(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前後に離隔された一対の第1の部分の少なくとも一部と左右に離隔された一対の第2の部分の少なくとも一部とによって構成された枠状部を有し車体に固定される保持フレームと、
前記枠状部に挿入された状態で前記保持フレームに保持されることによりフロアーパネルに形成された配置凹部に配置され前面壁部と後面壁部と左右の側面壁部と底面部とを有する収納ケースと、
前記収納ケースに収納され内部に電池セルが配置された電池モジュールと、
前記収納ケースの内部空間を上方空間と下方空間に分ける仕切板と、
前記前面壁部及び前記左右の側面壁部への連結部分とされた連結部と前記連結部から突出され上面に前記仕切板が載置される突出部とを有する補強部材と、を備え、
前記収納ケースの前方においてクロスメンバの結合面部が前記フロアーパネルに結合され、
前記フロアーパネルと前記クロスメンバの結合部分が高剛性部として設けられ、
前記突出部の上端が前記高剛性部の下端よりも上方に位置すると共に前記突出部の下端が前記高剛性部の上端よりも下方に位置する
車載用バッテリー。
前記収納ケースの内側において、前記前面壁部及び前記底面部を跨ぐように取り付けられる第1の前方補強部と、前記左右の側面壁部と前記前面壁部を跨ぐように取り付けられ左右に離隔して位置された一対の第2の前方補強部と、を有し、前記補強部材と結合された前方隅補強フレームを備えた
請求項1に記載の車載用バッテリー。
前記後方隅補強フレームは、前記後面壁部及び前記底面部を跨ぐように取り付けられる第1の後方補強部と、前記左右の側面壁部と前記後面壁部を跨ぐように取り付けられ左右に離隔して位置された一対の第2の後方補強部と、を有し、
前記第2の後方補強部は前記補強部材と結合された
請求項7に記載の車載用バッテリー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上記のような車載用バッテリーが荷室に配置された車両においては、クラッシャブルエリアに所定の機能を有する機能性部品が配置されることがある。機能性部品としては、例えば、収納ケースの内部に配置された各部に対して冷却するための吸気や排気を行うファンモーター、タイヤのパンク時に修理を行うためのパンク修理キット、車両を持ち上げるためのジャッキ類等がある。これらのファンモーター等は剛性が高い部品である。
【0011】
このような機能性部品がクラッシャブルエリアに配置されている車両に対して大衝突が発生した場合には、クラッシャブルエリアに配置されている機能性部品が衝突に伴って前方に移動されるため、機能性部品によって収納ケースが破壊されて収納ケースの内部に配置されている電池モジュールなどの損傷や破壊が生じるおそれがある。
【0012】
また、車両の後方からの衝突以外に、例えば、スピン等によって車載用バッテリーが搭載されている車両の後部が電柱等に衝突する所謂ポール衝突が発生したときに、車体における一対のリアサイドフレーム間の部分が電柱等に衝突することもある。このような場合にも、クラッシャブルエリアに配置されている機能性部品が衝突に伴って前方に移動されるため、収納ケースの内部に配置されている電池モジュールなどの損傷や破壊が生じるおそれがある。
【0013】
そこで、本発明は、上記した問題点を克服し、衝突時における収納ケースの内部に配置されている各部の保護を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る車載用バッテリーは、前後に離隔された一対の第1の部分の少なくとも一部と左右に離隔された一対の第2の部分の少なくとも一部とによって構成された枠状部を有し車体に固定される保持フレームと、前記枠状部に挿入された状態で前記保持フレームに保持されることによりフロアーパネルに形成された配置凹部に配置され前面壁部と後面壁部と左右の側面壁部と底面部とを有する収納ケースと、前記収納ケースに収納され内部に電池セルが配置された電池モジュールと、前記収納ケースの内部空間を上方空間と下方空間に分ける仕切板と、前記前面壁部及び前記左右の側面壁部への連結部分とされた連結部と前記連結部から突出され上面に前記仕切板が載置される突出部とを有する補強部材と、を備え、前記収納ケースの前方においてクロスメンバの結合面部が前記フロアーパネルに結合され、前記フロアーパネルと前記クロスメンバの結合部分が高剛性部として設けられ、前記突出部の上端が前記高剛性部の下端よりも上方に位置すると共に前記突出部の下端が前記高剛性部の上端よりも下方に位置するものである。
これにより、例えば車両後方からの衝撃等により高剛性部と収納ケースの前面壁部が接触する場合には、収納ケースにおいて補強部材の突出部が取り付けられる部分が高剛性部と接触する。
【0015】
上記した車載用バッテリーは、前記収納ケースの内側において、前記前面壁部及び前記底面部を跨ぐように取り付けられる第1の前方補強部と、前記左右の側面壁部と前記前面壁部を跨ぐように取り付けられ左右に離隔して位置された一対の第2の前方補強部と、を有し、前記補強部材と結合された前方隅補強フレームを備えていてもよい。
これにより、前面壁部に伝わった衝撃が前方隅補強フレームを介して補強部材に伝達されやすい。
【0016】
上記した車載用バッテリーにおいては、前記底面部の上面に配置され前記電池モジュールが取り付けられ前記底面部の前後方向における強度を補う固定フレームを備え、前記固定フレームと前記前方隅補強フレームが結合されていてもよい。
これにより、底面部に加えられた衝撃が前方隅補強フレームを介して前面壁部や補強部材に伝達されやすい。
【0017】
上記した車載用バッテリーは、前記底面部の上面に配置され前記電池モジュールが取り付けられ前記底面部の前後方向における強度を補う固定フレームを備えていてもよい。
これにより、底面部に加えられた衝撃が固定フレームに吸収される。
【0018】
上記した車載用バッテリーにおいては、前記前面壁部は前記補強部材と前記前方隅補強フレームが取り付けられた部分が高強度部として設けられ、前記電池モジュールの上端が前記高強度部の上端よりも下方に位置すると共に前記電池モジュールの下端が前記高強度部の下端よりも上方に位置していてもよい。
これにより、収納ケースに強い力が加えられた際の高強度壁部の変形量が抑制される。
【0019】
上記した車載用バッテリーにおいては、前記固定フレーム左右に離隔して複数設けられ、前記前方隅補強フレームは、前記第1の前方補強部から突出され前記前面壁部に取り付けられる第3の前方補強部を有し、前記第3の前方補強部は左右方向において前記固定フレームの間に位置していてもよい。
固定フレームが左右に離隔して設けられることにより、大型の電池を安定して配置することができる空間が確保される。また、離隔して設けられた複数の固定フレームの間に第3の補強部が位置していることから、固定フレームが配置されていない間の部分が補強される。
【0020】
上記した車載用バッテリーは、前記収納ケースの内側において、少なくとも前記後面壁部及び前記底面部を跨ぐように取り付けられる後方隅補強フレームを備えていてもよい。
これにより、後面壁部へ付与された衝撃が底面部へと伝わりやすい。
【0021】
上記した車載用バッテリーにおいては、前記後方隅補強フレームは、前記後面壁部及び前記底面部を跨ぐように取り付けられる第1の後方補強部と、前記左右の側面壁部と前記後面壁部を跨ぐように取り付けられ左右に離隔して位置された一対の第2の後方補強部と、を有し、前記第2の後方補強部は前記補強部材と結合されていてもよい。
これにより、後面壁部へ付与された衝撃が底面部及び左右の側面壁部に伝えられやすい。
【0022】
上記した車載用バッテリーは、前記突出部は、断面形状が前記収納ケースの外方に向けて開口するコ字状とされていてもよい。
これにより、高剛性部と前面壁部が強く接触し、高剛性部の一部が収納ケースの内部に侵入したとしても、突出部の内部空間によって高剛性部の移動ストロークを稼ぐことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、車両後方からの衝撃等により高剛性部と収納ケースの前面壁部が接触する場合には、収納ケースにおいて補強部材の突出部が取り付けられる部分が高剛性部と接触することにより、収納ケースの内部に配置されている各部の保護を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明車載用バッテリーを実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0026】
車載用バッテリー1は保持フレーム2と収納ケース3とカバー体4と電池モジュール5、5を有している(
図1乃至
図4参照)。
【0027】
車載用バッテリー1は少なくとも一部が後部座席100の後方に位置された荷室200におけるフロアーパネル300に配置されている(
図1参照)。フロアーパネル300には荷室200において上方に開口された配置凹部301が形成されている。フロアーパネル300の下側には燃料タンク400、リアサスペンション500、500及びマフラー600が位置されている。燃料タンク400は後部座席100の下方に位置されている。
【0028】
保持フレーム2は左右に延び前後に離隔して位置された第1の部分6、6と前後に延び左右に離隔して位置された第2の部分7、7とが井桁状に結合されて成る(
図2及び
図4参照)。第1の部分6、6は左右両端部6a、6a、・・・がそれぞれ第2の部分7、7から側方(外方)に突出された状態にされている。保持フレーム2は第1の部分6、6の左右両端部6a、6a、・・・を除く部分が矩形の枠状部8として設けられている。
【0029】
収納ケース3の内部には、内部空間を上方空間と下方空間に分けるための平板状の仕切板9が配置されている。仕切板9の前端部における一方の側部には切欠9aが形成されている。収納ケース3は仕切板9の上側の部分が上側収納部10として設けられ仕切板9の下側の部分が下側収納部11として設けられている。下側収納部11には、例えば、二つの電池モジュール5、5が左右に離隔して収納されている。二つの電池モジュール5、5は、収納ケース3の前方側に寄せて配置されている。
【0030】
収納ケース3は上下方向を向く底面部12と下縁が底面部12の外周縁に連続された周面部13とを有している。周面部13は前面壁部13aと後面壁部13bと二つの側面壁部13c、13cと被取付部13dとを有している。被取付部13dは前面壁部13aと後面壁部13bと側面壁部13c、13cの上縁から外方に張り出されたフランジ状に形成されている。
【0031】
収納ケース3は保持フレーム2の枠状部8に上方から挿入され被取付部13dの下面が枠状部8の上面に接し、被取付部13dがボルト等によって枠状部8に締結されて保持フレーム2に固定されている(
図2参照)。
【0032】
カバー体4の前端部における一方の側部には連通孔4aが形成されている。
【0033】
車載用バッテリー1は下側収納部11を含む下段がフロアーパネル300の配置凹部301に挿入された状態で荷室200に配置されている(
図1及び
図2参照)。従って、上側収納部10を含む上段はフロアーパネル300の上面より上方に位置されている。
【0034】
車載用バッテリー1は保持フレーム2における第1の部分6、6の両端部6a、6a、・・・がフロアーパネル300にボルト等によって固定されている。
【0035】
収納ケース3の下段の真横には車体の骨格である前後に延びるリアサイドフレーム700、700が位置され、リアサイドフレーム700、700は後端が車載用バッテリー1より後方に位置されている。リアサイドフレーム700、700の後方には左右に延びるバンパービーム800が配置されている。
【0036】
荷室200における収納ケース3の後方側の空間はクラッシャブルエリア900として形成されている。
【0037】
上記したように、保持フレーム2がフロアーパネル300に固定されることにより収納ケース3の下側収納部11が配置凹部301に配置され、下側収納部11は左右に離隔して位置されたリアサイドフレーム700、700の間に位置される(
図1及び
図2参照)。
【0038】
収納ケース3には剛性を向上させるための複数の部材が取り付けられている。具体的に
図3を参照して説明する。
収納ケース3の底面部12の上面には固定フレーム14、14、14が左右に離隔して取り付けられている(
図3、
図4参照)。固定フレーム14は上下方向を向く平板状の配置面部15と、配置面部15から上方に突出され断面形状が下方に開口されたコ字状の突状部16と、配置面部15及び突状部16の後端に連続し前後方向を向く平板状の後方連結部17とが一体に形成されて成る。突状部16は一つ又は左右に離隔して二つが設けられ、突状部16の上面部における前端部を除く部分が台部16aとして設けられている。突状部16の上面部における前端部は前方連結部18として設けられている。固定フレーム14は突状部16が前後に延びる向きで底面部12に取り付けられている。
【0039】
収納ケース3の外面には上方に開口する略コ字状に形成された撓み防止部材19、19が左右に離隔した状態で取り付けられている。撓み防止部材19は、前後方向に延びる第1の支え部20と、第1の支え部20の前端及び後端からそれぞれ略上方に延びる一対の第2の支え部21、21と、第2の支え部21、21の上端から前方又は後方に突出されたフランジ状取付部22、22とを備えている。
撓み防止部材19は長手方向に直交する断面形状がハット状とされている。撓み防止部材19の第1の支え部20は、長手方向に直交する断面形状が上方に開口された略コ字状の突状部23と、突状部23の上端から略水平に張り出されたフランジ状の底面取付部24、24とを備えている(
図5参照)。
第2の支え部21は、長手方向に直交する断面形状が側方に開口された略コ字状の突状部25と、突状部25の両端から側方に張り出されたフランジ状の側面取付部26、26とを備えている(
図3、
図4参照)。
【0040】
撓み防止部材19は、第1の支え部20の底面取付部24が底面部12に取り付けられ、第2の支え部21、21の側面取付部26、26が前面壁部13a及び後面壁部13bに取り付けられ、フランジ状取付部22、22が収納ケース3の被取付部13dの下面に取り付けられることにより、収納ケース3に固定される。
【0041】
撓み防止部材19、19が収納ケース3に固定されることにより、収納ケース3が枠状部8に挿入されて保持フレーム2に保持された状態における収納ケース3の撓みが防止され、収納ケース3の内部に配置された各部の安定した配置状態を確保することができる。
【0042】
尚、撓み防止部材19は、二つ以上の別個の部材によって構成されていてもよい。例えば、一つの撓み防止部材19が、後面壁部13b及び底面部12に取り付けられる後方部材と前面壁部13b及び底面壁部12に取り付けられる前方部材の二つの部材で構成されていてもよい。また、この場合には、後方部材と前方部材が連結されずに前後に離隔して取り付けられてもよい。
【0043】
収納ケース3の内面には、角部を補強するために前方隅補強フレーム27と後方隅補強フレーム28が取り付けられている。
前方隅補強フレーム27は、左右方向に延びる第1の前方補強部29と、第1の前方補強部29の左右両端部からそれぞれ斜め上方に延びる第2の前方補強部30、30と、第1の前方補強部29の左右方向における中間部から略上方に延び左右に離隔して設けられた第3の前方補強部31、31とを備えている(
図3及び
図4参照)。
【0044】
第1の前方補強部29、第2の前方補強部30及び第3の前方補強部31は、それぞれ収納ケース3に固定される固定面部32と固定面部32から収納ケース3の内方に突出された突状部33とを備えている。
第1の前方補強部29及び第2の前方補強部30は長手方向に直交する断面形状がW字状とされている。断面形状のW字における両端部が固定面部32とされ、その間の部分が突状部33とされている。
第3の前方補強部31は長手方向に直交する断面形状がハット状とされている。断面形状のハット状における両端部が固定面部32とされ、その間の部分が突状部33とされている。
【0045】
前方隅補強フレーム27は、第1の前方補強部29が底面部12と前面壁部13aに亘る位置に取り付けられ、第2の前方補強部30、30が前面壁部13aと側面壁部13cに亘る位置取り付けられ、第3の前方補強部31、31が前面壁部13aに取り付けられることにより、収納ケース3に取り付けられている。
第3の前方補強部31、31は、
図5に示すように、左右方向において固定フレーム14、14の間に位置されている。
【0046】
収納ケース3に前方隅補強フレーム27が取り付けられていることにより、収納ケース3の前面壁部13aと側面壁部13c、13cと底面部12の剛性の向上が図られている。また、収納ケース3における隅部分の剛性が高められているため、底面部12と前面壁部13aと側面壁部13c、13cとがそれぞれ略直交した状態が保たれやすい。
また、前方隅補強フレーム27の断面形状がW字状又はハット状とされることにより、衝撃を受けた場合にも底面部12と前面壁部13aと側面壁部13c、13cとがそれぞれ略直交した状態が保たれやすくされている。
【0047】
後方隅補強フレーム28は、左右方向に延びる第1の後方補強部34と、第1の後方補強部34の左右両端部からそれぞれ斜め上方に延びる第2の後方補強部35、35と、第1の後方補強部34から略上方に延びる第3の後方補強部36とを備えている(
図3及び
図4参照)。
【0048】
第1の後方補強部34、第2の後方補強部35及び第3の後方補強部36は、それぞれ収納ケース3に固定される固定面部37と固定面部37から収納ケース3の内方に突出された突状部38とを備えている。
第3の後方補強部36は、固定面部37と突状部38が補強部39として設けられている。更に、第3の後方補強部36は、補強部39の上端から略水平に延び上下を向く面部とされ仕切板9が取り付けられる取付台部40を備えている。
第1の後方補強部34及び第2の後方補強部35は長手方向に直交する断面形状がW字状とされている。断面形状のW字における両端部が固定面部37とされ、その間の部分が突状部38とされている。
第3の後方補強部36は長手方向に直交する断面形状がハット状とされている。断面形状のハット状における両端部が固定面部37とされ、その間の部分が突状部38とされている。
【0049】
後方隅補強フレーム28は、第1の後方補強部34が底面部12と後面壁部13bに亘る位置に取り付けられ、第2の後方補強部35、35が後面壁部13bと側面壁部13cに亘る位置取り付けられ、第3の後方補強部36が後面壁部13bに取り付けられることにより、収納ケース3に固定されている。
【0050】
収納ケース3に後方隅補強フレーム28が取り付けられていることにより、収納ケース3の後面壁部13bと側面壁部13c、13cと底面部12の剛性の向上が図られている。また、収納ケース3における隅部分の剛性が高められているため、底面部12と後面壁部13bと側面壁部13c、13cとがそれぞれ略直交した状態が保たれやすい。
【0051】
収納ケース3の周面部13には、前面壁部13aと側面壁部13c、13cの内面に亘るように補強部材41が取り付けられている。
補強部材41は、長手方向に直交する断面形状がハット状とされており、周面部13の各部に取り付けられる面部とされた連結部42と、連結部42から収納ケース3の内方に突出され長手方向に直交する断面形状が収納ケース3の内面に向けて開口されたコ字状とされた突出部43とを備えている。補強部材41の連結部42及び突出部43には、前方隅補強フレーム27の第2の前方補強部30、30の上端部及び第3の前方補強部31、31の上端部が結合されている。
断面形状がコ字状とされた突出部43は、上下を向き仕切板9が載置される載置面部44と、載置面部44の内側の端部から下方に突出され前後又は左右を向く中間面部45と、中間面部45の下端部から収納ケース3側に突出され上下を向く下面部46とを備えている。
【0052】
補強部材41は収納ケース3を補強する機能と仕切板9を取り付ける取付部材としての双方の機能を有している。従って、車載用バッテリー1にあっては、仕切板9を取り付けるための専用の部材を必要とせず、部品点数の削減による構造の簡素化を図ることができる。
【0053】
補強部材41が収納ケース3の周面部13に取り付けられることにより、収納ケース3の強度が高くなり、収納ケース3の内部に配置された各部の保護を強化することができる。
【0054】
図5に示すように、収納ケース3の底面部12の上面には固定フレーム14の配置面部15が取り付けられ、底面部12の下面には撓み防止部材19の底面取付部24が取り付けられており、配置面部15と底面取付部24と底面部12は、一部が重ね合わされた状態で結合されている。
これにより、収納ケース3の底面部12の剛性が高められている。
【0055】
収納ケース3の被取付部13dには、四隅の下面から周面部13の上端部に亘る部分に角補強部材47、47、47、47が取り付けられている。角補強部材47は、被取付部13dに取り付けられる第1取付面部47aと、周面部13における隣り合う二つの壁部(例えば前面壁部13aと側面壁部13c)に亘って取り付けられる第2取付面部47bとを備えている。
【0056】
被取付部13d及び周面部13を構成する隣り合う二つの壁部に亘って角補強部材47が取り付けられることで、収納ケース3の剛性を高めることができ、衝突時などの荷重付与時において外形を保ちやすくすることができ、内部に配置された各部の保護を図ることができる。また、被取付部13dと周面13に亘って取り付けられているため、周面13に対する被取付部13dの角度が保たれ、枠状部8に対する良好な保持状態が確保される。
【0057】
固定フレーム14は、前端部に設けられた前方連結部18が前方隅補強フレーム27の第1の前方補強部29と連結され、後端部に設けられた後方連結部17が後方隅補強フレーム28の第1の後方補強部34と連結されている。
固定フレーム14が収納ケース3の前端部に取り付けられている前方隅補強フレーム27から収納ケース3の後端部に取り付けられている後方隅補強フレーム28に亘って底面部12に取り付けられていることにより、収納ケース3が後方からの衝撃を受けた場合に、底面部12の変形量が抑えられ、収納ケース3の内部に配置された各部品の損傷を抑制することが可能とされている。
そして、前方隅補強フレーム27と固定フレーム14と後方隅補強フレーム28が連結されることにより、収納ケース3の前面壁部13aと底面部12と後面壁部13bが略直交した状態が保たれやすく、収納ケース3の変形や破損が抑制される。
【0058】
前方隅補強フレーム27は、第2の前方補強部30、30の上端部が補強部材41の連結部42や突出部43と連結されている。
これにより、収納ケース3の周面部13における前面壁部13aの剛性が高められて、前面壁部13aの変形や破損を抑制することができる。また、前方隅補強フレーム27の第3の前方補強部31、31が補強部材41の連結部42や突出部43と連結されていることにより、前面壁部13aの更なる強度向上が図られている。そのため、収納ケース3の内部空間48のうち、前方側の部分が衝突時などにおいても特に確保されるため、前側に寄せて配置される電池モジュール5の破損や破壊が防止される可能性を高めることができる。
【0059】
収納ケース3の内部空間48は電池モジュール5、5の他に、後述する各部が収納される空間とされている。
【0060】
電池モジュール5は前後方向が長手方向になる箱状のセルカバー49とセルカバー49の内部において前後に並んで配列された複数の電池セル50、50、・・・とを有している(
図4参照)。電池モジュール5、5は収納ケース3の下側収納部11に左右に離隔した状態で収納されている(
図6及び
図7参照)。
【0061】
電池モジュール5は隣り合う二つの固定フレーム14の突状部16、16の台部16a、16aに跨がった状態で配置されている。なお、前方隅補強フレーム27の第3の前方補強部31、31は、前述したように、左右方向において固定フレーム14、14の間に位置されている。従って、電池モジュール5と前方隅補強フレーム27の第3の前方補強部31は左右方向において略同じ位置に配置されている。
【0062】
このように電池モジュール5が台部16a、16aに跨った状態で配置されることにより、電池モジュール5が固定フレーム14に配置された状態において電池モジュール5の下方において台部16a、16a間に空間が形成され、電池モジュール5の配置状態の安定化を図った上で電池モジュール5における放熱性の向上を図ることができる。
そして、電池モジュール5と前方隅補強フレーム27の第3の前方補強部31が左右方向において略同じ位置とされていることにより、前面壁部13aのうち電池モジュール5の前方の部分が変形されにくいため、前面壁部13aの影響による電池モジュール5の損傷が起きにくくされる。
【0063】
また、固定フレーム14、14が収納ケース3の底面部12に取り付けられ、電池モジュール5、5が固定フレーム14、14上に配置されているため、固定フレーム14、14は底面部12を補強する機能に加え電池モジュール5、5を配置するための配置部として機能し、部品点数の増加を来すことなく電池モジュール5、5の配置状態の安定化を図ることができる。
【0064】
収納ケース3の下側収納部11には、電池モジュール5、5を挟んで左右方向における反対側にバッテリーコントロールユニット51とジャンクションボックス52が収納されている。従って、電池モジュール5、5とバッテリーコントロールユニット51とジャンクションボックス52は収納ケース3の内部空間48における下段に収納され、リアサイドフレーム700、700の上面以下に位置されている(
図6参照)。バッテリーコントロールユニット51は車載用バッテリー1の全体の制御を司る機能を有している。ジャンクションボックス52はリレーやヒューズやコネクター端子等を有している。
【0065】
上記したように、収納ケース3の下側収納部11はリアサイドフレーム700、700の間に位置されており、下側収納部11に収納された電池モジュール5、5とバッテリーコントロールユニット51とジャンクションボックス52もリアサイドフレーム700、700の間に位置されている。
【0066】
収納ケース3の上側収納部10には、前半部に端子台53と電動オイルポンプのポンプ用インバータ54が左右に並んで配置され、後半部にDC/DCコンバータ55とバッテリーコントロールユニット51のユニット用インバータ56が左右に並んで配置されている(
図6及び
図8参照)。従って、端子台53とポンプ用インバータ54とDC/DCコンバータ55とユニット用インバータ56は収納ケース3の内部空間48における上段に収納されている。
【0067】
収納ケース3にはジャンクションボックス52の前側にサービスプラグ57が配置されている。サービスプラグ57は仕切板9の切欠9aに位置されている。サービスプラグ57はカバー体4が収納ケース3に取り付けられた状態において、カバー体4の連通孔4aから臨まれる位置に配置されている。
【0068】
上記したように、収納ケース3の内部には電池モジュール5、5、バッテリーコントロールユニット51、ジャンクションボックス52、端子台53、ポンプ用インバータ54、DC/DCコンバータ55及びユニット用インバータ56が配置され、車載用バッテリー1の駆動に必要とされる全ての電装部品がカバー体4に覆われた状態で収納ケース3の内部に配置されている。
【0069】
従って、車載用バッテリー1の駆動に必要とされる電装部品に対して外部からの電磁ノイズが遮蔽可能とされ、電磁シールドの強化により車載用バッテリー1の良好な駆動状態を確保することができる。
【0070】
また、収納ケース3の内部空間48には電池モジュール5、5等の各部が配置されているが、内部空間48において電池モジュール5、5とバッテリーコントロールユニット51とジャンクションボックス52の後側には隙間が形成されており、この隙間が後方空間48aとして形成されている(
図9参照)。
【0071】
車載用バッテリー1には吸気用ダクト58が設けられている(
図2参照)。吸気用ダクト58は収納ケース3を貫通され一部を除いて収納ケース3の後側に形成されたクラッシャブルエリア900に位置されている。吸気用ダクト58の内部には重量の大きなファンモーター59が配置されている。ファンモーター59は収納ケース3の下側収納部11と同じ高さに位置され、リアサイドフレーム700、700間に配置されている。
【0072】
ファンモーター59の回転軸には図示しない冷却ファンが連結されている。冷却ファンは回転されることにより冷却風を吸気用ダクト58から取り込み収納ケース3の内部に配置された各部に向けて送る機能を有し、ファンモーター59は冷却ファンを回転させる機能を有している。
【0073】
ファンモーター59はクラッシャブルエリア900において、例えば、ジャンクションボックス52の真後ろに位置されている(
図9参照)。従って、ファンモーター59は右側に配置された電池モジュール5の右端より右方に位置されている。尚、ファンモーター59は左側に配置された電池モジュール5の左端より左方に位置されていてもよい。
【0074】
車載用バッテリー1には排気用ダクト60が設けられている(
図2参照)。排気用ダクト60は収納ケース3を貫通され一部を除いて収納ケース3の側方(左方)に位置されている。排気用ダクト60によって吸気用ダクト58から取り込まれ収納ケース3の内部に配置された各部を冷却した冷却風が収納ケース3の外部に放出される。
【0075】
上記した吸気用ダクト58から収納ケース3の内部を経て排気用ダクト60によって放出される冷却風の流動は冷却ファンによって強制的に行われ、収納ケース3の内部に配置された各部、特に、電池モジュール5、5やバッテリーコントロールユニット51やジャンクションボックス52等が効率的に冷却される。
【0076】
図1及び
図10に示すように、車載用バッテリー1の前方において、フロアーパネル300の下面側にクロスメンバ61が固定されている。
クロスメンバ61は左右に延び長手方向に直交する断面形状が上方に開口された略ハット状とされている。
クロスメンバ61は、フロアーパネル300への取付部分とされ上下方向を向く連結面部62、62と、連結面部62、62それぞれの一端部から下方に突出し長手方向に直交する断面形状がコ字状とされたコ字状部63とを備えている。
【0077】
クロスメンバ61とフロアーパネル300の連結部分は、剛性の高い部分とされている。クロスメンバ61の後端側の連結面部62とフロアーパネル300の重なり部分は高剛性部64として設けられている。
【0078】
補強部材41と高剛性部64の位置関係を
図10に示している。具体的には、補強部材41の突出部43の上端H1tと下端H1u、及び、高剛性部64の上端H2tと下端H2uを黒点で示している。
突出部43の上端H1tは高剛性部64の下端H2uよりも上方に位置されている。また、突出部43の下端H1uは高剛性部64の上端H2tよりも下方に位置されている。
【0079】
即ち、高剛性部64は、少なくとも一部が突出部43と同じ高さとなる部分を有している。例えば、
図10に示す状態は、高剛性部64の全部が突出部43の上端H1tと下端H1uの間に位置されている。
収納ケース3の周面部13においては、補強部材41が取り付けられた部分が他の部分よりも剛性が高くされている。従って、万が一車両後方からの衝撃が大きなものであり、収納ケース3が前方に移動して高剛性部64と衝突するような事態となっても、共に剛性の高い部分とされた高剛性部64と収納ケース3の部分が接触するため、車載用バッテリー1の前方への過度の移動が規制される。また、前方への過度の移動が規制されることにより、収納ケース3の変形や破損が小さくされる。即ち、収納ケース3の内部に配置された電池モジュール5の配置空間が確保されやすい。
【0080】
なお、高剛性部64の少なくとも一部が突出部43と同じ高さとなる他の例としては、例えば、
図10に示す状態よりも補強部材41が低い位置に取り付けられることにより高剛性部64のうちの連結面部62だけが突出部43と同じ高さとなる部分とされていてもよい。
また、逆に
図10に示す状態よりも補強部材41が高い位置に取り付けられることにより高剛性部64のうちのフロアーパネル300だけが突出部43と同じ高さとなる部分とされていてもよい。
また、高剛性部64のうち連結面部62の更に一部だけが突出部43と同じ高さとなる部分とされていてもよいし、高剛性部64のうちフロアーパネル300の更に一部だけが突出部43と同じ高さとなる部分とされていてもよい。
但し、高剛性部64の全体が突出部43と同じ高さとされていることにより、上記した効果を最大限享受することができる。
【0081】
保持フレーム2の第1の部分6、6のうち、前方側にある第1の部分6と補強部材41の上下方向の位置関係を
図11に示す。具体的には、補強部材41の突出部43の上端H1tと下端H1u、及び、前方側の第1の部分6の上端H3tと下端H3uを黒点で示している。
突出部43の上端H1tは前方側の第1の部分6の下端H3uよりも上方に位置されている。また、突出部43の下端H1uは前方側の第1の部分6の上端H3tよりも下方に位置されている。
【0082】
即ち、前方側にある第1の部分6は、少なくとも一部が突出部43と同じ高さとなる部分を有している。なお、
図11に示す状態は、前方側にある第1の部分6の一部が突出部43と同じ高さとされている。
これにより、収納ケース3に後方から衝撃が加えられた場合に、その衝撃が補強部材41が取り付けられた剛性の高い周面部13の一部から保持フレーム2へと伝わりやすい。
従って、収納ケース3の変形量や破損が抑制され、収納ケース3の内部に配置された電池モジュール5の生存空間が確保されやすい。
【0083】
なお、前方側にある第1の部分6の全部が突出部43の上端H1tと下端H1uの間に位置されていても上述した同様の効果を得ることができる。
【0084】
上記したように、車載用バッテリー1は、前後に離隔された一対の第1の部分6、6の少なくとも一部と左右に離隔された一対の第2の部分7、7の少なくとも一部とによって構成された枠状部8を有し車体に固定される保持フレーム2と、枠状部8に挿入された状態で保持フレーム2に保持されることによりフロアーパネル300に形成された配置凹部301に配置され前面壁部13aと後面壁部13bと左右の側面壁部13c、13cと底面部12とを有する収納ケース3と、収納ケース3に収納され内部に電池セル50が配置された電池モジュール5と、収納ケース3の内部空間48を上方空間と下方空間に分ける仕切板9と、前面壁13a部及び左右の側面壁部13c、13cへの連結部分とされた連結部42と連結部42から突出され上面に仕切板9が載置される突出部43とを有する補強部材41と、を備え、収納ケース3の前方においてクロスメンバ61の結合面部62がフロアーパネル300に結合され、フロアーパネル300とクロスメンバ61の結合部分が高剛性部64として設けられ、突出部43の上端が高剛性部64の下端よりも上方に位置すると共に突出部43の下端が高剛性部64の上端よりも下方に位置するものである。
これにより、例えば車両後方からの衝撃等により高剛性部64と収納ケース3の前面壁部13aが接触する場合には、収納ケース3において補強部材41の突出部43が取り付けられる部分が高剛性部64と接触する。
補強部材41が取り付けられた部分は、前面壁部13aの中でも特に高強度とされている部分のため、フロアーパネル300とクロスメンバ61の結合部分とされた高剛性部64と接触したとしても、衝撃による前面壁部13aの変形や破損が少なくされる。
【0085】
図4等で説明したように、収納ケース3の内側において、前面壁部13a及び底面部12を跨ぐように取り付けられる第1の前方補強部29と、左右の側面壁部13c、13cと前面壁部13aを跨ぐように取り付けられ左右に離隔して位置された一対の第2の前方補強部30、30と、を有し、補強部材41と結合された前方隅補強フレーム27を備えていてもよい。
これにより、前面壁部13aに伝わった衝撃が前方隅補強フレーム27を介して補強部材41に伝達されやすい。
従って、前面壁部13aの剛性が高められているため、後方からの衝撃により収納ケース3が前方へ移動し、前面壁部13aが高剛性部64と接触したとしても、前面壁部13aの変形量や破損が抑制される。そして、内部に配置された電池モジュール5の破損等が起きにくくされる。
【0086】
図3及び
図4等で説明したように、底面部12の上面に配置され電池モジュール5が取り付けられ底面部12の前後方向における強度を補う固定フレーム14を備え、固定フレーム14と前方隅補強フレーム27が結合されていてもよい。
これにより、底面部12に加えられた衝撃が前方隅補強フレーム27を介して前面壁部13aや補強部材41に伝達されやすい。
また、収納ケース3の底面部12及び前面壁部13aの強度向上が図られる。従って、後方からの衝撃により収納ケース3内部に配置された電池モジュール5が収納ケース3の前方壁部13aに強く衝突してしまう虞や収納ケース3外に飛び出してしまう虞を低減させることができる。
【0087】
図3及び
図4等で説明したように、底面部12の上面に配置され電池モジュール5が取り付けられ底面部12の前後方向における強度を補う固定フレーム14を備えていてもよい。
これにより、底面部12に加えられた衝撃が固定フレーム14に吸収される。
即ち、収納ケース3の底面部12の剛性が高められる。従って、例えば車両後方からの衝撃が収納ケース3に加えられたとしても、底面部12の変形量や破損が押さえられ、電池モジュール5の損傷を抑制することができる。
【0088】
各図で説明したように、前面壁部13aは補強部材41と前方隅補強フレーム27が取り付けられた部分が高強度部として設けられ、電池モジュール5の上端が高強度部の上端よりも下方に位置すると共に電池モジュール5の下端が高強度部の下端よりも上方に位置されていてもよい。
これにより、収納ケース3に強い力が加えられた際の高強度部の変形量が抑制される。
従って、収納ケース3の内部空間48に配置された各部材の損傷を防止することができる。
【0089】
図5等で説明したように、固定フレーム14、14が左右に離隔して複数設けられ、前方隅補強フレーム27は、第1の前方補強部29から突出され前面壁部13aに取り付けられる第3の前方補強部31を有し、第3の前方補強部31は左右方向において固定フレーム14の間に位置されていてもよい。
固定フレーム14が左右に離隔して設けられることにより、大型の電池を安定して配置することができる空間が確保される。また、離隔して設けられた複数の固定フレーム14、14の間に第3の補強部31が位置していることから、固定フレーム14が配置されていない間の部分が補強される。
従って、収納ケース3の前面壁部13aなどの破損や変形が均一的に抑制され、収納ケース3の内部に配置された各部の損傷を防止することができる。また、前面壁部13aの均一的な強度向上が図られる。
また、特に実施の形態に示すように、電池モジュール5が二つの固定フレーム14、14に跨がるように載置されている場合には、左右方向における電池モジュール5の中心と第3の前方補強部31の中心が略同じ位置とされる。即ち、前面壁部13aのうち電池モジュール5の前方に位置する部分の強度が増強されているため、前面壁部13aの変形により電池モジュール5が損傷してしまう可能性を更に低減することができる。
【0090】
図3及び
図4等で説明したように、収納ケース3の内側において、少なくとも後面壁部13b及び底面部12を跨ぐように取り付けられる後方隅補強フレーム28を備えていてもよい。
これにより、後面壁部13bへ付与された衝撃が底面部12へと伝わりやすい。
従って、後方からの衝撃によって後面壁部13bが変形しにくくされる。特に、後方隅補強フレーム28は後面壁部13bの下方に取り付けられているため、後面壁部13bのうち特に下側の部分の強度向上が図られている。そのため、後方からの衝撃が加わることによる収納ケース3の底面部12の変形がし難く、その上に配置された電池モジュール5の破損が起きにくくされている。
【0091】
図3及び
図4等で説明したように、後方隅補強フレーム28は、後面壁部13b及び底面部12を跨ぐように取り付けられる第1の後方補強部34と、左右の側面壁部13c、13cと後面壁部13bを跨ぐように取り付けられ左右に離隔して位置された一対の第2の後方補強部35、35と、を有し、第2の後方補強部34は補強部材41と結合されていてもよい。
これにより、後面壁部13bへ付与された衝撃が底面部12及び左右の側面壁部13c、13cに伝えられやすい。
従って、後方からの衝撃が収納ケース3に加えられたとしても、内部に配置された電池モジュール5の生存空間が確保される可能性を高めることができる。
【0092】
図10等で説明したように、突出部43は、断面形状が収納ケース3の外方に向けて開口するコ字状とされていてもよい。
これにより、高剛性部64と前面壁部13aが強く接触し、高剛性部64の一部が収納ケース3の内部に侵入したとしても、突出部43の内部空間によって高剛性部64の移動ストロークを稼ぐことができる。
即ち、高剛性部64が取付部43よりも後方に移動して収納ケース3内に配置された各部材が損傷してしまう可能性を低減させることができる。