特許第6769989号(P6769989)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フンダシオ エウレカトの特許一覧

特許6769989複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステム、並びに該方法により得られた複合材料から製造された部品
<>
  • 特許6769989-複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステム、並びに該方法により得られた複合材料から製造された部品 図000003
  • 特許6769989-複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステム、並びに該方法により得られた複合材料から製造された部品 図000004
  • 特許6769989-複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステム、並びに該方法により得られた複合材料から製造された部品 図000005
  • 特許6769989-複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステム、並びに該方法により得られた複合材料から製造された部品 図000006
  • 特許6769989-複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステム、並びに該方法により得られた複合材料から製造された部品 図000007
  • 特許6769989-複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステム、並びに該方法により得られた複合材料から製造された部品 図000008
  • 特許6769989-複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステム、並びに該方法により得られた複合材料から製造された部品 図000009
  • 特許6769989-複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステム、並びに該方法により得られた複合材料から製造された部品 図000010
  • 特許6769989-複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステム、並びに該方法により得られた複合材料から製造された部品 図000011
  • 特許6769989-複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステム、並びに該方法により得られた複合材料から製造された部品 図000012
  • 特許6769989-複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステム、並びに該方法により得られた複合材料から製造された部品 図000013
  • 特許6769989-複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステム、並びに該方法により得られた複合材料から製造された部品 図000014
  • 特許6769989-複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステム、並びに該方法により得られた複合材料から製造された部品 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6769989
(24)【登録日】2020年9月28日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステム、並びに該方法により得られた複合材料から製造された部品
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/74 20060101AFI20201005BHJP
   B29C 70/16 20060101ALI20201005BHJP
   B29K 105/08 20060101ALN20201005BHJP
【FI】
   B29C70/74
   B29C70/16
   B29K105:08
【請求項の数】20
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-549846(P2017-549846)
(86)(22)【出願日】2015年12月4日
(65)【公表番号】特表2017-537826(P2017-537826A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(86)【国際出願番号】ES2015070878
(87)【国際公開番号】WO2016092132
(87)【国際公開日】20160616
【審査請求日】2018年10月12日
(31)【優先権主張番号】P201431827
(32)【優先日】2014年12月12日
(33)【優先権主張国】ES
(73)【特許権者】
【識別番号】517203822
【氏名又は名称】フンダシオ エウレカト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(72)【発明者】
【氏名】マルク クレセンティ サバール
(72)【発明者】
【氏名】ホセ マリア リュイス ロドリゲス
【審査官】 北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特表平06−506406(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02428353(EP,A1)
【文献】 特開平11−070596(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0186042(US,A1)
【文献】 特開2008−260812(JP,A)
【文献】 特開2010−247348(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/00−70/88
B29C 64/00−64/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料から作られた部品の製造方法であって、
前記部品が、本体と、前記本体内に配置された1つ又はそれより多くの連続繊維束とを含み、
前記方法が、
a)内部に1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞を含む本体であって、前記1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞の各チューブ状の空洞が、前記本体の外面に配置され、かつ、入口オリフィスを含む第一の端部と、前記第一の端部の反対側の第二の端部との間に延在する、本体を得るステージ;
b)液体状態の樹脂及び連続繊維束を、その入口オリフィスを通して前記1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞のうちの少なくとも1つのチューブ状の空洞の内部に導入して、連続繊維束の投入端部が、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の第二の端部に向けて前進するようにする導入ステージ;及び
c)固化するまで樹脂を硬化させ、部品の本体に接着させ、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の内部に連続繊維束を固定するステージを含み、
ステージb)が、
‐樹脂による粘性抵抗力を連続繊維束に与え、差圧を適用し、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞内の連続繊維束の前記導入を実施して、同時に液体状態の樹脂及び前記連続繊維束の前記導入を実施すること、又は
‐少なくとも前記チューブ状の空洞の内部に沿って、加圧された流体により引きずる力を与え、及び/若しくは
‐連続繊維束に機械的な押す力を与え、
‐前記少なくとも1つのチューブ状の空洞内の連続繊維束の前記導入を実施して、最初に連続繊維束、その後液体状態の樹脂を導入する、連続的な前記導入を実施すること
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのチューブ状の空洞が曲がった区画を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記加圧された流体が、空気又は別のガスである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステージb)において、前記チューブ状の空洞に導入された樹脂を、前記チューブ状の空洞の第二の端部に向けて押し進めるように、正圧を、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞のうちのあるチューブ状の空洞の入口オリフィスにおいて樹脂に与える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのチューブ状の空洞のうちのあるチューブ状の空洞の第二の端部が、本体の外面に配置され、出口オリフィスを含み;ステージb)において、前記チューブ状の空洞に導入された樹脂が、その出口オリフィスに向けて吸引されるように、前記チューブ状の空洞の出口オリフィスに減圧が適用される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ステージc)の後に、方法が、追加のステージ:
‐連続繊維束の任意の余剰分、及び/又は前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の入口オリフィスから突き出た樹脂を切断するステージ;及び/又は
‐本体の外面を磨く、及び/又は削るステージ
を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ステージc)の前に、前記方法が、樹脂硬化温度において前記部品の本体をコンディショニングするステージを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記部品の本体をコンディショニングするステージが、ステージa)とステージb)との間で実施される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ステージa)が、加法的な製造方法を使用する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ステージa)の前に、前記方法が、
‐製造される部品の本体の三次元モデルを作製するステージ;及び
‐前記三次元モデルに基づいて、前記1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞の各チューブ状の空洞の経路を決定するステージを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記部品の本体が、複数の要素であって、各要素がチューブ状の空洞の少なくとも1つのセグメントを内部に有する複数の要素を含み;ステージa)が、間で複数の要素を接合するサブステージを含み、前記1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞を形成するように、チューブ状の空洞のセグメントを相互接続する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
ステージb)の前に、前記方法が、追加のステージ:
‐連続繊維束に液体樹脂のバスを適用するステージ;及び
‐樹脂含浸連続繊維束の投入端部を前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の入口オリフィスと突き合わせるステージ
を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ステージb)の前に、前記方法が、前記束を形成する連続繊維の端部を接合するように構成された連続繊維束の投入端部に接合要素を連結するステージを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記接合要素が、前記接合要素を有する前記連続繊維束が導入される前記チューブ状の空洞の断面の内部に密接に合うように適合された形状を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
‐チューブ状の空洞での連続繊維束の挿入の前に、チューブ状の空洞の内部から粉末を空にするステージ;及び/又は
‐連続繊維束を挿入する前に、チューブ状の空洞の内部に処理を適用してその粗さを低減するステージを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法による複合材料から作られた部品を製造するシステムであって、前記システムが、
‐第一の端部と、前記第一の端部の反対側の第二の端部との間に延在する少なくとも1つのチューブ状の空洞を内部に含む本体を得るように適合された製造モジュールであって、前記第一の端部が前記本体の外面に配置され、かつ、入口オリフィスを含む、製造モジュール;及び
‐前記チューブ状の空洞の内部に少なくとも1つの連続繊維束を導入するための連続繊維挿入モジュールを含むことを特徴とする、システム。
【請求項17】
前記本体の前記チューブ状の空洞において導入された前記樹脂を硬化させるように適合された硬化モジュールを更に含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法の工程b)に従って、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の内部に液体状態の樹脂及び少なくとも1つの連続繊維束を同時に導入するように適合された、連続繊維挿入モジュールであって、前記連続繊維挿入モジュールは、前記連続繊維束の投入端部が前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の第二の端部に向けて前進するように、樹脂による粘性抵抗力を連続繊維束に与え、差圧を適用しつつ、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞内の連続繊維束の前記導入を実施して、液体状態の樹脂及び少なくとも1つの連続繊維束を、前記チューブ状の空洞の内部に、その入口オリフィスを通して同時に導入するように適合されている、連続繊維挿入モジュール。
【請求項19】
‐液体状態の樹脂を貯蔵可能であり、連続繊維束を受け入れるように構成された容器であって、前記樹脂及び前記連続繊維束のための出口開口部を有する容器;
‐前記容器の出口開口部に連結された第一の端部と、製造モジュールにより得られた本体の少なくとも1つのチューブ状の空洞のうちのあるチューブ状の空洞の入口オリフィスに連結可能な第二の端部とを有するアプリケータ要素であって、前記樹脂及び前記連続繊維束が、前記容器から前記チューブ状の空洞の内部にアクセスできるように適合されている、アプリケータ要素;及び
‐前記入口オリフィスと、前記チューブ状の空洞の第二の端部との間の前記樹脂に圧力勾配を適用するように構成された圧力アクチュエータであって、前記入口オリフィスにおける圧力が、前記第二の端部における圧力より大きい、圧力アクチュエータ
を含む、請求項18に記載のモジュール。
【請求項20】
前記アプリケータ要素が、前記樹脂及び前記連続繊維束が、前記容器から前記チューブ状の空洞の内部に同時にアクセスできるように適合されている、請求項19に記載のモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複雑な幾何学形状及び強化された特徴を有する部品を得ることができる、複合材料から作られた部品の製造方法に関する。加えて、本発明の方法により、異種材料を容易に組み合わせることが可能となり、広範な複合材料からの部品の製造を可能にすることができる。本発明は、複合材料から作られた部品を製造するシステム、及び前記方法により得られた複合材料から作られた部品にも関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料、又は複合体は、特に宇宙、自動車、エネルギー又は建築産業等の多数の産業において広く用いられている。複合材料は、その特性を組み合わせるように特別に選択され、構成されることにより、新たな強化された機械的、熱的、及び/又は化学的特徴を有する材料、複合体を得る、種々の材料から形成された材料である。したがって、例えば、複合材料をより大きい機械的耐性、より大きい耐腐食性、より良好な寸法安定性、より良好な衝撃吸収能力、及び/又はより大きい軽量性を有するように設計することができる。
【0003】
典型的には、複合材料は、マトリックス、及びマトリックス内に配置される粒子又は繊維の形態の強化材により構成される。例えば、炭素繊維強化ポリマーマトリックスの複合材料が知られている。
【0004】
強化繊維は、連続繊維又は不連続繊維に分類することができる。不連続繊維は、次いで短繊維(典型的には2〜10mmの長さ)及び長繊維(典型的には10〜50mm又はそれより長い、例えば100mm又は150mmの長さ)に分類される。更に、連続繊維は、通常、数十又は数百メートル、又は数キロメートルの全長を有するコイルで供給される。加えて、連続繊維複合材料の場合、通常、繊維が既定の配向を有する一方で、不連続繊維材料の場合、繊維は概してランダム配向を有する。
【0005】
通常、それがより安価であることをよそに、粒子及び不連続繊維により強化された複合材料は、連続繊維複合材料より弱く、剛性が低い傾向があり、後者が高性能複合材料と考えられている。
【0006】
ファブリックの形態で平行に配置され、又はより合わされた繊維層の積層に基づく、連続繊維を含む複合材料で作られた部品を製造する方法が知られている。この方法を用いて得られた部品は、本質的に平坦な板又はある曲率を有する板である。例えば、レジントランスファー成形(RTM)及び樹脂注入に基づく他の方法などの幾つかの場合では、乾いた繊維層を、製造される部品の形状を有するモールドに最初に積層し、次いで圧力又は減圧を適用することにより液体樹脂を含浸させ、それをある温度条件下でその後硬化させる。代替的に、たとえば樹脂により予含浸された繊維ラミネート(すなわちプリプレグ)の成形などの他の場合では、半固体状態の樹脂により予含浸された繊維ラミネートは、後に硬化を進行させる(通常オートクレーブ中で)ために、製造される部品のモールドに配置される。
【0007】
複合材料から作られた部品を製造する別の方法は、フィラメントワインディングであり、それにより、中空の円又は長円断面の中空チューブ形状部品を得ることができる。この方法は、マンドレルに予め樹脂バスに浸漬されるか、直接的にプリプレグである連続繊維を巻き付けることからなる。
【0008】
連続繊維束が、最初に樹脂バス、次いでその部品の長さに沿った一定断面を有するモールドを通過するように引き伸ばされ、それによって押し出された外形が成形され、更に材料が、一般的にはモールド自体に温度を適用して硬化される、プロファイルプルトルージョンも知られている。
【0009】
これらの方法に基づく製造方法は、得られる部品の形状に深刻な制限を与え、それは、一般的には板、及び(平坦な又はある曲率を有する)面、中空チューブ構造、及び一定断面を有する押し出された外形等の単順な形状である。この理由のために、これらの部品を機械加工することに加えて、複合材料から作られた種々の部品を機械的に又は接着により接合して所望の形状を得るための製造方法における追加のステージを含むことが通常必要である。このことは、多くの無駄な複合材料を生じさせることに加えて、製造方法を遅くし、そのコストを上昇させる。
【0010】
当分野の最先端の複合材料から作られた部品の製造方法の別の制限は、連続繊維がラミネート面に閉じ込められ、部品の三次元において自由に配向することが不可能であることである。異なるラミネート層間を接合する積層方向(層の面に対して垂直な方向)に配向した強化繊維を有さない場合、積層された層間の結合は重要である。この理由のために、これらの製造方法により得られた部品は、層間剥離に対する耐性が低い。
【0011】
加えて、知られている製造方法は、連続繊維強化材が、例えばセラミック又は金属等の非ポリマーマトリックスと組み合わされなければならない複合材料を得るためには適切ではない。
【0012】
加法的な製造方法、すなわち任意の形状の三次元物体が、逐次的な材料層の積み重ねにより製造される3D印刷も知られている。各層において、材料は、例えばSolidworks(CAD 3D)又はBlender(3Dモデリング)等の3D設計ツールを用いて予め画定された3D形状が製造されるまで、逐一加えられる。
【0013】
加法的な製造方法を、フィラー材料の形式によって、3つの大きな群に分類することができる。
‐例えば続く層を堆積させる前に、後に固化する溶融プラスチック又は金属スレッドを堆積させる位置が数値制御により一層一層に決定される、熱溶解積層法(FDM)等の固体材料に基づく方法。プロセスは、完全な形状が生成するまで一層一層繰り返される。
‐粉末材料が、一層一層堆積され、選択的に溶融又は焼結され、それによって、プラスチック、金属、セラミック、又は半結晶性材料から作られた部品を得ることが可能である選択的レーザー焼結法(SLS)、選択的レーザー溶融法(SLM)、又は電子ビーム溶融法(EBM)等の粉末材料に基づく方法。
‐例えば感光性樹脂を光によって硬化させ、これによって、ポリマー樹脂部品を製造することができる、ステレオリソグラフィー(SLA)、直接光加工(DLP)、又はポリジェット方式等の液体材料に基づく方法。
【0014】
ほとんどの製造プロセスのような材料を除去することではなく材料を加えることに基づくことにより、加法的な製造方法は、材料の無駄をほとんど出すことなく、他の方法により得ることが不可能な高度に複雑な形状、及び予め組み立てられた部品の組を含む機構でさえ製造を可能にする。これらの方法は、例えば金属、セラミック材料、熱可塑性ポリマー、及び/又は熱硬化性ポリマー等の異種材料の部品を製造することも可能である。
【0015】
更に、欧州特許出願第2781342号に開示される方法、及びMarkForged,Inc.(https://markforged.com/mark‐one/)による「Mark One(コピーライト)」マシンの両方は、加法的製造により連続繊維強化部品の取得を可能にするが、強化材を一層一層配置することができるに過ぎず、熱可塑性物質によってのみ機能するという制限を有する。
【0016】
したがって、広範な複合材料の使用、及び全ての方向での強化繊維の配置も可能にする、複雑な形状及び強化された特徴を有する部品を製造することができる複合材料から作られた部品を製造する方法及びシステムを有することが望まれる。強化された特徴を有する前記方法により得られた複合材料から作られた部品を有することも望まれる。
【発明の概要】
【0017】
発明の詳細
請求項1に記載の複合材料から作られた部品の製造方法、請求項22に記載の複合材料から作られた部品を製造するシステム、及び請求項19に記載の前記方法により得られた複合材料から作られた部品は、前述の欠点を解消し、記載される追加の利点を示す。本発明の他の有利な実施態様は、独立請求項において規定される。
【0018】
本発明の第一の側面は、複合材料から作られた部品の製造方法であって、部品が、本体と、前記本体内に配置された1つ又はそれより多くの連続繊維束とを含む方法に関する。
【0019】
前記方法は、
a)内部に1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞を含む本体であって、前記1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞の各チューブ状の空洞が、本体の外面に配置され、かつ、入口オリフィスを含む第一の端部と、前記第一の端部の反対側に配置された第二の端部との間に延在する、前記本体を得るステージ;
b)液体状態の樹脂及び連続繊維束を、入口オリフィスを通して前記1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞のうちの少なくとも1つのチューブ状の空洞の内部に導入して、連続繊維束の投入端部が、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の第二の端部に向けて前進するようにする導入ステージ;及び
c)固化するまで樹脂を硬化させ、部品の本体に接着させ、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の内部に連続繊維束を固定するステージを含むことを特徴とする。
【0020】
既知の製造方法とは対照的に、本発明の方法では、(最先端の技術に記載される方法においてマトリックスと同等である)部品の本体が、ステージa)で始めに得られ、次いでステージb)において、部品の本体中に作り出されたそれぞれのチューブ状の空洞の内部に1つ又はそれより多くの連続繊維束を導入して、前記本体の強化を進める。
【0021】
一方で部品の本体の取得、及び他方で連続繊維束による部品の強化を分離すると、前記本体の製造は、例えば層の積層又はプロファイルプルトルージョンに基づく従来の複合材料製造方法に制限されないため、従来の製造方法を用いるよりも、より複雑な形状の本体の製造が可能である。
【0022】
同様に、連続繊維束の本体内部での配列は、乾燥か予含浸かに関わらず、繊維束層の積層ではなく、むしろ部品の本体の内部に含まれるチューブ状の空洞の経路により決定される。
【0023】
前記方法が、例えば部品の機械加工又はプラスチックの注入等の他の製造方法により得ることが不可能な任意の複雑な経路につながる、内部にチューブ状の空洞を有する本体の取得を可能にするため、前記方法は、特に、本体が加法的な製造方法により得られる場合に興味深い。
【0024】
したがって、本発明の方法は、部品の本体の内部に含まれる連続繊維束の経路を、設計仕様に従って最適化することができるならば、強化された特徴を有する複合材料から作られた部品の取得を可能にする。したがって、例えばチューブ状の空洞の経路は、部品の本体の内部の経路であって、それに沿って主要な応力が伝達される経路と一致するように調節されることができる。
【0025】
加えて、部品が、前記部品の本体中で予め作り出されたチューブ状の空洞に連続繊維束を挿入することにより強化されるならば、本発明の方法は、種々の複合材料から作られた強化部品の製造を可能にし、そこでは連続繊維の束は第一の材料から製造されることができ、本体は、第一の材料とは異なる第二の材料から製造されることができる。したがって、例えば、炭素繊維で強化されたセラミック又は金属材料から作られた本体を有する部品を容易に製造することができる。
【0026】
好ましい実施態様において、部品の本体は、プラスチック材料、セラミック材料、金属材料(例えばアルミニウム、チタン、銅又はスチール等)、又はこれらの組み合わせから製造される。更に、幾つかの実施態様において、本体自体を、例えば繊維強化ポリマーマトリックス等の複合材料から製造することができる。
【0027】
ある実施態様によれば、ステージb)は、液体状態の樹脂と連続繊維束の前記導入を同時に実施することを含む。この実施態様において、樹脂は、有利には2つの主要機能を有する:一方で、ステージb)において、それはチューブ状の空洞の内部に連続繊維束を導入することに寄与する、他方で、ステージc)の終わりにおいて、一旦硬化し、固化したら、それは、連続繊維の束と部品の本体との間の界面結合として働く。
【0028】
代替的な実施態様に関して、ステージb)は、連続的に前述の導入を実施することを含む(最初に連続繊維束、次いで液体状態の樹脂)。この場合において、樹脂は、上記段落で言及された2つの主要な機能のうちの1つだけ、特に連続繊維束と部品の本体との間の界面結合としての機能だけを満たす。
【0029】
前記代替的な実施態様の変形に関して、本発明の第一の側面の方法は、少なくとも前述のチューブ状の空洞の内部に連続繊維束の導入を実施すること、少なくとも前記チューブ状の空洞の内部に沿って、加圧された流体により引きずる力を与えること、及び/又は(例えばクランプ及びドラッグのためのシステムにより、連続繊維束の置き換えにより、又は連続繊維束に連結されたローラシステムにより)機械的に押す力を与えることを含む。
【0030】
前記代替的な実施態様の好ましい実施において、最初に、繊維は、ガス、たとえば空気、窒素又は他のガスを用いて導入される。樹脂よりはるかに粘度が低い前記ガスは、後者よりはるかに大きい速度で乱れた状況において移動することができ、それは時折チューブ状の空洞の内部に沿って、繊維束をより良好に引きずることに寄与する。
【0031】
樹脂は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂であることができる。熱可塑性樹脂、たとえばポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、スチレンブタジエンアクリロニトリル(SBA)又はポリ乳酸(PLA)は、環境温度にて固体状態であり、注入又は押出し等のプロセスによりその成形を可能にするある温度超で融解状態であることを特徴とする。
【0032】
代替的に、熱硬化性樹脂、例えばエポキシ、ポリエステル、ビニルエステル又はフェノール類等は、環境温度において液体状態であり、硬化プロセスにより固化することを特徴とする。熱可塑性樹脂とは対照的に、熱硬化性樹脂は、通常ある温度で分解するか燃える。また、液体状態において、熱硬化性樹脂は熱可塑性樹脂よりはるかに低い粘度を提供し、それは、繊維のより良好な含浸を可能とし、有利にはチューブ状の空洞内に連続繊維束と共に導入されることを容易にする。
【0033】
ステージc)における樹脂の硬化は、熱、光、電磁波又はこれらの組み合わせの適用により有利に実施することができる。
【0034】
幾つかの実施態様において、ステージb)の後に、本体の全てのチューブ状の空洞は、その内部に連続繊維束を含む。しかし、他の実施態様において、ステージb)が完了した際、連続繊維束が内部に導入されていない本体の少なくとも1つのチューブ状の空洞がある。これらの実施態様において、空いたままであるチューブ状の空洞は、有利には、冷却流体を前記空洞の内部に通過させる、部品の本体を冷却する冷却回路の部品を形成することができる。
【0035】
更に、幾つかの実施態様では、ステージb)において、投入端部がチューブ状の空洞の第二の端部に到達するまで連続繊維束をチューブ状の空洞に導入し、一方で他の実施態様では、連続繊維束は前記第二の端部に到達しない。
【0036】
チューブ状の空洞は、閉じた、又は貫通した空洞であることができる。閉じたチューブ状の空洞において、空洞の第二の端部は本体の内部にある。しかし、貫通したチューブ状の空洞において、チューブ状の空洞の第二の端部は本体の外面に配置され、出口オリフィスを含む。
【0037】
幾つかの実施態様では、ステージa)で得られた部品の本体の全てのチューブ状の空洞は貫通した空洞であり、一方で他の実施態様では、全てのチューブ状の空洞は閉じている。最後に、他の実施態様において、本体は少なくとも1つの貫通したチューブ状の空洞と、少なくとも1つの閉じたチューブ状の空洞とを含む。
【0038】
本体のチューブ状の空洞の断面は、円、長円、又は多角形であることができる。幾つかの場合では、チューブ状の空洞の断面は、その第一の端部から第二の端部に亘って一定であり、一方で他の実施態様では、断面は、チューブ状の空洞が第一の端部から離れるにつれて変化することができる。
【0039】
第一の発明の文脈において、好ましくは、用語チューブ状の空洞は、長さが第一の端部と第二の端部との間の距離により規定され、前記空洞の断面の直径の少なくとも10、20、30又は50倍大きい空洞に関する。空洞の断面が一定でない場合において、前記直径は好ましくは第一の端部から第二の端部に亘るチューブ状の空洞の断面の直径の平均値に関する。
【0040】
ステージb)において、樹脂が前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の内部に導入される際、前記チューブ状の空洞の内部に含まれる空気は、主に出口オリフィス(存在する場合)、すなわち、貫通したチューブ状の空洞、又は閉じたチューブ状の空洞に関する出口オリフィスを通って、本体、及び/又は閉じたチューブ状の空洞の端部において空気の流出を容易にする小さい出口オリフィス、又は閉じたチューブ状の空洞に亘る種々のオリフィスの材料の空隙を通って排出される(例えば直径0.5mm)。
【0041】
部品の1つ又は複数の連続繊維束は、複数の繊維(フィラメントと呼ばれることもある)を含み、それは、スレッドを形成するように編組みされているか、又は緩くて編まれていない状態で配置することができる。好ましくは、連続繊維束は、少なくとも1000本の繊維を含む。また、好ましくは前記繊維の直径は5〜25ミクロンである。
【0042】
幾つかの実施態様において、前記1つ又は複数の繊維束の繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、又はアラミド繊維である。炭素繊維は、高い機械的特性が要求される場合に特に有利であり、一方でガラス繊維は特性とコストの良好な妥協を提供する。アラミド繊維は、強化される部品が大きい衝撃吸収能を有する必要がある場合に、特に適切である。
【0043】
他の実施態様において、前記1つ又は複数の繊維束の繊維は亜麻、麻、又は竹繊維である。天然由来の繊維の使用は、より少ない環境への影響が望ましい用途に好ましい。
【0044】
他の実施態様において、前記1つ又は複数の繊維束の繊維は、金属、例えばスチール又は銅繊維等である。金属繊維の使用は、より大きい熱伝導率又は電気伝導率が望ましい用途に好ましい。
【0045】
他の実施態様において、前記1つ又は複数の繊維束の繊維は、前述のタイプの繊維の組み合わせを含む。この方法では、組み合わされた特性、例えば良好な機械的耐性と同時の電気伝導率等を得ることができる。
【0046】
任意選択的に、前記1つ又は複数の繊維束の連続繊維束は、少なくとも1つの光ファイバーを含む。これは、チューブ状の空洞に亘る光及び/又は信号の伝送を可能にする。特に、光ファイバーは、機械的応力o変形センサ、又は部品の他の機械的特性の監視のための部品を形成することができる。
【0047】
好ましい実施態様において、ステージb)において、チューブ状の空洞に導入された樹脂が、前記チューブ状の空洞の第二の端部に向けて押し進められるように、正圧が、少なくとも1つのチューブ状の空洞のうちのあるチューブ状の空洞の入口オリフィスにおいて樹脂に加えられる。樹脂の粘性により、連続繊維束への機械的作用に対する必要性なしで、前記第二の端部に向けてチューブ状の空洞に亘って、連続繊維束が引きずられる。これは、繊維が、樹脂が硬化した際に部品の本体に最適に接着した場合に、その長さに亘って樹脂による束繊維の的確な含浸を保証する。樹脂と繊維束が同様の速度で移動し、両方がほとんど同時にチューブ状の空洞の端部に到達する場合があることも確認されている。これは、繊維と樹脂の最小の損失を確実にする。
【0048】
別の好ましい実施態様において、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞のうちのあるチューブ状の空洞の第二の端部は、本体の外面に配置され、かつ、出口オリフィスを含む。また、前記実施態様では、ステージb)において、前記チューブ状の空洞に導入された樹脂が、出口オリフィスに向けて引きつけられるように、前記チューブ状の空洞の出口空洞において減圧が適用される。この代替的な方法において、樹脂も、前記第二の端部に向けて連続繊維束を引きずる。
【0049】
任意選択的には、この好ましい実施態様において、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の出口オリフィスにおいて減圧を適用することに加えて、ステージb)において、正圧も、前記チューブ状の空洞の入口オリフィスにおいて樹脂に与えられる。
【0050】
入口オリフィスにおける過加圧、及び同じチューブ状の空洞の出口オリフィスにおける不足圧の組み合わせは、2つの端部のうちの1つだけに作動する場合より、連続繊維束が、チューブ状の空洞の内部をより速く前進するようにし、これによってステージb)に必要な時間が低減される。代替的に、過加圧及び不足圧の組み合わせは、チューブ状の空洞の端部のうちの1つだけに作動する場合より低い圧力値で、樹脂及び連続繊維束の同じ挿入速度を達成することを可能にする。
【0051】
幾つかの実施態様では、追加的に、又は代替的に、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞のうちのあるチューブ状の空洞において、ステージb)において、連続繊維束が前記チューブ状の空洞の第二の端部に向けて押されるように、機械的な押す力が前記チューブ状の空洞に挿入された連続繊維束に与えられる。このように、チューブ状の空洞中の連続繊維束の挿入のある速度を、より複雑な曲率を有するチューブ状の空洞における繊維の挿入を達成しつつ、より小さい要求正圧、及び/又は減圧条件下で維持することができる。
【0052】
前記機械的に押す力は、例えば連続繊維束に連結されたローラシステムにより、又はクランプ及びドラッグのためのシステムにより、連続繊維束の置き換えにより与えることができる。
【0053】
チューブ状の空洞に亘る樹脂による繊維の含浸の生産性、挿入された繊維の量、廃棄物の発生、及び複雑な経路を有するチューブ状の空洞中の繊維の挿入容量の観点において、本発明者らが見出した3つの最も効率的な選択肢は、以下のとおりである:
1.圧力差を同時に適用して、連続繊維束及び樹脂を挿入すること。
2.ガス流を用いて連続繊維束を最初に挿入し、次いで圧力差を適用して樹脂を挿入すること。
3.連続繊維束への機械的な押す力の適用を加えた、選択肢1又は2。
効率性のより低い選択肢であるが、本発明の第一の側面の方法に想起されるものはまた、以下のとおりである:
4.単に連続繊維束に機械的な押す力を適用し、次いで樹脂を挿入すること。この選択性は、単純で、若干粗いチューブ状の空洞、及び短い挿入距離に対して働くことができる。
5.チューブ状の空洞の出口オリフィスから挿入されたスレッドにより繊維を引き抜く、選択性1、2、3又は4の組み合わせ。この選択肢は、それほど生産性が高くないため、出口オリフィスからの動作を示唆する。
【0054】
また、追加的に、又は代替的に、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞のうちのあるチューブ状の空洞において、ステージb)において、機械的なねじる力が、前記チューブ状の空洞に挿入された連続繊維束に与えられる。連続繊維束の前記ねじりにより、連続繊維束、又は代替的には部品の本体の回転を達成することができる。
【0055】
任意選択的に、ステージc)の後に、方法は、追加のステージ:
‐連続繊維束から任意の余剰分及び/又は前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の入口オリフィスから突き出した樹脂を切断するステージ;及び/又は
‐本体の外面を磨く、及び/又は削るステージ
を含む。
【0056】
これは、部品に最終的な仕上げを与え、その外観を改善する。ある場合において、(例えば機械加工により)外面をトリミングした際に、任意の余剰分が連続繊維及び/又は樹脂から切断されるような目的で、部品の本体を大きくしておくことができる。
【0057】
好ましくは、ステージc)の前に、方法は、樹脂硬化温度において部品の本体をコンディショニングするステージを含む。より好ましくは、部品の本体をコンディショニングするステージは、ステージa)とステージb)の間で実施される。これは、樹脂硬化プロセスの速度を上げ、加工時間を低減し、製造方法の生産性を向上させる。
【0058】
任意選択的には、ステージc)中、方法は、部品の本体に機械的な力を適用するステージを含む。この方法では、樹脂が硬化した際、本体は予め張力をかけられ、これによって異なる荷重条件下での強化部品の挙動を改善する。
【0059】
好ましくは、ステージa)は、加法的な製造方法を用いる。この方法は、有利には、内部に複雑な経路を有するチューブ状の空洞を含む、任意の形状を有する部品の製造を可能にする。
【0060】
これらの実施態様において、好ましくは、ステージa)の前に、方法は:
‐CAD又は3Dモデリングツールを用いて、製造される部品の本体の三次元モデルを作製するステージ;及び
‐前記三次元モデルに基づいて、前記1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞のうちの各チューブ状の空洞の経路を決定するステージを含む。
【0061】
3D設計及び有限要素シミュレーションツールを用いて、部品の本体の形状を、例えば部品により担われる機械的荷重に従って、(例えばトポロジー最適化アルゴリズムにより)最適化することができる。前記モデルが利用可能であるならば、最適化アルゴリズムにより、連続繊維により強化された部品が満たさなければならない仕様に従うチューブ状の空洞の経路を決定し、設計し、又は計算することが可能である。
【0062】
ある実施態様において、部品の本体は、複数の要素であって、各要素が、その内部に少なくとも1つのチューブ状の空洞のセグメントを有する、要素を含む。これらの実施態様において、ステージa)は、複数の要素間を接合するサブステージを含み、前記1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞を形成するように、チューブ状の空洞のセグメントを相互接続する。間で接合された種々の要素により形成された部品の本体である場合、繊維が、ある要素から鍵である別の要素に及び、部品に連続性を与え、統合された高性能の結合を生成するという事実により、より大きい寸法の部品又は構造を得ることが可能である。
【0063】
任意選択的に、これらの実施態様において、ステージa)は、複数の要素を接合する前又は後に、前記複数の要素のうちの少なくとも1つの要素を曲げる、及び/又は成形するサブステージを追加的に含む。この方法において、幾何学的に複雑な本体を、幾何学的に単純な要素、例えば可撓性押出しチューブ等から得ることができる。
【0064】
また、任意選択的に、ステージa)は、前記複数の要素のうちの各要素、又は単独の要素により形成される場合には本体全体を、押出、注入、機械加工、及び/又はプルトルージョンにより得るサブステージを含む。これらの製造方法は、加法的な製造方法と幾何学的なレベルで同じくらい多くの可能性を提供しない代わりに、例えばより高い生産性といった他の利点を有する。
【0065】
他の実施態様において、ステージa)は、固体本体を製造し、その後前記本体中の前記1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞を機械加工するサブステージを含む。
【0066】
概して、ステージb)の前に、方法は、
‐連続繊維束に液体樹脂のバスを適用するステージ;及び
‐前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の入口オリフィスを、樹脂中で含浸させた連続繊維束の投入端部と突き合わせるステージ
を追加的に含む。
【0067】
概して、方法は、空洞において繊維束を挿入し、切断し、他の空洞の入口オリフィスを連続繊維束の投入端部と突き合わせた後に、連続繊維束が挿入されなければならない全てのチューブ状の空洞に関してこれらの動作を繰り返すことを含む。
【0068】
任意選択的に、ステージb)の前に、方法は、連続繊維束を構成する繊維又はフィラメントの端部を共に接合するための接合要素を、前記束の投入端部に連結するステージを含む。前記接合要素は、その壁の粗さのために、チューブ状の空洞の内部に沿って投入端部が前進する際に、繊維又はフィラメントの端部がばらばらになることを防止し、これによって、連続繊維束がチューブ状の空洞内で行き詰まることを防止する。
【0069】
前記接合要素に関して、それは当業者により適切に考慮される任意の要素であることができ、以下の種類の接合要素が特に適切である:ひも付きの超微細スレッド、超微細弾性バンド、及び弾性樹脂、ラテックス、又はシリコーンにより束の端部を予含浸して構成されたもの。
【0070】
また、有利には、束の端部は、とがった形状を有するように斜めに切断され、これによってチューブ状の空洞の内部に沿った前方への移動が容易になる。
【0071】
好ましくは、接合要素は、前記要素を有する連続繊維束が導入されるチューブ状の空洞の断面の内部に密接に合うに適合された形状を有する。この方法において、接合要素は、より大きい表面をチューブ状の空洞に導入される樹脂に提供し、チューブ状の空洞の第二の端部に向けて、連続繊維束の上の樹脂の引きずる力を増大させる。
【0072】
別の実施態様によれば、本発明の第一の側面の方法は、挿入プロセスの前に、チューブ状の空洞の長さと類似の寸法に繊維束を切断することを含み、係る方法において、繊維コイルを用いるのではなく、むしろ繊維束セグメントの組が用いられ、それは、本体の異なるチューブ状の空洞に挿入される。これは、束の先端部を含浸させ、斜めに切断して投入を容易にすることが望まれる場合において必要である場合がある。
【0073】
1つの実施態様に関して、方法は、連続繊維束及び樹脂を挿入する前に、チューブ状の空洞内から粉末を空にするステージを含む。この実施態様は、本体の製造が、粉末材料に基づいて動作する加法的な製造方法を用いて実施された場合に特に適用される。
【0074】
任意選択的には、本発明の第一の側面の方法は、繊維を導入する前に、チューブ状の空洞の内部に処理を適用して、その粗さを低減するステージも含む。
【0075】
本発明の第二の側面は、複合材料から作られた部品であって、部品が、本体と、前記本体内に配置された少なくとも1つの連続繊維束とを含み;前記少なくとも1つの連続繊維束の側面が樹脂コーティングを有し;複合材料から作られた部品が、本発明の第一の側面による方法に従って得られたことを特徴とする、部品に関する。
【0076】
本発明の第二の側面の部品の実施態様によれば、繊維束を被覆する樹脂は、本体の1種又は複数種の材料以外の材料から製造される。
【0077】
別の実施態様に関して、繊維束を被覆する樹脂は、本体のものと同じ材料から製造される。これは、本体が、感光性樹脂を用いるSLA又はDLP加法的製造方法により得られる場合に起こる場合がある。この場合において、チューブ状の空洞に後に挿入される樹脂は同じ感光性樹脂であることができ、光の適用により後に硬化されることができる。
【0078】
別の追加的な実施態様に関して、材料は、幾つかの異なる固有の特性、特に要求する硬化のタイプに関する特性を有するが、非常に類似である。それは、本体が感光性樹脂(光硬化)から製造され、コーティングが従来の樹脂(温度硬化)で製造されたような場合である。部品を切断すると、2種の樹脂を視覚的に区別できる可能性がある(異なる色調、異なる透明性)。両者間の相違の幾つかは、研究用装置を用いて明確に特定することができる。
【0079】
1つの実施態様によれば、繊維束は、本体の外面又はその若干下に配置された端部の少なくとも1つを有する。後者は、部品がコーティング、例えば製造方法の後で塗料を受け入れている場合に生じる可能性がある。
【0080】
連続繊維の1つの束又は複数の束の各々の側面を被覆する樹脂は、前記1つの束又は複数の束と部品の本体との間の界面を画定し、両者を接着させる。したがって、広範な複合材料から作られた強化部品を製造することが可能である。
【0081】
好ましくは、前記本体は、複数の層を含み、前記層は、その表面に垂直な方向で積層されて配置され;連続繊維束の前記少なくとも1つの束は、前記複数の層のうちの2つ又はそれより多くの層に含まれる。
【0082】
部品の本体を形成する複数の層のうちの2つ又はそれより多くの層に配置された1つ又はそれより多くの連続繊維束である場合、複合材料から作られた部品は、層の積層方向においても強化され、層間剥離に対して高い耐性を有する。本体の1つ以上の層に配置された連続繊維の数が多いほど、より多くの数の層が連続繊維束を貫き、剥離に対する部品の耐性が大きい。
【0083】
本発明の第一の側面による方法は、部品の本体の連続繊維束が、単一層内に閉じ込められないことを可能にする。この点に関して、部品の本体、及び最終的な本体がその内部に含むチューブ状の空洞の両方は、層の重ね合わせとして得ることができ、そこでは各チューブ状の空洞の経路は、層の積層方向に構成要素を有するように任意に設計された。したがって、前記空洞の内部に連続繊維束を導入すると、これらは、本体の2つ又はそれより多くの層に配置され、層の表面に平行な方向にだけではなく、例えば前記表面に垂直等の斜めの方向にも部品を強化する。
【0084】
前記方法により得やすい部品の種々の例は、単一要素本体に基づくか、種々の要素の接合により形成された本体に基づくかに関わらず、人工衛星、ジェットエンジンマウント、無人機翼、自動車シャシー、オートバイスイングアーム、自転車フレーム、又は歩道橋を含む。
【0085】
本発明の第三の側面は、本発明の第一の側面の方法による複合材料から作られた部品を製造するシステムに関する。前記システムは:
‐第一の端部と、前記第一の端部の反対側の第二の端部との間に延在する少なくとも1つのチューブ状の空洞を内部に含む本体を得るように適合された製造モジュールであって、前記第一の端部が本体の外面に配置され、入口オリフィスを含む、製造モジュール;及び
‐前記チューブ状の空洞の内部に連続繊維束を導入するように適合された連続繊維挿入モジュールを含むことを特徴とする。
【0086】
1つの実施態様に関して、同じ連続繊維挿入モジュールは、液体状態の樹脂を導入するようにも適合され、チューブ状の空洞の内部での連続繊維束及び液体状態の樹脂の同時又は連続的な導入の両方を実施するように適合されている。
【0087】
別の実施態様に関して、システムは、チューブ状の空洞の内部に液体状態の樹脂を導入するように適合された追加的な挿入モジュールを含み、これによってチューブ状の空洞における繊維束の挿入のための挿入モジュール、及びそこへの液体状態の樹脂のその後の挿入のための別のものの使用を可能にする。このように、連続繊維束を、繊維挿入モジュールを用いて全てのチューブ状の空洞に最初に挿入することができ、その後樹脂挿入モジュールを用いて全てのチューブ状の空洞に樹脂を挿入することができる。
【0088】
実施態様に関して、システムは、本体の前記チューブ状の空洞に導入された樹脂を硬化させるように適合された硬化モジュールも含む。
【0089】
環境温度で硬化される樹脂が挿入される代替的な実施態様に関して、前記硬化モジュールは必須ではなく、そのために、それは本発明の第三の側面により提案されたシステムに含まれない。
【0090】
実施態様によれば、前述の連続繊維挿入モジュールは、前記チューブ状の空洞の内部での前記連続繊維束、及び液体状態の樹脂の同時の導入を実施するように適合される。
【0091】
1つの実施態様に関して、連続繊維挿入モジュールは:
‐樹脂を液体状態で保存することができ、連続繊維束を受け入れるように構成された容器であって、樹脂及び連続繊維束のための出口開口部を有する容器;
‐容器の出口開口部に連結された第一の端部と、製造モジュールを用いて得られた本体の少なくとも1つのチューブ状の空洞のうちのあるチューブ状の空洞の入口オリフィスに連結されることができる第二の端部とを有するアプリケータ要素であって、樹脂及び連続繊維束が、容器から前記チューブ状の空洞の内部にアクセス可能であるように適合されているアプリケータ要素;及び
‐入口オリフィスと前記チューブ状の空洞の第二の端部との間の樹脂に圧力勾配を適用するように構成された圧力アクチュエータであって、入口オリフィスにおける圧力が、第二の端部における圧力より大きい、圧力アクチュエータを含む。
【0092】
前記実施態様の変形によれば、前述のアプリケータ要素、及び概して全体の挿入モジュールは、樹脂及び連続繊維束が容器からチューブ状の空洞の内部に同時にアクセス可能であるように適合される。
【0093】
代替的な変形に関して、アプリケータ要素は、樹脂及び連続繊維が、連続的に容器からチューブ状の空洞の内部にアクセス可能であるように適合される。例えば、チューブ状の空洞の内部に沿って繊維を引きずるために、最初に加圧された空気を通過させ、次いで圧力下で樹脂を通過させて、チューブ状の空洞に挿入し、繊維を含浸させる。
【0094】
1つの実施態様において、前記容器は入口開口部が配置された端部の反対側の容器の端部に配置された蓋を含む。任意選択的に、前記実施態様において、蓋は、連続繊維束を受け入れるように構成された入口開口部を含み、容器の内部に向けてそれを誘導する。好ましくは、前記入口開口部は、蓋が容器上に配置された際に、容器の出口開口部と実質的に揃えられる。
【0095】
圧力アクチュエータは、空気圧式又は機械式のもの、例えば手動又は自動動作ピストン等であることができる。好ましくは、圧力アクチュエータは、連続繊維挿入モジュールの容器に収容された樹脂の自由表面に圧力を与える。より好ましくは、圧力アクチュエータは、容器に連結されている。
【0096】
任意選択的に、連続繊維挿入モジュールは、連続繊維束を貯蔵可能な第二の容器であって、連続繊維束が第二の容器を出て、液体状態の樹脂を貯蔵可能な容器に受け入れられるように構成された第二の出口開口部を有する第二の容器を含む。好ましくは、第二の容器は液体状態の樹脂を貯蔵可能な前記容器に接続され、両方の容器は、圧力アクチュエータにより与えられる圧力を受ける。
【0097】
また、任意選択的に、アプリケータ要素の第二の端部は、チューブ状の容器の内部に導入しやすい先端部を含むノズルを含む。ノズルは、アプリケータ要素と、チューブ状の空洞との間の移送の目的で機能し、樹脂及び連続繊維束の挿入を容易にする。
【0098】
ある実施態様において、連続繊維挿入モジュールは、2つ、3つ、4つ、又はそれより多くのアプリケータ要素を含み、液体状態の樹脂を貯蔵可能な容器は、2つ、3つ、4つ、又はそれより多くの出口開口部を含み、各アプリケータ要素は、容器の異なる出口開口部に連結された第一の端部を有し、第二の端部は、異なるチューブ状の容器の入口オリフィスに連結可能である。これは、部品を強化するのに必要な時間を低減しつつ、同時の種々の連続繊維束の挿入を可能にする。
【0099】
連続繊維挿入モジュールは、本発明自体の別の側面を構成する。したがって、このモジュールは、上述のシステム、又は同時に、若しくは連続的に、チューブ状の空洞の内部に液体状態の樹脂と連続繊維束とを導入するのに必要な他のシステムの部品として用いることができる。連続的な導入の場合では、2つの挿入モジュール(同じ、又は互いに異なる)を用いることが好ましく、1つはチューブ状の空洞への繊維束の挿入用であり、他方は液体状態の樹脂のその後の挿入用である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
前述のものをより良好に理解するために、1組の図面が添付され、概略的で単なる非制限的な例として実施態様の実際上の場合を表す。
図1図1は、本発明の実施態様による複合材料から作られた部品の製造方法のフローチャートを示す。
図2図2は、本発明の方法による複合材料から作られた部品を製造するためのシステムのブロック図を示す。
図3図3は、図2のシステムの連続繊維挿入モジュールの実施態様を斜視図で示す。
図4図4は、図3の連続繊維挿入モジュールの断面を示す。
図5図5は、チューブ状の空洞の入口オリフィスに連結可能な連続繊維挿入モジュールのアプリケータ要素の端部に対応する図4のゾーンの拡大図を示す。
図6図6a〜cは、本発明の方法を用いて製造された複合材料から作られた部品の外径と正面透視図をそれぞれ示す。
図7図7は、連続繊維束で強化された図6a〜cの複合材料から作られた部品、及び強化材なしの同じ部品の特性比力‐変位曲線の比較を示す。
図8図8は、本体が複数の要素の結合により得られている部品の概略的な例を示す。
図9図9a〜cは、図8の部品の本体のチューブ状の空洞における連続繊維束の挿入を3つの異なる瞬間において表す。
【発明を実施するための形態】
【0101】
好ましい実施態様の詳細
図1は、本発明の複合材料から作られた部品の製造方法の実施態様のフローチャートを表し、部品は、本体と、その内部に配置された1つ又はそれより多くの連続繊維束とを含む。特に、方法100は、部品が満たさなければならない一連の仕様(特に機械的、熱的、及び/又は化学的)に基づいて三次元CAD設計ツールを用いて部品の本体を設計する第一のステージ101を含む。次に、本体の3D‐CADモデルを用いて、部品の本体を強化する1つ又はそれより多くの連続繊維束(、及びそれに応じて1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞)がたどるべき経路が決定される(102)。
【0102】
方法100は、連続繊維束により強化された部品の本体の3D‐CADモデルの有限要素を用いる計算アルゴリズムにより実施されるシミュレーションステージ103も含む。このステージにおいて、本体、繊維束、及び樹脂、並びに種々の外形、及び/又は荷重条件に関して選択された材料の種類に応じて部品の特性及び性能をシミュレートすることが可能である。
【0103】
シミュレーションステージ103中に得られた結果の分析は、強化部品が設計仕様を満たすかどうかを決定する役割を果たす(104)。そうでない場合は、部品の本体の最初の設計ステージ101に戻って、その形状、及び前記本体に要求される連続繊維束の数、及びその経路を再規定する必要がある。
【0104】
しかし、連続繊維束により強化された部品の本体の3D‐CADモデルが設計仕様を満たす場合、続けて部品の本体を得るための取得ステージ105を実施する。前記本体は、本体の外面に配置され、かつ、入口オリフィスを含む第一の端部と、前記第一の端部の反対側の第二の端部との間に延在する1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞をその内部に含む。
【0105】
その直後に、液体状態の樹脂と連続繊維束は、連続繊維束の投入端部が、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の第二の端部に向けて前進するように、入口オリフィスを通って前記1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞のうちの少なくとも1つのチューブ状の空洞の内部に同時に導入される(106)。このステージにおいて、過加圧をチューブ状の空洞の入口オリフィスにおいて樹脂に適用することができ、連続繊維束、及び/又は出口オリフィスが設けられている場合には、前記チューブ状の空洞の第二の端部において樹脂に不足圧力を適用することができる。連続繊維束に機械的に押す力(及び/又は任意選択的にねじりの力)を与えて、チューブ状の空洞におけるその導入を助けることも可能である。
【0106】
連続繊維束の挿入が終了したら、部品の本体は、樹脂硬化温度においてコンディショニングされ(107)、樹脂を、それが固化し、部品の本体に接着するまで硬化させ(108)、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の内部に連続繊維束を固定する。
【0107】
方法100は、連続繊維束の余剰分、並びに/又は前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の入口及び/若しくは出口オリフィスから突き出た樹脂を切断するステージ109、並びに本体の外面を磨き、及び/又は削り(110)、最終的な部品の最終的な外観を改善するステージ111も含む。
【0108】
図2は、本発明の方法による複合材料から作られた部品を製造するためのシステムのブロック図を示す。システム200は、内部に第一の端部と前記第一の端部の反対側の第二の端部との間に延在する少なくとも1つのチューブ状の空洞を含む本体207を得るように適合された製造モジュール201を含む。前記第一の端部は、本体の外面に配置され、入口オリフィスを含む。また、システム200は、本体207の前記チューブ状の空洞の内部に液体状態の樹脂と連続繊維束208とを同時に導入するように適合された、(コイルに由来するか、ある長さに予め切断されることができる)連続繊維挿入モジュール202と、概して、本体207が導入され、本体207の前記チューブ状の空洞に導入された樹脂を硬化させるように適合された硬化モジュール203とを含む。
【0109】
図3及び4は、連続繊維挿入モジュール202の実施態様の斜視図及び断面図をそれぞれ示す。図面において観察することができるように、前記モジュール202は、液体状態の樹脂301を貯蔵可能であり、連続繊維束208を受け入れるように構成された容器300を含む。容器300は、樹脂301と連続繊維束208のための出口開口部302を有する。容器300は、入口開口部が配置された端部302の反対側の容器の1つの端部に配置された蓋307を含む。また、容器300は、蓋307上に配置された入口開口部308を含み、それは、蓋307が容器300上に配置された際、受容器の出口開口部302と実質的に揃えられる。入口開口部308は、連続繊維束208を受け入れ、容器300の内部に向けてそれを誘導するように構成される。
【0110】
また、連続繊維挿入モジュール202は、容器の出口開口部302に連結される第一の端部304を有するアプリケータ要素303と、製造モジュール201により予め得られた、本体207の少なくとも1つのチューブ状の空洞のうちのあるチューブ状の空洞の入口オリフィスに連結可能な第二の端部305とを含む。アプリケータ要素303は、樹脂301と連続繊維束208が、容器300から前記チューブ状の空洞の内部に同時にアクセスすることを可能にするように適合されている。
【0111】
図5は、図4の外周500内に配置された第二の端部305の隣のアプリケータ要素303の部分の拡大図を与える。図5において観察することができるように、アプリケータ要素303は、移行する狭窄部309を第二の端部305にて含み、チューブ状の空洞の入口オリフィスにおける第二の端部305の挿入を容易にする。
【0112】
加えて、連続繊維挿入モジュール202は、入口オリフィスと前記チューブ状の空洞の第二の端部との間の樹脂301に圧力勾配を適用するように構成された圧力アクチュエータ306を含み、入口オリフィスへの圧力は、第二の端部への圧力より大きい。
【0113】
圧力アクチュエータ306は空気圧式であり、容器300の蓋307に連結される。前記アクチュエータ306は、容器300の内部における圧縮空気の導入を可能にし、容器300内に収容された樹脂301の自由表面に圧力を与える。
【実施例】
【0114】
例1
図6a〜cは、本発明の方法を用いて製造された複合材料から作られた部品の例の外形及び正面透視図をそれぞれ示す。具体的には、部品600は、その下部に4つの支持体ゾーン602a〜d、及びその上部に積載ゾーン603を有する本体601を含む。部品600は、積載ゾーン603に与えられた力を支持するように設計され、4つの支持体ゾーン602a〜dが載置された面に向けて垂直に向けられている。特に、部品600の寸法は、175mm×80mm×65mmである。
【0115】
本体601の形状は、より小さい機械的な応力を受けるゾーンから材料を除去しながら本体601の形状を自動的に最適化する有限要素法に基づくトポロジー最適化ツールを用いて計算された。本体601の形状を最適化したら、連続繊維束の経路(及びそれに応じてそれを収容するチューブ状の空洞)が、3D‐CADツールを用いて部品の本体601の内部を通して決定される。
【0116】
部品600の本体601は、ポリ乳酸(PLA)から製造され、FDM‐タイプの加法的な製造方法により得られた。本体601は、4つの支持ゾーン602a〜dが載置された面に垂直な方向に積層された複数の層を含む。その内部において、本体601は、6つの貫通したチューブ状の空洞604a〜fを含み、その各々は、1つの入口オリフィスと本体601の外面に配置された1つの出口オリフィスとを含み、本体601の1つより多くの層を貫通する軌跡を伴う。チューブ状の空洞604a〜fは、直径が約2mmである円形断面を有し、それは、チューブ状の空洞に亘って実質的に一定に維持される。また、チューブ状の空洞604a〜fの長さは、その断面の直径より少なくとも20倍大きい。
【0117】
本体601を強化するために、(R&Gにより販売された)連続2400texガラス繊維束が用いられる。前記束を形成する連続繊維の端部は、接合要素(具体的には直径約0.1mmのスレッド)により間を接合され、FDM加法的製造方法がかなりの表面粗さを作り出すため、その投入端部がチューブ状の空洞604a〜fの中を前進し、その壁と絡み合った際に前記束の繊維がばらばらになることを防止する。
【0118】
次に、用いられる樹脂は二成分エポキシタイプ(特に、R&Gによっても販売されている、エポキシ樹脂L及びGL2硬化剤)である。この樹脂は、25℃の温度にて1.15g/cm3の密度と250mPa・sの混合粘度とを有する。
【0119】
連続繊維の質量とチューブ状の空洞の直径は、繊維束を挿入した後にチューブ状の空洞の内部に残る連続繊維と樹脂の割合を決定する。繊維の質量は、グラム毎キロメートルと等価であるtex単位において好ましく測定される。したがって、直径約2mmのチューブ状の空洞に連続2400texガラス繊維束を挿入することは、約30%のチューブ状の空洞内の連続繊維の体積濃度に等しい。
【0120】
部品の本体のチューブ状の空洞内に連続繊維束を導入した際、樹脂の注入圧力及び粘度が、チューブ状の空洞の直径と連続繊維の種類及び質量と共に、平均樹脂注入速度と連続繊維束の最大移動距離とを決定することを考慮しなければならない。したがって、樹脂のある粘度、チューブ状の空洞の直径、及び連続繊維の種類と質量に関して、注入圧力と平均注入速度が高いほど、連続繊維束の最大移動距離が大きい。代替的に、注入圧力、チューブ状の空洞の直径、及び連続繊維の種類と質量が固定されている場合、樹脂の粘度が大きく、平均注入速度が小さいほど、連続繊維束の最大移動距離は短い。
【0121】
この例において、部品600を強化するために、連続繊維束は、前記チューブ状の空洞604a〜fの各々の入口オリフィスにおいて2〜3barの正圧を適用することにより、本体601の6つのチューブ状の空洞604a〜fの各々に導入された。
【0122】
液体状態の樹脂及び連続繊維束の挿入のステージが完了したら、チューブ状の空洞604a〜fの内部に前記束を固定しつつ、48時間に亘る環境温度(25℃)における樹脂の硬化を実施し、樹脂を固化させた。
【0123】
最後に、樹脂が硬化したら、連続繊維束の余剰分、並びに各チューブ状の空洞604a〜fの入口及び出口オリフィスから突き出た樹脂は、その最終的な仕上がりを部品600に与える。
【0124】
したがって、複合材料から作られた部品600は、表面に垂直な方向において積層された複数の層を含む本体601と、本体601の内部のチューブ状の空洞604a〜f内に配置された6つの連続繊維束とを含む。6つの連続繊維束の各々は、本体601の材料のものとは異なる材料の樹脂のコーティングをその側面に有する。加えて、各連続繊維束は、本体601の複数の層のうちの2つ又はそれより多くの層に含まれる。
【0125】
連続繊維束により強化された複合材料から作られた部品600が、より良好な機械的特性を有することを確認するために、本体が本体601と同じ形状であるが、その内部にチューブ状の空洞を含まない非強化部品も製造された。非強化部品の本体を得るために、本体601を得るために用いられたものと同じ加法的製造方法、機械、及び構成が用いられた。
【0126】
機械的な試験が、ユニバーサル試験機を用いて両方の部品で実施された。各部品は、その4つの支持体ゾーンで前記機械の剛直なプラットフォームに置かれ、力が、各部品の積載ゾーンに適用され、4つの支持体ゾーンが載置された剛直なプラットフォームの面に対して垂直に向けられた。
【0127】
以下の表は、部品の各々に関して得られた結果を示す。観察することができるように、ガラス繊維により強化された複合材料から作られた部品600は、絶対的な観点と質量との関連(すなわち比耐性)の両方でより大きい耐性を有する。実際、部品600に対する耐性は、非強化部品のものより80%大きく、前者の質量は後者のものよりわずか20%だけ大きく、50%大きい比耐性をもたらした。
【0128】
【表1】
【0129】
図7は、ガラス繊維により強化された複合材料から作られた部品と、強化材なしの部品の特性比力‐変位曲線を示す。力が部品の積載ゾーンに適用されて増大した(比力により)際、部品が次第に屈曲されるため、部品の破断が生じる(比力が突然降下する瞬間)まで、部品が載置された剛直なプラットフォームに向けて積載ゾーンの変位は増大する。したがって、図7の(ガラス繊維強化材を含む複合材料から作られた部品600に対応する)特性曲線701において、破断は(強化材なしの部品に対応する)特性曲線702におけるものより大きい比力に関して起こる。
【0130】
より多くのチューブ状の空洞を設計し、本体の内部により多くの繊維束を挿入することによりこの例1を改変すると、上記の表で示されたものより大きい増分が達成される。
【0131】
例2
図8は、複合材料から作られた部品の第二の例を示し、その本体は複数の要素を接合することにより得られている。特に、部品の本体800は、複数の要素801〜810を含み、各要素はその内部に少なくとも1つのチューブ状の空洞のセグメントを有する。図8は、要素801〜810内に配置されたチューブ状の空洞のセグメントを観察することを可能にするために、本体800の断面を示す。
【0132】
図面において観察することができるように、全ての要素801〜810が同じ形状、及び/又は寸法を有するわけではない。したがって、要素801〜805が実質的に円筒状で伸びている一方、要素806〜810は、実質的に球又は楕円であり、前者の接合要素として働く。また、要素806及び809の各々は、その内部に2つの独立したチューブ状の空洞のセグメントを含み、一方で要素801〜805、807、808及び810の各々は、その内部に1つだけ含む。
【0133】
本発明の方法によれば、要素801〜810は接合されて、要素806、801、807、802、808、803、及び809内に配置された第一の貫通したチューブ状の空洞、並びに要素806、804、810、805、及び809内に配置された第二の貫通したチューブ状の空洞を形成するように、内部に含まれたチューブ状の空洞のセグメントを相互接続する本体800を得る。
【0134】
本体800は、要素811及び812により形成された第二の複数の要素も含み、それは、その内部にいかなるチューブ状の空洞のセグメントも含まない。具体的には、要素811が要素807及び810に接合される一方、要素812は、要素808及び810に接合される。
【0135】
図9a〜cは、図8の部品の本体のチューブ状の空洞内の連続繊維束の挿入の3つの異なる瞬間を示す。図9aは、本体800の一部の詳細図を与え、要素801、804、及び806が間で接合されていることを観察することができる。この図は、要素801、804、及び806が間で接合されていることも示す。この図は、前記チューブ状の空洞902の内部における液体状態の樹脂と連続繊維束の同時の導入を今にも開始しようとしている本体800の貫通した第一のチューブ状の空洞902の入口オリフィスに連結されたアプリケータ要素901の端部も示す。
【0136】
図9b及び9cは、1つのチューブ状の空洞のセグメントから次のものに通過する、第一のチューブ状の空洞902の内部に沿って前進している連続繊維束903を示す。図9bにおいて、連続繊維束903の投入端部は、第一のチューブ状の空洞902の長さに沿った約半分であり、一方で図9cにおいて、前記投入端部は、既に第一のチューブ状の空洞902の出口オリフィスに到達している。
【0137】
参照が、本発明の特定の実施態様に関してなされたという事実に関わらず、複合材料から作られた部品を製造する記載された方法及びシステム、並びに前記方法により得られた複合材料から作られた部品は、多くの変形及び改変が可能であること、並びに全ての前述の詳細が、添付の特許請求の範囲に規定された保護の範囲を損なうことなく、他の技術的に等価なものにより置き換えることができることは、当業者に明らかである。
本開示は以下も包含する。
[1]
複合材料から作られた部品(600)の製造方法(100)であって、
前記部品が、本体(207,601,800)と、前記本体内に配置された1つ又はそれより多くの連続繊維束とを含み、
前記方法が、
a)内部に1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞(604a〜f)を含む本体であって、前記1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞の各チューブ状の空洞が、前記本体の外面に配置され、かつ、入口オリフィスを含む第一の端部と、前記第一の端部の反対側の第二の端部との間に延在する、本体を得るステージ(105);
b)液体状態の樹脂(301)及び連続繊維束(208)を、その入り口オリフィスを通して前記1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞のうちの少なくとも1つのチューブ状の空洞の内部に導入して、連続繊維束(208)の投入端部が、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の第二の端部に向けて前進するようにする導入ステージ(106);及び
c)固化するまで樹脂(301)を硬化させ(108)、部品の本体(207,601,800)に接着させ、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の内部に連続繊維束(208)を固定するステージを含むことを特徴とする、方法。
[2]
ステージb)が、同時に液体状態の樹脂(301)及び前記連続繊維束(208)の前記導入(106)を実施することを含む、上記態様1に記載の方法。
[3]
ステージb)が、最初に連続繊維束(208)、その後液体状態の樹脂(301)を導入する、連続的な前記導入(106)を実施することを含む、上記態様1に記載の方法。
[4]
少なくとも前記チューブ状の空洞の内部に沿って、加圧された流体により引きずる力を与え、及び/又は機械的な押す力を与え、少なくとも前記チューブ状の空洞内の連続繊維束(208)の前記導入を実施することを含む、上記態様3に記載の方法。
[5]
前記加圧された流体が、空気又は別のガスである、上記態様4に記載の方法。
[6]
ステージb)において、前記チューブ状の空洞に導入された樹脂を、前記チューブ状の空洞の第二の端部に向けて押し進めるように、正圧を、前記少なくとも1つのチューブ状の空洞のうちのあるチューブ状の空洞の入口オリフィスにおいて樹脂に与える、上記態様1〜5のいずれかに記載の方法。
[7]
前記少なくとも1つのチューブ状の空洞のうちのあるチューブ状の空洞の第二の端部が、本体の外面に配置され、出口オリフィスを含み;ステージb)において、前記チューブ状の空洞に導入された樹脂が、その出口オリフィスに向けて吸引されるように、前記チューブ状の空洞の出口オリフィスに減圧が適用される、上記態様1〜6のいずれかに記載の方法。
[8]
前記少なくとも1つのチューブ状の空洞のうちのあるチューブ状の空洞において、ステージb)において、連続繊維束が前記チューブ状の空洞の第二の端部に向けて押されるように、機械的な押す力が前記チューブ状の空洞に挿入された連続繊維束に与えられる、上記態様1〜7のいずれかに記載の方法。
[9]
ステージc)の後に、方法が、追加のステージ:
‐連続繊維束の任意の余剰分、及び/又は前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の入口オリフィスから突き出た樹脂を切断するステージ(109);及び/又は
‐本体(207,601,800)の外面を磨く、及び/又は削るステージ(110)
を含む、上記態様1〜8のいずれかに記載の方法。
[10]
ステージc)の前に、前記方法が、樹脂硬化温度において前記部品の本体をコンディショニングするステージ(107)を含む、上記態様1〜9のいずれかに記載の方法。
[11]
前記部品の本体をコンディショニングするステージ(107)が、ステージa)とステージb)との間で実施される、上記態様10に記載の方法。
[12]
ステージa)が、加法的な製造方法を使用する、上記態様1〜11のいずれかに記載の方法。
[13]
ステージa)の前に、前記方法が、
‐製造される部品の本体の三次元モデルを作製するステージ(101);及び
‐前記三次元モデルに基づいて、前記1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞の各チューブ状の空洞の経路を決定するステージ(102)を含む、上記態様12に記載の方法。
[14]
前記部品の本体(800)が、複数の要素(801〜810)であって、各要素がチューブ状の空洞の少なくとも1つのセグメントを内部に有する複数の要素を含み;ステージa)が、間で複数の要素を接合するサブステージを含み、前記1つ又はそれより多くのチューブ状の空洞を形成するように、チューブ状の空洞のセグメントを相互接続する、上記態様1〜13のいずれかに記載の方法。
[15]
ステージb)の前に、前記方法が、追加のステージ:
‐連続繊維束(208)に液体樹脂(301)のバスを適用するステージ;及び
‐樹脂含浸連続繊維束の投入端部を前記少なくとも1つのチューブ状の空洞の入口オリフィスと突き合わせるステージ
を含む、上記態様1〜14のいずれかに記載の方法。
[16]
ステージb)の前に、前記方法が、前記束を形成する連続繊維の端部を接合するように構成された連続繊維束の投入端部に接合要素を連結するステージを含む、上記態様1〜15のいずれかに記載の方法。
[17]
前記接合要素が、前記接合要素を有する前記連続繊維束が導入される前記チューブ状の空洞の断面の内部に密接に合うように適合された形状を有する、上記態様16に記載の方法。
[18]
‐チューブ状の空洞での連続繊維束(208)の挿入の前に、チューブ状の空洞の内部から粉末を空にするステージ;及び/又は
‐連続繊維束(208)を挿入する前に、チューブ状の空洞の内部に処理を適用してその粗さを低減するステージを含む、上記態様1〜17のいずれかに記載の方法。
[19]
複合材料から作られた部品(600)であって、本体(601)と、前記本体(601)内に配置された少なくとも1つの連続繊維束とを含み、前記少なくとも1つの連続繊維束が、その側面に樹脂コーティングを有し、複合材料から作られた前記部品が、上記態様1〜18のいずれかに記載の方法に従って得られたことを特徴とする、部品(600)。
[20]
少なくとも1つの連続繊維束を被覆する樹脂が、前記本体の1種又は複数種の材料以外の材料から製造されている、上記態様19に記載の部品(600)。
[21]
前記樹脂が、前記本体のものと同じ材料から製造されている、上記態様19に記載の部品(600)。
[22]
上記態様1〜18のいずれかに記載の方法による複合材料から作られた部品(600)を製造するシステム(200)であって、前記システム(200)が、
‐第一の端部と、前記第一の端部の反対側の第二の端部との間に延在する少なくとも1つのチューブ状の空洞(604a〜f)を内部に含む本体(207,601,800)を得るように適合された製造モジュール(201)であって、前記第一の端部が前記本体(207,601,800)の外面に配置され、かつ、入口オリフィスを含む、製造モジュール(201);及び
‐前記チューブ状の空洞(604a〜f)の内部に少なくとも1つの連続繊維束(208)を導入するための連続繊維挿入モジュール(202)を含むことを特徴とする、システム(200)。
[23]
前記本体(207,601,800)の前記チューブ状の空洞(604a〜f)において導入された前記樹脂(301)を硬化させるように適合された硬化モジュール(203)を更に含む、上記態様22に記載のシステム。
[24]
前記連続繊維挿入モジュール(202)が、前記チューブ状の空洞(604a〜f)の内部に液体状の樹脂(301)及び前記連続繊維束(208)を同時に導入するように適合されている、上記態様22又は23に記載のシステム。
[25]
前記連続繊維挿入モジュール(202)が、
‐液体状態の樹脂(301)を貯蔵可能であり、連続繊維束(208)を受け入れるように構成された容器(300)であって、前記樹脂及び前記連続繊維束のための出口開口部(302)を有する容器(300);
‐前記容器の出口開口部(302)に連結された第一の端部(304)と、前記製造モジュール(201)により得られた本体の少なくとも1つのチューブ状の空洞(604a〜f)のうちのあるチューブ状の空洞の入口オリフィスに連結可能な第二の端部(305)とを有するアプリケータ要素(303)であって、前記樹脂(301)及び前記連続繊維束(208)が、前記容器(300)から前記チューブ状の空洞の内部にアクセスできるように適合されている、アプリケータ要素(303);及び
‐前記入口オリフィスと、前記チューブ状の空洞(604a〜f)の第二の端部との間の前記樹脂(301)に圧力勾配を適用するように構成された圧力アクチュエータ(306)であって、前記入口オリフィスにおける圧力が、前記第二の端部における圧力より大きい、圧力アクチュエータ(306)
を含む、上記態様22〜24のいずれかに記載のシステム。
[26]
前記アプリケータ要素(303)が、前記樹脂(301)及び前記連続繊維束(208)が、前記容器(300)から前記チューブ状の空洞の内部に同時にアクセスできるように適合されている、上記態様25に記載のシステム。
[27]
前記チューブ状の空洞(604a〜f)の内部に液体状態の樹脂(301)を導入するように適合された追加的な挿入モジュールを含む、上記態様22に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図7
図8
図9a
図9b
図9c