(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
タッチパッドに入力された連続する位置情報に基づき描画データを生成しマイクを介して音声データを取得する複数のクライアント装置から、それぞれ、互いに関連付けられた、前記クライアント装置にログインした参加者を識別する参加者IDと、前記描画データと、前記音声データとを取得し、
それぞれ異なるオブジェクトが印刷されそれぞれ異なる参加者がコンテンツを記入した複数の用紙をスキャンして得られた複数の用紙画像データに含まれる用紙固有のオブジェクトと、前記複数のクライアント装置が生成した前記描画データとを、パターンマッチングすることにより判断した、それぞれの前記描画データとパターンがマッチする前記オブジェクトを含む前記用紙画像データと、前記描画データに関連付けられた前記参加者ID及び前記音声データとを、互いに関連付けて記憶する
データ管理システム。
タッチパッドに入力された連続する位置情報に基づき描画データを生成しマイクを介して音声データを取得する複数のクライアント装置から、それぞれ、互いに関連付けられた、前記クライアント装置にログインした参加者を識別する参加者IDと、前記描画データと、前記音声データとを取得し、
それぞれ異なるオブジェクトが印刷されそれぞれ異なる参加者がコンテンツを記入した複数の用紙をスキャンして得られた複数の用紙画像データに含まれる用紙固有のオブジェクトと、前記複数のクライアント装置が生成した前記描画データとを、パターンマッチングすることにより判断した、それぞれの前記描画データとパターンがマッチする前記オブジェクトを含む前記用紙画像データと、前記描画データに関連付けられた前記参加者ID及び前記音声データとを、互いに関連付けて記憶する
データ管理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば討論を中心とした協調学習では、複数の参加者(生徒)に関する複数種類のデータ(例えば、討論時の音声データ、解答用紙に手書きしたコンテンツのデータ等)を、管理する必要性が想定される。その際、参加者(生徒)及び授業管理者(教員)の両方にとって、容易かつ正確に、複数種類のデータを管理することが望まれる。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本開示の目的は、参加者(生徒)及び授業管理者(教員)の両方にとって、容易かつ正確に、複数の参加者(生徒)に関する複数種類のデータ(例えば、討論時の音声データ、解答用紙に手書きしたコンテンツのデータ等)を管理することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態に係るデータ管理システムは、
タッチパッドに入力された連続する位置情報に基づき描画データを生成しマイクを介して音声データを取得する複数のクライアント装置から、それぞれ、互いに関連付けられた、前記クライアント装置にログインした参加者を識別する参加者IDと、前記描画データと、前記音声データとを取得し、
それぞれ異なるオブジェクトが印刷されそれぞれ異なる参加者がコンテンツを記入した複数の用紙をスキャンして得られた複数の用紙画像データに含まれる用紙固有のオブジェクトと、前記複数のクライアント装置が生成した前記描画データとを、パターンマッチングすることにより判断した、それぞれの前記描画データとパターンがマッチする前記オブジェクトを含む前記用紙画像データと、前記描画データに関連付けられた前記参加者ID及び前記音声データとを、互いに関連付けて記憶する。
【0007】
これにより、パターンがマッチしたオブジェクトを含む用紙画像データと、クライアント装置が生成した描画データとを紐づけることができる。その結果、これら用紙画像データ及び描画データと、描画データを生成したクライアント装置の音声データとを紐づけることができる。その結果、用紙画像データと、音声データとを紐づけることができる。これにより、複数の参加者に関する複数種類のデータ(音声データ、コンテンツを記入した用紙の用紙画像データ)を、互いに関連付けて管理することができる。
【0008】
データ管理システムは、さらに、
前記複数の用紙それぞれに、前記異なるオブジェクトを印刷する。
【0009】
これにより、用紙固有のオブジェクトを印刷する。
【0010】
前記クライアント装置は、前記タッチパッドに載せられた前記用紙に印刷された前記用紙固有のオブジェクトを前記参加者が指又はスタイラスでトレースすることで入力された連続する位置情報に基づき、前記描画データを生成する。
【0011】
これにより、キーボード入力が苦手な参加者(例えば、小学生)であっても、用紙画像データと音声データとを紐づけるための描画データを、容易にクライアント装置のタッチパッドに入力できるようになり、ユニバーサルである。用紙に印刷された用紙固有のオブジェクトをトレースするので、トレースにより入力した描画データと、用紙画像データに含まれる用紙固有のオブジェクトとが、必ず一致し、参加者(例えば、小学生)の書き間違いにより齟齬が生じることがない。
【0012】
前記データ管理システムは、前記複数のクライアント装置と、画像形成装置と、前記複数のクライアント装置及び前記画像形成装置と通信可能なデータ管理装置とを具備し、
前記データ管理装置が、前記複数のクライアント装置から、それぞれ、互いに関連付けられた、前記クライアント装置にログインした参加者を識別する参加者IDと、前記描画データと、前記音声データとを取得し、
前記画像形成装置が、それぞれ異なるオブジェクトが印刷されそれぞれ異なる参加者がコンテンツを記入した複数の用紙をスキャンして得られた複数の用紙画像データに含まれる用紙固有のオブジェクトと、前記複数のクライアント装置が生成した前記描画データとを、パターンマッチングすることにより、それぞれの前記描画データとパターンがマッチする前記オブジェクトを含む前記用紙画像データを判断し、
前記データ管理装置が、それぞれの前記描画データとパターンがマッチする前記オブジェクトを含む前記用紙画像データと、前記描画データに関連付けられた前記参加者ID及び前記音声データとを、互いに関連付けて記憶する
データ管理システム。
【0013】
本開示の一形態に係るデータ管理方法は、
タッチパッドに入力された連続する位置情報に基づき描画データを生成しマイクを介して音声データを取得する複数のクライアント装置から、それぞれ、互いに関連付けられた、前記クライアント装置にログインした参加者を識別する参加者IDと、前記描画データと、前記音声データとを取得し、
それぞれ異なるオブジェクトが印刷されそれぞれ異なる参加者がコンテンツを記入した複数の用紙をスキャンして得られた複数の用紙画像データに含まれる用紙固有のオブジェクトと、前記複数のクライアント装置が生成した前記描画データとを、パターンマッチングすることにより判断した、それぞれの前記描画データとパターンがマッチする前記オブジェクトを含む前記用紙画像データと、前記描画データに関連付けられた前記参加者ID及び前記音声データとを、互いに関連付けて記憶する。
【0014】
本開示の一形態に係るデータ管理装置は、
タッチパッドに入力された連続する位置情報に基づき描画データを生成しマイクを介して音声データを取得する複数のクライアント装置から、それぞれ、互いに関連付けられた、前記クライアント装置にログインした参加者を識別する参加者IDと、前記描画データと、前記音声データとを取得し、
それぞれ異なるオブジェクトが印刷されそれぞれ異なる参加者がコンテンツを記入した複数の用紙をスキャンして得られた複数の用紙画像データに含まれる用紙固有のオブジェクトと、前記複数のクライアント装置が生成した前記描画データとを、パターンマッチングすることにより判断した、それぞれの前記描画データとパターンがマッチする前記オブジェクトを含む前記用紙画像データと、前記描画データに関連付けられた前記参加者ID及び前記音声データとを、互いに関連付けて記憶する。
【0015】
本開示の一形態に係るデータ管理プログラムは、
データ管理装置のコンピューターを、
タッチパッドに入力された連続する位置情報に基づき描画データを生成しマイクを介して音声データを取得する複数のクライアント装置から、それぞれ、互いに関連付けられた、前記クライアント装置にログインした参加者を識別する参加者IDと、前記描画データと、前記音声データとを取得し、
それぞれ異なるオブジェクトが印刷されそれぞれ異なる参加者がコンテンツを記入した複数の用紙をスキャンして得られた複数の用紙画像データに含まれる用紙固有のオブジェクトと、前記複数のクライアント装置が生成した前記描画データとを、パターンマッチングすることにより判断した、それぞれの前記描画データとパターンがマッチする前記オブジェクトを含む前記用紙画像データと、前記描画データに関連付けられた前記参加者ID及び前記音声データとを、互いに関連付けて記憶する
よう動作させる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、参加者(生徒)及び授業管理者(教員)の両方にとって、容易かつ正確に、複数の参加者(生徒)に関する複数種類のデータ(例えば、討論時の音声データ、解答用紙に手書きしたコンテンツのデータ等)を管理することができる。
【0017】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0020】
1.データ管理システムの概要
図1は、本開示の一実施形態に係るデータ管理システムを示す。
【0021】
データ管理システム1は、学校における協調学習等において、複数の参加者(生徒)に関する複数種類のデータ(例えば、討論時の音声データ、解答用紙に手書きしたコンテンツのデータ等)を管理する。データ管理システム1は、データ管理装置10と、複数のクライアント装置20と、画像形成装置(Multifunction Peripheral、以下単にMFPと称する)30とを有する。データ管理装置10は、複数のクライアント装置20及びMFP30と、インターネット等のネットワークNを介して通信可能である。
【0022】
複数のクライアント装置20は、それぞれ同一又は同様のハードウェア構成及び機能的構成を有する。以下、特に断りの無い限り個々のクライアント装置20を区別せず、単にクライアント装置20(単数形)と称して説明し、1台のクライアント装置20を図示する。1個のクライアント装置20には、協調学習に参加する参加者1名がログインする。クライアント装置20は、タッチパッドを有し、典型的にはタブレットコンピュータであり、あるいは、スマートフォン等でもよい。クライアント装置20は、主にログインした参加者の発話を外付け又は内蔵のマイクを介して取得し、内蔵の不揮発性の記憶媒体に記憶(録音)する。クライアント装置20は、音声データをネットワークNを介してデータ管理装置10に供給する。
【0023】
MFP30は、授業管理者(教員)が使用する。MFP30は、協調学習に参加する参加者がコンテンツ(例えば、解答)を記入した複数の用紙(例えば、解答用紙)をスキャンして、複数の用紙画像データをそれぞれ得る。MFP30は、用紙画像データをネットワークNを介してデータ管理装置10に供給する。
【0024】
データ管理装置10は、協調学習の現場又は現場外(学校内又は学校外)に設置されるパーソナルコンピューターである。現場外に設置する場合、データ管理装置10は、所謂クラウド上のサーバー装置として、データ管理サービスを提供する。データ管理装置10は、ネットワークNを介して複数のクライアント装置20から、複数の参加者の音声データをそれぞれ取得する。データ管理装置10は、ネットワークNを介してMFP30から、複数の参加者の用紙画像データ(解答用紙のスキャンデータ)を取得する。データ管理装置10は、クライアント装置20から取得した音声データ及びMFP30から取得した用紙画像データを、参加者毎に関連付けて管理する。
【0025】
2.データ管理装置のハードウェア構成
図2は、データ管理装置のハードウェア構成を示す。
【0026】
データ管理装置10は、制御回路11と、制御回路11とバス17を介して接続された表示装置12、通信装置13、操作装置15及び記憶装置16とを有する。
【0027】
制御回路11は、CPU(Central Processing Unit)等を含む。制御回路11のCPUは、コンピューター読み取り可能な非一過性の記憶媒体の一例であるROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムをRAM(Random Access Memory)にロードして実行する。
【0028】
記憶装置16は、ROMと、RAMと、HDDなどの大容量の記憶装置と、USBメモリー等の外付けのモバイルな記憶媒体を含む。ROMは、制御回路11が実行するプログラムやデータなどを固定的に記憶する。RAMには、ROMに記憶されたプログラムがロードされる。
【0029】
表示装置12は、LCDや有機ELディスプレイ等を含む。表示装置12は、制御回路11から受け取った情報に基づいて演算処理を行い、生成した画像信号を画面に表示する。表示装置12は外付けの表示装置でもよい。
【0030】
操作装置15は、キーボード、マウス及び各種スイッチ等を含む。操作装置15は、メンバーからの操作を検出して制御回路11に出力する。
【0031】
通信装置13は、インターネット等のネットワークNに接続するためのインターフェースである。通信装置13は、クライアント装置20とネットワークNを通じて通信可能である。
【0032】
3.クライアント装置のハードウェア構成
図3は、クライアント装置のハードウェア構成を示す。
【0033】
クライアント装置20のハードウェア構成は、データ管理装置10と同様のハードウェア構成にマイク24を追加した構成であるので説明を簡略する。
【0034】
クライアント装置20は、制御回路21と、制御回路21とバス27を介して接続された表示装置22、通信装置23、操作装置25及び記憶装置26並びにマイク24とを有する。
【0035】
操作装置25は、表示装置22に重ねられたタッチパッド28を少なくとも含む。操作装置25は、ハードキー等をさらに含んでもよい。操作装置25は、メンバーからの操作を検出して制御回路21に出力する。
【0036】
マイク24は、主にクライアント装置20にログインした参加者個人の発話(音声)を取得する。マイク24が取得した音声データは、記憶装置26の不揮発性の記憶媒体に記憶(録音)される。マイク24は、参加者個人の発話(音声)を取得するため、典型的には、参加者の口元に装着可能な外付けのマイクである。
【0037】
4.画像形成装置のハードウェア構成
図4は、画像形成装置のハードウェア構成を示す。
【0038】
MFP30は、制御部31を備える。制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及び専用のハードウェア回路等から構成され、MFP30の全体的な動作制御を司る。MFP30を各機能部(後述)として機能させるコンピュータープログラムは、ROM等の非一過性のコンピューター読み取り可能な記憶媒体に記憶される。
【0039】
制御部31は、画像読取部32、画像処理部34、画像メモリー35、画像形成部36、操作部37、記憶部38、通信制御部33等と接続されている。制御部31は、接続されている上記各部の動作制御や、各部との間での信号又はデータの送受信を行う。
【0040】
制御部31は、ユーザーから、操作部37またはネットワーク接続されたパーソナルコンピュータ(図示せず)等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナー機能、印刷機能及びコピー機能などの各機能についての動作制御を実行するために必要な機構の駆動及び処理を制御する。
【0041】
画像読取部32は、原稿から画像を読み取るスキャナーである。
【0042】
画像処理部34は、画像読取部32で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部34は、画像読取部32により読み取られた画像が画像形成された後の品質を向上させるために、シェーディング補正等の画像処理を行う。
【0043】
画像メモリー35は、画像読取部32による読み取りで得られた原稿画像のデータを一時的に記憶したり、画像形成部36での印刷対象となるデータを一時的に記憶したりする領域を有する。
【0044】
画像形成部36は、画像読取部32で読み取られた画像データ等の画像形成を行う。
【0045】
操作部37は、MFP30が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付けるタッチパネル部および操作キー部を備える。タッチパネル部は、タッチパネルが設けられたLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の表示部37aを備えている。
【0046】
通信制御部33は、ネットワークNに接続するためのインターフェースである。
【0047】
記憶部38は、画像読取部32によって読み取られた原稿画像等を記憶する、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置である。記憶部38は、着脱可能に接続されるモバイルの記憶媒体(例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリー)及びそのインターフェースをさらに有してもよい。
【0048】
5.データ管理システムの機能的構成
図5は、データ管理システムの機能的構成を示す。
【0049】
MFP30は、非一過性のコンピューター読み取り可能な記憶媒体の一例であるROMに記憶されたコンピューター実行可能なプログラムをRAMにロードして実行することにより、オブジェクト印刷部301、ログイン部303、授業選択部304、描画データ取得部305、用紙画像データ取得部306、パターンマッチング部307及び用紙画像データ供給部309として動作する。
【0050】
クライアント装置20は、非一過性のコンピューター読み取り可能な記憶媒体の一例であるROMに記憶されたコンピューター実行可能なプログラムをRAMにロードして実行することにより、ログイン部201、描画読取部202、録音部203及びデータ供給部204として動作する。
【0051】
データ管理装置10は、非一過性のコンピューター読み取り可能な記憶媒体の一例であるROMに記憶されたコンピューター実行可能なプログラムをRAMにロードして実行することにより、クライアントデータ取得部101、描画データ供給部103及び用紙画像データ取得部104として動作する。
【0052】
MFP30のオブジェクト印刷部301は、オブジェクトデータベース302から読み出した、印刷部数と同じ数のオブジェクトのデータを、それぞれ、解答用紙原本のスキャンデータの特定の位置に配置することにより合成し、合成データを生成する。オブジェクト印刷部301は、画像形成部36を制御して、印刷部数と同じ数の合成データを用紙に印刷する。その結果、所望の部数(複数)の解答用紙が印刷される。複数の解答用紙には、同一のコンテンツ(設問及び解答欄等)が印刷されるものの、それぞれ異なるオブジェクトが印刷される。
【0053】
クライアント装置20のログイン部201は、特定の参加者IDにより識別される参加者を、特定の授業IDにより識別される授業にログインし、後にログアウトする。
【0054】
クライアント装置20の描画読取部202は、タッチパッド28に載せられた解答用紙に印刷されたオブジェクトを指(又はスタイラス)でトレースすることで入力された連続する位置情報に基づき、描画データを生成し、記憶する。複数の解答用紙に印刷されたオブジェクトは全て異なるため、複数のクライアント装置20にそれぞれ入力される描画データもまた、全て異なる。
【0055】
クライアント装置20の録音部203は、マイク24を介して参加者個人の発話(音声)を主に取得し、音声データとして記憶(録音)する。
【0056】
クライアント装置20のデータ供給部204は、授業ID及び参加者IDと、描画データと、音声データとを互いに関連付けて、ネットワークNを介してデータ管理装置10に供給する。
【0057】
データ管理装置10のクライアントデータ取得部101は、授業IDと、参加者IDと、描画データと、音声データとを互いに関連付けて、それぞれ、ネットワークNを介して全ての参加者がログインした複数のクライアント装置20から取得し、授業データベース102に記憶する。
【0058】
MFP30のログイン部303は、授業管理者をログインする。
【0059】
MFP30の授業選択部304は、授業IDを選択する。
【0060】
データ管理装置10の描画データ供給部103は、特定の授業IDに関連付けられた複数セットの参加者ID及び描画データを、授業データベース102から読み出し、ネットワークNを介してMFP30に供給する。
【0061】
MFP30の描画データ取得部305は、特定の授業IDに関連付けられた複数セットの参加者ID及び描画データを、ネットワークNを介してデータ管理装置10から取得する。
【0062】
MFP30の用紙画像データ取得部306は、画像読取部32を制御して、授業管理者がフィーダー又はプラテンにセットした複数の解答用紙(参加者から回収した、記入済みの用紙)をスキャンして複数の用紙画像データを得る。
【0063】
MFP30のパターンマッチング部307は、複数の用紙画像データにそれぞれ含まれるオブジェクトと、複数のクライアント装置20が生成した描画データとを、パターンマッチングする。その結果、パターンマッチング部307は、それぞれの描画データとパターンがマッチするオブジェクトを含む用紙画像データを判断する。
【0064】
MFP30の用紙画像データベース308は、特定の授業IDと、クライアント装置20が生成した描画データとパターンがマッチするオブジェクトを含む用紙画像データと、この描画データに関連付けられた参加者IDとを、互いに関連付けて記憶する。
【0065】
MFP30の用紙画像データ供給部309は、用紙画像データベース308から、特定の授業IDに関連付けられた、複数セットの、用紙画像データ及び参加者IDを、互いに関連付けて、ネットワークNを介してデータ管理装置10に供給する。
【0066】
データ管理装置10の用紙画像データ取得部104は、複数セットの、授業IDと、参加者IDと、用紙画像データとを互いに関連付けて、ネットワークNを介してMFP30から取得する。用紙画像データ取得部104は、データ管理装置10より取得した授業ID及び参加者IDのセットと同じ授業ID及び参加者IDのセットにさらに関連付けて、授業データベース102に、用紙画像データを記憶する。
【0067】
6.データ管理システムの動作
以下の説明では、学校における協調学習等の場面を想定し、(1)授業前、(2)授業中、(3)授業後のデータ管理システムの動作に分けて説明する。
【0068】
(1)授業前のデータ管理システムの動作
図6は、画像形成装置の動作フロー(授業前)を示す。
【0069】
授業管理者は、MFP30のフィーダー又はプラテンにコピー対象の用紙原本(解答用紙等)をセットする。MFP30のオブジェクト印刷部301は、授業管理者から操作部37に対する特定の操作を印刷要求として検出する。印刷要求は、印刷部数を含む。すると、オブジェクト印刷部301は、画像読取部32を制御して、授業管理者がフィーダー又はプラテンにセットした用紙原本(解答用紙等)をスキャンし、スキャンデータを画像メモリー35に保存する(ステップS301)。
【0070】
オブジェクト印刷部301は、不揮発性の記憶媒体に記憶されたオブジェクトデータベース302に、異なる複数の(例えば、クラスの人数以上の)オブジェクトのデータを、予め記憶している。「オブジェクト」は、例えば、星、二重丸、三角形等のような、比較的単純であり、異なる特徴を有する図形であってもよい。オブジェクト印刷部301は、印刷部数と同じ数のオブジェクトのデータを、オブジェクトデータベース302から読み出す。オブジェクト印刷部301は、オブジェクトデータベース302から読み出した、印刷部数と同じ数のオブジェクトのデータを、それぞれ、画像メモリー35に保存したスキャンデータの特定の位置に配置することにより合成し、合成データを生成する。その結果、オブジェクト印刷部301は、印刷部数と同じ数の合成データを生成することとなる。印刷部数と同じ数の合成データは、それぞれ、異なるオブジェクトを含む(ステップS302)。
【0071】
オブジェクト印刷部301は、画像形成部36を制御して、印刷部数と同じ数の合成データを用紙に印刷する(ステップS303)。その結果、所望の部数(複数)の解答用紙が印刷される。複数の解答用紙には、同一のコンテンツ(設問及び解答欄等)が印刷されるものの、それぞれ異なるオブジェクト(用紙固有のオブジェクト)が印刷される。例えば、ある解答用紙には星印が印刷され、別の解答用紙には二重丸が印刷される。このように、1種類のコンテンツ(設問及び解答欄等)に対して同一のオブジェクトが印刷されることは無く、必ず、全て異なるオブジェクト(用紙固有のオブジェクト)が印刷される。
【0072】
(2)授業中のデータ管理システムの動作
図7は、クライアント装置(授業中)の動作フローを示す。
【0073】
クライアント装置20のログイン部201は、参加者から操作装置25に対する特定の操作をログイン要求として検出し、特定の参加者IDにより識別される参加者を、特定の授業IDにより識別される授業にログインする(ステップS201)。ログインに成功すると、クライアント装置20の描画読取部202は、タッチパッド28に指又はスタイラスで入力された連続する位置情報を読み取るためのスタンバイ状態に移行する(ステップS202)。
【0074】
図8は、クライアント装置に対する操作を模式的に示す。
印刷(ステップS303)された複数の解答用紙は、複数の参加者に配布される。参加者は、クライアント装置20のタッチパッド28に解答用紙Sを載せる。具体的には、解答用紙Sに印刷された用紙固有のオブジェクトO(同図では、見やすさのため解答用紙のサイズに対してやや大きめに描いている)がタッチパッド28の領域からはみ出さないように、タッチパッド28に解答用紙Sを載せる。参加者は、タッチパッド28に載せられた解答用紙Sに印刷された用紙固有のオブジェクトO(同図では、星印)を、指F(又はスタイラス)でトレースする。クライアント装置20の描画読取部202は、タッチパッド28に載せられた解答用紙Sに印刷された用紙固有のオブジェクトOを指F(又はスタイラス)でトレースすることで、解答用紙S越しに入力された連続する位置情報に基づき、描画データを生成し、記憶する(ステップS203)。複数の解答用紙に印刷されたオブジェクトは全て異なるため、複数のクライアント装置20にそれぞれ入力される描画データもまた、全て異なる。
【0075】
授業中、参加者は、自分の解答用紙(つまり、用紙固有のオブジェクトが印刷されている)にコンテンツ(解答等)を手書きで記入する。クライアント装置20の録音部203は、マイク24を介して参加者個人の発話(音声)を主に取得し、音声データとして記憶(録音)する(ステップS204)。
【0076】
クライアント装置20での録音が終了し、参加者が解答用紙へコンテンツ(解答等)を記入し終え、授業管理者が全ての参加者から解答用紙を回収する。
【0077】
クライアント装置20のログイン部201は、参加者から操作装置25に対する特定の操作をログアウト要求として検出し参加者をログアウトする(ステップS205)。ログアウトすると、クライアント装置20のデータ供給部204は、授業ID及び参加者ID(ステップS201)と、描画データ(ステップS203)と、音声データ(ステップS204)とを互いに関連付けて、ネットワークNを介してデータ管理装置10に供給する(ステップS206)。
【0078】
図9は、データ管理装置の動作フロー(授業中)を示す。
図10は、データ管理システムの動作シーケンス(授業中、授業後)を示す。
データ管理装置10のクライアントデータ取得部101は、授業IDと、参加者IDと、描画データと、音声データとを互いに関連付けて、それぞれ、ネットワークNを介して全ての参加者がログインした複数のクライアント装置20から取得する(ステップS101)。複数のクライアント装置20から取得する描画データは、全て異なる。何故なら、複数の解答用紙に印刷されたオブジェクトは全て異なるため、複数のクライアント装置20にそれぞれ入力される描画データもまた、全て異なるからである。データ管理装置10のクライアントデータ取得部101は、全ての参加者がログインした複数のクライアント装置20から取得した、授業IDと、参加者IDと、描画データと、音声データとを、互いに関連付けてそれぞれ授業データベース102に記憶する(ステップS102)。授業データベース102は、大容量の不揮発性の記憶媒体に設けられる。
【0079】
(3)授業後のデータ管理システムの動作
図11は、画像形成装置の動作フロー(授業後)を示す。
図12は、データ管理装置の動作フロー(授業後)を示す。
【0080】
MFP30のログイン部303は、授業管理者から操作部37に対する特定の操作をログイン要求として検出し、授業管理者をログインする(ステップS311)。MFP30は、複数の授業IDを予め記憶している。MFP30の授業選択部304は、授業管理者から操作部37に対する特定の操作を授業選択要求として検出し、授業IDを選択する(ステップS312)。MFP30の描画データ取得部305は、授業選択部304が選択した授業IDに関連付けられた複数セットの参加者ID及び描画データを取得するための、データ取得要求を、ネットワークNを介してデータ管理装置10に供給する(ステップS313)。
【0081】
データ管理装置10の描画データ供給部103は、ネットワークNを介してMFP30から、データ取得要求を取得する(ステップS111)。データ管理装置10の描画データ供給部103は、データ取得要求に含まれる授業IDに関連付けられた複数セットの参加者ID及び描画データを、授業データベース102から読み出す。データ管理装置10の描画データ供給部103は、複数セットの参加者ID及び描画データを、ネットワークNを介してMFP30に供給する(ステップS112)。
【0082】
MFP30の描画データ取得部305は、選択(ステップS312)した授業IDに関連付けられた複数セットの参加者ID及び描画データを、ネットワークNを介してデータ管理装置10から取得する(ステップS314)。
【0083】
一方、授業管理者は、MFP30のフィーダー又はプラテンに、参加者から回収した複数の解答用紙をセットする。複数の解答用紙には、それぞれ、異なるオブジェクトが印刷され、それぞれ異なる参加者によりコンテンツ(解答)が記入されている。MFP30の用紙画像データ取得部306は、授業管理者から操作部37に対する特定の操作をスキャン要求として検出する。すると、用紙画像データ取得部306は、画像読取部32を制御して、授業管理者がフィーダー又はプラテンにセットした複数の解答用紙(参加者から回収した、記入済みの用紙)をスキャンして複数の用紙画像データを得る(ステップS315)。
【0084】
MFP30のパターンマッチング部307は、複数の用紙画像データ(ステップS315)にそれぞれ含まれるオブジェクトと、複数のクライアント装置20が生成(ステップS203)した描画データとを、パターンマッチングする。その結果、パターンマッチング部307は、それぞれの描画データとパターンがマッチするオブジェクトを含む用紙画像データを判断する(ステップS316)。例えば、パターンマッチング部307は、描画データ(星印)とパターンがマッチするオブジェクト(星印)を含む用紙画像データを判断する。このように、パターンマッチング部307は、複数セットの、描画データとパターンがマッチするオブジェクトを含む用紙画像データを判断する。
【0085】
MFP30の用紙画像データベース308は、選択(ステップS312)した授業IDと、クライアント装置20が生成(ステップS203)した描画データとパターンがマッチするオブジェクトを含む用紙画像データと、この描画データに関連付けられた参加者ID(データ管理装置10から取得(ステップS314)した参加者ID)とを、互いに関連付けて記憶する。
【0086】
MFP30の用紙画像データ供給部309は、用紙画像データベース308から、選択(ステップS312)した授業IDに関連付けられた、複数セットの、用紙画像データ及び参加者IDを、互いに関連付けて、ネットワークNを介してデータ管理装置10に供給する(ステップS317)。
【0087】
データ管理装置10の用紙画像データ取得部104は、複数セットの、授業IDと、参加者IDと、用紙画像データとを互いに関連付けて、ネットワークNを介してMFP30から取得する(ステップS113)。ステップS102で既に、授業データベース102は、複数セットの、授業IDと、参加者IDと、描画データと、音声データとを、互いに関連付けてそれぞれ記憶している。そこで、用紙画像データ取得部104は、データ管理装置10より取得(ステップS113)した授業ID及び参加者IDのセットと同じ授業ID及び参加者IDのセットにさらに関連付けて、授業データベース102に、用紙画像データを記憶する。その結果、授業データベース102は、複数セットの、授業IDと、参加者IDと、描画データと、音声データと、用紙画像データとを、互いに関連付けてそれぞれ記憶することとなる(ステップS114)。用紙画像データ取得部104は、用紙画像データを記憶した後、授業データベース102から描画データを削除してもよい(ステップS115)。なぜなら、描画データは、参加者ID及び音声データと、用紙画像データとを紐づけるためだけに用いられるものだからである。
【0088】
以上のように、データ管理装置10の授業データベース102は、複数セットの、授業IDと、参加者IDと、音声データと、用紙画像データとを、互いに関連付けてそれぞれ記憶する。これにより、授業管理者は、データ管理装置10にアクセスして、特定の授業IDに関して、複数の参加者IDにそれぞれ関連付けられた、音声データと、用紙画像データとを、MFP30又は他の端末装置(パーソナルコンピューター等。図示せず。)を用いて取得することができる。
【0089】
7.変形例
MFP30ではなく、データ管理装置10が、パターンマッチングを行い、描画データとパターンがマッチするオブジェクトを含む用紙画像データを判断してもよい。そのほか、MFP30の動作をデータ管理装置10が代わりに実行したり、データ管理装置10の動作をMFP30が代わりに実行してもよい。
【0090】
データ管理装置10とMFP30とを分けなくてもよい。即ち、MFP30が、データ管理装置10及びMFP30の動作を全て実行してもよい。
【0091】
以上の各変形例に記載した構成は、すべて、本開示に係るデータ管理システムに含まれる。
【0092】
8.まとめ
学校における協調学習が盛んになりつつある。例えば討論を中心とした協調学習では、グループ討議の参加者の発話を録音し、授業管理者(教員)による評価に用いる。討論を中心としていても、参加者は用紙に解答を例えば手書きで記入することがある。このため、複数の参加者に関する複数種類のデータ(例えば、討論時の音声データ、解答用紙に手書きしたコンテンツのデータ等)を、互いに関連付けて管理することが望まれる。
【0093】
そこで、本実施形態によれば、MFP30は、複数の参加者に配布すべき複数の解答用紙それぞれに、異なるオブジェクトを印刷する。言い換えれば、複数の解答用紙それぞれには、用紙固有のオブジェクトが印刷される。参加者は、クライアント装置20のタッチパッド28に解答用紙を載せ、解答用紙に印刷された、用紙固有のオブジェクトを指又はスタイラスでトレースする。クライアント装置20は、用紙越しに入力された連続する位置情報に基づき、描画データを生成する。一方、参加者は、用紙固有のオブジェクトが印刷された解答用紙に、コンテンツ(解答等)を記入する。MFP30は、コンテンツ(解答等)を記入した解答用紙をスキャンして得た用紙画像データに含まれる用紙固有のオブジェクトと、クライアント装置20が生成した描画データをパターンマッチングし、描画データとパターンがマッチする用紙固有のオブジェクトを判断する。
【0094】
これにより、パターンがマッチしたオブジェクトを含む用紙画像データと、クライアント装置20が生成した描画データとを紐づけることができる。その結果、これら用紙画像データ及び描画データと、描画データを生成したクライアント装置20の音声データとを紐づけることができる。その結果、用紙画像データと、音声データとを紐づけることができる。これにより、複数の参加者に関する複数種類のデータ(討論時の音声データ、解答用紙に手書きしたコンテンツのデータ等)を、互いに関連付けて管理することができる。
【0095】
本実施形態によれば、参加者は、クライアント装置20のタッチパッド28に解答用紙を載せ、解答用紙に印刷された、用紙固有のオブジェクトを指又はスタイラスでトレースする。これにより、キーボード入力が苦手な参加者(例えば、小学生)であっても、用紙画像データと音声データとを紐づけるための描画データを、容易にクライアント装置20のタッチパッド28に入力できるようになり、ユニバーサルである。このように単純な入力方法であるため、文字の入力など、参加者毎のICT(Information and Communication Technology)リテラシーの差が激しい環境(低年齢など)で、有効である。解答用紙に印刷された用紙固有のオブジェクトをトレースするので、トレースにより入力した描画データと、用紙画像データに含まれる用紙固有のオブジェクトとが、必ず一致し、参加者(例えば、小学生)の書き間違いにより齟齬が生じることがない。その上、解答用紙に印刷されたオブジェクトは用紙固有であることから、必然的に、参加者により異なる。このため、予め参加者毎に固有のマークを登録する、といった事前の準備作業を必要としない。
【0096】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。