【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 http://www.misawa.co.jp/corporate/news_release/2016/0420/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 http://www.misawa.co.jp/corporate/news_release/2016/0420/release.pdf
【文献】
大島 一夫 ,建設・不動産領域に及ぼす情報流通サービスの効果,NTT技術ジャーナル Vol.11 No.2,社団法人電気通信協会,1999年 2月 1日,第11巻,p.17-20
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらのセンサー群の測定対象が仮に一個人やその家族、あるいはそれらの生活環境であったとしても、実際の事業運営する主体(サービス事業者)は複数の異なる事業者である。そのため、各事業者のそれぞれが提供するサービスを利用するユーザは、複数の異なる事業者がそれぞれで収集・蓄積したセンサーデータを、サービスごとに閲覧して確認しなければならない場合があり、不便である。また、ユーザが、異なる事業者が提供するサービスをさらに追加して利用すると、その分、センサーデータの閲覧に手間がかかり、結果的にユーザはあまり多くのサービスを受けることができなかった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、センサーデータを一元的に閲覧できることによってセンサーデータの確認を手間なく行うことができ、ユーザがより多くのサービスを受けられるようにした情報閲覧システムを提供することを目的とする。
さらには、建築業者やメンテナンス事業者が、センサーデータと建物の状況とを加味した情報を閲覧できるようにし、例えば地震発生時などに建物の状況をいち早く確認することができる情報閲覧システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、例えば
図1〜
図4に示すように、ユーザUが居住または利用する建物Hに設けられるとともに、複数の異なる事業者の各々が提供するサービス(第一サービスS1、第二サービスS2)に用いられる複数のセンサー1A,2Aと、
前記複数の異なる事業者の各々によって管理されるとともに、前記複数のセンサー1A,2Aによるセンサーデータがそれぞれ蓄積される複数のデータ蓄積サーバ1B,2Bと、
前記複数のデータ蓄積サーバ1B,2Bに蓄積されたセンサーデータを集約して一元的に統合する統合サーバ4と、
前記ユーザUが使用する情報端末7(第一情報端末7)と、
前記建物Hに関する諸情報が記憶され、前記建物Hを建築した建築業者Bによって管理されている建物情報管理装置5と、を備えており、
前記複数のセンサー1A,2Aと、当該複数のセンサー1A,2Aごとに対応する前記複数のデータ蓄積サーバ1B,2Bと、が通信可能に接続されており、
前記複数のデータ蓄積サーバ1B,2Bと、前記統合サーバ4と、が通信可能に接続されており、
前記統合サーバ4と、前記ユーザUが使用する情報端末7と、が通信可能に接続されて
おり、
前記建物情報管理装置5と、前記建築業者Bが使用する情報端末8および前記建物Hのメンテナンス事業者Mが使用する情報端末9と、が通信可能に接続されており、
前記建物情報管理装置5は、さらに前記統合サーバ4と通信可能に接続されており、前記統合サーバ4で一元的に統合されたセンサーデータと、前記建物Hの建設地や躯体構造、築年数を含む前記建物Hに関する諸情報と、が紐づけされており、
前記統合サーバ4は、前記複数のデータ蓄積サーバ1B,2Bから前記統合サーバ4に集約された前記センサーデータの数値が所定の閾値以下であるか所定の閾値以上であるかを判定する判定手段4aを有し、
前記判定手段4aによる判定結果は、前記ユーザUが使用する情報端末7と前記建築業者Bが使用する情報端末8に送信可能とされており、
前記建築業者Bおよびメンテナンス事業者Mの各々の前記情報端末8,9は、前記建物情報管理装置5にアクセスして、前記建物Hに関する諸情報と、これに紐づけられた前記センサーデータとを閲覧可能となっていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ユーザUは、自身が使用する情報端末7から、統合サーバ4によって一元的に統合されたセンサーデータを閲覧することが可能となる。これによって、複数の異なる事業者の各々が提供するサービスのセンサーデータを、サービスごとに確認するのではなく、一括して確認することができるので、センサーデータの確認に要していた手間を省くことができる。
しかも、ユーザUが、異なる事業者が提供するサービスをさらに追加して利用したとしても、当該追加利用分のサービス(追加サービスS3)のセンサーデータを含む一元的に統合されたセンサーデータを、自身が使用する情報端末7から閲覧できる。そのため、ユーザUがサービスをさらに追加して利用したとしても、センサーデータの確認に要する手間が極端に増えるものではない。したがって、ユーザUは、複数の異なる事業者の各々から、より多くのサービスを受けることができる。
さらに、複数の異なる事業者が提供するサービスは、各々の事業者が管理するデータ蓄積サーバ1B,2Bを介して行われ、センサーデータのみが統合サーバ4で統合されるため、各事業者が保持するノウハウを守ることができるとともに、セキュリティの面でも優れる。
また、建物Hに関する諸情報が記憶された建物情報管理装置5が統合サーバ4と通信可能に接続されており、統合サーバ4で一元的に統合されたセンサーデータと、建物Hに関する諸情報と、が紐づけされているので、建築業者Bやメンテナンス事業者Mは、センサーデータと建物Hの状況とを加味した情報を閲覧することができる。そのため、例えば地震発生時などに建物Hの状況をいち早く確認することができるので、必要に応じて即座にメンテナンス対応することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報閲覧システムにおいて、
前記統合サーバ4で一元的に統合されるセンサーデータは、前記ユーザUに付与されているユーザIDに紐づけられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、統合サーバ4で一元的に統合されるセンサーデータは、ユーザUに付与されているユーザIDに紐づけられているので、サービスの提供元である事業者がいくつあってもユーザUを確実に特定することができ、ユーザUごとに選り分けられた正確なセンサーデータを閲覧することができる。
【0012】
請求項
3に記載の発明は、請求項
1または2に記載の情報閲覧システムにおいて、
前記統合サーバ4は、前記複数のデータ蓄積サーバ1B,2Bから前記統合サーバ4に集約されたセンサーデータの数値が第一閾値以上であるかを判定するとともに、前記第一閾値よりも小さい第二閾値以上であるかを判定する
前記判定手段4aを有しており、
前記判定手段4aによって、前記センサーデータの数値が前記第二閾値以上であると判定された場合には、その判定結果が前記ユーザUが使用する情報端末7に送信され、前記第一閾値以上であると判定された場合には、その判定結果が前記ユーザUが使用する情報端末7と前記建築業者Bが使用する情報端末8に送信されることを特徴とする。
【0013】
請求項
3に記載の発明によれば、判定手段4aによって、センサーデータの数値が第二閾値以上であると判定された場合には、その判定結果がユーザUが使用する情報端末7に送信され、第一閾値以上であると判定された場合には、その判定結果がユーザUが使用する情報端末7と建築業者Bが使用する情報端末8に送信されるので、設定された閾値を基準にして、統合サーバ4で行われる処理を変更できることになる。そのため、例えば地震の規模や被災度に応じて対応を変更することができるので、より適切な避難行動やメンテナンス作業を行うことができる。より具体的には、例えば中地震が発生し、建物自体に大きな被害が出なくても、棚から物が落下したり、家具類が転倒したりする場合があるが、このような場合には、ユーザUは適切な避難行動を取ることができる。一方、大地震の発生時には、否応なくメンテナンスや現状確認が必要なため、建築業者Bが使用する情報端末にセンサーデータの判定結果が送信される。そのため、大地震の場合でも適切なメンテナンス作業を行うことができる。
【0014】
請求項
4に記載の発明は、請求項
1または2に記載の情報閲覧システムにおいて、
前記統合サーバ4は、前記複数のデータ蓄積サーバ1B,2Bから前記統合サーバ4に集約されたセンサーデータの数値が第一閾値以下であるかを判定するとともに、前記第一閾値よりも小さい第二閾値以下であるかを判定する
前記判定手段4aを有しており、
前記判定手段4aによって、前記センサーデータの数値が前記第一閾値以下であると判定された場合には、その判定結果が前記ユーザUが使用する情報端末7に送信され、前記第二閾値以下であると判定された場合には、その判定結果が前記ユーザUが使用する情報端末7と前記建築業者Bが使用する情報端末8に送信されることを特徴とする。
【0015】
請求項
4に記載の発明によれば、判定手段4aによって、センサーデータの数値が第一閾値以下であると判定された場合には、その判定結果がユーザUが使用する情報端末7に送信され、第二閾値以下であると判定された場合には、その判定結果がユーザUが使用する情報端末7と建築業者Bが使用する情報端末8に送信されるので、設定された閾値を基準にして、統合サーバ4で行われる処理を変更できることになる。そのため、例えば自家発電装置において監視されていた発電効率が低下した場合に、その原因を判別しやすく、適切なメンテナンス作業を行うことができる。より具体的には、例えば自家発電装置の発電効率の低下が、例えば天候など通常の事象によって起こり得るものである場合には、異常値まで発電効率が低下することがない。そのため、通常の事象による発電効率の低下の場合には、その判定結果がユーザUが使用する情報端末7に送信される。一方、自家発電装置自体に異常が発生すると、その発電効率は、通常では起こり得ない数値まで低下する場合がある。そのため、自家発電装置の異常による発電効率の低下の場合には、その判定結果がユーザUが使用する情報端末7と建築業者Bが使用する情報端末8に送信されて、適切なメンテナンス作業を行うことができる。
【0016】
請求項
5に記載の発明は、請求項
3または
4に記載の情報閲覧システムにおいて、
前記ユーザUが使用する情報端末7に対する前記判定結果の送信は、プッシュ通知サーバ6を介して行われていることを特徴とする。
【0017】
請求項
5に記載の発明によれば、ユーザUが使用する情報端末7に対する判定結果の送信は、プッシュ通知サーバ6を介して行われているので、ユーザUが必要とする簡潔な情報を容易に得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、センサーデータを一元的に閲覧できることによってセンサーデータの確認を手間なく行うことができ、ユーザがより多くのサービスを受けられるようにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
【0021】
本実施形態における情報閲覧システムは、
図1〜
図4に示すように、複数の異なる事業者の各々がユーザUに対して提供する、センサーを用いたサービスにおけるセンサーデータを一元的に閲覧するためのものである。
センサーデータとは、センサーによって測定・検知されたセンシング結果や、センシング結果に基づいて表現されたデザイン、制御した内容(例えば機器の動作状況など)を表現したデザイン、センサーによるセンシング結果と外部から取得したデータとを比較した内容を表現したデザイン、複数のセンシング結果同士を演算することによって導き出されたデータ等を指している。
センサーを用いたサービスとしては、例えば、ホームセキュリティの分野に関するサービスや、ヘルスケアの分野に関するサービス、電力供給の分野に関するサービス、エネルギーマネジメントの分野に関するサービス、地震計測の分野に関するサービス、Iot(Internet of Things)の分野に関するサービス等、様々なものが挙げられる。
本実施形態では、例えば、エネルギーマネジメントの分野に関する第一サービスS1と、地震計測の分野に関する第二サービスS2と、が採用されている。さらに、後述する追加サービスS3を採用することができる。
【0022】
第一サービスS1は、建物Hで使用される電力・ガス・水道等の各種エネルギーをセンサーによって監視して、エネルギーの使用量を自動制御するものである。各種エネルギーの測定値(すなわち、センサーデータ)は、各種情報端末に表示することができ、ユーザUは、各エネルギーの測定値を参照して適切なエネルギー節約行動を取ることができる。より具体的に説明すると、各種情報端末には、ユーザUの月のエネルギー使用量を表示したり、他のユーザのエネルギー使用量との比較表示を行ったり、削減目標やアドバイス等も表示することができる。
また、エネルギーを使用する機器の制御を行うことも可能であり、携帯情報端末を用いて、建物H内の機器の遠隔操作を行うことができる。
なお、電力については、建物Hにおける電力エネルギーの収支がゼロに近づくように、電力会社の商用配電線網(系統電力網)から供給された系統電源の使用量や、自家発電した場合の発電量、蓄電池に蓄電された蓄電量の監視を行っている。
【0023】
第二サービスS2は、建物Hの基礎に設置する図示しない計測部(すなわち、センサー)で計測した地震波をもとに分析したリアルタイム震度と建物Hおよび地盤の被災度ランク(すなわち、センサーデータ)を、建物H内の表示器2aや各種情報端末に表示し、音と連動して警告できるものである。
ユーザUは、建物Hおよび地盤の被災度を自宅に留まるか避難するかの判断の参考にすることが可能となる。
また、測定された震度や建物Hの被災度等のデータ(センサーデータ)は、全国各地から被災度等のデータが集約される中央情報処理センターに送られ、建物Hの緊急度に応じたサポートを受けることが可能となっている。
【0024】
そして、情報閲覧システムは、ユーザUが居住または利用する建物Hに対して適用されている。なお、本実施形態の建物Hは、ユーザUが居住する住宅であるが、これに限られるものではなく、例えばユーザUの職場や日常的に利用する場所等に供される建物であってもよい。
サービスを提供する複数の異なる事業者とは、本実施形態においては、ユーザに対してセンサーを用いたサービスを提供する企業等を指すが、必ずしも営利を目的とする事業者でなくてもよい。
【0025】
以上のような情報閲覧システムは、複数のセンサー1A,2Aと、複数のデータ蓄積サーバ1B,2Bと、統合サーバ4と、建物情報管理装置5と、プッシュ通知サーバ6と、ユーザUが使用する第一情報端末7と、建築業者Bが使用する第二情報端末8と、メンテナンス事業者Mが使用する第三情報端末9と、が含まれて構成されている。
なお、ユーザが使用する第一情報端末7と、建築業者Bが使用する第二情報端末8と、メンテナンス事業者Mが使用する第三情報端末9としては、パソコンやスマートフォン等のような通信機能を備えたものであって、情報の入出力が可能となっているものがそれぞれ採用されており、その種類は特に限定されない。
また、本実施形態における建築業者Bは、例えば住宅メーカーにおける本社システム管理部門を指しており、メンテナス事業者Mは当該住宅メーカーにおけるアフターサービス担当部門を指している。すなわち、建築業者Bとメンテナンス事業者Mは、同一の組織・団体内における異なる部門であり、これら建築業者Bとメンテナンス事業者Mは、必ずしも別々の組織・団体である必要はないものとする。
【0026】
センサー1Aおよびデータ蓄積サーバ1Bは、上述した第一サービスS1を提供する事業者によって管理されている。
センサー1Aは建物Hに設けられている。このセンサー1Aは、エネルギーマネジメントの分野に関する第一サービスS1を提供する上で必要不可欠なセンサーである。このようなセンサー1Aとしては、電力使用量の計測を行うものと、ガス使用量の計測を行うものと、水道使用量の計測を行うものが含まれている。
また、データ蓄積サーバ1Bは、建物Hの外部に設けられており、第一サービスS1を提供する事業者によって管理されている。
そして、センサー1Aとデータ蓄積サーバ1Bは、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。これによって、データ蓄積サーバ1Bに、センサー1Aによって測定・検知されたセンサーデータを蓄積することができる。また、センサー1Aによるセンサーデータにはサービス事業者が必要とするユーザUの識別情報も含まれており、データ蓄積サーバ1Bには、ユーザUの識別情報も蓄積されている。事業者は、ユーザUの識別情報を利用して、ユーザU個人の、センサー1Aによるセンサーデータを含む情報を管理することができる。
【0027】
センサー2Aおよびデータ蓄積サーバ2Bは、上述した第二サービスS2を提供する事業者によって管理されている。
センサー2Aは建物Hに設けられている。このセンサー2Aは、地震計測の分野に関する第二サービスS2を提供する上で必要不可欠なセンサーである。第二サービスS2が、上述のように地震計測に関するものであるため、センサー2Aとして、地震波を捉えることが可能な加速度センサーが用いられている。
また、データ蓄積サーバ2Bは、建物Hの外部に設けられており、第二サービスS2を提供する事業者によって管理されている。
そして、センサー2Aとデータ蓄積サーバ2Bは、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。これによって、データ蓄積サーバ2Bに、センサー2Aによって測定・検知されたセンサーデータを蓄積することができる。また、センサー2Aによるセンサーデータにはサービス事業者が必要とするユーザUの識別情報も含まれており、データ蓄積サーバ2Bには、ユーザUの識別情報も蓄積されている。事業者は、ユーザUの識別情報を利用して、ユーザU個人の、センサー2Aによるセンサーデータを含む情報を管理することができる。
【0028】
統合サーバ4は、複数のデータ蓄積サーバ1B,2Bに蓄積されたセンサーデータを集約して一元的に統合するものである。
より詳細に説明すると、統合サーバ4は制御手段や記憶手段を備えた周知のWWW(World Wide Web)サーバである。制御手段は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等を含んで構成される。統合サーバ4は、制御手段の制御により、記憶手段内に予め格納されたプログラム等に従い、統合サーバ4の各部の制御や、データの転送、各種演算、データの一時的な格納等を行うことができる。
この統合サーバ4と複数のデータ蓄積サーバ1B,2Bは、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。また、この統合サーバ4は、ユーザUが使用する第一情報端末7に対しても、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。そのため、ユーザUは、第一情報端末7によって統合サーバ4にアクセスし、ユーザID(identification)に基づく自身専用のページを閲覧することができる。すなわち、統合サーバ4が配信する(もしくは統合サーバ4と通信可能に接続されたウェブサーバが配信する)顧客用ウェブサイトにアクセスすることができる。
さらに、統合サーバ4で一元的に統合されるセンサーデータは、ユーザUに付与されているユーザIDに紐づけられている。すなわち、ユーザUには、建物Hのオーナー(または利用者)になった時点で、ユーザUを特定するための前記ユーザIDが割り当てられて付与されており、このユーザIDに対して、サービスごとの、ユーザUの前記識別情報が紐づけられている。当該識別情報としては、例えば、ユーザUとサービス事業者との間に締結された契約の情報や、事業者から貸与される機器のID、ユーザUの氏名、ユーザUが使用する第一情報端末7に登録されている端末情報等、様々なものがあり、いずれを含んでもよい。または、サービスごとにユーザUを特定する情報として、前記識別情報ではなく、ユーザIDを用いてもよい。
近年、センサーを利用してユーザにセンサーデータを提供するサービス事業者は多数存在しており、ユーザUを特定する識別情報がサービス事業者ごとにそれぞれ異なるものであることは一般的であるが、このように統合サーバ4で一元的に統合されるセンサーデータが、ユーザUに付与されているユーザIDに紐づけられたものであれば、たとえサービスごとにユーザUの識別情報が異なっていても、統合サーバ4に送られてきたセンサーデータからユーザUを確実に特定することができる。したがって、ユーザUが、第一情報端末7を利用して統合サーバ4にアクセスする場合に、自身が受けるサービスのセンサーデータを容易に閲覧することができる。
複数の情報端末が一つのユーザIDに対応しており、同一のユーザIDに対応する複数の情報端末においてセンサーデータ等を始めとする種々の情報を共有できるようにしてもよい。つまり、例えば、ユーザUに家族がいる場合には、ユーザUが使用する情報端末7と家族が使用する情報端末とが同一のユーザIDに対応しているため、情報端末を使用する家族の誰もが顧客用ウェブサイトにアクセスすることができる。
【0029】
また、統合サーバ4は、複数のデータ蓄積サーバ1B,2Bから統合サーバ4に集約されたセンサーデータの数値が所定の閾値以下であるか所定の閾値以上であるかを判定する判定手段4aを有する。
この統合サーバ4は、判定手段4aによって、センサーデータの数値が所定の閾値以下であると判定された場合には、その判定結果が、ユーザが使用する情報端末7に送信され、所定の閾値以上であると判定された場合には、その判定結果が、建築業者Bが使用する情報端末8に送信されるように構成されている。このような判定手段4aによる判定は、制御手段による制御の元で行われる。
【0030】
建物情報管理装置5は、建物Hに関する諸情報が記憶され、建物Hを建築した建築業者Bによって管理されたものである。建物情報管理装置5は、建築業者Bが使用する情報端末8および建物Hのメンテナンス事業者Mが使用する情報端末9と、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。さらに、建物情報管理装置5は、統合サーバ4と例えばインターネット等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されており、統合サーバ4で一元的に統合されたセンサーデータと、建物Hに関する諸情報が紐づけされている。
建物Hに関する諸情報としては、例えば建物Hの建設地や、躯体構造、築年数、契約情報、ユーザUの個人情報(上述のユーザIDを含む)等を始めとする様々な情報が挙げられる。このような建物Hに関する諸情報とセンサーデータとが紐づけされているので、建築業者Bとメンテナンス事業者Mは、建物情報管理装置5にアクセスすることで、ユーザUが居住または利用する建物Hの諸情報や、ユーザUが受けているサービスのセンサーデータを閲覧することが可能となっている。
【0031】
プッシュ通知サーバ6は、ユーザUが使用する第一情報端末7にプッシュ通知を行うための外部サーバであり、ユーザUが使用する第一情報端末7に対する判定結果の送信が、プッシュ通知サーバ6を介して行われている。
プッシュ通知を受け取ったユーザUは、第一情報端末7によって統合サーバ4にアクセスし、自身のユーザIDに基づくセンサーデータの情報を得ることができる。
【0032】
図2に示すように、情報閲覧システムには、サービスを適宜追加することができる。
追加サービスS3は、互いに通信可能に接続されたセンサー3Aとデータ蓄積サーバ3Bとを備える。センサー3Aは建物Hに設けられており、データ蓄積サーバ3Bは、追加サービスS3を提供する事業者によって管理されている。
データ蓄積サーバ3Bは、統合サーバ4と通信可能に接続されており、センサー3Aによるセンサーデータを統合サーバ4に送ることができるようになっている。追加サービスS3におけるセンサーデータも、統合サーバ4によって一元的に統合されて、第一情報端末7から一元的に閲覧することができる。
なお、追加サービスS3の種類は特に限定されるものではない。また、追加されるサービスの数も特に限定されるものではない。
また、この追加サービスS3においても、ユーザUを特定する必要があるため、センサー3Aによるセンサーデータにはサービス事業者が必要とするユーザUの識別情報が含まれている。統合サーバ4における管理のしやすさの観点から、このような識別情報の代わりに、センサーデータにユーザIDが含まれていてもよい。
【0033】
次に、統合サーバ4が配信する顧客用ウェブサイトの詳細について説明する。
【0034】
図3は、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して第一情報端末7からアクセス可能な、統合サーバ4が配信する顧客用ウェブサイトにおけるウェブページ10を示している。ウェブページ10(顧客用ウェブサイト自体)へのアクセスには、少なくともユーザIDとパスワードが必要となっている。また、このウェブページ10は、ウェブサイトにおけるトップページであり、図示しないリンクから他のウェブページを開くことができる。
図4は、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して第一情報端末7からアクセス可能な、統合サーバ4が配信するウェブサイトにおけるウェブページ20を示している。このウェブページ20は、トップページであるウェブページ10から移行できるページであり、同様に、そのアクセスには、少なくともユーザIDとパスワードを必要とする。また、図示しないリンクから、ウェブページ10を含む他のウェブページを開くことができる。
【0035】
トップページであるウェブページ10は、複数の欄に分かれて構成されており、第一欄11と、第二欄12と、第三欄13と、第四欄14と、第五欄15と、第六欄16と、第七欄17と、第八欄18を備える。
トップページからの移行先であるウェブページ20も同様に、複数の欄に分かれて構成されており、第一欄21と、第二欄22と、第三欄23と、第四欄24と、第五欄25と、第六欄26を備える。
【0036】
第一欄11には、ユーザUが獲得したポイントが表示されている。ポイントは、例えば商品やサービスに利用することができ、第一欄11においては、ポイントの収支がわかるように現在の保有ポイントと、獲得ポイントと、利用ポイントが表示されている。
なお、ポイントは、例えば建築業者Bから付与される。ポイントの獲得条件は特に限定されず、適宜設定可能であるが、本実施形態においてはユーザUが支払った電気料金に応じてポイントを獲得できるようになっている。その他のサービスからポイントを得られるようにしてもよい。
また、第一欄11にはリンクが貼り付けられており、第一情報端末7における入力手段(例えばマウス、タッチパネル等)ごとに異なるが、適宜、クリック操作やタップ操作をすることで、獲得ポイントの詳細が表示されたウェブページ(図示せず)を開くことができる。
【0037】
第二欄12には、建物Hが建築された地域の気象情報が表示されている。第二欄12においては、天気(本実施形態では6時間毎)、温度、湿度、降水確率、注意報(警報)を確認することができる。
なお、第二欄12にもリンクが貼り付けられており、適宜操作することで、
図4に示すような、気象情報の詳細が表示されたウェブページ20を開くことができる。すなわち、
図4に示すウェブページ20の第一欄21および第二欄22には、ウェブページ10における第二欄12に表示された気象情報の詳細を表示することができる。
また、本実施形態では、
図4に示すウェブページ20に気象情報の詳細を表示するものとしたが、これに限られるものではなく、ウェブページ10の第二欄12に貼り付けられたリンクから、外部の気象予報サイトにアクセスできるようにしてもよい。
【0038】
第三欄13には、建物Hに居住または利用する上でユーザUが使用した電気料金が表示されている。すなわち、この第三欄13には、前年同月のエネルギー消費量と比較した棒グラフや、全国平均(建物Hのある地域平の均でもよい)の折れ線グラフが表示されている。さらに、電気料金の詳細(月、使用量、代金)も表示されている。
この第三欄13は、例えばガスや水道の料金を確認できるように、表示された情報の切り替えができるようにしてもよい。
なお、第三欄13にもリンクが貼り付けられており、適宜操作することで、図示しない専用のウェブページを開くことができる。移行先のウェブページにおいて、電気・ガス・水道の全てのエネルギー使用量に関する情報の詳細を確認することができるようにしてもよい。
【0039】
第四欄14には、災害時(特に地震)に、家族同士が連絡を取り合える掲示板と、建物Hの被害状況が表示されている。すなわち、この第四欄14は、災害時に連絡を取り合える家族間でのSNS(Social Networking Service)として機能することになる。すなわち、ユーザUは、第一情報端末7から統合サーバ4に対してメッセージを送って、第四欄14に表示させることができる。
なお、第四欄14にもリンクが貼り付けられており、適宜操作することで、
図4に示すような、地震計測に関する諸情報の詳細が表示されたウェブページ20を開くことができる。すなわち、
図4に示すウェブページ20の第五欄25および第六欄26には、ウェブページ10における第四欄14に表示された災害時連絡、建物Hの被害状況に係る情報の詳細を表示することができる。
【0040】
第五欄15には、自家発電量と発電電力の使用量(消費量)や、そのイメージ画像を表示することができる。本実施形態においては、自家発電装置として太陽発電システムが採用されており、
図3においては、太陽光発電システムによる発電のイメージ画像が表示されている。
なお、第五欄15にもリンクが貼り付けられており、適宜操作することで、図示しない専用のウェブページを開くことができる。移行先のウェブページにおいて、自家発電量と発電電力の使用量(消費量)に関する情報の詳細を確認することができるようにしてもよい。
また、この第五欄15に表示される内容は、第三欄13に表示される内容と連動するため、移行先のウェブページが、第三欄13から移行した先のウェブページと同一であってもよい。
【0041】
第六欄16には、地震による建物Hの被災度を表示することができる。より詳細には、地震感知時刻と、地震発生時の計測中におけるリアルタイム震度を表した画像(震度表示欄)と、リアルタイムの建物の被災度ランクおよび地盤の被災度ランクを表した画像(被災度ランク表示欄)を表示することができる。
地震の収束後においては、前回計測時の地震感知時刻と、震度、建物Hの被災度ランクおよび地盤の被災度ランクが表示される。
また、同様の画像を、建物Hに設けられた表示器2aにも表示することができる。
なお、第六欄16にもリンクが貼り付けられており、適宜操作することで、
図4に示すような、地震計測に関する諸情報の詳細が表示されたウェブページ20を開くことができる。すなわち、
図4に示すウェブページ20の第三欄23および第四欄24には、ウェブページ10における第六欄16に表示された建物Hの被災度に係る情報の詳細を表示することができる。
【0042】
第七欄17には、地震発生時または地震収束後にユーザUが行うべき作業の通知が表示されている。例えば、迅速な避難行動を促す通知や、二次災害を防ぐための行動を促す通知が表示されている。
第八欄18には、地震収束後にユーザUが行うべき点検(点検すべき箇所)の通知が表示されている。例えば、ライフラインが確保できているか否か、建物Hに構造的な問題が無いか等の点検を促す通知が表示されている。
第七欄17および第八欄18のそれぞれには問合せボタン17a,18aが表示されており、問合せボタン17a,18aを押下する操作を行うことで、メンテナンス事業者Mへの問合せメール作成画面へと移行することができる。
なお、第六欄16にもリンクが貼り付けられており、適宜操作することで、
図4に示すような、地震計測に関する諸情報の詳細が表示されたウェブページ20を開くことができる。
【0043】
第一サービスS1は、エネルギーマネジメントの分野に関するものであるため、第三欄13および第五欄15を利用して情報を閲覧できるようになっている。
第二サービスS2は、地震計測の分野に関するものであるため、第四欄14および第六欄16〜第八欄18を利用して情報を閲覧できるようになっている。
なお、各欄の並びは適宜変更可能であり、
図3,
図4に示す例に限定されるものではない。また、ウェブページの各欄には、ユーザU毎に加入しているサービスの情報を表示することができるが、例えば建築業者Bが推奨する未加入のサービスの広告情報なども表示することができる。ユーザUは、広告情報から詳細情報を入手したり、加入登録ページに移行して登録手続きを行ったりすることができる。
【0044】
次に、情報閲覧システムによって情報を閲覧する方法について説明する。
【0045】
ユーザUは、自身に割り当てられたユーザID・パスワードを利用して、顧客用ウェブサイトにアクセスすることができる。そして、ユーザUは、当該ウェブサイト上で自身が受けたいサービスを選択し、利用登録(サービス事業者との契約)を行うことでサービスを受けることができる。
サービスの利用登録後、建物Hでセンサー1A(1B)の設置作業が行われて、サービスが開始される。サービス開始後、ユーザUは、自身が受けるサービスについての情報を顧客用ウェブサイト上でいつでも閲覧することができる。
【0046】
また、統合サーバ4では、上述のように、センサーデータの数値が所定の閾値以下であるか、所定の閾値以上であるかが判定されている。そのため、ユーザUの第一情報端末7あてにプッシュ通知が送られてくる場合がある。
ユーザUは、プッシュ通知を見てサービスに関する情報を得ることができ、プッシュ通知が届いたことをきっかけに顧客用ウェブサイトにアクセスし、詳細な情報を閲覧することができる。
【0047】
例えば、地震計測に関する第二サービスS2においては、建物Hに設置されたセンサー2Aで検知した地震の規模が、リアルタイム震度3以上であり、かつリアルタイム震度5弱未満の中地震である場合には、ユーザUに対してプッシュ通知を行うようにし、リアルタイム震度5弱以上の大地震である場合には、ユーザUに対してプッシュ通知するとともに建築業者Bにメールが送信される(同時に、ユーザUに対してプッシュ通知が行われてもよい)。
すなわち、第二サービスS2では、リアルタイム震度5弱が第一閾値として、リアルタイム震度3が第二閾値として設定されており、地震発生時に、ユーザUは地震計測に係る情報を閲覧することができる。本実施形態では、「リアルタイム震度5弱」「リアルタイム震度3」が閾値として設定されているが、これに限られるものではなく、マグニチュード(例えばマグニチュード5以上7未満)の数値を閾値として採用してもよく、適宜変更可能である。
また、大地震の発生時には建築業者Bも連絡を受けるため、早急に建物情報管理装置5にアクセスして、ユーザUおよび建物Hに関する情報を入手することができ、例えばメンテナンス事業者Mを建物Hに向かわせるなどの迅速な対応を行うことができる。
【0048】
なお、このように閾値を設定した上で連絡の振り分けを行うことは、第一サービスS1やその他のサービス(追加サービスS3)でも行うことができる。
第一サービスS1では、例えば、エネルギーの使用量や発電量に対して閾値を設定することができる。
【0049】
情報閲覧システムのより具体的なフローについて説明すると、第一サービスS1や第二サービスS2で、センサー1A,2Aが何かしらの異常を検知した場合に、それが閾値以下であるか閾値以上であるかの判定が統合サーバ4で行われる。
【0050】
閾値以下である場合には、プッシュ通知が、ユーザUが使用する第一情報端末7に送られ、ユーザUはセンサーデータを確認することができる。ユーザUは、顧客用ウェブサイトの第七欄17や第八欄18の通知に従って、必要な作業や点検を行うことができる。ユーザU自身で対応できない場合、ユーザUは、メンテナンス事業者Mに連絡を取ることができる。
連絡を受けたメンテナンス事業者Mは、建物情報管理装置5に記憶された建物Hの情報と、統合サーバ4から送られてきたユーザUが受けるサービスの情報とを勘案し、これをもとにユーザUの要望に対応することができる。
【0051】
閾値以上である場合には、メールが、建築業者Bが使用する第二情報端末8に送られる(同時に、ユーザUに対してプッシュ通知が行われてもよい)。建築業者Bは、建物情報管理装置5に記憶された建物Hの情報と、統合サーバ4から送られてきたユーザUが受けるサービスの情報に基づいて、建物Hの状態を確認することができる。
建物Hの状態を確認したら、建築業者Bは、メンテナンス事業者Mに対して連絡を取り、メンテナンス事業者Mを建物Hに急行させることができる。この場合、例えば大地震発生でユーザUが何も対応できない状況であっても、メンテナンス事業者Mが建物Hに急行することができるので、迅速な支援活動や建物の補修等を行うことができる。
なお、以上のように、判定手段4aによる判定結果が所定の閾値以上であった場合には、ユーザUの問合せを待たずに、建築業者Bが対応を開始するが、このような対応は、建築業者BからユーザUに対して提供されるサービスの一環であり、見守りサービスと呼称する。
【0052】
本実施の形態によれば、ユーザUは、自身が使用する情報端末7から、統合サーバ4によって一元的に統合されたセンサーデータを閲覧することが可能となる。これによって、複数の異なる事業者の各々が提供するサービスのセンサーデータを、サービスごとに確認するのではなく、一括して確認することができるので、センサーデータの確認に要していた手間を省くことができる。
しかも、ユーザUが、異なる事業者が提供するサービスをさらに追加して利用したとしても、当該追加利用分のサービス(追加サービスS3)のセンサーデータを含む一元的に統合されたセンサーデータを、自身が使用する情報端末7から閲覧できる。そのため、ユーザUがサービスをさらに追加して利用したとしても、センサーデータの確認に要する手間が極端に増えるものではない。したがって、ユーザUは、複数の異なる事業者の各々から、より多くのサービスを受けることができる。
さらに、複数の異なる事業者が提供するサービスは、各々の事業者が管理するデータ蓄積サーバ1B,2Bを介して行われ、センサーデータのみが統合サーバ4で統合されるため、各事業者が保持するノウハウを守ることができるとともに、セキュリティの面でも優れる。
【0053】
また、統合サーバ4で一元的に統合されるセンサーデータは、ユーザUに付与されているユーザIDに紐づけられているので、サービスの提供元である事業者がいくつあってもユーザUを確実に特定することができ、ユーザUごとに選り分けられた正確なセンサーデータを閲覧することができる。
【0054】
また、建物Hに関する諸情報が記憶された建物情報管理装置5が統合サーバ4と通信可能に接続されており、統合サーバ4で一元的に統合されたセンサーデータと、建物Hに関する諸情報と、が紐づけされているので、建築業者Bやメンテナンス事業者Mは、センサーデータと建物Hの状況とを加味した情報を閲覧することができる。そのため、例えば地震発生時などに建物Hの状況をいち早く確認することができるので、必要に応じて即座にメンテナンス対応することができる。
【0055】
また、判定手段4aによって、センサーデータの数値が所定の閾値以下であると判定された場合には、その判定結果がユーザUが使用する情報端末7に送信され、所定の閾値以上であると判定された場合には、その判定結果が建築業者Bが使用する情報端末8に送信されるので、設定された閾値を基準にして、統合サーバ4で行われる処理を変更できることになる。そのため、例えば地震の規模に応じて対応を変更することができるので、より適切な避難行動やメンテナンス作業を行うことができる。
【0056】
また、ユーザUが使用する情報端末7に対する判定結果の送信は、プッシュ通知サーバ6を介して行われているので、ユーザUが必要とする簡潔な情報を容易に得ることができる。
【0057】
〔変形例〕
以下、変形例として、サービス事業者が提供する他のサービスについて説明する。以下に挙げるサービスは、第一サービスS1や第二サービスS2に換わるサービスとして、または追加サービスS3として上記実施形態に組み合わせることができる。
【0058】
〔変形例1〕
本変形例におけるサービスは、室内環境調整サービスであり、建物H内の温度および湿度を温度センサーおよび湿度センサーによって監視し、建物H内の各室の室内環境を自動調整するサービスである。また、このサービスには、各室における快・不快を判定する快適判定手段と、快適判断手段によって不快と判定された室をユーザUに報知し、ユーザUが取るべき行動をアドバイスするアドバイス手段が組み込まれている。
なお、本変形例におけるセンサーデータは、少なくとも、温度センサーおよび湿度センサーによる監視結果と、自動調整された室内環境の快適判定結果と、を指す。
建物H内には、建物H内の温度および湿度に基づいて、室内環境を自動調整するために必要な機器や駆動装置の制御を行うメインコントローラーが設置されており、当該メインコントローラーの制御によって、例えば窓等の開口部の開閉や、換気扇や送気ファンの稼働・停止、エアコンの稼働・停止などを行うことができる。
ユーザUは、情報端末7によってセンサーデータを確認することができ、情報端末7から自動調整の開始・停止を操作したり、不快と判定された室を確認するとともにアドバイスを確認したりすることができる。
なお、当該室内環境調整サービスには、第三者による建物H内への侵入を防ぐセキュリティサービスが付属していてもよい。当該セキュリティサービスによれば、窓やドア等のように人の出入りが可能な開口部付近に人感センサーを設置し、この人感センサーの検知情報に基づいて、開口部を自動で開閉することができる。
このようなセキュリティサービスと室内環境調整サービスとを併用すれば、セキュリティを確保しながら、室内環境を調整することができるので好ましい。
【0059】
〔変形例2〕
本変形例におけるサービスは、湿度調整サービスであり、建物Hを構成する木質構造材の含水率を含水率センサーによって監視し、建物H内における湿度の高い箇所(例えば床下空間や、北側にある部屋など)の換気を自動で行うサービスである。
なお、本変形例におけるセンサーデータは、少なくとも、含水率センサーによる監視結果を指している。
含水率センサーは、建物Hを構成する木質構造材の含水率を計測する電極を有し、当該木質構造材に対して直接取り付けられている。
そして、建物Hにおける湿度の高い箇所には、屋外に湿気を排出可能な換気装置が設けられている。さらに、建物Hには、木質構造材の含水率に基づいて換気装置を稼働・停止させるメインコントローラーが設置されており、当該メインコントローラーの制御によって、換気装置の稼働・停止などを自動的に行うことができる。
ユーザUは、情報端末7によってセンサーデータを確認することができ、情報端末7から自動換気の開始・停止を操作したり、木質構造材の含水率や湿度の高い箇所における湿度を確認したりすることができる。
【0060】
〔変形例3〕
本変形例におけるサービスは、健康管理サービスであり、ユーザUの各種の生体データを測定して、得られた各種の生体データや健康のためのアドバイスを各種情報端末に表示することができる。ユーザUは、各種情報端末から自身の生体データやアドバイスを確認することができる。
生体データとは、ユーザ固有の生体情報・生活情報であり、本変形例においては例えば血圧や体重、活動量、消費カロリー、睡眠時間等が挙げられる。このような生体データを測定するセンサーとしては、ユーザUが身に着けられる活動量計や、生活の場に設置しておけるもの(体組成計、血圧計、睡眠計等)が挙げられる。
なお、本変形例におけるセンサーデータは、少なくとも、活動量計等によって測定された生体データを指している。
また、本サービスに使用される情報端末としては、上述のようなパソコンやスマートフォン等の情報端末を通常通り、手に持って使用したり、机に置いて使用したりしてもよいが、例えば洗面台や脱衣所のように身軽になりやすい場所に据え置く形で設置された情報端末を採用してもよい。
洗面台や脱衣所に情報端末を設置する場合は、例えば、生体データを表示する表示部をハーフミラーの裏側に配置しておき、普段はハーフミラーを鏡として使用し、生体データを確認する時にだけ表示部として使用するような工夫がなされている。
このような健康管理サービスでは、測定した生体データを利用して、健康管理に関する様々なサービスをユーザUに提供することができる。
【0061】
〔変形例4〕
本変形例におけるサービスは、自家発電装置のメンテナンスサービスであり、発電量センサーによって検出された自家発電装置の発電量に基づいて発電効率を算出し、発電効率の低下を監視している。
なお、本変形例におけるセンサーデータは、少なくとも、発電量センサーによって検出された発電量データを指している。
また、統合サーバ4は、センサーデータの数値が第一閾値以下であるかを判定するとともに、第一閾値よりも小さい第二閾値以下であるかを判定する判定手段4aを有する。そして、本変形例においては、判定手段4aによって、センサーデータの数値が第一閾値以下であると判定された場合には、その判定結果がユーザUが使用する情報端末7に送信され、第二閾値以下であると判定された場合には、その判定結果がユーザUが使用する情報端末7と建築業者Bが使用する情報端末8に送信されるように設定されている。
発電効率が、一定値(第一閾値)まで下がった場合には、その判定結果が、ユーザUが使用する情報端末7にプッシュ通知が行われる。自家発電装置が、例えば太陽光発電装置や風力発電装置の場合は、外部から気象情報を取得し、その情報を加味して判定することで、は発電効率の低下の原因を判定しやすい。
発電効率が、限界値(第二閾値)まで下がった場合には、その判定結果が、ユーザUが使用する情報端末7にはプッシュ通知され、建築業者Bが使用する情報端末8にはメールが送信される。この時の判定においても、外部から気象情報を取得し、その情報を加味して判定することが望ましい。さらに、例えば太陽光発電装置の場合は夜間の発電がゼロになるため、時間情報も加味して判定が行われることが望ましい。
なお、ユーザUは、情報端末7によってセンサーデータを確認することができ、情報端末7を利用して、建築業者Bやメンテナンス事業者Mと連絡を取り合うことができる。
また、上述の「一定値」「限界値」における具体的な数値は適宜変更可能であるが、「限界値」の数値については発電効率の低下により建物内で使用される電力のほとんどが系統電力である場合を指すものとする。「一定値」の数値については、例えば建物が建築された地域の気候が考慮されたものであってもよい。
このような自家発電装置のメンテナンスサービスでは、発電量センサーによって検出された発電量データ(または検出できなかった発電量データ)を利用して、自家発電装置のメンテナンスサービスをユーザUに提供することができる。