特許第6769191号(P6769191)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6769191
(24)【登録日】2020年9月28日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】電極製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/04 20060101AFI20201005BHJP
   B23K 26/38 20140101ALI20201005BHJP
   B23K 26/10 20060101ALI20201005BHJP
   B65G 47/04 20060101ALI20201005BHJP
   B65H 5/04 20060101ALI20201005BHJP
   B65H 5/22 20060101ALI20201005BHJP
   H01M 4/139 20100101ALN20201005BHJP
【FI】
   H01M4/04 Z
   B23K26/38 A
   B23K26/10
   B65G47/04
   B65H5/04
   B65H5/22 B
   !H01M4/139
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-174939(P2016-174939)
(22)【出願日】2016年9月7日
(65)【公開番号】特開2018-41625(P2018-41625A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2019年6月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】浅井 真也
【審査官】 鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−136437(JP,A)
【文献】 特表2014−511277(JP,A)
【文献】 特開2016−100281(JP,A)
【文献】 特開2015−072834(JP,A)
【文献】 特開2015−201328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/04
B23K 26/10
B23K 26/38
B65G 47/04
B65H 5/04
B65H 5/22
H01M 4/139
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔上に活物質層が形成された長尺の帯状電極を切断して電極を製造する電極製造装置であって、
前記帯状電極の長手方向を搬送方向とする搬送路に前記帯状電極を搬送する搬送部と、
レーザ光を照射することにより前記搬送路上の前記帯状電極を切断するレーザ装置と、
を備え、
前記搬送部は、
上下方向から前記帯状電極を挟持した状態で回転することにより、前記搬送方向に前記帯状電極を送り出す一対のローラを含む送出部と、
前記送出部よりも前記搬送方向の下流側において前記送出部と離間して設けられ、前記帯状電極を前記搬送路上に吸着させる吸着部と、
前記送出部と前記吸着部との間に設けられ、前記送出部によって送り出された前記帯状電極を保持した状態で前記搬送方向に移動することにより、前記吸着部に前記帯状電極を受け渡す移動部と、を有し、
前記送出部と前記移動部とは、前記送出部と前記移動部との間にある前記帯状電極の前記搬送方向への張力を付与する、電極製造装置。
【請求項2】
前記レーザ装置は、前記吸着部の外縁に沿うように前記帯状電極にレーザ光を照射する、請求項1に記載の電極製造装置。
【請求項3】
前記吸着部は、レーザ光を照射する方向から見て、製造される前記電極と同じ寸法形状となるように形成されている吸着部材を含む、請求項1又は2に記載の電極製造装置。
【請求項4】
前記吸着部は、前記帯状電極を吸着する吸着部材と、前記吸着部材を回転させる回転部と、を含む、請求項1又は2に記載の電極製造装置。
【請求項5】
前記帯状電極は、前記活物質層によって覆われた第1部分と、前記金属箔を露出させた第2部分と、を有し、
前記レーザ装置は、前記第1部分を切断する第1切断部と、前記第1切断部よりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記第2部分を切断する第2切断部と、を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の電極製造装置。
【請求項6】
前記帯状電極にレーザ光が照射された際に、前記帯状電極を通過したレーザ光を遮断するためのレーザ保護部材をさらに備える、請求項1〜のいずれか一項に記載の電極製造装置。
【請求項7】
前記吸着部は、前記帯状電極の短手方向に複数配列されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電極製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池などに用いられる電極組立体のうち、積層型の電極組立体は、多数の枚葉状の電極(正極及び負極)を積層することで構成されている。枚葉状の電極は、まず、長尺の金属箔の両面に活物質層を備えた帯状電極を形成し、その後、帯状電極を切断することで製造される。切断手段としては、例えば、プレス型を用いるダイカット、レーザービームを用いたレーザーカット等を適宜選択可能であるが、それぞれに課題もある。レーザーカットの場合、ワーク(帯状電極)に対する焦点の位置が切断品質に大きく影響するため、前後左右の位置ずれに加え、反り・撓み等による上下方向(レーザ−ビームの照射方向)の位置ずれも抑え、精度良く位置決めする必要がある。
【0003】
特許文献1には、搬送中のワークに加工を施す位置決め搬送装置が記載されている。この位置決め搬送装置は、ワークとしての帯状電極を吸着して搬送するベルトコンベア(以下、「吸着コンベア」と示す)と、吸着コンベアにより搬送されるワークに対して加工を施す加工装置と、これらを制御するコントローラと、を備える。吸着コンベアは、通気穴が形成されたコンベアベルトと、その下方に配置された吸引ダクトと、バキュームポンプや負圧ファン等の減圧手段と、を有している。コンベアベルトの通気穴には、減圧手段及び吸引ダクトによって負圧が供給されるので、ワークはコンベアベルトに吸着される。このような構成により、帯状電極のような薄いワークであっても位置決めされる。加工装置は、カッタポンチ及びダイ、或いはレーザービーム切断装置を備え、吸着コンベアの搬送移動と同期して移動しつつ、吸着コンベアによって引張状態に維持された帯状電極をベルトの幅方向に切断加工する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−136437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電極を製造する際、例えば、ドライルーム等の管理された空間内で行うことにより電極に塗工された活物質の品質が保護される。従って、上記の位置決め搬送装置のような電極製造装置は、当該空間内に設置される。ここで、ドライルーム等は、所定の真空化やクリーン化が施されることによって、特殊な環境に管理されている。そのため、このような特殊な環境に管理するための設備費用は、当該空間が広いほど高くなる。
【0006】
上述したとおり、吸着コンベアを用いて帯状電極をベルト上に吸着すれば、上下方向の位置ずれを抑えることができる。しかしながら、帯状電極全体について上下方向の位置ずれを抑制しようとすると、例えば吸着コンベアの搬送領域全体にわたって吸着部を設ける必要がある。吸着部を設ける範囲を広くすると、その広さに応じた吸引ダクトが必要となる。また、バキュームポンプ等の減圧手段の構成も、吸引ダクトの大きさに応じて大がかりとなり、設置スペースを要する。上記従来の電極製造装置は、帯状電極の送出工程、帯状電極の切断工程、及び切断後の搬送工程において、当該吸着コンベアが使用されるので、装置全体が大型化する傾向にある。このため、ドライルーム等の管理等にかかる費用が高くなる。
【0007】
そこで、本発明は、小型化を図ることができる電極製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電極製造装置は、金属箔上に活物質層が形成された長尺の帯状電極を切断して電極を製造する電極製造装置であって、帯状電極の長手方向を搬送方向とする搬送路に帯状電極を搬送する搬送部と、レーザ光を照射することにより搬送路上の帯状電極を切断するレーザ装置と、を備え、前記搬送部は、上下方向から帯状電極を挟持した状態で回転することにより、搬送方向に帯状電極を送り出す一対のローラを含む送出部と、送出部よりも搬送方向の下流側において送出部と離間して設けられ、帯状電極を搬送路上に吸着させる吸着部と、送出部と吸着部との間に設けられ、送出部によって送り出された帯状電極を保持した状態で搬送方向に移動することにより、吸着部に帯状電極を受け渡す移動部と、を有し、送出部と移動部とは、送出部と移動部との間にある帯状電極の搬送方向への張力を付与する。
【0009】
本発明に係る電極製造装置において、帯状電極を搬送する搬送部は、送出部によって帯状電極を搬送方向に送り出し、当該帯状電極は移動部によって吸着部に受け渡される。送出部と移動部との間にある帯状電極は、送出部と移動部とによって搬送方向への張力が付与される。これにより、帯状電極は吸着部に吸着されていない部位についても反りや撓みによる上下方向の位置ずれが抑制された状態となるので、帯状電極をレーザ装置によって良質に切断できるようになる。この構成では、吸着部が搬送領域全体に配置される吸着コンベアに比べ、吸着部が設けられる範囲を小さくすることができる。この結果、吸着部の設置範囲に応じて大きくなる吸引ダクトのサイズを小さくすることができたり、減圧手段を小型化することができたりするので、電極製造装置の小型化を図ることができる。
【0010】
本発明に係る電極製造装置において、レーザ装置は、吸着部の外縁に沿うように帯状電極にレーザ光を照射してもよい。帯状電極における吸着部に吸着されている部分は、特に精度良く位置決めされている状態である。この場合、帯状電極におけるレーザ光を照射する部分を、特に精度良く位置決めされた状態とすることができる。そのため、帯状電極をより好適な状態で切断することができる。
【0011】
本発明に係る電極製造装置において、吸着部は、レーザ光を照射する方向から見て、製造される電極と同じ寸法形状となるように形成されていてもよい。この場合、所望の寸法形状の電極を製造するに際し、帯状電極を好適な状態で切断することができる。
【0012】
本発明に係る電極製造装置において、吸着部は、帯状電極を吸着する吸着部材と、吸着部材を回転させる回転部と、を含んでいてもよい。この場合、製造された電極を吸着部材に吸着させた状態で吸着部材を回転させることにより、電極を次の工程に搬送することができる。これにより、切断工程の後の搬送工程においても、吸着コンベアに比べ、装備を小型化できる。したがって、電極製造装置のより一層の小型化を図ることができる。
【0013】
本発明に係る電極製造装置において、帯状電極は、活物質層によって覆われた第1部分と、金属箔を露出させた第2部分と、を有し、レーザ装置は、第1部分を切断する第1切断部と、第1切断部よりも搬送方向の上流側に配置され、第2部分を切断する第2切断部と、を有していてもよい。この場合、帯状電極に照射するレーザ光の出力特性を第1部分と第2部分とで切り替える手間を省くことができる。
【0014】
本発明に係る電極製造装置は、帯状電極にレーザ光が照射された際に、帯状電極を通過したレーザ光を遮断するためのレーザ保護部材をさらに備えていてもよい。この場合、帯状電極を通過したレーザ光が他の部品に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0015】
本発明に係る電極製造装置において、搬送部の搬送路は、帯状電極の短手方向に配列されていてもよい。この場合、搬送路をより効果的に配置することができ、より一層の省スペース化を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、小型化を図ることができる電極製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1(a)は、本実施形態に係る電極製造装置により切断される帯状電極を示す平面図である。図1(b)は、図1(a)の帯状電極が切断されて製造される電極の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る電極製造装置の模式的な斜視図である。
図3図3は、図2に示された電極製造装置の側面図である。
図4図4は、図2に示された電極製造装置の平面図である。
図5図5は、図2図3及び図4に示された電極製造装置の移動部及び吸着部を説明するための平面図である。
図6図6は、図5に示された移動部及び吸着部の側面図である。
図7図7は、図2図3及び図4に示された電極製造装置の移動部及び吸着部を説明するための平面図である。
図8図8は、図7に示された移動部及び吸着部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図面の説明において、同一の要素同士、及び、相当する要素同士には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。以下の図面には、X軸、Y軸、及びZ軸からなる直交座標系Sが示される場合がある。
【0019】
図1(a)は、本実施形態に係る電極製造装置により切断される帯状電極を示す平面図である。図1(b)は、図1(a)の帯状電極が切断されて製造される電極の一例を示す図である。本実施形態に係る電極製造装置は、図1(a)に示す帯状電極10を切断することによって図1(b)に示す電極50を製造する。電極50は、金属箔51と、金属箔51上に形成された活物質層52と、を有する。電極50は、例えば、リチウムイオン二次電池の非水電解質二次電池に用いられる正極又は負極である。
【0020】
金属箔51は、例えば、正極の場合にはアルミニウム箔であり、負極の場合には銅箔、ニッケル箔である。活物質層52は、金属箔51の少なくとも一面(ここでは、両面)に電極ペーストが塗工されて形成されている。電極ペーストは、所定の粘度を有するスラリ状であり、活物質、バインダ、溶剤等を含んでいる。活物質は、正極活物質又は負極活物質である。正極活物質は、例えば、複合酸化物、硫黄系材料である。複合酸化物は、マンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとを含む。負極活物質は、例えば、黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物、ホウ素添加炭素である。バインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂である。溶剤は、例えば、NMP(N−メチルピロリドン)、メタノール、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤である。また、電極ペーストは、カーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)等の導電助剤を含んでいてもよい。また、電極ペーストは、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘剤を含んでいてもよい。
【0021】
電極50は、活物質層52によって覆われた塗工部53と、金属箔51を露出させた未塗工部54と、を含む。塗工部53においては、例えば、金属箔51の両面に活物質層52が形成されている。未塗工部54には、電極50の電気的な接続に用いられるタブ55が突設されている。
【0022】
電極50を製造する場合、上記した各物質を混練して電極ペーストを生成する工程、電極ペーストを帯状の金属箔11に塗工する工程、その塗工された電極ペーストを乾燥して帯状の金属箔11に活物質層12を形成する工程等により、図1(a)に示す金属箔11上に活物質層12が形成された長尺の帯状電極10を生成する。この実施形態では、金属箔11の両面に連続塗工で活物質層12が形成された帯状電極10とし、帯状電極10の短手方向において2個の電極50が切り出される。帯状電極10には、短手方向の各端部からそれぞれ所定の間隔(タブ55の長さよりも長い間隔)をあけて短手方向の中央部に活物質層12が形成されている。この帯状電極10を切断する工程では、帯状電極10から、図1(b)に示す電極50を切り出す。なお、電極50を製造する場合、上記した各工程の他にもプレス、減圧乾燥、検査等の工程もある。
【0023】
帯状電極10は、活物質層12によって覆われた塗工部(第1部分)13と、金属箔11を露出させた未塗工部(第2部分)14と、を含む。金属箔11の厚みは、例えば、数10μmである。活物質層12の厚みは、例えば、50μm〜80μmである。したがって、金属箔11のみからなる部分の厚みは、金属箔11と活物質層12からなる部分の厚みに比べて非常に薄い。電極50は、上述の帯状電極10を、塗工部13に設定された第1切断線L1と、未塗工部14に設定された第2切断線L2と、において切断することにより製造される。なお、第1切断線L1及び第2切断線L2は、後段において詳述するレーザ装置3によってレーザ光Lが照射される線である。
【0024】
次に、電極製造装置について説明する。図2は、本実施形態に係る電極製造装置の模式的な斜視図である。図3は、図2に示された電極製造装置の側面図である。図4は、図2に示された電極製造装置の平面図である。図2図3及び図4に示されるように、電極製造装置1は、搬送部2と、レーザ装置3と、レーザ保護部材4と、を備えている。電極製造装置1は、搬送部2の最下流において、例えば、次の工程に電極50を搬送する搬送部5に接続されている。なお、図2及び図4では、レーザ装置3及び搬送部5の図示を省略している。
【0025】
搬送部2は、帯状電極10の長手方向(例えば、X軸方向)を搬送方向とする搬送路21に帯状電極10を搬送する。また、上述したように、本実施形態では、帯状電極10の短手方向において複数(例えば、2個)の電極50が切り出される。したがって、搬送部2の搬送路21は、帯状電極10の短手方向に、切り出される電極50と同数(ここでは、2列)配列されている。
【0026】
搬送部2は、供給部22と、アキューム機構23と、送出部24と、移動部25と、吸着部26と、を有している。搬送部2において、搬送方向の上流から下流に向けて、供給部22、アキューム機構23、送出部24、移動部25、及び吸着部26は、この順で配置されている。
【0027】
供給部22は、例えば、巻き出しロールである。供給部22は、例えば、回転により帯状電極10を連続的に繰り出す。アキューム機構23は、3つのローラ23a,23b,23cを含む。帯状電極10は、この3つのローラ23a,23b,23cに順に架け渡されている。アキューム機構23は、供給部22から連続的に帯状電極10が繰り出されている状態において、ローラ23bを上下に移動させることにより、ローラ23aからローラ23cに至る帯状電極10の経路長を変更する。これにより、例えば、供給部22を一定速で回転させながら、アキューム機構23は、帯状電極10をローラ23cから間欠的に搬出することができる。アキューム機構23は、帯状電極10の長手方向において切り出される電極50の例えば、2個分の長さごとに、帯状電極10を搬送方向に間欠的に搬出する。
【0028】
送出部24は、上下方向(ここでは、Z軸方向)に配列された一対のニップロール(ローラ)24a,24bを含む。一対のニップロール24a,24bは、帯状電極10を上下方向から挟持した状態で共に回転することにより、ローラ23cから搬出された帯状電極10を搬送方向に送り出す。また、一対のニップロール24a,24bは、回転速度を調整することにより、帯状電極10を搬送方向に送り出す速度を調整することができる。
【0029】
移動部25は、送出部24と吸着部26との間に送出部24及び吸着部26間を搬送方向に往復移動可能に設けられている。移動部25は、例えば、アクチュエーター25aに接続されたスライダー25bを含む。スライダー25bは、搬送路21上に沿った吸着面25sを有している。スライダー25bは、吸着面25sに帯状電極10を吸着させることにより、搬送路21上に帯状電極10を吸着させる。スライダー25bは、例えば、真空引きによって帯状電極10を吸着面25sに吸着させる。吸着面25sには、例えば、吸着孔(不図示)が設けられており、吸引ダクトを介して、真空引きするためのポンプ(不図示)等の減圧手段に接続されている。但し、スライダー25bの吸着面25sへの吸着は、真空引きに限定されず、例えば、静電気による静電吸着であってもよい。スライダー25bは、帯状電極10を吸着面25sに吸着させて、送出部24による帯状電極10の送り出しに同期して搬送方向の下流側に移動する。スライダー25bは、送出部24によって送り出された帯状電極10を吸着面25sに吸着させて保持した状態で、搬送方向の下流側に移動することにより、吸着部26に帯状電極10を受け渡す。なお、スライダー25bの形状については後述する。
【0030】
一対のニップロール24a,24bとスライダー25bとは、ニップロール24a,24bとスライダー25bとの間にある帯状電極10に、帯状電極10の搬送方向への張力を付与する。ここで、上述したように、一対のニップロール24a,24bは、回転速度を調整することにより、帯状電極10を搬送方向に送り出す速度を調整することができる。一対のニップロール24a,24bは、搬送方向の下流側へのスライダー25bの移動の速度以下の速度で帯状電極10を搬送方向に送り出すように、回転速度を調整される。これにより、一対のニップロール24a,24bとスライダー25bとの間にある帯状電極10には常に張力が付与された状態となる。
【0031】
吸着部26は、送出部24よりも搬送方向の下流側において、送出部24と離間して設けられている。吸着部26は、帯状電極10の短手方向(ここでは、Y軸方向)に複数(例えば、2つ)配列されている。吸着部26は、帯状電極10を搬送路21上に吸着させる。吸着部26は、帯状電極10を吸着する複数(例えば、4つ)の吸着部材26aと、吸着部材26aを回転させる回転部26bと、それぞれの吸着部材26aを回転部26bに固定する支持部26cと、を含む。なお、吸着部材26aの形状については後述する。
【0032】
吸着部材26aは、それぞれ吸着面26sを有している。4つの吸着部材26aにおいて、4つの吸着面26sは、回転部26bに回転させられることにより、1つずつ順に搬送路21上に配置される。搬送路21上に配置された吸着面26sを有する吸着部材26aは、吸着面26sが上方(例えば、Z軸方向の一方)を向いている。当該吸着部材26aは、吸着面26sに帯状電極10を吸着させることにより、搬送路21上に帯状電極10を吸着させる。吸着部材26aは、例えば、真空引きによって帯状電極10を吸着面26sに吸着させる。吸着面26sには、例えば、吸着孔(不図示)が設けられており、吸引ダクトを介して、真空引きするためのポンプ(不図示)等の減圧手段に接続されている。なお、吸着部材26aの吸着は、真空引きに限定されず、例えば、静電気による静電吸着であってもよい。
【0033】
搬送路21に対して交差する方向(例えば、X軸方向の一方)を向く吸着面26sには、切断された電極50が吸着されている。また、搬送路21に対して逆(ここでは、Z軸方向の他方)を向く吸着面26sは、搬送部5に対向している。搬送部5に対向する吸着面26sを有する吸着部材26aは、電極50の吸着を解除し、電極50を搬送部5に受け渡す。残りの吸着部材26a(ここでは、X軸方向の他方を向く吸着面26sを有する吸着部材26a)は、吸着面26sに何も吸着させていない状態である。
【0034】
回転部26bは、4つの吸着部材26aの中央部に配置されている。回転部26bは、例えば、立方体形状を呈している。回転部26bにおける立方体形状の各面のうち4つの側面は、一状態において、それぞれ四方(ここでは、X軸方向の一方及び他方、並びにZ軸方向の一方及び他方)を向くように配置されている。回転部26bの側面のそれぞれには、支持部26cを介して吸着部材26aが固定されている。回転部26bは、例えば、回転駆動部(不図示)に接続され、回転駆動部の駆動によって搬送路21に沿った順方向(ここでは、時計回り)に90°単位に回転する。これにより、4つの吸着部材26aは、90°単位に回転させられ、1つずつ順に搬送路21上に配置される。
【0035】
レーザ装置3は、搬送路21の上方から搬送路21上の帯状電極10にレーザ光Lを照射する。レーザ光Lは、出力特性の異なるレーザ光L31,L32を含む。ここでは、例えば、レーザ光L32の出力値は、レーザ光L31の出力値よりも高くなっている。レーザ装置3は、レーザ光Lを照射することにより搬送路21上の帯状電極10を切断する。レーザ装置3は、第1切断部31と、第2切断部32と、を有する。第1切断部31は、搬送路21の上方において吸着部26に対向する位置に配置されている。また、第2切断部32は、搬送路21の上方において第1切断部31よりも搬送方向の上流側に配置されている。
【0036】
第1切断部31は、塗工部13を切断する。第1切断部31は、出力部31aと支持部31bと、を含む。出力部31aは、支持部31bの下方に取り付けられ、帯状電極10に対向するように配置されている。出力部31aは、レーザ光L31を帯状電極10における塗工部13に照射する。出力部31aは、帯状電極10の塗工部13に設定された第1切断線L1(図1(a)参照)に沿ってレーザ光L31を走査する。
【0037】
第2切断部32は、未塗工部14を切断する。第2切断部32は、出力部32aと支持部32bと、を含む。出力部32aは、支持部32bの下方に取り付けられ、帯状電極10に対向するように配置されている。出力部32aは、レーザ光L32を帯状電極10における未塗工部14に照射する。出力部32aは、帯状電極10の未塗工部14に設定された第2切断線L2(図1(a)参照)に沿ってレーザ光L32を走査する。
【0038】
レーザ保護部材4は、帯状電極10にレーザ光Lが照射された際に、帯状電極10を通過したレーザ光Lを遮断する。レーザ保護部材4は、搬送路21の下流側に設けられている。レーザ保護部材4は、搬送路21よりも下方であってレーザ装置3に対向する位置に、進退可能に設けられている。レーザ保護部材4は、カバー部材41aと、ガイド部材41bと、を含む。
【0039】
カバー部材41aは、プレート状に形成されている。また、カバー部材41aには、レーザ装置3に対向する位置に進出したときに、支持部26cを挿通可能なスリット41sが設けられている。カバー部材41aは、例えば、難燃性の樹脂によって形成されている。カバー部材41aは、ガイド部材41b上にスライド移動可能に設置されている。カバー部材41aは、駆動部(不図示)に駆動されて、レーザ装置3の第1切断部31及び第2切断部32に対向する位置にスライド移動する。これにより、カバー部材41aは、帯状電極10にレーザ光Lを照射する際に、レーザ装置3に対向する位置に進出する。また、カバー部材41aは、吸着部材26aが回転される際に、レーザ装置3に対向する位置から退避する。ガイド部材41bは、カバー部材41aのスライド移動をガイドする。
【0040】
搬送部5は、製造された電極50を次の工程に搬送する。搬送部5は、例えば、ベルトコンベアである。搬送部5は、吸着部26の下方に配置されている。搬送部5は、例えば、Y軸方向の搬送方向に電極50を搬送する。搬送部5は、吸着部26の吸着部材26aから受け渡された電極50を、例えば、検査工程に搬送する。電極50は、1個ずつ搬送されてもよく、或いは、マガジン等に貯留され、複数個ずつ搬送されてもよい。
【0041】
次に、スライダー25b及び吸着部材26aの形状について説明する。図5は、図2図3及び図4に示された電極製造装置の移動部及び吸着部を説明するための平面図である。図6は、図5に示された移動部及び吸着部の側面図である。図7は、図2図3及び図4に示された電極製造装置の移動部及び吸着部を説明するための平面図である。図8は、図7に示された移動部及び吸着部の側面図である。
【0042】
吸着部材26aは、レーザ光Lを照射する方向から見て、製造される電極50と同じ寸法形状となるように形成されている。なお、本明細書において同じとは、完全に同じ寸法形状だけでなく、違いが僅か(例えば、寸法差が0.5mm程度)というほぼ同じ寸法形状も含む。例えば、吸着部材26aは、レーザ光Lを照射する方向から見て、製造される電極50よりも僅かに小さい。
【0043】
また、上述したように、本実施形態では、吸着部26は、帯状電極10の短手方向に複数(ここでは、2つ)配列されている。すなわち、搬送路21上には、2つの吸着部材26aが配置されている。搬送路21上の2つの吸着部材26aは、例えば、対になるように配置されている。搬送路21上の2つの吸着部材26aのうち、一方(例えば、レーザ保護部材4に近い方)の吸着部材26aは、レーザ光Lを照射する方向から見て、他方(例えば、レーザ保護部材4から遠い方)の吸着部材26aに対して180°回転した向きに配置されている。搬送路21上の2つの吸着部材26aは、それぞれ、電極50のタブ55に相当する部分が帯状電極10の短手方向の両端側(すなわち、未塗工部14側)に向くように配置されている。
【0044】
スライダー25bは、吸着部材26aに最も近い位置に移動した際に、吸着部材26aに嵌め合わされるように形成されている。すなわち、スライダー25bの搬送方向の下流側の部分は、レーザ光L32を照射する方向から見て、吸着部材26aの搬送方向の上流側の部分に対応する寸法形状となるように形成されている。なお、スライダー25bが吸着部材26aに最も近い位置に移動した状態において、スライダー25bと吸着部材26aとは、僅かに隙間を空けて配置されている。
【0045】
次に、帯状電極10を切断する切断工程におけるスライダー25b、吸着部材26a及びレーザ装置3の動作について説明する。図5及び図6において、帯状電極10は、スライダー25bの吸着面25sに吸着されている。すなわち、帯状電極10は、スライダー25b及び一対のニップロール24a,24bによって張力が付与された状態である。その状態で、レーザ保護部材4のカバー部材41aがレーザ装置3に対向する位置に進出する。
【0046】
そして、レーザ装置3の第2切断部32が帯状電極10における未塗工部14にレーザ光L32を照射する。第2切断部32は、第2切断線L2に沿ってレーザ光L32を照射する。ここで、第2切断線L2の位置は、レーザ光Lを照射する方向から見て、吸着部材26aの外縁の位置と重複している。すなわち、第2切断部32は、吸着部材26aの外縁に沿うように帯状電極10にレーザ光L32を照射する。また、第2切断部32は、移動部25のスライダー25bの外縁に沿うように帯状電極10にレーザ光L32を照射する。レーザ光L32は、スライダー25bと吸着部材26aとの間の隙間に照射される。
【0047】
続いて、図7及び図8に示されるように、スライダー25bが帯状電極10を吸着面25sに吸着させて保持した状態で、搬送方向の下流側に移動する。そして、吸着部材26aが吸着面26s上に帯状電極10を吸着する。したがって、帯状電極10は、スライダー25b及び吸着部材26aによって張力が付与された状態となる。
【0048】
その状態で、レーザ装置3の第1切断部31が帯状電極10における塗工部13にレーザ光L31を照射する。第1切断部31は、第1切断線L1に沿ってレーザ光L31を照射する。ここで、第1切断線L1の位置は、レーザ光Lを照射する方向から見て、吸着部材26aの外縁の位置と重複している。すなわち、第1切断部31は、吸着部材26aの外縁に沿うように帯状電極10にレーザ光L31を照射する。また、第1切断部31は、移動部25のスライダー25bの外縁に沿うように帯状電極10にレーザ光L31を照射する。レーザ光L31は、スライダー25bと吸着部材26aとの間の隙間に照射される。そして、レーザ保護部材4のカバー部材41aがレーザ装置3に対向する位置から退避する。
【0049】
以上によって、切断工程が終了する。その後、切断されて製造された電極50を吸着した状態の吸着部材26aを回転部26bが180°回転させ、電極50を搬送部5に受け渡す。そして、電極50は、検査工程に搬送される。
【0050】
次に、本実施形態に係る電極製造装置1の作用効果について説明する。本実施形態に係る電極製造装置1において、図2に示されるように、帯状電極10を搬送する搬送部2は、送出部24によって帯状電極10を搬送方向に送り出し、当該帯状電極10は移動部25によって吸着部26に受け渡される。送出部24と移動部25との間にある帯状電極10は、送出部24と移動部25とによって搬送方向への張力が付与される。これにより、帯状電極10は吸着部26に吸着されていない部位についても反りや撓みによる上下方向の位置ずれが抑制された状態となるので、帯状電極10をレーザ装置3によって良質に切断できるようになる。この構成では、吸着部が搬送領域全体に配置される吸着コンベアに比べ、吸着部26が設けられる範囲を小さくすることができる。この結果、吸着部26の設置範囲に応じて大きくなる吸引ダクトのサイズを小さくすることができたり、減圧手段を小型化することができたりするので、電極製造装置1の小型化を図ることができる。
【0051】
さらに、上述のように吸着部26を小型化できるため、吸着部26の負圧に対する応答性を向上させることができ、吸着のON/OFFを切替可能な構成とすることができる。したがって、吸着に伴うエネルギー消費を減らすことができる。また、吸着コンベアを用いた場合には、帯状電極10で覆われていない小孔や、吸引ダクトとベルトとの間の隙間からも空気が侵入するため、負圧のロスが大きい。これに対し、本実施形態に係る電極製造装置1の吸着部26は、負圧のロスを少なくできるため、減圧手段を小型化することができる。
【0052】
図5及び図7に示されるように、レーザ装置3は、吸着部26の外縁に沿うように帯状電極10にレーザ光Lを照射する。帯状電極10における吸着部26に吸着されている部分は、特に精度良く位置決めされている状態である。この構成により、帯状電極10におけるレーザ光Lを照射する部分を、特に精度良く位置決めされた状態とすることができる。そのため、帯状電極10をより好適な状態で切断することができる。
【0053】
電極製造装置1において、吸着部26は、レーザ光Lを照射する方向から見て、製造される電極50と同じ寸法形状となるように形成されている。このため、所望の寸法形状の電極50を製造するに際し、帯状電極10を好適な状態で切断することができる。
【0054】
電極製造装置1において、吸着部26は、帯状電極10を吸着する吸着部材26aと、吸着部材26aを回転させる回転部26bと、を含んでいる。このため、製造された電極50を吸着部材に吸着させた状態で吸着部材26aを回転させることにより、電極50を搬送部5に受け渡し、次の工程に搬送することができる。これにより、切断工程の後の搬送工程においても、吸着コンベアに比べ、装備を小型化できる。したがって、電極製造装置1のより一層の小型化を図ることができる。
【0055】
電極製造装置1において、帯状電極10は、活物質層12によって覆われた塗工部(第1部分)13と、金属箔11を露出させた未塗工部(第2部分)14と、を有し(図1(a)参照)、レーザ装置3は、塗工部13を切断する第1切断部31と、第1切断部31よりも搬送方向の上流側に配置され、未塗工部14を切断する第2切断部32と、を有している(図6及び図8参照)。このため、帯状電極10に照射するレーザ光Lの出力特性を塗工部13と未塗工部14とで切り替える手間を省くことができる。
【0056】
電極製造装置1は、帯状電極10にレーザ光Lが照射された際に、帯状電極10を通過したレーザ光Lを遮断するためのレーザ保護部材4をさらに備えている。このため、帯状電極10を通過したレーザ光Lが他の部品に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0057】
電極製造装置1において、搬送部2の搬送路21は、帯状電極10の短手方向に配列されている。このため、搬送路21をより効果的に配置することができ、より一層の省スペース化を図ることができる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0059】
本実施形態において、レーザ装置3は、第1切断部31及び第2切断部32を有している例を挙げて説明したが、これに限定されない。レーザ装置3は、例えば、第1切断部31のみを有していてもよい。この場合、レーザ装置3は、第1切断部31によってレーザ光L31を照射して塗工部13を切断し、第1切断部31の出力を切り替えることによりレーザ光L32を照射して未塗工部14を切断する。或いは、レーザ装置3は、第1切断部31によってレーザ光L31を照射して塗工部13及び未塗工部14を切断してもよい。また、この場合、吸着部材26aが吸着面26s上に帯状電極10を吸着した状態で、塗工部13及び未塗工部14の両方を切断してもよい。
【0060】
また、本実施形態において、スライダー25bは、吸着面25sを有している例を挙げて説明したが、これに限定されない。スライダー25bは、例えば、挟持部材を有していてもよい。この場合、スライダー25bは、送出部24によって送り出された帯状電極10を挟持部材の挟持によって保持した状態で、搬送方向の下流側に移動することにより、吸着部26に帯状電極10を受け渡す。
【0061】
また、本実施形態において、吸着部26の回転部26bは、立方体形状を呈している例を挙げて説明したが、回転部26bの形状はこれに限定されない。回転部26bは、例えば、Y軸方向から見て八角形状、六角形状等の多角形状であってもよく、或いは、Y軸方向から見て円形状又は楕円形状であってもよい。例えば、回転部26bがY軸方向から見て八角形状である場合、吸着部材26aが8つ設けられていてもよい。回転部26bの形状に対応させて、吸着部材26aの数量も任意に変更することができる。
【0062】
また、本実施形態において、電極50は、吸着部26の下方に配置された搬送部5によって検査工程に搬送される例を挙げて説明したが、これに限定されない。吸着部26に電極50が吸着された状態で検査工程が行われてもよい。例えば、検査工程は、搬送路21上から電極50を90°回転させた位置において行われてもよい。
【0063】
また、本実施形態において、帯状電極10には、金属箔11の短手方向の中央部に活物質層12が形成されており、帯状電極10の短手方向において2個の電極50が切り出される2条取りとする例を挙げて説明したが、帯状電極10はこれに限定されない。帯状電極10は、短手方向において1個の電極50が切り出されてもよい。
【0064】
また、搬送部2の搬送路21は、帯状電極10の短手方向に4列配列させたものであってもよい。この場合、帯状電極10は、短手方向において4個の電極50が切り出される。搬送路21を帯状電極10の短手方向に多数(ここでは、4列)配列させた場合、搬送路21上の吸着部材26aは、2つずつ対になるように配置してもよい。
【0065】
また、アキューム機構23を用いず、代わりに供給部22である巻き出しロールにモータ等の回転源を接続し、巻き出しロールを直接回転制御することで、帯状電極10を間欠的に搬出してもよい。一方で、アキューム機構23を用いた場合には、巻き出しロールを用いることなく、前工程より連続的に供給される帯状電極10をアキューム機構23のローラ23cから間欠的に搬出してもよい。
【符号の説明】
【0066】
1…電極製造装置、2…搬送部、3…レーザ装置、4…レーザ保護部材、10…帯状電極、11…金属箔、12…活物質層、13…塗工部(第1部分)、14…未塗工部(第2部分)、21…搬送路、24…送出部、24a,24b…ニップロール(ローラ)、25…移動部、26…吸着部、26a…吸着部材、26b…回転部、31…第1切断部、32…第2切断部、50…電極、L(L31,L32)…レーザ光。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8