【実施例】
【0022】
以下、本発明の第1実施形態に係るレンズメータ1ついて
図3および
図4を参照して説明する。
図3は、本発明の第1実施形態に係るレンズメータ1の光学系を示した図であり、
図4は、本発明の第1実施形態に係るレンズメータ1の全体構成を示した図である。
【0023】
第1実施形態に係るレンズメータ1は、
図4に示すように、光学系10と本体部100から構成される。光学系10は、被検レンズの屈折力を測定するための測定光源11、被検レンズの紫外光透過率を測定するためのUV光源12、被検レンズの青色光透過率を測定するためのブルー光源13およびRGB型のCMOSイメージセンサー26などから構成されている。
【0024】
本体部100は、演算/制御処理部101、モニタ102、タッチパネル103、スイッチボタン104、プリンター105およびメモリ106などから構成されている。演算/制御処理部101からの制御信号により、測定光源11、UV光源12およびブルー光源13の点灯/消灯の制御やCMOSイメージセンサー26の制御が実施される。また、演算/制御処理部101には、CMOSイメージセンサー26により取得されたイメージデータが入力される。そして、演算/制御処理部101に入力されたイメージデータについて演算処理を実施して、被検レンズの屈折力や紫外光透過率、青色光透過率などを算出する。演算/制御処理部101は、算出した結果をメモリ106に記憶すると共に、モニタ102に表示する。
【0025】
次に、光学系10について、
図3を参照して説明する。光学系10は、測定光源11、UV光源12およびブルー光源13などを備えた投光部と、CMOSイメージセンサー26などを備えた受光部とから構成されている。
【0026】
本実施形態では、測定光源11には、例えば、波長が535nmの緑色光のLEDが採用される。眼鏡レンズの屈折力は、基準波長であるd線(587.56nm)またはe線(546.07nm)により値付けされているため、本実施形態では、これら基準波長に近い535nmの緑色光を採用するが、これに限定するものではなく、緑色光より長波長の赤色光のLEDを採用してもよい。基準波長との差で生じる誤差は、基準レンズを用いた校正作業により補正される。
【0027】
また、本実施形態では、UV光源12には、例えば、波長が375nmの紫外光のLEDが採用される。UV光源12についても、これに限定するものではなく、370nmから400nmの間の波長の光源が採用可能である。
【0028】
また、本実施形態では、ブルー光源13には、例えば、波長が465nmの青色光のLEDが採用される。ブルー光源13についても、これに限定するものではなく、430nmから500nmの間の波長の光源が採用可能である。
【0029】
ホットミラー14は、UV光源12から出射される紫外光は透過し、ブルー光源13から出射される青色光は反射するように設定されている。また、ホットミラー15は、UV光源12から出射される紫外光とブルー光源13から出射される青色光は透過し、測定光源11から出射される緑色光は反射するように設定されている。
【0030】
つまり、ホットミラー14によりUV光源12から出射される紫外光(以下「紫外光」)とブルー光源13から出射される青色光(以下「青色光」)が合波され、さらに、ホットミラー15により測定光源11から出射される緑色光(以下「測定光」)が合波されて、これら3つの光は同じ光軸上で重ね合わされて絞り16およびコリメータレンズ17に入射する。
【0031】
絞り16は薄い平板に円形状の貫通穴を設けたものであり、被検レンズ18に照射する光の光束径を制限するものである。被検レンズ18に照射する光の光束径が大き過ぎると、コリメータレンズ17から被検レンズ18の間に配置された(図示しない)他の構成部品に照射し、その反射光が被検レンズ18に入り込む恐れがある。絞り16により、被検レンズ18に照射する光の光束径を制限して他の構成部品からの反射光が被検レンズ18に入り込むことを防止している。
【0032】
また、測定光源11、UV光源12およびブルー光源13は、コリメータレンズ17の後側面焦点距離(バックフォーカス)の位置に配置されている。これにより、測定光、紫外光および青色光はコリメータレンズ17により平行光となり、被検レンズ18に対して垂直に照射する。
【0033】
被検レンズ18を透過した測定光、紫外光および青色光は、カバーガラス20、パターン板21および集光レンズ22、23、24に入射した後、フィルター25を透過後、CMOSイメージセンサー26に入射する。
【0034】
ここで、カバーガラス20は受光部を埃などから保護するために配置された平板状の板ガラスであり、本実施形態では、被検レンズ18を透過した測定光、紫外光および青色光がほぼ100%の透過率で透過できるように、上面および下面の両面には反射防止のためのマルチコーティングが施されている。尚、マルチコーティングは必須なものでななく、適宜、必要に応じて、適切な反射防止コーティングを施せばよい。
【0035】
パターン板21は、例えば、
図6の(a)のような正方形の各頂点を中心とする4つの円状の貫通穴21a、21b、21c、21dを設けた円板状の平板が採用できる。被検レンズ18を透過した測定光、紫外光および青色光は、被検レンズ18の屈折力に応じて屈折してパターン板21に入射して4つの分離した光となる。4つの分離した光は、集光レンズ22、23および24により集光し、フィルター25を透過後、CMOSイメージセンサー26の受光面において結像する。
【0036】
4つの光がCMOSイメージセンサー26の受光面で結像する位置は、被検レンズ18の屈折力に応じて変化するため、4つの光の重心位置(座標位置)をCMOSイメージセンサー26のイメージデータから算出することにより、被検レンズ18の屈折力の値を算出することができるのである。4つの座標位置から球面屈折力S、円柱屈折力Cおよび乱視角度Aなどの光学特性の値を算出する方法は特許第3150404号公報などに開示されているので、ここでは、詳細は省略する。
【0037】
図2は、本実施形態で採用したCMOSイメージセンサー26のR受光面(red)、G受光面(green)およびB受光面(blue)における波長に対する量子効率(%)を示したグラフである。
図2のグラフからわかるように、R受光面(一点鎖線)は350nmから400nmの紫外光領域と560nmから1050nmの赤色光および赤外光領域に感度を持ち、G受光面(破線)は500nmから600nmの緑色光領域と650nmから1050nmの赤色光および赤外光領域に感度を持ち、B受光面(実線)は400nmから520nmの青色光領域と650nmから1050nmの赤色光および赤外光領域に感度を持つ。そして、上述のように、本実施形態で採用した測定光、紫外光、青色光の波長は、それぞれ、535nm、375nm、465nmであるため、560nmより長波長の領域は不要である。そのため、本実施形態では、CMOSイメージセンサー26の直前に560nm以上の波長の光をカットするフィルター25を配置している。これにより、ノイズ光になる恐れがある560nm以上の長波長光は適切にカットされ、CMOSイメージセンサー26のR受光面(red)、G受光面(green)およびB受光面(blue)でそれぞれ、紫外光、測定光、青色光が選択的に受光することができるのである。ここで、フィルター25には、560nm以上の長波長の光を反射し、560nmより短波長の光を透過するホットミラーなどを採用してもよい。
【0038】
上述のように、測定光、紫外光、青色光は同じ光軸上で被検レンズ18に照射するため、測定光の他、青色光でも被検レンズ18の屈折力を求めることができる。基準波長であるd線(587.56nm)またはe線(546.07nm)に近い測定光(535nm)から求めた屈折力の値をそのまま採用してもよいが、測定光の波長は535nmであり、基準波長と差がある。そこで、測定光から求めた屈折力の値に加えて、青色光から求めた屈折力の値を用いて、これら2つの値から波長と屈折力の値について近似式を求めて、基準波長であるd線(587.56nm)またはe線(546.07nm)での被検レンズ18の屈折力の値を算出することができる。これにより、基準波長との差で生じる誤差を補正する校正作業を省略することができる。また、基準波長での屈折力の値を算出するため、色収差の補正であるアッベ数を用いた補正も必要としないことから、被検レンズ18の屈折力が高い精度で算出することができる。また、被検レンズ18が紫外光を十分透過するものであれば、紫外光においても被検レンズ18の屈折力を測定し、その値を用いて基準波長における屈折力の値を求めてもよい。
【0039】
次に、本実施形態における紫外光および青色光の透過率の測定について、
図5を参照して説明する。
図5は本発明の第1実施形態に係るレンズメータの操作フローの一例を示したものである。
【0040】
まず、ステップS10で、測定光源11、UV光源12およびブルー光源13を点灯する。そして、ステップS12で、スイッチボタン104(CALボタン)が押されたか否かを判断する。スイッチボタン104が押されたら(Y)、ステップS14に進む。
【0041】
ステップS14で、UV光源12を点滅させる。そして、ステップS16で、UV光源12の点灯時および消灯時における、CMOSイメージセンサー26のR受光面(red)における光量R(UV:ON)およびR(UV:OFF)を測定して、UV光源12の点灯時と消灯時での光量の差(R(UV:ON)―R(UV:OFF))を算出する。点滅は複数回実施して、その平均値R0を求める。
【0042】
ステップS18で、ブルー光源13を点滅させる。そして、ステップS20で、ブルー光源13の点灯時および消灯時における、CMOSイメージセンサー26のB受光面(blue)における光量B(ブルー:ON)およびB(ブルー:OFF)を測定して、ブルー光源13の点灯時と消灯時での光量の差(B(ブルー:ON)―B(ブルー:OFF))を算出する。点滅は複数回実施して、その平均値B0を求める。
【0043】
ステップS22で、ステップS16で求めたR0とステップS20で求めたB0をメモリ106に記憶する。
【0044】
ステップS24で、被検レンズ18が挿入したか否かを判断する。もし、被検レンズ18が挿入されたら(Y)、ステップS26で、被検レンズ18の屈折力の算出を開始する。被検レンズ18の挿入後から被検レンズ18の屈折力の算出は常時実施されるようになっており、その都度、メモリ106に記憶し、モニタ102に表示する。
【0045】
ステップS28に進み、アライメントを行う。アライメントは測定光軸に被検レンズ18の光学中心が来るように、被検レンズを左右前後に移動する。具体的には、モニタ102に表示されたターゲットが座標中心に来るように被検レンズを移動することによりアライメントを実施する。
【0046】
ステップS30で、アライメントが終了したか否かを判断する。もし、アライメントが終了したら(Y:アライメントOK)、ステップS32で、アライメント終了時の被検レンズ18の屈折力の値をメモリ106に記憶し、モニタ102に表示する。アライメントが終了しなければ(N:アライメントNG)、ステップS26に戻り、被検レンズ18の屈折力の算出からやり直す。
【0047】
被検レンズ18がアライメントした状態で、ステップS34で、UV光源12を点滅させる。そして、ステップS36で、UV光源12の点灯時および消灯時における、CMOSイメージセンサー26のR受光面(red)における光量R(UV:ON)およびR(UV:OFF)を測定して、UV光源12の点灯時と消灯時での光量の差(R(UV:ON)―R(UV:OFF))を算出する。点滅は複数回実施して、その平均値R1を求める。
【0048】
次に、ステップS38で、ブルー光源13を点滅させる。そして、ステップS40で、ブルー光源13の点灯時および消灯時における、CMOSイメージセンサー26のB受光面(blue)における光量B(ブルー:ON)およびB(ブルー:OFF)を測定して、ブルー光源13の点灯時と消灯時での光量の差(B(ブルー:ON)―B(ブルー:OFF))を算出する。点滅は複数回実施して、その平均値B1を求める。
【0049】
ステップS42で、被検レンズ18の紫外光透過率TU(%)と青色光透過率TB(%)を以下の式を用いて算出する。
TU(%)=R1/R0×100
TB(%)=B1/B0×100
【0050】
ステップS44で、ステップS42で求めた被検レンズ18の紫外光透過率TU(%)と青色光透過率TB(%)をメモリ106に記憶し、モニタ102に表示する。
【0051】
ステップS46で、測定が終了したか否かを判断する。もし、測定が終了したら(Y)、操作は終了する。再度、測定する場合(N)は、ステップS26に戻り、再度被検レンズ18の紫外光透過率TU(%)と青色光透過率TB(%)を測定する。
【0052】
上述のように、本実施形態では、測定光、紫外光および青色光が同じ光軸上で被検レンズ18に照射するように構成され、かつ、被検レンズ18の光学中心が光軸にアライメントした状態で、被検レンズ18の紫外光透過率TU(%)および青色光透過率TB(%)を求めることができる。被検レンズ18の光学中心に照射した光は、被検レンズ18が持つプリズム屈折力の影響を受けない(光学中心はプリズム屈折力がゼロである)ことから、被検レンズ18を透過した測定光、紫外光および青色光は大きく屈折されることなく、CMOSイメージセンサー26の受光面で適切に受光できること、また、アライメントにより、被検レンズ18の同じ位置における透過率が測定できることから、正確で、かつ、再現性の高い紫外光透過率TU(%)および青色光透過率TB(%)が測定できるのである。そして、得られた被検レンズ18の紫外光透過率TU(%)および青色光透過率TB(%)の値から、被検レンズ18がブルーカットレンズか否かの判別やUVカットレンズか否かの判別ができるのである。
【0053】
図9の(a)は、レンズメータ1のモニタ102に表示される測定画面の一例である。画面中央部にはターゲットエリア116が表示され、ターゲットエリア116の中にはターゲットマーク(+)117が表示される。ターゲットマーク(+)117は被検レンズ18の光学中心の位置を、ターゲットエリア116の中心118は光学系10の光軸中心を、それぞれ表しており、モニタ102に表示されるターゲットマーク(+)117がターゲットエリア116の中心118に来るように、操作者は被検レンズ18を左右前後に移動させて、アライメントを実施するのである。
【0054】
被検レンズ18が左眼用の眼鏡レンズの場合は、ターゲットエリア116の左側の測定値表示エリア110に、算出した被検レンズ18の屈折力の値が表示される。被検レンズ18が右眼用の眼鏡レンズの場合は、ターゲットエリア116の右側の測定値表示エリア111に、算出した被検レンズ18の屈折力の値が表示される。ターゲットエリア116と測定値表示エリア110および測定値表示エリア111とに挟まれた位置には被検レンズ18の青色光の透過率TB(%)(エリア112およびエリア113)と紫外光透過率TU(%)(エリア114およびエリア115)がバーグラフで表示される。このように、本実施形態に係るレンズメータ1では、被検レンズ18の屈折力の測定と紫外光透過率TU(%)および青色光透過率TB(%)の測定が同時に実施することができる。そのため、紫外光透過率TU(%)あるいは青色光透過率TB(%)の測定ため、被検レンズ18を置き換える必要がないことから、被検レンズの取り違えによる誤測定についても防止することができるのである。
【0055】
図9の(b)は、ターゲットエリア116のエリアに紫外光透過率TU(%)(エリア120)および青色光透過率TB(%)(エリア121)のバーグラフを大きく表示する、表示例である。このように、大きく表示することにより、紫外光透過率TU(%)および青色光透過率TB(%)の値が詳細に確認できる。また、バーグラフとともに透過率の値を数値表示してもよい。
【0056】
図9の(a)および(b)に示した画面表示は一例であって、限定されるものでない。適宜、必要な値を効果的にモニタ102に表示するようにすればよいのである。
【0057】
図7の(a)は、本発明に第2実施形態に係る光学系30を示したものである。第1実施形態では、2つのホットミラー14および15により、測定光、紫外光および青色光を1つの光軸(測定光軸)重ね合わせて、被検レンズ18に照射したが、第2実施形態では、UV光源12から出射される紫外光とブルー光源13から出射される青色光は透過し、測定光源11から出射される測定光は反射するホットミラー15のみ採用する。第2実施形態では、
図7の(a)に示すように、測定光の光軸(測定光軸)と紫外光および青色光の光軸とは位置が異なる。紫外光および青色光の光軸は測定光軸からずれた位置にあるため、紫外光および青色光は、コリメータレンズ17により屈折して、斜めの方向から被検レンズ18に照射する。第2実施形態では、被検レンズ18の位置がコリメータレンズ17の前側面焦点距離の配置するように設定されている。これにより、紫外光および青色光は斜めに被検レンズ18の光学中心へ照射する。これにより、第1実施形態のように、紫外光および青色光を用いて被検レンズ18の屈折力は測定できないが、被検レンズ18のプリズム屈折力の影響は避けられることから、効率的に紫外光透過率TU(%)および青色光透過率TB(%)を測定することができる。また、ホットミラーを1つにすることにより、投光部の構成が簡素になることから、光軸調整も簡易になり、コストを低減することができる。
【0058】
図7の(b)は、本発明に第3実施形態に係る光学系40を示したものである。第2実施例では、1つのホットミラー15、測定光、紫外光および青色光を合波したが、第3実施形態では、ホットミラーを採用しない。第3実施形態では、
図7の(b)に示すように、測定光源11は測定光軸に配置し、測定光源11を挟むようにUV光源12およびブルー光源13は配置される。そのため、第2実施形態と同様、紫外光および青色光は、コリメータレンズ17により屈折して、斜めの方向から被検レンズ18に照射する。第2実施形態と同様、被検レンズ18の位置がコリメータレンズ17の前側面焦点距離の配置するように設定されているため、紫外光および青色光は斜めに被検レンズ18の光学中心へ照射する。これにより、第2実施形態と同様、第1実施形態のように紫外光および青色光を用いて被検レンズ18の屈折力は測定できないが、被検レンズ18のプリズム屈折力の影響は避けられることから、効率的に紫外光透過率TU(%)および青色光透過率TB(%)を測定することができる。また、第3実施形態では、ホットミラーを用いないことから、投光部の構成がより簡素になることから、光軸調整もさらに簡易になり、コストをさらに低減することができる。
【0059】
図8の(a)は、本発明に第4実施形態に係る光学系50を示したものである。第4実施形態では、投光部は上記第1実施形態と同じであるが、受光部の集光レンズ24とフィルター25との間にコールドミラー27が配置される。コールドミラー27は紫外光および青色光は反射し、(紫外光および青色光より長波長である)測定光は透過するように設定されている。これにより、測定光はフィルター25を透過してCMOSイメージセンサー26に入射する。一方、紫外光および青色光はコールドミラー27で反射して、CMOSイメージセンサー26とは異なる位置に配置された光検出器28に入射する。光検出器28は青色光領域より短波長の光が選択的に受光できるように(図示しない)フィルターが光検出器28の受光面の前面に配置されている。このような構成を採用することにより、CMOSイメージセンサー26では測定光による被検レンズ18の屈折力を測定し、光検出器28では、紫外光および青色光のそれぞれの紫外光透過率TU(%)および青色光透過率TB(%)を測定することができる。すなわち、紫外光透過率を測定する際は、UV光源12を点灯し、ブルー光源13を消灯し、また、青色光透過率を測定する際は、UV光源12を消灯し、ブルー光源13を点灯することにより、簡易に被検レンズ18の紫外光透過率TU(%)および青色光透過率TB(%)が測定できる。光検出器28に、紫外光領域および青色光領域に高感度な光検出器を採用すれば、高い精度で被検レンズ18の紫外光透過率TU(%)および青色光透過率TB(%)が測定できる。また、受光素子には、RGB型のCMOSイメージセンサー26を採用する必要もなく、コントラストの高いモノクロのCCDイメージセンサーまたはCMOSセンサーが採用できる。これにより、被検レンズ18の屈折力を高い精度で測定することができる。
【0060】
図8の(b)は、本発明に第5実施形態に係る光学系60を示したものである。第5実施例は、第4実施形態の投光部について、第2実施形態の投光部を採用したものである。これにより、コスト低減が可能になる。
【0061】
ここで、レンズメータ1はレンズメータの一例であり、測定光源11は測定光源の一例であり、UV光源12は第1検査光源の一例であり、ブルー光源13は第2検査光源の一例であり、CMOSイメージセンサー26は第1受光素子の一例であり、ホットミラー15は第1合波手段または第3合波手段の一例であり、ホットミラー14は第3合波手段の一例であり、コールドミラー27は分離手段の一例であり、光検出器28は第2受光素子の一例である。
【0062】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本発明を上記の実施形態に適用したものに限られることなく、これらの実施形態を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定するものではない。
【0063】
例えば、第4実施形態の投光部について、第3実施形態の投光部を採用してもよい。これにより、ホットミラーがなくなることから、部品コストの低減と光軸調整の簡略化による製造コストの低減ができる。すなわち、低コストで被検レンズ18の屈折力の測定と紫外光透過率および青色光透過率の測定が可能なレンズメータが提供できる。
【0064】
また、上記実施形態では、測定光源11に波長が535nmの緑色光のLEDを採用したが、測定光はこれに限定するものではなく、例えば、波長が600nmから700nmの間の赤色光のLEDを採用してもよい。受光素子には赤色光やそれ以上の長波長領域に高い感度をもつものが多いことや、赤色光のLEDは、緑色光のLEDに比べて比較的に光出力が高いことから、測定光源11に赤色光のLEDを採用することにより、被検レンズ18の屈折力が高い精度で測定できる。測定光源11の波長については、緑色光や赤色光に限定するものではなく、黄色光や赤外光など様々な波長も採用できることは言うまでもない。
【0065】
また、上記実施形態では、パターン板21には
図6(a)の4つ穴のパターン板を採用したが、パターン板はこれに限定するものではない。例えば、
図6(b)のパターン板210のように多数の貫通穴を設けたハルトマンプレートを採用することも可能である。さらに、本明細書には図示しないが、円状のパターンを採用してもよい。すなわち、種々な特許文献に開示されたパターンが採用可能である。
【0066】
また、上記第4実施形態および第5実施形態において、受光部に紫外光および青色光は反射し、(紫外光および青色光より長波長である)測定光は透過するコールドミラー27を採用したが、分離手段はこれに限定しない。例えば、集光レンズ24とコールドミラー27との間に、さらに、紫外光は反射し、紫外光より長波長の青色光、測定光は透過するコールドミラーと、反射された紫外光を受光する光検出器とをさらに配置してもよい。このような構成にすることにより、常時、被検レンズの屈折力の測定と紫外光透過率および青色光透過率の測定が実施可能になる。