(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カード搬送機構は、前記カードの搬送方向において前記搬送ローラと間隔をあけた状態で配置されるとともに前記カードに接触して前記カードを搬送する第2搬送ローラと、前記モータの動力を減速して前記第2搬送ローラに伝達する第2動力伝達機構とを備え、
前記モータの出力軸は、前記カードの搬送方向において前記動力伝達機構と前記第2動力伝達機構との間に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカードリーダ。
前記第2動力伝達機構は、第5大歯車部と前記第5大歯車部よりもピッチ円径が小さくかつ前記第5大歯車部と同軸上に配置される第5小歯車部とを有する第5歯車と、前記第5小歯車部よりもピッチ円径が大きくかつ前記第5小歯車部と噛み合う第6大歯車部と前記第6大歯車部よりもピッチ円径が小さくかつ前記第6大歯車部と同軸上に配置される第6小歯車部とを有する第6歯車と、前記第6小歯車部よりもピッチ円径が大きくかつ前記第6小歯車部と噛み合う第7大歯車部と前記第7大歯車部よりもピッチ円径が小さくかつ前記第7大歯車部と同軸上に配置される第7小歯車部とを有する第7歯車と、前記第7小歯車部よりもピッチ円径が大きくかつ前記第7小歯車部と噛み合う第8大歯車部と前記第8大歯車部よりもピッチ円径が小さくかつ前記第8大歯車部と同軸上に配置される第8小歯車部とを有する第8歯車と、前記第5歯車および前記第7歯車を回転可能に支持する第3支持軸と、前記第6歯車および前記第8歯車を回転可能に支持する第4支持軸とを備え、
前記第3支持軸は、前記第3支持軸の軸方向と前記第1方向とが一致するように配置され、前記第4支持軸は、前記第4支持軸の軸方向と前記第1方向とが一致するように配置され、
前記第5歯車と前記第7歯車とは、前記第3支持軸の軸方向で重なるように配置され、前記第6歯車と前記第8歯車とは、前記第4支持軸の軸方向で重なるように配置されていることを特徴とする請求項4記載のカードリーダ。
前記第1歯車と前記第2歯車と前記第3歯車と前記第4歯車と前記第5歯車と前記第6歯車と前記第7歯車と前記第8歯車とは、同形状に形成されていることを特徴とする請求項5記載のカードリーダ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のカードリーダを小型化するためには、カード搬送機構のモータとして、小型のモータを使用すれば良い。一方で、小型のモータを使用すると、モータのトルクが小さくなって、カードの搬送力が低下するおそれがある。モータのトルクが小さくなっても、モータと搬送ローラとの間の減速比を大きくすれば、カードの搬送力の低下を抑制することが可能である。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のカードリーダにおいて、モータと搬送ローラとの間の減速比を大きくするためには、複数の減速歯車をカードの搬送方向に配列しなければならない。そのため、このカードリーダにおいて、モータと搬送ローラとの間の減速比を大きくすると、カードの搬送方向においてカードリーダが大型化する。なお、特許文献1に記載のカードリーダにおいて、減速歯車の大歯車部のピッチ円径を大きくして減速歯車間の減速比を大きくすることで、モータと搬送ローラとの間の減速比を大きくすることも可能であるが、この場合には、大歯車部のピッチ円径が大きくなるため、カードの搬送方向においてカードリーダが大型化するとともに、カード搬送路で搬送されるカードの厚さ方向においてもカードリーダが大型化するおそれがある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、カード搬送機構を構成するモータとカードの搬送ローラとの間の減速比を大きくしても、カード搬送路で搬送されるカードの搬送方向において小型化することが可能なカードリーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダは、カードが搬送されるカード搬送路と、カード搬送路でカードを搬送するカード搬送機構とを備え、カード搬送機構は、駆動源となるモータと、カードに接触してカードを搬送する搬送ローラと、モータの動力を減速して搬送ローラに伝達する動力伝達機構とを備え、動力伝達機構は、第1大歯車部と第1大歯車部よりもピッチ円径が小さくかつ第1大歯車部と同軸上に配置される第1小歯車部とを有する第1歯車と、第1小歯車部よりもピッチ円径が大きくかつ第1小歯車部と噛み合う第2大歯車部と第2大歯車部よりもピッチ円径が小さくかつ第2大歯車部と同軸上に配置される第2小歯車部とを有する第2歯車と、第2小歯車部よりもピッチ円径が大きくかつ第2小歯車部と噛み合う第3大歯車部と第3大歯車部よりもピッチ円径が小さくかつ第3大歯車部と同軸上に配置される第3小歯車部とを有する第3歯車と、第3小歯車部よりもピッチ円径が大きくかつ第3小歯車部と噛み合う第4大歯車部と第4大歯車部よりもピッチ円径が小さくかつ第4大歯車部と同軸上に配置される第4小歯車部とを有する第4歯車と、第1歯車および第3歯車を回転可能に支持する第1支持軸と、第2歯車および第4歯車を回転可能に支持する第2支持軸とを備え、カード搬送路で搬送されるカードの厚さ方向とカードの搬送方向とに直交する方向を第1方向とすると、第1支持軸は、第1支持軸の軸方向と第1方向とが一致するように配置され、第2支持軸は、第2支持軸の軸方向と第1方向とが一致するように配置され、第1歯車と第3歯車とは、第1支持軸の軸方向で重なるように配置され、第2歯車と第4歯車とは、第2支持軸の軸方向で重なるように配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明のカードリーダでは、カード搬送路で搬送されるカードの厚さ方向とカードの搬送方向とに直交する方向を第1方向とすると、第1支持軸は、第1支持軸の軸方向と第1方向とが一致するように配置され、第2支持軸は、第2支持軸の軸方向と第1方向とが一致するように配置され、第1歯車と第3歯車とは、第1支持軸の軸方向で重なるように第1支持軸に回転可能に支持され、第2歯車と第4歯車とは、第2支持軸の軸方向で重なるよう第2支持軸に回転可能に支持されている。そのため、本発明では、カードの搬送方向に配列される減速用の歯車の支持軸の数を少なくしても、動力伝達機構を構成する減速用の歯車の数を少なくとも4個にすることが可能になる。すなわち、本発明では、カードの搬送方向に配列される減速用の歯車の支持軸の数を少なくしても、動力伝達機構を構成する減速用の歯車の数を増やすことが可能になる。また、本発明では、減速用の歯車の数を増やすことが可能になるため、第1大歯車部、第2大歯車部、第3大歯車部および第4大歯車部のピッチ円径を小さくしても、モータと搬送ローラとの間の減速比を大きくすることが可能になる。
【0009】
このように本発明では、カードの搬送方向に配列される減速用の歯車の支持軸の数を少なくしても、また、第1大歯車部、第2大歯車部、第3大歯車部および第4大歯車部のピッチ円径を小さくしても、モータと搬送ローラとの間の減速比を大きくすることが可能になる。したがって、本発明では、モータと搬送ローラとの間の減速比を大きくしても、カードの搬送方向においてカードリーダを小型化することが可能になる。
【0010】
本発明において、第1歯車と第2歯車と第3歯車と第4歯車とは、同形状に形成されていることが好ましい。このように構成すると、第1歯車と第2歯車と第3歯車と第4歯車とが共通の部品になるため、第1歯車、第2歯車、第3歯車および第4歯車の製造コストを低減することが可能になるとともに、第1歯車、第2歯車、第3歯車および第4歯車の部品管理が容易になる。
【0011】
本発明において、カード搬送機構は、モータの出力軸に固定される入力側歯車を備え、動力伝達機構は、入力側歯車と噛み合うとともに第1大歯車部と噛み合う第1遊び歯車を備えることが好ましい。このように構成すると、第1遊び歯車を用いてカードの搬送方向におけるモータの配置位置を調整することが可能になるため、カードの搬送方向において、モータの配置位置の自由度を高めることが可能になる。
【0012】
本発明において、カード搬送機構は、カードの搬送方向において搬送ローラと間隔をあけた状態で配置されるとともにカードに接触してカードを搬送する第2搬送ローラと、モータの動力を減速して第2搬送ローラに伝達する第2動力伝達機構とを備え、モータの出力軸は、カードの搬送方向において動力伝達機構と第2動力伝達機構との間に配置されていることが好ましい。このように構成すると、カード搬送機構が、搬送ローラおよび動力伝達機構に加えて、第2搬送ローラと第2動力伝達機構とを備えていても、カードの搬送方向においてカードリーダを小型化することが可能になる。
【0013】
本発明において、第2動力伝達機構は、第5大歯車部と第5大歯車部よりもピッチ円径が小さくかつ第5大歯車部と同軸上に配置される第5小歯車部とを有する第5歯車と、第5小歯車部よりもピッチ円径が大きくかつ第5小歯車部と噛み合う第6大歯車部と第6大歯車部よりもピッチ円径が小さくかつ第6大歯車部と同軸上に配置される第6小歯車部とを有する第6歯車と、第6小歯車部よりもピッチ円径が大きくかつ第6小歯車部と噛み合う第7大歯車部と第7大歯車部よりもピッチ円径が小さくかつ第7大歯車部と同軸上に配置される第7小歯車部とを有する第7歯車と、第7小歯車部よりもピッチ円径が大きくかつ第7小歯車部と噛み合う第8大歯車部と第8大歯車部よりもピッチ円径が小さくかつ第8大歯車部と同軸上に配置される第8小歯車部とを有する第8歯車と、第5歯車および第7歯車を回転可能に支持する第3支持軸と、第6歯車および第8歯車を回転可能に支持する第4支持軸とを備え、第3支持軸は、第3支持軸の軸方向と第1方向とが一致するように配置され、第4支持軸は、第4支持軸の軸方向と第1方向とが一致するように配置され、第5歯車と第7歯車とは、第3支持軸の軸方向で重なるように配置され、第6歯車と第8歯車とは、第4支持軸の軸方向で重なるように配置されていることが好ましい。
【0014】
このように構成すると、カードの搬送方向に配列される減速用の歯車の支持軸の数を少なくしても、第2動力伝達機構を構成する減速用の歯車の数を少なくとも4個にすることが可能になる。すなわち、カードの搬送方向に配列される減速用の歯車の支持軸の数を少なくしても、第2動力伝達機構を構成する減速用の歯車の数を増やすことが可能になる。また、第2動力伝達機構を構成する減速用の歯車の数を増やすことが可能になるため、第5大歯車部、第6大歯車部、第7大歯車部および第8大歯車部のピッチ円径を小さくしても、モータと第2搬送ローラとの間の減速比を大きくすることが可能になる。したがって、モータと第2搬送ローラとの間の減速比を大きくしても、カードの搬送方向においてカードリーダを小型化することが可能になる。
【0015】
本発明において、第1歯車と第2歯車と第3歯車と第4歯車と第5歯車と第6歯車と第7歯車と第8歯車とは、同形状に形成されていることが好ましい。このように構成すると、第1歯車と第2歯車と第3歯車と第4歯車と第5歯車と第6歯車と第7歯車と第8歯車とが共通の部品になるため、第1歯車、第2歯車、第3歯車、第4歯車、第5歯車、第6歯車、第7歯車および第8歯車の製造コストを低減することが可能になるとともに、第1歯車、第2歯車、第3歯車、第4歯車、第5歯車、第6歯車、第7歯車および第8歯車の部品管理が容易になる。
【0016】
本発明において、カード搬送機構は、モータの出力軸に固定される入力側歯車を備え、動力伝達機構は、入力側歯車と噛み合うとともに第1大歯車部と噛み合う第1遊び歯車を備え、第2動力伝達機構は、入力側歯車と噛み合う第2遊び歯車と、第2遊び歯車と噛み合うとともに第5大歯車部と噛み合う第3遊び歯車とを備えることが好ましい。このように構成すると、第1遊び歯車、第2遊び歯車および第3遊び歯車を用いてカードの搬送方向におけるモータの配置位置を調整することが可能になるため、カードの搬送方向において、モータの配置位置の自由度を高めることが可能になる。また、このように構成すると、共通のモータを使用して搬送ローラと第2搬送ローラとを同方向へ回転させることが可能になる。
【0017】
本発明において、カードリーダは、カードに形成されるICチップの外部接続端子に接触する複数のIC接点バネを有するIC接点ブロックを備え、搬送ローラは、カードの搬送方向におけるカードリーダの一端側部分に配置され、第2搬送ローラとIC接点ブロックとは、カードの搬送方向におけるカードリーダの他端側部分に配置され、第2搬送ローラとIC接点ブロックとは、第1方向において、互いにずれた位置に配置されていることが好ましい。このように構成すると、カードの搬送方向においてIC接点ブロックと第2搬送ローラとが重ならないように、IC接点ブロックおよび第2搬送ローラを配置することが可能になる。したがって、カードの搬送方向においてカードリーダを小型化することが可能になる。
【0018】
本発明において、カードリーダは、カードに記録された磁気データの読取りおよびカードへの磁気データの記録の少なくともいずれか一方を行う磁気ヘッドを備え、磁気ヘッドは、第1方向におけるカードリーダの中心よりも第1方向の一方側に配置され、動力伝達機構は、第1方向におけるカードリーダの中心よりも第1方向の他方側に配置されていることが好ましい。
【0019】
また、本発明において、カードリーダは、カードに形成されるICチップの外部接続端子に接触する複数のIC接点バネを有するIC接点ブロックを備え、複数のIC接点バネからなるIC接点バネ群の第1方向の中心は、第1方向におけるカードリーダの中心よりも第1方向の一方側に配置され、動力伝達機構は、第1方向におけるカードリーダの中心よりも第1方向の他方側に配置されていることが好ましい。
【0020】
このように構成すると、動力伝達機構が配置される、カードリーダの第1方向の中心よりも第1方向の他方側に、動力伝達機構の広い設置スペースを確保することが可能になる。したがって、第1歯車と第3歯車とが第1支持軸の軸方向で重なるように第1支持軸に回転可能に支持され、第2歯車と第4歯車とが第2支持軸の軸方向で重なるよう第2支持軸に回転可能に支持されていても、第1歯車、第2歯車、第3歯車および第4歯車の設置スペースを確保することが可能になる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明では、カード搬送機構を構成するモータとカードの搬送ローラとの間の減速比を大きくしても、カード搬送路で搬送されるカードの搬送方向においてカードリーダを小型化することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
(カードリーダの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカードリーダ1の概略構成を説明するための側面図である。
図2は、
図1に示すカード2の平面図である。
図3は、
図1に示すカードリーダ1の平面図である。
【0025】
本形態のカードリーダ1は、カード2に記録されたデータの読取りやカード2へのデータの記録を行うための装置であり、ATM(Automated Teller Machine)等の所定の上位装置に搭載されて使用される。カードリーダ1には、カード2が挿入されるカード挿入口3と、カード挿入口3に挿入されたカード2が搬送されるカード搬送路4とが形成されている。カード搬送路4は、カード挿入口3に繋がるように形成されている。
【0026】
カード2は、0.7〜0.8mm程度の塩化ビニール製のカードであり、略長方形状に形成されている。カード2には、ICチップが内蔵されており、
図2に示すように、カード2のおもて面には、ICチップの外部接続端子2aが形成されている。カード2の裏面には、磁気データが記録される磁気ストライプ2bが形成されている。
【0027】
カード搬送路4では、
図1等のX方向へカード2が搬送される。すなわち、X方向は、カード2の搬送方向である。また、X方向に直交する
図1等のZ方向は、カード搬送路4で搬送されるカード2の厚さ方向であり、X方向とZ方向とに直交する
図1等のY方向は、カード搬送路4で搬送されるカード2の幅方向である。以下の説明では、X方向を「前後方向」、Y方向を「左右方向」、Z方向を「上下方向」とする。また、X1方向側を「手前(前)」側、X2方向側を「奥(後ろ)」側、Y1方向側を「右」側、Y2方向側を「左」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。本形態の左右方向(Y方向)は第1方向である。
【0028】
カードリーダ1は、カード2に記録された磁気データの読取りおよびカード2への磁気データの記録の少なくともいずれか一方を行う磁気ヘッド6と、カード2の外部接続端子2aに接触する複数のIC接点バネ7を有するIC接点ブロック8と、カード搬送路4でカード2を搬送するカード搬送機構9と、磁気ヘッド6、IC接点ブロック8およびカード搬送機構9が取り付けられる本体フレーム10とを備えている。本体フレーム10は、本体フレーム10の上側部分を構成する上フレーム11と、本体フレーム10の下側部分を構成する下フレーム12とを備えている。上フレーム11および下フレーム12は、樹脂で形成されている。
【0029】
磁気ヘッド6は、下側からカード搬送路4に臨むように配置されている。この磁気ヘッド6は、図示を省略する付勢機構によって上側へ付勢されている。また、磁気ヘッド6は、カードリーダ1の前端側部分に配置されている。さらに、磁気ヘッド6は、左右方向においてカード2の磁気ストライプが通過する位置に配置されている。具体的には、磁気ヘッド6は、左右方向におけるカードリーダ1の中心よりも右側に配置されている。磁気ヘッド6の上側には、磁気ヘッド6と対向する対向ローラ(図示省略)が配置されている。なお、
図3の一点鎖線CL1は、上側から見たときのカードリーダ1の左右方向の中心線である。
【0030】
IC接点ブロック8は、複数のIC接点バネ7を保持するバネホルダ13を備えている。本形態のIC接点ブロック8は、6本のIC接点バネ7を備えており、バネホルダ13には、6本のIC接点バネ7が保持されている。6本のIC接点バネ7は、左右方向で3本のIC接点バネ7が隣接するように、かつ、左右方向で隣接する3本のIC接点バネ7が前後方向において2列に配列されるように、バネホルダ13に保持されている。6本のIC接点バネ7からなるIC接点バネ群の左右方向の中心は、左右方向におけるカードリーダ1の中心よりも右側に配置されている。なお、IC接点ブロック8が備えるIC接点バネ7の数は、8本でも良い。また、
図3の一点鎖線CL2は、上側から見たときのIC接点バネ群の左右方向の中心線である。
【0031】
IC接点ブロック8は、上側からカード搬送路4に臨むように配置されている。また、IC接点ブロック8は、カードリーダ1の奥端側部分に配置されている。このIC接点ブロック8は、図示を省略する平行リンク機構に保持されるとともに、図示を省略するバネ部材の付勢力によって手前上側に向かって付勢されている。また、バネホルダ13の奥端側部分には、下側に向かって突出するストッパ部(図示省略)が形成されている。
【0032】
IC接点ブロック8は、カード搬送路4に配置されるカード2からIC接点バネ7が上方へ離れる待機位置と、カード搬送路4に配置されるカード2の外部接続端子2aとIC接点バネ7とが接触する接触位置との間で移動可能となっており、カード搬送路4で奥側に向かって搬送されるカード2の奥端がバネホルダ13のストッパ部に接触した状態でさらに奥側に搬送されると、IC接点ブロック8は、平行リンク機構に案内されて後ろ方向にスライドしながら下降する。
【0033】
(カード搬送機構の構成)
図4は、
図1に示すカードリーダ1の斜視図である。
図5は、
図3に示す歯車32〜35、43〜46を支持軸38、39、52、53から取り外した状態の平面図である。
図6は、
図1に示すカードリーダ1の一部分の斜視図である。
図7は、
図1に示すカードリーダ1の一部分の分解斜視図である。
【0034】
カード搬送機構9は、駆動源となるモータ18と、モータ18の出力軸に固定される歯車19と、カード2に接触してカード2を搬送する2個の搬送ローラ20、21と、搬送ローラ20にモータ18の動力を減速して伝達する動力伝達機構22と、搬送ローラ21にモータ18の動力を減速して伝達する動力伝達機構23と、搬送ローラ20と対向するように配置されるパッドローラ24と、搬送ローラ21と対向するように配置されるパッドローラ25とを備えている。このカード搬送機構9は、上フレーム11に取り付けられている。本形態の歯車19は、入力側歯車であり、搬送ローラ21は、第2搬送ローラであり、動力伝達機構23は、第2動力伝達機構である。
【0035】
搬送ローラ20およびパッドローラ24は、カードリーダ1の前端側部分に配置され、搬送ローラ21およびパッドローラ25は、カードリーダ1の奥端側部分に配置されている。すなわち、搬送ローラ20およびパッドローラ24と、搬送ローラ21およびパッドローラ25とは、前後方向で間隔をあけた状態で配置されている。搬送ローラ20およびパッドローラ24と、搬送ローラ21およびパッドローラ25との前後方向の距離は、カード2の長さ(長手方向の長さ)よりも短く、かつ、磁気ストライプ2bに記録される磁気データの読取り保証範囲よりも長くなっている。なお、本形態のカードリーダ1では、カード2をカードリーダ1の後方へ排出することが可能となっており、搬送ローラ21は、主として、カード2をカードリーダ1の後方へ排出する際に、カード搬送路4でカード2を搬送する。
【0036】
搬送ローラ20は、ゴムローラであり、搬送ローラ20の外周側部分を構成するゴム輪と、搬送ローラ20の内周側部分を構成する芯金とから構成されている。搬送ローラ20は、回転軸27に固定されている。回転軸27は、回転軸27の軸方向と左右方向とが一致するように、上フレーム11に回転可能に支持されている。搬送ローラ20は、上側からカード2に接触するように配置されている。また、搬送ローラ20は、左右方向においてカードリーダ1の略中心位置に配置されるとともに、前後方向において磁気ヘッド6と略同じ位置に配置されている。すなわち、搬送ローラ20は、上下方向から見たときに磁気ヘッド6と左右方向で並ぶように配置されている。本形態では、上下方向から見たときに、前後方向における磁気ヘッド6の中心と回転軸27の軸心とが前後方向において略一致している。
【0037】
搬送ローラ21は、搬送ローラ21と同形状に形成されたゴムローラであり、搬送ローラ21の外周側部分を構成するゴム輪と、搬送ローラ21の内周側部分を構成する芯金とから構成されている。搬送ローラ21は、回転軸28(
図1参照)に固定されている。回転軸28は、回転軸28の軸方向と左右方向とが一致するように、上フレーム11に回転可能に支持されている。搬送ローラ21は、上側からカード2に接触するように配置されている。また、搬送ローラ21は、カードリーダ1の右端側部分に配置されており、IC接点ブロック8よりも右側に配置されている。すなわち、搬送ローラ21とIC接点ブロック8とは、左右方向において互いにずれた位置に配置されている。また、搬送ローラ21は、前後方向においてIC接点ブロック8よりもわずかに奥側に配置されている。
【0038】
パッドローラ24、25は、ポリアセタール等の樹脂で形成されている。パッドローラ24は、搬送ローラ20と対向するように搬送ローラ20の下側に配置され、パッドローラ25は、搬送ローラ21と対向するように搬送ローラ21の下側に配置されている。また、パッドローラ24は、搬送ローラ20に向かって付勢され、パッドローラ25は、搬送ローラ21に向かって付勢されている。すなわち、パッドローラ24、25は、上側へ付勢されている。
【0039】
モータ18は、モータ18の出力軸の軸方向と左右方向とが一致するように配置されている。また、モータ18は、前後方向において、カードリーダ1の略中心部分に配置されている。具体的には、モータ18は、前後方向において、搬送ローラ20と搬送ローラ21との間の略中心位置に配置されている。歯車19は、モータ18の出力軸の左端側に固定されており、歯車19は、モータ18の本体よりも左側に配置されている。この歯車19は、前後方向において動力伝達機構22と動力伝達機構23との間に配置されている。すなわち、モータ18の出力軸は、前後方向において動力伝達機構22と動力伝達機構23との間に配置されている。
【0040】
動力伝達機構22は、6個の歯車31〜36と、歯車31を回転可能に支持する支持軸37と、歯車32、34を回転可能に支持する支持軸38と、歯車33、35を回転可能に支持する支持軸39とを備えている。この動力伝達機構22は、左右方向におけるカードリーダ1の中心よりも左側に配置されている。支持軸37〜39は、支持軸37〜39の軸方向と左右方向とが一致するように、上フレーム11の左端側部分に取り付けられている。また、支持軸37〜39は、奥側から手前側に向かってこの順番で、かつ、互いに所定の間隔をあけた状態で配置されている。本形態では、支持軸38と支持軸39とが同形状に形成されている。
【0041】
歯車32〜35は、減速用の歯車である。歯車32は、外周面に複数の歯が形成される大歯車部32aと、外周面に複数の歯が形成されるとともに大歯車部32aよりもピッチ円径が小さい小歯車部32bとから構成されている。大歯車部32aと小歯車部32bとは同軸上に配置されている。歯車33〜35は、歯車32と同形状に形成されている。すなわち、歯車33は、大歯車部32aに相当する大歯車部33aと小歯車部32bに相当する小歯車部33bとから構成され、歯車34は、大歯車部32aに相当する大歯車部34aと小歯車部32bに相当する小歯車部34bとから構成され、歯車35は、大歯車部32aに相当する大歯車部35aと小歯車部32bに相当する小歯車部35bとから構成されている。
【0042】
本形態の歯車32は、第1歯車であり、歯車33は、第2歯車であり、歯車34は、第3歯車であり、歯車35は、第4歯車である。また、大歯車部32aは、第1大歯車部であり、小歯車部32bは、第1小歯車部であり、大歯車部33aは、第2大歯車部であり、小歯車部33bは、第2小歯車部であり、大歯車部34aは、第3大歯車部であり、小歯車部34bは、第3小歯車部であり、大歯車部35aは、第4大歯車部であり、小歯車部35bは、第4小歯車部である。また、支持軸38は、第1支持軸であり、支持軸39は、第2支持軸である。
【0043】
歯車32と歯車34とは、支持軸38の軸方向で重なるように配置されている。すなわち、歯車32と歯車34とは、支持軸38の軸方向で重なるように支持軸38に回転可能に支持されている。本形態では、歯車32が左側に配置され、歯車34が右側に配置されている。また、歯車32は、大歯車部32aが左側に配置され小歯車部32bが右側に配置されるように支持軸38に支持され、歯車34は、大歯車部34aが左側に配置され小歯車部34bが右側に配置されるように支持軸38に支持されている。
【0044】
歯車33と歯車35とは、支持軸39の軸方向で重なるように配置されている。すなわち、歯車33と歯車35とは、支持軸39の軸方向で重なるように支持軸39に回転可能に支持されている。本形態では、歯車33が左側に配置され、歯車35が右側に配置されている。また、歯車33は、大歯車部33aが左側に配置され小歯車部33bが右側に配置されるように支持軸39に支持され、歯車35は、大歯車部35aが左側に配置され小歯車部35bが右側に配置されるように支持軸39に支持されている。
【0045】
歯車31は、歯車19と噛み合っている。また、歯車31は、大歯車部32aと噛み合っている。歯車31は、歯車19と歯車32との芯間距離を調整するための遊び歯車としての機能を果たしている。小歯車部32bは、大歯車部33aと噛み合っている。また、小歯車部33bは、大歯車部34aと噛み合い、小歯車部34bは、大歯車部35aと噛み合っている。歯車36は、回転軸27の左端側部分に固定されている。歯車36は、小歯車部35bと噛み合っている。本形態の歯車31は、第1遊び歯車である。なお、歯車36と小歯車部35bとの間では減速されていない。
【0046】
動力伝達機構23は、9個の歯車41〜49と、歯車41を回転可能に支持する支持軸50と、歯車42を回転可能に支持する支持軸51と、歯車43、45を回転可能に支持する支持軸52と、歯車44、46を回転可能に支持する支持軸53と、歯車47、48が固定される回転軸54とを備えている。この動力伝達機構23は、左右方向におけるカードリーダ1の中心よりも左側に配置されている。動力伝達機構23の減速比は、動力伝達機構22の減速比と等しくなっている。また、動力伝達機構22、23は、前後方向において搬送ローラ20と搬送ローラ21との間に配置されている。
【0047】
支持軸50〜53は、支持軸50〜53の軸方向と左右方向とが一致するように、上フレーム11の左端側部分に取り付けられている。また、支持軸50〜53は、手前側から奥側に向かってこの順番で、かつ、互いに所定の間隔をあけた状態で配置されている。本形態では、支持軸50と支持軸51とが同形状に形成されている。また、支持軸50、51は、支持軸37と同形状に形成されている。支持軸52と支持軸53とは同形状に形成されている。また、支持軸52、53は、支持軸38、39と同形状に形成されている。回転軸54は、回転軸54の軸方向と左右方向とが一致するように、上フレーム11に回転可能に支持されている。この回転軸54は、回転軸28の真上に配置されている。
【0048】
歯車43〜46は、減速用の歯車である。歯車43〜46は、歯車32と同形状に形成されている。すなわち、歯車43は、大歯車部32aに相当する大歯車部43aと小歯車部32bに相当する小歯車部43bとから構成され、歯車44は、大歯車部32aに相当する大歯車部44aと小歯車部32bに相当する小歯車部44bとから構成され、歯車45は、大歯車部32aに相当する大歯車部45aと小歯車部32bに相当する小歯車部45bとから構成され、歯車46は、大歯車部32aに相当する大歯車部46aと小歯車部32bに相当する小歯車部46bとから構成されている。
【0049】
本形態の歯車43は、第5歯車であり、歯車44は、第6歯車であり、歯車45は、第7歯車であり、歯車46は、第8歯車である。また、大歯車部43aは、第5大歯車部であり、小歯車部43bは、第5小歯車部であり、大歯車部44aは、第6大歯車部であり、小歯車部44bは、第6小歯車部であり、大歯車部45aは、第7大歯車部であり、小歯車部45bは、第7小歯車部であり、大歯車部46aは、第8大歯車部であり、小歯車部46bは、第8小歯車部である。また、支持軸52は、第3支持軸であり、支持軸53は、第4支持軸である。
【0050】
歯車43と歯車45とは、支持軸52の軸方向で重なるように配置されている。すなわち、歯車43と歯車45とは、支持軸52の軸方向で重なるように支持軸52に回転可能に支持されている。本形態では、歯車43が左側に配置され、歯車45が右側に配置されている。また、歯車43は、大歯車部43aが左側に配置され小歯車部43bが右側に配置されるように支持軸52に支持され、歯車45は、大歯車部45aが左側に配置され小歯車部45bが右側に配置されるように支持軸52に支持されている。
【0051】
歯車44と歯車46とは、支持軸53の軸方向で重なるように配置されている。すなわち、歯車44と歯車46とは、支持軸53の軸方向で重なるように支持軸53に回転可能に支持されている。本形態では、歯車44が左側に配置され、歯車46が右側に配置されている。また、歯車44は、大歯車部44aが左側に配置され小歯車部44bが右側に配置されるように支持軸53に支持され、歯車46は、大歯車部46aが左側に配置され小歯車部46bが右側に配置されるように支持軸53に支持されている。
【0052】
歯車41は、歯車19と噛み合っている。また、歯車41は、歯車42と噛み合っている。歯車42は、大歯車部43aと噛み合っている。歯車41、42は、歯車19と歯車43との芯間距離を調整するとともに歯車43の回転方向を調整するための遊び歯車としての機能を果たしている。小歯車部43bは、大歯車部44aと噛み合っている。また、小歯車部44bは、大歯車部45aと噛み合い、小歯車部45bは、大歯車部46aと噛み合っている。歯車47は、回転軸54の左端側部分に固定されている。歯車47は、小歯車部46bと噛み合っている。歯車48は、回転軸54の右端側部分に固定されている。歯車49は、回転軸28の右端側部分に固定されている。この歯車49は、搬送ローラ21よりも右側に配置されている。歯車48と歯車49とは噛み合っている。本形態の歯車41は、第2遊び歯車であり、歯車42は、第3遊び歯車である。なお、歯車49と小歯車部46bとの間では減速されていない。
【0053】
上述のように、支持軸37〜39、50〜53は、上フレーム11の左端側部分に取り付けられている。支持軸37〜39、50〜53は、支持軸37〜39、50〜53の右端部の径が支持軸37〜39、50〜53の他の部分の径よりも小さくなった段付き軸である。すなわち、支持軸37〜39、50〜53は、支持軸37〜39、50〜53の右端側に配置される小径部37a、38a、39a、50a、51a、52a、53aと、小径部37a〜39a、50a〜53aよりも外径の大きい大径部37b、38b、39b、50b、51b、52b、53bとを有する段付き軸である。
【0054】
支持軸37〜39、50〜53の左端側は、上フレーム11の左側面を構成する左側面部11aに支持されている。支持軸37〜39、50〜53の右端側は、上フレーム11に形成される軸支持部11bに支持されている。左側面部11aには、支持軸37、38、50〜53の左端側部分(すなわち、大径部37b、38b、50b〜53bの左端側部分)が配置される貫通穴11cが形成されている(
図7参照)。軸支持部11bには、小径部37a〜39a、50a〜53aが配置される貫通穴が形成されている。この貫通穴の内径は、大径部37b〜39b、50b〜53bの外径よりも小さくなっている。
【0055】
支持軸37〜39、50〜53の、小径部37a〜39a、50a〜53aと大径部37b〜39b、50b〜53bとの間の段差面は、軸支持部11bの左側面に対向している。そのため、この段差面によって、支持軸37〜39、50〜53の右方向への抜けが防止されている。左側面部11aには、支持軸37、38、50〜53の左方向への抜けを防止する抜止め部材56が固定されている。抜止め部材56は、金属製の薄板である。抜止め部材56は、支持軸37、38、50〜53の左端面を覆うように配置されており、支持軸37、38、50〜53の左端面は、抜止め部材56の右側面に対向している。
【0056】
左側面部11aの左側面には、抜止め部材56が配置される凹部11dが形成されている。凹部11dの窪み量は、抜止め部材56の厚さとほぼ等しくなっている。そのため、抜止め部材56は、左側面部11aの左側面から左側へ突出していない。また、抜止め部材56が配置されて固定される前の凹部11dには、
図7に示すように、左方向に突出する複数の突起11eが形成されている。抜止め部材56には、突起11eが挿通される複数の貫通穴56aが形成されている。貫通穴56aの内径は、突起11eの外径とほぼ等しくなっている。
【0057】
カードリーダ1の組立時には、支持軸37、38、50〜53が左側面部11aの左側から貫通穴11cに挿入される。その後、複数の貫通穴56aのそれぞれに複数の突起11eのそれぞれが挿通されるように、抜止め部材56が凹部11dに配置される。複数の貫通穴56aのそれぞれに複数の突起11eのそれぞれが挿通されると、抜止め部材56が位置決めされる。その後、突起11eに熱を加えて突起11eを溶かすことで、抜止め部材56を左側面部11aに固定する。すなわち、抜止め部材56は、溶着によって左側面部11aに固定されており、左側面部11aに固定された後の抜止め部材56の側面には、
図6に示すように、複数の溶着跡57が形成されている。
【0058】
なお、本形態では、左側面部11aの形状やスペース等の都合で、支持軸39の左方向への抜けは、支持軸39の左端側に取り付けられるE型止め輪(図示省略)によって防止されている。ただし、抜止め部材56によって、支持軸39の左方向への抜けが防止されても良い。また、抜止め部材56は、接着によって左側面部11aに固定されても良いし、ネジやプッシュナットによって左側面部11aに固定されても良い。また、抜止め部材56は、樹脂で形成されていても良い。ただし、歯車31、32、34、41〜46と一緒に支持軸37、38、50〜53が回転する場合もありうるため、耐久性を考慮すると、抜止め部材56は、金属で形成されていることが好ましい。また、軸支持部11bに支持軸37〜39、50〜53の右方向への抜けを防止する抜止め部が形成されているのであれば、支持軸37〜39、50〜53は、段付き軸でなくても良い。
【0059】
以上のように構成されたカード搬送機構9では、モータ18が回転すると、モータ18の動力が、動力伝達機構22を介して搬送ローラ20に伝達されるとともに、動力伝達機構23を介して搬送ローラ21に伝達される。搬送ローラ20、21は、モータ18の動力で同じ方向へ、かつ、同じ回転数で回転する。
【0060】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、支持軸38、39は、支持軸38、39の軸方向と左右方向とが一致するように配置されている。また、歯車32、34は、支持軸38の軸方向で重なるように支持軸38に回転可能に支持され、歯車33、35は、支持軸39の軸方向で重なるように支持軸39に回転可能に支持されている。そのため、本形態では、前後方向に所定の間隔で配置される2本の支持軸38、39を用いて、4個の減速用の歯車32〜35を配置することができる。すなわち、本形態では、減速用の歯車32〜35を支持する支持軸38、39の数が2本であっても、減速用の歯車32〜35の数を増やすことができる。また、本形態では、減速用の歯車32〜35の数を増やすことができるため、大歯車部32a〜35aのピッチ円径を小さくしても、モータ18と搬送ローラ20との間の減速比を大きくすることが可能になる。
【0061】
同様に、本形態では、支持軸52、53は、支持軸52、53の軸方向と左右方向とが一致するように配置され、歯車43、45は、支持軸52の軸方向で重なるように支持軸52に回転可能に支持され、歯車44、46は、支持軸53の軸方向で重なるように支持軸53に回転可能に支持されているため、減速用の歯車43〜46を支持する支持軸52、53の数が2本であっても、減速用の歯車43〜46の数を増やすことができる。また、大歯車部43a〜46aのピッチ円径を小さくしても、モータ18と搬送ローラ21との間の減速比を大きくすることが可能になる。
【0062】
このように本形態では、前後方向に所定の間隔で配置される支持軸38、39の数が2本であっても、また、大歯車部32a〜35aのピッチ円径を小さくしても、モータ18と搬送ローラ20との間の減速比を大きくすることが可能になる。また、前後方向に所定の間隔で配置される支持軸52、53の数が2本であっても、また、大歯車部43a〜46aのピッチ円径を小さくしても、モータ18と搬送ローラ21との間の減速比を大きくすることが可能になる。したがって、本形態では、モータ18と搬送ローラ20との間の減速比、および、モータ18と搬送ローラ21との間の減速比を大きくしても、前後方向においてカードリーダ1を小型化することが可能になる。
【0063】
本形態では、モータ18の出力軸は、前後方向において動力伝達機構22と動力伝達機構23との間に配置されている。そのため、本形態では、カード搬送機構9が2つの動力伝達機構22、23を備えていても、前後方向においてカードリーダ1を小型化することが可能になる。また、本形態では、搬送ローラ21とIC接点ブロック8とが左右方向において互いにずれた位置に配置されており、前後方向において、搬送ローラ21とIC接点ブロック8とが重なっていない。そのため、本形態では、前後方向において、搬送ローラ21とIC接点ブロック8とが重なっている場合と比較して、前後方向においてカードリーダ1を小型化することが可能になる。
【0064】
本形態では、動力伝達機構22、23は、左右方向におけるカードリーダ1の中心よりも左側に配置されている。一方、磁気ヘッド6は、左右方向におけるカードリーダ1の中心よりも右側に配置され、6本のIC接点バネ7からなるIC接点バネ群の左右方向の中心も、左右方向におけるカードリーダ1の中心よりも右側に配置されている。そのため、本形態では、動力伝達機構22、23が配置されるカードリーダ1の左端側部分に、動力伝達機構22、23の広い設置スペースを確保することが可能になる。したがって、本形態では、歯車32、34が支持軸38の軸方向で重なるように支持軸38に回転可能に支持され、歯車33、35が支持軸39の軸方向で重なるように支持軸39に回転可能に支持され、歯車43、45が支持軸52の軸方向で重なるように支持軸52に回転可能に支持され、歯車44、46が支持軸53の軸方向で重なるように支持軸53に回転可能に支持されていても、歯車32〜35、43〜46の設置スペースを確保することが可能になる。
【0065】
本形態では、歯車32〜35および歯車43〜46が同形状に形成されており、歯車32〜35、43〜46が共通の部品となっている。そのため、本形態では、歯車32〜35、43〜46の製造コストを低減することが可能になるとともに、歯車32〜35、43〜46の部品管理が容易になる。また、本形態では、動力伝達機構22は、遊び歯車としての機能を果たす歯車31を備え、動力伝達機構23は、遊び歯車としての機能を果たす歯車41、42を備えているため、歯車31、41、42を用いて前後方向におけるモータ18の配置位置を調整することが可能になる。したがって、本形態では、前後方向において、モータ18の配置位置の自由度を高めることが可能になる。
【0066】
本形態では、支持軸37、38、50〜53の左方向への抜けが、薄板状に形成される抜止め部材56によって防止されている。そのため、本形態では、支持軸37、38、50〜53の左方向への抜けを防止するE型止め輪等を取り付けるための取付部を、支持軸37、38、50〜53の左端側に形成する必要がない。したがって、本形態では、支持軸37、38、50〜53の加工コストを低減することが可能になる。また、本形態では、支持軸37、38、50〜53の左方向への抜けを防止するためのE型止め輪等の配置スペースが不要になるため、カードリーダ1を小型化することが可能になる。さらに、本形態では、1枚の抜止め部材56を固定すれば、6本の支持軸37、38、50〜53の左方向への抜けが防止されるため、6本の支持軸37、38、50〜53のそれぞれにE型止め輪等が取り付けられる場合と比較して、カードリーダ1の組立作業が容易になる。
【0067】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0068】
上述した形態では、支持軸38に2個の歯車32、34が支持され、支持軸39に2個の歯車33、35が支持されているが、支持軸38、39に支持される歯車の数は3個以上であっても良い。同様に、上述した形態では、支持軸52に2個の歯車43、45が支持され、支持軸53に2個の歯車44、46が支持されているが、支持軸52、53に支持される歯車の数は3個以上であっても良い。
【0069】
上述した形態では、動力伝達機構22は、複数の減速用の歯車32、34が支持される支持軸38と複数の減速用の歯車33、35が支持される支持軸39との2本の支持軸38、39を備えているが、動力伝達機構22は、複数の減速用の歯車が支持される3本以上の支持軸を備えていても良い。同様に、上述した形態では、動力伝達機構23は、複数の減速用の歯車43、45が支持される支持軸52と複数の減速用の歯車44、46が支持される支持軸53との2本の支持軸52、53を備えているが、動力伝達機構23は、複数の減速用の歯車が支持される3本以上の支持軸を備えていても良い。
【0070】
上述した形態では、歯車32〜35および歯車43〜46は、同形状に形成されている。この他にもたとえば、歯車32〜35、43〜46が大歯車部32a〜35a、43a〜46aと、小歯車部32b〜35b、43b〜46bとを備えているのであれば、歯車32〜35、43〜46の中に他の歯車と異なる形状に形成される歯車があっても良い。
【0071】
上述した形態では、歯車19と歯車32との間に歯車31が設けられているが、歯車19と歯車32の大歯車部32aとが噛み合っていても良い。この場合には、歯車41または歯車42が不要になる。また、上述した形態では、動力伝達機構23は、左右方向におけるカードリーダ1の中心よりも左側に配置されているが、動力伝達機構23は、左右方向におけるカードリーダ1の中心より右側に配置されても良い。また、上述した形態では、カード搬送機構9は、搬送ローラ21を備えているが、カード搬送機構9は、搬送ローラ21を備えていなくても良い。この場合には、動力伝達機構23は不要になる。
【0072】
上述した形態では、支持軸37、38、50〜53の左方向への抜けは、薄板状に形成される抜止め部材56によって防止されているが、支持軸37、38、50〜53の左方向への抜けは、支持軸37、38、50〜53の左端側に取り付けられるE型止め輪等によって防止されても良い。また、上述した形態では、支持軸37〜39、50〜53の、小径部37a〜39a、50a〜53aと大径部37b〜39b、50b〜53bとの間の段差面によって支持軸37〜39、50〜53の右方向への抜けが防止されているが、支持軸37〜39、50〜53の右方向への抜けは、支持軸37〜39、50〜53の右端側に取り付けられるE型止め輪等によって防止されても良い。
【0073】
上述した形態では、カードリーダ1は、磁気ヘッド6を備えているが、カードリーダ1は、磁気ヘッド6を備えていなくても良い。また、上述した形態では、カードリーダ1は、IC接点ブロック8を備えているが、カードリーダ1は、IC接点ブロック8を備えていなくても良い。また、上述した形態では、カード2は、0.7〜0.8mm程度の塩化ビニール製のカードであるが、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。