(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、センサーシートには、センサーシートによってセンシングされた情報を記録あるいは送信するための端末が接続される。通常、この端末は、センサーシートと接続するための端子と、センサーシートから前記端子を介して入力された情報を記憶するメモリと、外部端子とが設けられる。この外部端子はメモリに記憶された生体情報を外部機器に出力したり、外部機器から端末の設定を行ったりするものである。なお、端末がテレメータ等の無線機能を有する端末の場合には、メモリに記憶された生体情報は外部端子を介さずに無線により外部に出力されるが、外部機器から端末の設定は外部端子を用いて行われる場合もある。よって、端末が、無線機能を有するテレメータ等の端末であっても、外部端子を有する場合もある。
【0006】
ここで、生体情報の測定は、センサーシートに端末が接続された状態で行われる。この生体情報の測定中に、外部端子に外部機器が接続され、この外部機器からの電流が端末及びセンサーシートを介して被検者に流れると、非常に危険であるため、このような危険な電流が流れないようにする対策が要求される。
【0007】
この対策の一つとして、フローティング構成が挙げられるが、フローティング構成は構成が複雑であり、その結果、機器の大型化を招く欠点がある。
【0008】
本発明は、生体情報の測定時に外部機器からの電流が端末及びセンサーシートを介して被検者に流れることを、簡易な構成により確実に防止できる生体情報測定装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の生体情報測定装置の一つの態様は、
被検者の皮膚に貼着されるセンサーシートと、
前記センサーシートに取り付けられる端末と、
を有する生体情報測定装置であって、
前記端末は、
前記センサーシートに挿し込みにより取り付けられたときに内部が外部と遮蔽されるシールドフレームを有し、
前記シールドフレーム内には、前記センサーシートのセンサーに圧接により電気的に接続される第1の接続部と、前記端末を外部機器に挿し込みにより電気的に接続するための挿し込み口を有する第2の接続部と、が設けられ、
前記第1の接続部が前記センサーに圧接により電気的に接続されたときに、前記第2の接続部の前記挿し込み口は、前記シールドフレームによって挿し込み不能とされ、
前記第1の接続部が前記センサーに圧接及び離間する方向と、前記第2の接続部の挿し込み方向と、前記シールドフレームの前記センサーシートへの挿し込み方向と、
が同一方向であり、
これにより、前記センサーシートへの前記端末の取り付け動作によって、
(i)前記第1の接続部と前記センサーシートとの電気的接続、
(ii)前記第2の接続部の前記挿し込み口への挿し込み阻止、
(iii)前記第1及び第2の接続部の水によるショートの阻止、
が一括して行われる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、センサーシートに端末が取り付けられると、シールドフレーム内でセンサーシートのセンサーとセンサー接続端末とが電気的に接続される。また、この状態においてシールドフレーム内は内部が外部と遮蔽されるので、シールドフレーム内の外部端子は外部機器に接続することが不可能となる。よって、生体情報の測定時に外部機器からの電流が端末及びセンサーシートを介して被検者に流れることを、簡易な構成により確実に防止できるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
<全体構成>
図1は、本発明の実施の形態に係るセンサーシートの全体構成を示す分解斜視図である。
図2は、センサーシートに端末を取り付けた状態を示す上面図である。センサーシートは、心電図を取得するために、被検者の胸部に貼着されて用いられる。
【0014】
なお、本実施の形態では、センサーシートに取り付ける端末は、ケース内部にメモリ及びコイン電池が収容された記録端末である場合について述べるが、センサーシートに取り付けられる端末はこれに限らない。例えばケース内部に無線送信部を有し、センサーシートで測定された生体情報を無線送信する端末であってもよい。端末は、例えばテレメータであってもよい。
【0015】
図1に示すように、センサーシート100は、使用前はライナー210及びトップセパレーター220の間に収容されている。そして、使用時には、ライナー210及びトップセパレーター220が剥がされて胸部に貼着されるとともに、
図2に示すように、表面側に端末300が取り付けられる。
【0016】
センサーシート100は、下シート110と、上シート120とを有する。下シート110と上シート120の間には、測定要素としての電気回路部130が配置される。下シート110及び上シート120のそれぞれの皮膚側の面には、粘着層が設けられており、これにより、下シート110は被検者の皮膚に上シート120は下シート110の表面側に貼着するようになっている。電気回路部130は、下シート110の表面側に上シート120が貼着されることにより、下シート110と上シート120の間に保持される。
【0017】
上シート120の面積は下シート110の面積よりも小さい。上シート120の面積は、電気回路部130を覆うことができる大きさとされている。具体的には、下シート110に上シート120を貼り付けた状態を示す
図2から分かるように、センサーシート100においては、電気回路部130が上シート120によって完全に覆われつつ、全周に亘って下シート110のみからなる周縁部110aが形成される。
【0018】
電気回路部130は、舌片131と、舌片131から延びる複数の配線132と、各配線132の末端に形成された複数の電極133と、を有する。
【0019】
各電極133に対応する下シート110の位置には穴111が形成されており、さらに各穴111に対応する位置にはゲル134が配置される。これにより、電極133はゲル134を介して皮膚に電気的に接続されるようになり、皮膚と電極133との間の導電率がゲル134によって高められる。
【0020】
舌片131の表面側には、端末300に接続されるコネクタ140が設けられている。舌片131に対応する上シート120の位置には穴121が形成されている。これにより、下シート110に上シート120を貼り付けた状態において、舌片131は穴121を介して上シート120の表面側に露出するようになっている。
【0021】
さらに、コネクタ140に対応するトップセパレーター220の位置には穴221が形成されている。これにより、コネクタ140は、穴221を通してトップセパレーター220の表面側に表出する。
【0022】
ここで、下シート110は、ポリウレタンからなる基材と、この基材の皮膚側の面に形成された粘着層と、を有する。同様に、上シート120は、ポリウレタンからなる基材と、この基材の皮膚側の面に形成された粘着層と、を有する。このように、シート110、120を透湿性の高いポリウレタンによって構成したので、発汗による皮膚のかぶれを抑制して、かぶれに起因する痒みの発生を抑制できる。
【0023】
因みに、ポリウレタンは、蒸気は透過するが、溜まり水は透過しない特性を有する(つまり蒸気のような小さな粒子は透過するが、溜まり水や水滴のような大きな固まりは透過しない)ので、例えば風呂に入ったときに、上シート120の表面側から皮膚側への水の浸透はほとんどない。よって、上シート120の表面側から配線132及び電極133への水の浸入を抑制できることにより、被検者がセンサーシート100を付けたまま風呂に入っても電気回路がショートすることを防止できる。
【0024】
なお、本実施の形態では、下シート110及び上シート120の両方をポリウレタンによって構成したが、痒みは特にシートの周縁部で発生し易いと考えられるので、周縁部110aとなる下シート110のみをポリウレタンで構成し、上シート120はそれ以外の材料によって構成してもよい。さらに、下シート110及び上シート120の材料としては、発汗による湿度を透過しつつ、配線132及び電極133がショートするような水分の進入を防止できるようなものであれば、ポリウレタン以外の種々の材料を用いることも可能である。例えば発泡ポリエチレンや不織布の材料を用いてもよい。また、必ずしもポリウレタンのみで構成する必要はなく、ポリウレタンを主成分とする材料によって構成してもよい。
【0025】
ただし、発明者は下シート110及び上シート120の材料としては、ポリウレタンが最も優れていることを見出した。ここで、下シート110及び上シート120に求められるのは、例えば風呂に入ったときに上シート120の表面側から皮膚側への水の浸透はほとんどないこと(つまり防水性)と、長時間破けずに使用できること(つまり耐久性)と、皮膚の動きに柔軟に追従すること(つまり伸縮性)と、薄くできることと、である。ポリウレタンは、防水性、耐久性、伸縮性、薄くできることの全てにおいて優れている。一方、発泡ポリエチレンは耐久性、薄くできることに難がある。不織布は防水性に難がある。
【0026】
本実施の形態の下シート110の厚さは、15[μm]である。この厚さは、従来のこの種のシートの厚さが50[μm]程度だったのと比較すると、非常に薄い。一方、上シート120の厚さは、下シート110よりも厚くされている。本実施の形態の場合には、上シート120の厚さは、50[μm]である。つまり、本実施の形態の場合には、下シート110だけからなる周縁部110aの厚さは15[μm]と非常に薄くされているのに対して、電気回路部130を保持する中央領域は下シート110と上シート120の厚さを合計すると65[μm]となっている。これにより、周縁部110aを非常に薄くしても、電気回路部130を保持する中央領域は厚くなっているので、電気回路部130の信頼性を低下させずに測定精度の低下を防止できる。
【0027】
特に、上シート120を下シート110よりも厚くするとよい。要は、上シート120を、下シート110よりも強度が高い構成とすればよい。例えば上シート120を下シート110よりも強度の高い材料で構成してもよい。
【0028】
ところで、従来のシート厚が周縁部まで含めて厚かったのは、シートの損傷を抑制することや、測定要素としての電気回路部130を高い信頼性をもって保持することが優先され、長時間連続して貼着したときの痒みの発生には十分な配慮がなされていなかったためである。
【0029】
本実施の形態では、周縁部110aが皮膚に追従すれば大幅に痒みを低減することができるといった着目点の下に、下シート110の材料及び厚さについて検討した。その結果、下シート110を透湿性のことを考慮してポリウレタンで構成した場合に、下シート110の厚さが20[μm]以下であれば、2週間程度連続して貼り続けても痒みが生じにくいことが分かった。つまり、本実施の形態では、下シート110をポリウレタンで構成し、その厚さを20[μm]以下とすることを提案する。
【0030】
また、このように下シート110を20[μm]以下と非常に薄くしたことにより、痒みを抑制できることに加えて、皮膚への追従性が良いので剥がれにくいシートを実現できるといったメリットもある。つまり、シートの剥がれはほとんどの場合周縁部から起こるので、本実施の形態の構成によってこれを抑制できる。
【0031】
配線132及び電極133は、それぞれPET(ポリエチレンテレフタレート)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)などからなる基材上に金属層が形成されて構成されている。基材の厚さは、例えば50〜100[μm]程度である。なお、配線132及び電極133は、上シート120又は下シート110に直接形成することも考えられるが、本実施の形態の場合には、PET(ポリエチレンテレフタレート)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)などからなる基材上に形成することで断線などの発生を防止できる構成となっている。
【0032】
ここで、PET(ポリエチレンテレフタレート)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)などからなる基材は、下シート110及び上シート120の材料であるポリウレタンと比較すると可撓性が小さい。そこで、本実施の形態の場合には、配線132が蛇行パターンを含むパターンを有する。これにより、体表(皮膚)の動きに対する配線132の追従性が良くなる。この結果、周縁部110aに加えて、電気回路部130の領域においても皮膚への追従性を良くすることができるので、痒みの発生をより抑制できるようになる。
【0033】
舌片131は、配線132及び電極133の基材よりも厚い。舌片131上に設けられたコネクタ140には、端末300が装脱自在に取り付けられる。このコネクタ140への端末300の取付構造については、後述する。
【0034】
次に、被検者の胸部へのセンサーシート100の貼り付け手順について説明する。
【0035】
センサーシート100を胸部の所定位置に貼着する際には、先ず、ライナー210を剥がし、センサーシート100をトップセパレーター220と共に胸部の所定位置に押し当てることで、下シート110を胸部の所定位置に貼着させる。
【0036】
この状態でトップセパレーター220を上からこすることで、下シート110を被検者の皮膚にしっかりと貼着させることができる。因みに、トップセパレーター220の下面には、センサーシート100を保持できる程度の弱い粘着力の粘着層が形成されている。
【0037】
トップセパレーター220を設けたことにより、非常に薄い下シート110の周縁部110aの縒れを防止できる。トップセパレーター220の中央には、コネクタ140を避けるための穴221が形成されている。ユーザーは、穴221の近傍を指でつまんで、トップセパレーター220を観音開きのように両側に開くことで、トップセパレーター220をセンサーシート100から剥がす。このようにトップセパレーター220をセンサーシート100のエッジ側からではなく、中央側からエッジ側への剥がすようにしたことにより、下シート110がトップセパレーター220に引っ張られてエッジが捲れて皺がよる可能性を低減できる。
【0038】
このように被検者の胸部にセンサーシート100を貼着した後に、ユーザーはセンサーシート100のコネクタ140に端末300を取り付ける。
【0039】
<センサーシート100への端末300の取付構造>
図3は端末300の構成を示す図であり、
図3Aは斜視図、
図3Bは側面図、
図3Cは下面図である。
【0040】
端末300は、コイン電池及びメモリなどが内蔵されている。端末300は、電源ボタン301が押圧操作されると、心電図の測定・記録動作を開始し、センサーシート100からの心電信号に基づく心電図を記録する。この測定・記録動作については既知の技術なのでここでの説明は省略する。
【0041】
図3Cに示すように、端末300の裏面には、センサーシート100に設けられたコネクタ140に装脱可能に取り付けられる取付部310が設けられている。
【0042】
図4はセンサーシート100へ取り付けるための端末300の取付構造の説明に供する断面図である。
図4Aは取付前の断面図であり、
図4Bは取付後の断面図である。
【0043】
図5はセンサーシート100へ取り付けるための端末300の取付構造の説明に供する斜視図であり、
図5Aは取付前の斜視図であり、
図5Bは取付後の斜視図である。
【0044】
ここで、センサーシート100側に設けられたコネクタ140は、平面視で長円形状のパッキン141を有する。パッキン141に囲まれた舌片131上には、他端が電極133へと繋がる配線132の終端が配置されている。
【0045】
また、端末300の裏面には、パッキン141がちょうど入り込む大きさの挿入口311が形成されている。挿入口311内には、スプリングプローブ312及びUSB端子313が配設されている。具体的には、端末300の裏面には、
図4に示すように、シールドフレーム315が形成されており、このシールドフレーム315によって挿入口311が形成されている。そして、シールドフレーム315内には、センサーシート100のセンサー(電極133)に接続される端子(スプリングプローブ312)に加えて、外部機器に接続するための外部端子(USB端子313)が設けられている。この外部端子はメモリに記憶された生体情報を外部機器に出力したり、外部機器から端末の設定を行ったりするものである。そして、シールドフレーム315は、パッキン141が取り付けられると、端子がある内部が外部と遮蔽される。
【0046】
これにより、
図4Bに示すように、端末300の裏面の挿入口311にパッキン141を挿入すると、スプリングプローブ312が舌片131上に表出している配線132の終端に所定の圧力で当接することにより、各スプリングプローブ312と各配線132が電気的に接続される。また、この状態において、パッキン141に囲まれた内側は外側からの水の浸入が防止される。つまり、複数のスプリングプローブ312と複数の配線132は水によってショートすることなく電気的に接続される。
【0047】
また、挿入口311内には、スプリングプローブ312に加えて、USB端子313も配設されているので、端末300がセンサーシート100に取り付けられて心電図の計測が行われている際には、USB端子313が利用不可能となる。これにより、心電図の計測中にUSB端子313に外部の電子機器が接続されることに起因する感電の可能性を確実になくすことができる。つまり、本実施の形態では、心電図計測用の端子(スプリングプローブ312)とUSB端子313とが物理的に同時に接続されることがない構成とされ、安全性を確保している。さらに、パッキン141内に心電図計測用の端子(スプリングプローブ312)とUSB端子313が収容されるので、これらの端子の防水も同時に実現される。つまり、簡易な構成により、防水と安全性の両方が確保される。
【0048】
さらに、
図5に示すように、舌片131の先端には幅広部150が形成されている。また、端末300の裏面には、係止用切欠314が形成されている。挿入口311にコネクタ140のパッキン141が挿入されると、係止用切欠314に舌片131の幅広部150が係合することにより、端末300の矢印z方向(端末300を取り付けたときの地面方向)への動きが舌片131によって係止される。
【0049】
さらに上シート120の表面側には、面ファスナー160が固着されている。この面ファスナー160は、端末300の裏面側に設けられた面ファスナー320と貼着可能となっている。
【0050】
これにより、端末300は、挿入口311にパッキン141が挿入されると、舌片131と係止用切欠314との係合、及び、面ファスナー160、320同士の接合によってセンサーシート100上に保持される。ここで面ファスナー160、320は、面の垂直方向の保持力は弱いが、面方向の保持力は強い。よって、舌片131及び面ファスナー160、320により端末300の面方向への落下を確実に防止するようになる。
【0051】
ここで、端末300は、上部で舌片131に係合することにより、舌片131を軸としてぶら下がる状態となる。この状態で、端末300を軽くセンサーシート100側(つまり被検者側)に押し付けるだけで、面ファスナー160、320同士が接合してぶらつきが押さえられる。実際上、端末300は、舌片131によって少なくとも一部がセンサーシート100から浮いた状態で保持される。
【0052】
被検者が端末300を肌で感じるのは、舌片131とパッキン141との接合部分と、面ファスナー160、320同士の接合部分であり、この結果、例えば端末300の裏面全体をセンサーシート100に固着させるような場合と比較して、端末300の存在による被検者の違和感を小さくできる。面ファスナー160、320の面積を小さくすれば、被検者の違和感をより小さくできるようになる。
【0053】
さらに、面ファスナー160は、ゲル134に対応する位置に配置されている。これにより、ゲルが緩衝材となるので、被検者がより端末300の存在を感じにくくなる。
【0054】
なお、面ファスナー160、320に代えて、例えばスナップボタンや磁石などを用いてもよい。要は、再接合可能な種々の接合具を用いることができる。
【0055】
<実施の形態の効果>
以上説明したように、本実施の形態によれば、センサーシート100に取り付けられたときに内部が外部と遮蔽されるシールドフレーム315内に、センサーシート100のセンサー(電極133)に接続される端子(スプリングプローブ312)に加えて、外部機器に接続するための外部端子(USB端子313)を設けたことにより、生体情報の測定時に外部機器からの電流が端末300及びセンサーシート100を介して被検者に流れることを、簡易な構成により確実に防止できるようになる。
【0056】
ここで、外部端子がUSB端子のように汎用の場合には、外部機器として医療機器以外の電子機器が接続可能である。このような医療機器以外の電子機器は、医療上の安全基準が考慮されていないので、外部端子を介してセンサーシートに接続された場合、被検者に危険な電流が流れるおそれがある。しかし、本実施の形態の構成によれば、医療機器以外の電子機器が接続可能な汎用の外部端子を備える場合であっても、測定中にはこの外部端子に電子機器が接続不可能とされているので、被検者の安全性を確保できる。
【0057】
また、シールドフレーム315にパッキン141を挿入することにより、端子の防水と、測定中における外部端子への電流供給の防止と、を一気に行うことができるようになる。
【0058】
なお、上述の実施の形態では、本発明のセンサーシートを、全ての電極133が1つのシート110、120内に収まる形態について述べたが、各電極133が独立したシートに配置され、被検者に貼り付けられないリード線によって各電極133が接続されるような形態のシートに適用してもよい。ただし、上述の実施の形態では、電極133、配線132及び舌片131が一体化して構成されているので、これらを別体で構成し、ケーブルやコネクト部を介して接続する構成と比較して、ノイズの少ない信号を取得できる。
【0059】
また、上述の実施の形態では、センサーシート100に配線132及び電極133等からなる電気回路部130を搭載した場合について述べたが、本発明のセンサーシートに搭載するセンサーは電気回路部130に限らない。例えばSpO
2を測定するための光学部品をセンサーとして搭載してもよい。センサーシートに搭載するセンサーは、測定する対象に合わせて選択し得る。
【0060】
また、上述の実施の形態では、センサーとしての電気回路部130を下シート110と上シート120の間に配置した場合について述べたが、センサーは上シート120の上に配置してもよい。
【0061】
また、上述の実施の形態では、センサーシート100の中央領域は、下シート110と上シート120との多層構造である場合について述べたが、中央領域に下シート110を存在させずに上シート120のみの単層構造としてもよい。このようにした場合でも、上シート120の強度を下シート110よりも高くすれば、中央領域でのセンサーの保持力と周縁部110aの皮膚への追従性を両立できる。
【0062】
また、上述の実施の形態では、舌片131を上シート120と別体に形成した場合について述べたが、舌片131を上シート120と一体に形成してもよい。つまり、舌片131は上シート120から延長するように延びていればよい。
【0063】
上述の実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することの無い範囲で、様々な形で実施することができる。
【0064】
本出願は、2015年9月11日出願の特願2015−179597に基づく優先権を主張する。当該出願明細書及び図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。