特許第6770101号(P6770101)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6770101引き込みおよび引き出し可能なフットレストを有する座席用シャーシ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6770101
(24)【登録日】2020年9月28日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】引き込みおよび引き出し可能なフットレストを有する座席用シャーシ
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/06 20060101AFI20201005BHJP
   A47C 7/50 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
   B60N3/06
   A47C7/50 Z
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-566631(P2018-566631)
(86)(22)【出願日】2016年3月11日
(65)【公表番号】特表2019-508322(P2019-508322A)
(43)【公表日】2019年3月28日
(86)【国際出願番号】EP2016055464
(87)【国際公開番号】WO2017153004
(87)【国際公開日】20170914
【審査請求日】2019年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】518324784
【氏名又は名称】イノテック モーション ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】INNOTEC MOTION GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】マッケルト,ミハエル
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102009051576(DE,A1)
【文献】 特開2003−000384(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3178456(JP,U)
【文献】 特開2011−067355(JP,A)
【文献】 実開昭60−036339(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 − 3/18
A47C 7/00 − 7/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き込みおよび引き出し可能な、レッグレストおよび/またはフットレスト(1000)と、駆動手段(107)と、レッグレストおよび/またはフットレスト(1000)の引き込みおよび引き出し動作中に、レッグレストおよび/またはフットレスト(1000)の折り畳み/展開動作を開始させるための展開手段(1001,1002,1003,1004)と、駆動手段(107)によって並進移動されて、よって引き出しおよび引き込み動作を開始するように構成された並進手段(907)とを含む座席用シャーシ(900)において、
レッグレストおよび/またはフットレスト(1000)の折り畳み/展開動作は、展開手段(1001,1002,1003,1004)と並進手段(907)との間の距離の変化によって引き起こすことができ、
座席用シャーシ(900)は、2つの案内レール(904)および2つの案内要素を備え、案内レール(904)は、引き込みおよび/または引き出し動作中に案内要素を案内するように構成され、展開手段(1001,1002,1003,1004)と並進手段(907)との間の距離は、案内レール(904)による案内要素の案内によって変更することができ、
案内レール(904)は、
レッグレストおよび/またはフットレスト(1000)が折り畳まれた状態にある第1セクションであって、案内レールが互いに離れるように引き出され、したがって案内要素が互いに離れるように案内される第1セクションと、
第1セクションに隣接する第2セクションであって、案内レールがほぼ平行に延びている第2セクションと、
第2セクションに続く第3セクションであって、案内レールが再び互いに離れる第3セクションと、
第3セクションに続く第4セクションであって、案内レールが再び互いに平行に延びる第4セクションと、
からなる4つのセクションに分割されることを特徴とする座席用シャーシ(900)。
【請求項2】
座席用シャーシ(900)は、第1脚部(905)および第2脚部(906)を備え、案内要素は、第1脚部(905)の第1端部に結合され、案内要素は、第2脚部(906)の第1端部に回転可能に結合され、第1脚部(905)の第1端部に対向する第1脚部(905)の第2端部は、展開手段(1001,1002,1003,1004)に結合され、第1端部に対向する第2脚部(906)の第2端部は、並進手段(907)または並進手段(907)に堅固に結合されたキャリッジ(903)に回転可能に結合されることを特徴とする、請求項1に記載の座席用シャーシ(900)。
【請求項3】
展開手段(1001,1002,1003,1004)と並進手段(907)との間の距離は、案内要素が、引き込みおよび/または引き出し動作中に、並進手段(907)もしくはキャリッジ(903)の方向に、または並進手段(907)もしくはキャリッジ(903)から離れるように案内されることによって、変更可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載の座席用シャーシ(900)。
【請求項4】
折り畳み動作中に、並進手段(907)またはキャリッジ(903)から離れるように、案内要素が案内されることによって、引き込み動作中に、レッグレストおよび/またはフットレスト(1000)の展開動作を引き起こすことが可能であり、レッグレストおよび/またはフットレスト(1000)の展開動作は、引き出し動作中に、案内要素が、並進手段(907)またはキャリッジ(903)の方向に案内されることによって、引き起こすことが可能であることを特徴とする、請求項3に記載の座席用シャーシ(900)。
【請求項5】
キャリッジ(903)は、座席用シャーシ(900)の側方領域に配設され、案内要素および案内レール(904)は、座席用シャーシ(900)の内側領域に配設されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の座席用シャーシ(900)。
【請求項6】
座席用シャーシ(900)は、少なくとも2つの案内要素と、2つの案内レール(904)と、2つのキャリッジ(903)とを備え、キャリッジ(903)はそれぞれ、側方向領域の1つに配設され、案内要素および案内レール(904)はそれぞれ、座席用シャーシ(900)の中心とそれぞれのキャリッジ(903)との間に配設されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の座席用シャーシ(900)。
【請求項7】
展開手段(1001,1002,1003,1004)は、少なくとも1つのボルト(1001)と、ベアリング要素(1003)と、スロット(1002)とを備え、レッグレストおよび/またはフットレスト(1000)の折り畳み/展開動作は、ボルトの並進運動(1001)によって引き起こすことができ、ボルト(1001)は、この並進運動があるとき、スロット(1002)内において、ベアリング要素(1003)によって案内されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の座席用シャーシ(900)。
【請求項8】
展開手段(1001,1002,1003,1004)は、さらなるベアリング要素(1004)を含み、このさらなるベアリング要素上には、レッグレストおよび/またはフットレスト(1000)を配設することができ、ベアリング要素(1003)はボルト(1001)に配設されることを特徴とする、請求項7に記載の座席用シャーシ(900)。
【請求項9】
展開手段(1001,1002,1003,1004)は、ばね要素を含み、ばね要素は、レッグレストおよび/またはフットレスト(1000)にばね力を加え、ばね力は、レッグレストおよび/またはフットレスト(1000)をボルト(1001)に押圧することを特徴とする、請求項8に記載の座席用シャーシ(900)。
【請求項10】
座席用シャーシ(900)は、駆動手段(107)によって生成されたトルクを並進的に並進手段(907)に作用する力に変換する変換手段を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項または請求項1の前提部分に記載の座席用シャーシ(900)。
【請求項11】
変換手段は、ねじ付きスピンドル(902)およびナットを備え、ナットは、並進手段(907)に結合され、ねじ付きスピンドル(902)にねじ込まれ、ねじ付きスピンドル(902)は、駆動手段(107)によって回転させることができることを特徴とする、請求項10に記載の座席用シャーシ(900)。
【請求項12】
変換手段は、座席用シャーシ(900)の中央領域に配設されることを特徴とする、請求項10または11に記載の座席用シャーシ(900)。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の座席用シャーシ(900)を含むことを特徴とする座席。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に従った座席用シャーシに関する。
【背景技術】
【0002】
座席用シャーシとして、座席の基本構造を形成する構造について言及する。座席用シャーシ上には、詰め物と張り材料とが取り付けられる。
【0003】
DE 10 2009 051 576 A1から、引き出し可能で、展開可能なフットレストを有する座席用シャーシが知られる。公知の座席用シャーシでは、駆動手段の角運動量をフットレストの引き出し運動および展開運動に変換する変換手段が利用される。さらに、座席用シャーシは、しばしばシート支持フレーム用ばねを有している。シート支持フレームには、シートとして働く詰め物を取り付けることが可能である。変換手段およびばねは、通常、互いに近接して位置している領域に配設される。この配設は、フットレストの引き込みおよび引き出しのための空間を小さくすることの障害となる。引き込みおよび引き出し機構が、引き込み状態においてわずかしか見えない、またはまったく見えないようにするために、比較的わずかの設置スペースしか使わないとすべきであれば、この目的はばねを配設することが妨げとなる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、フットレストの引き込みおよび引き出しのために必要なスペースがより少ない座席用シャーシを提供することを課題とする。さらにまた、このような座席用シャーシを備える座席を作製することを課題とする。
【0005】
この課題は、請求項1に記載の座席用シャーシと、請求項13に記載の座席とによって達成される。本発明の実施形態は従属請求項に示されている。
【0006】
座席用シャーシは、引き込みおよび引き出し可能な、レッグレストおよび/またはフットレストと、駆動手段と、レッグレストおよび/またはフットレストの引き込みおよび引き出し動作中に、レッグレストおよび/またはフットレストの折り畳み/展開動作を開始させるための展開手段と、駆動手段によって並進移動されて、よって引き出しおよび引き込み動作を開始するように構成された並進手段とを含む。駆動手段は、たとえば、シャフトにトルクを伝達するモータとして構成することができる。トルクは、変換手段によって、並進手段に作用する力に変換されて、これにより、並進手段を並進移動させることが可能である。
【0007】
レッグレストおよび/またはフットレストの折り畳み/展開動作は、展開手段と並進手段との間の距離の変化によって引き起こすことが可能である。たとえば、展開手段は、1または複数のレバーを介して、引き込みおよび引き出し動作中に、自動的に展開手段と並進手段との間の距離が変化するように、並進手段と、または並進手段と固定されて結合された構成部品、たとえば、キャリッジと結合することが可能である。
【0008】
本発明の一実施形態に従えば、座席用シャーシは、少なくとも1つの案内レールおよび少なくとも1つの案内要素を備えることができる。案内レールは、引き込みおよび/または引き出し動作中に案内要素を案内するように構成することができる。展開手段と並進手段との間の距離は、案内レールによる案内要素の案内によって変更することができる。この目的のために、案内要素は、たとえば、展開手段および並進手段またはキャリッジに結合することができる。
【0009】
本発明の一実施形態に従えば、座席用シャーシは、第1脚部および第2脚部を備えることができる。案内要素は、第1脚部の第1端部に結合されてもよい。案内要素と第1脚部の第1端部との間の結合部は、回転可能であっても固定されていてもよい。さらにまた、案内要素は、第2脚部の第1端部に回転可能に結合されてもよい。第1脚部の第1端部に対向する第1脚部の第2端部は、展開手段に結合されてもよい。たとえば、第1脚が別の構成要素を介して展開手段と結合されることも可能である。第1端部に対向する第2脚部の第2端部は、並進手段または並進手段に堅固に結合されたキャリッジに回転可能に結合されてもよい。キャリッジは、たとえば、並進手段によって移動され、この目的のために並進手段に堅固に結合されてもよい。
【0010】
案内要素を脚部を介して展開手段および並進手段またはキャリッジと結合することによって、引き込みおよび/または引き出し動作中の展開手段と並進手段との間の距離の変更を行うことが可能である。案内要素は、たとえば、第2脚部と案内要素との間の回転可能な結合によって、キャリッジまたは並進手段と案内要素との間の距離が変更されるように、案内レールによって案内されることが可能である。
【0011】
本発明の1つの実施形態に従えば、展開手段と並進手段との間の距離は、案内要素が、引き込みおよび/または引き出し動作中に、並進手段もしくはキャリッジの方向に、または並進手段もしくはキャリッジから離れるように案内されることによって、変更可能とすることができる。案内要素と並進手段またはキャリッジとの間の距離を変更することによって、第2脚部の回転を引き起こすことができ、それにより、並進手段と展開手段との間の距離が変化する。
【0012】
本発明の一実施形態に従えば、引き込み動作中に、並進手段またはキャリッジから離れるように、案内要素が案内されることによって、引き込み動作中に、レッグレストおよび/またはフットレストの折り畳み動作を引き起こすことが可能である。レッグレストおよび/またはフットレストの展開動作は、引き出し動作中に、案内要素が、並進手段またはキャリッジの方向に案内されることによって、引き起こすことが可能となる。
【0013】
本発明の一実施形態に従えば、並進手段またはキャリッジは、座席用シャーシの側方領域に配設することが可能である。案内要素および案内レールは、座席用シャーシの内側領域に配設することが可能である。その場合、側方領域とは、特に、座席用シャーシの縁部領域において後端から前方に延びる領域であると理解すればよい。後端とは、座席用シャーシの端部であり、背もたれが取り付け可能な端部である。側方領域は、特に、座席用シャーシの中央よりも側縁に近い領域であればよい。座席用シャーシは、特に、互いに平行に延びる2つの側方領域を有することができる。内側領域とは、特に、2つの側方領域の間にある領域であると理解すればよい。
【0014】
本発明の一実施形態に従えば、座席用シャーシは、少なくとも2つの案内要素と、2つの案内レールと、2つのキャリッジとを備えることができる。キャリッジはそれぞれ、側方向領域の1つに配設することができる。案内要素および案内レールはそれぞれ、座席用シャーシの中心とそれぞれのキャリッジとの間に配設することができる。
【0015】
2つの案内要素、2つの案内レールおよび2つのキャリッジを適用することによって、座席用シャーシの安定性、特に引き込みおよび引き出し動作中の座席用シャーシの安定性が向上する。
【0016】
本発明の一実施形態に従えば、展開手段は、少なくとも1つのボルトと、ベアリング要素と、スロットとを備えればよい。レッグレストおよび/またはフットレストの折り畳み/展開動作は、ボルトの並進運動によって引き起こすことが可能である。ボルトは、この並進運動があるとき、スロット内において、ベアリング要素によって案内することができる。スロットは、たとえば、並進手段と直接的または間接的に強固に結合された構成要素に配設することが可能である。この構成要素には、レッグレストおよび/またはフットレストの少なくとも一部を固定することができる。レッグレストおよび/またはフットレストの別の部分は、ボルトに結合することができる。次いで、ボルトとスロットとの間の相対運動は、適切なレバー変換によって、レッグレストおよび/またはフットレストの折り畳み/展開動作に変換することが可能である。
【0017】
本発明の一実施形態に従えば、展開手段は、ボルトに配設されたさらなるベアリング要素を含むことができる。このさらなるベアリング要素上には、レッグレストおよび/またはフットレストを配設することができる。レッグレストおよび/またはフットレストとボルトとの間のこの結合により、身体部分、動物または物が、レッグレストおよび/またはフットレストにとって邪魔になっているとき、折り畳み/展開動作においてその身体部分、動物または物が損傷しないようにすることができる。
【0018】
本発明の一実施形態に従えば、展開手段は、ばね要素を含むことができる。ばね要素は、レッグレストおよび/またはフットレストにばね力を加えることができる。ばね力は、レッグレストおよび/またはフットレストをボルトに押圧することができる。したがって、このばね要素によって、レッグレストおよび/またはフットレストがボルトと接触することが達成される。折り畳み/展開動作中に、身体部分、動物または物が、レッグレストおよび/またはフットレストに衝突すると、身体部分、動物または物にはばね力のみが作用する。このようにして、結果として生じる損傷を低減することができる。
【0019】
本発明の一実施形態に従えば、座席用シャーシは、駆動手段によって生成されたトルクを並進的に並進手段に作用する力に変換する変換手段を含むことができる。
【0020】
本発明の一実施形態に従えば、変換手段は、ねじ付きスピンドルおよびナットを備えることができる。ナットは、並進手段に結合され、ねじ付きスピンドルにねじ込まれることができる。ねじ付きスピンドルは、駆動手段によって回転させることができる。
【0021】
本発明の一実施形態に従えば、変換手段は、座席用シャーシの中央領域に配設することができる。この場合、中央領域とは、特に、座席用シャーシの中央の3分の1を意味し、その中央領域は座席用シャーシの後端から前方に延びていると理解することができる。特に、変換手段は、2つの側方領域と同じ距離を有するように中央に配設されることが可能である。
【0022】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して、以下の好ましい実施形態の説明から明らかになるであろう。同一または類似の構成要素および同一または同様の機能を有する構成要素については、同じ参照符号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】引き込み式で折り畳み式のレッグレストおよび/またはフットレストを有する本発明の一実施形態による座席用シャーシの概略斜視図である。
図2】レッグレストおよび/またはフットレストが部分的に引き出され、展開された、図1の座席用シャーシの概略斜視図である。
図3】レッグレストおよび/またはフットレストが、さらに引き出され、展開された、図2の座席用シャーシの概略斜視図である。
図4】レッグレストおよび/またはフットレストが、さらに引き出され、展開された、図3の座席用シャーシの概略斜視図である。
図5】レッグレストおよび/またはフットレストが、さらに引き出され、展開された、図4の座席用シャーシの概略斜視図である。
図6】レッグレストおよび/またはフットレストが、完全に引き出され、展開された、図5の座席用シャーシの概略斜視図である。
図7図6の座席用シャーシの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1図7には、駆動手段107と、ねじ付きスピンドル902と、2つのキャリッジ903と、2つの案内レール904と、2つの第1脚部905と、2つの第2脚部906と、並進手段907と、レッグレストおよび/またはフットレスト1000とを含む座席用シャーシ900が示されている。
【0025】
駆動手段107は、座席用シャーシ900の後方領域に配設され、ねじ付きスピンドル902を回転させる。並進手段907は、ねじ付きスピンドル902にねじ込まれたナットに結合されているので、ねじ付きスピンドル902が回転すると並進手段907が並進移動する。ねじ付きスピンドル902は、座席用シャーシ900の中央に配設され、後端部から前端方向に延びている。
【0026】
並進手段907は、側方ガイド内に案内される2つのキャリッジ903に堅固に結合されている。キャリッジ903はそれぞれ、第2脚部906に回転可能に結合されている。第2脚部906はまた、それぞれ、図中では隠れているが、案内要素に結合されている。案内レール904内で並進手段907が並進運動する時、2つの案内要素が案内される。さらにまた、案内要素は、2つの第1脚部905の第1端部にそれぞれ結合されている。第1脚部905の第2端部は、第1端部に対向しており、結合手段1005によって互いに結合されている。
【0027】
案内レール904は、ねじ付きスピンドル902と座席用シャーシ900の側部との間にそれぞれ配設されている。案内レール904は、4つのセクションに分割することができる。案内要素が図1の折り畳まれた状態にある第1セクションでは、案内レール904が互いに離れるように引き出され、したがって、展開プロセスの間、案内要素はねじ付きスピンドルから離れるように案内される。第1セクションに隣接し、図2および図3の案内要素がある第2セクションでは、案内レール904は、ねじ付きスピンドル902とほぼ平行に延びている。案内レール904が再び互いに離れる第3セクションが、第2セクションに続いている。この第3セクションには、案内レール904が再び互いに平行に延びる第4セクションが続いている。
【0028】
2つの部分からなるレッグレストおよび/またはフットレスト1000は、それぞれのベアリング1004によって規定された旋回軸回りに旋回可能である。このベアリング1004は、ベアリング要素1003上に、レッグレストおよび/またはフットレストの支持点まで上方にオフセットされて配設される。ベアリング要素1003は、ボルト1001に結合されている。ボルト1001は結合手段1005に当接する。ボルト1001は、スロット1002を通って案内され、結合手段1005の、スロット1002が配設されている構成要素への相対的な移動によって、前後に移動することができる。ボルト1001が前進運動しているとき、ベアリング1004によって規定された旋回軸回りのレッグレストおよび/またはフットレスト1000の展開運動が行われる。したがって、ボルト1001が後退運動しているとき、同じ旋回軸回りの折り畳み運動が行われる。
【0029】
移動手段907の並進運動中に、ボルト1001と、スロット1002を有する構成要素との間の相対運動が引き起こされる。変換手段907は、レッグレストおよび/またはフットレスト1000の引き込みおよび引き出し動作中に駆動手段107によって並進運動される。
【0030】
キャリッジ903が並進手段907と堅固に結合されているので、キャリッジ903も並進移動する。引き出し動作の間、案内要素は、案内レール904によってキャリッジ903の方向に移動される。引き込み動作の間、案内要素はキャリッジ903から離れるように移動される。
【0031】
案内要素が、キャリッジ903の方向に移動すると、第2脚部906がキャリッジ903に対して回転し、案内要素が、並進手段907よりもさらに前方に第2脚部906によって押される。これにより、結合手段1005と並進手段907との間の距離が増大し、それによって、ボルト1003が、スロット1002内で前方に押され、レッグレストおよび/またはフットレスト1000が旋回軸1004回りに展開される。案内要素が、キャリッジ903から遠ざかるにつれて、第2脚部906が、キャリッジ903に対して回転し、案内要素が、第2脚部906によって並進手段907よりもさらに後方に移動する。これにより、結合手段1005と並進手段907との間の距離が減少し、それによって、ボルト1003が、スロット1002内で後方に押され、レッグレストおよび/またはフットレスト1000が旋回軸1004回りに折り畳まれる。
【0032】
レッグレストおよび/またはフットレスト1000の折り畳み動作は、レッグレストおよび/またはフットレスト1000をベアリング要素1003に対して押し付けるばね要素によって支援されている。この力により、ボルト1001が結合手段1005に押し付けられる。堅い結合とは対照的に、この構成は、折り畳み動作の間は、レッグレストおよび/またはフットレスト1000にはばね力のみが作用するという利点を有し、したがって、折り畳んでいるレッグレストおよび/またはフットレスト1000による、身体部分、動物または物への損傷の危険性が低下される。
【0033】
図5および図6を要約すると、特に、座席用シャーシ900は、体格が異なる人々に適していることが明らかである。図5では、フットレストは既に完全に展開されているが、まだ完全には引き出されていない。図6では、フットレストが完全に展開され、完全に引き出されている。したがって、図5の位置は、小さい人が足をフットレストに格納するのに適しているが、図6の位置は、大きな人に適している。これは、案内レール904が前部領域において、互いに平行に延びていることによって可能になり、したがってフットレストの折り畳み/展開動作は、引き出し動作のこのセクションでは起こらない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7