(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
【0016】
本明細書において、「電子写真感光体」を単に「感光体」ともいう。
【0017】
本明細書において「微小色線」とは、ハーフトーン画像に出現する意図しない画像であって、記録媒体の搬送方向に直交する方向に伸びる、ミリメートルオーダーの長さの、線状の画像を指す。
【0018】
<帯電部材>
本実施形態に係る帯電部材は、支持部材と、前記支持部材上に配置された導電性弾性層と、前記導電性弾性層上に配置された表面層とを有する。即ち、本実施形態に係る帯電部材は、支持部材上に、少なくとも導電性弾性層と表面層とを積層して有する。
【0019】
そして、本実施形態に係る帯電部材は、周期0.1mm未満の凹凸と周期0.1mm以上の凹凸とが外周面全体に分布し、且つ下記(1)及び(2)の要件を満たし、外周面の高さ分布
曲線における最大
ピークの半値幅が1μm以上3μm以下である。
【0020】
(1)周期0.1mm未満の凹凸は、平均高さが5μm以上8μm以下である。
(2)周期0.1mm以上の凹凸は、平均高さが6μm以上30μm以下である。
【0021】
本実施形態に係る帯電部材の形状は、特に限定されない。本実施形態に係る帯電部材の形状としては、例えば、
図1に例示したロール状、ベルト状等が挙げられる。
【0022】
以下、本実施形態に係る帯電部材の構成と、帯電部材の外周面の幾何学的諸量とを、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本実施形態に係る帯電部材の一例を示している。
図1に示す帯電部材208は、円筒状又は円柱状の棒状部材(シャフト)である支持部材30と、支持部材30の外周面に配置された導電性弾性層31と、導電性弾性層31の外周面に配置された表面層32と、を有する。
【0024】
図2Aは、本実施形態に係る帯電部材の外周面に分布する凹凸の一例を示す概略図である。
図2Aは、帯電部材208の表面層32及び導電性弾性層31を、厚さ方向且つ支持部材30の軸方向に切断したときに現われる形状を示している。帯電部材208の外周面は、導電性弾性層31がなす起伏の上に表面層32が載った形状となっている。
【0025】
本実施形態においては、帯電部材の外周面の表面性状を、共焦点レーザー顕微鏡を用いて測定する。測定条件は、帯電部材の回転方向(「X方向」とする。)に測定周期0.05μm、帯電部材の回転方向に直交する方向(「Y方向」とする。)に測定周期0.05μm、XY方向の測定範囲を少なくとも400μm×600μm、高さ方向(Z方向)の測定範囲を50μmとする。そして、帯電部材がロール状であればロールの曲率に応じた面補正と、異常値を除去するノイズ補正とを測定データに施し、その補正後の補正データから、帯電部材の外周面の幾何学的諸量を求める。詳細は[実施例]項に記載するとおりである。
【0026】
「外周面の高さ分布
曲線における最大
ピークの半値幅」は、前記補正データにおいて最も高さの低い測定点を基準(高さゼロ)とし、XY方向のすべての測定点の高さについてヒストグラムを作成し、該ヒストグラムを曲線に近似し、半値幅(半値全幅である。)を求める。
図2Bは、半値幅を求めるための近似曲線の一例である。
【0027】
「周期0.1mm未満の凹凸」の平均高さ、及び「周期0.1mm以上の凹凸」の平均高さは、前記補正データからY方向の断面曲線(即ち、測定周期0.05μmの高さをY方向に繋いだ曲線である。「Y方向断面曲線」という。)を描き、Y方向断面曲線を解析することで求める。凹凸の周期とは、隣り合った2個の凸部の頂点間の長さである。
【0028】
「周期0.1mm未満の凹凸」の高さは、波長0.1mmをカットオフ値として長波長成分を除去して「粗さ曲線」を作成し求める。1個のY方向断面曲線から作成した1個の「粗さ曲線」にある全凸部の高さを測定する。ここで、1個の凸部の高さは、凸部の左右にある凹部のうちでより低い方の凹部表面から凸部の頂点までの高さである。そして、1個の「粗さ曲線」にある全凸部の高さを平均し、さらにX方向にすべての「粗さ曲線」を平均し、その平均値を「周期0.1mm未満の凹凸」の平均高さとする。
【0029】
「周期0.1mm以上の凹凸」の高さは、波長0.1mmをカットオフ値として短波長成分を除去して「うねり曲線」を作成し求める。1個のY方向断面曲線から作成した1個の「うねり曲線」にある全凸部の高さを測定する。ここで、1個の凸部の高さは、凸部の左右にある凹部のうちでより低い方の凹部表面から凸部の頂点までの高さである。そして、1個の「うねり曲線」にある全凸部の高さを平均し、さらにX方向にすべての「うねり曲線」を平均し、その平均値を「周期0.1mm以上の凹凸」の平均高さとする。
【0030】
本明細書において、「周期0.1mm未満の凹凸」を「粗さ成分」ともいい、「周期0.1mm以上の凹凸」を「うねり成分」ともいう。
【0031】
画像形成装置には、帯電部材に直流電圧のみを印加する帯電方式と、帯電部材に直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加する帯電方式とがある。直流電圧のみを帯電部材に印加し、接触帯電方式で感光体を帯電した場合、画像に意図しない微小色線が発生することがある。本実施形態の帯電部材は、微小色線を抑制する。その機序としては、下記が推測される。
以下、直流電圧のみが印加された帯電部材で感光体を接触帯電した際において発生する微小色線を、単に微小色線という。
【0032】
微小色線の発生は、感光体と帯電部材との接触直後に生じる放電現象(ポスト放電)の放電頻度が少ないことに起因すると考えられる。直流電圧のみを印加する場合、直流電圧に交流電圧を重畳する場合に比べて、ポスト放電の放電頻度が少なく、帯電部材の外周面に十分に帯電されない領域が不規則に生じ、結果、微小色線が発生しやすいと考えられる。そして、帯電部材の使用を継続した際には、トナー等が帯電部材の外周面に蓄積するので、ポスト放電の放電頻度がより減少し、微小色線が顕在化すると考えられる。
微小色線の発生は、より高速で画像形成した場合、及び、より小粒径のトナーを用いて画像形成した場合に顕在化しやすい。
【0033】
微小色線の発生を抑制するには、帯電部材の外周面に凹凸を分布させることにより、感光体と帯電部材との間における放電空間を増加させ、ポスト放電を促すことが有効である一方で、単に帯電部材の外周面に凹凸を分布させるのでは、効果的に微小色線の発生を抑制することは難しい。また、帯電部材の外周面に凹凸を分布させると、感光体との接触面積が小さくなるので、感光体への従動性が低下し、感光体の回転速度が速いほど、従動性の低下が大きくなる。
【0034】
本実施形態の帯電部材によれば、詳細な機序は必ずしも明らかではないが、帯電部材の外周面に「周期0.1mm未満の凹凸」(粗さ成分)と「周期0.1mm以上の凹凸」(うねり成分)とが、それぞれ平均高さ5μm以上8μm以下と6μm以上30μm以下とで分布していることで、両者のかけ合わせにより、直流電圧のみが印加される際においてポスト放電を促し、加えてトナー等が外周面に付着しにくく、感光体への追従性も確保され、結果、微小色線の発生を抑制し、感光体への従動性にも優れると考えられる。
粗さ成分の平均高さは、5μm以上8μm以下であり、より好ましくは5.5μm以上7.5μm以下であり、更に好ましくは6μm以上7μm以下である。
うねり成分の平均高さは、6μm以上30μm以下であり、より好ましくは8μm以上25μm以下であり、更に好ましくは10μm以上20μm以下である。
【0035】
本実施形態において、「外周面の高さ分布
曲線における最大
ピークの半値幅」は、1μm以上3μm以下である。半値幅が3μmを超えることは、外周面の凹凸の高さにバラつきがあることを意味し、この場合、微小色線の発生抑制が困難である。半値幅は、外周面の凹凸の高さにバラつきが少ない観点からは、狭いほど望ましいとも考えられるが、半値幅を1μm未満に抑えようとすると、外周面に分布させる凹凸の高さを控えることになり、外周面が平坦に近づき、微小色線の発生抑制が困難になる。また、量産に適した押出成形で導電性弾性層を製造しつつ、半値幅を1μm未満にすることは難しい。
【0036】
帯電部材の外周面に分布する「周期0.1mm未満の凹凸」(粗さ成分)の平均周期は、2μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましく、50μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、15μm以下が更に好ましい。
【0037】
帯電部材の外周面に分布する「周期0.1mm以上の凹凸」(うねり成分)の平均周期は、0.15mm以上が好ましく、0.20mm以上がより好ましく、0.25mm以上が更に好ましく、0.45mm以下が好ましく、0.35mm以下がより好ましく、0.30mm以下が更に好ましい。
【0038】
帯電部材の外周面に分布する粗さ成分及びうねり成分の高さ及び周期の制御方法は、後述する。
【0039】
次に、本実施形態に係る帯電部材の各構成要素について説明する。
【0040】
[支持部材]
支持部材は、帯電部材の電極及び支持体として機能する導電性部材である。支持部材は、中空状の部材(筒状部材)であってもよいし、非中空状の部材であってもよい。
【0041】
支持部材としては、鉄(快削鋼等)、銅、真鍮、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル等の金属の部材;クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄の部材;樹脂製又はセラミック製の部材の外周面にメッキ処理を施した部材;導電剤を含有する、樹脂製又はセラミック製の部材;などが挙げられる。
【0042】
[導電性弾性層]
導電性弾性層は、支持部材の外周面上に配置された層である。導電性弾性層は、支持部材の外周面上に直接配置されていてもよく、接着層を介して支持部材の外周面上に配置されていてもよい。
【0043】
導電性弾性層は、単層でもよく、複数の層が積層した積層体でもよい。導電性弾性層は、導電性の発泡弾性層でもよく、導電性の非発泡弾性層でもよく、導電性の発泡弾性層と導電性の非発泡弾性層とが積層されていてもよい。
【0044】
導電性弾性層の一実施形態は、弾性材料と、導電剤と、その他添加剤とを含む。
【0045】
弾性材料としては、例えば、ポリウレタン、ニトリルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エピクロロヒドリンゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキシドゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、塩素化ポリイソプレン、水素化ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム、及びこれらを混合した弾性材料が挙げられる。これらの弾性材料の中でも、ポリウレタン、シリコーンゴム、ニトリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキシドゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、及びこれらを混合した弾性材料が好ましい。
【0046】
導電剤としては、電子導電剤とイオン導電剤とが挙げられる。電子導電剤としては、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カラーブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン;グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理した物質;などの粉末が挙げられる。イオン導電剤としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリアルキルアンモニウム等の過塩素酸塩又は塩素酸塩;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩又は塩素酸塩;などが挙げられる。導電剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
導電性弾性層の体積抵抗率は、10
3Ωcm以上10
14Ωcm以下が望ましい。導電性弾性層における電子導電剤の含有量は、弾性材料100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が好ましく、15質量部以上25質量部以下がより好ましい。導電性弾性層におけるイオン導電剤の含有量は、弾性材料100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下が好ましく、0.5質量部以上3質量部以下がより好ましい。
【0048】
導電性弾性層に配合されるその他添加剤としては、例えば、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤、充填剤等が挙げられる。
【0049】
加硫促進剤としては、チアゾール系、チウラム系、スルフェンアミド系、チオウレア系、ジチオカルバミン酸塩系、グアニジン系、アルデヒド−アンモニア系等が挙げられる。加硫促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電性弾性層における加硫促進剤の含有量は、弾性材料100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下が好ましく、2質量部以上6質量部以下がより好ましい。
【0050】
加硫促進助剤としては、酸化亜鉛、ステアリン酸等が挙げられる。加硫促進助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電性弾性層における加硫促進助剤の含有量は、弾性材料100質量部に対して、1質量部以上15質量部以下が好ましく、3質量部以上10質量部以下がより好ましい。
【0051】
導電性弾性層に含まれる充填剤としては、炭酸カルシウム、シリカ、粘土鉱物等が挙げられる。充填剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電性弾性層における充填剤の含有量は、弾性材料100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下が好ましく、10質量部以上60質量部以下がより好ましい。
【0052】
導電性弾性層に含まれる粒状物(カーボンブラック等の導電剤、酸化亜鉛等の加硫促進助剤、炭酸カルシウム等の充填剤など)は、大きくとも粒径10μm以下であることが好ましく、粒径2μm以下であることがより好ましく、小さくとも粒径20nm以上であることが好ましく、粒径50nm以上であることがより好ましい。導電性弾性層に含まれる粒状物の粒径は、導電性弾性層の断面を光学顕微鏡で観察して求める。
【0053】
導電性弾性層の層厚は、1mm以上10mm以下が好ましく、2mm以上8mm以下がより好ましく、3mm以上6mm以下が更に好ましい。導電性弾性層の層厚は、回転方向に直交する方向に帯電部材を切断したときに現われる断面を光学顕微鏡にて観察し、任意に10点測定し平均した値である。
【0054】
導電性弾性層と支持部材との間に介在する接着層としては、樹脂層が挙げられ、具体的には、ポリオレフィン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ニトリルゴム、塩素ゴム、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂層が挙げられる。接着層は、導電剤(例えば、前述の電子導電剤又はイオン導電剤)を含有していてもよい。
【0055】
導電性弾性層を支持部材上に形成する方法としては、例えば、弾性材料、導電剤、その他添加剤を混合した導電性弾性層形成用組成物と、棒状の支持部材とを、共に押出成形機から押出して、支持部材の外周面上に導電性弾性層形成用組成物の層を形成し、次いで、導電性弾性層形成用組成物の層を加熱して架橋反応させ導電性弾性層とする方法;無端ベルト状の支持部材の外周面に、弾性材料、導電剤、その他添加剤を混合した導電性弾性層形成用組成物を押出成形機から押出して、支持部材の外周面上に導電性弾性層形成用組成物の層を形成し、次いで、導電性弾性層形成用組成物の層を加熱して架橋反応させ導電性弾性層とする方法;などが挙げられる。支持部材は、その外周面に接着層を有していてもよい。
【0056】
帯電部材の外周面に分布する「周期0.1mm以上の凹凸」(うねり成分)は、主に導電性弾性層に由来する凹凸であることが望ましい。帯電部材の外周面にうねりがあっても、導電性弾性層に由来するうねりであれば、感光体との接触時にうねりが弾性を示し、感光体とのニップ形成及び感光体への従動性がよく、高速適性に優れている。
【0057】
導電性弾性層の外周面における「周期0.1mm以上の凹凸」(うねり成分)の平均高さは6μm以上30μm以下であることが好ましい。また、導電性弾性層の外周面におけるうねり成分の平均周期は、0.15mm以上が好ましく、0.20mm以上がより好ましく、0.25mm以上が更に好ましく、0.45mm以下が好ましく、0.35mm以下がより好ましく、0.30mm以下が更に好ましい。
【0058】
導電性弾性層の外周面におけるうねり成分の高さ及び周期、並びに、帯電部材の外周面におけるうねり成分の高さ及び周期は、例えば下記(i)乃至(iii)により制御する。
【0059】
(i)導電性弾性層形成用組成物に含まれる加硫促進剤又は加硫促進助剤の量:加硫促進剤又は加硫促進助剤の量が多いほど、うねり成分が大きくなる傾向がある。
【0060】
(ii)押出成形機から導電性弾性層形成用組成物を押し出す際のダイの温度:ダイの温度が高いほど、うねり成分が小さくなる傾向がある。ダイの温度は40℃乃至95℃の範囲が好ましい。
【0061】
(iii)導電性弾性層形成用組成物を加熱して架橋反応させる際の加熱温度及び加熱時間:加熱温度が高いほど、うねり成分が小さくなる傾向がある。加熱時間が長いほど、うねり成分が小さくなる傾向がある。加熱温度は120℃乃至180℃の範囲が好ましく、加熱時間は20分間乃至90分間の範囲が好ましい。
【0062】
[表面層]
表面層は、例えば、トナー等による帯電部材の汚染を抑制する目的で設けられる。
【0063】
表面層の一実施形態は、結着樹脂と、粒子と、その他添加剤とを含む。表面層に含まれる粒子は、結着樹脂中に分散していることが望ましい。
【0064】
表面層の結着樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリビニルブチラール、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ素ゴム、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、セルロース等が挙げられる。結着樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0065】
表面層に含まれる粒子としては、導電剤が挙げられる。表面層に含まれる導電剤としては、平均粒径3μm以下かつ体積抵抗率10
9Ωcm以下の導電性粒子が望ましい。導電性粒子としては、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物;カーボンブラック;等が挙げられる。導電性粒子としては、微小色線の発生を抑制する観点から、酸化スズが好ましく、酸化スズを単独で用いること、又は、酸化スズとカーボンブラックとを併用することが好ましい。
【0066】
表面層における導電剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、20質量部以上80質量部以下が好ましく、50質量部以上60質量部以下がより好ましい。
【0067】
表面層は、帯電部材の表面形状を制御する目的で、導電剤以外の粒子を含んでいてもよい。該粒子としては、ポリアミド粒子、フッ素樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子等が挙げられ、微小色線の発生を抑制する観点から、ポリアミド粒子が好ましい。これら粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
表面層における上記粒子の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、3質量部以上30質量部以下が好ましく、5質量部以上20質量部以下がより好ましい。
【0068】
表面層に含まれる粒状物(導電剤、ポリアミド粒子など)は、大きくとも粒径15μm以下であることが好ましく、粒径10μm以下であることがより好ましく、小さくとも粒径1μm以上であることが好ましく、粒径3μm以上であることがより好ましい。表面層に含まれる粒状物の粒径は、表面層の断面を光学顕微鏡で観察して求める。
【0069】
表面層を導電性弾性層上に形成する方法としては、例えば、結着樹脂、粒子、その他添加剤を混合した表面層形成用組成物を、導電性弾性層上に塗布して表面層形成用組成物の層を形成し、次いで、表面層形成用組成物の層を乾燥させる方法が挙げられる。表面層形成用組成物を導電性弾性層上に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布、ロール塗布、ブレード塗布、ワイヤーバー塗布、スプレー塗布、ビード塗布、エアーナイフ塗布、カーテン塗布等が挙げられる。
【0070】
表面層の層厚は、3μm以上20μm以下が好ましく、5μm以上15μm以下がより好ましい。表面層の層厚は、回転方向に直交する方向に帯電部材を切断したときに現われる断面を光学顕微鏡にて観察し、任意に100点測定し平均した値である。
【0071】
帯電部材の外周面に分布する「周期0.1mm未満の凹凸」(粗さ成分)は、表面層に由来する凹凸であることが望ましい。導電性弾性層に「周期0.1mm未満の凹凸」を形成して帯電部材の外周面に粗さ成分を分布させるよりも、表面層に「周期0.1mm未満の凹凸」を形成して帯電部材の外周面に粗さ成分を分布させる方が、より均一性の高い粗さ成分を分布させることができる。
【0072】
表面層の外周面における「周期0.1mm未満の凹凸」(粗さ成分)の平均高さは5μm以上8μm以下であることが好ましい。また、表面層の外周面における粗さ成分の平均周期は、2μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましく、50μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、15μm以下が更に好ましい。
【0073】
表面層の外周面における粗さ成分の高さ及び周期、並びに、帯電部材の外周面における粗さ成分の高さ及び周期は、例えば、表面層形成用組成物に含まれる粒状物の粒径及び量により制御する。表面層形成用組成物に含まれる粒状物、又は該粒状物の凝集物によって、表面層表面に凹凸を形成させることが望ましい。
【0074】
<帯電装置、画像形成装置、プロセスカートリッジ>
本実施形態に係る帯電装置は、本実施形態に係る帯電部材を備え、接触帯電方式により感光体の表面を帯電させる帯電装置である。本実施形態に係る帯電装置は、帯電部材に直流電圧のみを印加する帯電装置である。
【0075】
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体と、本実施形態に係る帯電装置と、帯電した感光体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、感光体の表面に形成された潜像を、トナーを含む現像剤により現像して、感光体の表面にトナー像を形成する現像装置と、感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を備える。本実施形態に係る画像形成装置は、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置;トナー像の転写後、帯電前の感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置;トナー像の転写後、帯電前に感光体の表面に光を照射して除電する除電装置;から選ばれる少なくとも1つをさらに備えていてもよい。
【0076】
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に直接転写する直接転写方式の装置、及び、感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置、のいずれでもよい。
【0077】
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、画像形成装置に着脱されるカートリッジであり、少なくとも、感光体と、本実施形態に係る帯電装置と、を備える。本実施形態に係るプロセスカートリッジは、現像装置、感光体のクリーニング装置、感光体の除電装置、転写装置等から選択される少なくとも一つの装置をさらに備えていてもよい。
【0078】
以下、本実施形態に係る帯電装置、画像形成装置、及びプロセスカートリッジの構成を、図面を参照しながら説明する。
【0079】
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の一例である、直接転写方式の画像形成装置を示す概略図である。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の一例である、中間転写方式の画像形成装置を示す概略図である。
【0080】
図3に示す画像形成装置200は、感光体207と、感光体207表面を帯電させる帯電装置208と、帯電装置208に接続した電源209と、感光体207表面を露光して潜像を形成する露光装置206と、感光体207上の潜像を、トナーを含む現像剤により現像する現像装置211と、感光体207上のトナー像を記録媒体500に転写する転写装置212と、トナー像を記録媒体500に定着させる定着装置215と、感光体207上に残留したトナーを除去するクリーニング装置213と、感光体207表面を除電する除電装置214と、を備える。
【0081】
図4に示す画像形成装置210は、感光体207と、帯電装置208と、電源209と、露光装置206と、現像装置211と、感光体207上のトナー像を記録媒体500に転写する1次転写部材212a及び2次転写部材212bと、定着装置215と、クリーニング装置213と、を備える。画像形成装置210は、画像形成装置200と同様に除電装置を備えていてもよい。
【0082】
帯電装置208は、ロール状の帯電部材からなり、感光体207の表面に接触して、感光体207の表面を帯電させる、接触帯電方式の帯電装置である。帯電装置208には、電源209から直流電圧のみが印加される。
【0083】
露光装置206としては、半導体レーザー、LED(light emitting diode)等の光源を備える光学系装置が挙げられる。
【0084】
現像装置211は、トナーを感光体207に供給する装置である。現像装置211は、例えば、ロール状の現像剤保持体を感光体207に接触又は近接させて、感光体207上の潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。
【0085】
転写装置212としては、例えば、コロナ放電発生器、記録媒体500を介して感光体207に押圧する導電性ロールが挙げられる。
【0086】
1次転写部材212aとしては、例えば、感光体207に接触して回転する導電性ロールが挙げられる。2次転写部材212bとしては、例えば、記録媒体500を介して1次転写部材212aに押圧する導電性ロールが挙げられる。
【0087】
定着装置215としては、例えば、加熱ロールと、該加熱ロールに押圧する加圧ロールとを備える加熱定着装置が挙げられる。
【0088】
クリーニング装置213としては、クリーニング部材として、ブレード、ブラシ、ロール等を備える装置が挙げられる。クリーニングブレードの材質としては、ウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
【0089】
除電装置214は、例えば、転写後の感光体207表面に光を照射して、感光体207の残留電位を除電する装置である。
【0090】
図5は、本実施形態に係る画像形成装置の一例である、4つの画像形成ユニットを並列配置したタンデム方式且つ中間転写方式の画像形成装置を示す概略図である。
【0091】
画像形成装置220は、ハウジング400内に、各色のトナーに対応する4つの画像形成ユニットと、レーザー光源を備える露光装置403と、中間転写ベルト409と、2次転写ロール413と、定着装置414と、クリーニングブレード416を有するクリーニング装置と、を備える。
【0092】
4つの画像形成ユニットは同じ構成を有するため、これらを代表して、感光体401aを含む画像形成ユニットの構成を説明する。
感光体401aの周囲には、感光体401aの回転方向に順に、帯電ロール402a、現像装置404a、1次転写ロール410a、クリーニングブレード415aが配置されている。1次転写ロール410aは、中間転写ベルト409を介して感光体401aに押圧している。現像装置404aには、トナーカートリッジ405aに収容されたトナーが供給される。
【0093】
帯電ロール402aは、感光体401aの表面に接触して、感光体401aの表面を帯電させる、接触帯電方式の帯電装置である。帯電ロール402aには、電源から直流電圧のみが印加される。
【0094】
中間転写ベルト409は、駆動ロール406、張架ロール407及び背面ロール408により張架されており、これらのロールの回転により走行する。
【0095】
2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介して背面ロール408に押圧するように配置されている。
【0096】
定着装置414は、例えば、加熱ロールと加圧ロールとを備える加熱定着装置である。
【0097】
クリーニングブレード416は、中間転写ベルト409上に残留したトナーを除去する部材である。クリーニングブレード416は、背面ロール408の下流に配置されており、転写後の中間転写ベルト409上に残留したトナーを除去する。
【0098】
ハウジング400内には、記録媒体500を収容するトレイ411が設けられている。トレイ411内の記録媒体500は、搬送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との接触部に搬送され、さらには定着装置414に搬送され、記録媒体500上に画像が形成される。画像形成後の記録媒体500は、ハウジング400の外部に排出される。
【0099】
図6は、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
図6に示すプロセスカートリッジ300は、例えば、露光装置、転写装置及び定着装置を備える画像形成装置本体に着脱される。
【0100】
プロセスカートリッジ300は、感光体207と、帯電装置208と、現像装置211と、クリーニング装置213とが、ハウジング301によって一体化されている。ハウジング301には、画像形成装置に着脱するための取り付けレール302と、露光のための開口部303と、除電露光のための開口部304とが設けられている。
【0101】
プロセスカートリッジ300が備える帯電装置208は、ロール状の帯電部材からなり、感光体207の表面に接触して、感光体207の表面を帯電させる、接触帯電方式の帯電装置である。プロセスカートリッジ300が画像形成装置に装着され画像形成を行う際に、帯電装置208には、電源から直流電圧のみが印加される。
【0102】
<現像剤、トナー>
本実施形態に係る画像形成装置に適用される現像剤は、特に限定されない。現像剤は、トナーのみを含む一成分現像剤でもよく、トナーとキャリアとを混合した二成分現像剤でもよい。
【0103】
現像剤に含まれるトナーは、特に限定されない。トナーは、例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤を含む。トナーの結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂が挙げられる。
【0104】
トナーは、外添剤が外添されていてもよい。トナーの外添剤としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機微粒子が挙げられる。
【0105】
トナーは、トナー粒子を製造し、そのトナー粒子に外添剤を外添して調製する。トナー粒子の製造方法としては、混練粉砕法、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法などが挙げられる。トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
【0106】
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)は、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
【0107】
二成分現像剤に含まれるキャリアは、特に限定されない。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散して配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;が挙げられる。
【0108】
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
【実施例】
【0109】
以下、実施例により発明の実施形態を詳細に説明するが、発明の実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
【0110】
<帯電ロールの作製>
[実施例1]
−導電性弾性層の形成−
SUS303製の直径8mmのシャフトの外周面に、接着剤(エピクロロヒドリンゴム、日本ゼオン社Hydrin T3106)を塗布して接着層を形成した。下記の材料をオープンロールで混練りして得た組成物を、接着層を有するシャフトと共に、クロスヘッドダイを備えた押出成形機(ダイ温度を90℃に設定)から押出して、シャフトの外周面上に前記組成物の層を形成し、次いで、160℃で70分間加熱し、導電性弾性層ロール(平均直径12mm)を得た。
【0111】
・エピクロロヒドリンゴム(日本ゼオン社、Hydrin T3106) 100部
・カーボンブラック(旭カーボン社、旭♯60) 5部
・イオン導電剤:ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社、BTEAC) 1部
・加硫剤:4,4'−ジチオジモルホリン(大内新興化学工業社、バルノックR)1.5部
・加硫促進剤:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(大内新興化学工業社、ノクセラーDM−P) 1.5部
・加硫促進剤:テトラエチルチウラムジスルフィド(大内新興化学工業社、ノクセラーTET−G) 1.8部
・加硫促進助剤:ステアリン酸 3部
・加硫促進助剤:酸化亜鉛 1部
・炭酸カルシウム(白石カルシウム社、ホワイトンSB) 40部
【0112】
−表面層の形成−
下記の材料を混合し、ビーズミルにて分散処理して得た分散液を、メタノールで希釈し、導電性弾性層ロールの外周面に浸漬塗布し、次いで、150℃で30分間加熱し、平均層厚9μmの表面層を有する帯電ロールを得た。
【0113】
・N−メトキシメチル化ナイロン(ナガセケムテックス社、F30K) 100部
・ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社、エスレックBL−1) 10部
・酸化スズ(三菱マテリアル社、S−2000、平均粒径15nm) 30部
・ポリアミド粒子A(アルケマ社、ポリアミド12、平均粒径5μm) 12部
・ポリアミド粒子B(アルケマ社、ポリアミド12、平均粒径10μm) 6部
・触媒(楠本化成社、NACURE4167) 1部
・メタノール 700部
・ブタノール 200部
【0114】
[実施例2〜実施例8]
導電性弾性層の形成条件および表面層の形成用組成物の組成を、表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ロールを得た。
【0115】
[比較例1〜比較例4]
導電性弾性層の形成条件および表面層の形成用組成物の組成を、表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ロールを得た。
【0116】
<評価>
[外周面の表面形状]
共焦点レーザー顕微鏡(キーエンス社のVK−8500、対物レンズ20倍)を用い、XY方向に測定周期0.05μm、XY方向の測定範囲490μm×690μm、Z方向の測定範囲50μmの条件で、帯電ロールの外周面の表面性状を測定した。測定データに、帯電ロールの曲率に応じた面補正、及びノイズ補正を施した。ノイズ補正は、測定点9点(X方向3点×Y方向3点)の中に、特異的に高い1点又は低い1点(他8点の中央値の300%超又は20%未満)を検出した場合、他8点の中央値を特異な点に充てる補正とした。補正後のデータから、高さ分布
曲線における最大
ピークの半値幅、粗さ成分の平均高さ、うねり成分の平均高さを求めた。
【0117】
[微小色線]
帯電ロールに直流電圧のみを印加する接触帯電方式の帯電装置を備えたDocuCentre−IV C2260の改造機に、各実施例及び比較例の帯電ロールを組み込んで、高温高湿の環境下(28℃、85%RH)、画像密度30%の全面ハーフトーン画像をA4紙に5000枚出力した。最後の1枚の出力画像を目視で観察して、下記のとおり分類した。G0及びG1が許容範囲である。
【0118】
G0:微小色線の発生が認められない。
G1:微小色線が1個〜3個発生している。
G2:微小色線が4個〜10個発生している。
G3:微小色線が11個〜20個発生している。
G4:微小色線が21個以上発生している。
【0119】
[感光体への従動性]
感光体を速度200mm/sで回転させ、従動回転する帯電ロールの回転数を非接触回転計にて1分間計測し、帯電ロールの回転数を下記のとおり分類した。G0及びG1が許容範囲である。
G0:理論上の回転数の98%以上
G1:理論上の回転数の95%以上98%未満
G2:理論上の回転数の90%以上95%未満
G3:理論上の回転数の85%以上90%未満
G4:理論上の回転数の85%未満
【0120】
【表1】