【文献】
CHIAPPELLI, Maria C., and HAYWARD, Ryan C.,Photonic Multilayer Sensors from Photo-Crosslinkable Polymer Films,Advanced Materials,ドイツ,WILEY-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA,2012年 9月10日,Volume 24, Issue 45,6100-6104
【文献】
BAK, Jae Min, LEE, Hyung-il,Novel Thermoresponsive Fluorinated Double-Hydrophilic Poly{[N-(2,2-difluoroethyl)acrylamide]-b-[N-(2-fluoroethyl)acrylamide]} Block Copolymers,JOURNAL OF POLYMER SCIENCE, PART A: POLYMER CHEMISTRY,米国,Wiley Periodicals, Inc.,2013年 2月19日,Volume 51, Issue 9,1976-1982
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の色変換フォトニック結晶構造体は、交互に積層された、第1の屈折率を示す第1のポリマーを含む第1の屈折率層と、第2の屈折率を示す第2のポリマーを含む第2の屈折率層とを含み、前記第1の屈折率と前記第2の屈折率は異なっており、前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーのいずれか一つは、フッ化炭素基含有モノマーから誘導された構造単位を含むポリマーである。
【0014】
また、本発明の色変換フォトニック結晶センサーは、前記色変換フォトニック結晶構造体を含む。
【0015】
本発明において、「第1」、「第2」などの用語は、様々な構成要素を説明するのに使用されるものであって、前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0016】
本明細書で使用される用語は、単に例示的な実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定するためのものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」、「備える」または「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、段階、構成要素またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、構成要素またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。
【0017】
また、本発明において、各層または要素を各層または要素の「上に」形成するということは、各層または要素を直接に各層または要素の上に形成することや、他の層または要素を各層の間、対象体、基材上にさらに形成することを意味する。
【0018】
本発明は、多様な変更を加えて様々な形態を有することができるので、特定の実施例を例示して下記で詳細に説明する。しかし、これらは本発明を特定の開示形態に限定するためのものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物ないし代替物を含むものとして理解されるべきである。
【0019】
以下の明細書で使用される用語の一部は、次のように定義することができる。
【0020】
まず、本発明で使用される用語の「色変換フォトニック結晶構造体」は、屈折率の異なる物質を繰り返して交互積層して製造された1次元フォトニック結晶構造を有するブラッグスタックであり、積層された構造の屈折率の周期的な差によって特定の波長領域帯の光を反射することができ、この反射波長が外部刺激によってシフト(Shift)されて反射色が変換される構造体を意味する。具体的には、構造体の各層の境界で光の部分反射が起こり、このような多くの反射波が構造的に干渉して、高い強度を有する特定の波長の光が反射され得る。このとき、外部刺激による反射波長のシフトは、層を形成する物質の格子構造が外部刺激によって変化することによって、散乱される光の波長が変化することにより行われる。このような色変換フォトニック結晶構造体は、別の基材または基板上にコートされたコート膜形状、またはフリースタンディングフィルム形状に製造することができ、フォトニック結晶繊維、発光素子、光起電素子、フォトニック結晶センサー、半導体レーザなどの光学素子に応用できる。例えば、前記色変換フォトニック結晶構造体は、化学及び生物種の探知のための環境素子などの光センサー、グルコースセンサー、タンパク質センサー、DNAセンサー、病気の診断センサー、ポータブル診断センサーなどのバイオセンサーなどに使用できるが、その応用分野を制限するものではない。
【0021】
一方、本発明の一実施形態によると、色変換フォトニック結晶構造体は、交互に積層された、第1の屈折率を示す第1のポリマーを含む第1の屈折率層と、第2の屈折率を示す第2のポリマーを含む第2の屈折率層とを含み、前記第1の屈折率と前記第2の屈折率は異なっており、前記第1のポリマー及び前記第2のポリマーのいずれか一つは、フッ化炭素基含有モノマーから誘導された構造単位を含むポリマーである。
【0022】
前記第1の屈折率層と前記第2の屈折率層の総積層数は、5〜30層であってもよい。前述の範囲で積層された構造体は、それぞれの層の境界面で反射された光の干渉が十分に起き、外部刺激による色の変化が検知される程度の反射強度を有することができる。
【0023】
このとき、第1の屈折率層は、色変換フォトニック結晶構造体の最上部に位置することができる。これにより、第1の屈折率層と第2の屈折率層が交互に積層された積層体上に、第1の屈折率層がさらに積層され、前記フォトニック結晶構造体は、奇数個の層の屈折率層を有することができる。前記の場合には、後述するように、それぞれの層の境界面で反射された光の間の補強干渉が増加し、フォトニック結晶構造体の反射波長の強度が増加することができる。
【0024】
また、前記色変換フォトニック結晶構造体では、前記第1の屈折率層の厚さは50〜150nmであり、前記第2の屈折率層の厚さは5〜80nmであってもよい。例えば、前記第1の屈折率層の厚さに対する前記第2の屈折率層の厚さの比は、1:1〜3:1であってもよい。前記範囲に厚さを調整することにより、後述するようにフォトニック結晶構造体の反射波長を調整できる。
【0025】
以下、一実施形態に係る前記色変換フォトニック結晶構造体10の概略的な構造を
図1を参照して説明する。
【0026】
図1に示すように、一実施形態に係る色変換フォトニック結晶構造体10は、基板11と、該基板11上に交互に積層された第1の屈折率層13及び第2の屈折率層15とにより構成される。前記色変換フォトニック結晶構造体10に等比例のすべての色からなる多色の白色光が入射すると、それぞれの層の境界面で入射光1の部分反射が起こり、一部は反射光2で、残りは透過光3で存在する。つまり、このように部分反射された光の干渉により、一つの波長(λ)を中心に集中した波長の光が反射することになる。前記反射波長(λ)が可視光線領域に該当する場合には、前記フォトニック結晶構造体による反射色を確認することができる。
【0027】
このとき、前記色変換フォトニック結晶構造体10が外部刺激を受ける環境に位置している場合には、第1の屈折率層13及び第2の屈折率層15をそれぞれ構成している第1のポリマー及び第2のポリマーの結晶格子構造が変化することによって、それぞれの層の境界面で散乱する形態が変化する。これにより、前記フォトニック結晶構造体10は、シフトされた波長(λ ')を反射することになる。したがって、外部刺激がない場合と比較して、フォトニック結晶構造体によって具現される色を変換することができる。もし外部刺激の強度が高ければ、前記第1のポリマー及び第2のポリマーの結晶格子構造の変化の程度が大きくなり、反射波長がさらにシフトされるので、具現される色によって外部刺激の強度を検出することができる。
【0028】
一方、
図1では、合計5層で構成されているフォトニック結晶構造体のみを示しているが、前記フォトニック結晶構造体の積層数はこれに限定されない。また、基板11上に屈折率層が積層された構造体を開示しているが、基板11が存在しないフリースタンディングフィルム形状もまた可能である。
【0029】
前記基板11は、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、扱いやすさ及び防水性に優れた炭素系材料、金属箔、薄膜ガラス(thin glass)、プラスチック基板であってもよいが、これらに限定されず、可撓性を有するもの又は可撓性を有しない様々な素材を用いた基板であってもよい。
【0030】
前記基板11上に交互に積層された前記第1の屈折率層13は、第1の屈折率(n1)を示す第1のポリマーを含み、前記第2の屈折率層15は、第2の屈折率(n2)を示す第2のポリマーを含む。このとき、前記第1の屈折率(n1)と前記第2の屈折率(n2)の差は、0.01〜0.5であってもよい。例えば、前記第1の屈折率(n1)と前記第2の屈折率(n2)の差は、0.05〜0.3であり、具体的には0.1〜0.2であってもよい。この屈折率の差が大きいほど、フォトニック結晶構造体の光バンドギャップが大きくなるので、前記範囲内で屈折率の差を調整することにより、所望の波長の光が反射するように制御することができる。
【0031】
例えば、前記第1の屈折率(n1)は、前記第2の屈折率(n2)よりも大きくなっていてもよい。つまり、前記フォトニック結晶構造体10は、基板11上に高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層が順次積層された構造を有することができる。
【0032】
或いは、前記第1の屈折率(n1)は、前記第2の屈折率(n2)よりも小さくなっていてもよい。つまり、前記フォトニック結晶構造体10は、基板11上に低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層が順次積層された構造を有することができる。
【0033】
このとき、前記低屈折率層の屈折率は、1.3〜1.5であってもよく、高屈折率層の屈折率は1.51〜1.8であってもよい。前記範囲であると、所望の波長の光を反射するフォトニック結晶構造体を実現できる。
【0034】
より具体的には、前記フォトニック結晶構造体10の第1の屈折率層13は、50〜150nmの厚さの第1の屈折率が1.51〜1.8である第1のポリマーを含む高屈折率層であり、第2の屈折率層15は、5〜80nmの厚さの第2の屈折率が1.3〜1.5である第2のポリマーを含む低屈折率層であってもよい。
【0035】
前記第1の屈折率層および前記第2の屈折率層のうちの低屈折率層が、フッ化炭素基含有モノマーから誘導された繰り返し単位を有するポリマーを含むことができる。例えば、前記ポリマーは、フッ化炭素基含有モノマーから誘導された繰り返し単位を98〜99.5重量%含むことができる。ここで、「フッ化炭素基含有モノマー」とは、1つ以上のフッ化炭素基および光照射により架橋可能な1つ以上の二重結合を含むモノマーを意味する。また、「フッ化炭素基(fluorinated carbon group)」とは、1つ以上のフッ素原子が炭素原子に結合している官能基を意味する。この官能基は、分子の末端だけでなく、側鎖に位置していてもよく、2つ以上のフッ素原子は、1つの炭素原子と結合しているか、または複数の炭素原子に結合していてもよい。前記フッ化炭素基の具体例としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
このようなフッ化炭素基含有モノマーから誘導された構造単位を含むポリマーは、他の官能基を含有するポリマーに比べて屈折率が低いため、前述した範囲の屈折率を有する低屈折率層を実現できるだけでなく、化学的性質及び物理的性質に優れており、透明性に優れる。これにより、前記フッ化炭素基含有モノマーから誘導された構造単位を含むポリマーは、そうでないポリマーに比べて屈折率が低いため低屈折率層を形成することができる。
【0037】
前記フッ化炭素基含有モノマーは、アミド基をさらに含んでいてもよい。例えば、前記フッ化炭素基含有モノマーは、フッ化炭素基含有アクリルアミド系化合物であってもよい。フッ化炭素基含有アクリルアミド系化合物から誘導された繰り返し単位を有するポリマーは、水分及び/又は有機溶媒の濃度変化などの外部刺激によって容易に膨潤(swelling)されて、フォトニック結晶構造体の反射波長を移動させるだけでなく、外部刺激の中断時に迅速に元の状態に戻ることができるため、色変換センサーの再現性を向上できる。前記ポリマーの膨潤は、アクリルアミドと水分及び/又は有機溶媒との水素結合によるものであってもよい。具体的には、前記フッ化炭素基含有モノマーは、N−(2−フルオロエチル)アクリルアミド(N-(2-fluoroethyl)acrylamide)、N−(2,2−ジフルオロエチル)アクリルアミド(N-(2,2-difluoroethyl)acrylamide)、及びN−(2,2,2-トリフルオロエチル)アクリルアミド(N-(2,2,2-trifluoroethyl)acrylamide)からなる群より選択される1種以上であってもよい。
【0038】
したがって、前記フォトニック結晶構造体10の第1の屈折率層13が高屈折率層であり、かつ第2の屈折率層15が低屈折率層である場合は、第2のポリマーを、前記フッ化炭素基含有モノマーから誘導された構造単位を含むポリマーとしてもよい。
【0039】
このとき、前記第1のポリマーは、次のモノマーから誘導された構造単位を含むことにより、第2のポリマーに比べて高い屈折率を示すことができる:(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニル基含有芳香族化合物、ジカルボン酸、キシリレン(xylylene)、アルキレンオキサイド、アリーレンオキサイド、及びこれらの誘導体。これらは、単独に又は2種以上を組み合わせて適用できる。
【0040】
例えば、前記第1のポリマーは、次のモノマーから誘導された構造単位を1種または2種以上含むことができる:メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、1−フェニルエチル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、1,2−ジフェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、m−ニトロベンジル(メタ)アクリレート、β−ナフチル(メタ)アクリレート、ベンゾイルフェニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート系モノマー;メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、イソブチル(メタ)アクリルアミド、1−フェニルエチル(メタ)アクリルアミド、2−フェニルエチル(メタ)アクリルアミド、フェニル(メタ)アクリルアミド、ベンジル(メタ)アクリルアミド、ベンゾイルフェニル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系モノマー;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、4−メトキシ−2−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;p−ジビニルベンゼン、2−ビニルナフタレン、ビニルカルバゾール、ビニルフルオレンなどの芳香族系モノマー;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシフェニレン酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸などのジカルボン酸モノマー;o−キシリレン、m−キシリレン、p−キシリレンなどのキシリレン系モノマー;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド系モノマー;フェニレンオキサイド、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイドなどのフェニレンオキサイド系モノマー。中でも、好ましい屈折率差の実現及び光硬化のし易さを図る観点で、スチレン系モノマーから誘導された構造単位、及び(メタ)アクリレートと(メタ)アクリルアミドのいずれか一つから誘導された構造単位を有することが好ましい。
【0041】
特に、前記第1のポリマーは、下記の化学式1及び2で表される構造単位を100:1−100:20のモル比で含み、10,000〜100,000g/molの数平均分子量(Mn)を有することができる。或いは、前記第1のポリマーは、下記の化学式1及び2で表される構造単位を100:1−100:10のモル比で含み、10,000〜50,000g/molの数平均分子量(Mn)を有することができる。
【0044】
前記の化学式1及び2において、R
1及びR
2は、互いに独立して水素及びC
1−3アルキルから選択することができる。例えば、R
1及びR
2は、それぞれ水素であってもよい。
【0045】
前記化学式1において、X
1は、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、スルホン酸またはその塩、C
1−10アルキル及びC
1−10アルコキシから選択することができる。具体的には、前記化学式1におけるX
1は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、及びtert−ブチルから選択することができる。例えば、前記X
1はメチルであってもよい。具体的には、前記X
1はパラ−メチルであってもよい。
【0046】
前記化学式1において、a1は、0、1、2及び3から選択することができる。a1は、X
1の数を意味するものであり、a1が2以上の場合、2以上のX
1は同一でも異なっていてもよい。例えば、前記a1は0又は1であってもよい。
【0047】
前記化学式2において、Y
1は、OまたはNHであってもよい。
【0048】
また、前記の化学式1及び2において、nは、それぞれ独立して1以上の整数である。
【0049】
前記第2のポリマーは、下記の化学式3及び4で表される構造単位を100:1−100:5のモル比で含み、10,000〜100,000g/molの数平均分子量を有することができる。或いは、前記第2のポリマーは、下記の化学式3及び4で表される構造単位を100:1−100:3、例えば100:1−100:1.5のモル比で含み、10,000〜80,000g/molの数平均分子量を有することができる。
【0052】
前記の化学式3及び4において、R
3及びR
4は、互いに独立して水素およびC
1−3アルキルから選択することができる。例えば、R
3及びR
4は、それぞれ水素であってもよい。
【0053】
前記化学式3において、X
2は、1つ以上のフッ素で置換されたC
1−10アルキルから選択することができる。例えば、前記X
2は、1つ以上のフッ素で置換されたC
1−3アルキルから選択することができる。具体的には、前記X
2は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、1,1,2−トリフルオロエチル、1,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロプロピル、2−フルオロプロピル、1,1−ジフルオロプロピル、1,2−ジフルオロプロピル、2,2−ジフルオロプロピル、1,1,2−トリフルオロプロピル、1,2,2−トリフルオロプロピル、2,2,2−トリフルオロプロピル、1−フルオロブチル、2−フルオロブチル、1,1−ジフルオロブチル、1,2−ジフルオロブチル、2,2−ジフルオロブチル、1,1,2−トリフルオロブチル、1,2,2−トリフルオロブチル、及び2,2,2−トリフルオロブチルから選択することができる。
【0054】
前記化学式4において、Y
2は、OまたはNHであってもよい。
【0055】
また、前記の化学式3及び4において、nは、それぞれ独立して1以上の整数である。
【0056】
ここで、前記第1のポリマー及び第2のポリマーは、それぞれの構造単位がランダムに配列されているランダムコポリマーであるか、或いは、それぞれの構造単位が一定回数繰り返して配列されているブロックコポリマーであってもよいが、その配列形態は限定されない。
【0057】
前記第1のポリマーが、前記化学式1で表される構造単位を前述の範囲で有すると、フッ化炭素基含有モノマーから誘導された構造単位(前記化学式3で表される構造単位)を有する第2のポリマーに比べて高屈折率を示すことができ、適切な屈折率差によりフォトニック結晶構造体の所望の反射波長を実現することができる。
【0058】
また、前記第1のポリマー及び第2のポリマーは、それぞれ前述の範囲で前記の化学式2及び4で表される構造単位を含むが、これはベンゾフェノンアクリルアミド系モノマーから誘導することができる。これらのベンゾフェノンアクリルアミド系モノマーを用いると、別の光開始剤あるいは架橋剤(crasslinker)がなくても自主的に光硬化が可能であるため、光硬化のし易さの観点で有利である。
【0059】
より具体的には、前記第1のポリマーは、下記の化学式1−1及び2−1で表される構造単位を含み、前記第2のポリマーは、下記の化学式3−1〜3−3のいずれか一つ及び2−1で表される構造単位を含むことができる:
【0061】
前記化学式2−1におけるBPは、4−ベンゾイルフェニルを意味する。
【0062】
このうち、第2のポリマーが、前記の化学式3−1、3−2のいずれか一つ及び化学式2−1で表される構造単位を含む場合には、外部から侵入した水分によって容易に膨潤され、水分検知用センサーを容易に製造できる。
【0063】
或いは、第1の屈折率層13が低屈折率層であり、第2の屈折率層15が高屈折率層であってもよい。この場合、第1のポリマーと第2のポリマーを逆に使用できる。
【0064】
前記のような本発明の一実施形態に係る色変換フォトニック結晶構造体10の反射波長(λ)は、下記の数式(I)より求められる。
【0065】
λ=2(n1*d1+n2*d2) (I)
【0066】
前記式中、n1及びn2は、それぞれ、第1の屈折率層13及び第2の屈折率層15の屈折率を意味し、d1及びd2は、それぞれ、第1の屈折率層13及び第2の屈折率層15の厚さを意味する。これにより、前記色変換フォトニック結晶構造体10の反射波長(λ)を調整するために、前述したポリマーの種類だけでなく、前記第1の屈折率層13及び第2の屈折率層15の厚さを調整することもできる。
【0067】
一実施形態に係る色変換フォトニック結晶構造体10は、外部刺激がない場合に、前記数式(I)より200〜760nmの反射波長(λ)を示すことができる。
【0068】
このようなフォトニック結晶構造体10の反射波長は、外部刺激によってシフトされ得る。具体的には、前記フォトニック結晶構造体10の反射波長のシフトは、外部刺激による第1のポリマー及び第2のポリマーの膨潤によるものであり得る。特に、外部刺激によってシフトされた反射波長(λ')は、人が肉眼で認識できる可視光線領域に該当し得る。例えば、外部刺激によってシフトされた反射波長(λ')は、380nm〜760nmの範囲内であってもよい。前記反射波長(λ)及びシフトされた反射波長(λ')は、反射計(Reflectometer)などの装置で測定できる。
【0069】
ここで、外部刺激は、化学的刺激、例えば化学物質の濃度変化による刺激であってもよい。具体的には、前記外部刺激は、湿度変化または有機溶媒の濃度変化によるものであってもよい。例えば、有機溶媒は、フッ化炭素基含有モノマー内のアミド基との水素結合が可能な極性有機溶媒であってもよい。具体的には、有機溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−メトキシプロパノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類; 2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)などであってもよいが、これらに限定されるものではない。特に、前記色変換フォトニック結晶構造体は、湿度の変化およびメタノール、エタノールなどのアルコールの濃度の変化による外部刺激に高感度で感応することができる。
【0070】
前記反射波長(λ')のシフトの程度は、外部刺激の強度によって異なり得る。具体的には、外部刺激の強度が高くなると、例えば湿度が高くなるか或いは有機溶媒の濃度が増加するによって、前記フォトニック結晶構造体の反射波長は長くなり得る。
【0071】
前述のような色変換フォトニック結晶構造体は、次のステップを含む製造方法により製造することができる:
1)第1の屈折率を示す第1のポリマーを含む第1の分散液組成物を用いて、第1の屈折率層を製造するステップと、
2)第2の屈折率を示す第2のポリマーを含む第2の分散液組成物を用いて、前記第1の屈折率層上に第2の屈折率層を製造するステップと、
3)前記第1の屈折率層と前記第2の屈折率層を交互に積層して、5〜30層が積層されたフォトニック結晶構造体を製造するステップ。
【0072】
前記色変換フォトニック結晶構造体の製造方法において、第1の屈折率、第1のポリマー、第2の屈折率、第2のポリマー、第1の屈折率層及び第2の屈折率層に関する説明は、前述の通りである。
【0073】
まず、第1の分散液組成物及び第2の分散液組成物を製造する。それぞれの分散液組成物は、ポリマーを、前述の有機溶媒に分散して製造することができる。ここで、分散液組成物は、溶液状、スラリー状又はペースト状などの様々な状態を示す用語として使用される。このとき、第1及び第2のポリマーは、それぞれ、分散液組成物の全重量を基準として0.5〜5重量%含むことができる。前記範囲にあると、基板上に塗布するに適切な粘度を有する分散液組成物を製造できる。
【0074】
例えば、前記第1の分散液組成物は、有機溶媒及び第1のポリマーからなり、前記第2の分散液組成物は、有機溶媒及び第2のポリマーからなっていてもよい。つまり、光硬化のための別の光開始剤及び架橋剤、あるいは無機物粒子を含まないものであってもよい。これにより、フォトニック結晶構造体をより容易かつ経済的に製造でき、また、別の添加剤を含んでいないため、製造されたフォトニック結晶構造体の位置による光特性のばらつきを低減できる。
【0075】
次に、製造された第1の分散液組成物を基板または基材の上に塗布した後に光照射を行うことにより、第1の屈折率層を製造し、その後、前記第1の屈折率層上に、製造された第2の分散液組成物を塗布した後に光照射を行うことにより、第2の屈折率層を製造することができる。
【0076】
ここで、前記分散液組成物を基板または屈折率層の上に塗布する方法としては、スピンコート(spin coating)、ディップコート(dip coating)、ロールコート(roll coating)、スクリーンコート(screen coating)、スプレーコート(spray coating)、スピンキャスティング(spin casting)、フローコート(flow coating)、スクリーン印刷(screen printing)、インクジェット(ink jet)、又はドロップキャスティング(drop casting)などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0077】
前記光照射ステップは、窒素条件下で365nmの波長を照射する方法により行うことができる。前記光照射によってポリマー内に含まれたベンゾフェノンmoietyが光開始剤として作用し、光硬化された屈折率層を製造することができる。
【0078】
一方、本発明のまた他の実施形態によると、前述の色変換フォトニック結晶構造体を含む色変換フォトニック結晶センサーを提供できる。
【0079】
前記色変換フォトニック結晶センサーは、前記フォトニック結晶構造体の反射波長が湿度の変化または有機溶媒の濃度の変化によってシフトされることから、湿度検知用または有機溶媒検知用に使用できる。さらに、前記色変換フォトニック結晶センサーは、検出物質である水分及び有機溶媒の存在のみならず、濃度まで検出可能であるため、検出物質の定性および定量の両方の分析に用いることができる。また、前述の理由から、本発明の一実施形態によるフォトニック結晶構造体を用いた色変換フォトニック結晶センサーは、優れた感度及び優れた再現性を示すことができる。
【0080】
以下、発明の具体的な実施例により、発明の作用及び効果をより詳述することとする。但し、これらの実施例は、発明の例示に過ぎず、これらにより発明の権利範囲が決まるものではない。
【0081】
使用物質
以下の製造例では、下記の物質を使用した。なお、各物質は、別途の精製工程なしに使用した。
・4−アミノベンゾフェノン:純度98%のTCI(Tokyo chemical industry)社製を使用した。
・トリエチルアミン:純度99%のTCI(Tokyo chemical industry)社製を使用した。
・ジクロロメタン:純度99.9%のBurdick&jackson社製を使用した。
・アクリロイルクロライド:純度96%のMerck社製を使用した。
・テトラヒドロフラン:純度99.99%のBurdick&jackson社製を使用した。
・p−メチルスチレン:純度96%のSigma−aldrich社製を使用した。
・アゾビスイソブチロニトリル:純度98%のJUNSEI社製を使用した。
・N−イソプロピルアクリルアミド:純度98%のTCI(Tokyo chemical industry)社製を使用した。
【0082】
モノマー及びコポリマーの表記
以下の製造例で製造したモノマー及びコポリマーの名称と表記は、下記表1の通りである。
【0084】
<実施例>
(モノマーの合成)
製造例1:BPAAの製造
9.96gの4−aminobenzophenone、7mLのtriethylamine、80mLのdichloromethaneを250mLのラウンドフラスコに投入した後、フラスコを氷水に置いた。4.06mLのAcryloyl chlorideを8mLのdichloromethaneに希釈し、一滴ずつゆっくりと落とした後、12時間攪拌した。反応終了後、分液漏斗を用いて、未反応物及び塩を5%NaHCO
3と塩化ナトリウム飽和水溶液で除去した後、有機層を無水NaSO
4を用いて余分な水を除去した。その後、回転蒸発濃縮器を用いて溶媒を除去した後、常温真空オーブンで乾燥し、黄色固体のN−(4−benzoylphenyl)acrylamideを得た。
【0085】
製造例2:FEAAの製造
10gの2−fluoroethylamineをround−bottomed flaskに20mlの蒸留水と入れて中和をした後、dichloromethaneで抽出した。抽出した有機溶媒層を、MgSO
4を用いて、残っている水を除去した後、回転蒸発濃縮器で濃縮した。濃縮した試料に12mLのtriethylamineを入れた後、flaskを氷水に置いた。7.7mLのAcryloyl chlorideを10mLのdichloromethaneに希釈した後、flaskに一滴ずつゆっくりと入れながら攪拌した。希釈された溶液が全部入ると、常温で12時間攪拌した。反応終了後、沈殿物はフィルターし、溶液は回転蒸発濃縮器を用いて濃縮した。濃縮した試料をHexane:Ethyl acetateでカラムをしてN−(2−fluoroethyl)acrylamide物質のみを分離した後、回転蒸発濃縮器で溶媒を除去した。これにより、淡黄色液体の純粋なN−(2−fluoroethyl)acrylamideを得た。
【0086】
製造例3:DFEAAの製造
8.67mLの2,2−difluoroethylamine、20.5mlのtriethylamine、100mLのtetrahydrofuranをOne−neck round flaskに投入し、このflaskを氷水に置いた。12mLのAcryloyl chlorideを10mLのtetrahydrofuranに希釈した後、前記flaskに一滴ずつゆっくりと入れながら攪拌した。前記希釈された溶液が全部入ると、それを常温で12時間攪拌した。反応終了後、沈殿物はフィルターし、溶液は回転蒸発濃縮器を用いて濃縮した。濃縮した試料をHexane:Ethyl acetateでカラムをして2,2−difluoroethylacrylamide物質のみを分離した後、回転蒸発濃縮器で溶媒を除去して固体パウダーを得た。前記固体パウダーを再び5mLのmethylene chlorideに溶かした後、hexaneで再結晶を形成した。再結晶で生成された固体パウダーを常温真空オーブンで乾燥して、N−(2,2−difluoroethyl)acrylamideを得た。
【0087】
製造例4:TFEAAの製造
4.58mLの2,2,2−trifluoroethylamine、10.3mlのtriethylamine、50mLのtetrahydrofuranをOne−neck round flaskに投入し、このflaskを氷水に置いた。6mLのAcryloyl chlorideを10mLのtetrahydrofuranに希釈した後、前記flaskに一滴ずつゆっくりと入れながら攪拌した。前記希釈された溶液が全部入ると、それを常温で12時間攪拌した。反応終了後、沈殿物をフィルターし、溶液を回転蒸発濃縮器を用いて濃縮した。濃縮した試料をHexane:Ethyl acetateでカラムをしてN−(2,2,2−trifluoroethyl)acrylamide物質のみを分離した後、回転蒸発濃縮器で溶媒を除去して固体パウダーを得た。前記固体パウダーを常温真空オーブンで乾燥して、N−(2,2,2−trifluoroethyl)acrylamideを得た。
【0088】
(ポリマーの合成)
製造例5:Poly(p−MS−BPAA)の製造
3mlのpara−methylstyrene、0.451gのN−(4−benzoylphenyl)acrylamide、0.0046gのAzobisisobutyronitrileを25mlのシュレンクラウンドフラスコに投入して攪拌した。Freeze−pump−thawを3回程度行った後、窒素で20分間吹き付けた。その後、オイルバスにフラスコを入れて15時間反応を行った。反応終了後、フィルタして高分子を抽出した後、常温真空オーブンで乾燥した。これにより、下記の化学式1−1及び2−1で表される構造単位を100:8のモル比で有するパラ−メチルスチレン−N−(4−ベンゾイルフェニル)アクリルアミドコポリマーを得た。
【0090】
前記化学式2−1におけるBPは、4−ベンゾイルフェニルを意味する。
【0091】
製造例6:Poly(FEAA−BPAA)の製造
0.82gのN−(2−fluoroethyl)acrylamide、0.0176gのN−(4−benzoylphenyl)acrylamide、0.0023gのAzobisisobutyronitrileを25mlのシュレンクラウンドフラスコに投入して攪拌した。Freeze−pump−thawを3回程度行った後、窒素で20分間吹き付けた。その後、オイルバスにフラスコを入れて15時間反応を行った。反応終了後、フィルタして高分子を抽出した後、常温真空オーブンで乾燥した。これにより、下記の化学式3−1及び2−1で表される構造単位を100:1.01のモル比で有する(N−(2−フルオロエチル)アクリルアミド)−(N−(4−ベンゾイルフェニル)アクリルアミド)コポリマーを得た。
【0093】
製造例7:Poly(DFEAA−BPAA)の製造
1.88gのN−(2,2−difluoroethyl)acrylamide、0.0351gのN−(4−benzoylphenyl)acrylamide、0.0046gのAzobisisobutyronitrileを25mlのシュレンクラウンドフラスコに投入して攪拌した。Freeze−pump−thawを3回程度行った後、窒素で20分間吹き付けた。その後、オイルバスにフラスコを入れて15時間反応を行った。反応終了後、フィルターして高分子を抽出した後、常温真空オーブンで乾燥した。これにより、下記の化学式3−2及び2−1で表される構造単位を100:1.01のモル比で有する(N−(2,2−ジフルオロエチル)アクリルアミド)−(N−(4−ベンゾイルフェニル)アクリルアミド)コポリマーを得た。
【0095】
製造例8:Poly(TFEAA−BPAA)の製造
2.12gのN−(2,2,2−trifluoroethyl)acrylamide、0.0351gのN−(4−benzoylphenyl)acrylamide、0.0046gのAzobisisobutyronitrileを25mlのシュレンクラウンドフラスコに投入して攪拌した。Freeze−pump−thawを3回程度行った後、窒素で20分間吹き付け、オイルバスにフラスコを入れて15時間反応を行った。反応終了後、フィルタして高分子を抽出した後、常温真空オーブンで乾燥した。これにより、下記の化学式3−3及び2−1で表される構造単位を100:1.01のモル比で有する(N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アクリルアミド)−(N−(4−ベンゾイルフェニル)アクリルアミド)コポリマーを得た。
【0097】
前記の製造例5〜8で製造されたポリマーの具体的な物性は、下記表2に示す通りである:
【0099】
1)Mn(数平均分子量)及びPDI(分子量分布):ポリスチレンをCalibration用の標準試料として使用したゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定。
2)Tg(ガラス転移温度):DSC(differential scanning calorimeter)を用いて測定。
3)BPAA(N-(4−benzoylphenyl)acrylamide)構造単位の含量:NMRにより測定。
4)屈折率:楕円計測法(Ellipsometer)により測定。
【0100】
(色変換フォトニック結晶構造体の製造)
実施例1
高い屈折率を有する、製造例5で製造されたパラ−メチルスチレン−N−(4−ベンゾイルフェニル)アクリルアミドコポリマー0.02gをトルエンに溶かして、高屈折率分散液組成物を製造した。また、低い屈折率を有する、製造例6で製造された(N−(2−フルオロエチル)アクリルアミド)−(N−(4−ベンゾイルフェニル)アクリルアミド)コポリマー0.012gを1−エタノールに溶かして、低屈折率分散液組成物を製造した。ガラス基板上に前記高屈折率分散液組成物をスピンコーターを用いて1300rpmで塗布した後、365nmで5分間硬化して、90nmの厚さの高屈折率層を製造した。前記高屈折率層が形成されたガラス基板をトルエン溶液に入れ、硬化されない部分を除去した。前記高屈折率層の上に前記低屈折率分散液組成物をスピンコーターを用いて1300rpmで塗布した後、365nmで5分間硬化して、63nmの厚さの低屈折率層を製造した。前記高屈折率層及び低屈折率層が形成されたガラス基板を1−プロパノール溶液に入れて、硬化されない部分を除去した。前記低屈折率層の上に前記高屈折率層及び低屈折率層を繰り返し積層して、合計15層の屈折率層が積層されたフォトニック結晶構造体を製造した。
【0101】
実施例2
高い屈折率を有する、製造例5で製造されたパラ−メチルスチレン−N−(4−ベンゾイルフェニル)アクリルアミドコポリマー0.02gをトルエンに溶かして、高屈折率分散液組成物を製造した。また、低い屈折率を有する、製造例7で製造された(N−(2,2−ジフルオロエチル)アクリルアミド)−(N−(4−ベンゾイルフェニル)アクリルアミド)コポリマー0.012gを1−プロパンに溶かして、低屈折率分散液組成物を製造した。その後、実施例1と同様の方法によりガラス基板上に90nmの厚さの高屈折率層および57nmの厚さの低屈折率層を繰り返し積層して、合計15層が積層されたフォトニック結晶構造体を製造した。
【0102】
実施例3
高い屈折率を有する、製造例5で製造されたパラ−メチルスチレン−N−(4−ベンゾイルフェニル)アクリルアミドコポリマー0.02gをトルエンに溶かして、高屈折率分散液組成物を製造した。また、低い屈折率を有する、製造例8で製造された(N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アクリルアミド)−(N−(4−ベンゾイルフェニル)アクリルアミド)コポリマー0.012gを1−プロパンをに溶かして、低屈折率分散液組成物を製造した。その後、実施例1と同様の方法によりガラス基板上に90nmの厚さの高屈折率層および54nmの厚さの低屈折率層を繰り返し積層して、合計15層が積層されたフォトニック結晶構造体を製造した。
【0103】
実施例4
実施例1と同様の方法により、ガラス基板上に90nmの厚さの高屈折率層および63nmの厚さの低屈折率層を繰り返し積層して、合計9層が積層されたフォトニック結晶構造体を製造した。
【0104】
前記の実施例で製造したフォトニック結晶構造体に関して、下記表3にまとめる。
【0106】
<実験例>
実験例1:屈折率層の積層数による色変換の観察
前記の実施例1及び4で製造した色変換フォトニック結晶構造体を大気(外部刺激なし)及び水に露出した後、反射波長及び正反射度をReflectometer(USB4000、Ocean Optics)を用いて測定した。その結果を下記表4に示す。
【0108】
前記表4から、外部刺激に暴露された際に、屈折率層の合計数が9層である実施例4で製造されたフォトニック結晶構造体に比べて、屈折率層の合計数が15層である実施例1で製造されたフォトニック結晶構造体の方が、正反射度が高くなっていることが分かる。これは、交互に積層された高屈折率層及び低屈折率層の数が多いほど層の境界部分の部分反射波長間の補強干渉が強化され、反射波長の強度が強くなることを意味する。
【0109】
実験例2:湿度の変化による正反射度及び再現性の測定
前記の実施例1及び実施例2で製造した色変換フォトニック結晶構造体の相対湿度の変化(10%〜90%)による正反射度およびその再現性の結果をReflectometer(USB4000、Ocean Optics)を用いて測定した。正反射度の測定結果を下記表5に、実施例1及び2の再現性の測定結果をそれぞれ
図2及び
図3に示す。
【0111】
前記表5から、実施例1及び2で製造した色変換フォトニック結晶構造体は、相対湿度の変化によって反射波長のシフトが明確であり、湿度変化に対する感度に優れていることが分かる。また、前記色変換フォトニック結晶構造体の反射波長は、相対湿度が高くなるにつれて、波長が長くなる方向にシフトされ、正反射度もまた増加することが分かる。このとき、シフトされた反射波長は可視光線領域に該当するため、前記フォトニック結晶構造体の反射波長の変化を肉眼で観察できる。
【0112】
また、
図2及び
図3に示すように、実施例1及び2で製造した色変換フォトニック結晶構造体は、複数のサイクルを繰り返したにもかかわらず、同一範囲の波長を反射した。これは、前記色変換フォトニック結晶構造体が再現性に優れていることを意味する。
【0113】
これらのことから、本発明の一実施形態によるフォトニック結晶構造体は、湿度検知用センサーとして利用できることが分かる。また、それにより製造された湿度検知用センサーは、肉眼で容易に湿度を検出できるだけでなく、優れた感度及び再現性を示すことが確認できる。
【0114】
実験例3:エタノール及びメタノールの濃度の変化による正反射度の測定
前記実施例1〜3で製造した色変換フォトニック結晶構造体のエタノールの濃度変化(5ppm−100ppm)による正反射度をReflectometer(USB4000、Ocean Optics)を用いて測定し、その結果を下記表6に示す。また、前記実施例1〜3で製造した色変換フォトニック結晶構造体のメタノールの濃度変化(5ppm−100ppm)による正反射度をReflectometer(USB4000、Ocean Optics)を用いて測定し、その結果を下記表7に示す。
【0117】
前記の表6及び表7に示すように、実施例1〜3で製造した色変換フォトニック結晶構造体は、エタノール及びメタノールの濃度変化による反射波長のシフトが明確であり、エタノール及びメタノールの濃度変化に対する感度に優れていることが分かる。また、前記色変換フォトニック結晶構造体の反射波長は、相対湿度が高くなるにつれて、波長が長くなる方向にシフトされ、正反射度もまた増加することが分かる。このとき、シフトされた反射波長は、可視光線領域に該当するため、前記フォトニック結晶構造体の反射波長の変化を肉眼で観察できる。
【0118】
これらのことから、本発明の一実施形態によるフォトニック結晶構造体をエタノール及びメタノールのような有機溶媒検知用センサーとして利用できることが分かる。また、それにより製造された有機溶媒検知用センサーは、肉眼で容易に有機溶媒を検出できるだけでなく、優れた感度を有するので、有機溶媒の定量分析に有用である。