特許第6768811号(P6768811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6768811
(24)【登録日】2020年9月25日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】電子装置及び斯様な電子装置の作動方法
(51)【国際特許分類】
   G04G 21/00 20100101AFI20201005BHJP
   G04B 19/28 20060101ALI20201005BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
   G04G21/00 304E
   G04B19/28 A
   H04M1/02 C
【請求項の数】14
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2018-536745(P2018-536745)
(86)(22)【出願日】2016年1月14日
(65)【公表番号】特表2019-507864(P2019-507864A)
(43)【公表日】2019年3月22日
(86)【国際出願番号】EP2016050646
(87)【国際公開番号】WO2017121480
(87)【国際公開日】20170720
【審査請求日】2018年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ダンギー ケー,ニコラス
【審査官】 菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2002/0101457(US,A1)
【文献】 特開平01−251524(JP,A)
【文献】 特開2004−212082(JP,A)
【文献】 特開2001−344039(JP,A)
【文献】 特開2005−17012(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 21/00
G04B 19/28
H04M 1/02
H01H 19/00−21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置であって、
ユーザが当該電子装置と相互に作用することを可能にするユーザ・インターフェイスを実装するよう構成されるプロセッサと、
前記プロセッサと結合され、前記ユーザが前記ユーザ・インターフェイスに基づいて当該電子装置と相互に作用することを可能にするよう構成されるディスプレイと、
複数の歯を有し、当該電子装置の筐体に回転自在に取り付けられるベゼルと、
前記ベゼルの前記複数の歯と協働するよう配置される少なくとも2つのスイッチと
前記少なくとも2つのスイッチへ結合されるマイクロプロセッサと
を有し、
前記少なくとも2つのスイッチは、前記ベゼルの回転中に前記複数の歯によって順次作動され得るように互いに離れて配置され、前記マイクロプロセッサは、前記少なくとも2つのスイッチが作動される順序に基づき前記ベゼルの回転の方向を検出し且つ前記少なくとも2つのスイッチが作動される時間間隔に基づき前記ベゼルの回転の速度を検出するように、前記少なくとも2つのスイッチが順次作動されることを検出することができ、
前記ベゼルの回転は、前記ユーザが前記ユーザ・インターフェイスに基づき当該電子装置と相互に作用することを可能にする、
電子装置。
【請求項2】
前記ベゼルへ結合される少なくとも1つの双方向性のバネ手段を更に有する、
請求項に記載の電子装置。
【請求項3】
前記ユーザが前記ベゼルを押下することを可能にすることができる、該ベゼルへ結合された少なくとも1つのバネ手段を更に有する、
請求項1又は2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記ベゼルが押下される事象を検出することができる専用スイッチを更に有する、
請求項に記載の電子装置。
【請求項5】
前記少なくとも2つのスイッチの夫々は、前記ベゼルの歯と接することで動くことができる第1部分と、該第1部分が動くことで該第1部分と接することができる第2部分とを有する、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項6】
前記第1部分は、前記ベゼルの歯に接するよう、当該電子装置のフレームにある穴を通り抜け、該穴は、密封手段より満たされている、
請求項に記載の電子装置。
【請求項7】
前記少なくとも2つのスイッチの夫々は、単極単投(SPST)スイッチである、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項8】
前記ベゼルの歯は、等間隔に置かれている、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項9】
少なくとも1つの歯の位置は、空いたままにされる、
請求項に記載の電子装置。
【請求項10】
前記少なくとも2つのスイッチのうちの第1スイッチは、前記ベゼルが遊休位置にある場合に、前記少なくとも2つのスイッチのうちの第2スイッチの最も近いベゼルの歯に対する該第2スイッチよりも、前記第1スイッチの最も近いベゼルの歯に対して近い、
請求項1乃至のうちいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項11】
前記少なくとも2つのスイッチは、少なくとも2組の協働するスイッチを有する、
請求項1乃至10のうちいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちいずれか一項に記載の電子装置に使用されるベゼル動作を検出する方法であって、
第1スイッチが作動していることを検出することと、
第2スイッチが作動していることを検出することと、
前記第1スイッチが作動していること及び前記第2スイッチが作動していることの順序に従って、前記ベゼル動作の方向を決定することと
を有する方法。
【請求項13】
請求項1乃至11のうちいずれか一項に記載の電子装置に使用されるベゼル動作を検出する方法であって、
第1組のスイッチが作動していることを検出することと、
第2組のスイッチが作動していることを検出することと、
前記第1組のスイッチが作動していることと前記第2組のスイッチが作動していることとの間の経過時間に従って、前記ベゼル動作の速度を決定することと
を有する方法。
【請求項14】
請求項1乃至11のうちいずれか一項に記載の電子装置に使用されるベゼル動作を検出する方法であって、
第1スイッチが作動していることを検出することと、
第2スイッチが作動していることを検出することと、
前記第1スイッチが作動していることと前記第2スイッチが作動していることとの間の経過時間が、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチが一緒に作動していることを正当だと理由付けできるほど十分に短い場合に、前記ベゼルが押下されていると決定することと
を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置及び斯様な電子装置の作動方法に関係がある。特に、本発明は、スマート・ウォッチ及び斯様なスマート・ウォッチの作動方法に関係がある。
【背景技術】
【0002】
テクノロジの進歩が電子回路を小型化し続けるにつれて、携帯型電子装置は、瞬く間に、ますます計算的に強力な動作が可能になりつつある。大規模なデスクトップ・コンピュータで一度しか実行されない多くの複雑なプログラム・アプリケーションは、現在、最新の“装用性の”電子装置で実行されることが見受けられる。例えば、最新のパーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、携帯電話機、及びスマート・ウォッチは、テキスト及び電子メールのエディタ、データベース・プログラム、並びにインターネット・ブラウザを含むことがある。
【0003】
従来の時計と比較して、スマート・ウォッチは、時間を表示することに加えて、ユーザに着呼を知らせること、活動を追跡すること、メール又はショート・メッセージ(SMS)をプッシュすることのような、追加の機能をもたらす。それは、天気予報や写真付きの発呼側の名称を表示すること、ナビゲーション・アプリケーションの指示を与えること、又は音楽アプリケーションの遠隔制御のように、遠位のアプリケーションと相互に作用し、パネルを通してユーザに有用な情報を表示することができる。それはまた、局所センサ(加速度計、ジャイロスコープ、心拍モニタ)及びアクチュエータ(バイブレータ、ディスプレイ)を利用する健康(活動トラッカ、ステップ・カウンタ、心拍モニタ)や時間(時計、ストップウォッチ、アラーム)に関連したローカル・アプリケーションを起動することができる。
【0004】
斯様な小型の電子装置(例えば、スマート・ウォッチ)で複雑なプログラムを実行することにおける悪化因子は、複雑なプログラム・アプリケーションと互換性がある実際的なユーザ・インターフェイスに使用可能である物理空間の欠如である。装用性の電子装置は、しばしば、表示スクリーン及びユーザ入力ハードウェアを設けるべき少量の表面積を有している。この空間制約のために、装用性の電子装置は、プッシュ・ボタン、ノブ、及びジョイスティックのような入力ハードウェアを小型化する傾向があり、それにより、入力要素によって占められる表面積は小さくなる。入力ハードウェアを小型化することは、しかしながら、しばしば、それらを扱いにくくし、装用性の電子装置を、使用するのが厄介且つ困難にする。
【0005】
国際公開第2014/081184号は、回転可能な要素と、ベルト内又はその上にある光センサを用いて回転可能な要素の回転を検出するよう構成される検出器とを具備する装用性のコンピュータ装置を開示する。
【0006】
国際公開第2013/0099009号は、外輪の内面に印刷されたテクスチャード加工の表面の動きを検知する光センサメカニズムを開示する。
【0007】
回転を検出する、光センサに基づいたメカニズムは、固有の欠点を有している。例えば、外輪の内面に印刷されたテクスチャード加工の表面の動きを検知する光ナビゲーション・フィンガー・モジュールは、比較的に大きい。斯様なモジュールは、既に空間を制限されている装置、例えば、スマート・ウォッチ内で追加の空間を必要とする。印刷された光学素子は、外輪の内側上の表面を必要とし、これは、複雑性を実装に持ち込む。更には、光学アプローチは、耐水性及び防塵性を満足させるという課題をシステム設計に持ち込み、そして、きわどい電池式のシステム、例えば、スマート・ウォッチにおいて比較的に大きい電力消費を必要とする。
【0008】
米国特許第7506269号は、小型のコンピュータ装置のためのユーザ・インターフェイスを開示する。ユーザ・インターフェイスは、表示スクリーンと、該表示スクリーンを取り囲むベゼルとを含む。回転センサは、ベゼルの回転の大きさ及び方向を検知するよう構成される。回転センサは、バネ懸架式の単極双投スイッチである。よって、ベゼルが反時計回りに回転される場合に、ベゼルの歯は、第1スイッチ投と接するようセンサレベルを押し上げ、それによって、ベゼルの反時計回りの回転を示す。反対に、ベゼルが時計回りに回転される場合に、ベゼルの歯は、第2スイッチ投と接するようスイッチ投を押し下げ、それによって、ベゼルの時計回りの回転を示す。単極双投(SPDT)スイッチは2つの位置でオンであることができ、夫々の場合で別々の装置をオンする。それは、しばしば、転換スイッチと呼ばれる。例えば、SPDTスイッチは、1つの位置では赤色のランプを、他の位置では緑色のランプをオンするために使用され得る。SPDTスイッチを小型のコンピュータ装置内に実装するという観点から、SPDTアプローチの信頼性は問題がある。単極がベゼルの回転の一定時間後に誤作動する場合に、それを修理するために比較的に高い費用が発生する可能性がある。更には、ベゼルの歯とスイッチとの間の機械的な協働は、小型のコンピュータ装置において必要とされる耐水性及び防塵性を後押しすることを困難にする。最後に、斯様なバネ懸架式SPDTの比較的に大きいサイズは、既に厳しい空間的制約を課された小型のコンピュータ装置では欠点である。
【0009】
よって、改善されたユーザ・インターフェイスを有する電子装置、より具体的には、改善されたユーザ・インターフェイスを有するスマート・ウォッチの必要性が存在する。
【0010】
上記の参考文献は、全てが参照により本願に援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2014/081184号
【特許文献2】国際公開第2013/0099009号
【特許文献3】米国特許第7506269号
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、改善されたユーザ・インターフェイスを有する電子装置、より具体的には、改善されたユーザ・インターフェイスを有するスマート・ウォッチを提供することである。
【0013】
前述及び他の目的は、独立請求項の主題によって達成される。更なる実施形態は、従属請求項、明細書及び図から明らかである。
【0014】
第1の態様に従って、電子装置が提供される。当該電子装置は、ユーザが当該電子装置と相互に作用することを可能にするユーザ・インターフェイスを実装するよう構成されるプロセッサを含む。当該電子装置は、前記プロセッサと結合されるディスプレイを更に含む。該ディスプレイは、前記ユーザが前記ユーザ・インターフェイスに基づいて当該電子装置と相互に作用することを可能にするよう構成される。当該電子装置は、ベゼル及び少なくとも2つのスイッチを更に含む。前記ベゼルは、当該電子装置の筐体に回転自在に取り付けられる。前記ベゼルの複数の歯は、該ベゼルの回転中に前記少なくとも2つのスイッチを順次作動させる。前記ベゼルの回転は、前記ユーザが前記ユーザ・インターフェイスに基づき当該電子装置と相互に作用することを可能にする。
【0015】
このように、電子装置は、回転可能なベゼルの歯によって順次作動されることができる少なくとも2つのスイッチのおかげで、改善されたユーザ・インターフェイスを回転可能なベゼルの形で含みながら、提供される。歯によってスイッチを順次作動させることは、歯によってスイッチを接触させること、押すこと、押圧すること、付勢すること、又は別なふうに係合させること若しくはアサートすることを含む。提案されている解決法は、少なくとも2つのスイッチが順次作動される、例えば押圧されるという事象を容易に検出することをプロセッサに可能にする。よって、プロセッサは、回転可能なベゼルの回転事象を、ユーザ・インターフェイスの設計に変えることができる。任意に、ベゼルの回転の方向(すなわち、時計回り、反時計回り)は、少なくとも2つのスイッチが、例えば押圧することによって、作動されるか又は別なふうに係合される順序/シーケンスに基づき、検出され得る。
【0016】
第1の態様に従う電子装置の第1の可能な実施形態において、当該電子装置は、前記少なくとも2つのスイッチへ結合されるマイクロプロセッサを更に含む。前記マイクロプロセッサは、前記少なくとも2つのスイッチが順次作動されることを検出するよう構成される。
【0017】
マイクロプロセッサは、別個の、低電力消費のマイクロプロセッサであってよい。別個のマイクロプロセッサを使用することによって、ベゼルの回転を検出するための低電力消費メカニズムが導入される。任意に、少なくとも2つのスイッチは、マイクロプロセッサのGPIOピンへ電気的に結合される。任意に、割り込み指向的ルーチンが、ベゼルの回転を、プロセッサに向けられた制御信号に変えて、ユーザ・インターフェイスの設計を充実させるために、マイクロプロセッサによって使用され得る。当業者であれば、マイクロプロセッサがその上プロセッサに組み込まれ得ることを容易に認識することができる。任意に、プロセッサがマルチコア・プロセッサ、又は複数のプロセッサ(例えば、アプリケーション・プロセッサ)の組み合わせである場合に、マイクロプロセッサは、いずれかのコア、又はプロセッサのうちのいずれか1つに組み込まれ得る。
【0018】
第1の態様の第1の実施形態のような、又は該第1の実施形態に従う、第1の態様に従う電子装置の第2の可能な実施形態において、当該電子装置は、前記ベゼルへ結合される少なくとも1つの双方向性のバネ手段を更に含む。
【0019】
少なくとも1つの双方向性のバネ手段(例えば、双方向性のクリックバネ)は、遊休ベゼル位置を保つための支持を提供し、一方で、ベゼルが時計回り及び反時計回りで自由に回転するのを助ける。任意に、2つ、4つ、又はそれ以上のクリックバネが、回転可能なベゼル・システムの信頼性を改善するために設けられてよい。任意に、双方向性のクリックバネは、ベゼルが回転しているときに、“クリック”音又はクリックする感覚をユーザに提供し得る。この“クリック”フィードバックによれば、ユーザの、電子装置との相互作用は、豊かにされる。
【0020】
第1の態様の先行する実施形態のうちのいずれか1つのような、又は該いずれか1つの実施形態に従う、第1の態様に従う電子装置の第3の可能な実施形態において、当該電子装置は、前記ユーザが前記ベゼルを押下することを可能にする、該ベゼルへ結合された他のバネ手段を更に含む。
【0021】
バネ手段(例えば、クリックバネ)は、ベゼルをz軸において動かすための支持を提供する(すなわち、ベゼルは押下され、そして、遊休状態に戻ることができる。)。任意に、専用スイッチが、ベゼルが押下される事象を検出するために設けられる。バネは、このようにして、ベゼルの歯が専用スイッチを押し、そして解放することを可能にすることができる。よって、ユーザの経験及びユーザ・インターフェイスの設計を豊かにするようクリック機能を設けることが可能である。代替的に、実施の第1の態様に従う少なくとも2つのスイッチは、クリック・イン/アウト検出機能を入れるために一緒に使用され得る。少なくとも2つのスイッチの同時の(又はほぼ同時の)オン及び/又はオフ切り替え(すなわち、2つのスイッチは一緒に作動される。)は、ベゼルのクリック・イン又はアウトの位置/機能を示すために使用されるシグナリング/割り込みを生成することができる。クリック機能のために使用される専用スイッチの場合に、オン及び/又はオフであるスイッチの状態は、クリック・イン/アウト機能、及び/又は位置決めクリック・イン/アウト機能(例えば、ベゼルが押下されること、ベゼルが押下されたことから戻ること、ベゼルが特定の位置で押下されること、及びベゼルが特定の位置で押下されたことから戻ること)を示すシグナリング/割り込みを生成することができる。
【0022】
第1の態様の先行する実施形態のうちのいずれか1つのような、又は該いずれか1つの実施形態に従う、第1の態様に従う電子装置の第4の可能な実施形態において、前記少なくとも2つのスイッチの夫々は、可動の上部と、下部とを含む。
【0023】
本発明の第1の態様に従う電子装置の斯様な実施形態において、前記可動の上部は、前記下部と接触するよう、ベゼルの歯によって押下され(すなわち、スイッチはオンである。)、そして、前記下部との接触を中止するか又は解放するよう、アサートされない又は付勢されない位置へ戻る(すなわち、スイッチはオフである、)ことが可能である。スイッチのオン及び/又はオフは、ベゼルの回転を示すシグナリング/割り込みを生成することができる。任意に、少なくとも2つのスイッチのほぼ同時のオン及び/又はオフ(すなわち、少なくとも2つのスイッチは一緒に作動される。)は、ベゼルのクリック・ダウン位置/機能を示すために使用されるシグナリング/割り込みを生成することができる。任意に、クリック・ダウン機能及び位置決めクリック・ダウン機能のために使用される専用スイッチの夫々が、可動の上部と、下部とを含む。クリック機能のために使用される専用スイッチの場合に、専用スイッチのオン及び/又はオフは、クリック・イン/アウト機能、及び/又は位置決めクリック・イン/アウト機能を示すシグナリング/割り込みを生成することができる。
【0024】
その第4の実施形態に従う電子装置の第5の可能な実施形態において、前記可動の上部は、前記ベゼルの歯に接するよう、当該装置のフレームにある穴を通り抜け、該穴は、密封手段(例えば、シーリング・ワッシャー、弾性ワッシャー)より満たされている。
【0025】
本発明の第1の態様に従う電子装置の斯様な実施形態において、回転ベゼル・システムの耐水性及び防塵性を改善することが可能である。密封手段は、電子装置を水及びほこりの侵入から保護することができる。密封手段はまた、可動の上部を、それがある位置に(例えば、穴に)とどまるのを助ける手段として働くことができる。
【0026】
第1の態様の先行する実施形態のうちのいずれか1つのような、又は該いずれか1つの実施形態に従う、第1の態様に従う電子装置の第6の可能な実施形態において、前記少なくとも2つのスイッチの夫々は、単極単投(SPST)スイッチである。
【0027】
本発明の実施形態においてSPSTスイッチを実装することによって、設計における簡潔さ、実装における信頼性、及び空間の最小限の要件が満たされる。SPSTスイッチのオン及び/又はオフ、あるいは、別な言い方をすれば、SPSTの状態/ステータスの変化は、ユーザ・インターフェイスの設計を充実させるために使用され得る割り込み信号を導入すると容易に認識され得る。任意に、前述の専用スイッチもSPSTスイッチであることができる。
【0028】
第1の態様の先行する実施形態のうちのいずれか1つのような、又は該いずれか1つの実施形態に従う、第1の態様に従う電子装置の第7の可能な実施形態において、前記ベゼルは、クリップ手段を介して前記筐体に回転自在に取り付けられる。
【0029】
クリップ手段は、ベゼルの回転を支持し、一方で、筐体に対するベゼルの結合を保つことができる。任意に、クリップ手段は、内側コイル、又は環状バネである。
【0030】
第1の態様の先行する実施形態のうちのいずれか1つのような、又は該いずれか1つの実施形態に従う、第1の態様に従う電子装置の第8の可能な実施形態において、前記ベゼルの複数の歯は、等間隔に置かれている/間隔をあけられている。
【0031】
等間隔に置かれた歯は、実施の簡潔さを提供する。任意に、1つ以上のベゼルの歯は、意図的に省略され得る(すなわち、架空の歯、欠けている歯を導入すること。)。言い換えれば、歯の位置は、意図的に空いたままにされる。架空の歯/欠けている歯は、ユーザ・インターフェイスの設計を充実させるよう絶対位置情報をもたらすのに役立つことができる。例えば、ベゼルが回転又は押下されるときに、特定の位置(例えば、9時)にあるスイッチは、信号/割り込みフィードバックを与えない。スイッチは、架空の歯/欠けている歯に起因して作動/押下/押圧/アサートされないと推測され得る。よって、その特定の位置(例えば、9時)の情報は、プロセッサへ伝えられる。
【0032】
第1の態様の先行する実施形態のうちのいずれか1つのような、又は該いずれか1つの実施形態に従う、第1の態様に従う電子装置の第9の実施形態において、前記ベゼルが遊休位置にある場合に、前記少なくとも2つのスイッチのうちの第1スイッチは、前記少なくとも2つのスイッチのうちの第2スイッチの最も近いベゼルの歯に対する該第2スイッチよりも、前記第1スイッチの最も近いベゼルの歯に対して近い。
【0033】
このようにして、どのスイッチが最初に作動/アサート/押下されるかを区別するために非対称性が作り出される。ベゼルが有する歯が多ければ多いほど、この非対称性を確かにすることはますます困難になる。任意に、ベゼルは、24又は30個の、等しく間隔をあけられた/置かれた歯を有する。
【0034】
第1の態様の先行する実施形態のうちのいずれか1つのような、又は該いずれか1つの実施形態に従う、第1の態様に従う電子装置の第10の可能な実施形態において、前記少なくとも2つのスイッチは、少なくとも2組の協働するスイッチを有する。
【0035】
協働するスイッチの各組は、その組の協働するスイッチが順次押圧/押下/アサートされる場合に、ベゼルの回転の事象を検出するために使用され得る。協働するスイッチの各組はまた、その組の協働するスイッチがほぼ同時に作動される(すなわち、一緒に押圧/押下/アサートされる)場合に、ベゼルのクリック・ダウンの事象を検出するために使用され得る。余分の組の協働するスイッチを設けることによって、冗長性が提供される。1つのスイッチ又はひと組のスイッチの不具合の場合に、余分の組は、回転ベゼル機構のロバスト性を確かにすることができる。
【0036】
第1の態様の先行する実施形態のうちのいずれか1つのような、又は該いずれか1つの実施形態に従う、第1の態様に従う電子装置の第11の可能な実施形態において、前記プロセッサは、前記ユーザ・インターフェイスを、前記ベゼルが回転される場合には第1構成において、前記ベゼルが遊休位置にとどまる場合には第2構成において動かすよう構成される。
【0037】
斯様な実施形態は、異なる機能を、ベゼルが回転される場合と、ベゼルが遊休位置にとどまる場合とに割り当てることによって、ユーザ・インターフェイスを充実させることを可能にする。
【0038】
第1の態様の先行する実施形態のうちのいずれか1つのような、又は該いずれか1つの実施形態に従う、第1の態様に従う電子装置の第12の可能な実施形態において、当該電子装置は、装用性の装置、特に、スマート・ウォッチ、又は制御装置である。
【0039】
発明の第2の態様に従って、電子装置が提供される。当該電子装置は、ユーザが当該電子装置と相互に作用することを可能にするユーザ・インターフェイスを実装するよう構成されるプロセッサを含む。当該電子装置は、前記プロセッサと結合されるディスプレイを更に含む。該ディスプレイは、前記ユーザが前記ユーザ・インターフェイスに基づいて当該電子装置と相互に作用することを可能にするよう構成される。当該電子装置は、ベゼルと、複数の位置に位置付けられる複数のスイッチとを更に含む。前記ベゼルは、当該電子装置の筐体に取り付けられる。前記スイッチの位置は、前記筐体に対する前記ベゼルの複数の異なる位置に対応する。前記ベゼルは、前記複数のスイッチのうちのいずれか1つを、対応するスイッチ位置で前記ベゼルが対応するスイッチ位置で押下される場合に、作動させることができる。前記ベゼルの押下は、前記ユーザが前記ユーザ・インターフェイスに基づき当該電子装置と相互に作用することを可能にする。任意に、前記ベゼルは、2つ以上のスイッチを、対応する位置で前記ベゼルが押下される場合に、同時に又はほぼ同時に作動させること(スイッチを全て一緒に作動させること)ができる。任意に、前記ベゼルは、該ベゼルが押下される場合に、全てのスイッチを同時に又はほぼ同時に作動させることができる。
【0040】
当業者であれば、発明の第1の態様の実施形態が、その適用が妥当である又はもっともである限り、発明の第2の態様にうまく適用され得ると容易に認識するだろう。
【0041】
発明の第3の態様に従って、前述の電子装置に使用されるベゼル動作を検出するために方法が提供される。当該方法は、第1スイッチが作動していることを検出することと、第2スイッチが作動していることを検出することと、前記第1スイッチが作動していること及び前記第2スイッチが作動していることの順序に従って、前記ベゼル動作の方向を決定することとを含む。
【0042】
第3の態様の変形は、前述の電子装置に使用されるベゼル動作を検出する方法に関係がある。当該方法は、第1組のスイッチが作動していることを検出することと、第2組のスイッチが作動していることを検出することと、前記第1組のスイッチが作動していること及び前記第2組のスイッチが作動していることの順序に従って、前記ベゼル動作の方向を決定することとを含む。
【0043】
発明の第4の態様は、前述の電子装置に使用されるベゼル動作を検出する方法に関係がある。当該方法は、第1スイッチが作動していることを検出することと、第2スイッチが作動していることを検出することと、前記第1スイッチが作動していることと前記第2スイッチが作動していることとの間の経過時間に従って、前記ベゼル動作の速度を決定することとを含む。
【0044】
発明の第4の態様の変形は、前述の電子装置に使用されるベゼル動作を検出する方法に関係がある。当該方法は、第1組のスイッチが作動していることを検出することと、第2組のスイッチが作動していることを検出することと、前記第1組のスイッチが作動していることと前記第2組のスイッチが作動していることとの間の経過時間に従って、前記ベゼル動作の速度を決定することとを含む。
【0045】
発明の第5の態様に従って、前述の電子装置に使用されるベゼル動作を検出するために方法が提供される。当該方法は、第1スイッチが作動していることを検出することと、第2スイッチが作動していることを検出することと、前記第1スイッチが作動していることと前記第2スイッチが作動していることとの間の経過時間が、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチがほぼ同時に作動されることを正当だと理由付けできるほど十分に短い場合に、前記ベゼルが押下されていると決定することとを含む。
【0046】
発明の第5の態様の変形は、前述の電子装置に使用されるベゼル動作を検出する方法に関係がある。当該方法は、第1組のスイッチが作動していることを検出することと、第2組のスイッチが作動していることを検出することと、前記第1組のスイッチが作動していることと前記第2組のスイッチが作動していることとの間の経過時間が、前記第1組のスイッチ及び前記第2組のスイッチがほぼ同時に作動されることを正当だと理由付けできるほど十分に短い場合に、前記ベゼルが押下されていると決定することとを含む。
【0047】
発明の第3、第4、及び第5の態様に従う方法は、発明の第1及び第2の態様に従う電子装置によって実行され得る。発明の第3、第4、及び第5の態様に従う方法の更なる特徴は、発明の第1の態様及び上記のその種々の実施形態に従う電子装置の機能性から直接生じる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本発明の更なる実施形態は、次の図に関して記載され得る。
図1a】実施形態に従って、スマート・ウォッチの形をした電子装置の略上面図を示す。
図1b】実施形態に従って、スマート・ウォッチの形をした電子装置の略断面図を示す。
図1c】本開示の中で言及されるスイッチの作用メカニズムを説明する。
図1d】古典的なベゼル部品の例を示す。
図2】本発明を用いる典型的な電子装置の主たる電気コンポーネントを明らかにする。
図3a】ベゼル実装を示すことなしに、図1aに従う電子装置のユーザ・インターフェイスのコンポーネントの略ブロック図を示す。
図3b】回転可能なベゼル実装が示された状態で、図1aに従う電子装置のユーザ・インターフェイスのコンポーネントの略ブロック図を示す。
図4】本発明を用いる2つのスイッチの相対位置の例を示す。
図5a】本発明を用いるベゼル回転の実施形態を説明する。
図5b】本発明を用いるベゼル回転の実施形態を説明する。
図5c】本発明を用いるベゼル回転の実施形態を説明する。
図5d】本発明を用いるベゼル回転の実施形態を説明する。
図5e】本発明を用いるベゼル回転の実施形態を説明する。
図6】ベゼル回転の速度を推定する実施形態を説明する。
図7a】本発明を用いるクリック機能の実施形態を説明する。
図7b】本発明を用いるクリック機能の実施形態を説明する。
図7c】本発明を用いるクリック機能の実施形態を説明する。
図7d】本発明を用いるクリック機能の実施形態を説明する。
図8】実施形態に従って、スマート・ウォッチの形をした電子装置の略上面図を示す。
図9a】本発明を用いる位置決めクリック機能の実施形態を説明する。
図9b】本発明を用いる位置決めクリック機能の実施形態を説明する。
図9c】本発明を用いる位置決めクリック機能の実施形態を説明する。
図9d】本発明を用いる位置決めクリック機能の実施形態を説明する。
図9e】本発明を用いる位置決めクリック機能の実施形態を説明する。
図9f】本発明を用いる位置決めクリック機能の実施形態を説明する。
図9g】本発明を用いる位置決めクリック機能の実施形態を説明する。
図9h】本発明を用いる位置決めクリック機能の実施形態を説明する。
図9i】本発明を用いる位置決めクリック機能の実施形態を説明する。
図10a】本発明を用いる位置決め回転機能の実施形態を説明する。
図10b】本発明を用いる位置決め回転機能の実施形態を説明する。
図11a】本発明を用いる回転可能なベゼルの機能に関連したアルゴリズムの実施形態を説明する。
図11b】本発明を用いる回転可能なベゼルの機能に関連したアルゴリズムの実施形態を説明する。
図11c】本発明を用いる回転可能なベゼルの機能に関連したアルゴリズムの実施形態を説明する。
図11d】本発明を用いる回転可能なベゼルの機能に関連したアルゴリズムの実施形態を説明する。
図11e】本発明を用いる回転可能なベゼルの機能に関連したアルゴリズムの実施形態を説明する。
図11f】本発明を用いる回転可能なベゼルの機能に関連したアルゴリズムの実施形態を説明する。
【0049】
図において、同じ参照符号は、同じか又は少なくとも機能的に同等の特徴のために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明の、回転ベゼルに基づいたメカニズムは、複雑なプログラム・アプリケーションをその中で実行する小型のコンピュータ装置を制御するとともに、アプリケーションにおいてデータを操作及び入力するために用いられ得ると考えられている。斯様な小型のコンピュータ装置は、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDAs)、装用性の電子装置(例えば、スマート・ウォッチ、スマート・グラス)、携帯電話機、及び同様のものを含む。
【0051】
以下の詳細な説明では、添付の図面が参照される。添付の図面は、本開示の一部をなし、その中では、実例として、本発明が実施され得る具体的な態様が示される。他の態様が利用されてよく、構造的又は論理的な変更が、本発明の適用範囲から逸脱することなしに行われてよいことが理解される。以下の詳細な説明は、従って、本発明の適用範囲が添付の特許請求の範囲によって定義されるということで、限定する意味で受け取られるべきではない。
【0052】
例えば、開示は、記載される方法に関連して、当該方法を実行するよう構成された対応する装置又はシステムについても当てはまり、逆の場合も同じであってよい。例えば、具体的な方法ステップが記載される場合に、対応する装置は、記載されている方法ステップを実行するユニットを、たとえ斯様なユニットが明示的に記載又は図示されていないとしても、含み得る。更には、ここで記載される様々な例となる態様の特徴は、特段別なふうに言及されない限りは、お互いと組み合わされ得ることが理解される。
【0053】
図1a及び1bは、電子装置102の上面図及び断面図を示す。図及び以下の詳細な説明において、電子装置は、スマート・ウォッチの形で実装され得る。当業者であれば、しかしながら、本発明は他の電子装置の形でも、例えば、スマート・ホーム・コントロール装置又は他のタイプの装用性の電子装置の形で、有利に実装され得ると容易に認識するだろう。
【0054】
電子装置102(例えば、スマート・ウォッチ)は、ユーザがスマート・ウォッチ102と相互に作用することを可能にするユーザ・インターフェイスを操作するよう構成されるプロセッサ(例えば、図3a〜3bに示される1つ以上のアプリケーション・プロセッサ202)を有する。実施形態において、プロセッサは、スマート・ウォッチの筐体又はフレームの中に組み込まれ得る。
【0055】
スマート・ウォッチ102は、装置の様々なコンポーネントを含む装置筐体104を含む。装置筐体104は、望ましくは、金属合金又は硬質プラスチックのような、携帯型装置に付随した粗めの取り扱いに耐えることができる耐久性材料から作られる。ストラップ/バンド106は、スマート・ウォッチ102をユーザの近くにとどめるよう筐体104と結合されている。ストラップ106は、金属、プラスチック、皮、又は他の適切な材料から作られてよい。
【0056】
スマート・ウォッチ102は、装置筐体104に取り付けられた1つ以上の入力ボタン108を含んでよい。入力ボタン108は、ユーザ・インタラクションへ応答するスマート・ウォッチ102への起動信号を供給することができる。例えば、入力ボタン108は、スマート・ウォッチ102の電源をオン及びオフし、装置バックライト(図示せず。)をオン及びオフし、動作のモードを変更し、又はタイマをスタート及びストップするために使用されてよい。このように、入力ボタン108は、装置の種々の動作段階の間に種々のタスクを選択することによってスマート・ウォッチ102を制御することをユーザに可能にする。様々なタイプの入力要素が、制限なしに、プル/プッシュ・ボタン・スイッチ、ロッカー・スイッチ、及びタッチ検知要素を含め、本発明によって用いられてよい。
【0057】
スマート・ウォッチ102は、スピーカ(図示せず。)及びマイクロホン(図示せず。)を更に含んでよい。スピーカは、録音されている音楽を再生し、聴覚警報を供給し、且つ他の音響出力(例えば、通話中のハンズフリー通話)を生成するために使用され得る。マイクロホンは、録音のために音響を検出し、音声コマンドを拾い、且つ電話通信を実行するために使用され得る。
【0058】
追加のハードウェアは、コネクタ114を通じてスマート・ウォッチ102へ結合されてよい。斯様な周辺ハードウェアには、デジタル・カメラ、大容量記憶装置、ネットワーク・アダプタ、プリンタ、及びスキャナが含まれ得る。スマート・ウォッチ102と周辺ハードウェアとの間のデータ転送は、シリアル又はパラレル・データ転送プロトコルを通じて行われ得る。スマート・ウォッチを充電することも、コネクタ114(例えば、USBポート又はワイヤレス充電ポート)の助けを借りて正常に機能し得る。例えば、スマート・ウォッチ102は、USBポート又はワイヤレス充電ポートを介して充電され得る。
【0059】
加えて、通信ポート(図示せず。)が、他の電子装置とのワイヤレス通信を行うために使用されてよい。様々な通信プロトコルが、制限なしに、ハイパー・テキスト転送プロトコル(HTTP)、ポスト・オフィス・プロトコル(POP)、時分割多重アクセス(TDMA)、符号分割多重アクセス(CDMA)、ワイヤレス・アプリケーション・プロトコル(WAP)、3GPP通信テクノロジ(例えば、GSM、WCDMA、LTE、LTE−A、5G)、WiFi(ワイヤレス高速インターネット及びネットワーク通信を提供するために無線波を使用する人気のあるワイヤレス・ネットワーキング・テクノロジの名称;Wi−Fiは、IEEE802.11xを意味する商標登録された語句である。)及びブルートゥース(短距離にわたってデータを交換するためのワイヤレス・テクノロジ標準であって、Bluetooth Special Interest Groupによって管理される。)を含め、通信ポートによってサポートされてよい。Bluetooth(登録商標)は、Telefonaktiebolaget LM Ericssonによって所有されている商標である。先に挙げられているプロトコルは、単に例として与えられている点が留意されるべきである。当業者によって知られている多くの他のプロトコルがスマート・ウォッチ102によってサポートされ得ると考えられている。本発明の一実施形態において、スマート・ウォッチ102は、Bluetooth WAPのような、ワイヤレス・ピコネットの部分である。
【0060】
スマート・ウォッチ102上の表示スクリーン118は、情報をユーザに表示するために使用される。表示スクリーン118は、望ましくは、液晶ディスプレイ(LCD)のような、低電力高解像度ディスプレイであり、モノクロ、グレースケール、又はカラー・ディスプレイであってよい。更には、表示スクリーン118は、タッチ検知式であってよく、それによって、表示スクリーン118がユーザによって接触される場合に、起動信号をスマート・ウォッチ102へ供給する。人間の指、スタイラス(図示せず。)又は他の指示装置が、ディスプレイの小さい領域をアクティブにするよう、タッチ検知式表示スクリーン118とともに使用され得る。当業者であれば、表示スクリーン118が円形、正方形、長方形、又は何らかの他の形状であることができると容易に認識するだろう。
【0061】
代替的に、スマート・ウォッチ102は、プロセッサと通信するディスプレイ118及びタッチ・パネルを有してよい。ディスプレイ118及びタッチ・パネルは、ユーザがタッチ・パネルにタッチすることによってスマート・ウォッチ102と相互に作用することを可能にするよう構成されたタッチ検知式ディスプレイを提供するよう実装される。実施形態において、オペレーティング・システムは、スマート・ウォッチ102のプロセッサ上で実装され得、ディスプレイ118上でグラフィカル・ユーザ・インターフェイスを供給することができる。実施形態において、タッチ・パネルは、容量性タッチ・パネルであることができる。実施形態において、タッチ・パネルは、抵抗性タッチ・パネルであることができる。
【0062】
本発明の実施形態に従って、表示スクリーン118を取り囲んでいるベゼル120は、スマート・ウォッチ102のためのユーザ・インターフェイスを提供する。以下で詳細に記載されるように、ベゼル120は、1つ以上の軸において表示スクリーン118に対して可動である。例えば、ベゼル120は、時計回り、反時計回りで回転され、且つ、図1に対して垂直にスライドされ得る。ベゼル動作は、今度は、スマート・ウォッチ102を制御し且つデータを入力するためのユーザ入力に変換される。
【0063】
実施形態において、ベゼル120は、スマート・ウォッチ102の筐体又はフレーム上に回転自在に取り付けられている。図1aに示されるように、ベゼル120は、環状又はリング状の形状を有することができ、円周方向において回転可能であることができる。実施形態において、ベゼル120は、スマート・ウォッチ102の筐体へ(例えば、内側バネ、又は環状リングを介して)クリップ留めされることによって、筐体に回転自在に取り付けられ得る。実施形態において、ベゼル120は、古典的なベゼルであることができる。古典的なベゼル部品の例について、例えば図1dを参照されたい。典型的な回転ベゼルの更なる詳細は、特許ファイル、例えば、欧州特許第0436468(B1)号、欧州特許第0216101(B1)号を参照することができる。それらの特許ファイルの全てが参照により本願に援用される。ベゼルは、望ましくは等間隔に置かれた/間隔をあけられた複数のベゼル歯120a(30個の歯)を有する。代替的に、1つ以上のベゼル歯は、ユーザ・インターフェイスの設計を充実させるよう意図的に省略され得る。例えば、1つ以上のベゼル歯の位置は、図10a〜10bに示される位置決め回転機能をサポートするよう空いたままにされ得る(すなわち、ベゼル歯を有さない。)。
【0064】
スマート・ウォッチ102は、回転ベゼル120へ結合された少なくとも1つの双方向性のクリックバネ105を更に有する。双方向性のバネ105(例えば、図1dに示されるクリックバネ)は、ベゼル120の時計回り及び反時計回りの回転を可能にする。クリックバネ105はまた、遊休/戻り止めベゼル位置を維持する。回転ベゼル120の遊休位置の信頼性を保証するよう、少なくとも1つの双方向性のクリックバネが設けられる。望ましくは、2つ、4つ、又はそれ以上のクリックバネ(例えば、図1aに示される追加のバネ105a)が実装されてよい。
【0065】
スマート・ウォッチ102は、回転ベゼルの動き、すなわち、時計回り/右スイッチ(CW)101及び反時計回り/左スイッチ(CCW)103を検知するよう少なくとも2つのスイッチ/ボタンスイッチを更に有する。それらのスイッチは、回転ベゼル120の回転を検知するようベゼル歯120aと協働する。それらは、ベゼルの動作ステップの間に順次に作動され、例えば、押下/押圧/アサートされるか又は別なふうに係合され、解放/アサート解除され得、一方で、クリックバネ105は、ベゼル120をその遊休状態に留めるのを助ける。例えば、右スイッチ101の後に順に左スイッチ103が続くことは、時計回りの(すなわち、右方向への)ベゼル動作を意味することができ、左スイッチ103の後に順に右スイッチ101が続くことは、反時計回りの(すなわち、左方向への)ベゼル動作を意味することができる。スイッチの位置又は数は制限されない。図1aにおいて、2つのスイッチは、例として、おおよそ10時及び8時の位置に夫々ある。スイッチが置かれ得る複数の異なる位置は、スマート・ウォッチの筐体104に対するベゼル120の複数の異なる位置を定義するか、又はそれらの位置に対応する。当業者であれば、実施次第で、ロバスト性及び信頼性の考察として、以下の変形又は同様のもの、すなわち、1時、11時に夫々位置付けられた2つのスイッチ、2時、4時に夫々位置付けられた2つのスイッチ、5時、6時に夫々位置付けられた2つのスイッチ、12時、3時、6時、9時に夫々位置付けられた4つのスイッチ、が実装され得ると容易に認識するだろう。2つよりも多いスイッチの場合に、システム設計の複雑さは増し、一方で、ロバスト性及び信頼性は、1つ以上のスイッチの不具合が回転ベゼル機能を劣化させ得ないことを考慮すれば、改善される。
【0066】
スイッチの分野において、次の定義が通常は認識されている:
● 極:スイッチ接点セットの数。
● 投:導通ポジションの数,単又は双。
● 路:導通ポジションの数,3以上。
● 瞬時(ノンラッチ):スイッチは、解放される場合に、その通常のポジションに戻る。
● 開放:オフ位置,接点は導通していない。
● 閉成:オン位置,接点は導通している,いくつかのオン位置が存在してよい。
【0067】
望ましくは、本発明の実施形態で使用されるスイッチ(例えば、CW101、CCW103)は、単極単投(SPST)スイッチである。SPSTスイッチは、単純なオン−オフ・スイッチである。スイッチ及び1つのオン位置を通る1つの回路が存在する。それは、通常は、回路の単極のための電流を中断するために使用される。本発明の実施形態においてSPSTスイッチを実装することによって、設計における簡潔さ、実装における信頼性、及び空間の最小限の要件が満たされる。SPSTスイッチのオン及び/又はオフの状態(オン/オフ状態)、あるいは、別な言い方をすれば、SPSTの状態/ステータスの変化は、ユーザ・インターフェイスの設計を充実させるために使用され得る割り込み信号を導入すると容易に認識され得る。
【0068】
図1bに示されるように、夫々のスイッチは、上部103a及び下部103bを含む。上部103aは移動可能/可動であり、よって、下部103bと接するためにベゼル歯120aによって作動、例えば、押圧/押下され得る。下部103bは、マイクロコントローラ130(例えば、スマート・ウォッチ102のCPU/APに組み込まれ得る低電力消費マイクロプロセッサ)へ電気的に結合されている。望ましくは、下部103bは、マイクロコントローラ130の専用のGPIOへ接続されている。汎用入出力(GPIO)は、挙動が、それが入力又は出力ピンであるかどうかを含め、実行時にユーザによって制御され得る集積回路上の一般的なピンである。GPIOピンは、定義された特別な目的を有さず、デフォルトでは使用できないことがある。GPIOに対するアサーションは、関連するコールバック中断ルーチンをトリガすることができる。例えば、上部103aがベゼル歯120aによって押し下げられる場合に、信号(例えば、割り込み信号)がマイクロコントローラ130へ送られる。2つのスイッチがベゼル120の回転中に順次押し下げられる場合に、スイッチが押し下げられるシーケンスはマイクロコントローラ130によって検出可能である。当業者であれば、ベゼル歯120aが離れた後に上部103aが解放される場合に、信号(例えば、割り込み信号)がやはりマイクロコントローラ130へ送られ得ると容易に認識するだろう。代替的に、当業者であれば、上部103aがベゼル歯120aによって押し下げられ、次いで、ベゼル歯120aが離れた後に解放される場合に、信号(例えば、割り込み信号)がマイクロコントローラ130へ送られてよいと容易に認識するだろう。要約すると、当業者であれば、次のイベント、すなわち、1つのスイッチについてのオン及び/又はオフの事象、2つのスイッチについてのオン及び/又はオフの事象の組み合わせ(例えば、第1スイッチのオン及び第2スイッチのもう1つのオン、第1スイッチのオン−オフ及び第2スイッチのもう1つのオン−オフ)、2つよりも多いスイッチのオン及び/又はオフの事象の組み合わせ、が検出可能であると容易に認識するだろう。
【0069】
割り込み指向的ルーチンは、ベゼル120の回転を制御信号(例えば、割り込み信号)に変えて、スマート・ウォッチ102のユーザ・インターフェイスを充実させるために、マイクロコントローラ130によって使用されてよい。割り込み指向的ルーチンは、遊休フェーズの間にマイクロプロセッサ130をできる限り休止させ、その結果電力をセーブするという利点を有する。スリープモードにあるマイクロプロセッサでは、電力消費に対する影響が大きく(例えば、<1μA)、一方、シーケンスを検出するための必要とされる電力は低いままであり(ごく少量且つ簡単な指令が必要とされ得る。)、無視できると見なされ得る(例えば、50μsの間に1mA)。処理及びステップ事象待ちのためのトータルの所要電力は、その場合に極めて低い。更には、マイクロプロセッサの起動時間はユーザにとってトランスペアレントであることができるほど十分に短い(例えば、<10μs)ということで、レイテンシーは影響を与えられない。
【0070】
スマート・ウォッチ102は、スイッチ101/103の夫々へ結合されたシール128(すなわち、密封手段)を更に有してよい。シール128は、ウォッチ・フレーム壁126の穴に位置しており、穴を通してスイッチの可動部103aは下部103bと接することができる。耐水性及び防塵性は、スイッチにおけるそれらのシールのおかげで容易に保証され得る。これは、スマート・ウォッチ・システムがスマート・ウォッチへの埃及び水の侵入を回避することを可能にする。
【0071】
特に、ベゼル120は、表示スクリーン118内でカーソルを方向付けるために使用され得る。斯様なカーソルの例、例えば、指示カーソル、強調表示された選択カーソル、スクロール・バー・カーソル、テキスト選択カーソル、は米国特許第7506269号を参照することができる。この特許文献は、これをもって、その全文を参照により援用される。
【0072】
ベゼル120はまた、アプリケーション内で、例えば、ピクチャ・ビューアーにおいて、ズーム・イン/アウト動作を制御するために使用されてよい。例えば、ベゼル120は、表示スクリーン118上でピクチャをズーム・イン/アウトするよう時計回り/反時計回りで回転されてよい。
【0073】
ベゼル120はまた、複数のアプリケーション180の間で選択を移すために使用されてよい。例えば、ベゼル120は、表示スクリーン118上でアプリケーション180aからアプリケーション180bへ選択を移すよう時計回り/反時計回りで回転されてよい。
【0074】
ベゼル動作の組み合わせ、又はジェスチャは、スマート・ウォッチ102と相互に作用するために使用され得ると考えられている。例えば、ベゼル120を下に軽く押し(例えば、図7a〜dに表されているクリック機能)、次いでベゼル120を回転させることは、スクリーン118を垂直にスクロールさせ得る。同様にして、ベゼル・ジェスチャは、英数字入力を入力するために使用されてよい。
【0075】
タッチ検知式表示スクリーン118で検出されるジェスチャ及びベゼル動作の組み合わせは、スマート・ウォッチ102と相互に作用するために使用され得ると考えられている。
【0076】
本発明は、小型のコンピュータ装置とインターフェイスで接続するための比較的に大きいベゼル面をユーザに提供する。従って、ベゼル・インターフェイスは、小型のコンピュータ装置のための従来のインターフェイスよりも操縦及び操作することが概して容易である。その上、ベゼルは、装置表面の大部分が表示スクリーンで情報を表示するために利用可能なままであるように、有利なことに、装置の周囲に沿って位置付けられる。このようにして、本発明のベゼル・インターフェイスは、最小限の表示スクリーン空間しか犠牲にせずに、比較的に大きいユーザ入力面を供給する。
【0077】
本発明の実施形態において、ベゼル120は、ユーザがベゼル120をつかむのを助けるリッジ(図示せず。)を含む。ベゼル表面上の突出及び凹部のような、他のタイプの表面処理も考えられている。ベゼル120はまた、更には指が滑ることを防ぐようゴム表面を含んでよい。当業者であれば、ベゼル120に置かれた他の高摩擦材が本発明の適用範囲内と見なされると認識するだろう。
【0078】
本発明の他の実施形態において、ユーザは、2015年10月1日付けで出願されたPCT/EP2015/072757に従って、ベゼル120を回転させるようベゼルに沿って指をスライドし得る。なお、この特許出願は、本開示の同じ発明者から起こり、これをもってその全文を参照により援用される。
【0079】
図1cは、本開示の中で言及されるスイッチの作用メカニズムを説明する。スイッチ(例えば、スイッチ101/103)は、通常は開いている。この場合に、入力部として構成されたマイクロプロセッサ(すなわち、130)のGPIOポートは、プルアップ抵抗のおかげで高位を見込む。ベゼル120が回転する場合に、歯がスイッチと協働する。具体的に、歯はスイッチの上部(すなわち、機械部品103a)を押し、上部は結果としてスイッチの下部(すなわち、電子部品103b)と接して、スイッチを閉じる。スイッチ(例えば、スイッチ101/103)は閉じられ、GPIOポートを接地へ短絡させる。GPIOポートはこのとき低位入力を見込む。ベゼルがその回転を続けるにつれて、歯は上部を解放し、結果として、下部は開放状態に戻り、GPIOポートも高位入力に戻る。高/低/高位シーケンス又はそれのいずれかの部分(高から低若しくは低から高)は、割り込み/インジケーション信号をトリガするために使用され得る。専用の割り込みルーチンがGPIOポートに付属しており、動き検出アルゴリム(後述される。)において使用され得る。追加のキャパシタが、信号を安定させ且つ不要なグリッチ効果にフィルタをかけるよう加えられてよい。当業者であれば、図1cが単に、本開示の中で言及されているスイッチの作用メカニズムを例示するために使用され、他の変形例が可能であると容易に認識するだろう。例えば、GPIOポートは、スイッチが開いているときに低位入力を、スイッチが閉じられているときに高位入力を見込む。
【0080】
図2は、本発明を用いる小型の電子装置201(例えば、図1a〜1bに表されている電子装置102)の主な電気部品を説明する。小型の電子装置201は、計算、論理、及び制御動作を実行することに主として関与する1つ以上の中央演算処理装置(CPU)202(例えば、1つ以上のアプリケーション・プロセッサ)を含む。CPU202は、浮動小数点演算ユニット(FPU)及び/又はコプロセッサ(図示せず。)を含んでよい。加えて、CPU202は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他の状態機械回路であってよい。
【0081】
データ及びプログラム・コードの記憶のためのメモリ・ユニット204が、システム・バス205を通じてCPU202と結合されている。メモリ・ユニット204は、メモリ・キャッシュ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ビデオRAM(VRAM)、及びリード・オンリー・メモリ(ROM)を含んでよい。その上、メモリ・ユニット204は、磁気及び光学メモリ媒体のような、大容量記憶媒体を包含してよい。
【0082】
CPU202はまた、システム・バス205を通じて入出力(I/O)ポート206と通信する。I/Oポート206は、CPU202が外部環境との間でデータを送受信することを可能にする。よって、表示スクリーン118、入力ボタン108、及びベゼル120のような、電子装置201の様々な入力及び出力コンポーネントは、ユーザとの間でデータを送受信するよう夫々I/Oポート206へ結合されている。CPU202は、メモリ・マップドI/O空間として、又は別々にマッピングされたI/O空間として、I/Oポート206にアクセスしてよい。その上、I/Oポート206は、割り込み駆動型CPUアクセスをサポートするよう構成されてよい。
【0083】
本発明の実施形態に従って、I/Oポート206はまた、インターネット/ワイヤレス通信ネットワークのようなネットワーク212へ結合されている。望ましくは、ネットワーク212上の通信は、電子装置201とネットワーク・サーバ(図示せず。)との間のワイヤレス接続を介して達成される。例えば、電子装置201は、ネットワーク212にわたってデータを交換するために伝送制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)を使用してよい。
【0084】
図3a〜3bは、図1aに従う電子装置102(例えば、スマート・ウォッチ)のユーザ・インターフェイスのコンポーネントの略ブロック図を示す。具体的に、図3aは、ベゼル実装を示さずに、電子装置102の略ブロック図を示す。図3bは、回転可能なベゼル実装が示された状態で、電子装置102の略ブロック図を示す。
【0085】
電子装置102(例えば、スマート・ウォッチ)は、ディスプレイ118、タッチ・パネル306、タッチ・パネル・コントローラ306a及びプロセッサ202を含む。ディスプレイ118、タッチ・パネル306、及びタッチ・パネル・コントローラ306aは1つのディスプレイに一体化されてよい。プロセッサ202はユーザ・インターフェイス・エンジン202aを含む。ユーザは、例えば、タッチ・パネル306をタッチすることによって、ボタン108を押すことによって、マイクロホン112を用いて、加速度センサ及び/又はジャイロスコープ314を用いて、図1aに示されているスマート・ウォッチ102と相互に作用することができる。スマート・ウォッチ102は、バイブレータ316及びRFインターフェイス318を更に有してよい。
【0086】
図3bは、ユーザが実施形態に従うスマート・ウォッチ102と如何にして、すなわち、ベゼル120を回転すること、押すこと及び/又はタッチすることによって、及び/又はタッチ・パネル306をタッチすることによって、相互に作用することができるかを概略的に示す。
【0087】
図4は、回転ベゼル・システムが遊休位置にある場合に、ベゼル歯に対する2つのスイッチの位置の例を示す。相対位置は、ベゼル120が(時計回り又は反時計回りで)ステップ回転しているときに正確なシーケンスを保証する。L1及びL2は、夫々のスイッチの、その右側(中心から見た。)にある最も近い歯に対する位置に従って、且つ、ベゼル歯が等間隔で置かれていると仮定して、定義され得る。L1>L2の場合には、“左/反時計回り”スイッチがL1と関連するものであり、L1<L2の場合には、右/時計回りスイッチがL1と関連するものである。次の3つのパラメータ、すなわち、2つのベゼル歯の間の距離X、L1、及びL2は、本開示の様々な実施形態で説明される回転ベゼル・システムの適切な動作を確かにするよう注意深く設計される必要がある。L1=L2の場合には、ベゼル回転に基づいたシステムは、ベゼルが回転しているときにスイッチが同時にアサートされるので、正常に機能することができない。どのスイッチが最初にアサート/押下されるかを区別するために非対称性、すなわち、L1!=L2を作り出すことが好ましい。L1がL2と相違するや否や、システムは正常に機能する。すなわち、2つのスイッチは、ベゼルが回転するときに順次押される。実施の問題として、L1及びL2は、機械公差をサポートするよう選択される。Xが小さければ小さいほど(すなわち、ベゼル歯の数が多ければ多いほど)、L1をL2と区別することはますます困難である。好ましい実施では、24又は30個の歯が選択される。
【0088】
図5a〜5eは、ベゼル回転の実施形態(例えば、1ステップの時計回り)を示す。それらの図は、少なくとも2つのスイッチがベゼル回転中に順次に押下/押圧/アサートされる特性を(制限なしに)説明するために使用される。
【0089】
図5aは、クリックバネ105のおかげで相対的な遊休/戻り止め状態にある回転ベゼル・システムを説明する。三角形502は、初期位置を表すために使用され、続くステップ動作の間のベゼル歯の進行を示すことができる。この遊休位置において、左スイッチ103及び右スイッチ101は両方ともが解放されたままである(すなわち、押下されていない/アサートされていない。)。ベゼル120は、クリックバネ105(又は図示されていない更なるクリックバネ)によってとどめおかれている。図4によって説明されている右及び左スイッチ特性に従って、右スイッチは、図5aの時点で、ベゼル歯(2)に対する左スイッチと比べてベゼル歯(1)により近い。
【0090】
図5bは、時計回りに回転するベゼル(例えば、右へ1ステップ)を図解する。歯(1)は、右スイッチ101を押し下げる。図5bに示されるように、右スイッチ101の可動部は、右スイッチの下部と接触するよう押し下げられている。左スイッチ103は押されない。
【0091】
図5cは、時計回りに回転し続けるベゼル(例えば、右へ1ステップ)を図解する。右スイッチ101は解放される。図5cに示されるように、右スイッチの可動部は、右スイッチの下部との接触を離す/解放するよう、解放されている。左スイッチ103は押されない。
【0092】
図5dは、時計回りに回転し続けるベゼル(例えば、右へ1ステップ)を図解する。歯(2)は、左スイッチ103を押し下げる。図5dに示されるように、左スイッチの可動部は、左スイッチの下部と接触するよう押し下げられている。右スイッチ101は押されない。
【0093】
図5eは、時計回りに回転し続けるベゼル(例えば、右へ1ステップ)を図解する。左スイッチ103は解放される。図5eに示されるように、左スイッチの可動部は、左スイッチの下部との接触を離す/解放するよう、解放されている。右スイッチ101は押されない。ベゼル120は、その1ステップ時計回り回転を終了し、遊休位置に戻る(すなわち、両方のスイッチが押されない。)。
【0094】
図5a〜5eは、CW/Rスイッチ101が最初に押され、次いでCCW/Lスイッチ103が押される事象を発生させるよう1ステップ時計回りで動くベゼルを図解する。この事象、すなわち、少なくとも2つのスイッチが順次押されるシーケンスは、極めて小さな/低電力のマイクロプロセッサ/マイクロコントローラ130により容易に検出され得る。夫々のスイッチは、マイクロプロセッサ130の専用のGPIOへ接続される。GPIOに対するアサーションは、関連するコールバック中断ルーチンをトリガすることができる。上述されたように、割り込み指向的ルーチンは、ベゼル120の回転を事象/制御信号に変えて、スマート・ウォッチ102のインターフェイスを充実させるために、マイクロコントローラ130によって使用され得る。割り込み指向的ルーチンは、遊休フェーズの間にマイクロプロセッサをできる限り休止させ、その結果電力をセーブするという利点を有する。
【0095】
図6は、ベゼル回転の速度を推定する実施形態を説明する。様々な実施形態で詳細に説明されてきた、ベゼル回転事象を検知すること、ベゼル回転方向(すなわち、時計回り、反時計回り)を検知すること、及び装用性の電子装置(例えば、スマート・ウォッチ)の筐体に対するベゼルの位置を検知することに加えて、回転するベゼルの回転速度も推定/検出され得る。回転速度は、ステップ事象に時間スタンプを付し、前のものからの経過時間を計測することによって、推定され得る。例えば、スイッチの第1対が押されること(最初の事象)と、スイッチの第2対が押されること(次の事象)との間の経過時間は、高速なベゼル回転の事象を正当化することができるほど十分に短い。スイッチの第1対が押されること(最初の事象)と、スイッチの第2対が押されること(次の事象)との間の経過時間は、低速なベゼル回転の事象を正当化することができるほど十分に長い。当業者であれば、他の方法、例えば、事象の頻度を計測することによって回転速度を推定すること、が当然に本発明の変形の中にあると容易に認識するだろう。例えば、図6に表されるように、所与の期間に、5つの[RL]の連続が検出/推定される場合には、ベゼル120の高速な時計回りの動きが決定され得、2つの[LR]の連続が検出される場合には、ベゼル120の低速な反時計回りの動きが決定され得る。当業者であれば、2つのスイッチが順次押されることの間の経過時間を計測することによって、ベゼル回転の速度の推定が可能であると容易に認識するだろう。例えば、第1スイッチが押されることと、第2スイッチが押されることとの間の経過時間は、高速なベゼル回転の事象を正当化することができるほど十分に短い。第1スイッチが押されることと、第2スイッチが押されることとの間の経過時間は、低速なベゼル回転の事象を正当化することができるほど十分に長い。
【0096】
当業者であれば、ベゼル回転の速度が、電子装置(例えば、前述のスマート・ウォッチ、又は何らかの他の装用性の電子装置)のユーザ・インターフェイス設計によって利用され得る優れた情報をもたらすことができると容易に認識するだろう。例えば、アルファベット順/メニューリスト内のナビゲーションは、高速回転により文字/項目から文字/項目へと、低速回転により1つの項目から次又は前の項目へとジャンプしながら、容易にされ得る。ピクチャをズーム・イン/アウトすることは、ベゼル回転の速度に応じた速度により容易にされ得る。
【0097】
図7a〜7dは、回転ベゼル機構と組み合わされ得るクリック機能の実施形態を説明する。様々な実施形態で詳細に説明されてきた、ベゼル回転事象を検知すること、ベゼル回転方向(すなわち、時計回り、反時計回り)を検知すること、ベゼル回転の速度を検知することに加えて、クリック機能が、電子装置(例えば、前述のスマート・ウォッチ、又は何らかの他の装用性の電子装置)のユーザ・インターフェイスの設計及びユーザの経験を豊かにするよう更に付加され得る。
【0098】
この機能をサポートするよう、ベゼル120は、z軸における、すなわち、ディスプレイの表面(例えば、スマート・ウォッチのディスプレイ表面)に実質的に垂直な、可能な動きを提供することができる。z軸における遊休位置は、1つ以上のクリックバネによって保持される。クリックバネは弾性であり、ユーザがベゼルをより低いz位置で押すこと(zクリック)を可能にする。1つ以上のクリックバネが、ベゼル歯と協働するよう配置される。特に、1つ以上のスイッチが、より低いz位置でトリガされ、そして、ユーザのクリックは、その場合に、マイクロコントローラ/マイクロプロセッサ130のおかげで検出され得る。
【0099】
クリック・スイッチは、図7a〜7bで表されるように、専用スイッチ702であってよい。ベゼル120がより低いz位置の方へ押圧/押下される場合に、クリック・スイッチ702は、事象をマイクロプロセッサ130へ信号により伝えるよう押圧/押下される。ベゼル120がその遊休位置に戻る場合に、クリック・スイッチ702は、他の事象をマイクロプロセッサ130へ信号により伝えるよう解放される。代替的に、ベゼル120がより低いz位置の方へ押される場合に、クリック・スイッチ702の可動部は、クリック・スイッチ702の下部と接し、次いで、ベゼル120は、弾性のクリックバネのおかげで遊休位置に戻り、クリック・スイッチ702の可動部は、クリック・スイッチ702の下部から離れる。斯様なクリック・イン及びアウト事象は、マイクロプロセッサ130によって検出/推定される。それらの実施形態では、コードの限られた列しか、マイクロプロセッサがクリック・イン、クリック・アウト、並びにクリック・イン及びアウト事象を検出するために必要とされない。当業者であれば、斯様なクリック機能も、電力消費を保つよう割り込みルーチンにより符号化され得ると容易に認識するだろう。
【0100】
更に、他の実施形態では、“既存の”CCW/Lスイッチ103及びCW/Rスイッチ101がクリック機能をサポートするために再利用されてよい。既存のスイッチを再利用することは、クリック機能アプローチのための専用スイッチ機構と比べて、機械的な影響を最小限にすることができる。図7c〜7dで表されるように、両方のスイッチ101/103が作動され、すなわち、押下/アサートされる。ベゼル120が遊休位置に戻る場合(例えば、外力が取り除かれる/中止される場合)に、両方のスイッチ101/103が解放され、すなわち、非作動に/アサート解除される。ベゼル120がより低いz位置の方へ押圧/押下される場合に、ベゼルは、“既存の”CCW/Lスイッチ103及びCW/Rスイッチ101をほぼ同時に作動させる、すなわち、押す(すなわち、101及び103は一緒に作動される/押される。)よう、わずかに回転される。2つのスイッチがほぼ同時に作動/押下されることの検出は、クリック事象を示すことができる。それらの実施形態では、コードの限られた列しか、マイクロプロセッサが、ベゼル回転を識別しながら“同時の”クリック・イン、“同時の”クリック・アウト、並びに“同時の”クリック・イン及びアウト事象を検出するために必要とされない。当業者であれば、斯様なクリック機能も、電力消費を保つよう割り込みルーチンにより符号化され得ると容易に認識するだろう。
【0101】
上述されたように、スイッチ位置は、ベゼル円の周りで自由である。ベゼル歯に関する左及び右スイッチの相対位置は、ベゼル動作の検出(例えば、前述のL1及びL2特性)を保証するために重要である。更には、スイッチの数は制限されない。たとえ2つよりも多いスイッチが複雑さを小型の電子装置の既に制約された内部空間の問題及び機械設計に持ち込む可能性があるとしても、それは、1つのスイッチ(又は異なる性質の2つのスイッチ)の故障の場合に、有用なバックアップ機能をもたらすことができる。
【0102】
図8は、実施形態に従って、スマート・ウォッチの形をした電子装置の略上面図を示す。図8には、スイッチ及び余分のスイッチ(例えば、2つよりも多いスイッチ)のための確定していない位置(すなわち、スイッチはベゼル円においてどこでも置かれてよい。)の斯様なメカニズムの実施形態が示されている。西/左及び東/右(夫々、801a及び801c)スイッチの第1対は9時及び3時の近くに置かれ、北/左及び南/右(801b及び801d)スイッチの余分の対は12時及び6時の近くに置かれている。それらのスイッチの配置は、時計の周りで他の位置を有していてもよい。望ましくは、等間隔の位置付け(例えば、3、6、9、12時、又は1、4、7、10時、等)は、本開示の中で後に記載されることになっている他の有用な特性をもたらし得る。当業者であれば、4つのスイッチ(すなわち、ふた組の協働するスイッチ)が単に一例として使用され、4つよりも多い(例えば、6つ、8つ、等)スイッチ(すなわち、2つよりも多い組の協働するスイッチ)が本発明の変形として使用されてよいと容易に認識するだろう。当業者であれば、4つの等間隔の位置が単に一例として使用され、4つよりも多い等間隔の(又は等間隔でない)位置が本発明の変形として使用されてよいと容易に認識するだろう。
【0103】
全てのスイッチが正常に機能する場合に、ベゼル動作は、スイッチ・シーケンスを2回発生させる2対のスイッチ{801a,801c}及び{801b,801d}のおかげで、2回検出され得る。1つのスイッチ又は異なる性質の2つのスイッチの故障の場合に、ベゼル動作は、1つのスイッチ・シーケンスがスイッチの冗長機構のおかげで依然として存在するので、依然として検出され得る。例えば、スイッチ801aが機能しなくなる場合に、スイッチ対{801b、801d}によって提供されるスイッチ・シーケンスは依然として検出可能であり、スイッチ対{801b、801d}が機能しなくなる場合に、スイッチ対{801a,801c}によって提供されるスイッチ・シーケンスは依然として検出可能である。この特性は有用であり、より高い信頼性をシステムにもたらす。更には、他の有用な特性が、確定していない位置及び多数のスイッチのおかげで積み重ねられ得る。
【0104】
図9a〜9iは、本発明を用いる位置決めクリック機能の実施形態を説明する。
【0105】
ベゼル環にz軸上で自由度を付加することによって、位置決めクリック機能が提供され得る。これは、ユーザが3時の周りで局所的にベゼルを押すところの図9aにおいて図解される。この圧力は、この領域においてベゼルを局所的に下げ、E/R(801c)スイッチを押し、一方で、残りのスイッチは作動されない/アサートされないままである。これは“東クリック”を強調し、スイッチの自由な位置付けの利点を示す。図9b、9c、9dは夫々北、西及び南クリックを示す。別々に、又は回転可能なベゼルの検出に加えて、北/東/南/西ナビゲーション“ボタン”がその場合に提供され、従って、スマート・ウォッチとのユーザ・インタラクションを豊かにすることができる。
【0106】
更には、より繊細な機械的インタラクションが、ベゼルのz軸の自由及び局所的な押圧により予想され得る。例えば、北+東クリックは、北及び東スイッチを一緒にアサートする領域をユーザが押し込み、一方で、西及び南スイッチが作動されない/アサートされないままである場合に、検出され得る。これは、南+東、南+西、北+西クリックを夫々強調する図9g、9f、9eで図解されている。これは、4つの付加的な方向、又はクリック位置を提供することによって。ナビゲーション可能性を高める。
【0107】
最後に、ベゼル/クリックはまた、全てのスイッチが一緒に作動/アサートされる場合に提供され得る。これは、“2本の指”又はベゼル・クリック事象を特色とする図9iで図解されるようにユーザが2つの対角線上の点でベゼルを押す場合に起こり得る。ベゼル全体が時計の周りで下がり、4つのスイッチを同時に作動/アサートする(すなわち、4つのスイッチは全てが一緒に作動/アサートされる。)。
【0108】
当業者であれば、位置決めクリック機能をサポートするよう、専用スイッチ又は“既存の”スイッチを再利用することのいずれか一方が使用され得ると容易に認識するだろう。図7a〜7bと同様に、位置決めクリック機能をサポートするために専用スイッチを使用する場合に、専用スイッチ(例えば、専用の北/東/南/西スイッチ)が設けられる。順次に、例えば、押下/押圧/アサートされるように、作動される場合にベゼル回転の事象を示すために使用され得る“既存の”スイッチを再利用する場合に、ベゼル120がより下のz位置の方へ押圧/押下されるとき、ベゼルは、ほぼ同時に“既存の”スイッチを作動させる/押すよう、わずかに回転される。2つ(よりも多い)のスイッチがほぼ同時に作動される/押されることの検出は、クリック事象を示すことができる。
【0109】
図10a〜10bは、本発明を用いる位置決め回転機能の実施形態を表す。
【0110】
回転検出バックアップ、位置決めクリック・ナビゲーション及びベゼル・クリック機能に加えて、複数のスイッチの自由な位置付け及び冗長性は、他の有用な特性をもたらすことができる。図10aに示されるように、ベゼル環120は、等しく間隔をあけられている歯(例えば、図では24個の歯)を埋め込む。歯は、スイッチが作動される/押されるシーケンスを作り出すことによって、回転フェーズ中にスイッチと協働する。図10aに従って、夫々の時計回り又は反時計回りのステップ動作で、4つの歯は4つのスイッチ(801a、801b、801c、801d)と協働する。
【0111】
ベゼル環内の損傷した/欠如した/架空の歯は、ユーザ・インターフェイスの設計を充実させるよう意図的に導入され得る。言い換えれば、ベゼル歯の非対称性は、ステップ動作中にいずれのスイッチとも協働しない欠如した/損傷した/架空の歯により、ベゼル・システムに導入され得る。図10bはこの目的を図解する。欠如した/損傷した/架空の歯の位置は、空いたままにされる。この特性のおかげで、ベゼル120の絶対位置は、“非協働”又は“空き事象”が現れると直ぐに与えられ得る。例えば、図10bに従って、ベゼルが時計回りで(例えば、右方向に)回転される場合には、S/R及びE/Rスイッチが最初にアサートされ、次がN/Lスイッチである。W/Lスイッチは、欠如した/損傷した歯がそれと協働していないので、アサートされないままである。この最後の事象が検出され得る。例えば、S/R次いでN/Lの連続が検出されて、時計回りのステップ動作を示すが、E/R及びW/Lの連続はそのようには起こらない。W/Lが動かないと仮定すれば(これは後に確認され得る。)、その場合に、それは、架空の/損傷した/欠如した歯がW/Lの位置にあることを意味し、なぜW/Lが作動されない/アサートされないままであるのかを説明する。ベゼルの絶対位置(例えば、9時)がその場合に知られる。このメカニズムは、ユーザ・インターフェイスの設計を充実させるために使用され得る追加情報をシステムに与える。ベゼルの次の動き(時計回り又は反時計回り)は、ベゼルの正確な位置を知ったままでいることを助けることできる。次の動きまた、損傷していない歯から新しい事象が発生すると直ぐにW/Lが正常に機能しているかどうかを知ることを助けることができる。この絶対ベゼル位置は、システムが給電されている限り知られている。システム停電後、‘架空の事象’が動作ステップの間に現れる(例えば、欠如した/損傷した/架空の歯は、空の位置がスイッチと協働することにより協働しない。)と直ぐに、絶対位置は再同期され得る。
【0112】
前述の実施形態及びその変形の要約として、しかしそれらを制限する意図なしで、回転するベゼルと共同して働く少なくとも2つのスイッチ(例えば、機械スイッチ、ボタンスイッチ)の助けにより(例えば、ベゼル歯、回転しながら少なくとも2つのスイッチを順次押す。)、いくつかの事象が検出され、装用性の電子装置(例えば、スマート・ウォッチ)のためのユーザ・インターフェイス設計を充実させるために使用され得る。それらの事象には、制限なしに:
・ クリック・イン
・ クリック・アウト
・ クリック・イン及びアウト
・ ダブル又はトリプル・クリック(例えば、複数回のクリックに時間スタンプを付すことによる)
・ クリック・イン及び回転(時計回り又は反時計回り)
・ 時計回りの回転
・ 反時計回りの回転
・ 高速/低速の時計回りの回転
・ 高速/低速の反時計回りの回転
・ ベゼルの周りの位置決めクリック(例えば、左/右/上/下方向、又はN/NE/E、SE、S、SW、W、NW方向)
・ ベゼル/2本指クリック
・ 時計の周りのベゼルの絶対位置
が含まれる。
【0113】
図11a〜11fは、本発明を用いる回転可能なベゼルの機能に関連したアルゴリズムの実施形態を説明する。
【0114】
図11aは、2つのスイッチ(例えば、CCW/Lスイッチ103、CW/Rスイッチ101)が順次作動される、例えば、押下/押圧/アサートされる、事象を決定する方法に関するアルゴリズム・ロジックを説明する。2つのスイッチが順次押されることは、図5a〜5e、及び図10a〜10bでも説明されている。
【0115】
図11aにおいて、スイッチX(すなわち、現在のスイッチであって、CCW/Lスイッチ103又はCW/Rスイッチ101であることができる。)が押されることが検出される(ブロック1101を参照。)。スイッチXが最初に押されるスイッチである場合には、最初のスイッチが押されることが記録される(ブロック1105を参照。)。そうでければ、スイッチXが右にあるスイッチ(例えば、CW/Rスイッチ101)であって、右にあるスイッチが2番目に押されるスイッチであることを意味することができる場合には、LRシーケンス(例えば、反時計回りの回転)が検出され得る(ブロック1109を参照。)。スイッチXが右にあるスイッチではなく(例えば、XはCCW/Lスイッチ103であって)、左にあるスイッチが2番目に押されるスイッチであることを意味することができる場合には、RLシーケンス(例えば、時計回りの回転)が検出され得る(ブロック1111を参照。)。
【0116】
例となるアルゴリズムは、図11bに示されるように、2つのスイッチが順次作動される、例えば、押下/押圧/アサートされる、事象を検出する詳細なアルゴリズム・ロジックを説明するよう以下で示される。

Callback interrupt button_R_CW_routine(){
If(first_button==NONE){
//右/時計回りボタンが最初に作動
first_button=R_CW; //Lボタンの作動を待機
} else{
//事象は既に発生
If(first_button==L_CCW){
//L次いでRの連続が検出される
postEvent(L_CCW_event);
first_button=NONE; //シーケンス完了
} else{
//R次いでRの連続:遊休へ戻る!
first_button=NONE;
}
}

Callback interrupt button_L_CCW_routine(){
If(first_button==NONE){
//左/反時計回りボタンが最初に作動
first_button=L_CCW; //Rボタンの作動を待機
} else{
//事象は既に発生
If(first_button==R_CW){
//R次いでLの連続が検出される
postEvent(R_CW_event);
first_button=NONE;//シーケンス完了
} else{
//L次いでLの連続:遊休へ戻る!
first_button=NONE;
}
}
【0117】
図11cは、2つのスイッチ(例えば、CCW/Lスイッチ103、CW/Rスイッチ101)が順次作動される、例えば、押下/押圧/アサートされる、事象と、ベゼル回転の速度とを決定する方法に関するアルゴリズム・ロジックを説明する。2つのスイッチが順次押されることは、図5a〜5e、及び図10a〜10bでも説明されている。ベゼル回転の速度を推定することは、図6でも説明されている。
【0118】
図11cにおいて、スイッチX(すなわち、現在のスイッチであって、CCW/Lスイッチ103又はCW/Rスイッチ101であることができる。)が押されることが検出される(ブロック1101aを参照。)。検出する時点が記録される(例えば、スイッチXが押される時間スタンプ)。スイッチXが最初に押されるスイッチである場合には、最初のスイッチが押されることが記録される(ブロック1105を参照。)。そうでければ、スイッチXが右にあるスイッチ(例えば、CW/Rスイッチ101)であって、右にあるスイッチが2番目に押されるスイッチであることを意味することができる場合には、LRシーケンス(例えば、反時計回りの回転)が検出され得る(ブロック1109を参照。)。スイッチXが右にあるスイッチではなく(例えば、XはCCW/Lスイッチ103であって)、左にあるスイッチが2番目に押されるスイッチであることを意味することができる場合には、RLシーケンス(例えば、時計回りの回転)が検出され得る(ブロック1111を参照。)。上述されたように、スイッチが押される事象どうしの間の経過時間は、ベゼル回転の速度を推定するために使用され得る。例えば、経過時間が低速回転事象の標準を満たす場合には、低速回転事象が記録される。経過時間が高速回転事象の標準を満たす場合には、高速回転事象が記録される(ブロック1113を参照。)。
【0119】
例となるアルゴリズムは、図11dに示されるように、2つのスイッチが順次作動される、例えば、押下/押圧/アサートされる、事象を検出し、且つ、ベゼル回転の速度を検出する詳細なアルゴリズム・ロジックを説明するよう以下で示される。

Callback interrupt button_R_CW_routine(){
If(first_button==NONE){
//右/時計回りボタンが最初に作動
first_button=R_CW; //Lボタンの作動を待機
//ステップ事象の時間スタンプ開始
step_event_time=now();
} else{
//事象は既に発生
If(first_button==L_CCW){
//L次いでRの連続が検出される
If(now()- last_event_time>SLOW_MOTION) event_type=SLOW
else event_type=FAST;
Last_event_time=step_event_time;
postEvent(L_CCW_event,event_type);
first_button=NONE; //シーケンス完了
} else{
//R次いでRの連続:遊休に戻る!
first_button=NONE;
}
}

Callback interrupt button_L_CCW_routine(){
If(first_button==NONE){
//左/反時計回りボタンが最初に作動
first_button=L_CCW; //Rボタンの作動を待機
//ステップ事象の時間スタンプ開始
step_event_time= now();
} else{
//事象は既に発生
If(first_button==R_CW){
//R次いでLの連続が検出される
//ステップ事象の終了:前回からの経過時間を計測
If(now()- last_event_time>SLOW_MOTION) event_type=SLOW
else event_type=FAST;
Last_event_time=step_event_time;
postEvent(R_CW_event_type);
first_button=NONE; //シーケンス完了
} else{
//L次いでLの連続:遊休に戻る!
first_button=NONE;
}
}
【0120】
図11eは、2つのスイッチ(例えば、CCW/Lスイッチ103、CW/Rスイッチ101)が順次作動される、例えば、押下/押圧/アサートされる、事象と、ベゼル回転の速度と、ベゼルがクリック・イン/アウトされる事象とを決定する方法に関するアルゴリズム・ロジックを説明する。2つのスイッチが順次押されることは、図5a〜5e、及び図10a〜10bでも説明されている。ベゼル回転の速度を推定することは、図6でも説明されている。回転ベゼルのクリック機能は、図7a〜7d、及び図9a〜9iでも示されている。
【0121】
図11eにおいて、スイッチX(すなわち、現在のスイッチであって、CCW/Lスイッチ103又はCW/Rスイッチ101であることができる。)が押されることが検出される(ブロック1101aを参照。)。検出する時点が記録される(例えば、スイッチXが押される時間スタンプ)。スイッチXが最初に押されるスイッチである場合には、最初のスイッチが押されることが記録される(ブロック1105を参照。)。そうでければ、アルゴリズム・ロジックは、回転の事象及び/又は回転の速度をチェックし続ける。スイッチXが右にあるスイッチ(例えば、CW/Rスイッチ101)であって、右にあるスイッチが2番目に押されるスイッチであることを意味することができる場合には、LRシーケンス(例えば、反時計回りの回転)が検出され得る(ブロック1109を参照。)。スイッチXが右にあるスイッチではなく(例えば、XはCCW/Lスイッチ103であって)、左にあるスイッチが2番目に押されるスイッチであることを意味することができる場合には、RLシーケンス(例えば、時計回りの回転)が検出され得る(ブロック1111を参照。)。スイッチが押される事象どうしの間の経過時間は、それがベゼル・クリック事象又はベゼル回転事象であるかどうかを推定するために使用され得る。ベゼルがクリック・ダウンされる事象を正当化できるほど経過時間が十分に短い(例えば、2つのスイッチはほとんど同時に押し下げられる)場合には、ベゼルのクリック・イン/アウトの事象が記録される(ブロック1119を参照。)。そうでなければ、ベゼル回転の事象が決定され得る。更には、上述されたように、スイッチが押される事象どうしの間の経過時間は、ベゼル回転の速度を推定するために使用され得る。例えば、経過時間が低速回転事象の標準を満たす場合には、低速回転事象が記録される。経過時間が高速回転事象の標準を満たす場合には、高速回転事象が記録される。
【0122】
例となるアルゴリズムは、図11fに示されるように、2つのスイッチが順次作動される、例えば、押下/押圧/アサートされる、事象を検出し、且つ、ベゼルのクリックを検出する詳細なアルゴリズム・ロジックを説明するよう以下で示される。

Callback interrupt button_R_CW_routine(){
If(first_button==NONE){
//右/時計回りボタンが最初に作動
first_button=R_CW; //Lボタンの作動を待機
//ステップ事象の時間スタンプ開始
button_event_time=now();
} else{
//事象は既に発生
If(first_button==L_CW){
If(now()- button_event_time<ALMOST_SIM){
//クリック事象
Post_event(CLICK_IN_event);
first_button=NONE;
} else{
//L次いでRの連続が検出される
postEvent(L_CCW_event);
first_button=NONE; //シーケンス完了
}
} else{
//半ステップ及び戻りを検出(R次いでR);遊休に戻る!
first_button=NONE;
}
}

Callback interrupt button_L_CCW_routine(){
If(first_button==NONE){
//左/反時計回りボタンが最初に作動
first_button=L_CCW; //Rボタンの作動を待機
//ステップ事象の時間スタンプ開始
button_event_time=now();
} else{
//事象は既に発生
If(first_button==R_CW){
If(now()- button_event_time<ALMOST_SIM){
//クリック事象
Post_event(CLICK_IN_event);
first_button=NONE;
} else{
//R次いでLの連続が検出される
postEvent(L_CCW_event);
first_button=NONE; //シーケンス完了
}
} else{
//半ステップ及び戻りを検出(L次いでL);遊休に戻る!
first_button=NONE;
}
}
【0123】
本発明の実施形態は、電子装置とのインタラクションの新しい手段を提供する。インタラクションは、タッチ・パネルの“古典的な”直接的タッチとベゼルを含むものとの間で区別され得るということで、ユーザ・インターフェイスは、ベゼルが使用される場合に微調整及び最適化され得る。電子装置のベゼルを使用することは、ディスプレイのビューがユーザの指によって遮られないという利点を有する。一例として、これは、回転可能なベゼルにより電子装置を制御しながらゲームで遊ぶことを可能にする。回転可能なベゼルは、簡単なアナログのユーザ・インターフェイスの利点を利用しながら、電子装置のナビゲーション及びそれとのインタラクションのための有利な技術的効果を提供する。
【0124】
開示の特定の特徴又は態様は、いくつかの実施又は実施形態のうちのただ1つに関して開示されていることがあるとはいえ、斯様な特徴又は態様は、何らかの所与又は特定の用途のために望まれ、そして有利であり得る他の実施又は実施形態の1つ以上の他の特徴又は態様と組み合わされてよい。更には、語“含む”、“備える”、“伴う”、又はそれらの他の変形が詳細な説明又は特許請求の範囲のいずれかで使用される限りにおいて、斯様な語は、語“有する”と同様に包括的であるよう意図される。また、語“例となる”、“例えば”及び“例えば”は、最良又は最善よりむしろ、例を意味するに過ぎない。語“結合される”及び“接続される”が、派生語とともに、使用されていることがある。それらの語は、2つの要素が、それらが直接的な物理的又は電気的接触状態にあるか、又はそれらがお互いと直接的な接触状態にないかどうかにかかわらず、お互いと協調又は相互作用することを示すために使用されていることがある点が理解されるべきである。
【0125】
具体的な態様がここで図解及び記載されてきたが、当業者に明らかなように、様々な代わり及び/又は同等の実施が、本開示の適用範囲から逸脱することなしに、図示及び記載されている具体的な態様の代わりに用いられてよい。本願は、ここで議論されている具体的な態様の如何なる適応又は変形もカバーするよう意図される。
【0126】
続く特許請求の範囲における要素は、対応するラベリングを伴って特定の順序で列挙されているが、請求項列挙がそれらの要素の一部又は全てを実装するための特定の順序を別なふうに暗示しない限りは、それらの要素は、必ずしも、その特定の順序で実装されることに制限されるよう意図されない。
【0127】
多くの代替、変更、及び変形は、前述の教示に照らして当業者に明らかだろう。当然、当業者は、ここで記載されているものを越えて本発明の多数の適用が存在していると容易に認める。本発明は、1つ以上の特定の実施形態を参照して記載されてきたが、当業者は、本発明の適用範囲から逸脱することなしに多くの変更がそれらに対してなされてよいと認める。従って、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等の適用範囲内で、本発明は、ここで具体的に記載されているのとは別なふうに実施されてよいことが理解されるべきである。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図8
図9a
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図9e
図9f
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図9h
図9i
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図10b
図11a
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図11f