(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
波目に垂直な方向に移動する両面段ボール素材の両面側にそれぞれ設けられる、前記両面段ボール素材の表面に平行な端部を有する板状の部材であって、前記波目の方向に前記両面段ボール素材の幅に対して所定の比率以上の長さを有し、前記波目に垂直な方向の長さである幅が前記段ボール素材の厚さの0.5〜3倍であり、前記端部の前記波目に垂直な方向の両側が面取りされている、第1押圧部及び第2押圧部と、
前記第1押圧部と前記第2押圧部が、両面段ボール素材の移動する方向に互いに位置をずらした状態で、該両面段ボール素材を両側から前記端部の一方の側の面取りされている部分で押圧するように前記第1押圧部と前記第2押圧部を駆動する駆動手段と、
前記第1押圧部及び前記第2押圧部が前記両面段ボール素材を押圧する箇所から該両面段ボール素材の厚さの1〜3倍の距離を置いて同様に押圧するように、前記両面段ボール素材の両面側にそれぞれ設けられた第3押圧部と第4押圧部とを備え、
前記駆動手段は、前記第1押圧部と前記第3押圧部を駆動する第1駆動機構と、前記第2押圧部と前記第4押圧部を同時に駆動する第2駆動機構から構成されていることを特徴とする両面段ボール素材への折罫付与装置。
前記第1押圧部と前記第3押圧部は一体的に構成され、前記第2押圧部と前記第4押圧部は一体的に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の両面段ボール素材への折罫付与装置。
【背景技術】
【0002】
定形の段ボール箱が多数必要とされる場合、まず、その段ボール箱の展開形状に合わせた大きさの矩形板状の段ボールシート(ブランクシート)を製造する。そして、そのブランクシートから目的の段ボールの展開形状を切り出し、罫入れや溝切り等の加工を行った後、継ぎ代を接着やステープラーで固定して、折り畳み状態の段ボール箱を製造する。
【0003】
作業現場では、この折り畳み状態の段ボール箱を広げて箱に組み立て、中に被梱包物を入れる。
【0004】
近年、多様な被梱包物に対応して個別に段ボール箱を作製したいという、いわゆるオンデマンドによる段ボール箱製造に対する要望が高まってきている。そのような場合、従来の定形の板状の段ボールシートから様々な展開形状の段ボール箱を製造していたのでは、切り出しの無駄が多いという問題がある。
【0005】
そこで、長尺な段ボール素材を予め製造して保存しておき、必要なときに必要な長さだけ引き出して多様な被梱包物に対応した段ボールシートを切り出す装置が提案されている。特許文献1では長尺な片面段ボール素材をロール状に巻き取った状態で保存しておき、ロール状片面段ボール素材を連続的に引き出し、貼り合わせて両面段ボール素材にした後、あるいは片面段ボール素材のまま切り出す等してブランクシートを製造している。
このようなロール状の段ボール素材は、片面段ボール素材であれば製造することが可能であるが、両面段ボール素材の場合は、ロール状に巻き取っておくことが困難である。
一方で、非特許文献1では両面段ボール素材をジャバラ状に折り畳んで保存しておき、この段ボール素材を連続的に引き出し、切り出し及び折罫を付与することでブランクシートを製造している。このようにジャバラ状に折り畳むことで、両面、片面のいずれの場合も長尺な段ボール素材として保存することが可能である。
【0006】
長尺な両面段ボール素材をジャバラ状に自動で折り畳む装置として、特許文献2の装置がある。この折り畳み装置では十字に配置されたアームが回転することで、アームの先端に取り付けられたロッドが連続的に供給される両面段ボール素材を所定の間隔毎に折り曲げ、畳むことで、両面段ボール素材をジャバラ状に積み上げる。
【0007】
このような自動折り畳み装置において、正確な位置で折り畳み、かつ、折り畳みを高速化するために、予め両面段ボール素材に折罫を設けておくことが望ましい。特許文献3には、長尺な両面段ボール素材に折罫を付与するための装置が記載されている。この装置では、
図15(a)に示すように、台座800に直線状の、両側に緩やかな傾斜を有する浅い溝が設けられ、その溝の中央から線状の凸条下刃815が突出している。一方、それに対向する上側には、前記凸条下刃815を挟むように一対の板状の傾斜上刃809が設けられている。これら凸条下刃815と一対の傾斜上刃809で段ボール素材860を線状に押しつぶすことで、段ボール素材860に折罫を形成している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献3に記載の段ボール素材の折罫形成装置では、上刃809は2本であるのに対し、下刃
815は1本だけであるため、
図15(b)に示すように、段ボール素材860の表面には2本の折罫A
、Bが、裏面には1本の折罫
Cがそれぞれ形成され、表面と裏面とで非対称となる。このような段ボール素材860をジャバラ状に折り畳む場合、
図15(b)の左半分を時計回りに折り畳むと、
図15(c)のように折罫A及びBの2箇所で折れ曲がり、折り畳み部が厚くなるのに対し、左半分を反時計回りに折り畳むと、
図15(d)のように折罫Cの1箇所のみで折れ曲がるため厚さが小さくなる。これを繰り返し折り畳んで積み上げていくと、折罫A、Bを内側に折り曲げた端部と、折罫Cを内側に折り曲げた端部で高さが異なり、段ボール素材860が斜めに積み上げられてしまう。
【0011】
なお、ここでは、長尺な両面段ボール素材をジャバラ状に折り曲げるときを例に挙げて説明したが、長尺な片面段ボール素材をジャバラ状に折り曲げるときや、長尺な厚紙又はボール紙をジャバラ状に折り曲げるときも、上述したような問題が生じる。
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、両面段ボール素材や片面段ボール素材、厚紙又はボール紙等の、比較的厚くて固いシート状素材を、両面方向に均等に折り畳むことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために成された本発明に係る両面段ボール素材への折罫付与装置は、
a) 波目に垂直な方向に移動する両面段ボール素材の両面側にそれぞれ設けられる、前記両面段ボール素材の表面に平行な端部を有する板状の部材であって、前記波目の方向に前記両面段ボール素材の幅に対して所定の比率以上の長さを有し、前記波目に垂直な方向の長さである幅が前記両面段ボール素材の厚さの0.5〜3倍であり、前記端部の前記波目に垂直な方向の両側が面取りされている、第1押圧部及び第2押圧部と、
b) 前記第1押圧部と前記第2押圧部が、両面段ボール素材の移動する方向に互いに位置をずらした状態で、該両面段ボール素材を両側から前記端部の一方の側の面取りされている部分で押圧するように前記第1押圧部と前記第2押圧部を駆動する駆動手段と
を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る両面段ボール素材への折罫付与装置では、移動方向が波目に垂直な方向の両面段ボール素材に対して、その波目に平行な方向の寸法である幅に対して所定の比率以上の長さにおいて、第1押圧部の端部の面取りされている部分と第2押圧部の端部の面取りされている部分により押圧される(このとき、第1押圧部と第2押圧部の端部の両側の面取りされている部分のうち、互いに対向する側の部分で両面段ボール素材を押圧することになる)。これにより、両面段ボール素材の表裏両面に凹条部が1本ずつ形成され、これら表裏の凹条部により1本の折罫が形成される。第1押圧部及び第2押圧部は、端部の両方の側が面取りされており、角(かど)がないため、第1押圧部と第2押圧部が、両面段ボール素材の移動方向に位置をずらした状態で該両面段ボール素材を押圧したときに、両押圧部の端部によって傷ついたり破れたりすることがない。第1押圧部と第2押圧部によって形成される折罫は、両面段ボール素材の全幅に設けることが望ましいが、断続的に設けてもよい。断続的に設ける場合、全ての折罫の長さの合計が両面段ボール素材の幅に対して所定の比率以上あればよい。この所定の比率としては、1/2とするのがよい。
【0015】
また、第1押圧部と第2押圧部はそれらの端部の面取りされている部分で該両面段ボール素材を押圧するが、前記のように押圧の時点では第1押圧部と第2押圧部は波目に垂直な方向に互いに少しずれた位置にあるため、1本の折罫が有する表裏の凹条部には、僅かの波目に垂直な方向の位置的差異が生じる。しかし、ジャバラ状に折り畳む際には、この位置的差違は問題とはならない。むしろ、この位置的差異により、両面段ボール素材のうち凹条部の間の部分が他の部分に対して斜めになり、それによって両面段ボール素材を折り曲げ易くなる。一方、凹条部は両面においてそれぞれ1本であるため、両面段ボール素材を一方の側に折ったときと他方の側に折ったときの厚さに差がなく、また、折り畳み厚さも小さい。従って、両面段ボール素材をジャバラ状に折り畳んだとき、均等かつ高密度に折り畳むことができる。なお、本発明に係る折罫付与装置が対象とする両面段ボール素材は、紙製のもののほか、プラスチック製のものであってもよい。
【0016】
前記折罫付与装置では、前記駆動手段は、第1押圧部及び第2押圧部が、両面段ボール素材から離間した位置と、第1押圧部及び第2押圧部が両面段ボール素材を押圧する位置との間を移動させる。この場合、第1押圧部及び第2押圧部の移動経路は直線的でも良く、曲線的でも良い。
【0017】
また、第1押圧部及び第2押圧部は、前記両面段ボール素材の両面側にそれぞれ配置された、該両面段ボール素材の幅以上の長さを有する第1押罫ローラ及び第2押罫ローラの表面に設けてもよい。この場合、前記駆動手段は各押罫ローラを回転させることにより第1押圧部と第2押圧部を駆動する。
【0018】
さらには、第1押圧部を押罫ローラの表面に設けて回転させ、第2押圧部をそれに対向した位置に配置しておき、第1押圧部の回転押圧に従動して弾性的に退避するような構造としてもよい。なお、第1押圧部の回転押圧に従動して弾性的に退避するのではなく、第1押圧部の回転押圧に同期して移動するように制御されるものであってもよい。
【0019】
両面段ボール素材の厚さが大きい場合、上記のように1本の折罫のみを付与するだけでは、180°折り曲げたときに折りの外側に大きな引張力がかかり、両面段ボール素材の外面が割れることがある。そのような場合には、上記のような折罫を近接して2本形成してもよい。
すなわち、上記折罫付与装置は、更に、
前記第1押圧部及び前記第2押圧部が前記両面段ボール素材を押圧する箇所から該両面段ボール素材の厚さの1〜3倍の距離を置いて同様に押圧するように、前記両面段ボール素材の両面側にそれぞれ設けられた第3押圧部と第4押圧部とを備え、
前記駆動手段は、前記第1押圧部と前記第3押圧部を駆動する第1駆動機構と、前記第2押圧部と前記第4押圧部を同時に駆動する第2駆動機構から構成されていることを特徴とする。
【0020】
両面段ボール素材に近接した2本の折罫を形成することで、両面段ボール素材をジャバラ状に折り畳む際にはこれらの近接した折罫がそれぞれ折れ曲がる。これにより、1つの折罫における折れ曲がり角度はほぼ90°となり、両面段ボール素材の外面の破れを防ぐことができる。
【0021】
このようにして製造された両面段ボール素材は、両面においてそれぞれ2本の互いに近接した(すなわち、該両面段ボール素材の厚さの1〜3倍の間隔で設けられた)、波目に平行な折罫を有することとなる。波目に垂直な方向に連続的に製造される長尺の両面段ボール素材にこのような折罫を所定の折り畳み長さ毎に設けることにより、この両面ボール素材をジャバラ状に折り畳む際、長手方向のいずれの側で折り曲げるときも、外面の破れがなく、また、折り畳み厚さも小さい折り曲げを行うことができる。従って、均等かつ高密度に折り畳まれた段ボール素材の積層体を製造することができる。なお、この折罫は、両面段ボール素材の全幅に設けてもよいし、断続的に設けてもよい。断続的に設ける場合は、折罫を設けた部分の長さが全幅の1/2以上となるようにすることが望ましい。折罫を幅方向に断続的に設けることにより、折り畳まれる直前まで両面段ボール素材の腰を強くすることができ、連続的に製造する場合のハンドリングを容易にすることができる。
【0022】
前記の場合、前記第1押圧部と前記第3押圧部は一体的に構成され、前記第2押圧部と前記第4押圧部は一体的に構成されていることが好ましい。
【0023】
また、本発明に係るシート状素材への折罫付与装置は、
a) 所定の方向に移動するシート状素材の両面側にそれぞれ設けられた、前記シート状素材の表面に平行な端部を有する板状の部材であって、前記シート状素材の移動方向に垂直な方向の長さが該シート状素材の幅の所定の比率以上の長さであり、前記シート状素材の移動方向の長さである幅が前記シート状素材の厚さの0.5〜3倍であり、前記端部の前記シート状素材の移動方向に互いに対向する側が面取りされている、第1押圧部及び第2押圧部と、
b) 前記第1押圧部と前記第2押圧部が、前記シート状素材の移動する方向に互いに位置をずらした状態で、該シート状素材を両側から押圧するように前記第1押圧部と前記第2押圧部を駆動する駆動手段と
を備えることを特徴とする。
【0024】
ここで、シート状素材とは、上述した両面段ボール素材の他、片面段ボール素材、厚紙又はボール紙等の比較的厚くて固い素材であって、長尺なものをいう。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る両面段ボール素材への折罫付与装置及びシート状素材への折罫付与装置によれば、連続した両面段ボール素材やシート状素材に、両面方向に均等に折ることができる折罫を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に係る折罫付与装置を使用した両面段ボール素材の製造工程の概略構成図。
【
図2】折罫を付与した両面段ボール素材を折り畳む状態を示す説明図。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る折罫付与装置の概略構成図。(a)は折罫付与装置の側面図。(b)は折罫付与装置の正面図。
【
図4】第1の実施形態における押圧部の先端の構造を説明する図。
【
図5】第1の実施形態における押圧部の先端形状を説明する図。(a)は台形状の突起部を有する図。(b)は半円形状の突起部を有する図。(c)は台形状の突起部の先端が丸形図。
【
図6】第1の実施形態に係る折罫付与装置により両面段ボール素材を押圧している状態を示す図。
【
図7】第1の実施形態に係る折罫付与装置により折罫が付与された両面段ボール素材を示す図。
【
図8】第1の実施形態に係る折罫付与装置により折罫が付与された両面段ボール素材を折り畳む状態を示す図。
【
図9】第2の実施形態に係る折罫付与装置の概略構成図。
【
図10】第2の実施形態に係る折罫付与装置により両面段ボール素材を押圧している状態を示す図。
【
図11】第1の変形例に係る折罫付与装置の概略構成図。
【
図12】第2の変形例に係る折罫付与装置の概略構成図。
【
図13】押圧部の幅方向の形状の変形例を説明する図。
【
図14】押圧部の押罫ローラに取り付けるための構造を説明する図。
【
図15】(a)は従来技術における折罫形成装置。(b)は折罫形成装置で折罫が付与された両面段ボール素材の断面図、(c)は折罫A、Bを内側にして折り畳んだ状態。(d)は折罫Cを内側にして折り畳んだ状態。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明を両面段ボール素材への折罫付与装置に適用したいくつかの実施形態について以下に説明する。
まず、
図1により、両面段ボール素材の製造工程の一例を説明する。表ライナー紙61のロール12、中しん紙62のロール14、裏ライナー紙63のロール16からそれぞれ原紙61、62、63が引き出され、まず、シングルフェイサ20においてコルゲータ21により中しん紙62に波形の段が形成され、表ライナー紙61と接着されて片面段ボール17が製造される。次にダブルフェイサ30において、この片面段ボール17の波板側に裏ライナー紙63が接着され、両面段ボール素材60が製造される。つまり、両面段ボール素材60は、表ライナー紙61、中しん紙62、裏ライナー紙63から構成される。なお、各原紙は接着剤による貼合前にヒータ22、31、32により加熱され、製造された両面段ボール素材60もヒータ33により加熱され、接着が養生(固定)される。
【0028】
製造された両面段ボール素材60は、図示しない搬送装置によって波目と垂直な方向に搬送され、本発明に係る折罫付与装置100まで移動することにより所定の長さ毎に両面側から折罫が形成される。その後、スタッカー42において交互に折り込まれ、ジャバラ状に折り畳まれる。その様子を
図2に示す。
図2(a)の紙面の左から折罫が付与された両面段ボール素材60が供給される。折罫Aが付与された両面段ボール素材60は、スタッカー42に押し出されることで
図2(b)に示すように折罫Aで折れ曲がり、ジャバラ状に積み重ねられる。
【0029】
[第1の実施形態]
本発明に係る折罫付与装置の第1の実施形態について、
図3から
図6を参照しつつ説明する。折罫付与装置100の側面図を
図3(a)に、正面図を
図3(b)に示す。本実施形態に係る折罫付与装置100は、上下に並んで配置された第1押罫ローラ141及び第2押罫ローラ142と、これらを回転駆動させる第1駆動部121及び第2駆動部122と、これら駆動部を制御する制御部130からなる。
図3において、両面段ボール素材60は、表(おもて)面が上、裏面が下を向くように、紙面の左方向から右方向に向かってほぼ水平な状態で連続的に折罫付与装置100に供給される。
【0030】
第1押罫ローラ141及び第2押罫ローラ142は、それぞれ両面段ボール素材60の幅方向に延設され、両面段ボール素材60よりも広い幅を有する。また、これら押罫ローラ141、142の表面には、該押罫ローラの軸方向に延びる上部押圧部材111及び下部押圧部材112がそれぞれ設けられている。上部押圧部材111及び下部押圧部材112は、いずれも押罫ローラの軸方向長さと同じ長さを有する断面が略長方形状の棒状部材からなり、その一部を押罫ローラの表面に形成された溝部に嵌合することにより該押罫ローラの表面に取り付けられている。
【0031】
図4に上部押圧部材111と下部押圧部材112の先端部の構造を示す。上部押圧部材111のうち第1押罫ローラ141から突出する部分の先端面には、第1押罫ローラ141の軸方向に延びる溝111bが形成されており、これにより、上部押圧部材111は、その先端面に2本の突条部111a1(両面段ボール素材60の流れ方向の上流側)及び突条部111a2(同・下流側)を有する。2本の突条部111a1及び111a2は互いに平行で、且つ、それぞれが両面段ボール素材60の厚さの0.5〜3倍程度の幅W1(両面段ボール素材60の流れ方向の長さ)を有している。これら突条部111a1及び111a2は両面段ボール素材60の厚さの1〜3倍の間隔W2を空けて設けられている。突条部111a1及び111a2は、その端面のうち両面段ボール素材60の流れ方向両側の角部がいずれも面取りされており、両面段ボール素材60に対して傾斜した面となっている(
図4に、これら傾斜面のうち突条部111a1の上流側のものに111c1、下流側のものに111d1、突条部111a2の上流側のものに111c2、下流側のものを111d2との符号を付す)。なお、面取りした部分は曲面(R面)でもよく、平面でもよい(
図5参照)。また、突条部の先端部の断面を半円形にすることにより、突条部に傾斜面111eを設けてもよい(
図5(b))。さらに、突条部の両側を傾斜した平面状(面111f)にし、これら傾斜した面によって挟まれた面111gを曲面状にしてもよい(
図5(c))。下部押圧部材112の構造は、上部押圧部材111と同一であり、その先端面に2本の突条部112a1(上流側)及び112a2(下流側)を有する。この上部押圧部材111の2本の突条部111a1及び111a2が本発明における第1押圧部、第3押圧部に対応し、下部押圧部材112の2本の突条部112a1及び112a2が本発明における第2押圧部、第4押圧部にそれぞれ対応する。
【0032】
また、第1押罫ローラ141と第2押罫ローラ142の位置は、上部押圧部材111と下部押圧部材112が接近した際に、上部押圧部材111の上流側の突条部111a1が下部押圧部材112に設けられた溝112bに嵌るように、その回転中心を両面段ボール素材60の流れ方向にずらして配置されている。このとき、上部押圧部材111の上流側の突条部111a1が有する上流側の傾斜面111c1と、下部押圧部材112の上流側の突条部112a1が有する下流側の傾斜面112d1が対向し、上部押圧部材111の下流側の突条部111a2が有する上流側の傾斜面111c2と、下部押圧部材112の下流側の突条部112a2が有する下流側の傾斜面112d2が対向している。
【0033】
第1駆動部121と第2駆動部122はそれぞれモータと歯車等の駆動機構からなり、モータの回転駆動力を駆動機構を介して第1押罫ローラ141、第2押罫ローラ142に伝達させて回転駆動する。制御部130は、第1駆動部121及び第2駆動部122に制御指令を送ることで第1押罫ローラ141及び第2押罫ローラ142の回転速度の制御し、両押罫ローラの上部押圧部材111と下部押圧部材112を一定時間毎に対向させる。
【0034】
次に折罫付与装置100の動作について説明する。本実施形態では、第1駆動部121及び第2駆動部122は、制御部130から送られる制御指令に応じて、第1押罫ローラ141及び第2押罫ローラ142を回転駆動する。折罫付与装置100に連続的に供給される両面段ボール素材60は、一定の長さ毎に上部押圧部材111の突条部111a1及び112a2と下部押圧部材112の突条部112a1及び112a2のそれぞれに形成された傾斜面111c1と傾斜面112d1、及び111c2と傾斜面112d2に挟まれることで、
図6に示すように両側から押圧されて折罫が形成される。
【0035】
本実施形態に係る折罫付与装置100では、
図7に示すように、両面段ボール素材60の近接した2箇所に折罫が付与される。この折罫は両面段ボール素材60の表(おもて)面側、裏面側のどちらにも同様に折り畳める形状である。この点につき、
図8を用いて、後工程においてジャバラに折り畳む際の動作を説明する。
図8(a)に示すように、両面段ボール素材60の表面側に設けられた2本の凹条部に左から順にA及びCと、裏面側においてAとCの間に設けられた凹条部にBと、裏面側において凹条部Cよりも右側に設けられた凹条部にDとの符号を付す。凹条部A及びBによって1本の折罫が構成され、凹条部C及びDによってもう1本の折罫が構成される。
図8(a)の状態から両面段ボール素材60の凹条部Dよりも右側部分を反時計回りに折り畳むと、凹条部Cのところで折れ曲がり、凹条部B及びDのところで曲がっていたライナー紙が伸びる(
図8(b)の右端)。その際、次に折り曲げられる部分は上下が反転している(
図8(b)の左端付近)。次に、
図8(b)の左端付近の折罫よりも左側の両面段ボール素材60を時計回りに折り畳むと、凹条部Bのところで折れ曲がり、凹条部A及びCのところで曲がっていたライナー紙が伸びる(
図8(c))。以下、これまでの動作を繰り返すことにより、均等に折り畳むことが可能である。
【0036】
上部押圧部材111と下部押圧部材112を両面段ボール素材60の流れ方向に位置をずらした状態で該両面段ボール素材60を押圧することで、幅dだけ両面段ボール素材60の高さがずれて折り曲げが容易になる。また、1本の折罫中の表裏両面の凹条部の間(AとBの間、又はCとDの間)の部分が他の部分に対して斜めになることにより、両面段ボール素材60の折り曲げが容易になる。さらに、各突条部の両端が面取りされているため、押圧時に両面段ボール素材60に傷が付くことを防ぐことができる。
【0037】
なお、両面段ボール素材60が押圧される幅は、突条部111a、112aの面取りされた部分(傾斜面)の幅(
図4に記号Wで示す長さ)により決まる。この幅Wが小さすぎると折罫からずれた位置で折れ曲がることがある。この幅Wが大きすぎると、段ボール箱として組み立てた際に該段ボール箱の側面や底面に折罫が位置した場合に強度が低下したり見た目が良くない。そこで、突条部111a1、111a2、112a1、112a2の幅W1を両面段ボール素材60の厚さの0.5から3倍程度の範囲とすることにより、傾斜面の幅Wを適切な長さにすることができる。この場合、突条部の幅W1の大きさを両面段ボール素材60の厚さに対してどのくらいの比率にするかは、両面段ボール素材60の厚さによって決めると良い。例えば、両面段ボール素材60の厚さが小さい場合(例えば1〜2mmの場合)に幅W1を両面段ボール素材60の厚さの0.5倍にすると、突条部111a1、111a2、112a1、112a2が切断刃のようになってしまうため、2〜3倍が好ましい。一方、両面段ボール素材60の厚さが大きい場合(5mm以上)に、突条部の幅W1の大きさを両面段ボール素材60の厚さの3倍にすると、折罫からずれた位置で折れ曲がりやすくなるため、0.5〜1倍程度が好ましい。
【0038】
さらに、2つの折罫で180°折り畳むため、1つの折罫の折り曲げ角度が90°となる。これにより折りの外側のライナー紙にかかる力が分散され、破れにくい。上部押圧部材111及び下部押圧部材112にそれぞれ設けられた2本の突条部の間隔と突条部の幅を合算した長さ(
図4に記号W2で示す長さ)、すなわち折罫の間隔はジャバラ状に折り畳んだ際の両面段ボール素材60の折りの厚さに影響する。この間隔が短いと、折り厚さを小さくすることができるが、折りの外側のライナー紙の2つの折罫の部分に力がかかるため、ライナー紙が破れ易くなる。前記折罫の間隔が長いと折りの厚さが大きくなるため、ジャバラ状に積み上げた高さが大きくなり、広い保管場所が必要となる。そこで、本実施形態では、幅W2を両面段ボール素材60の厚さの1から3倍の範囲内とした。これにより、折りの厚さを抑えつつ、ライナー紙にかかる力を分散させることができる。
【0039】
上述の折罫付与装置100の上部押圧部材111及び下部押圧部材112の各部の寸法を以下のように設定して、厚さ3.0mm、4.0mm、5.0mmの3種類の両面段ボール素材に折罫を付与した。すなわち、
図5(a)に示す突条部の幅W1=3.5mm、溝の幅W6=5.0mm(突条部の間隔W2=8.5mm)、突条部の高さW3=4.0mm、押圧部材の高さW4=25.0mm、押圧部材の幅W5=12.0mmとした。その結果、3種類の両面段ボール素材の全てにおいて、該両面段ボール素材が破れたり傷ついたりすることなく罫線を付与することができ、且つ、罫線でどちら向きに折り曲げた場合でも折り曲げた端部の高さがほぼ同じになった。このため、全ての両面段ボール素材について、ジャバラ状に折り畳んだときに、真っ直ぐな状態で積み上げることができることを確認した。
【0040】
[第2の実施形態]
折罫付与装置は以下に説明する第2の実施形態とすることもできる。第2の実施形態について
図9及び
図10を参照しつつ説明する。本実施形態に係る折罫付与装置200は、第1押罫ローラ及び第2押罫ローラ以外の構成は第1の実施形態と同じであるため、符号の下2桁を同一の番号とし、適宜説明を省略する。
【0041】
第1押罫ローラ241及び第2押罫ローラ242には、第1の実施形態の上部押圧部材及び下部押圧部材と同様にして、第1押圧部211と第2押圧部212がそれぞれ設けられている。第1押圧部111のうち第1押罫ローラ241から突出する部分の先端面において、その端面のうち両面段ボール素材60の流れ方向両側の角部がいずれも曲面(R面)状に面取りされることで、半円状に形成されている。面取り部分の形状については第1の実施形態と同様に、平面状の傾斜面としたり、該平面状の傾斜面に挟まれた部分を曲面状にしてもよい。
【0042】
第1押罫ローラ241及び第2押罫ローラ242は、第1押圧部211が最下部及び第2押圧部212が最上部に位置したときに、各先端の半円形の部分が両面段ボール素材60の流れ方向に僅かにずれ、且つ、その距離Wが両面段ボール素材60の厚みよりも小さくなるように、配置されている。
【0043】
次に折罫付与装置200の動作について説明する。本実施形態では、第1駆動部221及び第2駆動部222は、制御部230から送られる制御指令に応じて、第1押罫ローラ241及び第2押罫ローラ242を回転駆動する。そして、折罫付与装置200に連続的に供給される両面段ボール素材60は、第1押圧部211及び第2押圧部212が
図9に示す位置にくる毎に第1押圧部211と第2押圧部212により両側から押圧され、これにより一定の長さ毎に折罫が形成される(
図10)。
【0044】
この折罫は両面段ボール素材60の表面側、裏面側のどちらにも同様に折り畳める形状であるため、後工程においてジャバラに折り畳む際に均等に折り畳むことが可能である。また、両面段ボール素材60の流れ方向に僅かにずれた位置にある第1押圧部211と第2押圧部212によって両面段ボール素材60を押圧することで、幅dだけ両面段ボール素材60の高さがずれると共に、表裏の凹条部の間の部分がそれ以外の部分に対して斜めになるため、折り曲げが容易になる。また、第1押圧部211及び第2押圧部212の先端部の形状を半円形とすることで、両面段ボール素材60の表面に傷を付けずに折罫を付与することが可能である。なお、本実施形態においても、第1の実施形態と同様、第1押圧部211及び第2押圧部212の幅W1の大きさを両面段ボール素材60の厚さに対してどのくらいの比率にするかは、両面段ボール素材60の厚さによって決めると良い。また、第1押圧部211と第2押圧部212の流れ方向(両面段ボール素材60の波目に垂直な方向)の距離W7は、両面段ボール素材60をジャバラに折り畳んだ際に厚くなり過ぎないように、両面段ボール素材60の厚さ以下とすることが望ましい。
【0045】
[変形例]
上記実施形態の変形例として、
図11に示すように、第1押圧部311及び第2押圧部312がそれぞれ別の直線上を往復する構成とすることもできる。この変形例では両面段ボール素材60の表(おもて)面側に第1押圧部311、裏面側に第2押圧部312がそれぞれ配置され、これらを両面段ボール素材60の面に対して垂直な方向に往復移動させる第1駆動部321と第2駆動部322と、2つの駆動部を制御する制御部330とを有している。第1押圧部311及び第2押圧部312の先端の形状を第2の実施例と同様に半円形とし、これら2つの押圧部をそれぞれ両面段ボール素材60の流れ方向にずらして配置する。
【0046】
制御部330からの制御指示により第1駆動部321と第2駆動部322が第1押圧部311及び第2押圧部312を同時に駆動させ両面段ボール素材60を押圧する。これにより第2の実施形態と同様な折罫を両面段ボール素材60に付与することができる。なお、第1押圧部311及び第2押圧部312に代えて、第1の実施形態と同様にそれぞれ2本の突条部を有する上部押圧部材と下部押圧部材としても良い。
【0047】
第2の変形例として、
図12に示すように、平板442にリニアガイド442aとバネ442bを設け、第2押圧部412を両面段ボール素材60の流れ方向に移動可能な構成としてもよい。本変形例では第2押圧部412は、第1押圧部411が下端に移動すると、第1押圧部411との間で両面段ボール素材60を押圧し、第1押圧部411の移動に合わせてリニアガイド441aに沿って移動する。これにより、両面段ボール素材60に上記実施形態と同様な折罫が付与される。そして、第1押圧部411が上方に移動すると、バネ442bの力により元の位置に戻る。
【0048】
上記実施形態は一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜変更、修正、追加などを行っても本願の請求の範囲に包含されることは明らかである。例えば、上記実施形態の両面段ボール素材は、紙を原材料とするもので説明したが、プラスチックシートを用いたプラダンについても、両面段ボール素材を製造する工程を従来のプラダンを製造する工程で置き換えれば、そのまま適用することができる。また、両面段ボール素材以外にも、片面段ボール素材や厚紙、ボール紙等のシート状素材に対して折罫を付与する場合にも上記実施形態や変形例で説明した折罫付与装置を用いることができる。
【0049】
第1押圧部(上部押圧部材)と第2押圧部(下部押圧部材)の両面段ボール素材の幅方向における長さを、上記実施形態では両面段ボール素材の幅よりも長いものとしたが、両面段ボール素材の幅よりも短くしてもよい。また、
図13に示すように、各押圧部を所定の間隔毎に突出させた構成としてもよく、この例では、第1押罫ローラ741及び第2押罫ローラ742の表面から、第1押圧部711及び第2押圧部712を幅Lの区間だけ突出させ、この突出部分で両面段ボール素材を押圧している。なお、これらの構成では、折罫を付与する長さ、すなわち押圧部の長さの合計を両面段ボール素材の幅の1/2以上とすることで、折罫に沿って折りたたむことができ、且つ段ボール箱とした際に強度を維持し、見た目が悪くなることを防ぐことができる。
【0050】
また、上記実施形態では、第1押圧部(上部押圧部材)と第2押圧部(下部押圧部材)をそれぞれ、第1押罫ローラと第2押罫ローラに形成された溝に嵌め込む構造としたが、
図14に示すように、第1押罫ローラ741と第2押罫ローラ742の円周の一部に切り欠きを設け、この切り欠き部分に第1押圧部711と第2押圧部712を載置して、ボルトで固定する構成としてもよい。このような構成とすることで、押罫ローラに対する各押圧部の着脱を容易に行うことができる。
【0051】
上記実施形態では第1押罫ローラと第2押罫ローラにそれぞれ駆動部(第1駆動部及び第2駆動部)を設けたが、いずれか一方の押罫ローラのみに駆動部を設け、他方の押罫ローラは該駆動部からギアなどの伝達手段を用いて回転させるようにしてもよい。