(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1はパチンコ機10の正面図、
図2及び
図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、
図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
【0010】
パチンコ機10は、
図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
【0011】
遊技機本体12は、
図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。なお、本明細書において「前」は「遊技機を基準として遊技者に近接する方向」を指し、「後」は「遊技機を基準として遊技者から離間する方向」を指すものとする。
【0012】
内枠13には、
図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、
図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。なお、遊技機本体12には、
図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17(
図1参照)に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
【0013】
ここで、第1実施形態、後述する第2実施形態、後述する第3実施形態、後述する各変形例では、本発明の振分手段を「不正防止装置(不正防止手段)」として用いている。つまり、パチンコ機において、遊技者は遊技領域を流下する遊技球が所定の入賞口に入賞することで賞球を獲得したり、賞球とともに抽選契機を得たりするのが一般的である。ところが、遊技領域を遊技球が流下する速度を、正規の遊技球よりも速くしたり、遅くしたりすることで、不当な賞球を獲得したり、不当に抽選契機を獲得したりする不正行為が行われることがある。例えば、遊技球に低粘度の油分(例えば、潤滑油、サラダ油等)を付着させ(以下、かかる不正球を油球という。)、遊技領域を流下する遊技球の釘(障害釘)等に対する摩擦を低減すること等により、当該遊技球の球速を増加させ、所定の入賞口への入賞効率(入賞確率)を高め、不当な賞球を獲得したり、不当に抽選契機を獲得したりする不正行為(以下、油球ゴトという。)が報告されている。特に、所謂「特別領域」を備える可変入賞装置を具備し、可変入賞装置が開状態となった後の制限時間内に「特別領域」に遊技球を到達させると、所定の利益(開閉実行モード移行の利益、開閉実行モード終了後の高確率モード移行の利益等)が得られる遊技機では、この油球ゴトの標的とされ易い。つまり、可変入賞装置が開状態となると、油分を付着させた遊技球を発射手段で発射し、遊技球を可変入賞装置にいち早く到達させ、不当な利益の獲得を試みることがある。このため、遊技球の電気抵抗に基づき、遊技球に油分を付着(塗布)させていることを検出する遊技機が提案されている(例えば、特開2009−279267号公報を参照)。
【0014】
しかしながら、特開2009−279267号公報に示す手法よりも、油球ゴトに対する不正対策を向上させることが望まれている。例えば、遊技球に油分が塗布されていても、当該油分の粘度が低いと遊技球が電極に直接触れてしまうので、油分が付着していない場合と同一視される程、小さな電気抵抗が測定される可能性がある。つまり、上記特開2009−279267号公報には、皿部材等に電極を設け、構造を複雑化したのにも係わらず、油球ゴトを防止することが困難な手法が開示されているに過ぎない。そして、このように、油球等の不正な遊技球と、正規の遊技球(遊技領域を流下する速度を意図的に変更するための処理が施されていない遊技球)とを選別することは困難であるが、正当な遊技球には何らの悪影響を与えることなく、不正な遊技球のみを取り除くという、不正対策を図ることが切望されている。
【0015】
これに対して、第1実施形態、後述する第2実施形態、後述する第3実施形態、後述する各変形例では、遊技領域を流下する速度を速くするための処理が施された不正な遊技球に対する不正対策を向上できる遊技機を提供することを目的とする(詳細については後述する。)。なお、パチンコホールから遊技者に貸与される遊技球や、所謂「封入式の遊技機」において予め封入されている遊技球を正規の(正当な)遊技球と称する。この正規の(正当な)遊技球は、遊技領域を流下する速度を変更するための処理が施されていない遊技球である。また、本明細書において説明の便宜上、前述の「油球」及び「油球ゴト」を使用する油分の種類に応じて次のように定義する。つまり、低粘度の油分(例えば、手触りがさらさらの油分)が塗布されたり、塗されたりしていて、遊技領域を流下する速度が正規球よりも速くなる油球を第1種油球と称し、この第1種油球を用いた「油球ゴト」を「第1種油球ゴト」と称する。また、高粘度の油分(例えば、手触りがべとべとの油分)が塗布されたり、塗されたりしていて、遊技領域を流下する速度が正規球よりも遅くなる油球を第2種油球と称し、この第2種油球を用いた「油球ゴト」を「第2種油球ゴト」と称する。
【0016】
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
【0017】
図2に示すように、内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PEが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
【0018】
ここで、遊技盤24の構成を
図5に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部又は非優先始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部又は優先始動入球部)34,可変表示ユニット36、不正防止装置50(振分手段)、通路選択機構51及びメイン表示部43等がそれぞれ設けられている。なお、第1実施形態と異なり、下作動口34が電動役物を備えるパチンコ機では遊技盤24にスルーゲート35を備えている(第2実施形態を参照)。
【0019】
遊技盤24の背面側には、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34のそれぞれに対応させて検知センサ(図示略)が設けられており、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが対応する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
【0020】
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口33に対する下作動口34の有利性を高める上では、上作動口33に係る払出個数よりも下作動口34に係る払出個数を多く設定することが好ましい。また、各作動口33,34に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口33,34に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。更に、上作動口33、下作動口34、一般入賞口31は何れも上向きに開放されている
【0021】
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0022】
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34への遊技球の入球を、入賞とも表現する。なお、後述する実施形態2のパチンコ機10Bのように、スルーゲート35を有するパチンコ機10Bではスルーゲート35への遊技球の入球も、入賞と表現する。
【0023】
通路選択機構51は、遊技盤24を流下する遊技球を受け入れた後、この遊技球の行き先を下作動口34に入賞可能性が高い通路若しくは入賞可能性が低い通路に振り分けるもの(行き先として、下作動口34に入賞可能性が高い通路若しくは入賞可能性が低い通路を選択するもの)である。この通路選択機構51は、
図6に示すように、遊技盤24の盤面に設けられた受入部材51bと、第1通路管51cと、第2通路管51dと、第2通路管51dに流入した遊技球を受け取り可能なクルーン51eと、クルーン51eの中央に設けられた流出口51fに連通する第3通路管51gと、を備える。このうち、第3通路管51gの終端部は第1通路管51cの中間部に合流している。そして、第1通路管51cの終端部は放出口51tとして遊技盤24の前面側に露呈し、遊技球を遊技盤24の前面側において略鉛直下方に向かって放出可能とされている。そして、放出口51tの略鉛直下方に下作動口34が配置されているため、第1通路管51cの終端部から放出される遊技球は高い確率で下作動口34に入賞する。
【0024】
通路選択機構51を構成する裏構造体51H、つまり、第1通路管51cの終端部(放出口51t)を除く部分と、第2通路管51dと、第3通路管51gと、クルーン51eと、後述する3本の第4通路管51xは遊技盤24の裏側に配置されるとともに、遊技盤24が透明とされているため(例えば、透明な樹脂で構成されているため)、遊技者は遊技盤24を透かして裏構造体51Hを視認可能である。但し、遊技盤24の全体を透明とすることは必ずしも必要とされず、遊技盤24において少なくとも裏構造体51Hの前方が透明であればよい。
【0025】
受入部材51bは、
図7に示すように、上方に開口する略ケース形状の部材本体51jと、軸部材51kを基準に左右(正面視)に揺動可能な選択部材51mと、選択部材51mの右端側(正面視)に装着(埋設)された錘51nと、を備える。また、部材本体51jの開口部寄りには仕切部51pが設けられている。そして、
図7(b)に示すように、受入部材51bの開口部を通じて、左方向から受入部材51bに進入する遊技球は受入部材51bの左側、つまり、選択部材51mの左端側に到達する可能性が高くなっている。また、
図7(c)に示すように、右方向から受入部材51bに進入する遊技球は受入部材51bの右側、つまり、選択部材51mの右端側に到達する可能性が高くなっている。
【0026】
選択部材51mが左下り傾斜姿勢となったときに、選択部材51mの左端後方に位置する部位には、第1進入口51sが設けられ、この第1進入口51sには第1通路管51cの始端部が連通している。また、選択部材51mが右下り傾斜姿勢となったときに、選択部材51mの右端後方に位置する部位には第2進入口51rが設けられ、この第2進入口51rには第2通路管51dの始端部が連通している。但し、選択部材51mの左端側(正面視)に錘51nを備えるため、右下り傾斜姿勢となり易くなっている。
【0027】
このため、遊技領域PEのうち、後述するセンターフレーム42の右側の部分(以下、右打ち領域Rという。)を流下する遊技球が受入部材51bに進入する場合、高い確率で選択部材51mの右端側に到達するため、第2進入口51rを通じて第2通路管51dに進入する可能性が高くなっている。一方、遊技領域PEのうち、後述するセンターフレーム42の左の部分(以下、左打ち領域Lという。)を流下する遊技球が受入部材51bに進入する場合、高い確率で選択部材51mの左端側に到達する。この場合、左端側に落下した遊技球の重みで選択部材51mの姿勢が右下り傾斜姿勢から左下り傾斜姿勢に変化しようとするが、選択部材51mの右端側には錘51nが埋設されているため、選択部材51mが左下り傾斜姿勢となり、遊技球が第1進入口51sを通じて第1通路管51cに進入するケースと、選択部材51mが左下り傾斜姿勢のままとなり、遊技球が第2進入口51rを通じて第2通路管51dに進入するケースが、半々の割合で生ずる。
【0028】
図8(a)に示すように、クルーン51eは、略すり鉢形状を備え、その最底部に流出口51fを備える。また、第2進入口51sを通じて第2通路管51dに進入した遊技球は、クルーン51e内にその周方向に沿って放出される。そして、放出された遊技球はクルーン51e内を周回しつつ下降する経路(略渦巻き状の経路)を転動する。このとき、この経路上には複数(3個)の孔51pが設けられているため、何れかの孔51pに進入した遊技球は各51pに接続された第4通路管51xを用いてパチンコ機10外に誘導される(
図6には3個の51pのうち1個のみを図示している)。そして、クルーン51e内に放出された遊技球のうち、孔51pに進入せず、流出口51fに到達したものが、第3通路管51gを通じて第1通路管51cに進入する。また、クルーン51e内に放出された遊技球のうち、流出口51fに到達する確率は低く(例えば、1/5)されている。
【0029】
図5に戻って更に説明すると、可変入賞装置32はセンターフレーム42の右斜め下方に設けられ、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、遊技盤24の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動部と連結されており、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
【0030】
メイン表示部43は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
【0031】
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43が設けられている。つまり、メイン表示部43は前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、メイン表示部43の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。なお、下作動口34に電動役物を設けたパチンコ機では、窓パネル62を通じて役物用表示部(スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であるか否かを表示する役物用表示部)を視認可能としてもよい。例えば、装飾部材39に役物用表示部を設けてもよい(
図35を参照)。
【0032】
メイン表示部43には、大当たり当選となることで可変入賞装置32が開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置32の大入賞口32aが開放される回数を明示するためのラウンド表示部RSと、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。また、ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際して開放回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
【0033】
第1結果表示部ASでは、上作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
【0034】
第2結果表示部BSでは、下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
【0035】
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。なお、メイン表示部43は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
【0036】
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
【0037】
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われるとともに、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
【0038】
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。なお、各保留ランプ部45〜46が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
【0039】
不正防止装置50は「振分手段」の一具体例を示すものであり、遊技領域PEを流下する遊技球のうち、当該不正防止装置50内に取り込んだものの行き先を通常通路NR若しくは特別通路SRに振り分けるためのものである。また、第1実施形態では、
図5に示すように、不正防止装置50をセンターフレーム42の下部左側(正面視)に配置している。但し、不正防止装置50をセンターフレーム42の下部右側(正面視)に配置したり、センターフレーム42の左右に配置したりすることもできる。また、本実施形態では、不正防止装置50として電動役物を用いているが、所謂「非電動役物」を用いることもできる。
【0040】
不正防止装置50について、
図8(b)、
図9及び
図10を用いて説明する。不正防止装置50は橋状の電動役物であり、遊技盤24の盤面前方に配置されるカバー体52aと、カバー体52aの後方に配置されるベース部材52bと、不正防止装置50内に導入された遊技球が通過する通路部52cと、を備える。
【0041】
通路部52cの上面は、左端から右端に向かって(正面視)僅かに下り傾斜面とされる。また、通路部52cの右端はその他の部分に比べて段差状に凹む凹部52hとされるとともに、凹部52hには排出センサ211fを設け、凹部52hを通過した遊技球を検知する(
図11を参照)。更に、凹部52hに誘導された遊技球はパチンコ機10の機外に排出される。例えば、凹部52hにパチンコ機10の後方に向かう下り傾斜を設け、凹部52hに誘導された遊技球を島設備に戻すこととしてもよい。また、凹部52hの前面部を開口状態とするとともに、凹部52hにパチンコ機10の前方に向かう下り傾斜を設けることで、凹部52hに誘導された遊技球を一旦、遊技領域24に戻し、遊技領域24に戻した遊技球が如何なる入球口(入賞口、作動口)にも入球せず、アウト口37を通じてパチンコ機10から排出されることとしてもよい。若しくは、凹部52hに1個の遊技球が誘導される毎に、1個の遊技球を賞球として払い出すこととしてもよい。なお、カバー体52aと遊技盤24の盤面との間の空間であって、通路部52cの下方に位置する部位を遊技球が通過可能となっている。このため、不正防止装置50に導入されなかった遊技球が通過可能となっている。なお、凹部52hに誘導される毎に警告(音、光等による)を行ったり、凹部52hに誘導される頻度が一定以上の場合に警告(音、光等による)を行ったりしてもよい(後述する)。
【0042】
通路部52cの右端寄りの位置には開口部52jが設けられ、この開口部52jはシャッター52kによって開閉される。また、通路部52cのうちで、開口部52jよりも左側の部分によって導入通路52pが構成される。更に、開口部52jの後方には電動役物駆動部34bが配置され、電動役物駆動部34bに連結されたシャッター52kを駆動する(
図11を参照)。なお、第1実施形態では電動役物駆動部34bとしてソレノイドを用いているが、モータ等の他のアクチュエータを用いることもできる。また、不正防止装置50の入口52yから遊技球が不正防止装置50内に導入されたことは、入口52yに設けられた検知センサ211gによって検知することができる。更に、入口52y(中心位置)から開口部52j(左端縁)までの距離X(
図8を参照)は、通路部52cを通過する遊技球の速度が適正(所定速度以下)であれば、所定時間(本実施例では1.5秒)を要する距離であり、速度が不適正(所定速度を超える速度)であれば所定時間を下回る。そして、速度が不適正であれば所定時間を経過する前に、開口部52j上(シャッター52kで閉鎖されている開口部52j上)を通過し、後述する通常通路NRに到達する。なお、開口部52jと、シャッター52kと、によって振分本体部の一具体例を構成し、電動役物駆動部34bによって駆動手段の一具体例を構成する。また、後述する主制御装置81によって駆動制御手段の一具体例を構成する。
【0043】
次に、
図9および
図10を用いて不正防止装置50の機能を説明する。入口52yを通じて、導入通路52pに導入された遊技球は導入通路52pの下り傾斜を利用して、シャッター52k(開口部52j)の方向に転動する。そして、正当な遊技球(第1種油球以外の遊技球)が開口部52jに到達しようとする場合には、当該遊技球の速度が所定速度以下であるため、所定時間(第1実施形態では1.5秒を例示)が経過する前に当該遊技球が開口部52jに到達しない。つまり、当該遊技球が開口部52jに到達するまでに所定時間(第1実施形態では1.5秒を例示)が経過するため、既にシャッター52kが開口部52jを開放し、開口部52jを通じて導入通路52pと特別通路SRとが連通している。従って、導入通路52pを転動した遊技球を特別通路SRに誘導することができる。なお、
図5に示すように、第1実施形態の特別通路は、「不正防止装置50内の特別通路SR」のみでなく、「不正防止装置50内の特別通路SR」と「不正防止装置50外の特別通路A1」とで構成されている(
図5を参照)。つまり、開口部52jに連絡される「不正防止装置50内の特別通路SR」と、遊技盤24の盤面の導釘38bで構成される「不正防止装置50外の特別通路A1」とによって、遊技球を受入部材51b、ひいては、下作動口34に誘導することができる。但し、特別通路を「不正防止装置50外の特別通路」のみで構成してもよい。例えば、開口部52jから直接「不正防止装置50外の特別通路A1」に遊技球を誘導してもよい。この点は後述する通常通路についても同様であり、通常通路を「不正防止装置50内の通常通路NR」と、「不正防止装置50外の通常通路」で構成してもよいし、シャッター52kで閉鎖した開口部52jを通過した遊技球が、直接「不正防止装置50外の通常通路」に誘導されてもよい。
【0044】
一方、導入通路52pに導入された遊技球が第1種油球であれば、当該遊技球の速度が所定速度を超えるため、所定時間(第1実施形態では1.5秒を例示)が経過する前に(電動役物駆動部51dが駆動する前に)、当該遊技球が開口部52jを閉鎖しているシャッター52k上を通過する。つまり、遊技球が第1種油球であれば、当該遊技球の速度が所定速度を越えるため、当該遊技球がシャッター52k(開口部52j)を通過した後に所定時間(第1実施形態では1.5秒を例示)が経過する。このように、シャッター52k(開口部52j)を通過した後に所定時間が経過する場合、通常通路NRに誘導され、アウト球とすることができるため(特別通路SRには誘導されないため)、第1種油球ゴトを排除することができる。
【0045】
図5を用いて更に説明すると、遊技盤24には、内レール部5Aと外レール部5Bとが取り付けられており、これら内レール部5Aと外レール部5Bとにより誘導レール5Eが構成され、遊技球発射機構7Aから発射された遊技球が遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構7Aは、
図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル8Aが操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
【0046】
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、
図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、上部が円弧状に丸みを帯びた略多角形状、略楕円形状若しくは略真円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。また、窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
【0047】
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構7A側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
【0048】
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
【0049】
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
【0050】
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する停電監視基板とを具備しており、これら主制御基板及び停電監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
【0051】
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
【0052】
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
【0053】
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
【0054】
裏パックユニット15は、
図4に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
【0055】
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
【0056】
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子板99が設けられている。外部出力端子板99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
【0057】
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0058】
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
【0059】
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル8Aの操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
【0060】
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、
図11のブロック図に基づいて説明する。
【0061】
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU202が有する機能の一部、例えば、ROM203の機能やRAM204の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
【0062】
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211gなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行する。
【0063】
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
【0064】
音声ランプ制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
【0065】
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、シャッター52kを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
【0066】
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU202においてメイン表示部43における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置32の開閉実行モードに際してはメイン表示部43におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。なお、本実施形態と異なり、下作動口34に電動役物を設け、遊技領域PEにスルーゲート35を設けたパチンコ機では以下の様にしてもよい(第2実施形態を参照)。つまり、MPU202の入力ポートに、スルーゲート35を通過したことを検知する検知センサを接続し、MPU202はスルーゲートへの入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。また、MPU202の出力側には、下作動口34の電動役物を開閉動作させる電動役物駆動部を接続し、電動役物の開放状態当選となった場合には、電動役物が開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部の駆動制御を実行してもよい。
【0067】
停電監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
【0068】
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、遊技球発射機構7Aの発射制御を担うものであり、遊技球発射機構7Aは所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0069】
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45〜46及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。なお、スルーゲート35を備えるパチンコ機では、スルーゲート35に対応する保留ランプ部も設けられる(第2実施形態を参照)。
【0070】
表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
【0071】
ここで、図柄表示装置41の表示内容について
図12に基づいて説明する。
図12は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
【0072】
図12(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、
図12(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
【0073】
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
【0074】
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。更に、2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
【0075】
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
【0076】
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、
図13に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。なお、本実施形態と異なり、下作動口34に電動役物を設け、遊技領域にスルーゲートを設けたパチンコ機では、電動役物開放カウンタC4も備えている。この電動役物開放カウンタC4は、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用するカウンタである(
図13の括弧書及び第2実施形態を参照)。つまり、この場合、MPU202は電動役物開放カウンタC4のカウンタ情報を用いて、役物用表示部の表示の設定を行う(第2実施形態を参照)。
【0077】
各カウンタC1〜C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。RAM204には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア232が設けられている。そして、この保留球格納エリア232に、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
【0078】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
【0079】
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について
図14を用いて説明する。
図14に示すように、当否テーブルとしては、
図14(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、
図14(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10には、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率対応状態)と高確率モード(高確率対応状態)とが設定されている。
【0080】
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、
図14(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、
図14(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は21個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
【0081】
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
【0082】
ここで、第1実施形態では複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モードという2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
【0083】
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
【0084】
この場合に、本パチンコ機10では、発射ハンドル8Aが遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構7Aが駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口32aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口32aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
【0085】
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
【0086】
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口32aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
【0087】
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルの内容について
図15を用いて説明する。
図15に示すように、振分テーブルとしては、
図15(a)の第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、
図15(b)の第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
【0088】
第1結果表示部用の振分テーブルでは、
図15(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、2R確変大当たり結果、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
【0089】
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなる大当たり結果である。また、2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなる。
【0090】
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0091】
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
【0092】
図15(a)に示すように、第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜19」が2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、
図15(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
【0093】
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。ところで、本不正防止装置50を備えないパチンコ機において、仮に第1種油球ゴト行為を行った場合、下作動口34への入賞する確率を、通常よりも高くできるため、行為者に不当な利益を与える可能性がある。つまり、本不正防止装置50を備えず、第1種油球が下作動口34に誘導され易い場合、高頻度サポート状態を備えないパチンコ機であるにも係わらず、油球ゴト行為を行うことで下作動口34へ入賞する確率を高め、作動口34への入賞に基づく当否抽選の頻度を不当に高め、不当な利益を得る可能性がある。
【0094】
ここで、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。但し、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
【0095】
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モードの変更は発生しない。
【0096】
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
【0097】
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
【0098】
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
【0099】
図12の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
【0100】
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
【0101】
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
【0102】
既に説明したように、MPU202では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が用いられる。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
【0103】
<保留球格納エリア232の構成>
次に、保留球格納エリア232の構成を、
図16を用いてより詳細に説明する。
【0104】
第1結果表示部用保留エリアRaは、上作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。また、第2結果表示部用保留エリアRbは、下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。ここで、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbは、同一の構成となっているため、以下には、両保留エリアRa,Rbのうち第1結果表示部用保留エリアRaの構成について説明する。
【0105】
第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアと、保留数記憶領域とより構成されている。各記憶エリアは、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのC1記憶領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するためのC2記憶領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するためのC3記憶領域とより構成されている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、上作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
【0106】
C1記憶領域は2バイトで構成されており、0〜599のいずれかの大当たりカウンタC1値が0〜9の下位10ビットを用いて格納されるようになっている。C1記憶領域のうち10〜15の上位6ビットは未使用領域となっている。
【0107】
C2記憶領域は1バイトで構成されており、0〜29のいずれかの大当たり種別カウンタC2値が0〜4の下位5ビットを用いて格納されるようになっている。C2記憶領域のうち5〜7の上位2ビットは未使用領域となっている。
【0108】
C3記憶領域は1バイトで構成されており、0〜238のいずれかのリーチ乱数カウンタC3値が0〜7の全8ビットを用いて格納されるようになっている。
【0109】
保留数記憶領域は、記憶エリアの使用数、すなわち上作動口33に遊技球が入賞して保留された個数を記憶するための記憶領域である。保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜4のいずれかの値が0〜2の下位3ビットを用いて格納されるようになっている。保留数記憶領域のうち3〜7の上位5ビットは未使用領域となっている。
【0110】
また、保留球格納エリア232には、第1結果表示部用保留エリアRaにおける保留数と第2結果表示部用保留エリアRbにおける保留数との和の数の情報を記憶するための総保留数記憶領域が設けられている。総保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜8のいずれかの値が0〜3の下位4ビットを用いて格納されるようになっている。総保留数記憶領域のうち4〜7の上位4ビットは未使用領域となっている。
【0111】
図13に示す実行エリアAEは、各結果表示部AS,BSの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。実行エリアAEは、各結果表示部用保留エリアRa,Rbの1つ分の記憶エリアと同一構成、すなわち、2バイト構成のC1記憶領域と、1バイト構成のC2記憶領域と、1バイト構成のC3記憶領域とにより構成されている。
【0112】
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
【0113】
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、
図17のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
【0114】
ステップS101では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
【0115】
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。なお、下作動口に電動役物を設け、遊技領域にスルーゲートを設けたパチンコ機では、ステップS103において、電動役物開放カウンタC4を1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする処理が行われる(第2実施形態を参照)。
【0116】
その後、ステップS104にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の通過処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
【0117】
ステップS104における作動口用の入賞処理及びステップS105におけるスルー用の通過処理について以下に説明する。
【0118】
<作動口用の入賞処理>
先ず、作動口用の入賞処理について
図18のフローチャートを参照しながら説明する。
【0119】
ステップS201では、遊技球が上作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを上作動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が上作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、上作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
【0120】
ステップS201にて遊技球が上作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS206では、遊技球が下作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口34に入賞したと判定すると、ステップS207にて払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS208では、下作動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS209では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
【0121】
一方、ステップS201,ステップS206が共にNOの場合、すなわち上作動口33,下作動口34のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。なお、上記ステップS202,S207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S501にて払出制御装置97に対して送信される。
【0122】
ここで、ステップS205の情報取得処理を
図19のフローチャートにより詳細に説明する。
【0123】
先ずステップS301では、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
【0124】
続くステップS304では、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
【0125】
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
【0126】
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
【0127】
続くステップS305及びステップS306では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに、保留予告を実行させるための処理である保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。その後、本情報取得処理を終了する。
【0128】
なお、ステップS305及びステップS306の処理により設定された保留コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、上作動口33への入賞に基づき送信された保留コマンドを受信した場合には、第1保留ランプ部45を点灯させるための処理を実行する。第1保留ランプ部45は左側から順次点灯されるようになっており、例えば第1始動保留記憶数RaNが1であれば左端の第1保留ランプ部45が点灯され、第1始動保留記憶数RaNが4であれば全ての第1保留ランプ部45が点灯されるようになっている。また、下作動口34への入賞に基づき送信された保留コマンドを受信した場合には、第2保留ランプ部46を点灯させるための処理を実行する。第2保留ランプ部46は左側から順次点灯されるようになっており、例えば第2始動保留記憶数RbNが1であれば左端の第2保留ランプ部46が点灯され、第2始動保留記憶数RbNが4であれば全ての第2保留ランプ部46が点灯されるようになっている。
【0129】
<スルー用の通過処理>
次に、スルー用の通過処理について
図20のフローチャートを参照しながら説明する。
【0130】
ステップS401では、入口52yから不正防止装置50に遊技球が導入されたか否かを判定する。ここで、遊技球が入口52yから導入されたか否かは(進入したか否かは)、入口52yに設けられた検知センサ211gが、遊技球を検知したか否かを判定することで行うことができる。そして、ステップS401で入口52yから導入されたと判定した場合には、ステップS402に移行して通過フラグが既に設定されているか否かを判定する。つまり、第1実施形態では、先に不正防止装置50に入球した遊技球に基づいてシャッター52kが開閉される前において、後続する遊技球が不正防止装置50に入球する場合(短時間に2個遊技球が続けて入球する場合)も考慮している。
【0131】
このため、通過フラグとして、第1通過フラグと、第2通過フラグとを想定しており、第1通過フラグ、第2通過フラグ、第1通過フラグ、第2通過フラグ…の順にセットする(RAM204の各種フラグ格納エリア235における通過フラグ格納エリアに通過フラグを格納する)こととしている。この通過フラグは、「第1通過フラグ及び第2通過フラグの双方」がセットされていない状態で、検知センサ211gが、遊技球を検知すると格納される。そして、後述する開放準備フラグが設定されると消去される。
【0132】
ステップS402を実行すると、ステップS403において第1通過フラグ及び第2通過フラグの双方がセットされているか判定する。そして、ステップS403において肯定的に判定される場合には、そのままスルー用の通過処理を終了する。つまり、先に不正防止装置50に導入された遊技球に基づき、シャッター52kの開閉を行う前に、後続する2個以上の遊技球が不正防止装置50に導入された場合においては、2個目以降の遊技球に基づいてシャッター52kの開閉を行わないこととしている。但し、本実施形態において通過フラグを3個以上設け、後続する2個目以降の遊技球に基づいてシャッター52kの開閉を行うこととしてもよい。
【0133】
また、ステップS403において否定的に判定され、ステップS404において設定されているのが第2通過フラグであると判定される場合には、ステップS405において、設定時刻(つまり、当該第1通過フラグの設定時刻である)に関する情報が付加された状態の第1通過フラグを、通過フラグ格納エリアに設定し、本通過処理を終了する。また、ステップS402において否定的に判定される場合も、ステップS405において、設定時刻(つまり、第1通過フラグの設定時刻である)に関する情報が付加された状態の第1通過フラグを、通過フラグ格納エリアに設定し、本通過処理を終了する。
【0134】
また、ステップS403において否定的に判定され、ステップS404において設定されているのが第1通過フラグであると判定する場合には、ステップS406において、設定時刻(つまり、当該第2通過フラグの設定時刻である)に関する情報が付加された状態の第2通過フラグを、通過フラグ格納エリアに設定し、本通過処理を終了する。なお、設定時刻に関する情報は、例えば、MPU202に搭載されたクロック回路(発信器)から取得することができる。
【0135】
一方、遊技球が不正防止装置50の入口52yから導入されていない場合には、ステップS402以降の処理を行うことなく、本入賞処理を終了する。なお、第1実施形態ではシャッター52kの開閉が1回行われると、1個の遊技球を特別通路SRに排出可能である旨を前提で説明しているが、複数の遊技球を特別通路SRに排出可能である場合については後述する(変形例2)。
【0136】
<通常処理>
次に、通常処理の流れを
図21のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S508の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS510,S511のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0137】
通常処理において、ステップS501では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
【0138】
次に、ステップS502では、「一定時間の間に第1種油球が所定数発射されているという異常」が発生していないかの異常監視処理を実行する。この異常監視処理に関しての詳細な説明は後述する。続くステップS503では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
【0139】
続くステップS504では、払出制御装置97より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS505では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の結果表示部AS,BSの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
【0140】
その後、ステップS506では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モードなどに移行する。なお、後述する第2実施形態に示すように、電動役物を有する作動口を備えるパチンコ機では、遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
【0141】
ステップS507では電役駆動処理を実行する。この電役駆動処理の詳細は後述する。その後、ステップS508では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構7Aのソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
【0142】
続くステップS509では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS510,S511)。つまり、ステップS510では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS511では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
【0143】
ここで、ステップS501〜S508の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
【0144】
<遊技回制御処理>
次に、ステップS505の遊技回制御処理を
図22〜
図26のフローチャートを参照して説明する。
【0145】
図22に示す遊技回制御処理では、先ずステップS601にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
【0146】
開閉実行モード中である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
【0147】
開閉実行モード中でない場合には、ステップS602にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア235における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
【0148】
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS604にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
【0149】
ここで、ステップS604のデータ設定処理及びステップS605の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
【0150】
先ず、データ設定処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
【0151】
データ設定処理では、先ずステップS701にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS702〜ステップS707の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS708〜ステップS713の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
【0152】
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
【0153】
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS702にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS703では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS704では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【0154】
その後、ステップS705にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0155】
続くステップS706では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
【0156】
続くステップS707では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
【0157】
ステップS707にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(
図21)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留ランプ部45における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【0158】
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS708にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS709では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS710では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【0159】
その後、ステップS711にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
【0160】
続くステップS712では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
【0161】
続くステップS713では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
【0162】
ステップS713にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(
図21)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【0163】
次に、変動開始処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
【0164】
変動開始処理では、先ずステップS801にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
【0165】
高確率モードでない場合には、ステップS802にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、
図14(a)に示すように低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS803にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、
図14(b)に示すように高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
【0166】
ステップS802又はステップS803の処理の後は、ステップS804にて、ステップS802又はステップS803における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS805〜ステップS811において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
【0167】
ステップS805では、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS806にて第1結果表示部用の振分テーブル(
図15(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、2R確変大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS807にて第2結果表示部用の振分テーブル(
図15(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
【0168】
ステップS806又はステップS807の処理の後は、ステップS808にて、ステップS806又はステップS807において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS809にて、確変大当たり結果が発生することとなる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。
【0169】
確変大当たり用の停止結果設定処理について、
図25のフローチャートを参照しながら説明する。
【0170】
先ずステップS901にて、ステップS806又はステップS807において振り分けた遊技結果が15R確変大当たり結果であるか否かを判定する。ここで、既に説明したように、第1結果表示部用の振分テーブルには、確変大当たり結果として、2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果の複数種類の遊技結果が設定されているが、第2結果表示部用の振分テーブルには、確変大当たり結果として、15R確変大当たり結果の1種類のみが設定されている。したがって、今回の遊技回が上作動口33への遊技球の入賞に基づくものであり、第1結果表示部用の振分テーブルにおいて遊技結果の振分が行われた遊技回である場合には、ステップS901にて否定判定をする場合もあれば、肯定判定をする場合もある。一方、今回の遊技回が下作動口34への遊技球の入賞に基づくものであり、第2結果表示部用の振分テーブルにおいて遊技結果の振分が行われた遊技回である場合には、ステップS901にて必ず肯定判定をする。
【0171】
ステップS901にて、否定判定をした場合には、上記振り分けた遊技結果が2R確変大当たり結果であるため、ステップS902にて、停止結果テーブル記憶エリア224における2R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS903にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS904にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における2R確変フラグ格納エリアに2R確変フラグ(高確率対応情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。
【0172】
ステップS901にて肯定判定をした場合には、ステップS905にて、停止結果テーブル記憶エリア224における15R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS906にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS907にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における15R確変フラグ格納エリア(高確率対応特別情報記憶手段)に15R確変フラグ(高確率対応特別情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。
【0173】
変動開始処理(
図24)の説明に戻り、ステップS809の処理を実行した後は、ステップS813に進む。一方、ステップS806又はステップS807において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合には、ステップS808にて否定判定をし、ステップS810に進む。ステップS810では、停止結果テーブル記憶エリア224における通常大当たり用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS811にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における通常大当たりフラグ格納エリア(低確率対応特別情報記憶手段)に通常大当たりフラグ(低確率対応特別情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。その後、ステップS813に進む。
【0174】
また、ステップS802又はステップS803における抽選の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS804にて否定判定をし、ステップS812に進む。ステップS812では、外れ結果となる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。当該外れ時用の停止結果設定処理では、停止結果テーブル記憶エリア224における外れ時用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS813に進む。
【0175】
ステップS813では、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理について、
図26のフローチャートを参照しながら説明する。
【0176】
変動表示時間の設定処理では、先ずステップS1001にて、RAM204の抽選カウンタ用バッファ231における変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU202のレジスタに記憶する。
【0177】
続くステップS1002では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM204に、いずれかの確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS1002にて肯定判定をする。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS1002にて肯定判定をする。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
【0178】
ステップS1002にて肯定判定をした場合には、ステップS1003にてROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS1004にて、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
【0179】
一方、ステップS1002にて否定判定をした場合には、ステップS1005にて変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS1006にて、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
【0180】
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、共通保留数CRNの数に依存しない構成としてもよく、共通保留数CRNの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が長くなる又は各保留記憶数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
【0181】
なお、普通電動役物を備えるパチンコ機10B(第2実施形態を参照)において、サポートモード(後述する)が高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
【0182】
さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
【0183】
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
【0184】
変動開始処理(
図24)の説明に戻り、ステップS813の後は、ステップS814にて、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS815にて、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS816にて、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。
【0185】
ステップS815又はステップS816の処理を実行した後は、ステップS817にて種別コマンドを設定する。種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、2R確変大当たり結果の情報などが含まれる。
【0186】
ステップS815〜ステップS817にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(
図21)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、音声ランプ制御装置82では、その受信した変動用コマンド及び種別コマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
【0187】
その後、ステップS818にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
【0188】
遊技回制御処理(
図22)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS606にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(
図26)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(
図17)が起動される度に、1ディクリメントされる。
【0189】
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS607にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
【0190】
変動表示時間が経過している場合には、ステップS608にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、
図24のステップS809,ステップS810又はステップS812のいずれかの処理にてRAM204に記憶したアドレス情報を特定し、そのアドレス情報に対応した絵柄の態様が今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。
【0191】
続くステップS609では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS609にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(
図21)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
【0192】
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS506の遊技状態移行処理を
図27及び
図28のフローチャートを参照して説明する。
【0193】
図27に示す遊技状態移行処理では、先ずステップS1101にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1102に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0194】
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1103にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、2R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0195】
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1104にて、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM203に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
【0196】
続くステップS1105では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS1106にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「2」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS1107にて、第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「15」をセットする。
【0197】
ステップS1106又はステップS1107の処理を実行した後は、ステップS1108にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(
図21)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
【0198】
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS1101にて肯定判定をし、ステップS1109にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。なお、開放限度時間及び開放限度個数は、既に説明したように、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとで異なっている。
【0199】
続くステップS1110では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS1111にてエンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(
図21)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。また、当該エンディングコマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該エンディングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示を終了させる。
【0200】
その後、ステップS1112では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
【0201】
先ずステップS1201にて、RAM204に、15R確変フラグ又は2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、ステップS1202にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS1203にて、高確率モードフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードである遊技状態に移行する。その後、本移行処理を終了する。なお、これら高確率モードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、本移行処理を終了する。
【0202】
ステップS1201にて、15R確変フラグ及び2R確変フラグの両方が格納されていないと判定した場合には、通常大当たりフラグが格納されていることに基づいて今回の開閉実行モードが行われたことを意味する。この場合、ステップS1204にて、上記フラグ消去処理を実行し、本移行処理を終了する。
【0203】
遊技状態移行処理(
図27)の説明に戻り、ステップS1112の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS1113にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSが消灯されるように当該ラウンド表示部RSの表示制御を終了する。
【0204】
その後、ステップS1114にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
【0205】
<電役駆動処理>
次に、ステップS507の電役駆動処理について
図29のフローチャートを参照して説明する。この電役駆動処理は、不正防止装置50が備える1個の電動役物に関する駆動処理である。つまり、入口52yを通過した順に第1通過フラグ、第2通過フラグ、第1通過フラグ、第2通過フラグ…の順に設定するが、第1通過フラグに基く電動役物を第1電役開閉処理とし、第2通過フラグに基く電動役物を第2電役開閉処理とする。すなわち、入口52yを遊技球が連続して通過することもあるため、第1通過フラグと第2通過フラグを設けている。
【0206】
電役駆動処理では、ステップS1301にて通過フラグが設定されているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における通過フラグ格納エリアに通過フラグ(第1通過フラグ、第2通過フラグ)が格納されているか否かを判定することによってステップS1301の処理を行うことができる。そして、ステップS1301の処理で否定判定される場合には電役駆動処理を終了する。
【0207】
ステップS1301の処理において肯定判定される場合には、第1通過フラグ及び第2通過フラグのうちの何れが先に設定された通過フラグかを判定する。つまり、ステップS1302の処理で第1通過フラグが先に設定されたと判定される場合には、ステップS1303の第1電役開閉処理を行った後、電役駆動処理を終了する。また、ステップS1302の処理で第2通過フラグが先に設定されたと判定される場合には、ステップS1304の第2電役開閉処理を行った後、電役駆動処理を終了する。次に、第1電役開閉処理及び第2電役開閉処理の内容を説明する。なお、第1電役開閉処理及び第2電役開閉処理の内容は同一である。
【0208】
図30に示すように、電役開閉処理では、ステップS1401にて開放許可フラグが設定されているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における開放許可フラグ格納エリアに開放許可フラグが格納されているか否かを判定することによって、ステップS1401の処理を行うことができる。ここで、「所定時間経過後(1.5秒後)にシャッター52kの開放動作を行うことを許可することを示すフラグ」であり、第1電役開閉処理では第1開放許可フラグが設定され、第2電役開閉処理では第2開放許可フラグが設定される。
【0209】
第1電役開閉処理では、ステップS1401の処理で第1開放許可フラグが設定されていないと判定すると、ステップS1402の処理において、第1通過フラグを消去する処理と、第1開放許可フラグを設定する処理と、第1開放開始タイマTS1に「375(1.5秒)」を設定し、第1電役開閉処理を終了する。なお、第1開放開始タイマTS1は通常処理が起動される度に1ディクリメントされる。この第1開放開始タイマTS1は第1開放許可フラグが設定されたときを基準にシャッター52kが開放動作を開始する時期を定めるタイマであり、後述する第2開放開始タイマTS2は第2開放許可フラグが設定されたときを基準にシャッター52kが開放動作を開始する時期を定めるタイマである。
【0210】
第1開放許可フラグを設定されている場合には、ステップS1403の処理において、開口部52jが開放中であるか否かを判定する。開口部52jが開放中であるか否かは電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かで判定する。そして、ステップS1403にて開口部52jが開放中でないと判定される場合にはステップS1404に進む。ステップS1404では、第1開放開始タイマTS1の値が「0」であるか否かを判定する。そして、第1開放開始タイマTS1の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。これに対して、第1開放開始タイマTS1の値が「0」である場合には、ステップS1405にて、開口部52jを開放状態に制御する開放処理を実行するとともに、第1開放終了タイマTE1に「375(1.5秒)」を設定し、第1電役開閉処理を終了する。つまり、第1開放終了タイマTE1及び後述する第2開放終了タイマTE2は、電動役物駆動部34bがシャッター52kの開放動作を行ったときを基準として、電動役物駆動部34bがシャッター52kの閉鎖動作を行う時期を定めるタイマである。
【0211】
ステップS1403にて開口部52jが開放中であると判定される場合にはステップS1406に進む。ステップS1406では、第1開放終了タイマTE1の値が「0」であるか否かを判定する。そして、第1開放終了タイマTE1の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。これに対して、第1開放終了タイマTE1の値が「0」である場合には、ステップS1407にて、開口部52jを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を実行し、本電役開閉処理を終了する。
【0212】
第2電役開閉処理では、ステップS1401において第2開放許可フラグが設定されていないと判定されると、ステップS1402が実行され、第2開放許可フラグが設定されていると判定されると、ステップS1403の否定判定と、ステップS1404の否定判定とを経て一旦第2電役開閉処理を終了するか、ステップS1403で否定判定と、ステップS1404の肯定判定を経て、ステップS1405の処理を実行し、第2電役開閉処理を終了する。
【0213】
第2開放許可フラグが設定され、ステップS1403で肯定判定される場合には、ステップS1406の肯定判定を経て、ステップS1407の処理を実行して第2電役開閉処理を終了するか、ステップS1406の否定判定を経て、第2電役開閉処理を終了する。なお、電役開閉処理は、通常処理の一部であり、4msec周期で実行される。そして、開放開始タイマTS(第1開放開始タイマTS1、第1開放開始タイマTS2)、開放終了タイマTE(第1開放終了タイマTE1、第2開放終了タイマTE2)にセットされたカウント値は、所定周期(4msec周期)で1ディクリメントされる。
【0214】
<異常監視処理>
次に、
図31のフローチャートを参照して、通常処理のステップS502における異常監視処理について説明する。
【0215】
異常監視処理は一定期間(例えば、30秒)内に所定数(例えば、10球)の第1種油球が発射されていたと疑われる場合、報知処理を実行する。具体的には、一定期間(例えば、30秒)内に所定数(例えば、10球)の第1種油球が発射されたと判定した場合には、第1種油球が多数発射されている旨の報知を、音声ランプ制御装置82を通じて実行するとともに、外部端子板を通じてホールコンピュータに第1種油球が多数発射されている旨の情報を出力する。
【0216】
異常監視処理では、ステップS1501にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた報知期間用カウンタITCが「0」であるか否かを判定する。報知期間用カウンタITCは報知を実行する期間を定めるカウンタである。
【0217】
ステップS1501にて肯定判定をした場合、ステップS1502に進み、報知期間用カウンタITCに「7500」をセットするとともに、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた検知用カウンタTC1の値を「0」にする。ここで、検知用カウンタTC1は、一定期間(例えば、30秒)毎に第1種油球の発射個数を計数するためのカウンタである。この報知期間用カウンタITC値が「0」になっていることは、検知用カウンタTC1によるカウントを30秒間行ったことを示している。なお、異常監視処理は、通常処理の一部であり、4msec周期で実行される。このため、報知期間用カウンタITC及び検知用カウンタTC1においてセットされたカウント値は、所定周期(4msec周期)で1ディクリメントされる。
【0218】
ステップS1501にて否定判定をした場合若しくはステップS1502の処理を実行した後にステップS1503の処理を実行する。このステップS1503の処理では排出検知に対応する検知信号が入力されているか否かを判定する。ステップS1503にて肯定した場合には、ステップS1504にてRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた検知用カウンタTC1を「1」加算し、続くステップS1505にて検知用カウンタTC1の値が「10」となっているか否かを判定する。なお、排出検知は、凹部52hに設けられた排出センサ211fが遊技球を検知することによって実行される。
【0219】
ステップS1505にて否定判定をした場合にはそのまま異常監視処理を終了する。一方、ステップS1505にて肯定判定をした場合には、続くステップS1506にて報知処理を実行した後、異常監視処理を終了する。ここで、異常報知処理では、不正球検知に対応する報知実行用のコマンドを音声ランプ制御装置82に対して出力するとともに外部端子板を通じてホールコンピュータに不正検知に対応した情報を出力する。音声ランプ制御装置82では、報知実行用コマンドを受信することで、エラー表示ランプ部を点灯させるとともにスピーカ部64から警告音を出力し、更には図柄表示装置41の表示画面Gに不正球が多数発射されている旨のメッセージを表示する。
【0220】
以上詳述した第1実施形態のパチンコ機10によれば、センターフレーム42の下部左側に不正防止装置50を備えるため、左打ち領域Lを流下する第1種油球が下作動口34に向かって流下しても、この第1種油球を下作動口34に到達させることはない。つまり、第1実施形態のパチンコ機10によれば、不正防止装置50を備えるため、左打ち領域Lを流下して下作動口34に向かう遊技球に対して、第1種油球を取り除くために常時一定の動きをする橋状の役物(シャッター52k)と、その動作を開始するためのスイッチ(検知センサ211g)を設け、第1種油球をそのまま機外に或いはアウト口37へ向かわせる機構を遊技盤24面に設置する。
【0221】
そして、スイッチ(検知センサ211g)通過から所定時間経過後に橋状の役物(シャッター52k)を動かすことで、第1種油球であれば通過スピードが速いため、橋を渡り切り排出口(凹部52h)へ向かい、アウト球とでき、特別通路SRには誘導されない。また、第1種油球でなければ(正当な遊技球であれば)橋を渡り切れずに下作動口34に向かう。よって、第1実施形態のパチンコ機10によれば、第1種油球を取り除くことができ、不正対策を向上させることができる。つまり、低粘度の油が付着した遊技球(第1種油球)と、正当な遊技球(第1種油球でない遊技球)を選別することは困難であるが、本実施形態では遊技球(第1種油球)と正当な遊技球(第1種油球でない遊技球)が同一距離を通過する際の速度の差(第1種油球の方が速い)に着目し、第1種油球を取り除くことができる。しかも、正当な遊技球に何ら悪影響を与えることなく、第1種油球のみを取り除くことができる。つまり、一定距離(同一距離)の導入通路52pと、スイッチ(検知センサ211g)通過から一定時間(同一時間)で開口部52jを開放するシャッター52kとを用いて、正当な遊技球(正規の遊技球)と、第1種油球とを振り分けることができる。
【0222】
ところで、本不正防止装置50を用いないパチンコ機においては、第1種油球ゴトを実行することで、「下作動口34への入賞率」を高め、不当な利益を得ることが予想される。つまり、低粘度の油分を遊技球に塗布し、遊技領域PEを流下する遊技球の釘に対する摩擦を低減することで、遊技球の球速を増加させ、遊技球を下作動口34に不当に入球させる事態が想定される。この場合、賞球上、不当な利益を得たり、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となることの可能性を、正当な遊技球を用いる場合よりも高くしたりすることができ、行為者に不当な利益を与える可能性がある。これに対して、第1実施形態のパチンコ機10では、不正防止装置50を用いるため、第1種油球を取り除くことができ、かかる不正行為の防止に効果的である。
【0223】
また、本実施形態では、右打ち領域Rに遊技球を発射する場合には、左打ち領域Lに遊技球を発射する場合よりも下作動口34に入賞する可能性が低いため、不正防止装置50をセンターフレーム42の下方の左側(正面視)のみに配置している。つまり、不正防止装置50を効果的に配置することで、遊技盤24の盤面が狭くなることを防止しているが、左打ち領域Lと、右打ち領域Rの双方に不正防止装置を設けてもよい(後述する)。更に、他の作動口33や他の入賞口(一般入賞口31、大入賞口32a等)を第1種油球ゴトから保護するための不正防止装置を備えてもよい(後述する)。
【0224】
<他の実施の形態>
なお、上述した第1実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、適用対象として例示した実施の形態以外の実施の形態に対して適用してもよい。
【0225】
(1)第1実施形態では、「不正な遊技球(以下、不正球という)」を「粘度が低い油分(例えば、潤滑油、サラダ油等)を付着させたもの(塗布したもの)とすることで、遊技領域PEを流下する速度を正規の遊技球(パチンコホールで貸与される遊技球)よりも速くした第1種油球」を例示した。但し、他の態様の不正球も例示でき、例えば、重量を正規の遊技球よりも重くすることで、遊技領域PEを流下する速度を当該正規の遊技球よりも速くした不正球を例示することもできる。
【0226】
(2)また、前述のように、第1実施形態では、不正防止装置50をセンターフレーム42の下方の左(正面視)に配置する態様を例示したが、左打ち領域Lを流下した遊技球の行き先を振り分けるための不正防止装置50と、右打ち領域Rを流下した遊技球の行き先を振り分けるための不正防止装置50とを備えてもよいし、右打ち領域Rを流下した遊技球の行き先を振り分けるための不正防止装置50のみを備えてもよい。なお、左右に鏡面対象な状態(例えば、作動口33を上下方向に通過する仮想的な面に対して面対称な状態)に2個の不正防止装置50を配置した場合、シャッター52kを開放状態とするタイミングが左右の不正防止装置50で一致していなくてもよい。例えば、右側の不正防止装置50においてシャッター52kを開放状態とするタイミングが、左側の不正防止装置50においてシャッター52kを開放状態とするタイミングよりも速くされてもよい(後述する第2実施形態を参照)。但し、第1実施形態では、左打ち領域Lは右打ち領域Lよりも発射頻度が高いため、左打ち領域Lを流下した遊技球の行き先を振り分けるための不正防止装置50のみを備える場合においても不正対策を効果的に行うことができる。
【0227】
(3)第1実施形態では、センターフレーム42の左右に十分な大きさ(入賞口、作動口等を設ける上で十分な大きさ)の領域(左打ち領域L)及び(右打ち領域R)を備える遊技盤24を例示したが、センターフレーム42の左右何れか一方の領域を狭くした(例えば、1個の遊技球が通過でき、入賞口、作動口等を設けることができないように狭くした)遊技盤に対しても、不正防止装置50を配置することができる。例えば、右打ち領域Rを狭くした遊技盤では、不正防止装置50をセンターフレーム42の下方の左(正面視)のみに配置してもよい。
【0228】
(4)本実施形態では、2つの作動口33、34を備えるパチンコ機10において作動口34への不正対策を例示した。つまり、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、賞球数等の面で有利となる可能性が高く、下作動口34が不正行為の対象となり易いため、下作動口34に不正対策を施す態様を例示した。但し、第1実施形態の遊技盤24より上作動口33を排除したり、ワープ通路W、ステージS等を排除したりしてもよい。若しくは、ワープ通路Wに不正対策を施してもよい。
【0229】
(5)第1実施形態では遊技領域PEに不正防止装置50を配置する構造を例示したが、作動口や他の入賞口の内部構造として不正防止装置50を設けてもよい。
【0230】
(6)
図32の変形例1に示すように、センターフレーム42の内部構造として不正防止装置50Aを設けてもよい。この場合も、センターフレーム42の内部構造として不正防止装置50Aを設けるため、不正防止装置50Aの構造の単純化を図ることができる。
【0231】
変形例1のパチンコ機10では、センターフレーム42の上部に入口58aを開口させ、この入口58aに不正防止装置50Aを接続している。そして、不正防止装置50Aの特別通路SRの下部にルート振分装置58cを接続し、このルート振分装置58cの下部のルートを、通常ルート58dと特別ルート58fに分岐している。また、通常ルート58dの下端と特別ルート58fの下端が合流し、出口58eを構成し、出口58eの略直下に作動口33Aを開口させている。なお、特別ルート58fを通過する遊技球が出口58eに到達する確率は高く(例えば、100%)され、通常ルート58dを通過する遊技球が出口58eに到達する確率は低く(例えば、10%)されている。なお、入口58aから入球した遊技球を検知するための検知センサ211gが、入口58aに近接して設けられている。また、通常ルート58dのルート途中には第1実施形態のクルーン51eと同様なクルーン58xが設けられているため、通常ルート58dに進入した遊技球が通常ルート58dの最後(出口58e)まで到達する確率は低くなっている。
【0232】
また、
図33に示すように、ルート振分装置58cは特別通路SRから受け入れた遊技球を、通常ルート58d若しくは特別ルート58fに振り分けるものであり、軸58jによって回動可能(揺動可能)に支持された振分片58hを備え、通常、振分片58hは軽く右上がり傾斜姿勢(以下、基本姿勢という。)とされている。また、振分片58hの軸58jよりも右側には錘58gが埋設されている。このルート振分装置58cでは、特別通路SRから1個の遊技球が受け入れると、当該遊技球は振分片58h上を左方向に転動する。このとき、振分片58hは当該遊技球の自重で左方向に回転する(以下、左回転姿勢という)。
【0233】
このパチンコ機では当該遊技球が振分片58hの左端まで到達すると、この遊技球を振分片58hから通常ルート58dに放出する。このとき、振分片58hの右側には遊技球が通過可能な空間58kが形成されるが、振分片58hが遊技球を放出することで、振分片58hは右方向に回転し、基本姿勢に戻される。但し、振分片58hが基本姿勢となる前に後続する遊技球がルート振分装置58cに受け入れられると、当該後続する遊技球は空間58kを通過して特別ルート58fに導かれる。
【0234】
このパチンコ機では第1種油球ゴトを行うことで、複数の遊技球を連続してルート振分装置58cに到達させることが可能である。例えば、不正防止装置50Aを備えない場合、正当な遊技球を入口58aから入球させた直後に、第1種油球を入口58aから入球させることで、ルート振分装置58cに向かって複数の遊技球を到達させることが可能となる。この場合、振分片58hを左回転姿勢としたとき、後続する遊技球をルート振分装置58cに到達させ、当該後続する遊技球を特別ルート58fに到達させることができる。ところが、変形例1では、不正防止装置50Aを備えるため、第1種油球がルート振分装置58cに到達することを防止できる。
【0235】
(7)
図34(a)に示す変形例2のように、連続して複数の遊技球が不正防止装置50に導入された場合、この複数の遊技球(例えば、Y1、Y2)を一回のシャッター52kの開放動作で開口部52jから特別通路SRに誘導できる場合には、後続する遊技球の入球に基づく通過フラグを設定しないこととしてもよい。例えば、
図34(b)に、フローチャートの一部を示す説明図のように、第2通過フラグが設定されてから微少時間t秒内にスルー通過を生じた場合に第1通過フラグを設定しないこととしたり(ステップS404Cを参照)、第1通過フラグが設定されてから微少時間t秒内にスルー通過を生じた場合に第2通過フラグを設定しないこととしたりしてもよい(ステップS404Dを参照)。
【0236】
(8)
図34(c)に示す変形例3のように、短期間に複数個の遊技球が不正防止装置50に導入された場合、この複数の遊技球(例えば、Y3,Y4)を一回のシャッター52kの開閉によって開口部52jから特別通路SRに誘導することができない場合、シャッター52kの閉鎖を遅延させる遅延処理を行うこととしてもよい(図示の破線を参照)。例えば、短期間に(略連続して)2個の遊技球(Y3,Y4)が不正防止装置50に導入され、2個目の遊技球が開口部52jに到達するのと略同時にシャッター52kの閉鎖動作を行う場合には、1個目の遊技球の導入に基づくシャッター52kの閉鎖を遅延させ、2個目の遊技球の導入に基づく通過フラグの設定を行わないこととする遅延処理を行い、このシャッター52kの閉鎖を行う前に2個目の遊技球を開口部52jを通じて特別通路SRに誘導してもよい。
【0237】
(9)応用例に係る不正球として、遊技領域PEを流下する速度を、正規の遊技球(パチンコホールで貸与される遊技球)よりも遅くするための処理が施された不正球を例示することもできる。この処理球としては、例えば、「高粘度の油分(油性整髪料、ハンドクリーム等の粘度が高い油)を付着させる(塗布する)ことで、遊技領域PEを流下する速度を、正規の遊技球よりも遅くした遊技球(つまり、第2種油球)」を例示できる。また、遊技領域PEを流下する速度を正規の遊技球よりも遅くするための処理が施された処理球としては、例えば、「接着剤等の粘着成分を付着させることで、遊技領域PEを流下する速度を正規の遊技球よりも遅くしたり、遊技領域PE上に停滞し易くした遊技球」を例示することもできる。
【0238】
つまり、第2種油球や接着剤を付着させたりした遊技球(以下、遅延球という)では、遊技領域PEを流下する速度が、正規の遊技球よりも遅くなる。そして、例えば、遅延球を正規の遊技球と同じように発射することで、遊技領域PEの所定の部位(例えば、所定の障害釘の周囲)に遅延球(遊技球)によって、意図的な球詰まり(所謂「ブドウと称する球詰まり」)を発生させることで、所定の入賞口への入賞確率を作為的に向上させるという不正行為(以下、遅延球ゴトという。)も報告されている。この場合、前述の特願2009−279267号公報に示す技術に基づいて、遊技球に油分(高粘度の油分)が付着(塗布)していることを検出することが考えられる。
【0239】
ところが、遊技球に高粘度の油分が付着している(塗布される)場合であっても(第2種油球である場合であっても)、油分に導電性物質(炭素等)が含浸されていると、遊技球に油分が付着していない場合と同一視される程、小さな電気抵抗が測定される可能性がある。つまり、前述の特願2009−279267号公報には、皿部材等に電極を設け、構造を複雑化したのにも係わらず、第1種油球ゴトを防止することが困難な手法が開示されているに過ぎない。そして、このように、第2種油球と正規の遊技球(遊技領域を流下する速度を遅くするための処理が施されていない遊技球)とを選別することは困難である。このため、正当な遊技球には何らの悪影響を与えることなく、不正な遊技球のみを取り除くという、不正対策を図ることも切望されている。そして、この遅延球ゴト(例えば、第2種油球ゴト)の具体例を応用例1として説明する。
【0240】
応用例1のパチンコ機10は不正防止装置の構成が以下の点が異なる点を除いて第1実施形態のパチンコ機10と同様であり、応用例1においても、
図1〜
図31を適用できる。つまり、応用例1の不正防止装置も、第1実施形態の不正防止装置と同様な構成を備え、遊技領域PEを流下する遊技球のうち、当該不正防止装置50内に取り込んだものの行き先を通常通路若しくは特別通路に振り分けるためのものである。但し、
図8〜
図10に示す通常通路NRを、応用例1の不正防止装置では特別通路として用い、
図8〜
図10に示す特別通路SRを応用例1の不正防止装置では通常通路として用いている。
【0241】
このため、応用例1の不正防止装置では、応用例1の特別通路(
図8〜
図10中のNR)に遊技球が誘導されると、凹部52hを経て入球口(入賞口、作動口)に入球させることが可能である。一方、応用例1の不正防止装置では、応用例1の通常通路(
図8〜
図10中のSR)に遊技球が誘導されると、当該遊技球はパチンコ機10の機外に排出される。なお、応用例1の通常通路(
図8〜
図10中のSR)は、例えば、応用例1のパチンコ機10の後方に向かう下り傾斜を設け、遊技球を島設備に戻すこととしてもよい。
【0242】
また、応用例1の通常通路(
図8〜
図10中のSR)の前面部を開口状態とするとともに、応用例1のパチンコ機の前方に向かう下り傾斜を設けることで、誘導された遊技球を一旦、遊技領域24に戻し、遊技領域24に戻した遊技球が如何なる入球口(入賞口、作動口)にも入球せず、アウト口37を通じてパチンコ機10から排出されることとしてもよい。若しくは、応用例1の通常通路(
図8〜
図10中のSR)に1個の遊技球が誘導される毎に、1個の遊技球を賞球として払い出すこととしてもよい。
【0243】
次に、
図9および
図10を用いて応用例1の不正防止装置50の機能を説明する。入口52yを通じて、導入通路52pに導入された遊技球は導入通路52pの下り傾斜を利用して、シャッター52k(開口部52j)の方向に転動する。そして、遅延球(例えば、第2種油球)が開口部52jに到達しようとする場合には、当該遊技球の速度が特定速度以下であるため、特定時間(t1秒)が経過する前に当該遊技球が開口部52jに到達しない。
【0244】
つまり、当該遊技球が開口部52jに到達するまでに特定時間が経過するため、遅延球が開口部52jに到達するときには、既にシャッター52kが開口部52jを開放している。従って、開口部52jを通じて導入通路52pと通常通路(
図8〜
図10中のSR)とが連通しているため、導入通路52pを転動した遊技球が通常通路(
図8〜
図10中のSR)に誘導され、アウト球とすることができる(
図8〜
図10中の特別通路NRには誘導されない)。よって、遅延球ゴト(例えば、第2種油球ゴト)を排除することができる。
【0245】
一方、導入通路52pに導入された遊技球が正規の(正当な)遊技球(例えば、第2種油球でない正規球)であれば、当該遊技球の速度が特定速度を超えるため、特定時間(t1秒)が経過する前に(電動役物駆動部51dが駆動する前に)、開口部52jに到達する。このとき、開口部52jは閉鎖されているため、当該遊技球が開口部52jを閉鎖しているシャッター52k上を通過し、特別通路(
図8〜
図10中のNR)に誘導される。
【0246】
(第2実施形態)
次に第2実施形態の「パチンコ機」の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。この第2実施形態のパチンコ機10Bでは、不正防止装置50Bの構成と配設箇所と、下作動口34Bが電動役物34aを備える点が、第1実施形態のパチンコ機10と異なっている。つまり、遊技球発射機構7Aから発射される遊技球が必ず通過する位置に、第1実施形態とは異なる構成の不正防止装置50Bを設けている。以下、第2実施形態のパチンコ機10Bについて詳細に説明する。なお、第1実施形態のパチンコ機10と同一の構成については、基本的にその説明を省略する。
【0247】
先ず、第2実施形態の遊技盤24の構成を
図35に基づいて説明する。この第2実施形態の遊技盤24にも、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。また、第2実施形態の遊技盤24も、内枠13(
図35の仮想線を参照)によって保持されている。そして、内レール部5Aと外レール部5Bとが取り付けられており、各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32B,上作動口33B,下作動口34B,可変表示ユニット36及びメイン表示部43等がそれぞれ設けられている。なお、一般入賞口31,可変入賞装置32B,上作動口33B,下作動口34B,可変表示ユニット36及びメイン表示部43等は、内レール部5Aと外レール部5Bが略円形状若しくは略楕円形状に略取り囲む領域(つまり、遊技領域PE)に配置されている。また、左打ち領域L及び右打ち領域Rにはそれぞれスルーゲート35が設けられている。
【0248】
遊技盤24の背面側には、一般入賞口31、可変入賞装置32B、上作動口33B,下作動口34Bのそれぞれに対応させて検知センサ(図示略)が設けられており、一般入賞口31、可変入賞装置32B、上作動口33B,下作動口34Bへの入球が発生すると、それが対応する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。
【0249】
上作動口33B及び下作動口34Bは、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33B及び下作動口34Bは共に上向きに開放されている。また、上作動口33Bが上方となるようにして両作動口33B,34Bは上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34Bには、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。
【0250】
このように、第2実施形態では、下作動口34Bが電動役物34aを備えている点が第1実施形態のパチンコ機10と異なっているが、電動役物34aの詳細について
図36を用いて説明する。
図36(a)は電動役物34aが閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)である場合を示し、
図36(b)は電動役物34aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)である場合を示している。
【0251】
上作動口33Bを構成する作動口ケース33aは、手前側に張り出しており、作動口ケース33aの下辺長(すなわち上作動口33Bの下部の左右幅)は、電動役物34aが閉鎖状態にある場合において左右の電動役物34a間の距離よりも大きい長さとされている。また、電動役物34aが閉鎖状態にある場合には作動口ケース33aと電動役物34aの上端部との間隔が遊技球の直径よりも僅かに短くなるよう両作動口33B,34Bの設置間隔が調整されている。
【0252】
上記構成によれば、電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34Bに入賞できず、電動役物34aが開放されることで下作動口34Bへの入賞が可能となる。特にこのとき、電動役物34aが閉鎖状態から開放状態に移行する動作途中では、作動口33Bの作動口ケース33aが障害となることから、電動役物34aが十分に開放されるまでは下作動口34Bへの遊技球の入賞が不可能となり、電動役物34aのほぼ全開状態でのみ入賞が可能となっている。つまり、上方から落下してきた遊技球は作動口ケース33aの側面に当たって外側に弾かれ、下作動口34Bに直接入賞することはない。これにより、電動役物34aが極短時間で開放される場合には下作動口34Bへの入賞が極めて困難となり、電動役物34aの開放状態が継続される場合にのみ下作動口34Bへの入賞が容易となる。
【0253】
さらにまた、上記のとおり上作動口33Bと下作動口34Bとが並設されている。より具体的には上下に並設されているため、電動役物34aが開放状態となった場合には、作動口装置の上方に向けて流下してきた遊技球は、上作動口33B及び下作動口34Bのいずれにも入賞し得る。換言すれば、電動役物34aが開放状態である場合には、後述する発射ハンドル8Aの操作態様によって、上作動口33Bへの入賞と下作動口34Bへの入賞とを狙い分けることが難しい構成となっている。
【0254】
ここで、下作動口34Bの電動役物34aにおけるサポートモードが低頻度サポートモード(後述する)である場合には、高頻度サポートモード(後述する)に比べて、電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に低くなる。このため、低頻度サポートモードでは下作動口34Bに遊技球を入賞させたり、下作動口34Bへの入賞に基づき当否判定を行ったりすることは困難である。
【0255】
第2実施形態のパチンコ機10Bは、可変入賞装置32Bを下作動口34Bの直下に設けている。また、開閉実行モードの意義は実施形態1のパチンコ機10と同様である。更に、第2実施形態のパチンコ機10Bは、この装飾部材39には、第1実施形態のパチンコ機10と同様なメイン表示部43の他に、役物用表示部44が設けられている。
【0256】
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34Bに設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。なお、役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
【0257】
遊技盤24の背面側には、一般入賞口31、可変入賞装置32B、作動口33B,34Bのそれぞれに対応させて検知センサ(図示略)が設けられており、一般入賞口31、可変入賞装置32B、作動口33B,34Bへの入球が発生すると、それが対応する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。なお、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32Bへの入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33Bへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34Bへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
【0258】
また、第2実施形態のパチンコ機10Bは、第1実施形態のパチンコ機10と同様な可変表示ユニット36(図柄表示装置41)を備える。また、可変表示ユニット36には、第1実施形態のパチンコ機10と同様なセンターフレーム42を備え、第2実施形態のパチンコ機10Bにおいて可変表示ユニット36(図柄表示装置41)の表示内容も、第1実施形態のパチンコ機10と同様である。更に、第1実施形態のパチンコ機10と同様に、センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。更に、センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留ランプ部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45〜47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。また、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0259】
図35に示すように、第2実施形態の遊技盤24も、内枠13(
図35の仮想線を参照)によって保持されている。また、第1実施形態の同様に、遊技盤24の左端側において、略平行に配置される内レール部5Aと、外レール部5Bとにより誘導レール5Eが構成されている。この誘導レール5Eは上下に長尺な略円弧状の経路を描くとともに、下端部側が右斜め下り傾斜状とされ、下端部が開口している。また、誘導レール5Eの上端部側が右斜め上がり傾斜状とされ、上端部が遊技領域PEの左斜め上部側に開放されている。そして、誘導レール5Eを用いて、遊技球発射機構7Aから発射された遊技球が遊技領域PEの上部(左斜め上部)に案内されるようになっている。
【0260】
図37に示すように、遊技球発射機構7Aは、発射レール7Bと発射装置7Cと球送り装置7F(図中の仮想線を参照)とを備える。このうち、発射レール7Bは内枠13(樹脂ベース21における窓孔23の下方)の前面部において遊技盤24の取着部位の下方において、右斜め上がり傾斜状に配置されている。また、発射レール7Bの上端部と、誘導レール5Eの下端との間には間隔部7Dが設けられ、発射装置7Cによって発射され、間隔部7Dを飛び越えた遊技球が誘導レール5Eに誘導され、遊技領域PEに到達可能となっている。そして、発射装置7Cによって発射されたが間隔部7Dを飛び越えることができなかった遊技球や、間隔部7Dを飛び越えて誘導レール5Eに誘導されるが、遊技領域PEに到達することなく誘導レール5Eを逆戻りした遊技球はファール球として、間隔部7Dに落下する。そして、間隔部7Dを通じて落下したファール球は下皿72に排出される。
【0261】
発射装置7Cはソレノイド式の発射装置であり、発射レール7Bの経路と略平行な軸心を備えるプランジャ7Eと、プランジャ7Eの上端(左端)に装着された打撃部7Hとを備える。この発射装置7Cでは、一定時間毎に玲磁・非玲磁を繰り返すことが可能であり、プランジャ7Eの上端(左端)が誘導レール5Eの方向への前進(突出)と、誘導レール5Eから遠ざかる方向への後退を繰り返すことができる。また、発射ハンドル8Aの操作量に基づき、プランジャ7Eの突出速度が調整され、発射装置7Cが遊技球に負荷する打撃力(発射球の発射速度、飛翔量)が調整されるようになっている。なお、発射装置7Cはソレノイド式の発射装置ではなく、例えば、モータ及び発射槌を用いた発射装置を用いてもよい。
【0262】
詳細な図示を省略するが、
図37の仮想線に示すように、球送り装置7Fは発射レール7Bの前方に配置されている。この球送り装置7Fは上皿71側から案内される遊技球Y7を1球ずつ、発射レール7Bの下端(右端)の発射位置7Gに案内するものである。そして、発射位置7Gに案内された遊技球Y7をプランジャ7Eに装着された打撃部7Hによって打撃すると、遊技球Y7が発射レール7B上で打ち出される。なお、発射レール7Bの略縦断面(発射レール7Bの経路に略直交する縦断面)は略V字状とされ、発射レール7Bにおいて、遊技球の発射方向に沿った中間の位置に不正防止装置50Bが装着される装着孔7Kが設けられている。
【0263】
この不正防止装置50Bは、
図37に示すように、ハウジング55aと、検知センサ55bと、開閉部材55cと、開閉部材55cを駆動するソレノイド(図示を省略、以下、開閉ソレノイドという。)と、を備える。このうち、ハウジング55aは遊技球が通過可能な内径を具備した略筒状を備え、その軸心を発射レール7Bの経路に沿わせた状態で発射レール7Bに装着されている。また、ハウジング55aの内壁部において、下方に配置される部位(以下、通路形成部位という。)55dは発射レール7Bの上面部(遊技球が通過する部分)と略面一に配置されている。なお、開閉ソレノイドは、主制御装置81によって駆動が制御される(主制御装置81が駆動制御手段である)。また、第2実施形態においても、開閉部材55cの駆動部として開閉ソレノイドを用いているが、モータ等の他のアクチュエータを用いることもできる。
【0264】
ハウジング55aは右端(下端)を発射位置7Gの側に向け(発射レール7Bの下端に向け)、左端(上端)を誘導レール5Eの下端側(発射レール7Bの上端側)に向けて配置されている。そして、発射装置7Cを用いて発射される遊技球は、ハウジング55aの右端(下端)の入口55eから左端(上端)の出口55fに向かって、ハウジング55a内をその軸心方向に通過することで、誘導レール部7Eに向かって誘導される。
【0265】
ハウジング55aの入口55eには段部が設けられ、検知センサ55bが装着されている。そして、この検知センサ55bによってハウジング55aへの遊技球の進入を検知することができる。また、通路形成部位55dの出口55f寄りには開口部55gが通路形成部位55dの経路途中を貫通する状態に設けられ、この開口部55gには遊技球が進入可能な分岐通路55hが接続されている。また、開閉部材55cは、開口部55gの出口55f寄り端縁に配置された支点部55jを基準に開閉扉のように動作し、開口部55gを閉鎖する状態(第2状態)と、開口部55gを開放する状態(第1状態)とを実行可能である。この開閉部材55cの下面(開閉部材55cが開口部55gを閉鎖する状態にあるときの下面)には、クッション材(例えば、ゴム製のシート材)55kが装着されている。
【0266】
ここで、通路形成部位55dにおいて開口部55gよりも下方側(右側)の部分によって導入通路55pが構成される。更に、通路形成部位55dにおいて連通孔55eよりも上方側(左側)の部分によって特別通路SRが構成され、分岐通路55hによって通常通路NRが構成される。また、入口55eから開口部55gの下端縁までの距離P(
図37を参照)は、通路形成部位55dを通過する遊技球の速度が適正(所定速度以下)であれば、所定時間を要する距離であり、速度が不適正(所定速度を超える速度)であれば所定時間を下回る。従って、検知センサ55bで検知された遊技球は、その速度が不適正であれば当該遊技球が開口部55gに到達する時点で開口部55gは開放されている(開閉部材55cで閉鎖されていない)。一方、その速度が適正であれば当該遊技球が開口部55gに到達する時点で開口部55gは閉鎖されている(開閉部材55cで閉鎖されている)。ここで、開口部55gと、開閉部材55cとによって振分本体部の一具体例を構成し、開閉ソレノイドによって駆動手段の一具体例を構成する。また、主制御装置81によって駆動制御手段の一具体例を構成する。
【0267】
次に、
図38を用いて不正防止装置50Bの機能を説明する。
図38(a)に示すように、発射装置7Cを用いて発射される遊技球が、導入通路55p(検知センサ55b)への進入を検知すると、開閉部材55cが開口部55gを開放し、導入通路55pと通常通路NRとを連絡する状態(第1状態)となる。そして、導入通路55pに導入された遊技球が第1種油球であれば、当該遊技球の速度が所定速度を超え、所定時間が経過する前に第1種油球が開口部55gの位置に到達する。この時点では、
図38(b)に示すように、開閉部材55cが開口部55gを開放しているため、導入通路55pを通過した第1種油球が通常通路NRに誘導される。このように、第1種油球が通常通路NRに誘導され、アウト球とすることができるため(特別通路SRには誘導されないため)、油球ゴトを排除することができる。なお、開口部55gを開放している開閉部材55cの下面のクッション材55kが、入口55e方向を向いているため、導入通路55pを通過した第1種油球がクッション材55kに衝突し、その勢いが衰えた後、通常通路NRに誘導される。
【0268】
一方、正当な遊技球(第1種油球以外の遊技球)が開口部55gに到達しようとする場合には、当該遊技球の速度が所定速度以下であるため、所定時間が経過する前には当該遊技球が開口部55gに到達しない。つまり、当該発射された遊技球が開口部55gに到達したときには既に所定時間を経過しているため、
図38(c)に示すように、開閉部材55cが開口部55gを閉鎖している。このとき、導入通路52pと特別通路SRとが開閉部材55cを介して連絡しているため(第2状態であるため)、導入通路55pに進入した遊技球を特別通路SRに誘導することができる。
【0269】
図35を用いて更に説明すると、第2実施形態の遊技盤24にも、第1実施形態の遊技盤24と同様な内レール部5Aと外レール部5Bとが取り付けられており、遊技球発射機構7Aから発射された遊技球が誘導レール5Eで誘導され、遊技領域PEの上部に到達可能となっている。また、内枠13の前面側全体を覆うようにして、第1実施形態と同様な前扉枠14が設けられている。また、第1実施形態と同様に、前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。
【0270】
<電気的構成>
次に、第2実施形態のパチンコ機10Bの電気的構成についても、
図11のブロック図に基づいて説明することができる。但し、MPU202の入力ポートには、スルーゲート35を通過したことを検知する検知センサが接続されている。そして、MPU202はスルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。また、MPU202の出力側には、下作動口34Bの電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bも接続されている。そして、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。
【0271】
また、第2実施形態のパチンコ機10Bも、図柄表示装置41の表示内容については第1実施形態のパチンコ機10と同様である(
図12を参照)。
【0272】
第2実施形態のパチンコ機10Bも、遊技に際して用いるカウンタとして、大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別カウンタC2と、リーチ乱数カウンタC3と、乱数初期値カウンタCINIと、変動種別カウンタCSの他に、電動役物開放カウンタC4を備えている(
図13の括弧書きを参照)。つまり、下作動口34Bの電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を備える。
【0273】
カウンタC4は、各カウンタC1〜C3,CINI,CSと同様に、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。RAM204には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア232が設けられている。なお、大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先として、所謂「潜伏確変状態となる結果」が含まれていてもよい。
【0274】
ここで、第2実施形態においても、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の内容は第1実施形態と同様である。但し、通常大当たり結果を発生した場合、通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
【0275】
また、2R確変大当たり結果を発生した場合、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。なお、所謂「潜伏確変状態となる結果」としては、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持される大当たり結果を例示できる。
【0276】
更に、15R確変大当たり結果を発生した場合、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。なお、第2実施形態においても、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
【0277】
上記のように第2実施形態のパチンコ機10Bでは、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、上作動口33Bへの入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。ところで、低頻度サポートモードである場合には、前述のように下作動口34Bへの入賞を生じ難くなっているが、本不正防止装置50Bを備えないパチンコ機において仮に第1種油球ゴト行為を行った場合、下作動口34Bへ入賞する確率を、正当な遊技球(第1種油球でない場合)よりも高くできる。このため、低頻度サポートモードある場合においても、下作動口34Bへの入賞に基づいて大当たり当選となることが通常よりも高くなり、行為者に不当な利益を与える可能性がある。
【0278】
ここで、下作動口34Bの電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34Bの電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
【0279】
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
【0280】
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34Bへの入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34Bよりも上作動口33Bへの入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33Bよりも下作動口34Bへの入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34Bへの入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
【0281】
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするもののうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
【0282】
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
【0283】
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、実施例のパチンコ機10Bにおいて主制御装置81にて実行される各種処理について説明する。なお、第2実施形態においても、メイン処理及びNMI割込み処理については説明を省略する。
【0284】
<タイマ割込み処理>
先ず、第2実施形態のタイマ割込み処理は、
図39に示すように、ステップS103Bにおいて電動役物開放カウンタC4の更新を実行する点と、ステップS105のスルー用の通過処理の代わりにS105Bの通過検知処理を行う点と、ステップS106のスルー用の入賞処理を付加されている点が、第1実施形態のタイマ割込み処理と異なり、その他の点は第1実施形態のタイマ割込み処理と同様である。以下、ステップS103Bの処理、ステップS105Bの通過検知処理と、S106のスルー用の入賞処理について説明する。なお、後述する第3実施形態のタイマ割込み処理では、ステップS105Bの通過検知処理を行わない点が第2実施形態のタイマ割込み処理と異なる。
【0285】
<ステップS103Bの処理>
ステップS103Bでは、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
【0286】
<通過検知処理>
次に、通過検知処理について、
図40(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
【0287】
ステップS401Bでは、入口55eから不正防止装置50Bに遊技球が導入されたか否かを判定する。ここで、遊技球が入口55eから導入されたか否かは(進入したか否かは)、入口55eに設けられた検知センサ55bが、遊技球を検知したか否かを判定することで行うことができる。但し、前述のように遊技球が連続的に発射されても、入口55eへの遊技球の入球間隔(遊技球の発射間隔)が十分な長さ(0.6秒間隔)であるため、第2実施形態のスルー用の通過処理においては、通過フラグを1個のフラグのみとしている。この通過フラグは検知センサ55bが遊技球を検知すると格納され、後述する開放準備フラグが設定されると消去される。
【0288】
ステップS401Bにおいて肯定的に判定される場合には、ステップS402Bにおいて、通過フラグを通過フラグ格納エリアに設定し、本通過処理を終了する。また、ステップS401Bにおいて否定的に判定される場合には、そのまま本通過処理を終了する。
【0289】
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について
図40(b)のフローチャートを参照しながら説明する。
【0290】
ステップS411Bでは、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には、ステップS412Bに進み、役物保留記憶数SNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。
【0291】
ステップS411Bでスルーゲート35に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又はステップS412Bにて役物保留記憶数SNの値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
【0292】
一方、遊技球がスルーゲート35に入賞し、且つ、役物保留記憶数SN<4であることを条件にステップS413Bに進み、役物保留記憶数SNを1インクリメントする。続く、ステップS414Bでは、前記ステップS103Bにて更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM204の電役保留エリア233の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、本入賞処理を終了する。
【0293】
なお、スルー用の入賞処理では、第3保留ランプ部47を点灯させるための処理を実行する。第3保留ランプ部47は左側から順次点灯されるようになっており、例えば役物保留記憶数SNが1であれば左端の第3保留ランプ部47が点灯され、役物保留記憶数SNが4であれば全ての第3保留ランプ部47が点灯されるようになっている。
【0294】
<通常処理>
第2実施形態の通常処理においては、
図41に示すように、ステップ506の遊技状態移行処理を構成する開閉モード終了時の移行処理の内容が異なる点と、ステップS507の電役駆動処理の代わりにステップ507Bの電役サポート処理を行う点と、ステップ508Bの振分処理を行う点と、が第1実施形態の通常処理と異なる。なお、後述する第3実施形態の通常処理では、ステップ508Bの振分処理を行わない点が第2実施形態の通常処理と異なる。
【0295】
<遊技状態移行処理>
第2実施形態のパチンコ機10Bでは、
図42に示すように、遊技状態移行処理を構成する開閉モード終了時の移行処理において、ステップ1203B、ステップ1203C、ステップ1205〜ステップ1207の処理が付加されている点が第1実施形態のパチンコ機10と異なる。つまり、第2実施形態の開閉モード終了時の移行処理においては、下作動口34B(普通電動役物)へのサポートモードに差異を設けたことに対応する変更を行っている。
【0296】
先ずステップS1201にて、RAM204に、15R確変フラグ又は2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、ステップS1202にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS1203にて、高確率モードフラグを格納するとともに、ステップS1203Bにて高頻度サポートフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
【0297】
続くステップS1203Cでは、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
【0298】
ステップS1201にて、15R確変フラグ及び2R確変フラグの両方が格納されていないと判定した場合には、通常大当たりフラグが格納されていることに基づいて今回の開閉実行モードが行われたことを意味する。この場合、ステップS1204〜ステップS1207の処理を実行する。つまり、ステップS1204にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1205にて、高頻度サポートフラグを格納するとともに、ステップS1206にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
【0299】
続くステップS1207では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
【0300】
ちなみに、ステップS1203C又はステップS1207にて設定された高頻度サポートコマンドは、通常処理(
図41)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82は高頻度サポートコマンド及び低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、高頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが高頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
【0301】
遊技状態移行処理(
図27)の説明に戻り、ステップS1112の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS1113にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。
【0302】
<電役サポート用処理>
次に、ステップS506の電役サポート用処理を
図43〜
図45のフローチャートを参照して説明する。
【0303】
図43及び
図44に示すように、電役サポート用処理では先ずステップS1601にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、下作動口34Bの電動役物34aを開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
【0304】
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1602に進み、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
【0305】
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1603に進み、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
【0306】
第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1604にて、役物用表示部44における絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1605にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で役物用表示部44における絵柄の変動表示が終了される。
【0307】
第2タイマエリアT2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS1606にて、役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS1607にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1608にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
【0308】
開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1609にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。なお、第2役物タイマエリアT2はタイマ割込み処理が起動される度に1ディクリメントされる。
【0309】
続くステップS1610では、ステップS1609の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS1611の処理を実行することなくステップS1612に進み、サポート当選である場合には、ステップS1611にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットした後に、ステップS1612に進む。
【0310】
ステップS1612では、当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS1612にて否定判定をした場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。ステップS1612にて肯定判定をした場合には、ステップS1613にて遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1ディクリメントされる。
【0311】
遊技回数カウンタエリアが「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。遊技回数カウンタエリアが「0」である場合には、ステップS1614にて高頻度サポートフラグを消去する。続くステップS1615では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
【0312】
ステップS1615にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(
図16)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82は低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
【0313】
開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1616にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。
【0314】
続くステップS1617では、ステップS1616の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1618にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
【0315】
サポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS1602にて肯定判定をし、ステップS1619に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、役物用表示部44における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1620にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で役物用表示部44における絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1621では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
【0316】
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1622に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。電役開閉制御処理について、
図45のフローチャートを参照して説明する。
【0317】
先ず、ステップS1701にて電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かで判定する。電動役物34aが開放されている場合にはステップS1702に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。
【0318】
第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合にはステップS1703に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。
【0319】
その後、ステップS1704では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1ディクリメントした後に、ステップS1705にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」か否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了し、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」である場合には、サポート中フラグを消去した後に、本電役開閉処理を終了する。
【0320】
一方、電動役物34aが開放中でない場合にはステップS1701にて否定判定をし、ステップS1707に進む。ステップS1707では、第2タイマエリアT2が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2が「0」である場合には、ステップS1708にて、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。
【0321】
その後、ステップS1709にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1710にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1711にて第2タイマエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1712にて第2タイマエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
【0322】
<振分処理>
次に、ステップS508Bの振分処理について
図46(a)のフローチャートを参照して説明する。この振分処理では、ステップS1301Bにて通過フラグが設定されているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における通過フラグ格納エリアに通過フラグが格納されているか否かを判定することによってステップS1301Bの処理を行うことができる。
【0323】
ステップS1301Bの処理において肯定判定される場合には、ステップS1302Bの処理において、通過フラグを消去する処理と、排出許可フラグを設定する処理と、発射された遊技球を通常通路NRに排出(誘導)する排出動作を開始する処理と、排出終了タイマTUに所定値を設定する処理を行う。そして、ステップS1302Bの処理を実行すると振分処理を終了する。ここで、遊技球を通常通路NRに排出(誘導)する排出動作を開始する処理は、不正防止装置50Bを第2状態から第1状態にする処理である。
【0324】
ステップS1301Bの処理で否定判定される場合には、ステップS1303Bにて排出許可フラグが設定されているか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における排出許可フラグ格納エリアに許可フラグが格納されているか否かを判定することによって、ステップS1303Bの処理を行うことができる。ここで、排出許可フラグは「発射された遊技球を通常通路NRに誘導することを許可することを示すフラグ」であり、第2実施形態では通過フラグを解除すると排出許可フラグが設定される。
【0325】
ここで、遊技球の通常通路NRへの排出は、開閉部材55cを開閉ソレノイドで駆動し、開口部55gを開放し、導入通路55pを通過した遊技球を通常通路NRに進入可能とすることで実行される。また、排出終了タイマTUは通常処理が起動される度に1ディクリメントされる。そして、第2実施形態では、排出終了タイマTUに設定される値(所定値)が、発射ハンドル8Aの操作量に基いて定められる。つまり、
図46(b)に示すように、発射ハンドル8Aの操作量が少なく、遊技球の発射速度が相対的に遅い場合(所謂「左打ちの場合」)には、排出動作を時間T1で終了し、発射ハンドル8Aの操作量が多く、遊技球の発射速度が相対的に遅い場合(所謂「右打ちの場合」)には、排出動作を時間T2(但し、時間T2を時間T1より長時間)で終了するように設定する。
【0326】
通過フラグ及び排出許可フラグが設定されていない場合には、そのまま振分処理を終了する。一方、ステップS1303Bにて排出許可フラグが設定されていると判定されると、ステップS1304Bにて排出終了タイマTUが所定値になったか否か(排出動作の終了タイミングとなったか否か)を判定する。そして、ステップS1304Bにて否定的に判定されると、そのまま振分処理を終了する。この場合、更に排出動作が継続されることになるが、検知センサ55bが検知した遊技球が第1種油球であれば、遊技球の速度が所定速度を超えるため、所定時間が経過する前に、当該第1種油球がクッション材55kに衝突する。そして、開口部55gを通じて通常通路NRに誘導され、アウト球とすることができる。
【0327】
これに対して、ステップS1304Bにて肯定的に判定されると、ステップS1305Bにおいて、排出動作を終了する処理と排出許可フラグを消去する処理を実行し、振分処理を終了する。この場合、検知センサ55bが検知した遊技球が正規球(正当球)であれば、遊技球の速度が所定速度以下であるため、当該遊技球は所定時間が経過した後に開口部55gに到着する。このため、当該遊技球は開閉部材55c上を通過し、特別通路SRに誘導される。
【0328】
以上詳述した第2実施形態のパチンコ機10Bによれば、実施形態1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、発射装置7Cによって発射された遊技球が必ず通過する経路上(発射レール7Bが形成する経路上)に不正防止装置50Bを配置するため、第1種油球をより確実に排除できる。具体的には、発射装置7Cで発射される遊技球が、不正防止装置50Bに進入したことを検知センサ55bが検知することに呼応して開閉ソレノイドで駆動し、開閉部材55cが開口部55gを開放する(第1状態になる)。そして、所定時間が経過すると、開閉部材55cが開口部55gを閉鎖する(第2状態になる)が、発射装置7Cによって発射された遊技球の球速が、当該遊技球に付着した油分の影響で予想外に速い場合、所定時間が経過する前に当該遊技球が開放状態の開口部55gに到達するため、第1種油球は通常通路NRに誘導されることになる。
【0329】
しかも、第2実施形態のパチンコ機10Bによれば、第1種油球が発射装置7Cで発射されると、遊技球の通過経路のうち、始端側に位置する部位(発射レール7Bの経路途中)で第1種油球が排出されるため、パチンコ機10Bが油分で汚染される範囲を狭い範囲に止めることができる。つまり、不正防止装置50Bを用いることなく、第1種油球が使用された遊技機は、油分で汚染されるため、パチンコホールの業務終了後にパチンコホールの店員や清掃担当者はパチンコ機10Bから油分を拭き取る手間が大きくなる。ところが、第2実施形態の不正防止装置50Bを備えるパチンコ機10Bによれば、第1種油球ゴトが行われても、遊技領域PEに第1種油球が到達しないため、遊技盤24の清掃(油分の拭き取りなど)を行う手間が大きくならない。
【0330】
<他の実施の形態>
なお、上述した第2実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、適用対象として例示した実施の形態以外の実施の形態に対して適用してもよい。
【0331】
(1)第2実施形態では、不正防止装置50Bを発射レール7Bに配置する態様を例示したが、不正防止装置50Bを配置する位置、つまり、「発射される遊技球が必ず通過する位置」としては他の位置を例示できる。例えば、不正防止装置50Bを
図35の仮想線V1に示す位置(誘導レール5E)に配置(以下、変形例4という)したり、
図35の仮想線V2に示す位置(遊技領域PEにおいて誘導レール5Eの終端の近傍の位置)に配置(以下、変形例5という)したりする場合を例示できる。また、第2実施形態では、遊技球発射機構7Aから発射される遊技球が必ず通過する位置に不正防止装置50Bを配置したが、通過する確率が高い位置に不正防止装置50Bを配置してもよい。
【0332】
(2)遊技領域PEにおいて誘導レール5Eの終端の近傍の位置以外の位置に、不正防止手段を配置する態様を例示することもできる。例えば、
図47に示す変形例6に示すように、左打ち領域Lを流下する遊技球が必ず通過する不正防止手段150Bと、右打ち領域Rを流下する遊技球が必ず通過する不正防止手段151Bとを備えるパチンコ機を例示できる。つまり、不正防止手段150Bは、左打ち領域Lの上端側に設けられた検知センサ152Bと、検知センサ152Bの下方に所定間隔をおいて設けられた回収装置153Bとを備える。また、不正防止手段151Bは、右打ち領域Rの上端側に設けられた検知センサ154Bと、検知センサ154Bの下方に所定間隔をおいて設けられた回収装置155Bとを備える。ここで、不正防止手段150B、151Bも「振分手段」の一具体例を構成する。
【0333】
検知センサ152Bは左打ち領域Lを流下する遊技球の全てを検知可能な幅に設けられ、検知センサ154Bは右ち領域Rを流下する遊技球の全てを検知可能な幅に設けられている。また、回収装置153B、155Bは遊技盤24の背面側へと通じる回収口156B、157Bと、回収口156B、157Bを開閉する開閉扉158B、159Bを備えている。また、各開閉扉158B、159Bは、遊技盤24の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動部と連結されており、通常は遊技球が回収口156B、157Bを閉鎖した状態となっている。なお、遊技領域PEにおいて、検知センサ152B、154Bと回収装置153B、155Bとの間の部位が導入通路とされ、回収装置153B、155Bの下方が特別通路である。また、回収口156B、157Bの後方に通常通路が設けられている。
【0334】
この変形例6では検知センサ152Bが遊技球を検知すると、開閉扉158Bが下部の支点を基準に手前に回転し、前傾姿勢となり、回収口156Bを開放状態とする。そして、検知センサ152Bが遊技球を検知してから第1所定時間を経過すると、開閉扉158Bが下部の支点を基準に後方に回転し、起立姿勢となり、回収口156Bを閉鎖状態とする。このため、左領域Lを流下する遊技球が第1種油球であると、第1所定時間を経過する前に、当該遊技球が回収口156B(開閉扉158B)に到達するため、当該遊技球は回収口156Bに進入し、通常通路に誘導される。一方、左領域Lを流下する遊技球が正当球であると、第1所定時間を経過した後、当該遊技球が回収口156B(開閉扉158B)に到達するため、当該遊技球は回収口156B(開閉扉158Bの前面部)を通過し、特別通路に誘導される。
【0335】
また、検知センサ154Bが遊技球を検知すると、開閉扉159Bが下部の支点を基準に手前に回転し、前傾姿勢となり、回収口157Bを開放状態とする。そして、検知センサ154が遊技球を検知してから第2所定時間を経過すると、開閉扉159Bが下部の支点を基準に後方に回転し、起立姿勢となり、回収口157Bを閉鎖状態とする。このため、右領域Rを流下する遊技球が第1種油球であると、第2所定時間を経過する前に、当該遊技球が排出口157B(開閉扉159B)に到達するため、当該遊技球は排出口157Bに進入し、通常通路に誘導される。一方、右領域Rを流下する遊技球が正当球であると、第2所定時間を経過した後、当該遊技球が回収口157B(開閉扉159B)に到達するため、当該遊技球は回収口157B(開閉扉159Bの前面部)を通過し、特別通路に誘導される。
【0336】
このため、変形例6によっても、第2実施形態と同様な効果を得ることができる。なお、変形例6のように、不正防止手段150Bを左打ち領域Lに設け、不正防止手段151Bを右打ち領域Rに設ける場合においても、右打ち領域Rを流下する遊技球の球速は、左打ち領域Lを流下する遊技球の球速よりも速くなるのが一般的である。このため、第1所定時間を第2所定時間よりも長くしたり、検知センサ154Bと回収口157Bの距離よりも、検知センサ152Bと回収口158Bの距離を短くしてもよい。
【0337】
なお、変形例6では遊技球の流下速度が予定よりも速いと、当該遊技球を回収装置153B、155Bで回収し、流下速度が予定の速度以下であると、回収装置153B、155Bの前面部を通過させる態様を例示したが、他の具体例を例示することもできる。例えば、遊技領域PEにおいて内レール部5A寄りにアウト口37に向かって遊技球を流下させる排出ルートX1、X2を設ける。また、回収装置153B、155Bの位置に、ソレノイド等によって前後動可能な流下方向変更突起を設ける。そして、第2状態であるときには流下方向変更突起を後退させ、流下方向変更突起の前面部を遊技領域PEと略面一として、検知センサ152B、154Bを通過した遊技球が、流下方向変更突起の前面部を通過して、特別通路に誘導される。一方、第1状態であるときには流下方向変更突起を前進させ、流下方向変更突起を遊技領域PEよりも前方に突出させる。そして、検知センサ152B、154Bを通過した遊技球が、流下方向変更突起の上面部(当該上面部は、左側の流下方向変更突起では左傾斜面、右側の流下方向変更突起では右傾斜面)に到達すると、当該上面部の内レール部5Aへの下り傾斜面で案内され、排出ルート(X1若しくはX2)に誘導される。そして、遊技球が検知センサ152B、154Bと、流下方向変更突起との間の部位(導入通路)を流下する速度が予定の速度を超えるときには、流下方向変更突起を突出し、排出ルートX1、X2を通じて、アウト口37から排出する。一方、遊技球が検知センサ152B、154Bと、流下方向変更突起との間の部位(導入通路)を流下する速度が予定の速度以下の場合、流下方向変更突起を後退させ、遊技球を特別通路に誘導してもよい。
【0338】
このように、遊技球発射機構7Aから発射される遊技球が必ず通過する位置に設けられる不正防止手段の態様を第2実施形態に示す形態に限定されない。また、第1実施形態では、導入通路の終端の開口部を閉鎖すると、導入通路と通常通路が連絡され、開口部を開放すると、導入通路と特別通路が連絡される態様を例示し、第2実施形態では、導入通路の終端の開口部を開放すると、導入通路と通常通路が連絡され、開口部を閉鎖すると、導入通路と特別通路が連絡される態様を例示した。このように、振分手段(不正防止手段)や振分本体部の態様は、各実施形態に例示する態様に限定されない。
【0339】
次に、
図37および
図38を用いて応用例2の不正防止装置の機能を説明する。この応用例2では遅延球(例えば、第2種油球)を取り除くことを目的とするものであり、この応用例2では、不正防止装置50Bの状態は、検知センサ55bが遊技球を検知した後、特定時間が経過するまで第2状態とされる(開口部55gを閉鎖した第2状態とされる)。そして、検知センサ55bが遊技球を検知した後、特定時間を経過すると、不正防止装置50Bが第1状態(開口部55gを開放した第1状態)とされる。
【0340】
導入通路55pに導入された遊技球が正当な遊技球(第2油球でない正規球)であれば、当該遊技球の速度が特定速度を超えるため、特定時間(t1秒)が経過する前に、当該遊技球が開口部55bを閉鎖している開閉部材55c上を通過する。つまり、遊技球が正当な遊技球であれば、当該遊技球の速度が特定速度を越えるため、当該遊技球が開閉部材55c上を通過し、特別通路(
図37〜
図38中のSR)に誘導される。
【0341】
一方、遅延球(例えば、第2種油球)が開口部55gに到達する場合には、当該遊技球の速度が特定速度以下であるため、特定時間(t1秒)が経過する前には当該遊技球が開口部55gに到達しない。つまり、当該遊技球が開口部55gに到達する前に特定時間が経過するため、当該遊技球は既に開放状態となった開口部55gを通じて、通常通路(
図37〜
図38中のNR)に誘導される。このため、遅延球(例えば、第2種油球)をアウト球とすることができるため(
図37〜
図38中の特別通路SRには誘導されないため)、遅延球ゴト(例えば、第2種油球ゴト)を排除することができる。
【0342】
(第3実施形態)
第3実施形態においても「パチンコ機」の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。このパチンコ機Cは有利入球部への入球に関し、制限時間を設けたものである。但し、上記第1実施形態と同一の構成については、基本的にその説明を省略する。
【0343】
第3実施形態のパチンコ機10Cは、第1実施形態のパチンコ機10と同様な外枠11と、遊技機本体12とを有する。但し、第3実施形態の遊技盤24の盤面構成が、以下に示すように第1実施形態の遊技盤24の盤面構成と異なっている。また、第3実施形態のパチンコ機10Cの背面側の構成は、第1実施形態のパチンコ機10の背面側の構成と同様である。
【0344】
ここで、第3実施形態のパチンコ機10Cを構成する遊技盤24の構成を
図48に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,第1可変入賞装置32C,第2可変入賞装置32D,第1作動口(第1始動入球部)33C,第2作動口(第2始動入球部)34C,スルーゲート35,可変表示ユニット36,メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
【0345】
また、遊技盤24の背面側には、一般入賞口31,第1可変入賞装置32C,第2可変入賞装置32D,第1作動口33C及び第2作動口34Cのそれぞれに対応させて検知センサ(図示略)が設けられており、一般入賞口31,第1可変入賞装置32C,第2可変入賞装置32D,第1作動口33C及び第2作動口34Cへの入球が発生すると、それが対応する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、第1可変入賞装置32C若しくは第2可変入賞装置32Dへの入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、第1作動口33Cへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、第2作動口34Cへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。
【0346】
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0347】
第1作動口(第1始動入球部)33Cは、センターフレーム42とアウト口37との間に配置され、第2作動口(第2始動入球部)34Cは右打ち領域Rに配置されている。また、第1作動口(第1始動入球部)33C及び第2作動口(第2始動入球部)34Cは共に上向きに開放されている。また、第2作動口(第2始動入球部)34Cに、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。なお、第1作動口33Cや第2作動口34Cの配置箇所は第3実施形態に示す箇所に限定されず、例えば、遊技領域PEの中心下部の上下に第1作動口33Cと第2作動口34Cを並べてよい。
【0348】
第1可変入賞装置32Cは第1作動口(第1始動入球部)33Cの下方に配置されており、遊技盤24の背面側へと通じる第1大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、遊技盤24の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動部と連結されており、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。
【0349】
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。第1可変入賞装置32Cの開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として第1可変入賞装置32Cが繰り返し開放される態様がある。
【0350】
第2可変入賞装置32Dはセンターフレーム42に設けられている。この第2可変入賞装置32Dは、
図48及び
図49に示すように、センターフレーム42の右上部を切り欠いて第2大入賞口32eが設けられ、センターフレーム42の内部には第2大入賞口32eに入賞した遊技球を通過させる遊技球通路42bが設けられている。
【0351】
センターフレーム42の右上部には、第2大入賞口32eの開閉する開閉部材(開閉羽根)32fが、その下端側の支点を基準に回動可能に支持されている。そして、第2可変入賞装置32Dは第2大入賞口32eを閉鎖する閉状態と、第2大入賞口32eを開放する開状態とに切替可能となっている。ここで、開閉部材32fは遊技盤24の背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されている。そして、通常時においては、開閉部材32fが第2大入賞口32eを閉鎖して遊技球の入球が不可能となる閉状態となる(
図49の破線を参照)。一方、開閉部材32fが支点を基準に時計回転方向に回転すると、遊技球の入球が可能となる開状態となる(
図49の実線を参照)。また、第2可変入賞装置32Dが開状態となると、開閉部材32fが支点を基準に右上がり傾斜状態となり、遊技領域PEを流下する遊技球を第2大入賞口32eに案内する案内部材を構成する。
【0352】
なお、第3実施形態のパチンコ機10Cでは、第2可変入賞装置32Dは遊技球の入球が可能となる開状態と入球が不可能となる閉状態とに切替可能となっているが、第2可変入賞装置32Dは遊技球の入球が容易となる開状態と、同入球が不可能となる閉状態とに切替可能となっている。また、第3実施形態では、第2可変入賞装置32Dが羽根型の開閉部材を例示するが、この開閉部材が第2可変入賞装置32Cと同様に開閉扉であってもよい(アタッカータイプでもよい)。
【0353】
また、第3実施形態の第2可変入賞装置32Dでは通常時においては、開閉扉は閉状態のまま維持され、第2作動口34Cへの入球に基づく内部抽選において後述する特別当たりに当選した場合に抽選結果確定モードに切り替えられるようになっている。ここで、抽選結果確定モードとは、第2作動口34Cにおける抽選結果(特別当たり)が有効となって第1可変入賞装置32Cが開閉実行モードへ移行されるか、つまり開閉実行モードへの移行が確定されるか、それとも抽選結果が無効となり開閉実行モードへの移行が回避されるかを抽選するモードである。
【0354】
図49に示すように、センターフレーム42には不正防止装置50Dが内蔵されている。この不正防止装置50Dも、振分手段の他の具体例を示すものであり、遊技領域PEを流下した遊技球のうち、第2大入賞口32eに入賞したものの行き先を通常通路NR若しくは特別通路SRに振り分けるためのものである。
【0355】
センターフレーム42には、第2大入賞口32eを入口として遊技球通路42bが設けられている。この遊技球通路42bは、センターフレーム42内において、僅かに左下り傾斜面を備え、遊技球通路42bにおいて第2大入賞口32e寄りには検知センサ211gが設けられている。また、遊技球通路42bの奥側は凹部59cとされるとともに、凹部59cに誘導された遊技球は本パチンコ機10Cの機外に排出される。更に、遊技球通路42bの通路中間部(検知センサ211gと凹部59cの中間)には、下方に開口する開口部59dが設けられ、この開口部59dはシャッター59eによって開閉される。また、開口部59dの下方には特別通路SRが設けられ、この特別通路SRの端末は第1通路E1と第2通路E2とに分岐している。また、遊技球通路42bにおいて開口部59dよりも、凹部59cの側が通常通路NRである。
【0356】
特別通路SRの端末には、特別通路SRを第1通路E1若しくは第2通路E2に連通させる切替部材59fが設けられている。なお、第1通路E1には通常領域が設けられ、第2通路E2に特別領域(所謂「Vゾーン」)が設けられている。また、切替部材59fの後方には駆動部(ソレノイドを例示できるが図示を省略)が配置され、この駆動部が切替部材59fを揺動し、特別通路SRを第1通路E1に連通させるとともに特別通路SRを第2通路E2と非連通とする非誘導状態と、特別通路SRを第2通路E2に連通させるとともに特別通路SRを第1通路E1と非連通とする誘導状態と、を実行する。
【0357】
開口部59dの後方には駆動部(図示を省略)が配置され、駆動部に連結されたシャッター59eは駆動部によって駆動される。なお、第3実施形態では駆動部としてソレノイドを用いているが、モータ等の他のアクチュエータを用いることもできる。なお、凹部59cに誘導される毎に警告(音、光等による)を行ったり、凹部59cに誘導される頻度が一定以上の場合に警告(音、光等による)を行ったりしてもよい(後述する)。
【0358】
次に、不正防止装置50Dの機能を説明する。第2大入賞口32eを通じて、遊技球通路42bに入球した(導入された)遊技球は、遊技球通路42bの下り傾斜を利用して、シャッター59eの方向に転動する。そして、正当な遊技球(第1種油球以外の遊技球)が開口部59dに到達したときには、駆動部が駆動して、開口部59dが開放されている。つまり、正当な遊技球は球速が遅いため、開口部59dに到達したときには既にシャッター59eが開口部59dを開放している。このため、開口部59dを通じて遊技球通路42bと特別通路SRとが連通し、遊技球通路42b(導入路)を転動した遊技球を特別通路SRに誘導することができる。これに対して、遊技球通路42b(導入路)に入球した(導入された)遊技球が第1種油球であれば、駆動部が駆動する前にシャッター59f上を通過する。つまり、第1種油球は球速が速いため、当該第1種油球がシャッター59f上を通過した後にシャッター59eが開口部59dを開放する。このため、第1種油球は遊技球通路42bにおいて通常通路NR、凹部59cの順に誘導される。
【0359】
第3実施形態のパチンコ機10Cにおいても、メイン表示部43及び役物用表示部44、装飾部材39の構成は第1実施形態のパチンコ機10と同様である。また、メイン表示部43には、大当たり当選となることで第1可変入賞装置32Cが開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける第1可変入賞装置32Cの第1大入賞口32aが開放される回数を明示するためのラウンド表示部RSと、第1作動口33Cへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、第2作動口34Cへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
【0360】
つまり、第1結果表示部ASは、第1作動口33Cの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1作動口33Cの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第1作動口33Cの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
【0361】
第2結果表示部BSでは、第2作動口34Cへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第2作動口34Cへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第2作動口34Cへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モード又は抽選結果確定モードに移行される。ここで、いずれかの作動口33C,34Cへの入賞に基づいて、対応する表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
【0362】
第3実施形態のパチンコ機10Cを構成するラウンド表示部RSも、開閉実行モードの開始に際して開放回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。また、役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、第2作動口34Cに設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
【0363】
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
【0364】
第3実施形態のパチンコ機10Cを構成する可変表示ユニット36は、第1実施形態のパチンコ機10を構成する可変表示ユニット36と同様である。また、センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。
【0365】
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留ランプ部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0366】
第3実施形態の遊技盤24にも、第1実施形態の遊技盤24と同様な内レール部5Aと外レール部5Bとが取り付けられており、遊技球発射機構7Aから発射された遊技球が誘導レールで誘導され、遊技領域PEの上部に到達可能となっている。また、内枠13の前面側全体を覆うようにして、第1実施形態と同様な前扉枠14が設けられている。また、第1実施形態と同様に、前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。
【0367】
<電気的構成>
次に、第3実施形態のパチンコ機10Cの電気的構成についても、
図11のブロック図を適用することができる。但し、MPU202の出力側には、不正防止装置50Dを構成する駆動部(ソレノイド)が接続されており、検知センサ211gが遊技球の通過を検知に基づいて駆動部が駆動する。
【0368】
また、第3実施形態のパチンコ機10Cにおいて図柄表示装置41の表示内容は第1実施形態と同様である。
【0369】
<各種カウンタについて>
第3実施形態のパチンコ機10Cも、遊技に際して用いるカウンタとして、
図13に示す各種カウンタを備える。但し、第3実施形態のパチンコ機10Cにおいては、「大当たり乱数カウンタバッファ」を「当たり乱数カウンタバッファ」と読み代え、「大当たり種別カウンタバッファ」を「当たり種別カウンタバッファ」と読み代えて、
図13を適用することとする。
【0370】
つまり、MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たりや特別当たりの発生抽選、メイン表示部43の表示の設定(すなわち主表示基板の表示態様の設定)、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たりや特別当たりの発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、後述する高頻度サポートモードの有無を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第2実施形態のパチンコ機10Cと同様に、第2作動口(第2始動入球部)34Cの電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を備えている。
【0371】
各カウンタC1〜C4,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。RAM204には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア232が設けられている。そして、この保留球格納エリア632に、第1作動口33C又は第2作動口34Cへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2の各値が時系列的に格納されるようになっている。
【0372】
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33C又は第2作動口34Cに入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、第1作動口33Cに遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34Cに遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
【0373】
当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について
図50を用いて説明する。
図50に示すように、当否テーブルとしては、各作動口33C,34Cに個別に対応させて2種類設定されている。つまり、第1作動口33Cへの入賞が発生した場合に参照される第1作動口用の当否テーブル(第1作動口用当否情報群)と、第2作動口34Cへの入賞が発生した場合に参照される第2作動口用の当否テーブル(第2作動口用当否情報群)とが設定されている。
【0374】
上記抽選に際して第1作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、
図50(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち、「7」及び「307」が大当たり結果に対応しており、それ以外が外れ結果に対応している。
【0375】
一方、
図50(b)に示すように、上記抽選に際して第2作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状況下では、上記第1作動口用の当否テーブルと同様に、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。また、「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「51〜60」,「151〜160」,・・・,「551〜560」が特別当たり結果に対応しており、それ以外が外れ結果に対応している。
【0376】
ここで、大当たり結果と特別当たり結果との違いについて説明する。各作動口33C,34Cへの入賞に基づいた抽選により大当たり結果となった場合には、第1可変入賞装置32Cが開閉実行モードへ移行される。一方、同抽選により特別当たり結果となった場合には、直ちに第1可変入賞装置32Cが開閉実行モードへ移行されるのではなく、もう一度別の抽選を行う権利が付与されることとなり、その抽選に当選することで上記大当たり結果の場合と同様に第1可変入賞装置32Cが開閉実行モードへ移行されることとなる。
【0377】
具体的には、特別当たり結果となった場合には、先ず第2可変入賞装置32Dが開状態に移行される。その際、第2大入賞口32eに入賞し、遊技球通路42bに進入した遊技球が特別通路SRに誘導され、更に、第2通路E2(特別領域)に進入することで当たりが確定し、第1可変入賞装置32Cが開閉実行モードに移行される。言い換えれば、特別当たりに当選した場合には、第2通路E2(特別領域)への入球を契機として大当たりと同様の結果が遊技者に対して付与される。
【0378】
次に当たり種別カウンタC2について説明する。当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33C又は第2作動口34Cに入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、第1作動口33Cに遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34Cに遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
【0379】
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について
図51を用いて説明する。
図51に示すように、振分テーブルとしては、各作動口33C,34Cに個別に対応させて2種類設定されている。つまり、第1作動口33Cへの入賞が発生した場合に参照される第1作動口用の振分テーブル(第1作動口用振分情報群)と、第2作動口34Cへの入賞が発生した場合に参照される第2作動口用の振分テーブル(第2作動口用振分情報群)とが個別に設定されている。
【0380】
これら振分テーブルを参照して、開閉実行モード終了後の第2作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードの振分が行われる。
【0381】
第2作動口34Cの電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34Cの電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
【0382】
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
【0383】
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34Cへの入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口34Cよりも第1作動口33Cへの入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口33Cよりも第2作動口34Cへの入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口34Cへの入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
【0384】
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、スルーゲート用表示部DSにおける1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするもののうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
【0385】
但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
【0386】
本パチンコ機10Cでは、大当たり結果又は特別当たり結果となった場合の低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードへの振分態様は、第1作動口33Cへの入賞に基づいて当たり当選となった場合と、第2作動口34Cへの入賞に基づいて当たり7選となった場合とで異なっている。
【0387】
具体的には、上記振分に際して第1作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、
図51(a)に示すように、高頻度サポートモード当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「0〜14」の15個である。一方、上記振分に際して第2作動口用の振分テーブルが参照されることとなる遊技状況下では、
図51(b)に示すように、高頻度サポートモード当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「0〜24」の25個である。つまり、第1作動口33Cへの入賞により大当たりに当選した場合には1/2の確率で高頻度サポートモードに振り分けられ、第2作動口34Cへの入賞により大当たり又は特別当たりに当選した場合には、5/6の確率で高頻度サポートモードに振り分けられることとなる。
【0388】
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらにサポートモードの変更は発生しない。
【0389】
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
【0390】
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC3は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
【0391】
既に説明したように、MPU202では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が用いられる。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
【0392】
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、第3実施形態のパチンコ機10Cにおいて主制御装置81にて実行される各種処理について説明する。なお、第3実施形態においても、メイン処理及びNMI割込み処理の説明を省略する。
【0393】
<タイマ割込み処理>
先ず、第3実施形態のタイマ割込み処理は、ステップS103Bにおいて、「大当たり乱数カウンタ」の代わりに「当たり乱数カウンタ」、「大当たり種別カウンタ」の代わりに「当たり種別カウンタ」とする点が第2実施形態のタイマ割込み処理(
図39)と異なる。また、ステップS105Bの通過検知処理を行わない点が第2実施形態のタイマ割込み処理と異なる。
【0394】
<作動口用の入賞処理>
第3実施形態の作動口用の入賞処理においても、
図18のフローチャートを参照して説明することができる。但し、ステップS201において「上作動口33」に入賞したか否かを判定することの代わりに「第1作動口33C」に入賞したか否かを判定する点と、ステップS206において「下作動口34」に入賞したか否かを判定することの代わりに「第2作動口34C」に入賞したか否かを判定する点とが、
図18のフローチャートに示す作動口用の入賞処理と異なる。
【0395】
また、情報取得処理においては、S304において「大当たり乱数カウンタC1」の代わりに「当たり乱数カウンタC1」の値を取得し、「大当たり種別カウンタ」の代わりに「当たり種別カウンタ」の値を取得する点が異なる他は、
図19のフローチャートに示す情報取得処理(
図19)と同様である。
【0396】
<スルー用の入賞処理>
第3実施形態のスルー用の入賞処理は、第2実施形態のスルー用の入賞処理と同様である(
図40(b)参照)。
【0397】
<通常処理>
第3実施形態の通常処理は、ステップS508Bの振分処理を行わない点が第2実施形態の通常処理(
図41)と異なる。
【0398】
<遊技回制御処理>
第3実施形態の遊技回制御処理は、変動開始処理の具体的な内容が異なる他は、第2実施形態の遊技回制御処理と同様である(
図22,
図23,
図52,
図25,
図26参照)。
【0399】
<変動開始処理>
次に、第3実施形態の変動開始処理について、
図52のフローチャートを参照して説明する。変動開始処理では、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示を開始させるとともに、図柄表示装置41における変動表示を開始させるように音声ランプ制御装置82に出力するコマンドを設定する。
【0400】
先ずステップS801Cにて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり結果、特別当たり結果、又は外れ結果のいずれに対応しているかを判定する。具体的には、先ず入賞先が第1作動口33C及び第2作動口34Cの何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて上記当否テーブルを選択し、その選択した当否テーブルを参照して当たり乱数カウンタC1の値が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。大当たり結果に対応していない場合、特別当たり結果に対応しているか否かを判定する。特別当たり結果に対応していない場合、外れ結果に対応しているものと判定する。つまり、当たり乱数カウンタC1の値が外れ結果に対応した値と一致するか否かの判定を行わない。
【0401】
なお、当否判定処理の方法を変更してもよく、例えば、大当たり結果に対応しているか否か、特別外れ結果に対応しているか否か、及び、完全外れ結果に対応しているか否かの判定をそれぞれ行うようにしてもよい。
【0402】
続くステップS802Cでは、振分判定処理を実行する。振分判定処理では、ステップS801Cでの当否判定処理の結果が大当たり結果又は特別当たり結果であるか否かを判定し、判定の結果が外れ結果である場合には本処理を終了する。一方、当否判定処理の結果が大当たり結果又は特別当たり結果である場合には、入賞先が第1作動口33C及び第2作動口34Cの何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて上記振分テーブルの選択を行い、その選択された振分テーブルを参照して当たり種別カウンタC2の値が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。つまり、当たり種別カウンタC2の値が低頻度サポートモードに対応しているか否かの判定を行わない。
【0403】
当否判定処理及び振分判定処理を実行したらステップS803C〜ステップS811Cにて、今回の遊技回において結果表示部AS、BSで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。具体的には、ステップS803Cでは、当否判定処理の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合、ステップS804Cに進み、RAM204の各種フラグ格納エリア235に開閉実行モードフラグをセットした後、ステップS805Cに進む。
【0404】
ステップS805Cでは振分判定処理の結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。この結果、高頻度サポートモードに対応している場合には、ステップS806Cに進み、高頻度サポートモード対応の大当たり(以下便宜上、第1大当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第1大当たり当選用の停止結果設定処理においては、第1大当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第1大当たり結果に対応していることを特定できる。第1大当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
【0405】
一方、高頻度サポートモードに対応していない場合には、ステップS807Cに進み、高頻度サポートモード非対応の大当たり(以下便宜上、第2大当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第2大当たり当選用の停止結果設定処理においては、第2大当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第2大当たり結果に対応していることを特定できる。第2大当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
【0406】
ステップS801Cでの当否判定処理の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS808Cに進み、同当否判定処理の結果が特別当たり当選であるか否かを判定する。特別当たり当選である場合、ステップS809Cに進み、抽選結果確定モードフラグをRAM204の各種フラグ格納エリア235にセットした後、ステップS810Cに進む。なお、抽選結果確定モードフラグは、特別当たり発生後に、第2可変入賞装置32Dを開放することで、第2通路E2(特別領域)への入賞を許容するフラグである。
【0407】
続くステップS810Cでは、振分判定処理の結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。この結果、高頻度サポートモードに対応している場合には、ステップS811Cに進み、高頻度サポートモード対応の特別当たり(以下便宜上、第1特別当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第1特別当たり当選用の停止結果設定処理においては、第1特別当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第1特別当たり結果に対応していることを特定できる。第1特別当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
【0408】
一方、高頻度サポートモードに対応していない場合には、ステップS812Cに進み、高頻度サポートモード非対応の特別当たり(以下便宜上、第2特別当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第2特別当たり当選用の停止結果設定処理においては、第2特別当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第2特別当たり結果に対応していることを特定できる。第2特別当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
【0409】
ステップS808Cにて特別当たりに当選していないと判定された場合、ステップS813Cに進む。ステップS813Cでは、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。本停止結果設定処理では、表示テーブルに記憶された完全外れ結果に対応した表示データが停止結果として設定される。各停止結果設定処理では、変動表示が終了した場合の各結果表示部AS、BSにおける停止結果を設定する。
【0410】
ステップS806C、ステップS807C、ステップS811C、ステップS812C、ステップS813Cのいずれかにて停止結果設定処理を実行したら、ステップS814Cに進む。ステップS814Cでは、変動表示時間の設定処理を実行する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに変動表示時間をセットする。変動表示時間カウンタエリアの値は所定期間毎に減算されるようになっており、その値が「0」となった場合にその遊技回が終了される。
【0411】
変動表示時間の設定処理では、変動種別カウンタCSの値を取得するとともに、ROM603に記憶された変動表示時間テーブルからその変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を選択するようになっている。変動表示時間テーブルには、大当たり結果に対応したものと、特別当たり結果に対応したものと、外れ結果に対応したものと、が設定されている。これにより、変動種別カウンタCSの値が同一であったとしても遊技結果によって変動表示時間を異ならせることが可能となる。この結果、設定される変動表示時間のパターンを多様化できる。
【0412】
変動表示時間を設定したらステップS815Cに進む。ステップS815Cでは、変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、大当たり結果、特別当たり結果、高頻度サポートモード対応の有無の情報などが含まれる。
【0413】
ステップS815Cにて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(
図41)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置82から表示制御装置41に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置41では、音声ランプ制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
【0414】
その後、ステップS816Cにて、各結果表示部AS、BSにおいて絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。なお、第1結果表示部ASに表示される停止絵柄として、第1大当たり結果,第2大当たり結果及び外れ結果にそれぞれ対応する停止絵柄が設定されている。また、第2結果表示部BSに表示される停止絵柄として、第1大当たり結果,第2大当たり結果,第1特別当たり結果,第2特別当たり結果及び外れ結果にそれぞれ対応する停止絵柄が設定されている。
【0415】
本実施の形態においては特に、高頻度サポートモード対応の当たり結果に対応する停止絵柄の表示パターンと、高頻度サポートモード非対応の当たり結果に対応する停止絵柄の表示パターンとが同数となっている。これにより、停止された絵柄の表示パターンを確認することで抽選結果が高頻度サポートモード対応しているか否かを判別することを困難なものとしている。なお、各結果表示部AS、BSの変動表示パターンについては、ROM203に記憶された表示テーブルによって予め複数設定されており、変動パターン決定の際には同表示テーブルを参照する。
【0416】
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS505の遊技状態移行処理を
図53のフローチャートを参照して説明する。
【0417】
先ず、ステップS901Cでは、大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中か否かを判定する。大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中でない場合には、ステップS902Cに進む。ステップS902Cでは、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モード中か否かを判定する。つまり、第2作動口34Cへの入賞に基づく抽選結果が特別当たり結果となり、第2可変入賞装置32Dへの遊技球の流入が許容されるモードへ切り替わっているか否かを判定する。
【0418】
ステップS901C及びステップS902Cのそれぞれでは、各種フラグ格納エリア235に設けられた開閉実行モードフラグ格納エリア及び抽選結果確定モードフラグ格納エリアに対応したフラグがセットされているか否かによって判定する。なお、抽選結果確定モードフラグは、第2作動口34Cへの入賞に基づく抽選を行った際に、特別当たりに当選することで上記フラグ格納エリアに格納される。
【0419】
ステップS902Cにて特別当たり結果に対応した抽選結果確定モード中であると判定した場合には、ステップS903Cの特別当たり用の移行処理に進む。この特別当たり用の移行処理については後述する。
【0420】
一方、ステップS902Cにて抽選結果確定モード中でないと判定した場合、ステップS904Cに進む。ステップS904Cでは、1の遊技回の各結果表示部AS、BSにおける変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0421】
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS905Cにて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。同フラグが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0422】
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS906Cにて第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「15」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、第1大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。
【0423】
続くステップS907Cにおいては、今回の当たり結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定し、同高頻度サポートモードに対応している場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートモードフラグをセットする。
【0424】
ステップS907Cの処理を実行した後は、ステップS908Cにてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(
図41)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度サポートモード又は低頻度サポートモードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置41に送信され、表示制御装置41では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。ステップS908Cの処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
【0425】
ここで、
図54を用いて、ステップS903C(
図53)に示す特別当たり用の移行処理について簡単に説明する。「0〜599」の当たり乱数カウンタC1のうちの特別当たり結果〔
図50(b)参照〕に対応した「51〜60」,「151〜160」,「251〜260」,「351〜360」,「451〜460」,「551〜560」のうち、「51〜60」,「251〜260」,「451〜460」であると、特別当たりを行う際に第2可変入賞装置32Dの開放パターンが第1開放パターンとなり、「151〜160」,「351〜360」,「551〜560」であると、特別当たりを行う際に第2可変入賞装置32Dの開放パターンが第2開放パターンとなる。
【0426】
第1開放パターンが行われる場合には、
図54(b)に示すように、第2結果表示部BSにて特別当たりに対応した所定の絵柄が確定表示されたタイミングTx(
図54(a)参照)から、特定時間(第3実施形態では1.0秒)経過後のタイミングT0において開閉部材32fが開放され、それから1.6秒経過した後のタイミングT4において、開閉部材32fが閉鎖される。また、遊技球が発射された後、当該遊技球が第2可変入賞装置32Dへ到達するまでの時間が約2秒に設定されているが、第2結果表示部BSにて特別当たりに対応した所定の絵柄が確定表示されたタイミングTxから、2秒経過後のタイミングT2において、切替部材59fが非誘導状態から誘導状態に切り替えられ、それから0.2秒経過した後のタイミングT3において、切替部材59fが非誘導状態に復帰する。このため、第1開放パターンが行われた場合には、遊技球(第1種油球でない正当な遊技球)を第2通路E2(特別領域)へ流入させることが可能である。
【0427】
一方、第2開放パターンが行われる場合には、
図54(c)に示すように、第2結果表示部BSにて特別当たりに対応した所定の絵柄が確定表示されたタイミングTx(
図54(a)参照)から、特定時間(第3実施形態では1.0秒)経過後のタイミングT0において開閉部材32fの1度目の開放が行われ、それから0.1秒経過後のタイミングT1において一旦開閉部材32fが閉鎖される。そして、そこから0.9秒経過後(1度目の開放開始タイミングT0から1.0秒経過後)のタイミングT2において開閉部材32fの2度目の開放が開始され、それから1.6秒経過した後のタイミングT5において、開閉部材32fが閉鎖される。なお、開閉部材32fの1度目(0.1秒間)の開閉動作は、第2可変入賞装置32Dへ遊技球が入球できない程度の開閉速度で行われる。そして、第2開放パターンの実行中も、
図54(d)に示すように、開閉部材32fの最初の開放開始タイミングT0から1秒経過後のタイミングT2において、切替部材59fが非誘導状態から誘導状態に切り替えられ、それから0.2秒経過した後のタイミングT3において、切替部材59fが非誘導状態に復帰する。
【0428】
第2開放パターンが実行される場合には、第2可変入賞装置32Dへ入球した遊技球が第2通路E2(特別領域)への分岐に差し掛かる時点には、既に切替部材59fが非誘導状態へ切り替わってしまっている可能性が高いため、正当な遊技球(第1種油球でない正当な遊技球)が第2通路E2(特別領域)へ流入することがほとんどあり得ない状況となる。つまり、当該パチンコ機の設計者は、第2開放パターンを実行する特別当りが選択されると、遊技球(第1種油球でない正当な遊技球)が第2通路E2(特別領域)へ流入する可能性が低くなるように設計している。一方、本不正防止装置50Dを用いないパチンコ機では、第1種油球であれば第2大入賞口32e、遊技球通路42b、特別通路SRの順に第1種油球を通過させ、タイミングT2からタイミングT3において、誘導状態の切替部材59fが非誘導状態に切り替えられるまでの間に、当該第1種油球を第2通路E2(特別領域)へ流入させることが可能である。
【0429】
但し、第3実施形態では、遊技球通路42bに不正防止部材50Dを内蔵し、第1種油球が特別通路SRに誘導されないようにするため、当該パチンコ機の設計者が意図するように、第2開放パターンを実行する特別当りが選択された場合には、第2通路E2(特別領域)へ流入することがあり得ない状況となる。なお、第3実施形態では、遊技球が発射された後、当該遊技球が第2可変入賞装置32Dへ到達するまでの時間が約2秒に設定されている。かかる構成の下、第2結果表示部BSにて特別当たりに対応した所定の絵柄が確定表示されたタイミングTxから、2秒経過後のタイミングT2において、切替部材59fが非誘導状態から誘導状態に切り替えられる構成となっている。
【0430】
そして、開閉部材32fの開放終了のタイミングとなると、第2通路E2(特別領域)に遊技球が流入したか否かを判定する。そして、第2通路E2(特別領域)への入賞有りと判定した場合、第1可変入賞装置32Cに対応した開閉実行モード設定処理を実行し、第2通路E2(特別領域)への入賞有りと判定しなかった場合、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
【0431】
遊技状態移行処理(
図53)の説明に戻り、ステップS901Cにて大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中であると判定した場合、ステップS909C〜ステップS912Cの大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード用の処理を実行する。
【0432】
ステップS901Cにて大当たりに対応した開閉実行モード中であると判定した場合、ステップS909Cに進む。ステップS909Cでは、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS910Cにて第1可変入賞装置開閉処理を実行する。
【0433】
第1可変入賞装置開閉処理では、第1大入賞口32aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、第1可変入賞駆動部(図示を省略)を駆動状態とすることで第1大入賞口32aを開放させる。また、第1大入賞口32aが開放中である場合には、当該第1大入賞口32aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、第1可変入賞駆動部(図示を省略)の駆動状態を停止し、第1大入賞口32aを閉鎖させる。
【0434】
ステップS910Cにて第1可変入賞装置開閉処理を実行した後に、続くステップS911Cにて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS912Cにて開閉実行モードフラグをクリアする。
【0435】
ステップS912Cにて開閉実行モードフラグをクリアしたらステップS913Cに進み、高頻度サポートモードフラグがセットされているか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグがセットされていない場合、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。高頻度サポートモードフラグがセットされている場合、ステップS914に進み、RAM204に設けられた遊技回数カウンタに「100」をセットして本遊技状態移行処理を終了する。遊技回数カウンタに「100」がセットされることにより、高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、サポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。なお、高頻度サポート継続回数(制限遊技回数)は、100回に限定されることはなく、10回、20回、30回といった1回以上100回未満であってもよく、101回以上であってもよい。
【0436】
<電役サポート用処理>
次に、通常処理におけるステップS506の電役サポート用処理については、第2実施形態の電役サポート用処理と同様である(
図43〜
図45を参照)。
【0437】
以上詳述した第3実施形態のパチンコ機10Cによれば、第2可変入賞装置32D内に不正防止装置50Dを内蔵しているため、第1種油球が第2大入賞口32eに向かって発射されても、この第1種油球を特別通路SRに誘導することがない。つまり、第3実施形態のパチンコ機10Cによれば、不正防止装置50Dを備えるため、特別通路SRへの進入を狙う遊技球に対して、第1種油球を取り除くために常時一定の動きをするシャッター59fと、その動作を開始するためのスイッチ(検知センサ211g)を設け、第1種油球をパチンコ機10C外若しくはアウト口37へ向かわせるような機構を遊技盤24面に設置する。
【0438】
そして、スイッチ(検知センサ211g)通過から一定時間経過後にシャッター59fを動かすことで、第1種油球であれば通過スピードが速いため、シャッター59f上を渡り切り排出口(凹部59h)へ向かい、第1種油球でなければシャッター59fを渡り切れず、特別通路SRに向かう。これにより、第1種油球を取り除くことができ、不正対策を向上させることができる。
【0439】
また、油分が付着した遊技球(第1種油球)と、正当な遊技球(第1種油球でない正規の遊技球)を選別することは困難であるが、第3実施形態においても遊技球(第1種油球)と正当な遊技球(第1種油球でない遊技球)が同一距離を通過する速度の差(第1種油球の方が速い)に着目し、第1種油球を取り除くことができる。しかも、正当な遊技球に何ら悪影響を与えることなく、第1種油球のみを取り除くことができる。
【0440】
<他の実施の形態>
なお、上述した第3実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、適用対象として例示した実施の形態以外の実施の形態に対して適用してもよい。
【0441】
(1)第3実施形態では、不正防止装置50Dを第2可変入賞装置32Dに内蔵する態様を例示したが、
図55の変形例7に示すように、不正防止装置50Dを第2可変入賞装置32Dの外部に設けてもよい。この場合、不正防止装置50Dを非電動役物で構成してもよく、この場合、特別電動役物の数を制限した場合に有効である。
【0442】
なお、変形例7は、遊技領域PEの右下部に設けた態様を示している。また、
図55に示す第2可変入賞装置32Dは、遊技盤24の背面側へと通じる第2大入賞口32gを備えているとともに、当該大入賞口32gを開閉する開閉扉32hを備え、開閉扉32bは遊技盤24の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動部と連結されている。そして、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。また、大入賞口32aは、第2可変入賞装置32Dの第1内部通路32iに接続され、大入賞口32aから入賞した遊技球は第1内部通路32iに進入する。更に、第1内部通路32iは第2内部通路(通常領域)32mと第3内部通路(特別領域)32nとに分岐し、第1内部通路32iの端末には振分片32pが回動可能な状態に配置されている。そして、振分片32pが
図55(a)に示す状態となると、第1内部通路32iと第2内部通路(通常領域)32mが連通し、第1内部通路32iを通過した遊技球が第2内部通路(通常領域)32mに誘導される(以下、通常誘導状態という)。また、振分片32pが
図55(b)に示す状態となると、第1内部通路32iと第2内部通路(通常領域)32mが非連通な状態となるとともに、第1内部通路32iと第3内部通路(特別領域)32nが連通し、第1内部通路32iを通過した遊技球が第3内部通路(特別領域)32nに誘導される(以下、特別誘導状態という)。
【0443】
この変形例7においても、所定の特別当りを生ずると、特別誘導状態となる期間が短い場合、第1種油球ゴトの標的となり得る。但し、不正防止装置50Dを用いて第1種油球を除去することができる。
【0444】
(2)第3実施形態では、特別通路SRに遊技球が到達すると、第1可変入賞装置32Cが開閉実行モード(開閉実行状態)に移行する態様を例示した。但し、本実施形態の特別当りを大当たりと読み替え、特別当り(大当たり)を発生すると第2可変入賞装置32Cを用いた開閉実行モード(開閉実行状態)に移行する。そして、この開閉実行モード(開閉実行状態)中に特別通路SRに遊技球が到達することで、開閉実行モード(開閉実行状態)の終了後に高確率モードとなったり、高頻度サポート状態となることとしてもよい。
【0445】
例えば、
図56に示す変形例8の示すパチンコ機では、第3実施形態と同様な遊技盤24を備えている。但し、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)として
図14(a)に示すものを用い、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)として
図14(b)に示すものを用いる。また、表示結果用の振分テーブルとして
図56(a)及び(b)に示す振分テーブルを用いている。
【0446】
変形例8の第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が大当たり結果Aに対応しており、「10〜19」が大当たり結果Bに対応しており、「20〜29」が大当たり結果Cに対応している。一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が大当たり結果Dに対応しており、「10〜29」が大当たり結果Eに対応している。
【0447】
変形例8に示すパチンコ機では、大当たり結果B又は大当たり結果Cを得るとラウンド数が12の開閉実行モードを行い、大当たり結果A、大当たり結果D若しくは大当たり結果Eを得るとラウンド数が16の開閉実行モードを行う。また、何れの大当たり結果を得ても、第5ラウンドを除いて第1可変入賞装置32Cによって開閉実行モードを行い、第5ラウンドを第2可変入賞装置32Dによって開閉実行モードを行う。但し、大当たり結果A若しくは大当たり結果Dが得られた場合には第5ラウンドを前述の第2開放パターンに基づいて実行し、大当たり結果B、大当たり結果C若しくは大当たり結果Eが得られた場合には第5ラウンドを前述の第1開放パターンに基づいて実行する。つまり、変形例8の示すパチンコ機では、開閉実行モードを開始すると「第5ラウンドを除く各ラウンド」で、高頻度入賞モードに基づいて第1可変入賞装置32Cを駆動し、第5ラウンドにおいて前述の第1開放パターン若しくは第2開放パターンに基づいて、第2可変入賞装置32Dを駆動する。そして、開閉実行モードを終了した後、第5ラウンドにおいて第3内部通路(特別領域)32nを通過したか否か(確変フラグが設定されたか否か)を判定する。そして、第3内部通路(特別領域)32nを通過している場合(確変フラグが設定されている場合)には、確変フラグを消去し、高確率モードフラグがセットされる(
図28を参照)。
【0448】
変形例8の示すパチンコ機においては、第2可変入賞装置32Dが開状態となる第5ラウンドに、遊技球が第2通路E2(特別領域)を通過することができると、開閉実行モードを終了した後に当否抽選モードが高確率モードとなり、第2通路E2(特別領域)を通過させることができないと、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが低確率モードとなる。ここで、変形例8に示すパチンコ機の設計者は大当たり結果に応じて、遊技球を、第2通路E2(特別領域)を通過させ易くしたり、通過させ難くすることで、パチンコ機の射幸性が著しく高くならないようにしている。但し、第1種油球ゴトを行うことで、本来、遊技球が第2通路E2(特別領域)を通過することができない筈の大当たり結果Aや大当たり結果Dを発生した場合においても、開閉実行モードを終了した後に当否抽選モードが高確率モードになることがある。これに対して、変形例8のパチンコ機によれば、第2可変入賞装置32D内に不正防止装置50Dを内蔵しているため、第1種油球が第2大入賞口32eに向かって発射されても、この第1種油球を特別通路SRに誘導することがない。
【0449】
(3)第3実施形態では、第2可変入賞装置32Dが設けられた特別領域と、特別領域に遊技球が到達したことを検知する特別領域到達検知手段と、を備え、当該第2可変入賞装置32Dが開状態となってから所定の有効期間が経過するまでの間に特別領域到達検知手段が遊技球を検知すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を実行するパチンコ機において、当該第2可変入賞装置32Dに不正防止装置50Dを内蔵したり、第2可変入賞装置32Dの外側に不正防止装置50Dを設けたりすると、第1種油球ゴトによって有効期間内に遊技球を特別領域に到達させようとする行為に対抗することができる(後述する)。
【0450】
(4)実施形態3では、第1作動口33Cへの入賞に基づく当たり抽選によって大当たり結果を発生するが、特別当たり結果を発生しない。そして、第2作動口34Cへの入賞に基づく当たり抽選によって大当たり結果及び特別当たり結果を発生する態様を例示した。但し、第1作動口33Cへの入賞に基づく当たり抽選及び第2作動口34Cへの入賞に基づく当たり抽選によって大当たり結果及び特別当たり結果を発生してもよい。
【0451】
(5)上記第3実施形態では、第2可変入賞装置32Dの開閉パターンとして、2つの開閉パターンを備えた構成となっているが、これに限らず、3つ以上の開閉パターンを備えた構成としてもよい。
【0452】
(6)上記第3実施形態では、第2可変入賞装置32Dの複数の開閉パターンを備える場合において、開閉パターン毎に誘導状態となる回数、誘導状態となる期間が異なってもよい。また、開閉実行モードにおいて第2可変入賞装置32Dを使用するラウンド数を複数としてもよく、この場合、遊技球が第2通路E2(特別領域)を通過可能なラウンドが複数設けられてもよい。
【0453】
(7)上記第3実施形態では、第1種油球を用いた第1種油球ゴトへの適用例を説明したが、上記第3実施形態を前述の応用例1と同様に、第2種油球を用いた第2種油球ゴトへ高粘度の油分を用いた油球ゴトや、遊技球の遊技領域PEで流下速度を正規球よりも遅くする各種の処理(例えば、接着剤を利用したゴト)にも応用できる。
【0454】
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0455】
特徴A1.
所定の発射手段(遊技球発射機構7A)により発射される遊技球が流下する遊技領域(PE)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球することに基づいて遊技者に遊技上の特典獲得の可能性を発生させる有利入球部(例えば、下作動口34)と、
を備え、
前記遊技領域を流下する速度を正規の遊技球よりも速くするための処理が施された不正な遊技球が、前記有利入球部に入球することを防止するための振分手段(不正防止手段)を具備した遊技機であって、
前記振分手段(不正防止手段)は、
前記遊技球が導入される導入通路(例えば、52p)と、
前記導入通路への遊技球の導入を検知する検知手段(例えば、検知センサ211g)と、
前記導入通路を通過する遊技球の行き先を前記有利入球部に入球可能な特別通路若しくは前記有利入球部に入球不可能な通常通路に振り分ける振分本体部(例えば、開口部52j、シャッター52k)と、
前記振分本体部を駆動する駆動手段(例えば、ソレノイド等の電動役物駆動部34b)と、
前記駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段(例えば、主制御装置81)と、
を備え、
前記振分本体部は、前記導入通路を前記通常通路に連絡すると共に前記特別通路との連絡を遮断した第1状態と、前記導入通路を前記特別通路に連絡すると共に前記通常通路との連絡を遮断した第2状態と、を実行可能であり、
前記導入通路の経路長を、前記導入通路に導入された遊技球の速度が所定速度を超えると、前記導入通路に導入されてから所定時間を経過する前に当該遊技球が前記導入通路を通過し、前記速度が前記所定速度以下であると、前記導入通路に導入されてから前記所定時間を経過した後に当該遊技球が前記導入通路を通過する長さに設定し、
前記駆動制御手段は、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間が経過するまでは前記振分本体部を第1状態とし、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間を経過すると前記振分本体部を第2状態とするように前記駆動手段の駆動を制御することを特徴とする遊技機。
【0456】
特徴A1は前述の第1実施形態から抽出した特徴である。ここで、第1実施形態では、「遊技領域を流下する速度を正規の遊技球よりも速くするための処理が施された不正な遊技球が、発射手段により発射された場合に、当該不正な遊技球が有利入球部に入球することを防止するための不正防止装置(振分手段の具体例を示す不正防止装置50)を具備した遊技機」を例示している。そして、特徴A1の遊技機では、導入通路(不正防止手段)に遊技球が導入されたことを検知手段が検知してから所定時間を経過するまでは、振分本体部の状態を第1状態とし(導入通路を通常通路に連絡し)、所定時間を経過すると、振分本体部の状態を第2状態とする(導入通路を特別通路に連絡する)。よって、不正な遊技球であれば導入通路を通過する速度が速い(所定速度を超える)ため、振分本体部を第2状態とする前に(導入通路を通常通路に連絡されているときに)、当該不正な遊技球は第1状態の振分本体部(例えば、シャッター52k上)を通過し、通常通路に誘導される。これに対して、正規の遊技球(正当な遊技球)であれば通過する速度が遅く(所定速度以下であり)、振分本体部の状態が第2状態となってから、遊技球が振分本体部に到達するため、当該遊技球を特別通路に誘導することができる。このように、特徴A1の遊技機によると、振分本体部の状態によって、不正な遊技球を取り除くことができ、不正対策を向上させることができる。
【0457】
ここで、本明細書において「有利入球部」としては入球することで遊技者が遊技上の特典を獲得することが確定する入球部(例えば、賞球払出の実行契機となる作動口,賞球払出の実行契機となる可変入賞装置、賞球払出の実行契機となる一般入賞口)や、遊技上の抽選の実行契機となる入球部(例えば、作動口)、開閉実行モードの実行契機となる入球部(例えば、特別領域等の可変入賞装置の所定領域)を例示できる。また、請求項に示す発明、各実施形態、各変形例に示す不正な遊技球(不正球)としては、「粘度が低い油分(例えば、粘度が低い油、粘度が低い油潤滑剤)を付着させる(塗布若しくはまぶす)ことで、遊技領域PEを流下する速度を正規の遊技球(パチンコホールで貸与される遊技球)よりも速くした遊技球(第1種油球)」や、「重量を正規の遊技球よりも重くすることで、遊技領域PEを流下する速度を当該正規の遊技球よりも速くした不正球」を例示することもできる。また、この付着や塗布等の範囲は遊技球の外周面の全体であっても、一部であってもよい。
【0458】
特徴A2.
前記振分本体部は、
前記導入通路を前記特別通路若しくは前記通常通路に接続するための通路接続部(開口部、切り欠き等)と、
前記通路接続部の開閉を行う開閉部材(例えば、シャッター52k)と、
を備え、
前記駆動手段(例えば、ソレノイド等の電動役物駆動部34b)は前記開閉部材を駆動するものであり、
前記開閉部材が前記通路接続部を開放すること及び前記通路接続部を閉鎖することのうちの一方を行うと、前記導入通路を前記通常通路に連絡すると共に前記特別通路との連絡を遮断し、
前記開閉部材が前記通路接続部を開放すること及び前記通路接続部を閉鎖することのうちの他方を行うと、前記導入通路を前記特別通路に連絡すると共に前記通常通路との連絡を遮断することを特徴とするA1記載の遊技機。
【0459】
特徴A2は振分本体部の具体的構成を示すものであり、特徴A2によると、振分本体部によってより確実に、導入通路を通過する遊技球の行き先を振り分けることができる。なお、前述の第1実施形態では、前記開閉部材が前記通路接続部を閉鎖することで、前記導入通路を前記通常通路に連絡すると共に前記特別通路との連絡を遮断し、前記開閉部材が前記通路接続部を開放することで、前記導入通路を前記特別通路に連絡すると共に前記通常通路との連絡を遮断する態様を例示している。また、前述の第2実施形態では、前記開閉部材が前記通路接続部を開放することで、前記導入通路を前記通常通路に連絡すると共に前記特別通路との連絡を遮断し、前記開閉部材が前記通路接続部を閉鎖することで、前記導入通路を前記特別通路に連絡すると共に前記通常通路との連絡を遮断する態様を例示している。
【0460】
特徴A3.
前記振分本体部は、
前記導入通路を前記特別通路若しくは前記通常通路に接続するための通路接続部(開口部、切り欠き等)と、
前記通路接続部の開閉を行う開閉部材(例えば、シャッター52k)と、
を備え、
前記駆動手段(例えば、ソレノイド等の電動役物駆動部34b)は前記開閉部材を駆動するものであり、
前記開閉部材が前記通路接続部を開放する時間が第1時間であり、前記検知手段によって第2時間内に連続して前記振分手段(不正防止手段)に導入された遊技球を検知した場合であって、前記第2時間が前記第1時間よりも短い場合において、
前記第2時間内の2球目以後の遊技球の検知に基づいて、前記駆動手段が駆動することを禁止することを特徴とするA1記載の遊技機。
【0461】
開閉部材を1回駆動することで複数個の遊技球を処理できるので、遊技球を効率的に処理することができる。
【0462】
特徴A4.
前記振分本体部は、
前記導入通路を前記特別通路若しくは前記通常通路に接続するための通路接続部(開口部、切り欠き等)と、
前記通路接続部の開閉を行う開閉部材(例えば、シャッター52k)と、
を備え、
前記駆動手段(例えば、ソレノイド等の電動役物駆動部34b)は前記開閉部材を駆動するものであり、
前記通路接続部を開放する開放動作と、閉鎖する閉鎖動作とを備える開閉動作の時間を設定する開閉時間設定手段と、
複数の遊技球が前記振分手段(不正防止手段)に導入された場合に、前に導入された遊技球と、後に導入された遊技球との導入時間差を計測する導入時間差計測手段と、
を備え、
前記導入時間差計測手段が計測した導入時間差が、前記開閉時間設定手段が設定した開閉時間と略等しい場合に、前記開閉部材が前記閉鎖動作を行う時間を遅延させる遅延手段を備えることを特徴とするA1記載の遊技機。
【0463】
特徴A4では、後に導入された遊技球が開閉部材の1回の開閉で特別通路に誘導することができるか否かが微妙なときに、開閉部材の閉鎖動作を遅延させる遅延処理(遅延手段が行う処理)を行うため、当該後に導入された遊技球を的確に処理することができる。
【0464】
特徴B1.
所定の発射手段(遊技球発射機構7A)により発射される遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技球が入球可能な開状態と遊技球が入球不能な閉状態とに切換可能な可変入球手段(第2可変入賞装置32D)と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球が入球可能な有利入球部(第2通路E2)と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球を前記有利入球部へ誘導可能な誘導状態と、前記有利入球部へ誘導不能な非誘導状態とに切換可能な可動部材(切替部材59f)と、
前記有利入球部への遊技球の入球に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な特別遊技状態発生手段(主制御装置81)と、
を備え、
前記遊技領域を流下する速度を正規の遊技球よりも速くするための処理が施された不正な遊技球が、前記有利入球部に入球することを防止するための振分手段(不正防止手段)を具備した遊技機であって、
前記振分手段(不正防止手段)は、
前記遊技球が導入される導入通路と、
前記導入通路への遊技球の導入を検知する検知手段(例えば、検知センサ211g)と、
前記導入通路を通過する遊技球の行き先を前記有利入球部に入球可能な特別通路若しくは前記有利入球部に入球不可能な通常通路に振り分ける振分本体部(例えば、開口部59d、シャッター59e)と、
前記振分本体部を駆動する駆動手段(例えば、ソレノイド)と、
前記駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段(例えば、主制御装置81)と、
を備え、
前記振分本体部は、前記導入通路を前記通常通路に連絡すると共に前記特別通路との連絡を遮断した第1状態と、前記導入通路を前記特別通路に連絡すると共に前記通常通路との連絡を遮断した第2状態と、を実行可能であり、
前記導入通路の経路長を、前記導入通路に導入された遊技球の速度が所定速度を超えると、前記導入通路に導入されてから所定時間を経過する前に当該遊技球が前記導入通路を通過し、前記速度が前記所定速度以下であると、前記導入通路に導入されてから前記所定時間を経過した後に当該遊技球が前記導入通路を通過する長さに設定し、
前記駆動制御手段は、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間が経過するまでは前記振分本体部を第1状態とし、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間を経過すると前記振分本体部を第2状態とするように前記駆動手段の駆動を制御することを特徴とする遊技機。
【0465】
特徴B1は前述の第3実施形態から抽出した特徴である。ここで、第3実施形態では、「遊技領域を流下する速度を正規の遊技球よりも速くするための処理が施された不正な遊技球が、発射手段により発射された場合に、当該不正な遊技球が有利入球部に入球することを防止するための不正防止装置(振分手段の具体例を示す不正防止装置50D)を具備した遊技機」を例示している。そして、特徴B1の遊技機によれば、振分本体部を備えるため、不正球が可変入球手段に向かって発射されても、この不正球を有利入球部(特別領域)に誘導することがない。つまり、振分手段(不正防止手段)に遊技球が導入されてから所定時間を経過するまでは、振分本体部の状態を第1状態とし(導入通路を通常通路に連絡し)、所定時間を経過すると、振分本体部の状態を第2状態とする(導入通路を特別通路に連絡する)。
【0466】
よって、不正な遊技球であれば導入通路を通過する速度が速い(所定速度を超える)ため、振分本体部を第2状態とする前に(導入通路が通常通路に連絡されているときに)、当該不正な遊技球は第1状態の振分本体部(例えば、シャッター59e上)を通過し、通常通路に誘導される。これに対して、正規の遊技球(正当な遊技球)であれば、通過する速度が遅く(所定速度以下であり)、振分本体部の状態が第2状態となってから、遊技球が振分本体部に到達するため、当該遊技球を特別通路に誘導することができる。このように、特徴B1の遊技機によると、振分本体部の状態によって、不正な遊技球を取り除くことができ、不正対策を向上させることができる。
【0467】
ここで、特徴B1に示す遊技機に示す遊技機において、特別遊技状態として、遊技機の遊技状態を前述の開閉実行モードとすることを例示できる。また、特定入球部に遊技球が入球するか否かに係わらず、開閉実行モードとする遊技機では、可変入球手段が開状態のときに、有利入球部(特別領域)に遊技球を誘導できると、当該開閉実行モードを実行後に高確率モードとすることを内容とする遊技(高確率モード)を、特別遊技状態とすることもできる。また、同様に、有利入球部(特別領域)に遊技球が入球するか否かに係わらず、開閉実行モードとする遊技機では、可変入球手段が開状態のときに、有利入球部(特別領域)に遊技球を誘導できると、当該開閉実行モードを実行後に高頻度サポートモードとすることを内容とする遊技を、特別遊技状態とすることもできる。
【0468】
また、特徴B1に示す遊技機は、前述の可変入球手段の他に、他の可変入球手段を備えてもよい。この場合、他の可変入球手段は、特定入球部や可動部材を必ずしも備える必要はない。例えば、他の可変入球手段を用いて開閉実行モードを実行し、特徴B1に示す可変入球手段では開閉実行モードを実行せずに、特定当たりに基づく開閉を行う場合(所謂、小当たり遊技を行う場合)には、有利入球部(特別領域)への遊技球の入球に基づいて、他の可変入球手段で開閉実行モードを実行してもよい。
【0469】
特徴B2.
前記可動部材が前記誘導状態となるのは、前記可変入球手段が前記開状態に切換られた期間から選択される所定期間内とされることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
【0470】
この場合、不正行為者が不正球を用いて、いち早く可変入球手段に遊技球を入球させようとすることが想定されるため、振分手段(不正防止手段)が有効に機能することになる。
【0471】
特徴C1.
所定の発射手段(遊技球発射機構7A)により発射される遊技球が流下する遊技領域と、
遊技球が入球不能な閉状態から前記遊技球が入球可能な開状態に変化可能な可変入球手段と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球が入球可能な有利入球部と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段に遊技球が入球することに基づいて、前記閉状態の前記可変入球手段の状態を第1時間に亘って前記開状態に変化させる小当たり開閉実行モード、若しくは、前記閉状態の前記可変入球手段を第1時間に亘って前記開状態に複数回変化させる小当たり開閉実行モードを実行する小当たり開閉実行モード実行手段と
前記有利入球部に遊技球が到達したことを検知する到達検知手段と、
前記小当たり開閉実行モードが開始され、前記可変入球手段が前記開状態となってから所定の有効期間が経過するまでの間に到達検知手段が遊技球を検知すると、前記閉状態の前記可変入球手段を第1時間より長い第2時間に亘って開状態とすることを複数回繰り返す大当たり開閉実行モード実行手段と、
を備え、
前記遊技領域を流下する速度を正規の遊技球よりも速くするための処理が施された不正な遊技球が、前記有利入球部に入球することを防止するための振分手段(不正防止手段)を具備する遊技機であって、
前記振分手段(不正防止手段)は、
前記遊技球が導入される導入通路と、
前記導入通路への遊技球の導入を検知する検知手段と、
前記導入通路を通過する遊技球の行き先を前記有利入球部に入球可能な特別通路若しくは前記有利入球部に入球不可能な通常通路に振り分ける振分本体部と、
前記振分本体部を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、
を備え、
前記振分本体部は、前記導入通路を前記通常通路に連絡すると共に前記特別通路との連絡を遮断した第1状態と、前記導入通路を前記特別通路に連絡すると共に前記通常通路との連絡を遮断した第2状態と、を実行可能であり、
前記導入通路の経路長を、前記導入通路に導入された遊技球の速度が所定速度を超えると、前記導入通路に導入されてから所定時間を経過する前に当該遊技球が前記導入通路を通過し、前記速度が前記所定速度以下であると、前記導入通路に導入されてから前記所定時間を経過した後に当該遊技球が前記導入通路を通過する長さに設定し、
前記駆動制御手段は、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間が経過するまでは前記振分本体部を第1状態とし、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間を経過すると前記振分本体部を第2状態とするように前記駆動手段の駆動を制御することを特徴とする遊技機。
【0472】
特徴C1に示す態様では、「遊技領域を流下する速度を正規の遊技球よりも速くするための処理が施された不正な遊技球が、発射手段により発射された場合に、当該不正な遊技球が有利入球部に入球することを防止するための不正防止手段(振分手段の具体例を示す不正防止装置等)を具備した遊技機」を例示している。つまり、特徴C1を備える遊技機によると、可変入球手段に振分手段(不正防止手段)を内蔵したり、可変入球手段の外側に振分手段(不正防止手段)を設けたりすると、不正球行為(第1種油球ゴト等)によって有効期間内に遊技球を有利入球部(特別領域)に到達させようとする行為を防止することができる。なお、特徴C1を所謂「羽根物」と称する機種に適用した場合、始動入球手段を普通電動役物としない場合、不正防止手段に電動役物を使用しても、遊技機の構造を複雑化しない。
【0473】
また、特徴B1、特徴B2若しくは特徴C1を備える遊技機において、前述の特徴A2〜A4のうちの何れかの特徴を備えてもよい。
【0474】
特徴D1.
前記発射手段によって前記遊技球を前記遊技領域に発射し、発射された前記遊技球は、前記遊技領域を転動後に、前記遊技球が前記発射手段で発射される発射位置に返還することで、前記遊技球を循環して使用する封入球式の遊技機であることを特徴とする特徴A1、A2、A3、A4、B1、B2若しくはC1の遊技機。
【0475】
封入球式の遊技機であると、一旦不正球(第1種油球)が遊技機内に進入すると、取り除くことが容易ではない。このため、不正球が遊技機内に長期間滞在し、多大な損出を発生させる可能性がある。これに対して、封入球式のパチンコ機に不正防止手段を設けると、不正球を排除することができる。
【0476】
なお、本発明においては、前記各実施形態の特徴を備えてもよい。
【0477】
特徴E1.
所定の発射手段により発射される遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球することに基づいて遊技者に遊技上の特典獲得の可能性を発生させる有利入球部と、を備え、
前記遊技領域を流下する速度を正規の遊技球よりも遅くするための処理が施された不正な遊技球が、前記有利入球部に入球することを防止するための振分手段(不正防止手段)を具備した遊技機であって、
前記振分手段(不正防止手段)は、
前記遊技球が導入される導入通路と、
前記導入通路への遊技球の導入を検知する検知手段と、
前記導入通路を通過する遊技球の行き先を前記有利入球部に入球可能な特別通路若しくは前記有利入球部に入球不可能な通常通路に振り分ける振分本体部と、
前記振分本体部を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、
を備え、
前記振分本体部は、前記導入通路を前記通常通路に連絡すると共に前記特別通路との連絡を遮断した第1状態と、前記導入通路を前記特別通路に連絡すると共に前記通常通路との連絡を遮断した第2状態と、を実行可能であり、
前記導入通路の経路長を、前記導入通路に導入された遊技球の速度が所定速度を超えると、前記導入通路に導入されてから所定時間を経過する前に当該遊技球が前記導入通路を通過し、前記速度が前記所定速度以下であると、前記導入通路に導入されてから前記所定時間を経過した後に当該遊技球が前記導入通路を通過する長さに設定し、
前記駆動制御手段は、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間が経過するまでは前記振分本体部を第2状態とし、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間を経過すると前記振分本体部を第1状態とするように前記駆動手段の駆動を制御することを特徴とする遊技機。
【0478】
特徴E1は前述の応用例から抽出した特徴である。ここで、特徴E1に示す態様では、「遊技領域を流下する速度を正規の遊技球よりも遅くするための処理が施された不正な遊技球が、発射手段により発射された場合に、当該不正な遊技球が有利入球部に入球することを防止するための不正防止手段(振分手段の具体例を示す不正防止装置等)を具備した遊技機」を例示している。そして、特徴E1の遊技機では、導入通路(振分手段)に遊技球が導入されたことを検知手段が検知してから所定時間を経過するまでは、振分本体部の状態を第2状態とし(導入通路を特別通路に連絡し)、所定時間を経過すると、振分本体部の状態を第1状態とする(導入通路を通常通路に連絡する)。よって、正規の遊技球(正当な遊技球)であれば導入通路を通過する速度が不正球(第2種油球等)よりも速い(所定速度を超える)ため、振分本体部が第2状態であるときに(導入通路を特別通路に連絡されているときに)、当該正規の遊技球は第2状態の振分本体部(例えば、シャッター52k上)に到達し、特別通路に誘導される。これに対して、不正な遊技球であれば、通過する速度が正規の遊技球よりも遅く(所定速度以下であり)、振分本体部の状態が第1状態となってから、遊技球が振分本体部に到達するため、当該不正な遊技球を通常通路に誘導する。このように、特徴E1の遊技機によると、振分本体部の状態によって、不正な遊技球を取り除くことができ、不正対策を向上させることができる。
【0479】
ここで、応用例に示す不正な遊技球(不正球)としては、前述の第2種油球や、「重量を正規の遊技球よりも軽くすることで、遊技領域PEを流下する速度を当該正規の遊技球よりも遅くした不正球」を例示することもできる。また、この付着や塗布等の範囲は遊技球の外周面の全体であっても、一部であってもよい。
【0480】
また、本発明、各実施形態、各変形例、応用例を、各実施形態、各変形例若しくは応用例で例示した「不正球」のみでなく、他の態様の「不正球」や、正規の遊技球においても「遊技球の通過速度(流下速度)によって生じ得る種々の問題を解決する手段」として適用できる。例えば、以下の各具体例に例示するように、所定の発射手段により発射される遊技球(不正球でも、正規球でもよい)の発射強度が強い場合等に、所定の利益を獲得できる遊技機や、所定の利益を獲得し易い遊技機において、振分本体部の状態を切り換えて、遊技球の行き先をその通過速度(例えば、流下速度)によって好適に振り分ける。以下、この点について説明する。
【0481】
先ず、本発明、各実施形態、各変形例において対象となり得る不正行為の態様は、(1)油球ゴト(第1種油球ゴト)、(2)遊技球の重量を重くして遊技球の通過速度(例えば、流下速度)を速くする態様(例えば、遊技球の材質の比重を重くしたり、遊技球の中心部に錘を入れたりすること等によって重くして構成される不正球を用いた態様)に限定されない。また、応用例において対象となり得る不正行為の態様は、(3)油球ゴト(第2種油球ゴト)、(4)遊技球の重量を軽くして遊技球の通過速度(例えば、流下速度)を遅くする態様(例えば、遊技球の材質の比重を軽くしたり、遊技球の中心部をくりぬき、空洞とすることで構成される不正球を用いた態様)に限定されない。つまり、各実施形態、各変形例、応用例において対象となり得る不正行為として、その他の不正行為、例えば、(5)大きさ(直径)が異なる遊技球を用いることによって、通過速度(例えば、流下速度)を変更して、当該大きさが異なる遊技球を有利入球部に入球し易くする不正行為や、(6)磁力を用いることによって、遊技球の通過速度(例えば、流下速度)を変更して、当該大きさが異なる遊技球を有利入球部に入球し易くたり、有利入球部に入球させたりする(例えば、本来、有利入球部に入球しないはずなのに入球させたりする)不正行為、等も例示することができる。そして、これらの種々の不正行為に対して、本発明、各実施形態、各変形例若しくは応用例に示す振分手段(振分装置)で好適に対処でき、当該不正行為によって遊技球が有利入球部に入球することや、有利入球部に入球し易くする不正行為を防止できる。
【0482】
また、前述のように、遊技者の不正行為に基づかずに(正規の遊技球を用いて)、遊技球の通過速度(例えば、流下速度)が速くなる場合にも、本発明、各実施形態、各変形例の振分手段によると、遊技球の行き先をその通過速度(例えば、流下速度)によって好適に振り分けることができる。その具体例を第1具体例〜第3具体例として説明する。先ず、第1具体例を説明する。遊技者が発射ハンドル8Aを操作する態様は様々であり、発射ハンドル8Aを弱く操作する遊技者(回動操作量を少なくする遊技者)も存在すれば、発射ハンドル8Aを強く操作し過ぎる遊技者(回動操作量を多くし過ぎる遊技者)も存在する。そして、発射ハンドル8Aを強く操作し過ぎると、遊技領域PEを流下する遊技球の流下速度(通過速度)が速くなり、所定の有利入球部への入球頻度が予想外に高くなる場合等がある。これに対して、本発明、各実施形態、各変形例等に示す構成によると、遊技球の発射強度を強くする行為等によって、通過速度(例えば、流下速度)を速くした遊技球の行き先と、その他の遊技球(予定する通過速度の遊技球)の行き先とを、通過速度(例えば、流下速度)の差異によって好適に振り分けることができ、所定の有利入球部への入球頻度が予想外に高くなることを防止したり、所定の有利入球部に遊技球が入球することを防止したりすることができる。
【0483】
次に第2具体例を説明する。所定のパチンコホールにおいて、遊技機が設置された姿勢が若干傾いていたり、島設備に設置された遊技機(パチンコ機)の中に設置された姿勢が若干傾いたものが存在する場合等がある。つまり、遊技機、ひいては、遊技盤24の盤面(前面)が若干、遊技者側に前傾しており(遊技機が真っ直ぐな状態で設置されておらず、遊技機がその上方側ほど前方に配置され、その下方側ほど後方に配置されるように、若干、傾いて設置されており)、遊技領域を流下する遊技球の流下速度が予定より速くなる場合がある。そして、遊技機の設置姿勢の傾きを原因として、遊技領域PEを流下する遊技球の流下速度(通過速度)が予想外に速くなり、所定の有利入球部への入球頻度が予想外に高くなる場合等がある。この場合も、本発明、各実施形態、各変形例等に示す構成によると、通過速度(例えば、流下速度)を速くした遊技球の行き先と、その他の遊技球(予定する通過速度の遊技球)の行き先とを、通過速度(例えば、流下速度)の差異によって好適に振り分けることができ、所定の有利入球部への入球頻度が予想外に高くなることを防止したり、所定の有利入球部に遊技球が入球することを防止したりすることができる。
【0484】
更に第3具体例を説明する。天候の影響(例えば、日照り続き)やパチンコホールの空調の影響で(例えば、エアコンの設定温度が低く、設定湿度が低い場合に)、遊技機やその構成部品(遊技盤等)の乾燥度合いが大きく、遊技領域を流下する遊技球の流下速度が予定より速くなり、所定の有利入球部への入球頻度が予想外に高くなる場合等がある。この場合も、本発明、各実施形態、各変形例等に示す構成によると、通過速度(例えば、流下速度)を速くした遊技球の行き先と、その他の遊技球(予定する通過速度の遊技球)の行き先とを、通過速度(例えば、流下速度)の差異によって好適に振り分けることができ、所定の有利入球部への入球頻度が予想外に高くなることを防止したり、所定の有利入球部に遊技球が入球することを防止したりすることができる。但し、遊技者の不正行為に基づかずに、遊技球の通過速度(例えば、流下速度)が速くなり、所定の有利入球部への入球頻度が予想外に高くなったり、所定の有利入球部への入球可能性を生じさせたりする場合は、前述の第1具体例〜第3具体例に示す場合に限定されない。つまり、本発明、各実施形態、各変形例等に示す構成を、所定の発射手段により発射される遊技球(不正球でも、正規球でもよい。)の通過速度(流下速度)を速くすることで、遊技者にとって有利な結果が得られる可能性がある種々の遊技機に対して適用可能である。例えば、前述の特許文献1(特開2011−10741号公報)に示すように、所定の制限時間内に「特別領域」に遊技球を到達させると、所定の利益が得られる遊技機や、前述の特許文献2(特開2000−350831号公報)に示すように、一定時間開放時間となる電動役物を具備した作動口を備え、この作動口に遊技球が入球すると所定の利益が得られる遊技機等において、本発明、各実施形態、各変形例等に示す構成によると、通過速度(例えば、流下速度)を速くした遊技球の行き先と、その他の遊技球(予定する通過速度の遊技球)の行き先とを、通過速度(例えば、流下速度)の差異によって好適に振り分けることができる。これにより、所定の有利入球部(例えば、特別領域若しくは特別領域に通ずる流路、所定の作動口若しくは所定の作動口に通ずる流路等)への入球頻度が予想外に高くなったり、所定の有利入球部に入球させることを防止できる。
【0485】
以上、具体例1〜具体例3等として例示したことを、以下の特徴(構成)により、更に説明する。
【0486】
先ず、第1第実施形態では、以下の特徴F1を抽出してもよい。
【0487】
特徴F1.
所定の発射手段(遊技球発射機構7A)により発射される遊技球が流下する遊技領域(PE)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球することに基づいて遊技者に遊技上の特典獲得の可能性を発生させる有利入球部(例えば、下作動口34)と、を備える遊技機であって、
前記遊技球が導入される導入通路(例えば、52p)と、
前記導入通路への遊技球の導入を検知する検知手段(例えば、検知センサ211g)と、
前記導入通路を通過する遊技球の行き先を前記有利入球部に入球可能な特別通路若しくは前記有利入球部に入球不可能な通常通路に振り分ける振分本体部(例えば、開口部52j、シャッター52k)と、
前記振分本体部を駆動する駆動手段(例えば、ソレノイド等の電動役物駆動部34b)と、
前記駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段(例えば、主制御装置81)と、
を具備する振分手段を備え、
前記振分本体部は、前記導入通路を前記通常通路に連絡すると共に前記特別通路との連絡を遮断した第1状態と、前記導入通路を前記特別通路に連絡すると共に前記通常通路との連絡を遮断した第2状態と、を実行可能であり、
前記導入通路の経路長を、前記導入通路に導入された遊技球の速度が所定速度を超えると、前記導入通路に導入されてから所定時間を経過する前に当該遊技球が前記導入通路を通過し、前記速度が前記所定速度以下であると、前記導入通路に導入されてから前記所定時間を経過した後に当該遊技球が前記導入通路を通過する長さに設定し、
前記駆動制御手段は、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間が経過するまでは前記振分本体部を第1状態とし、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間を経過すると前記振分本体部を第2状態とするように前記駆動手段の駆動を制御することを特徴とする遊技機。
【0488】
特徴F1の遊技機では、導入通路(振分手段)に遊技球が導入されたことを検知手段が検知してから所定時間を経過するまでは、振分本体部の状態を第1状態とし(導入通路を通常通路に連絡し)、所定時間を経過すると、振分本体部の状態を第2状態とする(導入通路を特別通路に連絡する)。よって、導入通路を通過する速度が所定速度を超える遊技球は、振分本体部を第2状態とする前に(導入通路を通常通路に連絡されているときに)、当該技球は第1状態の振分本体部を通過し、通常通路に誘導される。これに対して、導入通路を通過する速度が速くない遊技球(予定の通過速度)であれば通過する速度が遅く(所定速度以下であり)、振分本体部の状態が第2状態となってから、遊技球が振分本体部に到達するため、当該遊技球を特別通路に誘導することができる。このように、特徴F1の遊技機によると、振分本体部の状態によって、導入通路を通過する速度が速い遊技球と、通常の遊技球(予定する通過速度)の行き先を振り分けることができる。
【0489】
また、第3第実施形態では、以下の特徴G1を抽出してもよい。
【0490】
特徴G1.
所定の発射手段(遊技球発射機構7A)により発射される遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技球が入球可能な開状態と遊技球が入球不能な閉状態とに切換可能な可変入球手段(第2可変入賞装置32D)と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球が入球可能な有利入球部(第2通路E2)と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球を前記有利入球部へ誘導可能な誘導状態と、前記有利入球部へ誘導不能な非誘導状態とに切換可能な可動部材(切替部材59f)と、
前記有利入球部への遊技球の入球に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な特別遊技状態発生手段(主制御装置81)と、
を備える遊技機であって、
前記遊技球が導入される導入通路と、
前記導入通路への遊技球の導入を検知する検知手段と、
前記導入通路を通過する遊技球の行き先を前記有利入球部に入球可能な特別通路若しくは前記有利入球部に入球不可能な通常通路に振り分ける振分本体部と、
前記振分本体部を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、
を具備する振分手段を備え、
前記振分本体部は、前記導入通路を前記通常通路に連絡すると共に前記特別通路との連絡を遮断した第1状態と、前記導入通路を前記特別通路に連絡すると共に前記通常通路との連絡を遮断した第2状態と、を実行可能であり、
前記導入通路の経路長を、前記導入通路に導入された遊技球の速度が所定速度を超えると、前記導入通路に導入されてから所定時間を経過する前に当該遊技球が前記導入通路を通過し、前記速度が前記所定速度以下であると、前記導入通路に導入されてから前記所定時間を経過した後に当該遊技球が前記導入通路を通過する長さに設定し、
前記駆動制御手段は、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間が経過するまでは前記振分本体部を第1状態とし、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間を経過すると前記振分本体部を第2状態とするように前記駆動手段の駆動を制御することを特徴とする遊技機。
【0491】
特徴G1の遊技機によれば、振分本体部を備えるため、所定速度を超える遊技球が可変入球手段に向かって発射されても、この遊技球を有利入球部(特別領域)に誘導することがない。これに対して、速度が速くない遊技球(予定の通過速度)であれば、通過する速度が遅く(所定速度以下であり)、振分本体部の状態が第2状態となってから、遊技球が振分本体部に到達するため、当該遊技球を特別通路に誘導することができる。このように、特徴G1の遊技機によると、振分本体部の状態によって、導入通路を通過する速度が速い遊技球と、通常の遊技球(予定する通過速度)の行き先を振り分けることができる。
【0492】
また、所謂「羽根物」と称する機種への適用例からは、以下の特徴H1を抽出してもよい。
【0493】
特徴H1.
所定の発射手段(遊技球発射機構7A)により発射される遊技球が流下する遊技領域(PE)と、
遊技球が入球不能な閉状態から前記遊技球が入球可能な開状態に変化可能な可変入球手段と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球が入球可能な有利入球部と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段に遊技球が入球することに基づいて、前記閉状態の前記可変入球手段の状態を第1時間に亘って前記開状態に変化させる小当たり開閉実行モード、若しくは、前記閉状態の前記可変入球手段を第1時間に亘って前記開状態に複数回変化させる小当たり開閉実行モードを実行する小当たり開閉実行モード実行手段と
前記有利入球部に遊技球が到達したことを検知する到達検知手段と、
前記小当たり開閉実行モードが開始され、前記可変入球手段が前記開状態となってから所定の有効期間が経過するまでの間に到達検知手段が遊技球を検知すると、前記閉状態の前記可変入球手段を第1時間より長い第2時間に亘って開状態とすることを複数回繰り返す大当たり開閉実行モード実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記遊技球が導入される導入通路と、
前記導入通路への遊技球の導入を検知する検知手段と、
前記導入通路を通過する遊技球の行き先を前記有利入球部に入球可能な特別通路若しくは前記有利入球部に入球不可能な通常通路に振り分ける振分本体部と、
前記振分本体部を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、
を具備する振分手段を備え、
前記振分本体部は、前記導入通路を前記通常通路に連絡すると共に前記特別通路との連絡を遮断した第1状態と、前記導入通路を前記特別通路に連絡すると共に前記通常通路との連絡を遮断した第2状態と、を実行可能であり、
前記導入通路の経路長を、前記導入通路に導入された遊技球の速度が所定速度を超えると、前記導入通路に導入されてから所定時間を経過する前に当該遊技球が前記導入通路を通過し、前記速度が前記所定速度以下であると、前記導入通路に導入されてから前記所定時間を経過した後に当該遊技球が前記導入通路を通過する長さに設定し、
前記駆動制御手段は、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間が経過するまでは前記振分本体部を第1状態とし、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間を経過すると前記振分本体部を第2状態とするように前記駆動手段の駆動を制御することを特徴とする遊技機。
【0494】
特徴H1を備える遊技機によると、可変入球手段に振分手段を内蔵したり、可変入球手段の外側に振分手段を設けたりすると、所定速度を超える遊技球を、有効期間内に遊技球を有利入球部(特別領域)に到達させようとする行為を防止することができる。
【0495】
なお、特徴F1、G1若しくはH1の遊技機が、前述の構成D1に示す封入球式の遊技機でもよい。
【0496】
なお、前述の応用例の遊技機も、遊技者の不正行為に基づかずに、遊技球の通過速度(例えば、流下速度)が遅くなることがある場合に、通過速度(例えば、流下速度)を遅くした遊技球の行き先と、その他の遊技球(予定する通過速度の遊技球)の行き先とを、通過速度(例えば、流下速度)の差異によって、好適に振り分けることができる。例えば、遊技機、ひいては、遊技盤24の盤面(前面)が若干、遊技者から後傾しており(遊技機が真っ直ぐな状態で設置されておらず、遊技機がその上方側ほど後方に配置され、その下方側ほど前方に配置されるように、若干、傾いて設置、つまり、遊技者から遠ざかる後方に傾いており)、遊技領域を流下する遊技球の流下速度が予定より遅くなる場合がある。この場合、振分本体部の状態によって、通過速度(例えば、流下速度)が遅くなり過ぎた遊技球の行き先と、その他の遊技球(予定する通過速度の遊技球)の行き先とを好適に振り分けることができる。また、前述の応用例の遊技機においても、天候の影響(例えば、雨天続き)やパチンコホールの空調の影響(例えば、設定温度が高い等)で、遊技機やその構成部品(遊技盤等)の湿気が多く(湿度が高く)、遊技領域を流下する遊技球の流下速度が予定より遅くなる場合もあるが、この場合も、振分本体部の状態によって、通過速度(例えば、流下速度)が遅くなり過ぎた遊技球の行き先と、その他の遊技球(予定する通過速度の遊技球)の行き先とを好適に振り分けることができる。更に、発射ハンドル8Aの回動操作量が少な過ぎる場合等にも、遊技領域を流下する遊技球の流下速度が予定より遅くなる場合がある。この場合にも、振分本体部の状態によって、通過速度(例えば、流下速度)が遅くなり過ぎた遊技球の行き先と、その他の遊技球(予定する通過速度の遊技球)の行き先とを好適に振り分けることができる。
【0497】
また、前述の応用例から以下の特徴I1を抽出してもよい。
【0498】
特徴I1.
所定の発射手段により発射される遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技球が入球可能な開状態と遊技球が入球不能な閉状態とに切換可能な可変入球手段と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球が入球可能な有利入球部と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球を前記有利入球部へ誘導可能な誘導状態と、前記有利入球部へ誘導不能な非誘導状態とに切換可能な可動部材(切替部材59f)と、
前記有利入球部への遊技球の入球に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な特別遊技状態発生手段(主制御装置81)と、
を備える遊技機であって、
前記遊技球が導入される導入通路と、
前記導入通路への遊技球の導入を検知する検知手段と、
前記導入通路を通過する遊技球の行き先を前記有利入球部に入球可能な特別通路若しくは前記有利入球部に入球不可能な通常通路に振り分ける振分本体部と、
前記振分本体部を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、
を具備する振分手段を備え、
前記振分本体部は、前記導入通路を前記通常通路に連絡すると共に前記特別通路との連絡を遮断した第1状態と、前記導入通路を前記特別通路に連絡すると共に前記通常通路との連絡を遮断した第2状態と、を実行可能であり、
前記導入通路の経路長を、前記導入通路に導入された遊技球の速度が所定速度を超えると、前記導入通路に導入されてから所定時間を経過する前に当該遊技球が前記導入通路を通過し、前記速度が前記所定速度以下であると、前記導入通路に導入されてから前記所定時間を経過した後に当該遊技球が前記導入通路を通過する長さに設定し、
前記駆動制御手段は、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間が経過するまでは前記振分本体部を第2状態とし、前記検知手段が遊技球を検知してから前記所定時間を経過すると前記振分本体部を第1状態とするように前記駆動手段の駆動を制御することを特徴とする遊技機。
【0499】
特徴I1の遊技機では、導入通路(振分手段)に遊技球が導入されたことを検知手段が検知してから所定時間を経過するまでは、振分本体部の状態を第2状態とし(導入通路を特別通路に連絡し)、所定時間を経過すると、振分本体部の状態を第1状態とする(導入通路を通常通路に連絡する)。よって、導入通路を通過する速度が所定速度を超える遊技球は、振分本体部を第1状態とする前に(導入通路が特別通路に連絡されているときに)、当該技球は第2状態の振分本体部に到達し、特別通路に誘導される。これに対して、導入通路を通過する速度が遅い遊技球(予定の通過速度よりも遅い遊技球)であれば通過する速度が遅く(所定速度以下であり)、振分本体部の状態が第1状態となってから、遊技球が振分本体部に到達するため、当該遊技球を通常通路に誘導することができる。このように、特徴I1の遊技機によると、振分本体部の状態によって、通過速度(例えば、流下速度)が遅い遊技球の行き先と、その他の遊技球(予定する通過速度の遊技球)の行き先とを好適に振り分けることができる。