特許第6770102号(P6770102)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6770102センサシステムと受信装置との間の無線データ通信のための方法、無線データ通信のためのシステム、およびコンピュータプログラム製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6770102
(24)【登録日】2020年9月28日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】センサシステムと受信装置との間の無線データ通信のための方法、無線データ通信のためのシステム、およびコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20201005BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20201005BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20201005BHJP
【FI】
   H04Q9/00 311J
   H04W4/38
   H04W84/10 110
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-567046(P2018-567046)
(86)(22)【出願日】2017年6月19日
(65)【公表番号】特表2019-519169(P2019-519169A)
(43)【公表日】2019年7月4日
(86)【国際出願番号】EP2017064959
(87)【国際公開番号】WO2017220503
(87)【国際公開日】20171228
【審査請求日】2019年2月20日
(31)【優先権主張番号】16175960.0
(32)【優先日】2016年6月23日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミュークリッツ、カールステン
(72)【発明者】
【氏名】ブーツ、フェリクス
【審査官】 西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0123810(US,A1)
【文献】 特表2012−519439(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0164391(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0076531(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/00−5/01
5/06−5/22
G06Q50/22
G16H10/00
H03J9/00−9/06
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04Q9/00−9/16
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサシステム(20)と受信装置(30)との間の無線データ通信のための方法であって、前記受信装置(30)が、連続分析物監視において前記センサシステム(20)により感知される分析物値を前記センサシステム(20)から無線で受信することが可能であり、
前記方法が、
前記センサシステム(20)および前記受信装置(30)の非接続モード動作を確立すること、
前記非接続モード動作において、前記センサシステム(20)により放送される第1のデータパッケージを前記受信装置(30)により受信することであって、前記第1のデータパッケージが、デバイス状態および分析物値状態のうちの少なくとも1つを示す第1の状態データを含む、第1のデータパッケージを受信すること、
受信制御装置(32)により前記第1の状態データを処理すること、および
前記処理することにおけるクリティカルデバイス状態およびクリティカル分析物値状態のうちの少なくとも1つの判定に応じて、前記センサシステム(20)および前記受信装置(30)の接続モード動作を確立すること
を含み、
前記接続モード動作を確立することが、
前記センサシステム(20)と前記受信装置(30)との間の通信チャネル(40)を確立すること、および
前記通信チャネル(40)を通じて、前記センサシステム(20)により伝送される第2のデータパッケージを前記受信装置(30)に受信することであって、前記第2のデータパッケージが、1つまたは複数の分析物値を含む、第2のデータパッケージを受信すること
を含み、
前記方法が、
前記第1のデータパッケージに、デバイス固有の状態データを提供すること、
前記受信制御装置(32)が前記デバイス固有の状態データを処理することが可能であるかどうかを、前記受信制御装置(32)によって判定すること、および
前記受信制御装置(32)が前記デバイス固有の状態データを処理することが可能であると判定される場合は、前記デバイス固有の状態データを前記受信制御装置(32)によって処理し、そうでなければ、前記受信装置(30)内で前記デバイス固有の状態データを無視すること
をさらに含む、
方法。
【請求項2】
前記非接続モード動作において、第1の電力消費レベルで前記受信装置(30)を動作させること、および
前記接続モード動作において、前記第1の電力消費レベルよりも高い第2の電力消費レベルで前記受信装置(30)を動作させること
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記受信装置(30)において、
前記非接続モード動作で、前記受信装置(30)の機能ユニットのスリープモード動作を確立すること、および
前記接続モード動作で、前記機能ユニットの起動モード動作を確立すること
をさらに含み、
前記機能ユニットの電力消費レベルは、前記スリープモード動作と比較して、前記起動モード動作においてより高い、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記第1のデータパッケージを受信することは、前記センサシステム(20)により放送される未暗号化状態のデータパッケージを前記受信装置(30)により受信することを含み、前記未暗号化状態のデータパッケージは、前記状態データを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記センサシステム(20)と前記受信装置(30)との間の安全な通信チャネルを確立することであって、前記安全な通信チャネルが、暗号化されたデータパッケージの通信が可能である、安全な通信チャネルを確立すること、および
前記安全な通信チャネルを通じて、前記第2のデータパッケージに含まれる、暗号化されたデータパッケージを受信することであって、前記暗号化されたデータパッケージが、前記1つまたは複数の分析物値を含む、暗号化されたデータパッケージを受信すること
をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記通信チャネルを確立することは、前記センサシステム(20)と前記受信装置(30)との間に双方向性通信チャネルを確立することを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記処理することにおいて、前記クリティカルデバイス状態および前記クリティカル分析物状態の両方が判定されないことに応じて、前記センサシステム(20)および前記受信装置(30)の前記非接続モード動作を維持すること、および
前記センサシステム(20)により放送される第3のデータパッケージを前記受信装置(30)により受信することであって、前記第3のデータパッケージが、現在のデバイス状態および現在の分析物状態のうちの少なくとも1つを示す、追加の状態データを含む、第3のデータパッケージを受信すること
をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記状態データは、状態フラグによって提供される、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記接続モード動作を確立することは、前記処理することにおける前記クリティカルデバイス状態および前記クリティカル分析物値状態のうちの少なくとも1つの判定に応じて、前記センサシステム(20)および前記受信装置(30)のデバイスペアリングプロセスを実行することをさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記センサシステム(20)により放送される第4のデータパッケージを前記受信装置(30)により受信することであって、前記第4のデータパッケージが、前記デバイス状態および前記分析物値状態のうちの少なくとも1つを示す第2の状態データを含む、第4のデータパッケージを受信すること、
前記受信制御装置(32)により前記第2の状態データを処理すること、
前記処理することにおける前記クリティカルデバイス状態および前記クリティカル分析物値状態のうちの少なくとも1つの判定に応じて、前記センサシステム(20)および前記受信装置(30)の前記接続モード動作を再確立すること
をさらに含み、
前記接続モード動作を再確立することは、
前記センサシステム(20)と前記受信装置(30)との間の通信チャネル(40)を再確立すること、および
前記通信チャネル(40)を通じて、前記センサシステム(20)により伝送される第5のデータパッケージを前記受信装置(30)に受信することであって、前記第5のデータパッケージが、1つまたは複数の追加の分析物値を含む、第5のデータパッケージを受信すること
を含む、請求項記載の方法。
【請求項11】
センサシステム(20)と、
連続分析物監視において前記センサシステム(20)により感知される分析物値を前記センサシステム(20)から無線で受信することが可能である受信装置(30)と
を備える、無線データ通信のためのシステムであって、
前記システムは、
前記センサシステム(20)および前記受信装置(30)の非接続モード動作を確立する、
前記センサシステム(20)により放送される第1のデータパッケージであって、デバイス状態および分析物値状態のうちの少なくとも1つを示す第1の状態データを含む第1のデータパッケージを前記非接続モード動作において前記受信装置(30)に受信する、
受信制御装置(32)により前記第1の状態データを処理する、および
前記処理することにおけるクリティカルデバイス状態およびクリティカル分析物値状態のうちの少なくとも1つの判定に応じて、前記センサシステム(20)および前記受信装置(30)の接続モード動作を確立する
ように構成され、
前記接続モード動作を確立することは、
前記センサシステム(20)と前記受信装置(30)との間に通信チャネル(40)を確立すること、および
前記通信チャネル(40)を通じて、前記センサシステム(20)により伝送される第2のデータパッケージを前記受信装置(30)に受信することであって、前記第2のデータパッケージが、1つまたは複数の分析物値を含む、第2のデータパッケージを受信すること
を含み、
前記システムは、
前記第1のデータパッケージに、デバイス固有の状態データを提供する、
前記受信制御装置(32)が前記デバイス固有の状態データを処理することが可能であるかどうかを、前記受信制御装置(32)によって判定する、および
前記受信制御装置(32)が前記デバイス固有の状態データを処理することが可能であると判定される場合は、前記デバイス固有の状態データを前記受信制御装置(32)によって処理し、そうでなければ、前記受信装置(30)内で前記デバイス固有の状態データを無視する
ようにさらに構成される
システム。
【請求項12】
好ましくは記憶媒体に記憶され、受信装置(30)およびセンサシステム(20)との間の無線データ通信のためのシステムの動作中に、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサシステムと受信装置との間の無線データ通信のための方法、無線データ通信のためのシステム、およびコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
グルコース監視は、糖尿病の人々が、その病を管理し、関連の問題を回避することの手助けとなる。グルコース監視の結果を用いて、食事、身体活動、および薬物療法に関する決定を行うことができる。グルコースレベルを検査する一般的な方法は、不連続の監視を行うことである。そのような検査は、血液試料を取得し、そして、グルコース計を使用して血液試料のグルコースレベルを測定するために、通常、自動穿刺装置で指先を刺すことを伴う。そのような監視は、スポット監視とも呼称され得る。
【0003】
代替として、またはそれに追加して、連続グルコース監視(CGM)が適用されてもよい。CGMのシステムは、グルコースレベルを検査するために、皮下に挿入されるボディセンサを使用してもよい。センサは、所定の位置に数日間から数週間、またはさらに長期に留まり、そして交換されなければならない。送信装置は、無線および/または有線のデータ伝送を通して、センサから監視装置などの受信装置に、グルコースレベルを示す分析物値または分析物レベルに関する情報を送信する。
【0004】
特許文献1は、分析物センサシステムに備え付けられた電池の寿命を延ばす方法を開示している。方法は、第1の分析物値を第1の時間に測定し、測定された第1の分析物値を、予測される第2の分析物値とともに伝送することを含む。第2の分析物値を第2の時間に測定し、測定された第2の分析物値および予測された第2の分析物値との誤差が、所定の範囲内であるかどうかを判定する。誤差が所定の範囲内であれば、測定された第2の分析物値の伝送はスキップされる。
【0005】
特許文献2は、センサユニットおよび受信ユニットを備える医療システムを開示している。センサユニットは、対象の経時的な特徴を示すセンサデータを生成し、生成されるセンサデータの、経時的変化の分析により決定される時間間隔でデータを受信装置に伝送するように適応される。受信ユニットは、予め定められていない速度で、センサデータを受信するように適応される。実際のセンサデータの値に変化がない、またはわずかしかない場合に、センサデータの伝送をスキップすることが提案されている。一方で、センサデータ値に急激な変化があった場合、センサデータは、より高速で伝送されてもよい。
【0006】
特許文献3は、最初に、通信モードから省電力モードへの切り替えの際に、受信装置起動頻度を第1の頻度の値に設定し、通信開始データフレームが、所定の省電力タイムアウト期間中に受信されない場合、受信装置起動頻度を、第1の頻度の値よりも小さい第2の頻度の値に設定することによる、血中グルコースシステムの構成要素間におけるデータの無線伝送の方法を開示する。
【0007】
特許文献4は、ランダムに±5秒の時間窓で、1分ごとに、すなわち時間ホッピングで、送信するように構成される送信装置を備える監視システムを開示している。電力を節約するために、受信装置は、10秒間の受信ウィンドウの全体の間、関連の送信装置に対し聴取(listen for)せず、対応する送信装置からデータパッケージが来ることがわかっている所定の時間においてのみ聴取する。
【0008】
特許文献5は、分析物センサシステム、および分析物値を分析物センサシステムから無線で受信することが可能である携帯型デバイスとの間の無線データ通信方法を開示している。方法は、第1の時間にて開始される広告信号の第1のシリーズを送信すること、第2の時間にて携帯型デバイスからデータ接続要求を受信すること、携帯型デバイスとのデータ接続を確立すること、第2の時間および第1の時間の差を示す接続間隔を携帯型デバイスに送信すること、分析物値を送信すること、携帯型デバイスとのデータ接続を終了させること、および分析物センサシステムの送受信器をスリープ状態にさせること、を含む。第1の時間にて測定される第1の分析物値は、予測される第2の分析物値と共に送信され、測定された第2の分析物値と予測された第2の分析物値との誤差が所定の範囲内であるかどうかが判定される。
【0009】
特許文献6は、分析物監視システムのデバイス間でデータを伝送するための方法を開示している。方法は、連続分析物センサに電気的に接続されるセンサ電子機器モジュールを用いてセンサデータを生成するステップ、センサ電子機器モジュールとディスプレイデバイスとの間の双方向性通信チャネルを確立し、センサ電子機器モジュールおよびディスプレイデバイスのそれぞれが第1の伝送電力で送信しているステップ、モードの移行を示すディスプレイデバイスのユーザインターフェースにてユーザによる入力の感知に応じて、低電力伝送モードを開始させるステップを含み、低電力伝送モードは、センサ電子機器モジュールおよびディスプレイデバイスのうちの1つまたは両方を含み、第1の伝送電力よりも小さい第2の伝送電力で伝送する。
【0010】
拡張欧州調査報告に記載される特許文献7は、ユーザが着用するように構成され、分析物センサ、無線信号を送受信するように構成される送受信器、電池、および送受信器に結合され、電池の残り電力レベルが所定の電力レベルを下回るかどうかを判定し、分析物センサシステムの、1つまたは複数のデータ伝送動作に変更を加えるように構成される制御モジュールを備える分析物センサシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2015/094981号
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0118592号明細書
【特許文献3】欧州特許第2011283号明細書
【特許文献4】米国特許第8,622,903号明細書
【特許文献5】国際公開第2015/069797号
【特許文献6】欧州特許出願公開第2,973,082号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2015/0164391号明細書
【発明の概要】
【0012】
本開示の目的は、センサシステムと受信装置との間の無線データ通信のための方法、および分析物データを収集する動作が向上した無線データ通信のためのシステムを提供することである。具体的には、受信装置およびセンサシステムが設けられる構成において、エネルギーまたは電力消費が減少する。
【0013】
本開示により、請求項1記載のセンサシステムと受信装置との間の無線データ通信のための方法を提供する。また、請求項12記載の無線データ通信のためのシステムを提供する。さらに、請求項13記載のコンピュータプログラム製品を提供する。代替の実施形態を従属請求項に開示する。
【0014】
本開示の態様により、センサシステムと受信装置との間の無線データ通信のための方法を提供する。受信装置が、連続分析物監視においてセンサシステムにより感知される分析物値をセンサシステムから無線で受信することが可能である。方法は、センサシステムおよび受信装置の非接続モード動作を確立すること、受信装置により、センサシステムにより放送(broadcast)される第1のデータパッケージを受信することを含む。第1のデータパッケージは、デバイス状態および分析物値状態のうちの少なくとも1つを示す第1の状態データを含む。第1の状態データは、受信制御装置により処理される。処理することにおけるクリティカルデバイス状態(critical device status)およびクリティカル分析物値状態(critical analyte value status)のうちの少なくとも1つの判定に応じて、センサシステムおよび受信装置の接続モード動作が確立される。接続モード動作を確立することは、センサシステムと受信装置との間の通信チャネルを確立すること、および通信チャネルを通じて、センサシステムにより伝送される第2のデータパッケージを受信装置に受信することであって、第2データパッケージが、1つまたは複数の分析物値を含む、第2のデータパッケージを受信することを含む。
【0015】
本開示の別の態様により、センサシステムおよび受信装置を備える、無線データ通信のためのシステムを提供する。受信装置は、センサシステムから連続分析物監視においてセンサシステムにより感知される分析物値を、無線で受信することが可能である。システムは、センサシステムおよび受信装置の非接続モード動作を確立する、センサシステムにより放送される第1のデータパッケージであって、デバイス状態および分析物値状態のうちの少なくとも1つを示す第1の状態データを含む第1のデータパッケージを受信装置に受信する、受信制御装置により第1の状態データを処理する、および処理することにおけるクリティカルデバイス状態およびクリティカル分析物値状態のうちの少なくとも1つの判定に応じて、センサシステムおよび受信装置の接続モード動作を確立するように構成される。接続モード動作を確立することは、センサシステムと受信装置との間の通信チャネルを確立すること、および通信チャネルを通じて、センサシステムにより伝送される第2のデータパッケージを受信装置に受信することであって、第2のデータパッケージが、1つまたは複数の分析物値を含む、第2のデータパッケージを受信することを含む。
【0016】
別の態様により、コンピュータプログラム製品を提供する。
【0017】
接続モードは、ユーザ入力装置を通して受信装置に受信されるユーザ確認に応じて確立され得る。たとえば、クリティカルデバイス状態およびクリティカル分析物状態のうちの少なくとも1つの判定に応じて、ユーザによる入力の要求が、受信装置のユーザインターフェース、たとえば受信制御装置に接続され得るディスプレイを通して出力され得る。ユーザ要求の出力に応じて提供されるユーザによる入力を受信した後、接続モード動作が確立される。それによって、接続モードにおいて提供された通信チャネルを確立または再確立する前に、ユーザ確認が要求されてもよい。
【0018】
データパッケージの送信および/または受信は、受信装置およびセンサシステムのうちの少なくとも1つの内にある送受信器により処理されてもよい。
【0019】
受信装置は、モバイルまたは携帯式の受信装置であってもよい。受信装置は、携帯用デバイス、ラップトップ、携帯電話、およびリモートコントローラのような、モバイルまたは携帯式のデバイスに設けられてもよい。リモートコントローラは、薬物送達医療システムなどの医療システムの動作を制御するように構成されてもよい。代替的に、受信装置は、デスクトップコンピュータのような、非携帯式のデバイスに設けられてもよい。
【0020】
センサは、分析物センサまたはバイオセンサとも呼称されてもよく、体液中の分析物を監視するように構成されてもよい。たとえば、体液のグルコース値が監視されてもよい。しかし、開示される技術は、他の分析物に関しても使用されてもよい。
【0021】
第1のデータパッケージは、分析物値を含まなくてもよい。結論として、そのような代替の実施形態において、状態データも第1のデータパッケージも、全体として実際の分析物値を含まない。
【0022】
一実施形態では、センサによりデータパッケージを放送することは、通信チャネルを通じてセンサシステムから受信装置にデータパッケージを伝送または送信することと区別されてもよい。放送することにおいて、データパッケージは、センサ装置の範囲内である領域に位置し、無線伝送によりそのようなデータパッケージを受信可能である任意のデバイスへと送信されてもよい。別様に、通信チャネルを通じてセンサシステムにより伝送されるデータパッケージは、前のデバイスペアリングプロセスにてセンサシステムとペアリングされる受信装置により受信されるようにされる。
【0023】
受信制御装置によるデータ処理は、状態データが、クリティカルデバイス状態およびクリティカル分析物状態のうちの少なくとも1つを示しているがどうかを判定することを目的とする。クリティカルデバイス状態に関しては、データ処理によって、以下の、センサセッションの停止、電源(電池)の低下、センサシステムに不適当な種類のセンサ、センサ機能不全、デバイスアラート、センサシステム内でのデバイスの異常の発生、およびセンサシステムと受信装置との時間同期の要求、の群から選択されるクリティカルデバイス状態が判定される。代替として、または追加して、クリティカルデバイス状態は、センサ較正が許可されない、センサ較正が推奨される、および/またはセンサ較正が必要である、のうちの少なくとも1つを示してもよい。状態データは、センサ温度が、分析物値を有効に感知するために必要とされるセンサ温度範囲の外であることを示すものであってもよい。
【0024】
クリティカル分析物値状態に関しては、状態データは、警告メッセージを示すものであってもよい。以下の、患者固有の低分析物レベルよりも低い分析物値、患者固有の高分析物レベルよりも高い分析物値、低レベル(低血糖症)よりも低い分析物値、高レベル(高血糖症)よりも高い分析物値、分析物値の減少速度が限界を超えていること、分析物値の増加速度が限界を超えていること、センサシステムの感度よりも低い分析物値、およびセンサリミットよりも高い分析物値の群から、少なくとも1つのクリティカル分析物値状態の検出に応じて、センサ制御装置により警告メッセージが生成されてもよい。
【0025】
方法は、非接続モード動作において、第1の電力消費レベルで受信装置を動作させること、および接続モード動作において、第1の電力消費レベルよりも高い第2の電力消費レベルで受信装置を動作させることをさらに含む。異なる電力消費レベルのセンサシステムおよび受信装置を備える構成を動作させることで、エネルギーが節約され、それによって、電池など、電源の寿命が延びる。
【0026】
方法は、非接続モード動作で、受信装置の機能ユニットのスリープモード動作を確立すること、および接続モード動作で、機能ユニットの起動モード動作を確立することをさらに含み、機能ユニットの電力消費レベルは、スリープモード動作と比較して、起動モード動作においてより高い。
【0027】
第1のデータパッケージを受信することは、センサシステムにより放送される未暗号化状態のデータパッケージを受信装置により受信することを含み、未暗号化状態のデータパッケージは、状態データを含む。第1のデータパッケージ全体が、データの暗号化なしで放送および受信されてよい。
【0028】
方法は、センサシステムと受信装置との間の安全な通信チャネルを確立することであって、安全な通信チャネルが、暗号化されたデータパッケージの通信が可能である、安全な通信チャネルを確立すること、および安全な通信チャネルを通じて、第2のデータパッケージに含まれる、暗号化されたデータパッケージを受信することであって、暗号化されたデータパッケージが、1つまたは複数の分析物値を含む、暗号化されたデータパッケージを受信することをさらに含み得る。安全な通信チャネルは、以下においてより詳細に説明されるデバイスペアリングプロセスにおいて確立または設定されてもよい。安全かつ暗号化されたデータ伝送のために構成される安全な通信チャネルを確立または設定することは、2つのデバイス間での安全なデータ交換のためのキー(安全キー)を交換することを含んでもよい。
【0029】
通信チャネルを確立することは、センサシステムと受信装置との間に双方向性通信チャネルを確立することを含んでもよい。双方向性通信チャネルにより、受信装置側およびセンサシステム側の両方でデータパッケージの送信および受信が可能になる。
【0030】
方法は、処理することにおいてクリティカルデバイス状態およびクリティカル分析物状態の両方を判定しないことに応じて、センサシステムおよび受信装置の非接続モード動作を維持すること、およびセンサシステムにより放送される第3のデータパッケージを、受信装置により受信することであって、第3のデータパッケージが、現在のデバイス状態および現在の分析物状態のうち少なくとも1つを示す、追加の状態データを含む、第3のデータパッケージを受信することをさらに含み得る。クリティカルデバイス状態およびクリティカル分析物状態のいずれも、第1の状態データの処理において判定されない。受信装置は、センサシステムと受信装置との間の通信チャネルを確立または再確立する必要性を認知しない。
【0031】
方法は、第1のデータパッケージに、デバイス固有の状態データを提供すること、受信制御装置がデバイス固有の状態データを処理することが可能であるかどうかを受信制御装置によって判定すること、および受信制御装置がデバイス固有の状態データを処理することが可能であると判定される場合は、デバイス固有の状態データを受信制御装置によって処理し、そうでなければ、受信装置内でデバイス固有の状態データを無視すること、をさらに含み得る。たとえば、あるデバイス供給者からの受信装置は、データ交換プロトコルが非標準である場合、異なるデバイス供給者により提供されたセンサシステムからの、デバイス固有のデータを正しく処理することができない可能性がある。なお、状態データを無視することに応じて、接続モードの動作が確立されてもよい。それにより、クリティカルデバイス状態およびクリティカル分析物値状態のうちの少なくとも1つを判定することなく、1つまたは複数の分析物値の受信装置への伝送が行われてもよい。それにより、受信装置内で状態データがただ処理されなかったことにより、クリティカル状況が回避される。より高度な安全性が達成され得る。クリティカル状態データの損失が回避され得る。
【0032】
状態データは、状態フラグまたは状態データフィールドによって提供されてもよい。そのような実施形態または他の実施形態において、状態データは、クリティカル分析物値状態およびクリティカルデバイス状態のうちの少なくとも1つが割り当てられる1つまたは複数のコード、たとえば英数字コード含んでもよい。受信装置において、1つまたは複数のコードとクリティカル状態との間の割り当てが提供され、それによって、受信制御装置が、1つまたは複数のコードを含む状態データの処理から、クリティカル状態を判定することが可能になる。そのようなコードは、状態フラグまたは状態データフィールドに提供されてもよい。受信装置における状態フラグまたは状態データフィールドの判定に応じて、受信装置によりユーザへの警告が出力されてもよく、ユーザへの警告は、映像データおよび音声データのうちの少なくとも1つの出力を含み得る。
【0033】
接続モード動作を確立することは、処理することにおけるクリティカルデバイス状態およびクリティカル分析物値状態のうちの少なくとも1つの判定に応じて、センサシステムと受信装置とのデバイスペアリングプロセスを実行することをさらに含んでもよい。デバイスペアリングプロセスは、受信装置とセンサシステムとの安全かつ暗号化されたデータ伝送のための接続を確立することを含んでもよい。安全かつ暗号化されたデータ伝送のために構成される接続(通信チャネル)を確立または設定することは、2つのデバイス間で、安全なデータ交換のためのキー(安全キー)を交換することを含んでもよい。
【0034】
最初のデバイスペアリングが完了した後、デバイスペアリングまたはキー交換を繰り返すことなく再接続が行われてもよい。再接続は、たとえば、時間間隔により画定される、連続的に起こるデータ伝送の間の期間中に、接続が遮断または中断された後に、再び、センサシステムと受信装置との間の通信チャネルを確立することを含む。次に、デバイス間の接続の再確立後に、センサにより検出される分析物値は、受信装置に受信されてもよい。ある実施形態では、制御信号は、受信装置からセンサシステムに伝送されてもよく、制御信号が、通信チャネルを確立するデバイス接続プロセスの終了と、受信装置への1つまたは複数の分析物値の伝送の開始時点との間の時間的な遅れを画定する。代替的に、期間は、1つまたは複数の分析物値の先の伝送が開始される時点に対して決定されてもよい。
【0035】
方法は、センサシステムにより放送される第4のデータパッケージを受信装置により受信することであって、第4のデータパッケージが、デバイス状態および分析物値状態のうち少なくとも1つを示す第2の状態データを含む、第4のデータパッケージを受信すること、受信制御装置により第2状態データを処理すること、処理することにおけるクリティカルデバイス状態およびクリティカル分析物値状態のうちの少なくとも1つの判定に応じて、センサシステムおよび受信装置の接続モード動作を再確立すること、をさらに含み、接続モード動作を再確立することは、センサシステムと受信装置との間の通信チャネルを再確立すること、および通信チャネルを通じて、センサシステムにより伝送される第5のデータパッケージを受信装置に受信することであって、第5のデータパッケージが1つまたは複数の追加の分析物値を含む、第5のデータパッケージを受信することを含み得る。センサシステムおよび受信装置のデバイスペアリングが行われると、デバイスを再度ペアリングすることなく、通信チャネルが再確立されてもよい。
【0036】
グルコース測定または監視に関して、グルコースレベルまたはグルコース値が、たとえばスポット監視によって、および代替的にまたはそれに加えて、完全にまたは部分的に埋め込まれたセンサによる連続グルコース監視(CGM)によって、血液試料を分析することによって判定されてもよい。概して、CGMにおいては、血液中のグルコース値またはグルコースレベルを示す分析物値または分析レベルが判定される。間質液中の分析物値が測定されてもよい。測定は、皮下または生体内で行われてもよい。CGMは、ユーザインタラクションなしで、頻繁に、または自動的に分析物値を提供/更新する、ほぼ実時間または準連続監視処置として実行されてもよい。代替の実施形態において、分析物は、眼の流体を介してコンタクトレンズ内のバイオセンサにより、または皮膚上のバイオセンサによる汗の経皮的な測定により測定されてもよい。
【0037】
上で説明した代替の実施形態は、必要な変更を加えて、無線データ通信のシステムまたは伝送に適用されてもよい。
【0038】
以下において、例としての実施形態を、図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】センサシステムおよび受信装置を備える連続分析物監視システムの要素の概略図である。
図2】センサシステムと、連続分析物監視におけるセンサシステムにより感知される分析物値をセンサシステムから無線で受信することが可能である受信装置との間の無線データ通信のための方法に関する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、センサシステム20および受信装置30を備える連続分析物監視システム10の実施形態の要素を図示する概略図を示す。
【0041】
分析物センサシステム20は、分析物センサまたはバイオセンサとして提供され得るセンサ21を含み得る。センサ21は、体液のような流体中の分析物に対する分析物値を感知することが可能である。センサ21は、たとえば、センサデータの処理および管理を提供するセンサ測定回路22に結合される。センサ測定回路22は、1つまたは複数の処理装置を備えるセンサ制御装置23に結合され得る。いくつかの実施形態では、センサ制御装置23は、センサ21からセンサ測定値(分析物値)を取得および処理するための、センサ測定回路22の機能の一部またはすべてを実行してもよい。
【0042】
センサ制御装置23は、センサデータを送信するためのデータインタフェース24にさらに結合される。データインタフェース24には、通信チャネル40を通じてデータを送受信するように構成される送受信器が設けられてもよい。データインタフェース24は、受信装置30のような外部装置からの要求および命令を受信することが可能であってもよく、受信装置30は、無線データ伝送を通じてセンサシステム20からデータパッケージを受信するために使用される。
【0043】
例示的な実施形態によると、センサシステム20は、データ、たとえば分析物値を示すセンサデータを記憶するための記憶装置25をさらに含む。記憶装置25は、センサシステム20と受信装置30との間の無線データ通信のために設計されるカスタムアプリケーションのためのオペレーティングシステムを記憶するためにも使用されてもよい。記憶装置25は、単一の記憶装置または複合の記憶装置であってもよく、ソフトウェアプログラムおよびアプリケーションのためのデータおよび/または指示を記憶するための揮発性または不揮発性メモリであってもよい。指示は、センサ制御装置23の(1つまたは複数の)プロセッサにより、データインタフェース24を制御および管理するために実行され得る。
【0044】
センサシステム20の構成要素は、定期的な交換を必要としてもよい。たとえば、図1に示すように、センサ21は、センサシステム20内に設けられてもよく、センサシステム20は、センサ測定回路22、センサ制御装置23、データインタフェース24、記憶装置25、たとえば送受信器、および電池などの電源26を含む。センサ21は、埋め込み式センサであってもよい。
【0045】
センサ21は、たとえば、7〜30日ごとの定期的な交換を必要としてもよい。センサ測定回路22は、電力供給され、センサ21よりもはるかに長く、たとえば、3、4か月またはそれ以上、電池交換が必要となるまで作動するように構成されてもよい。これらの構成要素を交換することは困難であり、訓練を受けた人員の助力が必要となり得る。そのような構成要素、特に電池の交換の必要性を減少させると、センサシステム20のユーザに対する利便性が著しく向上する。
【0046】
図1をさらに参照すると、受信装置30は、ユーザに映像情報を出力するためのディスプレイ31を含んでもよい。ディスプレイ31は、たとえば、データの処理および管理を提供する受信制御装置32に結合される。受信制御装置32は、1つまたは複数の処理装置を備え得る。さらに、受信装置30には、受信制御装置32に結合される記憶装置33が設けられてもよい。受信制御装置32は、通信チャネル40を通じてセンサシステム20からデータパッケージを受信するためのデータインタフェース34にさらに結合される。データインタフェース34は、外部装置からの要求および命令を受信すること、無線データ伝送を通じて、たとえば、センサ装置20へのデータを感知することが可能であってもよい。
【0047】
図1の実施形態によると、受信装置30は、受信制御装置32に接続されるユーザ入力装置35を有している。ユーザによる入力は、ユーザ入力装置35を通して受信され得る。
【0048】
受信装置30は、スマートフォン、携帯電話、ラップトップコンピュータ、携帯用コンピューティングデバイスまたは携帯情報端末などの、モバイルまたは携帯型の装置に設けられてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、センサセッションは、たとえば、7〜30日の範囲のセンサ21の寿命に対応してもよい。初めてセンサシステム20が使用されるとき、または、場合によっては、電池が交換されて再起動されたときに、センサセッションが確立されてもよい。初めて使用される、または(たとえば電池が交換されて)再起動されるときに、受信装置30とセンサシステム20との間に、通信を最初に確立するためのプロセスが存在してもよい。そのような初期プロセスは、デバイスペアリングプロセスを含んでもよい。
【0050】
初めての、または最初のデバイスの接続の場合、受信装置30に1つまたは複数の分析物値を実際に受信する前に、受信装置30とセンサシステム20との間において、いわゆるデバイスペアリングプロセスが提供される。概して、デバイスペアリングプロセスは、受信装置30とセンサシステム20との間でのデータ伝送のための接続を確立するための初期プロセスである。ペアリングプロセスにより、デバイス間に、一方向性または双方向性データ伝送線または接続が確立される。たとえば、Bluetooth(登録商標)デバイスのペアリングに関してそのように知られるように、デバイスペアリングの完了に応じて、通信チャネル40を通じて、1つまたは複数の分析物値が、即座に、または時間的に遅れて、センサシステム20から受信装置30へと伝送されてもよい。
【0051】
デバイスペアリングプロセスの前に、センサシステム20は、「ペアリング可」という信号を連続的に放送してもよい。そのような信号は、センサシステム20が、データを伝送するために、他のデバイスとペアリングされてもよいことを示す。「ペアリング可」という信号の検出に応じて、受信装置30は、受信装置30とセンサシステム20との間でのデータ伝送のための接続を確立するためのペアリングプロセスを開始してもよい。
【0052】
受信装置30およびセンサシステム20が、具体的には、通信チャネル40を確立することによって通信を確立すると、受信装置30およびセンサシステム20は、いくつかのセンサの寿命に亘り、たとえば、電池の交換が必要とされるまで、周期的、または非周期的に、通信し得る。センサ21が交換される度に、新しいセンサセッションが確立されてもよい。新しいセンサセッションは、受信装置30を使用して完了されるプロセスを通して開始されてもよく、プロセスは、センサセッションに亘り持続してもよい、センサシステム20と受信装置システム30との間の通信を介しての、新しいセンサの通知により引き起こされてもよい。
【0053】
ペアリングプロセスの完了後、たとえば、センサシステム20と受信装置30との間のデータ伝送の必要性がなくなるため、通信チャネルは遮断されてもよい。通信チャネル40を再確立するために、再度のデバイスペアリングの必要はなくてもよい。むしろ、通信チャネル40は、デバイスペアリングを繰り返すことなく、センサシステム20と受信装置30との間で確立されてもよい。通信チャネルが遮断されると、センサシステムは、「通信チャネル接続可/確立可」の信号を連続的に放送してもよい。そのような信号は、センサシステム20が、再度データを伝送するため、受信装置30に接続されてもよいことを示す。信号は未暗号化状態の信号として放送されてもよく、信号の検出に応じて、受信装置30は、接続プロセスを開始してもよく、それにより、通信チャネル40が再確立される。
【0054】
センサシステム20と受信装置30との間でデータを送受信するために、無線通信プロトコルが使用されてもよい。使用される無線プロトコルは、たとえば、パーソナルエリアネットワーク(PAN)のような、近距離での複数デバイスへの、および複数デバイスからの、周期的または非周期的、かつ小さいデータ伝送に最適化される無線センサネットワークに使用するために設計されてもよい。たとえば、プロトコルは、周期的または非周期的データ伝送に最適化されてもよく、送受信器ユニットは、短いインターバルの間にデータを伝送し、長いインターバルの間に低電力モードに入るように構成されてもよい。
【0055】
無線通信プロトコルは、干渉回避スキームの実行中に、複数のデバイスと通信チャネルを確立するようにさらに構成されてもよい。いくつかの実施形態では、プロトコルは、いくつかのデバイスとの通信のための様々なタイムスロットおよび周波数帯を画定する適応型等時性ネットワークトポロジー(adaptive isochronous network topologies)を利用してもよい。したがって、プロトコルは、複数のデバイスとの干渉および支援通信に応じて、伝送ウィンドウおよび伝送周波数を変更してもよい。それに応じて、無線プロトコルは、時間および周波数分割多重化(TDMA)ベースのスキームを使用してもよい。無線プロトコルは、ダイレクトシーケンススペクトラム拡散(DSSS)スキームおよび周波数ホッピングスペクトラム拡散スキームを用いてもよい。近距離および/または低電力無線通信を支援するために、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)およびBluetooth Low Energy(BLE)のようなピアツーピア、スター、ツリー、またはメッシュネットワークトポロジーなどのさまざまなネットワークトポロジーが使用されてもよい。無線プロトコルは、2.4GHzなどのオープンISMバンドのような、様々な周波数帯で動作してもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、規格化された通信プロトコルが使用される場合、データエンコーディングの管理、伝送周波数、ハンドシェイクプロトコルなど、低レベルデータ通信機能を取り扱うための処理回路を組み入れる、市販の送受信器回路またはユニットが活用されてもよい。これらの実施形態では、受信制御装置32/センサ制御装置23は、これらの作動を管理する必要はないが、伝送のための所望のデータ値を提供し、電力の増加または低下、メッセージが伝送される速度の設定などのような高レベル機能を管理する。高レベル機能を行うための指示およびデータ値は、送受信器回路の製造者により確立されるデータバスおよび転送プロトコルを介して送受信器回路に供給され得る。
【0057】
センサシステム20は、センサ21により検出された分析物値を収集し、それを、周期的または非周期的に受信装置30へと送信してもよい。データ点は、たとえば、1〜30日またはそれ以上の範囲内のセンサ21の寿命に亘り収集および伝送される。新しい測定結果が、体液中のグルコース濃度を適切に監視するために十分な頻度で、伝送される必要があり得る。センサシステム20および受信装置30の両方の伝送および受信要素を連続的に通信させるよりも、センサシステム20および受信装置30は、周期的または散発的な要求の必要性に基づいて、それらの間に通信チャネル40を確立させてもよい。
【0058】
図1をさらに参照すると、示されている例示的なシステムまたは構成は、たとえば、送受信器ユニットを用いて実装され得る、データインタフェース24、34を通して受信装置30に通信可能に結合されるセンサシステム20を含む。グルコースなどの分析物の特性を示す生物学的または分析物データをセンサシステム20から受信装置30に伝送するために、結合が提供される。送受信器を使用する場合、データインタフェース25は、センサ側送受信器を提供する。センサシステム20には、電子データを伝送および受信するように構成されるセンサ側送受信器が設けられる。
【0059】
受信装置30に受信された生物学的または分析物データは、少なくとも部分的に、記憶装置33に記憶されてもよい。センサ21は、少なくとも部分的に人体に埋め込み可能であるボディセンサとして提供されてもよい。
【0060】
一実施形態では、センサ21は、患者の皮膚直下に設置されると、グルコースレベル(たとえば、グルコース濃度)を検出または感知するように構成されるグルコースセンサである。具体的には、皮下に設置されるセンサが提供されてもよい。たとえば、センサ21は、交換が必要とされるまで、数日間、皮下に装着される使い捨てグルコースセンサであってもよい。上記のように、センサシステム20は、受信装置30と通信可能に結合される。それに応じて、グルコースセンサの場合、センサシステム20は、たとえば、スマートフォンもしくは遠隔制御装置などの携帯用デバイス、またはスマートグルコース計と通信可能に結合されることが可能であり、携帯性CGMデータ、すなわち、センサ21の寿命に亘って連続的にサンプリングされるグルコースデータを提供することが可能である。そのような携帯用デバイスに設けられる受信装置30は、分析物値の伝送を開始することによって、センサシステム20から携帯用デバイスへのデータ伝送を制御してもよい。
【0061】
図2の概略図を参照して、センサシステム20と、連続分析物監視にてセンサ21により感知された分析物値を、センサシステム20から無線で受信することが可能である受信装置30との間の無線データ通信のための方法の実施形態を説明する。連続分析物監視は、たとえば、連続グルコース監視であってもよい。
【0062】
ステップ100にて、受信装置30およびセンサシステム20が提供される。
【0063】
ステップ110にて、センサシステム20および受信装置30の非接続モード動作が確立される。非接続モード動作では、通信チャネル40が遮断される。むしろ、受信装置30は、センサシステム20により放送される信号またはデータパッケージを聴取(listen to)している。そのような動作方式は、聴取モード(listen mode)動作と呼称されてもよい。たとえば、センサシステム20は、センサシステム20がデータ伝送のための接続の設定可能状態であることを示す、いわゆる広告信号(advertisement signal)を放送してもよい。そのようなプロセスは、デバイスペアリングプロセスを含んでもよく、そしてデバイスペアリングプロセスは、通信チャネル40を確立することを含んでもよい。
【0064】
非接続モード動作では、受信装置30は、データインタフェース34を介して、センサシステム20により放送される信号および/またはデータパッケージを受信してもよい。ステップ120にて、受信装置30は、センサシステム20からの状態データを含む第1のデータパッケージを受信する。状態データは、デバイス状態および分析物状態のうちの少なくとも1つを示すものである。デバイス状態は、センサシステム20の状態および/またはセンサ21のような、センサシステム20の構成要素の状態に関する情報を提供する。分析物状態とは、センサ21により感知される分析物値に関する特定の情報を指してもよい。たとえば、グルコースレベル監視の場合、クリティカル分析物値状態は、低レベル(低血糖症)または高レベル(高血糖症)を示してもよい。分析物状態は、グルコースレベル値のような実際の分析物値を含まなくてもよい。状態データは、受信装置30にて受信される第1のデータパッケージ内の状態フラグまたはデータフィールドにより提供されてもよい。
【0065】
ステップ130にて、受信装置30にて受信される第1のデータパッケージは、受信制御装置32によって処理される。たとえば、データ処理は、状態データが、クリティカルデバイス状態およびクリティカル分析物状態のうちの少なくとも1つを示しているかどうかを判定することを目的とする。クリティカルデバイス状態に関しては、データ処理によって、以下の、センサセッションの停止、電源(電池)の低下、センサシステムに不適当な種類のセンサ、センサ機能不全、デバイスアラート、センサシステム内でのデバイスの異常の発生、およびセンサシステムと受信装置との間の時間同期の要求の群から選択されるクリティカルデバイス状態が判定される。代替として、または追加して、クリティカルデバイス状態は、以下の、センサ較正が許可されない、センサ較正が推奨される、および/またはセンサ較正が必要である、のうちの1つを示してもよい。状態データは、センサ温度が、分析物値を有効に感知するために必要とされるセンサ温度範囲の外であることを示すものであってもよい。
【0066】
クリティカル分析物値状態に関しては、状態データは、警告メッセージを示すものであってもよい。以下の、患者固有の低分析物レベルよりも低い分析物値、患者固有の高分析物レベルよりも高い分析物値、低レベル(低血糖症)よりも低い分析物値、高レベル(高血糖症)よりも高い分析物値、分析物値の減少速度が限界を超えていること、分析物値の増加速度が限界を超えていること、センサシステムの感度よりも低い分析物値、およびセンサリミットよりも高い分析物値の群から、少なくとも1つのクリティカル分析物値状態の検出に応じて、センサ制御装置23により警告メッセージが生成されてもよい。
【0067】
ステップ140では、クリティカルデバイス状態およびクリティカル分析物値状態のうちの少なくとも1つの検出に応じて、接続モード動作が、センサシステム20および受信装置30に対し確立される。接続モード動作の確立は、ステップ150にて、センサシステム20と受信装置30との間で通信チャネル40を確立することを含む。
【0068】
さらに、ステップ160では、センサシステム20からの第2のデータパッケージが受信装置30に受信される。第2のデータパッケージは、連続分析物監視測定において、センサ21により感知される1つまたは複数の分析物値を含む。第2のデータパッケージは、受信装置30に暗号化データパッケージとして受信されてもよい。反対に、第1のデータパッケージは、暗号化なしでセンサシステム20から受信装置30に伝送されてもよい。
【0069】
非接続モード動作および接続動作は、それぞれ、受信装置30および/またはセンサシステム20において、異なる電力消費レベルを必要とする。たとえば、非接続モード動作では、入力デバイス35および/またはディスプレイ31のような、受信装置30の少なくとも1つの構成要素は、スリープモードであってもよく、それにより電力またはエネルギー消費が減少する。スリープモード動作においては、電力消費が無くてもよい。接続モード動作の確立に応じて、受信装置30および/またはセンサシステム20の1つまたは複数の機能部品は、スリープモード動作から機能または起動モード動作に切り換えられてもよく、それによって受信装置30および/またはセンサシステム20のそれぞれの、(1つまたは複数の)そのような機能性部品の全体としての電力消費のレベルが増加する。
【0070】
センサシステム20および受信装置30を備える無線データ伝送のシステムを非接続モード動作で維持することで、接続モード動作と比較してエネルギーまたは電力が節約される。状態データが、デバイスの接続(接続モード動作)が必要であると示す場合にのみ、非接続モード動作は、接続モード動作へと切り換えられる。
【0071】
上で説明したような非接続および接続モード動作の適用は、センサシステム20および受信装置30を備えるシステムの様々な使用シナリオに対して行われ得る。たとえば、夜間はセンサシステム20からの分析物値を受信することに関心をもたない可能性のある時間であり、非接続モード動作は、夜の間、維持されてもよい。それでも、受信装置30に受信される状態データにより、クリティカルデバイス状態およびクリティカル分析物値状態のうちの少なくとも1つが検出された場合に、デバイス接続、すなわち、通信チャネル40の確立または再確立が自動的に開始されることが確実になる。そのような場合、警告メッセージが、たとえばディスプレイ31を通じて、ユーザに出力されてもよい。
【0072】
別の実施形態は、ユーザが受信装置30に分析物値を受信することに邪魔され得ない期間、たとえば劇場または映画館を参観する期間を参照してもよい。ここでも、受信装置30に受信される状態データは、クリティカルデバイス状態および/またはクリティカル分析物値状態が検出されると、分析物値がセンサシステム20から受信装置30に伝送されることを確実にする。
【0073】
上で説明した様々な実施形態においては、非接続モード動作は、ユーザによる入力に応じて確立されてもよい。任意に、ユーザは、非接続モード動作を確立する所定の期間、たとえば数時間を定めてもよい。状態データを含む第1のデータパッケージを受信した後に、受信装置30にてクリティカルデバイス状態および/またはクリティカル分析物値状態が、判定された場合にのみ、非接続モード動作は、接続モード動作への切り替えのために停止されてもよい。
図1
図2