(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6768920
(24)【登録日】2020年9月25日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】ヒータ/クーラからのエアロゾル放出を除去および/または低減するためのシステム
(51)【国際特許分類】
F24F 7/00 20060101AFI20201005BHJP
A61M 1/36 20060101ALI20201005BHJP
A61M 1/16 20060101ALI20201005BHJP
B01D 46/00 20060101ALI20201005BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20201005BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20201005BHJP
F24F 7/007 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
F24F7/00 A
A61M1/36 175
A61M1/16 107
B01D46/00 F
A61L9/16 F
F24F7/06 B
F24F7/007 B
【請求項の数】27
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-502195(P2019-502195)
(86)(22)【出願日】2016年9月14日
(65)【公表番号】特表2019-527807(P2019-527807A)
(43)【公表日】2019年10月3日
(86)【国際出願番号】IB2016055470
(87)【国際公開番号】WO2018051165
(87)【国際公開日】20180322
【審査請求日】2019年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】508230905
【氏名又は名称】ソリン・グループ・イタリア・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Sorin Group Italia S.r.l.
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】バーチ,スティーブン・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】デュプー,ティエリー
(72)【発明者】
【氏名】マクラン,エリサ
(72)【発明者】
【氏名】シモニーニ,ジャンパオロ
【審査官】
奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】
特表2015−524322(JP,A)
【文献】
実開昭56−172346(JP,U)
【文献】
特開2002−303436(JP,A)
【文献】
特開平08−243322(JP,A)
【文献】
特開2007−195996(JP,A)
【文献】
米国特許第06585791(US,B1)
【文献】
米国特許第05039494(US,A)
【文献】
特表平11−513596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/00、7/007、7/06
A61L 9/16
A61M 1/16、1/36
B01D 46/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータ/クーラユニットから放出されたエアロゾルを除去または低減するための使い捨てシステムであって、前記ヒータ/クーラユニットは、ヒータと、少なくとも1つの流体タンクを含む内部空間とを含む、使い捨てシステムであって、
フィルタ容器と抗菌フィルタ要素とを含むフィルタユニットと、
前記ヒータ/クーラユニットに接続され、前記ヒータ/クーラユニットの前記内部空間を前記フィルタユニットに流体的に結合するための第1の配管と、
前記フィルタユニットに接続され、前記フィルタユニットを真空源に流体的に結合するための第2の配管と、
を備え、
前記ヒータ/クーラユニットの動作の少なくとも一部の間、前記真空源は、前記ヒータ/クーラユニットの前記内部空間のエアロゾルが前記フィルタ容器内に吸引され、前記抗菌フィルタ要素によってフィルタリングされるように、前記フィルタ容器内に負の空気圧を生成する、
使い捨てシステム。
【請求項2】
前記システムは、前記ヒータ/クーラユニットから放出された前記エアロゾルを実質的に除去する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記フィルタユニットは、少なくとも1つのフィルタキャップポートを有するフィルタキャップを含み、前記抗菌フィルタ要素は、前記フィルタキャップに結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記抗菌フィルタ要素は、前記ヒータ/クーラユニットから受け取った前記エアロゾル中のエアロゾル化された微生物および粒子状物質を99.99%までフィルタリングするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記抗菌フィルタ要素は、疎水性フィルタ要素および親水性フィルタ要素のうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の配管は、前記ヒータ/クーラユニットから取り外し可能に構成され、前記第1の配管は、前記第1の配管からの汚染が除去され、汚染の蓄積が防止されるように、使い捨て可能に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の配管は、前記真空源から取り外し可能に構成され、前記第2の配管は、前記第2の配管からの汚染が除去され、汚染の蓄積が防止されるように、使い捨て可能に構成される、請求項1または6に記載のシステム。
【請求項8】
前記フィルタユニットは、前記第1の配管、前記第2の配管、前記ヒータ/クーラユニット、および前記真空源のうちの少なくとも1つから取り外し可能に構成され、前記フィルタユニットは、前記フィルタユニットからの汚染を除去し、汚染の蓄積を防止するために使い捨て可能に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
エアロゾル、エアロゾル濃度、および汚染物質のうちの少なくとも1つを検出するように構成されたセンサをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記センサは、前記エアロゾル、前記エアロゾル濃度、および前記汚染物質のうちの少なくとも1つの検出に応答してアラームを提供するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記センサは、前記センサによる前記エアロゾル、前記エアロゾル濃度、および前記汚染物質のうちの少なくとも1つの検出に応答して、前記真空源を作動させて前記フィルタ容器内に負圧を提供するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の配管および前記真空源に流体的に結合されたバルブをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記真空源は、スタンドアローンの外部真空源である、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の配管に結合されて、前記真空源を提供するための使い捨て真空ユニットをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の配管は、前記ヒータ/クーラユニットから取り外し可能に構成され、前記第2の配管は、前記真空源から取り外し可能に構成され、前記第1の配管、前記第2の配管および前記フィルタユニットは、前記第1の配管、前記第2の配管および前記フィルタユニットからの汚染が除去され、汚染の蓄積が防止されるように、使い捨て可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
ヒータ/クーラユニットから放出されたエアロゾルを除去または低減するための使い捨てシステムであって、前記ヒータ/クーラユニットは、ヒータと、流体タンクを含む内部空間と、前記内部空間に流体的に結合されたオーバーフローポートとを含む、使い捨てシステムであって、
第1の配管および第2の配管を含む配管と、
真空源と、
第1の配管によって前記真空源に流体的に結合され、前記第2の配管によって前記ヒータ/クーラユニットに流体的に結合されるように構成されたフィルタと、
を備え、
前記真空源は、前記フィルタに負の空気圧を提供して、前記ヒータ/クーラユニットの前記内部空間から前記フィルタにエアロゾルを吸引する、
使い捨てシステム。
【請求項17】
前記真空源は、前記配管および前記真空源に流体的に結合されたバルブを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記真空源は、使い捨てではない真空源である、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記真空源は、前記ヒータの作動前の限定された時間または前記ヒータの作動と同時に作動されるように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記真空源は、少なくとも10分間作動されるように構成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
エアロゾル、エアロゾル濃度、および汚染物質のうちの少なくとも1つを検出するように構成されたセンサを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記センサは、前記エアロゾル、前記エアロゾル濃度、および前記汚染物質のうちの少なくとも1つの検出に応答してアラームを提供するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記センサは、前記センサによる前記エアロゾル、エアロゾル閾値を超えるエアロゾル濃度、および前記汚染物質のうちの少なくとも1つの検出に応答して、前記真空源を作動させ、真空を提供するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
ヒータ/クーラユニットから出力されたエアロゾルを除去または低減するための使い捨てユニットであって、前記ヒータ/クーラユニットは、ヒータと、流体タンクを含む内部空間と、前記内部空間に流体的に結合されたオーバーフローポートとを含む、使い捨てユニットであって、
使い捨て配管を前記オーバーフローポートに結合するための第1の端部にオーバーフローポートコネクタを有する使い捨て配管と、
前記ヒータの動作の少なくとも一部の間、使い捨てフィルタが真空源から負の空気圧を受け取って、前記ヒータ/クーラユニットから前記フィルタ内へエアロゾルを吸引するように、前記配管によって前記真空源および前記ヒータ/クーラユニットの前記内部空間に流体的に結合されるように構成された使い捨てフィルタと、
を備え、
前記配管および前記フィルタは、汚染を低減し、汚染の蓄積を防止するために使い捨てである、
使い捨てユニット。
【請求項25】
前記配管は、前記オーバーフローポートおよび前記真空源から取り外し可能に構成される、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
患者に対する外科処置中に作動可能なヒータ/クーラユニットから放出されたエアロゾルを除去または低減する方法であって、前記ヒータ/クーラユニットは、ヒータと、流体タンクを含む内部空間と、オーバーフローポートとを備え、
配管によってフィルタを真空源および前記ヒータ/クーラユニットの前記オーバーフローポートに接続するステップと、
前記ヒータの動作の少なくとも一部の間、少なくとも限定された時間、前記真空源を作動させて、前記フィルタ内に負の空気圧を供給し、前記ヒータ/クーラユニットの前記内部空間から前記フィルタ内にエアロゾルを吸引するステップと、
前記外科処置の完了後に、前記フィルタおよび配管を前記真空源および前記オーバーフローポートから切り離すステップと、
前記フィルタおよび配管を廃棄するステップと、
を含む、方法。
【請求項27】
前記ヒータ/クーラユニットから放出される前記エアロゾルは、少なくとも95%低減される、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、感染を予防するための医療装置および方法に関する。より具体的には、本開示は、心臓手術のための手術室環境においてヒータ/クーラユニットから放出されるエアロゾルを除去および/または低減するための医療装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ヒータ/クーラユニットまたはヒータ/クーラ装置は、心臓、肺、および他の心胸郭外科手術を含む手術において重要なツールである。ヒータ/クーラユニットは、患者、患者の血液、および/または手術中に使用される他の流体を温めまたは冷やすために使用することができる。ヒータ/クーラユニットは、温度制御された水を外部の熱交換器に供給するか、閉水回路を介して加温/冷却ブランケットに供給するタンクを含む。例えば、心肺バイパス(CPB)手術では、体外灌流のための別個の温度制御を特徴とする心肺装置と共にヒータ/クーラユニットを使用することができる。ヒータ/クーラの水回路または流体回路は、人工肺中の血液、低体温ブランケット、および心停止液を加熱および冷却するために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]ヒータ/クーラユニットは、定期的に、例えば2週間ごとに洗浄することが推奨される。ヒータ/クーラユニットの洗浄は、流体タンクを完全に排水し、水回路を消毒剤ですすぐことを含み得る。ヒータ/クーラが定期的に洗浄されないと、ユニット内で微生物が増殖することがある。これらの微生物は、ヒータ/クーラユニットを出て、手術室に分散され、外科手術室に到達し、潜在的に患者に感染を引き起こす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]本開示の第1の例示的なシステムは、配管によって真空源、および配管によってヒータ/クーラユニットのタンクまたは内部空間に流体的に結合されるように構成されたフィルタを含む。フィルタは、フィルタ容器を含み、フィルタ容器は、ヒータ/クーラユニットの内部空間(またはタンク)からフィルタ容器内にエアロゾルを吸引し、ヒータ/クーラユニットから放出されるエアロゾルを除去または低減するために、真空源によって提供される負の空気圧をフィルタ容器内に有する。エアロゾルは、ヒータ/クーラユニットから分離され、手術室に分散することが防止される。
【0005】
[0005]本開示の第2の例示的なシステムは、第1の配管および第2の配管を含む配管と、真空源と、第1の配管によって真空源に流体的に結合され、第2の配管によってヒータ/クーラユニットの内部空間に流体的に結合されるフィルタとを含む。真空源は、フィルタに負の空気圧を提供してヒータ/クーラユニットからエアロゾルを吸引する。
【0006】
[0006]本開示の第3の例示的なシステムは、配管と、配管によって真空源およびヒータ/クーラユニットの内部空間(またはタンク)に流体的に結合されるように構成されたフィルタとを含み、フィルタは、真空源から負の空気圧を受け取って、ヒータ/クーラユニットからフィルタへエアロゾルを吸引するようになっている。配管およびフィルタのうちの少なくとも1つは、汚染を低減し、汚染の蓄積を防止するために使い捨てである。
【0007】
[0007]本開示の第4の例示的なシステムは、真空源およびヒータ/クーラユニットの内部空間に流体的に結合される使い捨てユニットを含み、使い捨てユニットは、エアロゾルフィルタ、および使い捨てユニットを真空源およびヒータ/クーラユニットの内部空間に結合するための配管を有する。
【0008】
[0008]本開示の第1の例示的な方法は、配管によってフィルタを真空源、およびヒータ/クーラユニットの内部空間またはタンクのいずれかに流体的に結合することによって、また、しばらくの間真空源を作動してフィルタに負の空気圧を供給し、ヒータ/クーラユニットからフィルタにエアロゾルを吸引することによって、ヒータ/クーラユニットから放出されるエアロゾルを除去または低減するステップを含む。ヒータ/クーラユニットにおいて、エアロゾルの存在またはエアロゾルの生成を引き起こす可能性のある状態を検知するためのセンサを設けることができる。センサを使用して、真空源を作動または停止することができる。
【0009】
[0009]本開示の第2の例示的な方法は、配管によってフィルタを真空源およびヒータ/クーラユニットのオーバーフローポートに接続するステップと、ヒータの動作の少なくとも一部の間、少なくとも限定された時間、真空源を作動させて、フィルタ内に負の空気圧を供給し、ヒータ/クーラユニットの内部空間(またはタンク)からフィルタ内にエアロゾルを吸入するステップと、外科処置の完了後に、フィルタおよび配管を真空源およびオーバーフローポートから切り離すステップと、フィルタおよび配管を廃棄するステップと、によって、患者に対する外科処置中に作動可能なヒータ/クーラユニットから放出されたエアロゾルを低減するステップを含み、ヒータ/クーラユニットは、ヒータと、流体タンクを含む内部空間と、オーバーフローポートとを含む。
【0010】
[0010]複数の実施形態が開示されるが、本開示のさらに他の実施形態は、本開示の例示の実施形態を示し説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は本質的に例示的であり、限定的ではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011]本開示の実施形態による、ヒータ/クーラユニットから放出されるエアロゾルを除去および/または低減するためのシステムを示す図である。
【
図2】[0012]本開示の実施形態による、
図1のフィルタを示す図である。
【
図3】[0013]本開示の実施形態による、フィルタキャップの上面図を示す図である。
【
図4】[0014]本開示の実施形態による、疎水性フィルタを示す図である。
【
図5】[0015]本開示の実施形態による、ヒータ/クーラユニットから放出されるエアロゾルを除去および/または低減するためのシステムを示す図である。
【
図6】[0016]本開示の実施形態による、ヒータ/クーラユニットから放出されるエアロゾルを除去および/または低減する方法を示す図である。
【
図7】[0017]本開示に記載されるエアロゾル除去/低減システムを含まないヒータ/クーラシステムと、本開示に記載されるエアロゾル除去/低減を含むヒータ/クーラシステムとの経時的な空気ファン付近のエアロゾル粒子数を示すグラフである。
【
図8】[0018]本開示に記載されるエアロゾル除去/低減システムを含まないヒータ/クーラシステムと、本開示に記載されるエアロゾル除去/低減システムを含むヒータ/クーラシステムとの経時的な空気ファン付近のエアロゾル粒子質量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0019]本開示は、様々な修正および代替形態に従うが、特定の実施形態は、図面における例として示されており、以下で詳細に説明される。しかしながら、記載される特定の実施形態に本開示を限定するものではない。逆に、本開示は、添付の特許請求の範囲によって規定される開示の範囲内に入るあらゆる変形例、均等例、および代替例をカバーすることが意図される。
【0013】
[0020]
図1は、本開示の様々な実施形態による、内部空間22aを有するヒータ/クーラユニット22から放出されるエアロゾルを低減するためのシステム20を示す図である。種々のヒータ/クーラユニット22は、当業者に周知である。ヒータ/クーラユニットは、一般に、加熱源および/または冷却源に結合された1つまたは複数の流体タンク23または容器を有する内部空間22aを含む。内部空間22aは、エアロゾルが存在し得るヒータ/クーラユニット22内の任意の空間を含む。いくつかの実施形態では、内部空間22aは、ヒータ/クーラユニット22の外面内の任意の空間を含む。いくつかの実施形態では、内部空間22aは、1つまたは複数の流体タンク23内の内部空間を含む。さらに、ヒータ/クーラユニット22は、典型的には、所望の流体温度およびタンク23(または複数のタンク)から所望の構成要素または場所への流体の流れを制御するための制御システムを含む。最も典型的には、ヒータ/クーラユニット22に使用される流体は水であり、しばしば殺菌剤が添加される。ヒータ/クーラユニットの追加の詳細は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第9,259,523号に記載される。
【0014】
[0021]システム20は、配管24と、フィルタユニット26とをさらに含む。フィルタユニット26は、配管24によってヒータ/クーラユニット22および真空源28に流体的に結合される。いくつかの実施形態では、配管24は、フィルタユニット26、ヒータ/クーラユニット22、および真空源28のうちの少なくとも1つに取り外し可能に結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、フィルタユニット26は、配管24、ヒータ/クーラユニット22、および真空源28のうちの少なくとも1つに取り外し可能に結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、配管24およびフィルタユニット26の少なくとも1つは使い捨てであり、使い捨て部分からの汚染が除去され、汚染の蓄積が防止される。いくつかの実施形態では、配管およびフィルタユニットの両方が、個々のアイテムとして、または単一の使い捨てユニットの一部として一緒に使い捨てである。さらに別の実施形態では、エアロゾルフィルタユニットおよび配管を有する滅菌使い捨てユニットを密閉容器内に設けることができる。
【0015】
[0022]再び
図1を参照すると、フィルタユニット26は、配管24の第1の配管24aによって真空源28に結合され、配管24の第2の配管24bによってヒータ/クーラユニット22の内部空間22aに結合される。いくつかの実施形態では、真空源28は、手術室の壁真空ソケットなどを介して医療施設によって提供される屋内真空である。いくつかの実施形態では、真空源28は、配管24およびフィルタユニット26を含むシステム20に備え付けられ得る使い捨てではない真空源である。いくつかの実施形態では、真空源28は、フィルタユニット26および配管24を含む使い捨てユニットの一部として提供される使い捨て真空ユニットである。いくつかの実施形態では、第2の配管24bは、ヒータ/クーラユニット22の内部空間22aに流体的に結合される、ヒータ/クーラユニット22の既存のオーバーフローポート30に結合される。既存のオーバーフローポート30は、ヒータ/クーラユニット22の内部空間22a内の1つまたは複数のタンク23の流体オーバーフローのために設けられる。既存のオーバーフローポート30に第2の配管24bを接続することにより、配管24およびフィルタユニット26を既存のヒータ/クーラユニット22に組み込むことができる。いくつかの実施形態では、タンク23内の流体がタンク23の上方の内部空間22aに対して開放されないように、タンク23が閉じられ、代わりにタンク23が蓋などで囲まれ、オーバーフローポート30が直接タンク23に結合される。他の実施形態では、タンク23またはタンク23内の流体は、タンク23の上方の内部空間22aに開放されており、オーバーフローポート30は、タンク23の上方の内部空間22aに結合される。いくつかの実施形態では、第2の配管24bは、ヒータ/クーラユニット22に結合され、オーバーフローポート30などのオーバーフローポートと結合されるかまたは結合されずに、ヒータ/クーラユニット22の内部空間22aに流体的に結合される。いくつかの実施形態では、タンク23内の流体がタンク23の上方の内部空間22aに対して開放されないように、タンク23が閉じられ、代わりにタンク23は蓋などで囲まれ、第2の配管24bは、オーバーフローポート30などのオーバーフローポートと結合されるかまたは結合されずに、タンク23に直接結合される。他の実施形態では、タンク23またはタンク23内の流体は、タンク23の上方の内部空間22aに開放され、第2の配管24bは、オーバーフローポート30などのオーバーフローポートと結合されるかまたは結合されずに、タンク23の上方の内部空間22aに結合される。
【0016】
[0023]いくつかの実施形態では、ヒータ/クーラユニット22の既存のオーバーフローポート30に結合するための使い捨てエアロゾル除去キットは、フィルタユニット26および配管24を含み得る。任意選択により、使い捨ての真空要素を使い捨てキットに含めることもできる。使い捨てキットは、密封容器内の滅菌ユニットとして提供されてもよい。
【0017】
[0024]動作中、真空源28は、真空または外部空気圧に対して負の空気圧をフィルタユニット26へ提供するように作動する。いくつかの実施形態では、真空源28は手動で作動する。いくつかの実施形態では、真空源28は、ヒータ/クーラユニット22からエアロゾルを除去するために、限定された期間、真空源28を作動させる電子制御回路32を含む。いくつかの実施形態では、真空源28は、ヒータ/クーラユニット22からエアロゾルを除去するために、少なくとも10分間、真空源28を作動させる電子制御回路32を含む。いくつかの実施形態では、真空源28は、ヒータ/クーラユニット22の内部空間22aからエアロゾルを除去するためにヒータ/クーラユニット22が作動されるたびに真空源28を作動させる電子制御回路32を含む。いくつかの実施形態では、ヒータ/クーラユニット22がオンになる前に真空源28がオンにされる。いくつかの実施形態では、真空源28は、ヒータ/クーラユニット22がオンになると同時にオンになる。
【0018】
[0025]いくつかの実施形態では、ヒータ/クーラユニット22は、内部空間22aおよび1つまたは複数のタンク23の少なくとも1つにおける圧力を決定する圧力センサ25を含む。いくつかの実施形態では、圧力センサ25は、有線または無線などで電子制御回路32に通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、電子制御回路32は、圧力が、エアロゾルがヒータ/クーラユニット22から環境に漏れる可能性のある圧力以上であることを示す圧力センサ25からの信号に基づいて、真空源28を作動させる。いくつかの実施形態では、電子制御回路32は、圧力が本明細書ではゼロとしても参照される現在の周囲圧力以上であることを示す圧力センサ25からの信号に基づいて、真空源28を作動させる。いくつかの実施形態では、電子制御回路32は、圧力が現在の大気圧以上であることを示す圧力センサ25からの信号に基づいて、真空源28を作動させる。いくつかの実施形態では、電子制御回路32は、圧力が圧力閾値以上であることを示す圧力センサ25からの信号に基づいて、真空源28を作動させる。いくつかの実施形態では、圧力閾値は、工場で予め設定された閾値である。いくつかの実施形態では、圧力閾値はオペレータおよび/または電子制御回路32によって設定される。いくつかの実施形態では、圧力閾値はゼロまたは現在の周囲圧力である。いくつかの実施形態では、電子制御回路32は、所定時間、真空源28を作動させる。いくつかの実施形態では、電子制御回路32は、エアロゾルの漏れの危険がなくなるように、圧力センサ25からの信号が減圧されたことを示すまで、真空源28を作動させる。いくつかの実施形態では、電子制御回路32は、圧力センサ25からの信号が、圧力が圧力閾値を下回ることを示すまで真空源28を作動させる。いくつかの実施形態では、電子制御回路32は、圧力が現在の周囲圧力以上のような非負圧力であることを示す圧力センサ25からの信号に応答して、真空源28を作動させる。いくつかの実施形態では、電子制御回路32は、圧力センサ25からの信号に基づいて真空源28を作動させて、エアロゾルがヒータ/クーラユニット22から周囲環境に漏れるのを防止するために、内部空間22aおよび1つまたは複数のタンク23の少なくとも1つにおいて、現在の周囲圧力よりも低いような負圧を維持する。
【0019】
[0026]いくつかの実施形態では、ヒータ/クーラユニット22は、ヒータ/クーラユニットの内部空間22a内のエアロゾル濃度を決定するためのセンサ34を含む。いくつかの実施形態では、電子制御回路32は、エアロゾルが検出されたことを示すセンサ34からの信号に基づいて真空源28を作動させる。いくつかの実施形態では、電子制御回路32は、エアロゾル濃度がエアロゾル濃度閾値を超えたことを示すセンサ34からの信号に基づいて、真空源28を作動させる。いくつかの実施形態では、エアロゾル濃度閾値は、工場で予め設定された閾値である。いくつかの実施形態では、エアロゾル濃度閾値はオペレータによって設定される。いくつかの実施形態では、電子制御回路32は、所定時間、真空源28を作動させる。いくつかの実施形態では、電子制御回路32は、センサ34からの信号が全てのエアロゾルが除去されたことを示すまで、真空源28を作動させる。いくつかの実施形態では、電子制御回路32は、センサ34からの信号が、エアロゾル濃度が閾値を下回ることを示すまで、真空源28を作動させる。いくつかの実施形態では、センサ34は、ヒータ/クーラ22とフィルタユニット26とを接続する配管24bのように、ヒータ/クーラユニット22の外側に配置することができる。
【0020】
[0027]フィルタユニット26は、フィルタ容器またはボトルを含み、負の空気圧がフィルタ容器に供給され、エアロゾルをヒータ/クーラユニット22からフィルタ容器内に吸引する。これは、ヒータ/クーラユニット22から漏れて、手術室の周囲空気中に拡散するエアロゾルの量を除去および/または低減する。いくつかの実施形態では、フィルタユニット26は、抗菌フィルタ要素を含む。いくつかの実施形態では、フィルタユニット26は、疎水性フィルタ要素および親水性フィルタ要素のうちの少なくとも1つを含む抗菌フィルタ要素を含む。いくつかの実施形態では、システム20などの本開示のシステムは、システムから全てのエアロゾルおよび/または細菌を実質的に除去し、エアロゾルまたは細菌が手術室環境に入るのを防止することができる。いくつかの実施形態では、システム20などの本開示のシステムは、ヒータ/クーラユニット22から放出されるエアロゾルを少なくとも95%低減する。
【0021】
[0028]
図2から
図4は、本開示の様々な実施形態による、フィルタユニット26を示す図である。フィルタユニット26は、ヒータ/クーラユニット22の内部空間(またはタンク)から受け取ったエアロゾルを受け取り、フィルタリングする。フィルタユニット26は、細菌などの汚染物質または微生物が真空源28に入るのを防止する。
【0022】
[0029]
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、フィルタユニット26を示す図である。フィルタユニット26は、フィルタキャップ40とフィルタ容器42とを含む。フィルタキャップ40は、フィルタ容器42内に負の空気圧が生じることを可能にするために、気密接続でフィルタ容器42に取り付けられているか、または取り付けることができる。いくつかの実施形態では、フィルタキャップ40は、捕捉されたエアロゾルが手術室の周囲空気中に漏れるのを防止するために、気密接続でフィルタ容器42に取り付けられる。いくつかの実施形態では、フィルタキャップ40は、例えば、スナップ嵌め係合またはねじ込み接続によって、フィルタ容器42に取り外し可能または除去可能に取り付けられる。いくつかの実施形態では、フィルタキャップ40は、フィルタキャップ40をフィルタ容器42から容易に取り外すことができないように、フィルタ容器42に固定して取り付けられる。いくつかの実施形態では、フィルタキャップ40は、フィルタ容器42と一体に形成され、取り外すことができない。
【0023】
[0030]
図3は、本開示の実施形態による、フィルタキャップ40の上面図を示す図である。フィルタキャップ40は、配管24をフィルタキャップ40に接続するための第1の接続部44および第2の接続部46を含む。第1の接続部44は、フィルタキャップ40を真空源28に接続するために使用され、第2の接続部46は、フィルタキャップ40をヒータ/クーラユニット22に接続するために使用される。他の実施形態では、第1の接続部44は、フィルタキャップ40をヒータ/クーラユニット22に接続するために使用され、第2の接続部46は、フィルタキャップ40を真空源28に接続するために使用される。
図2および
図3の実施形態では、第1の接続部44および第2の接続部46は、直角またはエルボ接続である。しかしながら、他の実施形態では、第1の接続部44および第2の接続部46の一方または両方は、直線状の垂直接続部などの異なる形状の接続部であってもよい。
【0024】
[0031]一実施形態では、フィルタキャップ40は、注ぎ口48およびタンデムポート50も含む。注ぎ口48は、フィルタ容器42を空にするために、またはフィルタユニット26を標本コレクタに接続するために使用されるように構成される。タンデムポート50は、第2のフィルタユニット(図示せず)などの複数のフィルタを、フィルタユニット26と直列または並列に接続して、エアロゾルを収集およびフィルタリングするために使用されるように構成される。いくつかの実施形態では、フィルタキャップ40は、第1の接続部44および第2の接続部46をそれぞれキャップするために取り付けられたポートキャップ52aおよび52bをさらに含む。いくつかの実施形態では、注ぎ口48をキャップするためにポートキャップ52cが設けられ、タンデムポート50をキャップするためにポートキャップ52dが設けられる。ポートキャップ52a〜52dは、キャップ損失をなくし、フィルタユニット26の迅速かつ確実なキャッピングを可能にするために使用することができる。
【0025】
[0032]いくつかの実施形態では、フィルタキャップ40は、抗菌フィルタ要素を含む。いくつかの実施形態では、フィルタキャップ40は、疎水性フィルタ要素および親水性フィルタ要素のうちの少なくとも1つを含む抗菌フィルタ要素を含む。いくつかの実施形態では、抗菌フィルタ要素は、第1の接続部44の下およびフィルタキャップ40の下側に取り付けられた疎水性フィルタ要素54を含む。フィルタユニット26は、ヒータ/クーラユニット22から受け取ったエアロゾルを、真空源28に結合された第1の接続部44またはその近傍でフィルタリングする。フィルタユニット26は、疎水性フィルタ要素54内の汚染物質を捕捉し、細菌などの汚染物質が真空源28に入るのを防止する。いくつかの実施形態では、フィルタユニット26は、ヒータ/クーラユニット22から受け取ったエアロゾルを、ヒータ/クーラユニット22に結合された第2の接続部46またはその近傍でフィルタリングし、疎水性フィルタ54内の汚染物質を捕捉し、細菌などの汚染物質がフィルタ容器42に入るのを防止する。いくつかの実施形態では、フィルタユニット26は、ヒータ/クーラユニット22から受け取ったエアロゾル中のエアロゾル化された微生物および粒子状物質を99.99%までフィルタリングするように構成された疎水性フィルタ54を含む。いくつかの実施形態では、抗菌フィルタ要素は、親水性フィルタ要素を含む。
【0026】
[0033]
図4は、本開示の様々な実施形態による、疎水性フィルタ要素54を示す図である。疎水性フィルタ要素54は、疎水性フィルタステージ56、呼吸(breathing)スクリーン58、プレフィルタステージ60、およびハウジング62を含む。疎水性フィルタステージ56、呼吸スクリーン58、およびプレフィルタステージ60は、ハウジング62内に収容され、ハウジング62は、これらのフィルタ構成要素を飛沫および泡から保護する。呼吸スクリーン58は、疎水性フィルタステージ56をプレフィルタステージ60から分離する。一実施形態では、疎水性フィルタステージ56は、エアロゾル化された微生物および粒子状物質を99.99%までフィルタリングするように構成される。いくつかの実施形態では、疎水性フィルタ要素54は、容器に吸引された流体のような流体と接触した場合に吸引口を閉じるかまたは真空流を止める疎水性遮断フィルタを含み、呼吸スクリーン58は、疎水性フィルタステージ56をプレフィルタステージ60から分離して、早期遮断を低減しながら吸引を改善する。いくつかの実施形態では、疎水性フィルタ要素54は、容器に吸引された流体のような流体と接触した場合に吸引口を閉じるかまたは真空流を止める疎水性遮断フィルタを含み、プレフィルタステージ60は、疎水性フィルタステージ56を、レーザまたは電気焼灼煙に起因する誤った遮断から保護する。
【0027】
[0034]いくつかの実施形態では、疎水性フィルタステージ56は、真空源28に結合された第1の接続部44またはその近傍においてヒータ/クーラユニット22から受け取ったエアロゾルをフィルタリングする。いくつかの実施形態では、疎水性フィルタ56は、ヒータ/クーラユニット22に結合された第2の接続部46またはその近傍においてヒータ/クーラユニット22から受け取ったエアロゾルをフィルタリングする。さらに別の実施形態では、2つの疎水性フィルタステージ56が、第1の接続部44および第2の接続部46のそれぞれまたはその近傍に設けられる。
【0028】
[0035]
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、内部空間102aを有するヒータ/クーラユニット102から放出されるエアロゾルを低減するためのシステム100を示す図である。システム100は、配管104と、フィルタ106と、センサ108とを含む。いくつかの実施形態では、配管104は、配管24と同様である。いくつかの実施形態では、フィルタ106は、フィルタユニット26と同様である。また、いくつかの実施形態では、ヒータ/クーラユニット102は、ヒータ/クーラユニット22と同様である。
【0029】
[0036]真空源110は、真空源ユニット112と、真空または外部空気圧に対して負の空気圧をフィルタ106へ提供するための真空バルブ114と、を含む。いくつかの実施形態では、真空源ユニット112を含む真空源110は、医療施設の屋内真空を含む。いくつかの実施形態では、真空源ユニット112は、使い捨てではない真空源ユニットである。いくつかの実施形態では、真空源ユニット112は、廃棄することができる使い捨て真空源ユニットである。
【0030】
[0037]フィルタ106は、配管104によって真空バルブ114に流体的に結合され、配管104によってセンサ108に流体的に結合される。真空バルブ114は、配管104によって真空源ユニット112に流体的に結合され、センサ108は、配管104によってヒータ/クーラユニット102の内部空間102a(またはタンク)に流体的に結合される。いくつかの実施形態では、配管104は、フィルタ106、真空バルブ114、センサ108、ヒータ/クーラユニット102、および真空源ユニット112のうちの少なくとも1つに取り外し可能に結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、フィルタ106は、配管104、真空バルブ114、センサ108、ヒータ/クーラユニット102、および真空源ユニット112のうちの少なくとも1つに取り外し可能に結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、配管104、フィルタ106、真空源ユニット112、真空バルブ114、およびセンサ108のうちの少なくとも1つは、使い捨てであり、使い捨て部分からの汚染が除去され、汚染の蓄積が防止される。
【0031】
[0038]フィルタ106は、第1の配管104aによって真空バルブ114に流体的に結合され、第2の配管104bによってセンサ108に流体的に結合される。真空バルブ114は、第3の配管104cによって真空源ユニット112に流体的に結合され、センサ108は、第4の配管104dによってヒータ/クーラユニット102の内部空間102a(またはタンク)に流体的に結合される。いくつかの実施形態では、真空源ユニット112は、壁の真空ソケットなどを介して医療施設によって提供される屋内真空である。いくつかの実施形態では、真空源ユニット112は、システム100に備え付けられ得るスタンドアローンの外部真空源である。いくつかの実施形態では、第4の管104dは、ヒータ/クーラユニット102の既存のオーバーフローポート116に結合され、既存のオーバーフローポート116は、ヒータ/クーラユニット102内の1つまたは複数のタンクの流体オーバーフローのために設けられる。第4の配管104dを既存のオーバーフローポート116に接続することにより、システム100を既存のヒータ/クーラユニット102に組み込むことができる。
【0032】
[0039]センサ108は、ヒータ/クーラユニット102の内部空間102a(またはタンク)から吸引された配管104内の細菌などのエアロゾルおよび/または汚染物質を検出するように構成される。センサ108は、通信経路118を介して真空バルブ114に通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、センサ108は、オーバーフローポート116内またはオーバーフローポート116付近など、ヒータ/クーラユニット102の内部空間102a(またはタンク)に設置され(破線矢印)、ヒータ/クーラユニット102の内部空間102a(またはタンク)内のエアロゾルおよび/または汚染物質を検知または検出する。
【0033】
[0040]センサ108は、エアロゾルおよび/または汚染物質の検出に応答して出力信号を提供するように構成されたプロセッサなどの制御電子機器120を含む。いくつかの実施形態では、センサ108は、汚染物質またはエアロゾルの検出に応答して、出力信号を介して真空バルブ114を作動させて真空バルブ114を開き、真空源ユニット112からフィルタ106へ、真空または外部空気圧に対して負の空気圧を提供する。いくつかの実施形態では、センサ108は、汚染物質またはエアロゾルの検出に応答して、出力信号を介して真空バルブ114を作動させて限定された時間真空バルブ114を開き、真空または外部空気圧に対して負の空気圧をフィルタ106に提供するように構成される。いくつかの実施形態では、センサ108は、汚染物質またはエアロゾルの検出に応答して、出力信号を介して真空バルブ114を作動させて10分未満の間真空バルブ114を開き、真空または外部空気圧に対して負の空気圧をフィルタ106に提供するように構成される。いくつかの実施形態では、センサ108は、エアロゾル状態が検出される限り、出力信号を介して真空バルブ114を作動させる。いくつかの実施形態では、センサ108は、エアロゾル濃度がエアロゾル濃度閾値を超える限り、出力信号を介して真空バルブ114を作動させる。
【0034】
[0041]いくつかの実施形態では、センサ108は、汚染物質またはエアロゾルの検出に応答して、出力信号を介してセンサ108のアラームまたは表示を作動させる。いくつかの実施形態では、例えば、汚染物質、エアロゾル、またはエアロゾル濃度閾値を超えるエアロゾル濃度の存在を示すセンサ108のアラームまたは表示に応答して、真空源ユニット112を含む真空源110を手動で作動させて真空または外部空気圧に対して負の空気圧をフィルタ106へ提供するように、真空バルブ114なしでシステム100を設けることができる。
【0035】
[0042]いくつかの実施形態では、システム100は、真空バルブ114なしで提供することができ、センサ108は、センサ108が、汚染物質、エアロゾル、もしくはエアロゾル濃度を検知または検出することに応答して、真空源ユニット112を直接作動させて、真空または外部空気圧に対して負の空気圧をフィルタ106へ提供するように、通信経路122(破線)を介して真空源ユニット112に通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、システム100は、真空バルブ114なしで提供することができ、センサ108は、センサ108が、汚染物質またはエアロゾルの検知または検出に応答して、真空源ユニット112を限定された時間直接作動させて、真空または外部空気圧に対して負の空気圧をフィルタ106へ提供するように、通信経路122(破線)を介して真空源ユニット112に通信可能に接続される。いくつかの実施形態では、センサ108は、汚染物質、エアロゾル、またはエアロゾル濃度が検出されたままである時間によって規定される期間、すなわち望ましくない検知状態が検出される限り、真空または負の空気圧をフィルタ106に提供するために、真空源ユニット112を直接作動させる。
【0036】
[0043]動作中、真空源110は、真空または外部空気圧に対して負の空気圧をフィルタ106へ提供するように作動される。いくつかの実施形態では、真空源110は、センサ108を介して作動される。いくつかの実施形態では、真空源110は、手動で作動される。
【0037】
[0044]いくつかの実施形態では、真空源110は、真空源ユニット112内の電子制御ユニット124aおよび真空バルブ114内の電子制御ユニット124bのうちの1つまたは複数である電子制御ユニット124を含む。いくつかの実施形態では、電子制御回路124は、ヒータ/クーラユニット102からのエアロゾルを除去するために真空源110を限定された時間作動させる。いくつかの実施形態では、電子制御回路124は、ヒータ/クーラユニット102の動作状態がエアロゾル生成の可能性を示す場合、限定された時間、真空源110を作動させる。一実施形態では、エアロゾル生成の可能性を示す動作状態は、ヒータ/クーラユニット102内の加熱源を作動させることを含む。いくつかの実施形態では、電子制御回路124は、検出条件が存在している限り汚染物質エアロゾルまたはエアロゾル濃度が検出された場合に、真空源110を作動させる。いくつかの実施形態では、電子制御ユニット124は、有線(明確に図示されていない)または無線通信などによってヒータ/クーラユニット102と通信する。いくつかの実施形態では、ヒータ/クーラユニット102がオンになる前に、真空源110がオンにされる。いくつかの実施形態では、真空源110は、ヒータ/クーラユニット102がオンになると同時にオンになる。
【0038】
[0045]フィルタ106はフィルタ容器を含み、負の空気圧がフィルタ容器に供給され、エアロゾルをヒータ/クーラユニット102からフィルタ容器内に吸引する。これは、ヒータ/クーラユニット102から漏れるエアロゾルの量および手術室の周囲空気中に拡散するエアロゾルの量を除去および/または低減する。いくつかの実施形態では、システム20は、ヒータ/クーラユニット102から放出されるエアロゾルを少なくとも95%低減する。
【0039】
[0046]
図6は、本開示の実施形態による、ヒータ/クーラユニットから放出されるエアロゾルを低減する方法を示す図である。
図1のシステム20および
図5のシステム100を含む本開示に記載されたシステムのそれぞれを使用して本方法を提供することができる。
【0040】
[0047]200において、本方法は、配管を使用してフィルタを真空源およびヒータ/クーラユニットの内部空間(またはタンク)に流体的に結合するステップを含む。いくつかの実施形態では、フィルタは、ヒータ/クーラユニットから受け取ったエアロゾル中のエアロゾル化された微生物および粒子状物質を99.99%までフィルタリングするように構成された疎水性フィルタを含む。いくつかの実施形態では、この結合は、フィルタと真空源およびヒータクーラユニットのそれぞれとの間に結合された1つまたは複数の配管および/または装置を含む。一実施形態では、エアロゾルを検出するためのセンサが、ヒータ/クーラユニットとフィルタとを結合する配管内に設けられる。一実施形態では、真空源とフィルタとを結合する配管内に真空バルブが設けられる。
【0041】
[0048]いくつかの実施形態では、システム20および100の一部分は使い捨てであり、取り付けおよび取り外しが容易であるため、使い捨てが容易になる。いくつかの実施形態では、配管は、フィルタ、真空源、およびヒータ/クーラユニットのうちの1つまたは複数に、容易に取り付けおよび取り外しできるように構成されるように、着脱可能に結合される。いくつかの実施形態では、フィルタは、配管、真空源、およびヒータ/クーラユニットのうちの1つまたは複数に、容易に取り付けおよび取り外しできるように構成されるように、着脱可能に結合される。いくつかの実施形態では、配管の少なくともいくつかは、配管の汚染および汚染の蓄積を低減するために配管の少なくともいくつかを廃棄することができるように、使い捨てである。いくつかの実施形態では、フィルタは、フィルタ内の汚染および汚染の蓄積を低減するためにフィルタを廃棄することができるように、使い捨てである。いくつかの実施形態では、フィルタ、および、フィルタをヒータ/クーラユニットおよび真空源のそれぞれに結合するための配管を含む使い捨てユニットが提供される。さらなる実施形態では、フィルタ、真空源、およびフィルタをヒータ/クーラユニットに結合するための配管を含む使い捨てユニットが提供される。任意選択により、フィルタを真空源に結合するために、追加の配管を設けてもよい。
【0042】
[0049]再び
図6を参照すると、202において、本方法は、外部空気圧に対して負の空気圧をフィルタに提供して、ヒータ/クーラユニットの内部空間(またはタンク)からフィルタ内にエアロゾルを吸引するために、少なくとも限定された時間、真空源を作動させるステップを含む。いくつかの実施形態では、ヒータ/クーラユニットから放出されるエアロゾルは除去される。いくつかの実施形態では、ヒータ/クーラユニットから放出されるエアロゾルは、少なくとも95%低減される。
【0043】
[0050]いくつかの実施形態(
図6には示されていない)において、本方法は、センサを介して、細菌、エアロゾル、およびエアロゾル濃度などの汚染物質のうちの少なくとも1つを検知または検出するステップを含む。一実施形態では、センサは、ヒータ/クーラユニットの内部空間(またはタンク)に設けられる。一実施形態では、センサは、ヒータ/クーラとフィルタとを結合する配管内に設けられる。いくつかの実施形態では、センサは、汚染物質、エアロゾル、およびエアロゾル濃度のうちの少なくとも1つの検出に応答してアラームまたは表示の少なくとも1つを提供し、汚染物質、エアロゾル、およびエアロゾル濃度のうちの少なくとも1つの検出に応答して真空を提供するために真空源を作動させるように構成することができる。
【0044】
[0051]
図7は、本開示に記載されたエアロゾル除去/低減システムを含まないヒータ/クーラシステム(300で示す)と、本開示に記載されたエアロゾル除去/低減システムを含むヒータ/クーラシステム(302で示す)との経時的な空気ファン付近のエアロゾル粒子数を示すグラフである。エアロゾルは、ヒータ/クーラユニットのファン付近で測定され、手術室環境内に分散されるエアロゾルの予測最大値を測定したが、異なる場所で測定することによって同様のデータを得ることができた。304における縦軸は、ライン300および302に反映されるエアロゾル粒子数を示す。ヒータ/クーラユニット内の流体の温度は、摂氏度(C)で縦軸306に反映されるようにライン310で示される。308の横軸は時間を分単位で示す。エアロゾルは、ヒータ/クーラユニット内の流体の温度が310でグラフ化されるヒータ/クーラ加熱フェーズの間に最も大量に生成される。
【0045】
[0052]312において、ヒータ/クーラユニットは、水であってもよいヒータ/クーラの流体の加熱をまだ開始せず、流体の温度は約20℃である。5分の時点の314において、ヒータ/クーラユニットは加熱を開始して、流体を20℃から10分と11分の時点の間の316において約41℃に加熱する。この5〜6分の加熱時間の間、ヒータ/クーラユニットは、空気ファン付近に最も大量のエアロゾルを放出する。
【0046】
[0053]付属のエアロゾル低減システム300を有さないヒータ/クーラユニットのファンを出る空気中で測定されたエアロゾル粒子数は、318において約0または0未満の粒子数である。ヒータ/クーラユニットが5分の時点で流体を加熱し始めた直後、粒子数は320で増加し始める。エアロゾル粒子数は、11分と12分の時点の間の322において、約4800〜4900の粒子の最大レベルまで増加する。その後、粒子数は、324において減少して326において約500の粒子の比較的安定したレベルになり、残りの時間はそのままである。
【0047】
[0054]これとは対照的に、付属の活性化されたエアロゾル低減システムを有するヒータ/クーラユニットのファンを出る空気中で測定されたエアロゾル粒子数は、330において約−500以下の粒子数である。この粒子数は332において約0の粒子数までわずかに増加し、これは318において付属のエアロゾル低減システムを有さないヒータ/クーラユニットのファンを出る空気中で最初に測定された粒子数とほぼ同じである。その後、粒子数は、残りの時間は約0で、334において30分の時点でわずかに減少する。
【0048】
[0055]エアロゾル低減システムを含まないヒータ/クーラシステムによって放出されるエアロゾル粒子数のグラフ(ライン300)と、エアロゾル低減システムを含むヒータ/クーラシステムによって放出されるエアロゾル粒子数のグラフ(ライン302)との相違は、本開示に記載されるエアロゾル低減システムによって達成される改善を例示する。
【0049】
[0056]
図8は、本開示に記載されるエアロゾル除去/低減システムを含まないヒータ/クーラシステム(ライン400)と、本開示に記載されるエアロゾル除去/低減システムを含むヒータ/クーラシステム(ライン402)との経時的な空気ファン付近のエアロゾル粒子質量を示すグラフである。エアロゾルは、ヒータ/クーラユニットのファン付近で測定され、手術室環境内に分散されるエアロゾルの予測最大値を測定したが、異なる場所で測定することによって同様のデータを得ることができた。404における縦軸は、1立法メートルあたりのマイクログラムのエアロゾル粒子質量(μg/m
3)を示す。ヒータ/クーラユニット内の流体の温度は、摂氏度(C)で406の縦軸に反映されるようにライン410で示される。408の横軸は時間を分単位で示す。エアロゾルは、ヒータ/クーラユニット内の流体の温度がライン410でグラフ化されるヒータ/クーラ加熱フェーズの間に最も大量に生成される。
【0050】
[0057]412において、ヒータ/クーラユニットは、水であってもよいヒータ/クーラの流体の加熱をまだ開始せず、流体の温度は約20℃である。5分の時点の414において、ヒータ/クーラユニットは加熱を開始して、流体を20℃から10分と11分の時点の間の416において約41℃に加熱する。この5〜6分の加熱時間の間、ヒータ/クーラユニットは、空気中に最も大量のエアロゾルを放出する。
【0051】
[0058]付属のエアロゾル低減システムを有さないヒータ/クーラユニットのファンを出る空気中のエアロゾル粒子質量は、418において約0の粒子質量である。ヒータ/クーラユニットが5分の時点で流体を加熱し始めた後、粒子質量は9分半の時点の420において増加し始める。エアロゾル粒子質量は、11分と12分の時点の間の422において、約110の最大レベルまで増加する。その後、粒子質量は、424において減少して426において約0の比較的安定したレベルになり、残りの時間はそのままである。
【0052】
[0059]これとは対照的に、付属の活性化されたエアロゾル低減システムを有するヒータ/クーラユニットのファンを出る空気中のエアロゾル粒子質量は、430において約0の粒子質量であり、432における残りの時間の間約0のままである。
【0053】
[0060]エアロゾル低減システムを含まないヒータ/クーラシステムによって放出されるエアロゾル粒子質量のグラフ(ライン400)と、エアロゾル低減システムを含むヒータ/クーラシステムによって放出されるエアロゾル粒子質量のグラフ(ライン402)との相違は、本開示に記載されるエアロゾル低減システムによって達成される改善を例示する。
【0054】
[0061]本開示の範囲から逸脱することなく、説明された例示的な実施形態に対して様々な修正および追加がなされ得る。例えば、上述の実施形態は特定の特徴を参照するが、本開示の範囲は、特徴の異なる組合せを有する実施形態、および記載された特徴の全てを含まない実施形態も含む。したがって、本開示の範囲は、特許請求の範囲内にあるようなあらゆる代替例、変形例およびバリエーションをそれらのあらゆる均等物と共に包含するように意図される。