(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1はパチンコ機10の正面図、
図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、
図2では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
【0011】
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
【0012】
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
【0013】
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
【0014】
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
【0015】
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
【0016】
次に、前扉枠14について説明する。
図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
【0017】
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
【0018】
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
【0019】
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
【0020】
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【0021】
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
【0022】
前扉枠14の背面には、通路形成ユニットが取り付けられている。通路形成ユニットは、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とが形成されている。通路形成ユニットにおいて、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
【0023】
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、
図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は内枠13に対する施錠機構を構成する。
【0024】
次に、
図3に基づき内枠13について詳細に説明する。
図3は内枠13の正面図である。なお、
図3においては
図2と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
【0025】
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース70は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース70との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース70(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース70が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と樹脂ベース70との間に若干のクリアランスを設けてもよい。
【0026】
樹脂ベース70の前面における回動基端側(
図3の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
【0027】
樹脂ベース70の前面における回動先端側(
図3の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63(
図2参照)を挿入するための挿入孔73がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔73を介して施錠装置75(詳しくは前扉用鉤受け部材76)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
【0028】
樹脂ベース70の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置75が構成されている。
【0029】
樹脂ベース70の中央部には略楕円形状の窓孔74が形成され、樹脂ベース70に装着された遊技盤80によって同窓孔74が後方から塞がれている。遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔74を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
【0030】
以下、
図4に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。
図4は遊技盤80の正面図である。
【0031】
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82,83、作動口84,85、スルーゲート86、主表示ユニット87及び可変表示ユニット88等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82,83及び作動口84,85に遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口89が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82,83、作動口84,85、スルーゲート86への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
【0032】
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘90が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘90や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
【0033】
上記可変表示ユニット88は遊技盤80の中央に配されており、同可変表示ユニット88の周辺に作動口84,85等が配設されている。作動口84,85は、可変表示ユニット88の下方に配設された下側の作動口84(以下便宜上、下作動口84と称する)と、同可変表示ユニット88の右方に配設された右側の作動口85(以下便宜上、右作動口85と称する)とによって構成されており、特に右作動口(抽選契機入球部)85には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。
図5の模式図に示すように電動役物91は、左右一対の可動片91aと同可動片91aを駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、
図5(a)に示すように右作動口85への入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、
図5(b)に示すように同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
【0034】
再び
図4を参照して説明すれば、この右作動口85の上方に上記スルーゲート86が配置されており、遊技球のスルーゲート86の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ開状態となる。
【0035】
なお、下作動口84への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、右作動口85への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、下作動口84に対する右作動口85の有利性を高める上では、下作動口84に係る払出個数よりも右作動口85に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
【0036】
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82,83についても、下作動口84及び右作動口85と同様に、可変表示ユニット88の下方及び右方に個別に配置されている。以下便宜上、可変表示ユニット88の下方(詳しくは下作動口84の下方)に配置された可変入賞装置82を「下側可変入賞装置82」と称し、可変表示ユニット88の右方(詳しくは右作動口85の下方)に配置された可変入賞装置83を「右側可変入賞装置83」と称する。
【0037】
下側可変入賞装置82は、遊技盤80の背面側へと通じる大入賞口82aを備えているとともに、当該大入賞口82aを開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉82bを備えている。開閉扉82bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉82bは、遊技盤80の背面側に設けられた可変入賞駆動部82c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉82bは閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
【0038】
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば16ラウンド)を上限とした開閉扉82bの開放が繰り返されるように設定されているものがある。
【0039】
右側可変入賞装置83は、下側可変入賞装置82と同様に、遊技盤80の背面側へと通じる右側大入賞口と、当該右側大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉とを備えている。開閉扉は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技盤80の背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては、開閉扉は閉状態のまま維持され、右作動口85への入球に基づく内部抽選において後述する特別当たりに当選した場合に抽選結果確定モードに切り替えられるようになっている。
【0040】
ここで、抽選結果確定モードとは、右作動口85における抽選結果(特別当たり)が有効となって下側可変入賞装置82が開閉実行モードへ移行されるか、つまり開閉実行モードへの移行が確定されるか、それとも抽選結果が無効となり開閉実行モードへの移行が回避されるかを抽選するモードである。抽選結果確定モードにおける右側可変入賞装置83の開放態様としては、後述する右作動口用表示部に特別当たりを示す絵柄が表示されたタイミングから所定期間(例えば3sec)が経過するまで開閉扉が開放されるように設定されている。
【0041】
次に、可変表示ユニット88について説明する。可変表示ユニット88には、作動口84,85への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置96が設けられている。また、可変表示ユニット88には、図柄表示装置96を囲むようにしてセンターフレーム97が配設されている。センターフレーム97の下部には、下作動口84に対応する下作動口用保留ランプ部98と、右作動口85に対応する右作動口用保留ランプ部99とが設けられている。本実施の形態においては、遊技球が各作動口84,85を通過した回数はそれぞれ最大4回まで保留される構成となっているが、保留ランプ部98,99の点灯によって各作動口84,85に対応する保留個数が個別に表示されるようになっている。
【0042】
図柄表示装置96は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置96には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
【0043】
作動口84,85は、可変表示ユニット88寄りとなる位置に配置されている。作動口84,85への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動口84,85に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置96に注目するものと考えられる。作動口84,85を可変表示ユニット88寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット88周辺に集中させるための工夫である。
【0044】
可変表示ユニット88を挟んで右側可変入賞装置83とは反対側には、上記主表示ユニット87が配されている。主表示ユニット87は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤80の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット87の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット87の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。
【0045】
ここで、
図6を参照して主表示ユニット87について補足説明する。
図6は主表示ユニット87を正面側から見た概略図である。
【0046】
主表示ユニット87においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、下作動口84への入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部DLと、右作動口85への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部DRとを有してなる。
【0047】
下作動口用表示部DLでは、下作動口84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口84への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
【0048】
右作動口用表示部DRでは、右作動口85への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、右作動口85への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。右作動口85への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部DRにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モード又は抽選結果確定モードに移行される。
【0049】
ここで、いずれかの作動口84,85への入賞に基づいて、対応する表示部DL,DRにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口84,85への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
【0050】
また、主表示ユニット87の主表示部Dには両表示部DL,DR以外に、スルーゲート86への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート86への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート86への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート86への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、右作動口85に設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
【0051】
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート86を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部DHが設けられている。
【0052】
これら各表示部DL,DR,DS,DHについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部DL,DR,DS,DHの前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。なお、これら各表示部DL,DR,DS,DHにおける表示態様については後述する。
【0053】
再び
図3を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に固定されることで、樹脂ベース70に対して一体化されている。
【0054】
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
【0055】
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
【0056】
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
【0057】
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
【0058】
同
図3に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
【0059】
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニットに一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は
図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0060】
樹脂ベース70において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース70を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース70に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
【0061】
樹脂ベース70において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニットに設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通している。
【0062】
次に、
図7に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤80)の背面構成について説明する。
図7は内枠13の背面図である。
【0063】
樹脂ベース70の背面における回動基端側(
図7の右側)には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
【0064】
樹脂ベース70の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース70に対して遊技盤80が取り付けられている。ここで、
図8及び
図9を参照して遊技盤80の背面の構成を説明する。
図8は遊技盤80を遊技機後方から見た斜視図、
図9は遊技盤80から主制御装置ユニットを取り外した状態を示す背面図である。
【0065】
図8に示すように、遊技盤80の中央に配置される可変表示ユニット88には、センターフレーム97を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置96が取り付けられるとともに、その図柄表示装置96を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置96及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に報知・演出制御装置ユニット142が搭載されている。報知・演出制御装置ユニット142は、報知・演出制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に報知・演出制御装置143が装着されている。
【0066】
報知・演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
【0067】
図9に示すように、可変表示ユニット88の下方には一般入賞口81や作動口84,85等を介して遊技盤80の背面側に移動した遊技球を回収する集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150は遊技盤80に固定されており、同集合板ユニット150には当該集合板ユニット150を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている(
図8参照)。なお、主制御装置ユニット160の搭載対象は、集合板ユニット150に限定されるものではない。例えば、主制御装置ユニット160を遊技盤80に搭載することも可能である。
【0068】
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製を用いて形成された無色透明な取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。取付台161は、集合板ユニット150によって回動可能に支持されており、取付台161ごと主制御装置ユニット160を回動させることで同取付台161から主制御装置162を取り外すことなく目視による確認作業が可能となっている。
【0069】
主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
【0070】
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
【0071】
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
【0072】
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
【0073】
次に、
図2及び
図10に基づき裏パックユニット15について説明する。
図10は裏パックユニット15の正面図である。
【0074】
既に説明したように内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。
図10に示すように、裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
【0075】
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも上記可変表示ユニット88を囲むのに十分な大きさを有する。
【0076】
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
【0077】
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
【0078】
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
【0079】
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている(
図2参照)。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
【0080】
図10に示すように、制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0081】
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
【0082】
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
【0083】
ここで、上記集合板ユニット150とそれに関連する構成とについて補足説明する。集合板ユニット150は、上述した一般入賞口81等を介して遊技盤80の背面側に誘導された遊技球を回収する集合板151を備えている。集合板151は、光透過性を有する(具体的には無色透明な)合成樹脂材料によって形成されており、遊技球の流下経路の目視による確認が容易化されている。これにより、仮に集合板151にて球詰まり等が発生した場合であっても、そのような不都合がどの箇所で生じているかを容易に把握することが可能となっている。
【0084】
図12に示すように、集合板151は、遊技球を回収する機能が付与された本体部と遊技盤80に対する取付部とが一体成形されてなり、全体として遊技盤80の左右両端部に跨って延びる横長状をなしている。取付部は、遊技盤80の背面に対して平行な板状をなしており、同取付部261が遊技盤80に面当たりした状態でネジ止めされることにより、集合板151と遊技盤80とが一体化されている。
【0085】
集合板151の本体部には遊技盤80の背面に向けて起立する一対の壁部が設けられており、これら各壁部によって遊技球を回収する回収通路が区画形成されている。回収通路は、一般入賞口81、作動口84,85及び可変入賞装置82,83等の各入球部に対応して複数設けられている。それら各入球部に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下部に集められる。
【0086】
遊技盤80の下方には上述した排出通路盤203(
図2参照)が配置されており、回収通路によって遊技盤80の下部に集められた遊技球は排出通路231に導出され、その後パチンコ機10の外部に排出される、詳しくは島設備に返却される。なお、上述したアウト口89についても同様に排出通路231に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球は同アウト口89を介して排出通路231内に導出され、パチンコ機10の外部に排出される。
【0087】
各回収通路のうち一般入賞口81及び下作動口84に対応する回収通路の途中位置には、遊技球の通過を検知する検知センサが設けられている。各検知センサ270は、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口81等の入球部への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
【0088】
これら各検知センサは、遊技盤80の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置162)に電気的に接続されており、それら検知センサにて生成された検知信号が同主制御装置162に対して出力される構成となっている。
【0089】
<右側可変入賞装置83>
本実施の形態においては、上述した右側可変入賞装置83について特徴的な構成を有している。ここで、
図11〜
図14に基づき右側可変入賞装置83について詳しく説明する。
図11(a)は
図4における右側可変入賞装置83及びその周辺部位を示す部分拡大図、
図11(b)は右側可変入賞装置83を正面側から見た斜視図、
図12は右側可変入賞装置83を正面側から見た分解斜視図、
図13は右側可変入賞装置83を背面側から見た分解斜視図、
図14は右側大入賞口を示す右側可変入賞装置83の部分断面図である。なお、
図11(b)においては右側大入賞口が開放された状態を示し、
図12及び
図13においては遊技盤80を2点鎖線によって表している。
【0090】
既に説明したように遊技盤80において可変表示ユニット88の右側となる部位には開口部92が形成されている(
図11(a)参照)。開口部92は遊技盤80の厚さ方向に貫通しており、この開口部92に対して遊技機前方から右側可変入賞装置83が嵌まっている。このようにして右側可変入賞装置83が配置された状態では、当該右側可変入賞装置83の前面部を構成するとともに遊技盤80に対する取付部としての機能が付与されたベースユニット300によって同開口部92が覆われている。
【0091】
ベースユニット300は、開口部92の縁部に沿って形成された枠体301を備えている。枠体301は遊技盤80の前面と対向する略環状の対向板部301aと当該対向板部301aから遊技機後方に起立するとともに遊技盤80の開口部92の内壁面に沿うようにして形成された筒状部301bとを有している(
図13参照)。対向板部301aが遊技盤80の前面に対して当接した状態で同遊技盤80にネジ止めされることにより、右側可変入賞装置83が遊技盤80に対して一体化されている。
【0092】
枠体301(詳しく対向板部301a)において当該枠体301の中央開口部分よりも上方となる部位には、右側可変入賞装置83に流入した遊技球を遊技盤80の背面側へと誘導する上記右側大入賞口302が形成されている。右側大入賞口302は、枠体301の厚さ方向(遊技機における前後方向)に貫通するようにして形成された入口部302aを有し、枠体301には、同入口部302aを遊技機前方から覆うようにして上記開閉扉303が開閉可能な状態で取り付けられている。また、枠体301には開閉扉303を駆動させる動力源としての可変入賞駆動部304(詳しくはソレノイド)が搭載されている。
【0093】
右側大入賞口302は、
図11に示すように、左右に延びる横長状をなしており、その一端部(詳しくは遊技領域PEの中央側となる端部)の奥側(詳しくは右側大入賞口302の出口部分)には同右側大入賞口302へ流入した遊技球を検知する検知センサ305(詳しくは磁気センサ)が配設されている(
図14参照)。
【0094】
検知センサ305は主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該検知センサ305からの検知信号(検知情報)が同主制御装置162に出力される。この検知信号に基づいて、主制御装置162にて右側大入賞口302への入賞の有無等を把握することが可能となっている。
【0095】
図14に示すように、ベースユニット300において上記右側大入賞口302の下方には、枠体301の中央開口部分(すなわち上記筒状部301bの前側開口部)を覆うようにして前側パネル部材306が設けられている。前側パネル部材306は、枠体301に対して固定されており、これら前側パネル部材306及び枠体301によって開口部92が塞がれている。
【0096】
また、枠体301には、前側パネル部材306と所定の隙間(詳しくは遊技盤80の厚さ寸法と同寸法となるように設定された隙間)を隔てて遊技機後方から対向する後側パネル部材307が設けられている。後側パネル部材307は平板状をなしており、同後側パネル部材307によって上記筒状部301bの後側開口部が遊技機後方から塞がれた状態となっている。
【0097】
前側パネル部材306及び後側パネル部材307は透明性を有する合成樹脂材料によって形成されており、これら両パネル部材306,307を通じてベースユニット300の後方が視認可能となっている。ベースユニット300の後方には、右側大入賞口302へ流入した遊技球であって上記検知センサ305による検知領域を通過した遊技球を集合板151(詳しくは回収通路)へと案内する案内通路320が設けられている。
【0098】
ここで、
図11〜
図14に加えて
図15及び
図16を適宜参照し、案内通路320について説明する。
図15はベースユニット300と案内通路320との関係を示す概略図、
図16(a)は案内通路320を示す概略図、
図16(b)は
図15のA−A線部分断面図である。
【0099】
図14に示すように、案内通路320はベースユニット300と同ベースユニット300の後方に配置された通路形成ユニット330とが組み合わされることにより形成されている。
【0100】
より具体的には、通路形成ユニット330は、後側パネル部材307と所定の隙間を隔てて対向する平板状の基部331を有している。基部331において後側パネル部材307と対向している部分には、同後側パネル部材307側へ起立する起立壁部332が複数形成されている。これら起立壁部332は遊技球の直径寸法よりも僅かに大きな隙間を隔てて相対向しており、同起立壁部332によって後側パネル部材307側(遊技機前方)に開放された溝部333が形成されている。そして、この溝部333における遊技機前方への開放部分が後側パネル部材307によって塞がれることで、上記案内通路320が形成されている。このようにして案内通路320をパネル部材306,307の後方に配するとともに後側パネル部材307を用いて案内通路320を形成することにより、同案内通路320を通過する遊技球を遊技機前方から視認可能となっている。
【0101】
図15に示すように、案内通路320は、ベースユニット300の上記右側大入賞口302に連通する上流側通路321を有している。上流側通路321は、横長状をなしており、その一端部に上方に開放された入口部が形成されている。右側大入賞口302を通じて遊技盤80の背面側に到達し、同右側大入賞口302の出口部分から流出した遊技球は、上記入口部を通じて案内通路320へ流入することとなる。
【0102】
図16(a)に示すように、上流側通路321は、当該上流側通路321の入口部から反対側の端部へ向けて(詳しくは遊技領域PEの中央側へ向けて)下り傾斜している。同入口部から上流側通路321に流入した遊技球は、上記起立壁部332において上流側通路321の底部を形成している部位(以下便宜上、底部332Bと称する)に沿って流下する。底部332Bについては、遊技機における前後方向への傾きが回避されている。これにより、底部332Bに沿って流下する遊技球の前後方向への移動が抑制されている。
【0103】
上流側通路321における下流側の端部には、遊技球の流下方向を変化させるようにして第1下流側通路322が連なっている。第1下流側通路322は鉛直方向に延びており、上流側通路321を経由して当該第1下流側通路322に達した遊技球は、自重により同第1下流側通路322に沿って落下することとなる。なお、上流側通路321と第1下流側通路322との繋ぎ部分、言い換えれば上流側通路321の延長上となる部位については下方へと滑らかに湾曲しており、上流側通路321に沿って移動した遊技球が同部位に当たった際の横方向への跳ね返りが抑えられている。これにより、第1下流側通路322内での遊技球の暴れを抑制可能となっている。
【0104】
第1下流側通路322の出口部分には、当該第1下流側通路322へ流入した遊技球を検知する(詳しくは同第1下流側通路322における第1検知領域DE1を通過する遊技球を検知可能な)第1検知センサ325が設けられている。第1検知センサ325には、第1検知領域DE1を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握可能な磁気センサが採用されている。また、第1検知センサ325は主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該第1検知センサ325からの検知信号(検知情報)が主制御装置162に入力される。これにより、第1検知領域DE1における遊技球通過の有無、すなわち第1下流側通路322への入球の有無を主制御装置162にて把握することが可能となっている。
【0105】
また、案内通路320は第1下流側通路322の途中位置から分岐する第2下流側通路323を有している。つまり、案内通路320は、その途中位置にて2条に分岐している。右側大入賞口302へ流入した遊技球はその流入タイミング等に応じてその移動先(振り分け先)が変化する構成となっている。
【0106】
第1下流側通路322を形成する起立壁部332には、第2下流側通路323への入口部としての開口335が形成されている。この開口335は、第1下流側通路322及び第2下流側通路323の両者に連通しており、同開口335を通じた第1下流側通路322から第2下流側通路323への遊技球の流入が許容されている。
【0107】
なお、第1下流側通路322と分岐との関係について補足すれば、第1下流側通路322において分岐部分(以下便宜上、中間部322Mと称する)よりも上流側となる部位(以下便宜上、上流部322Uと称する)は鉛直方向に延びており、同上流部322Uの出口部分が下方に開放されている。当該出口部分の下流側への延長上には一方の分岐通路としての下流部322L(第1分岐通路)の入口部分が位置しており、同入口部分は上記上流部322Uの出口部分側(上方)に開放されている。一方、他方の分岐通路としての第2下流側通路323(第2分岐通路)の入口部分(開口335)は、上流部322Uの延長上から外れた位置に配されているとともにその延長方向とは異なる方向、具体的には両下流側通路322,323の並設方向(詳しくは横方向)に開放されている。このため、上流部322Uに沿って落下した遊技球は通常、第1下流側通路322の下流部322Lへと流入し、第2下流側通路323への流入が回避されることとなる。
【0108】
第2下流側通路323の途中位置には、当該第2下流側通路323へ流入した遊技球を検知する(詳しくは同第2下流側通路323における第2検知領域DE2を通過する遊技球を検知可能な)第2検知センサ326が設けられている。第2検知センサ326には、第2検知領域DE2を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握可能な磁気センサが採用されている。また、第2検知センサ326は、主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該第2検知センサ326からの検知信号(検知情報)が主制御装置162に入力される。これにより、第2検知領域DE2における遊技球通過の有無、すなわち第2下流側通路323への遊技球流入の有無を主制御装置162にて把握することが可能となっている。
【0109】
右側大入賞口302に流入した遊技球は先ず上流側の検知センサ305によって検知され、その後、下流側の第1検知センサ325又は第2検知センサ326によって検知される。上流側の検知センサ305によって右側大入賞口302への入球が検知されると、同入球に応じて予め定められた数の遊技球が払い出される。このように、上流/下流の各検知センサ305,325,326のうち上流側の検知センサ305による検知結果にもとづいて遊技球の払出しを行う構成とすることにより、下流側の検知センサ325,326による検知結果に基づいて遊技球の払出しを行う構成と比較して、払出しの迅速化に貢献している。
【0110】
右側大入賞口302へ流入した遊技球の数は上流側の検知センサ305及び下流側の検知センサ325,326によって検知され、それら各検知センサ305,325,326によって検知された遊技球の数を比較することにより案内通路320内に遊技球が残存しているか否かを確認することが可能となっている。但し、このようにして上流・下流にそれぞれ検知センサを設ける必要は必ずしもなく、上流側の検知センサ305については省略することも可能である。
【0111】
なお、本実施の形態においては、各検知センサ305,325,326に磁気センサを適用したが、これを変更し、それら各検知センサ305,325,326にフォトセンサを適用することも可能である。特に、右側可変入賞装置83については、他の入球部と比較して複数の遊技球が同時に入球する機会が少ないと想定される。故に、複数の遊技球が一体となって検知領域を通過する際の個々の遊技球の検知精度の向上が難しいと想定されるフォトセンサを適用したとしても、それに起因した不都合の発生を好適に抑制できる。詳しくは、下流側の検知センサ325,326については、流入した遊技球の数の把握よりも有利入球部への入球が発生したか否かを把握することが重要である。故に、複数の遊技球が一体となって検知領域を通過した際の個々の遊技球の検知機能が低下したとしても、少なくとも遊技球が通過したという事実が分かるためこれに起因した不利益等の発生は回避される。また、磁気センサと比較してフォトセンサのほうが電波や磁気の影響を受けにくい。そこで、有利入球部に係る検知センサについては特にフォトセンサを適用することで防犯機能の更なる向上が期待できる。因みに、上流側の検知センサ305には賞球に係る機能が付与されている点に鑑みれば、上記変形例を採用する場合には、上流側の検知センサ305に磁気センサを適用するとともに下流側の検知センサ325,326のフォトセンサを適用することが好ましい。
【0112】
また、上述した分岐位置(第1下流側通路322の中間部322M)には、上流側通路321から第1下流側通路322に流入した遊技球を第2下流側通路323へと誘導する誘導状態と同誘導を行わない非誘導状態とに切替可能な切替部材341が設けられている。切替部材341は、非誘導状態においては案内通路320(詳しくは第1下流側通路322)への突出が抑えられており、誘導状態に切り替わることで、同第1下流側通路322を塞ぎ上記第1検知領域DE1への遊技球の到達を不可とする位置へと突出する(
図16(a)の2点鎖線参照)。
【0113】
切替部材341の配置について補足説明すれば、起立壁部332において上記開口335と対向している部分には切替部材341を収容する収容部336が形成されている。収容部336は起立壁部332に形成された開放部337を通じて上記第1下流側通路322と連通している。開放部337は切替部材341の通過を許容する大きさを有しており、同切替部材341が上記非誘導状態である場合には当該切替部材341によって同開放部337が塞がれている。
【0114】
切替部材341は、当該切替部材341における上流側の端部に設けられた軸部342が通路形成ユニット330の基部331に形成された軸受け部によって軸支されることにより、回動可能な状態で同通路形成ユニット330に取り付けられている。軸部342及び軸受け部については、切替部材341の回動中心軸線が開口335が向く方向及び第1下流側通路322における遊技球の流下方向に対して直交するように、具体的には切替部材341の回動中心軸線が前後方向に延びるようにして形成されている。切替部材341の軸部342(回動基端部)については、開口335と対峙する位置に配されている。切替部材341は第1下流側通路322の下流側へ延びており、その先端部(回動先端部)については、上記開口335よりも下流側に位置している。
【0115】
切替部材341には、当該切替部材341が誘導状態となっている場合に第1下流側通路322を流下(落下)する遊技球に対して当該第1下流側通路322の下流側から当接することにより同遊技球を第1下流側通路322の上流部322Uからの流れのままに開口335側へと導く機能が付与された誘導傾斜面343が形成されている。誘導傾斜面343は、非誘導状態においては回動基端側(上流側)の凡そ半分が上記開口335と対峙しているとともに、回動先端側(下流側)の凡そ半分が両下流側通路322,323を仕切る「仕切り部」としての起立壁部332Dと対峙している。また、誘導傾斜面343は開口335側への突出が抑えられており、同誘導傾斜面343によって第1下流側通路322(詳しくは中間部322M)の一部が構成されている。これにより、非誘導状態において第1下流側通路322の中間部322Mを通過する遊技球の落下経路のばらつきを誘導傾斜面343によって抑えることが可能となっている。
【0116】
誘導状態への切替時には上記回動基端部を中心として切替部材341が回動し、これにより、同切替部材341における誘導傾斜面343の回動先端部が起立壁部332Dに対して近づく側に変位することとなる。そして、誘導傾斜面343の回動先端部が起立壁部332Dの上端縁に近接する位置(詳しくは当該上端縁よりも僅かに上位となる位置)に到達することで回動量が最大となり、切替部材341が停止する。係る状態においては、誘導傾斜面343が上流側通路321の延長上に位置することとなる。
【0117】
このように誘導状態に切り替った場合には、誘導傾斜面343における回動基端側の端部に対して同誘導傾斜面343における回動先端側の端部が下方に位置し、同誘導傾斜面343が第2下流側通路323の入口部分(開口335)に向けて下り傾斜した状態となる。このため、同誘導状態においては、上流側通路321から第1下流側通路322へ流入した遊技球は、誘導傾斜面343に衝突して同誘導傾斜面343に沿って移動することにより又は開口335側へ反射することにより第2下流側通路323(開口335)へと導かれることとなる。
【0118】
なお、このように第2下流側通路323へ遊技球を誘導する機能に着目すれば切替部材341を「誘導手段341」と称することも可能である。また、第1下流側通路322の第1検知領域DE1への遊技球の流入を阻止する点に着目すれば、同切替部材341を「シャッタ341」と称することも可能である。
【0119】
通路形成ユニット330の後方には、切替部材341を案内通路320への突出が抑えられた位置に向けて付勢する付勢部材351と、同付勢部材351の付勢力に抗して切替部材341を突出位置へと移動させるソレノイド式の切替部材用駆動部352と、それら各種構成351,352を収容する収容ケース353とを有してなる駆動ユニット350が設けられている。
【0120】
切替部材用駆動部352は、主制御装置162に対して電気的に接続されており、同主制御装置162から出力される信号に基づいて駆動する。本実施の形態においては、通常は付勢部材の付勢力によって切替部材341が非誘導状態にて保持され、上記右作動口85への入賞に基づく抽選にて特別当たりが発生した場合に切替部材用駆動部352が駆動することで同切替部材341が誘導状態へと切り替る。つまり、第2下流側通路323への遊技球の流入が許容されることとなる。
【0121】
詳細については後述するが、第2下流側通路323へと流入した遊技球が第2検知センサ326によって検知されると右作動口85への入賞に基づく抽選結果に応じた当たりが確定し、第1下流側通路322へと流入した遊技球が第1検知センサ325によって検知されると右作動口85への入賞に基づく抽選結果に応じた当たりがキャンセルされる。つまり、案内通路320に流入した遊技球が第1検知領域DE1及び第2検知領域DE2のうちどちらに到達するかによってその後の遊技進行に有利不利の差が生じる構成となっている。
【0122】
ここで、開閉扉303及び切替部材341の動作について説明する。開閉扉303は上記右作動口85への入賞に基づく抽選にて特別当たりが発生した場合に可変入賞駆動部304が駆動することにより閉鎖状態から開放状態に切り替り、これと同期して切替部材用駆動部352が駆動することで同切替部材341が誘導状態へと切り替る。これに対して、開閉扉303及び切替部材341の初期状態への復帰タイミングについては同タイミングとならないように設定されている。具体的には、先ず切替部材341が非誘導状態に切り替わり、同切替タイミングから所定の期間が経過した後、開閉扉303が閉鎖状態へと切り替る。このため、右側大入賞口302に流入した遊技球は必ずしも第1検知領域DE1及び第2検知領域DE2の一方にのみ到達するのではなく、右側大入賞口302への流入タイミングによって第1検知領域DE1及び第2検知領域DE2のどちらに到達するかが振り分けられる構成となっている。詳しくは、開閉扉303の開放直後に流入した遊技球は第2検知領域DE2へと案内されやすく、開閉扉303の閉鎖直前に流入した遊技球は第1検知領域DE1へと案内されやすくなるように開閉扉303及び切替部材341の動作態様が設定されている。
【0123】
以上詳述したように案内通路320を流下する遊技球をその途中位置にて有利不利の差が生じるように振り分ける構成においては、仮に案内通路320内(特に分岐部分)にて球詰まり等が発生すると、上述した振分が正常に行われなくなり遊技者や遊技ホールが不利益を被ると懸念される。このような不都合は、切替部材等の可動部の動きに起因して発生しやすいと想定される。この点、本実施の形態においては、切替部材341及びそれに関連する構成を工夫することにより、上記不都合の発生を好適に抑制している。以下、
図16(a)に基づき切替部材341の動きと遊技球との関係について説明する。
図16(a)においては便宜上、案内通路320に流入した遊技球を2点鎖線によって例示している。なお、切替部材341は通常、非誘導状態(初期状態)→誘導状態→非誘導状態の順に切り替るが、以下の説明においては先ず誘導状態及び同誘導状態→非誘導状態の切り替えについて説明し、その後、非誘導状態→誘導状態の切り替えについて説明する。
【0124】
切替部材341が誘導状態となっている場合には、当該切替部材341(詳しくは誘導傾斜面343)における回動先端部分は、開口335の下端部(起立壁部332の上端部)と横並びとなる位置に配置されている。誘導傾斜面343と起立壁部332との隙間は、遊技球の直径よりも小さく設定されており、誘導傾斜面343に沿って移動した遊技球B1が切替部材341と起立壁部332との間に嵌まることが好適に回避されている。また、この誘導状態においては、誘導傾斜面343と開口335の上端部との間の隙間が、遊技球の直径寸法よりも大きくなるように設定されており、誘導傾斜面343に沿って移動する遊技球B1が開口335の上端縁と誘導傾斜面343との間に挟まることが回避されている。これにより、誘導状態における案内通路320内での球詰まりの発生が好適に回避されている。
【0125】
係る誘導状態から非誘導状態に復帰する場合には、切替部材341が回動することにより当該切替部材341の回動先端部分(下流側の端部)が起立壁部332Dから遠ざかる側へ移動する。この際、切替部材341は誘導状態にて遊技球の流下が不可となっていた領域を通過するようにして変位するため、同切替部材341と案内通路320の通路壁面(例えば開放部337の下端縁)と間に遊技球が存在することは無い。故に、切替部材341の非誘導状態への復帰が、遊技球の噛み込みによって妨げられることが回避される。
【0126】
次に、切替部材341が非誘導状態から誘導状態に切り替る場合について説明する。切替部材341が非誘導状態から誘導状態に切り替る場合には、同切替部材341の回動に伴って誘導傾斜面343が起立壁部332Dに近づく側へ移動する。誘導傾斜面343と起立壁部332Dとの隙間が徐々に小さくなっている最中に、遊技球B2が開口335横を通過して第1下流側通路322の下流部322Lに到達すると、同遊技球B2が誘導傾斜面343と起立壁部332Dとの間に挟まる(噛み込む)可能性がある。仮にこのような遊技球B2の噛み込み発生すると、切替部材341の誘導状態への切り替えが妨げられることとなる。しかしながら、このように遊技球B2が噛み込んだ場合には、同遊技球B2に後続の遊技球B2を開口335へ誘導する機能が付与されることとなり、切替部材341が誘導状態に切り替っていなくとも開口335へ導かれるべき遊技球は同開口335へと導かれる。つまり、噛み込んだ遊技球B2を先頭とした球詰まり等の発生を回避し、更には案内通路320における遊技球の振分機能の低下を好適に抑制することができる。
【0127】
但し、このようにして噛み込んだ遊技球B2がいつまでも案内通路320内に残留することは防犯機能向上の観点から好ましくない。詳しくは、既に説明したように、本実施の形態においては案内通路320に流入した遊技球の数と同案内通路320から流出した遊技球の数とを比較することにより、案内通路320における残存遊技球の数を把握することにより、案内通路320内で遊技球を意図的に往復させるといった不正行為等を抑制することが可能となっている。このため、上述の如く遊技球が案内通路320内にて残留し続けることは、防犯機能の信頼性向上の妨げとなり得るため好ましくない。
【0128】
この点、本実施の形態においては上述の如く切替部材341は遊技球の流下が不可となっていた領域を通過するようにして変位するため、同切替部材341と案内通路320の通路壁面(例えば開放部337の下端縁)と間に遊技球が存在することは無い。つまり、遊技球B2を噛み込んだ状態から切替部材341が非誘導状態に復帰することを妨げるものは無い。このため、切替部材341が非誘導状態に切り替るようにして回動することにより、誘導傾斜面343が起立壁部332から遠ざかる側へ移動する。これにより、誘導傾斜面343と起立壁部332との隙間が拡がり、それら両者によって挟まれていた遊技球B2は、第1下流側通路322の下流部322Lへと流入することとなる。
【0129】
上述の如く流下が停止されていた遊技球B2は、開口335横を通過し第2下流側通路323への流入の機会を逃しているものであるため、当該遊技球が下流部322Lへ流入することで、遊技者又はホール管理者が不利益を被ることはない。
【0130】
このように、仮に切替部材341と通路壁面との間に遊技球が噛み込んだとしても、それに起因した球詰まり等の発生を回避可能とすることで、案内通路320における振分機能を好適に担保することができる。
【0131】
収容ケース353は、通路形成ユニット330側に開放されており、その内部に上記付勢部材351や切替部材用駆動部352等が収容されている。駆動ユニット350は、ベースユニット300に対して通路形成ユニット330と共にネジ止めされ、これにより各ユニット300,330,350が一体化されている。このようにして一体化された状態では、収容ケース353の開放部位が上記通路形成ユニット330(詳しくは基部331)によって覆われた状態となり、右側可変入賞装置83外部からの切替部材用駆動部352や切替部材341へのアクセスが困難となる。また、案内通路320についても、ベースユニット300と駆動ユニット350とによって前後に挟まされた状態となることで、右側可変入賞装置83の外部への露出が抑えられ、当該案内通路320への不正なアクセスが抑制されている。
【0132】
収容ケース353の背面側には、遊技機後方に突出させて振動センサ355が取り付けられている。この振動センサ355によって右側可変入賞装置83に生じた(加わった)振動を検知することが可能となっている。
【0133】
上述の如く案内通路320に流入した遊技球が第1検知領域DE1及び第2検知領域DE2のうちどちらに到達するかによってその後の遊技進行に有利不利の差が生じる構成においては、パチンコ機10を叩いたり揺すったりすることで、遊技球の移動先を変化させるといった行為がなされると想定される。この点、本実施の形態においては、上記振動センサ355を右側可変入賞装置83に配設することにより、そのような行為が行われた場合には、これを容易に把握することができる。
【0134】
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、
図17のブロック図に基づき説明する。
【0135】
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
【0136】
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置242及び各種検知センサ(例えば検知センサ305,270)などが接続されている。この場合に、停電監視基板605には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、センサ群の一部として、一般入賞口81,下側可変入賞装置82,右側可変入賞装置83,下作動口84,右作動口85及びスルーゲート86などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、下作動口84及び右作動口85への入賞に基づいて大当たりや特別当たりの発生抽選を実行するとともに、スルーゲート86への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
【0137】
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置242及び報知・演出制御装置143(詳しくは報知・演出制御基板651)が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置82,83への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口84への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、右作動口85への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
【0138】
報知・演出制御装置143には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
【0139】
また、MPU602の出力側には、下側可変入賞装置82の可変入賞駆動部82c、右側可変入賞装置83の可変入賞駆動部304、切替部材341の駆動部94、右作動口85の電動役物91を開閉動作させる電動役物駆動部91b、及び主表示ユニット87が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部の駆動制御を実行する。
【0140】
つまり、開閉実行モードにおいては下側可変入賞装置82の開閉扉82bが開閉されるように、MPU602において可変入賞駆動部82cの駆動制御が実行される。また、電動役物91の開放状態当選となった場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU602において電動役物駆動部91bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示部Dの発光制御が実行される。
【0141】
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置243とを中継し、また電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
【0142】
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0143】
報知・演出制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた各種ランプ部26〜28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置725を制御するものである。報知・演出制御装置143は、演算装置であるMPU661が実装された報知・演出制御基板651を有し、MPU661には当該MPU661により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM662と、ワークメモリ等として使用されるRAM663とが設けられている。
【0144】
表示制御装置725では、報知・演出制御装置143から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置96の表示制御を実行する。この場合に、報知・演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置96における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
【0145】
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たりや特別当たりの発生抽選、主表示部Dの表示の設定(すなわち主表示基板310の発光態様の設定)、図柄表示装置96の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、
図18に示すように、大当たりや特別当たりの発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、後述する高頻度サポートモードの有無を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示部Dの下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DR並びに図柄表示装置96における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、右作動口85の電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC3を用いることとしている。
【0146】
各カウンタC1〜C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ631に適宜格納される。RAM604には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア632が設けられている。そして、この保留球格納エリア632に、下作動口84又は右作動口85への遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2の各値が時系列的に格納されるようになっている。
【0147】
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が下作動口84又は右作動口85に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下作動口84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、右作動口85に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
【0148】
当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア621に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について
図19を用いて説明する。
図19に示すように、当否テーブルとしては、各作動口84,85に個別に対応させて2種類設定されている。つまり、下作動口84への入賞が発生した場合に参照される下作動口用の当否テーブル(下作動口用当否情報群)と、右作動口85への入賞が発生した場合に参照される右作動口用の当否テーブル(右作動口用当否情報群)とが設定されている。
【0149】
上記抽選に際して下作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、
図19(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち、「7」及び「307」が大当たり結果に対応しており、それ以外が外れ結果に対応している。
【0150】
一方、上記抽選に際して右作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状況下では、上記下作動口用の当否テーブルと同様に、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。また、「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「51〜60」,「151〜160」,・・・,「551〜560」が特別当たり結果に対応しており、それ以外が外れ結果に対応している。
【0151】
ここで、大当たり結果と特別当たり結果と違いについて説明する。各作動口84,85への入賞に基づいた抽選により大当たり結果となった場合には、下側可変入賞装置82が開閉実行モードへ移行される。一方、同抽選により特別当たり結果となった場合には、直ちに下側可変入賞装置82が開閉実行モードへ移行されるのではなく、もう一度別の抽選を行う権利が付与されることとなり、その抽選に当選することで上記大当たり結果の場合と同様に下側可変入賞装置82が開閉実行モードへ移行されることとなる。
【0152】
具体的には、特別当たり結果となった場合には、先ず右側可変入賞装置83が開状態に移行される。その際、右側大入賞口302に入賞した遊技球が上記両下流側通路322,323のうち第2下流側通路323に流入することで当たりが確定し、下側可変入賞装置82が開閉実行モードに移行される。言い換えれば、特別当たりに当選した場合には、第2下流側通路323への入球を契機として大当たりと同様の結果が遊技者に対して付与される。なお、第2下流側通路323への入球によって当たりが確定する点に着目すれば、同第2下流側通路323を「有利入球部323」と称することも可能である。
【0153】
次に当たり種別カウンタC2について説明する。当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が下作動口84又は右作動口85に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下作動口84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、右作動口85に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
【0154】
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア622に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について
図20を用いて説明する。
図20に示すように、振分テーブルとしては、各作動口84,85に個別に対応させて2種類設定されている。つまり、下作動口84への入賞が発生した場合に参照される下作動口用の振分テーブル(下作動口用振分情報群)と、右作動口85への入賞が発生した場合に参照される右作動口用の振分テーブル(右作動口用振分情報群)とが個別に設定されている。
【0155】
これら振分テーブルを参照して、開閉実行モード終了後の右作動口85の電動役物91におけるサポートモードの振分が行われる。
【0156】
右作動口85の電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、右作動口85の電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
【0157】
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC3を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物91が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
【0158】
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも右作動口85への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、右作動口85よりも下作動口84への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、下作動口84よりも右作動口85への入賞が発生する確率が高くなる。そして、右作動口85への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
【0159】
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、スルーゲート用表示部DSにおける1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
【0160】
本パチンコ機10では、大当たり結果又は特別当たり結果となった場合の低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードへの振分態様は、下作動口84への入賞に基づいて当たり当選となった場合と、右作動口85への入賞に基づいて当たり当選となった場合とで異なっている。
【0161】
具体的には、上記振分に際して下作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、
図20(a)に示すように、高頻度サポートモード当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「0〜14」の15個である。一方、上記振分に際して右作動口用の振分テーブルが参照されることとなる遊技状況下では、
図20(b)に示すように、高頻度サポートモード当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「0〜24」の25個である。つまり、下作動口84への入賞により大当たりに当選した場合には1/2の確率で高頻度サポートモードに振り分けられ、右作動口85への入賞により大当たり又は特別当たりに当選した場合には、5/6の確率で高頻度サポートモードに振り分けられることとなる。
【0162】
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらにサポートモードの変更は発生しない。
【0163】
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット87の下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示時間と、図柄表示装置96における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置96による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
【0164】
電動役物開放カウンタC3は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC3は定期的に更新され、スルーゲート86に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア633に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC3の値によって電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C3=0〜199であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C3=200〜249であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
【0165】
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623が用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア624が用いられる。
【0166】
<主制御基板601のMPU602にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板601のMPU602により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU602の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される通常処理と、通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断信号の入力により起動され、RAM604の各種フラグ格納エリアにおける電断フラグ格納エリア(電断情報記憶手段)に電断フラグ(電断情報)を格納するNMI割込み処理が実行されるが、同処理についての詳細な説明は省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、
図21のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
【0167】
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むと共に、同検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
【0168】
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
【0169】
続くステップS103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC3の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
【0170】
続くステップS104では、スルーゲート86への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。
<スルー用の入賞処理>
ここで、スルー用の入賞処理について
図22のフローチャートを参照しながら説明する。
【0171】
ステップS201では、遊技球がスルーゲート86に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート86に入賞したと判定した場合には、ステップS202に進み、役物保留記憶数SNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。
【0172】
ステップS201でスルーゲート86に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又はステップS202にて役物保留記憶数SNの値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC3の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
【0173】
一方、遊技球がスルーゲート86に入賞し、且つ、役物保留記憶数SN<4であることを条件にステップS203に進み、役物保留記憶数SNを1インクリメントする。続く、ステップS204では、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC3の値をRAM604の電役保留エリア633の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、本入賞処理を終了する。
【0174】
なお、スルー用の入賞処理では、保留数用表示部DHを点灯させるための処理を実行する。役物保留記憶数SNに応じて保留数用表示部DHに対応する発光体が順次点灯されるようになっている。
【0175】
その後、ステップS105にて、作動口84,85への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
【0176】
<作動口用の入賞処理>
以下、作動口用の入賞処理について
図23のフローチャートを参照しながら説明する。
【0177】
ステップS301では、遊技球が下作動口84に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口84に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口84に入賞したと判定すると、ステップS302では、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS303では、下作動口84に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS304では、結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS305では、当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
【0178】
ステップS301にて遊技球が下作動口84に入賞していないと判定した場合、ステップS306では、遊技球が右作動口85に入賞(始動入賞)したか否かを右作動口85に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が右作動口85に入賞したと判定すると、ステップS307にて払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS308では、右作動口85に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS309では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS305にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
【0179】
一方、ステップS301、ステップS306の両者にて否定判定をした場合には、すなわち下作動口84及び右作動口85のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
【0180】
なお、上記ステップS302,S307にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて払出制御装置242に対して送信される。
【0181】
ここで、ステップS305の情報取得処理を
図24のフローチャートにより詳細に説明する。
【0182】
先ずステップS401では、上述したステップS304又はステップS309にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS402にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS403にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
【0183】
続くステップS404では、前記ステップS103にて更新した当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値と変動種別カウンタCSの値とを、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
【0184】
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値と変動種別カウンタCSの値とを、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
【0185】
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値と変動種別カウンタCSの値とを、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
【0186】
ステップS404の格納処理(取得処理)を実行した後は、ステップS405にて保留コマンドの設定処理を実行した後、本情報取得処理を終了する。ステップS405にて取得された保留コマンドは後の通常処理(外部出力処理)にて、報知・演出制御装置143に出力される。
【0187】
<通常処理>
次に、通常処理の流れを
図25のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S506の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS508,S509のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0188】
通常処理において、ステップS501では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に対して送信する。変動開始コマンド等の所定の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置143に対して送信する。また、上記ステップS404にて設定された保留コマンドを報知・演出制御装置143に出力する。
【0189】
次に、ステップS502では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
【0190】
続くステップS503では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たりや特別当たりの当たり判定、図柄表示装置96による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の各表示部DL,DRの表示制御などを行う。この遊技回制御処理についての詳細は後述する。
【0191】
その後、ステップS504では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モードや高頻度サポートモードなどに移行する。
【0192】
ステップS505では、右作動口85に設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物91を開状態とするか否かの判定、スルーゲート用表示部DSの表示制御などを行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。
【0193】
その後、ステップS506では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置243から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
【0194】
続くステップS507にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
【0195】
つまり、ステップS508では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。また、ステップS509では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。
【0196】
ここで、ステップS501〜S506の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
【0197】
<遊技回制御処理>
次に、ステップS503の遊技回制御処理を
図26〜
図28のフローチャートを参照して説明する。
【0198】
図26に示す遊技回制御処理では、先ずステップS601にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
【0199】
開閉実行モード中である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口84,85への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。開閉実行モード中でない場合には、ステップS602にて、遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット87の作動口用表示部DL,DRのいずれか一方が変動表示中又は確定表示中であるか否かを判定する。
【0200】
遊技回中でない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、下作動口84及び右作動口85のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS604にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にて作動口用表示部DL,DRにおける変動表示及び図柄表示装置96における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
【0201】
ここで、ステップS604のデータ設定処理及びステップS605の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
【0202】
<データ設定処理>
先ず、ステップS604のデータ設定処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
【0203】
データ設定処理では、先ずステップS701にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS702〜ステップS707の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS708〜ステップS713の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。つまり、下作動口84に係る保留情報よりも右作動口85に係る保留情報の方が優先される構成となっている。
【0204】
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち右作動口用表示部DRについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、右作動口85に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
【0205】
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS702にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS703では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS704では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【0206】
その後、ステップS705にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0207】
続くステップS706では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が下作動口用表示部DL又は右作動口用表示部DRのいずれであるかを特定するための情報である。
【0208】
続くステップS707では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である報知・演出制御装置143に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM603のコマンド情報記憶エリア625から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち下作動口84に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを報知・演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
【0209】
ステップS707にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(
図25)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット88の下作動口用保留ランプ部98における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【0210】
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS708にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS709では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS710では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【0211】
その後、ステップS711にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0212】
続くステップS712では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
【0213】
続くステップS713では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である報知・演出制御装置143に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM603のコマンド情報記憶エリア625から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち右作動口85に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを報知・演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
【0214】
ステップS713にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(
図25)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット88の右作動口用保留ランプ部99における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【0215】
<変動開始処理>
次に、ステップS605の変動開始処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。変動開始処理では、主表示ユニット87の各作動口用表示部DL,DRにおける変動表示を開始させるとともに、図柄表示装置96における変動表示を開始させるように報知・演出制御装置143に出力するコマンドを設定する。
【0216】
先ずステップS801にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり結果、特別当たり結果、又は外れ結果のいずれに対応しているかを判定する。具体的には、先ず入賞先が下作動口84及び右作動口85の何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて上記当否テーブルを選択し、その選択した当否テーブルを参照して当たり乱数カウンタC1の値が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。大当たり結果に対応していない場合、特別当たり結果に対応しているか否かを判定する。特別当たり結果に対応していない場合、外れ結果に対応しているものと判定する。つまり、当たり乱数カウンタC1の値が外れ結果に対応した値と一致するか否かの判定を行わない。
【0217】
なお、当否判定処理の方法については任意であり、例えば、大当たり結果に対応しているか否か、特別外れ結果に対応しているか否か、及び、完全外れ結果に対応しているか否かの判定をそれぞれ行うようにしてもよい。
【0218】
続くステップS802では、振分判定処理を実行する。振分判定処理では、ステップS801での当否判定処理の結果が大当たり結果又は特別当たり結果であるか否かを判定し、判定の結果が外れ結果である場合には本処理を終了する。一方、当否判定処理の結果が大当たり結果又は特別当たり結果である場合には、入賞先が下作動口84及び右作動口85の何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて上記振分テーブルの選択を行い、その選択された振分テーブルを参照して当たり種別カウンタC2の値が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。つまり、当たり種別カウンタC2の値が低頻度サポートモードに対応しているか否かの判定を行わない。
【0219】
なお、本実施の形態においては、大当たり結果及び特別当たり結果の何れの場合であっても、当たり種別カウンタC2を用いて当たりの種別の振り分けを行う構成としたが、当たりの種別の振り分けに係る構成については任意である。例えば、特別当たり結果の種別については当たり乱数カウンタC1の値に対応付けることも可能である。この場合、特別当たり結果の種別が当たり種別カウンタC2の値に依存しない構成となる。
【0220】
当否判定処理及び振分判定処理を実行したらステップS803〜ステップS811にて、今回の遊技回において作動口用表示部DL,DRで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。
【0221】
具体的には、ステップS803では、当否判定処理の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合、ステップS804に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア635に開閉実行モードフラグをセットした後、ステップS805に進む。
【0222】
ステップS805では振分判定処理の結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。この結果、高頻度サポートモードに対応している場合には、ステップS806に進み、高頻度サポートモード対応の大当たり(以下便宜上、第1大当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第1大当たり当選用の停止結果設定処理においては、第1大当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第1大当たり結果に対応していることを特定できる。第1大当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
【0223】
一方、高頻度サポートモードに対応していない場合には、ステップS807に進み、高頻度サポートモード非対応の大当たり(以下便宜上、第2大当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第2大当たり当選用の停止結果設定処理においては、第2大当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第2大当たり結果に対応していることを特定できる。第2大当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
【0224】
ステップS801での当否判定処理の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS808に進み、同当否判定処理の結果が特別当たり当選であるか否かを判定する。特別当たり当選である場合、ステップS809に進み、抽選結果確定モードフラグをRAM604の各種フラグ格納エリア635にセットした後、ステップS810に進む。なお、抽選結果確定モードフラグは、特別当たり発生後に、右側可変入賞装置83を開放することで、上述した有利入球部としての第2下流側通路323への入賞を許容するフラグであり、同フラグについての詳細は後述する。
【0225】
続くステップS808では、振分判定処理の結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。この結果、高頻度サポートモードに対応している場合には、ステップS811に進み、高頻度サポートモード対応の特別当たり(以下便宜上、第1特別当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第1特別当たり当選用の停止結果設定処理においては、第1特別当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第1特別当たり結果に対応していることを特定できる。第1特別当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
【0226】
一方、高頻度サポートモードに対応していない場合には、ステップS812に進み、高頻度サポートモード非対応の特別当たり(以下便宜上、第2特別当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第2特別当たり当選用の停止結果設定処理においては、第2特別当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第2特別当たり結果に対応していることを特定できる。第2特別当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
【0227】
ステップS808にて特別当たりに当選していないと判定された場合、ステップS813に進む。ステップS813では、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。本停止結果設定処理では、表示テーブルに記憶された完全外れ結果に対応した表示データが停止結果として設定される。各停止結果設定処理では、変動表示が終了した場合の各表示部DL,DRにおける停止結果を設定する。
【0228】
ステップS806、ステップS807、ステップS811、ステップS812、ステップS813のいずれかにて停止結果設定処理を実行したら、ステップS814に進む。ステップS812では、変動表示時間の設定処理を実行する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに変動表示時間をセットする。変動表示時間カウンタエリアの値は所定期間毎に減算されるようになっており、その値が「0」となった場合にその遊技回が終了される。
【0229】
変動表示時間の設定処理では、ROM603に記憶された変動表示時間テーブルから変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を選択するようになっている。変動表示時間テーブルには、大当たり結果に対応したものと、特別当たり結果に対応したものと、外れ結果に対応したものと、が設定されている。これにより、変動種別カウンタCSの値が同一であったとしても遊技結果によって変動表示時間を異ならせることが可能となる。この結果、設定される変動表示時間のパターンを多様化できる。
【0230】
変動表示時間を設定したらステップS815に進む。ステップS815では、変動開始コマンドを設定する。変動開始コマンドには、変動表示時間の情報や遊技結果の情報(大当たり結果、特別当たり結果、高頻度サポートモード対応の有無の情報など)が含まれる。なお、本実施の形態においては変動表示時間によってリーチ表示を行うか否かが決まる構成となっており、報知・演出制御装置143においては変動開始コマンドに含まれる変動表示時間の情報に基づいてリーチ表示の発生の有無を把握する。
【0231】
ステップS815にて設定された変動開始コマンドは、通常処理(
図25)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置96での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は報知・演出制御装置143から表示制御装置725に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置725では、報知・演出制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置96を表示制御する。
【0232】
その後、ステップS816にて、各表示部DL,DRにおいて絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。
【0233】
ここで、再び
図6を参照し、各作動口用表示部DL,DRにおける表示態様について説明する。既に説明したように、主表示ユニット87の主表示部Dは自身の後方に配置された主表示基板から供給される光によって表示態様が決定されている。主表示基板310には26個の発光体87aが設けられており、そのうち10個が下作動口用表示部DLに割り当てられている。これら10個の発光体87aが点滅等することにより変動表示が行われるとともに、最終的に点灯又は消灯することで停止絵柄が表示される。下作動口用表示部DLにおける停止絵柄としては、第1大当たり結果,第2大当たり結果及び外れ結果が設定されている。
【0234】
また、右作動口用表示部DRについても10個の発光体87aが割り当てられており、これら発光体87aが点滅等することにより変動表示が行われる。右作動口用表示部DRにおける停止絵柄としては、第1大当たり結果,第2大当たり結果,第1特別当たり結果,第2特別当たり結果及び外れ結果が設定されている。
【0235】
各表示部DL,DRにおける停止絵柄は、ROM603の停止結果テーブル記憶エリア624に、第1大当たり結果〜外れ結果の各結果に対応させて複数ずつ記憶され、表示態様の多様化が図られている。
【0236】
本実施の形態においては特に、高頻度サポートモード対応の当たり結果に対応する停止絵柄の表示パターンと、高頻度サポートモード非対応の当たり結果に対応する停止絵柄の表示パターンとが同数となっている。これにより、停止された絵柄の表示パターンを確認することで抽選結果が高頻度サポートモード対応しているか否かを判別することを困難なものとしている。
【0237】
なお、これら各表示部DL,DRの変動表示パターンについては、ROM603に記憶された表示テーブルによって予め複数設定されており、変動パターン決定の際には同表示テーブルを参照する。
【0238】
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS504の遊技状態移行処理を
図29のフローチャートを参照して説明する。
【0239】
先ず、ステップS901では、大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中か否かを判定する。大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中でない場合には、ステップS902に進む。ステップS902では、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モード中か否かを判定する。つまり、右作動口85への入賞に基づく抽選結果が特別当たり結果となり、右側可変入賞装置83への遊技球の流入が許容されるモードへ切り替わっているか否かを判定する。
【0240】
ステップS901及びステップS902のそれぞれでは、各種フラグ格納エリア635に設けられた開閉実行モードフラグ格納エリア及び抽選結果確定モードフラグ格納エリアに対応したフラグがセットされているか否かによって判定する。なお、抽選結果確定モードフラグは、右作動口85への入賞に基づく抽選を行った際に、特別当たりに当選することで上記フラグ格納エリアに格納される。
【0241】
ステップS902にて特別当たり結果に対応した抽選結果確定モード中であると判定した場合には、ステップS903の特別当たり用の移行処理に進む。この特別当たり用の移行処理については後述する。
【0242】
一方、ステップS902にて抽選結果確定モード中でないと判定した場合、ステップS904に進む。ステップS904では、1の遊技回の各表示部DL,DRにおける変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0243】
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS905にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。同フラグが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0244】
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS906にて第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「16」又は「8」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、大入賞口82aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。
【0245】
続くステップS907においては、RAM604の各種フラグ格納エリア635に格納されている高頻度サポートモードフラグを消去し、続くステップS908にてオープニングを設定する。ステップS908にて設定されたオープニングコマンドは、通常処理(
図25)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置143に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。報知・演出制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、報知・演出制御装置143から表示制御装置725に送信され、表示制御装置725では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置96を表示制御する。ステップS908の処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
【0246】
本実施の形態においては、高頻度サポートモードとなるか否かについては開閉実行モードへ移行した際のオープニング表示中に遊技者に告知される構成となっているが、どのタイミングにて当該告知を行うかは任意である。例えば、開閉実行モード(ラウンド遊技)の最中に当該告知を行う構成としてもよいし、開閉実行モードの終了時のエンディング表示中に遊技者に告知される構成としてもよい。
【0247】
ここで、
図30のフローチャートを参照して特別当たり用の移行処理について説明する。
【0248】
先ずステップS1001では、右側可変入賞装置83が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部304の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。右側可変入賞装置83が開放中でない場合には、ステップS1002に進む。ステップS1002では右側可変入賞装置83の開放タイミングであるか否かを判定する。ステップS1002にて否定判定をした場合にはそのまま本移行処理を終了する。
【0249】
ステップS1002にて肯定判定をした場合には、ステップS1003にて切替部材341を非誘導状態から誘導状態に切り替える。具体的には駆動部94を励磁することによって、切替部材341を誘導状態に切り替えることで、第1下流側通路322への遊技球の流入を不可とするとともに、第2下流側通路323へ遊技球を誘導可能な状態とする。
【0250】
続くステップS1004では、RAM604に設けられた第1タイマエリアt1に「1500」をセットする。ここでセットされたカウント値は、所定周期(2msec周期)で1ディクリメントされる。
【0251】
第1タイマエリアt1に値をセットしたらステップS1005に進み、開放コマンドをセットするとともに、右側可変入賞装置の開放処理を実行する。開放コマンドは、外部出力処理(ステップS501)にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した開放コマンドに基づいて、特別当たり結果に対応した抽選確定実行モードにおいて右側可変入賞装置83が開放中である場合の演出を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。右側可変入賞装置の開放処理では、大入賞口83aを開放すべく可変入賞駆動部304を駆動状態とする。ステップS1005の処理を実行した後は、本特別当たり用の移行処理を終了する。
【0252】
一方、ステップS1001にて右側可変入賞装置83が開放中であると判定した場合には、ステップS1006に進む。ステップS1006では、第1タイマエリアt1の値が「500」であるか否かを判定する。すなわち、切替部材341を誘導状態に切り替えた後2秒が経過したか否かを判定する。第1タイマエリアt1の値が「500」であると判定した場合には、ステップS1007に進み切替部材341の復帰処理を実行する。切替部材復帰処理においては、駆動部94の励磁を解除することにより、切替部材341が非誘導状態へと切り替わる。これにより、第2下流側通路323への遊技球の流入が不可となり、この後のタイミングで右側可変入賞装置83に流入した遊技球は第1下流側通路322へ導かれることとなる。
【0253】
続くステップS1008では、第1タイマエリアt1の値が「0」であるか否かを判定する。すなわち、切替部材341を誘導状態に切り替えた後3秒が経過したか否かを判定する。
【0254】
第1タイマエリアt1の値が「0」でない場合には、ステップS1009に進む。ステップS1009では、有利入球部としての第2下流側通路323に遊技球が流入したか否かを判定する。具体的には、上述したタイマ割込み処理におけるステップS101の読み込み処理にて、右側可変入賞装置83に設けられた検知センサ305が遊技球の入賞を検知していたか否かを判定する。ステップS1009にて有利入球部への入賞有りと判定した場合、ステップS1010にて下側可変入賞装置82に対応した開閉実行モード設定処理を実行する。ステップS1009にて有利入球部への入賞有りと判定しなかった場合、又は、ステップS1008にて開閉実行モード設定処理を実行した場合、そのまま本特別外れ結果用の移行処理を終了する。
【0255】
一方、ステップS1008にて第1タイマエリアt1の値が「0」であると判定した場合、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードが終了したことを意味する。この場合、先ず、ステップS1009にて、閉鎖コマンドをセットするとともに、右側可変入賞装置の閉鎖処理を実行する。閉鎖コマンドは、外部出力処理(ステップS501)にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。具体的には、本処理が実行された場合、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードが終了したことを意味するため、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードの終了に対応した演出が実行される。例えば「リトライ!」等のメッセージを図柄表示装置96にて表示する。
【0256】
右側可変入賞装置閉鎖処理では、大入賞口83aを閉鎖すべく可変入賞駆動部304を非駆動状態とする。続くステップS1001では、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードフラグをクリアして本特別当たり用の移行処理を終了する。
【0257】
遊技状態移行処理(
図29)の説明に戻り、ステップS901にて大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中であると判定した場合、ステップS909〜ステップS915の大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード用の処理を実行する。
【0258】
具体的には、ステップS909に進み、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS910にて下側可変入賞装置開閉処理を実行する。
【0259】
下側可変入賞装置開閉処理では、下側大入賞口82aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部82cを駆動状態とすることで大入賞口82aを開放させる。また、大入賞口82aが開放中である場合には、当該大入賞口82aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部82cの駆動状態を停止し、大入賞口82aを閉鎖させる。
【0260】
ステップS910にて下側可変入賞装置開閉処理を実行した後に、続くステップS911にて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS912にて開閉実行モードフラグをクリアする。
【0261】
ステップS912にて開閉実行モードフラグをクリアしたらステップS913に進み、今回の開閉実行モードの契機となった当たり結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。ステップS913にて否定判定をした場合にはそのまま本遊技状態移行処理を終了する。ステップS913にて肯定判定をした場合には、ステップS914にてRAM604の各種フラグ格納エリア635に高頻度サポートモードフラグをセットし、続くステップS915にてRAM604の各種カウンタエリア634に設けられた遊技回数カウンタに「100」をセットして本遊技状態移行処理を終了する。遊技回数カウンタに「100」がセットされることにより、高頻度サポートモードが当該高頻度サポートモードにおける遊技回数が「100」回になるまで継続される。高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、サポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。なお、高頻度サポート継続回数(制限遊技回数)は、100回に限定されることはなく、10回、20回、30回といった1回以上100回未満であってもよく、101回以上であってもよい。
【0262】
<電役サポート用処理>
次に、通常処理におけるステップS505の電役サポート用処理を
図31及び
図32のフローチャートを参照して説明する。
【0263】
図31に示すように、電役サポート用処理では先ずステップS1101にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、右作動口85の電動役物91を開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
【0264】
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1102に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物91を開放状態とするか否かの抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
【0265】
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1103に進み、RAM604に設けられた第2タイマエリアt2の値が「0」か否かを判定する。第2タイマエリアt2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
【0266】
第2タイマエリアt2の値が「0」である場合には、ステップS1104にて、スルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1105にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で主表示ユニット87のスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示が終了される。
【0267】
第2タイマエリアt2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS1106にて、役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS1107にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1108にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
【0268】
開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1109にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC3の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアt2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。なお、第2タイマエリアt2はタイマ割込み処理が起動される度に1ディクリメントされる。
【0269】
続くステップS1110では、ステップS1109の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS1111の処理を実行することなくステップS1112に進み、サポート当選である場合には、ステップS1111にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM604に設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットした後に、ステップS1112に進む。
【0270】
ステップS1112では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1ディクリメントされる。遊技回数カウンタエリアが「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。遊技回数カウンタエリアが「0」である場合には、ステップS1113にて高頻度サポートフラグを消去する。続くステップS1114では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、報知・演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
【0271】
ステップS1114にて設定された低頻度サポートコマンドは、外部出力処理(ステップS401)にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143は低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置725に送信する。表示制御装置725では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
【0272】
開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1115にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC3の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアt2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。
【0273】
続くステップS1116では、ステップS1115の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1117にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
【0274】
サポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS1102にて肯定判定をし、ステップS1118に進み、第2タイマエリアt2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアt2の値が「0」でない場合には、スルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。第2タイマエリアt2の値が「0」である場合には、ステップS1119にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態でスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1120では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
【0275】
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1121に進み、電動役物91を開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。電役開閉制御処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
【0276】
先ず、ステップS1201にて電動役物91が開放中であるか否かを判定する。電動役物91が開放中であるか否かは、電動役物駆動部91bが駆動状態であるか否かで判定する。電動役物91が開放されている場合にはステップS1202に進み、第2タイマエリアt2の値が「0」か否かを判定する。
【0277】
第2タイマエリアt2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアt2の値が「0」である場合にはステップS1203に進み、電動役物91を閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマエリアt2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。
【0278】
その後、ステップS1204では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1ディクリメントした後に、ステップS1205にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」か否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了し、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」である場合には、ステップS1206にてサポート中フラグを消去した後に、本電役開閉処理を終了する。
【0279】
一方、電動役物91が開放中でない場合にはステップS1201にて否定判定をし、ステップS1207に進む。ステップS1207では、第2タイマエリアt2が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアt2が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアt2が「0」である場合には、ステップS1208にて、電動役物91を開放状態に制御する開放処理を実行する。
【0280】
その後、ステップS1209にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1210にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1211にて第2タイマエリアt2に「800」(すなわち1.6sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1212にて第2タイマエリアt2に「100」(すなわち0.2sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
【0281】
既に説明したように本実施の形態では、図柄表示装置96における図柄の変動表示態様の概要については主制御装置162によって決定されている。そして、報知・演出制御装置143では主制御装置162からのコマンドを参照して変動表示態様の概要を特定した上で変動表示態様の詳細を決める構成となっている。
【0282】
具体的には、主制御装置162では当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの値に基づいて変動表示時間を決定する。この変動表示時間が「2〜8sec」であれば図柄表示装置96における図柄の変動表示態様が「完全外れ」となり、「10sec」であれば図柄表示装置96における図柄の変動表示態様が「ノーマルリーチA」となり、「15sec」であれば図柄表示装置96における図柄の変動表示態様が「ノーマルリーチB」となり、「16sec」であれば図柄表示装置96における図柄の変動表示態様が「スーパーリーチA」となり、「17sec」であれば図柄表示装置96における図柄の変動表示態様が「スーパーリーチB」となり、「18sec」であれば「スーパーリーチC」となるように規定されている。
【0283】
以下、
図33及び
図34のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置143のMPU661にて実行される変動表示制御処理について説明する。変動表示制御処理は、図柄の上述した変動表示態様の概要を特定し、実際に図柄の変動表示を行うベく実行される処理では、報知・演出制御装置143のMPU661にて所定の周期(例えば2msec)で起動される定期処理の一環として実行されるものである。
【0284】
<変動表示制御処理>
変動表示制御処理においては、先ずステップS1301にて遊技回中であるか否か、すなわち図柄表示装置96にて1遊技回分の図柄の変動表示又は遊技結果を明示する確定表示が実行されているか否かを判定する。遊技回中でないと判定した場合にはステップS1302に進み、主制御装置162から送信された変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。
【0285】
ステップS1302にて否定判定をした場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。一方、ステップS1302にて肯定判定をした場合には、ステップS1303にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
【0286】
ステップS1301の説明に戻り、当該ステップS1301にて肯定判定をした場合、すなわち遊技回中であると判定した場合には、ステップS1304に進む。ステップS1304では主制御装置162から送信された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1304にて否定判定をした場合には、ステップS1305にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動中用処理は、変動開始用処理によって開始された遊技回において各種演出の実行や決定された演出の変更を行う処理である。
【0287】
ステップS1304にて肯定判定をした場合にはステップS1306に進み、当該ステップS1306にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了用処理では、図柄の変動表示や実行されている演出を当該遊技回に係る保留情報に対応するようにして終了させる(確定表示、停止表示させる)。具体的には、図柄表示装置96にて図柄を確定表示させるよう制御する。かかる処理では、スピーカ部29やランプ部26を駆動制御することで確定表示に対応する演出を行う。その後、本変動終了用処理を終了する。
【0288】
<変動開始用処理>
ここで、
図34のフローチャートを参照して、ステップS1303の変動開始用処理について補足説明する。変動開始用処理は、主制御装置162から送信された変動開始コマンドを受信したことに基づいて遊技回用の演出を開始させるための処理であり、遊技回用の演出としてリーチ表示や後述する特殊予告演出等の保留予告演出の設定を行う。ここでは、リーチ表示の設定に関する処理を説明し、保留予告演出の設定に関する処理については後述する。
【0289】
変動開始処理においては、先ずステップS1401にて今回受信した変動開始コマンドを読み出し、当該コマンドから変動表示時間の情報を特定する。上述したように変動表示時間については演出の概要に関連付けられている。このため、変動表示時間の情報から演出の概要、例えばリーチ発生の有無を特定することが可能となっている。また、当該変動開始コマンドには、遊技結果を示す情報(当否情報及び種別情報)が含まれている。
【0290】
ステップS1401では、上記特定した情報から、大当たり/特別当たり当選の有無の情報、当たり結果である場合にはその種別の情報、外れ結果である場合にはリーチ発生の有無の情報、変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU661のレジスタに記憶する。
【0291】
続くステップS1402では、ステップS1401にて把握した情報に基づいて、今回開始する遊技回の遊技結果が大当たり結果又は特別当たり結果に対応する遊技結果であるか否かを判定する。大当たり結果又は特別当たり結果である場合には、続くステップS1403にて、大当たり結果又は特別当たり結果用(以下、「当たり結果用」ともいう)の演出設定処理を実行する。
【0292】
当たり結果用の演出設定処理では当たり結果用の停止結果を決定する(停止結果決定処理を行う)。停止結果決定処理においては、一の有効ライン上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。
【0293】
当たり結果となった場合に停止表示される主図柄の種類や有効ラインは抽選等によってランダムに決定される。ROM653の各種テーブルエリアに記憶された最終停止ラインテーブルには、各有効ラインとアドレス情報とが記憶されており、上記処理にて決定された最終停止ラインはRAM663に設けられた最終停止ラインアドレス記憶エリアにアドレス情報として記憶される。またこの際、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下の説明でも各種停止結果決定処理にて決定した停止結果のアドレス情報がRAM663の停止結果アドレス記憶エリアに記憶される。
【0294】
なお、本実施の形態においては、大当たり結果及び特別当たり結果によって表示される図柄に違いはなく、何れの図柄組み合わせが表示された場合であっても大当たり結果及び特別当たり結果の可能性がある。
【0295】
当たり結果用の演出設定処理では当たり結果用の図柄の変動表示態様を決定する(変動表示態様決定処理(演出パターン決定処理)を行う)。既に説明したとおり、当たり結果となった場合、その旨はリーチ表示を経て報知される構成となっている。リーチ表示用の変動表示態様決定処理では、ROM662の各種テーブルエリアに記憶されているリーチ表示用の変動表示パターンテーブルを取得し、今回受信している変動開始コマンドの変動表示時間に対応したノーマルリーチ表示又はスーパーリーチ表示の演出パターンを決定する。また、決定した変動表示態様のアドレス情報をRAM663のパターンアドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下に示す変動表示態様決定処理においてもROM662の変動表示パターンテーブル記憶エリアから対応する変動表示パターンテーブルを取得して変動表示時間及び遊技結果に対応した演出パターンを決定する。そして、演出パターン決定処理にて決定した演出パターンのアドレス情報をRAM663のパターンアドレス記憶エリアに記憶する。
【0296】
ステップS1402にて当たり結果ではないと判定した場合にはステップS1404に進む。ステップS1404では、今回の遊技回にてリーチが発生するか否かを把握する。リーチが発生する場合にはステップS1405に進み、リーチ発生用の演出設定処理を実行する。リーチ発生用の演出設定処理では演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。前者については、上記ステップS1403の処理と同様であるため説明を援用する。本処理は外れリーチに対応するものなので、当たり結果に対応する図柄組合せとならないように停止図柄を決定する。すなわち、一の有効ライン上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。この場合、外れリーチ図柄の組み合わせの種類や有効ライン5は抽選などによってランダムに決定される。また、この決定に際しては、いずれの有効ライン上にも同一の図柄の組合せが成立することなく、且つ、リーチラインを形成する図柄と同じ中図柄列の図柄をリーチラインに対して前又は後にずれた停止位置で最終停止させるように有効ライン上の停止結果を決定する。その後、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。
【0297】
ステップS1404にてリーチ発生ではないと判定した場合は、ステップS1406に進む。ステップS1406では、通常外れ用の演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。本処理は完全外れに対応するものなので、当たり結果及びに対応する図柄組合せが形成されないようにして停止図柄を決定する。
【0298】
ステップS1403、ステップS1405、ステップS1406のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1407に進む。ステップS1407では、今回の遊技回における演出を実行するべく遊技回用演出を開始する。具体的には、図柄表示装置96用の表示制御装置725に遊技回用演出の開始を促すコマンドを送信するとともに、上記ステップS1403、ステップS1405、ステップS1406にて決定した演出パターンに基づいてスピーカ部29やランプ部26の駆動制御を開始して、遊技回用の演出を開始する。
【0299】
ここで、
図35を参照して図柄表示装置96(表示画面96a)の表示内容について説明する。
図35(a)群は低頻度サポートモードにて実行される表示演出を例示した概略図、
図35(b)群は高頻度サポートモードにて実行される表示演出を例示して概略図である。
【0300】
低頻度サポートモードとなっている場合には、
図35(a)に示すように、図柄の変動表示及び停止表示が主として表示画面96aの全域にて実行される。具体的には、図柄表示装置96の表示画面96aには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面96aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、
図14(b)に示すように、表示画面96aにおける図柄の変動表示領域は、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
【0301】
また、表示画面96aにおける図柄の変動表示領域には、5つの有効ライン、すなわち左ライン、中ライン、右ライン、右下がりライン、右上がりラインが設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了することにより、上述した大当たり結果又は特別当たり結果となったことが報知されるようになっている。
【0302】
なお、図柄表示装置96における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置96にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよく、数字が付されてない図柄が含まれる又は数字が付されていない図柄のみの構成としてもよい。
【0303】
図柄表示装置96における図柄の変動表示の態様について更に説明すると、本パチンコ機10では、上記のように当たり結果の報知に際して対応する図柄の組合せが停止表示される前段階として、リーチ表示が行われるように設定されている。リーチ表示(リーチ演出又はリーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置96を備え、可変入賞装置82,83が開放される遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置96における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
【0304】
換言すれば、図柄表示装置96の表示画面96aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
【0305】
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置96の表示画面96a内の予め設定された有効ライン上に、可変入賞装置82,83の開放に対応した当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
【0306】
図35(a)に基づいて当該リーチ表示について補足説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
【0307】
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面96aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
【0308】
高頻度サポートモードとなっている場合には、
図35(b)に示すように、図柄の変動表示領域が表示画面96aの隅部に縮小される。低頻度サポートモードにおいては、リーチ表示に移行する場合に変動表示領域が縮小される構成であったのに対して、高頻度サポートモードにおいてはリーチ表示への移行の有無に関係なく変動表示領域が最初から縮小された状態となるように構成されている。
【0309】
また、図柄組み合わせによって当たり結果となった旨が報知される場合であっても、低頻度サポートモードでは図柄組み合わせが表示画面96aの全域に拡大表示されるのに対して、高頻度サポートモードにおいては当該拡大表示が行われない。
【0310】
高頻度サポートモード中は、特別当たり結果→抽選結果確定モード→開閉実行モードとなる流れが主となり、抽選結果確定モード中に右側可変入賞装置83の有利入球部323への入球が発生したことを契機として開閉実行モードへの移行が確定する。そこで、表示画面96aにおいては、有利入球部323への入球が発生した場合に、開閉実行モードへ移行する旨を報知するメッセージとして「V」の文字が表示されることとなる。高頻度サポートモードにおいては、有利入球部323への入球が発生することが最終目標となっており、その旨を表示画面96aにて大きく表示することで視認性の向上が図られている。また、特別当たり結果となった場合であっても必ずしも有利入球部323への入球が発生するとは限らない。開閉実行モードへの移行が確定する低頻度サポートモード時の大当たり結果の場合とは異なり、敢えて遊技結果の表示を小さくしておくことで、仮に有利入球部323への入球が発生せず、開閉実行モードへ移行し損ねた場合であっても、遊技者の遊技意欲の低下を抑制できる。このような、モード毎の遊技の流れの違いから変動表示領域が大小差別化されている。
【0311】
既に説明したように、遊技に関する演出としては、上記リーチ表示に代表されるような該当遊技回にて実行される演出の他に、該当遊技回よりも前の遊技回にて実行される演出(保留予告演出)が設けられている。このような様々な演出を組み合わせることにより、遊技演出の多様化が実現されている。
【0312】
次に、主制御装置162のMPU602にて実行される保留予告にかかる処理、具体的には上記保留コマンドの設定処理(
図24のステップS405)について説明する。この処理はタイマ割込み処理(
図21)の一部の処理として設定された作動口用の入賞処理(
図23)、詳しくはステップS305の情報取得処理の一環として実行される構成となっている。つまり、保留コマンドの設定処理については、作動口84,85への入賞が発生した場合に実行される構成となっている。以下、
図36〜38のフローチャートを参照し保留コマンドの設定処理について説明する。
【0313】
(保留コマンドの設定処理)
図36に示すように、保留コマンドの設定処理においては先ず、ステップS1501にて入賞対象が下作動口84であるか否かを判定する。ステップS1501にて肯定判定をした場合には、ステップS1502にて第1設定処理を実行した後、本保留コマンドの設定処理を終了する。一方、ステップS1501にて否定判定をした場合には、ステップS1503にて第2設定処理を実行した後、本保留コマンドの設定処理を終了する。つまり、本実施の形態に示す保留コマンドの設定処理においては、遊技球の入賞先に応じて異なる設定処理が実行される構成となっている。
【0314】
図37に示すように、第1設定処理においては、ステップS1601にて当否確認処理を実行する。当否確認処理を実行した後はステップS1602にて種別確認処理を実行し、続くステップS1603にて変動表示態様の確認処理を実行する。ステップS1601及びS1602の各処理については、変動開始処理(
図28)のステップS801及びS802の各処理と共通であるため、説明を援用する。
【0315】
ステップS1603の確認処理では、ROM603に記憶された変動表示時間テーブルからその変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を選択するようになっている。変動表示時間テーブルには、大当たり結果に対応したものと、特別当たり結果に対応したものと、外れ結果に対応したものとが設定されている。これにより、変動種別カウンタCSの値が同一であったとしても遊技結果によって変動表示時間を異ならせることが可能となる。この結果、設定される変動表示時間のパターンを多様化できる。なお、本実施の形態においては変動表示時間によってリーチ表示を行うか否かが決まる構成となっており、報知・演出制御装置143においては変動開始コマンドに含まれる変動表示時間の情報に基づいてリーチ表示の発生の有無を含む変動表示態様の概要を把握する。
【0316】
ステップS1603の処理を実行した後は、ステップS1604に進む。ステップS1604ではステップS1601の判定処理の結果を踏まえて、今回の保留情報が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。今回の保留情報が大当たり結果に対応している場合には、ステップS1605に進む。
【0317】
ステップS1605ではステップS1602の確認処理の結果を踏まえて、今回の保留情報が高頻度サポートモードへの移行に対応しているか否かを判定する。ステップS1605にて肯定判定をした場合にはステップS1606に進み、第1種保留コマンドを設定する。この第1種保留コマンドについては、通常処理(
図25)の外部出力処理にて報知・演出制御装置143に出力される。
【0318】
なお、下作動口84に係る保留情報に基づいて高頻度サポートモード対応の大当たり結果となる場合には、16R大当たり結果又は8R大当たり結果のいずれかとなる。前者となる場合には第1種保留コマンドAが設定され、後者となる場合には第1種保留コマンドBが設定される(
図39(a)参照)。
【0319】
ステップS1605にて否定判定をした場合、すなわち低頻度サポートモード対応の大当たり結果に対応している場合には、ステップS1607にて第2種保留コマンドを設定し、当該第2種保留コマンドの設定後に本第1設定処理を終了する。ステップS1604の説明に戻り、当該ステップS1604にて否定判定をした場合、すなわち今回の保留情報が外れ結果に対応している場合には、ステップS1608に進む。ステップS1608では第3種保留コマンドを設定し、当該第3種保留コマンドの設定後に本第1設定処理を終了する。これら第2種保留コマンド及び第3種保留コマンドについても、第1種保留コマンドと同様に、通常処理(
図25)の外部出力処理にて報知・演出制御装置143に出力される。
【0320】
既に説明したように、下作動口84に係る保留情報が外れ結果に対応している旨が報知される場合には、当該報知はリーチ表示を経由するものとリーチ表示を経由しないものとに大別される。ステップS1608の処理では、ステップS1603にて把握した情報に基づいて当該保留情報に係る遊技回の変動表示態様がリーチ表示に対応しているか否かを判断する。そして、当該保留情報がリーチ表示に対応している場合には第3種保留コマンドAを設定し、リーチ表示に対応していない場合には第3種保留コマンドBを設定する(
図39(a)参照)。
【0321】
次に、
図38を参照して、ステップS1503の第2設定処理について説明する。第2設定処理では先ず、ステップS1701にて当否確認処理を実行する。ステップS1701の当否確認処理については、変動開始処理(
図28)におけるステップS801の処理や第1設定処理におけるステップS1601の確認処理と共通であるため、説明を援用する。
【0322】
ステップS1701の確認処理を実行した後は、ステップS1702に進む。ステップS1702ではステップS1701の確認処理の結果を踏まえて今回の保留情報が当たり結果(大当たり結果又は特別外れ結果)に対応しているか否かを判定する。今回の保留情報が当たり結果に対応している場合には、ステップS1703にて第4種保留コマンドを設定した後、本第2設定処理を終了する。この第4種保留コマンドについては、通常処理(
図25)の外部出力処理にて報知・演出制御装置143に出力される。
【0323】
右作動口85に係る保留情報に基づいて当たり結果となる場合には、高頻度サポートモード対応の16R大当たり結果、高頻度サポートモード対応の8R大当たり結果、低頻度サポートモード対応の8R大当たり結果、高頻度サポートモード対応の8R特別当たり結果、低頻度サポートモード対応の8R特別当たり結果の何れかとなる。本第2設定処理においてはこれらの当たり種別については確認していない(制限されている)。また、右作動口85に係る保留情報に基づいて当たり結果となる場合には、変動表示態様の確認についても制限される。故に、何れの当たり結果に対応しているか更には変動表示態様がどのようになるかを特定することなく(当たりの種別や変動表示態様とは無関係に)、共通の保留コマンドとして第4種保留コマンドが設定される(
図39(b)参照)。故に、第4種保留コマンドには、該当保留の当たりの種別や変動表示態様を特定可能な情報は含まれない。
【0324】
ステップS1702の説明に戻り、当該ステップS1702にて否定判定をした場合には、すなわち今回の保留情報が外れ結果に対応している場合には、ステップS1704に進み、変動表示態様の把握処理を実行する。ステップS1704の把握処理では、ROM603に記憶された変動表示時間テーブルからその変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を選択するようになっている。変動表示時間テーブルには、大当たり結果に対応したものと、特別当たり結果に対応したものと、外れ結果に対応したものとが設定されている。これにより、変動種別カウンタCSの値が同一であったとしても遊技結果によって変動表示時間を異ならせることが可能となる。この結果、設定される変動表示時間のパターンを多様化できる。なお、本実施の形態においては変動表示時間によってリーチ表示を行うか否かが決まる構成となっており、報知・演出制御装置143においては変動開始コマンドに含まれる変動表示時間の情報に基づいてリーチ表示の発生の有無を含む変動表示態様の概要を把握する。
【0325】
続くステップS1705では第5種保留コマンドを設定し(
図39(b)参照)、当該第5種保留コマンドの設定後に本第2設定処理を終了する。第5種保留コマンドについても、第4種保留コマンド4種保留コマンドと同様に、通常処理(
図25)の外部出力処理にて報知・演出制御装置143に出力される。なお、第5種保留コマンドについては、変動表示態様に関する情報を含んでいる。これにより、報知・演出制御装置143においては、第5種保留コマンドを参照することでリーチ表示が行われるか否か更にはその種類を把握することが可能となる。この情報(後述する変動表示時間情報)に基づいて、ガセ演出として特殊予告演出を行うか否かが決定される。
【0326】
ここで、
図39(c)を参照して保留コマンドが有する情報群について補足説明する。既に説明したように、保留コマンドは下作動口84又は右作動口85への入球に基づいて保留情報が取得された場合に、その旨をサブ側の制御装置である報知・演出制御装置143に伝える際に出力されるコマンドである。但し、この保留コマンドには、単にどちらの作動口84,85への入球が発生したかを示す情報だけでなく、その入球を契機として取得された保留情報に関する各種情報も含まれる。
【0327】
具体的には、大当たり又は特別当たりの当否に関する情報(当否情報)、当たり結果に対応している場合にはその種別に関する情報(種別情報)、変動表示態様に関する情報(変動表示時間情報)を含む構成となっている。報知・演出制御装置143ではこれら各種情報を参照して、該当遊技回に先行する他の遊技回にて保留予告演出を行う。
【0328】
ここで、上記第4種保留コマンドについては、他の保留コマンドとは含まれる情報群が異なっている。上述したように第4種保留コマンドが設定される際には、当否確認処理に基づく当否情報が含まれるものの、種別確認処理や変動表示時間の確認処理は実行されないため該当保留に対応する種別情報及び変動表示時間情報は含まれない。
【0329】
第4種保留コマンドでは、種別情報及び変動表示時間情報として実際の保留情報とは無関係なダミー情報が設定される。詳しくは、例えば第4種保留コマンドが低頻度サポートモード対応の8R特別当たり且つ変動表示時間情報(13sec)が設定される保留情報を示すものであったとしても、実際に設定される第4種保留コマンドに含まれる情報ついては高頻度サポートモード対応の16R大当たり結果且つ変動表示時間情報(2sec)に対応したものとなり、例えば第4種保留コマンドが高頻度サポートモード対応の8R特別当たり且つ変動表示時間情報(13sec)が設定される保留情報を示すものであったとしても、実際に設定される第4種保留コマンドに含まれる情報ついては高頻度サポートモード対応の16R大当たり結果且つ変動表示時間情報(2sec)に対応したものとなる。つまり、当たり結果であることを示す当否情報のみは実際の保留情報との整合が取れたものとなっているものの、その他の情報については実際の保留情報とは関係のない情報となっている。このような構成とすることにより、例えば保留コマンドの情報形態の統一を図ることが可能となっている。
【0330】
図39(a)、(b)に示すように、ダミーコマンドではない保留コマンドを介して報知・演出制御装置143に送信される情報(当否情報、種別情報、変動表示時間情報)と、変動開始コマンドを介して報知・演出制御装置143に送信される情報(当否情報、種別情報、変動表示時間情報)とは一致する。これに対して、ダミーコマンドである第4種保留コマンドについては、含まれる情報にウソがあるため、保留コマンドを介して報知・演出制御装置143に送信される情報(当否情報、種別情報、変動表示時間情報)と、変動開始コマンドを介して報知・演出制御装置143に送信される情報(当否情報、種別情報、変動表示時間情報)とは不一致となる。
【0331】
ここで、本実施の形態に示す保留予告演出のうち低頻度サポートモード中に下作動口84に係る保留情報を契機として実行される保留予告演出については、当該保留予告演出を設定/実行する際に上記種別情報や変動表示時間情報を参照する。但し、該当遊技回の開始時に送信される変動開始コマンドと先行して送信された保留コマンドとはそれら種別情報等が一致しているため、予告演出に矛盾等の不適合が発生することはない。これに対して、高頻度サポートモード中に右作動口85に係る保留情報を契機として実行される保留予告演出(特殊予告演出)については、当該特殊予告演出を設定/実行する際に上記種別情報や変動表示時間情報を参照しない。つまり、特殊予告演出を設定/実行する際には当否情報は参照されるもののダミー情報である種別情報や変動表示時間情報は参照しない。故に、該当遊技回の開始時に送信される変動開始コマンドと先行して送信された保留コマンドとの間で種別情報や変動表示時間情報の不一致が生じたとしても、予告演出に矛盾等の不適合が発生することが回避されている。
【0332】
報知・演出制御装置143のMPU661では、特殊予告演出用の処理として、特殊予告演出用設定処理と特殊予告演出用実行処理とが実行される。これらの処理は、報知・演出制御装置143のMPU661にて定期処理の一環として実行される。以下、先ず
図40のフローチャートを参照して特殊予告演出用設定処理について説明する。
【0333】
(特殊予告演出用設定処理)
特殊予告演出用設定処理においては先ず。ステップS1801にて主制御装置162から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1801にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊予告演出用設定処理を終了する。ステップS1801にて肯定判定をした場合にはステップS1802に進む。ステップS1802では、特殊予告演出が設定されている否かを判定する。ステップS1802にて肯定判定をした場合には、そのまま本特殊予告演出用設定処理を終了する。ステップS1802にて否定判定をした場合にはステップS1803に進む。
【0334】
ステップS1803では高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。ステップS1803にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊予告演出用設定処理を終了する。ステップS1803にて肯定判定をした場合には、ステップS1804に進む。ステップS1804では右作動口85に係る保留情報(先行する保留情報)が存在しているか否かを判定する。ステップS1804にて否定判定をした場合にはそのまま本特殊予告演出用設定処理を終了する。ステップS1804にて肯定判定をした場合には、ステップS1805に進む。
【0335】
ステップS1805では、先行する保留情報に当たりに対応するものが含まれているか否かを判定する。ステップS1805にて肯定判定をした場合には、そのまま本特殊予告演出用設定処理を終了する。ステップS1805にて否定判定をした場合には、ステップS1806に進み、特殊予告発生抽選処理を実行する。ステップS1806の抽選処理を実行した後は、ステップS1807に進む。ステップS1806の抽選処理にて特殊予告演出非発生となった場合には、ステップS1807にて否定判定し、そのまま本特殊予告演出用設定処理を終了する。ステップS1806の抽選処理にて特殊予告演出発生となった場合には、ステップS1808に進む。
【0336】
ステップS1808では今回の特殊予告演出が当たり(大当たり又は特別当たり)に対応するものであるか否かを判定する。ステップS1808にて肯定判定をした場合には、ステップS1809にて、当たり対応の特殊予告演出を設定する。本実施の形態においては、特殊予告演出として、当該特殊予告演出が発生した時点で当たりとなることが明示される第1特殊予告演出と、外れとなる場合がある第2特殊予告演出とが設けられており、ステップS1809の処理では、これら第1特殊予告演出及び第2特殊予告演出の何れかを設定する。
【0337】
ステップS1808にて否定判定をした場合には、ステップS1810にて、外れ対応の特殊予告演出を設定する。ステップS1810の処理においては、上記第2特殊予告演出が設定されることとなる。本実施の形態においては第1特殊予告演出が発生した場合に当たり結果となる信頼度は100%、第2特殊予告演出が発生した場合に当たり結果となる信頼度は凡そ70%程度となっており、総じて特殊予告演出発生時には当たり結果に繋がりやすくなっている。
【0338】
このような事情から第1特殊予告演出及び第2特殊予告演出については当否に関する情報を含んでいると言える。そして、これら第1特殊予告演出及び第2特殊演出には、該当保留が高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードの何れの当たりに対応しているかに関する情報は一切含まれていない。そもそも、報知・演出制御装置143自体も当たりの種別を把握しているわけではないため、遊技者が第1特殊演出及び第2特殊演出を見て上述した当たりの種別を把握することは不可能となっている。
【0339】
ここで、特殊予告演出については、常に同じ確率で発生するのではなく、高頻度サポートモード中の遊技の進行に応じて発生確率が変化する構成となっている。具体的には、ステップS1806における抽選処理にて発生抽選を行う際に、高頻度サポートモード中に実行された遊技回数が考慮される構成となっている。以下、
図41(a)のフローチャートを参照して、ステップS1806の特殊予告発生抽選処理について説明する。
【0340】
特殊予告発生抽選処理においては先ず、ステップS1901にて、高頻度サポートモードとなってから実行された遊技回が第1規定回数(本実施の形態においては50回)に達しているか否かを判定する。ステップS1901にて否定判定をした場合、すなわち高頻度サポートモードへの移行後に実行された遊技回が0〜49回である場合には、ステップS1902に進み第1抽選処理を実行する。
図41(b)に示すように、第1抽選処理においては、大当たり又は特別当たりである場合には50%の確率で発生抽選に当選となり、外れである場合にも50%の確率で発生抽選に当選となる。当たりとなる確率と外れとなる確率はともに凡そ1/2であるため(
図19参照)、特殊予告演出から当たり結果につながる可能性は50%程度となる。
【0341】
再び
図41(a)の説明に戻り、ステップS1901にて肯定判定をした場合には、ステップS1903に進む。ステップS1903では、高頻度サポートモードになってから実行された遊技回が第1規定回数よりも多い第2規定回数(本実施の形態においては70回)に達しているか否かを判定する。ステップS1903にて否定判定をした場合、すなわち高頻度サポートモードへの移行後に実行された遊技回が50〜69回である場合には、ステップS1904にて第2抽選処理を実行する。ステップS1903にて肯定判定をした場合、すなわち高頻度サポートモードへの移行後に実行された遊技回が70回〜99回である場合には、ステップS1905にて第3抽選処理を実行する。
【0342】
図41(b)に示すように、第2抽選処理においては、大当たり又は特別当たりである場合には70%の確率で発生抽選に当選となり、外れである場合には30%の確率で発生抽選に当選となる。つまり、高頻度サポートモードにて実行された遊技回が第1規定回数に達した場合、すなわち抽選処理として第2抽選処理が選択される状況となった場合には、特殊予告演出の発生確率が上昇し且つ特殊予告演出の信頼度も上昇することとなる。
【0343】
第3抽選処理においては、大当たり又は特別当たりである場合には100%の確率で発生抽選に当選となり、外れである場合には0%の確率で発生抽選に非当選となる。つまり、高頻度サポートモードにて実行された遊技回が第2規定回数に達した場合、すなわち抽選処理として第3抽選処理が選択される状況となった場合には、特殊予告演出の発生確率が更に上昇し且つ特殊予告演出の信頼度も更に上昇することとなる。
【0344】
高頻度サポートモード中は、右ルートへ向けた遊技球の発射を継続することにより、電動役物91によって右作動口85への入球が補助される。右作動口85への入球によって所定数の遊技球の払い出しがなされるため、持ち球の消費(投資)を抑えながら遊技を進めることができる。特に、右作動口85の上流、詳しくは右作動口85へ向けた遊技球の流下経路の途中位置にはスルーゲート86が配設されており、当該スルーゲート86を通過(入球)した遊技球は右作動口85に向かう構成となっている(
図4参照)。上述の如くスルーゲート86の通過が右作動口85に付属の電動役物91を補助状態に切り替える契機、すなわち右作動口85への入球の契機となっている。故に、右ルートへ遊技球を発射し続けることにより無駄球の発生を抑えて右作動口85への入球を効率よく発生させることが可能となっている。
【0345】
但し、あくまで消費される遊技球の数よりも払い出される遊技球の数の方が多い。このため、当たり結果となるタイミングが遅くなればなる程持ち球は減少する。有利な状況になっているのにもかかわらず持ち球が減り続けてしまうことは、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。
【0346】
ここで、右作動口85について記憶可能な保留情報の数は4つであるが、仮に該当遊技回に達する前に当たりとなる旨を把握することができれば僅かなら無駄な遊技球の発射を抑えることができる。本実施の形態においては、高頻度サポートモードにて実行された遊技回が嵩むことにより、当たりに対応した特殊保留予告が発生する可能性が高くなる構成となっている。つまり、遊技が進むにつれて当たりとなった旨が告知されるタイミングが早くなる構成となっている。このような構成とすることにより、持ち球の減りを抑え、高頻度サポートモード中に遊技者の遊技意欲が低下することを抑制可能となっている。以下、
図42のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置143のMPU661にて実行される上記特殊予告演出用実行処理について説明する。
【0347】
(特殊予告演出用実行処理)
特殊予告演出用実行処理においては先ず、ステップS2001にて特殊予告演出の開始タイミングとなったか否かを判定する。本実施の形態においては、特殊予告演出の開始タイミングとしては、主として保留コマンドを受信したタイミングとなるように設定されているが、図柄表示装置96の表示画面96aにてキャラクタ等を表示することにより特殊予告を開始するという性質上、保留コマンドを受信したタイミングと遊技回における表示演出の進行具合によっては特殊保留予告の開始が規制されることとなる。例えば、保留コマンドを受信したタイミングにて2つの図柄列が停止表示されている場合には、当該遊技回における特殊保留予告の開始が規制され、次の遊技回の開始タイミングまで特殊保留予告の開始が持ち越しになる(遅延される)。ステップS2001にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊予告演出用実行処理を終了する。
【0348】
ステップS2001にて肯定判定をした場合には、ステップS2002に進む。ステップS2002では、特殊予告演出を開始した場合に、該当遊技回までに実行可能な残りステップ数を把握する。本実施の形態に示す特殊予告演出は、遊技回が進む毎に演出内容が更新されるステップアップ式の演出となっている。ステップS2002にて把握した残りステップ数を勘案して、続くステップS2003では特殊予告演出の演出態様の決定処理を行う。具体的には、余剰となるステップ分を排除して開始点を繰り上げる処理を行う。ステップS2003の決定処理を実行した後は、ステップS2004にて特殊予告演出の開始処理を実行し、本特殊予告演出用実行処理を終了する。
【0349】
ここで、
図43を参照して特殊予告演出の流れについて説明する。
図43は特殊予告演出(上記第2特殊予告演出)の流れを例示したタイミングチャートである。
【0350】
サポートモードが高頻度サポートモードとなっている状況下にて右作動口85への入球が発生したt1のタイミングでは、右作動口85に係る保留数が「3」となっており、未だ上限に達していない。このため、t1のタイミングで発生した入球を契機として、保留情報が取得され、主制御装置162から報知・演出制御装置143に保留コマンドが出力される。報知・演出制御装置143にてこの保留コマンドに基づく特殊保留予告の発生抽選に当選すると、当該t1のタイミングから特殊予告演出が開始される。なお、t1のタイミングにおいては、未だ各図柄列が変動表示中であるため、上記開始規制の影響を受けることはない。
【0351】
特殊予告演出が開始されると、図柄表示装置96の表示画面96aの右下に女の子を模したキャラクタ画像が表示される(第1ステップ)。これにより、遊技者に特殊予告演出が開始した旨が報知される。本実施の形態に示す特殊予告演出については最大で5段階のステップアップ式となっており、右下に女の子が出現した状態では残りステップ数が「5」であることが明示される。
【0352】
次の遊技回に移行したt2のタイミングでは、右下に表示されていた女の子が箒に跨り(第2ステップ)、更に遊技回が進んだt3のタイミングでは女の子が箒に跨ったまま左方へ向けて移動を開始する(第3ステップ)。次の遊技回に移ったt4のタイミングでは女の子は表示画面96aの中央を横切り(第4ステップ)、該当保留に係る遊技回が開始するt5のタイミングでは表示画面96aの左下に妖精を模したキャラクタ画像が表示される(第5ステップ)。つまり、妖精が表示されることにより、一連の特殊予告演出の契機となった該当保留に達した旨が遊技者に報知されることとなる。
【0353】
ここで、女の子が妖精を捕まえた場合にはリーチ表示へ移行する。
図43に例示している該当保留については特別当たり結果に対応している。このため、t6のタイミングにて女の子が妖精を捕まえてリーチ表示へ移行することとなる。以上、女の子が表示されてから妖精を捕まえるまでが特殊予告演出である。因みに、リーチ表示へ移行しない場合(外れ結果に対応したガセの演出である場合)には、妖精を取り逃がしてリーチ表示への移行が回避されることとなる。
【0354】
なお、
図43においては5つのステップを確保できる場合について例示しているが、保留情報の数が満たない等の事情から該当保留までに5つのステップを実行可能な契機を確保できない場合も発生する。このような場合には、不足分に応じて第1ステップ → 第2ステップ →第3ステップ ・・・の順に一部のステップが省略される。
【0355】
妖精を捕まえた後は、リーチ表示に対応する表示演出として変身演出が開始される。当たり結果に対応する遊技回においては女の子が変身に成功することで当たり結果となったことが明示され、当たり結果に対応していない遊技回では変身に失敗することで外れ結果となったことが明示される。t7のタイミングでは、当たり結果に対応する図柄組み合わせが停止表示され、これに併せて表示中のキャラクタ画像が変身成功後の画像に更新される。
【0356】
図43に例示している該当遊技回については特別当たり結果に対応している。このため、表示画面96aでは抽選結果確定モードへの移行に対応した表示が開始される。具体的には、表示画面96aの中央にて女の子を模したキャラクタ画像と、開閉実行モードへの移行に対応したVの文字とが交互に表示されるように表示の切り替えがなされる。
【0357】
その後、t8のタイミングにて右側可変入賞装置83が開放され、t9のタイミングにて有利入球部323への入球が発生すると、表示画面96aではVの文字が停止表示され、開閉実行モードへ移行する旨が報知されることとなる。
【0358】
予め決定されている当たり種別が右側可変入賞装置83(有利入球部323)への入球に基づいて確定される構成においては、仮に高頻度サポートモードに対応する当たりのみを狙うようにして右側可変入賞装置83へ向けた遊技球の発射をコントロールすることができれば、当たりを強制的に連続させることができる。この点、本実施の形態における特殊予告演出及び該当遊技回における表示演出の何れについても当たり種別に関する情報は含まれていない。このため、表示演出の内容を見て遊技者が当たり種別を把握することはできない。故に、演出内容を見て意図的に有利入球部323への入球を回避させることで当たりを連続させるといった行為が難しくなっている。
【0359】
特に、特殊予告演出によって事前に当たりを示唆する構成においては、該当遊技回(右側可変入賞装置83の開放)までに時間的な猶予が生じる。故に、上記行為が容易になりやすい。つまり、特殊予告演出に種別に関する情報が含まれていた場合には、その情報が利用されやすくなることで、遊技ホールが不利益を被る可能性がある。ここで、特殊予告演出の契機となる保留コマンドには当たりの種別を把握する為の情報がそもそも含まれてさえいない。このため、特殊予告演出にこのような情報の影響が及ぶこともない。
【0360】
主制御装置162からサブ側の制御装置である報知・演出制御装置143に該当遊技回に係る情報を事前に知らせる構成においては、その情報が何らかの事情で洩れてしまう可能性を否定できない。仮に、当該情報に基づいて当たりの種別に関する情報が含まれている場合には、この情報が不正行為の足掛かりとして狙われやすくなると懸念される。この点、上述したように保留コマンドには当たりの種別に関する情報を付与していないため、保留コマンドを不正に取得して、当たり種別を事前に把握するといった行為を好適に抑制できる。
【0361】
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0362】
本実施の形態に示したパチンコ機10においては、右作動口85(「始動入球部」に相当)への入球が発生したことを契機として保留情報(「特別情報」に相当)が取得される。保留情報(詳しくは当たり乱数カウンタC1の取得値)を参照した抽選にて当たり結果となった場合には、併せてその種別(高頻度サポートモードに対応/低頻度サポートモードに対応)が仮決定される。これを契機として、右側可変入賞装置83(有利入球部323)が受入状態に切り替わり、有効期間内に当該右側可変入賞装置83へ遊技球が入球した場合に、上記抽選結果が確定となる。これにより、開閉実行モードを経由して上記当たり結果に対応するサポートモードへの切り替えがなされる。
【0363】
このように事前に決定された当たりの種別が右側可変入賞装置83(有利入球部323)への入球によって確定する遊技機においては、仮に意図的に不利な当たりを回避するようにして右側可変入賞装置83への入球を避けることが可能となれば、本来では得られないはずの多くの特典を享受され、遊技ホールが被る不利益が甚大になる。特に、先特定によって後の遊技回(該当遊技回)に係る情報が先出しされる構成においては、該当遊技回が実行されるまでに、上述した態様で遊技を進めるための準備期間を確保しやすくなる。
【0364】
この点、本実施の形態においては、外れ結果となった場合には当たり乱数カウンタC1の取得値以外の個別情報に基づく特定(以下、先特定という)が許容され、当たり結果となった場合には当たり乱数カウンタC1の取得値以外の個別情報に基づく先特定が制限される構成となっている。このため、該当遊技回よりも前に先特定された情報が先出しされた場合であっても、それに基づいて当たりの種別を把握/推測することが困難となり、上記不都合の発生を好適に抑制できる。故に、先特定された情報を用いて特殊予告演出(「特別報知」に相当)を行うことで遊技への注目度の向上を図りつつ、それに起因した上記不都合の発生を好適に抑制できる。なお、外れ結果の場合には変動種別カウンタCSの取得値に基づいて変動表示時間情報が特定され(例えばリーチ表示の有無が特定され)、その情報が保留コマンドによって報知・演出制御装置143に提供される。報知・演出制御装置143では、先特定された変動表示時間情報を参照して特殊予告演出の可否を決定することができる。故に、例えばリーチ表示非対応(完全外れ対応)の該当遊技回を契機とした特殊予告演出(先読み演出)が多発して、特殊予告演出自体への注目度を低下させる要因になることを好適に回避できる。
【0365】
因みに、上記制限機能を実現する上では、主制御装置162から報知・演出制御装置143に出力される情報(当否情報、種別情報、変動表示時間情報)を制限せず、使用する情報を報知・演出制御装置143にて選択させる構成、すなわち制限機能を報知・演出制御装置143に移植した構成とすることも可能である。但し、このような構成では、遊技機の信頼性が低下し得る。具体的には、情報を報知・演出制御装置143に送る過程で洩れてしまった場合には、その洩れた情報から種別を特定することが可能になり得る。更には、このような情報が不正に取得される可能性も生じる。この点、上記実施の形態に示したように主制御装置162にて保留コマンドを設定する際に当たり乱数カウンタC1の取得値以外の個別情報に基づいた特定、すなわち種別情報及び変動表示時間情報の特定自体を行わない構成とすることで、上記信頼性の低下を好適に抑制できる。
【0366】
主制御装置162から送信された保留コマンドに基づいて特殊予告演出を行う構成においては、主制御装置162から報知・演出制御装置143に送信される保留コマンドの情報出力形態がばらばらになると、報知・演出制御装置143における情報の確認が複雑になる。そこで、当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSに基づいた特定がされない場合にはダミー情報(「代替情報」に相当)を含んだダミーコマンド(「対応情報」に相当)を送信する構成することにより、都度の送信時に情報出力形態が変わることを回避できる。このようにして、情報出力形態の統一を図ることにより、制御負荷を好適に緩和できる。
【0367】
該当遊技回よりも前に先特定された情報に基づいて特殊予告演出を行う構成においては、提供される情報量が多い程、詳細且つ多様な報知を行うことができる。しかしながら、上述の如く保留コマンドにダミー情報を含める構成とする場合には、そのダミー情報を参照して特殊予告演出の態様等を決定してしまっては、実際とはかけ離れた態様にて特殊予告演出が実行され得る。このような特別報知は、遊技者を困惑させて当該特別報知に対する遊技者の注目度を低下させる要因になると懸念される。この点、本実施の形態に示すように、特殊予告演出の態様等を決定する際には当否情報のみが参照される構成とすることにより、上記不都合の発生を好適に回避できる。
【0368】
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、高頻度サポートモード中に実行された遊技回数に応じて特殊予告演出の発生条件が変化する構成とした。具体的には、遊技回数が第1規定回数に達することで発生条件が緩和され、第2規定回数に達することで更に発生条件が緩和される構成とした。本実施の形態においては、発生条件が変化する遊技回数を固定式ではなく可変式としている点で上記第1の実施の形態と構成が相違している。以下、
図44の概略図を参照して、上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0369】
図44(a)に示すように、本実施の形態における予告モードとして第1種予告モード〜第4種予告モードが設けられている。第1種予告モードでは第1規定回数として「50」回且つ第2規定回数として「70」回が設定されている。第2種予告モードでは第1規定回数として「30」回且つ第2規定回数として「50」回が設定され、各規定回数が第1種予告モードよりも引き下げられている。このため、大当たり又は特別当たりとなった場合には、第1種予告モードと比較して第2種予告モードの方が告知のタイミングが早くなる。
【0370】
第3種予告モードでは、第1規定回数として「10」回且つ第2規定回数として「30」回が設定され、各規定回数が第2種予告モードよりも更に引き下げられている。このため、大当たり又は特別当たりとなった場合には、第1種予告モード及び第2種予告モードと比較して、第3種予告モードの方が告知のタイミングが早くなる。
【0371】
第4種予告モードでは、第1規定回数として「0」回且つ第2規定回数として「0」回が設定され、各規定回数が第3種予告モードよりも更に引き下げられている。つまり、第4種予告モードでは大当たり又は特別当たり時には即座にそれが告知される。これにより、第1種予告モード〜第3種予告モードと比較して、第4種予告モードの方が当たりが早いタイミングで告知されることとなる。
【0372】
既に説明したように、高頻度サポートモードとなっている状況下においても、遊技回を重ねる毎に手持ちの遊技球が消費される。その消費速度については低頻度サポートモードと比較した場合には低くなるものの、遊技回が進んで投資が嵩むことで、手持ちの遊技球が減少することには変わりない。このような事情から、高頻度サポートモードとなっている状況下にて当たり結果に対応する保留情報が取得された場合には、できるだけ早いタイミングにてその旨が告知された方が遊技者にとって有利となる。上述した第1種予告モード〜第4種予告モードを併用して告知のタイミングを変化させることにより、上述した有利度の差を発生させることが可能となっている。
【0373】
これら第1種予告モード〜第4種予告モードについては、当たりの種別に個別に対応付けられている。具体的には
図44(b)に示すように、高頻度サポートモードに対応する8R特別当たり結果Dには、8R特別当たり結果D1〜8R特別当たり結果D4の4種類が設けられている。これら8R特別当たり結果D1〜8R特別当たり結果D4については、開閉実行モードにおける下側可変入賞装置82の動作態様は同一であり、当該開閉事項モードにて取得し得る遊技球の数については同様となっている。つまり、開閉実行モード自体には有利度の差は設けられていない。
【0374】
但し、8R特別当たり結果D1については開閉実行モード終了後に移行する高頻度サポートモードが第1種予告モードに対応しており、8R特別当たり結果D2については開閉実行モード終了後に移行する高頻度サポートモードが第2種予告モードに対応しており、8R特別当たり結果D3については開閉実行モード終了後に移行する高頻度サポートモードが第3種予告モードに対応しており、8R特別当たり結果D4については開閉実行モード終了後に移行する高頻度サポートモードが第4種予告モードに対応している。このため、高頻度サポートモードへ移行した後は、8R特別当たり結果D1 < 8R特別当たり結果D2 < 8R特別当たり結果D3 < 8R特別当たり結果D4の順に当たり結果の告知が早く実行されるように差が生じる。つまり、持ち球の減少を抑えて、少しでも遊技を有利に進める上では8R特別当たり結果D1 < 8R特別当たり結果D2 < 8R特別当たり結果D3 < 8R特別当たり結果D4の順に有利となるように有利度に差が生じる。このように特殊予告演出の発生条件の差によって高頻度サポートモードにおける持ち球の減少を抑えることにより、遊技の多様化を好適に実現することができる。
【0375】
また、これら各種予告モードについては外観では識別不可となるように構成されている。このため、高頻度サポートモード終了までのどのタイミングで、第1規定回数及び第2規定回数に達するかを遊技者が判別することは困難である。故に、特殊予告が発生したからといって必ずしも当たり結果に繋がるとは限らず、外れ結果となる可能性もある。このような構成によれば、高頻度サポートモード中も遊技の緊張感が低下することを抑制し得る。
【0376】
なお、各種予告モードのうちどのモードに滞在しているかをBGMや背景画像(ステージ)等によって示唆する構成とすることも可能である。
【0377】
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
【0378】
(1)上記各実施の形態では、ダミー情報を含んだダミーコマンドである第4種保留コマンドを設けたが、このダミーコマンドを他の保留コマンドと共用とすることも可能である。例えば、低頻度サポートモードとなっている状況下にて右作動口85への入球が発生し且つ大当たりとなる場合に第6保留コマンドが出力される構成においては、ダミーコマンドとして第6保留コマンドを設定することも可能である。
【0379】
(2)上記各実施の形態では、「始動入球部」としての右作動口85への入球に基づいて当たりに対応した保留情報(「特別情報」に相当)が取得された場合に出力される保留コマンドについては実際の種別情報及び変動表示時間情報とは異なるダミー情報を有する構成とし、他の保留コマンドと情報の出力形態の統一を図った。故に、当たりに対応した保留情報については実質的に当否情報以外を含まない構成となっていた。このようなダミー情報についてはコマンドの出力形態を共通化する上では有益であるものの、必須の構成ではない。当たりに対応した保留情報が取得された場合に出力される保留コマンドについては当否情報以外の情報(種別情報及び変動表示時間情報)を含まない構成とすることも可能である。
【0380】
(3)上記各実施の形態では、右作動口85への入球に基づいて取得された保留情報の当否によって保留コマンドに含まれる実質的な情報の種類が変化する構成とした。例えば、下作動口84への入球に基づいて高頻度サポートモード対応の特別当たり結果及び低頻度サポートモード対応の特別当たり結果となり得る構成においては、右作動口85における保留コマンドの設定機能と同様の機能を下作動口84に係る保留コマンドの設定機能に付加することも可能である。
【0381】
(4)上記各実施の形態では、右作動口85への入球に基づいて取得された保留情報が、下作動口84への入球に基づいて取得された保留情報よりも優先して消化される構成としたが、これに限定されるものではない。下作動口84への入球に基づいて取得された保留情報が、右作動口85への入球に基づいて取得された保留情報よりも優先して消化される構成としてもよいし、取得した順(時系列)に消化される構成としてもよい。
【0382】
(5)上記各実施の形態に示した特殊予告演出では、ステップアップ式(当該特殊予告演出の契機となった該当保留を目指して段階的に進行する構成)とすることで当該特殊予告演出の契機となった保留(該当保留)を明示する構成としたが、該当保留を明示する為の具体的構成については任意である。また、特殊予告演出においては必ずしも該当保留を明示する必要はなく、該当保留を非明示とすることも可能である。
【0383】
因みに、特殊予告演出においては、右側可変入賞装置83への入球が許容されるまでの残り期間を明示する構成としてもよい。これにより、上述した持ち球の減りを抑制する効果を一層好適に発揮させることができる。
【0384】
(6)上記各実施の形態では、高頻度サポートモード中の遊技回数に応じて特殊予告演出の実行条件が変化する(緩和される)構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも遊技の状況を把握し、その把握した情報に基づいて特殊予告演出の実行条件を変化させるのであれば足りる。例えば作動口84,85への入賞数や発射された遊技球の数、アウト球の数等に応じて特殊予告演出の実行条件が変化する構成とすることも可能である。
【0385】
なお、実行条件については必ずしも遊技が進むに連れて緩和される構成とする必要は必ずしもなく、遊技が進むにつれて厳しくなる構成とすることを否定するものではない。
【0386】
(7)上記各実施の形態では、先行する保留情報に当たり結果に対応するものが含まれている場合には特殊予告演出の設定が回避される構成としたが、これに限定されるものではない。当たり結果に対応するものが含まれている場合であっても、後続の保留情報を契機として特殊予告演出が設定される構成としてもよい。
【0387】
また、既に特殊予告演出が設定されている場合には、当該特殊予告演出が終了するまで次の特殊予告演出の設定が回避される構成としたが、特殊予告演出が設定されている状況下にて更に特殊予告演出が設定され複数の特殊予告演出が重複する構成とすることも可能である。
【0388】
(8)上記第2の実施の形態に示したように、予告モードを複数有する構成では、予告モードに応じて表示画面96aの背景所色を変化させることにより現在の予告モードを明示する構成とすることも可能である。また、予告モードを明示する上では、その具体的構成については任意であり、例えばスピーカ部29から出力されるBGMを予告モードに応じて変化させたり、ランプ部26の発光色を予告モードに応じて変化させたりすることも可能である。
【0389】
(9)上記第2の実施の形態では、先の開閉実行モードの契機となった当たり結果に応じて高頻度サポートモード下における予告モードが決まる構成としたが、当たりが連続している所謂連チャン時には過去の当たり結果の全てを踏まえて予告モードが決まる構成とすることも可能である。例えば、予告モードについては当たり(開閉実行モード)が続くことでより上位へ移行する構成とし、下位のモードへの移行が回避される構成とすることも可能である。例えば、一度でも2R特別当たり結果となった場合には、その後は連チャン終了まで最上位の予告モードである第4種予告モードが継続される構成とすることも可能である。
【0390】
(10)上記第2の実施の形態に示した各種予告モードでは、第1規定回数及び第2規定回数の両方を可変式としたが、これに限定されるものではない。例えば、特殊予告演出の信頼度が100%となる第2規定回数の設定値のみが変化する構成としてもよいし、第1規定回数の設定値のみが変化する構成としてもよい。
【0391】
(11)上記第2の実施の形態では、特別当たり結果の種別に応じて高頻度サポートモード中の特殊予告演出の実行条件が変化する構成としたが、これら特別当たり結果については全て開閉実行モードにおける下側可変入賞装置82の動作態様を共通とした。これに限定されるものではなく、開閉実行モードにおける下側可変入賞装置82の動作態様が異なる複数の特別当たり結果について特殊予告演出の実行条件に差を設ける構成としてもよい。以下、
図45の概略図を参照して、その具体例について説明する。
【0392】
遊技者の有利度が、2R特別当たり < 4R特別当たり < 8R特別当たり < 16R特別当たりの順である場合には、有利度の低い特別当たり結果を契機として移行した高頻度サポートモード程、予告モードとして遊技者に有利なものが選択される構成とすることも可能である。詳しくは、2R特別当たりの場合には第4種予告モード、4R特別当たりの場合には第3種予告モード、8R特別当たりの場合には第2種予告モード、16R特別当たりの場合には第1種予告モードとする。これにより、有利度の低い開閉実行モードを経由した後は、早いタイミングで特殊予告による告知がなされることとなり、持ち球の減りを抑えるように促すことができる。
【0393】
(12)上記第1の実施の形態では、高頻度サポートモード中に実行された遊技回数が第1規定回数、第2規定回数を超えることで当たり対応の特殊予告演出の発生確率が上がる構成とした。この際、外れ対応の特殊予告演出の発生確率を下げることにより、当たり及び外れを統合した場合の特殊予告演出の発生確率を変化させない構成とした。遊技の進行に伴って発生確率を変更する上では、その具体的態様については任意であり、例えば外れ対応の特殊予告演出の発生確率を据え置くことで当たり及び外れを統合した場合の特殊予告演出の発生確率が上がる構成とすることも可能である。
【0394】
(13)上記各実施の形態では、外れに対応する保留情報については変動表示態様を確認し、当たりに対応する保留情報については変動表示態様を確認しない構成とした。これを変更し、遊技状態に応じて先に特定する情報を変更する構成としてもよい。例えば、低頻度サポートモード中に出力される保留コマンドは当否情報、振分情報、変動表示時間情報を有し、高頻度サポートモード中に出力される保留コマンドは当否情報を有する構成としたり、低頻度サポートモード中に出力される保留コマンドは当否情報、振分情報、変動表示時間情報を有し、高頻度サポートモード中に出力される保留コマンドは当否情報及び変動表示時間情報を有する構成としたりすることも可能である。また、例えば抽選モードとして高確率モード及び低確率モードを有する遊技機においては、抽選モードに応じて保留コマンドに含まれる実質的な情報の種類が変化する構成としてもよい。
【0395】
(14)上記各実施の形態においては、変動種別カウンタCSを用いて変動表示時間を決め、変動表示時間とリーチ表示の有無とに所定の対応関係を付与しておくことにより、リーチ表示を行うか否かが決まる構成とした。これを以下のように変更してもよい。すなわち、右作動口85への入球が発生した場合には、リーチ乱数カウンタの当たりを取得し、この取得した値からリーチ表示を行うか否かを決めた上で、変動種別カウンタCSの値から変動表示時間を決める構成とすることも可能である。この場合、保留コマンドの設定を行う際には、当たり乱数カウンタC1の値から当たり結果となる旨が確認さえた場合にリーチ乱数カウンタの値を参照してリーチ表示を行うか否かの確認が制限される構成とするとよい。
【0396】
(15)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
【0397】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
【0398】
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
【0399】
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0400】
<特徴A群> 当否に応じてソースを制限
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定絵柄等が停止表示され、有利な遊技状態へ移行する(例えば特許文献1)。」という背景技術について、「ここで、上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成については遊技への注目度の向上を実現する上で未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
【0401】
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(右作動口85)と、
前記入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たりに係る情報、高頻度サポートモードに係る情報、リーチ表示に係る情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別情報は、第1個別情報(例えば当たり乱数カウンタC1の取得値)及び第2個別情報(例えば当たり種別カウンタC2の取得値や変動種別カウンタCSの取得値)を含む情報群であり、
前記所定の判定情報として前記第1個別情報の判定を行う場合に参照される第1判定情報と前記第2個別情報の判定を行う場合に参照される第2判定情報とを有し、
前記先特定手段は、前記第1個別情報が前記第1判定情報に対応していない場合には前記第2個別情報に基づいて前記特定を行い、前記第1個別情報が前記第1判定情報に対応している場合には前記第2個別情報に基づく前記特定が制限されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0402】
特徴A1に示す構成においては、入球部への入球に基づいて取得される特別情報が複数の個別情報の集合となっている。特別情報を構成している第1個別情報について先特定手段による特定(以下、先特定という)を行った場合に、第1個別情報が第1判定情報に対応していないのであれば第2個別情報及び第2判定情報に基づく先特定が行われ、第1個別情報が第1判定情報に対応していないのであれば第2個別情報及び第2判定情報に基づく先特定が制限されることとなる。このように、状況に応じて先特定の対象を制限して先特定の対象となる個別情報の種類(数)を変化させることにより、先特定機能を用いて所謂先読み演出等を行う場合にその態様を好適に変化させることができる。この種の先読み演出については、後の遊技回に係る情報を先出しすることで後の遊技回へ遊技者の注目を向けさせるといった効果が期待できる。しかしながら、状況によってはこのような情報の先出しが遊技の興趣を向上させる上で妨げになり得る。この点、本特徴に示す構成によれば、情報制限によって先出しし得る情報を絞ることができるため、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
【0403】
特徴A2.前記先特定手段によって特定された情報に基づく特別報知を、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前の特定遊技回にて又は当該特定遊技回及び同特定遊技回よりも更に前の遊技回にて行う特別報知手段(報知・演出制御装置143にて特殊予告演出を実行する機能)を備えている遊技機であって、
前記特別報知手段に、前記先特定手段によって特定された情報を提供する情報提供手段(主制御装置162のMPU602にて保留コマンドを送信する機能)を備え、
前記情報提供手段は、前記第2個別情報に基づいた前記特定が制限されている場合には、前記第2個別情報に対応する情報の代わりに所定の代替情報を提供するように構成されていることを特徴A1に記載の遊技機。
【0404】
特徴A2に示すように、先特定手段にて特定した情報に基づいて特別報知を行う構成においては、先特定手段から特別報知手段に送信される情報の出力形態がばらばらになると、特別報知手段における情報の確認が複雑になる。そこで、第2個別情報に基づいた特定がされない場合には代替情報を含んだ情報(対応情報)を送る構成することにより、都度の情報提供時に情報の出力形態が変わることを回避できる。このようにして、情報の出力形態の統一を図ることにより、制御負荷を好適に緩和できる。
【0405】
特徴A3.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(右作動口85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
表示部(主表示部D)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(主表示ユニット87)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別情報は、第1個別情報(例えば当たり乱数カウンタC1の取得値)及び第2個別情報(例えば当たり種別カウンタC2の取得値や変動種別カウンタCSの取得値)を含む情報群であり、
前記判定手段は、
前記所定の判定情報を構成する第1判定情報に前記第1個別情報が対応しているか否かを判定する第1判定手段と、
前記所定の判定情報を構成する第2判定情報に前記第2個別情報が対応しているか否かを判定する第2判定手段と
を有し、
遊技球が入球可能な受入状態及び遊技球が入球不可となる非受入状態に切替可能な可変入球部(右側可変入賞装置83の有利入球部323)と、
前記第1判定手段により前記第1個別情報が前記第1判定情報と対応していると判定されたことに基づいて、前記可変入球部を所定期間に亘って前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
所定期間内に前記可変入球部へ遊技球が入球した場合に、当該可変入球部の前記受入状態への切り替えの契機となった前記特別情報を構成している前記第2個別情報が前記第2判定手段によって前記第2判定情報と対応していないと判定されていることに基づいて遊技状態を第1遊技状態(例えば低頻度サポートモード)に移行させ、当該第2個別情報が前記第2判定情報と対応していると判定されていること基づいて遊技状態を前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(例えば高頻度サポートモード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別情報を構成する前記第1個別情報が前記第1判定情報に対応していない場合には前記先特定手段による前記第1個別情報以外の個別情報に基づいた前記特定を許容し、前記特別情報を構成する前記第1個別情報が前記第1判定情報に対応している場合には前記第1個別情報以外の個別情報に基づいた前記特定を制限する制限手段(例えば主制御装置162のMPU602にて第2設定処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0406】
特徴A3に示す遊技機においては、始動入球部へ遊技球が入球したことを契機として特別情報(個別情報群)が取得される。特別情報(詳しくは第1個別情報)を参照した抽選にて当選結果となった場合には、併せてその種別(第1遊技状態への移行に対応/第2遊技状態への移行に対応)が仮決定される。これを契機として、可変入球部が受入状態に切り替わり、有効期間内に当該可変入球部へ遊技球が入球した場合に、上記抽選結果が確定となって遊技状態の切り替えがなされる。
【0407】
このように事前に決定された当たりの種別が可変入球部への入球によって確定する遊技機においては、仮に意図的に不利な当たりを回避するようにして可変入球部への入球を避けることが可能となれば、本来では得られないはずの多くの特典を享受され、遊技ホールが被る不利益が甚大になる。特に、先特定によって後の遊技回(該当遊技回)に係る情報が先出しされる構成においては、該当遊技回が実行されるまでに、上述した態様で遊技を進めるための準備期間を確保しやすくなる。
【0408】
この点、本特徴に示す構成によれば、外れ結果となった場合には第1個別情報以外の個別情報に基づく特定(以下、先特定という)が許容され、当たり結果となった場合には第1個別情報以外の個別情報に基づく先特定が制限される構成となっている。このため、該当遊技回よりも前に先特定された情報が先出しされた場合であっても、それに基づいて種別を把握/推測することが困難となり、上記不都合の発生を好適に抑制できる。故に、先特定された情報を用いて所謂先読み演出を行うことで遊技への注目度の向上を図りつつ、それに起因した上記不都合の発生を好適に抑制できる。
【0409】
なお、上記制限機能を実現する上では、例えば当該機能を先特定手段からの情報に基づく特別報知を行う特別報知手段に移植し、使用する情報を特別報知手段にて選択する構成とすることも可能である。但し、このような構成では、遊技機の信頼性が低下し得る。具体的には、情報を特別報知手段に送る過程で洩れてしまった場合には、その洩れた情報から種別を特定することが可能になり得る。更には、このような情報が不正に取得される可能性も生じる。この点、先特定手段にて第1個別情報以外の個別情報に基づいた特定自体を行わない構成とすることで、上記信頼性の低下を好適に抑制できる。
【0410】
特徴A4.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(右作動口85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
表示部(主表示部D)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(主表示ユニット87)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別情報は、第1個別情報(例えば当たり乱数カウンタC1の取得値)、第2個別情報(例えば当たり種別カウンタC2の取得値)及び第3個別情報(例えば変動種別カウンタCSの取得値)を含む情報群であり、
前記判定手段は、
前記所定の判定情報を構成する第1判定情報に前記第1個別情報が対応しているか否かを判定する第1判定手段と、
前記所定の判定情報を構成する第2判定情報に前記第2個別情報が対応しているか否かを判定する第2判定手段と、
前記所定の判定情報を構成する第3判定情報に前記第3個別情報が対応しているか否かを判定する第3判定手段と
を有し、
遊技球が入球可能な受入状態及び遊技球が入球不可となる非受入状態に切替可能な可変入球部(右側可変入賞装置83の有利入球部323)と、
前記第1判定手段により前記第1個別情報が前記第1判定情報と対応していると判定されたことに基づいて、前記可変入球部を所定期間に亘って前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
所定期間内に前記可変入球部へ遊技球が入球した場合に、当該可変入球部の前記受入状態への切り替えの契機となった前記特別情報を構成している前記第2個別情報が前記第2判定手段によって前記第2判定情報と対応していないと判定されていることに基づいて遊技状態を第1遊技状態(例えば低頻度サポートモード)に移行させ、当該第2個別情報が前記第2判定情報と対応していると判定されていること基づいて遊技状態を前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(例えば高頻度サポートモード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記第3判定手段による判定結果に基づいて、前記遊技回制御手段による絵柄の変動表示態様を決定する変動表示態様決定手段(例えば主制御装置162のMPU602にて主表示部Dにおける変動表示態様を決定する機能)と、
前記特別情報を構成する前記第1個別情報が前記第1判定情報に対応していない場合には前記先特定手段による前記第3個別情報に基づいた前記特定を許容し、前記特別情報を構成する前記第1個別情報が前記第1判定情報に対応している場合には前記先特定手段による前記第2個別情報及び前記第3個別情報に基づいた前記特定を制限する制限手段(例えば主制御装置162のMPU602にて第2設定処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0411】
特徴A4に示す遊技機においては、始動入球部へ遊技球が入球したことを契機として特別情報(第1個別情報〜第3個別情報)が取得される。特別情報(第1個別情報)を参照した抽選にて当選結果となった場合には、併せてその種別(第1遊技状態への移行に対応/第2遊技状態への移行に対応)が仮決定される。これを契機として、可変入球部が受入状態に切り替わり、有効期間内に当該可変入球部へ遊技球が入球した場合に、上記抽選結果が確定となって遊技状態の切り替えがなされる。
【0412】
このように事前に決定された当たりの種別が可変入球部への入球によって確定する遊技機においては、意図的に不利な当たりを回避するようにして可変入球部への入球を避けることが可能となれば、本来では得られないはずの多くの特典を享受することができ、遊技ホールが被る不利益が甚大になる。特に、先特定によって後の遊技回(該当遊技回)に係る情報が先出しされる構成においては、該当遊技回が実行されるまでに、上述した態様で遊技を進めるための準備期間を確保しやすくなる。
【0413】
この点、本特徴に示す構成によれば、外れ結果となった場合には第3個別情報に基づく特定(以下、先特定という)が許容され、当たり結果となった場合には第2個別情報及び第3個別情報に基づく先特定が制限される構成となっている。このため、該当遊技回よりも前に先特定された情報が先出しされた場合であっても、それに基づいて種別を把握/推測することが困難となり、上記不都合の発生を好適に抑制できる。故に、先特定された情報を用いて所謂先読み演出を行うことで遊技への注目度の向上を図りつつ、それに起因した上記不都合の発生を好適に抑制できる。なお、外れ結果の場合には第3個別情報に基づいて先特定された情報を用いた先読み演出を行うことができるため、例えばリーチ表示にすらならない該当遊技回を契機とした先読み演出が多発して、先読み演出自体への注目度を低下させる要因になることを好適に回避できる。
【0414】
因みに、上記制限機能を実現する上では、例えば当該機能を先特定手段からの情報に基づく特別報知を行う特別報知手段に移植し、使用する情報を特別報知手段にて選択する構成とすることも可能である。但し、このような構成では、遊技機の信頼性が低下し得る。具体的には、情報を特別報知手段に送る過程で洩れてしまった場合には、その洩れた情報から種別を特定することが可能になり得る。更には、このような情報が不正に取得される可能性も生じる。この点、先特定手段にて第2個別情報及び第3個別情報に基づいた特定自体を行わない構成とすることで、上記信頼性の低下を好適に抑制できる。
【0415】
特徴A5.前記先特定手段によって特定された情報に基づく特別報知を、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前の特定遊技回にて又は当該特定遊技回及び同特定遊技回よりも更に前の遊技回にて行う特別報知手段(報知・演出制御装置143にて特殊予告演出を実行する機能)を備えている遊技機であって、
前記特別報知手段に、前記先特定手段によって特定された情報を提供する情報提供手段(主制御装置162のMPU602にて保留コマンドを送信する機能)を備え、
前記情報提供手段は、前記制限手段によって前記第2個別情報及び前記第3個別情報に基づいた前記特定が制限されている場合には、前記第2個別情報及び前記第3個別情報に対応する情報の代わりに所定の代替情報を提供するように構成されていることを特徴A4に記載の遊技機。
【0416】
特徴A5に示すように、先特定手段にて特定した情報に基づいて特別報知を行う構成においては、先特定手段から特別報知手段に送信される情報の出力形態がばらばらになると、特別報知手段における情報の確認が複雑になる。そこで、第2個別情報及び第3個別情報に基づいた特定がされない場合には代替情報を含んだ情報(対応情報)を送る構成することにより、都度の情報提供時に情報の出力形態が変わることを回避できる。このようにして、情報の出力形態の統一を図ることにより、制御負荷を好適に緩和できる。
【0417】
特徴A6.前記情報提供手段から前記特別報知手段に提供された各情報を参照して特別報知の態様を決定する手段及び前記提供手段から提供された情報のうち前記第1個別情報に係る情報のみを参照して特別報知の態様を決定する手段を有する報知態様決定手段(報知・演出制御装置143のMPU661にて特殊予告演出用設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
【0418】
該当遊技回よりも前に先特定された情報に基づく特別報知を行う構成においては、提供される情報量が多い程、詳細且つ多様な報知を行うことができる。しかしながら、特徴A5に示したように、ダミーとなる代替情報を含める構成とする場合には、その代替情報を参照して報知態様を決定してしまっては、実際とはかけ離れた態様にて特別報知が実行され得る。このような特別報知は、遊技者を困惑させて当該特別報知に対する遊技者の注目度を低下させる要因になると懸念される。この点、本特徴に示すように、特別報知の態様を決定する際には第1個別情報に係る情報のみが参照される構成とすることにより、上記不都合の発生を好適に回避できる。
【0419】
特徴A7.前記報知態様決定手段は、前記情報提供手段から提供された情報が前記第1判定情報に前記第1個別情報が対応していることを示す情報である場合には、前記代替情報の参照を回避する構成となっていることを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
【0420】
該当遊技回よりも前に先特定された情報に基づく特別報知を行う構成においては、提供される情報量が多い程、詳細且つ多様な報知を行うことができる。しかしながら、特徴A5に示したように、ダミーとなる代替情報を含める構成とする場合には、その代替情報を参照して報知態様を決定してしまっては、実際とはかけ離れた態様にて特別報知が実行され得る。このような特別報知は、遊技者を困惑させて当該特別報知に対する遊技者の注目度を低下させる要因になると懸念される。この点、本特徴に示すように、特別報知の態様を決定する際には第1個別情報に係る情報のみが参照される構成とすることにより、上記不都合の発生を好適に回避できる。
【0421】
特徴A8.前記始動入球部への入球を補助しない非補助状態及び前記始動入球部への入球を補助する補助状態に切替可能な可変手段(電動役物91)と、
前記可変手段を前記非補助状態及び前記補助状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート処理を実行する機能)と
を備え、
前記切替制御手段による制御モードとして、前記始動入球部への入球頻度が相対的に低くなるように前記可変手段を制御する低頻度入球モード(低頻度サポートモード)と、前記始動入球部への入球頻度が相対的に高くなるように前記可変手段を制御する高頻度入球モード(高頻度サポートモード)とが設けられており、
前記第1遊技状態は少なくとも前記制御モードが前記低頻度入球モードとなる遊技状態、且つ前記第2遊技状態は少なくとも前記制御モードが前記高頻度入球モードとなる遊技状態であり、
前記制限手段は、前記切替制御手段の制御モードが前記高頻度入球モードとなっている場合に、前記制限を行う構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
【0422】
特徴A8に示すように低頻度入球モード/高頻度入球モードの切り替えによって遊技の多様化が実現されている場合には、遊技者は少しでも遊技を有利に進める上で高頻度入球モードでの遊技を期待する。そこで、言い換えれば、低頻度入球モードへの転落を意図的に回避するといった行為は主として高頻度入球モードにて発生する。そこで、高頻度入球モードとなっていることを条件に上記制限を行う構成とすれば、上記行為が困難となり、実用上好ましい構成を実現できる。
【0423】
特徴A9.前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前の特定遊技回にて又は当該特定遊技回及び同特定遊技回よりも更に前の遊技回にて前記先特定手段によって特定された情報に基づく特別報知を行う特別報知手段(報知・演出制御装置143にて特殊予告演出を実行する機能)を備えている遊技機であって、
遊技者による遊技の状況を把握する遊技状況把握手段(報知・演出制御装置143のMPU661にて遊技回数を記憶する機能)と、
前記遊技状況把握手段によって把握された情報に基づいて、前記特別報知の発生頻度を変更する変更手段(報知・演出制御装置143のMPU661にて第1〜第3抽選処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
【0424】
特徴A9によれば、遊技の状況に応じて特別報知の発生頻度が変わる構成とすることにより、遊技への積極的な参加を促したり、遊技の多様化を実現したりすることができる。
【0425】
特徴A10.前記始動入球部への入球を補助しない非補助状態及び前記始動入球部への入球を補助する補助状態に切替可能な可変手段(電動役物91)と、
前記可変手段を前記非補助状態及び前記補助状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート処理を実行する機能)と
を備え、
前記切替制御手段による制御モードとして、前記始動入球部への入球頻度が相対的に低くなるように前記可変手段を制御する低頻度入球モード(低頻度サポートモード)と、前記始動入球部への入球頻度が相対的に高くなるように前記可変手段を制御する高頻度入球モード(高頻度サポートモード)とが設けられており、
前記第1遊技状態は少なくとも前記制御モードが前記低頻度入球モードとなる遊技状態、且つ前記第2遊技状態は少なくとも前記制御モードが前記高頻度入球モードとなる遊技状態であり、
前記変更手段は、前記高頻度入球モードにて実行された遊技回数が所定回数となった場合に、前記特別報知の契機となった前記特別情報であって前記第1判定情報に対応する第1個別情報を有している特別情報を契機とした前記特別報知が実行されやすくなるように構成されていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
【0426】
高頻度入球モードにおいては、低頻度入球モードと比較して持ち球の減りを抑えながら遊技を進めることができるため、遊技者にとって有利となる。しかしながら、このような状況が長く続くことで持ち球の減りが目立ってしまっては遊技者の遊技意欲を低下させてしまうと懸念される。そこで、本特徴に示すように、当たりに対応する特別報知の発生頻度(発生確率)が高頻度入球モードにて実行された遊技回数によって上昇する構成とすることにより、遊技者に早い段階で遊技球の発射を止めるように促すことができる。これにより、僅かではあっても持ち球の減りを緩和することにより、遊技者の遊技意欲の低下の抑制に寄与できる。
【0427】
なお、特別報知の発生頻度を最初から高くしてしまうことも可能ではあるものの、これでは遊技者の注目が主として特別報知の発生の有無に向いてしまい、絵柄表示手段を用いた演出への注目が低下する。故に、事後的に特別報知の発生頻度を上昇させる構成、特別報知による演出効果と絵柄表示手段による演出効果とを共存させる上でも好ましい。
【0428】
特徴A11.前記始動入球部として、第1始動入球部(下作動口84)及び第2始動入球部(右作動口85)を有し、
前記第1始動入球部への入球に基づいて取得された保留情報よりも、前記第2始動入球部への入球に基づいて取得された特別情報の方が、特別情報を構成する前記第1個別情報が前記第1判定情報に対応する情報である確率が高くなるように構成されており、
前記制限手段は、少なくとも前記特別情報が前記第2始動入球部への入球を契機として取得されたものである場合に前記制限を行うように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
【0429】
特徴A11に示すように第1始動入球部よりも第2始動入球部の方が当たりとなる確率が高くなるように偏りが設けられた遊技機においては、少なくとも当たりが発生しやすい第2始動入球部への入球について上記制限を行うことにより、特徴A1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
【0430】
なお、本特徴に示す構成を「前記始動入球部として、第1始動入球部(下作動口84)及び第2始動入球部(右作動口85)を有し、前記第1始動入球部への入球に基づいて取得された保留情報よりも、前記第2始動入球部への入球に基づいて取得された特別情報の方が、特別情報を構成する前記第1個別情報が前記第1判定情報に対応する情報である確率が高くなるように構成されており、前記制限手段は、前記特別情報が前記第2始動入球部への入球を契機として取得されたものである場合に前記制限を行い、前記特別情報が前記第1始動入球部への入球を契機として取得されたものである場合に前記制限を行わない構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
【0431】
因みに、特徴A4〜特徴A11に示した各技術的思想を特徴A3に適用することも可能である。
【0432】
<特徴B群> 当たりの種別に応じて先読みの発動条件が変化
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定絵柄等が停止表示され、有利な遊技状態へ移行する(例えば特許文献1)。」という背景技術について、「ここで、上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成については遊技への注目度の向上を実現する上で未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
【0433】
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(右作動口85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段よる判定結果が所定の判定情報に対応した第1判定結果(例えば4R特別当たり結果)である場合及び前記判定手段よる判定結果が所定の判定情報に対応した第2判定結果(例えば2R特別当たり結果)である場合に遊技状態を特別遊技状態(高頻度サポートモード対応の遊技状態)へと移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602において遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)と、
前記先特定手段により特定された情報に基づく特別報知を、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前の特定遊技回にて又は当該特定遊技回及び同特定遊技回よりも更に前の遊技回にて行う特別報知手段(報知・演出制御装置143のMPU661にて特殊予告演出を実行する機能)と
を備え、
前記第1判定結果を契機として移行した前記特別遊技状態における前記特別報知の実行条件と、前記第2判定結果を契機として移行した前記特別遊技状態における前記特別報知の実行条件とが相違していることを特徴とする遊技機。
【0434】
特徴B1によれば、始動入球部への入球に基づいて当たりとなった場合には、その結果(第1判定結果/第2判定結果)に応じて特別報知の実行条件が変化する。このように、当たり種別に応じてその後の遊技における特別報知を発生しやすくしたり発生しにくくしたりすることにより、遊技の単調化を好適に抑制できる。
【0435】
なお、本特徴に示す構成を以下のように変更してもよい。すなわち「遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(右作動口85)と、前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、前記情報取得手段の取得した特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア632)と、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、前記判定手段よる判定結果が所定の判定情報に対応した第1判定結果である場合に遊技状態を第1特別遊技状態へ移行させ、前記判定手段よる判定結果が所定の判定情報に対応した第2判定結果である場合に遊技状態を第2特別遊技状態へと移行させる遊技状態移行手段と、前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)と、前記先特定手段によって特定された情報に基づく特別報知を、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前の特定遊技回にて又は当該特定遊技回及び同特定遊技回よりも更に前の遊技回にて行う特別報知手段(報知・演出制御装置143にて特殊予告演出を実行する機能)とを備え、前記第1特別遊技状態における前記特別報知の実行条件と、前記第2特別遊技状態における前記特別報知の実行条件とが相違していることを特徴とする遊技機。」としてもよい。
【0436】
特徴B2.前記始動入球部への入球を補助しない非補助状態及び前記始動入球部への入球を補助する補助状態に切替可能な可変手段(電動役物91)と、
前記可変手段を前記非補助状態及び前記補助状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート処理を実行する機能)と
を備え、
前記切替制御手段による制御モードとして、前記始動入球部への入球頻度が相対的に低くなるように前記可変手段を制御する低頻度入球モード(低頻度サポートモード)と、前記始動入球部への入球頻度が相対的に高くなるように前記可変手段を制御する高頻度入球モード(高頻度サポートモード)とが設けられ、前記高頻度入球モードとなることで前記低頻度入球モードと比較して持ち球の減りが緩和される構成となっており、
前記特別遊技状態では、前記切替制御手段による制御モードが前記高頻度入球モードとなるように構成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
【0437】
高頻度入球モードとなっている場合には持ち球の減りを抑えながら遊技を進めることができる。このため、低頻度入球態様と比較して遊技を有利に進めることができる。ここで、特別情報が複数記憶される構成においては、本来であれば後の遊技回にて当たりとなることが確定している状況下にて遊技球の発射が継続され得る。これにより、僅かではあるが持ち球が減ってしまう。本特徴に示す構成によれば、当たりの種別によって、その後の遊技にて特別報知が発生しやすい状況としにくい状況とが生じるため、同じ特別遊技状態中であっても特別報知の実行条件の差によって持ち球の減少に差を生じさせることができる。これにより、遊技の大まかな流れを変えることなく、遊技の多様化を実現することが可能となる。
【0438】
特徴B3.前記遊技領域にて前記始動入球部の上流となる位置に設けられ、遊技球が通過する通過部(スルーゲート86)を備え、
前記通過部を通過した遊技球が前記始動入球部に入球し得る構成となっており、
前記可変手段は、前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて前記補助状態に切り替わるように構成されていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
【0439】
特徴B1等に示したタイプの遊技機においては、必ずしも特別情報が溜まるようにして遊技球の発射を行う必要はない。故に、所謂単発打ち等の変則打ちがなされる可能性を否定できない。このような変則打ちがなされた場合には、特別報知が上手く行われなくなり、この特別報知の発生頻度等によって遊技進行に有利不利の差を生じさせる機能が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、本特徴に示すような通過部と始動入球部との位置関係とすれば、遊技球の発射を連続することで無駄球の発生を好適に抑制できる。これにより、特別情報が上手く溜まらなくなって特別報知が行われなくなること抑えることができる。故に、このような配置との組み合わせには特徴B1に示した機能を上手く発揮させることができるという技術的意義がある。
【0440】
特徴B4.前記第1判定結果を契機として移行した前記特別遊技状態においては当該特別遊技状態にて実行された遊技回数が第1所定回数を超えた場合に、前記特別報知の実行条件が緩和され、前記第2判定結果を契機として移行した前記特別遊技状態においては当該特別遊技状態にて実行された遊技回数が第1所定回数よりも少ない第2所定回数を超えた場合に前記特別報知の実行条件が緩和される構成となっていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
【0441】
特徴B3によれば、遊技回が進むことで持ち球が減るような場合には、遊技回数が所定回数を超えることで特別報知が発生しやすくなる。これにより、遊技球の発射を止めるように促すことができる。つまり、上記特別報知をある種の救済機能として活用できる。
【0442】
ここで、特別報知が支配的となってしまった場合には、遊技回毎の演出の存在意義が低下するだけでなく特別報知の発生によって遊技球の発射が過度に控えられてしまい、遊技進行が無駄に遅延される可能性を否定できない。そこで、上記救済機能の発動タイミングをずらして特別報知経由で外れになる場合を混在させることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
【0443】
特徴B5.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(右作動口85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段よる判定結果が所定の判定情報に対応した第1判定結果(例えば4R特別当たり結果)である場合に遊技状態を第1所定遊技状態(例えば4R対応の開閉実行モード)を経て特別遊技状態(高頻度サポートモード対応の遊技状態)に移行され、前記判定手段よる判定結果が所定の判定情報に対応した第2判定結果(例えば2R特別当たり結果)である場合に遊技状態を前記第1所定遊技状態よりも遊技者に付与される特典が小さい第2所定遊技状態(例えば2R対応の開閉実行モード)を経て前記特別遊技状態へと移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602において遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)と、
前記先特定手段により特定された情報に基づく特別報知を、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前の特定遊技回にて又は当該特定遊技回及び同特定遊技回よりも更に前の遊技回にて行う特別報知手段(報知・演出制御装置143のMPU661にて特殊予告演出を実行する機能)と、
前記始動入球部への入球を補助しない非補助状態及び前記始動入球部への入球を補助する補助状態に切替可能な可変手段(電動役物91)と、
前記可変手段を前記非補助状態及び前記補助状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート処理を実行する機能)と
を備え、
前記切替制御手段による制御モードとして、前記始動入球部への入球頻度が相対的に低くなるように前記可変手段を制御する低頻度入球モード(低頻度サポートモード)と、前記始動入球部への入球頻度が相対的に高くなるように前記可変手段を制御する高頻度入球モード(高頻度サポートモード)とが設けられ、前記高頻度入球モードとなることで前記低頻度入球モードと比較して持ち球の減りが緩和される構成となっており、
前記特別遊技状態では、前記切替制御手段による制御モードが前記高頻度入球モードとなるように構成されており、
前記第2判定結果を契機として移行した前記特別遊技状態における前記特別報知の実行条件は、前記第1判定結果を契機として移行した前記特別遊技状態における前記特別報知の実行条件よりも成立しやすい構成となっていることを特徴とする遊技機。
【0444】
高頻度入球モードとなっている場合には持ち球の減りを抑えながら遊技を進めることができる。このため、低頻度入球態様と比較して遊技を有利に進めることができる。ここで、特別情報が複数記憶される構成においては、本来であれば後の遊技回にて当たりとなることが確定している状況下にて遊技球の発射が継続され得る。これにより、僅かではあるが持ち球が減ってしまう。本特徴に示す構成によれば、当たりの種別によって、その後の遊技にて特別報知が発生しやすい状況としにくい状況とが生じるため、同じ特別遊技状態中であっても特別報知の実行条件の差によって持ち球の減少に差を生じさせることができる。これにより、遊技の大まかな流れを変えることなく、遊技の多様化を実現することが可能となる。
【0445】
特に、得られる特典の比較的少ない第2所定遊技状態を経由して特別遊技状態へと移行した場合には、遊技者の遊技意欲が低下しやすくなると想定される。この点、このような状況では特別報知が早いタイミングで実行されやすくなるため、遊技者の遊技意欲の低下を抑制する上で有利となる。
【0446】
<特徴C群> 回数制限で先読みの発動条件が変化
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定絵柄等が停止表示され、有利な遊技状態へ移行する(例えば特許文献1)。」という背景技術について、「ここで、上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成については遊技への注目度の向上を実現する上で未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
【0447】
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(右作動口85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段よって前記特別情報が所定の判定情報に対応していると判定された場合に遊技状態を特別遊技状態(高頻度サポートモード対応の遊技状態)へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602において遊技状態移行処理実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)と、
前記先特定手段によって特定された情報に基づく特別報知を、前記先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前の特定遊技回にて又は当該特定遊技回及び同特定遊技回よりも更に前の遊技回にて行う特別報知手段(報知・演出制御装置143にて特殊予告演出を実行する機能)と、
前記特別遊技状態中の遊技の進行状況に応じて当該特別遊技状態での前記特別報知の実行条件を変更する変更手段(報知・演出制御装置143のMPU661にて第1抽選処理〜第3抽選処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0448】
特徴C1によれば、特別遊技状態中の遊技の進行状況に応じて当該特別遊技状態での特別報知の実行条件が変更される。これにより、特別報知の発生頻度が変化することとなる。このような変化が生じる構成とすることにより、遊技の単調化を好適に抑制できる。
【0449】
特徴C2.前記始動入球部への入球を補助しない非補助状態及び前記始動入球部への入球を補助する補助状態に切替可能な可変手段(電動役物91)と、
前記可変手段を前記非補助状態及び前記補助状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート処理を実行する機能)と
を備え、
前記切替制御手段による制御モードとして、前記始動入球部への入球頻度が相対的に低くなるように前記可変手段を制御する低頻度入球モード(低頻度サポートモード)と、前記始動入球部への入球頻度が相対的に高くなるように前記可変手段を制御する高頻度入球モード(高頻度サポートモード)とが設けられ、前記高頻度入球モードとなることで前記低頻度入球モードと比較して持ち球の減りが緩和される構成となっており、
前記特別遊技状態では、前記切替制御手段による制御モードが前記高頻度入球モードとなるように構成されており、
前記変更手段は、前記特別遊技状態にて実行された遊技回数が所定回数となった場合に、前記所定の判定情報に対応する特別情報を契機とした前記特別報知が実行されやすくなるように構成されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
【0450】
高頻度入球モードとなっている場合には持ち球の減りを抑えながら遊技を進めることができる。このため、低頻度入球態様と比較して遊技を有利に進めることができる。ここで、特別情報が複数記憶される構成においては、本来であれば後の遊技回にて当たりとなることが確定している状況下にて遊技球の発射が継続され得る。これにより、僅かではあるが持ち球が減ってしまう。本特徴に示す構成によれば、高頻度入球モードでの遊技が進み所定回数に到達すると特別報知の実行条件が緩和される。これにより、当たりとなった場合にはそれが早いタイミングで報知され、持ち球の減少を抑制できる(救済機能を発動発揮させることができる)。係る構成によれば、遊技の大まかな流れを変えることなく、遊技の多様化を実現することが可能となる。
【0451】
特徴C3.前記変更手段は、前記特別遊技状態にて実行された遊技回数が前記所定回数に達している場合には、前記所定の判定情報に対応した特別情報を契機としていない前記特別報知が実行されにくくなるように構成されていることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
【0452】
特徴C3によれば、当たりにつながらない特別報知(ガセ)が発生しづらくなる。このようにして特別報知の信頼性を高めることで上記救済機能を好適に発揮させることができる。
【0453】
特徴C4.前記遊技領域にて前記始動入球部の上流となる位置に設けられ、遊技球が通過する通過部(スルーゲート86)を備え、
前記通過部を通過した遊技球が前記始動入球部に入球し得る構成となっており、
前記可変手段は、前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて前記補助状態に切り替わるように構成されていることを特徴とする特徴C2又は特徴C3に記載の遊技機。
【0454】
特徴C1等に示したタイプの遊技機においては、必ずしも特別情報が溜まるようにして遊技球の発射を行う必要はないため、所謂単発打ち等の変則打ちがなされる可能性を否定できない。しかしながらこのような変則打ちがなされた場合には、特別報知の発生頻度を変化させて持ち球の減りを抑制するという救済機能が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、本特徴に示すような通過部と始動入球部との位置関係とすれば、遊技球の発射を連続することで無駄球の発生を好適に抑制できる。これにより、特別情報の不足から上記不都合が生じることを好適に抑制できる。故に、このような配置との組み合わせには特徴C1等に示した機能を上手く発揮させることができるという技術的意義がある。
【0455】
<特徴D群> 遊技状態に応じてソースを制限
以下の特徴D群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定絵柄等が停止表示され、有利な遊技状態へ移行する(例えば特許文献1)。」という背景技術について、「ここで、上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成については遊技への注目度の向上を実現する上で未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
【0456】
特徴D1.遊技進行に応じて遊技状態が第1遊技状態(例えば低頻度サポートモード)及び第2遊技状態(例えば高頻度サポートモード)に切り替わる遊技機であって、
遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(右作動口85)と、
前記入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たり情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別情報は、第1個別情報(例えば当否情報)及び第2個別情報(例えば変動表示時間情報)を含む情報群であり、
遊技状態が前記第1遊技状態となっている場合には前記第1個別情報及び前記第2個別情報を前記先特定手段によって前記特定がなされる際の対象に含める一方、遊技状態が前記第2遊技状態となっている場合には前記第2個別情報を前記先特定手段によって前記特定がなされる際の対象に含まれないように制限する制限手段(主制御装置162のMPU602における制限機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0457】
特徴D1によれば、遊技状態の種類によって先特定の対象となる情報を変更することにより、状況に応じて特別報知の態様を変化させることができる。先特定の対象となる情報の種類が多い方が特別報知の多様化等を実現する上で好ましいが、情報量が多くなることは処理負荷の増加の要因となったり、不要な情報を含むことで遊技者を困惑させる要因になったりする。そこで、上述した制限機能によって状況に応じて対象を制限することにより実用上好ましい構成を実現できる。
【0458】
なお、本特徴に示す構成を以下のように変更することも可能である。すなわち、「遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(右作動口85)と、前記入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、前記情報取得手段の取得した特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア632)と、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)とを備え、前記特別情報には複数種の個別情報(例えば当否情報や変動表示時間情報)を含む情報群であり、遊技状態に応じて前記先特定手段による特定の対象となる前記個別情報の種類を切り替える切替手段を備えていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。また、「遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(右作動口85)と、前記入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602において情報取得処理を実行する機能)と、前記情報取得手段の取得した特別情報を複数(例えば4つ)記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602に設けられた保留球格納エリア632)と、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当たり情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば主制御装置162のMPU602において当否判定処理等を実行する機能)と、前記始動入球部への入球を補助しない非補助状態及び前記始動入球部への入球を補助する補助状態に切替可能な可変手段(電動役物91)と、前記可変手段を前記非補助状態及び前記補助状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート処理を実行する機能)とを備え、前記切替制御手段による制御モードとして、前記始動入球部への入球頻度が相対的に低くなるように前記可変手段を制御する低頻度入球モード(低頻度サポートモード)と、前記始動入球部への入球頻度が相対的に高くなるように前記可変手段を制御する高頻度入球モード(高頻度サポートモード)とが設けられており、前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162のMPU602において保留コマンド設定処理を実行する機能)を備え、前記特別情報は、第1個別情報(例えば当否情報)及び第2個別情報(例えば変動表示時間情報)を含む情報群であり、前記切替制御手段による制御モードが前記低頻度入球モードとなっている場合には前記第1個別情報及び前記第2個別情報を前記先特定手段によって前記特定がなされる際の対象に含める一方、前記切替制御手段による制御モードが前記高頻度入球モードとなっている場合には前記第2個別情報を前記先特定手段によって前記特定がなされる際の対象に含まれないように制限する制限手段(主制御装置162のMPU602における制限機能)を備えていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
【0459】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【0460】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【0461】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
【0462】
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。