
【0010】
可撓性連結要素の使用およびトルク測定にもかかわらず、過負荷の場合には、従動シャフトのスラストベアリングに摩耗および最終的には損傷が依然として発生する可能性がある。
【0011】
したがって、スラストベアリングへの摩耗および損傷を低減するために、連結またはタービンまたはギアボックスまたは圧縮機に作用することができるように、従動シャフト(駆動シャフトも同様)の負荷を測定することが一般的に必要とされている。
【0012】
さらなる問題は、このような負荷測定を非常に正確に行うことができる方法および装置を提供することである。
【0013】
別のさらなる問題は、連結された機器(例えば、タービン/圧縮機)に干渉することなくこのような負荷測定を行うことができる方法および装置を提供することである。
【0014】
さらに別の追加の問題は、既に設置された機器(例えばタービン/圧縮機)においても、これらの機器を大幅に変更することなく、このような負荷測定を行うことができる方法および装置を提供することである。
【0015】
別の問題は、作動しているシャフトによって比較的高い温度に達することに起因する熱膨張に対して、感受性が強くないか、または感受性が限定された負荷測定を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/136335号明細書
【発明の概要】
【0017】
したがって、タービン/ユーザ連結の駆動シャフト/従動シャフトに生じている負荷を明確に識別するために、連結負荷測定のための改良された方法および装置が一般的に必要とされている。
【0018】
重要な考え方は、少なくとも1つの連結可撓性要素によって接続された第1の駆動シャフトと第2の従動シャフトとの間の軸方向負荷を、連結可撓性要素の少なくとも一部を測定装置の一部として用いて測定することであり、このような軸方向負荷は、駆動シャフト(例えば、タービンシャフト)と従動シャフト(すなわち、ユーザシャフト、例えば、例としてギアボックスシャフトまたは圧縮機シャフト)との間の軸方向変位の結果であるため、スラストベアリングの摩耗および損傷の主な原因である。
【0019】
これに関連して、別の重要な考え方は、回転シャフトまたは連結可撓性要素との干渉を回避するために、このような軸方向負荷測定を非接触式で行うことである。
【0020】
本明細書に開示される主題の第1の実施形態は、ハブによって接続された第1の駆動シャフトと第2の従動シャフトとの間の負荷を測定するための連結負荷測定方法に対応し、ハブは、ハブと第1のシャフトおよび/または第2のシャフトとに連結された少なくとも1つの可撓性連結要素によって、第1のシャフトおよび第2のシャフトの両方に連結され、方法は、少なくともシャフトの動作中に、ハブの第1のフランジと可撓性連結要素の第2のフランジとの間の基準距離に対する距離変化を測定するステップと、負荷を計算するために、測定された距離変化を使用するステップとを備える。
【0021】
本明細書に開示される主題の第2の実施形態は、ハブによって接続された第1の駆動シャフトと第2の従動シャフトとの間の負荷を測定するための連結負荷測定装置に対応し、ハブは、ハブと第1のシャフトおよび/または第2のシャフトとに連結された少なくとも1つの可撓性連結要素によって、第1のシャフトおよび第2のシャフトの両方に連結され、可撓性連結要素は、少なくとも1つの弾性要素、好ましくは複数の押し詰められた弾性ディスクを備え、可撓性連結要素の弾性要素は、ハブと、第1のシャフトまたは第2のシャフトのいずれか1つとの両方に連結されて、2つの間でトルクを伝達し、装置は、ハブの第1のフランジと可撓性連結要素の第2のフランジとを備え、第2のフランジは、弾性要素と、第1のシャフトと第2のシャフトとの間の基準距離に対する距離変化を測定するための少なくとも1つの測定ステーションとに連結されている。
【0022】
このようにして、少なくとも1つの可撓性連結要素を測定装置の一部として使用することによって、連結された第1のシャフトおよび第2のシャフト軸の軸方向負荷を測定することが可能であり、2つのフランジ間の距離が測定されると、シャフトに作用する軸方向の力(負荷)を測定することが可能になり、特に、シャフト間の連結(連結は第1の可撓性連結要素、第2の可撓性連結要素および接続ハブを備える)がばねシステムの挙動を有するという仮説の下では、非常に単純な数学的関係(フックの法則)を用いて、シャフトに作用する軸方向負荷を決定または測定することが可能になる。
【0023】
本明細書に組み込まれ本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の例示的な実施形態を示し、発明を実施するための形態と共に、これらの実施形態を説明する。図面の説明は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】連結負荷測定装置の例示的な実施形態の横断面図である。
図2図1の連結負荷測定装置の正面断面図である。
図3図1および図2の負荷測定装置の測定ステーションの異なる断面図である。
図4図1および図2の負荷測定装置の測定ステーションの異なる断面図である。
図5図1および図2の負荷測定装置の測定ステーションの異なる断面図である。
図6図1および図2の負荷測定装置の測定ステーションの異なる断面図である。
図7】熱電対を備えた先の図の測定ステーションのための支持部の正面図である。
図8】熱電対を備えた先の図の測定ステーションのための支持部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の例示的な実施形態の説明は、添付の図面を参照する。
【0026】
以下の説明は、本発明を限定するものではない。代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0027】
本明細書を通じて、「一実施形態」または「実施形態」は、実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、または特性が、開示された主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の様々な箇所における「一実施形態では」または「実施形態で」という表現の出現は、必ずしも同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0028】
連結負荷測定装置の一実施形態が図1図8に示され、全体として100で参照される。
【0029】
連結負荷測定装置100は、第1の駆動シャフト1と第2の従動シャフト2との間の負荷を測定するように機能する。
【0030】
駆動シャフト1は例えばタービンシャフトであり、従動シャフト2はギアボックスまたは圧縮機シャフトである。
【0031】
2つのシャフト1および2は、第1のシャフト1および第2のシャフト2の両方に連結された、ハブ3によって接続されている。
【0032】
ハブは、特定の設置に応じて、異なる形状を有することができ、例えば、添付の図面の例示的な実施形態のように、実質的に管状の形状を有することができる。
【0033】
第1のシャフト1および/または第2のシャフト2の間の連結は、少なくとも1つの可撓性連結要素を備える。
【0034】
このような可撓性連結要素5、6は、一方のシャフト1から他方のシャフト2へトルクを伝達すると同時に、異なるタイプのミスアライメント(半径または角度または両方)およびシャフトの軸方向変位も補償する。可撓性連結要素5、6は、当該技術分野において一般的に知られており、ここでは簡単な説明のみを以下に行う。
【0035】
図の例示的な実施形態では、2つの可撓性連結要素5、6が示され、1つの可撓性連結要素5は、ハブ3および駆動シャフト1に連結され、第2の可撓性連結要素6は、ハブ3および従動シャフト2に連結されている。
【0036】
他の実施形態では、ただ1つの可撓性連結要素5または6が設けられていることを理解されたい。この場合、2つのシャフト(1または2)の一方がハブに直接連結され、他方のシャフト(2または1)は、1つの可撓性連結要素5または6によってハブに連結される。
【0037】
例示的な実施形態では、すべての可撓性連結要素5、6は、ハブ3と、第1のシャフト1または第2のシャフト2のいずれか1つとに連結されて、動作中に2つの間でトルクを伝達する、少なくとも1つの弾性要素52、62を備える。
【0038】
好ましくは、弾性要素52、62は、押し詰められたディスクの中央領域および周辺領域でハブおよびシャフトに連結された、複数の押し詰められた弾性ディスクを備え、異なる原因(例えば、熱成長)に起因する、ハブおよびシャフト間の相互のミスアライメントを弾性的に補償できるようになっている。
【0039】
例示的な実施形態によれば、装置100は、ハブ3の第1のフランジ31と、可撓性連結要素6の第2のフランジ61とをさらに備える。
【0040】
この実施形態では、第2のフランジ61は、ハブ3を従動シャフト2に接続する可撓性連結要素6のフランジであるが、他の実施形態(図示せず)では、第2のフランジは、ハブ3を駆動シャフト1に接続する可撓性連結要素5のフランジ51であることに留意されたい。
【0041】
それにもかかわらず、第1のシャフトがタービンシャフトである場合、ハブ3を従動シャフト2に接続する、可撓性連結要素6の第2のフランジ61を使用することは、熱応力の低減に関するいくつかの利点を有する。
【0042】
第2のフランジ51、61は、弾性要素52、62と実質的に一緒に動くように、弾性要素52、62に連結されている。
【0043】
装置100は、さらに、第1のフランジと第2のフランジとの間の基準距離に対する距離変化を測定するための少なくとも1つの測定ステーション7’、7”を備える。
【0044】
例示的な実施形態では、以下に説明する理由により、測定ステーション7’、7”が2つ示されているが、1つの測定ステーション7’、7”のみを設けることができることを理解されたい。
【0045】
例示的な実施形態では、測定ステーション7’および/または7”は、第1のフランジと第2のフランジとの間の基準距離に対する距離変化を測定するための少なくとも1つのセンサ、好ましくは渦電流センサを備える。
【0046】
基準距離は、シャフトの非動作状態(回転速度がほぼゼロの時)における、第1フランジおよび第2フランジの間の測定された距離である。
【0047】
例示的な実施形態では、図3図5に示すように、各測定ステーション7’、7”は、各々が1つの測定先端部73、74を有する少なくとも2つのセンサ71、72を備え、各センサ71、72の各測定先端部73、74は、第1のフランジ31および第2のフランジ61のいずれか1つに対向し、各測定先端部と相対的な第1のフランジ31および第2のフランジ61との間の距離を測定し、特に基準距離に対する距離変化を測定する。
【0048】
センサは、シャフトの回転軸38に平行な方向で基準距離に対する距離または距離変化を測定するように、支持部9に取り付けられている。
【0049】
好ましくは、センサは非接触型であり、例えば光学式(レーザなど)または類似のものであり、より好ましくは、これらのセンサは渦電流式である。渦電流センサは当該技術分野において周知であり、ここでは詳細には説明しない。
【0050】
好ましくは、例示的な実施形態のように、2つの測定ステーション7’、7”が設けられ、さらに好ましくは、2つの測定ステーション7’、7”の各々は、第1のフランジ31および第2のフランジ61の対応する測定領域に配置されている。
【0051】
好ましくは、2つの測定ステーション7’、7”は、ハブ3の反対側に配置され、さらに好ましくは、図2で明確に見ることができるようにハブ3の中心回転軸38に対して互いに180°の位置にある。
【0052】
この特定の実施形態は、連結の2つの異なる領域を測定し、また、2つのステーション7’、7”で取得された異なる測定値を補償することを可能にする、追加の利点を有し、このような補償は2つの測定値間の平均値によって行うことができる。
【0053】
例示的な実施形態では、図3図5に示すように、測定ステーション7’、7”は、少なくとも1つのセンサ71、72、または添付の図面の好ましい実施形態のように2つ設けられている場合には両方のセンサ71、72を支持するための、支持部9をさらに備え、センサ71、72は、一方が第1のフランジに対向し、他方が第2のフランジに対向するように支持部9に取り付けられている。
【0054】
支持部9は、地面に固定するか、駆動シャフトまたは従動シャフトまたはハブの少なくとも1つを備える機器のケーシングに固定することができる。
【0055】
好ましくは、支持部9は、低熱成長係数材料で作られる。
【0056】
例示的な実施形態では、図3図5に示すように、測定ステーション7’、7”は、センサまたは支持部の熱膨張によって誘発される測定誤差を低減するために、支持部9および/または少なくとも1つのセンサ71、72を冷却するための冷却装置をさらに備える。
【0057】
示された好ましい実施形態では、冷却装置は、支持部9および/または少なくとも1つのセンサ71、72に空気流を送るための、少なくとも1つの空気ダクト11、12を備える。
【0058】
空気ダクト11、12は、図示されていない冷却空気配管、圧縮空気源または同様のもののような冷却空気の供給源に順番に作動的に接続される。
【0059】
代替的に、冷却装置は、空気とは異なる流体、例えばセンサ71、72および/または支持部を冷却するための液体冷却を用いて動作させることができることに留意されたい。
【0060】
さらに、図示されていない他の実施形態では、より良好な測定結果を得るために、測定表面または測定領域を洗浄するための洗浄装置を設けることができ、これらの洗浄装置は、センサが渦電流センサの代わりに光センサ、例えばレーザセンサである場合に、特に有用である。
【0061】
この場合、測定誤差を低減するために、測定領域をほこりからきれいに保つことが特に有用であり、これは、例えばこれらの領域に向けられた空気の流れなどの洗浄装置を使用して達成することができる。
【0062】
特定の実施形態では、洗浄装置は既に記載された冷却装置に組み込まれて、これは、センサまたは支持部に向かうだけでなく、フランジに向かっても空気流を供給することによって達成することができる。
【0063】
支持部またはセンサの熱膨張または熱成長は、測定の誤差を誘発する可能性があるため、測定誤差を制限するために、図7図8に示すように、好ましくは各センサに、少なくとも1つの温度センサを設けることが重要である。
【0064】
さらにより好ましくは、上記の図を参照して、非常に正確な測定を提供するために、各センサ71、72用の対になった温度センサ15、16および17、18が設けられている。
【0065】
図7および図8に示すように、各々対になったセンサ15、16および17、18は、相対的なセンサ71、72の反対側、好ましくは支持部9に固定された支持リング構造上にあり、各センサの周囲本体の周りに延在する。
【0066】
ここで本明細書に開示された連結負荷測定方法を参照すると、方法は上記で開示された本明細書の装置100によって使用され得ると言わなければならない。
【0067】
方法は、第1の駆動シャフト1と第2の従動シャフト2との間の負荷を測定すること、特にこれらのシャフト1、2間の軸方向負荷を測定することを提供する。
【0068】
上記の方法は、少なくとも、ハブ3の第1のフランジ31と可撓性連結要素5、6の第2のフランジ61との間の基準距離に対する距離変化を測定するステップを備え、この距離変化は、2つのシャフト1、2が回転動作する時に、動作状態で測定される。
【0069】
この方法は、負荷を計算するために、測定された距離変化を使用するステップをさらに備える。
【0070】
特に、負荷は、測定された距離の線形関数として計算される。
【0071】
さらに好ましくは、軸間の連結(連結は、第1のシャフトまたは第2のシャフトのいずれか1つ、および可撓性連結要素、および接続ハブを備える)が、ばねシステムの挙動を有するという仮説の下では、負荷をFとし、基準距離に対する測定された距離変化をXとすると、負荷はF=K*Xとして計算され、非常に単純な数学的関係(フックの法則)を用いて、シャフトに作用する軸方向負荷を決定または測定することが可能になる。
【0072】
特に、ハブ3を第1のシャフトおよび第2のシャフトのいずれか1つに連結するために、1つの連結要素が設けられている場合、Kは可撓性連結要素の軸方向の剛性と実質的に等しい係数である。
【0073】
ハブ3を第1のシャフト1および第2のシャフト2に連結するために、2つの連結要素が設けられている場合、Kは可撓性連結要素の軸方向の剛性の和に実質的に等しい係数である。
【0074】
本明細書に記載される好ましいが限定されない実施形態では、測定ステップは、第1のフランジ31および第2のフランジ61に対して非接触で行われる。
【0075】
非接触測定により、測定センサとの間の摩耗を回避し、より良い測定を行うことができ、このことは、駆動シャフトがタービンシャフトである場合、動作時に回転スピードが特に速いため、特に有用である。
【0076】
好ましくは、非接触測定は、渦電流センサによって行われる。
【0077】
さらに好ましくは、動作時に、非接触測定のステップは、少なくとも、第1のフランジ31と第1の測定ポイント73との間の距離を測定することによって、また第2のフランジ61と第2の測定ポイント74との間の距離を測定することによって行われる。
【0078】
測定の誤差を低減するために、第1のフランジ31および第2のフランジ61には少なくとも2つの異なる測定領域7’、7”が設けられる。
【0079】
好ましくは、2つの測定領域は、ハブ3の反対側にあり、さらに好ましくは、ハブ3の中心回転軸38に対して互いに180°の位置にある。
【0080】
測定ステップは、少なくとも1つの測定ステーション7’、7”によって実行され、方法は、少なくとも測定ステーション7’、7”、好ましくは少なくともセンサを冷却するステップをさらに提供する。
【0081】
冷却ステップは、少なくとも、測定センサに向けられた空気流によって行われることが好ましく、空気流は、少なくともセンサを冷却するように、測定ステーションの温度よりも低い温度を有する。
1 駆動シャフト
2 従動シャフト
3 ハブ
5 可撓性連結要素
6 可撓性連結要素
7’、7” 測定ステーション
9 支持部
11 空気ダクト
12 空気ダクト
15 温度センサ
16 温度センサ
17 温度センサ
18 温度センサ
31 第1のフランジ
38 中心回転軸
51 第2のフランジ
52 弾性要素
61 第2のフランジ
62 弾性要素
71 センサ
72 センサ
73 測定先端部
74 測定先端部
100 連結負荷測定装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8