(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、前記第VIII因子ポリペプチドが、軽鎖、重鎖、及び前記重鎖のC末端を前記軽鎖のN末端に連結させるポリペプチドリンカーを含み、
前記第VIII因子ポリペプチドの重鎖が、完全長の配列番号:3に対して少なくとも99%の相同性を有する第1のヌクレオチド配列によってコードされ、
前記第VIII因子ポリペプチドの軽鎖が、完全長の配列番号:4に対して少なくとも99%の相同性を有する第2のヌクレオチド配列によってコードされ、かつ
前記ポリペプチドリンカーが、furin切断部位と配列番号:55のアミノ酸配列を有するグリコシル化ペプチドとを含む、
前記ポリヌクレオチド。
前記第VIII因子ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに機能的に連結されたプロモーターエレメントをさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
前記プロモーターエレメントが、前記第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の上流の肝臓特異的プロモーター配列である、請求項6に記載のポリヌクレオチド。
前記肝臓特異的プロモーター配列と、前記第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列との間に位置するイントロン配列をさらに含む、請求項7に記載のポリヌクレオチド。
インビトロで哺乳類の宿主細胞内に請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを導入する段階を含む、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を作製するための方法であって、前記ポリヌクレオチドが前記哺乳類宿主細胞において複製能力がある、前記方法。
前記第VIII因子ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに機能的に連結されたプロモーターエレメントをさらに含む、請求項15〜17のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
前記プロモーターエレメントが、前記第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の上流の肝臓特異的プロモーター配列である、請求項18に記載のポリヌクレオチド。
前記肝臓特異的プロモーター配列と、前記第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列との間に位置するイントロン配列をさらに含む、請求項19に記載のポリヌクレオチド。
インビトロで哺乳類の宿主細胞内に請求項15〜20のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを導入する段階を含む、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を作製するための方法であって、前記ポリヌクレオチドが前記哺乳類宿主細胞において複製能力がある、前記方法。
第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、前記第VIII因子ポリペプチドが、軽鎖、重鎖、及び前記重鎖のC末端を前記軽鎖のN末端に連結させるポリペプチドリンカーを含み、前記第VIII因子ポリペプチドが、配列番号:19に対するアミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171Pを有し、
前記第VIII因子ポリペプチドの重鎖が、完全長の配列番号:3に対して少なくとも99%の相同性を有する第1のヌクレオチド配列によってコードされ、
前記第VIII因子ポリペプチドの軽鎖が、完全長の配列番号:4に対して少なくとも99%の相同性を有する第2のヌクレオチド配列によってコードされ、かつ
前記ポリペプチドリンカーが、furin切断部位と配列番号:55のアミノ酸配列を有するグリコシル化ペプチドとを含む、
前記ポリヌクレオチド。
前記第VIII因子ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに機能的に連結されたプロモーターエレメントをさらに含む、請求項27〜29のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
前記プロモーターエレメントが、前記第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の上流の肝臓特異的プロモーター配列である、請求項30に記載のポリヌクレオチド。
前記肝臓特異的プロモーター配列と、前記第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列との間に位置するイントロン配列をさらに含む、請求項31に記載のポリヌクレオチド。
インビトロで哺乳類の宿主細胞内に請求項27〜32のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを導入する段階を含む、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を作製するための方法であって、前記ポリヌクレオチドが前記哺乳類宿主細胞において複製能力がある、前記方法。
【発明の概要】
【0012】
開示の概要
したがって、コード配列がより効率的に遺伝子治療ベクターにパッケージングされ、その遺伝子治療ベクターを介して送達される第VIII因子変異型が必要とされている。また、第VIII因子をより効率的に発現するコドン改変合成核酸も必要とされている。そのような第VIII因子変異型及びコドン改変核酸により、第VIII因子欠乏症(例えば、血友病A)の改善された治療が可能になる。開示のコドン改変第VIII因子変異型により、上記の欠乏症及び第VIII因子欠乏症(例えば、血友病A)治療に関連した他の問題が軽減または取り除かれる。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、本開示は、第VIII因子の重鎖(例えば、CS01−HC−NA、CS04−HC−NA、またはCS23−HC−NA)及び軽鎖(CS01−LC−NA、CS04−LC−NA、またはCS23−LC−NA)の開示コドン改変配列に対する配列同一性の高い第VIII因子変異型をコードする核酸を提供する。いくつかの実施形態では、これらの核酸にはさらに、第VIII因子の重鎖をコードする配列と軽鎖をコードする配列とに挟まれた天然型第VIII因子Bドメインに置き換わるリンカー配列(例えば、furin切断部位を含むリンカー配列)をコードする配列が含まれる。
【0014】
一態様では、本開示は、第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供する。第VIII因子ポリペプチドには、軽鎖、重鎖、及び重鎖のC末端を軽鎖のN末端に連結させるポリペプチドリンカーが含まれる。第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、CS04−HC−NA(配列番号3)に対して少なくとも95%の同一性を有する第1のヌクレオチド配列によってコードされる。第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、CS04−LC−NA(配列番号4)に対して少なくとも95%の同一性を有する第2のヌクレオチド配列によってコードされる。ポリペプチドリンカーは、furin切断部位を含む。
【0015】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリペプチドリンカーは、BDLO04(配列番号6)に対して少なくとも95%の同一性を有する第3のヌクレオチド配列によってコードされる。
【0016】
一態様では、本開示は、第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供する。第VIII因子ポリペプチドには、軽鎖、重鎖、及び重鎖のC末端を軽鎖のN末端に連結させるポリペプチドリンカーが含まれる。第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、CS01−HC−NA(配列番号24)に対して少なくとも95%の同一性を有する第1のヌクレオチド配列によってコードされる。第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、CS01−LC−NA(配列番号25)に対して少なくとも95%の同一性を有する第2のヌクレオチド配列によってコードされる。ポリペプチドリンカーは、furin切断部位を含む。
【0017】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリペプチドリンカーは、BDLO01(配列番号5)に対して少なくとも95%の同一性を有する第3のヌクレオチド配列によってコードされる。
【0018】
一態様では、本開示は、第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供する。第VIII因子ポリペプチドには、軽鎖、重鎖、及び重鎖のC末端を軽鎖のN末端に連結させるポリペプチドリンカーが含まれる。第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、CS23−HC−NA(配列番号22)に対して少なくとも95%の同一性を有する第1のヌクレオチド配列によってコードされる。第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、CS23−LC−NA(配列番号23)に対して少なくとも95%の同一性を有する第2のヌクレオチド配列によってコードされる。ポリペプチドリンカーは、furin切断部位を含む。
【0019】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリペプチドリンカーは、BDLO23(配列番号7)に対して少なくとも95%の同一性を有する第3のヌクレオチド配列によってコードされる。
【0020】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドの重鎖をコードする第1のヌクレオチド配列は、それぞれの重鎖配列(例えば、CS04−HC−NA(配列番号3)、CS01−HC−NA(配列番号24)、またはCS23−HC−NA(配列番号22))に対して少なくとも96%の同一性を有し、第VIII因子ポリペプチドの軽鎖をコードする第2のヌクレオチド配列は、それぞれの軽鎖配列(例えば、CS04−LC−NA(配列番号4)、CS01−LC−NA(配列番号25)、またはCS23−LC−NA(配列番号23))に対して少なくとも96%の同一性を有する。
【0021】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドの重鎖をコードする第1のヌクレオチド配列は、それぞれの重鎖配列(例えば、CS04−HC−NA(配列番号3)、CS01−HC−NA(配列番号24)、またはCS23−HC−NA(配列番号22))に対して少なくとも97%の同一性を有し、第VIII因子ポリペプチドの軽鎖をコードする第2のヌクレオチド配列は、それぞれの軽鎖配列(例えば、CS04−LC−NA(配列番号4)、CS01−LC−NA(配列番号25)、またはCS23−LC−NA(配列番号23))に対して少なくとも97%の同一性を有する。
【0022】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドの重鎖をコードする第1のヌクレオチド配列は、それぞれの重鎖配列(例えば、CS04−HC−NA(配列番号3)、CS01−HC−NA(配列番号24)、またはCS23−HC−NA(配列番号22))に対して少なくとも98%の同一性を有し、第VIII因子ポリペプチドの軽鎖をコードする第2のヌクレオチド配列は、それぞれの軽鎖配列(例えば、CS04−LC−NA(配列番号4)、CS01−LC−NA(配列番号25)、またはCS23−LC−NA(配列番号23))に対して少なくとも98%の同一性を有する。
【0023】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドの重鎖をコードする第1のヌクレオチド配列は、それぞれの重鎖配列(例えば、CS04−HC−NA(配列番号3)、CS01−HC−NA(配列番号24)、またはCS23−HC−NA(配列番号22))に対して少なくとも99%の同一性を有し、第VIII因子ポリペプチドの軽鎖をコードする第2のヌクレオチド配列は、それぞれの軽鎖配列(例えば、CS04−LC−NA(配列番号4)、CS01−LC−NA(配列番号25)、またはCS23−LC−NA(配列番号23))に対して少なくとも99%の同一性を有する。
【0024】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドの重鎖をコードする第1のヌクレオチド配列は、それぞれの重鎖配列(例えば、CS04−HC−NA(配列番号3)、CS01−HC−NA(配列番号24)、またはCS23−HC−NA(配列番号22))に対して少なくとも99.5%の同一性を有し、第VIII因子ポリペプチドの軽鎖をコードする第2のヌクレオチド配列は、それぞれの軽鎖配列(例えば、CS04−LC−NA(配列番号4)、CS01−LC−NA(配列番号25)、またはCS23−LC−NA(配列番号23))に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。
【0025】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドの重鎖をコードする第1のヌクレオチド配列は、それぞれの重鎖配列(例えば、CS04−HC−NA(配列番号3)、CS01−HC−NA(配列番号24)、またはCS23−HC−NA(配列番号22))に対して少なくとも99.9%の同一性を有し、第VIII因子ポリペプチドの軽鎖をコードする第2のヌクレオチド配列は、それぞれの軽鎖配列(例えば、CS04−LC−NA(配列番号4)、CS01−LC−NA(配列番号25)、またはCS23−LC−NA(配列番号23))に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。
【0026】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドの重鎖をコードする第1のヌクレオチド配列はCS04−HC−NA(配列番号3)であり、第VIII因子ポリペプチドの軽鎖をコードする第2のヌクレオチド配列はCS04−LC−NA(配列番号4)である。
【0027】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドの重鎖をコードする第1のヌクレオチド配列はCS01−HC−NA(配列番号24)であり、第VIII因子ポリペプチドの軽鎖をコードする第2のヌクレオチド配列はCS01−LC−NA(配列番号25)である。
【0028】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドの重鎖をコードする第1のヌクレオチド配列はCS23−HC−NA(配列番号22)であり、第VIII因子ポリペプチドの軽鎖をコードする第2のヌクレオチド配列はCS23−LC−NA(配列番号23)である。
【0029】
一態様では、本開示は、CS04−FL−NAに対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供し、ここで、かかるポリヌクレオチドは、第VIII因子ポリペプチドをコードする。
【0030】
一態様では、本開示は、CS01−FL−NAに対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供し、ここで、かかるポリヌクレオチドは、第VIII因子ポリペプチドをコードする。
【0031】
一態様では、本開示は、CS23−FL−NAに対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供し、ここで、かかるポリヌクレオチドは、第VIII因子ポリペプチドをコードする。
【0032】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、それぞれの完全長ポリヌクレオチド配列(例えば、CS04−FL−NA(配列番号1)、CS01−FL−NA(配列番号13)、またはCS23−FL−NA(配列番号20))に対して少なくとも96%の同一性を有する。
【0033】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、それぞれの完全長ポリヌクレオチド配列(例えば、CS04−FL−NA(配列番号1)、CS01−FL−NA(配列番号13)、またはCS23−FL−NA(配列番号20))に対して少なくとも97%の同一性を有する。
【0034】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、それぞれの完全長ポリヌクレオチド配列(例えば、CS04−FL−NA(配列番号1)、CS01−FL−NA(配列番号13)、またはCS23−FL−NA(配列番号20))に対して少なくとも98%の同一性を有する。
【0035】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、それぞれの完全長ポリヌクレオチド配列(例えば、CS04−FL−NA(配列番号1)、CS01−FL−NA(配列番号13)、またはCS23−FL−NA(配列番号20))に対して少なくとも99%の同一性を有する。
【0036】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、それぞれの完全長ポリヌクレオチド配列(例えば、CS04−FL−NA(配列番号1)、CS01−FL−NA(配列番号13)、またはCS23−FL−NA(配列番号20))に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。
【0037】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、それぞれの完全長ポリヌクレオチド配列(例えば、CS04−FL−NA(配列番号1)、CS01−FL−NA(配列番号13)、またはCS23−FL−NA(配列番号20))に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。
【0038】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列はCS04−FL−NA(配列番号1)である。
【0039】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列はCS01−FL−NA(配列番号13)である。
【0040】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列はCS23−FL−NA(配列番号20)である。
【0041】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリヌクレオチドは、CS04−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第VIII因子ポリペプチドをコードする。
【0042】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリヌクレオチドは、CS04−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも96%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第VIII因子ポリペプチドをコードする。
【0043】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリヌクレオチドは、CS04−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第VIII因子ポリペプチドをコードする。
【0044】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリヌクレオチドは、CS04−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第VIII因子ポリペプチドをコードする。
【0045】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリヌクレオチドは、CS04−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第VIII因子ポリペプチドをコードする。
【0046】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリヌクレオチドは、CS04−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも99.5%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第VIII因子ポリペプチドをコードする。
【0047】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリヌクレオチドは、CS04−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも99.9%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第VIII因子ポリペプチドをコードする。
【0048】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリヌクレオチドは、CS04−FL−AA(配列番号2)のアミノ酸配列を含む第VIII因子ポリペプチドをコードする。
【0049】
一態様では、本開示は、CS04−SC1−NA(配列番号9)に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供し、ここで、かかるポリヌクレオチドは、第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする。
【0050】
一態様では、本開示は、CS04−SC2−NA(配列番号11)に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供し、ここで、かかるポリヌクレオチドは、第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする。
【0051】
一態様では、本開示は、CS01−SC1−NA(配列番号26)に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供し、ここで、かかるポリヌクレオチドは、第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする。
【0052】
一態様では、本開示は、CS01−SC2−NA(配列番号27)に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供し、ここで、かかるポリヌクレオチドは、第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする。
【0053】
一態様では、本開示は、CS23−SC1−NA(配列番号28)に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供し、ここで、かかるポリヌクレオチドは、第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする。
【0054】
一態様では、本開示は、CS23−SC2−NA(配列番号29)に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを提供し、ここで、かかるポリヌクレオチドは、第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする。
【0055】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、それぞれの完全長ポリヌクレオチド配列(例えば、CS04−SC1−NA(配列番号9)、CS04−SC2−NA(配列番号11)、CS01−SC1−NA(配列番号26)、CS01−SC2−NA(配列番号27)、CS23−SC1−NA(配列番号28)、またはCS23−SC2−NA(配列番号29))に対して少なくとも96%の同一性を有する。
【0056】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、それぞれの完全長ポリヌクレオチド配列(例えば、CS04−SC1−NA(配列番号9)、CS04−SC2−NA(配列番号11)、CS01−SC1−NA(配列番号26)、CS01−SC2−NA(配列番号27)、CS23−SC1−NA(配列番号28)、またはCS23−SC2−NA(配列番号29))に対して少なくとも97%の同一性を有する。
【0057】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、それぞれの完全長ポリヌクレオチド配列(例えば、CS04−SC1−NA(配列番号9)、CS04−SC2−NA(配列番号11)、CS01−SC1−NA(配列番号26)、CS01−SC2−NA(配列番号27)、CS23−SC1−NA(配列番号28)、またはCS23−SC2−NA(配列番号29))に対して少なくとも98%の同一性を有する。
【0058】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、それぞれの完全長ポリヌクレオチド配列(例えば、CS04−SC1−NA(配列番号9)、CS04−SC2−NA(配列番号11)、CS01−SC1−NA(配列番号26)、CS01−SC2−NA(配列番号27)、CS23−SC1−NA(配列番号28)、またはCS23−SC2−NA(配列番号29))に対して少なくとも99%の同一性を有する。
【0059】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、それぞれの完全長ポリヌクレオチド配列(例えば、CS04−SC1−NA(配列番号9)、CS04−SC2−NA(配列番号11)、CS01−SC1−NA(配列番号26)、CS01−SC2−NA(配列番号27)、CS23−SC1−NA(配列番号28)、またはCS23−SC2−NA(配列番号29))に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。
【0060】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、それぞれの完全長ポリヌクレオチド配列(例えば、CS04−SC1−NA(配列番号9)、CS04−SC2−NA(配列番号11)、CS01−SC1−NA(配列番号26)、CS01−SC2−NA(配列番号27)、CS23−SC1−NA(配列番号28)、またはCS23−SC2−NA(配列番号29))に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。
【0061】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列はCS04−SC1−NA(配列番号9)である。
【0062】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列はCS04−SC2−NA(配列番号11)である。
【0063】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列はCS01−SC1−NA(配列番号26)である。
【0064】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列はCS01−SC2−NA(配列番号27)である。
【0065】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列はCS23−SC1−NA(配列番号28)である。
【0066】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列はCS23−SC2−NA(配列番号29)である。
【0067】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−FL−NA、CS01−HC−NA、CS01−LC−NA、CS04−FL−NA、CS04−HC−NA、CS04−LC−NA、CS23−FL−NA、CS23−HC−NA、CS23−LC−NA、CS01m1−FL−NA、CS01m2−FL−NA、CS01m3−FL−NA、CS01m4−FL−NA、CS01m12−FL−NA、CS01m13−FL−NA、CS01m23−FL−NA、CS01m24−FL−NA、CS01m34−FL−NA、CS01m123−FL−NA、CS01m234−FL−NA、CS04m1−FL−NA、CS04m2−FL−NA、CS04m3−FL−NA、CS04m4−FL−NA、CS04m12−FL−NA、CS04m13−FL−NA、CS04m23−FL−NA、CS04m24−FL−NA、CS04m34−FL−NA、CS04m123−FL−NA、CS04m234−FL−NA、CS23m1−FL−NA、CS23m2−FL−NA、CS23m3−FL−NA、CS23m4−FL−NA、CS23m12−FL−NA、CS23m13−FL−NA、CS23m23−FL−NA、CS23m24−FL−NA、CS23m34−FL−NA、CS23m123−FL−NA、CS23m234−FL−NA、CS01−SC1−NA、CS04−SC1−NA、CS23−SC1−NA、CS01m1−SC1−NA、CS01m2−SC1−NA、CS01m3−SC1−NA、CS01m4−SC1−NA、CS01m12−SC1−NA、CS01m13−SC1−NA、CS01m23−SC1−NA、CS01m24−SC1−NA、CS01m34−SC1−NA、CS01m123−SC1−NA、CS01m234−SC1−NA、CS04m1−SC1−NA、CS04m2−SC1−NA、CS04m3−SC1−NA、CS04m4−SC1−NA、CS04m12−SC1−NA、CS04m13−SC1−NA、CS04m23−SC1−NA、CS04m24−SC1−NA、CS04m34−SC1−NA、CS04m123−SC1−NA、CS04m234−SC1−NA、CS23m1−SC1−NA、CS23m2−SC1−NA、CS23m3−SC1−NA、CS23m4−SC1−NA、CS23m12−SC1−NA、CS23m13−SC1−NA、CS23m23−SC1−NA、CS23m24−SC1−NA、CS23m34−SC1−NA、CS23m123−SC1−NA、CS23m234−SC1−NA、CS01−SC2−NA、CS04−SC2−NA、CS23−SC2−NA、CS01m1−SC2−NA、CS01m2−SC2−NA、CS01m3−SC2−NA、CS01m4−SC2−NA、CS01m12−SC2−NA、CS01m13−SC2−NA、CS01m23−SC2−NA、CS01m24−SC2−NA、CS01m34−SC2−NA、CS01m123−SC2−NA、CS01m234−SC2−NA、CS04m1−SC2−NA、CS04m2−SC2−NA、CS04m3−SC2−NA、CS04m4−SC2−NA、CS04m12−SC2−NA、CS04m13−SC2−NA、CS04m23−SC2−NA、CS04m24−SC2−NA、CS04m34−SC2−NA、CS04m123−SC2−NA、CS04m234−SC2−NA、CS23m1−SC2−NA、CS23m2−SC2−NA、CS23m3−SC2−NA、CS23m4−SC2−NA、CS23m12−SC2−NA、CS23m13−SC2−NA、CS23m23−SC2−NA、CS23m24−SC2−NA、CS23m34−SC2−NA、CS23m123−SC2−NA、及びCS23m234−SC2−NAからなる群から選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有する。
【0068】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−FL−NA、CS01−HC−NA、CS01−LC−NA、CS04−FL−NA、CS04−HC−NA、CS04−LC−NA、CS23−FL−NA、CS23−HC−NA、CS23−LC−NA、CS01m1−FL−NA、CS01m2−FL−NA、CS01m3−FL−NA、CS01m4−FL−NA、CS01m12−FL−NA、CS01m13−FL−NA、CS01m23−FL−NA、CS01m24−FL−NA、CS01m34−FL−NA、CS01m123−FL−NA、CS01m234−FL−NA、CS04m1−FL−NA、CS04m2−FL−NA、CS04m3−FL−NA、CS04m4−FL−NA、CS04m12−FL−NA、CS04m13−FL−NA、CS04m23−FL−NA、CS04m24−FL−NA、CS04m34−FL−NA、CS04m123−FL−NA、CS04m234−FL−NA、CS23m1−FL−NA、CS23m2−FL−NA、CS23m3−FL−NA、CS23m4−FL−NA、CS23m12−FL−NA、CS23m13−FL−NA、CS23m23−FL−NA、CS23m24−FL−NA、CS23m34−FL−NA、CS23m123−FL−NA、CS23m234−FL−NA、CS01−SC1−NA、CS04−SC1−NA、CS23−SC1−NA、CS01m1−SC1−NA、CS01m2−SC1−NA、CS01m3−SC1−NA、CS01m4−SC1−NA、CS01m12−SC1−NA、CS01m13−SC1−NA、CS01m23−SC1−NA、CS01m24−SC1−NA、CS01m34−SC1−NA、CS01m123−SC1−NA、CS01m234−SC1−NA、CS04m1−SC1−NA、CS04m2−SC1−NA、CS04m3−SC1−NA、CS04m4−SC1−NA、CS04m12−SC1−NA、CS04m13−SC1−NA、CS04m23−SC1−NA、CS04m24−SC1−NA、CS04m34−SC1−NA、CS04m123−SC1−NA、CS04m234−SC1−NA、CS23m1−SC1−NA、CS23m2−SC1−NA、CS23m3−SC1−NA、CS23m4−SC1−NA、CS23m12−SC1−NA、CS23m13−SC1−NA、CS23m23−SC1−NA、CS23m24−SC1−NA、CS23m34−SC1−NA、CS23m123−SC1−NA、CS23m234−SC1−NA、CS01−SC2−NA、CS04−SC2−NA、CS23−SC2−NA、CS01m1−SC2−NA、CS01m2−SC2−NA、CS01m3−SC2−NA、CS01m4−SC2−NA、CS01m12−SC2−NA、CS01m13−SC2−NA、CS01m23−SC2−NA、CS01m24−SC2−NA、CS01m34−SC2−NA、CS01m123−SC2−NA、CS01m234−SC2−NA、CS04m1−SC2−NA、CS04m2−SC2−NA、CS04m3−SC2−NA、CS04m4−SC2−NA、CS04m12−SC2−NA、CS04m13−SC2−NA、CS04m23−SC2−NA、CS04m24−SC2−NA、CS04m34−SC2−NA、CS04m123−SC2−NA、CS04m234−SC2−NA、CS23m1−SC2−NA、CS23m2−SC2−NA、CS23m3−SC2−NA、CS23m4−SC2−NA、CS23m12−SC2−NA、CS23m13−SC2−NA、CS23m23−SC2−NA、CS23m24−SC2−NA、CS23m34−SC2−NA、CS23m123−SC2−NA、及びCS23m234−SC2−NAからなる群から選択される配列に対して少なくとも96%の同一性を有する。
【0069】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−FL−NA、CS01−HC−NA、CS01−LC−NA、CS04−FL−NA、CS04−HC−NA、CS04−LC−NA、CS23−FL−NA、CS23−HC−NA、CS23−LC−NA、CS01m1−FL−NA、CS01m2−FL−NA、CS01m3−FL−NA、CS01m4−FL−NA、CS01m12−FL−NA、CS01m13−FL−NA、CS01m23−FL−NA、CS01m24−FL−NA、CS01m34−FL−NA、CS01m123−FL−NA、CS01m234−FL−NA、CS04m1−FL−NA、CS04m2−FL−NA、CS04m3−FL−NA、CS04m4−FL−NA、CS04m12−FL−NA、CS04m13−FL−NA、CS04m23−FL−NA、CS04m24−FL−NA、CS04m34−FL−NA、CS04m123−FL−NA、CS04m234−FL−NA、CS23m1−FL−NA、CS23m2−FL−NA、CS23m3−FL−NA、CS23m4−FL−NA、CS23m12−FL−NA、CS23m13−FL−NA、CS23m23−FL−NA、CS23m24−FL−NA、CS23m34−FL−NA、CS23m123−FL−NA、CS23m234−FL−NA、CS01−SC1−NA、CS04−SC1−NA、CS23−SC1−NA、CS01m1−SC1−NA、CS01m2−SC1−NA、CS01m3−SC1−NA、CS01m4−SC1−NA、CS01m12−SC1−NA、CS01m13−SC1−NA、CS01m23−SC1−NA、CS01m24−SC1−NA、CS01m34−SC1−NA、CS01m123−SC1−NA、CS01m234−SC1−NA、CS04m1−SC1−NA、CS04m2−SC1−NA、CS04m3−SC1−NA、CS04m4−SC1−NA、CS04m12−SC1−NA、CS04m13−SC1−NA、CS04m23−SC1−NA、CS04m24−SC1−NA、CS04m34−SC1−NA、CS04m123−SC1−NA、CS04m234−SC1−NA、CS23m1−SC1−NA、CS23m2−SC1−NA、CS23m3−SC1−NA、CS23m4−SC1−NA、CS23m12−SC1−NA、CS23m13−SC1−NA、CS23m23−SC1−NA、CS23m24−SC1−NA、CS23m34−SC1−NA、CS23m123−SC1−NA、CS23m234−SC1−NA、CS01−SC2−NA、CS04−SC2−NA、CS23−SC2−NA、CS01m1−SC2−NA、CS01m2−SC2−NA、CS01m3−SC2−NA、CS01m4−SC2−NA、CS01m12−SC2−NA、CS01m13−SC2−NA、CS01m23−SC2−NA、CS01m24−SC2−NA、CS01m34−SC2−NA、CS01m123−SC2−NA、CS01m234−SC2−NA、CS04m1−SC2−NA、CS04m2−SC2−NA、CS04m3−SC2−NA、CS04m4−SC2−NA、CS04m12−SC2−NA、CS04m13−SC2−NA、CS04m23−SC2−NA、CS04m24−SC2−NA、CS04m34−SC2−NA、CS04m123−SC2−NA、CS04m234−SC2−NA、CS23m1−SC2−NA、CS23m2−SC2−NA、CS23m3−SC2−NA、CS23m4−SC2−NA、CS23m12−SC2−NA、CS23m13−SC2−NA、CS23m23−SC2−NA、CS23m24−SC2−NA、CS23m34−SC2−NA、CS23m123−SC2−NA、及びCS23m234−SC2−NAからなる群から選択される配列に対して少なくとも97%の同一性を有する。
【0070】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−FL−NA、CS01−HC−NA、CS01−LC−NA、CS04−FL−NA、CS04−HC−NA、CS04−LC−NA、CS23−FL−NA、CS23−HC−NA、CS23−LC−NA、CS01m1−FL−NA、CS01m2−FL−NA、CS01m3−FL−NA、CS01m4−FL−NA、CS01m12−FL−NA、CS01m13−FL−NA、CS01m23−FL−NA、CS01m24−FL−NA、CS01m34−FL−NA、CS01m123−FL−NA、CS01m234−FL−NA、CS04m1−FL−NA、CS04m2−FL−NA、CS04m3−FL−NA、CS04m4−FL−NA、CS04m12−FL−NA、CS04m13−FL−NA、CS04m23−FL−NA、CS04m24−FL−NA、CS04m34−FL−NA、CS04m123−FL−NA、CS04m234−FL−NA、CS23m1−FL−NA、CS23m2−FL−NA、CS23m3−FL−NA、CS23m4−FL−NA、CS23m12−FL−NA、CS23m13−FL−NA、CS23m23−FL−NA、CS23m24−FL−NA、CS23m34−FL−NA、CS23m123−FL−NA、CS23m234−FL−NA、CS01−SC1−NA、CS04−SC1−NA、CS23−SC1−NA、CS01m1−SC1−NA、CS01m2−SC1−NA、CS01m3−SC1−NA、CS01m4−SC1−NA、CS01m12−SC1−NA、CS01m13−SC1−NA、CS01m23−SC1−NA、CS01m24−SC1−NA、CS01m34−SC1−NA、CS01m123−SC1−NA、CS01m234−SC1−NA、CS04m1−SC1−NA、CS04m2−SC1−NA、CS04m3−SC1−NA、CS04m4−SC1−NA、CS04m12−SC1−NA、CS04m13−SC1−NA、CS04m23−SC1−NA、CS04m24−SC1−NA、CS04m34−SC1−NA、CS04m123−SC1−NA、CS04m234−SC1−NA、CS23m1−SC1−NA、CS23m2−SC1−NA、CS23m3−SC1−NA、CS23m4−SC1−NA、CS23m12−SC1−NA、CS23m13−SC1−NA、CS23m23−SC1−NA、CS23m24−SC1−NA、CS23m34−SC1−NA、CS23m123−SC1−NA、CS23m234−SC1−NA、CS01−SC2−NA、CS04−SC2−NA、CS23−SC2−NA、CS01m1−SC2−NA、CS01m2−SC2−NA、CS01m3−SC2−NA、CS01m4−SC2−NA、CS01m12−SC2−NA、CS01m13−SC2−NA、CS01m23−SC2−NA、CS01m24−SC2−NA、CS01m34−SC2−NA、CS01m123−SC2−NA、CS01m234−SC2−NA、CS04m1−SC2−NA、CS04m2−SC2−NA、CS04m3−SC2−NA、CS04m4−SC2−NA、CS04m12−SC2−NA、CS04m13−SC2−NA、CS04m23−SC2−NA、CS04m24−SC2−NA、CS04m34−SC2−NA、CS04m123−SC2−NA、CS04m234−SC2−NA、CS23m1−SC2−NA、CS23m2−SC2−NA、CS23m3−SC2−NA、CS23m4−SC2−NA、CS23m12−SC2−NA、CS23m13−SC2−NA、CS23m23−SC2−NA、CS23m24−SC2−NA、CS23m34−SC2−NA、CS23m123−SC2−NA、及びCS23m234−SC2−NAからなる群から選択される配列に対して少なくとも98%の同一性を有する。
【0071】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−FL−NA、CS01−HC−NA、CS01−LC−NA、CS04−FL−NA、CS04−HC−NA、CS04−LC−NA、CS23−FL−NA、CS23−HC−NA、CS23−LC−NA、CS01m1−FL−NA、CS01m2−FL−NA、CS01m3−FL−NA、CS01m4−FL−NA、CS01m12−FL−NA、CS01m13−FL−NA、CS01m23−FL−NA、CS01m24−FL−NA、CS01m34−FL−NA、CS01m123−FL−NA、CS01m234−FL−NA、CS04m1−FL−NA、CS04m2−FL−NA、CS04m3−FL−NA、CS04m4−FL−NA、CS04m12−FL−NA、CS04m13−FL−NA、CS04m23−FL−NA、CS04m24−FL−NA、CS04m34−FL−NA、CS04m123−FL−NA、CS04m234−FL−NA、CS23m1−FL−NA、CS23m2−FL−NA、CS23m3−FL−NA、CS23m4−FL−NA、CS23m12−FL−NA、CS23m13−FL−NA、CS23m23−FL−NA、CS23m24−FL−NA、CS23m34−FL−NA、CS23m123−FL−NA、CS23m234−FL−NA、CS01−SC1−NA、CS04−SC1−NA、CS23−SC1−NA、CS01m1−SC1−NA、CS01m2−SC1−NA、CS01m3−SC1−NA、CS01m4−SC1−NA、CS01m12−SC1−NA、CS01m13−SC1−NA、CS01m23−SC1−NA、CS01m24−SC1−NA、CS01m34−SC1−NA、CS01m123−SC1−NA、CS01m234−SC1−NA、CS04m1−SC1−NA、CS04m2−SC1−NA、CS04m3−SC1−NA、CS04m4−SC1−NA、CS04m12−SC1−NA、CS04m13−SC1−NA、CS04m23−SC1−NA、CS04m24−SC1−NA、CS04m34−SC1−NA、CS04m123−SC1−NA、CS04m234−SC1−NA、CS23m1−SC1−NA、CS23m2−SC1−NA、CS23m3−SC1−NA、CS23m4−SC1−NA、CS23m12−SC1−NA、CS23m13−SC1−NA、CS23m23−SC1−NA、CS23m24−SC1−NA、CS23m34−SC1−NA、CS23m123−SC1−NA、CS23m234−SC1−NA、CS01−SC2−NA、CS04−SC2−NA、CS23−SC2−NA、CS01m1−SC2−NA、CS01m2−SC2−NA、CS01m3−SC2−NA、CS01m4−SC2−NA、CS01m12−SC2−NA、CS01m13−SC2−NA、CS01m23−SC2−NA、CS01m24−SC2−NA、CS01m34−SC2−NA、CS01m123−SC2−NA、CS01m234−SC2−NA、CS04m1−SC2−NA、CS04m2−SC2−NA、CS04m3−SC2−NA、CS04m4−SC2−NA、CS04m12−SC2−NA、CS04m13−SC2−NA、CS04m23−SC2−NA、CS04m24−SC2−NA、CS04m34−SC2−NA、CS04m123−SC2−NA、CS04m234−SC2−NA、CS23m1−SC2−NA、CS23m2−SC2−NA、CS23m3−SC2−NA、CS23m4−SC2−NA、CS23m12−SC2−NA、CS23m13−SC2−NA、CS23m23−SC2−NA、CS23m24−SC2−NA、CS23m34−SC2−NA、CS23m123−SC2−NA、及びCS23m234−SC2−NAからなる群から選択される配列に対して少なくとも99%の同一性を有する。
【0072】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−FL−NA、CS01−HC−NA、CS01−LC−NA、CS04−FL−NA、CS04−HC−NA、CS04−LC−NA、CS23−FL−NA、CS23−HC−NA、CS23−LC−NA、CS01m1−FL−NA、CS01m2−FL−NA、CS01m3−FL−NA、CS01m4−FL−NA、CS01m12−FL−NA、CS01m13−FL−NA、CS01m23−FL−NA、CS01m24−FL−NA、CS01m34−FL−NA、CS01m123−FL−NA、CS01m234−FL−NA、CS04m1−FL−NA、CS04m2−FL−NA、CS04m3−FL−NA、CS04m4−FL−NA、CS04m12−FL−NA、CS04m13−FL−NA、CS04m23−FL−NA、CS04m24−FL−NA、CS04m34−FL−NA、CS04m123−FL−NA、CS04m234−FL−NA、CS23m1−FL−NA、CS23m2−FL−NA、CS23m3−FL−NA、CS23m4−FL−NA、CS23m12−FL−NA、CS23m13−FL−NA、CS23m23−FL−NA、CS23m24−FL−NA、CS23m34−FL−NA、CS23m123−FL−NA、CS23m234−FL−NA、CS01−SC1−NA、CS04−SC1−NA、CS23−SC1−NA、CS01m1−SC1−NA、CS01m2−SC1−NA、CS01m3−SC1−NA、CS01m4−SC1−NA、CS01m12−SC1−NA、CS01m13−SC1−NA、CS01m23−SC1−NA、CS01m24−SC1−NA、CS01m34−SC1−NA、CS01m123−SC1−NA、CS01m234−SC1−NA、CS04m1−SC1−NA、CS04m2−SC1−NA、CS04m3−SC1−NA、CS04m4−SC1−NA、CS04m12−SC1−NA、CS04m13−SC1−NA、CS04m23−SC1−NA、CS04m24−SC1−NA、CS04m34−SC1−NA、CS04m123−SC1−NA、CS04m234−SC1−NA、CS23m1−SC1−NA、CS23m2−SC1−NA、CS23m3−SC1−NA、CS23m4−SC1−NA、CS23m12−SC1−NA、CS23m13−SC1−NA、CS23m23−SC1−NA、CS23m24−SC1−NA、CS23m34−SC1−NA、CS23m123−SC1−NA、CS23m234−SC1−NA、CS01−SC2−NA、CS04−SC2−NA、CS23−SC2−NA、CS01m1−SC2−NA、CS01m2−SC2−NA、CS01m3−SC2−NA、CS01m4−SC2−NA、CS01m12−SC2−NA、CS01m13−SC2−NA、CS01m23−SC2−NA、CS01m24−SC2−NA、CS01m34−SC2−NA、CS01m123−SC2−NA、CS01m234−SC2−NA、CS04m1−SC2−NA、CS04m2−SC2−NA、CS04m3−SC2−NA、CS04m4−SC2−NA、CS04m12−SC2−NA、CS04m13−SC2−NA、CS04m23−SC2−NA、CS04m24−SC2−NA、CS04m34−SC2−NA、CS04m123−SC2−NA、CS04m234−SC2−NA、CS23m1−SC2−NA、CS23m2−SC2−NA、CS23m3−SC2−NA、CS23m4−SC2−NA、CS23m12−SC2−NA、CS23m13−SC2−NA、CS23m23−SC2−NA、CS23m24−SC2−NA、CS23m34−SC2−NA、CS23m123−SC2−NA、及びCS23m234−SC2−NAからなる群から選択される配列に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。
【0073】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−FL−NA、CS01−HC−NA、CS01−LC−NA、CS04−FL−NA、CS04−HC−NA、CS04−LC−NA、CS23−FL−NA、CS23−HC−NA、CS23−LC−NA、CS01m1−FL−NA、CS01m2−FL−NA、CS01m3−FL−NA、CS01m4−FL−NA、CS01m12−FL−NA、CS01m13−FL−NA、CS01m23−FL−NA、CS01m24−FL−NA、CS01m34−FL−NA、CS01m123−FL−NA、CS01m234−FL−NA、CS04m1−FL−NA、CS04m2−FL−NA、CS04m3−FL−NA、CS04m4−FL−NA、CS04m12−FL−NA、CS04m13−FL−NA、CS04m23−FL−NA、CS04m24−FL−NA、CS04m34−FL−NA、CS04m123−FL−NA、CS04m234−FL−NA、CS23m1−FL−NA、CS23m2−FL−NA、CS23m3−FL−NA、CS23m4−FL−NA、CS23m12−FL−NA、CS23m13−FL−NA、CS23m23−FL−NA、CS23m24−FL−NA、CS23m34−FL−NA、CS23m123−FL−NA、CS23m234−FL−NA、CS01−SC1−NA、CS04−SC1−NA、CS23−SC1−NA、CS01m1−SC1−NA、CS01m2−SC1−NA、CS01m3−SC1−NA、CS01m4−SC1−NA、CS01m12−SC1−NA、CS01m13−SC1−NA、CS01m23−SC1−NA、CS01m24−SC1−NA、CS01m34−SC1−NA、CS01m123−SC1−NA、CS01m234−SC1−NA、CS04m1−SC1−NA、CS04m2−SC1−NA、CS04m3−SC1−NA、CS04m4−SC1−NA、CS04m12−SC1−NA、CS04m13−SC1−NA、CS04m23−SC1−NA、CS04m24−SC1−NA、CS04m34−SC1−NA、CS04m123−SC1−NA、CS04m234−SC1−NA、CS23m1−SC1−NA、CS23m2−SC1−NA、CS23m3−SC1−NA、CS23m4−SC1−NA、CS23m12−SC1−NA、CS23m13−SC1−NA、CS23m23−SC1−NA、CS23m24−SC1−NA、CS23m34−SC1−NA、CS23m123−SC1−NA、CS23m234−SC1−NA、CS01−SC2−NA、CS04−SC2−NA、CS23−SC2−NA、CS01m1−SC2−NA、CS01m2−SC2−NA、CS01m3−SC2−NA、CS01m4−SC2−NA、CS01m12−SC2−NA、CS01m13−SC2−NA、CS01m23−SC2−NA、CS01m24−SC2−NA、CS01m34−SC2−NA、CS01m123−SC2−NA、CS01m234−SC2−NA、CS04m1−SC2−NA、CS04m2−SC2−NA、CS04m3−SC2−NA、CS04m4−SC2−NA、CS04m12−SC2−NA、CS04m13−SC2−NA、CS04m23−SC2−NA、CS04m24−SC2−NA、CS04m34−SC2−NA、CS04m123−SC2−NA、CS04m234−SC2−NA、CS23m1−SC2−NA、CS23m2−SC2−NA、CS23m3−SC2−NA、CS23m4−SC2−NA、CS23m12−SC2−NA、CS23m13−SC2−NA、CS23m23−SC2−NA、CS23m24−SC2−NA、CS23m34−SC2−NA、CS23m123−SC2−NA、及びCS23m234−SC2−NAからなる群から選択される配列に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。
【0074】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−FL−NA、CS01−HC−NA、CS01−LC−NA、CS04−FL−NA、CS04−HC−NA、CS04−LC−NA、CS23−FL−NA、CS23−HC−NA、CS23−LC−NA、CS01m1−FL−NA、CS01m2−FL−NA、CS01m3−FL−NA、CS01m4−FL−NA、CS01m12−FL−NA、CS01m13−FL−NA、CS01m23−FL−NA、CS01m24−FL−NA、CS01m34−FL−NA、CS01m123−FL−NA、CS01m234−FL−NA、CS04m1−FL−NA、CS04m2−FL−NA、CS04m3−FL−NA、CS04m4−FL−NA、CS04m12−FL−NA、CS04m13−FL−NA、CS04m23−FL−NA、CS04m24−FL−NA、CS04m34−FL−NA、CS04m123−FL−NA、CS04m234−FL−NA、CS23m1−FL−NA、CS23m2−FL−NA、CS23m3−FL−NA、CS23m4−FL−NA、CS23m12−FL−NA、CS23m13−FL−NA、CS23m23−FL−NA、CS23m24−FL−NA、CS23m34−FL−NA、CS23m123−FL−NA、CS23m234−FL−NA、CS01−SC1−NA、CS04−SC1−NA、CS23−SC1−NA、CS01m1−SC1−NA、CS01m2−SC1−NA、CS01m3−SC1−NA、CS01m4−SC1−NA、CS01m12−SC1−NA、CS01m13−SC1−NA、CS01m23−SC1−NA、CS01m24−SC1−NA、CS01m34−SC1−NA、CS01m123−SC1−NA、CS01m234−SC1−NA、CS04m1−SC1−NA、CS04m2−SC1−NA、CS04m3−SC1−NA、CS04m4−SC1−NA、CS04m12−SC1−NA、CS04m13−SC1−NA、CS04m23−SC1−NA、CS04m24−SC1−NA、CS04m34−SC1−NA、CS04m123−SC1−NA、CS04m234−SC1−NA、CS23m1−SC1−NA、CS23m2−SC1−NA、CS23m3−SC1−NA、CS23m4−SC1−NA、CS23m12−SC1−NA、CS23m13−SC1−NA、CS23m23−SC1−NA、CS23m24−SC1−NA、CS23m34−SC1−NA、CS23m123−SC1−NA、CS23m234−SC1−NA、CS01−SC2−NA、CS04−SC2−NA、CS23−SC2−NA、CS01m1−SC2−NA、CS01m2−SC2−NA、CS01m3−SC2−NA、CS01m4−SC2−NA、CS01m12−SC2−NA、CS01m13−SC2−NA、CS01m23−SC2−NA、CS01m24−SC2−NA、CS01m34−SC2−NA、CS01m123−SC2−NA、CS01m234−SC2−NA、CS04m1−SC2−NA、CS04m2−SC2−NA、CS04m3−SC2−NA、CS04m4−SC2−NA、CS04m12−SC2−NA、CS04m13−SC2−NA、CS04m23−SC2−NA、CS04m24−SC2−NA、CS04m34−SC2−NA、CS04m123−SC2−NA、CS04m234−SC2−NA、CS23m1−SC2−NA、CS23m2−SC2−NA、CS23m3−SC2−NA、CS23m4−SC2−NA、CS23m12−SC2−NA、CS23m13−SC2−NA、CS23m23−SC2−NA、CS23m24−SC2−NA、CS23m34−SC2−NA、CS23m123−SC2−NA、及びCS23m234−SC2−NAからなる群から選択される。
【0075】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドは、連続する2つのアミノ酸の間に位置するグリコシル化ポリペプチドを含む。
【0076】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、コードされたポリペプチドリンカーには、NG1−AA、NG4−AA、NG5−AA、NG6−AA、NG7−AA、NG9−AA、NG10−AA、NG16−AA、NG17−AA、NG18−AA、NG19−AA、NG20−AA、NG21−AA及びNGV−AAからなる群から選択されるグリコシル化ペプチドに対して少なくとも92%の同一性を有するアミノ酸配列を有するグリコシル化ペプチドが含まれる。
【0077】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、コードされたポリペプチドリンカーは、NG1−AA、NG4−AA、NG5−AA、NG6−AA、NG7−AA、NG9−AA、NG10−AA、NG16−AA、NG17−AA、NG18−AA、NG19−AA、NG20−AA、NG21−AA及びNGV−AAからなる群から選択されるアミノ酸配列を有するグリコシル化ペプチドを含む。
【0078】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、グリコシル化ペプチドは、NG1−NA、NG4−NA、NG5−NA、NG6−NA、NG7−NA、NG9−NA、NG10−NA、NG16−NA、NG17−NA、NG18−NA、NG19−NA、NG20−NA、NG21−NA及びNGV−NAからなる群から選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドによってコードされる。
【0079】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、グリコシル化ペプチドは、NG1−NA、NG4−NA、NG5−NA、NG6−NA、NG7−NA、NG9−NA、NG10−NA、NG16−NA、NG17−NA、NG18−NA、NG19−NA、NG20−NA、NG21−NA及びNGV−NAの1つから選択されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドによってコードされる。
【0080】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリペプチドリンカーは、BDLNG1−NA、BDLNG3−NA、BDLNG5−NA、BDLNG6−NA、BDLNG9−NA、BDLNG10−NA、BDLNG16−NA、BDLNG17−NA、BDLNG18−NA、BDLNG19−NA、BDLNG20−NA及びBDLNG21−NAからなる群から選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有する第3のヌクレオチド配列によってコードされる。
【0081】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換F328S(SPIの場合。SPEではF309S)が含まれる。
【0082】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171P(SPIの場合;SPEではそれぞれ、I86V、A108S、G132K、M147T、及びL152P)が含まれる。
【0083】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、(a)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPR755〜759の欠失、及び(b)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入が含まれる。いくつかの実施形態(例えば、コードされたFVIII分子に、野生型BドメインのN末端領域の一部が含まれる場合)では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸SF760〜761の欠失も含まれる。
【0084】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、(a)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換F328S(SPIの場合;SPEではF309S)、及び(b)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換C1918G及びC1922G(SPIの場合;SPEではそれぞれ、C1899G及びC1903)が含まれる。
【0085】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、(a)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換F328S(SPIの場合;SPEではF309S)、及び(b)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171P(SPIの場合;SPEではそれぞれ、I86V、A108S、G132K、M147T、及びL152P)が含まれる。
【0086】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、(a)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換F328S、(b)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPR755〜759の欠失、及び(c)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入が含まれる。いくつかの実施形態(例えば、コードされたFVIII分子に、野生型BドメインのN末端領域の一部が含まれる場合)では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸SF760〜761の欠失も含まれる。
【0087】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、(a)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171P、(b)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPR755〜759の欠失、及び(c)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入が含まれる。いくつかの実施形態(例えば、コードされたFVIII分子に、野生型BドメインのN末端領域の一部が含まれる場合)では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸SF760〜761の欠失も含まれる。
【0088】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、(a)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換F328S、(b)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換C1918G及びC1922G、及び(c)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171Pが含まれる。
【0089】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、(a)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換F328S、(b)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換C1918G及びC1922G、(c)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPR755〜759の欠失、及び(d)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入が含まれる。いくつかの実施形態(例えば、コードされたFVIII分子に、野生型BドメインのN末端領域の一部が含まれる場合)では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸SF760〜761の欠失も含まれる。
【0090】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、(a)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171P、(b)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換F328S、(c)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、アミノ酸置換C1918G及びC1922G、(d)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPR755〜759の欠失、及び(e)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入が含まれる。いくつかの実施形態(例えば、コードされたFVIII分子に、野生型BドメインのN末端領域の一部が含まれる場合)では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸SF760〜761の欠失も含まれる。
【0091】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリヌクレオチドには、第VIII因子ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに機能的に連結されたプロモーターエレメントも含まれる。
【0092】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリヌクレオチドには、第VIII因子ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに機能的に連結されたエンハンサーエレメントも含まれる。
【0093】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリヌクレオチドには、第VIII因子ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに機能的に連結されたポリアデニル化エレメントも含まれる。
【0094】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、ポリヌクレオチドには、第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に機能的に連結されたイントロンも含まれる。
【0095】
上記ポリヌクレオチドの一実施形態では、イントロンは、プロモーターエレメントと、第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の翻訳開始部位(例えば、最初にコードするATG)との間に位置する。
【0096】
別の態様では、本開示は、上記のようなポリヌクレオチドを含む哺乳類遺伝子治療ベクターを提供する。
【0097】
上記哺乳類遺伝子治療ベクターの一実施形態では、哺乳類遺伝子治療ベクターはアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである。
【0098】
上記哺乳類遺伝子治療ベクターの一実施形態では、AAVベクターはAAV−8ベクターである。
【0099】
別の態様では、本開示は、それを必要とする患者に対し上記のような哺乳類遺伝子治療ベクターを投与することを含む、血友病Aを治療する方法を提供する。
【0100】
別の態様では、本開示は、血友病Aを治療するための上記のような哺乳類遺伝子治療ベクターを提供する。
【0101】
別の態様では、本開示は、血友病A治療用医薬品を製造するための上記のような哺乳類遺伝子治療ベクターの使用を提供する。
【0102】
別の態様では、本開示は、軽鎖、重鎖、及び重鎖のC末端を軽鎖のN末端に連結させるポリペプチドリンカーを含む第VIII因子ポリペプチドを提供する。第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、配列CS01−HC−AAm23に対して少なくとも95%同一な配列を有する。第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、配列CS01−LC−AAm23に対して少なくとも95%同一な配列を有する。第VIII因子ポリペプチドのポリペプチドリンカーには、furin切断部位が含まれる。第VIII因子ポリペプチドには、(i)アミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171P、(ii)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPR755〜759の欠失、及び(iii)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入が含まれる。
【0103】
別の態様では、本開示は、軽鎖、重鎖、及び重鎖のC末端を軽鎖のN末端に連結させるポリペプチドリンカーを含む第VIII因子ポリペプチドを提供する。第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、配列CS01−HC−AAm123に対して少なくとも95%同一な配列を有する。第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、配列CS01−LC−AAm123に対して少なくとも95%同一な配列を有する。第VIII因子ポリペプチドのポリペプチドリンカーには、furin切断部位が含まれる。第VIII因子ポリペプチドには、(i)アミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171P、(ii)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPR755〜759の欠失、(iii)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入、及びiv)アミノ酸置換F328Sが含まれる。
【0104】
別の態様では、本開示は、軽鎖、重鎖、及び重鎖のC末端を軽鎖のN末端に連結させるポリペプチドリンカーを含む第VIII因子ポリペプチドを提供する。第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、配列CS01−HC−AAm234に対して少なくとも95%同一な配列を有する。第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、配列CS01−LC−AAm234に対して少なくとも95%同一な配列を有する。第VIII因子ポリペプチドのポリペプチドリンカーには、furin切断部位が含まれる。第VIII因子ポリペプチドには、(i)アミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171P、(ii)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPR755〜759の欠失、(iii)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入、及びiv)アミノ酸置換F328S/C1918G/C1922Gが含まれる。
【0105】
記載の第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、それぞれの重鎖配列(例えば、CS01−HC−AAm23、CS01−HC−AAm123、またはCS01−HC−AAm234)に対して少なくとも96%同一な配列を有し、第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、それぞれの軽鎖配列(例えば、CS01−LC−AAm23、CS01−LC−AAm123、またはCS01−LC−AAm234)に対して少なくとも96%同一な配列を有する。
【0106】
記載の第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、それぞれの重鎖配列(例えば、CS01−HC−AAm23、CS01−HC−AAm123、またはCS01−HC−AAm234)に対して少なくとも97%同一な配列を有し、第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、それぞれの軽鎖配列(例えば、CS01−LC−AAm23、CS01−LC−AAm123、またはCS01−LC−AAm234)に対して少なくとも97%同一な配列を有する。
【0107】
記載の第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、それぞれの重鎖配列(例えば、CS01−HC−AAm23、CS01−HC−AAm123、またはCS01−HC−AAm234)に対して少なくとも98%同一な配列を有し、第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、それぞれの軽鎖配列(例えば、CS01−LC−AAm23、CS01−LC−AAm123、またはCS01−LC−AAm234)に対して少なくとも98%同一な配列を有する。
【0108】
記載の第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、それぞれの重鎖配列(例えば、CS01−HC−AAm23、CS01−HC−AAm123、またはCS01−HC−AAm234)に対して少なくとも99%同一な配列を有し、第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、それぞれの軽鎖配列(例えば、CS01−LC−AAm23、CS01−LC−AAm123、またはCS01−LC−AAm234)に対して少なくとも99%同一な配列を有する。
【0109】
記載の第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、それぞれの重鎖配列(例えば、CS01−HC−AAm23、CS01−HC−AAm123、またはCS01−HC−AAm234)に対して少なくとも99.5%同一な配列を有し、第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、それぞれの軽鎖配列(例えば、CS01−LC−AAm23、CS01−LC−AAm123、またはCS01−LC−AAm234)に対して少なくとも99.5%同一な配列を有する。
【0110】
記載の第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、それぞれの重鎖配列(例えば、CS01−HC−AAm23、CS01−HC−AAm123、またはCS01−HC−AAm234)と同一な配列を有し、第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、それぞれの軽鎖配列(例えば、CS01−LC−AAm23、CS01−LC−AAm123、またはCS01−LC−AAm234)と同一な配列を有する。
【0111】
上記第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、ポリペプチドリンカーは、BDL−SQ−AA(配列番号30)に対して少なくとも95%の同一性を有する。
【0112】
上記第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、ポリペプチドリンカーは、BDL−SQ−AA(配列番号30)のアミノ酸配列を有する。
【0113】
上記第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、ポリペプチドリンカーには、NG1−AA、NG4−AA、NG5−AA、NG6−AA、NG7−AA、NG9−AA、NG10−AA、NG16−AA、NG17−AA、NG18−AA、NG19−AA、NG20−AA、NG21−AA及びNGV−AAからなる群から選択されるグリコシル化ペプチドに対して少なくとも92%の同一性を有するアミノ酸配列を有するグリコシル化ペプチドが含まれる。
【0114】
上記第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、ポリペプチドリンカーには、NG1−AA、NG4−AA、NG5−AA、NG6−AA、NG7−AA、NG9−AA、NG10−AA、NG16−AA、NG17−AA、NG18−AA、NG19−AA、NG20−AA、NG21−AA及びNGV−AAからなる群から選択されるグリコシル化ペプチドが含まれる。
【0115】
上記第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、ポリペプチドリンカーは、BDLNG1−AA、BDLNG3−AA、BDLNG5−AA、BDLNG6−AA、BDLNG9−AA、BDLNG10−AA、BDLNG16−AA、BDLNG17−AA、BDLNG18−AA、BDLNG19−AA、BDLNG20−AA及びBDLNG21−AAからなる群から選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する。
【0116】
上記第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、ポリペプチドリンカーは、BDLNG1−AA、BDLNG3−AA、BDLNG5−AA、BDLNG6−AA、BDLNG9−AA、BDLNG10−NA、BDLNG16−AA、BDLNG17−AA、BDLNG18−AA、BDLNG19−AA、BDLNG20−AA及びBDLNG21−AAからなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0117】
別の態様では、本開示は、CS40−FL−AAm23(配列番号104)に対する同一性が少なくとも95%であるアミノ酸配列を有する第VIII因子ポリペプチドを提供する。第VIII因子ポリペプチドには、(i)アミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171P、(ii)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPR755〜759の欠失、及び(iii)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入が含まれる。
【0118】
別の態様では、本開示は、CS40−FL−AAm123に対する同一性が少なくとも95%であるアミノ酸配列を有する第VIII因子ポリペプチドを提供する。第VIII因子ポリペプチドには、(i)アミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171P、(ii)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPR755〜759の欠失、(iii)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入、及びiv)アミノ酸置換F328Sが含まれる。
【0119】
別の態様では、本開示は、CS40−FL−AAm234に対する同一性が少なくとも95%であるアミノ酸配列を有する第VIII因子ポリペプチドを提供する。第VIII因子ポリペプチドには、(i)アミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171P、(ii)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPR755〜759の欠失、(iii)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入、及びiv)アミノ酸置換F328S/C1918G/C1922Gが含まれる。
【0120】
記載の第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドは、それぞれの完全長配列(例えばCS40−FL−AAm23(配列番号104)、CS40−FL−AAm123、またはCS40−FL−AAm234)に対して少なくとも96%同一な配列を有する。
【0121】
記載の第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドは、それぞれの完全長配列(例えば、CS40−FL−AAm23(配列番号104)、CS40−FL−AAm123、またはCS40−FL−AAm234)に対して少なくとも97%同一な配列を有する。
【0122】
記載の第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドは、それぞれの完全長配列(例えば、CS40−FL−AAm23(配列番号104)、CS40−FL−AAm123、またはCS40−FL−AAm234)に対して少なくとも98%同一な配列を有する。
【0123】
記載の第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドは、それぞれの完全長配列(例えば、CS40−FL−AAm23(配列番号104)、CS40−FL−AAm123、またはCS40−FL−AAm234)に対して少なくとも99%同一な配列を有する。
【0124】
記載の第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドは、それぞれの完全長配列(例えば、CS40−FL−AAm23(配列番号104)、CS40−FL−AAm123、またはCS40−FL−AAm234)に対して少なくとも99.5%同一な配列を有する。
【0125】
記載の第VIII因子ポリペプチドの一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドは、それぞれの完全長配列(例えば、CS40−FL−AAm23(配列番号104)、CS40−FL−AAm123、またはCS40−FL−AAm234)と同一な配列を有する。
[本発明1001]
CS01−FL−NA(配列番号13)に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、第VIII因子ポリペプチドをコードする、前記ポリヌクレオチド。
[本発明1002]
前記ヌクレオチド配列が、CS01−FL−NA(配列番号13)に対して少なくとも99%の同一性を有する、本発明1001のポリヌクレオチド。
[本発明1003]
前記ヌクレオチド配列がCS01−FL−NA(配列番号13)である、本発明1001のポリヌクレオチド。
[本発明1004]
第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、前記第VIII因子ポリペプチドが、軽鎖、重鎖、及び前記重鎖のC末端を前記軽鎖のN末端に連結させるポリペプチドリンカーを含み、
前記第VIII因子ポリペプチドの前記重鎖は、CS01−HC−NA(配列番号24)に対して少なくとも95%の同一性を有する第1のヌクレオチド配列によってコードされ、
前記第VIII因子ポリペプチドの前記軽鎖は、CS01−LC−NA(配列番号25)に対して少なくとも95%の同一性を有する第2のヌクレオチド配列によってコードされ、かつ
前記ポリペプチドリンカーは、furin切断部位を含む、前記ポリヌクレオチド。
[本発明1005]
前記ポリペプチドリンカーが、BDLO01(配列番号5)に対して少なくとも95%の同一性を有する第3のヌクレオチド配列によってコードされる、本発明1004のポリヌクレオチド。
[本発明1006]
前記第1のヌクレオチド配列が、CS01−HC−NA(配列番号24)に対して少なくとも99%の同一性を有し、かつ
前記第2のヌクレオチド配列が、CS01−LC−NA(配列番号25)に対して少なくとも99%の同一性を有する、本発明1004または1005のポリヌクレオチド。
[本発明1007]
前記第1のヌクレオチド配列が、CS01−HC−NA(配列番号24)であり、かつ
前記第2のヌクレオチド配列が、CS01−LC−NA(配列番号25)である、本発明1004または1005のポリヌクレオチド。
[本発明1008]
CS04−FL−NA(配列番号1)に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、第VIII因子ポリペプチドをコードする、前記ポリヌクレオチド。
[本発明1009]
前記ヌクレオチド配列が、CS04−FL−NA(配列番号1)に対して少なくとも99%の同一性を有する、本発明1004のポリヌクレオチド。
[本発明1010]
前記ヌクレオチド配列がCS04−FL−NA(配列番号1)である、本発明1004のポリヌクレオチド。
[本発明1011]
第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、前記第VIII因子ポリペプチドが、軽鎖、重鎖、及び前記重鎖のC末端を前記軽鎖のN末端に連結させるポリペプチドリンカーを含み、
前記第VIII因子ポリペプチドの前記重鎖は、CS04−HC−NA(配列番号3)に対して少なくとも95%の同一性を有する第1のヌクレオチド配列によってコードされ、
前記第VIII因子ポリペプチドの前記軽鎖は、CS04−LC−NA(配列番号4)に対して少なくとも95%の同一性を有する第2のヌクレオチド配列によってコードされ、かつ
前記ポリペプチドリンカーは、furin切断部位を含む、前記ポリヌクレオチド。
[本発明1012]
前記ポリペプチドリンカーが、BDLO04(配列番号6)に対して少なくとも95%の同一性を有する第3のヌクレオチド配列によってコードされる、本発明1011のポリヌクレオチド。
[本発明1013]
前記第1のヌクレオチド配列が、CS04−HC−NA(配列番号3)に対して少なくとも99%の同一性を有し、かつ
前記第2のヌクレオチド配列が、CS04−LC−NA(配列番号4)に対して少なくとも99%の同一性を有する、本発明1011または1012のポリヌクレオチド。
[本発明1014]
前記第1のヌクレオチド配列が、CS04−HC−NA(配列番号3)であり、かつ
前記第2のヌクレオチド配列が、CS04−LC−NA(配列番号4)である、本発明1011または1012のポリヌクレオチド。
[本発明1015]
CS23−FL−NAに対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、第VIII因子ポリペプチドをコードする、前記ポリヌクレオチド。
[本発明1016]
前記ヌクレオチド配列が、CS23−FL−NA(配列番号20)に対して少なくとも99%の同一性を有する、本発明1015のポリヌクレオチド。
[本発明1017]
前記ヌクレオチド配列がCS23−FL−NA(配列番号20)である、本発明1015のポリヌクレオチド。
[本発明1018]
第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、前記第VIII因子ポリペプチドが、軽鎖、重鎖、及び前記重鎖のC末端を前記軽鎖のN末端に連結させるポリペプチドリンカーを含み、
前記第VIII因子ポリペプチドの前記重鎖は、CS23−HC−NA(配列番号22)に対して少なくとも95%の同一性を有する第1のヌクレオチド配列によってコードされ、
前記第VIII因子ポリペプチドの前記軽鎖は、CS23−LC−NA(配列番号23)に対して少なくとも95%の同一性を有する第2のヌクレオチド配列によってコードされ、かつ
前記ポリペプチドリンカーは、furin切断部位を含む、前記ポリヌクレオチド。
[本発明1019]
前記ポリペプチドリンカーが、BDLO23(配列番号7)に対して少なくとも95%の同一性を有する第3のヌクレオチド配列によってコードされる、本発明1018のポリヌクレオチド。
[本発明1020]
前記第1のヌクレオチド配列が、CS23−HC−NA(配列番号22)に対して少なくとも99%の同一性を有し、かつ
前記第2のヌクレオチド配列が、CS23−LC−NA(配列番号23)に対して少なくとも99%の同一性を有する、本発明1018または1019のポリヌクレオチド。
[本発明1021]
前記第1のヌクレオチド配列が、CS23−HC−NA(配列番号22)であり、かつ
前記第2のヌクレオチド配列が、CS23−LC−NA(配列番号23)である、本発明1018または1019のポリヌクレオチド。
[本発明1022]
前記コードされたポリペプチドリンカーが、NG1−AA、NG4−AA、NG5−AA、NG6−AA、NG7−AA、NG9−AA、NG10−AA、NG16−AA、NG17−AA、NG18−AA、NG19−AA、NG20−AA、NG21−AA及びNGV−AAからなる群から選択されるグリコシル化ペプチドに対して少なくとも92%の同一性を有するアミノ酸配列を有するグリコシル化ペプチドを含む、本発明1004、1011、及び1018のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1023]
前記コードされたポリペプチドリンカーが、NG1−AA、NG4−AA、NG5−AA、NG6−AA、NG7−AA、NG9−AA、NG10−AA、NG16−AA、NG17−AA、NG18−AA、NG19−AA、NG20−AA、NG21−AA及びNGV−AAからなる群から選択されるグリコシル化ペプチドを含む、本発明1004、1011、及び1018のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1024]
前記グリコシル化ペプチドが、NG1−NA、NG4−NA、NG5−NA、NG6−NA、NG7−NA、NG9−NA、NG10−NA、NG16−NA、NG17−NA、NG18−NA、NG19−NA、NG20−NA、NG21−NA及びNGV−NAからなる群から選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドによってコードされる、本発明1022または1023のポリヌクレオチド。
[本発明1025]
前記グリコシル化ペプチドが、NG1−NA、NG4−NA、NG5−NA、NG6−NA、NG7−NA、NG9−NA、NG10−NA、NG16−NA、NG17−NA、NG18−NA、NG19−NA、NG20−NA、NG21−NA及びNGV−NAのうち1つから選択される、ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドによってコードされる、本発明1022または1023のポリヌクレオチド。
[本発明1026]
前記ポリペプチドリンカーが、BDLNG1−NA、BDLNG3−NA、BDLNG5−NA、BDLNG6−NA、BDLNG9−NA、BDLNG10−NA、BDLNG16−NA、BDLNG17−NA、BDLNG18−NA、BDLNG19−NA、BDLNG20−NA及びBDLNG21−NAからなる群から選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有する第3のヌクレオチド配列によってコードされる、本発明1004、1011、及び1018のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1027]
CS04−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第VIII因子ポリペプチドをコードする、本発明1001〜1021のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1028]
CS04−FL−AA(配列番号2)のアミノ酸配列を含む第VIII因子ポリペプチドをコードする、本発明1001〜1021のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1029]
CS01−SC1−NA(配列番号26)に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする、前記ポリヌクレオチド。
[本発明1030]
前記ヌクレオチド配列が、CS01−SC1−NA(配列番号26)に対して少なくとも99%の同一性を有する、本発明1029のポリヌクレオチド。
[本発明1031]
前記ヌクレオチド配列がCS01−SC1−NA(配列番号26)である、本発明1029のポリヌクレオチド。
[本発明1032]
CS04−SC1−NA(配列番号9)に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする、前記ポリヌクレオチド。
[本発明1033]
前記ヌクレオチド配列が、CS04−SC1−NA(配列番号9)に対して少なくとも99%の同一性を有する、本発明1029のポリヌクレオチド。
[本発明1034]
前記ヌクレオチド配列がCS04−SC1−NA(配列番号9)である、本発明1029のポリヌクレオチド。
[本発明1035]
CS23−SC1−NA(配列番号28)に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする、前記ポリヌクレオチド。
[本発明1036]
前記ヌクレオチド配列が、CS23−SC1−NA(配列番号28)に対して少なくとも99%の同一性を有する、本発明1029のポリヌクレオチド。
[本発明1037]
前記ヌクレオチド配列がCS23−SC1−NA(配列番号28)である、本発明1029のポリヌクレオチド。
[本発明1038]
CS01−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする、本発明1029〜1037のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1039]
CS01−SC1−AA(配列番号10)のアミノ酸配列を含む第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする、本発明1029〜1037のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1040]
CS01−SC2−NA(配列番号27)に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする、前記ポリヌクレオチド。
[本発明1041]
前記ヌクレオチド配列が、CS01−SC2−NA(配列番号27)に対して少なくとも99%の同一性を有する、本発明1040のポリヌクレオチド。
[本発明1042]
前記ヌクレオチド配列がCS01−SC2−NA(配列番号27)である、本発明1040のポリヌクレオチド。
[本発明1043]
CS04−SC2−NA(配列番号11)に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする、前記ポリヌクレオチド。
[本発明1044]
前記ヌクレオチド配列が、CS04−SC2−NA(配列番号11)に対して少なくとも99%の同一性を有する、本発明1043のポリヌクレオチド。
[本発明1045]
前記ヌクレオチド配列がCS04−SC2−NA(配列番号11)である、本発明1043のポリヌクレオチド。
[本発明1046]
CS23−SC2−NA(配列番号29)に対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする、前記ポリヌクレオチド。
[本発明1047]
前記ヌクレオチド配列が、CS23−SC2−NA(配列番号29)に対して少なくとも99%の同一性を有する、本発明1043のポリヌクレオチド。
[本発明1048]
前記ヌクレオチド配列がCS23−SC2−NA(配列番号29)である、本発明1043のポリヌクレオチド。
[本発明1049]
CS01−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする、本発明1040〜1048のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1050]
CS01−SC2−AA(配列番号12)のアミノ酸配列を含む第VIII因子一本鎖ポリペプチドをコードする、本発明1040〜1048のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1051]
CS01−HC−NA、CS01−LC−NA、CS04−HC−NA、CS04−LC−NA、CS23−HC−NA、CS23−LC−NAからなる群から選択される配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含む、ポリヌクレオチド。
[本発明1052]
CS01−HC−NA、CS01−LC−NA、CS04−HC−NA、CS04−LC−NA、CS23−HC−NA、CS23−LC−NAからなる群から選択される配列に対して少なくとも99%の同一性を有する配列を含む、ポリヌクレオチド。
[本発明1053]
CS01−HC−NA、CS01−LC−NA、CS04−HC−NA、CS04−LC−NA、CS23−HC−NA、CS23−LC−NAからなる群から選択される配列を含む、ポリヌクレオチド。
[本発明1054]
CS01−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む第VIII因子ポリペプチドをコードする、本発明1051〜1053のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1055]
CS01−FL−AA(配列番号2)のアミノ酸配列を含む第VIII因子ポリペプチドをコードする、本発明1051〜1053のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1056]
前記コードされた第VIII因子ポリペプチドが、FVIII−FL−AA(配列番号19)に対するアミノ酸置換F328Sを含む、本発明1001〜1055のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1057]
前記コードされた第VIII因子ポリペプチドが、FVIII−FL−AA(配列番号19)に対するアミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171Pを含む、本発明1001〜1055のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1058]
前記コードされた第VIII因子ポリペプチドが、
(a)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPRSF755〜761の欠失、及び
(b)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入
を含む、本発明1001〜1055のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1059]
前記コードされた第VIII因子ポリペプチドが、
(a)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対するアミノ酸置換F328S、ならびに
(b)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対するアミノ酸置換C1918G及びC1922G
を含む、本発明1001〜1055のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1060]
前記コードされた第VIII因子ポリペプチドが、FVIII−FL−AA(配列番号19)に対するアミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、L171P、及びF328Sを含む、本発明1001〜1055のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1061]
前記コードされた第VIII因子ポリペプチドが、
(a)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対するアミノ酸置換F328S、
(b)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPRSF755〜761の欠失、及び
(c)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入
を含む、本発明1001〜1055のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1062]
前記コードされた第VIII因子ポリペプチドが、
(a)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対するアミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171P、
(b)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPRSF755〜761の欠失、及び
(c)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入
を含む、本発明1001〜1055のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1063]
前記コードされた第VIII因子ポリペプチドが、
(a)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対するアミノ酸置換F328S、
(b)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対するアミノ酸置換C1918G及びC1922G、及び
(c)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対するアミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171P
を含む、本発明1001〜1055のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1064]
前記コードされた第VIII因子ポリペプチドが、
(a)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対するアミノ酸置換F328S、
(b)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対するアミノ酸置換C1918G及びC1922G、
(c)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPRSF755〜761の欠失、及び
(d)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入
を含む、本発明1001〜1055のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1065]
前記コードされた第VIII因子ポリペプチドが、
(a)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対するアミノ酸置換I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171P、
(b)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対するアミノ酸置換F328S、
(c)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対するアミノ酸置換C1918G及びC1922G、
(d)FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPRSF755〜761の欠失、及び
(e)FVIII−FL−AA(配列番号19)に対する、N754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入
を含む、本発明1001〜1055のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1066]
前記第VIII因子ポリペプチドをコードする前記ポリヌクレオチドに機能的に連結されたプロモーターエレメントをさらに含む、本発明1001〜1065のいずれかのポリヌクレオチド。
[本発明1067]
前記プロモーターエレメントが、前記第VIII因子ポリペプチドをコードする前記ヌクレオチド配列の上流の肝臓特異的プロモーター配列である、本発明1066のポリヌクレオチド。
[本発明1068]
前記肝臓特異的プロモーター配列と、前記第VIII因子ポリペプチドをコードする前記ヌクレオチド配列との間に位置するイントロン配列をさらに含む、本発明1067のポリヌクレオチド。
[本発明1069]
本発明1001〜1068のいずれかのポリヌクレオチドを含む、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
[本発明1070]
本発明1001〜1068のいずれかのポリヌクレオチドを含む、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子。
[本発明1071]
本発明1001〜1068のいずれかのポリヌクレオチドを含むアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子に感染した、宿主細胞。
[本発明1072]
哺乳類の宿主細胞内に本発明1001〜1068のいずれかのポリヌクレオチドを導入する段階を含む、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を作製するための方法であって、前記ポリヌクレオチドは前記哺乳類宿主細胞における複製能力がある、前記方法。
[本発明1073]
血友病Aを治療するための方法であって、それを必要とする患者に対し、本発明1070のアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を投与する段階を含む、前記方法。
[本発明1074]
宿主細胞に形質導入するための方法であって、前記宿主細胞を本発明1070のアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子と接触させる段階を含む、前記方法。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【
図1】野生型及びReFacto型のヒト第VIII因子タンパク質構成体の概略図を示す。
【
図2A】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型をコードするCS04コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号1)を示す(完全長コード配列の「CS04−FL−NA」)。
【
図2B】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型をコードするCS04コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号1)を示す(完全長コード配列の「CS04−FL−NA」)。
【
図3】いくつかの実施形態によるCS04コドン改変ヌクレオチド配列によってコードされる第VIII因子変異型アミノ酸配列(配列番号2)を示す(完全長アミノ酸配列の「CS04−FL−AA」)。
【
図4】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型の重鎖をコードするCS04コドン改変ヌクレオチド配列の部分(配列番号3)を示す(「CS04−HC−NA」)。
【
図5】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型の軽鎖をコードするCS04コドン改変ヌクレオチド配列の部分(配列番号4)を示す(「CS04−LC−NA」)。
【
図6】いくつかの実施形態によるBドメイン置換リンカーの例示的コード配列(それぞれ出現順に配列番号5〜7及び36〜48)を示す。BDLO01(配列番号5)、BDLO04(配列番号6)、及びBDLO23(配列番号7)はそれぞれ、Bドメイン置換リンカーをコードするコドン改変ヌクレオチド配列CS01、CS04、及びCS23の各部分である。
【
図7A】いくつかの実施形態によるCS04コドン改変ヌクレオチド配列が含まれたAAVベクター配列(配列番号8)を示す(「CS04−AV−NA」)。
【
図7B】いくつかの実施形態によるCS04コドン改変ヌクレオチド配列が含まれたAAVベクター配列(配列番号8)を示す(「CS04−AV−NA」)。
【
図7C】いくつかの実施形態によるCS04コドン改変ヌクレオチド配列が含まれたAAVベクター配列(配列番号8)を示す(「CS04−AV−NA」)。
【
図8A】いくつかの実施形態によるアミノ酸置換F328Sを有する第VIII因子変異型をコードするCS01m1コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号49)を示す(「CS01m1−FL−NA」)。
【
図8B】いくつかの実施形態によるアミノ酸置換F328Sを有する第VIII因子変異型をコードするCS01m1コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号49)を示す(「CS01m1−FL−NA」)。
【
図9A】いくつかの実施形態による一本鎖第VIII因子変異型をコードするCS04Δ(760〜1667)(SPIの場合;SPEではCS04Δ(741〜1648))コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号9)を示す(「CS04−SC1−NA」)。
【
図9B】いくつかの実施形態による一本鎖第VIII因子変異型をコードするCS04Δ(760〜1667)(SPIの場合;SPEではCS04Δ(741〜1648))コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号9)を示す(「CS04−SC1−NA」)。
【
図10】いくつかの実施形態によるCS01Δ(760〜1667)(SPIの場合;SPEではCS01Δ(741〜1648))、CS04Δ(760〜1667)(SPIの場合;SPEではCS04Δ(741〜1648))、及びCS23Δ(760〜1667)(SPIの場合;SPEではCS23Δ(741〜1648))コドン改変ヌクレオチド配列によってコードされる第VIII因子変異型アミノ酸配列(配列番号10)を示す(それぞれ、「CS01−SC1−AA」、「CS04−SC1−AA」、及び「CS23−SC1−AA」)。
【
図11A】いくつかの実施形態による一本鎖第VIII因子変異型をコードするCS04Δ(772〜1667)(SPIの場合;SPEではCS04Δ(753〜1648))コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号11)を示す(「CS04−SC2−NA」)。
【
図11B】いくつかの実施形態による一本鎖第VIII因子変異型をコードするCS04Δ(772〜1667)(SPIの場合;SPEではCS04Δ(753〜1648))コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号11)を示す(「CS04−SC2−NA」)。
【
図12】いくつかの実施形態によるCS01Δ(772〜1667)(SPIの場合;SPEではCS01Δ(753〜1648))、CS04Δ(772〜1667)(SPIの場合;SPEではCS04Δ(753〜1648))、及びCS23Δ(772〜1667)(SPIの場合;SPEではCS23Δ(753〜1648))コドン改変ヌクレオチド配列によってコードされる第VIII因子変異型アミノ酸配列(配列番号12)を示す(それぞれ、「CS01−SC2−AA」、「CS04−SC2−AA」、及び「CS23−SC2−AA」)。
【
図13A】いくつかの実施形態によるBドメイン置換リンカーに挿入される例示的グリコシル化ペプチドのアミノ酸及びヌクレオチドの配列を示す。「NG1」またはNG1−AA」は、上の行に示されているアミノ酸配列のコードである。「NG1−NA」は、各セットの下の行に示されている核酸配列のコードである。
図13A及び13Bは、アミノ酸配列を配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75として、またヌクレオチド配列を配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74として、いずれもそれぞれの出現順に開示する。
【
図13B】いくつかの実施形態によるBドメイン置換リンカーに挿入される例示的グリコシル化ペプチドのアミノ酸及びヌクレオチドの配列を示す。「NG1」またはNG1−AA」は、上の行に示されているアミノ酸配列のコードである。「NG1−NA」は、各セットの下の行に示されている核酸配列のコードである。
図13A及び13Bは、アミノ酸配列を配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75として、またヌクレオチド配列を配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74として、いずれもそれぞれの出現順に開示する。
【
図14】野生型第VIII因子Bドメインの生体内でのN−グリコシル化についてインシリコで予測した結果を示す。同図は、配列番号76及び76〜82をそれぞれ出現順に開示する。
【
図15】V3ペプチドリンカーの生体内でのN−グリコシル化についてインシリコで予測した結果を示す。同図は、配列番号83及び83〜89をそれぞれ出現に開示する。
【
図16A】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型をコードするCS01コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号13)を示す(「CS01−FL−NA」)。
【
図16B】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型をコードするCS01コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号13)を示す(「CS01−FL−NA」)。
【
図17A】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型をコードするCS08コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号14)を示す(「CS08−FL−NA」)。
【
図17B】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型をコードするCS08コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号14)を示す(「CS08−FL−NA」)。
【
図18A】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型をコードするCS10コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号15)を示す(「CS10−FL−NA」)。
【
図18B】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型をコードするCS10コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号15)を示す(「CS10−FL−NA」)。
【
図19A】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型をコードするCS11コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号16)を示す(「CS11−FL−NA」)。
【
図19B】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型をコードするCS11コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号16)を示す(「CS11−FL−NA」)。
【
図20A】いくつかの実施形態によるCS40野生型ReFactoコード配列(配列番号17)を示す(「CS40−FL−NA」)。
【
図20B】いくつかの実施形態によるCS40野生型ReFactoコード配列(配列番号17)を示す(「CS40−FL−NA」)。
【
図21A】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型をコードするCH25コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号18)を示す(「CH25−FL−NA」)。
【
図21B】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型をコードするCH25コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号18)を示す(「CH25−FL−NA」)。
【
図22】いくつかの実施形態による野生型ヒト第VIII因子アミノ酸配列(配列番号19)を示す(「FVIII−FL−AA」)。
【
図23】ベクター骨格pCh−BB01にAscI及びNotI両制限部位を介してRefacto型合成BDD−FVIIIのDNA配列を挿入することによって、pCS40、pCS01、pCS04、pCS08、pCS10、pCS11、及びpCh25の各構成体をクローニングするスキームを示す。
【
図24】アガロースゲル電気泳動によって分析した、AAVベクターのゲノム調製物の完全性を示す。レーン1はDNAマーカー、レーン2はvCS40、レーン3はvCS01、レーン4はvCS04である。AAVベクターはすべて同一サイズのゲノムを有し、約5kb移動する(右側矢印)。左側の目盛りは、DNA断片の大きさをキロベース(kb)単位で示す。
【
図25】PAGE及び銀染色によるAAVベクター調製物のタンパク質分析を示す。レーン1はタンパク質マーカー(M)、レーン2はvCS40、レーン3はvCS01、及びレーン4はvCS04である。いずれの構成体もVP1、VP2、及びVP3からなる同一AAV8カプシドを有している(右側矢印)。左側の目盛りは、タンパク質マーカーのサイズをキロダルトン(kDa)で示している。
【
図26A】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型をコードするCS23コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号20)を示す(「CS23−FL−NA」)。
【
図26B】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型をコードするCS23コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号20)を示す(「CS23−FL−NA」)。
【
図27】いくつかの実施形態によるCS23コドン改変ヌクレオチド配列によってコードされる第VIII因子変異型アミノ酸配列(配列番号21)を示す(「CS23−FL−AA」)。
【
図28】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型の重鎖をコードするCS23コドン改変ヌクレオチド配列の部分(配列番号22)を示す(「CS23−HC−NA」)。
【
図29】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型の軽鎖をコードするCS23コドン改変ヌクレオチド配列の部分(配列番号23)を示す(「CS23−LC−NA」)。
【
図30A】いくつかの実施形態によるm1(F328S)及びm3のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS01m13コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号90)を示す(「CS01−FL−NA−m13」)。
【
図30B】いくつかの実施形態によるm1(F328S)及びm3のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS01m13コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号90)を示す(「CS01−FL−NA−m13」)。
【
図31A】いくつかの実施形態によるm2とm3の変異セットを有する第VIII因子変異型をコードするCS01m23コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号91)を示す(「CS01−FL−NA−m23」)。
【
図31B】いくつかの実施形態によるm2とm3の変異セットを有する第VIII因子変異型をコードするCS01m23コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号91)を示す(「CS01−FL−NA−m23」)。
【
図32A】いくつかの実施形態によるm3のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS01m3コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号92)を示す(「CS01−FL−NA−m3」)。
【
図32B】いくつかの実施形態によるm3のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS01m3コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号92)を示す(「CS01−FL−NA−m3」)。
【
図33A】いくつかの実施形態によるm2変異セット(I105V/A127S/G151K/M166T/L171P(SPI))のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS01m2コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号93)を示す(「CS01−FL−NA−m2」)。
【
図33B】いくつかの実施形態によるm2変異セット(I105V/A127S/G151K/M166T/L171P(SPI))のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS01m2コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号93)を示す(「CS01−FL−NA−m2」)。
【
図34A】いくつかの実施形態によるm2変異体(I105V/A127S/G151K/M166T/L171P(SPI))のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS04m2コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号94)を示す(「CS01−FL−NA−m2」)。
【
図34B】いくつかの実施形態によるm2変異体(I105V/A127S/G151K/M166T/L171P(SPI))のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS04m2コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号94)を示す(「CS01−FL−NA−m2」)。
【
図35A】いくつかの実施形態によるm3のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS04m3コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号95)を示す(「CS04−FL−NA−m3」)。
【
図35B】いくつかの実施形態によるm3のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS04m3コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号95)を示す(「CS04−FL−NA−m3」)。
【
図36A】いくつかの実施形態によるm2変異体セット(I105V/A127S/G151K/M166T/L171P(SPI))とm3のアミノ酸置換とを有する第VIII因子変異型をコードするCS04m23コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号96)を示す(「CS04−FL−NA−m23」)。
【
図36B】いくつかの実施形態によるm2変異体セット(I105V/A127S/G151K/M166T/L171P(SPI))とm3のアミノ酸置換とを有する第VIII因子変異型をコードするCS04m23コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号96)を示す(「CS04−FL−NA−m23」)。
【
図37A】いくつかの実施形態によるm1(F328S)アミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS04m1コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号97)を示す(「CS04−FL−NA−m1」)。
【
図37B】いくつかの実施形態によるm1(F328S)アミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS04m1コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号97)を示す(「CS04−FL−NA−m1」)。
【
図38A】いくつかの実施形態によるm1及びm3のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS04m13コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号98)を示す(「CS04−FL−NA−m13」)。
【
図38B】いくつかの実施形態によるm1及びm3のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS04m13コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号98)を示す(「CS04−FL−NA−m13」)。
【
図39A】いくつかの実施形態によるm1及びm3のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS23m13コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号99)を示す(「CS23m13−FL−NA」)。
【
図39B】いくつかの実施形態によるm1及びm3のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS23m13コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号99)を示す(「CS23m13−FL−NA」)。
【
図40A】いくつかの実施形態によるm3のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS23m3コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号100)を示す(「CS23−FL−NA−m3」)。
【
図40B】いくつかの実施形態によるm3のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS23m3コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号100)を示す(「CS23−FL−NA−m3」)。
【
図41A】いくつかの実施形態によるm2変異体セット(I105V/A127S/G151K/M166T/L171Pのアミノ酸置換)を有する第VIII因子変異型をコードするCS23m2コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号101)を示す(「CS23−FL−NA−m2」)。
【
図41B】いくつかの実施形態によるm2変異体セット(I105V/A127S/G151K/M166T/L171Pのアミノ酸置換)を有する第VIII因子変異型をコードするCS23m2コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号101)を示す(「CS23−FL−NA−m2」)。
【
図42A】いくつかの実施形態によるm1(F328S)アミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS23m1コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号102)を示す(「CS23−FL−NA−m1」)。
【
図42B】いくつかの実施形態によるm1(F328S)アミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS23m1コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号102)を示す(「CS23−FL−NA−m1」)。
【
図43A】いくつかの実施形態によるm2変異体セット(I105V/A127S/G151K/M166T/L171P)とm3のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS23m23コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号103)を示す(「CS23−FL−NA−m23」)。
【
図43B】いくつかの実施形態によるm2変異体セット(I105V/A127S/G151K/M166T/L171P)とm3のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS23m23コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号103)を示す(「CS23−FL−NA−m23」)。
【
図44】ベクター骨格pCh−BB01にAscI及びNotI両制限部位を介して異なる変異を持つRefacto型合成BDD−FVIIIを挿入することにより(挿入表を参照のこと)実施するpCS構成体のクローニングを示す。
【
図45】PAGE及び銀染色によるAAVベクター調製物のタンパク質分析を示す。レーン1はタンパク質マーカー(M)、レーン2はvCS01、レーン3はvCS17、レーン4はvCS19、レーン5はvCS20、レーン6はvCS40、レーン7はvCS04、レーン8はvCS17、レーン9はvCS24の構成体である。いずれの構成体もVP1、VP2及びVP3(右側矢印)からなる同一AAV8カプシドを有する。左側の目盛りは、タンパク質マーカーのサイズを、キロダルトン(kDa)で示している。
【
図46】アガロースゲル電気泳動によって分析したAAVベクターのゲノム調製物の完全性を示す。レーン1はDNAマーカー(M)、レーン2はvCS04、レーン3はvCS17、レーン4はvCS20、レーン5はvCS24、レーン6はvCS16、レーン7はvCS40の構成体である。ベクター量はレーンあたり1.5E10vgである。AAVベクターは同一サイズのゲノムを有し、約5kb移動する(右側矢印)。左側の目盛りは、DNA断片の大きさをキロベース(kb)単位で示す。
【
図47】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型の重鎖をコードするCS01コドン改変ヌクレオチド配列の部分(配列番号24)を示す(「CS01−HC−NA」)。
【
図48】いくつかの実施形態による第VIII因子変異型の軽鎖をコードするCS01コドン改変ヌクレオチド配列の部分(配列番号25)を示す(「CS01−LC−NA」)。
【
図49A】いくつかの実施形態による一本鎖第VIII因子変異型をコードするCS01Δ(760〜1667)(SPIの場合;SPEではCS01Δ(741〜1648))コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号26)を示す(「CS01−SC1−NA」)。
【
図49B】いくつかの実施形態による一本鎖第VIII因子変異型をコードするCS01Δ(760〜1667)(SPIの場合;SPEではCS01Δ(741〜1648))コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号26)を示す(「CS01−SC1−NA」)。
【
図50A】いくつかの実施形態による一本鎖第VIII因子変異型をコードするCS01Δ(772〜1667)(SPIの場合;SPEではCS01Δ(753〜1648))コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号27)を示す(「CS01−SC2−NA」)。
【
図50B】いくつかの実施形態による一本鎖第VIII因子変異型をコードするCS01Δ(772〜1667)(SPIの場合;SPEではCS01Δ(753〜1648))コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号27)を示す(「CS01−SC2−NA」)。
【
図51A】いくつかの実施形態による一本鎖第VIII因子変異型をコードするCS23Δ(760〜1667)(SPIの場合;SPEではCS23Δ(741〜1648))コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号28)を示す(「CS23−SC1−NA」)。
【
図51B】いくつかの実施形態による一本鎖第VIII因子変異型をコードするCS23Δ(760〜1667)(SPIの場合;SPEではCS23Δ(741〜1648))コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号28)を示す(「CS23−SC1−NA」)。
【
図52A】いくつかの実施形態による一本鎖第VIII因子変異型をコードするCS23Δ(772〜1667)(SPIの場合;SPEではCS23Δ(753〜1648))コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号29)を示す(「CS23−SC2−NA」)。
【
図52B】いくつかの実施形態による一本鎖第VIII因子変異型をコードするCS23Δ(772〜1667)(SPIの場合;SPEではCS23Δ(753〜1648))コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号29)を示す(「CS23−SC2−NA」)。
【
図53】いくつかの実施形態によるCS01m23コドン改変ヌクレオチド配列によってコードされる第VIII因子変異型アミノ酸配列(配列番号104)を示す(「CS01m23−FL−AA」)。
【
図54】いくつかの実施形態によるCS04m3コドン改変ヌクレオチド配列によってコードされる第VIII因子変異型アミノ酸配列(配列番号105)を示す(「CS01m23−FL−AA」)。
【
図55】いくつかの実施形態によるCS01m12コドン改変ヌクレオチド配列によってコードされる第VIII因子変異型アミノ酸配列(配列番号106)を示す(「CS01m12−FL−AA」)。
【
図56】いくつかの実施形態によるCS04m12コドン改変ヌクレオチド配列によってコードされる第VIII因子変異型アミノ酸配列(配列番号107)を示す(「CS04m12−FL−AA」)。
【
図57A】いくつかの実施形態によるm1(F328S)及びm2のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS01m12コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号108)を示す(「CS01−FL−NAm12」)。
【
図57B】いくつかの実施形態によるm1(F328S)及びm2のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS01m12コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号108)を示す(「CS01−FL−NAm12」)。
【
図58A】いくつかの実施形態によるm1(F328S)及びm2のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS04m12コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号109)を示す(「CS04−FL−NAm12」)。
【
図58B】いくつかの実施形態によるm1(F328S)及びm2のアミノ酸置換を有する第VIII因子変異型をコードするCS04m12コドン改変ヌクレオチド配列(配列番号109)を示す(「CS04−FL−NAm12」)。
【発明を実施するための形態】
【0127】
開示の詳細な説明
I.緒言
AAVを用いた遺伝子治療は血友病患者の治療にとって有望である。血友病Bの場合、最初の臨床データは期待できるものであり、約10%のFIXレベルを少なくとも数人の患者で1年以上維持することができる。しかし、血友病Aの場合、AAVベクターによる治療的発現レベル5〜10%を達成することはさまざまな理由により依然として困難である。第1に、第VIII因子コード配列は従来のAAVを用いたベクターには大き過ぎる。第2に、工学的操作によるBドメイン欠失型または切断型の第VIII因子構成体は、コドンが最適化されている場合でも生体内での発現が低いという問題がある。第3に、これらのBドメイン欠失型または切断型の第VIII因子変異型構成体は生体内での半減期が短く、低発現という影響をさらに悪化させる。第4に、たとえ発現した場合でも、FVIIIは第IX因子などの他の凝固因子のようには効率的に細胞から分泌されない。
【0128】
さらに、これらの問題は、単純に遺伝子治療構成体を高用量にして投与することでは対処できない。現在の知識によると、AAVを用いた遺伝子治療ベクターのベクター用量を体重1kgあたり2x10
12vgに増量しなければならない。そのような高用量ではT細胞の免疫応答が誘発されるため、形質導入細胞が破壊され、その結果、導入遺伝子の発現が低下するかまたは消失すらしてしまう。したがって、FVIII遺伝子治療を血友病A患者の実行可能な治療選択肢にするため、FVIII発現を改善する戦略が求められている。
【0129】
本開示は、第VIII因子遺伝子治療に関連するこれらの問題及び他の問題を解決する、コドン改変第VIII因子変異型コード配列の発見に関する。例えば、本明細書に開示するポリヌクレオチドは、哺乳類細胞における発現を顕著に改善し、安定化されたパッキング相互作用による改善されたビリオンパッケージングを表す。いくつかの実施態様では、これらの利点を、コドン改変型構成体CS01、CS04、及びCS23に対する配列同一性の高い(例えば、重鎖コード配列CS01−HC、CS04−HC、及びCS23−HCの1つに対する配列同一性が高く、軽鎖コード配列CS01−LC、CS04−LC、及びCS23−LCの1つに対する配列同一性が高い)第VIII因子の重鎖及び軽鎖のコード配列の使用によって実現する。
【0130】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載するポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子分子は、野生型Bドメインの切断、欠失、または置換によって短縮されている。したがって、かかるポリヌクレオチドは、野生型第VIII因子のような大きいポリペプチドの発現効率が悪い従来の遺伝子治療ベクターを介した第VIII因子の発現にさらに適している。
【0131】
有利なことに、コドン改変第VIII因子変異型コード配列であるCS01、CS04、及びCS23は、生体内におけるBドメイン欠失型第VIII因子構成体の優れた発現を提供することが本明細書で示されている。例えば、第VIII因子ノックアウトマウスにおいて、コード配列CS01(配列番号13)、CS04(配列番号1)、及びCS23(配列番号20)を有するAAVを用いた遺伝子治療ベクターを静脈内投与すると、第VIII因子の発現が野生型ポリヌクレオチド配列(配列番号17)でコードされる対応するCS40構成体と比較して、18倍、74倍、及び30倍高まることが実施例2及び実施例4で実証されている(表4及び表7)。
【0132】
さらに、コドン改変第VIII因子変異型コード配列CS01及びCS04は、優れたビリオンパッケージング及びウイルス産生を提供することも本明細書で示されている。例えば、同量の細胞ペレットから単離した場合、構成体CS01及びCS04を含有するAAVベクター構成体は、野生型ポリヌクレオチド配列でコードされる対応するCS40構成体と比較して、ウイルス収量が5〜7倍大きいことが実施例1で実証されている。
【0133】
有利なことに、出願人らは、コドン改変配列CS01、CS04、及びCS23から生じる改善された第VIII因子活性は、基礎となる第VIII因子ポリペプチド配列に変異を導入することによりさらなる増強が可能であることも見出した。例えば、実施例4で実証されているように、変異F328S、X5、及びX1は、CS01またはCS04のコドン改変背景で生体内に発現させた場合、単独でも互いに組み合わせても、野生型のコドン改変構成体と比較して、FVIII活性をさらに2〜7倍高めた(表7)。さらに著しいことに、変異第VIII因子変異体をコードするこれらのコドン改変配列は、野生型ポリヌクレオチド配列でコードされる対応するCS40構成体と比較して、最高246倍の増強を見せた(表7)。
【0134】
II.定義
本明細書で使用する場合、以下の用語は、他に明記しない限り、それらに与えられている意味を有する。
【0135】
本明細書で使用する場合、「第VIII因子」及び「FVIII」という用語は、同じ意味で使用され、第VIII因子活性のある任意のタンパク質(例えば、しばしばFVIIIaと呼ばれる活性FVIII)または第VIII因子活性、特に第IXa因子補因子活性のあるタンパク質のタンパク質前駆体(例えば、プロタンパク質またはプレプロタンパク質)を指す。例示的な一実施形態では、第VIII因子ポリペプチドは、野生型第VIII因子ポリペプチドの重鎖及び軽鎖に対する配列同一性の高い(例えば、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、またはそれ以上)配列を有するポリペプチドを指す。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのサイズを短縮するため、第VIII因子ポリペプチドのBドメインは欠失している、切断されている、またはリンカーポリペプチドと置換されている。例示的な一実施形態では、配列番号2のアミノ酸20〜1457は第VIII因子ポリペプチドを構成する。
【0136】
野生型第VIII因子ポリペプチドの非限定的な例には、ヒトプレプロ第VIII因子(例えば、GenBank受託番号AAA52485、CAA25619、AAA58466、AAA52484、AAA52420、AAV85964、BAF82636、BAG36452、CAI41660、CAI41666、CAI41672、CAI43241、CAO03404、EAW72645、AAH22513、AAH64380、AAH98389、AAI11968、AAI11970、またはAAB61261)、対応するプロ第VIII因子、及びその自然変異型;ブタのプレプロ第VIII因子(例えば、UniProt受託番号F1RZ36またはK7GSZ5)、対応するプロ第VIII因子、及びその自然変異型;マウスプレプロ第VIII因子(例えば、GenBank受託番号AAA37385、CAM15581、CAM26492、またはEDL29229)、対応するプロ第VIII因子、及びその自然変異型;ラットプレプロ第VIII因子(例えば、GenBank受託番号AAQ21580)、対応するプロ第VIII因子、及びその自然変異型;ラットプレプロ第VIII因子;及び他の哺乳類の第VIII因子ホモログ(例えば、サル、類人猿、ハムスター、モルモットなど)が挙げられる。
【0137】
本明細書で使用する場合、第VIII因子ポリペプチドには、第IX因子補因子活性のある自然変異型及び人工構成体が含まれる。本開示で使用する場合、第VIII因子には、ある程度の第IX因子補因子基礎活性(例えば、対応する野生型活性の少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、またはそれ以上)を保持している任意の自然変異型、代替配列、アイソフォーム、または変異タンパク質が包含される。ヒト集団に見られる第VIII因子アミノ酸変異(FVIII−FL−AA(配列番号19)に関連して)の例には、限定することなく、S19R、R22T、Y24C、Y25C、L26P/R、E30V、W33G、Y35C/H、G41C、R48C/K、K67E/N、L69P、E72K、D75E/V/Y、P83R、G89D/V、G92A/V、A97P、E98K、V99D、D101G/H/V、V104D、K108T、M110V、A111T/V、H113R/Y、L117F/R、G121S、E129V、G130R、E132D、Y133C、D135G/Y、T137A/I、S138R、E141K、D145H、V147D、Y155H、V159A、N163K、G164D/V、P165S、C172W、S176P、S179P、V181E/M、K185T、D186G/N/Y、S189L、L191F、G193R、L195P、C198G、S202N/R、F214V、L217H、A219D/T、V220G、D222V、E223K、G224W、T252I、V253F、N254I、G255V、L261P、P262L、G263S、G266F、C267Y、W274C、H275L、G278R、G280D、E284K、V285G、E291G/K、T294I、F295L、V297A、N299I、R301C/H/L、A303E/P、I307S、S308L、F312S、T314A/I、A315V、G323E、L326P、L327P/V、C329F、I331V、M339T、E340K、V345A/L、C348R/S/Y、Y365C、R391C/H/P、S392L/P、A394S、W401G、I405F/S、E409G、W412G/R、K427I、L431F/S、R437P/W、I438F、G439D/S/V、Y442C、K444R、Y450D/N、T454I、F455C、G466E、P470L/R/T、G474E/R/V、E475K、G477V、D478N、T479R、F484C、A488G、R490G、Y492C/H、Y492H、I494T、P496R、G498R、R503H、G513S/V、I522Y、K529E、W532G、P540T、T541S、D544N、R546W、R550C/G/H、S553P、S554C/G、V556D、R560T、D561G/H/Y、I567T、P569R、S577F、V578A、D579A/H、N583S、Q584H/K/R、I585R/T、M586V、D588G/Y、L594Q、S596P、N601D/K、R602G、S603I/R、W604C、Y605H/S、N609I、R612C、N631K/S、M633I、S635N、N637D/I/S、Y639C、L644V、L650F、V653A/M、L659P、A663V、Q664P、F677L、M681I、V682F、Y683C/N、T686R、F698L、M699T/V、M701I、G705V、G710W、N713I、R717L/W、G720D/S、M721I/L、A723T、L725Q、V727F、E739K、Y742C、R795G、P947R、V1012L、E1057K、H1066Y、D1260E、K1289Q、Q1336K、N1460K、L1481P、A1610S、I1698T、Y1699C/F、E1701K、Q1705H、R1708C/H、T1714S、R1715G、A1720V、E1723K、D1727V、Y1728C、R1740G、K1751Q、F1762L、R1768H、G1769R、L1771P、L1775F/V、L1777P、G1779E/R、P1780L、I1782R、D1788H、M1791T、A1798P、S1799H、R1800C/G/H、P1801A、Y1802C、S1803Y、F1804S、L1808F、M1842I、P1844S、T1845P、E1848G、A1853T/V、S1858C、K1864E、D1865N/Y、H1867P/R、G1869D/V、G1872E、P1873R、L1875P、V1876L、C1877R/Y、L1882P、R1888I、E1894G、I1901F、E1904D/K、S1907C/R、W1908L、Y1909C、A1939T/V、N1941D/S、G1942A、M1945V、L1951F、R1960L/Q、L1963P、S1965I、M1966I/V、G1967D、S1968R、N1971T、H1973L、G1979V、H1980P/Y、F1982I、R1985Q、L1994P、Y1998C、G2000A、T2004R、M2007I、G2013R、W2015C、R2016P/W、E2018G、G2022D、G2028R、S2030N、V2035A、Y2036C、N2038S、2040Y、G2045E/V、I2051S、I2056N、A2058P、W2065R、P2067L、A2070V、S2082N、S2088F、D2093G/Y、H2101D、T2105N、Q2106E/P/R、G2107S、R2109C、I2117F/S、Q2119R、F2120C/L、Y2124C、R2135P、S2138Y、T2141N、M2143V、F2145C、N2148S、N2157D、P2162L、R2169C/H、P2172L/Q/R、T2173A/I、H2174D、R2178C/H/L、R2182C/H/P、M2183R/V、L2185S/W、S2192I、C2193G、P2196R、G2198V、E2200D、I2204T、I2209N、A2211P、A2220P、P2224L、R2228G/L/P/Q、L2229F、V2242M、W2248C/S、V2251A/E、M2257V、T2264A、Q2265R、F2279C/I、I2281T、D2286G、W2290L、G2304V、D2307A、P2319L/S、R2323C/G/H/L、R2326G/L/P/Q、Q2330P、W2332R、I2336F、R2339T、G2344C/D/S、及びC2345S/Yが含まれる。第VIII因子タンパク質には、翻訳後修飾が含まれているポリペプチドも含まれる。
【0138】
一般に、第VIII因子をコードするポリヌクレオチドは、不活性な一本鎖ポリペプチド(例えば、プレプロタンパク質)をコードし、これが翻訳後プロセシングを受けて活性第VIII因子タンパク質(例えば、FVIIIa)を形成する。例えば、
図1を参照にすると、野生型ヒト第VIII因子プレプロタンパク質はまず切断されてコード済みシグナルペプチド(図示せず)を放出し、第1の一本鎖プロタンパク質(「ヒト野生型FVIII」として表示)を形成する。その後、プロタンパク質はBドメインとA3ドメインの間で切断され、第VIII因子の重鎖(例えば、A1ドメイン及びA2ドメイン)とBドメインが含まれている第1のポリペプチド、及び第VIII因子の軽鎖(例えば、A3ドメイン、C1ドメイン、及びC3ドメインを含む)が含まれている第2のポリペプチドを形成する。第1のポリペプチドはさらに切断を受け、Bドメインが除去されるとともにA1ドメインとA2ドメインも分離され、この部分は成熟第VIIIa因子タンパク質では第VIII因子の軽鎖との会合が維持されている。第VIII因子の成熟プロセスの概説については、その記載内容があらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGraw et al.,Nat Rev Genet.,6(6):488−501(2005)を参照のこと。
【0139】
ただし、いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドは第VIII因子一本鎖ポリペプチドである。第VIII因子一本鎖ポリペプチドは、工学的に操作されて天然の切断部位が除去され、任意選択で、第VIII因子のBドメインの除去、切断、または置換が行われる。したがって、それらは、切断(任意選択のシグナルペプチド及び/またはリーダーペプチドの切断以外の切断)により成熟状態ではなく、一本鎖として活性状態である。第VIII因子一本鎖ポリペプチドの非限定的な例は、Zollner et al.(Thromb Res,134(1):125−31(2014))及びDonath et al.(Biochem J.,312(1):49−55(1995))に記載されており、それらの開示内容は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0140】
本明細書で使用する場合、「第VIII因子の重鎖」または単に「重鎖」という用語は、第VIII因子ポリペプチドのA1ドメインとA2ドメインの集合体を指す。例示的な一実施形態では、CS04−FL−AA(配列番号2)のアミノ酸20〜759は第VIII因子の重鎖を構成する。
【0141】
本明細書で使用する場合、「第VIII因子の軽鎖」または単に「軽鎖」という用語は、第VIII因子ポリペプチドのA3ドメインと、C1ドメインと、C2ドメインとの集合体を指す。例示的な一実施形態では、CS04−FL−AA(配列番号2)のアミノ酸774〜1457は第VIII因子の軽鎖を構成する。いくつかの実施形態では、生体内で成熟中に放出される酸性のa3ペプチドは第VIII因子の軽鎖から除外される。
【0142】
一般に、第VIII因子の重鎖及び軽鎖を一本のポリペプチド鎖として、例えば、任意選択のBドメインまたはBドメイン置換リンカーと共に発現させる。ただし、いくつかの実施形態では、第VIII因子の重鎖及び第VIII因子の軽鎖を別々のポリペプチド鎖として発現させ(例えば、共発現)、再構成して第VIII因子タンパク質を(例えば、生体内または試験管内で)形成させる。
【0143】
本明細書で使用する場合、「Bドメイン置換リンカー」及び「第VIII因子リンカー」という用語は同じ意味で使用され、野生型第VIII因子Bドメイン(例えば、FVIII−FL−AA(配列番号19)のアミノ酸760〜1667)の切断型、または第VIII因子ポリペプチドのBドメインを置換するよう工学的に操作されたペプチドを指す。本明細書で使用する場合、第VIII因子リンカーは、いくつかの実施形態による第VIII因子変異型ポリペプチドの第VIII因子の重鎖C末端と第VIII因子の軽鎖N末端の間に位置する。Bドメイン置換リンカーの非限定的な例は、米国特許第4,868,112号、第5,112,950号、第5,171,844号、第5,543,502号、第5,595,886号、第5,610,278号、第5,789,203号、第5,972,885号、第6,048,720号、第6,060,447号、第6,114,148号、第6,228,620号、第6,316,226号、第6,346,513号、第6,458,563号、第6,924,365号、第7,041,635号、及び第7,943,374号;米国特許出願公開第2013/024960号、第2015/0071883号、及び第2015/0158930号;ならびにPCT公開WO2014/064277及びWO2014/127215に開示されており、それらの開示内容はあらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0144】
本明細書で特に明記しない限り、第VIII因子アミノ酸の番号付けは、
図22に配列番号19として提示される完全長野生型ヒト第VIII因子配列(FVIII−FL−AA)における対応アミノ酸を指す。したがって、本明細書に開示する第VIII因子変異型タンパク質におけるアミノ酸置換に言及される場合、その記載アミノ酸番号は、完全長野生型第VIII因子配列における類似(例えば、構造的または機能的に同等)アミノ酸及び/または相同(例えば、一次アミノ酸配列で進化的に保存された)アミノ酸を指す。例えば、アミノ酸置換T2105Nは、完全長野生型ヒト第VIII因子配列(FVIII−FL−AA;配列番号19)の位置2105におけるTからNへの置換、CS04(CS04−FL−AA;配列番号2)によってコードされる第VIII因子変異型タンパク質の位置1211におけるTからNへの置換、及びCS04m3(CS04m3−FL−AA;配列番号105)によってコードされる第VIII因子変異型の位置1212におけるTからNへの置換を指す。
【0145】
本明細書に記載の場合、第VIII因子アミノ酸番号付けシステムは、第VIII因子シグナルペプチド(例えば、完全長野生型ヒト第VIII因子配列のアミノ酸1〜19)が含まれているか否かによって異なる。シグナルペプチドが含まれている場合、番号付けは「シグナルペプチド含有」または「SPI」とする。シグナルペプチドが含まれていない場合、番号付けは「シグナルペプチド除外」または「SPE」とする。例えば、F328Sは、SPE番号付けでF309Sとされる同一アミノ酸をSPI番号付けで表したものである。特に明記しない限り、すべてのアミノ酸の番号付けは、
図22に配列番号19として提示される完全長野生型ヒト第VIII因子配列(FVIII−FL−AA)における対応アミノ酸を指す。
【0146】
本明細書に記載の場合、コドン改変型ポリヌクレオチドは、自然にコードされた第VIII因子構成体(例えば、野生型ヒトコドンを使用して同一の第VIII因子構成体をコードするポリヌクレオチド)で得られる第VIII因子発現レベルと比較して、トランスジェニック第VIII因子の生体内での発現を増加させる(例えば、遺伝子治療ベクターの一部として投与した場合)。本明細書で使用する場合、「発現増加」という用語は、自然にコードされた第VIII因子構成体を投与された動物のトランスジェニック第VIII因子血中活性レベルと比較した場合に、第VIII因子をコードするコドン改変型ポリヌクレオチドを投与された動物のトランスジェニック第VIII因子血中活性レベルが上昇していることを指す。活性レベルは、当技術分野で公知の任意の第VIII因子活性を使用して測定することができる。第VIII因子活性を決定する例示的アッセイは、Technochrome FVIIIアッセイ(Technoclone、オーストリア、ウィーン)である。
【0147】
いくつかの実施形態では、発現増加とは、自然にコードされた第VIII因子ポリヌクレオチドを投与された動物のトランスジェニック第VIII因子血中活性レベルと比較して、コドン改変第VIII因子ポリヌクレオチドを投与された動物の血中トランスジェニック第VIII因子活性が少なくとも25%高いことを指す。いくつかの実施形態では、発現増加とは、自然にコードされた第VIII因子ポリヌクレオチドを投与された動物のトランスジェニック第VIII因子血中活性レベルと比較して、コドン改変第VIII因子ポリヌクレオチドを投与された動物の血中トランスジェニック第VIII因子活性が少なくとも50%高い、少なくとも75%高い、少なくとも100%高い、少なくとも3倍高い、少なくとも4倍高い、少なくとも5倍高い、少なくとも6倍高い、少なくとも7倍高い、少なくとも8倍高い、少なくとも9倍高い、少なくとも10倍高い、少なくとも15倍高い、少なくとも20倍高い、少なくとも25倍高い、少なくとも30倍高い、少なくとも40倍高い、少なくとも50倍高い、少なくとも60倍高い、少なくとも70倍高い、少なくとも80倍高い、少なくとも90倍高い、少なくとも100倍高い、少なくとも125倍高い、少なくとも150倍高い、少なくとも175倍高い、少なくとも200倍高い、少なくとも225倍高い、または少なくとも250倍高いことを指す。
【0148】
本明細書に記載の場合、コドン改変型ポリヌクレオチドは、自然にコードされた第VIII因子構成体(例えば、野生型ヒトコドンを使用して同一の第VIII因子構成体をコードするポリヌクレオチド)で得られるベクター産生レベルと比較して、ベクター産生を増加させる。本明細書で使用する場合、「ウイルス産生増加」という用語は、自然にコードされた第VIII因子構成体と共に植菌された細胞培養におけるベクター収量(例えば、培養液1リットルあたりの力価)と比較して、第VIII因子をコードするコドン改変型ポリヌクレオチドと共に植菌された細胞培養におけるベクター収量が増加していることを指す。ベクター収量は、当技術分野で公知の任意のベクター力価アッセイを使用して測定することができる。ベクター収量(例えば、AAVベクターの収量)を決定する例示的アッセイは、AAV2末端逆位反復配列を標的にするqPCRである(Aurnhammer,Human Gene Therapy Methods:Part B 23:18−28(2012))。
【0149】
いくつかの実施形態では、ウイルス産生増加とは、同種の培養において、自然にコードされた第VIII因子構成体の収量よりもコドン改変ベクター収量が少なくとも25%大きいことを指す。いくつかの実施形態では、ベクター産生増加とは、同種の培養において、自然にコードされた第VIII因子構成体の収量よりもコドン改変ベクター収量が少なくとも50%大きい、少なくとも75%大きい、少なくとも100%大きい、少なくとも3倍大きい、少なくとも4倍大きい、少なくとも5倍大きい、少なくとも6倍大きい、少なくとも7倍大きい、少なくとも8倍大きい、少なくとも9倍大きい、少なくとも10倍大きい、少なくとも15倍大きい、または少なくとも20倍大きいことを指す。
【0150】
本明細書で使用する場合、「血友病」という用語は、血液の凝固(clotting)または凝固(coagulation)の低下により広く特徴付けられる一群の疾患状態を指す。血友病は、A型、B型、もしくはC型の血友病、または3つの疾患型すべての複合型を指し得る。A型血友病(血友病A)は第VIII因子(FVIII)活性の低下または欠損によって生じ、血友病サブタイプのうち最も顕著なものである。B型血友病(血友病B)は、第IX因子(FIX)の凝固機能の欠損または低下から生じる。C型血友病(血友病C)は、第XI因子(FXI)の凝固活性が欠損または低下した結果として生じる。血友病A及びBはX連鎖性疾患であるが、血友病Cは常染色体性疾患である。従来の血友病治療には、FVIII、FIX(Bebulin(登録商標)−VHを含む)、及びFXIなどの凝固因子、ならびにFEIBA−VH、デスモプレシンの予防的かつ必要に応じた(on−demand)投与、及び血漿注入が含まれる。
【0151】
本明細書で使用する場合、「FVIII遺伝子治療」という用語には、第VIII因子をコードする核酸を患者に提供して血友病に伴う1つ以上の症状(例えば、臨床因子)の再発を緩和、軽減、または予防する任意の治療法が含まれる。かかる用語は、血友病個人の健康を維持または改善するための、第VIII因子の任意の修飾形態(例えば、第VIII因子変異型)を含めた第VIII因子分子をコードする核酸を含む、任意の化合物の投与、薬物、処置、またはレジメンを包含する。FVIII療法の期間、FVIII治療剤の用量はいずれも、例えば、本開示に従って得られた結果に基づいて、変更が可能であることを当業者は理解するであろう。
【0152】
本明細書で使用する場合、「バイパス療法」という用語には、第VIII因子ではない止血薬、化合物または凝固因子を患者に提供して血友病に伴う1つ以上の症状(例えば、臨床因子)の再発を緩和、軽減、または予防する任意の治療法が含まれる。第VIII因子ではない化合物及び凝固因子には、第VIII因子インヒビター迂回活性(FEIBA)、組換え活性型第VII因子(FVIIa)、プロトロンビン複合体濃縮物、及び活性型プロトロンビン複合体濃縮物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。第VIII因子ではないこれらの化合物及び凝固因子は組換えであっても血漿由来であってもよい。当業者は、バイパス療法の期間、バイパス療法の用量はいずれも、例えば、本開示に従って得られた結果に基づいて、変更が可能であることを理解するであろう。
【0153】
本明細書で使用する場合、第VIII因子分子をコードする核酸及び従来の血友病A治療剤の投与が含まれる「併用療法」には、第VIII因子分子をコードする核酸と第VIII因子分子の両方及び/または第VIII因子ではない止血薬(例えば、バイパス治療剤)を患者に提供して血友病に伴う1つ以上の症状(例えば、臨床因子)の再発を緩和、軽減、または予防する任意の治療法が含まれる。かかる用語は、血友病個人の健康を維持または改善するために有用であり、本明細書に記載する治療剤のいずれかが含まれる第VIII因子の任意の修飾形態を含めた第VIII因子分子をコードする核酸が含まれた、任意の化合物の投与、薬物、処置、またはレジメンを包含する。
【0154】
「治療的に有効な量または用量」または「治療的に十分な量または用量」または「有効または十分な量または用量」という用語は、被投与体に対し治療効果を生み出す用量を指す。例えば、血友病治療に有用な薬物の治療的有効量は、血友病に伴う1つ以上の症状を予防または軽減できる量であり得る。正確な用量は、治療目的に応じて異なることになり、公知の技術を使用して当業者により確認可能である(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1−3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar,Dosage Calculations(1999);及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams&Wilkinsを参照のこと)。
【0155】
本明細書で使用する場合、「遺伝子」という用語は、ポリペプチド鎖(例えば、コード領域)をコードするDNA分子のセグメントを指す。いくつかの実施形態では、遺伝子に、ポリペプチド鎖の生成に関与するコード領域の直前、直後、及び/または介在する領域を配置する(例えば、プロモーター、エンハンサー、ポリアデニル化配列、5’非翻訳領域、3’非翻訳領域、またはイントロンなどの調節エレメント)。
【0156】
本明細書で使用する場合、「調節エレメント」という用語は、プロモーター、エンハンサー、ターミネーター、ポリアデニル化配列、イントロン等のような細胞にコード配列を発現させるヌクレオチド配列を指す。
【0157】
本明細書で使用する場合、「プロモーターエレメント」という用語は、コード配列の発現制御を助けるヌクレオチド配列を指す。一般に、プロモーターエレメントは、遺伝子の翻訳開始部位の5’末端に位置する。ただし、ある実施形態では、プロモーターエレメントは、イントロン配列内、またはコード配列の3’末端に位置し得る。いくつかの実施形態では、遺伝子治療ベクターに有用なプロモーターは、標的タンパク質の天然遺伝子由来である(例えば、第VIII因子プロモーター)。いくつかの実施形態では、遺伝子治療ベクターに有用なプロモーターは、標的生物の特定の細胞または組織に特異的に発現する(例えば、肝臓特異的プロモーター)。さらに別の実施形態では、特徴が十分に明らかになっている複数あるプロモーターエレメントの1つを本明細書に記載の遺伝子治療ベクターにおいて使用する。特徴が十分に明らかになっているプロモーターエレメントの非限定的な例には、CMV初期プロモーター、β−アクチンプロモーター、及びメチル化CpG結合タンパク質2(MeCP2)プロモーターが挙げられる。いくつかの実施形態では、プロモーターは構成的プロモーターであり、これは標的タンパク質の実質的に一定の発現を誘導する。他の実施形態では、プロモーターは誘導性プロモーターであり、これは特定の刺激(例えば、特定の治療または薬剤への曝露)に応答して標的タンパク質の発現を誘導する。AAV介在性遺伝子治療用プロモーターの設計の概説については、その記載内容があらゆる目的のために参照によりその全体が明示的に組み込まれるGray et al.(Human Gene Therapy 22:1143−53(2011))を参照のこと。
【0158】
本明細書で使用する場合、「ベクター」という用語は、宿主細胞に核酸(例えば、第VIII因子遺伝子治療構成体をコードするもの)を導入するために使用される任意の媒体を指す。いくつかの実施形態では、ベクターにはレプリコンが含まれ、これは、標的核酸と共に媒体を複製する機能がある。遺伝子治療に有用なベクターの非限定的な例には、プラスミド、ファージ、コスミド、人工染色体、及びウイルスが挙げられ、これらは生体内において自律的複製単位として機能する。いくつかの実施形態では、ベクターは、標的核酸(例えば、第VIII因子変異型をコードするコドン改変型ポリヌクレオチド)を導入するためのウイルス媒体である。遺伝子治療に有用な真核生物の改変型ウイルスが多数、当技術分野で公知である。例えば、アデノ随伴ウイルス(AAV)はヒトの遺伝子治療での使用に特に好適であり、理由として、ヒトはウイルスの自然宿主であること、このウイルスの野生型が寄与する疾患は知られていないこと、及びこのウイルスは穏やかな免疫応答を引き起こすことが挙げられる。
【0159】
本明細書で使用する場合、「CpGアイランド」という用語は、CpGジヌクレオチドの密度が統計的に高いポリヌクレオチド内領域を指す。本明細書で使用する場合、ポリヌクレオチド(例えば、コドン改変第VIII因子タンパク質をコードするポリヌクレオチド)の領域がCpGアイランドであるのは、200塩基対領域にわたり、(i)領域のGC含量が50%より大きく、(ii)下記関係式で定義される実測CpGジヌクレオチドと予測CpGジヌクレオチドの比が少なくとも0.6である場合である。
CpGアイランドの同定方法に関するさらなる情報については、その記載内容はあらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれるGardiner−Garden M.et al.,J Mol Biol.,196(2):261−82(1987)を参照のこと。
【0160】
本明細書で使用する場合、「核酸」という用語は、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド及びそのポリマーの一本鎖または二本鎖形態のもの、及びその相補鎖を指す。かかる用語は、既知のヌクレオチド類似体または修飾された骨格残基または骨格結合を含有する合成、天然に生じる、及び天然には生じない核酸であって、参照核酸と同様の結合特性を有し、参照ヌクレオチドと同様の方法で代謝される核酸を包含する。そのような類似体の例には、限定することなく、ホスホロチオエート、ホスホルアミダート、メチルホスホナート、キラル−メチルホスホナート、2−O−メチルリボヌクレオチド、及びペプチド核酸(PNA)が含まれる。
【0161】
「アミノ酸」という用語は、天然に生じるアミノ酸及び非天然アミノ酸を指し、それらには、天然に生じるアミノ酸と同様の方法で機能するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣物が含まれる。天然に生じるアミノ酸には、遺伝暗号によってコードされるもの、ならびに後に修飾を受けるアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、y−カルボキシグルタミン酸、及びO−ホスホセリンが含まれる。天然に生じるアミノ酸には、例えば、D−アミノ酸及びL−アミノ酸が含まれ得る。本明細書で使用するアミノ酸には、非天然アミノ酸も含まれ得る。アミノ酸類似体とは、天然に生じるアミノ酸と同一の基本化学構造を有する化合物、すなわち、任意の炭素が水素、カルボキシル基、アミノ基、R基に結合しているもの、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、またはメチオニンメチルスルホニウムを指す。そのような類似体は、修飾R基(例えば、ノルロイシン)または修飾ペプチド骨格を有しているが、天然に生じるアミノ酸と同一の基本化学構造を保持している。アミノ酸模倣物は、アミノ酸の一般化学構造とは異なる構造を有するが、天然に生じるアミノ酸と同様の方法で機能する化学物質を指す。アミノ酸は、本明細書では、一般に知られている3文字表記またはIUPAC−IUB生化学命名委員会(Biochemical Nomenclature Commission)が推奨する1文字表記によって言及され得る。同様に、ヌクレオチドは、それらに対して一般に認められている1文字コードで言及され得る。
【0162】
本明細書において、変異第VIII因子構成体をコードするヌクレオチド配列は、本明細書で提供するコード配列と同一配列であっても、または異なるコード配列であってもよく、この異なる配列は、遺伝暗号の冗長性または縮重の結果として、本明細書で提供するコード配列と同一のポリペプチドをコードする。当業者は、核酸中の各コドン(ただし、通常、メチオニンに対する唯一のコドンであるAUGと、通常、トリプトファンに対する唯一のコドンであるTGGを除く)を改変して機能的に同一な分子を得ることができると認識するであろう。したがって、同一ポリペプチドをコードする核酸の各変異は、実際の遺伝子治療構成体についてではなく発現産物についての各記載配列に含まれる。
【0163】
アミノ酸配列に関し、コードされた配列中の単一アミノ酸もしくはごく一部のアミノ酸を改変する、付加する、または欠失させる核酸もしくはペプチドの配列に対する個々の置換、欠失または付加は、かかる改変によってあるアミノ酸が化学的に類似したアミノ酸で置換される「保存的に修飾された変異型」であることを当業者は認識するであろう。機能的に類似したアミノ酸が記載された保存的置換表は当技術分野において周知である。そのような保存的に修飾された変異型は、本開示の多形変異型、種間のホモログ、及び対立遺伝子に対する追加であって、これらを除外するものではない。
【0164】
機能的に類似したアミノ酸を提供する保存的アミノ酸置換は当技術分野において周知である。特定のアミノ酸、例えば、触媒アミノ酸、構造アミノ酸、または立体的に重要なアミノ酸の機能性に応じて、異なる分類のアミノ酸を互いに保存的な置換とみなしてよい。表1に、アミノ酸の電荷と極性、アミノ酸の疎水性、アミノ酸の表面露出/構造上の性質、及びアミノ酸の二次構造の傾向に基づいて保存的置換とされるアミノ酸分類を記載する。
【0165】
(表1)タンパク質の残基の機能性に基づく保存的アミノ酸置換の分類
【0166】
核酸またはペプチドの2つ以上の配列において「同一な」または「同一性」パーセントという用語は、BLASTまたはBLAST2.0の配列比較アルゴリズムを以下に記載のデフォルトのパラメータで使用して測定するか、または手作業でアラインメントし目視確認した場合に、2つ以上の配列またはサブ配列が同一であるか、または同一であるアミノ酸残基もしくはヌクレオチドを明示された割合で有している(すなわち、比較枠または指定領域にわたり最大一致度について比較及びアラインメントを行った場合に、明示された領域にわたり、約60%の同一性、好ましくは65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性がある)ことを指す。
【0167】
当技術分野で公知のように、タンパク質(または以下に考察する核酸)が既知配列に対して配列同一性または配列類似性を有するか否かを確認するために数あるさまざまなプログラムを使用してよい。配列の同一性及び/または類似性は、当技術分野で公知の標準的な技術を使用して決定され、それらには、好ましくはデフォルト設定値を使用した、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.,2:482(1981)の局所配列同一性アルゴリズム、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol.,48:443(1970)の配列同一性アラインメントアルゴリズムによるもの、Pearson&Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,85:2444(1988)の類似性検索法によるもの、コンピュータによるこれらのアルゴリズムの実施(Wisconsin Genetics Software Package(Genetics Computer Group、ウィスコンシン州、マディソン、575 Science Drive)同梱GAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)によるもの、Devereux et al.,Nucl.Acid Res.,12:387−395(1984)に記載のBest Fit配列プログラム、または検査確認による方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、同一性パーセントは、ミスマッチペナルティ(mismatch penalty)1;ギャップペナルティ(gap penalty)1;ギャップサイズペナルティ(gap size penalty)0.33;及び結合ペナルティ(joining penalty)30、”Current Methods in Sequence Comparison and Analysis,”Macromolecule Sequencing and Synthesis,Selected Methods and Applications,pp 127−149(1988),Alan R.Liss,Inc,というパラメータに基づくFastDBによって計算され、そのいずれも参照により組み込まれる。
【0168】
有用なアルゴリズムの一例はPILEUPである。PILEUPでは、プログレッシブ・アラインメント、ペアワイズアラインメントを使用して一群の関連配列から多重配列アラインメントを作成する。アラインメント作成に使用されたクラスタリング関係を示す木のプロットも行われ得る。PILEUPは、Feng&Doolittle,J.Mol.Evol.35:351−360(1987)のプログレッシブ・アラインメント法を簡便化したものを使用しており、かかる方法は、Higgins&Sharp CABIOS 5:151−153(1989)によって記載された方法と類似しており、いずれも参照により組み込まれる。有用なPILEUPパラメータとして、デフォルトのギャップ重み(default gap weight) 3.00、デフォルトのギャップ長重み(default gap length weight)0.10、及び加重末端ギャップ(weighted end gaps)が挙げられる。
【0169】
有用なアルゴリズムの別の例は、Altschul et al.,J.Mol.Biol.215,403−410,(1990);Altschul et al.,Nucleic Acids Res.25:3389−3402(1997);及びKarlin et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:5873−5787(1993)に記載のBLASTアルゴリズムであり、いずれも参照により組み込まれる。特に有用なBLASTプログラムは、Altschul et al.,Methods in Enzymology,266:460−480(1996);http://blast.wustl/edu/blast/README.html]から入手したWU−BLAST−2プログラムである。WU−BLAST−2はいくつかの検索パラメータを使用するが、そのほとんどはデフォルト値に設定されている。調整可能パラメータは以下の値に設定される:オーバーラップスパン(overlap span)=1、オーバーラップフラクション(overlap fraction)=0.125、文字列閾値(word threshold)(T)=11。HSP SとHSP S2のパラメータは、動的な値であり、特定配列の組成、及び関心対象配列の検索を行う特定データベースの組成に応じてプログラム自身により確定されるが、感度が増すよう各値を調整してよい。
【0170】
さらなる有用アルゴリズムは、参照により組み込まれるAltschul et al.,Nucl.Acids Res.,25:3389−3402により報告されているギャップドBLAST(gapped BLAST)である。ギャップドBLAST(gapped BLAST)は、BLOSUM−62置換スコアを使用し、閾値のTパラメータは9に設定され、2ヒット法(two−hit method)でギャップなしの伸長(ungapped extension)を発生させ、ギャップ長kをコスト10+kにかけ、Xuを16に設定し、Xgはデータベース検索段階では40に、またアルゴリズムの出力段階では67に設定する。ギャップドアラインメントは、約22ビットに相当するスコアにより発生させる。
【0171】
アミノ酸配列同一性の%値は、一致する同一残基数をアラインメントを行った領域中の「より長い」配列の残基総数で除算することによって求められる。「より長い」配列は、アラインメントを行った領域中、実在残基を最も多く有する配列である(アラインメントスコアを最大にするためにWU−Blast−2で導入したギャップは無視する)。同様の方法で、同定されたポリペプチドのコード配列に関する「核酸配列同一性パーセント(%)」は、候補配列中の、細胞周期タンパク質のコード配列のヌクレオチド残基と同一なヌクレオチド残基の割合として定義される。好ましい方法では、オーバーラップスパン(overlap span)及びオーバーラップフラクション(overlap fraction)がそれぞれ1及び0.125であるデフォルトのパラメータに設定されたWU−BLAST−2のBLASTNモジュールを利用する。
【0172】
アラインメントには、アラインメント対象配列へのギャップ導入を含めてよい。さらに、
図2(配列番号1)の配列によってコードされるタンパク質よりも多いまたは少ないアミノ酸を含有する配列の場合、一実施形態では、配列同一性の割合は、アミノ酸またはヌクレオチドの総数に対する同一なアミノ酸またはヌクレオチドの数に基づいて決定されることになると理解される。したがって、例えば、以下に考察するように、
図2(配列番号1)に示す配列よりも短い配列の配列同一性は、一実施形態では、かかる短い配列中のヌクレオチド数を使用して決定されることになる。同一性パーセントの計算では、挿入、欠失、置換等といった配列変異のさまざまな発現に相対的重みを割り付けない。
【0173】
一実施形態では、同一性のみ正のスコア(+1)とし、ギャップを含む配列変異のすべての形態に値「0」を割り付け、これにより、配列類似性計算に以下に記載のような重みを付けたスケールまたはパラメータが不要になる。配列同一性パーセントは、例えば、一致同一残基数をアラインメントを行った領域中の「短い」配列の総残基数で除算したものに100を乗算して計算してよい。「より長い」配列は、アラインメントを行った領域中、実在残基を最も多く有する配列である。
【0174】
「対立遺伝子多型」という用語は、特定の遺伝子座における遺伝子の多型形態、ならびに遺伝子のmRNA転写産物に由来するcDNA、及びそれらによってコードされるポリペプチドを指す。「好ましい哺乳類コドン」という用語は、あるアミノ酸をコードするコドンセットのうち、哺乳類細胞に発現するタンパク質において使用頻度が最も高い、以下の一覧から選ばれるコドンセットのコドンサブセットを指す:Gly(GGC、GGG);Glu(GAG);Asp(GAC);Val(GTG、GTC);Ala(GCC、GCT);Ser(AGC、TCC);Lys(AAG);Asn(AAC);Met(ATG);Ile(ATC);Thr(ACC);Trp(TGG);Cys(TGC);Tyr(TAT、TAC);Leu(CTG);Phe(TTC);Arg(CGC、AGG、AGA);Gln(CAG);His(CAC);及びPro(CCC)。
【0175】
本明細書で使用する場合、コドン改変という用語は、あるポリペプチド(例えば、第VIII因子変異型タンパク質)をコードするポリヌクレオチド配列であって、かかるポリペプチドをコードする野生型ポリヌクレオチドの少なくとも1つのコドンが、そのポリヌクレオチド配列の特性が改善されるよう変更されているポリヌクレオチド配列を指す。いくつかの実施形態では、改善された特性により、ポリペプチドをコードするmRNAの転写増強、mRNAの安定性増大(例えば、mRNA半減期の改善)、ポリペプチドの翻訳増強、及び/またはベクター内のポリヌクレオチドのパッケージング増大が促進される。改善された特性を達成するために使用可能な改変の非限定的な例には、特定アミノ酸に対するコドンの使用及び/または分布の変更、全体及び/または局所のGC含量の調節、ATに富んだ配列の除去、反復配列エレメントの除去、全体及び/または局所のCpGジヌクレオチド含量の調節、潜在的な調節エレメント(例えば、TATAボックス及びCCAATボックスエレメント)の除去、イントロン/エキソンのスプライス部位の除去、制御配列の改善(例えば、Kozakコンセンサス配列の導入)、及び転写されたmRNA内で二次構造(例えば、ステムループ)を形成することができる配列エレメントの除去が挙げられる。
【0176】
本明細書の考察において、本開示の構成要素を指すさまざまな命名法がある。「CS−数字」(例えば、「CS04」、「CS01」、「CS23」など)は、FVIIIポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチド及び/またはそのコードされた、変異型を含めたポリペプチドを指す。例えば、CS01−FLは、CS01ポリヌクレオチド配列によってコードされる完全長(Full Length)のコドンが改変されたCS01ポリヌクレオチド配列またはアミノ酸配列(本明細書では場合により、アミノ酸配列(Amino Acid)については「CS01−FL−AA」、また核酸配列(Nucleic Acid)については「CS01−FL−NA」と呼ぶ)を指す。同様に、「CS01−LC」は、FVIIIポリペプチドの軽鎖をコードするコドン改変型核酸配列(「CS01−LC−NA」)、またはCS01ポリヌクレオチド配列によってコードされるFVIII軽鎖のアミノ酸配列(本明細書では場合により、「CS01−LC−AA」とも呼ばれる)を指す。同様に、CS01−HC、CS01−HC−AA及びCS01−HC−NAは、FVIII重鎖について同一である。当業者には理解されるように、コドンのみが改変された(例えば、Refactoと比較した場合に、さらなるアミノ酸置換を含んでいない)CS01、CS04、CS23などの構成体の場合、アミノ酸配列はコドン最適化によって改変されないので、同一のアミノ酸配列となる。したがって、開示の配列構成体には、CS01−FL−NA、CS01−FL−AA、CS01−LC−NA、CS01−LC−AA、CS01−HC−AA、CS01−HC−NA、CS04−FL−NA、CS04−FL−AA、CS04−LC−NA、CS04−LC−AA、CS04−HC−AA、CS04−HC−NA、CS23−FL−NA、CS23−FL−AA、CS23−LC−NA、CS23−LC−AA、CS23−HC−AA及びCS23−HC−NAが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0177】
この命名法は、
図13に示すグリコシル化ペプチドにも適用され、これにより「NGA1−AA」はアミノ酸配列を指し、NGA1−NAは核酸配列を指す。
【0178】
本開示には、以下に記載する、適切に命名されたさらなる新規第VIII因子変異型も含まれる。
【0179】
III.コドン改変第VIII因子変異型
いくつかの実施形態では、本開示は、第VIII因子変異型をコードするコドン改変型ポリヌクレオチドを提供する。これらのコドン改変型ポリヌクレオチドは、AAVを用いた遺伝子治療構成体にして投与した場合、第VIII因子の発現を顕著に改善する。また、コドン改変型ポリヌクレオチドは、従来の方法でコドンを最適化した構成体と比較して改善されたAAV−ビリオンパッケージングも示す。実施例2及び実施例4で実証されるように、出願人らは、ヒト野生型第VIII因子の重鎖と軽鎖と、生体内で活性FVIIIaタンパク質の成熟を促進するfurin切断部位が含有される14アミノ酸の短いBドメイン置換リンカー(「SQ」リンカー)とを有した、第VIII因子ポリペプチドをコードする3つのコドン改変型ポリヌクレオチド(CS01−FL−NA、CS04−FL−NA、及びCS23−FL−NA)の発見により、上記利点を達成している。実施例4でさらに実証されるように、コードされた第VIII因子分子内にF328S、X5、及びX1の各アミノ酸変異をさまざまに組み合わせて組み込むことにより、第VIII因子活性の生体内発現がさらに高まった。
【0180】
一実施形態では、本明細書で提供するコドン改変型ポリヌクレオチドは、少なくとも、第VIII因子の重鎖及び第VIII因子の軽鎖をコードするCS01、CS04、またはCS23内の配列(それぞれ、配列番号13、1、及び20)に対する配列同一性の高いヌクレオチド配列を有する。当技術分野で公知のように、第VIII因子のBドメインは生体内での活性に必要ではない。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供するコドン改変型ポリヌクレオチドは第VIII因子Bドメインを完全に欠失している。いくつかの実施形態では、天然型第VIII因子Bドメインを、furin切断部位を含有する短いアミノ酸リンカー、例えば、CS01、CS04、またはCS23(それぞれ、配列番号2、2、及び21)構成体のアミノ酸760〜773からなる「SQ」リンカーで置換する。「SQ」リンカーはBDLO04とも呼ぶ(
図6中、アミノ酸配列は−AA、ヌクレオチド配列は−NAとなる)。
【0181】
一実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子の重鎖及び軽鎖はそれぞれ、ヒト第VIII因子の重鎖及び軽鎖である。他の実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子の重鎖及び軽鎖は、別の哺乳類に由来する重鎖配列及び軽鎖配列(例えば、ブタの第VIII因子)である。さらに別の実施形態では、第VIII因子の重鎖及び軽鎖は、キメラの重鎖及び軽鎖である(例えば、ヒトと第2の哺乳類との組み合わせ配列)。さらに別の実施形態では、第VIII因子の重鎖及び軽鎖は、別の哺乳類の重鎖及び軽鎖のヒト化型、例えば、ヒトに投与した場合に、得られるペプチドの免疫原性が低くなるよう選択位置でヒト残基が置換されている、別の哺乳類由来の重鎖配列及び軽鎖配列である。
【0182】
ヒト遺伝子のGC含量は、25%未満から90%超までばらつきが大きい。しかし、一般に、GC含量の高いヒト遺伝子は高レベルで発現する。例えば、Kudlaら(PLoS Biol.,4(6):80(2006))は、主に転写を高め、定常状態のmRNA転写産物量を高めることによって、遺伝子のGC含量を上げるとコードされたポリペプチドの発現が増加することを実証している。一般に、コドンが最適化された遺伝子構成体の所望GC含量は60%以上である。しかしながら、野生型AAVゲノムはGC含量が約56%である。
【0183】
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供するコドン改変型ポリヌクレオチドは、野生型AAVビリオンのGC含量との一致度がより高いCG含量(例えば、約56%のGC)を有し、これは、哺乳類細胞での発現用に従来の方法でコドンが最適化されたポリヌクレオチドの好ましいCG含量(例えば、60%以上のGC)よりも低い。実施例1に概説されているように、GC含量が約56%であるCS04−FL−NA(配列番号1)は、同様にコドンを改変したGC含量の高いコード配列と比較して、ビリオンパッケージングが改善されている。
【0184】
したがって、いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は60%未満である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は59%未満である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は58%未満である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は57%未満である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は56%以下である。
【0185】
いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は54%〜59%である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は55%〜59%である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は56%〜59%である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は54%〜58%である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は55%〜58%である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は56%〜58%である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は54%〜57%である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は55%〜57%である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は56%〜57%である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は54%〜56%である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は55%〜56%である。
【0186】
いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は56±0.5%である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は56±0.4%である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は56±0.3%である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は56±0.2%である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は56±0.1%である。いくつかの実施形態では、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドの全体的GC含量は56%である。
【0187】
A.第VIII因子アミノ酸置換
本明細書に記載する第VIII因子構成体のAAVベクターによる発現効率をさらに高めるため、いくつかの実施態様では、分泌改善、特定活性の増大、及び/または第VIII因子の安定性増強が既知であるアミノ酸置換をさらに組み込む。所与のベクター用量でFVIII活性の血漿レベルを高める多数の潜在的変異型を同定した。これらの変異型には、シグナルペプチド効率の高いもの、BiP相互作用を防げるアミノ酸置換、より効率的に分泌第VIII因子オルソログ(例えば、ブタの第VIII因子)に類似するアミノ酸置換、一本鎖の第VIII因子変異型、ならびに第VIII因子を安定化させ、かつ/またはサブユニットの解離を低下させるアミノ酸置換を有する変異型が含まれる。
【0188】
A1ドメインとC2ドメイン間の界面に位置する残基A108、R121、及びL2302(SPE)の変異は第VIII因子の安定性を高める。例えば、アミノ酸置換A108Iにより、ドメイン間の空間を良好に埋め、相互作用を安定化させる疎水性残基を導入する。同様に、アミノ酸二重置換のR121C/L2302C(SPE)により、A1〜C2ドメインに伸長し、相互作用をさらに安定化させるジスルフィド結合を導入する。以上をまとめると、3つのアミノ酸置換はすべて第VIII因子の熱安定性を3〜4倍高める。概説については、Wakabayashi et al.,J Biol Chem.286(29):25748−55(2011)及びWakabayashi et al.,Thromb Haemost.10(3):492−95(2012)を参照のこと。したがって、いくつかの実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドにはアミノ酸置換A108I及び/またはR121C/L2302Cが含まれる。
【0189】
第VIII因子のカルシウム結合ドメイン内に位置するE113(SPE)の変異は特定のFVIII凝固活性を高める。例えば、E113Aは、第IX因子aに対するFVIIIの親和性を高めることによりFXaseの形成を高めるようである。具体的には、アミノ酸置換E113Aは特定のFVIII凝固活性を2倍高め、第IXa因子に対する親和性を4倍高める(Biochemistry,41:8485(2002);J.Biol.Chem.,279:12677(2004);及びBiochemistry,44:10298(2005))。したがって、いくつかの実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、アミノ酸置換E113Aが含まれる。
【0190】
第VIII因子APC切断部位周辺のアミノ酸残基(残基331〜341(SPE))の1つ以上を置換すると、活性化プロテインCによる第VIIIa因子の不活性化が抑制されるが、FVIII活性には影響を与えない。例えば、アミノ酸置換PQL333〜335VDQ(SPE)は第VIII因子の不活性化を16倍低下させる。同様に、アミノ酸置換MKN336〜339GNQは第VIII因子の不活性化を9倍低下させる。2つのアミノ酸三重置換を組み合わせると(例えば、PQLRMKN333〜339VDQRGNQ)(それぞれ、配列番号34及び35)、第VIII因子の不活性化を100倍低下させる(J.Biol.Chem.,282:20264(2007)。したがって、いくつかの実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、アミノ酸置換PQL333〜335VDQ及び/またはMKN337〜339GNQ(SPE)が含まれる。
【0191】
また、A2ドメイン界面内の変異は、第VIII因子の安定性も高める。具体的には、A1〜A2ドメイン及びA2〜A3ドメインの界面の荷電残基を変異させると、第VIIIa因子のA2サブユニットの安定性及び保持が高まる。例えば、D519、E665、及びE1984をVまたはAに変異させると、第VIII因子の最高2倍増の安定性、及び第VIIIa因子の最高5倍増の安定性が得られる。具体的には、アミノ酸置換D519A/E665Vは安定性の3倍増をもたらし、アミノ酸置換D519V/E665Vは安定性の2倍増、A2解離の8倍減、及びトロンビン生成能の2〜4倍増をもたらし、アミノ酸置換D519V/E1984Aは安定性の2倍増をもたらし、D519V/E665V/E1984Aアミノ酸置換は安定性の2倍増をもたらす(Blood 112:2761−69(2008);J.Thromb.Haemost.,7:438−44(2009))。したがって、いくつかの実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドにはアミノ酸置換D519A/V、E665A/V、及びE1984A/Vの1つ以上が含まれる。
【0192】
本開示にとって特に重要なのは、個々別々でも、または本明細書に記載の他の変異型と組み合わせても含めることができる特定変異が多数あることである。これらの変異型は、本明細書ではコード表記され、すなわち、「m1」は単一のアミノ酸変化を指し、「m2」は5つのアミノ酸変異型のセットであり、「m3」は、ポリペプチドリンカーと重鎖間の接合部に伸びる、アミノ酸7個の欠失とアミノ酸6個の挿入との組み合わせであり、「m4」は、m1単一変異とm5二重変異との組み合わせであり、「m5」はシステイン除去2つのセットである。これらの変異を以下に記載する。これらの変異は、単独でも他の変異型との組み合わせでも、個々の任意の構成体に含めることができ、それに応じてコード表記される。例えば、「m23」は、本明細書で概説するように、特定の足場に対するm2変異型とm3変異型との組み合わせであり、それに従えば、「CS01m23−FL−NA」または「CS01−FL−NAm23」は、m2及びm3の変異をコードするヌクレオチドが含まれているコドン改変型ポリヌクレオチドCS01配列を指し、「CS01m23−FL−AA」または「CS01−FL−AAm23」はそのようなアミノ酸配列を指す。CS01はコドンは改変されているがRefactoのアミノ酸配列は変化させないので、上記は、Refactoアミノ酸配列CS01−FL−AA(配列番号2)と比較するとアミノ酸レベルでは変異として考えられる。
【0193】
多くの実施形態では、開示のポリペプチドは、「m1」変異型を含めて作製される。BiPと相互作用する、A1ドメインの11アミノ酸疎水性β−シート内で変異させると、第VIII因子の分泌が増加する。例えば、かかるポケット内のアミノ酸置換F328S(SPIの場合。SPEではF309S)により、第VIII因子の分泌が3倍増加する。F328S変異型は本明細書では「m1」変異と呼び、重鎖内にある。ここでもやはり、本明細書に記載の場合、変異型の番号付けは、シグナルペプチドを含めた「Signal Peptide Inclusive(シグナルペプチド含有)」もしくは「SPI」、またはプロセシングを受けた最終タンパク質配列から開始する「Signal Peptide Exclusive(シグナルペプチド除外)」もしくは「SPE」で行われ得る。したがって、SPI番号付けを使用した変異F328SはSPEによる変異F309と同一である。一般に、本明細書ではSPI番号付けを使用するが、当業者により理解されるように、いずれの番号付けシステムも同一の変異(複数可)をもたらすものである。
【0194】
したがって、本開示には、CS01−FL−AAm1、CS01−HC−AAm1、CS04−FL−AAm1、CS04−HC−AAm1 CS23−FL−AAm1、CS23−HC−AAm1、CS40−FL−AAm1及びCS40−HC−AAm1(いずれも対応する同一タンパク質配列をコードする)などのm1変異を含むポリペプチドが含まれる。
【0195】
さらに、本開示には、m1変異を含むポリペプチド配列だけではなく、m1変異を有するタンパク質をコードするコドン改変型ポリヌクレオチド配列、例えばCS01−FL−NAm1、CS01−HC−NAm1、CS04−FL−NAm1、CS04−HC−NAm1、CS23−FL−NAm1、CS23−HC−NA−m1、CS40−FL−NAm1及びCS40−HC−NAm1も含まれる。
【0196】
多くの実施形態では、開示のポリペプチドは、「m2」変異型セット、すなわち、変異I105V/A127S/G151K/M166T/L171P(SPI番号付け(SPE番号付けではそれぞれ、V86I/S108A/K132G/T147M/P152L)を含めて作製される。m2変異セットは、ブタのアミノ酸82〜176で、Bドメイン欠失遺伝子治療構成体の対応するヒトアミノ酸を置換すると、HEK293細胞に発現させた場合に第VIII因子活性が高まるという事実に基づいている(W.Xiao、論文)。同著者。ヒトBDD−FVIII構成体内へのブタの単体アミノ酸の復帰変異では、この現象に寄与する5個のアミノ酸、すなわち、I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171P(SPI)がA1ドメイン内に同定された。これらの変異の組み合わせをヒト構成体に導入すると、より大規模なブタでの置換による改善された活性が再現された。同著者。したがって、いくつかの実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、I105V、A127S、G151K、M166T、及びL171Pから選択される1つ以上のアミノ酸置換が含まれ、アミノ酸全5個のセットであるm2を用いた場合、多くの実施形態で特定の用途に用いられる。m1変異の場合同様、m2変異型は重鎖にあるため、本開示には、CS01−FL−AAm2、CS01−HC−AAm2、CS04−FL−AAm2、CS04−HC−AAm2、CS23−FL−AAm2、CS23−HC−AAm2、CS40−FL−AAm2及びCS40−HC−AAm2(いずれも対応する同一タンパク質配列をコードする)などのm2変異を含むポリペプチドが含まれる。
【0197】
さらに、本開示には、m2変異を含むポリペプチド配列だけではなく、m2変異を有するタンパク質をコードするコドン改変型ポリヌクレオチド配列、例えばCS01−FL−NAm2、CS01−HC−NAm2、CS04−FL−NAm2、CS04−HC−NAm2、CS23−FL−NAm2、CS23−HC−NA−m2、CS40−FL−NAm2及びCS40−HC−NAm2も含まれる。
【0198】
さらなる実施形態では、本開示のポリペプチド及びポリヌクレオチドにはm3変異が含まれる。m3は、HCドメインからBドメインの界面にわたる6アミノ酸の7アミノ酸への置換であり、これにより界面近傍に導入するさらなるグリコシル化部位が導入される。したがって、いくつかの実施形態では、m3は、FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPRSF755〜761の欠失及びN754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入(例えば、AIEPRSF755〜761TTYVNRSL)である(「TTYVNRSL」は、配列番号33として開示される)。配列番号19に関連する残基AIEPR755〜759は重鎖末端内にあり、残基S760とF761はBドメイン内にある。いくつかの実施形態では、FVIIIのBドメインが欠失している、切断されている、または置換されている場合、残基S760及びF761は、変異対象である基礎アミノ酸配列に存在しなくてよい。したがって、いくつかの実施形態では、m3は、FVIII−FL−AA(配列番号19)に関して、アミノ酸AIEPR755〜759の欠失及びN754の後へのアミノ酸TTYVNRSL(配列番号33)の挿入である(例えば、AIEPR755〜759TTYVNRSL(「TTYVNRSL」は、配列番号33として開示される)。
【0199】
m3変異型は、重鎖とBドメイン間の接合部にあるため、本開示には、CS01−FL−AAm3、CS01−HC−AAm3、CS04−FL−AAm3、CS04−HC−AAm3、CS23−FL−AAm3、CS23−HC−AAm3、CS40−FL−AAm3及びCS40−HC−AAm3(いずれも対応する同一タンパク質配列をコードする)などのm3変異を含むポリペプチドが含まれる。
【0200】
さらに、本開示には、m3変異を含むポリペプチド配列だけではなく、m3変異を有するタンパク質をコードするコドン改変型ポリヌクレオチド配列、例えばCS01−FL−NAm3、CS01−HC−NAm3、CS04−FL−NAm3、CS04−HC−NAm3、CS23−FL−NAm3、CS23−HC−NA−m3、CS40−FL−NAm3及びCS40−HC−NAm3も含まれる。
【0201】
さらなる実施形態では、本開示のポリペプチド及びポリヌクレオチドにはm4変異が含まれる。第VIII因子のC1899−C1903ジスルフィド結合を取り除いても分泌は増加した。さらに、第VIII因子分泌増加は、F328S(SPIの場合。SPEではF309S)とアミノ酸置換C1918G/C1922Gとの組み合わせでは相加的なものである(Miao et al.,Blood,103:3412−19(2004);Selvaraj et al.,J.Thromb.Haemost.,10:107−15(2012))。したがって、いくつかの実施形態では、コードされた第VIII因子ポリペプチドには、F328S(SPIの場合。SPEではF309S)とアミノ酸置換C1918G/C1922G(SPI)であるm4変異が含まれる。F328S変異型は重鎖にあり、2つのシステイン変異型は軽鎖にあるので、m4変異を含むポリペプチド配列は、CS01−FL−AAm4、CS01−HC−AAm4、CS01−LC−AAm4、CS04−FL−AAm4、CS04−HC−AAm4、CS04−LC−AAm4、CS23−FL−AAm4、CS23−HC−AAm4及びCS23−LC−AAm4である。
【0202】
さらに、本開示には、m4変異を含むポリペプチド配列だけではなく、m4変異を有するタンパク質をコードするコドン改変型ポリヌクレオチド配列、例えばCS01−FL−NAm4、CS01−HC−NAm4、CS01−LC−NAm4、CS04−FL−NAm4、CS04−HC−NAm4、CS04−LC−NAm4、CS23−FL−NAm4、CS23−HC−NAm4、CS23−LC−NAm4、CS40−FL−NA−m4、CS40−HC−NA−m4及びCS40−LC−NA−m4も含まれる。
【0203】
さらなる実施形態では、本開示のポリペプチド及びポリヌクレオチドにはm5変異が含まれる。上記のように、第VIII因子のC1899−C1903ジスルフィド結合を取り除いても分泌は増加した。軽鎖内に含有されるアミノ酸置換C1918G/C1922G(SPI)を本明細書ではm5変異セットと呼ぶ。
【0204】
m5変異型は軽鎖にあるため、本開示には、CS01−FL−AAm5、CS01−LC−AAm5、CS04−FL−AAm5、CS04−LC−AAm5、CS23−FL−AAm5、CS23−LC−AAm5、CS40−FL−AAm5及びCS40−LC−AAm5(いずれも対応する同一タンパク質配列をコードする)などのm5変異を含むポリペプチドが含まれる。
【0205】
さらに、本開示には、m5変異を含むポリペプチド配列だけではなく、m5変異を有するタンパク質をコードするコドン改変型ポリヌクレオチド配列、例えばCS01−FL−NAm5、CS01−LC−NAm5、CS04−FL−NAm5、CS04−LC−NAm5、CS23−FL−NA−m5、CS23−LC−NA−m5、CS40−FL−NA−m5及びCS40−LC−NA−m5も含まれる。
【0206】
m1、m2、m3、m4及びm5を個々別々に含む特定の構成体(アミノ酸と核酸の両方)に加え、本明細書で概説するように変異セットの組み合わせを作製することができる。本明細書に記載のように、これらは、m1とm2セットの組み合わせでは「m12」、またはm1、m2及びm3のセットの組み合わせでは「m123」と表記される。したがって、本開示には、m12、m13、m14、m15、m23、m24、m25、m34、m35及びm45など二重組み合わせが含まれる。また、三重組み合わせm123、m124、m125、m234、m235及びm345も含まれる。さらに、四重組み合わせm1234、m1235、m1345及びm12345という組み合わせが含まれる。いくつかの実施形態において特に注目されるのは、変異セットm1、m2、m3及びm4、m23、m123、ならびにm234である。
【0207】
B.第VIII因子Bドメイン置換リンカー
いくつかの実施形態では、FVIIIの重鎖と軽鎖の間の結合(例えば、野生型第VIII因子のBドメイン)をさらに改変する。AAVパッケージング量の大きさは限られているため、Bドメインが欠失している、切断されている、及びまたはリンカーが置換された変異型にはFVIII遺伝子治療構成体の効率改善が必要である。従来より最も使用されているBドメイン置換リンカーはSQ FVIIIのリンカーであり、わずか14アミノ酸のBドメインをリンカー配列として保持している。ブタ第VIII因子(「OBI−1」、米国特許第6,458,563号に記載)の別の変異型はCHO細胞で良好に発現し、24アミノ酸というわずかに長いリンカーを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のコドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子構成体には、SQ型Bドメインリンカー配列が含まれる。他の実施形態では、本明細書に記載のコドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子構成体には、OBI−1−型Bドメインリンカー配列が含まれる。
【0208】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のコードされた第VIII因子ポリペプチドには、野生型ヒト第VIII因子Bドメイン(FVIII−FL−AA;配列番号19)のアミノ酸760〜762/1657〜1667を含む、SQ型Bドメインリンカーが含まれる(Sandberg et al.Thromb.Haemost.85:93(2001))。いくつかの実施形態では、SQ型Bドメインリンカーは、対応する野生型配列と比較して1つのアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、SQ型Bドメインリンカーは、対応する野生型配列と比較して2つのアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、SQ型Bドメインリンカーに挿入される。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13に示すペプチド(それぞれ出現順に配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75)から選択される。
【0209】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のコードされた第VIII因子ポリペプチドには、野生型ヒト第VIII因子Bドメイン(FVIII−FL−AA;配列番号19)のアミノ酸760/1582〜1667を含む、Greengene型Bドメインリンカー(Oh et al.,Biotechnol.Prog.,17:1999(2001))が含まれる。いくつかの実施形態では、Greengene型Bドメインリンカーは、対応する野生型配列と比較して1つのアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、Greengene型Bドメインリンカーは、対応する野生型配列と比較して2つのアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、Greengene型Bドメインリンカーに挿入される。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13に示すペプチド(それぞれ出現順に配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75)から選択される。
【0210】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のコードされた第VIII因子ポリペプチドには、野生型ヒト第VIII因子Bドメイン(FVIII−FL−AA;配列番号19)のアミノ酸760〜769/1657〜1667を含む、伸長SQ型Bドメインリンカー
が含まれる(Thim et al.,Haemophilia,16:349(2010))。いくつかの実施形態では、伸長SQ型Bドメインリンカーは、対応する野生型配列と比較して1つのアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、伸長SQ型Bドメインリンカーは、対応する野生型配列と比較して2つのアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、伸長SQ型Bドメインリンカーに挿入される。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13に示すペプチド(それぞれ出現順に配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75)から選択される。
【0211】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のコードされた第VIII因子ポリペプチドには、野生型ブタ第VIII因子Bドメイン由来のアミノ酸
を含む、ブタOBI−1−型Bドメインリンカー(Toschi et al.,Curr.Opin.Mol.Ther.12:517(2010))が含まれる。いくつかの実施形態では、ブタOBI−1−型Bドメインリンカーは、対応する野生型配列と比較して1つのアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、ブタOBI−1−型Bドメインリンカーは、対応する野生型配列と比較して2つのアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、ブタOBI−1−型Bドメインリンカーに挿入される。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13に示すペプチド(それぞれ出現順に配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75)から選択される。
【0212】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のコードされた第VIII因子ポリペプチドには、野生型ヒト第VIII因子Bドメイン(FVIII−FL−AA;配列番号19)のアミノ酸760〜772/1655〜1667を含む、ヒトOBI−1−型Bドメインリンカーが含まれる。いくつかの実施形態では、ヒトOBI−1−型Bドメインリンカーは、対応する野生型配列と比較して1つのアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、ヒトOBI−1−型Bドメインリンカーは、対応する野生型配列と比較して2つのアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、ヒトOBI−1−型Bドメインリンカーに挿入される。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13に示すペプチド(それぞれ出現順に配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75)から選択される。
【0213】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のコードされた第VIII因子ポリペプチドには、野生型ブタ第VIII因子Bドメイン由来のアミノ酸
を含む、O8型Bドメインリンカー(Toschi et al.,Curr.Opin.Mol.Ther.12:517(2010))が含まれる。いくつかの実施形態では、ブタOBI−1−型Bドメインリンカーは、対応する野生型配列と比較して1つのアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、ブタOBI−1−型Bドメインリンカーは、対応する野生型配列と比較して2つのアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、ブタOBI−1−型Bドメインリンカーに挿入される。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13に示すペプチド(それぞれ出現順に配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75)から選択される。
【0214】
第VIII因子構成体からBドメインを除去しても活性化酵素(例えば、FVIIIa)の活性には影響を与えないようであり、恐らく活性化中にBドメインが除去されたことが理由と思われる。しかし、第VIII因子のBドメインは、例えば、N−結合型またはO−結合型グリコシル化によって、翻訳後修飾を受ける残基をいくつか含有している。インシリコでの分析(Prediction of N−glycosylation sites in human proteins, R.Gupta,E.Jung and S.Brunak, in preparation(2004))を野生型第VIII因子Bドメインで行うと、これらの部位の少なくとも4つが生体内でグリコシル化されると予測される(
図14)。Bドメイン内のこうした修飾は、生体内では、第VIII因子の翻訳後調節及び/または半減期に寄与すると考えられている。
【0215】
成熟第VIIIa因子タンパク質には第VIII因子Bドメインは存在しないが、前駆体の第VIII因子分子のBドメイン内のグリコシル化は、活性化に先立ちタンパク質の循環血中半減期を延長させ得る。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載するコードされた第VIII因子構成体のポリペプチドリンカーには、生体内でのグリコシル化を可能にするために1つ以上のグリコシル化配列が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーには、少なくとも1つのグリコシル化コンセンサス配列(例えば、N−結合型またはO−結合型のグリコシル化コンセンサス配列)が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーには、少なくとも2つのグリコシル化コンセンサス配列が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーには、少なくとも3つのグリコシル化コンセンサス配列が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーには、少なくとも4つのグリコシル化コンセンサス配列が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーには、少なくとも5つのグリコシル化コンセンサス配列が含まれる。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーには、少なくとも6つ、7つ、8つ、9つ、10、またはそれ以上のグリコシル化コンセンサス配列が含まれる。
【0216】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーは、N−結合型グリコシル化配列N−X−S/Tを少なくとも1つ含有し、その場合、XはP、S、またはT以外の任意のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーは、N−結合型グリコシル化配列N−X−S/Tを少なくとも2つ含有し、その場合、XはP、S、またはT以外の任意のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーは、N−結合型グリコシル化配列N−X−S/Tを少なくとも3つ含有し、その場合、XはP、S、またはT以外の任意のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーは、N−結合型グリコシル化配列N−X−S/Tを少なくとも4つ含有し、その場合、XはP、S、またはT以外の任意のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーは、N−結合型グリコシル化配列N−X−S/Tを少なくとも5つ含有し、その場合、XはP、S、またはT以外の任意のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーは、N−結合型グリコシル化配列N−X−S/Tを少なくとも6つ、7つ、8つ、9つ、10、またはそれ以上含有し、その場合、XはP、S、またはT以外の任意のアミノ酸である。
【0217】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドリンカーには、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つに対する配列同一性の高いグリコシル化ペプチドが含まれる。いくつかの実施形態では、グリコシル化ポリペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つに対して少なくとも92%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つに対して2つ以下のアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれかに対して1つ以下のアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれかから選択されるアミノ酸配列を有する。
【0218】
いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つに対して少なくとも92%の同一性を有し、それぞれ、
図13A〜13Bに示すように、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74から選択される対応するヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つに対して少なくとも92%の同一性を有し、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74から選択される対応するヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つに対して少なくとも92%の同一性を有し、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74から選択される対応するヌクレオチド配列に対して少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列によってコードされる。
【0219】
いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つに対して2つ以下のアミノ酸置換を有し、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74から選択される対応するヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つに対して2つ以下のアミノ酸置換を有し、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74から選択される対応するヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つに対して2つ以下のアミノ酸置換を有し、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74から選択される対応するヌクレオチド配列に対して少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列によってコードされる。
【0220】
いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つに対して1つ以下のアミノ酸置換を有し、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74から選択される対応するヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つに対して1つ以下のアミノ酸置換を有し、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74から選択される対応するヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つに対して1つ以下のアミノ酸置換を有し、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74から選択される対応するヌクレオチド配列に対して少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列によってコードされる。
【0221】
いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つから選択される配列を有し、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74から選択される対応するヌクレオチド配列に対して少なくとも90%の同一性を有するポリヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つから選択される配列を有し、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74から選択される対応するヌクレオチド配列に対して少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つから選択される配列を有し、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74から選択される対応するヌクレオチド配列に対して少なくとも98%の同一性を有するポリヌクレオチド配列によってコードされる。
【0222】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するコドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子ポリペプチドはBドメイン置換リンカーを有し、ここで、グリコシル化ペプチドは、SQリンカー配列(CS04−FL−AA;配列番号2のアミノ酸760〜773)に挿入される。特定の実施形態では、グリコシル化ペプチドは、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つから選択されるもの、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つに対して少なくとも92%の同一性を有するグリコシル化ペプチド、
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つに対して2つ以下アミノ酸置換を有するグリコシル化ペプチド、ならびに
図13A〜13Bに示すようにそれぞれ出現順に、配列番号51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、及び75のいずれか1つに対して1つ以下のアミノ酸置換を有するグリコシル化ペプチドから選択される。いくつかの実施形態では、残基N768とP769(CS04−FL−AA;配列番号2について)の間のSQペプチドにグリコシル化ペプチドを挿入する。
【0223】
いくつかの実施形態では、第VIII因子構成体のポリペプチドリンカーは、
図6に示す配列(それぞれ出現順に配列番号5〜7及び36〜48)のいずれか1つに対する配列同一性の高い第3のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、
図13に示す配列(それぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74)のいずれか1つに対して少なくとも95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、
図13に示す配列(それぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74)のいずれか1つに対して少なくとも96%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、
図13に示す配列(それぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74)のいずれか1つに対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、
図13に示す配列(それぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74)のいずれか1つに対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、
図13に示す配列(それぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74)のいずれか1つに対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、
図13に示す配列(それぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74)のいずれか1つに対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、
図13に示す配列(それぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74)のいずれか1つに対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、
図13に示す配列(それぞれ出現順に、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、及び74)のいずれか1つと同一である。
【0224】
C.切断可能なリンカーを有する第VIII因子変異型をコードするコドン改変型ポリヌクレオチド
コドン改変型ポリヌクレオチドCS04
一実施形態では、本明細書で提供するコドン改変型ポリヌクレオチドには、生体内で切断可能なリンカーを有する第VIII因子変異型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が含まれる。第VIII因子ポリペプチドには、第VIII因子の軽鎖、第VIII因子の重鎖、及び重鎖のC末端を軽鎖のN末端に連結させるポリペプチドリンカーが含まれる。第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、CS04−FL−NA(配列番号1)の一部であり第VIII因子の重鎖をコードするCS04−HC−NA(配列番号3)に対する配列同一性の高い、第1のヌクレオチド配列によってコードされる。第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、CS04−FL−NA(配列番号1)の一部であり第VIII因子の軽鎖をコードするCS04−LC−NA(配列番号4)に対する配列同一性の高い、第2のヌクレオチド配列によってコードされる。ポリペプチドリンカーには、生体内での成熟(例えば、生体内での発現後または前駆体ポリペプチドの投与後)を可能にするfurin切断部位が含まれる。
【0225】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)に対し少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)に対し少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)に対し少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)に対し少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)に対し少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)に対し少なくとも99.5%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)に対し少なくとも99.9%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)と同一である。
【0226】
いくつかの実施形態では、第VIII因子構成体のポリペプチドリンカーは、CS04−FL−AA(配列番号2)のアミノ酸760〜773に対応する14アミノ酸リンカーをコードするBDLO04(配列番号6)に対する配列同一性の高い、第3のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、BDLO04(配列番号6)に対して少なくとも95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、BDLO04(配列番号6)に対して少なくとも96%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、BDLO04(配列番号6)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、BDLO04(配列番号6)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列はBDLO04(配列番号6)と同一である。
【0227】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドは、CS04−FL−NA(配列番号1)に対する配列同一性の高いヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−FL−NA(配列番号1)に対して少なくとも95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−FL−NA(配列番号1)に対して少なくとも96%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−FL−NA(配列番号1)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−FL−NA(配列番号1)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−FL−NA(配列番号1)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−FL−NA(配列番号1)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−FL−NA(配列番号1)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列はCS04−FL−NA(配列番号1)と同一である。
【0228】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、CS04−FL−AA(配列番号2)に対する配列同一性の高いアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS04−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS04−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS04−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS04−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS04−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列はCS04−FL−AA(配列番号2)と同一である。
【0229】
いくつかの実施形態では、CS04−FL−AAに対する高い配列相同性(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の同一性)を有する、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、m1、m2、m3、m4、及びm5から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。
【0230】
一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m1を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m2を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m3を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m4を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m5を含む。
【0231】
一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m12を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m13を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m23を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m24を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m25を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m34を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m35を含む。
【0232】
一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m123を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m234を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m125を含む。
【0233】
コドン改変型ポリヌクレオチドCS01
一実施形態では、本明細書で提供するコドン改変型ポリヌクレオチドには、生体内で切断可能なリンカーを有する第VIII因子変異型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が含まれる。第VIII因子ポリペプチドには、第VIII因子の軽鎖、第VIII因子の重鎖、及び重鎖のC末端を軽鎖のN末端に連結させるポリペプチドリンカーが含まれる。第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、CS01−FL−NA(配列番号13)の一部であり第VIII因子の重鎖をコードするCS01−HC−NA(配列番号24)に対する配列同一性の高い、第1のヌクレオチド配列によってコードされる。第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、CS01−FL−NA(配列番号13)の一部であり第VIII因子の軽鎖をコードするCS01−LC−NA(配列番号25)に対する配列同一性の高い、第2のヌクレオチド配列によってコードされる。ポリペプチドリンカーには、生体内での成熟(例えば、生体内での発現後または前駆体ポリペプチドの投与後)を可能にするfurin切断部位が含まれる。
【0234】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)に対し少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)に対し少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)に対し少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)に対し少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)に対し少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)に対し少なくとも99.5%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)に対し少なくとも99.9%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)と同一である。
【0235】
いくつかの実施形態では、第VIII因子構成体のポリペプチドリンカーは、CS01−FL−AA(配列番号2)のアミノ酸760〜773に対応する14アミノ酸リンカーをコードするBDLO04(配列番号6)に対する配列同一性の高い、第3のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、BDLO04(配列番号6)に対して少なくとも95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、BDLO04(配列番号6)に対して少なくとも96%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、BDLO04(配列番号6)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、BDLO04(配列番号6)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列はBDLO04(配列番号6)と同一である。
【0236】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドは、CS01−FL−NA(配列番号13)に対する配列同一性の高いヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−FL−NA(配列番号13)に対して少なくとも95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−FL−NA(配列番号13)に対して少なくとも96%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−FL−NA(配列番号13)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−FL−NA(配列番号13)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−FL−NA(配列番号13)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−FL−NA(配列番号13)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−FL−NA(配列番号13)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列はCS01−FL−NA(配列番号13)と同一である。
【0237】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、CS01−FL−AA(配列番号2)に対する配列同一性の高いアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS01−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS01−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS01−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS01−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS01−FL−AA(配列番号2)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列はCS01−FL−AA(配列番号2)と同一である。
【0238】
いくつかの実施形態では、CS01−FL−AAに対する高い配列相同性(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の同一性)を有する、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、m1、m2、m3、m4、及びm5から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。
【0239】
一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m1を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m2を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m3を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m4を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m5を含む。
【0240】
一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m12を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m13を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m23を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m24を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m25を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m34を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m35を含む。
【0241】
一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m123を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m234を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m125を含む。
【0242】
コドン改変型ポリヌクレオチドCS23
一実施形態では、本明細書で提供するコドン改変型ポリヌクレオチドには、生体内で切断可能なリンカーを有する第VIII因子変異型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が含まれる。第VIII因子ポリペプチドには、第VIII因子の軽鎖、第VIII因子の重鎖、及び重鎖のC末端を軽鎖のN末端に連結させるポリペプチドリンカーが含まれる。第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、CS23−FL−NA(配列番号20)の一部であり第VIII因子の重鎖をコードするCS23−HC−NA(配列番号22)に対する配列同一性の高い、第1のヌクレオチド配列によってコードされる。第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、CS23−FL−NA(配列番号20)の一部であり第VIII因子の軽鎖をコードするCS23−LC−NA(配列番号23)に対する配列同一性の高い、第2のヌクレオチド配列によってコードされる。ポリペプチドリンカーには、生体内での成熟(例えば、生体内での発現後または前駆体ポリペプチドの投与後)を可能にするfurin切断部位が含まれる。
【0243】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)に対し少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)に対し少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)に対し少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)に対し少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)に対し少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)に対し少なくとも99.5%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)に対し少なくとも99.9%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)と同一である。
【0244】
いくつかの実施形態では、第VIII因子構成体のポリペプチドリンカーは、CS23−FL−AA(配列番号21)のアミノ酸760〜773に対応する14アミノ酸リンカーをコードするBDLO04(配列番号6)に対する配列同一性の高い、第3のヌクレオチド配列によってコードされる。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、BDLO04(配列番号6)に対して少なくとも95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、BDLO04(配列番号6)に対して少なくとも96%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、BDLO04(配列番号6)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列は、BDLO04(配列番号6)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、第3のヌクレオチド配列はBDLO04(配列番号6)と同一である。
【0245】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドは、CS23−FL−NA(配列番号20)に対する配列同一性の高いヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−FL−NA(配列番号20)に対して少なくとも95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−FL−NA(配列番号20)に対して少なくとも96%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−FL−NA(配列番号20)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−FL−NA(配列番号20)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−FL−NA(配列番号20)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−FL−NA(配列番号20)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−FL−NA(配列番号20)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列はCS23−FL−NA(配列番号20)と同一である。
【0246】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、CS23−FL−AA(配列番号21)に対する配列同一性の高いアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS23−FL−AA(配列番号21)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS23−FL−AA(配列番号21)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS23−FL−AA(配列番号21)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS23−FL−AA(配列番号21)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS23−FL−AA(配列番号21)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列はCS23−FL−AA(配列番号21)と同一である。
【0247】
いくつかの実施形態では、CS23−FL−AAに対する高い配列相同性(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の同一性)を有する、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、m1、m2、m3、m4、及びm5から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。
【0248】
一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m1を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m2を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m3を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m4を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m5を含む。
【0249】
一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m12を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m13を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m23を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m24を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m25を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m34を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m35を含む。
【0250】
一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m123を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m234を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m125を含む。
【0251】
D.第VIII因子一本鎖タンパク質をコードするコドン改変型ポリヌクレオチド
BドメインのC末端に位置するfurin切断部位が除去されている第VIII因子構成体は、第VIII因子分子が正常に成熟できないにもかかわらず一本鎖ポリペプチドとしての活性を保持する(Leyte et al.(1991))。同様に、弱いfurin部位(アミノ酸置換R1664Hを含有)を有するBドメイン欠失型第VIII因子構成体は、野生型furin切断部位を有する対応する第VIII因子構成体よりも生物学的に活性である(Siner et al.(2013))。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供するコドン改変型ポリヌクレオチドには、第VIII因子変異型一本鎖ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が含まれる。第VIII因子一本鎖ポリペプチドには、第VIII因子の軽鎖、第VIII因子の重鎖、及び重鎖のC末端を軽鎖のN末端に連結させるポリペプチドリンカーが含まれる。ポリペプチドリンカーには、furin切断部位は含まれない。
【0252】
コドン改変型一本鎖ポリヌクレオチドCS04
一実施形態では、本明細書で提供するコドン改変型ポリヌクレオチドには、第VIII因子変異型一本鎖ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が含まれる。第VIII因子ポリペプチドには、第VIII因子の軽鎖、第VIII因子の重鎖、及び重鎖のC末端を軽鎖のN末端に連結させる任意選択ポリペプチドリンカーが含まれる。第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、CS04−FL−NA(配列番号1)の一部であり第VIII因子の重鎖をコードするCS04−HC−NA(配列番号3)に対する配列同一性の高い、第1のヌクレオチド配列によってコードされる。第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、CS04−FL−NA(配列番号1)の一部であり第VIII因子の軽鎖をコードするCS04−LC−NA(配列番号4)に対する配列同一性の高い、第2のヌクレオチド配列によってコードされる。任意選択のポリペプチドリンカーには、furin切断部位は含まれない。
【0253】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)に対し少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)に対し少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)に対し少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)に対し少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)に対し少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)に対し少なくとも99.5%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)に対し少なくとも99.9%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS04−HC−NA及びCS04−LC−NA(配列番号3及び4)と同一である。
【0254】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドは、CS04−SC1−NA(配列番号9)に対する配列同一性の高いヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−SC1−NA(配列番号9)に対して少なくとも95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−SC1−NA(配列番号9)に対して少なくとも96%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−SC1−NA(配列番号9)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−SC1−NA(配列番号9)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−SC1−NA(配列番号9)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−SC1−NA(配列番号9)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−SC1−NA(配列番号9)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列はCS04−SC1−NA(配列番号9)と同一である。
【0255】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドは、CS04−SC2−NA(配列番号11)に対する配列同一性の高いヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−SC2−NA(配列番号11)に対して少なくとも95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−SC2−NA(配列番号11)に対して少なくとも96%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−SC2−NA(配列番号11)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−SC2−NA(配列番号11)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−SC2−NA(配列番号11)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−SC2−NA(配列番号11)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS04−SC2−NA(配列番号11)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列はCS04−SC2−NA(配列番号11)と同一である。
【0256】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、CS04−SC1−AA(配列番号10;ヒト第VIIIΔ因子(760〜1667)(SPIの場合;SPEではHsFVIIIΔ(741〜1648)))に対する配列同一性の高いアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、CS04−SC1−AA(配列番号10)に対する配列同一性の高いアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS04−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS04−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS04−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS04−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS04−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列はCS04−SC1−AA(配列番号10)と同一である。
【0257】
いくつかの実施形態では、CS04−SC1−AAに対する高い配列相同性(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の同一性)を有する、CS04−SC1ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、m1、m2、m3、m4、及びm5から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。
【0258】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、CS04−SC2−AA(配列番号12;ヒト第VIIIΔ因子(772〜1667)(SPIの場合;SPEではHsFVIIIΔ(753〜1648)))に対する配列同一性の高いアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、CS04−SC2−AA(配列番号12)に対する配列同一性の高いアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS04−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS04−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS04−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS04−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS04−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列はCS04−SC2−AA(配列番号12)と同一である。
【0259】
いくつかの実施形態では、CS04−SC2−AAに対する高い配列相同性(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の同一性)を有する、CS04−SC2ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、m1、m2、m3、m4、及びm5から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。
【0260】
一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m1を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m2を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m3を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m4を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m5を含む。
【0261】
一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m12を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m13を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m23を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m24を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m25を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m34を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m35を含む。
【0262】
一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m123を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m234を含む。一実施形態では、CS04ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m125を含む。
【0263】
コドン改変型一本鎖ポリヌクレオチドCS01
一実施形態では、本明細書で提供するコドン改変型ポリヌクレオチドには、第VIII因子変異型一本鎖ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が含まれる。第VIII因子ポリペプチドには、第VIII因子の軽鎖、第VIII因子の重鎖、及び重鎖のC末端を軽鎖のN末端に連結させる任意選択ポリペプチドリンカーが含まれる。第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、CS01−FL−NA(配列番号13)の一部であり第VIII因子の重鎖をコードするCS01−HC−NA(配列番号24)に対する配列同一性の高い、第1のヌクレオチド配列によってコードされる。第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、CS01−FL−NA(配列番号13)の一部であり第VIII因子の軽鎖をコードするCS01−LC−NA(配列番号25)に対する配列同一性の高い、第2のヌクレオチド配列によってコードされる。任意選択のポリペプチドリンカーには、furin切断部位は含まれない。
【0264】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)に対し少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)に対し少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)に対し少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)に対し少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)に対し少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)に対し少なくとも99.5%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)に対し少なくとも99.9%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS01−HC−NA及びCS01−LC−NA(配列番号24及び25)と同一である。
【0265】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドは、CS01−SC1−NA(配列番号26)に対する配列同一性の高いヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−SC1−NA(配列番号26)に対して少なくとも95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−SC1−NA(配列番号26)に対して少なくとも96%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−SC1−NA(配列番号26)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−SC1−NA(配列番号26)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−SC1−NA(配列番号26)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−SC1−NA(配列番号26)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−SC1−NA(配列番号26)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列はCS01−SC1−NA(配列番号26)と同一である。
【0266】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドは、CS01−SC2−NA(配列番号27)に対する配列同一性の高いヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−SC2−NA(配列番号27)に対して少なくとも95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−SC2−NA(配列番号27)に対して少なくとも96%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−SC2−NA(配列番号27)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−SC2−NA(配列番号27)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−SC2−NA(配列番号27)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−SC2−NA(配列番号27)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS01−SC2−NA(配列番号27)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列はCS01−SC2−NA(配列番号27)と同一である。
【0267】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、CS01−SC1−AA(配列番号10;ヒト第VIIIΔ因子(760〜1667)(SPIの場合;SPEではHsFVIIIΔ(741〜1648)))に対する配列同一性の高いアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、CS01−SC1−AA(配列番号10)に対する配列同一性の高いアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS01−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS01−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS01−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS01−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS01−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列はCS01−SC1−AA(配列番号10)と同一である。
【0268】
いくつかの実施形態では、CS01−SC1−AAに対する高い配列相同性(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の同一性)を有する、CS01−SC1ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、m1、m2、m3、m4、及びm5から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。
【0269】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、CS01−SC2−AA(配列番号12;ヒト第VIIIΔ因子(772〜1667)(SPIの場合;SPEではHsFVIIIΔ(753〜1648)))に対する配列同一性の高いアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、CS01−SC2−AA(配列番号12)に対する配列同一性の高いアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS01−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS01−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS01−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS01−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS01−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列はCS01−SC2−AA(配列番号12)と同一である。
【0270】
いくつかの実施形態では、CS01−SC2−AAに対する高い配列相同性(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の同一性)を有する、CS01−SC2ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、m1、m2、m3、m4、及びm5から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。
【0271】
一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m1を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m2を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m3を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m4を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m5を含む。
【0272】
一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m12を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m13を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m23を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m24を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m25を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m34を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m35を含む。
【0273】
一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m123を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m234を含む。一実施形態では、CS01ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m125を含む。
【0274】
コドン改変型一本鎖ポリヌクレオチドCS23
一実施形態では、本明細書で提供するコドン改変型ポリヌクレオチドには、第VIII因子変異型一本鎖ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が含まれる。第VIII因子ポリペプチドには、第VIII因子の軽鎖、第VIII因子の重鎖、及び重鎖のC末端を軽鎖のN末端に連結させる任意選択ポリペプチドリンカーが含まれる。第VIII因子ポリペプチドの重鎖は、CS23−FL−NA(配列番号20)の一部であり第VIII因子の重鎖をコードするCS23−HC−NA(配列番号22)に対する配列同一性の高い、第1のヌクレオチド配列によってコードされる。第VIII因子ポリペプチドの軽鎖は、CS23−FL−NA(配列番号20)の一部であり第VIII因子の軽鎖をコードするCS23−LC−NA(配列番号23)に対する配列同一性の高い、第2のヌクレオチド配列によってコードされる。任意選択のポリペプチドリンカーには、furin切断部位は含まれない。
【0275】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)に対し少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)に対し少なくとも96%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)に対し少なくとも97%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)に対し少なくとも98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)に対し少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)に対し少なくとも99.5%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)に対し少なくとも99.9%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のヌクレオチド配列はそれぞれ、CS23−HC−NA及びCS23−LC−NA(配列番号22及び23)と同一である。
【0276】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドは、CS23−SC1−NA(配列番号28)に対する配列同一性の高いヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−SC1−NA(配列番号28)に対して少なくとも95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−SC1−NA(配列番号28)に対して少なくとも96%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−SC1−NA(配列番号28)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−SC1−NA(配列番号28)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−SC1−NA(配列番号28)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−SC1−NA(配列番号28)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−SC1−NA(配列番号28)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列はCS23−SC1−NA(配列番号28)と同一である。
【0277】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドは、CS23−SC2−NA(配列番号29)に対する配列同一性の高いヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−SC2−NA(配列番号29)に対して少なくとも95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−SC2−NA(配列番号29)に対して少なくとも96%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−SC2−NA(配列番号29)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−SC2−NA(配列番号29)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−SC2−NA(配列番号29)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−SC2−NA(配列番号29)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、CS23−SC2−NA(配列番号29)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列はCS23−SC2−NA(配列番号29)と同一である。
【0278】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、CS23−SC1−AA(配列番号10;ヒト第VIIIΔ因子(760〜1667)(SPIの場合;SPEではCS04Δ(741〜1648)))に対する配列同一性の高いアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、CS23−SC1−AA(配列番号10)に対する配列同一性の高いアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS23−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS23−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS23−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS23−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS23−SC1−AA(配列番号10)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列はCS23−SC1−AA(配列番号10)と同一である。
【0279】
いくつかの実施形態では、CS23−SC1−AAに対する高い配列相同性(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の同一性)を有する、CS23−SC1ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、m1、m2、m3、m4、及びm5から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。
【0280】
いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、CS23−SC2−AA(配列番号12;ヒト第VIIIΔ因子(772〜1667)(SPIの場合;SPEではHsFVIIIΔ(753〜1648)))に対する配列同一性の高いアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、コドン改変型ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、CS23−SC2−AA(配列番号12)に対する配列同一性の高いアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS23−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも97%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS23−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも98%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS23−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも99%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS23−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも99.5%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、CS23−SC2−AA(配列番号12)に対して少なくとも99.9%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列はCS23−SC2−AA(配列番号12)と同一である。
【0281】
いくつかの実施形態では、CS23−SC2−AAに対する高い配列相同性(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の同一性)を有する、CS23−SC2ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、m1、m2、m3、m4、及びm5から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。
【0282】
一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m1を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m2を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m3を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m4を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m5を含む。
【0283】
一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m12を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m13を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m23を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m24を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m25を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m34を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m35を含む。
【0284】
一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる一本鎖第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m123を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m234を含む。一実施形態では、CS23ポリヌクレオチドによってコードされる第VIII因子変異型は、アミノ酸置換m125を含む。
【0285】
E.第VIII因子発現ベクター
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するコドン改変型ポリヌクレオチドを発現ベクターに組み込む。発現ベクターの非限定的な例には、ウイルスベクター(例えば、遺伝子治療に好適なベクター)、プラスミドベクター、バクテリオファージベクター、コスミド、ファージミド、人工染色体等が含まれる。
【0286】
ウイルスベクターの非限定的な例には、レトロウイルス、例えば、モロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)、ハーベイマウス肉腫ウイルス、マウス乳癌ウイルス、及びラウス肉腫ウイルス;アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス;SV40型ウイルス;ポリオーマウイルス;エプスタイン−バーウイルス;パピローマウイルス;ヘルペスウイルス;ワクシニアウイルス;ならびにポリオウイルスが含まれる。
【0287】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するコドン改変型ポリヌクレオチドを遺伝子治療ベクターに組み込む。いくつかの実施形態では、遺伝子治療ベクターはレトロウイルス、具体的には複製欠損レトロウイルスである。複製欠損レトロウイルスの作製プロトコルは当技術分野で公知である。概説については、Kriegler,M.,Gene Transfer and Expression,A Laboratory Manual,W.H.Freeman Co.,New York(1990)及びMurry,E.J.,Methods in Molecular Biology,Vol.7,Humana Press,Inc.,Cliffton,N.J.(1991)を参照のこと。
【0288】
一実施形態では、遺伝子治療ベクターはアデノ随伴ウイルス(AAV)を用いた遺伝子治療ベクターである。AAV系についてはこれまでに記載があり、当技術分野において一般に周知である(Kelleher and Vos,Biotechniques,17(6):1110−17(1994);Cotten et al.,Proc Natl Acad Sci USA,89(13):6094−98(1992);Curiel,Nat Immun,13(2−3):141−64(1994);Muzyczka,Curr Top Microbiol Immunol,158:97−129(1992);及びAsokan A,et al.,Mol.Ther.,20(4):699−708(2012)。なお、これらは各々、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。rAAVベクターの作製及び使用に関する詳細は、例えば、米国特許第5,139,941号及び第4,797,368号に記載されており、各々、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、AAVベクターはAAV−8ベクターである。
【0289】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するコドン改変型ポリヌクレオチドをレトロウイルス発現ベクターに組み込む。これらの系についてはこれまでに記載があり、当技術分野において一般に周知である(Mann et al.,Cell,33:153−159,1983;Nicolas and Rubinstein,In:Vectors:A survey of molecular cloning vectors and their uses,Rodriguez and Denhardt,eds.,Stoneham:Butterworth,pp.494−513,1988;Temin,In:Gene Transfer,Kucherlapati(ed.),New York:Plenum Press,pp.149−188,1986)。特定の実施形態では、レトロウイルスベクターはレンチウイルスベクターである(例えば、Naldini et al.,Science,272(5259):263−267,1996;Zufferey et al.,Nat Biotechnol,15(9):871−875,1997;Blomer et al.,J Virol.,71(9):6641−6649,1997;米国特許第6,013,516号及び第5,994,136号を参照のこと)。
【0290】
細胞培養においてコドン改変ポリペプチドから第VIII因子ポリペプチドを発現させるために多種多様なベクターを使用することができ、それらには真核生物及び原核生物の発現ベクターが含まれる。ある実施形態では、細胞培養で第VIII因子ポリペプチドの発現に使用されるものにはプラスミドベクターが意図される。一般に、宿主との関連では、それらの宿主細胞と適合性のある種に由来するレプリコン及び制御配列を含有しているプラスミドベクターを使用する。ベクターは、複製部位、ならびに形質転換を行った細胞において表現型の選択を可能にできるマーキング配列を担持することができる。プラスミドには、1つ以上の制御配列、例えば、プロモーターに機能的に連結された、第VIII因子ポリペプチドをコードするコドン改変型ポリヌクレオチドが含まれるであろう。
【0291】
原核生物発現用ベクターの非限定的な例には、pRSET、pET、pBAD等のようなプラスミドが含まれ、その場合、原核生物発現ベクターで使用するプロモーターには、lac、trc、trp、recA、araBAD等が含まれる。真核生物発現用ベクターの例として、(i)酵母での発現には、AOX1、GAP、GAL1、AUG1等のようなプロモーターを使用する、pAO、pPIC、pYES、pMETなどのベクター;(ii)昆虫細胞での発現には、PH、p10、MT、Ac5、OpIE2、gp64、polh等のようなプロモーターを使用する、pMT、pAc5、pIB、pMIB、pBAC等のようなベクター、ならびに(iii)哺乳類細胞での発現には、CMV、SV40、EF−1、UbC、RSV、ADV、BPV、及びβ−アクチンのようなプロモーターを使用する、pSVL、pCMV、pRc/RSV、pcDNA3、pBPV等のようなベクター、及び、ワクシニアウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、レトロウイルス等のようなウイルス系に由来するベクター、といったベクターが含まれる。
【実施例】
【0292】
IV.実施例
実施例1−コドン改変第VIII因子変異型発現配列の構築
血友病Aの遺伝子治療に有効な第VIII因子コード配列を作製するために、2つの障害を乗り越える必要があった。第1に、遺伝子治療用の従来の送達ベクター(例えば、AAVビリオン)ゲノムサイズには限界があるため、コードされた第VIII因子ポリペプチドを大幅に短縮する必要があった。第2に、(i)送達ベクター内でのパッケージング相互作用の安定化、(ii)mRNA仲介の安定化、及び(iii)mRNAの転写/翻訳の堅牢性改善を図るために、コード配列を改変する必要があった。
【0293】
第1の目標を達成するため、出願人らは、本明細書で「FVIII−BDD−SQ」と呼ばれるBドメイン欠失第VIII因子変異型構成体から開始した。この構成体では、Bドメインは、「SQ」配列と呼ぶ14アミノ酸配列で置換されている。組換え型FVIII−BDD−SQは、REFACTO(登録商標)の商品名で市販されており、血友病Aの管理に有効であることが示されている。しかし、第VIII因子の重鎖及び軽鎖についてのヒト野生型核酸配列を含む、FVIII−BDD−SQの野生型コード配列は、遺伝子治療ベクターでは発現効率が良くない。
【0294】
野生型FVIII−BDD−SQの発現不良に対処するため、Fath et al.(PLoS ONE,6:e17596(2011))に記載のコドン最適化アルゴリズムを、Ward et al.(Blood,117:798(2011))及びMcIntosh et al.(Blood,121,3335−3344(2013))に記載のように修正したものをFVIII−BDD−SQ配列に応用して、第1の中間コード配列CS04aを作製した。しかし、出願人らは、修正アルゴリズムを使用して作製したCS04a配列は、さらなる配列修正によって改善され得ることを認めた。したがって、出願人らは、CpGジヌクレオチドの再導入、アルギニンのCGCコドンの再導入、ロイシンとセリンのコドン分布の変更、高度に保存されたコドン対の再導入、ならびに潜在的なTATAボックス、CCAATボックス、及びスプライス部位エレメントの除去を行う一方、CpGアイランド、及びATに富む伸展部とGCに富む伸展部の局所的過剰提示を回避した。
【0295】
第1に、修正アルゴリズムでは、CpG−ジヌクレオチドを含有するコドン(例えば、アルギニンのコドン)は、CpG−ジヌクレオチドではないコドンで体系的に置換され、かつ隣接コドンによって作製されたCpG−ジヌクレオチドが排除/回避される。こうした厳密なCpGジヌクレオチド回避は通常、DNAワクチンを筋肉内注射した後のTLR誘導性免疫を防ぐために行われる。しかし、そのようにするとコドン最適化の可能性が制限される。例えば、修正アルゴリズムでは、アルギニンのコドンCGXのセット全体の使用が除外される。これは、ヒト細胞で発現させる場合の遺伝子コーディングでは特に破壊的である。なぜなら、CGCは、高発現ヒト遺伝子においてアルギニンのコドンとして最も高い頻度で使用されるからである。その上、隣接コドンによるCpGの作製が回避されることにより、最適化の可能性がさらに制限される(例えば、一緒に使用され得るコドン対の数が制限される)。
【0296】
AAVを用いた肝臓指向性の遺伝子治療に関連して、TLRにより誘導される免疫が問題となることはないと予測されることから、中間コード配列CS04a内に、第VIII因子の軽鎖をコードする配列中に(例えば、FVIII−BDD−SQコード配列の3’末端に)選択的にCpGを含むコドン、及びCpGを作製する隣接コドンを再導入した。これにより、好ましいヒトコドン、特にアルギニンのコドンをより高頻度で使用できるようになった。ただし、CpG部位を高頻度で有するコード配列の領域であるCpGアイランドが生じないよう注意を払った。これは、転写開始部位の下流のCpGドメインは高レベルの遺伝子発現を促進することを示唆するKrinnerらの教示(Nucleic Acids Res.,42(6):3551−64(2014))に反する。
【0297】
第2に、修正アルゴリズムでは、ロイシンにはCTG、バリンにはGTG、及びグルタミンにはCAGというように特定のコドンのみが適用される。しかし、これは、例えばHaasら(Current Biology,6(3):315−24(1996))で提案されているようなバランスのとれたコドン使用の原則に背く。修正アルゴリズムによる好ましいコドンの過剰使用に対応するため、コドン改変に適用される他の規則(例えば、CpG頻度及びGC含量)で認められている場合にロイシンの代替コドンを再導入した。
【0298】
第3に、修正アルゴリズムでは、特定の基準(例えば、CG−ジヌクレオチドの存在)が満たされていると、自然界における保存の程度に関係なくコドン対が置換される。進化によって保存されている可能性のある有益な特性を考慮するため、アルゴリズムによって置換された最も保存されているコドン対、及び最も保存されている好ましいコドン対、例えば、Tatsら(BMC Genomics9:463(2008))の記載にあるようなコドン対を分析し、コドン改変に適用される他の規則(例えば、CpG頻度及びGC含量)で認められている場合は調整した。
【0299】
第4に、中間コード配列に使用するセリンのコドンも工学的に再操作した。具体的には、全体的にヒトのコドン使用頻度により良く一致させるため(Haas et al.、前掲)、改変コード配列にセリンのコドンAGC、TCC、及びTCTを高頻度で導入した。
【0300】
第5に、TATAボックス、CCAATボックスの両エレメント、及びイントロン/エキソンのスプライス部位のスクリーニングを行い、改変コード配列から除去した。コード配列の改変に際し、ATに富む伸展部またはGCに富む伸展部が局所的に過剰提示されないよう注意を払った。
【0301】
最後に、コード配列内部のコドン使用頻度の最適化に加え、中間コード配列CS04aをさらに精製する場合に、基礎となるAAVビリオンの構造上の要件を検討した。AAVベクター(例えば、AAVビリオンの核酸部分)をそのカプシド内に一本鎖DNA分子としてパッケージングする(概説については、Daya and Berns,Clin.Microbiol Rev.,21(4):583−93(2008)を参照のこと)。したがって、ベクターのGC含量は、ゲノムのパッケージング、ひいては産生の間のベクター収量を左右する可能性がある。多くのアルゴリズム同様、ここで使用した修正アルゴリズムでは、GC含量が少なくとも60%の最適化遺伝子配列が作製される(Fath et al.,PLoS One,6(3):e17596(2011)(PLoS One,(6)3(2011)内の正誤表を参照のこと))。しかし、AAV8カプシドタンパク質は、約56%という低いGC含量のヌクレオチド配列によってコードされる。したがって、野生型AAV8カプシドタンパク質コード配列をより良く模倣するために、中間コード配列CS04aのGC含量を56%に下げた。
【0302】
図2に示す得られたCS04コード配列は全体のGC含量が56%である。かかる配列のCpG−ジヌクレオチド含量は中等量である。ただし、CpGジヌクレオチドは、コード配列の下流部分、例えば、第VIII因子の軽鎖をコードする部分に優勢に存在する。CS04配列は、野生型第VIII因子の対応するコード配列(Genbank受託M14113)に対し、79.77%のヌクレオチド配列同一性を有する。
【0303】
比較するため、コドンを最適化した他のReFacto構成体をいくつか調製した。CS01は、CS04について実施したように、Fathらのコドン最適化アルゴリズムをWardらによる修正のように応用して構築した。ただし、CS04とは異なり、CS01構成体にはCpGアイランドは含有されていない。その記載内容が本明細書であらゆる目的のために参照することによりその全体が本明細書に明示的に組み込まれるRadcliff P.M.et al.,Gene Therapy,15:289−97(2008)に記載のように、ReFacto構成体CS08のコドン最適化を行った。コドンが最適化されたReFacto構成体CS10は、Eurofins Genomics(ドイツ、エーバースベルク)から入手した。コドンが最適化されたReFacto構成体CS11は、Integrated DNA Technologies,Inc.(米国、コーラルビル)から入手した。コドンが最適化されたReFacto構成体CH25は、ThermoFischer Scientific’s GeneArt services(ドイツ、レーゲンスブルク)から入手した。ReFacto構成体CS40は、野生型第VIII因子コード配列からなる。CS23の構築に使用されたアルゴリズムは、コドン最適化用オンラインツール(Grote et al.,2005;Nucl.Acids Res.W526−31)であるJCATツール(www.jcat.de)に基づいている。アルブミンスーパーファミリーのコドン使用頻度がより反映されるよう配列をさらに修正した(Mirsafian et al.2014:Sc.Word Journal 2014,ID 639682)。各ReFactoコード配列間で共有される配列同一性を下記表2に示す。
【0304】
(表2)コドン改変第VIII因子構成体の同一性パーセント行列
【0305】
同一のベクター骨格プラスミド(pCh−BB01)に異なる合成DNA断片をクローニングすることによって各構成体のプラスミドを構築した。AscI及びNotIの各酵素制限部位を隣接させたRefacto型BDD−FVIII断片のDNA合成がThermoFischer Scientific(ドイツ、レーゲンスブルク)によって行われた。ベクター骨格は2つの隣接するAAV2由来末端逆位反復配列(ITR)を含有し、これらは、肝臓特異的マウストランスサイレチン遺伝子由来のプロモーター/エンハンサー配列、それぞれのRefacto型BDD−FVIIIを挿入するためのAscI及びNotIの各酵素制限部位、ならびに合成ポリA部位を包含する。調製したベクター骨格のライゲーション及びAscIとNotIの両部位を介した挿入を行った後、得られるプラスミドをミリグラム規模で増幅させた。ダイレクト・シーケンシング(Microsynth、スイス、バルガッハ)によって構成体のRefacto型BDD−FVIII配列を検証した。クローニングにより、pCS40、pCS01、pCS04、pCS08、pCS10、pCS11、及びpCh25(
図23)とした7つの異なるプラスミド構成体を得た。各構成体は、同一のベクター骨格を有し、かつ同一のBドメイン欠失FVIIIタンパク質(Refacto型BDD−FVIII)をコードするが、そのFVIIIコード配列において異なる。
【0306】
AAV8を用いたベクターを、その記載内容はあらゆる目的のために本明細書で参照することによりその全体が明示的に本明細書に組み込まれるGrieger JC、 et al.(Virus Vectors Using Suspension HEK293 Cells and Continuous Harvest of Vector From the Culture Media for GMP FIX and FLT1 Clinical Vector,Mol Ther.,Oct 6.(2015) doi:10.1038/mt.2015.187.[Epub ahead of print])に記載のように、3プラスミドトランスフェクション法によって調製した。対応するFVIIIベクタープラスミド、ヘルパープラスミドpXX6−80(アデノウイルスヘルパー遺伝子を担持)、及びパッケージングプラスミドpGSK2/8(rep2遺伝子とcap8遺伝子に寄与)を使用するプラスミドトランスフェクションにはHEK293懸濁液細胞を使用した。AAV8構成体を単離するため、Grieger et al.(2015、前掲)に記載のようにイオジキサノールグラジエントを使用して、1リットル培養細胞ペレットを処理した。かかる手順により、vCS01、vCS04、vCS08、vCS10、vCS11、及びvCH25としたベクター調製物を得た。AAV2末端逆位反復配列を標的にするユニバーサルqPCR手順を使用するqPCR(Aurnhammer,Human Gene Therapy Methods:Part B 23:18−28(2012))によってベクターを定量した。AAV2末端逆位反復配列を担持する対照ベクタープラスミドは、標準曲線の作成に使用した。得られるvCS04構成体は
図7A〜7Cに配列番号8として提示されている。
【0307】
AAVアガロースゲル電気泳動によってベクターゲノムの完全性を分析した。Fagone et al.,Human Gene Therapy Methods 23:1−7(2012)に記載のように電気泳動を実施した。簡単に言えば、AAVベクター調製物を0.5%SDS存在下、75℃で10分インキュベートし、その後、室温まで冷却した。1% 1xTAEアガロースゲルのレーンあたり約1.5E10ベクターゲノム(vg)を載せ、ゲル長7V/cmで60分電気泳動にかけた。その後、2倍希釈GelRed(Biotiumカタログ番号41003)溶液中でゲルを染色し、ChemiDoc(商標)MP(Biorad)で撮像した。
図24に示す結果は、ウイルスベクターvCS01、vCS04、及びvCS40は、5kbの範囲にはっきりとしたバンドが示され(
図24、レーン2〜4)、ゲノムサイズが同じであることを示している。ゲノムは、約5.2kbというベクターサイズにもかかわらず均一なバンドになっており、やや大きいサイズのゲノム(AAV野生型ゲノムの4.7kbとの対比)が適切にパッケージングされていることを裏付けている。他のvCSベクター調製物もすべて同じゲノムサイズを示す(データ図示せず)。
【0308】
カプシドタンパク質について予測パターンを確認するため、ベクターvCS01、vCS04、及びvCS40を用いてSDS PAGEを行った後、銀染色を実施した(
図25)。図に示すように、下流の精製処理を行ったところ、VP1、VP2及びVP3について予測したタンパク質パターンを示す高度に精製された材料が得られた(
図25、レーン2〜4)。同じパターンが他のウイルス調製物すべてに関しても認められた(図示せず)。AAV調製物のSDS−PAGE法を標準手順に従って行った。各レーンにそれぞれのウイルス構成体を1E10vg入れ、4〜12%Bis−Tris(NuPAGE(登録商標)Novex、Life Technologies)ゲル上で製造者の指示書に従って分離を行った。SilverQuest(商標)キット(Novex、Life Technologies)を用いて製造者の指示書に従って銀染色を実施した。
【0309】
驚くべきことに、AAVベクターvCS01及びvCS04は、野生型コード構成体vCS40及び他のコドン最適化構成体と比較して、AAVウイルス産生において高収量が測定され、ビリオンのパッケージングが高かった。表3に示すように、ベクターvCS01及びvCS04は、vCS40よりも実質的に優れた複製を示し、収量が5〜7倍高いAAV力価が得られた。
【0310】
(表3)細胞ペレットから精製した、AAVベクター構成体vCS01、vCS04、及びvCD40を用いて得た細胞培養1リットルあたりの収量
【0311】
実施例2−コドン改変第VIII因子変異型発現配列の生体内発現
コドン改変第VIII因子変異型配列の生物学的力価を検討するため、実施例1に記載のReFacto型FVIII構成体を第VIII因子欠損マウスに投与した。簡単に言えば、C57Bl/6系FVIIIノックアウト(ko)マウス(1群あたり6〜8匹)において、マウス体重1キログラムあたり4E12ベクターゲノム(vg)を尾静脈注射して評価を実施した。注射14日後に後眼窩への穿刺により採血して血漿を調製し、標準的手順を使用して凍結した。14日目の発現レベルを選択した理由は、これ以降の時期にこのマウスモデルの一部の動物に見られる阻害抗体の影響がこの時期には最小であることによる。Technochrome FVIIIアッセイを使用してマウス血漿中のFVIII活性を測定し、その際、修正は軽微にとどめ、製造者(Technoclone、オーストリア、ウィーン)の勧奨に従って実施した。アッセイでは、血漿試料を適切に希釈し、トロンビン、活性化第IX因子(FIXa)、リン脂質、第X因子及びカルシウムを含有するアッセイ試薬と混合した。トロンビンによるFVIII活性化に続き、FIXa、リン脂質及びカルシウムの複合体が生成する。この複合体によりFXが活性化されて活性化FX(FXa)となり、それが発色基質のパラ−ニトロアニリド(pNA)を切断する。pNA生成動態を405nmで測定する。比率は試料中のFVIII濃度と直接比例している。基準曲線からFVIII濃度を読み取り、結果をFVIII IU/ミリリットルで与える。
【0312】
下記表4に提示の結果は、商用アルゴリズムを使用して設計されたコドン改変配列(CS10、CS11、及びCH25)では、野生型BDD第VIII因子構成体(CS40)と比較した場合、BDD第VIII因子の増加はわずかにすぎなかった(3〜4倍)ことが示されている。同様に、Radcliffeらの記載にあるように調製したコドン改変BDD第VIII因子構成体(CS08)では、BDD−FVIII発現の増加は3〜4倍にすぎなかった。この結果は、Radcliffらの報告にある結果と一致している。驚くべきことに、構成体CS01、CS04、及びCS23は、生体内の生物学的力価試験でのBDD−FVIII発現がはるかに高かった(それぞれ、18倍、74倍、及び30倍の増加)。
【0313】
(表4)各種AAVベクター構成体により誘導されたFVIIIノックアウトマウス血漿中FVIII発現
【0314】
実施例3−Bドメイン置換リンカーのグリコシル化ペプチドの設計
他の研究者により、野生型第VIII因子Bドメイン由来の推定上のN−結合型グリコシル化部位6つを含有する小さいペプチド(「V3ペプチド」)をBドメイン欠失遺伝子治療構成体に挿入すると、マウス血漿中の第VIII因子レベルが上昇したことが示されている(McIntosh et al.,Blood 121(17):3335−44(2013))。しかし、Bドメイン置換リンカーの小さいサイズを維持するため、かかるグリコシル化部位は野生型Bドメインにおける状況から外した。V3ペプチドを含有するリンカーのインシリコ予測(Gupta et al.、前掲)では、V3ペプチド内のこれらのグリコシル化部位のうち2つしか生体内で修飾を受けないであろうことが示唆されている(
図15)。
【0315】
したがって、出願人らは、高レベルの生体内グリコシル化を支持すると思われる代替的グリコシル化ペプチドの同定を試みたところ、野生型グリコシル化との一致度がV3ペプチドよりも高かった。出願人らは、インシリコでいくつかの代替的グリコシル化ペプチドを設計し、試験した。
図13A〜13Bに示す、これらのペプチドのうちいくつかは、配列番号2におけるBドメイン置換リンカーのアミノ酸N768とP769の間に位置させた場合、生体内でのグリコシル化がV3ペプチドと同等であるかまたはそれ以上であることが予測された。インシリコでの予測結果を下記表5に示す。表5には、コドンが最適化されたCS01バックグラウンドにおいて、Bドメイン置換リンカーに組み込まれたグリコシル化ペプチドを有するReFacto型第VIII因子タンパク質をコードするいくつかの構成体に対して実施した発現実験の結果も報告されている。
【0316】
(表5)Bドメイン置換リンカーペプチドにおけるN−グリコシル化予測及び生体内でのAAVベクター構成体の性能
【0317】
NG変異型を含有するAAVベクターを実施例1に記載のように構築し、実施例2に記載のようにFVIIIノックアウトマウスで試験した。表5に示すウイルスベクター(対照ベクターvCS40を除く)はいずれも、vCS01に使用したアルゴリズムに基づいている。vCS04のアルゴリズムを使用した構成体の並行セットも調製し(vNG/CS04系列)、マウスモデルで試験した。結果を、野生型の構成体vCS40で達成された発現レベルと比較した。この実施例では28日目の発現レベルを選択したが、理由は、大部分の構成体の発現レベルがこの測定時点において最高レベルに達したからである。vNG4/CS01、vNG10/CS01及びvNG16/CS01など3つのAAVベクターで40倍以上のFVIII発現レベルが達成された(表5)。対応する構成体vNG4/CS04、vNG10/CS04及びvNG16/CS04は、より優れたvCS04アルゴリズムに基づいていることから、いっそうの高発現を示すことが予測される。
【0318】
驚くべきことに、vNG/CS01系列のAAVベクターは、vCS40野生型コード構成体と比較して、AAVウイルス産生において高収量が測定され、ビリオンのパッケージングが高かった。表6に示すように、vNG/CS01を用いたベクターは、vCS40よりも実質的に優れた複製を示し、収量が約3倍高いAAV力価が得られた。
【0319】
(表6)細胞ペレットから精製した、AAVベクター構成体を用いて得た細胞培養1リットルあたりの収量
【0320】
実施例4−変異BDD−FVIII構成体の構築
第VIII因子の重鎖内アミノ酸変異及び/またはBドメイン置換リンカーを担持する、種々の変異Refacto型BDD−FVIII構成体を多数クローニングし、スクリーニングを行った。対応するベクターは、本明細書では「vCS」系列のベクターとされ、これらはコドンが改変されたCS01、CS04、及びCS23のバックグラウンドにおいてBDD−FVIII変異型をコードする。CS01及びCS04のバックグラウンド構築に使用した方法は実施例1に記載されている。CS23の構築に使用した方法は、コドン最適化用オンラインツール(Grote et al.,2005;Nucl.Acids Res.W526−31)であるJCATツール(www.jcat.de)に基づいた。アルブミンスーパーファミリーのコドン使用頻度がより反映されるよう配列をさらに修正した(Mirsafian et al.,Sc.Word Journal,ID 639682(2014))。なお、その記載内容はあらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書により明示的に組み込まれる。
【0321】
vCS系列構成体のFVIII配列には3種の変異の組み合わせが含まれた。FVIII配列に導入された第1のアミノ酸変化は、X1変異(TTYVNRSL(配列番号33);X.Xiao)であり、これにより、Bドメイン置換リンカー近傍にさらなるグリコシル化部位が導入される。X1変異もまた、本明細書では「m3」変異とする。FVIII配列に行った第2のアミノ酸変化には、FVIIIの分泌を改善することが既知のアミノ酸変化(Swaaroop,J.Biol.Chem.,272:24121−24(1997))であるF328S(SPIの場合。SPEではF309S)変異が含まれる。この変異もまた、本明細書では「m1」変異とする。第3の変化は、いわゆるX5変異であり、これは、BDD−FVIIIの特定の活性及び分泌を改善する、重鎖A1ドメインにおけるアミノ酸変化5種の組み合わせである(Cao et al.,2014;ASGCT要約#460;変異詳細は口頭発表で開示)。X5変異もまた、本明細書では「m2」変異とする。次に、X1とF328S(SPIの場合。SPEではF309S)の組み合わせを作製し、続いて「X6」ともと呼ばれるX1とX5との組み合わせを行い、さらにX5とF328S(SPIの場合。SPEではF309S)の他の組み合わせを作製した(表7)。
【0322】
遺伝子合成及びベクタープラスミドのクローニング。
同一のベクター骨格プラスミド(pCh−BB01)に異なる合成DNA断片をクローニングすることによってプラスミドを構築した。AscI及びNotIの各酵素制限部位を隣接させたRefacto型BDD−FVIII断片のDNA合成がThermoFischer Scientific(ドイツ、レーゲンスブルク)によって行われた。ベクター骨格は2つの隣接するAAV2由来末端逆位反復配列(ITR)を含有し、これらは、肝臓特異的マウストランスサイレチン遺伝子由来のプロモーター/エンハンサー配列、それぞれのRefacto型BDD−FVIIIを挿入するためのAscI及びNotIの各酵素制限部位、ならびに合成ポリA部位を包含する。調製したベクター骨格のライゲーション及びAscIとNotIの両部位を介した挿入を行った後、得られるプラスミドをミリグラム規模で増幅させた。ダイレクト・シーケンシング(Microsynth、スイス、バルガッハ)によって構成体のRefacto型BDD−FVIII配列を検証した。クローニングにより、
図44に示すように異なるプラスミド構成体を得た。
【0323】
小規模ベクター調製及び定量PCR(qPCR)による定量。
AAV8を用いたベクターを、本質的にGrieger et al.(2015、前掲)に記載のように3プラスミドトランスフェクション法によって調製した。対応するFVIIIベクタープラスミド、ヘルパープラスミドpXX6X80(アデノウイルスヘルパー遺伝子を担持)及びパッケージングプラスミドpGSK2/8(rep2遺伝子とcap8遺伝子に寄与)を使用するプラスミドトランスフェクションにはHEK293懸濁液細胞を使用した。下流の処理では、1リットル培養の細胞ペレットを、上記のようにイオジキサノールグラジエントを使用して処理した。かかる手順により、表8にまとめられているベクター調製物を得た。AAV2末端逆位反復配列を標的にするユニバーサルqPCR手順を使用するqPCR(Aurnhammer,Human Gene Therapy Methods:Part B 23:18−28(2012))によってベクターを定量した。正確に定量した、AAV2末端逆位反復配列を担持するベクタープラスミドは、標準曲線の作成に使用した。
【0324】
AAVベクターの特性解析。
AAVアガロースゲル電気泳動によってベクターゲノムの完全性を分析した。Fagone et al.(Human Gene Therapy Methods,23:1−7(2012))の記載と同様に電気泳動を行った。AAVベクター調製物を0.5%SDS存在下、75℃で10分インキュベートし、その後、室温まで冷却した。1% 1xTAEアガロースゲルのレーンあたり約1.5E10ベクターゲノム(vg)を載せ、ゲル長7V/cmで60分電気泳動にかけた。その後、2倍希釈GelRed(Biotiumカタログ番号41003)溶液中でゲルを染色し、ChemiDoc(商標)MP(Biorad)で撮像した。ベクターの選択結果を
図45に示す。ウイルスベクターvCS04(対照)、vCS17、vCS20、vCS24、vCS16及びvCS40(対照)はいずれも、5kbの範囲にはっきりとしたバンドが示され(
図45、レーン2〜7;右側矢印)、ゲノムサイズが同一であることを示している。ゲノムは、約5.2kbというベクターサイズにもかかわらず均一なバンドになっており、やや大きいサイズのゲノム(AAV野生型ゲノムの4.7kbとの対比)が適切にパッケージングされていることを裏付けている。
【0325】
ベクター純度及びカプシドタンパク質について予測したパターンを確認するため、これらベクターを用いて
図46に示すようにSDS PAGEを行った後、銀染色を実施した。図に示すように、下流の精製処理を行ったところ、VP1、VP2及びVP3について予測したタンパク質パターンを示す高度に精製された材料が得られた(
図46レーン2〜9;右側矢印)。AAV調製物のSDS−PAGE法を標準手順に従って行った。レーンあたり1E10vgの量を4〜12%Bis−Tris(NuPAGE(登録商標)Novex、Life Technologies)ゲル上で製造者の指示書に従って分離を行った。SilverQuest(商標)キット(Novex、Life Technologies)を製造者の指示書に従って用い、銀染色を実施した。
【0326】
ベクターの生体内生物学的力価スクリーニング。
種々のRefacto型BDD−FVIII構成体のスクリーニングをマウスで行った。C57Bl/6系FVIIIノックアウト(ko)マウス(1群あたり6〜8匹)において、マウス体重1キログラムあたり4E12ベクターゲノム(vg)を尾静脈注射してアッセイを実施した。注射14日後に後眼窩への穿刺により採血して血漿を調製し、標準的手順を使用して凍結した。軽微な修正を加えたTechnocloneの化学発色法(Technochrome FVIII、Technoclone、オーストリア、ウィーン)でマウス血漿中のFVIII活性を測定した。簡単に言えば、血漿試料を適切に希釈し、トロンビン、活性化第IX因子(FIXa)、リン脂質、第X因子及びカルシウムを含有するアッセイ試薬と混合した。トロンビンによるFVIII活性化に続き、FIXa、リン脂質及びカルシウムの複合体が生成する。この複合体によりFXが活性化されて活性化FX(FXa)となり、それが発色基質のパラ−ニトロアニリド(pNA)を切断する。pNA生成動態を405nmで測定する。比率は試料中のFVIII濃度と直接比例している。基準曲線からFVIII濃度を読み取り、結果をFVIII IU/ミリリットルで与える。
【0327】
マウスの生物学的力価試験結果(14日目のマウス血漿中のFVIII発現データを1ミリリットルあたりの国際単位[IU/ml]で表したもの、及び野生型対照vCS40と比較した発現倍率)を表7に示す。AAVベクターvCS19、vCS26及びvCS32はいずれも、X1グリコシル化部位をそれぞれ、コドン改変バックグラウンドCS01、CS04、及びCS23に含有している。表7に見られるように、驚くべきことに、野生型構成体vCS40(レベルを1とする)と比較して高レベルの発現が得られた。例えば、vCS26は、野生型ベクターvCS40より202倍高いレベルで発現した。Geneartコドンを背景にしたX1変異を含有する、X1系列ベクターの別の対照構成体vCH111は、より低い発現増加(12倍)を示した。
【0328】
ベクターvCS16、vCS28、及びvCS34はいずれも、それぞれコドン改変バックグラウンドCS01、CS04、及びCS23において、分泌を増強させるF328S(SPIの場合。SPEではF309S)変異を含有する。表7に見られるように、vCS16及びvCS28で高い(野生型対照vCS40よりも45〜93倍高い)発現レベルが得られた。
【0329】
ベクターvCS20、vCS24、及びvCS33は、それぞれコドン改変バックグラウンドCS01、CS04、及びCS23においてX5変異を含有する。X5系列中、最も性能の高い変異型はvCS20であり、14日目以降に3ユニット/ml超のレベル、及び野生型対照vCS40に対し121倍増を達成した。
【0330】
ベクターvCS17、vCS29、及びvCS31はそれぞれ、コドン改変バックグラウンドCS01、CS04、及びCS23においてX1変異とF328S(SPIの場合。SPEではF309S)変異の組み合わせを含有する(表6)。構成体vCS17及びvCS29は、マウスでの試験中、非常に高い発現レベル(対照vCS40に対し115〜246倍増)を達成した。際だったことに、使用したFVIII KOマウスモデルでは、以降の測定ポイント(例えば、28日目及び42日目;データ図示せず)におけるFVIIIレベルの上昇により示されるように、vCS17構成体で処置した大部分のマウスは、経時的に中和抗体を産生しなかった。これは予期しなかった知見である。なぜなら、他の一部の構成体では、中和抗体の生成により経時的に発現レベルが低下したからである。CS01のバックグラウンドに、分泌増強変異のF328S(SPIの場合。SPEではF309S)とX1を組み合わせたところ、免疫原性の誘導が低かった。
【0331】
ベクターvCS18、vCS27、及びvCS35はそれぞれ、コドン改変バックグラウンドCS01、CS04、及びCS23において、X1変異とX5変異の組み合わせを含有する。これらの2変異の組み合わせもまた非常に有効であった。例えば、vCS18では、対照vCS40に対し145倍の増加を達成できた(表7)。
【0332】
ベクターvCS48及びvCS49はそれぞれ、コドン改変バックグラウンドCS01及びCS04において、X5変異とF328S(SPIの場合。SPEではF309S)変異の組み合わせを含有する。これらの2変異の組み合わせもまた非常に有効であった。全変異体のうち最も高い増加の一つ、すなわち、対照vCS40に対する239倍の増加がvCS49を用いて達成できたが、これは、F328S(SPIの場合。SPEではF309S)変異を含めた組み合わせに特別な価値があることを裏付けている。
【0333】
さらに驚くべき所見は、変異AAVベクターが、野生型BDD−FVIIIコドンを持つ構成体vCS40よりも実質的に良好に増殖したことである。配列の最適化は、数倍高い収量のベクター産生をもたらした。発現が最良の一部の構成体(例えば、vCS29、vCS17、vCS20、及びvCS26)では、コドン改変及び/または変異配列による収量増加は、野生型ベクターより約3〜5倍高かった(表8)。
【0334】
各種AAVベクター構成体により誘導されたFVIIIノックアウトマウス血漿中のBDD−FVIII発現を表7に示す。それらの構成体は同一のベクター骨格を有するが、異なるコドン最適化バックグラウンドなど異なる種類の変異FVIIIをコードする。14日目の発現レベルを選択した理由は、これ以降の時期にこのマウスモデルの一部の動物に通常見られる阻害抗体の影響がこの測定時点に最小であることによる。n.d.は不検出。
【0335】
(表7)vCS構成体の生体内生物学的力価データ
【0336】
(表8)異なるAAVベクター構成体を用いて得た細胞培養1リットルあたりの収量(パッケージング効率)。細胞ペレットからベクターを精製した。n.d.は不検出。
【0337】
本明細書に記載する実施例及び実施形態はあくまでも例示を目的としたものであること、また、それに鑑みたさまざまな修正または変更が当業者に示唆され、かつ、それらは本出願の趣旨と範囲及び添付の請求項の範囲内に含まれることが理解される。本明細書で引用したすべての刊行物、特許、及び特許出願は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。