【実施例】
【0046】
[第1実施例]
(絶縁電線)
以下の実施例1-1及び比較例1-1〜1-2の絶縁電線を作製した。それぞれの構成については表1にも示す。
【0047】
<実施例1-1>
数平均分子量10000及び酸価30.3mgKOH/gのポリアミドイミド238gと、非プロトン性極性溶媒のNMP1566g(39.1質量%)及びDMF136g(3.2質量%)と、塩基性中和剤のAE7.6g(0.18質量%)と、着色剤のC.I.ソルベントブラック3の20質量%NMP溶液100.2g(溶液として2.44質量%、着色剤として0.48質量%)と、水2160g(51.3質量%)とを含み、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が42.3質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.082である固形分濃度が5.7質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。電着塗料組成物におけるポリアミドイミド100質量部当たりの塩基性中和剤の含有量は3.19質量部である。電着塗料組成物の中和率は95.7%であった。電着塗料組成物の50%径(D
50)は255nm、90%径(D
90)は2647nm、及び10%径(D
10)は42nmであった。
【0048】
この電着塗料組成物を厚さ0.05mm及び幅0.3mmの平角銅導線にバッチ電着して30Vの電圧を印加して電着塗装することにより平角導線の外周面を樹脂絶縁層で被覆して絶縁電線を作製した。得られた絶縁電線を実施例1-1とした。
【0049】
<比較例1-1>
ポリアミドイミドの代わりにポリイミド樹脂を含む電着塗料組成物を用いたことを除いて実施例1-1と同様に絶縁電線を作製した。この絶縁電線を比較例1-1とした。
【0050】
<比較例1-2>
ポリアミドイミドを溶剤に溶解させた塗料に平角導線を線速30m/minで連続的に通して焼き付けることにより平角導線の外周面を樹脂絶縁層で被覆して絶縁電線を作製した。得られた絶縁電線を比較例1-2とした。
【0051】
【表1】
【0052】
(試験評価方法)
<平角導線の露出率>
実施例1-1及び比較例1-1〜1-2のそれぞれについて、JIS C3216−3:2011に基づいて急激伸張試験した後の側面視での
図3に示すように破断点から長さ0.9mm及び中央の幅0.2mmの部分における平角導線の露出率を画像処理により求めた。
【0053】
<樹脂絶縁層のヤング率>
実施例1-1及び比較例1-1〜1-2のそれぞれについて、ダイナミック超微小硬度計(島津製作所社製 型番:DVH−211S)により樹脂絶縁層のヤング率を求めた。なお、圧子には、拡がり角度が115°の三角錐形状のものを用い、最大荷重0.5gfで測定した。
【0054】
(試験評価結果)
試験結果を表1に示す。
【0055】
表1の結果によれば、ポリアミドイミドと塩基性中和剤のAEとを含むO/W型分散液であり、50%径が15000nm以下の255nmである電着塗料組成物を用いて作製した実施例1-1は、導線の露出率が7%以下で且つ樹脂絶縁層のヤング率が7000N/mm
2以上であるので、平角導線への樹脂絶縁層の優れた密着性と共に、優れた耐外傷性を期待することができる。一方、ポリイミド樹脂を含む電着塗料組成物を用いて作製した比較例1-1は、導線の露出率が7%以下であるので、平角導線への樹脂絶縁層の優れた密着性を期待できるものの、ヤング率が7000N/mm
2よりも低いので、優れた耐外傷性を期待することができない。また、ポリアミドイミドを溶剤に溶解させた塗料を用いて作製した比較例1-2は、樹脂絶縁層のヤング率が7000N/mm
2以上であるので、優れた耐外傷性を期待することはできるものの、導線の露出率が7%よりも大きいので、平角導線への樹脂絶縁層の高い密着性は期待することができない。
【0056】
[第2実施例]
以下の実施例2-1〜2-6及び比較例2-1〜2-3の電着塗料組成物を作製した。それぞれの構成については表2A及びBにも示す。
【0057】
<実施例2-1>
数平均分子量10000及び酸価30.3mgKOH/gのポリアミドイミド(1)238g(5.9質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP1502g(37.2質量%)及びDMF136g(3.4質量%)と、塩基性中和剤のAE7.6g(0.19質量%)と、着色剤のC.I.ソルベントブラック3の20質量%NMP溶液35.7g(溶液として0.88質量%)と、水2160g(53.5質量%)とを含む固形分濃度が6.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例2-1とした。
【0058】
実施例2-1の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が700.1質量部、AEの含有量が3.19質量部、及び着色剤の含有量が3.0質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は40.8質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.089である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は40.6/53.5である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は43.5質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は91.8質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるDMFの含有量は8.2質量%である。中和率は95.7%であった。50%径(D
50)は262nm、90%径(D
90)は514nm、及び10%径(D
10)は46nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0059】
<実施例2-2>
ポリアミドイミド(1)281g(6.9質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP1467g(36.3質量%)及びDMF160g(4.0質量%)と、塩基性中和剤のAE9.0g(0.22質量%)と、着色剤のC.I.ソルベントブラック3の20質量%NMP溶液42.1g(溶液として1.04質量%)と、水2136g(52.8質量%)とを含む固形分濃度が7.1質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例2-2とした。
【0060】
実施例2-2の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が591.8質量部、AEの含有量が3.19質量部、及び着色剤の含有量が3.0質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は40.6質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.107である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は40.3/52.8である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は43.7質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は90.3質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるDMFの含有量は9.7質量%である。中和率は95.6%であった。50%径(D
50)は265nm、90%径(D
90)は830nm、及び10%径(D
10)は53nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0061】
<実施例2-3>
ポリアミドイミド(1)321g(7.9質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP1432g(35.4質量%)及びDMF183g(4.5質量%)と、塩基性中和剤のAE10.2g(0.25質量%)と、着色剤のC.I.ソルベントブラック3の20質量%NMP溶液48.1g(溶液として1.19質量%)と、水2114g(52.2質量%)とを含む固形分濃度が8.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例2-3とした。
【0062】
実施例2-3の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が515.9質量部、AEの含有量が3.20質量部、及び着色剤の含有量が3.0質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は40.3質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.125である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は39.9/52.2である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は43.9質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は88.9質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるDMFの含有量は11.1質量%である。中和率は95.7%であった。50%径(D
50)は491nm、90%径(D
90)は4654nm、及び10%径(D
10)は66nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0063】
<実施例2-4>
ポリアミドイミド(1)361g(8.9質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP1399g(34.5質量%)及びDMF206g(5.1質量%)と、塩基性中和剤のAE11.5g(0.28質量%)と、着色剤のC.I.ソルベントブラック3の20質量%NMP溶液54.1g(溶液として1.33質量%)と、水2090g(51.5質量%)とを含む固形分濃度が9.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例2-4とした。
【0064】
実施例2-4の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が456.3質量部、AEの含有量が3.19質量部、及び着色剤の含有量が3.0質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は40.0質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.143である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は39.6/51.5である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は44質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は87.5質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるDMFの含有量は12.5質量%である。中和率は95.5%であった。50%径(D
50)は937nm、90%径(D
90)は1685nm、及び10%径(D
10)は109nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0065】
<実施例2-5>
ポリアミドイミド(1)401g(9.9質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP1364g(34質量%)及びDMF229g(6質量%)と、塩基性中和剤のAE12.8g(0.32質量%)と、着色剤のC.I.ソルベントブラック3の20質量%NMP溶液60.1g(溶液として1.48質量%)と、水2068g(50.0質量%)とを含む固形分濃度が10.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例2-5とした。
【0066】
実施例2-5の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が409.2質量部、AEの含有量が3.19質量部、及び着色剤の含有量が3.0質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は39.7質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.162である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は39.2/50.9である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は44.2質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は86.0質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるDMFの含有量は14.0質量%である。中和率は95.6%であった。50%径(D
50)は1295nm、90%径(D
90)は2608nm、及び10%径(D
10)は193nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0067】
<実施例2-6>
ポリアミドイミド(1)441g(10.8質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP1331g(32.7質量%)及びDMF252g(6.2質量%)と、塩基性中和剤のAE14.1g(0.35質量%)と、着色剤のC.I.ソルベントブラック3の20質量%NMP溶液66.1g(溶液として1.63質量%)と、水2044g(50.2質量%)とを含む固形分濃度が10.9質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例2-6とした。
【0068】
実施例2-6の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が371.0質量部、AEの含有量が3.19質量部、及び着色剤の含有量が3.0質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は39.4質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.182である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は39.9/50.2である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は44.5質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は84.6質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるDMFの含有量は15.4質量%である。中和率は95.6%であった。50%径(D
50)は2866nm、90%径(D
90)は40125nm、及び10%径(D
10)は216nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0069】
<比較例2−1>
ポリアミドイミド(1)481g(11.8質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP1296g(31.8質量%)及びDMF275g(6.7質量%)と、塩基性中和剤のAE15.4g(0.38質量%)と、着色剤のC.I.ソルベントブラック3の20質量%NMP溶液72.1g(溶液として1.77質量%)と、水2022g(49.6質量%)とを含む固形分濃度が11.9質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を比較例2-1とした。
【0070】
比較例2-1の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が338.7質量部、AEの含有量が3.19質量部、及び着色剤の含有量が3.0質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は39.1質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.203である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は38.5/49.6である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は44.6質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は83.1質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるDMFの含有量は16.9質量%である。中和率は95.7%であった。50%径(D
50)は16635nm、90%径(D
90)は72157nm、及び10%径(D
10)は1592nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0071】
<比較例2-2>
ポリアミドイミド(1)522g(12.8質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP1263g(30.9質量%)及びDMF298g(7.3質量%)と、塩基性中和剤のAE16.6g(0.41質量%)と、着色剤のC.I.ソルベントブラック3の20質量%NMP溶液78.1g(溶液として1.92質量%)と、水1998g(49.0質量%)とを含む固形分濃度が12.9質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を比較例2-2とした。
【0072】
比較例2-2の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が311.2質量部、AEの含有量が3.19質量部、及び着色剤の含有量が3.0質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は38.9質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.225である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は38.2/49.0である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は44.8質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は81.6質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるDMFの含有量は18.4質量%である。中和率は95.6%であった。50%径(D
50)は19635nm、90%径(D
90)は71345nm、及び10%径(D
10)は5243nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0073】
<比較例2-3>
ポリアミドイミド(1)561g(13.7質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP1228g(30.1質量%)及びDMF321g(7.9質量%)と、塩基性中和剤のAE17.9g(0.44質量%)と、着色剤のC.I.ソルベントブラック3の20質量%NMP溶液84.2g(溶液として2.06質量%)と、水1976g(48.4質量%)とを含む固形分濃度が13.8質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を比較例2-3とした。
【0074】
比較例2-3の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が287.9質量部、AEの含有量が3.19質量部、及び着色剤の含有量が3.0質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は38.6質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.248である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は38.0/48.4である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は45.0質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は80.1質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるDMFの含有量は19.9質量%である。中和率は95.6%であった。50%径(D
50)は49481nm、90%径(D
90)は239666nm、及び10%径(D
10)は2049nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0075】
【表2A】
【0076】
【表2B】
【0077】
[第3実施例]
以下の実施例3-1の電着塗料組成物を作製した。それぞれの構成については表3にも示す。
【0078】
<実施例3-1>
ポリアミドイミド(1)401g(9.8質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP1404g(34.2質量%)及びDMF229g(5.6質量%)と、塩基性中和剤のAE12.8g(0.31質量%)と、着色剤のC.I.ソルベントブラック3の20質量%NMP溶液100.2g(溶液として2.44質量%)と、水2068g(50.4質量%)とを含む固形分濃度が10.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例3-1とした。
【0079】
実施例3-1の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が427.1質量部、AEの含有量が3.19質量部、及び着色剤の含有量が5.0質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は40.6質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.154である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は39.8/50.4である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は45.3質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は86.6質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるDMFの含有量は13.4質量%である。中和率は95.6%であった。50%径(D
50)は1179nm、90%径(D
90)は3513nm、及び10%径(D
10)は125nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0080】
【表3】
【0081】
[第4実施例]
以下の実施例4-1及び4-2の電着塗料組成物を作製した。それぞれの構成については表4にも示す。
【0082】
<実施例4-1>
数平均分子量75000及び酸価11.8mgKOH/gのポリアミドイミド(2)43g(4.3質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP356g(35.6質量%)及びDMAc22g(2.2質量%)と、非プロトン性非極性溶媒のナフサ39g(3.9質量%)と、塩基性中和剤のAE1.8g(0.18質量%)と、水540g(54.0質量%)とを含む固形分濃度が4.3質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例4-1とした。
【0083】
実施例4-1の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMAc含有量)が832.0質量部、及びAEの含有量が4.21質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMAc含有量)は35.5質量%である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は37.8/54.0である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMAc含有量)は39.7質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は94.1質量%である。中和率は327.6%であった。50%径(D
50)は62nm、90%径(D
90)は137nm、及び10%径(D
10)は30nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0084】
<実施例4-2>
数平均分子量223000及び酸価3.7mgKOH/gのポリアミドイミド(3)60g(6.0質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP398g(39.9質量%)と、塩基性中和剤のAE1.5g(0.15質量%)と、水540g(54.1質量%)とを含む固形分濃度が6.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例4-2とした。
【0085】
実施例4-2の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量)が665.5質量部、及びAEの含有量が2.51質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は39.9/54.1である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量)は42.4質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は100質量%である。中和率は340.8%であった。50%径(D
50)は1463nm、90%径(D
90)は3520nm、及び10%径(D
10)は230nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0086】
【表4】
【0087】
[第5実施例]
以下の実施例5-1及び5-2の電着塗料組成物を作製した。それぞれの構成については表5にも示す。
【0088】
<実施例5-1>
ポリアミドイミド(1)238g(6.0質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP1466g(36.7質量%)及びDMF136g(3.4質量%)と、塩基性中和剤のAE6.8g(0.17質量%)と、水2160g(54.0質量%)とを含む固形分濃度が5.9質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例5-1とした。
【0089】
実施例5-1の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が673.1質量部、及びAEの含有量が2.86質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は40.0質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.093である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は40.1/54.0である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は42.6質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は91.5質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるDMFの含有量は8.5質量%である。中和率は85.6%であった。50%径(D
50)は1627nm、90%径(D
90)は2916nm、及び10%径(D
10)は955nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0090】
<実施例5-2>
ポリアミドイミド(1)238g(6.0質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP1466g(36.7質量%)及びDMF136g(3.4質量%)と、塩基性中和剤のAE7.6g(0.19質量%)と、水2160g(54.0質量%)とを含む固形分濃度が5.9質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例5-2とした。
【0091】
実施例5-2の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が673.1質量部、及びAEの含有量が3.19質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は40.0質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.093である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は40.1/54.0である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は42.6質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は91.5質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるDMFの含有量は8.5質量%である。中和率は95.7%であった。50%径(D
50)は164nm、90%径(D
90)は431nm、及び10%径(D
10)は41nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0092】
【表5】
【0093】
[第6実施例]
以下の実施例6-1〜6-4の電着塗料組成物を作製した。それぞれの構成については表6にも示す。
【0094】
<実施例6-1>
ポリアミドイミド(1)401g(9.8質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP1404g(34.2質量%)及びDMF229g(5.6質量%)と、塩基性中和剤のAE33.7g(0.82質量%)と、着色剤のC.I.ソルベントブラック3の20質量%NMP溶液100.2g(溶液として2.44質量%)と、水2068g(50.4質量%)とを含む固形分濃度が9.9質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例6-1とした。
【0095】
実施例6-1の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が427.1質量部、AEの含有量が8.40質量部、及び着色剤の含有量が5.0質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は40.4質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.154である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は39.8/50.4である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は45.3質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は86.6質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるDMFの含有量は13.4質量%である。中和率は251.6%であった。50%径(D
50)は140nm、90%径(D
90)は2134nm、及び10%径(D
10)は34nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0096】
<実施例6-2>
塩基性中和剤のAE(配合量16.8g)の含有量を0.41質量%としたことを除いて実施例6-1と同一構成の固形分濃度が10.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例6-2とした。
【0097】
実施例6-2の電着塗料組成物は、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が40.6質量%であり、樹脂成分100質量部に対し、AEの含有量が4.20質量部である。中和率は125.8%であった。50%径(D
50)は164nm、90%径(D
90)は911nm、及び10%径(D
10)は28nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0098】
<実施例6-3>
塩基性中和剤のAE(配合量14.1g)の含有量を0.34質量%としたことを除いて実施例6-1と同一構成の固形分濃度が10.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例6-3とした。
【0099】
実施例6-3の電着塗料組成物は、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が40.6質量%であり、樹脂成分100質量部に対し、AEの含有量が3.53質量部である。中和率は105.7%であった。50%径(D
50)は504nm、90%径(D
90)は1854nm、及び10%径(D
10)は45nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0100】
<実施例6-4>
塩基性中和剤のAE(配合量15.5g)の含有量を0.38質量%としたことを除いて実施例6-1と同一構成の固形分濃度が10.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例6-4とした。
【0101】
実施例6-4の電着塗料組成物は、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が40.6質量%であり、樹脂成分100質量部に対し、AEの含有量が3.86質量部である。中和率は115.7%であった。50%径(D
50)は350nm、90%径(D
90)は1369nm、及び10%径(D
10)は34nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0102】
【表6】
【0103】
[第7実施例]
以下の実施例7-1〜7-5の電着塗料組成物を作製した。それぞれの構成については表7にも示す。
【0104】
<実施例7-1>
ポリアミドイミド(1)238g(5.8質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP1566g(38.2質量%)及びDMF136g(3.3質量%)と、塩基性中和剤のAE6.8g(0.17質量%)と、着色剤のC.I.ソルベントブラック3の20質量%NMP溶液100.2g(溶液として2.44質量%)と、水2160g(52.7質量%)とを含む固形分濃度が6.1質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例7-1とした。
【0105】
実施例7-1の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が748.9質量部、AEの含有量が2.86質量部、及び着色剤が8.4質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は42.4質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.083である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は41.5/52.7である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は45.2質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は92.4質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるDMFの含有量は7.6質量%である。中和率は85.6%であった。50%径(D
50)は3270nm、90%径(D
90)は43955nm、及び10%径(D
10)は1626nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0106】
<実施例7-2>
塩基性中和剤のAE(配合量7.6g)の含有量を0.19質量%としたことを除いて実施例7-1と同一構成の固形分濃度が6質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例7-2とした。
【0107】
実施例7-2の電着塗料組成物は、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が42.4質量%であり、樹脂成分100質量部に対し、AEの含有量が3.19質量部である。中和率は95.7%であった。50%径(D
50)は255nm、90%径(D
90)は2647nm、及び10%径(D
10)は42nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0108】
<実施例7-3>
塩基性中和剤のAE(配合量8.4g)の含有量を0.20質量%としたことを除いて実施例7-1と同一構成の固形分濃度が6.1質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例7-3とした。
【0109】
実施例7-3の電着塗料組成物は、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が42.3質量%であり、樹脂成分100質量部に対し、AEの含有量が3.53質量部である。中和率は105.7%であった。50%径(D
50)は271nm、90%径(D
90)は701nm、及び10%径(D
10)は55nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0110】
<実施例7-4>
塩基性中和剤のAEの含有量(配合量9.2g)を0.22質量%としたことを除いて実施例7-1と同一構成の固形分濃度が6.1質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例7-4とした。
【0111】
実施例7-4の電着塗料組成物は、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が42.3質量%であり、樹脂成分100質量部に対し、AEの含有量が3.87質量部である。中和率は115.8%であった。50%径(D
50)は89nm、90%径(D
90)は1391nm、及び10%径(D
10)は23nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0112】
<実施例7-5>
塩基性中和剤のAEの含有量(配合量10.0g)を0.24質量%としたことを除いて実施例7-1と同一構成の固形分濃度が6.1質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例7-5とした。
【0113】
実施例7-5の電着塗料組成物は、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が42.3質量%であり、樹脂成分100質量部に対し、AEの含有量が4.20質量部である。中和率は125.9%であった。50%径(D
50)は70nm、90%径(D
90)は255nm、及び10%径(D
10)は23nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0114】
【表7】
【0115】
[第8実施例]
以下の実施例8-1〜8-8の電着塗料組成物を作製した。それぞれの構成については表8A及びBにも示す。
【0116】
<実施例8-1>
ポリアミドイミド(1)60g(6.0質量%)と、非プロトン性極性溶媒のNMP366g(36.6質量%)及びDMF34g(3.4質量%)と、塩基性中和剤のAE1.8g(0.18質量%)と、水540g(54.0質量%)とを含む固形分濃度が6.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例8-1とした。
【0117】
実施例8-1の電着塗料組成物は、樹脂成分100質量部に対し、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が668.6質量部、及びAEの含有量が3.01質量部である。また、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は39.9質量%であり、且つDMF含有量/NMP含有量(質量比)=0.093である。更に、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)の水の含有量に対する質量比(非プロトン性極性溶媒の含有量/水の含有量)は40.0/54.0である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は42.6質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるNMPの含有量は91.5質量%である。非プロトン性極性溶媒中におけるDMFの含有量は8.5質量%である。中和率は90.1%であった。50%径(D
50)は1017nm、90%径(D
90)は2626nm、及び10%径(D
10)は409nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0118】
<実施例8-2>
塩基性中和剤としてAEの代わりにモルホリン(配合量2.6g)を0.38質量%含有させたことを除いて実施例8-1と同一構成の固形分濃度が6.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例8-2とした。
【0119】
実施例8-2の電着塗料組成物は、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が39.9質量%であり、樹脂成分100質量部に対し、塩基性中和剤のモルホリンの含有量が4.34質量部である。中和率は91.3%であった。50%径(D
50)は1579nm、90%径(D
90)は3483nm、及び10%径(D
10)は873nmであった。一晩保管後に沈殿(ハードケーキ)の発生が確認された。
【0120】
<実施例8-3>
塩基性中和剤としてAEの代わりにピペラジン無水物(配合量1.3g)を0.19質量%含有させたことを除いて実施例8-1と同一構成の固形分濃度が6.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例8-3とした。
【0121】
実施例8-3の電着塗料組成物は、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が40.0質量%であり、樹脂成分100質量部に対し、塩基性中和剤のピペラジン無水物の含有量が2.17質量部である。中和率は92.3%であった。50%径(D
50)は2312nm、90%径(D
90)は45372nm、及び10%径(D
10)は573nmであった。一晩保管後に沈殿(ハードケーキ)の発生が確認された。
【0122】
<実施例8-4>
塩基性中和剤としてAEの代わりにピペラジン六水和物(配合量2.9g)を0.42質量%含有させたことを除いて実施例8-1と同一構成の固形分濃度が6.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例8-4とした。
【0123】
実施例8-4の電着塗料組成物は、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が39.9質量%であり、樹脂成分100質量部に対し、塩基性中和剤のピペラジン六水和物の含有量が4.85質量部である。中和率は91.3%であった。50%径(D
50)は2646nm、90%径(D
90)は47856nm、及び10%径(D
10)は421nmであった。一晩保管後に沈殿(ハードケーキ)の発生が確認された。
【0124】
<実施例8-5>
塩基性中和剤としてAEの代わりに2,2’−イミノジエタノール(配合量3.1g)を0.45質量%含有させたことを除いて実施例8-1と同一構成の固形分濃度が6.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例8-5とした。
【0125】
実施例8-5の電着塗料組成物は、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が39.9質量%であり、樹脂成分100質量部に対し、塩基性中和剤の2,2’−イミノジエタノールの含有量が5.18質量部である。中和率は90.2%であった。50%径(D
50)は231nm、90%径(D
90)は806nm、及び10%径(D
10)は67nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0126】
<実施例8-6>
塩基性中和剤としてAEの代わりに2−アミノ−2−メチルプロパノール(配合量2.6g)を0.26質量%含有させたことを除いて実施例8-1と同一構成の固形分濃度が6.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例8-6とした。
【0127】
実施例8-6の電着塗料組成物は、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が39.9質量%であり、樹脂成分100質量部に対し、塩基性中和剤の2−アミノ−2−メチルプロパノールの含有量が4.34質量部である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は42.6質量%である。中和率は89.2%であった。50%径(D
50)は1133nm、90%径(D
90)は2086nm、及び10%径(D
10)は637nmであった。一晩保管後も沈殿の発生は確認されなかった。
【0128】
<実施例8-7>
塩基性中和剤としてAEの代わりにトリエチルアミン(配合量3.0g)を0.30質量%含有させたことを除いて実施例8-1と同一構成の固形分濃度が6.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例8-7とした。
【0129】
実施例8-7の電着塗料組成物は、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が39.9質量%であり、樹脂成分100質量部に対し、塩基性中和剤のトリエチルアミンの含有量が5.01質量部である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は42.6質量%である。中和率は90.7%であった。50%径(D
50)は3508nm、90%径(D
90)は52304nm、及び10%径(D
10)は1567nmであった。一晩保管後に沈殿(ハードケーキ)の発生が確認された。
【0130】
<実施例8-8>
塩基性中和剤としてAEの代わりにトリプロピルアミン(配合量4.2g)を0.42質量%含有させたことを除いて実施例8-1と同一構成の固形分濃度が6.0質量%のO/W型分散液の電着塗料組成物を調製した。この電着塗料組成物を実施例8-8とした。
【0131】
実施例8-8電着塗料組成物は、非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)が39.8質量%であり、樹脂成分100質量部に対し、塩基性中和剤のトリプロピルアミンの含有量が7.02質量部である。溶媒中における非プロトン性極性溶媒の含有量(NMP含有量+DMF含有量)は42.6質量%である。中和率は89.7%であった。50%径(D
50)は3846nm、90%径(D
90)は53517nm、及び10%径(D
10)は1498nmであった。一晩保管後に沈殿(ハードケーキ)の発生が確認された。
【0132】
【表8A】
【0133】
【表8B】