(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記載置台に載置された前記基板が前記処理姿勢となるよう前記載置面が傾斜することで前記載置面の回転を規制する規制機構をさらに備える、請求項6に記載の基板処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の基板処理装置では、プラテンに載置された基板が、プラテンの回転に伴ってプラテンに対し滑らないよう、把持が完了してから、サーボモータを駆動する必要がある。このため、上記従来の基板処理装置では、把持動作の完了を検知するセンサや、把持完了を検知したことの出力があるまで、サーボモータの駆動を規制するインターロック回路が設けられている。しかし、把持が完了してからサーボモータを駆動するまでの間、センサ、インターロック回路、及びサーボモータの制御回路の間で、確認のための入出力が行われるため、把持開始からプラテンの回転完了に至る一連の動作に時間を要していた。このため、処理済み基板の生産に関し、タクトタイムの短縮化に限界があった。
【0006】
そこで、本発明は、処理容器内で、載置台に載置された基板を把持してから基板の姿勢を変える動作に要する時間を短縮できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、基板の表面に対して処理を行う基板処理装置である。
前記基板処理装置は、
前記基板が水平に載置される載置面と、前記載置面の面内方向と平行に延びる支軸と、前記支軸の周りに回転する回転力を受けることで、前記載置面と一体に回転して、前記基板が前記処理を行うための処理姿勢になるよう前記載置面を傾斜させる回転伝達部と、を有する載置台と、
前記載置面に載置された前記基板が前記載置台に拘束されるよう前記基板を把持する把持機構と、
前記載置面の回転及び前記把持機構による把持を行う力を、前記載置台および前記把持機構に供給する供給機構と、を備え、
前記供給機構は、
前記支軸と平行な方向に延び、回転駆動する駆動軸と、
前記駆動軸に固定された第1供給部材であって、前記駆動軸の周りの回転方向のうち、前記基板が前記処理姿勢になるよう前記載置面を傾斜させるための第1の回転方向に関して、基準角度位置を基準とした前記駆動軸の回転角度が第1の角度範囲にあることで、前記把持機構に力を供給して前記把持機構を動作させる第1供給部材と、
前記駆動軸に固定された第2供給部材であって、前記回転角度が前記第1の角度範囲と異なる第2の角度範囲にあることで、前記回転伝達部と係合し、前記回転伝達部と係合しつつ回転することで、前記載置台に力を供給して前記基板が前記処理姿勢になるよう前記載置面を傾斜させる第2供給部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
前記供給機構は、
前記駆動軸に固定された第3供給部材と、
前記支軸の周りに回転するよう設けられ、前記回転角度が前記第1の角度範囲にあることで、前記第3供給部材と係合し、前記第3供給部材と係合しつつ前記第3供給部材が回転することで、前記載置台に対し当接することなく相対的に回転する中間部材と、をさらに備えることが好ましい。
【0009】
前記把持機構による把持及び前記載置面の回転は、前記駆動軸が前記基準角度位置から略一周、回転する間に行われ、
前記中間部材は、前記回転角度が、前記第1の回転方向の下流側に隣接する第3の角度範囲にあることで、前記第3供給部材と係合し、前記第3供給部材と係合しつつ前記第3供給部材が前記第1の回転方向に回転することで、前記載置台を押し上げて前記載置面を回転させることが好ましい。
【0010】
前記第3の角度範囲は、前記第2の角度範囲のうちの前記第1の回転方向の上流側の範囲と重なっていることが好ましい。
【0011】
前記第3の角度範囲と重なる前記上流側の範囲を除いた前記第2の角度範囲の角度範囲は、前記第3の角度範囲より広いことが好ましい。
【0012】
モータと、
前記モータと接続され、前記モータの回転駆動力の前記駆動軸への伝達及び伝達解除の切り替えを行うよう構成されたクラッチと、をさらに備え、
前記駆動軸は、前記載置台に載置された前記基板が前記処理姿勢となるよう前記載置面が傾斜し、さらに、前記載置台、前記把持機構、及び前記供給機構が、前記駆動軸と共に移動することで、前記駆動軸が前記クラッチから分離するよう構成されていることが好ましい。
【0013】
前記載置台に載置された前記基板が前記処理姿勢となるよう前記載置面が傾斜することで前記載置面の回転を規制する規制機構をさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
上述の基板処理装置によれば、処理容器内で、載置台に載置された基板を把持してから基板の姿勢を変える動作に要する時間を短縮できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の基板処理装置について説明する。
図1に、本実施形態の基板処理装置1を概略的に示す。
基板処理装置1は、基板転送部3と、処理容器5と、ビーム生成部7と、を主に備える。なお、
図1には、わかりやすく説明するため、基板転送部3に関して、基板転送部3内の基板100のみを示し、ビーム生成部7に関して、イオンビーム110のみを示す。
【0017】
基板転送部3は、処理容器5の長手方向(
図1のX方向)の一端の側に、処理容器5に隣接して設けられている。基板転送部3は、基板を収容する収容器(不図示)と、処理容器5との間で基板100の搬出、搬入を行う。具体的には、収容器(不図示)から未処理の基板100を取り出して処理容器5内に搬入し、処理容器5内から処理済みの基板を搬出して別の収容器(不図示)に収容することを行う。これらの作業は、基板100を水平な姿勢で下方から支持しつつ移動させるアームを備えるロボットを用いて行われる。
【0018】
基板100は、例えば、ガラス基板、半導体ウエハ等である。基板100のサイズは、特に制限されないが、例えば、1300mm×1500mm、1500mm×1800mmである。基板100の厚さは、特に制限されないが、0.3〜1mmである。
【0019】
処理容器5は、基板100の表面に対して、イオンビーム110を照射して基板100あるいは基板100表面に形成された薄膜にイオン注入(以降、処理という)するための容器である。処理中、及び、基板100の搬入、搬出を行う間、処理容器5内は、真空に維持される。処理は、基板100を把持した載置台11(後述)を、処理容器5内で一方向(X方向)に直線状に搬送しながら行われる。
【0020】
図2は、(a)〜(c)は、載置台ユニット10及び供給機構30(後述)を、基板100の搬送方向の上流側から見て示す図である。
基板処理装置1は、
図2に示すように、さらに、処理容器5に設けられた、載置台ユニット10と、把持機構20と、供給機構30と、モータ41(
図1参照)と、クラッチ51(
図1参照)と、搬送機構60と、規制機構(不図示)と、を備える。
【0021】
載置台ユニット10は、載置台11と、基台19と、を備える。
【0022】
載置台11は、載置面13と、プラテン14と、支軸15と、回転支持部16と、ギア部(回転伝達部)17と、を備える。
【0023】
載置面13は、基板100が水平に載置される面である。基板100は、プラテン14の底面から上方に突出した複数のピン12(
図2参照)により、剣山の上に載せられたような状態で支持されることで載置される。すなわち、載置面13は、複数のピン12の先端を通る平面である。
【0024】
プラテン14は、底面14aと、枠部14bと、を有している。底面14aは、上面視矩形状を有しており、底面14aには、上記ピン12が設けられている。底面14aと、ピン12の先端との間の隙間には、上記アームがY方向に進入及び退避することができ、進入した状態でさらに上昇及び下降することができるようになっている。枠部14bは、底面14aの4辺と対応する部分のうち、アームが進入及び退避する箇所を除いた部分から、ピン12と同じ側に突出した部分である。また、プラテン14には、把持機構20が設けられている。
【0025】
支軸15は、載置面13の面内方向と平行な方向(
図2の紙面に垂直な方向)に延びる軸である。支軸15は、両端が基台19の上端に回転自在に支持されているが、基台19の上端に固定されていてもよい。
【0026】
回転支持部16は、プラテン14と接続され、支軸15に軸支される部分である。支軸15を挟んでプラテンと接続される部分と反対側の部分に、ギア部17が設けられている。また、回転支持部16は、迫出部16aを有している。迫出部16aは、後述する中間部材39と回転方向に当接するよう、X方向の中間部材39の側に迫り出した部分である。
【0027】
ギア部17は、支軸15の周りに回転する回転力を受けることで、載置面13、プラテン14、回転支持部16と一体に回転し、基板100が処理姿勢になるよう載置面13を傾斜させる部分である。
【0028】
ギア部17は、具体的に、支軸15を中心とする円の円弧に沿って形成されたギアを有している。ギア部17は、
図3に示す第2ローラピニオン35(第2供給部材)と係合し、第2ローラピニオン35が回転することで、第2ローラピニオン35から上記回転力が伝達される。ギア部17にこの回転力が伝達されることで、載置台11は支軸15の周りに回転し、載置面13を傾斜させる。載置台11は、支軸15に固定されているが、支軸15に対し回転自在であってもよい。載置面13が、略垂直方向(水平方向に対し、例えば80度傾斜した方向)に延在するよう傾斜することで、載置台11に把持された基板100は処理姿勢にされる。
【0029】
回転支持部16及びギア部17は、第2ローラピニオン35と対応して、支軸15の軸方向(X方向)の両端部のそれぞれに設けられている。
図2には、X方向に沿って
図2の紙面手前側の回転支持部16及びギア部17が示される。
【0030】
基台19は、支軸15の軸方向の両端と対応する2箇所に、鉛直上方に延びる支持部19aを有し、支持部19aの上端に支軸15が回転自在に支持されている。基台19は、搬送機構60の後述するベルトに固定され、ベルトと一体に搬送方向に移動するようになっている。
【0031】
把持機構20は、載置面13に載置された基板100が載置台11に拘束されるよう基板100を把持する機構である。把持機構20は、
図2に示すように、入力受け部21と、複数の爪23と、付勢機構(不図示)と、を有している。
【0032】
入力受け部21はプラテン14の底面14aから支軸15の側に突出した部分であり、後述するレバー部材33から力が供給される。入力受け部21は、レバー部材33が当接することで、レバー部材33から力が伝達され、
図2のY方向に移動するようになっている。
【0033】
爪23は、載置面13に載置された基板100の外縁を、外縁に沿った複数の位置で、枠部14bとの間に挟む部材である。爪23は、付勢機構に接続されており、付勢機構が発生させる付勢力を受けて、プラテン14に対し接近し、付勢力が小さくなるに連れて、プラテン14から離反するようになっている。
【0034】
付勢機構は、レバー部材33が当接せず、レバー部材33から力が供給されないことで、付勢力が最大となり、爪23を、
図2(b)及び
図2(c)に示すように、プラテン14に接近させて基板100を枠部14bとの間に挟み、把持状態にする。把持状態で、入力受け部21は、
図2の左方に付勢されている。入力受け部21は、レバー部材33が当接し、レバー部材33から力が供給されることで、付勢力に抗して、
図2(a)に示すように、プラテン14に対して
図2の右方に移動する。これに応じて、爪23はプラテン14から離反し、把持解除状態になる。このように、レバー部材33は、付勢機構による付勢力を弱め、把持状態を解除する力を供給する。すなわち、把持機構20に力を供給して動作させるとは、基板100を把持した状態を解除することを意味するが、他の実施形態では、これとは逆に、基板100を把持することを意味するよう、把持機構20は構成されていてもよい。
【0035】
供給機構30は、載置面13の回転及び把持機構20による把持を行う2つの力を、載置台11および把持機構20に供給する機構である。
【0036】
図3は、供給機構30の一部を示す外観斜視図である。
供給機構30は、
図3に示すように、駆動軸31と、レバー部材(第1供給部材)33と、第2ローラピニオン(第2供給部材)35と、第1ローラピニオン(第3供給部材)37と、中間部材39(
図2参照)と、を備える。
【0037】
駆動軸31は、支軸15と平行な方向(X方向)に延び、回転駆動する軸である。把持機構20による把持及び載置面13の回転は、
図2に示すように、駆動軸31が基準角度位置から略一回転する間に行われることが好ましい。
図2は、
図2(a)〜
図2(c)は、供給機構30の動作を説明する図である。また、駆動軸31は、載置面13に載置された基板100が処理を行うための姿勢となるよう載置面13が傾斜し、さらに、搬送機構60によって載置台ユニット10が搬送方向に移動させられることで、クラッチ51(
図1参照)から分離するようになっている。具体的に、駆動軸31の軸方向のクラッチ51側の一端(
図3のX方向左下側の端)は、クラッチ51と係合しクラッチ51と一体に回転する形状になっている。
【0038】
レバー部材33は、駆動軸31に固定され、駆動軸31と一体に回転する部材である。レバー部材33は、
図2及び
図3に示すように、駆動軸31から外周側に延びる形状を有している。レバー部材33は、駆動軸31の周りの第1の回転方向に関して、基準角度位置を基準とした駆動軸31の回転角度が第1の角度範囲αにあることで、把持機構20に力を供給して把持機構20を動作させる。第1の回転方向とは、駆動軸31の周りの回転方向のうち、載置面13を傾斜させるための回転方向(
図2において反時計回り)である。基準角度位置は、把持機構20が
図2(a)に示す把持解除状態であるときの方位方向であり、
図2に示す例において、鉛直上方から時計回りに45度の方位方向(
図2(a)に示すレバー部材33が延びる方向)である。第1の角度範囲αは、
図2に示す例では、基準角度位置から第1の回転方向に45度未満の角度範囲である。一方、第2の回転方向とは、第1の回転方向と反対方向(
図2において時計回り)であり、傾斜した載置面13を水平にするための回転方向である。
【0039】
駆動軸31が第1の角度範囲αにあるとき、レバー部材33の先端33aは、把持機構20の入力受け部21に当接しており、この状態で、駆動軸31が第1の回転方向に回転駆動すると、レバー部材33が回転し、レバー部材33の先端33aは、
図2(b)に示す方位方向に位置する。これにより、把持機構20の入力受け部21は、付勢機構による付勢力を受けて、
図2の左方に移動し、爪23が、プラテン14に接近して基板100を把持する。一方、駆動軸31が第1の角度範囲αにないとき、レバー部材33の先端33aは、入力受け部21に当接しない。このため、レバー部材33から把持機構20への力の供給はされない。
【0040】
第2ローラピニオン35は、駆動軸31に固定され、駆動軸31と一体に回転する部材である。第2ローラピニオン35は、全周にギアが形成されており、駆動軸31の回転角度が第2の角度範囲βにある場合に、
図2(c)に示すように、載置台11のギア部17と噛み合う。
図2(c)には、第2ローラピニオン35と載置台11のギア部17を通るX方向位置における載置台11の部分的な断面が示される。第2の角度範囲βは、第1の角度範囲αと異なる角度範囲であり、
図2に示す例では、基準角度位置から反時計回り(第1の回転方向)に60度以上、365度未満の角度範囲である。第2ローラピニオン35は、駆動軸31の回転角度が第2の角度範囲βにあることで、載置台11のギア部17と噛み合い、ギア部17と噛み合いつつ回転することで、載置台11に力を供給して載置面13を傾斜させる。なお、第2の角度範囲βにおいて回転するギア部17の回転角度は、特に制限されないが、例えば76.25度である。
【0041】
第1ローラピニオン37は、駆動軸31に固定され、駆動軸31と一体に回転する部材である。第1ローラピニオン37は、全周にギアが形成されており、駆動軸31の回転角度が、
図2に示す例では、基準方向位置から第1の回転方向に105度未満の角度範囲にある場合に、
図2(a)及び
図2(b)に示すように、中間部材39の後述するギア39aと噛み合う。第1ローラピニオン37の半径は、第2ローラピニオン35の半径と等しい。なお、
図3において、第1ローラピニオン37及び第2ローラピニオン35のギアの図示は省略されている。
【0042】
中間部材39は、支軸15の周りに回転するよう設けられる部材である。載置台11の回転支持部16とX方向に隣り合って配置されている。中間部材39は、支軸15を中心とする円の円弧に沿って形成されたギア39aを有している。ギア39aが配置される上記円弧の半径は、ギア部17のギア17aが配置される上記円弧の半径と等しい。このため、ギア39a及びギア17aは、同じ円周上を移動する。中間部材39は、第1の角度範囲α及び第3の角度範囲γを合わせた角度範囲で、第1ローラピニオン37と係合する。第3の角度範囲γは、第1の角度範囲αに対し、第1の回転方向の下流側に隣接する角度範囲であり、
図2に示す例では、基準角度位置から第1の回転方向に45度以上、105度未満の角度範囲である。駆動軸31の回転角度が第1の角度範囲αにあるとき、中間部材39と載置台11との間には回転方向に隙間があいており、第1ローラピニオン37の回転に伴って中間部材39が回転しても、第1ローラピニオン37から中間部材39に供給された力は載置台11に伝達されず、載置台11は回転しない。なお、第1の角度範囲αにおいて回転する中間部材39の回転角度は、特に制限されないが、例えば11.25度である。一方、駆動軸31の回転角度が第3の角度範囲γにあるとき、
図2(b)に示すように、中間部材39が載置台11の迫出部16aに当接しているため、中間部材39と載置台11との間に上記隙間はない。このため、第1ローラピニオン37の回転に伴って中間部材39が回転すると、第1ローラピニオン37から中間部材39に供給された力は、載置台11に伝達され、載置台11は、中間部材39により迫出部16aが押し上げられることで回転する。なお、駆動軸31の回転角度が、第3の角度範囲γのうち、第1の回転方向の下流側の所定の角度範囲(例えば、基準角度位置から第1の回転方向に60度以上105度未満)にあるとき、載置台11は、第1ローラピニオン37から中間部材39に供給された力だけでなく、第2ローラピニオン35からギア部17に供給された力を受けて回転する。言い換えると、載置台11は、駆動軸31の回転角度が、この角度範囲を除く上流側の角度範囲(例えば、基準角度位置から第1の回転方向に45度以上60未満の角度範囲)にあるときは、第1ローラピニオン37から中間部材39に供給された力のみを受けて回転する。なお、
図2(a)及び
図2(b)には、第1ローラピニオン37と中間部材39を通るX方向位置における載置台11の部分的な断面を示している。
【0043】
第3の角度範囲γは、第2の角度範囲βのうち第1の回転方向の上流側の範囲と重なっていることが好ましい。すなわち、第1ローラピニオン37の回転に伴って中間部材39が載置台11を回転させる角度範囲は、第2ローラピニオン35の回転に伴って載置台11が回転する角度範囲のうちの上流側の範囲(例えば、基準角度位置から第1の回転方向に60度以上105度未満)と重なっていることが好ましい。第1ローラピニオン37から中間部材39に力を供給して、中間部材39により迫出部16aを押し上げると、載置台11の回転を容易に開始できるが、押上量が大きいと、載置台11が回転する途中で後述するように重心が移動し、載置台11が勢いづいて回転してしまうため、少なくとも載置台11の回転が完了する前に、第2ローラピニオン35とギア部17とを係合させ、第2ローラピニオン35からギア部17に力を供給して載置台11を回転させることが好ましい。このため、上記したように、第3の角度範囲γが第2の角度範囲βの上流側の範囲と重なっていると、載置台11に回転力を伝達する経路を円滑に切り替えることができる。
【0044】
上記した上流側の角度範囲を除いた第2の角度範囲は、第3の角度範囲γより広いことが好ましい。基板100を把持した載置台11の重心は、載置台11の回転に伴って、
図2の右方に移動する。このとき、重心が支軸15よりも右方に移動すると、基板100を把持した載置台11は自重により回転する力が付加されて、勢いづいて回転してしまう。しかし、上記したように、第2の角度範囲βの上記残りの角度範囲が、第3の角度範囲γより広いと、第2ローラピニオン35と載置台11のギア部17が噛み合って力が伝達(キー伝達)されることで、自重により回転する力が付加されても、載置台11を安定して回転させることができる。上記した上流側の角度範囲を除いた第2の角度範囲βは、例えば、基準角度位置から第1の回転方向に105度以上365度未満である。
【0045】
供給機構30に関して、
図3に示すように、レバー部材33は、駆動軸31の軸方向の中央部に1つ配置され、第2ローラピニオン35及び第1ローラピニオン37は、駆動軸31の軸方向の両側のそれぞれに配置されている。また、中間部材39は、支軸15の軸方向の両側において、回転支持部16の外側に配置されている。
【0046】
規制機構は、載置台11に載置された基板100が処理姿勢となるよう載置面13が傾斜したときに載置面13の回転を規制する機構である。規制機構は、具体的に、支軸15の軸方向の両端部の間の中央部に、載置台11と一体に支軸15の周りに回転する規制用爪(図示せず)を有している。例えば、規制用爪は、支軸15から支軸15の径方向に沿って支軸15の外側に延びる形状を有しており、その先端に、軸方向のうちの一方の方向を向く突起(図示せず)を有しており、この突起は、上記一方の方向に付勢されている。一方、支軸15の中央部には、基板100が処理姿勢となるよう載置面13が傾斜したときに上記突起を受け入れる爪受け部(図示せず)が設けられている。規制用爪は、基板100が処理姿勢となるよう載置面13が傾斜すると、付勢力により上記一方の方向に移動して、突起が爪受け部の凹部に入り込み、これにより、載置面13の回転は規制される。
【0047】
以上説明した載置台11、把持機構20、供給機構30、及び規制機構は、駆動軸31と共に処理容器5内を一方向に移動することで、駆動軸31が後述するクラッチ51から分離するよう構成されている。
【0048】
モータ41は、駆動軸31に供給する回転駆動力を発生させる。モータ41は、図示しない制御装置に接続されており、制御装置からの駆動信号を受けて回転することで、駆動軸31の回転角度を制御する。このため、モータ41は、サーボモータであることが好ましい。
【0049】
クラッチ51は、モータ41の回転駆動力の駆動軸31への伝達及び伝達解除の切り替えを行う。
図1に示す例において、モータ41は処理容器5の外側に配置され、クラッチ51は処理容器5内に配置されている。
【0050】
搬送機構60は、載置台ユニット10を一方向に移動させる機構である。搬送機構60には、公知又は新規な搬送機構が用いられる。公知な搬送機構として、例えば、処理容器5内に載置台ユニット10の搬送方向(X方向)に延びるよう設けられ、載置台ユニット10をX方向に案内するリニアガイドと、載置台ユニット10が固定され、リニアガイドに沿って載置台ユニット10を牽引するベルトと、搬送方向に間隔をあけて処理容器5に対して固定され、ベルトが架け渡される一対のローラと、ローラが固定されるフレームと、を備えるものが用いられる。ローラのうち、搬送方向の上流側(
図1の左下側)に位置するローラは、図示しない制御装置に制御されて駆動するモータ61及び駆動機構63と接続されている。
【0051】
ビーム生成部7は、処理容器5で基板100に照射されるイオンビーム110を生成する部分である。ビーム生成部7は、処理容器5に対して、基板転送部3が配置された側とY方向の反対側において処理容器5に隣接して設けられている。ビーム生成部7は、処理容器5内の搬送経路上の処理領域5aが位置する処理容器5の側壁の部分に設けられた窓(不図示)から、処理領域5aを通過する基板100にイオンビームを照射する。ビーム生成部7は、図示されないイオン源でイオンを発生させ、引き出したイオンを加速させてイオンビーム110を生成する。イオンビーム110は、
図1に示す例では、鉛直方向に延びた状態で処理容器5内に照射される。
【0052】
以上のように構成された基板処理装置1では、搬送機構60により、載置台11が搬送方向の所定位置(初期位置)に位置決めされた状態で、基板転送部3から処理容器5内に未処理の基板100が搬入され、基板100が載置台11に載置される。基板100が載置されたことが図示しないセンサにより検知されると、モータ41から供給機構30に回転駆動力が入力され、駆動軸31が第1の回転方向に回転することで、上記説明したように、基板100の把持、及び載置台11の回転が行われ、基板100は処理姿勢にされる。
【0053】
すなわち、駆動軸31の回転角度が第1の角度範囲αにあるとき、第1ローラピニオン37は、中間部材39のギア39aと噛み合い、ギア39aと噛み合いつつ第1の回転方向に回転することで、中間部材39は載置台11に対し当接することなく載置台11に対して相対的に回転する。このため、載置台11に力は伝達されず、載置台11は回転しない。一方で、駆動軸31の回転角度が第1の角度範囲αにあるとき、第1ローラピニオン37と共にレバー部材33が第1の回転方向に回転することで、レバー部材33から把持機構20に力が供給される。これにより、把持機構20の付勢力が強くなり、爪23がプラテン14に接近して、プラテン14との間に基板100を挟むことで、把持機構20は把持状態となる。
【0054】
さらに、駆動軸31が第1の回転方向に回転し、駆動軸31の回転角度が第3の角度範囲γにある場合、第1ローラピニオン37は、中間部材39のギア39aと噛み合い、ギア39aと噛み合いつつ第1の回転方向に回転することで、中間部材39は、載置台11の迫出部16aに当接して載置台11を押し上げ、載置面13を回転させる。駆動軸31が、第3の角度範囲γのうち、第2の角度範囲βと重複する角度範囲(基準角度範囲から第1の回転方向に60度以上、105度未満の範囲)にあるとき、第2ローラピニオン35は、載置台11のギア部17のギア17aと噛み合い、ギア17aと噛み合いつつ第1の回転方向に回転することで、載置台11を回転させる。このように、駆動軸31の角度範囲が上記重複する角度範囲にあるとき、第1ローラピニオン37から中間部材39を介した載置台11への力の伝達と、第2ローラピニオン35から載置台11への力の伝達とは、同時に行われる。
【0055】
さらに、駆動軸31が第1の回転方向に回転し、駆動軸31の回転角度が、上記重複する角度範囲を除いた第2の角度範囲βの範囲にある場合、第1ローラピニオン37は中間部材39のギア39aと噛み合わず、第2ローラピニオン35は載置台11のギア17aと噛み合い、載置台11に伝達される回転力は、第2ローラピニオン35のみから供給される。この角度範囲で、駆動軸31が第1の回転方向に回転することで、載置面13は、基板100が処理姿勢にされる。
【0056】
このとき、規制機構により、載置面13の回転は規制される。次いで、モータ61から搬送機構60に回転駆動力が供給され、載置台ユニット10が搬送方向の下流側(
図1の右上側)に移動することで、駆動軸31はクラッチ51から分離される。載置台ユニット10が処理領域5aを通過するとき、載置台11に支持された基板100にイオンビーム110が照射され、処理が行われる。載置台11が搬送方向の下流側の所定位置まで移動したことが図示しないセンサにより検知されると、モータ61から搬送機構60に、反対方向の回転駆動力が供給され、載置台ユニット10は搬送方向の上流側に移動させられる。載置台ユニット10が処理領域5aを通過するとき、載置台11に把持された基板100にイオンビーム110が照射され、処理が行われる。載置台11が上流側の所定位置まで移動したことが図示しないセンサにより検知されると、載置台ユニット10は、再度、搬送機構60により下流側に移動させられる。このような往復移動を所定回数、行った後、載置台ユニット10は、搬送機構60により、初期位置に位置決めされる。このとき、駆動軸31がクラッチ51に連結され、制御装置に制御されてモータ41から供給機構30に回転駆動力が入力され、規制機構の付勢力に打ち勝って駆動軸31が第2の回転方向に回転駆動することで、規制機構による載置面13の規制が解除される。
【0057】
駆動軸31が第2の回転方向に回転駆動するとき、駆動軸31が第1の回転方向に回転したときとは反対に、先に、第2ローラピニオン35から載置台11に力が供給され、次いで、第1ローラピニオン37から中間部材39を介して載置台11に力が供給され、さらに、レバー部材33から把持機構20に力が供給される。これにより、基板100が水平になるよう載置台11が回転した後、把持機構20が動作して基板100の把持が解除される。次いで、処理容器5内から基板転送部3に処理済みの基板100が搬出される。
【0058】
基板処理装置1によれば、基板100の把持及び載置面13の回転を行う力は、1つの駆動軸31の異なる回転角度範囲で、把持機構20及び載置台11のそれぞれに供給されるので、駆動軸31を一方の回転方向に回転させたときに、基板100の把持及び載置面13の回転が、確実に異なるタイミングで行われる。このため、例えば、駆動軸31の回転を途中で止めて、基板100の把持動作が完了したことを確認する必要がなく、基板100を把持してから基板100の姿勢を変える動作に要する時間を短縮できる。これにより、処理済み基板の生産に係るタクトタイムを短縮することができる。
また、基板100の把持及び載置面13の回転を、1つのサーボモータを用いて駆動軸31を動作させることで行うことができ、さらに、基板100の把持が完了したことを確認するためのセンサやインターロック回路等の部材を必要としない。このため、簡易な構成で、基板100の把持と載置面13の回転とを異なるタイミングで行うことができる。
さらに、供給機構30は、ローラピニオンとギアとの噛み合いにより力の供給を行うよう構成されているので、処理容器5内での発塵が起きにくい。
【0059】
以上、本発明の基板処理装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【解決手段】基板処理装置は、載置台と、基板を把持する把持機構と、載置面の回転及び把持機構による把持を行う力を供給する供給機構とを備える。供給機構は、駆動軸と、第1供給部材と、第2供給部材とを備える。第1供給部材は、駆動軸に固定され、駆動軸の周りの回転方向のうち、基板が処理姿勢になるよう載置面を傾斜させるための第1の回転方向に関して、基準角度位置を基準とした駆動軸の回転角度が第1の角度範囲にあることで、把持機構に力を供給する。第2供給部材は、駆動軸に固定され、回転角度が第2の角度範囲にあることで、回転伝達部と係合し、回転伝達部と係合しつつ回転することで、載置台に力を供給して基板が処理姿勢になるよう載置面を傾斜させる。