(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のオリゴヌクレオチドバーコード分子のそれぞれがプライマー配列を含み、(e)において、前記バーコード化核酸分子が、前記プライマー配列の核酸伸長によって生成される、請求項15に記載の方法。
(b)が、(i)前記ランダムプライマーを前記鋳型核酸分子に結合すること、および(ii)前記ランダムプライマーを伸長して前記ウラシルを含む前記第1の鎖を合成することを含む、請求項1に記載の方法。
前記不安定な結合が、エステル結合、隣接ジオール結合、ディールス−アルダー結合、スルホン結合、シリルエーテル結合、グリコシド結合、ペプチド結合、およびホスホジエステル結合からなる群から選択される結合を含む、請求項28に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0027】
I.全体の概観
ニック部位における重合による、プライミングを用いない増幅を用いたライブラリー調製
ニック部位において重合によるプライミングを用いない増幅(プライミングを用いない増幅)を用いる、本明細書に記載のとおりに作製した配列決定ライブラリーは、従来のプライマーベースの増幅(プライミング増幅)ライブラリー作製アプローチと比較した場合に、優れた配列決定の結果、例えば全ゲノム配列決定の結果をもたらす。有利には、例えば、プライミングを用いない増幅アプローチは、プライミング増幅の結果と比較した場合、広範囲のGC塩基含量にまたがる、一層均一な配列決定カバレッジをもたらす。更に、プライミングを用いない増幅において、改善された配列決定カバレッジの均一性が達成され、プライミング増幅に関する分布と比較した場合、一層のポアソン分布をもたらす。
【0028】
本発明の設計は一般に
図1に示し、この図では、鋳型のプライミングを用いない増幅を用いたライブラリー調製プロセスを示す。図示したアプローチは、以下の実施例で開示される実験的、または予測的な例示的支持でもまた用いられる。いくつかの実施形態において、配列決定ライブラリーを分子バーコードとタグ付けし、このライブラリーは、NGS(次世代配列決定)反応での使用に好適である。
【0029】
図1の一連のパネルに示しているものの、図示した反応プロセスは、重合プロセスによるプライミングを用いない増幅において共に存在する全ての試薬を用いて、同時に行うことが可能である。本プロセスは、配列決定ライブラリーを作製するための、標準的なプライミング増幅プロセスと対比することが可能である。
【0030】
一般に、本発明の一方法を
図1に示す。
図1の(i)において、等温増幅を実施するために用いるDNAポリメラーゼ、例えばphi29 DNAポリメラーゼ(New England Biolabs(登録商標)Inc.(NEB),Ipswich,MA)を示し、六量体(短い矢印)、並びに、均一なカバレッジ及び低いエラー率をもたらす、非常に高い処理能力及びフィデリティを有するphi29 DNAポリメラーゼ(楕円)を用いた開始を含む。ポリメラーゼが標的配列(長い線)に沿って処理を行うと、コピーされたDNA鋳型が作製される。
図1の(ii)は、全てのdNTP、及び少量のdUTPの存在下における最初の増幅の際の、伸長する鋳型鎖(長い矢印)における、dUTP(U)のポリメラーゼベースの組み込みを示す。
図1の(iii)は、元の標的配列(長い線)ではなく、コピーした鋳型DNA鎖(長い矢印)に、dUTPの除去とニックの作製が可能な酵素(稲妻の付いた楕円)反応を含めることを示し、
図1の(iv)は、dUTPを除去可能な酵素によるニッキングの結果を示し、ここで、(iii)からの元の増幅鎖は例えば、4塩基短い増幅鎖(短い矢印)である。更に、phi29 DNAポリメラーゼ(楕円)はプライミングとは無関係な増幅プロセスにおいて、更なる増幅のためにニック部位において関与することを示す。
図1の(v)は、非常に処理能力の高いphi29 DNAポリメラーゼ(楕円)による、分離された増幅断片(短い矢印)の鎖置換の際に、元の標的配列を鋳型(長い線)として再利用することを示す。後の増幅は(ii)に示すプロセスを反映し、分離された更なる増幅断片(短い矢印)を作製する。
【0031】
本開示は、試薬をサンプル成分のサブセットに制御して送達することによるサンプル材料の処理、続いて、部分的には送達した試薬を用いる、これらのサンプル成分の分析において有用な方法、システム、及び組成物を提供する。多くの場合、サンプル処理、特に一般には核酸分析用途、及び特には、核酸配列決定用途のために本方法及び組成物を用いる。本開示には、バーコード配列を含有する多数のオリゴヌクレオチドに付着したビーズの多様なライブラリー等の、試薬の様々なセットを含むビーズ組成物、並びに、この作製方法及び使用方法が含まれる。
【0032】
ビーズの作製方法としては通常、例えば、水溶液中でビーズ前駆体(モノマーまたはポリマー等)、プライマー、及び架橋剤を混合すること、前記水溶液を油相と、場合によりマイクロ流体デバイスまたは液滴生成器を用いて混合し、油中水型液滴の形成を引き起こすこと、とが挙げられる。場合によっては、触媒、例えば促進剤及び/または重合開始剤を、液滴形成の前後において加えてよい。場合によっては、エネルギーを加えること、例えば、熱または光(例えば紫外線)を加えること等により反応開始を実施してよい。液滴中での重合反応は、場合によってはオリゴヌクレオチド(例えばプライマー)の1つ以上のコピーに共有結合したビーズの生成を引き起こすことが可能である。種々の方法を用いて、更なる配列を機能化ビーズに付着させることができる。場合によっては、機能化ビーズを(例えばバーコードを含有する)鋳型オリゴヌクレオチドと混合し、平均して、1つまたはそれ以下の鋳型オリゴヌクレオチドが、機能化ビーズと同じ分画を占有するように分画する。分画は任意の異なる種類の分画、例えばウェル、マイクロウェル、チューブ、バイアル瓶、マイクロカプセル等であり得るが、好ましい態様において、分画はエマルション内の液滴(例えば水性液滴)であってもよい。オリゴヌクレオチド(例えばバーコード)配列は、プライマー伸長反応、ライゲーション反応、または他の方法等の反応により、分画内でビーズに付着することができる。例えば、場合によっては、プライマーにより機能化したビーズを、プライマーに対する結合部位を含む鋳型バーコードオリゴヌクレオチドと組み合わせることで、プライマーがビーズ上で伸長可能となる。複数ラウンドの増幅の後で、単一のバーコード配列のコピーを、ビーズに結合した複数のプライマーに付着させる。バーコード配列をビーズに付着させた後、エマルションを破壊し、バーコード化したビーズ(または、別の種類の増幅生成物に結合したビーズ)を、増幅したバーコードなしで、ビーズから分離することが可能である。ランダム配列(例えばランダムN量体)、または標的化配列等の追加の配列を次に、例えば、プライマー伸長法、または他の増幅反応を使用してビーズが結合したバーコード配列に加えることができる。本プロセスは、バーコード化ビーズの、大規模かつ多様なライブラリーを生成することができる。
【0033】
例えば、表面上に、例えば配列決定用途のための配列を含有するバーコードを固定するための固定化配列を含めるように、機能性配列が想到される。議論を容易にするために、P5、P7、R1、R2、サンプルインデックス、ランダムN量体等、及びこれらの部分的配列、並びに、前述のいずれかの相補鎖等の多数の特異的機能性配列を以下で説明する。しかし、これらの説明は議論の目的のためのものであり、バーコード含有オリゴヌクレオチド内に含まれる種々の機能性配列のいずれかは、異なる付着配列、異なる配列決定プライマー領域、異なるN量体領域(標的化、及びランダム)、並びに、異なる機能、例えば、ヘアピンまたは他の構造、プローブ配列を形成し、例えば、オリゴヌクレオチドの有無の調査を可能にするか、または、得られる単位複製配列、もしくは種々の他の機能性配列のいずれかのプルダウンを可能にする二次構造等を有する配列を含むが、これらに限定されないこれらの特異的配列で置き換えられてよいことが理解されよう。
【0034】
本開示には、核酸分析、特に配列決定用途でのサンプル調製法もまた含まれる。サンプルの調製としては通常、例えば、源から、サンプル核酸を含むサンプルを入手することと、所望により、このサンプルを更に処理することと、サンプル核酸をバーコード化ビーズと組み合わせることと、及び、サンプル核酸とバーコード化ビーズを含む流体液滴を含有するエマルションを形成することと、が挙げられる。例えば、マイクロ流体デバイスを使用して、かつ/または、任意の好適な乳化法により、液滴を生成することができる。流体液滴は、バーコード化ビーズを溶解、分解、または別様においては破壊し、かつ/または、付着した配列への結合を破壊することにより、結合したバーコード配列をビーズから分離することが可能な作用物質もまた含むことができる。バーコード配列は、ビーズを分解することと、オリゴヌクレオチドをビーズから、例えば切断反応により分離させることのいずれかにより、または両方の組み合わせにより分離してよい。流体液滴中でサンプル核酸を(例えば、本明細書で記載される増幅法により)増幅することにより、例えば、遊離バーコード配列をサンプル核酸に付着させることができる。次に、流体液滴を含むエマルションを破壊し、所望する場合、追加の配列(例えば、特定の配列決定方法を補助する配列、追加のバーコード配列等)を続いて、例えば追加の増幅方法を用いて、バーコード化サンプル核酸に加えることができる。次に、バーコード化した増幅サンプル核酸、及び、配列決定データを判断するのに適用される1つ以上の配列決定アルゴリズム上で配列決定を行うことができる。本明細書で使用する場合、サンプル核酸としては、例えばDNA及びRNAを含み、かつ具体的には、例えば、ゲノムDNA、cDNA、mRNA、全RNA、mRNAまたは全RNA転写物から作製したcDNAを含む、多種多様の核酸のいずれかを挙げてよい。
【0035】
本開示の方法及び組成物を、任意の好適なデジタルプロセッサーと共に用いてよい。デジタルプロセッサーを、例えば、デバイスの任意の構成部分を操作し、かつ/または本明細書に記載する方法を実行するようにプログラムしてよい。いくつかの実施形態において、液滴生成器と繋がったデジタルプロセッサーを使用して、ビーズ形成を実行してよい。デジタルプロセッサーは、液滴が形成される速度を制御してもよいし、または、生成する液滴の合計数を制御してもよい。いくつかの実施形態において、マイクロ流体デバイス、及びマイクロ流体デバイスと繋がったデジタルプロセッサーを使用して、サンプル核酸へのバーコード配列の付着を完了してよい。いくつかの場合において、デジタルプロセッサーは、マイクロ流体デバイスの流路に供給されるサンプル及び/またはビーズの量、流路内での材料の流速、並びに、バーコード配列とサンプル核酸を含む液滴が生成する速度を制御してよい。
【0036】
本開示の方法及び組成物は、核酸の配列決定、タンパク質の配列決定、核酸の定量化、配列決定の最適化、遺伝子発現の検出、遺伝子発現の定量化、エピジェネティック用途、及び、ゲノムマーカーまたは発現マーカーの単一細胞分析を含むがこれらに限定されない、種々の異なる分子生物学用途に有用である。更に、本開示の方法及び組成物は、癌を含む、種々の遺伝病及び非遺伝病、並びに遺伝疾患及び非遺伝疾患の識別、検出、診断、治療、病期分類、または危険性の予測を含む多数の医療用途を有する。
II.ビーズまたは粒子
【0037】
本開示の方法、組成物、デバイス、及びキットを、ゲルビーズ及び他の種類のビーズを含む、任意の好適なビーズまたは粒子と共に使用してよい。ビーズは、本明細書記載の方法に従い送達することができる試薬用キャリアとして機能し得る。特に、これらのビーズは、試薬が分離可能に付着する表面、または、試薬を入れるか、もしくは別様において分離可能に分画される容量を提供し得る。次に、これらの試薬を、所望の方法、例えば、試薬を個々の分画に制御しながら送達することに従い送達してよい。多種多様の異なる試薬、または試薬の種類がビーズと関連してよく、使用者は、かかる試薬を分画に送達することを所望してよい。かかる試薬の非限定例としては、酵素、ポリペプチド、抗体または抗体断片、標識試薬(例えば染料、フルオロフォア、発色団等)、核酸、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、及び前述の2種類以上の任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの場合において、ビーズは、オリゴヌクレオチド配列を合成するか、または付着する表面を提供してよい。オリゴヌクレオチド、バーコード配列、プライマー、架橋剤等を含む種々の構成要素が、ビーズの外側表面と結合してよい。多孔質ビーズの場合、構成要素は、ビーズの外側表面と内部表面の両方と会合してよい。構成要素は、(例えば、共有結合、イオン結合、ファン・デル・ワールス相互作用等により)ビーズの表面に直接付着してもよいし、ビーズの表面に付着した他のオリゴヌクレオチド配列(例えばアダプターまたはプライマー)に付着してもよいし、ビーズの内部全体に拡散してもよいし、かつ/または、分画(例えば流体液滴)中のビーズと組み合わせてもよい。好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ビーズのポリマーマトリックス内の部位に共有結合し、それ故、ビーズの内部と外部に存在する。場合によっては、細胞または核酸等の構成要素がビーズ内に封入される。増幅試薬(例えばPCR試薬、プライマー)等の他の構成要素もまた、ビーズ全体に拡散してよいし、または、ビーズの内部の中で(例えば、孔を介して、ポリマーマトリックスへの共有結合により)化学的に結合ししてよい。
【0038】
ビーズは、構成要素またはサンプルを局在化させる役割を果たし得る。いくつかの実施形態において、構成要素(例えば、オリゴヌクレオチド、バーコード配列、プライマー、架橋剤、アダプター等)を、ビーズの外側表面及び/または内側表面と結合させてよい。場合によっては、構成要素をビーズ全体を通して配置してよい。場合によっては、構成要素を、ビーズの表面全体、またはビーズ表面の少なくとも半分と結合させてよい。
【0039】
ビーズは、オリゴヌクレオチド配列を合成する支持体として機能し得る。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドの合成には、ライゲーション工程を含んでよい。場合によっては、オリゴヌクレオチドの合成には、2つのより小さいオリゴヌクレオチドを互いにライゲーションすることを含んでよい。場合によっては、プライマー伸長反応、または他の増幅反応を使用して、ビーズに付着したプライマーを介して、オリゴヌクレオチドをビーズ上に合成してよい。かかる場合、ビーズに付着したプライマーを、鋳型ヌクレオチド配列もまた含有するオリゴヌクレオチドのプライマー結合部位にハイブリダイゼーションしてよい。次に、プライマー伸長反応、または他の増幅反応によりプライマーを伸長することができ、したがって、鋳型オリゴヌクレオチドに相補的なオリゴヌクレオチドがビーズに付着することができる。場合によっては、ビーズに会合した同一のオリゴヌクレオチドのセットを、同一のオリゴヌクレオチドがそれぞれ、オリゴヌクレオチドの多様なセットの異なる構成要素に付着するように、種々のオリゴヌクレオチドのセットにライゲーションしてよい。他の場合では、ビーズと結合した多様なオリゴヌクレオチドのセットを、同一のオリゴヌクレオチドのセットにライゲーションしてよい。
ビーズの特徴
【0040】
本開示の方法、組成物、デバイス、及びキットを、任意の好適なビーズと共に使用してよい。いくつかの実施形態において、ビーズは多孔質、非多孔質、固体、半固体、半流体、または流体であってよい。いくつかの実施形態において、ビーズは溶解可能、破壊可能、または分解可能であってよい。場合によっては、ビーズは分解可能でない場合がある。いくつかの実施形態において、ビーズはゲルビーズであってよい。ゲルビーズはハイドロゲルビーズであってよい。ゲルビーズは、分子前駆体、例えばポリマー種またはモノマー種から形成されてよい。半固体ビーズはリポソームビーズであってよい。固体ビーズは、酸化鉄、金、及び銀等の金属を含んでよい。場合によっては、ビーズはシリカビーズである。場合によっては、ビーズは剛性である。場合によっては、ビーズは可撓性であってよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、ビーズは分子前駆体(例えばモノマーまたはポリマー)を含有してよく、この分子前駆体は、前駆体の重合によりポリマーネットワークを形成し得る。場合によっては、前駆体は、例えば化学架橋結合により更に重合を受けることが可能な、既に重合した種であってよい。場合によっては、前駆体は、アクリルアミドまたはメタクリルアミドモノマー、オリゴマー、またはポリマーの1つ以上を含む。場合によっては、ビーズはプレポリマーを含んでよく、プレポリマーは更に重合可能なオリゴマーである。例えば、プレポリマーを使用してポリウレタンビーズを調製してよい。場合によっては、ビーズは、更に互いに重合し得る、個々のポリマーを含有してよい。場合によっては、ビーズは、混合したポリマー、コポリマー、及び/またはブロックコポリマーを含むように、異なる前駆体の重合により生成してよい。
【0042】
ビーズは、天然及び合成ポリマー等の天然及び/または合成物質を含んでよい。天然ポリマーの例としては、デオキシリボ核酸、ゴム、セルロース、デンプン(例えばアミロース、アミロペクチン)、タンパク質、酵素、多糖類、絹、ポリヒドロキシアルカノエート、キトサン、デキストラン、コラーゲン、カラギーナン、イスパキュラ、アカシア、寒天、ゼラチン、セラック、ステルクリアガム、キサンタンガム、コーンシュガーガム、グアーガム、カラヤゴム、アガロース、アルギン酸、アルギン酸塩、またはこれらの天然ポリマー等のタンパク質類及び糖類が挙げられる。合成ポリマーの例としては、アクリル、ナイロン、シリコーン、スパンデックス、ビスコースレーヨン、ポリカルボン酸、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリエチレングリコール、ポリウレタン、ポリ乳酸、シリカ、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(オキシメチレン)、ポリホルムアルデヒド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(二塩化ビニリデン)、ポリ(二フッ化ビニリデン材料)、ポリ(フッ化ビニル)、及びこれらの組み合わせ(例えばコポリマー)が挙げられる。ビーズはまた、脂質、ミセル、セラミックス、ガラスセラミックス、複合材料、金属、他の無機材料等を含むポリマー以外の材料から形成されてもよい。
【0043】
場合によっては、化学架橋剤は、モノマーの重合中にモノマーを架橋するために使用する前駆体であってよく、かつ/または、ビーズを化学種で機能化するために使用されてよい。場合によっては、ポリマーを、架橋剤化学種または他の種類のモノマーと更に重合し、更なるポリマーネットワークを生成してよい。化学的架橋剤(本明細書では「架橋剤(crosslinker)」または「架橋剤(crosslinker agent)」とも呼ばれる)の非限定例としては、シスタミン、グルタルアルデヒド(gluteraldehyde)、スベルイミノ酸ジメチル、N−ヒドロキシスクシンイミド架橋剤BS3、ホルムアルデヒド、カルボジイミド(EDC)、SMCC、スルホ−SMCC、ビニルシラン(vinylsilance)、N,N’ジアリル酒石酸アミド(DATD)、N,N’−ビス(アクリロイル)シスタミン(BAC)、またはこれらの同族体が挙げられる。場合によっては、本開示で使用する架橋剤はシスタミンを含有する。
【0044】
使用する特定の架橋剤に応じて、架橋は永続的か、または可逆的であってよい。可逆性架橋では、ポリマーが適切な条件下で直鎖状となるか、または分離することが可能となり得る。場合によっては、可逆的架橋ではまた、ビーズの表面に結合した物質の可逆的付着が可能となる。場合によっては、架橋剤はジスルフィド結合を形成してよい。場合によっては、ジスルフィド結合を形成する化学架橋剤は、シスタミンまたは修飾シスタミンであってよい。いくつかの実施形態において、ジスルフィド結合は、分子前駆体単位(例えばモノマー、オリゴマー、または直鎖ポリマー)間で形成されてよい。いくつかの実施形態において、ジスルフィド結合は、分子前駆体単位(例えばモノマー、オリゴマー、もしくは直鎖ポリマー)、または、ビーズ及びオリゴヌクレオチドに組み込まれた前駆体間で形成されてよい。
【0045】
例えば、シスタミン(修飾シスタミンを含む)は、ビーズの個々のモノマーまたはポリマー前駆体間での架橋剤として使用され得るジスルフィド結合を含む有機剤である。シスタミン、またはシスタミンを含む化学種(例えば修飾シスタミン)の存在下においてポリアクリルアミドを重合し、ジスルフィド結合を含むポリアクリルアミドゲルビーズ(例えば、化学還元可能な架橋剤を含む化学分解可能なビーズ)を生成してよい。ジスルフィド結合は、ビーズを還元剤にさらす際に、ビーズを分解(または溶解)させ得る。
【0046】
少なくとも1つの代替例において、直鎖多糖類ポリマーであるキトサンを、親水性鎖を介してグルタルアルデヒドと架橋させ、ビーズを形成してよい。熱、圧力、pH変化、及び/または放射線により開始される化学反応により、キトサンポリマーの架橋を達成してよい。
【0047】
いくつかの実施形態において、ビーズは、高分子前駆体(例えばモノマー、オリゴマー、直鎖ポリマー)、オリゴヌクレオチド、プライマー、及び他の構成要素の間に共有結合またはイオン結合を含んでよい。場合によっては、共有結合は炭素−炭素結合またはチオエーテル結合を含んでよい。
【0048】
場合によっては、ビーズは、ある種の態様では1種以上の種(例えばバーコード配列、プライマー、他のオリゴヌクレオチド)をビーズに付着するために使用され得るアクリダイト部位を含んでよい。場合によっては、アクリダイト部位は、アクリダイトを1種以上の種と反応させることで、例えば、重合反応中にアクリダイトを他のモノマーと架橋剤と反応させることで生成するアクリダイト類似体を意味することができる。アクリダイト部位を修飾して、付着する種、例えばオリゴヌクレオチド(例えばバーコード配列、プライマー、他のオリゴヌクレオチド)と化学結合を形成してよい。例えば、アクリダイト部位を、ジスルフィド結合を形成可能なチオール基で修飾してもよいし、または、ジスルフィド結合を既に含む基で修飾してもよい。チオールまたは(ジスルフィド交換による)ジスルフィドを、結合する種のアンカー点として使用してよいし、または、アクリダイト部位の別の部分を結合のために使用してよい。場合によっては、ジスルフィド結合が(例えば還元剤の存在下で)破壊された場合に、作用物質がビーズから放出されるとなるように、結合は可逆的であってよい。他の場合では、アクリダイト部位は、結合のために使用され得る反応性ヒドロキシル基を含む。
【0049】
他の種、例えば核酸の付着のためのビーズの機能化は、ポリマー内での化学基の活性化、ポリマー構造への活性もしくは活性化可能な官能基の導入、または、ビーズ作製のプレポリマーまたはモノマー工程における付着等の、広範囲の異なるアプローチにより達成されてよい。
【0050】
例えば、いくつかの例においては、重合してビーズを形成する前駆体(例えばモノマー、架橋剤)は、ビーズを生成した際に、ビーズがアクリダイト部位もまた含むように、アクリダイト部位を含んでよい。多くの場合、アクリダイト部位はオリゴヌクレオチド配列、例えば、ビーズの中に組み込まれることが所望されるプライマー(例えば、1種以上の増幅標的核酸のプライマー、及び/または配列決定標的核酸バーコード配列、結合配列等)に結合する。場合によっては、プライマーはP5配列を含む。例えば、アクリルアミド前駆体(例えば架橋剤、モノマー)は、重合してビーズを形成する際に、ビーズがアクリダイト部位もまた含むように、アクリダイト部位を含んでよい。
【0051】
場合によっては、モノマー及び架橋剤等の前駆体は、例えば、単一のオリゴヌクレオチド(例えばプライマーもしくは他の配列等)、または他の種を含んでよい。場合によっては、モノマー及び架橋剤等の前駆体は、複数のオリゴヌクレオチド、他の配列、または他の種を含んでよい。複数のアクリダイト部位または他のリンカー種を各前駆体に含めることにより、各前駆体が、装入される種の複数のコピーを含むことができるため、結合した種(例えばオリゴヌクレオチド)の、前駆体から生成したビーズへの装入を改善し得る。
【0052】
場合によっては、反応性である、または、反応性となるように活性化されることが可能な官能基を含む前駆体を他の前駆体と重合し、活性化した、または活性化可能な官能基を含むゲルビーズを生成することができる。次に、官能基を使用して更なる種(例えばジスルフィドリンカー、プライマー、他のオリゴヌクレオチド等)をゲルビーズに付着させる。例えば、カルボン酸(COOH)基を含むいくつかの前駆体は、他の前駆体と重合して、COOH官能基もまた含むゲルビーズを形成することができる。場合によっては、アクリル酸(遊離COOH基を含む種)、アクリルアミド、及びビス(アクリロイル)シスタミンを互いに共重合し、遊離COOH基を含むゲルビーズを生成することができる。ゲルビーズのCOOH基を、(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、または4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMTMM)により)これらが反応性となる(例えば、EDC/NHSまたはDMTMMを活性化に使用する場合にアミン官能基に対して反応性となる)となるように、活性化することができる。次に、活性化COOH基を、ビーズに結合可能な部位を含む適切な種(例えば、カルボン酸基が活性化されアミン官能基と反応性となる、アミン官能基を含む種)と反応させることができる。
【0053】
ポリマーネットワークにジスルフィド結合を含むビーズを、ジスルフィド結合のいくつかを遊離チオールに還元することにより、更なる種で機能化してよい。ジスルフィド結合を、例えば、還元剤(例えばDTT、TCEP等)の作用により還元し、ビーズを溶解させることなく遊離チオール基を生成してよい。次に、ビーズの遊離チオールを、ある化学種の遊離チオール、または(例えばチオール−ジスルフィド交換により)別のジスルフィド結合を含む化学種と、化学種がビーズに(例えば、生成したジスルフィド結合により)結合することができるとなるように、反応させることができる。しかし、場合によっては、ビーズの遊離チオールは任意の他の好適な基と反応してよい。例えば、ビーズの遊離チオールはアクリダイト部位を含む種と反応してよい。ビーズの遊離チオール基は、アクリダイトを含む種がビーズに結合するように、マイケル付加化学反応により、アクリダイトと反応することが可能である。場合によっては、例えば、N−エチルマレイミド(N−ethylmalieamide)またはヨードアセテートなどのチオール保護剤を含めることにより、制御できない反応を防止することが可能である。
【0054】
ビーズ内のジスルフィド結合の活性化は、少数のジスルフィド結合のみが活性化するように制御可能である。例えば、遊離チオール基を生成するために使用した還元剤の濃度、及び/または、ビーズの重合においてジスルフィド結合を形成するために使用した試薬の濃度を制御することにより、制御を行うことができる。場合によっては、低濃度(例えば、試薬:ゲルビーズの分子の割合が約10000、100000、1000000、10000000、100000000、1000000000、10000000000、または100000000000未満)の還元剤を還元に使用してよい。遊離チオールに還元されるジスルフィド結合の数を制御することは、機能化の間にビーズの構造的完全性を確保するのに有用である。場合によっては、蛍光染料等の光学的に活性な作用物質は、ビーズの遊離チオール基を介してビーズに結合し得、かつ、ビーズ中に存在する遊離チオールの数を定量化する、かつ/またはビーズを追跡するために使用され得る。
【0055】
場合によっては、ゲルビーズの形成後に部位をゲルビーズに付加することが有利となり得る。例えば、ゲルビーズの形成後に種を付加することにより、重合中に生じる可能性がある連鎖移動の終了の間に、種が失われることを回避し得る。更に、より小さい前駆体(例えば、側鎖基及び結合した部位を含まないモノマーまたは架橋剤)を重合に使用してよく、これらは粘性効果のために、鎖末端の生長の妨害を最小限とすることができる。場合によっては、ゲルビーズ合成後の機能化が、潜在的な破壊剤(例えばフリーラジカル)及び/または化学的環境と共に使用される種(例えばオリゴヌクレオチド)の曝露を最小限にすることができる。場合によっては、生成したゲルは、温度により引き起こされるビーズの膨張及び破壊を可能にすることができる上限臨界溶液温度(UCST)を有してもよい。かかる機能性は、種によるビーズの、後での機能化の間に、ビーズ内に種(例えばプライマー、P5プライマー)を浸潤させるのに役立ち得る。作製後に機能化を行うことは、例えば、装入比率の変動を最小限に抑えるように、ビーズ内の種の装入比率を制御することにおいてもまた有用であり得る。また、一度のバッチで、複数のビーズを種で機能化することができるように、バッチプロセスで種の装入を実施してよい。
【0056】
場合によっては、前駆体に結合したアクリダイト部位、前駆体に結合した別の種、または前駆体それ自体は、例えば、化学感受性、感熱性、または感光性結合、例えばジスルフィド結合、紫外線感受性結合等の不安定な結合を含む。アクリダイト部位、または不安定な結合を含む他の部位がビーズに組み込まれると、ビーズは不安定な結合もまた含み得る。不安定な結合は例えば、種(例えばバーコード、プライマー等)をビーズに可逆的に結合(例えば共有結合)させることにおいて有用であり得る。場合によっては、熱的に不安定な結合は、核酸ハイブリダイゼーションをベースにした結合を含んでよく、例えば、オリゴヌクレオチドが、ハイブリッドが熱融解することにより、オリゴヌクレオチド(例えばバーコード含有配列)をビーズまたはマイクロカプセルから分離するように、ビーズに結合した相補配列にハイブリダイゼーションする。更に、複数の種類の不安定な結合をゲルビーズに加えることにより、種々の刺激に応答可能なビーズの生成がもたらされ得る。各種類の不安定な結合は、各不安定な結合を介してビーズに結合した種の分離が、適切な刺激を加えることより制御され得るように、関係する刺激(例えば化学的刺激、光、温度等)に対して感受性があってよい。かかる機能性は、ゲルビーズからの種の制御放出において有用であり得る。場合によっては、不安定な結合を含む別の種を、ゲルビーズの形成後に、例えば、上述したゲルビーズの活性化官能基により、ゲルビーズに結合させてよい。理解されるように、本明細書で記載した、ビーズを分離可能、切断可能、または可逆的に付着可能なバーコードとしては、バーコード分子とビーズとの間の結合の切断により分離される、もしくは分離可能なバーコード、または、下にあるビーズそのものの分解により分離され、他の試薬がバーコードに接近する、もしくは接近可能なバーコード、またはこれら両方のバーコードが挙げられる。一般に、本明細書に記載した分離可能なバーコードは通常、一度分離されると反応に利用可能であるという点で、活性化可能であると呼ばれてよい。したがって、例えば、活性化可能なバーコードは、バーコードをビーズ(または、本明細書で記載する他の好適な種類の分画)から分離することにより活性化され得る。理解されるように、記載した方法及びシステムとの関係において、他の活性化可能な構成もまた想到される。特に、例えば共分画により所望の試薬のセットを送達すると、活性化可能な基が所望の試薬と反応し得るように、関係する活性化可能な基により、ビーズに分離可能に結合するか、または別様において分画中に配置される試薬を提供してよい。かかる活性化可能な基としては、ケージング基、除去可能なブロックまたは保護基(例えば感光性基、感熱性基、または化学的に除去可能な基)が挙げられる。
【0057】
熱切断可能な結合、ジスルフィド結合及び紫外線感受性結合に加えて、前駆体またはビーズに結合し得る不安定な結合の他の非限定例としては、(例えば、酸、塩基、もしくはヒドロキシルアミンで切断可能な)エステル結合、(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムで切断可能な)隣接ジオール結合、(例えば、熱で切断可能な)ディールス−アルダー結合、(例えば、塩基で切断可能な)スルホン結合、(例えば、酸で切断可能な)シリルエーテル結合、(例えば、アミラーゼで切断可能な)グリコシド結合、(例えば、プロテアーゼで切断可能な)ペプチド結合、または(ヌクレアーゼ(例えばDNAase)で切断可能な)ホスホジエステル結合が挙げられる。
【0058】
ビーズは種々の数のアクリダイト部位に結合してよい。例えば、ビーズは、ビーズに結合する約1、10、100、1000、10000、100000、1000000、10000000、100000000、1000000000、または10000000000個のアクリダイト部位を含んでよい。別の例において、ビーズは、ビーズに結合する少なくとも1、10、100、1000、10000、100000、1000000、10000000、100000000、1000000000、または10000000000個のアクリダイト部位を含んでよい。例えば、ビーズは、例えばアクリダイト部位を介してビーズに共有結合した、約1、10、100、1000、10000、100000、1000000、10000000、100000000、1000000000、または10000000000個のオリゴヌクレオチドを含んでよい。別の例において、ビーズは、例えばアクリダイト部位を介してビーズに共有結合した、少なくとも1、10、100、1000、10000、100000、1000000、10000000、100000000、1000000000、または10000000000個のオリゴヌクレオチドを含んでよい。
【0059】
重合に関与しない種もまた、ビーズの生成中(例えば、前駆体の重合中)にビーズに封入されてよい。かかる種は、生成したビーズが、ビーズ形成の際に種を含むように、重合反応混合物に入れられてよい。場合によっては、形成後にかかる種をゲルビーズに加えてよい。かかる種としては、例えば、オリゴヌクレオチド、本明細書で記載されるものを含む、核酸増幅反応に必要な種(例えばプライマー、ポリメラーゼ、dNTP、補因子(例えばイオン性補因子)、酵素反応に必要な種(例えば酵素、補因子、基質)、または、重合、ライゲーション、もしくは分解等の核酸修飾反応に必要な種が挙げられる。かかる種のトラップを、前駆体の重合中に生成するポリマーネットワークの密度、(例えば重合した種に結合したイオン種による)ゲルビーズ内でのイオン交換制御、または他の種の分離により制御してよい。ビーズの分解の際に、及び/または、種をビーズから分離可能な刺激を加えることにより、封入した種をビーズから分離してよい。
【0060】
ビーズは均一なサイズ、または不均一なサイズであってよい。場合によっては、ビーズの直径は、約1μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、45μm、50μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、90μm、100μm、250μm、500μm、または1mmであってよい。場合によっては、ビーズは、少なくとも約1μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、45μm、50μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、90μm、100μm、250μm、500μm、1mm、またはそれ以上の直径を有してよい。場合によっては、ビーズは、約1μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、45μm、50μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、90μm、100μm、250μm、500μm、または1mm未満の直径を有してよい。場合によっては、ビーズは、約40〜75μm、30〜75μm、20〜75μm、40〜85μm、40〜95μm、20〜100μm、10〜100μm、1〜100μm、20〜250μm、または20〜500μmの範囲の直径を有してよい。
【0061】
ある種の好ましい態様では、ビーズを、比較的単分散のサイズ分布を有するビーズの母集団として提供する。理解されるように、分画内に比較的一定量の試薬を提供するのが望ましいいくつかの用途において、ビーズの特徴(サイズ等)を比較的一定に維持することが、全体的なコンシステンシーに寄与する。特に、本明細書に記載するビーズは、断面寸法において、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、及び場合によっては、15%未満、10%未満、あるいは5%未満の変動係数を有するサイズ分布を有してよい。
【0062】
ビーズは規則的な形状であっても、または不規則的な形状であってもよい。ビーズの形状の例としては、球状、非球状、楕円形、長方形、非晶質、円形、円筒形、及びこれらの類似形が挙げられる。
分解可能なビーズ
【0063】
ビーズと関係する分子(例えば上述のバーコード含有オリゴヌクレオチド)との間の切断可能な結合に加えて、またはこの代わりに、ビーズは、自然に、または1種以上の刺激(例えば温度変化、pH変化、特定の化学種または相への曝露、露光、還元剤等)にさらす際に、分解可能、破壊可能、または溶解可能であってよい。場合によっては、ビーズは、特定の化学種、または、例えば温度もしくはpH等の環境変化にさらした際に、ビーズの材料成分が可溶化されるとなるように溶解可能であってよい。例えば、高温で、及び/または塩基性条件下にてゲルビーズは分解または溶解されてよい。場合によっては、ビーズは、ビーズを適切な温度変化(例えば熱)にさらした際にビーズが分解するように熱分解可能であってよい。種(例えば核酸種)に結合したビーズの分解または溶解は、ビーズからの種の分離をもたらし得る。
【0064】
分解可能なビーズは、ビーズ/種が適切な刺激にさらされた際、結合が破壊されビーズが分解するように、不安定な結合を有する1つ以上の種を含んでよい。不安定な結合は、化学結合(例えば共有結合、イオン結合)であってもよく、または、別の種類の物理的相互作用(例えばファン・デル・ワールス相互作用、双極子相互作用等)であってもよい。場合によっては、ビーズを生成するのに使用した架橋剤は不安定な結合を含んでよい。適切な条件にさらした際に、不安定な結合が破壊され、ビーズが分解される。例えば、ポリアクリルアミドゲルビーズはシスタミン架橋剤を含んでよい。ビーズを還元剤に曝露すると、シスタミンのジスルフィド結合が破壊され、ビーズが分解される。
【0065】
分解可能なビーズは、適切な刺激がビーズに加えられた際に、ビーズから付着した種(例えばオリゴヌクレオチド、バーコード配列)を一層速やかに分離することにおいて有用であってよい。例えば、多孔質ビーズの内側表面に結合した種に関して、または、封入された種の場合において、種は、ビーズの分解の際に、溶液中の他の種よりも高い移動性と接近性を有してよい。場合によっては、種は、分解可能なリンカー(例えばジスルフィドリンカー)を介して分解可能なビーズに結合してもよい。分解可能なビーズ、または2種類の分解可能な種が異なる刺激に応答し得る場合に、分解可能なリンカーは同じ刺激に応答し得る。例えば、バーコード配列はジスルフィド結合を介して、シスタミンを含むポリアクリルアミドビーズに結合してよい。バーコード化ビーズを還元剤にさらすと、バーコード配列とビーズとの間のジスルフィド結合、及びビーズ内のシスタミンのジスルフィド結合の両方が破壊される際に、ビーズが分解し、バーコード配列が分離される。
【0066】
適切な刺激が加えられると、ビーズが分画内で分解し、会合するあらゆる種が液滴内で分離されるように、分解可能なビーズを分画(エマルションの液滴やウェル等)内に導入してよい。遊離した種は他の種と相互作用してよい。例えば、シスタミンを含み、ジスルフィド結合を介してバーコード配列に結合したポリアクリルアミドビーズを、油中水型エマルションの液滴内で還元剤と混合してよい。液滴の中で、還元剤が種々のジスルフィド結合を破壊し、ビーズの分解、及びバーコード配列の、液滴の内側の水性環境への分離をもたらす。別の例において、塩基性溶液中に、ビーズに結合したバーコード配列を含む液滴を加熱することによってもまた、ビーズの分解、及び結合したバーコード配列の、液滴の内側の水性環境への分離をもたらし得る。
【0067】
上記開示から理解されるように、ビーズの分解とは呼ばれるものの、上記の多くの例において、分解とは、ビーズから、結合した、または中に含まれる種を、物質のビーズそのものを構造的に分解して分離すること、及び分解せずに分離することの両方を意味してよい。例えば、中に含まれる種は、例えば、化学的環境の変化のために、浸透圧差によりビーズから分離されてよい。例えば、浸透圧差によるビーズの孔径の変化は通常、ビーズそのものの構造的分解を伴わずに生じることができる。場合によっては、ビーズの浸透膨潤による孔径の増加により、ビーズ内に含まれる種の分離が可能となることができる。他の場合では、ビーズの浸透収縮は、孔径の収縮により、中に含まれる種をビーズが更に良好に保持されることを引き起こし得る。
【0068】
理解されるように、分解可能なビーズが提供される場合、早すぎるビーズの分解、及び、かかる分解から生じる、例えば不十分な流れ特性、集合及び凝集等の問題を回避するために、かかるビーズを、所望の時間より前にかかる分解を引き起こす刺激にさらすことを避けるのが望ましい場合がある。例として、ビーズが還元可能な架橋基(ジスルフィド基)を含む場合、かかるビーズが還元剤、例えばDTT、または他のジスルフィド切断試薬と接触するのを回避することが望ましい。かかる場合、本明細書に記載するビーズの処理は、場合によってはDTT等の還元剤なしでもたらされる。還元剤は多くの場合、商業的な酵素調製の際に提供されるため、本明細書に記載するビーズの処理において、還元剤非含有(例えばDTT非含有)酵素調製物を提供することが多くの場合望ましい。かかる酵素の例としては、例えば、ポリメラーゼ酵素調製物、リガーゼ酵素調製物、及び、本明細書に記載するビーズを処理するために使用され得る他の多くの酵素調製物が挙げられる。「還元剤非含有」または「DTT非含有」調製物とは、調製物が、ビーズの分解に使用したかかる材料に関して、10分の1未満、50分の1未満、及び更には100分の1未満の低い範囲を有することを意味する。例えば、DTTに関して、還元剤非含有調製物は通常、0.01mM、0.005mM、0.001mMのDTT、0.0005mMのDTT、あるいは更に0.0001mM未満のDTTを有する。多くの場合、DTTの量は検出不可能である。
ビーズの分解方法
【0069】
場合によっては、刺激を使用してビーズの分解を引き起こしてよく、これにより、ビーズから内容物の分離が引き起こされ得る。通常、刺激は、ビーズ構造の分解、例えば、共有結合または他の種類の物理的相互作用の分解を引き起こし得る。これらの刺激は、ビーズから内容物を分解及び/または分離することを誘発するのに有用であり得る。使用され得る刺激の例としては、以下により完全に記載されるように、化学的刺激、熱刺激、光刺激、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0070】
多数の化学的誘因を使用して、ビーズの分解を引き起こしてよい。これらの化学変化の例としては、pHが仲立ちするビーズ内の成分の完全性の変化、架橋結合の切断によるビーズ成分の分解、及び、ビーズ成分の解重合が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
いくつかの実施形態において、ビーズは、分解可能な化学的架橋剤を含む材料(例えばBACまたはシスタミン)から形成されてよい。かかる分解可能な架橋剤の分解は、多数のメカニズムにより達成され得る。いくつかの例では、ビーズを、酸化、還元、または他の化学変化を誘発し得る化学分解剤と接触させてよい。例えば、化学分解剤は還元剤、例えばジチオスレイトール(DTT)であってよい。還元剤更なる例としては、β−メルカプトエタノール、(2S)−2−アミノ−1,4−ジメルカプトブタン(ジチオブチルアミン即ちDTBA)、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、またはこれらの組み合わせを挙げてもよい。還元剤は、ビーズを形成するゲル前駆体間に形成されるジスルフィド結合を分解することができ、したがって、ビーズを分解することができる。他の場合では、溶液のpH変化、例えばpHの増加がビーズの分解を引き起こし得る。他の場合では、水溶液(例えば水)への曝露が加水分解、したがって、ビーズの分解を引き起こしてよい。
【0072】
ビーズはまた、熱刺激を加えると内容物を分離するように誘発されてよい。温度変化は多様な変化をビーズに引き起こすことができる。例えば、熱は固体ビーズの液化を引き起こすことができる。熱の変化は、ビーズの一部が分解するようにビーズの融解を引き起こし得る。他の場合では、熱は、ビーズが破裂または爆発するように、ビーズ内容物の内部圧力を増加させ得る。熱は、ビーズを構築する材料として使用される感熱性ポリマーにも作用し得る。
【0073】
本開示の方法、組成物、デバイス、及びキットを、任意の好適な作用物質と共に使用してビーズを分解してよい。いくつかの実施形態において、温度またはpHの変化を使用して、ビーズ内の感熱性またはpH感受性結合を分解してよい。いくつかの実施形態において、化学分解剤を使用して、酸化、還元、または他の化学変化により、ビーズ内の化学結合を分解してよい。例えば、化学分解剤は還元剤(例えばDTT)であってよく、DTTは、架橋剤とゲル前駆体との間に形成されたジスルフィド結合を分解し得る、したがって、ビーズを分解する。いくつかの実施形態において、還元剤を加えてビーズを分解してよく、還元剤を加えることにより、ビーズが内容物の分離を引き起こす場合もあり、引き起こさない場合もある。還元剤の例としては、ジチオスレイトール(DTT)、β−メルカプトエタノール、(2S)−2−アミノ−1,4−ジメルカプトブタン(ジチオブチルアミン即ちDTBA)、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、またはこれらの組み合わせを挙げてもよい。還元剤は0.1mM、0.5mM、1mM、5mM、または10mMで存在してよい。還元剤は0.1mM、0.5mM、1mM、5mM、10mMまたはそれ以上で存在してよい。還元剤は0.1mM、0.5mM、1mM、5mM、または10mM未満で存在してよい。
分解工程のタイミング
【0074】
ビーズを分解して、ビーズに付着した内容物、及びビーズ内に含有される内容物を分離してよい。この分解工程は、サンプルをビーズと混合するのと同時に生じてもよい。この分解工程は、マイクロ流体デバイス内で形成され得る流体液滴内でサンプルをビーズと混合するときに同時に生じてもよい。この分解工程は、マイクロ流体デバイス内で形成され得る流体液滴内でサンプルをビーズと混合した後に生じてもよい。理解されるように、多くの用途において、分解工程は生じない場合がある。
【0075】
還元剤をサンプルと、そして次にビーズと混合してよい。場合によっては、サンプルと同時に、還元剤をマイクロ流体デバイスに導入してよい。場合によっては、還元剤は、サンプルを導入した後にマイクロ流体デバイスに導入してよい。場合によっては、サンプルをマイクロ流体デバイス内で還元剤と混合し、次に、マイクロ流体デバイス内でゲルビーズと接触させてよい。いくつかの実施形態において、サンプルを還元剤と予め混合し、次にデバイスに加え、ゲルビーズと接触させてよい。
【0076】
分解可能なビーズは、適切な刺激を加えると瞬時に分解し得る。他の場合では、ビーズの分解は時間の経過とともに発生し得る。例えば、適切な刺激を加えると瞬時に、または、約0、0.01,0.1、0.5、1、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、11、12、13、14、15もしくは20分以内に、ビーズは分解し得る。別の例において、適切な刺激を加えると瞬時に、または最大でも約0、0.01、0.1、0.5、1、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、11、12、13、14、15もしくは20分以内に、ビーズは分解し得る。
【0077】
ビーズはまた、サンプルとの混合と比較して、異なる時間で分解されてもよい。例えば、ビーズをサンプルと混合し、続いて、後の時点にて分解してよい。サンプルをビーズと混合することと、続いてビーズを分解することの間の時間は、約0.0001、0.001、0.01、1、10、30、60、300、600、1800、3600、18000、36000、86400、172800、432000、または864000秒であってよい。サンプルをビーズと混合することと、続いてビーズを分解することの間の時間は、約0.0001、0.001、0.01、1、10、30、60、300、600、1800、3600、18000、36000、86400、172800、432000、864000秒またはそれ以上であってよい。サンプルをビーズと混合することと、続いてビーズを分解することの間の時間は約0.0001、0.001、0.01、1、10、30、60、300、600、1800、3600、18000、36000、86400、172800、432000、または864000秒未満であってよい。
オリゴヌクレオチドで予め機能化したビーズの調製
【0078】
種々の方法を使用して、本明細書に記載するビーズを作製してよい。好適なビーズは米国特許公開公報第20140378350号(2014年6月26日出願)に記載されており、その内容全体が参考として本明細書に組み込まれている。場合によっては、ビーズは、分子前駆体(例えば直鎖ポリマー、モノマー、架橋剤)を含有する液体から形成されてよい。次に、液体を重合反応に通すことにより、ビーズ(またはゲルビーズ)内で硬化またはゲル化させる。液体はまた、重合中にビーズに組み込まれるオリゴヌクレオチド等の構成要素を含有してもよい。この組み込みは、ビーズとの共有結合による会合、または非共有結合による会合を介してよい。例えば、場合によっては、オリゴヌクレオチドが、形成中にビーズ内に含まれてよい。あるいは、オリゴヌクレオチドは、形成中、または形成後のいずれかにおいて、ビーズまたはビーズの枠組みと結合してよい。多くの場合、オリゴヌクレオチドは、重合プロセス中にビーズに架橋したアクリダイト部位と結合している。場合によっては、オリゴヌクレオチドは、ジスルフィド結合によりアクリダイト部位に結合している。結果として、ビーズ−アクリダイト−S−S−オリゴヌクレオチド結合を含む組成物が形成される。
【0079】
1つの例示的プロセスでは、機能化ビーズは、複数のポリマー及び/またはモノマーを、1種以上のオリゴヌクレオチド、例えば、プライマー(例えばユニバーサルプライマー、配列決定プライマー)を含む1種以上のオリゴヌクレオチドと混合することにより生成されてよい。ポリマー及び/またはモノマーはアクリルアミドを含んでよく、また、ポリマー及び/またはモノマーの間でジスルフィド結合を形成するように架橋してよく、硬化ビーズの形成をもたらす。オリゴヌクレオチドは、硬化ビーズの形成中に(例えば、同時に)複数のポリマー及び/またはモノマーに共有結合してもよいし、または、硬化ビーズの形成後に(例えば逐次的に)複数のポリマー及び/またはモノマーと共有結合してもよい。場合によっては、オリゴヌクレオチドは、アクリダイト部位を介してビーズに結合してよい。
【0080】
ほとんどの場合、ビーズの母集団は、同一のオリゴヌクレオチド(例えばユニバーサルプライマーまたはプライマー結合部位)により予め機能化される。場合によっては、ビーズの母集団の中にあるビーズは、複数の異なるオリゴヌクレオチドにより予め機能化される。これらのオリゴヌクレオチドは所望により、例えば、ビーズの後での処理または用途で用いるための、種々の異なる機能性配列のいずれかを含んでよい。機能性配列としては、例えば、標的化プライマー配列、ユニバーサルプライマー配列(例えば、サンプル核酸の多数の異なる位置にハイブリダイゼーションし、これらの位置からプライミング伸長可能な程に十分短いプライマー配列)、もしくはランダムプライマー配列、結合もしくは固定化配列、ライゲーション配列、ヘアピン配列、タグ配列(例えばバーコードもしくはサンプルインデックス配列)、または、種々の他のヌクレオチド配列のいずれか等のプライマー配列を挙げてもよい。
【0081】
例として、場合によっては、ユニバーサルプライマー(例えばP5または他の好適なプライマー)を、各ビーズにてプライマーとして使用し、追加の内容物(例えばバーコード、ランダムN量体、他の機能性配列)をビーズに付着させてよい。場合によっては、ユニバーサルプライマー(例えばP5)は、配列決定デバイスと適合性があってもよく、かつ、後で所望の鎖の付着の、配列決定デバイス内のフローセルへの付着を可能にし得る。例えば、かかる結合または固定化配列は、配列決定デバイス内のフローセルの表面に付着したオリゴヌクレオチドに相補配列を提供し、配列決定のために、その表面に配列の固定化を可能にし得る。あるいは、かかる結合配列を更に、ビーズに結合したオリゴヌクレオチド配列内で提供するか、またはこのオリゴヌクレオチド配列に結合させてよい。場合によっては、ビーズ及び付着した種を、後での分析プロセス(例えば配列決定デバイスまたはシステム)と適合するように提供してもよい。場合によっては、例えば、連続した、または並行した異なる処理工程において、オリゴヌクレオチド、及び、その配列に結合した任意の追加の配列、例えば、標的配列の増幅用の第1のプライマーと、増幅生成物の配列決定用の第2のプライマーの異なる処理を可能にするために、2種以上のプライマーをビーズに付着させてもよく、また、2種以上のプライマーがユニバーサル配列を含有してもよい。例えば、場合によっては、ビーズに結合したオリゴヌクレオチドは、増幅したバーコード化標的配列(1つまたは複数)を生成するために、第1の増幅または複製プロセスを行う、例えば、標的核酸配列に沿ってプライマーを伸長するための第1プライマー配列を含む。オリゴヌクレオチド内に配列決定プライマーもまた含めることにより、得られる増幅標的配列はかかるプライマーを含み、配列決定システムに速やかに移される。例えば、増幅した標的を、Illumina配列決定システム等を使用して配列決定することを所望するいくつかの場合において、R1プライマー、またはプライマー結合部位もまたビーズに付着させてよい。
【0082】
ビーズに組み込まれた構成要素は、上述した種々の機能性配列のいずれかを有するオリゴヌクレオチドを含んでもよい。例えば、これらのオリゴヌクレオチドは、P5、R1及びR2配列、切断不可能な5’アクリダイト−P5、切断可能な5’アクリダイト−SS−P5、R1c、配列決定プライマー、読取りプライマー、ユニバーサルプライマー、P5_U、ユニバーサル読取りプライマー、及び/またはこれらのプライマーのいずれかの1つ以上の結合部位を含んでよい。場合によっては、プライマーは、1つ以上の修飾ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、またはヌクレオチド模倣物を含有してよい。例えば、場合によっては、オリゴヌクレオチドとしては、ペプチド核酸(PNA)、固定核酸(LNA)ヌクレオチド等を挙げてもよい。場合によっては、用途の異なる段階において異なる処理を可能にするために、これらのオリゴヌクレオチドは更に、あるいは、異なって処理され得るヌクレオチドまたは類似体を含んでよい。例えば、場合によっては、1つ以上の機能性配列は、特定のポリメラーゼ酵素により処理されないヌクレオチドまたは類似体を含んでよく、したがって、これらの機能性配列は、その酵素を利用する工程段階においてコピーされない。例えば、場合によっては、オリゴヌクレオチドの1つ以上の機能性配列成分は、例えば、ウラシル含有ヌクレオチド、非天然塩基を含有するヌクレオチド、ブロッカーオリゴヌクレオチド、ブロック3’末端、3’ddCTPを含んでよい。理解されるように、これらの構成要素のいずれかの配列は、特定用途に応じてプライマーまたはプライマー結合部位として機能してよい。
【0083】
重合は自然発生してもよい。場合によっては、重合は、重合開始剤及び/または促進剤により、電磁放射線により、温度変化(例えば加熱または除熱)により、pH変化により、その他の方法により、及びこれらの組み合わせにより、開始されてよい。重合開始剤とは、重合反応で使用する1種以上の前駆体を(例えば、フリーラジカルの生成により)活性化することにより重合反応を開始することが可能な種を意味してよい。促進剤とは、重合反応が発生する速度を加速することができる種を意味してよい。場合によっては、促進剤は、続いて(例えば、フリーラジカルの生成により)モノマーを活性化し、したがって、重合反応を開始するために使用される(例えば、フリーラジカルの生成による)重合開始剤の活性化を加速してよい。場合によっては、重合開始剤のより速い活性化は、より速い重合速度を生じさせることができる。しかし、場合によっては、加速は、熱的方法(例えば加熱及び除熱)、様々な種類の放射的方法(例えば可視光、紫外線等)等の非化学的方法、または任意の他の好適な方法によってもまた達成されてよい。後で重合して硬化ビーズを形成し得る分子前駆体を含有する液滴を調製するために、乳化技術を使用してもよい。例えば、分子前駆体を水溶液に加えてよい。次に、(例えば攪拌、マイクロ流体生成器、または他の方法により)水溶液を油と乳化してよい。続いて、乳化した液滴中で分子前駆体を重合し、ビーズを形成してよい。
【0084】
エマルションは、例えば、バルク振盪、バルク攪拌、フローフォーカシング、及びマイクロシーブ等の当該技術分野において既知方法等の任意の好適な方法により調製してよい(例えば、Weizmann et al.,Nature Methods,2006,3(7):545−550;Weitz et al.米国特許公開番号第2012/0211084号を参照のこと)。場合によっては、マイクロ流体デバイスを使用してエマルションを調製してよい。場合によっては、油中水型エマルションを使用してもよい。これらのエマルションは、PEG含有化合物(例えばビスkrytoxペグ:BKP)を有するKrytox FSH等のフルオロ界面活性剤を組み込んでもよい。場合によっては、水中油型エマルションを使用してもよい。場合によっては、多分散エマルションを形成してもよい。場合によっては、単分散エマルションを形成してもよい。場合によっては、単分散エマルションをマイクロ流体フローフォーカシングデバイス中で形成してもよい(Gartecki et al.,Applied Physics Letters,2004,85(13):2649−2651)。
【0085】
少なくとも一実施例において、ビーズを作製するためのマイクロ流体デバイスは、不混和性流体(例えば分子前駆体及び油を含有する水溶液)の2つ以上の流れを組み合わせた1つの交差部分にて交差する流路セグメントを含有してよい。
【0086】
1つの交差部分にて2つの不混和性流体を組み合わせることにより、流体液滴の形成を引き起こし得る。形成する流体液滴のサイズは、流体交差部分に入る流体流れの流速、2つの流体の性質、及びマイクロ流体流路のサイズに依存し得る。流体交差部分を出た流体液滴を形成した後に重合を開始することにより、流体液滴からの硬化ビーズの形成を引き起こし得る。本明細書の他の場所で論じる、ビーズの形成、及び、個々の液滴内へのビーズの分画の両方のための液滴を生成するためのマイクロ流体デバイス、流路ネットワーク及びシステムの例は、例えば米国特許公開番号第20150292988号に記載されており、あらゆる目的のためのその全体が本明細書に参照として組み込まれる。
【0087】
個々の分子前駆体、オリゴマーまたはポリマーが重合を開始して硬化ビーズを形成するときに操作を行うために、ビーズ形成プロセスの異なる時点において、重合開始剤及び/または促進剤を加えてよい。促進剤は、(例えば、場合によっては重合開始剤の活性化により)重合プロセスを開始しうる作用物質であってよく、したがって、ビーズを硬化するための時間を減少させ得る。場合によっては、単一の促進剤、または複数の促進剤を重合のために使用してよい。加速を注意深く調整することは、好適な重合反応を達成するために重要となり得る。例えば、加速が速すぎると、重量と過剰な連鎖移動現象が、不十分なゲル構造、及び、任意の所望の種の装入が少なくなることを引き起こし得る。加速が遅すぎると、ポリマーのもつれ、及び粘度の高さのために、高分子量ポリマーが捕捉された活性化部位(例えばフリーラジカル)を生成する可能性がある。粘度の高さは、ビーズを装入するための種の拡散を妨げ、種の装入が少なく、ないしゼロになり得る。促進剤の作用の調整は、例えば、適切な促進剤、適切な促進剤の組み合わせを選択することにより、または、適切な促進剤(1つまたは複数)と、促進剤の作用を制御可能な任意の刺激(例えば熱、電磁放射線(例えば光、紫外線)、別の化学種等)を選択することにより、達成可能である。重合開始剤の作用の調整は、類似の方法で達成してもよい。
【0088】
促進剤は水溶性、油溶性であってもよく、または、水溶性及び油溶性の両方であってもよい。例えば、促進剤は、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDAもしくはTEMED)、ジメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメタンジアミン、N,N’−ジモルホリノメタン、またはN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンであってよい。アゾ系の重合開始剤はTEMED及びAPSの不在下で使用してよく、熱重合開始剤として機能することができる。熱重合開始剤は(例えば、フリーラジカルを生成することにより)種を熱により活性化することができるため、重合開始剤の作用速度は、温度及び/または重合開始剤の濃度により調整することができる。促進剤または重合開始剤としては、ホスホネート、スルホネート、カルボキシレート、ヒドロキシル、アルブミン結合部位、N−ビニル基、及びリン脂質等の官能基を挙げてもよい。促進剤または重合開始剤は、低分子量のモノマー化合物であってよい。促進剤または重合開始剤は、a)液滴生成の前に油に加えられるか、b)液滴生成の後に一度に加えられるか、c)液滴生成の後に出口リザーバに加えられるか、またはd)これらの組み合わせであってよい。
【0089】
重合はまた、電磁放射線によって開始されてもよい。特定の種類のモノマー、オリゴマーまたはポリマーは、感光性の性質を有してよい。したがって、重合は、かかるモノマー、オリゴマーまたはポリマーを、紫外線、可視光、増感剤と組み合わせた紫外線、増感剤と組み合わせた可視光、またはこれらの組み合わせに曝露することにより開始されてよい。増感剤の例としては、リボフラビンがあり得る。
【0090】
ビーズが完全に重合するか、または硬化するための時間は、ビーズのサイズ、促進剤が加えられるかどうか、促進剤が加えられる時間、重合開始剤の種類、電磁放射線を当てる時間、溶液の温度、ポリマー組成物、ポリマー濃度、及び他の関係するパラメーターに応じて変化し得る。例えば、重合は、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20分後に完了してよい。重合は、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20分またはそれ以上の後に完了してよい。重合は、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20分未満で完了してよい。
【0091】
連続相交換により、ビーズをエマルション(例えばゲル−水−油)から回収してよい。過剰の水性流体をエマルション(例えばゲル−水−油)に加えてよく、硬化ビーズを沈殿操作に通してもよく、ここで、ビーズは凝集し、過剰の油を含有する上澄みを取り除いてよい。過剰の水性流体を加え、続けて過剰の油を沈殿させ除去するこのプロセスを、連続相の油に関して、ビーズが所望の純度の水性緩衝液の中で懸濁するまで繰り返してよい。水性緩衝液の純度は、約80%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%(体積/体積)であってよい。水性緩衝液の純度は、約80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上(体積/体積)であってよい。水性緩衝液の純度は、約80%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%(体積/体積)未満であってよい。沈殿行程は約2、3、4、または5回繰り返してよい。沈殿工程は、約2、3、4、5回またはそれ以上繰り返してよい。沈殿工程は約2、3、4、または5回未満繰り返してよい。場合によっては、上澄みの沈殿及び除去により、未反応の出発材料もまた除去してよい。
【0092】
液滴生成器の例としては、単一流れフォーカス器、平行流れフォーカス器、及び、Nanomi B.V.他で使用されているもの等のマイクロシーブ膜を挙げてもよい。マイクロ流体デバイスを使用して液滴を生成するのが好ましい。
バーコード及びランダムN量体(導入)
【0093】
ある種の用途、例えばポリヌクレオチドライブラリー配列決定は、配列を識別し、かつ、例えば、配列決定した断片からより大きな配列をアセンブルするための独自識別子(「バーコード」)に依存する場合がある。したがって、配列決定の前に、ポリヌクレオチド断片にバーコードを加えるのが望ましい場合がある。核酸用途の場合、かかるバーコードは通常、サンプル配列に結合したヌクレオチドの比較的短い配列を含み、ここで、バーコード配列は既知であるか、または、その場所もしくは配列構成要素により識別可能であるか、のいずれかである。場合によっては、独自識別子はサンプルの検索に有用である。しかし、場合によっては、バーコードは他の環境においてもまた有用であってよい。例えば、バーコードは、処理全体を通してサンプルを追跡する役割を果たしてよく(例えば、実験室におけるサンプルの位置、複数の反応容器内にあるサンプルの位置等);作製情報を提供してよく;時間の経過(例えば、バーコードの製造から使用まで)とともに、及びフィールド内でバーコードの性能を追跡してよく;フィールド内で時間の経過とともにバーコードロットの性能を追跡してよく;配列決定の間に生成物の情報を提供し、かつ、生成物に関係するバーコードが配列決定の間に読み取られるときに、自動化プロトコール(例えば、コンピューターを使用して開始し、実行される自動化プロトコール)を高い可能性で引き起こしてよく;問題のあるバーコード配列または生成物のロットを追跡し、トラブルを解決してよく;バーコードを伴う反応において分子トリガーとして機能してよく;並びにこれらの組み合わせであってよい。特に好ましい態様において、また、上で言及したように、本明細書に記載するバーコード配列セグメントを使用して、2つの個々の、測定した核酸配列間の結合情報を提供することができる。この結合情報としては、例えば、共通のサンプル、共通の反応容器(例えばウェルまたは分画)、あるいは共通の出発核酸分子への結合を挙げてもよい。特に、共通のバーコードを特定のサンプル成分、または、所与の反応容量内のサンプル成分のサブセットに結合することにより、その反応体容量にバーコードを有する、得られる配列に寄与することができる。言い換えれば、元のサンプル、後でさらされる処理工程に基づいて、または、個々の分子ベースで反応容量に割り当てられたサンプルにおいて、得られる配列を、反応容量を起点とするものとして一層良好に識別することができる。
【0094】
バーコードは、バルクで合成したポリヌクレオチドバーコード、ランダムに合成したバーコード配列、マイクロアレイベースのバーコード合成、天然ヌクレオチド、N量体、ランダムN量体、偽ランダムN量体、またはこれらの組み合わせを有する部分的相補鎖等の種々の異なるフォーマットから生成してよい。バーコードの合成は本明細書、及び、例えば米国特許公開番号第20140228255号に記載され、この明細書の開示全体があらゆる目的のため、本明細書に参照として組み込まれる。
【0095】
上述のとおり、独自識別子として機能し得るバーコード配列セグメントを組み込んだオリゴヌクレオチドは、更なる配列セグメントを含んでもよい。かかる更なる配列セグメントとしては、機能性配列(例えばプライマー配列、プライマーアニーリング部位配列、固定化配列)、または、後での処理に有用な他の認識もしくは結合配列(例えば、バーコード含有オリゴヌクレオチドが付着するサンプルの配列決定に有用な配列決定プライマーまたはプライマー結合部位)を挙げてもよい。更に、本明細書で使用する場合、バーコード含有配列内に含まれる特定の機能性配列への言及は、相補的複製の際に記載する特定の配列が得られるように、任意のかかる配列に対する相補鎖を含めることもまた想到する。
【0096】
いくつかの例では、バーコードまたは部分的バーコードは、オリゴヌクレオチドアレイ、例えばマイクロアレイまたはビーズアレイから入手する、またはこれらでの使用に好適なオリゴヌクレオチドから生成してよい。かかる場合、マイクロアレイのオリゴヌクレオチドは、遊離オリゴヌクレオチドがバーコードまたは部分的バーコードとして機能することができるように、(例えば、切断可能な結合、または、オリゴヌクレオチドをアレイにアンカリングする部位(例えば、光により切断可能であるか、化学的に切断可能であるか、または別の方法で切断可能な結合)を使用して)切断されてよい。場合によっては、アレイから入手するバーコードまたは部分的バーコードは既知の配列を有する。例えばアレイから入手するものを含む、既知の配列を使用することは、未知の配列のバーコードに関係する配列決定エラーを避けるのに有益であり得る。マイクロアレイは、バーコードまたは部分的バーコードとして使用され得る、少なくとも約10,000,000個、少なくとも約1,000,000個、少なくとも約900,000個、少なくとも約800,000個、少なくとも約700,000個、少なくとも約600,000個、少なくとも約500,000個、少なくとも約400,000個、少なくとも約300,000個、少なくとも約200,000個、少なくとも約100,000個、少なくとも約50,000個、少なくとも約10,000個、少なくとも約1,000個、少なくとも約100個、または少なくとも約10個の異なる配列を提供してよい。
【0097】
本明細書において提供するビーズは、独自識別子(例えばバーコード)として挙動し得るオリゴヌクレオチド配列に結合してよい。多くの場合、本明細書において提供するビーズの母集団は、多様なバーコードのライブラリーを含有し、各ビーズは、単一のバーコード配列の複数のコピーに結合している。場合によっては、バーコード配列を既知の配列を用いて予め合成する、かつ/または設計する。場合によっては、ライブラリー内の各ビーズは独自のバーコード配列に結合する。場合によっては、複数のビーズは、これらに結合する同一のバーコード配列を有する。例えば、場合によっては、ライブラリー内のビーズの約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、25%、30%、50%、75%、80%、90%、95%、または100%が、ライブラリー内の異なるビーズに付着したバーコード配列と同一のバーコード配列に付着する。場合により、ビーズの約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、25%、または30%が同一のバーコード配列に付着する。
【0098】
バーコード配列の長さは、用途に応じて任意の好適な長さを有してよい。場合によっては、バーコード配列は、約2〜約500ヌクレオチド長、約2〜約100ヌクレオチド長、約2〜約50ヌクレオチド長、約2〜約20ヌクレオチド長、約6〜約20ヌクレオチド長、または約4〜約16ヌクレオチド長であってよい。場合によっては、バーコード配列は約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、85、90、95、100、150、200、250、300、400、または500ヌクレオチド長である。場合によっては、バーコード配列は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、85、90、95、100、150、200、250、300、400、500、750、1000、5000、または10000ヌクレオチド長より大きくてよい。場合によっては、バーコード配列は約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、85、90、95、100、150、200、250、300、400、500、750、または1000ヌクレオチド長未満であってよい。
【0099】
バーコードをビーズ内に装入し、1つ以上のバーコードが特定のビーズに組み込まれてよい。場合によっては、各ビーズは同じセットのバーコードを含有してよい。他の場合では、各ビーズは異なるセットのバーコードを含有してよい。他の場合では、各ビーズは同一バーコードのセットを含んでよい。他の場合では、各ビーズは異なるバーコードのセットを含んでよい。
【0100】
本明細書において提供するビーズは、後続処理においてサンプル(たとえばゲノムサンプル)をプライミング可能なランダム、偽ランダム、または標的化N量体であるオリゴヌクレオチド配列に結合してよい。場合によっては、同じN量体配列が単一のビーズまたはビーズの母集団に結合したオリゴヌクレオチドに存在する。これが、標的化プライミング法に対するケース、例えば、より大きな標的配列内の特定の配列セグメントを標的化するようにプライマーを選択するケースとなり得る。他の場合では、本明細書のビーズの母集団内の各ビーズは、とりわけ、大きく、かつ多様な数のN量体配列に結合し、鋳型分子に対するこれらのプライマーのサンプリングを多様化するため、ランダムN量体配列がサンプル核酸の異なる部分に対してランダムにプライミングする。
【0101】
N量体の長さは変化し得る。場合によっては、N量体(例えば、ランダムN量体、偽ランダムN量体、または標的化N量体)は、約2〜約100ヌクレオチド長、約2〜約50ヌクレオチド長、約2〜約20ヌクレオチド長、約5〜約25ヌクレオチド長、または約5〜約15ヌクレオチド長であってよい。場合によっては、N量体(例えば、ランダムN量体、偽ランダムN量体、または標的化N量体)は約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、85、90、95、100、150、200、250、300、400、または500ヌクレオチド長であってよい。場合によっては、N量体(例えば、ランダムN量体、偽ランダムN量体、または標的化N量体)は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、85、90、95、100、150、200、250、300、400、500、750、1000、5000、または10000ヌクレオチド長を超えてよい。場合によっては、N量体(例えば、ランダムN量体、偽ランダムN量体、または標的化N量体)は約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、85、90、95、100、150、200、250、300、400、500、750、または1000ヌクレオチド長未満であってよい。
【0102】
(ランダムN量体を含む)N量体を、特定のサンプル種をプライミングするために改変することができる。例えば、各N量体の長さが、それぞれの異なる種類のサンプル核酸、またはサンプル核酸のそれぞれの異なる領域に対応するように、異なる長さのN量体を、異なる種類のサンプル核酸、またはサンプル核酸の異なる領域用に生成してよい。例えば、ある長さのN量体を、ある種のゲノム(例えばヒトゲノム等)に由来するサンプル核酸用に生成してよく、別の長さのN量体を、別の種(例えば、酵母菌ゲノム等)に由来するサンプル核酸用に生成してよい。別の例において、ある長さのN量体を、ゲノムの特定の配列領域を含むサンプル核酸用に生成してよく、別の長さのN量体を、ゲノムの別の配列領域を含むサンプル核酸用に生成してよい。更に、N量体の長さに加えて、またはN量体の長さの代わりに、N量体の塩基組成(例えばN量体のGC含有量)もまた改変し、サンプル核酸の特定の種類または領域に対応させてよい。塩基含有量は例えば、特定の種類のサンプル核酸、またはサンプル核酸の特定の領域に応じて変化し得、そのため、異なる塩基含量のN量体は、異なるサンプルの種類の核酸、またはサンプル核酸の異なる領域のプライミングに有用であり得る。
【0103】
本明細書の他の場所で記載したビーズの母集団を、特定のサンプルの種類、または特定のサンプル配列領域用に改変したN量体を用いて生成することができる。場合によっては、N量体の長さ、及び内容物を混合したビーズの母集団(例えば、あるサンプルの種類または配列領域用に改変したN量体を含むビーズ、及び別のサンプルの種類または配列領域用に改変した別のN量体を含むビーズの混合物)を生成してよい。場合によっては、ビーズの母集団を生成してよく、このビーズの1つ以上は、複数のサンプルの種類または配列領域用に改変したN量体の混合母集団を含むことができる。
【0104】
前述したように、場合によっては、後続の処理工程において改善された性能を有するプライマーを提供するために、ランダムであるか標的化されているかに関わらず、N量体は、ヌクレオチド類似体、模倣物、または非天然ヌクレオチドを含んでよい。例えば、場合によっては、例えば増幅中に、N量体配列の相対的なプライミング効率を向上させるために、サーマルサイクリングに通す場合、異なる融解/アニーリングプロファイルを有するN量体プライマーを提供することが望ましい場合がある。場合によっては、天然ヌクレオチドを含む対応するプライマーと比較して、プライマー配列の融解温度プロファイルを変更するために、ヌクレオチド類似体または非天然ヌクレオチドを、N量体プライマー配列に組み込んでよい。特定の場合において、本明細書に記載するN量体配列等のプライマー配列は、鋳型配列にハイブリダイゼーションした場合に、プライマーに高温安定性を付与するために、また、一般的に向上したデュプレックス安定性を付与するために、配列内の1つ以上の位置において、修飾ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体(例えばLNA塩基)を含んでよい。場合によっては、プライマー合成において、LNAヌクレオチドをAまたはT塩基の代わりに使用して、より弱く結合する塩基を、より強固に結合するLNA類似体で置き換える。ハイブリダイゼーションが向上したプライマー配列を提供することにより、かかるプライマーを使用してより効率の高い増幅プロセスを生成し、かつ、異なる温度レジメン内で操作を行うことができる。
【0105】
他の修飾もまた、上記オリゴヌクレオチドにもたらしてよい。例えば、場合によっては、例えば、存在する任意のエキソヌクレアーゼ活性により、オリゴヌクレオチドのいかなる分解をも防止するか、または減少させるために、保護末端、または他の領域を有するオリゴヌクレオチドを提供してよい。一例では、例えば3’及び/または5’末端位置に隣接または近接する、オリゴヌクレオチド配列内の1つ以上の位置において、1つ以上のホスホロチオエートヌクレオチド類似体を有するオリゴヌクレオチドを提供してよい。これらのホスホロチオエートヌクレオチドは通常、オリゴヌクレオチドの中のヌクレオチド間結合に、非結合酸素の代わりに硫黄基を提供し、例えば3’−5’、及び/または5’−3’エキソヌクレアーゼ等の、オリゴヌクレオチドでのヌクレアーゼ活性を低下させるか、または取り除く。一般に、ホスホロチオエート類似体は、例えば、オリゴヌクレオチドの3’−5’、及び/または5’−3’エキソヌクレアーゼ分解に対する保護をもたらすこと等の、この類似体を含むオリゴヌクレオチドに対するエキソ及び/またはエンドヌクレアーゼ耐性を付与することにおいて有用である。したがって、いくつかの態様では、これらの1つ以上のホスホロチオエート結合は、オリゴヌクレオチドの3’または5’末端のいずれかにおいて、少なくとも最後の5〜10個のヌクレオチド間結合の1つ以上となり、3’−5’または5’−3’エキソヌクレアーゼ活性に対する保護をもたらすために、最後の3’または5’末端ヌクレオチド間結合、及び最後の5’末端から2番目におけるヌクレオチド間結合の1つ以上を含むのが好ましい。オリゴヌクレオチド内の他の位置でもまた同様に、ホスホロチオエート(phosphorothiate)結合がもたらされてよい。バーコード配列(及び、関係する任意の機能性配列)を含むオリゴヌクレオチドにかかる保護をもたらすことに加えて、上記の修飾は、本明細書に記載するブロック配列、例えば、ブロック配列内、例えば、3’及び/または5’末端位置に隣接または近接する、並びに、場合によりオリゴヌクレオチド内の他の位置に、ホスホロチオエート類似体を組み込む、という文脈においてもまた有用である。
予め機能化したビーズへの、内容物の結合
【0106】
種々の内容物を、オリゴヌクレオチドで機能化したビーズ等の、本明細書に記載するビーズに結合してよい。多くの場合、オリゴヌクレオチド、特に所望の配列(例えばバーコード、ランダムN量体)を有するオリゴヌクレオチドが結合する。本明細書において提供する方法の多くにおいて、オリゴヌクレオチドは、プライマー伸長反応によりビーズに結合する。プライマーにより予め機能化したビーズをオリゴヌクレオチド鋳型と接触することができる。続いて、増幅反応を実施して、オリゴヌクレオチド鋳型の相補鎖のコピーがプライマーに結合するようにプライマーを伸長する。ライゲーション反応等の他の結合方法もまた可能である。
【0107】
場合によっては、異なる配列(または同じ配列)を有するオリゴヌクレオチドを、別々の工程でビーズに結合させる。例えば、場合によっては、独自配列を有するバーコードを、各ビーズが、その中に第1のバーコード配列の複数のコピーを有するようにビーズに結合する。第2工程において、ビーズを、第2の配列を用いて更に機能化することができる。第1及び第2の配列を組み合わせることが、ビーズに結合した独自のバーコード、または独自識別子として機能しうる。本プロセスを継続して、バーコード配列として機能する追加の配列を加えてよい(場合によっては、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個を超えるバーコード配列を順次に、各ビーズに加えてよい)。ビーズは、例えば、後続の全ゲノム増幅反応用のランダムプライマーとして機能することができる、更に機能化したランダムN量体であってもよい。
【0108】
場合によっては、特定のオリゴヌクレオチド配列(例えばバーコード配列)による機能化の後、ビーズをプールし、次いで、後でビーズに結合したランダムN量体の大きな母集団と接触させてよい。場合によっては、特に、ランダムN量体の結合前にビーズをプールする場合に、各ビーズは、ビーズに結合した(多くの場合、複数のコピーとしての)1つのバーコード配列、及び、ビーズに結合した多くの異なるランダムN量体配列を有する。
【0109】
限界希釈を使用して、平均して、ビーズが1つの独自オリゴヌクレオチド配列(例えばバーコード)に結合するように、オリゴヌクレオチドをビーズに結合させてよい。多くの場合、本プロセスにおけるビーズは、特定のオリゴヌクレオチド(プライマー等)により既に機能化されている。例えば、プライマー(例えばユニバーサルプライマー等)、及び複数の鋳型オリゴヌクレオチドで機能化したビーズを、多くの場合、ビーズ:鋳型オリゴヌクレオチドを高い比率で混合し、ビーズと鋳型オリゴヌクレオチドの混合物を生成する。例えば、バルクの乳化プロセス、プレート内での乳化により、または、例えばマイクロ流体液滴生成器等のマイクロ流体デバイスにより、続いて、混合物を複数の分画(例えば油中水型エマルション中の水性液滴)に分けてよい。場合によっては、平均して、各分画が1つの鋳型オリゴヌクレオチドを含むように、混合物を複数の分画に分けることができる。
【0110】
バーコード化されるビーズ1個あたりに対して、想定される、または予想されるバーコードの比率で、バーコードをビーズに装入してよい。場合によっては、ビーズ1個あたり、約0.0001、0.001、0.1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、100、500、1000、5000、10000、20000、50000、100000、500000、1000000、5000000、10000000、50000000、100000000、500000000、1000000000、5000000000、10000000000、50000000000、または100000000000個の比率でバーコードが装入されように、バーコードが装入される。場合によっては、ビーズ1個あたり、0.0001、0.001、0.1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、100、500、1000、5000、10000、20000、50000、100000、200000、300000、400000、500000、600000、700000、800000、900000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、30000000、40000000、50000000、60000000、70000000、80000000、90000000、100000000、200000000、300000000、400000000、500000000、600000000、700000000、800000000、900000000、1000000000、2000000000、3000000000、4000000000、5000000000、6000000000、7000000000、8000000000、9000000000、10000000000、20000000000、30000000000、40000000000、50000000000、60000000000、70000000000、80000000000、90000000000、100000000000個を超える比率のバーコードが装入されるように、バーコードが装入される。場合によっては、ビーズ1個あたり、約0.0001、0.0002、0.0003、0.0004、0.0005、0.0006、0.0007、0.0008、0.0009、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、100、500、1000、5000、10000、20000、50000、100000、500000、1000000、5000000、10000000、50000000、100000000、500000000、1000000000、5000000000、10000000000、50000000000、または100000000000個未満の比率のバーコードが装入されるように、バーコードが装入される。
【0111】
本明細書に記載するものを含むビーズ(例えば、場合によっては、還元剤により実質的に溶解可能な、実質的に溶解可能なビーズ)は、複数のオリゴヌクレオチドに共有結合または非共有結合してよく、少なくともオリゴヌクレオチドのサブセットは、定常領域またはドメイン(例えば、バーコード配列、バーコードドメイン、共通のバーコードドメイン、または、サブセットのオリゴヌクレオチド間で一定の他の配列)、及び、可変領域またはドメイン(例えば、ランダム配列、ランダムN量体、または、サブセットのオリゴヌクレオチド間で変化する他の配列)を含む。場合によっては、本明細書の他の場所に記載されているように、オリゴヌクレオチドは分離可能にビーズに結合してもよい。オリゴヌクレオチドは、本明細書の他の場所に記載した種類の共有結合及び非共有結合等の任意の好適な結合を介して、ビーズに共有結合または非共有結合してよい。場合によっては、オリゴヌクレオチドは、例えば、化学的に切断可能な結合(例えばジスルフィド結合)、光により切断可能な結合、または熱により切断可能な結合等の切断可能な結合を介してビーズに共有結合してよい。ビーズは、定常領域またはドメイン、及び可変領域またはドメインを含む、約、または少なくとも約1、10、50、100、500、1000、5000、10000、50000、100000、500000、1000000、5000000、10000000、50000000、100000000、500000000、1000000000、5000000000、10000000000、50000000000、100000000000、500000000000、または1000000000000個以上のオリゴヌクレオチドを含んでよい。
【0112】
場合によっては、オリゴヌクレオチドはそれぞれ、同一の定常領域またはドメイン(例えば、同一のバーコード配列、同一のバーコードドメイン、共通のドメイン等)を含んでよい。場合によっては、オリゴヌクレオチドはそれぞれ、異なる配列を有する可変ドメインを含んでよい。場合によっては、同一の定常領域(または共通のドメイン)を含むオリゴヌクレオチドの割合は、少なくとも約0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%であってよい。場合によっては、異なる配列を有する可変領域を含むオリゴヌクレオチドの割合は、少なくとも約0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%であってよい。場合によっては、(可変及び定常領域またはドメインを含むもの等の)異なるヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドを含む複数のビーズにおけるビーズの割合は、少なくとも約0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%である。場合によっては、オリゴヌクレオチドはまた、1つ以上の追加の配列、例えば、プライマー結合部位(例えば配列決定プライマー結合部位)、ユニバーサルプライマー配列(例えば、特定の長さの配列内に存在する1つ以上の遺伝子座の確率に基づいて、かかる長さの任意の核酸断片における1つ以上の遺伝子座にハイブリダイゼーションし、プライミングすることが予想されるプライマー配列)、または、本明細書の他の場所に記載する追加の配列の種類を含む、任意の他の所望の配列等を含んでもよい。
【0113】
本明細書の他の場所に記載されているように、複数のビーズを生成し、例えばビーズライブラリー(例えばバーコード化ビーズライブラリー)を形成してよい。場合によっては、共通のドメイン(例えば共通のバーコードドメイン)または領域の配列は少なくとも、複数の個々のビーズのサブセット間で変化し得る。例えば、複数のビーズの個々のビーズ間で共通のドメインまたは領域の配列は、複数の2個以上、10個以上、50個以上、100個以上、500個以上、1000個以上、5000個以上、10000個以上、50000個以上、100000個以上、500000個以上、1000000個以上、5000000個以上、10000000個以上、50000000個以上、100000000個以上、500000000個以上、1000000000個以上、5000000000個以上、10000000000個以上、50000000000個以上、または100000000000個以上のビーズ間において異なっていてよい。場合によっては、複数のビーズの各ビーズは、異なる共通のドメインまたは領域を含んでよい。場合によっては、異なる共通のドメインまたは領域を含む複数のビーズの個々のビーズの割合は、少なくとも約0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%であってよい。場合によっては、複数のビーズは、複数の異なるビーズに結合した、少なくとも約2、10、50、100、500、1000、5000、10000、50000、100000、500000、1000000、5000000、10000000、50000000、100000000、500000000種類以上の異なる共通のドメインを含んでよい。
【0114】
(例えば、エマルションの液滴を用いた)限界希釈の代わりに、他の分画法を使用して、オリゴヌクレオチドをビーズに結合させてよい。例えば、プレートのウェルを使用してよい。プライマー(例えば、P5、アクリダイト、及び所望によりジスルフィド結合を介してビーズに結合したプライマー)を含むビーズを、プレートのウェルの中の鋳型オリゴヌクレオチド(例えば、バーコード配列を含む鋳型オリゴヌクレオチド)及び増幅試薬と混合してよい。各ウェルは、独自の鋳型バーコード配列の1つ以上のコピーと、1つ以上のビーズを含むことができる。プレートのサーマルサイクリングは、鋳型オリゴヌクレオチドのプライマーへのハイブリダイゼーションにより、ビーズが、オリゴヌクレオチド鋳型に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドを含むとなるように、プライマーを伸長する。全てのプライマーが伸長されるまで、サーマルサイクリングを所望の数のサイクル(例えば、少なくとも約1、2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50回またはそれ以上のサイクル)続けてよい。
【0115】
サーマルサイクリングが完了すると、ビーズを共通の容器に入れ、(例えば遠心分離、磁気分離等により)変性した相補鎖を洗浄し、再び洗浄した後、所望により追加のラウンドのバルク処理に通してよい。例えば、限界希釈に関して上述したプライマー伸長方法を使用して、ランダムN量体配列をビーズに結合したオリゴヌクレオチドに加えてよい。
【0116】
PCR試薬としては、任意の好適なPCR試薬を挙げてよい。場合によっては、オリゴヌクレオチド生成物が、チミン含有ヌクレオチドではなくウラシル含有ヌクレオチドを含むように、プライマー伸長または他の増幅反応の間に、dUTPをdTTPで置き換えてよい。ユニバーサル配列のこのウラシル含有部分を後で、ウラシル含有鋳型を受け入れない、または処理しないポリメラーゼと共に後で使用して、望ましくない増幅産物を低減する。
【0117】
増幅試薬としては、ユニバーサルプライマー、ユニバーサルプライマー結合部位、配列決定プライマー、配列決定プライマー結合部位、ユニバーサル読取りプライマー、ユニバーサル読取り結合部位、または、配列決定デバイスと適合する他のプライマー(例えばIlluminaシークエンサー、Ion Torrentシークエンサー)を挙げてもよい。増幅試薬としては、P5、切断不可能な5’アクリダイト−P5、切断可能な5’アクリダイト−SS−P5、R1c、ビオチンR1c、配列決定プライマー、読取りプライマー、P5_Universal、P5_U、52−BioR1−rc、ランダムN量体配列、ユニバーサル読取りプライマー等を挙げてもよい。場合によっては、プライマーは、修飾ヌクレオチド、固定核酸(LNA)、LNAヌクレオチド、ウラシル含有ヌクレオチド、非天然塩基を含有するヌクレオチド、ブロッカーオリゴヌクレオチド、ブロックした3’末端、3’ddCTPを含有してよい。
【0118】
本明細書に記載するように、場合によっては、バーコードを含むオリゴヌクレオチドは、各ビーズが、平均して、1個未満の独自のオリゴヌクレオチド配列、2個未満の独自のオリゴヌクレオチド配列、3個未満の独自のオリゴヌクレオチド配列、4個未満の独自のオリゴヌクレオチド配列、5個未満の独自のオリゴヌクレオチド配列、または10個未満の独自のオリゴヌクレオチド配列となるように分画される。したがって、場合によっては、ビーズのフラクションはオリゴヌクレオチド鋳型を含有しないため、増幅したオリゴヌクレオチドを含有することができない。したがって、オリゴヌクレオチドを含むビーズをオリゴヌクレオチドを含まないビーズから分離することが望ましい場合がある。場合によっては、この分離は捕捉部位を使用して行ってよい。
【0119】
いくつかの実施形態において、捕捉部位を、磁気分離等の分離方法により用いて、バーコードを含有し得ないビーズから、バーコードを含有するビーズを分離してよい。そのため、場合によっては、増幅試薬は、プライマーまたはプローブに結合する捕捉部位を含んでよい。捕捉部位は、標識したビーズを、標識していないビーズから選別し、プライマー、及び後続の増幅産物の、ビーズへの結合の確認を可能にし得る。例示的な捕捉部位としては、ビオチン、ストレプトアビジン、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、cMyc、HA等が挙げられる。捕捉部位は、蛍光標識または磁気標識であってよいか、またはこれらを挙げてよい。捕捉部位は、捕捉部位の複数の分子、例えば、ビオチン、ストレプトアビジン等の複数の分子を含んでよい。場合によっては、増幅反応では、増幅反応の追加のサイクルの間に、プライマーが増幅産物とハイブリダイゼーションし、捕捉部位が追加の増幅オリゴヌクレオチドに組み込まれるとなるように、(本明細書の他の場所に記載されている)捕捉部位に結合した捕捉プライマーを利用してよい。他の場合では、捕捉部位を含むプローブを、増幅したオリゴヌクレオチドにハイブリダイゼーションしてよく、続いて、増幅反応を完了すると、捕捉部位が増幅したオリゴヌクレオチドと会合する。
【0120】
捕捉部位は、分離の最中に捕捉部位が結合ペアと結合できるように、結合ペアのメンバーであってよい。例えば、結合ペアのあるメンバー(例えばビオチン)である捕捉部位を含むオリゴヌクレオチドを含むビーズを生成してよい。2つの結合ペアのメンバーが得られた混合物中で結合するように、結合ペアの他のメンバー(例えばストレプトアビジン)を含む捕捉ビーズと、ビーズを混合してよい。次に、例えば遠心分離及び磁気分離(例えば、捕捉ビーズが磁気ビーズであるケース等)を含む任意の好適な手段を使用してビーズ−捕捉ビーズ複合体を混合物の他の成分から分離してよい。
III.バーコードライブラリー
【0121】
ビーズは、結合した1つ以上のバーコード配列を含有してよい。1つのビーズに結合したバーコード配列は、同一であっても異なっていてもよい。場合によっては、各ビーズは、約1、5、10、50、100、500、1000、5000、10000、20000、50000、100000、500000、1000000、5000000、10000000、50000000、100000000、500000000、1000000000、5000000000、10000000000、50000000000、または100000000000個の同一のバーコード配列に結合してよい。場合によっては、各ビーズは、約1、5、10、50、100、500、1000、5000、10000、20000、50000、100000、500000、1000000、5000000、10000000、50000000、100000000、500000000、1000000000、5000000000、10000000000、50000000000、または100000000000個の異なるバーコード配列に結合してよい。場合によっては、各ビーズは、少なくとも約1、5、10、50、100、500、1000、5000、10000、20000、50000、100000、200000、300000、400000、500000、600000、700000、800000、900000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、30000000、40000000、50000000、60000000、70000000、80000000、90000000、100000000、200000000、300000000、400000000、500000000、600000000、700000000、800000000、900000000、1000000000、2000000000、3000000000、4000000000、5000000000、6000000000、7000000000、8000000000、9000000000、10000000000、20000000000、30000000000、40000000000、50000000000、60000000000、70000000000、80000000000、90000000000、100000000000個またはそれ以上の同一のバーコード配列に結合してよい。場合によっては、各ビーズは、少なくとも約1、5、10、50、100、500、1000、5000、10000、20000、50000、100000、200000、300000、400000、500000、600000、700000、800000、900000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、30000000、40000000、50000000、60000000、70000000、80000000、90000000、100000000、200000000、300000000、400000000、500000000、600000000、700000000、800000000、900000000、1000000000、2000000000、3000000000、4000000000、5000000000、6000000000、7000000000、8000000000、9000000000、10000000000、20000000000、30000000000、40000000000、50000000000、60000000000、70000000000、80000000000、90000000000、100000000000個またはそれ以上の異なるバーコード配列に結合してよい。場合によっては、各ビーズは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、500000、1000000、5000000、10000000、50000000、1000000000、5000000000、10000000000、50000000000、または100000000000個未満の同一のバーコード配列に結合してよい。場合によっては、各ビーズは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、500000、1000000、5000000、10000000、50000000、1000000000、5000000000、10000000000、50000000000、または100000000000個未満の異なるバーコード配列に結合してよい。
【0122】
個々のバーコードライブラリーは、1つ以上のバーコード化ビーズを含んでよい。場合によっては、個々のバーコードライブラリーは、約1、5、10、50、100、500、1000、5000、10000、20000、50000、100000、500000、1000000、5000000、10000000、50000000、100000000、500000000、1000000000、5000000000、10000000000、50000000000、または100000000000個の個々のバーコード化ビーズを含んでよい。場合によっては、各ライブラリーは、少なくとも約1、5、10、50、100、500、1000、5000、10000、20000、50000、100000、200000、300000、400000、500000、600000、700000、800000、900000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、30000000、40000000、50000000、60000000、70000000、80000000、90000000、100000000、200000000、300000000、400000000、500000000、600000000、700000000、800000000、900000000、1000000000、2000000000、3000000000、4000000000、5000000000、6000000000、7000000000、8000000000、9000000000、10000000000、20000000000、30000000000、40000000000、50000000000、60000000000、70000000000、80000000000、90000000000、100000000000個またはそれ以上の個々のバーコード化ビーズを含んでよい。場合によっては、各ライブラリーは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、500000、1000000、5000000、10000000、50000000、1000000000、5000000000、10000000000、50000000000、または100000000000個未満の個々のバーコード化ビーズを含んでよい。ライブラリー内のバーコード化ビーズは、同一の配列、または異なる配列を有してよい。
【0123】
いくつかの実施形態において、各ビーズは、独自のバーコード配列を有してよい。しかし、バーコードライブラリー内の、独自のバーコード配列を有するビーズの数は、組み合わせの制限により制限されてよい。例えば、4種類の異なるヌクレオチドを使用すると、バーコードが12ヌクレオチド長である場合、独自の構築物の数は、4
12=16777216個の独自構築物に限定され得る。バーコードライブラリーは1677216個を超えるビーズを含み得るため、同一のバーコードの複数のコピーを有するライブラリーがいくつか存在する場合がある。いくつかの実施形態において、所与のライブラリー内の同一のバーコードの複数のコピーの割合は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、または50%であってよい。場合によっては、所与のライブラリー内の同一のバーコードの複数のコピーの割合は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%またはそれ以上であってよい。場合によっては、所与のライブラリー内の同一のバーコードの複数のコピーの割合は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、40%、または50%未満であってよい。
【0124】
いくつかの実施形態において、各ビーズは、1つの独自のバーコード配列、及び複数の異なるランダムN量体を含んでよい。場合によっては、各ビーズは、1種以上の異なるランダムN量体を有してよい。再び、バーコードライブラリー内の、異なるランダムN量体を有するビーズの数は、組み合わせの制限により制限されてよい。例えば、4種類の異なるヌクレオチドを使用すると、N量体配列が12ヌクレオチド長である場合、異なる構築物の数は、4
12=16777216個の異なる構築物に限定され得る。バーコードライブラリーは16777216個を超えるビーズを含み得るため、同一のN量体配列の複数のコピーを有するライブラリーがいくつか存在してよい。いくつかの実施形態において、所与のライブラリー内の、同一のN量体配列の複数のコピーの割合は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、または50%であってよい。場合によっては、所与のライブラリー内の、同一のN量体配列の複数のコピーの割合は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%またはそれ以上であってよい。場合によっては、所与のライブラリー内の、同一のN量体配列の複数のコピーの割合は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、40%、または50%未満であってよい。
【0125】
いくつかの実施形態において、バーコード内の独自の識別子配列は、各ビーズ内の各プライマーに対して異なっていてよい。場合によっては、バーコード配列内の独自の識別子配列は、各ビーズ内の各プライマーに対して同一であってよい。
IV.サンプル
サンプルの種類
【0126】
本開示の方法、組成物、デバイス、及びキットを、任意の好適なサンプルまたは種と共に使用してよい。サンプル(例えば、サンプル材料、サンプル材料の成分、サンプル材料の断片等)または種は、例えば、サンプル処理で使用する任意の物質、例えば試薬または検体であることができる。例示的なサンプルとしては、全細胞、染色体、ポリヌクレオチド、有機分子、タンパク質、核酸、ポリペプチド、炭水化物、糖類(saccharides)、糖類(sugars)、脂質、酵素、制限酵素、リガーゼ、ポリメラーゼ、バーコード(例えば、バーコード配列、核酸バーコード配列、バーコード分子等)、アダプター、小分子、抗体、フルオロフォア、デオキシヌクレオチドトリホスフェート(dNTP)、ジデオキシヌクレオチドトリホスフェート(ddNTP)、緩衝液、酸性溶液、塩基性溶液、感温性酵素、pH感受性酵素、感光性酵素、金属、金属イオン、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、マンガン、水性緩衝液、刺激の弱い緩衝液、イオン性緩衝液、阻害剤、油類、塩類、イオン、洗剤、イオン性洗剤、非イオン性洗剤、オリゴヌクレオチド、鋳型核酸分子(例えば鋳型オリゴヌクレオチド、鋳型核酸配列)、核酸断片、鋳型核酸断片(例えば、断片化の間に鋳型核酸を断片化して生成する鋳型核酸の断片、核酸増幅反応から生成する鋳型核酸の断片)、ヌクレオチド、DNA、RNA、ペプチドポリヌクレオチド、相補性DNA(cDNA)、二本鎖DNA(dsDNA)、一本鎖DNA(ssDNA)、プラスミドDNA、コスミドDNA、染色体DNA、ゲノムDNA(gDNA)、ウイルスDNA、細菌DNA、mtDNA(ミトコンドリアDNA)、mRNA、rRNA、tRNA、nRNA、siRNA、snRNA、snoRNA、scaRNA、microRNA、dsRNA、リボザイム、リボスイッチ及びウイルスRNA、プロテアーゼ、全体または部分的な固定核酸、固定核酸ヌクレオチド、ヌクレアーゼ、プロテアーゼ阻害剤、ヌクレアーゼ阻害剤、キレート剤、還元剤、酸化剤、プローブ、発色団、染料、有機物質、乳化剤、界面活性剤、安定剤、ポリマー、水、薬剤類、放射性分子、防腐剤、抗生物質、アプタマー等の1つ以上を挙げることができる。まとめると、使用するサンプルは、特定の処理の必要性に応じて変化する。
【0127】
サンプルは、ヒト及び非ヒト源に由来してよい。場合によっては、サンプルは、哺乳類、非ヒト哺乳類、齧歯類、両生類、爬虫類、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリ、トリ、マウス、ウサギ、昆虫、ナメクジ、微生物、細菌、寄生生物、または魚に由来する。サンプルは、真核細胞、原核細胞、真菌細胞、心臓細胞、肺細胞、腎臓細胞、肝臓細胞、膵臓細胞、生殖細胞、幹細胞、人工多能性幹細胞、胃腸細胞、血液細胞、癌細胞、細菌細胞、ヒトのマイクロバイオームサンプルから単離した細菌細胞等を含むがこれらに限定されない多様な細胞に由来してよい。場合によっては、サンプルは、細胞の内容物、例えば単一細胞の内容物、または複数細胞の内容物を含んでよい。本明細書に記載する方法及びシステムの、単一細胞用途の例は、米国特許公開番号第20140378345号で説明されている。サンプルはまた、細胞非含有、例えば循環核酸(例えばDNA、RNA)であってよい。
【0128】
サンプルは天然のものであっても、合成したものであってもよい。サンプルは、生命体、全細胞、細胞調製物、並びに、任意の生命体、組織、細胞、または環境からの細胞非含有組成物を含む、任意の好適な位置から入手してよい。サンプルは、環境的生検、吸引物、ホルマリンで固定した包埋組織、空気、農業サンプル、土壌サンプル、石油サンプル、水サンプル、または埃サンプルから入手してよい。場合によっては、サンプルは体液から入手してよく、これには血液、尿、排泄物、血清、リンパ、唾液、粘膜分泌物、発汗、中枢神経系液、膣液、または精液を挙げてよい。サンプルはまた、製造した生成物(例えば化粧品、食品、個人用ケア商品等)から入手してよい。サンプルは、組み換えクローニング、ポリヌクレオチド増幅、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、精製法(ゲノムDNAまたはRNAの精製等)、及び合成反応等を含む実験操作による生成物であってよい。
バーコードのサンプルへの結合方法
【0129】
酵素の作用により、バーコード(または他のオリゴヌクレオチド、例えばランダムN量体)を、2つの核酸セグメントを互いに合わせることによりサンプルに結合してよい。このことは、プライマー伸長、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ポリメラーゼを使用する他の種類の反応により、または、リガーゼを用いるライゲーションにより、達成され得る。例えば、
図2A、2B、及び2C、並びに実施例を参照のこと。
【0130】
ライゲーション法を使用してサンプルをバーコードに結合する場合、サンプルはライゲーション工程の前に断片化されても、または断片化されなくてもよい。場合によっては、オリゴヌクレオチド(例えばバーコード、ランダムN量体)はサンプルに結合するが、オリゴヌクレオチドは依然としてビーズに結合している。場合によっては、例えば、バーコードを含むオリゴヌクレオチドがビーズから切断することにより、及び/またはビーズを分解することにより、オリゴヌクレオチドがビーズから分離した後に、オリゴヌクレオチド(例えばバーコード、ランダムN量体)を、サンプルに付着させる。
【0131】
オリゴヌクレオチドは、1つ以上のランダムN量体配列を含んでもよい。独自のランダムN量体配列の集合体がDNAセグメントのランダム部分をプライミングすることにより、サンプル(例えば全ゲノム)を増幅してよい。得られた生成物は、サンプル全体(例えばゲノム)を代表するバーコード化断片の集合体であってよい。
【0132】
サンプルは、バーコード化ビーズへのライゲーションの前に断片化されても、またはされなくてもよい。DNAの断片化は、DNA鎖を小片またはセグメントに分離または破壊することを伴ってよい。制限分解、または剪断力を発生させる各種方法を含む種々の方法を使用し、DNAを断片化してよい。制限分解では制限酵素を利用し、両方の鎖を平滑に切断することにより、または、不均一な切断により突出末端を生成することにより、DNA配列の意図的な切断を行うことができる。剪断力によるDNA鎖の破壊の例としては、音波処理、音響剪断、針による剪断、ピペット操作、または噴霧化を挙げてもよい。音波処理は、DNA配列を短時間の剪断力にさらす、流体力学的剪断の一種であり、約700bp断片サイズを得ることができる。音響剪断では、高周波数の音響エネルギーを、ボウル状の変換器の中にあるDNAサンプルに加える。針による剪断では、DNAを、直径の小さい針を通すことにより剪断力が発生し、DNAをより小さなセグメントに物理的に分裂させる。噴霧化の力は、DNAをエアゾールユニットの小孔を通して送達することにより発生し得、エアゾールユニットでは、得られるDNA断片が、ユニットを出る細かい霧から収集される。
【0133】
場合によっては、ライゲーション反応を使用して、オリゴヌクレオチドをサンプルにライゲーションしてよい。一例を(実施例で論じるように)
図2Bに示す。ライゲーションは、2つの核酸セグメント(例えば、バーコード配列及びサンプル)を、ホスホジエステル結合の形成を触媒することにより互いに合わせることを伴ってよい。ライゲーション反応では、DNAリガーゼ(大腸菌DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ)、哺乳類ガーゼ(DNAリガーゼI、DNAリガーゼIII、DNAリガーゼIV、熱安定性リガーゼ等)を含んでよい。T4 DNAリガーゼは、DNA、オリゴヌクレオチド、RNA、及びRNA−DNAハイブリッドを含有するセグメントをライゲーションしてよい。ライゲーション反応はDNAリガーゼを含んでいなくてもよく、トポイソメラーゼ等の代替物を利用する。サンプルをバーコード配列にライゲーションするために、高濃度のDNAリガーゼを利用すること、及びPEGを含めることにより、迅速なライゲーションを成し遂げることができる。DNAリガーゼ用の最適の温度(37℃であってよい)、及び、DNAをライゲーションする融解温度(変化し得る)を考慮して、ライゲーション反応の好ましい温度を選択してよい。サンプル及びバーコード化ビーズを緩衝液中に懸濁し、ライゲーションに影響を与え得るイオンの影響を最小限に抑えてよい。
【0134】
上では、バーコード配列をサンプル核酸成分にライゲーションする、または直接付着させるという点で記載をしたが、本明細書で使用する場合、例えば、本明細書の他の場所で更に詳細に記載するように、バーコードが、サンプル核酸を複製するのに使用されるプライマー配列と会合する場合に、バーコードのサンプル核酸への付着は、バーコード配列の、サンプル成分の相補鎖、またはその相補鎖のコピーもしくは相補鎖への結合もまた包含する。特に、バーコード含有プライマー配列を、サンプル核酸(またはサンプル核酸の複製)を鋳型として使用するプライマー伸長反応で使用する場合、得られる伸長生成物は、サンプル核酸の相補鎖であるか、サンプル核酸の複製であるかに関わらず、伸長生成物に結合したバーコード配列を有すると称される。
【0135】
場合によっては、サンプルをバーコード化ビーズと(手動か、またはマイクロ流体デバイスを使用するかのいずれかにより)混合し、混合したサンプルとビーズを、マイクロ流体デバイス内等に分画する。分画は、油中水型エマルション内の水性液滴であってよい。サンプルをバーコード化ビーズと混合する場合、平均して2個未満の標的検体が各流体液滴に存在してよい。いくつかの実施形態において、平均して3個未満の標的検体が流体液滴1つあたりに現れてよい。場合によっては、平均して2個を超える標的検体が流体液滴1つあたりに現れてよい。他の場合では、平均して3個を超える標的検体が流体液滴1つあたりに現れてよい。場合によっては、同じ標的検体の1つ以上の鎖が同じ流体液滴内に現れてよい。場合によっては、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、50、100、1000、5000、10000、または100000個未満の標的検体が1つの流体液滴内に存在する。場合によっては、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、50、100、1000、5000、10000、または100000個を超える標的検体が流体液滴内に存在する。本明細書に記載する分画は多くの場合、非常に小さい体積を有することを特徴とする。例えば、液滴ベースの分画の場合、液滴は、1000pL未満、900pL未満、800pL未満、700pL未満、600pL未満、500pL未満、400pL未満、300pL未満、200pL未満、100pL未満、50pL未満、20pL未満、10pL未満、あるいは1pL未満の総体積を有してよい。ビーズと共に分画した場合、分画内のサンプル流体の体積は、上述した体積の90%未満、80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、あるいは上述した体積の10%未満となり得ることが理解されよう。
【0136】
サンプルをバーコード化ビーズと混合する場合、平均して1個未満のビーズが各流体液滴内に存在してよい。いくつかの実施形態において、平均して2個未満のビーズが各流体液滴内に存在してよい。いくつかの実施形態において、平均して3個未満のビーズが流体液滴1つあたりに存在してよい。場合によっては、平均して1個を超えるビーズが各流体液滴内に存在してよい。他の場合では、平均して2個を超えるビーズが各流体液滴内に存在するようであってよい。他の場合では、平均して3個を超えるビーズが流体液滴1つあたりに存在してよい。いくつかの実施形態において、限界希釈法を使用して、流体液滴1つあたりに平均して1個未満のバーコード化ビーズとなる割合を達成してよい。ここで、バーコード化ビーズは、サンプルとの混合前に希釈しても、サンプルとの混合中に希釈しても、または、サンプルとの混合後に希釈してもよい。
【0137】
分画される異なるバーコード、またはバーコードの異なるセット(例えば、バーコードの異なるセットであって、それぞれの異なるセットが異なるビーズに結合している、バーコードの異なるセット)の数は例えば、分画される特定のバーコード、及び/又は用途に応じて変化してよい。異なるセットのバーコードは例えば、同一のバーコードが各セット間で異なる、同一のバーコードのセットであってよい。または、異なるセットのバーコードは例えば、異なるバーコードのセットであってよく、ここで、各セットは、含まれるバーコード内で異なる。場合によっては、異なるバーコードを異なるビーズ(例えばゲルビーズ)に付着させることにより、異なるバーコードを分画する。場合によっては、それぞれの異なるセットを異なる分画に配置することにより、異なるセットのバーコードを分画する。しかし場合によっては、分画は1つ以上の異なるバーコードのセットを含んでよい。例えば、それぞれの異なるセットのバーコードを、異なるビーズ(例えばゲルビーズ)に結合してよい。それぞれの異なるビーズを、それぞれの異なるセットのバーコードが異なる流体液滴に分画されるように流体液滴に分画してよい。例えば、約1、5、10、50、100、1000、10000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、50000000、100000000個、またはそれ以上の異なるバーコード、または異なるバーコードのセットを分画してよい。いくつかの実施例では、少なくとも約1、5、10、50、100、1000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、50000000、100000000個、またはそれ以上の異なるバーコード、または異なるバーコードのセットを分画してよい。いくつかの実施例では、約1、5、10、50、100、1000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、50000000、または100000000個の異なるバーコード、または異なるバーコードのセットを分画してよい。いくつかの実施例では、約1〜5、5〜10、10〜50、50〜100、100〜1000、1000〜10000、10000〜100000、100000〜1000000、10000〜1000000、10000〜10000000、または10000〜100000000個の異なるバーコード、または異なるバーコードのセットを分画してよい。
【0138】
バーコードを特定の密度で分画してよい。例えば、バーコードを分画すると、各分画が、分画1つあたり、約1、5、10、50、100、1000、10000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、50000000、または100000000個のバーコードを含有してよい。バーコードを分画すると、各分画が、分画1つあたり少なくとも約1、5、10、50、100、1000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、50000000、100000000個、またはそれ以上のバーコードを含有してよい。バーコードを分画すると、各分画が、分画1つあたり約1、5、10、50、100、1000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、50000000、または100000000個未満のバーコードを含有してよい。各分画が、分画1つあたり約1〜5、5〜10、10〜50、50〜100、100〜1000、1000〜10000、10000〜100000、100000〜1000000、10000〜1000000、10000〜10000000、または10000〜100000000個のビーズを含有するようにバーコードを分画してよい。場合によっては、分画したバーコードを、1つ以上のビーズ(例えばゲルビーズ等)に結合してよい。場合によっては、分画は流体液滴である。
【0139】
同一のバーコードが特定の密度で分画されるようにバーコードを分画してよい。例えば、同一のバーコードを分画すると、各分画が、分画1つあたり約1、5、10、50、100、1000、10000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、50000000、または100000000個の同一のバーコードを含有してよい。バーコードを分画すると、各分画は、分画1つあたり少なくとも約1、5、10、50、100、1000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、50000000、100000000個、またはそれ以上の同一のバーコードを含有してよい。バーコードを分画して、各分画が、分画1つあたり約1、5、10、50、100、1000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、50000000、または100000000個未満の同一のバーコードを含有してよい。各分画が、分画1つあたり約1〜5、5〜10、10〜50、50〜100、100〜1000、1000〜10000、10000〜100000、100000〜1000000、10000〜1000000、10000〜10000000、または10000〜100000000個の同一のバーコードを含有するようにバーコードを分画してよい。場合によっては、分画した同一のバーコードを、ビーズ(例えばゲルビーズ等)に結合してよい。場合によっては、分画は流体液滴である。
【0140】
異なるバーコードが特定の密度で分画されるようにバーコードを分画してよい。例えば、異なるバーコードを分画して、各分画が、分画1つあたり約1、5、10、50、100、1000、10000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、50000000、または100000000個の異なるバーコードを含有してよい。バーコードを分画して、各分画が、分画1つあたり少なくとも約1、5、10、50、100、1000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、50000000、100000000個、またはそれ以上の異なるバーコードを含有してよい。バーコードを分画して、各分画が、分画1つあたり少なくとも約1、5、10、50、100、1000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、6000000、7000000、8000000、9000000、10000000、20000000、50000000、または100000000個未満の異なるバーコードを含有してよい。各分画が、分画1つあたり約1〜5、5〜10、10〜50、50〜100、100〜1000、1000〜10000、10000〜100000、100000〜1000000、10000〜1000000、10000〜10000000、または10000〜100000000個の異なるバーコードを含有するようにバーコードを分画してよい。場合によっては、分画した異なるバーコードは、ビーズ(例えばゲルビーズ等)に結合してよい。場合によっては、分画は流体液滴である。
【0141】
バーコード、またはバーコードの異なるセットを分画するために用いる分画の数は、例えば、用途、及び/または分画する異なるバーコード、もしくは異なるバーコードのセットの数に応じて変化し得る。例えば、バーコード、または異なるバーコードのセットを分画するために用いる分画の数は、約5、10、50、100、250、500、750、1000、1500、2000、2500、5000、7500、または10,000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100,000、200000、300000、400000、500000、600000、700000、800000、900000、1,000,000、2000000、3000000、4000000、5000000、10000000、20000000個、またはそれ以上であってよい。バーコード、または異なるバーコードのセットを分画するために用いる分画の数は、少なくとも約5、10、50、100、250、500、750、1000、1500、2000、2500、5000、7500、10,000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200000、300000、400000、500000、600000、700000、800000、900000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、10000000、20000000個、またはそれ以上であってよい。バーコード、または異なるバーコードのセットを分画するために用いる分画の数は、約5、10、50、100、250、500、750、1000、1500、2000、2500、5000、7500、10,000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、200000、300000、400000、500000、600000、700000、800000、900000、1000000、2000000、3000000、4000000、5000000、10000000、または20000000個未満であってよい。バーコードを分画するために用いる分画の数は、約5〜10000000、5〜5000000、5〜1,000,000、10〜10,000、10〜5,000、10〜1,000、1,000〜6,000、1,000〜5,000、1,000〜4,000、1,000〜3,000、または1,000〜2,000個であってよい。場合によっては、分画は流体液滴であってよい。
【0142】
上述のとおり、異なるバーコード、または異なるバーコードのセット(例えば、複数の同一のバーコードまたは異なるバーコードを含むそれぞれのセット)を、各分画が一般に、異なるバーコードまたは異なるバーコードのセットを含むように分画してよい。場合によっては、各分画は、同一のバーコードの異なるセット、例えば、ビーズ(例えばゲルビーズ)に結合したバーコードの同一のセットを含んでよい。同一のバーコードの異なるセットを分画する場合、分画1つあたりでの同一のバーコードの数は変化し得る。例えば、約100,000個以上の、同一のバーコードの異なるセット(例えばビーズに結合した同一のバーコードのセット)を、各分画が、同一のバーコードの異なるセットを含む(例えば、各分画が同一のバーコードの異なるセットに結合したビーズを含む)ように、約100,000個以上の異なる分画にまたがり分画してよい。各分画において、バーコードのセット1つあたりにおける同一のバーコードの数は、約1,000,000個以上の同一のバーコードであってよい(例えば、各分画は、1個以上のビーズに結合した1,000,000個以上の同一のバーコードを含む)。場合によっては、異なるバーコードのセットの数は、分画の数と等しい、もしくは実質的に等しいか、または、分画の数未満であってよい。任意の好適な数の異なるバーコードまたは異なるバーコードのセット、分画1つあたりのバーコードの数、及び分画の数を組み合わせてよい。したがって、理解されるように、上述の任意の異なる数のバーコードを、上述の、分画1つあたりのバーコードの密度のいずれか、及び、上述の分画の数のいずれかと共に提供してよい。
マイクロ流体デバイス及び液滴
【0143】
場合によっては、本開示は、ビーズを作製するための、及び、ビーズ(または他の種類の分画)をサンプルと混合する、例えば、サンプル成分とビーズを共に分画するためのデバイスを提供する。かかるデバイスはマイクロ流体デバイス(例えば液滴生成器)であってよい。デバイスは任意の好適な材料から形成されてよい。いくつかの実施例では、デバイスは、不透明石英ガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス、ポリ(メチルメタクリレート)PMMA、PDMS、サファイア、ケイ素、ゲルマニウム、環状オレフィンコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、プラスチック、熱硬化性樹脂、ハイドロゲル、熱可塑性プラスチック、紙、エラストマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料から形成されてよい。
【0144】
デバイスは、流体を流すための流路を含むように形成されてよい。任意の好適な流路を使用してよい。場合によっては、デバイスは、1つ以上の流体入力流路(例えば入口チャネル)、及び1つ以上の流体排出流路を含む。いくつかの実施形態において、流体流路の内径は、約10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、85μm、90μm、100μm、125μm、または150μmであってよい。場合によっては、流体流路の内径は、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、85μm、90μm、100μm、125μm、150μmまたはそれ以上であってよい。いくつかの実施形態において、流体流路の内径は、約10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、85μm、90μm、100μm、125μm、または150μm未満であってよい。流体流路内の体積流量は、当該技術分野において公知の任意の流量であってよい。
【0145】
本明細書の他の場所に記載されているように、マイクロ流体デバイスを利用して、1種以上のゲル前駆体、1種以上の架橋剤、所望により重合開始剤、及び所望により水性界面活性剤を含む流体液滴を形成することにより、ビーズを形成してよい。流体液滴は、界面活性剤及び/または促進剤を更に含み得る不混和性の連続的な流体(例えば油)に囲まれてよい。
【0146】
いくつかの実施形態において、マイクロ流体デバイスを使用して、ビーズ(例えば、バーコード化ビーズ、または、本明細書に記載する任意の好適な種類の分画を含む他の種類の第1の分画)をサンプル(例えば核酸のサンプル)と、ビーズとサンプルの両方を含む流体液滴(または、本明細書に記載する任意の好適な種類の分画を含む、他の種類の第2の分画)を形成することにより、組み合わせてよい。流体液滴は、油相に囲まれた水性コア(例えば、油中水型エマルション中の水性液滴等)を有してよい。流体液滴は、1つ以上のバーコード化ビーズ、サンプル、増幅試薬、及び還元剤を含有してよい。場合によっては、流体液滴は、水、ヌクレアーゼ非含有水、アセトニトリル、ビーズ、ゲルビーズ、ポリマー前駆体、ポリマーモノマー、ポリアクリルアミドモノマー、アクリルアミドモノマー、分解可能な架橋剤、分解不可能な架橋剤、ジスルフィド結合、アクリダイト部位、PCR試薬、プライマー、ポリメラーゼ、バーコード、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、DNA、RNA、ペプチドポリヌクレオチド、相補性DNA(cDNA)、二本鎖DNA(dsDNA)、一本鎖DNA(ssDNA)、プラスミドDNA、コスミドDNA、染色体DNA、ゲノムDNA、ウイルスDNA、細菌DNA、mtDNA(ミトコンドリアDNA)、mRNA、rRNA、tRNA、nRNA、siRNA、snRNA、snoRNA、scaRNA、microRNA、dsRNA、プローブ、染料、有機物質、乳化剤、界面活性剤、安定剤、ポリマー、アプタマー、還元剤、重合開始剤、ビオチン標識、フルオロフォア、緩衝剤、酸性溶液、塩基性溶液、感光性酵素、pH感受性酵素、水性緩衝液、油類、塩類、洗剤、イオン性洗剤、非イオン性洗剤等の1つ以上を含んでよい。まとめると、流体液滴の組成物は、特定の処理の必要性に応じて変化する。
【0147】
流体液滴は均一なサイズであっても、または不均一なサイズであってもよい。場合によっては、流体液滴の直径は約1μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、45μm、50μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、90μm、100μm、250μm、500μm、または1mmであってよい。場合によっては、流体液滴は、少なくとも約1μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、45μm、50μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、90μm、100μm、250μm、500μm、1mmまたはそれ以上の直径を有してよい。場合によっては、流体液滴は、約1μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、45μm、50μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、90μm、100μm、250μm、500μm、または1mm未満の直径を有してよい。場合によっては、流体液滴は、約40〜75μm、30〜75μm、20〜75μm、40〜85μm、40〜95μm、20〜100μm、10〜100μm、1〜100μm、20〜250μm、または20〜500μmの範囲の直径有してよい。
【0148】
いくつかの実施形態において、デバイスは、2つ以上の流体入力流路の1つ以上の交差部分を含んでよい。例えば、交差部分は流体交差部分であってよい。流体交差部分は、2つ以上の流体入力流路、及び1つ以上の流体排出流路を含んでよい。場合によっては、流体交差部分は、2つの流体入力流路、及び2つの流体排出流路を含んでよい。他の場合では、流体交差部分は、3つの流体入力流路、及び1つの流体排出流路を含んでよい。場合によっては、流体交差部分は、交差部分を形成する2つ以上の流体流路の間に、略垂直の角度を形成してよい。
【0149】
場合によっては、マイクロ流体デバイスは、出力流路に流体接続した接合部においてぶつかる第1及び第2の入力流路を含んでよい。場合によっては、出力流路は例えば、接合部において第3の入力流路に流体接続してよい。場合によっては、第4の入力流路が含まれてよく、接合部において第3の入力流路及び排出流路と交差してよい。場合によっては、マイクロ流体デバイスは第1、第2、及び第3の入力流路を含んでよく、第3の入力流路は、第1の入力流路、第2の入力流路、または第1の入力流路と第2の入力流路の接合部と交差する。
【0150】
本明細書の他の場所に記載されているように、マイクロ流体デバイスを使用して、液体からゲルビーズを生成してよい。例えば、いくつかの実施形態では、流体入力流路内の、1種以上のゲル前駆体、1種以上の架橋剤、及び所望により重合開始剤、所望により水性界面活性剤、及び所望によりアルコールを含む水性流体が流体交差部分に入ってよい。第2の流体入力流路内において、所望により界面活性剤と促進剤を含む油が、同一の流体交差部分に入ってよい。水性と油成分の両方が流体交差部分にて混合され、連続油相内にて水性流体液滴の形成を引き起こしてよい。流体交差部分を出る流体液滴内のゲル前駆体は重合してビーズを形成してよい。
【0151】
所望する場合、本明細書の他の場所に記載されているように、マイクロ流体デバイス(例えば液滴生成器)を使用して、サンプルとビーズ(例えばバーコード化ビーズのライブラリー)、及びビーズを分解可能な作用物質(例えば、ビーズがジスルフィド結合で結合している場合は還元剤)と混合してよい。いくつかの実施形態において、サンプル(例えば核酸のサンプル)を、第1の流体交差部分(例えば第1の流体接合部)に流体接続した第1の流体入力流路に供給してよい。予め形成したビーズ(例えばバーコード化ビーズ、分解可能なバーコード化ビーズ)を第1の流体交差部分にも流体接続した第2の流体入力流路に供給してよく、ここで第1の流体入力流路と第2の流体入力流路がぶつかる。サンプルとビーズを第1の流体交差部分で混合し、混合物(例えば水性混合物)を形成してよい。場合によっては、第1の流体交差部分にもまた流体接続し、第1の流体交差部分にて第1及び第2の流体入力流路とぶつかる第3の流体入力流路に還元剤を供給してよい。次に、第1の流体交差部分にて還元剤をビーズ及びサンプルと混合することができる。他の場合では、マイクロ流体デバイスに入る前に、還元剤をサンプル及び/またはビーズと予め混合してよく、この混合物は、サンプルと共に第1の流体入力流路を通して、及び/またはビーズと共に第2の流体入力流路を通してマイクロ流体デバイスに提供される。他の場合では、還元剤を加えなくてよい。
【0152】
いくつかの実施形態において、サンプルとビーズの混合物は、第1の流体交差部分(及びしたがって、第1の流体交差部分を形成する任意の流体流路)に流体接続した第1の排出流路を通って第1の流体交差部分を出てよい。混合物を、第1の排出流路に流体接続した第2の流体交差部分(例えば第2の流体接合部)に供給してよい。場合によっては、油(または他の好適な不混和性流体)は、第2の流体交差部分(及びしたがって、交差部分を形成する任意の流体流路)に流体接続し、かつ、第2の流体交差部分にて第1の排出流路とぶつかる1つ以上の個別の流体入力流路から第2の流体交差部分に入ってよい。場合によっては、油(または他の好適な不混和性流体)を、第2の流体交差部分(及びしたがって、第1の排出流路)に流体接続し、かつ、第2の流体交差部分にて第1の排出流路と互いにぶつかる1つまたは2つの個別の流体入力流路に供給してよい。両方の成分(油、及びサンプルとビーズの混合物)を第2の流体交差部分にて混合してよい。この混合により、サンプルとビーズの混合物を複数の流体液滴(例えば油中水型エマルション内の水性液滴)に分画し、各分画内で形成する液滴の少なくともサブセットが、バーコード化ビーズ(例えばゲルビーズ)を封入する。形成する流体液滴は、第2の流体排出流路を通って油中に運搬され、第2の流体交差部分から出る。場合によっては、第2の流体交差部分から第2の排出流路に出る流体液滴を、更なる処理(例えばサーマルサイクリング)のために、ウェルに分画してよい。
【0153】
多くの場合、ビーズ(または第1の分画)に対する、得られる液滴(または第2の分画)の占有率を制御するのが望ましい。かかる制御は、例えば米国特許公開番号第20150292988号に記載され、開示全体があらゆる目的のため、本明細書に参照として組み込まれる。一般に、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上の液滴(即ち第2の分画)が、1つのビーズ(即ち第1の分画)を含むように液滴(または第2の分画)が形成される。更に、あるいは、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上の液滴(即ち第2の分画)が、厳密に1つのビーズ(即ち第1の分画)を含むように液滴(即ち第2の分画)が形成される。場合によっては、得られる液滴(即ち第2の分画)はそれぞれ、平均して最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個のビーズ(即ち第1の分画)を含んでよい。場合によっては、得られる液滴(即ち第2の分画)はそれぞれ、平均して少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個またはそれ以上のビーズ(即ち第1の分画)を含んでよい。
【0154】
いくつかの実施形態において、混合物をマイクロ流体デバイスに入れ、水性反応混合物を生成する前に、サンプルを、バーコードと任意の他の試薬(例えば、サンプルの増幅に必要な試薬(還元剤)等)を含む分解可能なビーズと予め混合してよい。水性混合物を流体デバイスに入れる際に、混合物は第1の流体入力流路から流体交差部分に流れてよい。場合によっては、油相は流体交差部分にも流体接続している第2の流体入力流路(例えば、第1の流体入力流路に対して垂直な、または略垂直な流体流路)から流体交差部分に入ってよい。エマルション(例えばゲル−水−油エマルション)が形成するように、水性混合物と油を流体交差部分にて混合してよい。エマルションは、連続油相内に複数の流体液滴(例えば、水性反応混合物を含む液滴)を含むことができる。場合によっては、各流体液滴は、単一のビーズ(例えば、同一のバーコードのセットに結合したゲルビーズ)、サンプルのアリコート、及び任意の他の試薬のアリコート(例えば還元剤、サンプルの増幅に必要な試薬等)を含んでよい。しかし、場合によっては、流体液滴は複数のビーズを含んでよい。液滴の形成の際に、液滴は、流体排出流路を通って流体交差部分から出る油連続相により運搬されてよい。更なる処理(例えばサーマルサイクリング)のために、排出流路を出る流体液滴をウェルに分画してよい。
【0155】
マイクロ流体デバイスに入る前に還元剤をサンプルに加える、または第1の流体交差部分にて加える場合において、第2の流体交差部分にて形成される流体液滴は還元剤を含んでよい。この場合、還元剤が、液滴が排出流路を通って移動し、第2の流体交差部分を離れるにつれ、流体液滴内に含有されるビーズを分解または溶解してよい。
【0156】
いくつかの実施形態において、マイクロ流体デバイスは、3つの個々の流体交差部分を平行に含有してよい。流体液滴は、3つの流体交差部分のいずれか1つにおいて形成されてよい。サンプルとビーズを、3つの流体交差部分のいずれか1つの中で混合してよい。還元剤を3つの流体交差部分のいずれか1つにおいて加えてよい。油を3つの流体交差部分のいずれか1つにおいて加えてよい。
【0157】
本開示の方法、組成物、デバイス、及びキットを、任意の好適な油と共に使用してよい。いくつかの実施形態において、油を使用してエマルションを生成してよい。油は、フッ素化油、シリコン油、鉱油、植物油、及びこれらの組み合わせを含んでよい。
【0158】
いくつかの実施形態において、マイクロ流体デバイス内の水性流体もまた、アルコールを含有してよい。例えば、アルコールはグリセロール、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、ペンタノール、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、及びこれらの組み合わせであってよい。アルコールは水性流体中に、約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%(体積/体積)で存在してよい。場合によっては、アルコールは水性流体中に、少なくとも約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%またはそれ以上(体積/体積)で存在してよい。場合によっては、アルコールは水性流体中に約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%(体積/体積)未満で存在してよい。
【0159】
いくつかの実施形態において、油はまた、エマルションを安定化するための界面活性剤もまた含有してよい。例えば、界面活性剤はフッ素系界面活性剤、Krytox潤滑剤、Krytox FSH、改変流体、HFE−7500、シリコーン化合物、PEG含有シリコン化合物(ビスkrytoxペグ(BKP)等)であってよい。界面活性剤は約0.1%、0.5%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、5%、または10%(重量/重量)で存在してよい。場合によっては、界面活性剤は少なくとも約0.1%、0.5%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、5%、10%(重量/重量)またはそれ以上で存在してよい。場合によっては、界面活性剤は約0.1%、0.5%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、5%、または10%(重量/重量)未満で存在してよい。
【0160】
いくつかの実施形態において、促進剤及び/または重合開始剤を油に加えてよい。例えば、促進剤はテトラメチルエチレンジアミン(TMEDAまたはTEMED)であってよい。場合によっては、重合開始剤は過硫酸アンモニウムまたはカルシウムイオンであってよい。促進剤は約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、または2%(体積/体積)で存在してよい。場合によっては、促進剤は少なくとも約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、もしくは2%(体積/体積)またはそれ以上で存在してよい。場合によっては、促進剤は約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、または2%(体積/体積)未満で存在してよい。
V.増幅
【0161】
DNA増幅は、DNAの小さな、または長いセグメントの複数のコピーを作製するための方法である。本開示の方法、組成物、デバイス、及びキットはDNA増幅を用いて、1つ以上の所望のオリゴヌクレオチド配列を個々のビーズ(バーコード配列またはランダムN量体配列等)に付着させてよい。サンプル配列の断片を作製し、プライマーに付随するバーコードをその断片に結合させるために、DNA増幅を使用して、ランダムN量体配列を利用しながら、ゲノムDNA等の対象のサンプルに沿ってプライミング及び伸長を行ってもよい。
【0162】
例えば、核酸配列を、鋳型核酸配列、及び複数の付着したオリゴヌクレオチドを含むビーズ(例えば分離可能に付着したオリゴヌクレオチド)を、分画(例えば、エマルションの液滴、マイクロカプセル、または、本明細書の他の場所で記載した好適な種類の分画を含む任意の他の好適な種類の分画)に共に分画することにより増幅してよい。付着したオリゴヌクレオチドは、鋳型核酸配列の1つ以上の領域に相補的であり、かつ共通の配列(例えばバーコード配列等)もまた含み得るプライマー配列(例えば、可変性プライマー配列(例えばランダムN量体等)、または標的化プライマー配列(例えば標的化N量体等))を含むことができる。プライマー配列を鋳型核酸配列にアニーリングし、(例えばプライマー伸長反応、または任意の他の好適な核酸増幅反応で)伸長して、1つ以上の第1のコピーがプライマー配列と共通の配列を含むように、鋳型核酸の少なくとも一部の1つ以上の第1のコピーを作製することができる。プライマー配列を含むオリゴヌクレオチドが分離可能にビーズに付着する場合において、プライマー配列を鋳型核酸配列にアニーリングする前に、オリゴヌクレオチドをビーズから分離してよい。更に一般的に、プライマー配列を、分画にも供給されるポリメラーゼ酵素(例えば、本明細書の他の場所に記載されている鎖置換ポリメラーゼ酵素、本明細書の他の場所に記載されているエキソヌクレアーゼ欠失ポリメラーゼ酵素、または、本明細書の他の場所に記載されている種類のポリメラーゼを含む任意の他の種類の好適なポリメラーゼ)により伸長してもよい。更に、ビーズに分離可能に結合したオリゴヌクレオチドはエキソヌクレアーゼ耐性を有してよく、そのため、本明細書の他の場所に記載されている1つ以上のホスホロチオエート結合を含んでよい。場合によっては、1つ以上のホスホロチオエート結合は、オリゴヌクレオチドの末端ヌクレオチド間結合にホスホロチオエート結合を含んでよい。
【0163】
場合によっては、1つ以上の第1のコピーを生成した後、プライマー配列を第1のコピーの1つ以上にアニーリングし、プライマー配列を再び伸長して、1つ以上の第2のコピーを作製することができる。1つ以上の第2のコピーは、プライマー配列と共通の配列を含むことができ、1つ以上の第1のコピーの個々のコピーの少なくとも一部に相補的な配列、及び/または可変性プライマー配列に相補的な配列もまた含むことができる。上述の工程を所望のサイクル数繰り返して、増幅した核酸を作製する。
【0164】
上記のオリゴヌクレオチドは、伸長反応(例えば、上記1つ以上の第1及び第2のコピーを作製する伸長反応)の間にコピーされない配列セグメントを含んでよい。本明細書の他の場所に記載されているように、かかる配列セグメントは1つ以上のウラシル含有ヌクレオチドを含んでよく、アニーリング条件下においてヘアピン(または部分的なヘアピン)分子を形成する単位複製配列の生成をももたらし得る。
【0165】
別の例において、それぞれが第2の分画(例えば、本明細書の他の場所に記載した種類のビーズ等を含むビーズ)を含む個別の第1の分画(例えばエマルション中の液滴)中に、異なる核酸を分画することにより、複数の異なる核酸を増幅することができる。第2の分画は複数のオリゴヌクレオチドと分離可能に会合してよい。第2の分画は、任意の好適な数のオリゴヌクレオチド(例えば、本明細書に記載する分画1つあたり、1,000個を超えるオリゴヌクレオチド、10,000個を超えるオリゴヌクレオチド、100,000個を超えるオリゴヌクレオチド、1,000,000個を超えるオリゴヌクレオチド、10,000,000個を超えるオリゴヌクレオチド、または任意の他の数のオリゴヌクレオチド)を含んでよい。更に、第2の分画は、任意の好適な数の異なるバーコード配列(例えば、本明細書の他の場所で記載した少なくとも1,000個の異なるバーコード配列、少なくとも10,000個の異なるバーコード配列、少なくとも100,000個の異なるバーコード配列、少なくとも1,000,000個の異なるバーコード配列、少なくとも、10,000,000個の異なるバーコード配列、または任意の他の数の異なるバーコード配列)を含んでよい。
【0166】
更に、所与の第2の分画に会合する複数のオリゴヌクレオチドは、プライマー配列(例えば可変性プライマー配列、標的化プライマー配列)及び共通の配列(例えばバーコード配列)を含んでよい。更に、異なる第2の分画と会合する複数のオリゴヌクレオチドは、異なるバーコード配列を含んでよい。複数の第2の分画と会合するオリゴヌクレオチドは、第1の分画内に分離されてもよい。分離の後、第1の分画内のプライマー配列を、第1の分画内の核酸にアニーリングすることができ、続いて、プライマー配列を伸長して、第1の分画での核酸の少なくとも一部の1つ以上のコピーを作製することができる。一般に、1つ以上のコピーは、第1の分画中に分離したバーコード配列を含んでよい。
液滴内での増幅、及びサンプルのインデックス化
【0167】
核酸(例えばDNA)増幅を、流体液滴内の内容物において実施してよい。本明細書に記載するように、流体液滴はビーズに付着したオリゴヌクレオチドを含有してよい。流体液滴はサンプルを更に含んでよい。流体液滴は更に、Kapa HiFi Uracil Plus、修飾ヌクレオチド、天然ヌクレオチド、ウラシル含有ヌクレオチド、dTTP、dUTP、dCTP、dGTP、dATP、DNAポリメラーゼ、Taqポリメラーゼ、変異プルーフリーディングポリメラーゼ、9°N(9 degrees North)、修飾(NEB)、エクソ(−)、エクソ(−)Pfu、Deep Ventエクソ(−)、Ventエクソ(−)、及びアシクロヌクレオチド(acyNTP)を挙げてよい、増幅反応に好適な試薬を含んでもよい。
【0168】
流体液滴内でビーズに結合したオリゴヌクレオチドを使用して、オリゴヌクレオチドがサンプル核酸に付着するようにサンプル核酸を増幅してよい。サンプル核酸は、例えば、全ゲノム、エクソーム、単位複製配列、標的化ゲノムセグメント(例えば遺伝子または遺伝子ファミリー)、細胞核酸、循環核酸等を含む、分析予定の実質的に任意の核酸を含んでよく、また、上記のとおり、DNA(gDNA、cDNA、mtDNA等を含む)、RNA(例えばmRNA、rRNA、全RNA等)を含んでよい。バーコード化のためのかかる核酸の調製は一般に、容易に入手可能な方法、例えば濃縮またはプルダウン法、単離法、増幅法等により達成されてよい。gDNA等の所望のサンプルを増幅するために、流体液滴内のオリゴヌクレオチドのランダムN量体配列を使用して所望の標的配列をプライミングし、標的配列の相補鎖として伸長してよい。場合によっては、本明細書の他の場所に記載されているように、プライミングの前に、オリゴヌクレオチドをビーズから液滴に分離してよい。これらのプライミング及び伸長プロセスに関して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、デジタルPCR、逆転写PCR、多重PCR、ネステッドPCR、オーバラップ伸長PCR、定量PCR、複数置換増幅(MDA)、またはリガーゼ連鎖反応(LCR)等の任意の好適なDNA増幅法を利用してよい。場合によっては、バーコードを含むある一定量のサンプル核酸を作製するまで、流体液滴内で増幅を行ってよい。場合によっては、増幅を約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20サイクル行ってよい。場合によっては、増幅を約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20サイクルまたはそれ以上行ってよい。場合によっては、増幅を約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20サイクル未満行ってよい。
【0169】
場合によっては、元のバーコードをサンプル核酸に加えた後で、分画を用いるか、または用いることなく、あるいは、更なる分画を生成するか、または生成することなく、サンプルインデックスをサンプル核酸に加えることができる。場合によっては、サンプルインデックスをバルクで加える。場合によっては、バーコードをサンプル核酸に加える前に、サンプルインデックスをサンプル核酸に加えてよい。場合によっては、サンプルインデックスのサンプル核酸への追加は、サンプルインデックスをサンプル核酸に加えるのと同時に、または平行して行ってよい。
【0170】
代替の態様において、追加の配列セグメントを、部分的なヘアピン構造の5’末端にライゲーションしてよく、ここで、かかる配列セグメントは、ヘアピン構造の非オーバーラップ部分に相補的ではない。部分的なヘアピン構造は、プライマー伸長条件に通した場合に、例えばオーバハング配列をほとんど、または全く有しない、完全な、あるいはほとんど完全なヘアピン構造を形成するまで、点線の矢印で示すように、それ自身のプライマーとして機能してよく、また、ヘアピン構造の5’配列を伸長させてよい。この完全なヘアピン構造は、非常に大きなデュプレックス安定性を有するため、より高い親和性プライマー(例えばLNA含有プライマー/プローブ)を用いる場合でさえも、ヘアピン構造を破壊して複製をプライミングする能力に、潜在的に悪影響を及ぼす。
【0171】
場合によっては、マイクロ流体デバイス(例えば、マイクロ流体チップ)は、サンプルインデックスを平行化するのに有用であり得る。かかるデバイスは、それぞれが、バーコード配列とサンプルインデックスを、該バーコード配列と該サンプルインデックスの両方を含むプライマーによりサンプルの核酸分子に加えることが可能な平行なモジュールを含んでよい。それぞれの平行なモジュールは、各モジュールで処理したサンプルが、異なるサンプルインデックス、及びバーコードのセットと会合するように、異なるサンプルインデックスを含むプライマーセットを含んでよい。例えば、8個のモジュールを有するマイクロ流体デバイスは、8個の異なるサンプルをサンプルインデックス化することが可能である。配列をサンプル核酸に付着させることによるバーコード化及びサンプルインデックス化に続いて、例えば連続増幅による、更なる配列(例えばR2、P7、他のバーコード配列)のバルク添加を用いて、本明細書の他の場所に記載されている、シーケンサーに通す準備が整った生成物を生成することができる。
【0172】
シーケンサーに通す準備が整った生成物は、配列リードを整理し、サンプル核酸用の配列を提供するために使用可能なバーコード配列を含んでよい。例えば、本明細書の他の場所に記載されているPHASE増幅、及び続いてバルク増幅を使用して、シーケンサーに通す準備が整った生成物を生成してよい。更に、バーコード配列は、既知のバーコード配列の特定のセットに属してよい。特定の配列決定リードが由来するサンプルの識別を、読取ったバーコード配列により達成可能となるように、バーコード配列のセットは特定のサンプルと会合してよい。各サンプルは既知のバーコード配列のセットと会合することができ、各バーコード配列のセットは、他のサンプルと会合する他のバーコードセット内のバーコード配列とオーバーラップしないバーコード配列を含む。したがって、バーコード配列の独自性、及び異なるセットのバーコード配列間における独自性を、多重化のために使用してよい。
【0173】
他の場合では、バーコード配列をサンプル核酸に加える前に、サンプルインデックスをサンプル核酸に加えてよい。例えば、得られる単位複製配列が、バーコード化の前にサンプルインデックス配列に付着するように、サンプル核酸をバルクで予め増幅してよい。例えば、サンプルインデックス配列がサンプル核酸に付着可能となるように、サンプルを、サンプルインデックス配列を含むプライマーで増幅してよい。場合によっては、プライマーは(例えばランダムN量体を含む)ランダムプライマーであってよく、増幅はランダムであってよい。次に、本明細書に記載するバーコード化法を含む任意の好適な方法を使用して、サンプルインデックスを含む、作製した単位複製配列をバーコード化することができる。
【0174】
サンプル核酸分子を、上記プライマーと混合して分画(例えばエマルションの液滴)に入れることができる。場合によっては、各分画は、複数のサンプル核酸分子(例えば、より個数の少ないより大きな核酸)を含むことができる。場合によっては、独自のサンプル核酸分子の1つのコピーが分画1つあたりに存在する。場合によっては、各分画は一般に、通常は分画間で異なるバーコード配列と共に、同一のバーコード配列とサンプルプライミング配列(例えば可変性ランダムN量体、標的化N量体)を含むプライマーを含むことができる。かかる場合、各分画(及びしたがって、分画内のサンプル核酸)は独自のバーコード配列と会合することができ、独自のバーコード配列を使用して、分画内で生成したバーコード化サンプル核酸に対する配列を測定することができる。
【0175】
場合によっては、バーコード化サンプル核酸の生成の際に、バーコード化サンプル核酸を個々の分画から分離してプールし、バルク増幅スキームに通して、下流のシーケンサーの準備が整った全ての生成物に共通の追加の配列(例えば、追加の配列決定プライマー結合部位、追加のシーケンサープライマー結合部位、追加のバーコード配列、サンプルインデックス配列)を加えることができる。分画がエマルションの液滴である場合、エマルションが破壊され得、バーコード化サンプル核酸がプールされる。例えば、本明細書に記載する連続増幅法を使用して、分離したバーコード化サンプル核酸にサンプルインデックスをバルクで加えることができる。サンプルインデックスをバルクで加える場合、同じサンプルから生成したそれぞれの、シーケンサーに通す準備が整った生成物は、シーケンサーに通す準備が整った生成物のリードが生成されたサンプルを識別するために使用可能な同じサンプルインデックスを含む。バーコード化の間にサンプルインデックスを加える場合、バーコード化のために使用する各プライマーは、同じサンプルから生成したそれぞれの、シーケンサーに通す準備が整った生成物が、同じサンプルインデックス配列を含むように、同一のサンプルインデックス配列を含んでよい。
【0176】
サンプル核酸を分画して、バーコード化した(または、バーコード化してサンプルインデックス化した)サンプル核酸を生成し、続いて(例えばサンプルインデックスを含む)追加の配列をバーコード化サンプル核酸に加えることを、各サンプルに対して異なるサンプルインデックスを使用して、各サンプルについて繰り返すことができる。場合によっては、マイクロ流体液滴生成器を使用して、サンプル核酸を分画してよい。場合によっては、マイクロ流体チップは、異なるサンプルがそれぞれの液滴生成器で処理され、並行したサンプルインデックス化を可能とするように複数の液滴生成器を含んでよい。それぞれの異なるサンプルインデックスにより、配列決定中の多重化を達成することができる。
【0177】
シーケンサーに通す準備が整ったオリゴヌクレオチドを生成する際に、続いてシーケンサーに通す準備が整ったオリゴヌクレオチドを、配列決定のために配列決定デバイスに供給することができる。したがって、例えば、配列決定デバイスに供給する配列全体は、配列決定デバイスに適合する1つ以上のアダプター(例えばP5、P7)、1つ以上のバーコード配列、1つ以上のプライマー結合部位(例えば、Read1(R1)配列プライマー、Read2(R2)配列決定プライマー、Indexプライマー)、N量体配列、ユニバーサル配列、対象の配列、及びこれらの組み合わせを含んでよい。バーコード配列は配列のいずれかの末端に位置してよい。場合によっては、バーコード配列はP5とRead1配列プライマー結合部位との間に位置してよい。他の場合では、バーコード配列はP7とRead2配列プライマー結合部位との間に位置してよい。場合によっては、第2のバーコード配列はP7とRead2配列プライマー結合部位との間に位置してよい。インデックス配列プライマー結合部位を配列決定デバイスで利用し、バーコード配列を測定してよい。
【0178】
シーケンサーデバイスに供給される配列の種々の成分(例えばアダプター、バーコード配列、サンプルインデックス配列、サンプル配列、プライマー結合部位等)の構成は、例えば、所望の特定の構成、及び/または配列の種々の成分が加えられる順番に応じて変化してよい。配列決定用の任意の好適な構成を使用してよく、任意の配列を任意の好適な順番でオリゴヌクレオチドに加えてよい。追加の配列を、サンプル核酸のバーコード化の前、間、及び後にサンプル核酸に加えてよい。例えば、バーコード化の間にP5配列をサンプル核酸に加えることができ、サンプル核酸のバーコード化の後のバルク増幅においてP7を加えることができる。あるいは、バーコード化の間にP7配列をサンプル核酸に加えることができ、サンプル核酸のバーコード化の後のバルク増幅においてP5配列を加えることができる。本明細書で実施例として示される例示的な構成は、限定を意図するものではない。更に、配列成分を増幅によりオリゴヌクレオチドに加えることもまた、限定を意図するものではない。例えばライゲーション等の他の方法もまた、使用してよい。更に、本明細書に記載するアダプター、バーコード配列、サンプルインデックス配列、プライマー結合部位、シーケンサーに通す準備が整った生成物等は、限定を意図するものではない。本明細書に記載する方法を使用して、シーケンサーに通す準備が整った生成物を含む、本明細書に記載する任意の種類のオリゴヌクレオチドを、任意の好適な種類の配列決定プラットフォーム(例えば、Illumina配列決定、Life Technologies Ion Torrent、Pacific Biosciences SMRT、Roche 454配列決定、Life Technologies SOLiD配列決定等)のために生成してよい。
【0179】
本明細書に記載する方法を使用して、特定の配列決定プラットフォームに好適な任意のアダプター配列を有する、シーケンサーに通す準備が整ったオリゴヌクレオチドを生成することができる。例えば、本明細書に記載する方法を使用して、Life Technologies Ion Torrent配列決定において有用な、1つ以上のバーコード配列、並びにP1及びAアダプター配列を含む、シーケンサーに通す準備が整ったオリゴヌクレオチドを生成してよい。一実施例において、ジスルフィド結合を介してP1配列に結合したアクリダイト部位を含むビーズ(例えばゲルビーズ)を生成してよい。P1配列、バーコード配列、及びランダムN量体配列を含むバーコード構築物を生成してよい。バーコード構築物を(例えば流体液滴等の分画内での)増幅反応に通し、サンプル核酸をバーコード化する。バーコード化単位複製配列を続いて、バルクでの更なる増幅に通し、A配列、及び所望の任意の他の配列(サンプルインデックス等)を加えてよい。あるいは、P1及びA配列は、Aがサンプルバーコード化の間に加えられ、P1がバルクで加えられるとなるように交換可能であってよい。次に、完全な配列をIon Torrenシーケンサーに入れることができる。他の配列決定プラットフォーム用の他のアダプター配列(例えば、Life Technologies SOLiD配列決定用のP1アダプター配列、Roche 454用のA及びBアダプター配列)を同様の方法で加えることができる。
【0180】
部分的なヘアピン分子の生成、及び、場合によっては完全なヘアピンの形成防止として本明細書では記載したものの、場合によっては、本明細書に記載するバーコード配列を含む完全なヘアピン断片を提供することが望ましい場合がある。特に、かかる完全なヘアピン分子を、単一のヘアピン分子の3’及び5’末端を、従来の配列決定ワークフローにおいて、二本鎖デュプレックス分子の一端として処理することにより、従来のサンプル調製工程に更に通してもよい。特に、従来のライゲーション工程を使用して、適切なアダプター配列を、デュプレックス分子の3’及び5’末端に結合するのと同じ方法で、ヘアピン分子の3’及び5’末端の両方に速やかに結合することができる。例えば、Illuminaベースの配列決定プロセスの場合、標準的なIlluminaプロトコールを使用して、P5及びP7アダプター、並びにR1及びR2プライマー配列を含む標準的なYアダプターを、あたかもデュプレックス分子の一端に存在していたかのようにヘアピンの一端に付着させることができる。
VII.デジタルプロセッサー
【0181】
本開示の方法、組成物、デバイス、及びキットを、任意の好適なプロセッサー、デジタルプロセッサーまたはコンピューターと共に使用してよい。デジタルプロセッサーを、例えば、デバイスの任意の構成部分を操作し、かつ/または本明細書に記載する方法を実行するようにプログラムしてよい。デジタルプロセッサーは、例えば、インターネット等のコンピューターネットワークを通して、及び/または遠隔コンピューターと通信することにより、電気信号を伝達または受信することが可能である。スクリーンディスプレイ、プリンター、メモリ、データストレージ、及び/または電子表示アダプター等の1つ以上の周辺装置をデジタルプロセッサーと接続してよい。キーボード、マウス、またはジョイスティック等の1つ以上の入力デバイスを、デジタルプロセッサーと接続してよい。デジタルプロセッサーはまた、所望の、もしくは別様においては所定の時点にて、または、前処理ユニットもしくは他のデバイスから受信したフィードバックから測定される時点にて、検出器が測定を実施するように、検出器と通信してよい。
【0182】
一実施例において、コントローラーは、制御アセンブリ用の中心ハブとして機能するコンピューターを含む。コンピューターはディスプレイ、1つ以上の入力デバイス(例えばマウス、キーボード、カメラ等)、及び所望によりプリンターと繋がっている。制御アセンブリは、コンピューターを介して、1つ以上のデバイス:所望によりサンプル前処理ユニット、1つ以上のサンプル処理ユニット(例えば配列、サーモサイクラー、またはマイクロ流体デバイス)、及び所望により検出器と繋がっている。制御アセンブリは例えば、イーサネット(登録商標)接続によりネットワーク化してよい。ユーザーは、入力デバイスを使用して、入力(例えば、所望のセットの核酸増幅反応に必要なパラメーター、またはマイクロ流体デバイスの流速)をコンピューターに行ってよい。コンピューターにより入力を判断し、指示を作成する。コンピューターはかかる指示を、実行のために、任意のサンプル前処理ユニット、1つ以上のサンプル処理ユニット、及び/または任意の検出器に伝える。
【0183】
更に、任意のサンプル前処理ユニット、1つ以上のサンプル処理ユニット、及び/または任意の検出器の操作の間、各デバイスはシグナルをコンピューターに伝え戻してもよい。かかるシグナルをコンピューターにより判断して使用し、デバイスのいずれかが更なる指示を必要とするか否かを判定する。コンピューターはまた、サンプルの成分が適切に混合され、所望の、または別様においては所定の速度にて、サンプル処理ユニット(マイクロ流体デバイス等)に供給されるように、サンプル前処理ユニットを調節してもよい。
【0184】
コンピューターはまた、所望の、もしくは別様において所定の時点において、または、前処理ユニットもしくはサンプル処理ユニットから受信したフィードバックから測定する時点において、検出器が測定を実施するように、検出器と繋がってもよい。検出器はまた、測定中に入手したローデータを、更なる分析及び判断のためにコンピューターに伝え戻してもよい。
【0185】
分析は、ディスプレイ、及び/またはプリンターにより作成した印刷物により、エンドユーザにとって有用なフォーマットにまとめてよい。サンプル前処理ユニット、サンプル処理ユニット、及び/もしくは検出器を制御するために使用する指示もしくはプログラム;本明細書記載の方法のいずれかを実行することにより得られるデータ;または分析及び/もしくは判断したデータを、ネットワーク(例えばインターネットとすることができる)を介して、1つ以上の遠隔コンピューターに伝達するか、またはこれらから受信してよい。
【0186】
いくつかの実施形態において、液滴生成器と繋がったデジタルプロセッサーを使用して、ビーズ形成の方法を実行してよい。デジタルプロセッサーは、液滴が形成される速度を制御してもよいし、または、生成する液滴の合計数を制御してもよい。いくつかの実施形態において、サンプルをバーコード化ビーズに付着させる方法は、マイクロ流体デバイスと繋がったデジタルプロセッサーを使用して実施してよい。具体的には、デジタルプロセッサーは、入力流路に注入されたサンプル及び/またはビーズの体積測定量を制御してよく、かつ、チャネル内の流速もまた制御してよい。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド、プライマー等の付着方法は、サーモサイクラー、または他のプログラム可能な発熱体と繋がったデジタルプロセッサーを使用して実行してよい。具体的には、デジタルプロセッサーは、ライゲーションまたは増幅の間の、サイクル時間及び温度を制御してよい。いくつかの実施形態において、サンプルの配列決定方法は、配列決定デバイスと繋がったデジタルプロセッサーを使用して実行してよい。
VIII.キット
【0187】
場合によっては、本開示は、マイクロ流体デバイス、複数のバーコード化ビーズ、及び、マイクロ流体デバイスを利用し、バーコード化ビーズを顧客のサンプルと混合してこれら両方を含有する流体液滴を作製するための指示を含むキットを提供する。本開示を通して明記するように、任意の好適なサンプルを流体液滴中に組み込んでよい。本開示を通して記載されているように、ビーズは分解可能、または分解不可能であるように設計されてよい。この場合、キットはビーズ分解用の還元剤を含んでも、含んでいなくてもよい。
【0188】
場合によっては、本開示は、複数のバーコード化ビーズ、(例えば、所望により1種以上のポリメラーゼ酵素を含む)好適な増幅試薬、ヌクレオシドトリホスフェートまたはそれらの類似体、プライマー配列、緩衝液等、及び、バーコード化ビーズを顧客のサンプルと混合するための指示を含むキットを提供する。本開示を通して明記するように、任意の好適なサンプルを使用してよい。本開示を通して明記するように、増幅試薬は、ウラシル含有鋳型を受け入れない、または処理しないポリメラーゼを含んでよい。本開示のキットは、油及び界面活性剤を含むエマルションを形成するための作用物質もまた提供してよい。
IX.用途
バーコード化サンプル材料
【0189】
本明細書に記載する方法、組成物及びシステムは、バーコード、及び特にバーコード核酸配列を、サンプル材料とこれらのサンプル材料の成分に付着させることに対して特に有用である。一般に、このことは、サンプル材料成分を、複数のバーコードが共に分画され、続いて同じ分画内のサンプル成分に付着する、個別の分画または反応容量に分画することにより達成される。
【0190】
例示的実施形態において、それぞれが共通の核酸バーコード配列を含む複数のオリゴヌクレオチド(例えば核酸バーコード分子)を含む第1の分画を提供する。第1の分画は、オリゴヌクレオチドが分離可能に付着、分離可能に結合、または分離可能に会合する種々の移動可能な分画、例えばビーズ(例えば分解可能なビーズ、ゲルビーズ)、液滴(例えばエマルション中の水性液滴)、マイクロカプセル等のいずれかを含んでよい。更に、本明細書の他の場所に記載する分画1つあたりのオリゴヌクレオチドの数を含む任意の好適な数のオリゴヌクレオチドを、第1の分画に含めてよい。例えば、オリゴヌクレオチドは、切断可能な結合、例えば化学的に切断可能な結合(例えばジスルフィド結合、もしくは、本明細書に記載する任意の他の種類の化学的に切断可能な結合)、光により切断可能な結合、及び/または熱により切断可能な結合等を介して、第1の分画と分離可能に付着、分離可能に結合、または分離可能に会合してよい。場合によっては、第1の分画はビーズであってよく、ビーズは分解可能なビーズ(例えば、光分解可能なビーズ、化学分解可能なビーズ、熱分解可能なビーズ、または本明細書の他の場所に記載した、任意の他の種類の分解可能なビーズ)であってよい。更にビーズは、本明細書の他の場所に記載されている化学的に切断可能な架橋(例えばジスルフィド架橋)を含んでよい。
【0191】
次に、第1の分画を、サンプル材料、サンプル材料成分、サンプル材料の断片、またはサンプル材料成分の断片を含む第2の分画に共に分画してよい。サンプル材料(またはその成分もしくは断片)は、本明細書の他の場所に記載する例示的なサンプルの種類を含む、任意の好適なサンプルの種類であってよい。サンプル材料、またはサンプル材料の成分が1つ以上の核酸断片を含む場合において、1つ以上の核酸断片は、例えば、本明細書の他の場所に記載する核酸断片の長さを含む任意の好適な長さであってよい。第2の分画としては、例えば、第1の分画が共に分画され得る、ウェル、マイクロウェル、ナノウェル、チューブもしくは容器、または好ましい場合において、液滴(例えばエマルション中の水性液滴)もしくはマイクロカプセルを含む、種々の分画のいずれかを挙げてよい。場合によっては、第1の分画を、第1の水性流体内に供給してよく、サンプル材料、サンプル材料成分、またはサンプル材料成分の断片を、第2の水性流体内に供給してよい。共分画の間に、第1の水性流体及び第2の水性流体を、不混和性流体内の液滴内で混合してよい。場合によっては、第2の分画は1つの第1の分画を含んでよい。他の場合では、第2の分画は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の第1の分画を含んでよい。他の場合では、第2の分画は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれ以上の第1の分画を含んでよい。
【0192】
共分画されると、バーコード配列を含むオリゴヌクレオチドを、(例えば第1の分画の分解、オリゴヌクレオチドと第1の分画との間の化学結合の切断、または、本明細書の他の場所に記載する種類の分離を含む、任意の他の好適な種類の分離により)第1の分画から第2の分画に分離し、共分画したサンプル成分に付着させてよい。場合によっては、第1の分画はビーズを含んでよく、ビーズの架橋はジスルフィド結合を含んでよい。それに加えて、または代わりに、オリゴヌクレオチドはジスルフィド結合を介してビーズに結合してよい。いずれかの場合において、第1の分画を還元剤(例えばDTT、TCEP、または本明細書の他の場所に記載する任意の他の例示的な還元剤)にさらすことにより、オリゴヌクレオチドを第1の分画から分離してよい。
【0193】
本明細書の他の場所に記載のとおり、バーコードをサンプル成分に付着させることは、バーコードオリゴヌクレオチドのサンプル材料への、例えばライゲーション、ハイブリダイゼーション、または他の会合による直接の付着を含む。更に、多くの場合、例えば、核酸サンプル材料(例えば鋳型核酸配列、鋳型核酸分子)、その成分または断片のバーコード化において、かかる付着は更に、プライミング配列もまた含むバーコード含有オリゴヌクレオチドの使用を含んでよい。プライミング配列は、核酸サンプル材料の少なくとも一部に相補的であることができ、また、核酸サンプル材料に沿って伸長し、かかるサンプル材料の相補鎖、及び、これらの配列またはその相補鎖の少なくとも部分的な増幅産物を作製することができる。
【0194】
別の例示的なプロセスにおいて、複数の異なる核酸バーコード配列を含む複数の第1の分画を提供することができる。第1の分画のそれぞれは、会合した同じ核酸バーコード配列を有する複数の核酸バーコード分子を含むことができる。本明細書の他の場所に記載する、分画1つあたりの核酸バーコード分子の数を含む任意の好適な数の核酸バーコード分子が、第1の分画のそれぞれと会合してよい。第1の分画は、例えば少なくとも約2、10、100、500、1000、5000、10000、50000、100000、500000、1000000、5000000、10000000、50000000、もしくは1000000000個、またはそれ以上の異なる核酸バーコード配列を含む、任意の好適な数の異なる核酸バーコード配列を含んでよい。
【0195】
場合によっては、複数の第1の分画は、複数の異なる第1の分画を含んでよく、異なる第1の分画のそれぞれは、異なるバーコード配列を含む、それぞれ異なる第1の分画と会合したオリゴヌクレオチドと共に、共通のバーコード配列を含む、分離可能に付着、分離可能に結合、または分離可能に会合した複数のオリゴヌクレオチドを含む。異なる第1の分画の数は例えば、少なくとも約2、10、100、500、1000、5000、10000、50000、100000、500000、1000000、5000000、10000000、50000000、もしくは1000000000個、またはそれ以上の異なる第1の分画であってよい。
【0196】
第1の分画を、サンプル材料、サンプル材料の断片、サンプル材料の成分、またはサンプル材料の成分の断片と共に、複数の第2の分画に共に分画してよい。場合によっては、第2の分画のサブセットは、同じ核酸バーコード配列を含んでよい。例えば、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれ以上の第2の分画が、同じ核酸バーコード配列を含んでよい。更に、第2の分画1つあたりにおける第1の分画の分布はまた、例えば、本明細書の他の場所に記載する占有率に応じて変化してよい。複数の第1の分画が複数の異なる第1の分画を含む場合において、それぞれの異なる第1の分画は個別の第2の分画の中に配置されてよい。
【0197】
共分画の後で、第1の分画と会合した核酸バーコード分子を複数の第2の分画に分離することができる。続いて、分離した核酸バーコード分子は、第2の分画内のサンプル材料、サンプル材料成分、サンプル材料の断片、またはサンプル材料成分の断片に付着することができる。バーコード化核酸種(例えば、バーコード化サンプル核酸、バーコード化鋳型核酸、1つ以上の鋳型核酸配列のバーコード化断片等)の場合、バーコード化核酸種は、本明細書の他の場所に記載されているように配列決定されてよい。
【0198】
別の例示的なプロセスにおいて、活性化可能な核酸バーコード配列を提供し、1つ以上のサンプル材料、サンプル材料の成分、サンプル材料の断片、またはサンプル材料の成分の断片と共に、第1の分画内に分画してよい。第1の分画を用いて、活性化可能な核酸バーコード配列を活性化し、活性核酸バーコード配列を作製してよい。続いて、活性核酸バーコード配列を、1つ以上のサンプル材料、サンプル材料の成分、サンプル材料の断片、またはサンプル材料の成分の断片に付着させることができる。
【0199】
場合によっては、活性化可能な核酸バーコード配列を、活性化可能な核酸バーコード配列と共に、第1の分画に分画された第2の分画に結合してよい。本明細書の他の場所に記載されているように、活性化可能な核酸バーコード配列は、活性化可能な核酸バーコード配列を会合した分画(例えばビーズ)から分離することにより活性化されてよい。したがって、活性化可能な核酸バーコード配列が、第1の分画(例えば流体液滴)内に分画された第2の分画(例えばビーズ)と会合する場合において、活性化可能な核酸バーコード配列は、活性化可能な核酸バーコード配列を会合した第2の分画から分離することにより活性化されてよい。それに加えて、または代わりに、活性化可能なバーコードを、活性化可能な核酸バーコード配列から除去可能なブロック基または保護基を除去することによってもまた活性化してよい。
【0200】
別の例示的なプロセスにおいて、核酸のサンプルをバーコード化ビーズ(本明細書の他の場所に記載する種類のビーズを含む)のライブラリーと混合し、混合物を形成してよい。場合によっては、バーコード配列に加えて、ビーズのバーコードは、それぞれが1つ以上の追加の配列、例えばユニバーサル配列及び/または機能性配列(例えば、本明細書の他の場所に記載されているランダムN量体または標的化N量体)を含んでよい。混合物は、少なくとも、最大で1個のバーコード化ビーズを含む分画のサブセットと共に、複数の分画内に分画されてよい。分画の中で、バーコードは、本明細書に記載する分離の種類を含む任意の好適な経路を使用してビーズから分離されてよい。バーコード化ビーズのライブラリーは、本明細書の他の場所に記載する方法及び組成物の使用を含む任意の好適な経路により作製してよい。場合によっては、核酸のサンプルを、本明細書の他の場所に記載されているバーコード化ビーズのライブラリー、及び/またはマイクロ流体デバイスを使用して分画した、得られた混合物と混合してよい。分離したバーコードがプライマー配列(例えば、本明細書の他の場所に記載されている標的化N量体、またはランダムN量体)もまた含む場合、バーコードのプライマー配列はサンプル核酸にハイブリダイゼーションし得、また、所望する場合、増幅反応は分画内で完了することができる。
ポリヌクレオチドの配列決定
【0201】
通常、本明細書において提供する方法及び組成物は、配列決定等の、後続用途のためのオリゴヌクレオチド断片の調製に対して有用である。特に、これらの方法、組成物及びシステムは、配列決定ライブラリーの作製に有用である。配列決定は、任意の利用可能な技術により実施してよい。例えば、配列決定は、従来のサンガー配列決定方法により実施してよい。配列決定方法としては、ハイスループット配列決定、パイロシーケンス法、ライゲーションによる配列決定、合成による配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定、RNA−Seq(Illumina)、デジタル遺伝子発現(Helicos)、次世代配列決定、合成による単一分子配列決定(SMSS)(Helicos)、大規模並列配列決定、クローンシングル分子アレイ(Solexa)、ショットガン配列決定、Maxim−Gilbert配列決定、プライマーウォーキング、及び当該技術分野において公知の任意の他の配列決定方法もまた挙げられる。
【0202】
例えば、複数の標的核酸配列を、複数の標的核酸配列を提供し、この標的核酸配列を複数の個別の分画に分離することにより配列決定してよい。個別の分画はそれぞれ、1つ以上の標的核酸配列、及び複数のオリゴヌクレオチドを含むことができる。個別の分画は、任意の好適な数の異なるバーコード配列(例えば、少なくとも1,000個の異なるバーコード配列、少なくとも10,000個の異なるバーコード配列、少なくとも100,000個の異なるバーコード配列、少なくとも1,000,000個の異なるバーコード配列、少なくとも10,000,000個の異なるバーコード配列、または本明細書の他の場所に記載されている任意の他の数の異なるバーコード配列)を含んでよい。更に、所与の分画内のオリゴヌクレオチドは、共通のバーコード配列を含むことができる。所与の分画内のオリゴヌクレオチド、及び会合した共通のバーコード配列は、所与の分画内の1つ以上の標的核酸の断片、または標的核酸配列の一部のコピーに付着することができる。付着させた後、個別の分画をプールすることができる。次に、標的核酸の断片、または標的核酸及び付着したバーコード配列の一部のコピーを配列決定することができる。
【0203】
別の実施例において、複数の標的核酸配列を、標的核酸配列を提供し、これらを複数の個別の分画に分離することにより配列決定してよい。複数の個別の分画のそれぞれの分画は、1つ以上の標的核酸配列、及び付着した複数のオリゴヌクレオチドを有するビーズを含むことができる。所与のビーズに付着したオリゴヌクレオチドは、共通のバーコード配列を含んでよい。ビーズと会合したオリゴヌクレオチドは、所与の分画の断片またはコピーが、ビーズと会合した共通のバーコード配列にもまた付着するように、所与の分画内の標的核酸配列の断片、または標的核酸配列の一部のコピーに付着することができる。オリゴヌクレオチドを標的核酸配列の断片、または標的核酸配列の一部のコピーに付着させた後、個別の分画をプールすることができる。次に、(例えば、本明細書の他の場所に記載するものを含む、任意の好適な配列決定方法を使用して)標的核酸配列の断片または標的核酸配列の一部のコピー、及び任意の付着したバーコード配列を配列決定し、バーコード化断片配列、またはバーコード化コピー配列を提供することができる。バーコード化断片配列またはバーコード化コピー配列を、部分的には、バーコード化断片配列またはバーコード化コピー配列のバーコード部分を基準にして、1つ以上の連続した核酸配列内にアセンブルすることができる。
【0204】
場合によっては、様々な数のバーコード化オリゴヌクレオチドを配列決定する。例えば、場合によっては、約30%〜90%のバーコード化オリゴヌクレオチドを配列決定する。場合によっては、約35%〜85%、40%〜80%、45%〜75%、55%〜65%、または50%〜60%のバーコード化オリゴヌクレオチドを配列決定する。場合によっては、少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%のバーコード化オリゴヌクレオチドを配列決定する。場合によっては、約30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%未満のバーコード化オリゴヌクレオチドを配列決定する。
【0205】
場合によっては、断片からの配列をアセンブルし、個々の配列リードよりも長い場合がある、元の標的ポリヌクレオチドの連続領域に関する配列情報を提供する。個々の配列リードは、約10〜50、50〜100、100〜200、200〜300、300〜400、またはそれ以上のヌクレオチド長であってよい。配列アセンブリ法としては、米国特許出願番号第14/752,773号(2014年6月26日出願)に記述されているものが挙げられる。
【0206】
バーコードの同一性は、個々の断片からの配列リードを整理し、また、ハプロタイプ間で区別をするように機能し得る。例えば、個々のサンプル断片とバーコード化ビーズを流体液滴内で混合する場合、親ポリヌクレオチド断片を異なる液滴内に分離してよい。液滴内で流体液滴とビーズの数が増加すると、同じビーズと会合した同じ流体液滴内に含有される、母系及び父系ハプロタイプの両方から生じる断片の可能性は、無視できるほどに小さくなり得る。したがって、同じ流体液滴内にあり、同じビーズと会合した断片からの配列リードをアセンブルし、整理してよい。
【0207】
少なくとも一実施例において、本開示は、配列アセンブリ及びリード長さの両方が等しい場合において、非常に高いスループット、及びサンプル調製時間の減少とコストの低下を伴いながら実施する、多くの利点を提供することにおいて有用な、核酸配列決定方法、システム、組成物、及びこれらの組み合わせを提供する。
【0208】
一般に、本明細書に記載する配列決定方法を、遺伝子配列の断片の局所タグ化またはバーコード化のために提供する。より大きな遺伝子配列内の同じ位置に由来する断片をタグ化することにより、タグまたはバーコードの存在を利用して、上で言及したアセンブリプロセスを知らせることができる。更に、本明細書記載の方法を使用して、単一の長い核酸分子からより短い断片を生成し、バーコード化することができる。これらのより短い断片の配列決定及びアセンブリは、低スループットの、より長いリード長さの配列決定技術を必要とすることなく、等価な長いリード配列をもたらす。
【0209】
前述の内容に従い、大型の遺伝子成分、例えば長い核酸断片(例えば1、10、20、40、50、75、100、1000kbまたはそれ以上の長さ)、染色体断片もしくは全染色体、またはゲノム(例えばゲノムDNA)の一部もしくは全体を、より小さい第1の断片に断片化する。通常、これらの断片は約1000〜約100000塩基長のいずれかであってよい。ある種の好ましい態様において、断片は約1kb〜約100kb、または約5kb〜約50kb、または約10kb〜約30kb、及び場合によっては約15kb〜約25kbである。これらのより大きな遺伝子成分の断片化は、市販されている剪断ベースの断片化システム(例えばCovaris断片化システム)、サイズ標的化断片化システム(例えばBlue Pippin(Sage Sciences))、酵素断片化プロセス(例えば制限エンドヌクレアーゼを使用するもの等)を含む、種々の便利かつ利用可能なプロセスのいずれかにより実施してよい。上記のとおり、より大きな遺伝子成分の第1の断片は、オーバーラップする、またはオーバーラップしない第1の断片を含んでよい。分画の前に断片化すると本明細書では記載したものの、断片化はプロセスの後、例えば、1回以上の増幅工程の後で所望により、かつ/または追加で実施して、配列決定用途の、所望のサイズの断片を得てよいことが理解されよう。
【0210】
好ましい態様において、第1の断片は、より大きな遺伝子成分またはその一部の複数のコピーから生成されるため、オーバーラップする第1の断片が作製される。好ましい態様において、オーバーラップする断片は、1Xを超えるカバレッジ、2Xを超えるカバレッジ、5Xを超えるカバレッジ、10Xを超えるカバレッジ、20Xを超えるカバレッジ、40Xを超えるカバレッジ、または、存在するより大きな遺伝子成分またはその一部のより大きなカバレッジを構成する。次に、第1の断片を異なる反応容量に分離する。場合によっては、第1の断片を分離して、反応容量が1つまたはそれ未満の第1の断片を含むようにしてよい。このことは通常、溶液を異なる反応容量に割り当てることで、所与の反応容量に2つ以上の断片が加わることが非常に低い確率となるように、断片を溶液中での限界希釈に通すことにより達成される。しかしほとんどの場合、所与の反応容量は、複数の異なる第1の断片を含んでよく、所与の反応容量内に2、5、10、100、100、あるいは最大10,000個またはそれ以上の異なる第1の断片を有することさえも可能である。ここでまた、個々の反応容量内で所望の範囲の断片数に達することは、通常は、出発物質中の核酸の濃度を理解することに基づいて、第1の断片が由来する溶液の適切な希釈により達成される。
【0211】
反応容量としては、種々の異なる種類の容器または分画のいずれかを挙げてもよい。例えば、反応体積としては、試験管、反応ウェル、マイクロウェル、ナノウェル等の従来の反応容器を挙げてもよく、または、これらには安定化したエマルション(例えば油中水型エマルション系)内の液滴等の、さほど一般的でない反応容量を挙げてもよい。好ましい態様において、非常に高いマルチプレックス能力、例えば、単一の容器内で何十万、数百万、何千万、あるいはそれ以上の個々の液滴/反応容量の使用可能にする能力のために、反応容量としては液滴が好ましい。各反応容量内において、中に含有される断片を次いで、共に、それぞれの第1の断片のオーバーラップする第2の断片のセットに由来し、かつ、バーコード配列が付着したこれらの第2の断片もまた提供する処理に通す。理解されるように、好ましい態様において、第1の断片を、第2の断片を生成しバーコード化するために使用したバーコードライブラリーのメンバーを含む、1つ以上のマイクロカプセルまたはビーズもまた含有する液滴の中に分画する。
【0212】
好ましい態様において、これらの第2の断片の生成は、バーコード配列を含み、第1の断片の一部をハイブリダイゼーションし、第1の断片に沿って伸長して、バーコード配列を含む第2の断片を提供することが可能なプライマー配列を導入することにより実施される。これらのプライマーは、例えば、第1の断片の特定の部分にオーバーラップする断片に由来する標的化プライマー配列を含んでよい。または、第1の断片の複数の異なる領域をプライミングし、第1の断片にまたがる大型かつ多様な第2の断片のセットを作製し、何倍ものオーバーラップカバレッジをもたらすユニバーサルプライミング配列(例えばランダムプライマー)を含んでよい。伸長したこれらのプライマー配列を第2の断片として使用してよいか、またはこれらを更に複製もしくは増幅してよい。例えば、バーコード化オリゴヌクレオチドを含有する同じプライマーを使うこと等により、伸長配列に対するプライミングを繰り返す。ある種の好ましい態様において、断片の第2のセットを生成することにより、本明細書の他の場所に記載されている、それぞれが(例えば本明細書に記載したPHASE増幅用の)バーコード配列を含む第1の断片の一部の部分的ヘアピン複製物を生成する。本明細書の他の場所に記載のとおり、部分的なヘアピンを形成することは、複製した鎖の再プライミング、例えば、コピーのコピーを作製することを防止することが通常所望される。そのために、部分的なヘアピンは通常、増幅産物にアニーリングするプライマーと比較して、アニーリング中の増幅産物から優先的に形成される(例えば、ヘアピンはプライマー産物のペアよりも高いTmを有する)。
【0213】
第2の断片は通常、後続の配列決定に好適な長さとなるように選択される。ショートリード配列決定技術に関して、かかる断片は通常、バーコード配列セグメント、及び配列決定プロセスに通される機能性配列を含む、約50塩基〜約1000塩基の配列決定可能な長さ、約50塩基〜約900塩基の配列決定可能な長さ、約50塩基〜約800塩基の配列決定可能な長さ、約50塩基〜約700塩基の配列決定可能な長さ、約50塩基〜約600塩基の配列決定可能な長さ、約50塩基〜約500塩基の配列決定可能な長さ、約50塩基〜約400塩基の配列決定可能な長さ、約50塩基〜約300塩基の配列決定可能な長さ、約50塩基〜約250塩基の配列決定可能な長さ、約50塩基〜約200塩基の配列決定可能な長さ、または約50塩基〜約100塩基の配列決定可能な長さであってよい。
【0214】
オーバーラップした、第2のバーコード化断片のセットが生成されると、後の処理、及び最終的には配列決定のために、これらはプールされてよい。例えば、場合によっては、バーコード化断片を続いて、本明細書の他の場所に記載されている追加の増幅(例えばPCR増幅)に通してよい。同様に、これらの断片は追加で、または同時に、サンプルインデックス配列と共に提供され、バーコード化断片の集合体が由来するサンプルを識別してよく、加えて、配列決定プロセスで使用する追加の機能性配列を提供する。
【0215】
加えて、例えば、他の不純物から核酸成分を精製する除去工程もまた所望により実施し、配列決定用の断片セットの寸法を選択する等、してよい。かかる除去工程としては、SPRIビーズ(Beckman Coulter,Inc.から入手可能なAmpure(登録商標)ビーズ等)による精製及び/またはサイズ選択を挙げてもよい。場合によっては、複数の処理工程を一体化したプロセスで実施してよい一方、断片は例えば、Fisher et al.,Genome Biol.2011:12(1):R1(E−pub Jan 4,2011)(あらゆる目的のため、その全体が本明細書に参照として組み込まれる)に記載されているSPRIビーズと会合している。
【0216】
前述したように、多くの場合、ショートリード配列決定技術を使用して、第2の断片セットに関する配列情報を提供してよい。したがって、好ましい態様において、第2の断片セットは通常、バーコード配列を含めるときに、使用する配列決定システムのリード長さ内の断片を含む。例えば、Illumina HiSeq(登録商標)配列決定に関して、対形成した末端の配列決定を行う場合、かかる断片は通常、約100塩基〜約200塩基長であってよい。場合によっては、配列決定プロセスにより断片の末端部分のみにアクセスする場合に、より長い第2の断片を配列決定してよい。
【0217】
理解されるように、短い配列データに基づくにも関わらず、特に、かかる配列が別様において、例えば、共通のバーコードを有する他のオーバーラップ配列を使用して、連続配列セグメント内にアセンブリ可能である場合に、同じバーコードを共有している2つの配列は、より長い同じ第1の断片に由来する可能性が高いことを推定することができる。第1の断片がアセンブリすると、これらの断片はより大きな配列セグメント、例えば完全長遺伝子成分内にアセンブリし得る。
【0218】
1つの例示的プロセスでは、1つ以上の鋳型核酸配列の1つ以上の断片を、本明細書に記載する方法を使用してバーコード化してよい。1つ以上の断片のうちの1つの断片を、少なくとも部分的にはその断片に付着した核酸バーコード配列に基づいて特性決定してよい。断片の特性決定としては更に、断片を、対応する鋳型核酸配列、または鋳型核酸配列が由来するゲノムにマッピングすることも挙げられる。更に、特性決定としては更に、個々の核酸バーコード配列、及びその配列に結合した鋳型核酸配列の断片の配列の識別も挙げられる。
【0219】
場合によっては、本明細書に記載する配列決定方法は、核酸断片または標的核酸の特性決定において有用であり得る。いくつかの例示的な方法において、核酸セグメントと、共通の核酸バーコード配列を含む複数のオリゴヌクレオチドを含む(例えば本明細書に記載する任意の好適な種類のビーズを含む)ビーズを、(例えば液滴等の、本明細書に記載する任意の好適な種類の分画を含む)分画に共に分画することにより核酸セグメントを特性決定してよい。オリゴヌクレオチドは分離可能に、本明細書の他の場所に記載されている(例えば、ビーズに刺激(例えば熱刺激、光刺激及び化学的刺激)を加えることでビーズから分離可能な)ビーズに付着してよく、かつ/または、1つ以上の機能性配列(例えば、本明細書の他の場所に記載するプライマー配列、プライマーアニーリング配列、固定化配列、任意の他の好適な機能性配列等)及び/もしくは本明細書の他の場所に記載する1つ以上の配列決定プライマー配列を含んでよい。更に、本明細書の他の場所に記載するビーズに付着したオリゴヌクレオチドの数を含む任意の好適な数のオリゴヌクレオチドをビーズに付着させてよい。
【0220】
分画の中で、オリゴヌクレオチドは、断片またはコピーが共通の核酸バーコード配列にも付着するように、核酸セグメントの断片、または核酸セグメントの一部のコピーに付着してよい。断片は、核酸セグメントのオーバーラップ断片であってよく、また、例えば2Xを超えるカバレッジ、5Xを超えるカバレッジ、10Xを超えるカバレッジ、20Xを超えるカバレッジ、40Xを超えるカバレッジ、またはより大きなカバレッジの核酸セグメントを提供してよい。場合によっては、オリゴヌクレオチドは、核酸セグメントまたはその相補鎖の一部とアニーリング可能なプライマー配列を含んでよい。場合によっては、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドのプライマー配列を伸長して、核酸セグメントまたはその相補鎖の少なくとも一部を複製し、オリゴヌクレオチド、及びしたがって共通の核酸バーコード配列を含む核酸セグメントの少なくとも一部のコピーを作製することにより付着してよい。
【0221】
オリゴヌクレオチドを核酸セグメントの断片、または核酸セグメントの一部のコピーに付着させた後、核酸セグメントの断片または核酸セグメントの一部のコピー、及び付着した(オリゴヌクレオチドのバーコード配列を含む)オリゴヌクレオチドを、本明細書に記載する任意の種類の配列決定方法を含む、任意の好適な配列決定方法により配列決定し、複数のバーコード化断片配列またはバーコード化コピー配列を提供してよい。配列決定に続いて、核酸セグメントの断片、または核酸セグメントの一部のコピーを、少なくとも部分的には、共通の核酸バーコード配列への付着の際に、核酸セグメント内で結合していると特性決定することができる。理解されるように、かかる特性決定には、結合して連続していると特性決定された配列、及び、同じ断片内で結合し得るが、連続配列とは特性決定されない配列を含んでよい。更に、配列決定の間に生成したバーコード化断片配列またはバーコード化コピー配列を、少なくとも部分的には、共通の核酸バーコード配列、及び/またはバーコード化断片配列もしくはバーコード化コピー配列の非バーコード部分に基づいて、1つ以上の連続核酸配列内にアセンブルすることができる。
【0222】
場合によっては、複数の核酸セグメント(例えば、本明細書の他の場所に記載されているゲノムの少なくとも一部の断片)を、個別の分画の複数の異なる分画の各分画が単一のビーズを含有するように、複数の個別の分画内の複数の異なるビーズと共に分画してよい。複数の異なるビーズは、複数の異なるバーコード配列(例えば、少なくとも1,000個の異なるバーコード配列、少なくとも10,000個の異なるバーコード配列、少なくとも100,000個の異なるバーコード配列、少なくとも1,000,000個の異なるバーコード配列、または本明細書の他の場所に記載されている任意の他の数の異なるバーコード配列)を含んでよい。場合によっては、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上の複数の個別の分画は、同じバーコード配列を含むビーズを含んでよい。場合によっては、個別の分画の少なくとも0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%が、同じバーコード配列を有するビーズを含んでよい。更に、各ビーズは、共通の核酸バーコード配列を含む、付着した複数のオリゴヌクレオチドを含んでよい。
【0223】
共分画の後で、バーコード配列を、各分画内の核酸セグメントの断片、または核酸セグメントの一部のコピーに付着させることができる。次に、核酸セグメントの断片、または核酸セグメントの一部のコピーを個別に分画からプールすることができる。プールした後、核酸セグメントの断片または核酸セグメントの一部のコピー、及び会合した任意のバーコード配列を(例えば、本明細書に記載するものを含む任意の好適な配列決定方法を使用して)配列決定し、配列決定した断片、または配列決定したコピーを提供することができる。配列決定した断片、または配列決定したコピーを、少なくとも部分的には、共通のバーコード配列を含む配列決定した断片、または配列決定したコピーに基づいて、共通の核酸セグメントに由来すると特性決定することができる。更に、配列決定した断片、または配列決定したコピーから入手した配列をアセンブルし、配列決定した断片、または配列決定したコピーが由来する配列の連続配列(例えば、ゲノムの少なくとも一部)を提供してよい。配列決定した断片、または配列決定したコピーからの配列アセンブリを、少なくとも部分的には配列決定した断片のヌクレオチド配列、及び配列決定した断片の共通のバーコード配列のそれぞれに基づいて完了してよい。
【0224】
他の例示的方法において、標的核酸の断片を複数の液滴内に分画することにより標的核酸を特性決定してよい。各液滴は、共通のバーコード配列を含む複数のオリゴヌクレオチドに付着したビーズを含むことができる。共通のバーコード配列は、液滴内の標的核酸の断片の断片に付着することができる。次に、液滴をプールし、本明細書に記載する配列決定方法を含む任意の好適な配列決定方法を使用して、プールした液滴の断片、及び会合したバーコード配列を配列決定することができる。配列決定に続いて、標的核酸の断片の断片を、少なくとも部分的には共通のバーコード配列を含む標的核酸の断片の断片に基づいて、標的核酸の断片にマッピングしてよい。
【0225】
配列決定における、本明細書に記載する方法、組成物及びシステムの用途は通常、Illumina MiSeq、HiSeq及びX10配列決定システム等のNGS配列決定技術、及び、Ion Torrentの種類の配列決定システム等の、Life Technologies,Inc.から入手可能な配列決定システムを含む種々の異なる配列決定技術のいずれかに適用可能であってよい。バーコード配列の点から論じているものの、配列決定したバーコード配列は、例えば配列決定エラーの計算に含まれるバーコード配列全体を含まなくてもよいことが理解されよう。そのために、同じバーコード配列である2つのバーコード配列の特性決定を指す場合、このことは、例えば5、4、3、2、あるいは1個未満の塩基で変化する、バーコード配列の実質的な部分を認識することに基づいてよいことが理解されよう。
少数の細胞からの配列決定
【0226】
本明細書において提供する方法を使用して、細胞特異的な情報を入手することを可能にするような方法で、細胞内に含有されるポリヌクレオチドもまた調製してよい。この方法は、非常に少ないサンプル、例えば約10〜100個の細胞を含むサンプル等からの遺伝子のバリエーションの検出を可能にする。場合によっては、約1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100個の細胞を、本明細書に記載する方法において使用してよい。場合によっては、少なくとも約1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100個の細胞を、本明細書に記載する方法において使用してよい。他の場合では、最大で約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100個の細胞を、本明細書に記載する方法において使用してよい。
【0227】
一実施例において、一方法は、最大で1個の細胞(または1個の細胞の抽出物)が分画(例えば流体液滴)内に存在し、例えば前述のとおりに、バーコードオリゴヌクレオチドと共に分画されるように、細胞サンプル(または粗細胞抽出物)を分画することを含んでよい。次いで、処理は、細胞を溶解することと、細胞内に含有されるポリヌクレオチドを断片化することと、断片化したポリヌクレオチドをバーコード化ビーズに付着させることと、バーコード化ビーズをプールすることと、及び、得られるバーコード核酸断片を配列決定することと、を伴う。
【0228】
本明細書の他の場所に記載されているように、バーコード及び他の試薬を、ビーズ(例えばゲルビーズ)内に封入するか、ビーズにコーティングするか、ビーズと会合させるか、またはビーズ内に分散させてよい。各細胞が異なるビーズと接触するように、ビーズをサンプル(例えば細胞)の装入と同時に流体液滴内に装入してよい。この技術を使用して、独自のバーコードを、各細胞から入手したオリゴヌクレオチドに付着させてよい。次に、得られるタグ化オリゴヌクレオチドをプール及び配列決定してよく、また、バーコードを使用して、オリゴヌクレオチドの由来を追跡してよい。例えば、同一のバーコードを有するオリゴヌクレオチドを、同じ細胞に由来すると判定してよい一方で、異なるバーコードを有するオリゴヌクレオチドを、異なる細胞に由来すると判定してよい。
【0229】
本明細書記載の方法を使用して、癌等の病気の存在を示し得る特異的遺伝子変異を検出してよい。例えば、結腸組織サンプルのBRAF遺伝子内でV600変異の存在を検出することは、大腸癌の存在を示し得る。他の場合では、予後用途としては、特定の病気を進行させる、増加した危険因子として機能し得る1つまたは複数の特異的遺伝子における変異の検出を挙げてもよい。例えば、哺乳類組織サンプルにおけるBRCA1変異の存在を検出することにより、この変異を有しないヒトよりも、より高いレベルで乳癌が進行するリスクを示し得る。いくつかの実施例では、本開示は、2つの異なる癌遺伝子(例えばKRAS及びEGRF)における変異を識別する方法を提供する。同じ細胞が両方の変異を有する遺伝子を含む場合、このことは、癌のより強力な形態を示し得る。対照的に、変異が2つの異なる細胞内に位置する場合、このことは、癌がより良性であり得る、またはさほど進行し得ないことを示し得る。
遺伝子発現の分析
【0230】
本開示の方法は、遺伝子発現における変化の検出のためにサンプルを処理することに適用可能であり得る。サンプルは、細胞、mRNA、またはmRNAから逆転写したcDNAを含んでよい。サンプルは、いくつかの異なる細胞または組織からの抽出物を含むプールしたサンプル、または、単一細胞もしくは組織からの抽出物を含むサンプルであってよい。
【0231】
細胞を、流体液滴内に直接配置して溶解してよい。溶解後、本開示の方法を使用して、配列決定のために細胞のオリゴヌクレオチドを断片化し、バーコード化してよい。オリゴヌクレオチドはまた、本開示の方法で使用する流体液滴内にオリゴヌクレオチドを導入する前に、細胞から抽出してよい。mRNAの逆転写を、本明細書に記載する流体液滴内で、またはかかる流体液滴の外で実施してよい。cDNAの配列決定により、時間の経過による、または、特定の状態にさらした後の、特定の細胞における特定の転写物の豊富な量の指標を提供してよい。
細胞またはタンパク質からの、ポリヌクレオチドの分画
【0232】
一実施例において、本開示で提供する組成物、方法、デバイス及びキットを使用して、細胞またはタンパク質を流体液滴内に封入してよい。一実施例において、単一の細胞、または複数の細胞(例えば、2、10、50、100、1000、10000、25000、50000、10000、50000、1000000個、またはそれ以上の細胞)を、流体液滴内の細胞溶解緩衝液と共に、ビーズ上に、ビーズ内に、またはビーズ内で装入し、特定の期間インキュベーションしてよい。ビーズは多孔質であり、1つ以上の細胞(例えば染色体)のポリヌクレオチドを流体液滴内に維持しながら、ビーズの内容物の洗浄、及びビーズ内への試薬の導入を可能にしてよい。次に、封入した1つ以上の細胞(例えば染色体)のポリヌクレオチドを、本開示で提供した、または当該技術分野において公知の方法のいずれかにしたがって処理してよい。本方法は、タンパク質等の任意の他の細胞成分にもまた適用可能である。
エピジェネティック用途
【0233】
本開示の組成物、方法、デバイス、及びキットは、エピジェネティック用途において有用である。例えば、DNAのメチル化は、一塩基多型(SNP)を含むエピジェネティックな遺伝的特性の指標であることができる。そこで、配列決定の間にメチル化した塩基を測定するために、核酸を含むサンプルを処理してよい。場合によっては、バーコード化される核酸を含むサンプルを2つのアリコートに分けてよい。非メチル化シトシン含有ヌクレオチドをウラシル含有ヌクレオチドに転換するために、サンプルの一方のアリコートを、亜硫酸水素塩で処理してよい。場合によっては、亜硫酸水素塩処理はサンプルの分画の前に行うことができるか、またはサンプルの分画の後で行ってよい。次に、各アリコートを(既に分画されていない場合は)分画し、分画内でバーコード化し、更なる配列を本明細書に記載のようにバルクで加えて、シーケンサーに通す準備が整った生成物を生成してよい。各アリコート(例えば、亜硫酸水素塩で処理したサンプルと未処理のサンプル)から入手した配列決定データの比較を使用して、サンプル核酸内のどの塩基がメチル化されたのかを測定することができる。
【0234】
場合によっては、分けたサンプルの一方のアリコートを、メチル化感受性制限酵素(MSRE)で処理してよい。メチル化特異的酵素は、サンプル核酸をメチル化部位として切断するようにサンプル核酸を処理することができる。サンプルアリコートの処理は、サンプルの分画の前に行うことができるか、またはサンプルの分画の後に行ってよく、各アリコートを分画して、バーコード化した、シーケンサーに通す準備が整った生成物を生成してよい。各アリコート(例えば、MSREで処理したサンプルと、未処理のサンプル)から入手した配列決定データの比較を使用して、サンプル核酸内のどの塩基がメチル化されたのかを測定することができる。
少ない入力DNAの用途
【0235】
本明細書に記載する組成物及び方法は、少ないポリヌクレオチド入力用途の分析及び配列決定に有用であり得る。PHASE等の本明細書に記載する方法は、少ないポリヌクレオチド入力用途において良好なデータの質を入手すること、及び/または増幅エラーを取り除くことにおいて役立ち得る。これらの少ない入力DNA用途としては、対象の配列が少数の成分のみである無関係、またはさほど関係のない核酸の混合物中において、対象の特定の核酸配列を配列決定して識別することにより、異なる核酸の凝集体の中に存在する複数の異なる核酸を個別に配列決定及び識別することができるサンプルの分析、並びに、入力DNAの絶対量が非常に少ない分析が挙げられる。具体例としては、組織サンプル、または血液循環細胞からの体細胞突然変異の配列決定及び識別が挙げられ、ここでは、圧倒的多数のサンプルは通常の健康な細胞からもたらされるが、ごく少数のサンプルは腫瘍、または他の癌細胞に由来し得る。他の例としては、例えばマイクロバイオーム分析用途における、複数の個々の母集団成分の特性決定が挙げられ、ここでは、個々の母集団のメンバーの寄与要因は、別様においては、微生物要素の大型かつ多様な母集団内で速やかに識別されない場合がある。更なる例において、異なる染色体(例えば、母系及び父系染色体)の同じ領域における異なる鎖を個別に配列決定して識別することができることにより、各染色体における独自の変異体の識別が可能となる。本明細書に記載する組成物、方法及びシステムの、少ないポリヌクレオチド入力用途としての更なる例は、米国特許仮出願番号第62/017,580号(2014年6月26日出願)に記載されている。
【0236】
本明細書に記載する方法及びシステムの利点は、現況技術が直面する問題を論じる際に、一層明確になる。サンプル材料(例えば細胞または組織サンプル)の遺伝子構造の分析において、大部分の配列決定技術は、配列決定プロセス用の十分な材料を作製するために、サンプル内の標的核酸の広範な増幅に依存する。残念なことに、これらの増幅プロセスの間では、存在する材料の大多数が、少量で存在するサンプルの部分に対して優先的に圧倒する。例えば、サンプルからの遺伝物質が、95%の通常の組織DNA、及び5%の腫瘍細胞のDNAからなる場合、典型的な増幅プロセス(例えばPCRベースの増幅)は、存在する大多数の物質を速やかに増幅して、存在する少数の物質を排除する。更に、これらの増幅反応は通常、プールした環境にて実施されるため、特定の染色体、ポリヌクレオチドまたは生命体の観点において、増幅した配列の由来物は通常、プロセス中で保存されない。
【0237】
対照的に、本明細書に記載する方法及びシステムは、個々、または少数の核酸を個別の反応容量、例えば液滴に分画し、この中でこれらの核酸成分は最初に増幅されてよい。この最初の増幅の間に、独自識別子が、これらの個別の反応容量となっている成分に結合してよい。異なる成分を個別に分画して増幅すること、及び、独自識別子(例えばバーコード配列)の活用により、後での増幅プロセス(例えばPCR増幅)を含む配列決定プロセスによる、各サンプル成分の寄与要因、及びその由来の属性の保存が可能となる。
【0238】
本明細書、及び本開示を通して使用する用語「約」は通常、特定の使用法の状況において述べた数値の15%超、または15%未満であり得る範囲を意味する。例えば、「約10」は、8.5〜11.5の範囲を含む。
【0239】
理解されるように、本開示は、本明細書に記載する種々の用途、使用、及び目的を含む特定の使用または目的のための、本明細書に記載する組成物、ライブラリー、方法、デバイス、及びキットのいずれかの使用を提供する。例えば、本開示は、種の分画、オリゴヌクレオチドの分画、分画からの種の刺激選択的な分離、分画内での反応(例えばライゲーション及び増幅反応)の実施、核酸合成反応の実施、核酸のバーコード化、配列決定のためのポリヌクレオチドの調製、ポリヌクレオチドの配列決定、ポリヌクレオチドフェージング(例えば米国特許仮出願番号第62/017,808号(2014年6月26日出願)を参照)、少数の細胞からのポリヌクレオチドの配列決定、遺伝子発現の分析、細胞からのポリヌクレオチドの分画、変異の検出、神経性障害の診断、糖尿病の診断、胎児の異数性の診断、癌変異の検出及び法医学、病気の検出、医学的診断、血液循環腫瘍細胞(CTC)の配列決定等の少ない入力核酸用途、これらの組み合わせ、における、本明細書に記載する組成物、方法、ライブラリー、デバイス、及びキットの使用、並びに、本明細書に記載する任意の他の用途、方法、プロセスまたは使用を提供する。
【0240】
本明細書において提供する任意の濃度の値を、任意のin situ転換、修飾、反応、分画等に関係なく、混合物の濃度の値として提供する。更に、適切な場合、本明細書に記載する方法(例えば配列決定方法、バーコード化法、増幅法、標的化増幅法、バーコード化サンプルの分析方法等)の感受性及び/または特異性は変化し得る。例えば、本明細書に記載する方法は、50%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%を超える特異性、及び/または50%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%を超える感受性を有してよい。
追加の配列決定アプローチ
【0241】
多種多様の異なる配列決定技術は、バイオテクノロジー、製薬調査、医学的診断、農業、基礎研究、食品安全等を含む広範にわたる業界にまたがり実施される。これらの技術としては、区別可能な標識を有する4つの異なるヌクレオチドが末端にある鋳型核酸の入れ子構造の断片が、サイズにより分離され、区別可能な標識により末端ヌクレオチドと識別される、より歴史のあるサンガー配列決定方法が挙げられる。
【0242】
配列決定方法としては更に、より最近の「合成による配列決定」、すなわちSBSも挙げられ、この方法では、鋳型依存性のポリメラーゼによる伸長反応に特異的ヌクレオチドを繰り返し加えることが識別され、これを使用して、鋳型核酸の下に存在する配列を提供する。これらのSBSプロセスは通常、(1)例えばIllumina HiSeq、MiSeq、及びNextSeq配列決定システム、並びに、Thermo Fisherから入手可能なIon Torrent Proton及びPGMシステムで用いられるショートリード配列決定技術、並びに(2)Pacific Biosciencesから入手可能な単一分子、リアルタイム、またはSMRT(登録商標)配列決定システム等の、ロングリード配列決定技術に分けられる。
【0243】
ショートリード技術では通常、集合アプローチを利用し、ここでは、段階的に加えた塩基を識別するために、基質上に整理した同一の核酸鋳型分子のパッチまたはクラスターが、ヌクレオチド付加の個別のサイクルにおいて観察または検出される。それぞれが異なる分子を表す多数のクラスターを提供することにより、配列決定を行う間に、多数の異なる核酸断片を配列決定することができる。更に、所与のクラスター(即ち、何十万個もの分子を有する)内の全ての分子に加えた、識別した塩基の共通性に依存することにより、伸長反応における任意の少量の不正確性(例えば、正しくない塩基の組み込み)は、正しい塩基を加えることにより克服され、配列リードについて非常に高い正確性がもたらされる。しかし、伸長反応における本来的な非効率性のために、任意の所与のクラスター内における種々の鋳型分子の伸長は、時間の経過と共に、互いにフェーズの外に進む可能性があり、集合アプローチにおいてさえも、数百個のリード長さの塩基の後に正確に塩基を呼び出すことは不可能となる。
【0244】
対照的に、ロングリードの単一分子SBS法(SMRT配列決定等)は、単一の核酸分子内の個別の塩基を検出する。鋳型が単一のDNAポリメラーゼ酵素により複製されるため、SMRT配列決定は例えば、鋳型分子の複製における、個々の塩基の組み込みの観察に依存し、ここで、塩基を複製鎖に連続して加えることは、特別な光学検出技術、及びフルオロフォア標識したヌクレオチドを使用して観察可能である。単一の長い核酸鋳型分子の複製を観察することにより、非常に長いリード長さ(例えば、数万塩基のオーダー)を入手することができる。しかし、これらの技術では単一の核酸分子の複製を観察するため、ポリメラーゼ反応において発生したあらゆる失敗が観察され、検知されたリードに組み込まれる。更に、配列情報の区別がつかなくなることを避けるために、例えばプルーフリーディング能力を有する、非常に正確なポリメラーゼは使用しない。これにより、わずか85%オーダーのベースコールにおいて、1回のパスの正確性が正しくなる。1回のパスの正確性におけるこの欠点への対策には、環状分子周辺の1つのポリメラーゼによる複数回のパスが行われ得、集合アプローチを模倣して正確性を向上させる、例えば、配列の同じ分子における複数回の配列決定パスにより、その配列に対してより高いコンセンサス正確性をもたらすように、環状構造の鋳型分子を用いる。
【0245】
更に他のアプローチにおいて、分子自身が検出ゾーン(例えばナノポア配列決定システム内)を通過するため、個々の鋳型分子を直接読み出してよい。再び、これらのシステムは原則的な実験の証明において説明しているが、これらは通常市販されておらず、一般的には不正確であり、ノイズを含むデータを作成する傾向にある。
【0246】
これらの配列決定技術の大部分に関して、使用する配列決定システムで配列決定可能なフォーマットの鋳型核酸を提供するために、実際の配列決定プロセスの最初に取られる大切な工程が存在する。これらには、核酸を精製して、サンプル内の他の物質から配列決定して取り除く、(例えば核酸を細胞または組織から抽出し、汚染タンパク質、酵素及び他の細胞破片を精製して取り除く)従来のプロセス工程、並びに、配列決定を可能にするために、プライマー配列、アダプター配列、ヘアピン配列及び識別子配列(例えばオリゴヌクレオチドバーコードまたはサンプルインデックスオリゴヌクレオチド)等の操作可能な成分を核酸に組み込む工程が伴う。多数の異なるプロセス工程を、核酸分子の配列決定可能なライブラリー(本明細書では「配列決定ライブラリー」とも称される)を作製するために開発されており、これらの多くは、使用する配列決定システムに大いに依存している。
追加のバーコード化ライブラリー
【0247】
一実施例において、分画及びバーコード化プロセスを使用して、ロングリード配列決定プロセスを必要とすることなく、長い範囲の配列情報を鋳型核酸から誘導する。簡単に言うと、サンプル(例えば細胞または組織)からの核酸の長い断片を、水:油エマルション中の個別の水性液滴の中に分画する。バーコード化プライマー配列の母集団を有するビーズを、サンプル断片、重合反応成分(例えばポリメラーゼ酵素)、ヌクレオシドトリホスフェート、Mg
2+等と共にこれらの液滴の中に分画する。バーコード化プライマーをビーズから分離し、鋳型核酸の一部に沿ってプライミングし、鋳型の複製断片を作製する。その結果、各分画または液滴は、元の出発断片の複製断片を含むことができるが、この場合、各断片は所与の液滴の中に分画された単一のビーズに起因するバーコード配列を含む。これらの複製断片を続いて更に処理し(例えば、追加の機能性配列(増幅プライマー等)、他のシーケンサー特異的配列(例えばフローセル付着配列)、配列決定プライマー配列等を付着させ)、かつ、配列決定プロセスで断片を入れるために、断片の数を増幅させる。
【0248】
次いで、複製したバーコード化断片の配列決定により、バーコード配列もまた含む短い配列リードが得られる。次に、このバーコード配列を配列情報と共に使用して、会合する断片配列を元の出発断片に帰属させることにより、(例えば元の長い断片に関する)長い範囲の配列情報をショートリード配列からもたらすことができる。複製断片が元の断片全体に確実にまたがるようにすることで、複数回でも、配列を、元の断片の事実上のロングリードの中に速やかにアセンブルすることができる。更に、完全に新規の配列決定に用いる完全な複数倍のカバレッジを有しない場合であっても、異なる短い配列に共通のバーコードが存在することにより、2つの異なる短い配列間での、より長い範囲の結合を推定することが可能となり、例えば、ゲノムマッピング、構造的変異体の検出、相化変異体の識別(例えば、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に参照として組み込まれる米国特許出願番号第62/072,214号(2014年10月29日出願)を参照)における、ショートリード配列のみ、及び、他の貴重な、長い範囲の配列結合情報に対して多くの利点をもたらす。これらの方法、及びその用途は例えば、同時係属の米国特許出願番号第14/316,383号(2014年6月26日出願)、同第62/017,808号(2014年6月26日出願)、同62/072,214号(2014年10月29日出願)、同第62/072,164号(2014年10月29日出願)、及び同第62/017,558号(2014年6月26日出願)に詳細に論じられており、これらの開示全てはそれぞれ、あらゆる目的のため参考としてそれら全体が本明細書に組み込まれている。
追加の断片化及びバーコード化
【0249】
本明細書に記載されるように、サンプル核酸からの改善された配列決定ライブラリーを作製するための方法及びシステムを提供する。改善された配列決定ライブラリーは、より均一なカバレッジ、より低い配列のエラー率、元の配列のより高い増幅率、及びより低いキメラの生成率の1つ以上をもたらす。
【0250】
上記のとおり、鋳型核酸のバーコード化複製断片を提供し、配列決定ライブラリーとして使用する方法は、同時係属の米国特許出願番号第14/316,383号(2014年6月26日出願)に詳細に記載されており、予め参考として本明細書に組み込まれている。手短に言えば、
図19に示すように、バーコード配列を含むオリゴヌクレオチドを、サンプル核酸104と共に、例えばエマルション中の液滴102に分画することができる。オリゴヌクレオチド108は、サンプル核酸104と共に分画したビーズ106上に提供してよく、オリゴヌクレオチドは、パネルAに示すように、ビーズ106から分離可能であることが好ましい。オリゴヌクレオチド108は、1つ以上の機能性配列(例えば配列110、114及び116)に加えてバーコード配列112を含む。例えば、オリゴヌクレオチド108は、バーコード配列112、及び、所与の配列決定システム用の付着または固定化配列として機能し得る配列110(例えば、Illumina HiseqまたはMiseqシステムのフローセル内の付着物として使用されるP5配列)を含むように示す。示すように、オリゴヌクレオチドはプライマー配列116もまた含み、プライマー配列116は、サンプル核酸104の一部の複製をプライミングするための、ユニバーサル、ランダムまたは標的化N量体を含んでもよい。オリゴヌクレオチド108内には、配列決定システムでの合成反応による、ポリメラーゼが仲立ちし、鋳型により指示される配列決定をプライミングするために使用される、「read1」またはR1プライミング領域等の、配列決定プライミング領域を提供し得る配列114もまた含まれる。多くの場合、バーコード配列112、固定化配列110及びR1配列114は、所与のビーズに付着したオリゴヌクレオチドの全てに共通であり得る。プライマー配列116はランダムN量体プライマーに対して変化してよく、または、ある種の標的化用途のための所与のビーズにおけるオリゴヌクレオチドに共通であってよい。バーコードオリゴヌクレオチド内の特定の位置、及び機能性配列セグメント要素の種類に関して記載したものの、バーコードオリゴヌクレオチド内の機能性セグメントの位置及び性質は変化し得ることが理解されよう。例えば、異なる配列決定システム用のプライマー配列を、P5、read1等、プライマーの代わりに使用してよい。同様に、本明細書の他の場所に記載のとおり、標的化プライマー配列を提供して、バーコード配列の、ゲノムまたはサンプル遺伝物質の標的化部分への付着を可能にしてよい。更に、場合によっては、異なるセグメントの位置環境を変更してよい。例えば、逆相補鎖の後続の配列決定リードにおいてバーコードリードを入手することとは対照的に、場合によっては、配列読取りプライマーまたはR1セグメント114のバーコード配列セグメント5’を、バーコードが第1のパス、または最初の配列リードにおいて配列決定することが可能なように、例えば、得られるバーコード化断片の配列決定の間における、read1配列のプライミングに続いて、例えばセグメント114及び116の間に配置することが望ましい場合がある。この、そして種々の他のバリエーションが本開示により想到されている。
【0251】
プライマー配列116の存在に基づいて、オリゴヌクレオチドはパネルBに示すようにサンプル核酸のプライミングが可能であり、これにより、ビーズ106及びサンプル核酸104とも共に分画したポリメラーゼ酵素及び他の伸長試薬を使用したオリゴヌクレオチド108及び108aの伸長が可能となる。本明細書の他の場所に記載されているように、例えば、分画内の二本鎖のサンプル核酸が最初に変性することが所望される場合、これらのポリメラーゼ酵素としては、熱安定性ポリメラーゼを挙げてよい。あるいは、サンプル核酸の変性は、一本鎖標的核酸類が分画内に蓄積されるように、分画に先立ってよく、この場合、所望する場合に熱不安定性ポリメラーゼ酵素(Klenow、phi29、Pol1等)を使用することが可能になる。パネルCに示すように、ランダムN量体プライマーに関して、サンプル核酸104の複数の異なる領域にアニーリング可能なオリゴヌクレオチドの伸長の後で、核酸の複数のオーバーラップ相補鎖または断片(例えば断片118及び120)を作製する。サンプル核酸の一部に相補的な配列部分(例えば配列122及び124、「インサート」とも称される)を含むものの、これらの構築物は通常、本明細書においては、サンプル核酸104の断片を含み、付着したバーコード配列を有すると称される。場合によっては、第1の増幅工程から管理可能な断片サイズを維持するために、作製した複製断片のサイズを人為的に制限することが望ましい場合がある。場合によっては、このことは、前述のとおり、例えばCovarisシステム等の断片化システムを使用して機械的方法により達成可能であってよいか、または、例えば低濃度でランダム伸長停止剤を組み込んで、非常に長い断片の形成を防止することにより達成されてよい。
【0252】
これらの断片を次いで、配列分析に通してよく、または、例えば、パネルDに図解するプロセスに示すように、例えば、配列決定に利用可能な核酸の量を増幅するための、かつ/または更なる機能性配列を追加するための更なる処理に通してよい。例えば、ビーズ106からもまた分離される追加のオリゴヌクレオチド(例えばオリゴヌクレオチド108b)が、断片118及び120をプライミングしてよい。特にここでまた、(多くの場合において、所与の分画内の他のランダムN量体、例えばプライマー配列116とは異なる場合がある)オリゴヌクレオチド108b内でのランダムN量体プライマー116bの存在に基づき、オリゴヌクレオチドは断片118をアニーリングし、伸長して、配列128を含む断片118の少なくとも一部に対する相補鎖126を作製し、この相補鎖は、サンプル核酸配列の一部の複製を含む。オリゴヌクレオチド108bの伸長は、断片118のオリゴヌクレオチド部分108を通して複製されるまで継続する。パネルDに示すように、オリゴヌクレオチドは、例えば、断片118内に含まれるオリゴヌクレオチド108の配列116及び114による複製の後の所望の時点において、ポリメラーゼによる複製を停止するように構成されてよい。場合によっては、このことは、複製反応に使用されるポリメラーゼにより処理されないヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を組み込むことにより達成される。例えば多くの場合において、ウラシル含有塩基をプライマー配列内に含め、ウラシル含有塩基を読み取らないポリメラーゼにより複製を停止してよい。これは、例えば、部分的に内部相補性を有する部分的なヘアピン配列の生成をもたらすために、コピーの過剰の複製を防止するために、行われてよく、関係するバイアス(例えば部分的なヘアピン)が、少なくとも部分的には後の複製工程から取り除かれる。
【0253】
本明細書に記載するように、このことは、例えば使用するポリメラーゼ酵素により処理されることができない、異なるヌクレオチド及び/またはヌクレオチド類似体の組み込みを含む、異なる方法により達成され得る。例えば、この方法は、配列領域112内にウラシル含有ヌクレオチドを含め、ウラシル耐性のないポリメラーゼの、その領域の複製を停止させることを含んでよい。その結果、一端に、バーコード配列112、付着配列110、R1プライマー領域114、及びランダムN量体配列116bを含む完全長オリゴヌクレオチド108bを含む断片126が作製される。
【0254】
配列の他端には、第1のオリゴヌクレオチド108のランダムN量体に対する相補鎖116’、及び、配列114’として示す、R1配列の全てまたは一部に対する相補鎖を含むことができる。次に、R1配列114及びその相補鎖114’を互いにハイブリダイゼーションし、部分的なヘアピン構造128を形成することができる。ランダムn量体が異なるオリゴヌクレオチド間で異なることから理解されるように、これらの配列及びその相補鎖は通常、ヘアピン形成に関与しないと考えられており、例えば、ランダムN量体116の相補鎖である配列116’は通常、ランダムN量体配列116bに相補性であるとは考えられない。これは通常、他の用途(例えば標的化プライマー)の場合にはあてはまらず、この場合、N量体は所与の分画内のオリゴヌクレオチド間で共通であり得る。
【0255】
これらの部分的なヘアピン構造を形成することにより、例えば、コピーを繰り返しコピーする一般性を低下させることにより、多数のサンプル配列の第一段階の複製物を更なる複製から取り除くことが可能となる。部分的なヘアピン構造は、作製した断片、例えば断片126の後の処理のための、有用な構造もまたもたらす。更に、バーコード化処理においてウラシル含有オリゴヌクレオチド、及び非ウラシル処理ポリメラーゼを用いることにより、(例えば、伸長用鋳型として機能するウラシル含有プライマーにまたがり、ほとんど、または全く伸長が行われないため、)バーコード化処理の間でのプライマー−二量体人工物の量が減少し、これは、別様では処理の効率を低下させ得る。
【0256】
改善されたアプローチの一実施例において、前述の分画方法を使用するが、この方法では、バーコードの付着を可能にする、十分な機能性配列要素も含むバーコードオリゴヌクレオチドの一部ではない、反応混合物に加えた個別のプライマーオリゴヌクレオチドを用いる。本アプローチを
図20Aに概略的に示す。示すように、サンプル核酸断片と共に分画される、バーコードオリゴヌクレオチド208を有するビーズ206は、バーコード配列、並びに1つ以上の追加の配列(例えば付着配列210(例えばP5)、バーコード配列212、及び配列決定プライマー配列214(例えばR1))を有するオリゴヌクレオチドを含む。上記のとおり、配列のバーコード部分212は異なるビーズ間で変化する可能性がある一方、追加の配列の少なくとも1つは種々の異なるビーズにおいて一定である。示す実施例において、ビーズ206上のオリゴヌクレオチド208は、可変性バーコード部分212、並びに、示すように例えば付着配列210及び配列決定プライマーセグメント214を含む1つ以上の定常部分を含む。バーコードオリゴヌクレオチドと共に、プライマー配列部分216a、及び、定常部分(例えばバーコードオリゴヌクレオチド208の配列決定プライマー214の)少なくとも一部に同一である部分216bを含む個別のプライマーオリゴヌクレオチド216もまた分画される。プライマー配列部分216aはランダムN量体プライマーとして示すが、ここでまた、特異的プライマー配列(例えば標的化特異的プライミング配列、またはゲノム内の対象領域に隣接する配列)もまた、例えば本明細書の他の場所に記載されている、標的化遺伝子、遺伝子パネル、もしくはゲノムの一部、または、さほど完全にランダムではないプライマー配列用の配列決定ライブラリーを作製するのに使用するために、用いることができることが理解されよう。
【0257】
鋳型核酸204に沿って共に分画をすると、プライマー配列部分216aが鋳型204の一部にアニーリングして伸長し、プライミング配列216aと、バーコードオリゴヌクレオチド208の定常部分(例えば配列214)の少なくとも一部に同一である追加の配列セグメント216bの両方を含む鋳型204の複製断片222を作製することができる。最初の伸長に続いて、第2のプライマー配列216が、新しく作製した複製断片222にアニーリングして伸長し、バーコードオリゴヌクレオチド208上の(例えば5’末端にある)定常配列セグメント214の少なくとも一部に相補的な配列部分226(及び、nnnnで示す元のプライマー配列に対する相補鎖)を含む相補性複製断片224を作製する。次に、バーコードオリゴヌクレオチドは定常セグメント214を介して相補配列部分226にアニーリングすることが可能であり、その配列を伸長することで、付着したバーコード配列212、並びに、付着した定常部分(例えば、付着配列210及び配列決定プライマー配列214、並びに部分的な定常配列216bに対する相補配列230)を有するサンプル核酸配列の複製コピー228がもたらされる。示すように、バーコードオリゴヌクレオチド208及び複製断片224の両方を伸長して、複製コピー228、及びその相補鎖228cの両方を得る。理解されるように、場合によっては、バーコードオリゴヌクレオチドの5’末端にブロック基を備え、例えば断片228の生成の防止等の、伸長の防止を行い、断片224へのバーコードオリゴヌクレオチドの複製のみを可能にしてよい。このことは、場合によっては、バーコードオリゴヌクレオチドの、存在するサンプル核酸(例えばゲノム)に対して、さほど制御されない方法でのプライミングを避けるために行われてよく、これにより、最適下限のライブラリー作製をもたらすことができる。ブロック核酸、ジデオキシ末端核酸等を含む、種々のブロック基または他の伸長不可能なヌクレオチド基を使用してよい。
【0258】
処理において、バーコード配列を付着させる能力のある個別のプライマー配列を使用することにより、バーコードライブラリー自体とは異なるプライミング操作に対する制御可能性の利点をもたらすことができる。特に、異なる用途に一般的に適用可能なバーコードライブラリーを構築してよく、ここでは、これらの異なる用途は、例えば完全にランダムなN量体プライミング以外の異なるプライミング法の恩恵を受ける場合がある。次に、プライマー配列を含むバーコードライブラリー全体の再構築を必要とする代わりに、特定用途のプライマー配列を反応混合物に加え、所望の用途を追求してよい。特に、所与の用途のためのライブラリー作製プロセスを最適化するために、標的化プライマー配列、(例えばGCバイアス化、ATバイアス化した)バイアス化プライマー配列、または、例えばプライマー配列のセグメントに関して、画定されたサブモチーフ、サブバイアスを有する、他の構造化プライマー配列を速やかに交換することができる。
【0259】
以下で詳細に述べるとおり、これらの複製断片、またはこれらの断片のコピーもしくは相補鎖上に追加の機能性配列をもたらすために、バーコード化複製核酸断片(例えば
図20Aに示す断片228及び228c)上で追加の処理工程を実施してよい。例えば、以下で述べるいくつかの場合において、例えばバーコード化断片228の末端230にて、配列決定プロセスに使用する追加の機能性配列を、バーコード化断片の末端に結合する追加の増幅工程を実施してよい。しかし、ある種の態様において、複製断片の反対端にバーコードオリゴヌクレオチド部分と他の機能性配列の両方を含む断片を得るために、追加の配列の付着を、バーコード化複製プロセス内に組み込んでよい。例として、元のバーコード化反応混合物内に、所望の追加の機能性配列(例えば、本明細書の他の場所で論じるR2及びP7配列)に結合するプライミング配列(例えばランダムN量体プライマー配列)を含むプライマー配列の第2のセットが挙げられ、一端にて断片をバーコード化し、他端に追加の機能性配列を付着させる両方のための単一工程反応プロセスを可能にしてよい。バーコード化断片の両端に機能性配列が存在することにより、続いて断片を更に容易に処理することができる。例えば、これらの機能性配列を、バーコード化断片の非並行(anteparallel)増幅に使用してよい。
【0260】
このことは、
図20Aを参照にして
図20Bに示され、ここでは、第2のプライマーオリゴヌクレオチド250が、バーコードオリゴヌクレオチド208及び鋳型204と共に反応混合物に導入される。第2のプライマーセット250は、プライマー配列(例えばランダムN量体250a)に加えて、追加の所望の機能性配列250b及び250cを含み、これらはそれぞれ、read2プライミング配列及びP7付着配列であってよい。
【0261】
ここで再び、
図20Aに示すプロセス同様に、第1のプライマーセット216が鋳型にアニーリングし、鋳型204の一部に沿って伸長して第1の複製断片222を作製する。続いて、第2のプライマーセット250は複製断片222にアニーリングし、この複製断片に沿って伸長して、これらの機能性配列要素250b及び250c、並びに、バーコードオリゴヌクレオチド208上のセグメント214の少なくとも一部の相補鎖を含む相補性コピー252を作製する。次に、バーコードオリゴヌクレオチド208を複製断片252にアニーリングすることができ、ここでは、バーコードオリゴヌクレオチド(及び断片252)を伸長することによりバーコード化複製断片254及びその相補鎖254cを作製することができ、これらは共に、バーコードオリゴヌクレオチドまたはその相補鎖に含まれる配列セグメント、及び、第2のプライマーセット250またはその相補鎖により誘導されるこれらの追加の機能性配列を含むことができる。理解されるように、同じ反応混合物中に第1及び第2のプライマーセットが存在することにより、場合により、所望の構造を含む多数の構造を含む複製断片のセットをもたらすことができ、ここで、インサートセグメントは一端で第1のプライマーセットまたはその相補鎖と、及び他端で第2のプライマーセットまたはその相補鎖と隣接している。しかし、第1または第2のプライマーセットのいずれか1つのみが、インサートセグメントの両端に隣接するものを含む、他の配置もまた存在することができる。一般にこのことは、配列決定プロセスの間に、または、例えば増幅プライマー配列としてP5及びP7を使用することによる、所望の配列が存在する両端を有する配列のみを増幅する後の増幅プロセスにより、解決可能である。例えば、複製断片254cに関して、セグメント250cにより表されるP7配列に対してプライミングをしながら、セグメント210cにより表される、P5配列セグメント(例えばセグメント210)の相補鎖に対してプライミングをすることにより、このセグメントを選択的に増幅することができる。
【0262】
理解されるように、
図20Bに記載されるこの簡素化されたプロセスは、
図19に示すプロセスの変化版に加えられてよい。特に、両端に機能性配列を有するバーコード化断片をもたらす「ワンポット」反応を提供するために、バーコード化反応混合物中に2つの異なるプライマーセットが提示されてよい。
【0263】
これを
図20Cに概略的に示す。示すように、鋳型核酸配列280がバーコード/プライマーオリゴヌクレオチド260、及び第2のアダプター/プライマー配列270と共に分画される。例えば、前述のとおり、バーコード/プライマー260は分画され、分離可能にビーズに付着し、また、多様なバーコードライブラリーのメンバーであることが好ましい。アダプター/プライマー配列270は、規定された、または共通の機能性配列を通常含むことができるため、例えば核酸鋳型280により、または分画プロセスで加えられる他の試薬(例えば酵素、ヌクレオチド等)により、バルクで分画されてよい。しかし場合によっては、アダプター/プライマー270は分画され、バーコード/プライマー260からの同じ、または異なるビーズに分離可能に付着してよい。
【0264】
バーコード/プライマー260及びアダプター/プライマー270はそれぞれ、バーコード及びプライマー部分に加えて、追加の機能性配列を含んでよい。例えば、バーコード/プライマー配列260は、バーコード配列264、及びランダムN量体プライマー配列268を含むように示されるが、1つ以上の追加の機能性配列(例えばフローセル付着配列、配列決定リードプライマー配列等)もまた含む。議論を簡単にするために、
図20Cに示す例を記載する。ここでは、バーコードプライマー260は、P5付着配列262、バーコード配列264、第1の配列リードプライマー(例えば、Illumina配列決定プロセスで使用されるread1プライマー配列)、及びランダムサンプルプライミング配列またはN量体268を含む。アダプタープライマー270は、(例えばIllumina配列決定で使用される)P7付着配列272、第2の配列リードプライマー(例えばRead2プライマー274)、及びランダムプライミング配列またはN量体276を含むように記載されている。
【0265】
プライマー伸長反応の開始の際に、例えば、必要な試薬の混合、バーコードプライマーのビーズからの分離、及び/または反応混合物のサーマルサイクリングの開始の1つ以上の際に、プライマー配列(例えば268及び276)は鋳型核酸280とアニーリングすることができ(プライマー268のアニーリングとしてのみ示す)、鋳型に沿って伸長することができ、伸長生成物282としてバーコード/プライマーに付着した鋳型の複製部分を作製する。示さないものの、伸長生成物282に沿って、伸長生成物を、鋳型配列にアニーリングしたアダプター/プライマー270の伸長に基づいて作製することができる。
【0266】
この第1の伸長に続いて、伸長生成物は、後のラウンドのプライマーアニーリング及び伸長のための鋳型として機能する。示すように、アダプター/プライマー270を伸長生成物282にアニーリングし伸長して、元の鋳型配列(挿入セグメント284として示す)の相補部分、及び元のバーコード/プライマーを含む伸長生成物282の一部を複製し、セグメント260cとして示す、元のバーコードプライマーの相補鎖を含む伸長生成物286を作製する。ここでまた、示さないものの、類似の予備反応を実施して、鋳型に沿ったアダプター/プライマー配列の伸長により作製した伸長生成物を複製することができ、これにより、インサート配列の一端にバーコードプライマー、及び、インサートの他端にアダプター/プライマー配列の相補鎖をもたらすことができる。
【0267】
理解されるように、そして上で言及したように、場合によっては、同じ配列またはその相補鎖が、伸長生成物のおよそ50%において、挿入配列の両端に存在することができる。しかし便宜上、例えば、伸長生成物286、及び、各末端に同じ配列またはその相補鎖を有するこれらの「生成物」を含む、上記バーコード化及びアダプター付着プロセスの生成物を更なる処理に通してよい。特に、少なくとも一実施例において、PCRプロセスを使用した、P5及びP7配列の両方に対するプライミングにより、非並列(anteparallel)増幅に生成物を通してよい。その結果、P5及びP7配列の両方、またはその相補鎖を含むこれらの断片は速やかに、かつ指数的に増幅可能であるが、他の「生成物」はそうではない。
【0268】
理解されるように、本実施例における機能性配列及びその相補鎖に対する特定の参照が図解され、これに限定されない。実際には、所望の生成物の所望の最終状態に応じて、特定の配列またはその相補鎖が、上で指定した配列セグメント(例えばP5、P7、read1、read2等)のいずれかに対して選択されてよい。
【0269】
理解されるように、場合によっては、長い鋳型核酸からバーコード化複製断片を生成するプロセスは、存在する核酸断片のカバレッジの量にバリエーションを有することができ、例えば、いくつかの領域は他の領域より多くの複製断片によって表され、カバレッジにおけるこのバリエーションは、その鋳型の配列決定カバレッジに変換することができる。通常、完全長の鋳型核酸にまたがり、一層均一なカバレッジを示す複製断片を生成する、または、鋳型配列の大部分に関して最小のカバレッジ閾値を満たすのが望ましい。
【0270】
上で言及したように、場合によっては、オリゴヌクレオチドのプライマー部分、例えば、
図19に示すバーコードオリゴヌクレオチドのプライマーセグメント116、または
図20A及び
図20Bに示すプライマーセグメント216の作製を調節し、ライブラリーの作製を向上させてよい。特に、場合によっては、鋳型配列の一層均一なサンプルリング、及び結果として一層均一な配列カバレッジを提供するために、鋳型核酸にアニーリングするために使用するプライマー配列の作製を制御することができる。特に、ランダムプライマー配列であるか、または一層標的化されたプライマー配列であるかに関わらず、プライマー配列の相対的なGC含量を制御することにより、得られる配列決定カバレッジを向上させることができる。いくつかの態様では、50%を超えるGC含量、好ましくは60%を超えるGC含量、70%を超えるGC含量、あるいは80%またはそれ以上のGC含量を有するプライマー配列を提供する。好ましい態様において、プライマーのGC含量は、50%〜約90%、及びそれにより規定される任意の範囲、即ち約50%〜約60%、約60%〜約70%、約70%〜約80%、または約80%〜約90%であってよい。
【0271】
場合によっては、それぞれが異なるGCの割合を有するプライマー亜集団のブレンド(例えば、混合物全体に含有されるプライマーが、約50%〜約90%またはそれ以上の範囲のGC濃度を有する)を使用してよい。多くの場合、プライマーは50%を超えるGCから、最大約80%のGCまでの範囲となることができる。これらのプライマー母集団は、記述した範囲内のGC濃度の範囲全体にまたがってよいか、またはこれらは、それぞれが異なるGC割合を有するプライマーの亜集団のセットを構成してよい。
【0272】
例えば、場合によっては、プライマーの亜集団をブレンドして、プライマー内で亜集団のセットのGC濃度を有する混合物、例えば、80%のGCを有するプライマー亜集団とブレンドした、60%のGCを有するプライマーの亜集団を作製してよい。理解されるように、かかる場合、ブレンドは、例えば、異なるGC含量を有する、プライマー構築物の2、3、4個またはそれ以上の異なる亜集団を含んでよい。通常、かかる亜集団は50%〜90%のGCを有してよい一方、各亜集団はブレンドの1%〜99%であってもよい。好ましい態様において、亜集団は全体で約50%〜約80%のGCのGC含量を有してよく、各亜集団は、全プライマー母集団の10%〜90%を、各亜集団については約20%〜80%、30%〜70%、40%〜60%、あるいは50%を占めることができる。
【0273】
例えば、一層均一なカバレッジ、エラーの少なさ及びキメラ形成の少なさを伴う、改善されたライブラリーを提供するために、ライブラリーの作製を改善するための上述のプロセスに加えて、ポリメラーゼ反応に対する変更もまた利用することができる。特に、少なくとも一実施例において、反応生成物を改善するために、異なるポリメラーゼを組み合わせて利用することができる。特に、異なるが相補的な性質を有するポリメラーゼを使用することで、より質の高いライブラリーを作製することができる。例として、鋳型配列断片の複製において非常にエラー率の少ない第1のポリメラーゼ、及び、一層均一なカバレッジ、またはより高い反応率、またはより高い処理能力を提供する第2のポリメラーゼのブレンドが、改善されたライブラリーをもたらす反応を提供することができる。ある特定の実施例において、野生型エキソヌクレアーゼ活性(エキソ+)を保持した、9°Northポリメラーゼ等の非常に正確かつ処理能力の高いポリメラーゼのブレンドを、NEBから入手可能なDeep Ventポリメラーゼ等の別の古細菌ポリメラーゼとブレンドしてよく、これは、単独で用いるいずれかのポリメラーゼよりも一層均一なカバレッジ、及び低いエラー率を有する配列決定ライブラリーを提供する。
【0274】
図21は、異なるポリメラーゼ酵素のキメラ及びQ35エラー率の比較を示す。示すように、9°N(エキソ+)ポリメラーゼは比較的低いQ35エラー率を示すが、そのまま使用する場合、比較的高いキメラ率を示す(円Aを参照)。対照的に、Deep Ventポリメラーゼは比較的高いエラー率を示すが、比較的低いキメラ率を示す(円Bを参照)。両方の酵素を、両方の酵素のブレンドで使用する場合、キメラ率及びエラー率の両方において、利点は片方いずれかを上回ることが分かる(円Cまでの範囲を参照)。
【0275】
上記の処理に加えて、標的化ゲノムライブラリーの選択的バーコード化のために本明細書に記載の方法を使用してもよい。本明細書で言及したバーコード化の方法を使用する、標的化ゲノムライブラリー、例えば、標的化遺伝子領域(例えば遺伝子、遺伝子パネル、エクソーム、キノーム等)を含む配列決定ライブラリーをバーコード化するためのアプローチの1つは、特許出願仮出願番号第62/073,659号(2014年10月31日)に記載され、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に参照として組み込まれる。特に、記載した方法は、バーコードを全ゲノム(またはサンプル)断片に付着させるために、元の分子環境または寄与要因の指標を提供するために、本明細書に記載するバーコード化アプローチを利用する。断片がバーコード化されると、従来の標的化プロセス、例えばプルダウンを使用して、例えば従来のキット、例えばプルダウンパネル、エクソームキット等(例えば、Agilent Technologies,Inc.から入手可能なSureSelect(登録商標)エクソームキット)を使用するために、これらを選択してよい。代替のアプローチにおいて、本明細書記載の方法を使用して、
図24に示すように、バーコードを標的化配列(標的化おとり(target baits)、または標的化プライマーと呼ばれる)に付着させてよく、次にこれを使用し、例えば本明細書に記載する処理工程を使用して、バーコード配列を含む標的化配列決定ライブラリーを作製する。バーコード配列を標的化プライマーに付着させるように記載されるものの、理解されるように、記載した方法を、サンプルプライミング配列(例えばランダムN量体または標的化プライマー)を、ビーズ上のバーコードオリゴヌクレオチドに組み込むことを必要とせず、実質的に任意の配列(例えば任意の標的化、ランダム、ユニバーサル、または他のプライマー配列もしくはプローブ)にバーコードオリゴヌクレオチドを付着させるために使用してよい。一実施例において、上述のように、バーコード化ビーズライブラリーを使用して、共通のバーコード配列の母集団を、例えばエマルション内の液滴としての個別の分画に送達する。上述のように、ビーズをサンプル核酸と共に分画してよい。更に、ビーズを、標的化プライマー配列、例えば対象の特異的な標的化配列と同じか、または相補的な配列と共に分画することができる。標的化プライマー配列は通常、バーコード化プライマーをバーコードオリゴヌクレオチドに沿って伸長させることで、バーコードを標的化プライマー配列内に複製するために、バーコードオリゴヌクレオチドの下流部分に標的プライマー配列をハイブリダイゼーションすることができる部分を含むことができる。新たにバーコード化した標的化配列を複製することで、標的化領域に対するサンプル核酸を調査可能なバーコード化標的化プライマー配列を作製し、バーコード配列を含む複製断片を作製することができる。
【0276】
本プロセスの一例を、
図24に概略的に示す。示すように、本明細書の他の場所に記載されているバーコードビーズライブラリーからのバーコード化ビーズをバーコード含有オリゴヌクレオチド602と共に提供し、バーコード含有オリゴヌクレオチド602は、追加の機能性配列、例えば、付着/プライマー配列606(P5付着配列等)、及び第1の既知の配列セグメント(例えば、Read1プライマー配列等の既知のプライマー配列608)と共にバーコードセグメント604を含む。本明細書の他の場所で論じるように、例えば、よりユニバーサルなバーコードビーズライブラリーを多くの異なる用途またはプロセスに使用する場合に、追加の機能性配列(例えばランダムプライマー配列等)が所望により含まれてよい。追加の標的化プライマーオリゴヌクレオチド610もまた、バーコードオリゴヌクレオチド602と共に分画される。標的化プライマーオリゴヌクレオチド610は、標的化プライマー配列に対する相補配列をもたらす第1の部分612、例えば、サンプル配列内の対象の配列領域(標的化プライマーと呼ばれる)に近接する既知の配列部分をプライミングするための配列を含む。示すように、標的化プライマーオリゴヌクレオチド610は、セグメント608cとして示す、バーコードセグメント604の3’側にあるバーコードオリゴヌクレオチド602の部分(Read1プライマーセグメント608の一部等)に相補的な部分もまた含む。
【0277】
示すように、続いて、標的化プライマーオリゴヌクレオチド610の、バーコードオリゴヌクレオチド602の一部へのアニーリング、及び、例えば分画内でポリメラーゼ反応を用いた後の伸長により、完全なオリゴヌクレオチド614として示す、標的化プライマー配列612が付着した種々のセグメント(例えば604c、606c及び608c)の相補鎖を有する、バーコードオリゴヌクレオチドの逆相補鎖(614として示す)を作製する。オリゴヌクレオチド614の更なる複製、例えば、セグメント606に同一であり、セグメント606cに相補的である、例えばP5プライマー配列616を使用した、オリゴヌクレオチド614の複製のプライミングにより、(バーコードセグメント604に同一であり、相補鎖の相補鎖としての)バーコードセグメント620、機能性セグメント、例えばP5セグメント622(セグメント606に同一)及びread1プライマーセグメント624(セグメント608に同一)、並びに(標的化セグメント612に相補的な)標的化プライマー配列626を含む相補オリゴヌクレオチド618が作製される。標的化プライマー配列626は次に、サンプル核酸628の標的化部分に対してプライミングすることが可能であり、これもまた、バーコード化ライブラリーを生成するためのランダムN量体プライマーの使用について上述したのと同じ方法で、バーコードオリゴヌクレオチド602及び標的化プライマーオリゴヌクレオチド610と共に分画される。
【0278】
結果として、標的化配列に対して特異的に選択され、かつ、元の分子環境を示すバーコード、及び、1つ以上の所望の機能性配列(例えばP5、read1等のプライマー)の両方を含む配列決定ライブラリーが作製されてよい。
【0279】
理解されるように、標的化プライマーオリゴヌクレオチドは、例えば、かかるオリゴヌクレオチドをバルク溶液に供給し、かつ、他の試薬(例えばポリメラーゼ、dNTP等)と共に分画することによりバーコードオリゴヌクレオチドと共に分画されてよい。あるいは、異なる標的化オリゴヌクレオチド、または標的化オリゴヌクレオチドのグループを、本明細書に記載するバーコードビーズライブラリー内のもの同様に、ビーズ上に予め配置してよく、ここでは、バーコードビーズと標的化プライマービーズは、共に単一の分画(例えば液滴)内に分画されてよい。
【0280】
更に代替のプロセスにおいて、バーコード化ライブラリーを、上述のプロセスに類似の方法ではあるが、分画した断片核酸にバーコードオリゴヌクレオチドをライゲーションすることにより調製してよい。一般的に言って、断片ライブラリーは、分子環境を保護するために、その分画内に含有される長い断片からの分画内に作製することができる。断片ライブラリーは、これらの断片と共に、例えば本明細書に記載したビーズベースのデリバリーシステムにより分画したバーコード化オリゴヌクレオチドを用いるライゲーションに利用可能な断片を残す方法で調製することができる。特定の場合において、ライゲーションベースのプロセスは、伸長ベースのバーコード化アプローチと場合により関係し得る、プライミングバイアス等の、増幅における異常の可能性を回避することができる。
【0281】
かかるアプローチの一例を
図25に概略的に示す。示すように、サンプル核酸断片702を液滴または他の分画内に分画する。長い断片702を、分画内のより短い断片の中に断片化する。図示されているように、この断片化工程は、最初に、フィデリティの高いポリメラーゼ酵素(例えばphi29 DNAポリメラーゼ)を使用した長い断片の複製により実施される。複製工程は、例えば、予め分画したサンプルの調製工程の間に、起点の断片にライゲーションするアダプター配列として提供され得る、既知の末端配列セグメントをプライムオフすることにより実施されてよい。あるいは、そして、図示されているように、アダプター配列(例えばアダプター配列704)を起点となる二本鎖断片上に提供してよく、これが、各鎖の中に既知のニッキング部位706を提供する。適切なニッキング酵素による処理に続いて、ニッキングした鎖をプライムオフすることが可能なDNAポリメラーゼ(例えばphi29ポリメラーゼ)を使用して、他方の鎖を置き換えながら、一方の鎖を複製してよい。配列全体に分散している、ランダムに分散したウラシル含有塩基708を用いて複製物を作製するために、この複製は、除去可能な低レベルの濃度のヌクレオチド(例えばUTP)を用いて実施することができる。酵素、例えば、ウラシル特異的切断試薬、即ちUSER(New England Biolabsから入手可能)に見出される、例えばウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、または他の試薬を使用してウラシル塩基にて切断を行うことにより、複製物の断片のセット、例えば断片710、712、714、716、及び718を作製することができる。
【0282】
phi29ポリメラーゼにより、これらの断片をニッキング点から伸長させ、断片の第1のセットを置き換え、かつ、ランダムに分散した間隔でウラシル含有塩基を組み込む更なる複製コピーを作製することを共に行うことで、更なる断片を生成してよく、これを続いて、上述のように断片化することができる。あるいは、例えば、ランダムN量体プライマー、例えば六量体、七量体、八量体、九量体、十量体、またはそれより大きいN量体を使用する、ランダムプライミング及び伸長プロセスを使用して、起点となる断片でのランダムの位置へのアニーリングにより、起点となる断片からのランダム断片を生成してよく、かつ、存在するポリメラーゼ(例えばphi29等)により伸長する。これらの代替のプライミングメカニズムを使用してよいものの、例えば上述のようにランダムニッキング部位をプライムオフすることにより、外部から導入したプライマーに起因し得るプライミングバイアスを減少させることが可能となることで、起点となる断片から、バイアスの少ない断片ライブラリーを作製することが可能となる。
【0283】
これらの断片ライブラリーが生成されると、例えば、断片と共にまた分画したランダム六量体プライマー720を使用して、これらを更に複製してよい。短いプライマー配列720を使用したこれらの断片を複製することにより、種々の長さの二本鎖の平滑末端断片722の作製をもたらすことができる。平滑末端断片722が作製されると、例えば、本明細書で記載されるビーズベースのデリバリーシステムにより、断片と共に分画した二本鎖バーコードオリゴヌクレオチドを付着させるために、これらを処理してよい。例えば、示すように、平滑末端断片722を、例えばKlenowポリメラーゼを使用して、まずA尾部化する。A尾部化した断片724を、続いて、標準的なライゲーション酵素システム(例えばT4リガーゼ)を使用して、ライゲーション点において相補性T塩基734に沿って、例えばバーコードセグメント728、並びに機能性配列(P5配列730、及びR1セグメント732等)を含む二本鎖バーコードオリゴヌクレオチド726にライゲーションする。結果として、バーコード化した二本鎖断片が作製される。次に、バーコード化断片を、本明細書の他の場所に記載されている追加の処理に通して、例えば増幅して他端にアダプター配列を付着させる。
バーコード化ライブラリーの追加の処理
【0284】
ライブラリー調製における改善は、上述の最初のバーコード化工程に続く処理工程により、追加で、または代替的に達成されてよい。例えば、上述したもの等の、鋳型核酸のバーコード化複製断片の作製に続いて、バーコード化断片に追加の処理を更に行い、例えば、これらの断片を更に増幅し、かつ/またはこれらの断片もしくはそのコピーに追加の機能性配列(例えば追加の配列決定プライマー、サンプルインデックス配列等)をもたらしてよい。
【0285】
多くの場合、配列決定システムにおいてライブラリーを効率的に処理するために、バーコード化複製断片を更に処理し、配列決定のために多量のバーコード化核酸を提供し、かつまた、追加の機能性核酸配列セグメントをライブラリーの構成要素に付着させることの、両方を行ってよい。この追加処理、例えば、共通して含まれるバーコード配列により、所与の分画内の所与の核酸分子から生成した断片の結合情報を保存することは、バーコード配列を断片に付着させた後で発生するため、後の処理は、種々の分画の内容物がバルク処理のために共にプールされる、プール反応として実施されてよい。
【0286】
例として、予め参考として本明細書に組み込まれている米国特許出願番号第14/316,383号(2014年6月26日出願)に記載されているように、バーコード化断片核酸、例えば
図19の断片126を追加の処理に通し、これらの断片の存在を増幅し、また、配列決定プロセスで使用するための追加の機能性配列を付着させることができる。例えば、バーコード化断片126が個々の分画内で調製されると、種々の個別の分画が(例えば、油エマルション中の水を破壊することにより)破壊され、異なる分画に由来し、異なるバーコード配列を有するバーコード化断片全てをプールすることがもたらされてよい。次に、バーコード化断片126の増幅を、複製した機能性配列、例えばR1相補配列114’に対してプライミングすることにより実施してよく、ここで、この増幅用のプライマーは、追加の機能性配列、例えばP7及びR2配列、またはその相補鎖もまた含む。結果として、作製した配列は、それぞれの末端に、必要な機能性配列またはその相補鎖を含むことができる。更に、元の機能性配列110に対してプライマーをプライマーアニーリング配列として使用することによってもまた、非並行(anteparallel)プライミングにより増幅を行い、非並行(anteparallel)増幅(例えばPCR)を開始してよい。
【0287】
図19を参照にして、1つの例示的なプロセスを
図22に示す。特に、
図19に示すバーコード化プロセスを推定することで、例えば、複数の分画からの、プールしたセットの断片であり、他の機能性配列(例えば、サンプル断片またはインサート422に付着した、付着配列410及び配列決定プライマー414)と共にバーコード配列412を含む、付着したバーコードオリゴヌクレオチド408上に複数の異なるバーコード配列を有する、
図22の核酸断片402のバーコード化セットを入手することができる。
【0288】
次に、プライマー配列450の第2のセットを反応混合物に導入する。示すように、プライマー配列450の第2のセットは、配列ライブラリーで使用される追加の機能性配列、例えば、シーケンサーフローセルへの付着のための、例えばP7配列452、及び、シーケンサーに対する第2の読取り工程のプライミングのための、例えばR2プライミング配列454を含む。これらのプライマー配列には、ランダムプライミング配列のセット(例えばランダムN量体456)、及び、あらゆる所与のサンプルに対して共通である任意のサンプルインデックス配列(図示せず)もまた含めることができる。ランダムN量体456cは、反応混合物中にてバーコード化断片402に対してランダムにプライミングし、これらのプライマーを伸長することにより、例えば、バーコード配列412に対する相補鎖(セグメント412cとして示す)、及び、そのバーコード化断片に含まれる任意の機能性配列(例えばP5付着配列410)に対する相補鎖(相補配列410cとして示す)、及びR1プライマー配列414(相補配列414cとして示す)を含む、バーコードオリゴヌクレオチド408の相補複製物を含む、バーコード化断片402の複製コピー458が作製される。
【0289】
この複製の後、得られる断片458は、ここでは、インサート配列セグメント460の両端に機能性配列、例えばP5及びP7配列(それぞれセグメント410及び452)を含む。完成したこれらの断片を次に、断片の既知の末端セグメント(例えば、セグメント410c及び452等の、非並行(anteparallel)増幅用のプライミング領域としてのP5及びP7配列、またはこれらのそれぞれの相補鎖)を使用する、追加の増幅工程(例えばPCR)に通してよい。
【0290】
理解されるように、場合によっては、バーコード化断片を最初に生成した後で、例えばSPRIビーズ等を使用して、反応混合物から、これを作製するのに使用したバーコード化断片を精製して除去するのが望ましい場合がある。例えば
図19に関して上述したように、例えば、ウラシル含有塩基を介して処理することができないポリメラーゼを使用する場合、そのポリメラーゼを、断片を更に処理するために使用される異なるポリメラーゼと交換して、
図22に示すように、バーコードオリゴヌクレオチドのウラシル含有部分の複製を可能にするのが有用な場合がある。例えば、熱的に安定なポリメラーゼ、例えばtaq、9°North、Deep Ventポリメラーゼ、及び熱的に不安定なポリメラーゼ、例えばBst、Klenow、phi29等を含む、非常に処理能力が高く、非常に正確な、種々の異なるポリメラーゼを本プロセスで用いてよい。例えばヘアピンまたは部分的なヘアピン構造について上述したように、場合によっては、後の増幅工程において、鎖置換活性、ウラシル耐性、(例えばエキソヌクレアーゼ活性を含む)プルーフリーディング能力等の1つ以上を有するポリメラーゼを利用するのもまた望ましい場合がある。
【0291】
同様に、例えば
図22に示す第2の複製工程の後で、得られる断片458を選択増幅に加えることから、無関係なプライマー配列(例えばプライマー450)を除去するために、これらを更なるPCRまたは他の増幅に通す前に、複製断片458を精製するのが望ましい場合がある。
【0292】
プライマーセット450内に機能性配列セグメントを組み込むものとして示してはいるものの、これらの配列の中には、後の工程段階で組み込まれるものもあることが理解されよう。例えば、場合によっては、プライマーセット450はP7配列等の機能性配列(例えばセグメント452)を含まなくてもよい。バーコード化断片の複製の後、断片(例えば断片458)の得られるライブラリーに追加の機能性配列を加えることができる。ここでもまた、他の配列の付加は、例えば
図23に関して以下に記載したライゲーション工程により達成することが可能であるか、あるいは、他の配列は、得られる断片458の後の増幅で用いられるプライマー配列の構成要素であることができる。特に、断片、例えばセグメント454(断片452が存在しないものと仮定する)の一部に対してプライミング可能なプライマー配列に付着した追加の配列を提供することができる。次に、断片458を増幅することにより、この断片は、プライマーにより付加された配列セグメントを有することができる。
【0293】
別の例示的なプロセスにおいて、最初のバーコード化断片(例えばそれぞれ、
図19または22の断片118または402)の後の処理は、剪断及びライゲーションプロセスにより、必要な機能性配列を有する完成した断片を提供することで達成することができる。本プロセスを
図23に概略的に示す。示すように、バーコード化二本鎖核酸断片502の集合体を、例えば
図19及び20のいずれかに示す最初のバーコード化工程から作製する。断片、及びそれらが会合する相補鎖504、例えばこれらが複製された鋳型を次に、剪断プロセス、例えば酵素剪断、機械的剪断及び/または音響剪断プロセス(例えばCovaris AFA剪断プロセス)に通し、剪断した二本鎖断片506を作製する。
【0294】
次に、例えば、Klenow、及び/またはヌクレアーゼ処理を使用する等の、1種以上のフィルイン反応を使用し、剪断した二本鎖断片506を平滑末端化する。平滑化の後、例えば、dATPの存在下にてTaqまたは他の非プルーフリーディングポリメラーゼを使用してA塩基を3’末端に加え、A尾部化した、平滑末端化二本鎖断片508を得る。次に、3’末端にT塩基を含むアダプター550を、適切なライゲーション混合物(例えばT−4リガーゼ及び関係する試薬)の存在下にて、混合物に加える。示すように、アダプター550は、選択したシーケンサーの用途に必要な追加の機能性配列(例えばRead2プライマー(相補鎖)552及びP7(相補鎖)554配列を含む。バーコード化断片による効率的なライゲーションを可能にするために、(部分的なR2セグメント556として示す)3’T塩基オーバハングを有する部分的な相補配列もまた含まれる。
【0295】
ライゲーションの後、得られるライブラリー成分558は、例えば元のサンプル鋳型配列に由来するインサート配列560、機能性配列の第1のセット(例えばP5 510及びR1 514配列、バーコード配列512)、並びに、機能性配列の第2のセット(例えばR2及びP7配列、またはこれらの相補鎖(それぞれセグメント552及び554))を含む。バーコード化オリゴヌクレオチドからの、元のプライマー配列516もまた含まれる。
【0296】
上述のとおり、得られるバーコード化断片を続いて、既知の末端配列セグメント、例えばプライミング標的としてのP5配列510及びP7配列554を使用して、プライミング増幅、例えばPCR等の非並列(anteparallel)増幅により更に増幅してよい。
【0297】
理解されるように、場合によっては、上述の剪断工程は、元のバーコード化配列が既に剪断された断片を作製することができるか、または、バーコード断片を含まない剪断断片から得られる断片を作製することができる。
【0298】
これらの断片は、後の増幅工程を開始するのに使用する機能性配列(例えばP5とP7の両方)、または任意の他の機能性配列の完全セットを欠くため、例えばアダプター550による、機能性配列の第2のセットのライゲーションの後でさえも、これらの断片は後の工程で増幅されず、このことは、好結果の増幅のための配列の両方のセット(例えばP5及びP7配列)の存在に依存する。もう一度述べるが、間違ってライゲーションされた断片が最初に作製される場合であっても、この断片は続けて増幅され得ず、結果として、配列決定の際にシステムのノイズレベルまで低下することができる。
【0299】
バーコードライブラリー成分の更なる処理において、多数の追加または代替プロセスを用いてよい。例えば、バーコード核酸断片(例えば
図19の断片126、または他の類似のバーコード化断片)を用いて開始する場合、追加の機能性配列を、多数の方法により断片の末端(例えば非バーコード化末端)に付着させてよい。例えば、上述のように、このことは、かかるプライマーの伸長生成物が、バーコード化断片126のコピーだけでなく、プライマーに付着した機能性配列もまた含むように、追加の機能性配列を含むプライマーを使用して非バーコード化末端から、配列全体を増幅することにより達成されてよい。同様に、追加の配列を、配列の末端に単純にライゲーションして機能性配列を加えてもよい。
【0300】
多数の他の処理工程を、更なる処理、増幅、及び/または追加の配列を本明細書に記載するバーコード化断片に付加する際に用いてよい。例えば、場合によっては、例えば、バーコードオリゴヌクレオチド内でウラシル含有塩基を使用して完全な複製をブロックすることにより部分的なヘアピンを作製するのではなく、ウラシル非含有バーコードオリゴヌクレオチドを使用して、完全なヘアピン分子の形成を可能にしてよい。3’末端の一部を選択的に取り除くことにより、種々の断片に対する追加の機能性配列用のライゲーション部位を作製してよい。例えば、上述のように、相補鎖を、バーコードオリゴヌクレオチドの一般的な既知の部分(例えばR1プライマーセグメント)の中のニッキング酵素認識部位に組み込むことにより、ヘアピンデュプレックスの下流部分にニッキング部位を間接的に作製することが可能である。必要なニッキング酵素でヘアピンを処理することにより、既知の一本鎖DNAの一部を有する部分的なヘアピン構造を得ることができ、この既知配列部分を、追加の機能性配列(例えばread2、P7、サンプルインデックス等)の、部分的なヘアピンの3’末端へのライゲーションのための着地スポットとして使用してよい。
【0301】
代替の関係するアプローチにおいて、
図19に概要を示したアプローチを使用しながら、ウラシル含有塩基を介して処理可能なポリメラーゼ酵素を用いて、完全なヘアピン構造を作製してよい。かかる場合、プライマーオリゴヌクレオチド(例えばウラシル含有オリゴヌクレオチド108)を含有するバーコードの最初の伸長により得られる断片を、プライマーオリゴヌクレオチド(例えばオリゴヌクレオチド108b)を含有する第2のバーコードを伸長することにより、完全な複製物が、一端に(ウラシル塩基を含む)バーコードオリゴヌクレオチド108b、及び他端に、バーコードセグメント112、並びに機能性配列(例えば110及び114)に対する相補鎖を含む、(ウラシル含有塩基を含まない)元のバーコードオリゴヌクレオチドの相補鎖108を含むように、完全に複製する。次に、例えばUDG酵素等を使用して、得られる複製断片をウラシル含有塩基にて切断し、断片(例えばセグメント114)の末端にバーコードオリゴヌクレオチド108bの一部を残すことができる。一方で他端は、依然として、バーコード配列及び機能性配列に対する相補鎖を含む、元のバーコードオリゴヌクレオチドに対する相補鎖を保有することができる。分解した末端に付着した既知のセグメントを残すことにより、例えば、他の機能性配列(例えばシーケンサー特異的付着及びプライマー配列、サンプルインデックス配列等)を含む第2の側のアダプター配列をライゲーションするハンドルがもたらされる。
【0302】
更に他の態様では、バーコード化処理で作製したバーコード化断片のヘアピン構造を利用してもよい。例えば、場合によっては、上述した完全なヘアピン構造の中に形成するバーコード化断片を作製するのが望ましい場合がある。上述した、かつ、
図19に示すプロセスを参照すると、例えば、追加の機能性配列を含むかまたは含まないバーコード/プライマー配列の完全な複製を可能にすることにより、完全なバーコード化ヘアピン構造をもたらすことができる。続いて、ヘアピンのデュプレックス化部分の末端をデュプレックスアダプター付着プロセス(例えば、Illumina Truseq Sample Preparation Guide(Illumina,Inc.パート番号15026486 Rev C)、及び米国特許第8,053,192号(あらゆる目的のため、これら全体が本明細書に参考として組み込まれる)を参照のこと)において標準的なデュプレックスの末端として処理し、追加の機能性配列をヘアピンに付加してよい。特に、Truseqアダプターは、read1とread2プライマー配列間の、少なくとも部分的な相補性に基づいて、部分的なハイブリッド構造の中に、P7−Read2と共にP5−Read2配列の両方を含む。その結果、アダプターのデュプレックス部分を、ヘアピン構造のデュプレックス末端に付着させて(例えばライゲーションして)、P5−Read1配列をヘアピン分子の5’末端に、かつ、P7−R2をヘアピンの3’末端に付着させてよい。上述のとおり、デュプレックスアダプターがヘアピンのデュプレックス末端に付着すると、例えば、P5及びP7配列に対するプライミングによる非並列(ante−parallel)PCR増幅プロセスを使用して、これを増幅してよい。理解されるように、本アプローチを使用してヘアピンにライゲーションした、部分的または完全に相補的なデュプレックス化構造を使用して、種々の異なる追加の機能性及び他の配列を、ヘアピン構造の末端に付着することができる。
【0303】
代替プロセスを同様に使用して、バーコードオリゴヌクレオチド構造を含む完全なヘアピンを改変してよい。特に、部分的なヘアピン構造を生成する代わりに、選択的なニッキング部位を、デュプレックスの5’部分のニッキングを可能にする相補性デュプレックス構造の中に組み込むことができ、この構造は分解されたとき、部分的なヘアピン構造を得ることができ、このヘアピン構造を続いて、上述したように処理してよい。
追加のシステム及びキット
【0304】
ライブラリー作製及び調製プロセスの点で主に記載をしたが、本明細書において、上述したプロセスを実施するために使用する処理システム、試薬、消耗品及び試薬及び消耗キットもまた提供されることが理解されよう。例えば、システム全体は、例えばバーコード化試薬(例えば、同時係属の米国特許出願番号第14/316,383号(2014年6月26日出願)、同第62/017,808号(2014年6月26日出願)、同第62/072,214号(2014年10月29日出願)、同62/072号(2014年10月29日出願)、及び同第62/017,558号(2014年6月26日出願)等(あらゆる目的のため、これら全体が参考として本明細書に予め組み込まれている)に詳細に記載されている、分画可能なビーズに配置されたバーコードオリゴヌクレオチドライブラリー等)を含む、上述した反応プロセスを実施するのに必要な試薬を含んでよい。かかるシステムには、分画用流体(例えばフッ素化油、ヌクレオシド三リン酸等)等の、プロセスで使用する他の試薬、並びに、中に分画が生成される消耗性マイクロ流体成分を含むバーコード試薬を用いて、サンプル核酸を共に分画するのに使用する分画用システム、並びに、マイクロ流体デバイスの操作を実行及び制御するために使用する機器もまた含まれてもよい。
【0305】
上記のとおり、本明細書に記載する反応プロセスを実施するのに必要な試薬を含むキットもまた、本明細書において提供してよい。通常、かかるキットは、必要なバーコードオリゴヌクレオチドを有するビーズライブラリーを含むバーコード化試薬、及び、適切な酵素反応試薬(例えば適切なポリメラーゼ酵素)、モノマー、及び、所望の反応を実施するための他の試薬(例えばUDG、USER等)を含むことができる。同様に、キットは、非水性分画用試薬等の、必要な分画用試薬(例えばフッ素化油等)もまた含有してよい。最終的に、キットは一般に、上で詳述した所望の反応プロセスを実施するためにユーザーに指示を行うための、ユーザー用取扱説明書もまた含むことができる。
【0306】
前述の発明を明確化及び理解の目的である程度詳細に記載したものの、本開示を読むことで、当業者には、本発明の範囲を逸脱することなく、形態及び詳細の種々の変化が実施可能であることが明らかとなるであろう。例えば、上記の技術及び装置全てを、種々の組み合わせで使用することができる。例えば、粒子の送達は、記載したアレイウェルサイジング法を用いて実施することができる。本出願に引用した全ての出版物、特許、特許出願、及び/または他の文書は、各個別の出版物、特許、特許出願、及び/または他の文書が、あらゆる目的のために参照として組み込まれるように個別かつ単独に示されるかのように、それら全体があらゆる目的のために、参照として同程度に組み込まれる。
X.実施例
実施例1:プライミングを用いない増幅鋳型の分子バーコード化
【0307】
多数のアプローチが、配列決定のためのプライミングを用いない増幅により得られる分子バーコード化鋳型に対して効果的であることが想到されている。分子バーコード化を達成するための反応及び試薬は、同一反応の一部であることができ、鋳型のプライミングを用いない増幅と同時に実施することが可能である。アプローチにはアダプターも同様に含むことができる。例えば、アダプター設計には、Illuminaのプライマー設計からの部分的R1配列、続いて、好ましいバーコード配列、続いてランダムN量体(配列サイズは2〜20塩基で変化する)を含むことができる。これらのアダプターは二本鎖であることができ、N量体を3’オーバハングとして配置したバーコード及びR1配列を含むことができる。
【0308】
第1のアプローチにおいて、
図2Aに示すように、鋳型のバーコード化は、伸長バーコード化アプローチを使用して達成することができる。phi29 DNAポリメラーゼの鎖置換及び高い処理能力により増幅断片を分離することにより、更なる増幅のための鋳型の再利用が可能となる。鎖置換の間に生成する一本鎖断片を、同じポリメラーゼにより、アダプターの一部である六量体またはN量体ではなく、dsDNAに転換することができる。
【0309】
分子バーコード化の別のアプローチを
図2Bに示す。
図1に記載のとおりに生成した増幅した鋳型は、所望により一本鎖または二本鎖鋳型により分子バーコード化され、ライゲーションアプローチをバーコード化する。示すように、鋳型DNA分子を、一本鎖(温度/酵素を使用;図の左半分を参照)または二本鎖(酵素を使用;図の右半分を参照)のいずれかに転換する。分子バーコード(例えばオリゴヌクレオチド)を、ssDNAリガーゼ(楕円)もしくはdsDNAリガーゼ(楕円)、または他の核酸修飾酵素を使用してライゲーションプロセスにより付着させる。分子ハンドルとして機能する追加のオリゴヌクレオチドを、後のライゲーションにおいて第1のバーコードタグに加えてよい。
【0310】
鋳型を分子バーコード化する追加のアプローチを
図2Cに示す。このスキームにおいて、(バーコード/プライマー配列を有する)一本鎖DNA分子を3’末端からビーズに付着させる。オリゴの5’末端を(化学的に、または酵素によるいずれかにより)予めアデニル化する。所望する場合、熱を使用して分離可能なHotstart−IT結合タンパク質を使用して、オリゴを封鎖することができる。バーコード化に関して、一本鎖ライブラリー分子(熱処理またはヘリカーゼにより生成した一本鎖)、APP DNA/RNAリガーゼが、5’が予めアデニル化されたオリゴを、ライブラリー分子の3’末端とライゲーションする。3’末端のブロッキングによりオリゴ−オリゴライゲーションを回避することができ、また、ライブラリー分子はアデニル化されておらず自身をライゲーションできないため、本プロセスは非常に特異的である。
【0311】
APP DNA/RNAリガーゼは、Methanobacterium thermoautotrophicum由来のRNAリガーゼの、触媒性リジンの点変異体を含む熱安定性5’App DNA/RNAリガーゼであることができる。この酵素はATPとは無関係である。この酵素には、RNAまたは一本鎖DNA(ssDNA)のいずれかの3’−OH末端へのライゲーションのために、5’が予めアデニル化されたリンカーが必要である。
【0312】
鋳型を分子バーコード化するための更なるアプローチでは、トポイソメラーゼ酵素を使用する。例えば、ワクシニア・ウイルス由来のトポイソメラーゼIは特定の位置でデュプレックスDNAに結合し、一方の鎖の5’−CCCTTの後でホスホジエステル骨格を切断する。ここで、アダプター配列(例えばオリゴヌクレオチド)がトポイソメラーゼ酵素に予め結合している分子のバーコード化を達成することができる。増幅した鋳型を、例えばDNAポリメラーゼのクレノウ断片を使用して、平滑末端ライゲーションのために調製することができる。
実施例2:ニック部位における、重合によるプライミングを用いない増幅はチミジン(T)塩基バイアスをもたらす
【0313】
プライマーを用いる(A)かまたは用いない(B)増幅プロトコールを使用して実験を行った。
【0314】
(A)プライマー配合物を用いる増幅プロトコール:
【0315】
1X Thermopol緩衝液(NEB)、0.2mMのdNTP混合物(それぞれ10mM)、0.3μMのプライマー
*、0.07%(体積/体積)のグリセロール、0.5%(重量/体積)のSynperonic−F108、1mMのDTT、0.1ng/μLのgDNA鋳型、0.4U/μLの9°Nポリメラーゼ。
【0316】
*プライマー配列:TAGAUCGCACACUCUUUCCCUACACGACGCUCTTCCGATCTNNNNNNNNNN
【0317】
サーマルサイクリングプロトコール:
1.)4℃/∞
2.)98℃/5:00分−傾斜 2℃/S
3.)4℃/30秒−傾斜 2℃/S
4.)45℃/1秒−傾斜 0.1℃/s
5.)70℃/20秒−傾斜 2℃/S
6.)98℃/30秒−傾斜 2℃/S
7.)工程2、14Xに移動
8.)4℃/∞
(B)プライマー配合物を用いない増幅プロトコール(重合によるプライミングを用いない増幅):
【0318】
50mMのトリス(pH7.5)、10mMの(NH
4)
2SO
4、0.50%のSymPeronic、1mMのdNTP、0.03mMのdUTP、7%グリセロール、25μMの六量体、17mMのDTT、1ngのgDNA、10μg/mLのBSA、0.01%のTriton X、0.006U/μLのUDG、30U/μLのEndoIV、0.2μMのphi29 DNAポリメラーゼ
【0320】
1.)30℃/3時間
2.)65℃/10:00分
3.)4℃/∞
重合反応によるプライミングを用いない増幅を使用して、dUTP(U)を鋳型に組み込んだ。鋳型内にニックを作製するリアーゼ酵素により「U」の除去を行うことにより、ポリメラーゼ用の反応開始位置を得た。Uを除去した結果、反応が開始したため、観察した配列に反映される、塩基チミジン(T)のバイアスが存在している。
【0321】
図3に示すとおり、全ゲノムの配列決定データに基づくT塩基バイアスに関する試験で、T塩基のバイアスが明らかとなった。T塩基バイアスは、試験したdUTP濃度に比例して多くなり、このことは、大部分の反応開始が、Uの組み込み/除去によりもたらされたことを強力に支えている。配列を参照配列とアラインメントした際に、T塩基バイアスが明らかとなった。
【0322】
図3に示す結果により、プライマーベースの伸長ではなく、作製したニック部位からのポリメラーゼ反応開始という構想が確認された。
実施例3:GCカバレッジ:プライミング増幅とプライミングを用いない増幅
【0323】
図4A及び4Bの2つのプロットは、1000bpの保管したヒトゲノムのGC含量におけるカバレッジの均一性を示す。プロットから確認できるように、プライミング増幅反応(
図4A)は均一なカバレッジを有しないことにより、少ないGC及び多いGCゲノム領域が、0.35〜0.5のGC含量の領域と比較してわずかに示される。比較すると、プライマーを用いない増幅方法(
図4B)は、GC内容物の広い範囲にまたがり均一なカバレッジを示す。
実施例4:GCカバレッジにおける効果に対するdUTPの滴定
【0324】
図5A〜5Eに示すGCカバレッジプロットは、GC含量により区別されたゲノムの異なる部分にまたがる配列決定を使用した、カバレッジの均一性を示す。データは、GCカバレッジは、dUTPが存在しない場合(
図5A)にはより多くのGCに向かって一層非対称となり、より多くのdUTPを有する場合(>1%)は一層均一になることを示す。dUTPなし、0.5%、1%、2%及び3%のdUTPについての結果をそれぞれ、
図5A、5B、5C、5D、及び5Eに示す。要するに、dUTPなし(
図5A)または0.5%のdUTP(
図5B)と比較した場合、>1%のdUTPを用いることが、種々のGC区間における均一なカバレッジを有利にもたらすことが観察された。
実施例5:キメラ減少に対するdUTPの滴定
【0325】
重合反応によるプライミングを用いない増幅において、増幅中のdUTP濃度を滴定し、同一方向のリードからのキメラ率への影響、確実な領域で重複排除した深さ位置変動係数(DPCV)、及び、1000塩基にまたがるフルカバレッジからの増幅率を調査した。
図6に示すとおり、約3.5%〜約5.5%のdUTPの範囲において、キメラ率の著しい低下が観察された一方、DPCV及び増幅率は比較的強力かつ安定したままであった。
実施例6:DTTの添加がDPCVを減少させる
【0326】
DTTの添加による、重合反応によるプライミングを用いない増幅におけるDPCV及び増幅率への影響を試験した。
図7に示すとおり、1.0mM〜10mMの濃度範囲にわたり、DTTの添加を試験した。有利なことには、試験したDTT濃度の範囲にまたがり、増幅率に対する測定可能な効果なしに、DPCVの有益な低下が観察された。より高いDTT濃度が、DPCVのより一層の低下をもたらした。このようであるため、DTTを添加すると、増幅率に悪影響を及ぼすことなくDPCVが改善された。
実施例7:全ゲノム分析に対する、重合条件の最適化
【0327】
重合反応によるプライミングを用いない増幅に関する種々の反応成分を多数の組み合わせで試験し、全ゲノム鋳型サンプルに関する、最適化された重合を測定した。
図8Aに示すように、SSB、DTTまたはこの両方の添加を含む標準状態では、より高いdUTP濃度(5%)を有する類似の条件と比較して、DPCVが低かった。
図8Bに示すように、データは、SSBを添加することで増幅率が低下し、このことは5%のdUTPが存在する場合に更に一層低下したことを示唆した。
図8Cに示すように、SSBが省略された状態と比較して、SSBはキメラを減少させる。DTTは増幅率もまた低下させた。
実施例8:重合反応時間の経過
【0328】
phi29ポリメラーゼ(32nM)を使用した、重合反応によるバルクでのプライミングを用いない増幅において、DPCVと増幅率の両方を、最大8時間、時間の経過とともに測定した。
図9に示すとおり、DPCVは1〜4時間でわずかに改善(低下)し(0.22〜0.20)、残りの4時間は実質的に平坦であった。増幅率(BAC認識増幅として示す)は、試験した時系列全体にわたり、比較的平坦なままであった。追加のphi29(80nMで試験)は、上の結果に著しい影響を及ぼさなかった(データは図示せず)。
実施例9:DPCV及び増幅率における、鋳型変性の影響
【0329】
重合反応によるプライミングを用いない増幅における、DPCV及び増幅率への、鋳型変性の影響を試験するために、ブランクGEMにて、3つの条件:i)変性無し(非加熱)、ii)NaOH変性、及びiii)熱変性、で試験した。実験は2通りで実施した。
図10に示すとおり、実験結果は、DPCVは試験した全ての条件でおしなべて安定しているが、増幅は、鋳型が変性していない場合に大幅に少ないことを示した。試験したとおり、NaOHまたは熱変性のいずれかを、好結果の重合に効果的に使用することができる。しかし、熱変性にわずかな利点が観察された。
実施例10:アダプター濃度の滴定
【0330】
分子のバーコード化のためのアダプター濃度の好適な範囲を、アダプターを滴定し、DPCV及び重複率を測定することにより調査した。試験した条件は、0.4U/μLのPhi29 DNAポリメラーゼ、54nM〜500nMのアダプター12(デュプレックスpR1インラインBCアダプター)であった。
【0331】
図11に示すとおり、試験範囲の54nM〜500nMのアダプターの間で、DPCVと重複率は共に安定していたが、アダプターの濃度が増加すると、マッピングしていないフラクションの増加が見られた。
【0332】
これらの結果から、アダプター濃度の好適な範囲は、SSB(一本鎖結合タンパク質)または他の添加剤を含めることにより、マッピングされていないフラクションを減少させることで、1nM〜10μMまで拡大可能であり得ることが想定される。
【0333】
図11の表は、重複率(ライブラリーの複雑性の指標)及びDPCV(カバレッジの均一性の指標)に対する、アダプター濃度の影響を示す。最初の縦列は、「LL対照」サンプルで使用したアダプター濃度は、アダプターを有しないことを示す。3番目の縦列は、配列決定の深さ(重複排除−この数を計算する前に重複を取り除く)を示す。4番目の縦列は、全てのサンプルを0.25Xカバレッジまでダウンサンプリングした後の重複率を示し、この数は、バーコード情報を使用しても計算される。5番目の縦列は、DPCV(カバレッジの均一性の指標)を示す。示す結果は、広範囲のアダプター濃度にまたがり、重複率及びDPCVが比較的平坦なままであることを示し、このことは、広範囲のアダプター濃度に対する反応の許容性を示唆している。
実施例11:バーコード化ライゲーション反応時間の影響
【0334】
この実験は、異なる配列決定マトリックスにおける、反応持続時間の影響を調査するために設計された。2つの異なるアダプター濃度(0.2μMと2μM)で調査を実施した。
【0335】
図12のパネルAは、より短い反応時間においてDPCVが低下することを示し、パネルBは、より短い反応時間でインサートサイズが増加することを示す。パネルCは、より短い反応時間でキメラが減少したことを示し、パネルDは、マッピングしていないフラクションは、時間の関数では影響を受けていないことを示す。そして、パネルEは、より低いアダプターの濃度において、増幅率は平坦であり、4時間後、より高いアダプター濃度が増幅の増加を示すことを示す。これらの結果に基づき、3時間の反応時間が、大部分のマトリックスにとって最適であると考えることができる。
実施例12:プライミングを用いない増幅の生成物の、T4リガーゼによる分子バーコード化
【0336】
図13は、T4リガーゼベースのバーコード化の特異性を試験した対照実験の結果を示す。読出しはP5/P7定量分析である。>5のP5/P7定量分析が陽性と考えられる。結果は、バーコード化鋳型の有用なセット(例えば、配列決定用鋳型のライブラリー)を作製するのに、リガーゼ、鋳型及びアダプターが存在する必要があることを示している。3つの構成要素のいずれかが欠落すると、例えば、配列決定のために増幅した鋳型のライブラリーとして使用するには不十分なセットのバーコード化鋳型がもたらされる。
実施例13:配列決定カバレッジの均一性−プライミング増幅とプライミングを用いない増幅
【0337】
図14Aと14Bは、プライミング増幅(
図14A)とプライミングを用いない増幅(
図14B)とのカバレッジと均一性を比較したヒストグラムである。両方の図のy軸は、ゲノム位置の数である。x軸は、左(0)から右へのカバレッジの増加をプロットする。データは、プライミングを用いない増幅プロトコールでは改善されたカバレッジ均一性の利点が観察され、プライミング増幅の分布と比較した場合、一層ポアソン分布となったことをはっきりと示す。
実施例14:DPCVへの、N量体(μM)の濃度の影響
【0338】
N量体の濃度(μM)の影響を、上述のとおりに調製した5つの異なるバーコード化テンプレートライブラリサンプルで調査した。
図15に示すとおり、より高い濃度(30μM以上)のN量体において、5つのサンプルのうち4つで、有利にDPCVが低下したことが観察された。40μM〜50μMにおいては、各サンプルは低下したDPCVを示し、最も大きな低下は、50μMのN量体の濃度で観察された。結果は、低濃度よりも高濃度のN量体が、改善されたDPCVの低下に必要であることを示した。
実施例15:DPCVにおける、SPRIストリンジェンシーカットの影響
【0339】
SPRI(固相可逆固定法)ストリンジェンシーカットの影響を、上述の6つの異なるバーコード化テンプレートライブラリサンプルで調査した。
図16に示すとおり、より多くのSPRIストリンジェンシーカットにより、DPCVの低下が有利に得られた。
実施例16:DPCVへの、合計反応時間の影響
【0340】
DPCVへの合計反応時間の影響を、上述した5つの異なるバーコード化テンプレートライブラリサンプルで試験した。
図17に示すとおり、即時的な試験条件下において、DPCVは比較的、時間の影響を受けない。試験した時点は、2時間から10時間を超えるまでの範囲であった。
実施例17:DPCVへの、USER濃度の影響
【0341】
DPCVへの、USER(商標)(ウラシル特異的切断試薬:New England Biolabs(登録商標)Inc.(NEB),Ipswich,MA)の濃度の影響を、上述の6つの異なるバーコード化テンプレートライブラリサンプルで試験した。
図18に示すとおり、実験の試験条件下において、平均して、DPCVは比較的USER濃度の影響を受けない。
【0342】
前述の内容より、特定の実行内容が記載及び説明されてきたが、種々の変更が行われ、本明細書で想到されてよいことが理解されるべきである。本発明が、本明細書内で提供される特定の実施例により制限されることもまた、意図されてはいない。上述の明細書を参照して本発明が記載されているものの、本明細書での好ましい実施形態の説明及び図解は、意味を限定するものとして解釈されることを意図したものではない。更に、本発明の全態様は、種々の条件及び変数に依存する、本明細書で説明した特定の描写、構成または相対的な比率に限定されないものと理解されなければならない。本発明の実施形態の形態及び詳細についての種々の変更が、当業者に明らかとなろう。それ故、本発明は、かかる任意の変更、変化及び均等物もまた含まなければならないことが想到される。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を規定し、これらの特許請求の範囲の範囲内の方法及び構造、並びにこれらの均等物が特許請求の範囲に含まれることが意図される。