特許第6769152号(P6769152)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6769152
(24)【登録日】2020年9月28日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20201005BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20201005BHJP
   B65H 45/04 20060101ALI20201005BHJP
   B65H 45/12 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
   G03G15/00 460
   G03G21/00 386
   B65H45/04
   B65H45/12
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-146061(P2016-146061)
(22)【出願日】2016年7月26日
(65)【公開番号】特開2018-17794(P2018-17794A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2019年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094330
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正紀
(74)【代理人】
【識別番号】100109689
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 結
(72)【発明者】
【氏名】駒沢 寿夫
(72)【発明者】
【氏名】高畑 恒次
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−041187(JP,A)
【文献】 特開2015−160675(JP,A)
【文献】 特開2011−093708(JP,A)
【文献】 特開2015−168510(JP,A)
【文献】 特開2015−092208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 37/00
B65H 41/00
B65H 45/00−47/00
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に画像を形成する画像形成機と、
前記画像形成機の後段に接続され、前記記録材に折り筋を形成する折り筋機と、
前記折り筋機の後段に接続され、前記記録材を折る折機と、
前記記録材の表裏方向における折り筋の向きと、該記録材の表裏方向における折りの向
きとを表した指示を受け付ける指示受付部とを備え、
前記折機が、逆向きの紙折り処理に対応していない第1種折機と、逆向きの紙折り処理に対応している第2種折機とのうち該第1種折機である場合には、前記折り筋機と前記折機で互いに同じ向きの折り筋と折りが実行され、前記折機が該第2種折機である場合には、前記折り筋機と前記折機で互いに逆向きの折り筋と折りが実行されることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記指示受付部で受け付けられた、前記折機に適合しない向きの折り筋と折りを表した指示を、前記折機に適合した向きの折り筋と折りを表した指示に変更する指示変更部を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記指示変更部が、前記指示が表した折り筋の向きを変更するものであることを特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記指示受付部が、前記折機に適合しない向きの折り筋と折りを表した指示を拒否するものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、後処理機として、用紙(記録材の一種)を折る折機と、用紙に折り筋を付けるが折らずに送出する折り筋機との双方を備える画像形成システムが知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、後処理として折り処理が実施できないような場合であっても代替手法を提供する画像形成システムとして、用紙に対する後処理として用紙に折りを施す折り処理が指定されたジョブを実行する場合において、後処理装置300において折り処理を実行することができないことを判断したときは、折り処理に代えて筋付け処理を実施する代替制御モードに移行する画像形成システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−092208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
筋付け処理と折り処理とが1つの記録材に対して重ねて実行されることにより、強度の高い折りが実現されると考えられる。しかし、折り処理によって折られる位置が、筋付け処理によって得られる折り筋の位置とズレた場合には、折り筋の向きと折りの向きとが逆向きであると見栄えが悪く、記録材に与えるダメージも大きい。
【0006】
本発明は、互いに逆向きの折り筋と折りを常時許容するシステムに較べ、記録材の見栄えやダメージが改善された画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る画像形成システムは、
記録材に画像を形成する画像形成機と、
上記画像形成機の後段に接続され、上記記録材に折り筋を形成する折り筋機と、
上記折り筋機の後段に接続され、上記記録材を折る折機と、
上記記録材の表裏方向における折り筋の向きと、その記録材の表裏方向における折りの向きとを表した指示を受け付ける指示受付部とを備え、
上記折機が、逆向きの紙折り処理に対応していない第1種折機と、逆向きの紙折り処理に対応している第2種折機とのうち第1種折機である場合には、上記折り筋機と上記折機で互いに同じ向きの折り筋と折りが実行され、上記折機が第2種折機である場合には、上記折り筋機と上記折機で互いに逆向きの折り筋と折りが実行されることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る画像形成システムは、請求項1の画像形成システムにおいて、
上記指示受付部で受け付けられた、上記折機に適合しない向きの折り筋と折りを表した指示を、上記折機に適合した向きの折り筋と折りを表した指示に変更する指示変更部を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る画像形成システムは、請求項2の画像形成システムにおいて、
上記指示変更部が、上記指示が表した折り筋の向きを変更するものであることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る画像形成システムは、請求項1の画像形成システムにおいて、
上記指示受付部が、上記折機に適合しない向きの折り筋と折りを表した指示を拒否するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る画像形成システムによれば、互いに逆向きの折り筋と折りを常時許容するシステムに較べ、記録材の見栄えやダメージが改善される。
【0012】
請求項2に係る画像形成システムによれば、指示として、折機に適合した指示を得ることができる。
【0013】
請求項3に係る画像形成システムによれば、折りの向きを優先して折り筋の向きを決めることができる。
【0014】
請求項4に係る画像形成システムによれば、折機に適合した指示のみを受け付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】画像形成システムの第1実施形態に相当する印刷システムの概略的な外観図である。
図2図1に示す印刷システムの概略的な機能構成図である。
図3】ジョブ管理画面を示す図である。
図4】ジョブのプロパティ画面で紙折り設定を含んだ第1タブが選択された状態を示す図である。
図5】紙折りの種類を選択するメニューを示す図である。
図6】プロパティ画面で第2タブが選択された状態を示す図である。
図7】折り目の設定画面を示す図である。
図8】確認画面の第1例を示す図である。
図9】確認画面の第2例を示す図である。
図10】印刷制御部における折り筋および紙折りの方向制御を表したフローチャートである。
図11】画像形成システムにおける第1のシステム構成を示す図である。
図12】画像形成システムにおける第2のシステム構成を示す図である。
図13】画像形成システムにおける第3のシステム構成を示す図である。
図14】画像形成システムにおける第4のシステム構成を示す図である。
図15】画像形成システムにおける第5のシステム構成を示す図である。
図16】画像形成システムにおける第6のシステム構成を示す図である。
図17】画像形成システムにおける第7のシステム構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明実施形態について、以下図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、画像形成システムの第1実施形態に相当する印刷システムの概略的な外観図である。
【0018】
この印刷システム1は、外観上、印刷サーバ2と出力装置3とがケーブルで接続された構造を有している。
【0019】
印刷サーバ2は、ユーザ表示部10と本体部20を有する。ユーザ表示部10は、印刷システム1のユーザに対する情報表示を担うとともに、例えばタッチパネル式の表示画面を介してユーザによる操作を受け付ける。本体部20は、CPUや記憶装置などを備えており、印刷システム1の制御を担う。
【0020】
出力装置3は、本体となる印刷機30と、後処理機(フィニッシャ)として印刷機10に接続される折り筋機40および折機50を備えている。
【0021】
印刷機30は、記録材の一種としての用紙に例えば電子写真方式やインクジェット方式などで画像を形成して送出するものである。本実施形態では、印刷機30として、記録材の片面に対する印刷にも両面に対する印刷にも対応した装置が備えられているものとする。この印刷機30が、本発明にいう画像形成機の一例に相当する。
【0022】
折り筋機40は、印刷機30から送出された用紙に折り筋を付けて開き、開かれた状態の用紙を送出するものである。出力装置3に折り筋機40として備えられる装置は、用紙に折り筋を付ける折り筋処理以外に、用紙の天地を裁断する天地裁断処理の機能も有する場合がある。この折り筋機40が、本発明にいう折り筋機の一例に相当する。
【0023】
折機50は、折り筋機40から送出された用紙を折り、折られた状態の用紙を送出するものである。出力装置3に折機50として備えられる装置は、紙折りの処理以外にステープル処理やパンチ処理の機能も有する場合がある。この折機50が、本発明にいう折機の一例に相当する。
【0024】
折り筋機40および折機50の双方がフィニッシャーとして接続されている場合には、折り筋機40による折り筋の処理と折機50による紙折りの処理は、単独での実施も、同一の用紙に対する重ねての実施も選択され得る。折り筋の処理と紙折りの処理が重ねて実施される場合は、折り筋の処理が紙折りの処理の前に施されることが必要であるため、折り筋機40は印刷機30と折機50との間に接続される。
【0025】
図2は、図1に示す印刷システムの概略的な機能構成図である。
【0026】
機能構成として見た場合も、印刷システム1は印刷サーバ2と出力装置3とを備え、出力装置は印刷機30と折り筋機40と折機50を備えている。
【0027】
印刷サーバ2は、上述したユーザ表示部10を備えるとともに、ジョブ管理部21と印刷制御部22が上述した本体部20に組み込まれている。ジョブ管理部21は、パーソナルコンピュータなどに代表される外部装置5に、例えばLAN等といった通信網を介して接続され、印刷対象の画像を表した画像データを含んだジョブデータを受け取って管理するものである。印刷制御部22は、印刷部数や用紙の種類などを表した印刷情報を、ユーザ表示部10を介して設定されてその印刷情報をジョブデータとともに出力装置3に送って印刷を実行させるものである。出力装置3が後処理機を備えている場合は、後処理機の設定も印刷情報に含まれる。本実施形態のように、後処理機として折り筋機40および折機50を備えている場合には、折り筋および紙折りについて、向きや数や位置などが設定される。具体的な設定方法については後で詳述する。
【0028】
出力装置3の印刷機30には、制御部31および印刷部32が組み込まれている。印刷部32は、画像形成を実行する機械機構であり、制御部31は、後処理機である折り筋機40および折機50も含めた出力装置3の機械的な動作を、上述した印刷情報に従って制御するものである。また、制御部31は、折り筋機40および折機50から、機種などといった装置情報を入手し、その装置情報を印刷サーバ2の印刷制御部22に通知する役割も有する。
【0029】
折り筋機40によって折り筋が付けられた用紙は、一般に、折り筋の折り目に対して逆向きに紙折りが施されることによって成果物となり、例えば折り筋が谷折りである場合は、紙折りは山折りとなる。このように折り筋と紙折りの向きが互いに逆向きであると、強度の高い紙折りが実現される。このような折り筋機40は、折機50と比較して最近になって登場した装置であり、最終的に成果物を得るための紙折りは人の手による実施が想定されている場合も多い。紙折りが人の手で実施される場合には、紙折りの位置が折り筋の位置に追わせて微調整されるため、位置がズレることは少ない。
【0030】
一方、折機50としては複数の機種が存在し、折り筋機40の存在を前提としていないために上記微調整が設計時に考慮されていない折機50も存在する。このため、折機50の機種によっては、折り筋がついた用紙に対する紙折りが実施された場合に、折り目位置と紙折り位置にズレが生じる虞がある。このような位置ズレを生じると、見栄えが悪いだけで無く、用紙のダメージも大きい。そこで、本実施形態では、位置ズレの発生を回避して用紙の見栄えの悪化やダメージを回避するための制御が行われる。
【0031】
以下、折り筋および紙折りの設定および制御について詳しく説明する。
【0032】
図3は、ジョブ管理画面を示す図である。
【0033】
このジョブ管理画面101は、印刷サーバ2のユーザ表示部10に表示される画面であり、ジョブ表示欄102には、図2に示すジョブ管理部21が受け付けた各ジョブデータが表す各ジョブ103について、ID番号とジョブ名と付加情報とデータサイズと受信開始日時が一覧表示される。
【0034】
このジョブ管理画面101上で1つのジョブ103が選択されてプロパティの表示が指示されるとプロパティ画面がポップアップ表示される。
【0035】
図4は、ジョブのプロパティ画面で紙折り設定を含んだ第1タブが選択された状態を示す図である。
【0036】
プロパティ画面105には、3つのタブ106,107,108が備えられており、図4には、そのうち第1タブ106が選択された状態が示されている。第1タブ106では折機50に対する設定が行われ、具体的には、ステープル処理の内容が設定されるステープル設定欄111と、パンチ処理の内容が設定されるパンチ設定欄112と、紙折り処理の内容が設定される紙折り設定欄113が備えられている。また、設定された内容に従った処理のイメージが表示されるプレビュー欄120も備えられている。
【0037】
これらの設定欄については、印刷機30の制御部31を介して折機50から入手される装置情報を反映した設定制御が行われる。例えば、ステープル機能を持たない折機50やパンチ機能を持たない折機50については、ステープル設定欄111やパンチ設定欄112における設定値が「しない」に固定される。ステープル機能を持った折機50やパンチ機能を持った折機50については、ステープル設定欄111やパンチ設定欄112は、設定値として「しない」、「する」を選択し得る状態となる。
【0038】
紙折り設定欄113には、種類設定欄114と枚数設定欄115が設けられており、枚数設定欄115では一度に束として紙折りが施される用紙の枚数が、最大15枚までの範囲で選択的に設定される。種類設定欄114では、紙折りの種類がプルダウンメニューによって選択的に設定される。
【0039】
図5は、紙折りの種類を選択するメニューを示す図である。
【0040】
種類設定欄114のプルダウンメニュー116には、紙折りの種類として例えば、紙を一つの折り線で二つに折る二つ折りや、二つの折り線それぞれで互いに逆向きに折るZ折りや、二つの折り線それぞれで互いに同じ向きに折る内三つ折りなどが並んでいる。また、プルダウンメニュー116には、紙折りの種類だけでなく、紙折りの向きも含めた設定を表したメニュー項目も並んでおり、例えば「二つ折り(内側に印字)」というメニュー項目は、印字面を上面とすれば、印字面を内側にした谷折りに折ることを意味している。
【0041】
このようなプルダウンメニュー116からメニュー項目が選択されることによって、折機50に対する紙折りの種類と向きの指示が設定される。
【0042】
次に、プロパティ画面105の第2タブ107における設定について説明する。
【0043】
図6は、プロパティ画面で第2タブが選択された状態を示す図である。
【0044】
プロパティ画面105の第2タブ107では折り筋機40に対する設定が行われ、具体的には、折り目(折り筋)の設定と天地裁断の設定が行われる。プロパティ画面105の第2タブ107には、設定内容表示欄121と、編集ボタン122と、プレビュー欄123が設けられている。
【0045】
設定内容表示欄121には、折り目(折り筋)と天地裁断の設定内容が文字で記載され、プレビュー欄123には、それらの設定内容に従った処理のイメージが表示される。
【0046】
編集ボタン122が選択されると、それらの設定内容を編集する設定画面がポップアップ表示される。
【0047】
図7は、折り目の設定画面を示す図である。
【0048】
この設定画面125は、タブ126の選択によって天地裁断の設定画面にも切り換えられ得る画面であるが、以下ではこの設定画面125で折り目(折り筋)の設定が行われるものとして説明し、天地裁断の設定については説明を省略する。
【0049】
この設定画面125には、チェックボックス131と、種類設定欄132と、方向設定欄133と、カスタム設定欄134と、プレビュー欄140が設けられている。
【0050】
チェックボックス131にチェックが入れられることで、折り筋機40に折り筋処理を実行させることが設定され、チェックボックス131のチェックが外されると、折り筋処理は行われないことが設定される。
【0051】
種類設定欄132ではプルダウンメニューによって折り筋の種類が設定される。折り筋の種類としては、上述した折りの種類と同様な二つ折りやZ折りや内三つ折りなどがメニューに並び、更には、外三つ折りや観音折りや巻き四つ折りや蛇腹折りなどもメニューに並ぶ。折り筋機40では1枚ごとに折り筋を付けるとともに折り曲げは行われないので折り筋の自由度が折機50よりも高く、折り筋の種類として「カスタム」も選択される。
【0052】
方向設定欄133では折り筋の方向(向き)が設定される。但し、例えば「内側印字」という設定の場合、印字面を上面とすると折り筋は谷折りではなくて山折りを意味している。これは、手折りなどの場合に折り筋とは逆向きに紙折りが行われることで強い折りが実現するため、印刷分野などで普及している表現に従ったものである。
【0053】
カスタム設定欄134は、種類設定欄132で「カスタム」が選択された場合にアクティブとなる。カスタム設定欄134には、本数設定欄135と、折り方設定欄136と、強さ設定欄137と、位置設定欄138が設けられている。
【0054】
本数設定欄135では最大5本までの本数が設定され、ここで設定された本数と同じ数だけ、折り方設定欄136と強さ設定欄137と位置設定欄138の組がカスタム設定欄134に表示される。
【0055】
折り方設定欄136では、各折り筋について「山折り」か「谷折り」のいずれかが選択されて設定される。強さ設定欄137では折り筋を付ける強さが設定され、位置設定欄138では、各折り筋の位置が基点からの距離によって設定される。
【0056】
プレビュー欄140には、折り筋の設定内容に従った処理のイメージが表示される。
【0057】
以上説明した各画面によって、折り筋と紙折りが設定されるが、本実施形態では、設定に際して以下説明する禁則処理が実行される。この禁則処理では、折り筋の向きと紙折りの向きの組合せについて、上述したように折りを強化する組合せのみが許可される。即ち、折り筋の向きと紙折りの向きが互いに逆向きである組合せのみが許可され、折り筋の向きと紙折りの向きが互いに同じ向きである組合せは拒絶される。また、折り筋機40の自由度に較べて折機50の自由度が低いため、同一の用紙に対して折り筋処理と紙折り処理の両方が施される場合は二つ折りの設定のみが許可されることになっている。
【0058】
これらの禁則処理に反した設定がユーザによって選択された場合には確認画面が表示され、禁則処理に従った設定が求められる。
【0059】
図8は、確認画面の第1例を示す図である。
【0060】
この第1例の確認画面141は、紙折り処理として「Z折り(右とじ/下とじ)」が設定された後で、折り筋処理の実行が選択された場合に表示される画面である。この場合、後から選択された折り筋処理の実行が優先され、その選択との組合せとして禁則処理で許可される紙折り処理の設定として「しない」への設定変更が提案される。
【0061】
確認画面141には、はいボタン142といいえボタン143が備えられており、はいボタン142が選択されると提案されたように紙折り処理の設定が「しない」に変更され、いいえボタン143が選択されると、直前に設定された、折り筋処理の実行がキャンセルされて、折り筋処理の設定画面に戻る。
【0062】
図9は、確認画面の第2例を示す図である。
【0063】
この第2例の確認画面145は、折り筋処理の設定として「二つ折り」かつ「内側印字」が選択された後、紙折り処理として「二つ折り(外側に印字)」が選択された場合に表示される画面である。この場合も、後で選択された設定事項である「二つ折り(外側に印字)」の紙折り処理が優先され、その設定との組合せとして禁則処理で許可される折り筋処理の設定として「外側印字」への変更が提案される。
【0064】
第2例の確認画面145にも、はいボタン146といいえボタン147が備えられており、はいボタン146が選択されると提案されたように折り筋処理の設定が「外側印字」に変更され、いいえボタン147が選択されると、直前に選択された「二つ折り(外側に印字)」の紙折り処理がキャンセルされて、紙折り処理の設定画面に戻る。
【0065】
このような禁則処理で制限された組合せの設定が折り筋処理と紙折り処理の設定としてユーザ表示部10を介して印刷制御部22に受け付けられた後、本実施形態では、印刷制御部22によって、出力装置3に組み込まれている折り筋機40および折機50の能力に応じた折り筋および紙折りの方向制御が実行される。
【0066】
図10は、印刷制御部における折り筋および紙折りの方向制御を表したフローチャートである。
【0067】
印刷制御部22は、ユーザ表示部10を介して、上述した設定画面で設定された折り筋と紙折りの設定情報を取得する(ステップS101)。また、印刷制御部22は、印刷機30の制御部31を介して、折り筋機40および折機50の装置情報を取得する。本実施形態では、この装置情報に、折り筋機40および折機50の性能を表した情報(コンフィグ情報)も含まれているものとする(ステップS102)。
【0068】
なお、装置情報に性能が含まれていない場合には、機種と性能とが予め対応付けられた対応表を印刷制御部22あるいは印刷機30の制御部31が備えていて、この対応表と装置情報に含まれた機種とが照合されることで性能が認識されてもよい。また、装置の性能としては、必ずしも折り筋機40および折機50の両方について認識されることは必須ではなく、少なくとも折機50について認識されればよい。
【0069】
次に、互いに逆向きの折り筋と紙折りの処理が可能であるか否かがコンフィグ情報に基づいて判定される。言い換えると、折り筋機40との組合せとしての折機50が、折り筋とは逆向きの紙折り処理に対応した装置であるか否かが判定される(ステップS103)。
【0070】
この判定で、折機50が逆向きの紙折り処理に対応していない第1種折機であると判定された場合(ステップS103:No)には、紙折り処理の方向に合わせて折り筋処理の方向が指定される。上述したように、折り筋機40に較べて折機50は自由度が低いので、紙折り処理の方向を優先して折り筋処理の方向が決められることで適切な組合せが得られることになる。即ち、折機50における紙折りの方向がコンフィグ情報で確認され(ステップS104)、紙折りの方向が山折りであれば折り筋の方向も山折りに指定され(ステップS105)、紙折りの方向が谷折りであれば折り筋の方向も谷折りに指定される(ステップS106)。従って、折機50が第1種折機である場合には、ユーザ表示部10を介した設定における禁則処理に反する向きの紙折りと折り筋の組合せが結果として実行されることになる。印字面に関しては、設定された「内側印字」などに合わせた側に印刷機30で印刷されることで設定通りの印字面が実現されるものとする。
【0071】
ここで、第1種折機としては、例えば、折り筋の向きとは逆向きに折る場合に折り位置が折り筋の位置とはズレてしまう虞があるような低い性能の折機が想定される。但し、ここでいう「低い性能」とは、折り処理そのものの性能を必ずしも意味していない。例えば折り筋が無ければ折り位置は常に正確な折機であるが、折り筋が入った用紙に対する折り処理を想定していないので、折り筋の入った用紙を折り筋の向きとは逆向きに折る場合には折り筋に邪魔されて折り位置がズレてしまうような折機なども、ここでは「低い性能」の第1種折機として扱われる。
【0072】
このような第1種折機では、折り位置がズレることによる見栄えの悪さや用紙のダメージを回避するため、上記禁則処理に反してでも互いに同方向の折り筋と紙折りが実行される。また、設定時には上記禁則処理が実行され、その後に指示が変更される構成となっていることで、設定時にはユーザに違和感を持たせることがなく、指示としては折機50などの性能に適合した指示となる。
【0073】
上述したステップS103の判定で、折機50が逆向きの紙折り処理に対応している第2種折機であると判定された場合(ステップS103:Yes)には、折り筋処理の方向が紙折り処理の方向とは逆向きに指定される。即ち、折機50における紙折りの方向がコンフィグ情報で確認され(ステップS107)、紙折りの方向が山折りであれば折り筋の方向は谷折りに指定され(ステップS108)、紙折りの方向が谷折りであれば折り筋の方向は山折りに指定される(ステップS109)。折機50が第2種折機である場合には、上記禁則処理に従った紙折りと折り筋の組合せが実現する。また、印字面についても、設定に合わせた側への印刷が印刷機30で行われることで設定通りの印字面が実現される。
【0074】
以下、本発明の画像形成システムにおけるシステム構成のバリエーションについて説明する。
【0075】
図11は、画像形成システムにおける第1のシステム構成を示す図である。
【0076】
図11に示す第1のシステム構成は、図1および図2に示す印刷システム1と同様のシステム構成である。即ち、画像形成システム200はサーバ210と出力装置220とを備えている。図示は省略するが、出力装置220には本発明にいう画像形成機と折り筋機と折機との各一例が組み込まれているものとする。
【0077】
サーバ210には、本発明にいう指示受付部の一例に相当する受付部230と、本発明にいう指示変更部の一例に相当する変更部240が備えられている。図1および図2に示す印刷システム1の場合は、印刷制御部22が、受付部230と変更部240とを兼ねている。
【0078】
第1のシステム構成の場合、受付部230で受け付けられた指示に対し、必要に応じて変更部240が、出力装置220に備えられた折機の性能や機種などに応じた変更を加えることで、折機に適合した方向での折り筋と紙折りが出力装置220で実行されることになる。
【0079】
図12は、画像形成システムにおける第2のシステム構成を示す図である。
【0080】
図12に示す第2のシステム構成では、上述した変更部240が出力装置220に備えられている。図1および図2に示す印刷システム1に当てはめるならば、例えば印刷機30の制御部31が変更部240として機能することになる。
【0081】
この第2のシステム構成は、第1のシステム構成と較べ、機能を果たす場所が内部的に変わるだけで外見的には同様の動作を行うシステム構成である。
【0082】
図13は、画像形成システムにおける第3のシステム構成を示す図である。
【0083】
図13に示す第3のシステム構成では、受付部230と変更部240の両方が出力装置220に備えられている。図1および図2に示す印刷システム1に当てはめるならば、例えば印刷機30の制御部31が受付部230および変更部240として機能することになる。
【0084】
この第3のシステム構成の場合、受付部230は出力装置220が有する操作部を介して折り筋や紙折りの指示を受け付ける。
【0085】
図14は、画像形成システムにおける第4のシステム構成を示す図である。
【0086】
図14に示す第4のシステム構成では、受付部230がサーバ210に備えられているが、変更部240は画像形成システム200内の何処にも備えられていない。従って、この第4のシステム構成では、受付部230で受け付けられた指示が、折機に適合した方向での折り筋と紙折りを指示するものとなっていることが必要となる。このため、この第4のシステム構成における画像形成システム200では、例えば図1および図2に示す印刷システム1と同様の設定画面による設定が行われるが、禁則処理では、出力装置220に備えられた折機に適合した向きでの折り筋や紙折りの設定のみが許可される。この結果、折機に適合した方向での折り筋と紙折りを表した指示のみが得られることになる。特に、出力装置220に備えられた折機が上述した第1種折機であって、折り筋とは逆向きの紙折りで位置ズレを起こす虞がある場合には、禁則処理で、互いに同じ向きの折り筋と紙折りの設定のみが許可される。逆に、出力装置220に備えられた折機が上述した第2種折機であって、折り筋とは逆向きの紙折りでも位置ズレを起こす虞がない場合には、禁則処理は図1および図2に示す印刷システム1と同様の禁則処理となる。
【0087】
図15は、画像形成システムにおける第5のシステム構成を示す図である。
【0088】
図15に示す第5のシステム構成では、上述した受付部230が出力装置220に備えられており、受付部230は出力装置220が有する操作部を介して折り筋や紙折りの指示を受け付ける。
【0089】
また、この第5のシステム構成でも変更部240が備えられていないので、出力装置220に備えられた折機に適合した向きでの折り筋や紙折りの設定のみが許可される禁則処理によって指示が受け付けられる。この結果、折機に適合した方向での折り筋と紙折りを表した指示のみが得られることになる。
【0090】
図16は、画像形成システムにおける第6のシステム構成を示す図である。
【0091】
図16に示す第6のシステム構成では、画像形成システム200が出力装置220のみを有する。そして、出力装置220に受付部230と変更部240が備えられている。このように、本発明の画像形成システムでは、サーバの存在は必須ではない。
【0092】
図17は、画像形成システムにおける第7のシステム構成を示す図である。
【0093】
図17に示す第7のシステム構成でも、画像形成システム200は出力装置220のみを有し、出力装置220に受付部230が備えられている。このような簡素なシステムでも、本発明の画像形成システムとして機能する。
【符号の説明】
【0094】
1……印刷システム、 2……印刷サーバ、 3……出力装置、 10……ユーザ表示部、 20……本体部、 21……ジョブ管理部、 22……印刷制御部、 30……印刷機、 31……制御部、 32……印刷部、 40……折り筋機、 50……折機、
図1
図2
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