(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
様々な図面における同様の参照記号は、同様の要素を示す。
【0028】
図1A−
図3を参照すると、血液検査システム100のいくつかの実施形態は、分析コンソール140と、分析コンソール140と取り外し可能に嵌合するように構成された一つ以上のカートリッジ120とを備える。本実施形態では、血液検査装置100は、カートリッジ120内の血液試料入口の複数の血液凝固特性を測定するように構成されたトロンボエラストメトリシステムである。例えば、カートリッジ120は、血液試料容器10(例えば、ベクトン、フランクリンレイクスのディッキンソン&カンパニー、NJによって供給されたバキュテナー試料管、または別の血液リザーバ構造)と嵌合する血液試料受け器122を備える使い捨てカートリッジとして構成されることができる。いくつかの例では、アダプタは、他の種類の血液試料リザーバ10をカートリッジ120(例えば、管が用いられることができ、この管を介して血液がカートリッジ120等に注入されることができる)と結合するために使用されることができる。トロンボエラストメトリシステム10は、ポイントオブケア現場で(例えば、患者が手術を受けているか、または手術に対して準備されている間に)、特に有利である全血液凝固分析装置として使用されることができる。さらに、トロンボエラストメトリシステム100は、実験室の設定で全血液凝固分析装置として使用されることができる。
【0029】
分析コンソール140は、(この実施形態では、タッチスクリーンディスプレイを有する)ユーザインターフェース142と、メインシャーシ144とを備える。ユーザインターフェースディスプレイ142は、カートリッジ120およびコンソール140を介して実行される血液検査分析結果から一つ以上のグラフ結果143を出力するように構成されることができる(例えば、ときおりTEMogramと称されるもののような一つ以上のプロット、数値データまたは測定値、またはそれらの組み合わせ)。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースディスプレイ142は、分析コンソール140にしっかりと取り付けられている。特定の実施形態では、ユーザインターフェースディスプレイ142は、旋回可能であり、および/または、そうでなければ、メインシャーシ144に対して位置調整可能である。主電源スイッチ148は、メインシャーシ144上の保護場所を除いて、都合のよい位置に配置されることができる。
【0030】
図示の実施形態では、タッチスクリーンディスプレイ142は、ユーザ入力を受け取るように、かつ、ユーザに出力情報を表示するように構成されている。例えば、ユーザは、検査プロセスの開始、中間、および終了中の時点にタッチスクリーンディスプレイ142上に表示される種々のソフトボタンを選択することによって、トロンボエラストメトリシステム100に情報を入力することができる。いくつかの実施形態では、これらに限定されないが、ソフトキーボード入力のような他の選択が、タッチスクリーンディスプレイ142を介して提供されることができる。いくつかの実施形態では、データ入力は、音声入力により、追加的または代替的に実行されることができる。ユーザインターフェースは、トロンボエラストメトリシステム100の一部として備えられ得る他の周辺機器(例えば、マウス、キーボード、さらなる表示装置など)を備えることができる。いくつかの実施形態では、コンピュータデータネットワーク(例えば、イントラネット、インターネット、LANなど)は、遠隔装置が、システム100からの情報を受信しおよび/または入力することを可能とするように、使用されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、一つ以上の遠隔ディスプレイが、ネットワーク接続を介して利用されることができる。図示の実施形態では、トロンボエラストメトリシステム100は、また、外部バーコードリーダ146を備える。外部バーコードリーダ146は、これらに限定されないが、血液試料データ、ユーザ識別、患者識別、正常値などのデータの便利な一次元または二次元のバーコード入力を容易にすることができる。代替的にまたは追加的に、トロンボエラストメトリシステム100は、近距離通信タグ、RFIDタグなどを読み取るように構成されたリーダを備えることができる。
【0031】
図示の実施形態では、メインシャーシ144は、(以下にさらに記載されるような)サブシステムを備え、様々な電子接続ソケット(図示せず)を備え、かつ、カートリッジポート150を備える。様々な電子接続受けは、ネットワークおよび装置のコネクタを、これらに限定されないが、USBポート、イーサネット(登録商標)ポート(例えば、RJ45)、VGAコネクタ、サブD9コネクタ(RS232)などの一つ以上を含むことができる。このような接続受けは、メインシャーシ144の背面に、またはメインシャーシ144上の他の便利な場所に配置されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、一つ以上のUSBポートが、メインシャーシ144の前面上またはその近くに配置されることができる。そのように配置されたUSBポートは、例えば、ユーザに、メモリスティック上にデータを記録する利便性を提供することができる。いくつかの実施形態では、トロンボエラストメトリシステム100は、これらに限定されないが、無線LAN、ブルートゥース、NFC、RF、IRなどのような無線通信様式を使用して動作するように構成されている。
【0032】
さらに
図1A−
図3を参照すると、カートリッジポート150は、メインシャーシ144上で容易に到達可能な場所に配置されることができる。図示された実施形態では、ポイントオブケア場所でユーザによって便利に到達可能となるように、カートリッジポート150は、メインシャーシ144の前面に配置されている。カートリッジポート150は、使い捨てカートリッジ120の外形寸法と相補的に成形された開口部および内部空間を画定する。カートリッジポート150内に使い捨てカートリッジ120を挿入するために、ユーザは、血液試料受け器122を備えるカートリッジ120の端をつかみ、カートリッジポート150内に反対端(先端部)をスライドさせて挿入することができる。スライド挿入は、完全挿入位置を画定するハードストップに到達するまで、継続することができる。完全挿入位置では、使い捨てカートリッジ120(本実施形態では、血液試料受け器122を備える)の後端部は、メインシャーシ144の外部に残る。カートリッジポート150内に受け取られたカートリッジ120の部分は、カートリッジ120の正確な位置決めを保証するように、コンソール140内で少なくとも一つの内部結合要素と嵌合する(例えば、
図1Bに示される後端部のテーパ角度のような)外面特徴を備えることができる。このように、少なくとも血液試料受け器122は、血液試料検査の間を通してメインシャーシ144の外部に残る。この構成では、血液試料受け器122は、使い捨てカートリッジ120が完全挿入位置においてコンソール140と嵌合している間に、血液試料リザーバ10が受け器122に挿入されることができるように到達可能である血液試料ウェルとして機能する。いくつかの実施形態では、カートリッジ120の露出部分が不慮の接触から保護されるように、カートリッジポート150およびメインシャーシ144が、構成されている。さらに以下に説明するように、内部センサ(例えば、マイクロスイッチ、光学センサなど)は、使い捨てカートリッジ120が完全にメインシャーシ144に挿入された場合を検出することができる。
【0033】
カートリッジ120が完全に挿入されたことを分析コンソール140が検出した場合、いくつかの実施形態では、分析コンソール140は、以下の一つ以上の動作を開始する。位置決めピンを備える内部カートリッジクランプ機構は、使い捨てカートリッジ120を完全挿入位置に正確に位置決めしかつ取り外し可能に保持するように、活性化されることができる。一つ以上のカートリッジ加熱要素は、カートリッジ120を温めるように、活性化されることができる。カートリッジ120の温度を、監視することができる。カートリッジ120の先端部上のバーコードは、読み取られることができ、バーコードデータは、分析コンソール140のメモリに記憶されることができる。一つ以上の血液検出センサは、(現時点では存在してはならない)血液の存在に対してカートリッジ120を検査することができる。サブシステムを測定する回転式トロンボエラストメトリは、カートリッジ120と係合されることができ、必要に応じて、サブシステムを測定する回転式トロンボエラストメトリの回転が、(血液の存在なしに)開始できる。カートリッジ120は、分析コンソール140によって送達される真空または空気圧を使用して漏れ検査されることができる。例えば、圧力/真空の崩壊検査が、実行されることができる。いくつかの実施形態では、カートリッジ120が完全に挿入されたことを分析コンソール140が検出したときに、他の動作が、追加的または代替的に、活性化されることができる。そのような動作が完了した後、いくつかの実施形態では、動作の結果の表示は、タッチスクリーンディスプレイ142上に表示することができる(例えば、成功または失敗)。分析コンソール140が、動作が正常に完了したと判断した場合、トロンボエラストメトリシステム100が血液試料容器10を受け取る準備ができていることをユーザに通知する促しが、タッチスクリーンディスプレイ142上に提供されることができる。
【0034】
簡単に説明すると、いくつかの実施形態では、ユーザは、以下のような図示のトロンボエラストメトリシステム100の実施形態を操作することができる。まず、カートリッジ120が完全挿入位置に配置されるように、ユーザは、カートリッジポート150内に使い捨てカートリッジ120を挿入することができる。以下に説明するように、そのステップの完了は、自動的トロンボエラストメトリシステム100の一連の動作を開始する。このような操作が正常に完了すると、採血管10を試料ウェル122に挿入できるとの通知が、タッチスクリーンディスプレイ142上に表示される。ユーザが試料ウェル122内に採血管10を嵌合させた後、ユーザは、タッチスクリーンディスプレイ142上の「開始」ボタン(など)を押して、検査を開始する。少なくとも血液測定、試薬の混合、およびトロンボエラストメトリ検査は、その後(例えば、本実施形態では、ユーザからの手動の介入を必要とせずに)、システム100によって自動的に実行される。検査が完了すると、結果は、(例えば、
図1Aに示されるように)定性的グラフィック表現および定量的パラメータの形態でタッチスクリーンディスプレイ142上に表示される。また、検査が完了したとき、カートリッジ120は、コンソール140から除去され、かつ廃棄されることができる(例えば、このような実施形態におけるカートリッジ120は、(後述する)試薬ビーズがカートリッジにもはや存在せず、測定室が凝固血液試料部分を含まない点で、再利用可能ではない)。
【0035】
あるいは、いくつかの実施形態では、採血管10は、カートリッジポート150内へのカートリッジ120の挿入前に、カートリッジ120の試料ウェル122に挿入されることができる。このような状況では、収集チューブ10からの血液は、(後述のように、再び)コンソール140がカートリッジ120に作用する後まで、血液カートリッジ120の測定室(後述)に進入するかもしれない。カートリッジ120に予め結合された採血管10を用いて、採血管10およびカートリッジ120の組み合わせが、その後、カートリッジポート150内に挿入されることができる。
【0036】
図4および
図5をこれより参照すると、使い捨てカートリッジ120の図示の実施形態は、本体124と、右カバー126と、左カバー128と、五つのピン138a、138b、138c、138d、および138eとを備える。右カバー126は、本体124の右側面に固定され、左カバー128は、本体124の左側面に固定されている。このように、右カバー126および左カバー128は、以下にさらに記載されるように、血液流れ経路を画定するように、本体124の空洞および流れ経路を囲む。上述の試料ウェル122は、本体124の一部である。しかし、使い捨てカートリッジ120の他の構成も、想定される。
【0037】
いくつかの実施形態において、本体124と、右カバー126と、左カバー128と、ピン138a、138b、138c、138d、および138eとは、射出成形によって作られる。成形後、右カバー126および左カバー128は、これらに限定されないが、超音波溶接、レーザー溶接、溶剤結合、接着剤結合、UV硬化型接着などを含む様々な技術を用いて本体124に固定されることができる。種々のポリマー材料は、本体124、右カバー126、左カバー128、およびピン138a−138eを構成するために使用されることができる。例えば、そのようなポリマー材料は、これらに限定されないが、アクリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエチレン、ポリプロピレンなど、およびそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、アクリル系マルチ高分子化合物を含む材料は、本体124、右カバー126、左カバー128、およびピン138a−138eを構成するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、本体124、右カバー126、および左カバー128は、実質的に透明、または少なくとも半透明である。したがって、
図4において、本体124の機能は、それに右カバー126が取り付けられていても視認できる。
【0038】
いくつかの実施形態では、例えば、このようなインサート成形またはマルチショット成形技術によるオーバー成形は、本体124、右カバー126、および/または左カバー128のいくつかの態様を構成するために、使用されることができる。例えば、(以下にさらに記載されるような)エラストマーバルブ要素は、左カバー128にオーバー成形されることができる。さらに、いくつかの実施形態では、二次作業は、カートリッジ120に対して実行されることができる。例えば、採血管を穿孔するための一つ以上の針123a−123b(
図6参照)は、二次作業を使用して、試料ウェル122内に設置されることができる。
【0039】
使い捨てカートリッジ120は、また、五つのピン138a、138b、138c、138d、および138eを備える。ピン138a−138eは、本体124の開口部内に(例えば、
図8A−
図10Bに関連して以下で説明されるような(しばしば「カップ」と呼ばれる)検査室136a−136e内に)保持される個別の構成部品(例えば、
図10B参照)である。右カバー126および左カバー128上に配置されたタブ129は、本体124にピン138a−138eを機械的に保持する。しかし、ピン138a−138eは、限られた程度まで、本体124の範囲内で自由に動くことができる。例えば、ピン138a−138eは、本体124内で制約されずに回転すること、および、数ミリメートルだけ鉛直方向に移動することが、自由である。カートリッジ120の他の部品に関連するピン138a−138eのこの構成は、次のように作成されることができる。右カバー126および左カバー128を本体124に固定する前に、ピン138a−138eは、
図5に示されるように、本体124内のそれぞれの位置内に配置されることができる。本体124に配置されたピン138a−138eを用いて、右カバー126および左カバー128は、次に、本体124に固定されることができる。別の例では、右カバー126および左カバー128は、本体124に固定され、その後、ピン138a−138eは、タブ129を越えて本体122内に押し込まれる。右カバー126および左カバー128のタブ129は、カートリッジ120が上下逆さまになっている場合でも、ピン138a−138eが本体122から脱落することを妨げるだろう。
【0040】
いくつかの実施形態において、本体124は、バーコード位置125を含む。バーコード位置125は、バーコードラベルを接着するための、またはバーコードを印刷するための場所として使用されることができる。バーコード位置125は、(
図1−
図3に示すように、分析コンソール140へのカートリッジ120の挿入方向に対して)カートリッジ120の先端にある。
【0041】
図示の実施形態では、右カバー126は、血液検出位置127aおよび127bを含む。さらに後述するように、血液検出位置127aおよび127bは、カートリッジ120上に指定された位置であり、その位置で、分析コンソール140のセンサは、カートリッジ120と結合する。センサは、血液検出位置127aおよび127bでカートリッジ120内の血液の有無を検査する。いくつかの実施形態では、センサは、光学センサ(例えば、赤外線センサ)であり、血液検出位置127aおよび127bは、透明度および光学的透明性を高めた研磨領域である。このように、分析コンソール140の光センサが、血液検出位置127aおよび127bで血液の有無を容易に検出できるように、右カバー126が構成されている。
【0042】
図4、
図5、および
図6を参照すると、概して、使い捨てカートリッジ120は、(i)採血管(例えば、
図1−
図3の採血管10)から血液を抽出し、抽出された血液の正確な体積を測定するように、(ii)血液の正確な量を試薬と混合するように、および(iii)トロンボエラストメトリ検査が実行されたカートリッジ120の複数のカップおよびピンの位置に混合物を提供するように、構成されている。これらのステップは、以下でより詳細に説明されるだろう。
【0043】
図示の実施形態では、使い捨てカートリッジ120は、五つの個別の血液流れ経路130a、130b、130c、130d、および130eを備える。あるいは、いくつかの実施形態では、カートリッジは、単一の個別の血液流れ経路、または二つの個別の血液流れ経路、または三つの個別の血液流れ経路、または四つの個別の血液流れ経路、または六つの個別の血液流れ経路、または七つ以上の個別の血液流れ経路を備える。経路130a−130eのそれぞれは、(i)測定室、(ii)試薬(複数可)および混合要素を含む測定室、および(iii)血液凝固検査室(例えば、本実施形態では、その中に可動プローブ/ピンを有するカップ)を備える。例えば、経路130aは、測定室132a、混合室134a、および検査室136a(
図10A−10Bに詳細に示される例示的な検査室を参照)を備える。同様に、経路130bは、測定室132b、混合室134b、および検査室136bを備える。経路130cは、測定室132c、混合室134c、および検査室136aを備える。経路130dは、測定室132d、混合室134d、および検査室136dを備える。経路130eは、測定室132e、混合室134e、および検査室136eを備える。
【0044】
いくつかの実施形態では、試料ウェル122は、採血管が試料ウェル122に挿入された場合に採血管の隔壁を貫通するように構成されている針123aおよび123bを備える。針123bは、経路130a−130eと流体連通し、一方、針123aは、採血管からの迅速な血液流れを促進する通気孔である。
【0045】
図示の実施形態では、針123aから経路130a−130eへの流体流れ経路は、以下の通りである。針123aは、測定室132aと合流する。測定室132aは、測定室132bと合流する。測定室132bは、測定室132cと合流する。測定室132cは、測定室132dと合流する。測定室132dは、測定室132eと合流する。したがって、血液は、採血管から針123aを介して測定室132aに、測定室132aから測定室132bに、測定室132bから測定室132cに、測定室132cから測定室132dに、測定室132dから測定室132eに、流れることができる。測定室132a−132eは、また、計量室132a−132eと呼ぶことができる。測定室132a−132eのそれぞれは、入口ポートおよび出口ポートを有する。入口ポートは、測定室132a−132eの上部付近に配置されている。例えば、測定室入口ポート132aiは、測定室132aの上部付近に配置されている。血液が気泡を含む場合に、この構成は有利である。というのは、血液が測定室132a−132eに入るときに、そのようなガスが、血液から逃れることを可能にできるためである。加えて、この構成は、有利にも、血液が測定室132a−132eに流れ込むときに流体の流れの乱れを最小限に抑えることができ、それによって血液細胞を損傷する可能性を低減する。
【0046】
出口ポートは、測定室の底部に配置されている。例えば、測定室出口ポート132aoは、測定室132aの底部に配置されている。この構成は、血液での測定室132a−132eの完全な充填を容易にすることができる。このように、血液の正確な体積が、測定室132a−132e内に含まれている。
【0047】
針123aから測定室132a−132eへの流体流れの前述の説明から、および測定室の出口ポートの位置の前述の説明から、測定室132a−132eが順次に血液で満たされるであろうことが理解される。すなわち、第一測定室132aが、血液で満たされる。その後、測定室132aからの血液は、測定室132bに流れる。その後、測定室132bが血液で満たされる。その後、測定室132bからの血液は、測定室132cに流れる。その後、測定室132cが血液で満たされる。その後、測定室132cからの血液は、測定室132dに流れる。その後、測定室132dは、血液で満たされる。その後、測定室132dからの血液は、測定室132eに流れる。その後、測定室132eは、血液で満たされる。
【0048】
測定室の132eが血液で満たされた後、その後、測定室132eからの血液は、オーバーフロー室139に流入する。測定室132eから流れる血液は、オーバーフロー室の入口ポート139iで、オーバーフロー室139に入る。さらに後述するように、オーバーフロー室139は、測定室132eが完全に満たされることを保証するのに役立ち、一方、血液がカートリッジ120を出て、上述のように測定室132a−132eに血液が流れ込むために使用される真空源に流れ込むことを防止する。真空源は、オーバーフロー室の出口ポート139oでオーバーフロー室139に流体的に接続されている。真空源からの(大気圧に対する)負圧が、オーバーフロー室の出口ポート139oに加えられると、針123aに結合されている採血管からの血液は、すべての測定室132a−132eを満たすようにカートリッジ120に流れ込む。一部の血液は、また、測定室の132eを出て、オーバーフロー室139に向かって流れるだろう。
【0049】
さらに以下に記載されるように、血液流れが所定のスキームにしたがって分析コンソールによって制御されることができるように、様々なバルブおよび通気孔は、流体流れ経路内に散在している。また、上述の血液検出位置127aおよび127b(
図5参照)は、カートリッジ120上の指定された位置であり、その位置で、分析コンソール140のセンサは、カートリッジ120と結合している。センサは、血液検出位置127aおよび127bでカートリッジ120内の血液の有無を検査する。血液センサ位置127aは、針123aと測定室132aとの間の流体流れ経路上にある。分析コンソールが血液センサ位置127aで血液を検出すると、分析コンソール140は、血液がカートリッジ120内に引き込まれたと判断する。血液センサ位置127bは、測定室132eとオーバーフロー室139との間の流体流れ経路上にある。分析コンソールが血液センサ位置127bで血液を検出すると、分析コンソール140は、血液が、すべての測定室132a−132e内に引き込まれ、かつ満たされたと判断する。さらに、分析コンソール140が血液センサ位置127bで血液を検出したときに、分析コンソール140は、オーバーフロー室の出口ポート139oにおける負圧のさらなる印加を停止させることができる。言い換えれば、血液センサ位置127bで血液を検出することにより、分析コンソール140は、真空の印加がすべての測定室132a−132eをうまく満たし、真空の印加を中止できる、と判断することができる。必要に応じて、血液試料が所定の目標温度にあることを確認するために、カートリッジ120は、血液センサ位置127b上またはその付近の位置に血液温度センサを備えることができる。
【0050】
上述したように、経路部130a−130eのそれぞれは、測定室132a−132eのそれぞれを有している。いくつかの実施形態では、次のように、個別の経路130a−130e内の流体流れ経路がある。測定室132a−132eから、血液は、それぞれの混合室134a−134eに流れることができる。例えば、測定室132aからの血液は、混合室134aに流れることができる。同様に、測定室132bからの血液は、混合室134bに流れることができる。測定室132cからの血液は、混合室134cに流れることができる。測定室132dからの血液は、混合室134dに流れることができる。測定室132eからの血液は、混合室134eに流れることができる。混合室132a−132eから(混合が完了した後に)、血液は、それぞれの検査室136a−136e(そこに、対応するプローブ/ピン138a−138eを有する、以下で
図10A−
図10Bを参照)を流れることができる。例えば、混合室134aからの血液は、検査室136aを流れることができる。同様に、混合室134bからの血液は、検査室136bに流れることができる。混合室134cからの血液は、検査室136cに流れることができる。混合室134dからの血液は、検査室136dに流れることができる。混合室134eからの血液は、検査室136eに流れることができる。分析コンソール140によって制御可能な各種バルブおよび通気孔は、個別の経路130a−130eの流体流れ経路内に散在している。そのようなバルブおよび通気孔を使用して、個別の経路130a−130e内の血液流れは、所定スキームに従う分析コンソール140によって、制御されることができる。
【0051】
図6および
図7を参照して、カートリッジ120の追加の特徴がこれから説明される。
図6に示すように、カートリッジ120の特定の室(測定室132a−132e、試薬混合室134a−134e、および血液凝固検査室136a−136e)の側面図が、提供される。
図7において、カートリッジ120および個別の経路130a−130eの左側面図が、提供される。この図では、検査室136a−136eのそれぞれに対する検査室の入口ポート136ai、136bi、136ci、136di、および136eiが見える。入口ポート136ai−eiは、検査室136a−136eの上面の近くに、例えば、室136a−136eの側壁に沿った、ピン138a−138eの近位端よりも低いが血液試料と結合するピン138a−138eの遠位ヘッドよりも高い高さに、配置されている(
図10B参照)。血液が気泡を含む場合、血液がカップ136a−136eに入ったときに、このようなガスが血液から逃れることを可能とできるので、この構成は、有利となることができる。加えて、血液が検査室136a−136eに流れ込むときに、この構成は、有利にも、流体の流れの乱れを最小限に抑えることができる。
【0052】
図示の実施形態では、カートリッジ120は、二つの位置決めピン受け140aおよび140bを備える。位置決めピン受け140aおよび140bは、(以下にさらに記載されるように)分析コンソール140の位置決めピンと嵌合するために使用される。このように、カートリッジ120は、分析コンソール140に対して正確に配置されることができる。
【0053】
カートリッジ120は、また、真空印加ポート162を備える。真空源が、真空印加ポート162に適用され、カートリッジ120の通気孔およびバルブが適切な構成である場合、血液は、上述したように、さらに以下で説明されるように、測定室132a−132eに引き込まれることができる。
【0054】
カートリッジ120は、また、加圧ポート164を備える。圧力源が、加圧ポート164に適用され、カートリッジ120の通気孔およびバルブが適切な構成である場合、血液は、上述したように、さらに以下で説明されるように、測定室132a−132eから混合室134a−134eに、続いて、混合室134a−134eから検査室136a−136eに、流れるように強制されることができる。
【0055】
図示の実施形態では、カートリッジ120は、通気孔166a、166b、166c、166d、および166eを備える。他のカートリッジの実施形態は、より少ないまたはより多くの通気孔を備えることができる。通気孔166a−166eは、それぞれ、混合室134a−134eで合流する。したがって、通気孔166a−166eが、そこを通る空気流を可能にするために開いている場合、混合室134a−134eからの空気は、血液が混合室134a−134eに流れ込むときに、容易に混合室134a−134eから移動されることができる。逆に、通気孔166a−166eが、そこを通る空気流を妨げるために閉じられている場合、混合室134a−134e内の空気が、そこから移動されることができないので、血液は、混合室内134a−134eへ流れ込むことを抑制される。通気孔166a−166eは、以下にさらに記載されるように、所定のスキームにしたがって、分析コンソール140によって個別に開閉されることができる。したがって、混合室134a−134e内への血液流れは、所望に応じて、制御されることができる。
【0056】
図示の実施形態では、カートリッジ120は、また、バルブ168、170、160a、160b、160c、160d、および160eを備える。他のカートリッジの実施形態は、より少ないまたはより多くのバルブを備えることができる。バルブ168、170、および160a−160eは、カートリッジ120の流体流れ経路内に配置されている。したがって、バルブ168、170、および160a−160eは、バルブ168、170、および160a−160eがそれぞれ配置されている流体流れ経路を通って流体が流れることを可能にするようにまたは妨げるように、分析コンソール140によって(開または閉に)作動されることができる。例えば、バルブ168は、針123aと測定室132aとの間の流体流れ経路内に配置されている。したがって、バルブ168が開いている場合、血液は、針123aから測定室132aに流れることができ、バルブ168が閉じられている場合、血液は、針123aから測定室132aに流れることができない。
【0057】
バルブ170は、測定室132eとオーバーフロー室139との間の流体流れ経路内に配置されている。したがって、バルブ170が開いている場合、血液は、測定室132eからオーバーフロー室139に流れることができ、バルブ170が閉じられている場合、血液は、測定室132eからオーバーフロー室139に流れることができない。
【0058】
バルブ160a−160eは、混合室134a−134eと検査室136a−136eとの間の流体流れ経路にそれぞれ配置されている。したがって、バルブ160a−160eが開かれている場合、血液は、混合室134a−134eから検査室136a−136eにそれぞれ流れることができ、バルブ160a−160eが閉じられている場合、血液は、混合室134a−134eから検査室136a−136eに流れることができない。
【0059】
さらに後述するように、いくつかの実施形態では、バルブ160a−160eは、バルブ160a−160eの方に移動しかつバルブ160a−160eから離れて移動するピンによって個別に作動されることができる。バルブ160a−160eを閉じるために、エラストマー部材がバルブ160a−160eの弁座に接触するように、ピンは、バルブ160a−160eのエラストマー部材と係合しかつ広げることができる。このようなピンがバルブ160a−160eのエラストマー部材から離れて後退される場合、エラストマー部材は、エラストマー部材がもはや広がらないように反発し、その後、バルブが開放される。ピンは、いくつかの実施形態では、ソレノイドによって移動されることができる。
【0060】
より詳細に
図6を参照すると、混合室134a−134eのいくつかの実施形態は、(i)一種以上の可溶性試薬ビーズ180、(ii)複数の保持要素182、および(iii)混合要素184を備える。一つ以上の試薬ビーズ180は、複数の保持要素182の範囲内に、配置されかつ保持される。混合要素184は、混合室134a−134eの底部に配置され、混合室134a−134eの底部を横切って水平方向に移動することを自由にできる。複数の保持要素182は、混合要素184から試薬ビーズ180を分離し、かつ、保持要素184が混合室134a−134eの底部から離れて上方に移動することを妨げる。好ましくは、混合室内の試薬ビーズ180のそれぞれの所定鉛直位置(例えば、混合室134a−134e内に注入された血液部分の高さよりも下方の鉛直位置)を維持するために、保持部材182は、混合室134a−134eのそれぞれの中に延びており、それにより、所定量の血液が混合室134a−134eのそれぞれに向けられた場合に、ビーズ180のそれぞれが浸されることを保証する。また、いくつかの実施形態では、各混合室134a−134e内の複数の保持要素182は、それぞれの混合室134a−134eにおける試薬ビーズ180のそれぞれを互いから離れた状態に維持する。このような実施形態では、試薬ビーズ180のそれぞれは、それぞれの混合室134a−134e内の他のビーズ180によって接触されておらず、それぞれの混合室134a−134e内の混合要素184によって接触されておらず、それぞれの混合室134a−134e内に移動される血液部分の高さよりも低いそれぞれの混合室134a−134e内の鉛直高さに維持される。
【0061】
図示の実施形態では、一つ以上の可溶性試薬ビーズ180は、球状であり、二つの異なるサイズ(例えば、約2mmの直径および約3mmの直径)である。しかしながら、試薬ビーズ180の他の形状および/または大きさの使用も、想定される。いくつかの実施形態では、試薬ビーズ180は、凍結乾燥された材料であるが、材料の他の形態も、想定される。試薬ビーズ180は、これらに限定するものではないが、CaCl
2、エラグ酸/リン脂質、組織因子、ヘパリナーゼ、ポリブレン、サイトカラシンD、トラネキサム酸など、およびそれらの組み合わせの材料を含むことができる。試薬ビーズ180は、血液内で可溶性である。例えば、この特定の実施形態では、五つの混合室134a−134eのそれぞれは、五つの異なる分析結果を実行する目的のために、(それぞれの測定室132a−132eによって画定される)所定量の血液を、(その中に一つ以上の試薬ビーズ180からの)異なる試薬組成物と一緒に混合するように構成されている。この例では、第一混合室134eは、(対応する測定室132eからの)血液の所定体積と混合するために、CaCl
2およびエラグ酸/リン脂質を提供するように、複数の試薬ビーズ180を含むことができ、その結果、第一試料部分が、第一種類の分析結果において使用されることができる。また、この例では、第二混合室134dは、(対応する測定室132dからの)血液の所定体積と混合するために、CaCl
2、エラグ酸/リン脂質、およびヘパリナーゼを提供するように、複数の試薬ビーズ180を含むことができ、その結果、第二試料部分が、第二種類の分析結果において使用されることができる。さらに、この例では、第三混合室134cは、(対応する測定室132cからの)血液の所定体積と混合するために、CaCl
2、組織因子、およびポリブレンを提供するように、複数の試薬ビーズ180を含むことができ、その結果、第三試料部分が、第三種類の分析結果において使用されることができる。また、この例では、第四混合室134bは、(対応する測定室132bからの)血液の所定体積と混合するために、CaCl
2、組織因子、ポリブレン、およびサイトカラシンDを提供するように、複数の試薬ビーズ180を含むことができ、その結果、第四試料部分が、第四種類の分析結果において使用されることができる。最後に、この例では、第五混合室134aは、(対応する測定室132aからの)血液の所定体積と混合するために、CaCl
2、組織因子、ポリブレン、およびトラネキサム酸を提供するように、複数の試薬ビーズ180を含むことができ、その結果、第五試料部分は、第五種類の分析結果において使用されることができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、まず、クエン酸塩血液試料を混合させ次にクエン酸塩血液試料の活性化/凝固を行わせるために、CaCl
2試薬を運ぶ試薬ビーズ180は、それぞれの混合室134a−134e内のビーズ180の残りの部分から分離される。CaCl
2試薬を運ぶ試薬ビーズ180のこのような分離は、(上述したように)保持要素182を使用して達成されることができる。あるいは、そのような分離は、それぞれの室134a−134e内で他のビーズ180から分離された別の経路または別の混合室内のCaCl
2の試薬を運ぶ試薬ビーズ180を保持することによって、達成されることができる(血液部分が、それぞれの混合室134a−134e内の他のビーズ180と混合した後、CaCl
2の試薬に到達するようになっている)。あるいは、そのような分離は、血液部分がそれぞれの混合室134a−134e内の他のビーズ180と混合した後に、CaCl
2試薬に到達するように、別の経路内にCaCl
2試薬液または乾燥膜CaCl
2の試薬を配置することによって、達成されることができる。あるいは、CaCl
2試薬を運ぶ試薬ビーズ180は、追加の層でコーティングされることができ(その後、上述のように、保持部材182によって保持され)、その結果、血液部分がそれぞれの混合室134a−134e内の他のビーズ180と予め混合した後に、血液部分が、CaCl
2試薬を運ぶ試薬ビーズ180を溶解し始める。
【0063】
混合要素184は、これらに限定されないが、ニッケル、コバルト、クロム(IV)酸化物、ガドリニウム、パーマロイおよびアルニコ(アルミニウム−ニッケル−コバルト合金)など、およびそれらの組み合わせを含む強磁性材料を備える。図示の実施形態では、混合要素184は、球状であり、固体である。他の実施形態では、混合要素184は、これらに限定されないが、立方体、円錐形、円筒形、扇形、細長い角柱など、ならびに不規則な形状のような形状を有することができる。いくつかの実施形態では、混合要素184は、突起、窪み、または穴などのような一つ以上の表面特徴を含むことができる。
【0064】
さらに後述するように、混合要素184は、混合要素184が磁気的に結合する磁石の動きに応じて、混合室134a−134e内で可動である。磁気要素184が磁気的に結合する磁石は、分析コンソール140内に収納されている。混合要素184の動きは、混合室134a−134e内に含まれる血液に溶解するように、試薬ビーズ180を促す。
【0065】
図8A−
図8Hを参照すると、本明細書に提供されたトロンボエラストメトリシステムで使用されることができる例示的な流体制御プロセス200を示している。プロセス200は、採血管10内にのみ含まれる血液で開始し、回転式トロンボエラストメトリ用のために構成されたカップ136a−136eに含まれる血液/試薬混合物で終了する。いくつかの実施形態では、流体制御プロセス200を実施するために使用されるカートリッジ120(
図1−
図7参照)が、その中に血液を有する前に、(例えば、37°C程度まで)加熱されることが、理解されるべきである。
【0066】
図8Aを参照すると、例示的な流体制御プロセス200は、採血管10、測定室132a−132e、混合室134a−134e、およびカップ136a−136e、オーバーフロー室139、血液検出位置127aおよび127b、真空印加ポート162、加圧ポート164、通気孔166a−166e、バルブ168、170、および160a−160eを備える。図示の構成では、バルブ168は閉じられ、それによって採血管10内に実質的に血液を保持する。
【0067】
例示的な流体制御プロセス200は、五つの血液流れ経路(それぞれが、測定室132a−132e、混合室134a−134e、およびカップ136a−136eをそれぞれ備える)を備えるが、五つの血液流れ経路を有することは、すべての実施形態において必要ではないことが、理解されるべきである。例えば、いくつかの実施形態では、単一の血液流れ経路のみが備えられる。あるいは、二つの血液流れ経路が備えられる、または三つの血液流れ経路が備えられる、または四つの血液流れ経路が備えられる、または六つの血液流れ経路が備えられる、または七つ以上の血液流れ経路が備えられる。
【0068】
図8Bを参照すると、測定室132a−132eは、血液で満たされており、少量の血液が、オーバーフロー室139内に収納されている。この段階に到達するために、(
図8Aと比較して)次の変更が行われ、および/または、以下の条件が存在していた。(i)バルブ168および170が開かれ、(ii)バルブ160a−160eが閉じられ、(iii)通気孔166a−166eが閉じられ、(iv)負圧が真空印加ポート162に印加され、および(v)加圧ポート164が加圧されなかった。したがって、血液が流れた。(i)採血管10から、(ii)バルブ168を介して、(iii)血液検出位置127aから、(iv)測定室132a内に測定室132aを満たすように、(v)測定室132b内に測定室132bを満たすように、(vi)測定室132c内に測定室132cを満たすように、(vii)測定室132d内に測定室132dを満たすように、(viii)測定室132e内に測定室132eを満たすように、(ix)血液検出位置127bから、(x)バルブ170を介して、(xi)オーバーフロー室139内へ。血液が血液検出位置127bで検出された場合、負圧の印加が中止され、それにより、さらに血液流れを止めた。
【0069】
図8Cを参照すると、測定室132a−132dは、依然として血液で満たされているが、計測室132eからの血液は、混合室134eに移された。この状態に到達するには、(
図8Bと比較して)次の変更が行われ、および/または以下の条件が存在していた。(i)バルブ168および170が閉じられた、(ii)バルブ160a−160eが閉じられたままだった、(iii)通気孔166a−166dが閉じられたままだった、(iv)通気孔166eが開かれた、および(v)空気圧源が、加圧ポート164に適用された。したがって、血液が流れた。(i)測定室132eから、および(ii)混合室134e内に。通気孔160a−160dおよび通気孔166a−166dは閉じられたままであったので、測定室132a−132d内の血液は、混合室134a−134d内に流入しなかった。混合室134e内の血液を用いて、混合室134e内の混合要素は、移動でき、その中への試薬ビーズの溶解を容易にするために、血液を攪拌することができる。
【0070】
図8Dを参照すると、測定室132a−132dは、依然として血液で満たされており、混合室134e(
図8C参照)内にあった血液/試薬混合物は、カップ136eに移る。この状態に到達するには、(
図8Cと比較して)次の変更が行われ、および/または以下の条件が存在していた。(i)バルブ168および170が閉じられたままであり、(ii)バルブ160eを開かれ、(iii)バルブ160a−160dが閉じられたままであり、(iv)通気孔166eが閉じられ、(v)通気孔166a−166dが閉じられたままであり、(vi)空気圧源が加圧ポート164に適用された。したがって、血液/試薬混合物が流れた。(i)混合室134eから、および(ii)カップ136e内へ。通気孔166a−166dおよびバルブ160a−160dが閉じられたままであったので、血液は、測定室132a−132dから混合室134a−134dに向けて流れなかった。カップ136e内に位置する血液/試薬混合物を用いて、回転式トロンボエラストメトリはカップ136e内で開始することができる。
【0071】
図8Eを参照すると、測定室132a−132cは、依然として血液で満たされており、カップ136eは、依然として血液/試薬混合物で満たされ、測定室132d(
図8D参照)内にあった血液が、混合室134dに移った。この状態に到達するために、(
図8Dと比較して)次の変更が行われ、および/また以下の条件が存在していた。(i)バルブ168および170が閉じられたままであり、(ii)バルブ160eが閉じられ、(iii)バルブ160a−160dが閉じられたままであり、(iv)通気孔166dが開かれ、(v)通気孔166a−166cおよび166eは閉じられたままであり、(vi)空気圧源が加圧ポート164に適用された。したがって、血液が流れた。(i)測定室132dから、および(ii)混合室134d内に。通気孔166a−166cおよびバルブ160a−160cが、閉じられたままであったので、血液は、測定室132a−132cから混合室134a−134cに向けて流れなかった。混合室134d内の血液を用いて、混合室134d内の混合要素は、その内部への試薬ビーズの溶解を容易にするために、血液を攪拌することができる。
【0072】
図8Fを参照すると、測定室132a−132cは、依然として血液で満たされており、カップ136eは、依然として血液/試薬混合物で満たされ、かつ、混合室134d(
図8E参照)内の血液/試薬混合物は、カップ136dに移された。この状態に到達するために、(
図8Eと比較して)次の変更が行われ、および/または、以下の条件が存在していた。(i)バルブ168および170が閉じられたままであり、(ii)バルブ160dが開かれ、(iii)バルブ160a−160cおよび160eが閉じられたままであり、(iv)通気孔166dが閉じられ、(v)通気孔166a−166cおよび166eが閉じられたままであり、(vi)空気圧源が加圧ポート164に適用された。したがって、血液/試薬混合物が流れた。(i)混合室134dから、および(ii)カップ136d内に。通気孔166a−166cおよびバルブ160a−160cが、閉じられたままであったので、血液は、測定室132a−132cから混合室134a−134cに向けて流れなかった。カップ136d内に位置する置血液/試薬混合物を用いて、回転式トロンボエラストメトリカップ136dに開始することができる。
【0073】
図8Gを参照すると、測定室132a−132bは、依然として血液で満たされており、カップ136d−136eは、依然として血液/試薬混合物で満たされ、かつ、測定室132c(
図8F参照)内にあった血液が、混合室134cに移された。この状態に到達するには、(
図8Fと比較して)次の変更が行われ、および/または、以下の条件が存在していた。(i)バルブ168および170が閉じられたままであり、(ii)バルブ160dが閉じられ、(iii)バルブ160a−160cおよび160eが閉じられたままであり、(iv)通気孔166cが開かれ、(iv)通気孔166a−166bおよび166d−166eが閉じられたままであり、および(v)空気圧源が加圧ポート164に適用された。したがって、血液が流れた。(i)測定室132cから、および(ii)混合室134c内に。通気孔166a−166bおよびバルブ160a−160bが閉じられたままであったため、血液は、測定室132a−132bから混合室134a−134bの方に流れなかった。混合室134c内の血液を用いて、混合室134c内の混合要素は、その中への試薬ビーズの溶解を容易にするために、血液を攪拌することができる。
【0074】
図8Hを参照すると、プロセス200の完了が示されている。つまり、カップ136a−136cは、血液/試薬混合物をすべて含み、回転式トロンボエラストメトリは、カップ136a−136e内で実行できる。この状態は、上述したように真空印加ポート162に真空を印加するのと、または、加圧ポート164を加圧するのと共に、バルブ168、170および160a−160eおよび通気孔166a−166eを作動させる方法にしたがって、達成されることができる。
【0075】
図9を参照すると、いくつかの代替実施形態では、一つ以上の個別の血液流れ経路または経路は、直列に配置された複数の混合室を備えることができる。例えば、例示的な流体制御プロセス280は、五つの血液流れ経路(
図8A−
図8Hの実施形態における経路の数と同様)を備えるが、これらの経路のそれぞれは、(
図8A−
図8Hの実施形態と同様に、それぞれの混合室に対する単一の混合室というよりもむしろ)直列に配置された二つの混合室を備える。すなわち、混合室137aおよび137fは、測定室132aとカップ136aとの間で直列に配置されている。混合室137bおよび137gは、測定室132bとカップ136bとの間で直列に配置されている。混合室137cおよび137hは、測定室132cとカップ136cとの間で直列に配置されている。混合室137dおよび137iは、測定室132dとカップ136dとの間で直列に配置されている。混合室137eおよび137jは、測定室132eとカップ136eとの間で直列に配置されている。
【0076】
いくつかの実施形態では、CaCl
2試薬を運ぶ試薬ビーズは、直列に配置された第二の二つの混合室内にCaCl
2試薬を配置することにより、試薬ビーズが他から分離される。そのように、逐次混合室は、血液試料が試薬と混合することを可能にし、続いて、時間的に制御された時点で、血液試料の活性化/凝固を開始できる。
【0077】
例示的な流体制御プロセス280は、五つの血液流れ経路を備え、血液流れ経路のそれぞれは、直列に配置された二つの混合室を備えるが、そのような構成は、すべての実施形態において必要とされないことが理解されるべきである。例えば、いくつかの実施形態では、直列に配置された二つの混合室を備える単一の血液流れ経路が、カートリッジ内に配置されている。二つの混合室を有するそのような単一の血液流れ経路は、カートリッジ内の唯一の血液流れ経路とすることができ、または、単一の混合室を備える一つ以上の他の血液流れ経路を有するカートリッジに組み合わせられることができる。血液流れ経路および混合室のすべての組み合わせおよび血液流れ経路および混合室の順列は、本開示の範囲内に含まれることが、理解されるべきである。
【0078】
これより、より詳細に、血液凝固検査室136a−136eに取り掛かると、室136a−136eは、各室内に引き込まれた血液試料部分に粘弾性検査を提供するように構成されることができる。
図10Aおよび
図10Bを参照すると、ピン138a−138eは、カートリッジ120に配置されている。カップ136b内に位置するピン138bを示す代表的な例は、ピン138bの外径とカップ136bの内径との間に隙間空間が存在することを示している。血液/試薬混合物は、回転式トロンボエラストメトリがその中で実行されている場合、少なくとも部分的に隙間空間を満たす。ピン138bは、肩部138bsを有する。ピン138bの外径とカップ136bの内径との間の隙間空間は、肩部138bsの上方の領域においてよりも、肩部138bsの下方の領域において、小さい。ピン138bの外径とカップ136bの内径との間の肩部138bsの下方の領域は、回転式トロンボエラストメトリを実行することに対して活性化される領域である。
【0079】
カップ136bおよびピン138bは、(
図10Aの部分10B−10Bに係る)
図10Bの断面図に示されている。加えて、(
図10Bの向きでピン138bの後ろに配置された)血液入口ポート136biは、血液/試薬混合物が血液入口ポート136biを介してカップ136bに流入するように、設けられている。図示の実施形態では、カップ入口ポート136biは、ピン138bの拡大近位端部(肩部138bsを参照)よりも高いが、ピン138bの遠位端部(ピン138bの軸穴138bbへの入り口の近くの端部を参照)よりも低い高さで、カップ136bの側壁に配置されている。この構成では、気泡形成の可能性を低減するように、血液/試薬混合物は、カップ136bに流入する。加えて、カップ入口ポート136biが、カップ136bの内径とピン138bの外径との間の肩部138bsよりも低い活性領域内に位置している場合、カップ136bの上部付近にカップ入口ポート136biを配置することは、カップ136b内で実行されるトロンボエラストメトリ測定において、カップ入口ポート136biがそうでなければ有する効果を排除する。
【0080】
図示の実施形態では、カートリッジ124の上部は、通気孔121を備える。通気孔121は、針123bと流体連通している。したがって、試料ウェル122内に配置された血液試料管を通気するための空気が必要とされる場合、空気は、通気孔121を通って引き出され、針123bを介して血液試料管に送り込まれる。
【0081】
ピン138a−138eのそれぞれは、軸方向孔を備える。例えば、ピン138bは、軸方向孔138bbを備える。軸方向孔138bbは、回転式トロンボエラストメトリを実行するためのシャフト(
図10Bに図示せず)と係合するために使用されることができる。
【0082】
図10Cを参照すると、例示的な回転式トロンボエラストメトリ組立体300bは、カップ136bに含まれる血液試料に回転式トロンボエラストメトリを実行するために、ピン138bと係合することができる。この特定の実施形態では、例示的な回転式トロンボエラストメトリ組立体300bは、ベースプレート302、シャフト310b、軸受312b、ミラー314b、反力バネ320b、光源330b、および検出器340b(例えば、電荷結合要素など)を備える。シャフト310bの先端部が、ピン138bと取り外し可能に結合されるように孔138bbに入るように、ベースプレート302は、矢印318bによって表されるように、低くされることができる。ベアリング312bは、ベースプレート302に対してシャフト310bの回転運動を容易にするために、ベースプレート302およびシャフト310bに係合している。反力バネ320bは、シャフト310bに連結され、バネ320bの振動は、矢印316bによって表されるように、約+/−5度だけ前後に振動するようにシャフト310bを誘導できる。ミラー315は、シャフト310bに連結されている。光源330bは、ミラー314bに向けて光を投影するように構成され、光は、(シャフト310bの回転方向に応じて)ミラー315から検出器340bの方へ反射されることができる。したがって、ピン138bの運動は、光学検出システムによって検出される。回転式トロンボエラストメトリ組立体300bの他の構成も本開示の範囲内で想定されることが、理解されるべきである。
【0083】
検出された動きデータは、トロンボエラストメトリ結果を処理しかつ決定するために、分析コンソール140(
図1−
図3参照)上で実行中のアルゴリズムによって、分析される。このシステムは、これらに限定されないが、凝固時間、凝血塊形成時間、α角、振幅、最大凝血塊硬度、溶解開始時、溶解時間、溶解率(%)、および最大溶解(%)のような様々なトロンボエラストメトリパラメータを容易にする。
【0084】
カップ136b内の血液が凝固し始めると、シャフト310bの運動の振幅は、(ミラー315から検出器340bの方への光ビームの偏向によって検出されるように)、減少し始める。凝固時には、血液の(一緒に血小板を伴う)フィブリン骨格は、カップ136bおよびピン138bの表面間に機械的な弾性連結を生成する。一つ以上の前述の活性化因子を添加することによって誘導される進行凝固プロセスは、このように観察され、かつ、定量化されることができる。この方法では、患者の止血状態の様々な欠陥は、明らかにされることができ、かつ、適切な医学的介入のために判断されることができる。検査プロセスの終了時に、ベースプレート302は、ピン138bからシャフト310bを切り離すために上昇されることができる。
【0085】
図11を参照すると、分析コンソール140のメインシャーシ144は、前部144fおよび後部144bを備えることができる。いくつかの実施形態では、後部144bは、分析コンソール140の動作に必要なコンピュータおよび電子部品の少なくとも一部を収納する。例えば、後部144bは、これらに限定されないが、コンピュータプロセッサ、メモリ装置、オペレーティングシステム、および他の実行可能な命令、電源(複数可)、ユーザインターフェース制御、通信装置、回路基板などのようなハードウェア装置およびソフトウェアを収納することができる。
【0086】
図示の実施形態では、前部144fは、カバー145および試料ハンドラ組立体400を備える。試料ハンドラ組立体400は、カートリッジ120が受け取られることが可能な内部空間を画定する。いくつかの実施形態において、試料ハンドラ組立体400は、分析コンソール140のモジュール式サブ組立体であり、試料ハンドラ組立体400は、サービス用の分析コンソール140から容易に取り外すことができる。試料ハンドラ組立体400は、後部144bに収納されているコンピュータおよび電子部品と電気的に相互接続される。このように、分析コンソール140は、カートリッジ120内に位置する血液試料に回転式トロンボエラストメトリを実行し、タッチスクリーンディスプレイ142上にその結果を表示することができる。
【0087】
図11および
図12を参照すると、分析装置のコンソール140は、カートリッジ受け器と、クランプ410と、粘弾性測定システム480とを備えることができる。カートリッジ受け器とクランプ410と粘弾性測定システム480とが共生的に機能することができるように、機械フレーム組立体は、カートリッジ受け器とクランプ410と粘弾性測定システム480と、をその向きにおいて支持するために使用される。
【0088】
カートリッジ受け器、クランプ410、および粘弾性測定システム480の一部は、(分析コンソール140に対して静止している)機械フレーム組立体に対して移動可能である。例えば、粘弾性測定システム480は、上下に移動することができる。さらに後述されるように、粘弾性測定システム480は、カートリッジ120(例えば、
図11参照)と係合するように下方に移動することができ、カートリッジ120から離脱するように下方に移動することができる。カートリッジ受け器の部分およびクランプ410は、機械フレーム組立体に対して水平に移動することができる。さらに後述するように、カートリッジ受け器の部分およびクランプ410は、試料ハンドラ組立体400内のカートリッジ120をクランプするまたはクランプしないように水平に移動することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、カートリッジ受け器410およびクランプ410は、可動ブロックサブ組立体および固定ブロックサブ組立体を備える。カートリッジ120が受け取られることが可能な空間が、可動ブロックサブ組立体と固定ブロックサブ組立体との間に存在する。可動ブロックサブ組立体は、固定ブロックサブ組立体の方にまたは固定ブロックサブ組立体から離れて移動されることができる。したがって、カートリッジ120は、可動ブロックサブ組立体と固定ブロックサブ組立体との間で、それらの間の相対移動によって、クランプされまたはクランプを解除されることができる。いくつかの実施形態では、粘弾性測定装置480は、可動ブロックサブ組立体に取り付けられている。したがって、可動ブロックサブ組立体が移動されると、粘弾性測定システム480も、移動される。
【0090】
いくつかの実施形態では、可動ブロックサブ組立体は、電気モータによって移動されることができる。特定の実施形態では、モータは、ステッピングモータである。いくつかの実施形態では、歯車減速機が、モータに連結されている。小型化のためにベルトおよびプーリの構成を用いて、モータは、送りネジを駆動するために使用されることができる。送りネジの回転が可動ブロックの水平移動をもたらすように、送りネジのネジ山は、可動ブロックの補完的なネジ山と係合されることができる。いくつかの実施形態では、移動の終端の検出器(例えば、近接センサ、光センサ、マイクロスイッチなど)は、可動ブロックサブ組立体が所望の移動の終端位置に水平に移動された場合を検出するために、備えられている。
【0091】
いくつかの実施形態では、一つ以上のバネが、可動ブロックサブ組立体と固定ブロックサブ組立体との間に延びることができる。バネは、可動ブロックサブ組立体と固定ブロックサブ組立体との間の適切なクランプ力を容易にするのに役立つ。いくつかの実施形態では、バネは調節可能である。
【0092】
いくつかの実施形態では、カートリッジ120がクランプされている間に、損傷から保護されるように、カートリッジ120と接触する可動ブロックサブ組立体および固定ブロックサブ組立体の部分は、可撓性または圧縮可能な材料を備える。
【0093】
特定の実施形態では、可動ブロックサブ組立体は、可動ブロックサブ組立体のクランプ面上に一つ以上の特徴を備えることができ、この特徴は、試料ハンドラ組立体400内の所望の位置にカートリッジ120を位置決めするのに役立つ。例えば、いくつかの実施形態では、二つの可動ブロックサブ組立体は、試料ハンドラ組立体400に対してカートリッジ120を正確に位置決めするために、カートリッジ120(
図7参照)の位置決めピン受け140aおよび140bと嵌合できる二つの位置決めピンを備える。
【0094】
いくつかの実施形態では、可動ブロックサブ組立体および固定ブロックサブ組立体の一方または両方は、カートリッジ120がそれらの間にクランプされた場合にカートリッジ120を温めることができる加熱装置412を備える。例えば、いくつかの実施形態において、ヒータ412は、カートリッジ120の少なくとも一部を温めるのに使用される電気抵抗ヒータである。いくつかの実施形態では、ヒータ412は、カートリッジ120の他の部分から独立して、カートリッジ120の個別部分の加熱を容易とするように構成されている。例えば、一つ以上の個別の血液の流れ経路130a、130b、130c、130d、および130e(
図4−
図7参照)は、いくつかの実施形態において、独立して温められることができる。加温は、カートリッジ120の一つ以上の面に実行されることができる。他の種類の加温様式は、これらに限定されないが、IR、超音波、マイクロ波などを含むことができる。
【0095】
特定の実施形態では、一つ以上の温度センサ414は、カートリッジ120上の一つ以上の位置で、カートリッジ120の温度を検出することができる。例えば、いくつかの実施形態では、一つ以上の温度センサ414は、熱電対、サーミスタ、赤外線温度センサなどとすることができる。したがって、分析コンソール140は、ヒータ412および温度センサ414を使用して、所定の温度(例えば、37oC程度)までカートリッジ120の加熱を制御することができる。
【0096】
可動ブロックサブ組立体は、カートリッジ120の前述の通気孔およびバルブを作動させるために使用される複数のソレノイドを備えることができる。例えば(
図7も参照)、バルブ168、170、および160a−160eは、バルブアクチュエータ430によって作動されることができ、通気孔166a−166eは、通気孔アクチュエータ432によって作動されることができる。いくつかの実施形態では、バルブアクチュエータ430および通気孔アクチュエータ432は、ソレノイドを備える。バルブアクチュエータ430によるバルブ168、170、および160a−160eの作動は、エラストマー部材と接触するようにかつエラストマー部材を広げるように、可動ブロックサブ組立体から伸長可能なバルブアクチュエータ430にピンを結合することによって、達成されることができ、これにより、エラストマー部材がカートリッジ120内の弁座と接触する。通気孔アクチュエータ432による通気孔166a−166eの作動は、通気孔166a−166eを妨害するように可動ブロックサブ組立体から伸長可能な弾性端部にピンを結合することによって、達成されることができる。弾性端部を有するこのようなピンは、通気孔166a−166eを通る空気流を実質的に防止するためのストッパーとして機能することができる。いくつかの実施形態では、バルブアクチュエータ430および通気孔アクチュエータ432は、(例えば、電力がソレノイドから取り除かれた場合に)バルブアクチュエータ430および通気孔アクチュエータ432が正常に拡張されるようにする内部バネを備えたソレノイドを備える。したがって、通常、このように閉じられたソレノイドは、デフォルトの設定として、カートリッジ120の通気孔およびバルブを閉じる。
【0097】
試料ハンドラ組立体400は、また、圧力源436および真空源434を備える。圧力源436および真空源434によって、空気圧および真空がそれぞれ、カートリッジ120の加圧ポート164および真空印加ポート162に印加されることが可能である(
図7参照)。例えば、圧力源436および真空源434は、カートリッジ120と接触することができ、カートリッジ120がカートリッジ受け器およびクランプ410内にクランプされた場合に、加圧ポート164および真空印加ポート162に圧力または真空を伝えることができる。圧力源436および真空源434は、いくつかの実施形態では、弾性材料から作られている。例えば、いくつかの実施形態では、圧力源436および真空源434は、少なくとも部分的には、これらに限定されないが、シリコン、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、フルオロエラストマーなどのような弾性材料で作られている。一つ以上の内部に収納された圧力ポンプおよび/または真空ポンプ(図示せず)が、分析コンソール140に備えられることができる。このような内部に収納された圧力ポンプおよび真空ポンプは、
図8A−
図8Hを参照して上述したように、カートリッジ120内の血液の輸送を誘導するために、カートリッジ120に加えられる空気圧または真空を生成するために、使用されることができる。
【0098】
前述したように、カートリッジ受け器およびクランプ410は、また、固定ブロックサブ組立体を備える。いくつかの実施形態では、固定ブロックサブ組立体は、機械フレーム組立体に対して、かつ、全体として分析コンソール140に対して、移動しない。
【0099】
いくつかの実施形態では、分析コンソール140は、混合ユニット440を備える。特定の実施形態では、混合ユニット440は、モータ、クランクおよびコネクティングロッド組立体、および磁石シャトルを備える。これらの構成要素は、カートリッジ120の混合要素を磁気的に連結するために、かつ、混合室134a−134e内の混合要素の運動を誘導するために、使用されることができる。混合要素の移動は、上述のように、試薬ビーズが、混合室134a−134e内に含まれる血液に溶解することを促進する。
【0100】
分析コンソール140は、一つ以上のセンサ448を備えることができる。一つ以上のセンサ448は、上述したように(
図5参照)、血液検出位置127aおよび127bのようなカートリッジ120内の特定の場所での血液の存在を検出するために、使用されることができる。いくつかの実施形態では、センサ448は、IR(赤外線)センサのような光センサである。いくつかの実施形態では、センサ448は、これらに限定されないが、カップ136a−136e(
図8A−
図8H参照)内のような、カートリッジ120の他の領域内で、血液を検出するために用いられることができる。
【0101】
分析コンソール140の試料ハンドラ組立体400は、また、粘弾性測定システム480を備える。粘弾性測定システム480は、ベースプレート302(例えば、
図10C参照)、一つ以上のトロンボエラストメトリ組立体(例えば、トロンボエラストメトリ組立体300b)、およびリニアアクチュエータ組立体を備える。一つ以上のトロンボエラストメトリ組立体は、それぞれベースプレート302に固定されることができる。いくつかの実施形態では、リニアアクチュエータ組立体は、ベースプレート302に、およびカートリッジ受け器およびクランプ410に連結されることができる。したがって、リニアアクチュエータ組立体の作動は、ベースプレート302およびカートリッジ受け器およびクランプ410を、互いの方に、または、互いから離れるように移動させることができる。リニアアクチュエータのリニアベアリング組立体は、直線経路でベースプレート302を案内し、ベースプレート302がカートリッジ受け器およびクランプ410に向かってまたはカートリッジ受け器およびクランプ410から離れるように移動するときに、ベースプレート302を安定化させることができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、リニアアクチュエータ組立体は、駆動ナットと係合するネジ山を有する送りネジを回転させるモータ(例えば、dcモータまたはステッピングモータ)を用いて、ベースプレート302がカートリッジ受け器およびクランプに対して鉛直に上がるまたは下がるようにする。駆動ナットは、ベースプレート302に連結されている。いくつかの実施形態では、移動の終端の検出器(例えば、近接センサ、光センサ、マイクロスイッチなど)が、ベースプレート302が鉛直に所望の移動の終端位置に移動した場合を検出するために備えられている。
【0103】
粘弾性測定システム480は、ピンと結合するように構成されたシャフト(例えば、ピン138bと結合するように構成されたシャフト310b)を備える複数の回転式トロンボエラストメトリ組立体(例えば、
図10Cの回転式トロンボエラストメトリ組立体300b)のうちの一つを備える。トロンボエラストメトリ組立体がベースプレート302に取り付けられているので、シャフトは、ベースプレート302の上昇または下降と関連して、上昇され、下降される。したがって、リニアアクチュエータ組立体の作動は、カートリッジ受け器およびクランプ410に関連して、シャフトを鉛直に上昇または下降させ、カートリッジ120がカートリッジ受け器およびクランプ410内にクランプされている場合、カートリッジ120に関連して、シャフトを鉛直に上昇または下降させる。したがって、本明細書からは、リニアアクチュエータ組立体の作動は、ピンおよびカートリッジ120と係合しかつピンおよびカートリッジ120から係合を解除することができる(例えば、シャフト310をピン138と係合させるように下降されたベースプレート302を示す
図10Cを参照)ことが、理解されることができる。
【0104】
分析コンソール140の上述の特徴に加えて、いくつかの実施形態では、分析コンソール140は、以下の特徴の一つ以上を備える。分析コンソール140は、一つ以上のバーコードスキャナ450を備えることができる。バーコードスキャナ450は、例えば、カートリッジ120(
図5参照)の先端部のバーコード位置125でバーコードを読み取ることができる。いくつかの実施形態では、分析コンソール140は、所望の挿入位置および/または向きでカートリッジ120の存在を検出するための一つ以上の装置を備えることができる。例えば、いくつかの実施形態では、一つ以上のマイクロスイッチは、カートリッジ120が試料ハンドラ組立体400内の所望の位置および向きに挿入された場合を検出するために、使用されることができる。いくつかの実施形態では、分析コンソール140は、一つ以上の補助接続部460を備えることができる。補助接続部460は、これらに限定されないが、ネットワークおよび装置のコネクタを、例えば、USBポート、イーサネット(登録商標)ポート(例えば、RJ45)、VGAコネクタ、サブD9コネクタ(RS232)などの一つ以上を備えることができる。このような補助接続部460は、メインシャーシ144の背面に、または、メインシャーシ144上の他の便利な場所に配置されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、一つ以上のUSBポートは、メインシャーシ144の前面上またはその近くに配置されることができる。
【0105】
分析コンソール140は、また、ユーザインターフェース142(例えば、本実施形態では、タッチスクリーンディスプレイ)を備える。図示の実施形態では、ユーザインターフェース142は、ユーザ入力を受信するように、かつ、ユーザに出力情報を表示するように構成されている。例えば、ユーザは、検査プロセスの開始、中間、終了中の時点に、ユーザインターフェース142上に表示されることができる様々なソフトボタンの選択を実行することにより、分析コンソール140に情報を入力することができる。いくつかの実施形態では、これらに限定されないが、ソフトキーボードの入力のような他の選択は、ユーザインターフェース142を介して提供されることができる。いくつかの実施形態では、データ入力は、音声入力により、追加的または代替的に実行されることができる。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは、分析コンソール140の一部として、他の周辺機器(例えば、マウス、キーボード、付加的な表示装置など)を備えることができる。いくつかの実施形態では、コンピュータデータネットワーク(例えば、イントラネット、インターネット、LANなど)は、遠隔装置がシステム100からの情報を受信および/または入力することを可能にするために、使用されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、一つ以上の遠隔ディスプレイは、補助接続部460を介して利用されることができる。図示の実施形態では、ユーザインターフェース142は、外部バーコードリーダ146(
図1A参照)を備える。代替的にまたは追加的に、分析コンソール140のユーザインターフェース142は、近距離通信タグ、RFIDタグなどを読み取るように構成されたリーダを備えることができる。分析コンソール140は、コンピュータプログラムで具現化された命令を実行することができる一つ以上の制御システム470を備えることができる。制御システム470は、一例として、汎用および専用のマイクロプロセッサ、および任意の種類のデジタルコンピュータの一つ以上のプロセッサを備えることができる。いくつかの実施形態では、制御システム470は、プロセッサ、メモリ、記憶装置、インターフェース、および他の種類の電子サブシステムおよび部品の一つ以上を備える。このような部品は、共通のマザーボード上に、または、必要に応じて他の方法で取り付けられることができる。制御システム470は、分析コンソール140内で実行するための命令を処理することができ、この命令は、メモリ内または記憶装置上に格納された命令を含む。いくつかの実施態様では、複数のプロセッサおよび/または複数のバスは、メモリの複数のメモリおよびメモリの種類と一緒に、必要に応じて、使用されることができる。また、複数のコンピューティング装置は、各装置必要な動作の一部を提供する各装置と一緒に、(例えば、サーババンク、ブレードサーバのグループ、またはマルチプロセッサシステムとして)接続されることができる。
【0106】
記憶装置は、制御システム470のための大容量記憶を提供することができる。いくつかの実施態様では、記憶装置は、フロッピー(登録商標)ディスク装置、ハードディスク装置、光ディスク装置、またはテープ装置、フラッシュメモリまたは他の類似の固体メモリ装置のようなコンピュータ読取可能媒体であるかそれらを含むことができ、または記憶領域ネットワーク内の装置または他の構成を含む装置の配列とすることもできる。コンピュータプログラム製品は、有形情報担体で具体化されることができる。コンピュータプログラム製品は、実行される場合に、
図8A−
図8Hを参照して上述したような一つ以上の方法を実行する命令を含むことができる。コンピュータプログラム製品は、また、メモリ、記憶装置、またはプロセッサ(複数可)上のメモリのようなコンピュータまたは機械読取可能媒体において有形に具体化されることができる。
【0107】
図13を参照すると、いくつかの実施では、ユーザは、例示的なプロセス490にしたがって、本明細書で提供されたトロンボエラストメトリシステムと対話することができる。ステップ492において、ユーザは、分析コンソール内へカートリッジを挿入することができる。いくつかの例では、カートリッジの少なくとも一部は、カートリッジの他の部分が分析コンソール内に隠されている間、露出したままである。例えば、このステップは、
図1Aを参照して上で例示されている。ステップ494において、ユーザは、促しが分析装置のコンソールから受信された後に、カートリッジに血液試料容器を結合することができる。カートリッジがステップ492で定義されているように分析コンソールに挿入されている間、ステップ494は、実行されることができる。ステップ496では、ユーザは、血液の粘弾性特性が測定されることができるように、カートリッジの血液検査室に血液試料リザーバ内への血液の自動輸送を開始するために「開始」ボタン(または同等物)を押すことができる。いくつかの例では、分析コンソールは、検査が開始される準備ができているという指示を提供するが、その表示は、プロセス490の一部として必要ではない。
【0108】
図14Aおよび
図14Bを参照すると、いくつかの実施では、トロンボエラストメトリシステムは、例示的なプロセス500にしたがってトロンボエラストメトリを実行することができる。プロセス500の各ステップは、必ずしも記載された順序で実行されなくてもよい。さらに、いくつかの実施では、プロセス500のいくつかのステップは、並列に実行されることができる。プロセス500は、トロンボエラストメトリシステム100のような、上述したトロンボエラストメトリシステムによって、実行されることができる。
【0109】
ステップ510において、カートリッジの存在は、トロンボエラストメトリシステムの分析コンソールの受けで検出される。例えば、検出は、マイクロスイッチ、光センサ、バーコードスキャナなど、またはそれらの組み合わせによって、実行されることができる。カートリッジが受け内で検出されていても、カートリッジの少なくとも一部は分析コンソールの外部にあることができる。
【0110】
ステップ520では、分析コンソールは、少なくとも部分的に分析コンソールにカートリッジをクランプするクランプ機構を作動させる。例えば、カートリッジ受け器およびクランプ410は、上述のように、カートリッジを固定するために活性化されることができる。
【0111】
ステップ530では、分析コンソールは、カートリッジが以前に使用されたことを示す特徴をカートリッジが有するかどうかを、必要に応じて測定できる。例えば、分析コンソールは、カートリッジ内の血液の有無を検査するために、光学センサを使用することができる。いくつかの実施形態では、カートリッジが以前に使用されたことを示す一つ以上の特徴が検出された場合、分析コンソールは、プロセス500のさらなるステップを中断し、ユーザインターフェースを介して適切なメッセージを提供することができる。
【0112】
ステップ540では、分析コンソールは、カートリッジの完全性を検査するために、一つ以上のQC検査を実行することができる。例えば、いくつかの実施形態では、カートリッジは、例えば、圧力/真空崩壊検査を実施することによって、漏れを検査することができる。
【0113】
ステップ550では、分析コンソールは、バーコード用のカートリッジを走査する。例えば、分析コンソールは、1Dまたは2Dバーコードが存在することができるカートリッジの先端を走査することができる。
【0114】
ステップ560では、分析コンソールは、ステップ550でのバーコードの走査から達成情報に基づいて実行されるトロンボエラストメトリ分析結果の種類を決定する。
【0115】
ステップ570において、分析コンソールのトロンボエラストメトリサブシステムのシャフトは、カートリッジのピンに結合されている。ピンは、カートリッジのカップ内に配置されている。したがって、ピンへのトロンボエラストメトリサブシステムのシャフトの結合は、カートリッジのカップ内に含まれる血液試料にトロンボエラストメトリを実行することができるように、トロンボエラストメトリシステムを構成することができる。例えば、
図10Cを参照すると、シャフト310bが、カートリッジ120のピン138bと摩擦嵌めとなりかつ取り外し可能に結合するように、トロンボエラストメトリ組立体300bのシャフト310bは、カートリッジの方に下降されることができる。
【0116】
ステップ580では、分析コンソールは、カートリッジのカップに対して、ピンの回転往復運動を開始することができる。例えば、このステップは、
図10Cを参照して上で例示されている。
【0117】
ステップ590では、分析コンソールは、カートリッジを加熱することができる。いくつかの実施では、分析コンソールは、所定の温度にカートリッジを加熱することができる。特定の実施では、分析コンソールは、所定の温度にカートリッジを維持することができる。例えば、いくつかの実施では、所定の温度は、約35℃から約40℃まで、好ましくは約37℃とされることができる。
【0118】
ステップ600では、分析コンソールは、カートリッジに血液試料容器を結合するように、促しを提供する。この促しは、例えば、一つ以上のステップの成功した完了時に、または一つ以上の条件の成功した検証時に、またはそれらの両方において、提供されることができる。例えば、この促しは、他のもののうち、ステップ590にしたがって、カートリッジの所定温度の到達の成功に応じて提供されることができる。促しは、分析コンソールのユーザインターフェースを介して提供されることができる。例えば、促しは、分析コンソールのタッチスクリーンモニタに表示される視覚的なメッセージとすることができる。可聴促しは、いくつかの実施形態で提供されることができる。
【0119】
ステップ610では、分析コンソールは、必要に応じて、カートリッジ内の血液の存在を検出することができる。このような検出は、例えば、分析コンソールの一つ以上のIRセンサを使用して、実行されることができる。このステップにおけるカートリッジ内の血液の検出は、血液試料容器が正常にカートリッジに連結されたことを示すことができる。
【0120】
ステップ620では、分析コンソールは、検査を「開始」するための促しを提供することができる。いくつかの実施形態では、検査を「開始」するための促しは、一つ以上のステップの成功した完了に基づいて、または一つ以上の条件の成功した検証時に、またはそれらの両方において、提供されることができる。促しは、分析コンソールのユーザインターフェースを介して提供されることができる。例えば、促しは、分析コンソールのタッチスクリーンモニタに表示される視覚的なメッセージとすることができる。いくつかの実施形態では、タッチスクリーンは、検査を開始するためのユーザ入力を受け取ることができる。
【0121】
ステップ630では、分析コンソールは、血液を試料容器からカートリッジ内に流出させることができる。いくつかの実施では、分析コンソールの真空源は、血液をカートリッジ内に流れ込ませるように、使用される。いくつかの実施では、分析コンソールの空気圧源は、血液をカートリッジ内に流れ込ませるように、使用される。分析コンソールは、カートリッジ内の血液流れを制御するように様々なバルブや通気孔を作動させることができる(例えば、
図8A−
図8Hを参照)。
【0122】
ステップ640では、分析コンソールは、カートリッジ内に含まれる血液中の試薬の溶解を補助するために、攪拌を誘導することができる。このステップは、磁気カートリッジ120の混合要素と結合された一つ以上の磁石を有する磁石シャトルの水平往復運動に関連して上述で例示され、混合室134a−134e内に含まれる血液中に試薬ビーズが溶解するのを促すように、カートリッジ120内の混合要素の運動を引き起こす。
【0123】
ステップ650では、トロンボエラストメトリ検査が開始される。例えば、分析コンソールは、カートリッジのカップ136a−136eに位置するピン138a−138eに連結されたシャフトの往復回転に対して、トロンボエラストメトリ組立体で生成されたデータを分析することを開始できる(
図8A−
図8H参照)。いくつかの実施では、分析コンソールは、他のトロンボエラストメトリ組立体によって生成されたデータを分析することを開始する前に、いくつかのトロンボエラストメトリ組立体によって生成されたデータを分析することを開始できる。例えば、
図8A−
図8Hを参照して上述したように、分析コンソールは、カップ136eに関連するトロンボエラストメトリ組立体によって生成されたデータを、分析すること、をまず開始できる。その後、分析コンソールは、カップ136dなどに関連するトロンボエラストメトリ組立体によって生成されたデータを分析することを開始できる。
【0124】
ステップ660では、分析コンソールは、トロンボエラストメトリの結果を表示する。このような結果は、検査の遂行と同時に、検査の完了時に、表示されることができる。結果は、タッチスクリーンディスプレイのような分析コンソールのユーザインターフェースを介して、表示されることができる。結果は、定性的グラフィック表示および定量的パラメータを用いて、表示されることができる。
【0125】
ステップ670では、分析コンソールは、検査の停止時にカートリッジのクランプを解除できる。いくつかの場合において、このような停止は、検査を停止するための分析コンソールへのユーザ入力によって、または検査分析結果の終了によって、または時間系パラメータの満了によって、開始されることができる。クランプの解除は、例えば、可動ブロックサブ組立体の水平移動により、実行されることができる。クランプの解除後、カートリッジは、分析コンソールから除去されることができる。
【0126】
本発明の多数の実施形態が記載されている。それにもかかわらず、種々の改変が、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることが、理解されるだろう。したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。
【0128】
1.血液検査コンソールと一緒に使用するカートリッジであって、
検査される血液試料を受け取るように構成された血液試料受け器と、
一つ以上の血液の処理および検査のための複数の経路であって、前記血液の処理および検査のための複数の経路のそれぞれが前記血液試料の一部を受け取り、かつ、
前記血液試料受け器と流体連通する血液試料体積測定室であって、前記血液試料体積測定室は、前記血液試料容器から所定体積の前記血液試料を含むための選択された内部体積を有する血液試料体積測定室と、
前記血液試料体積測定室およびその中の試薬に流体連通する混合室であって、前記血液試料体積測定室から血液試料を受け取るように、かつ、受け取られた前記血液と前記試薬とを混合するように構成された混合室と、
混合された血液および試薬が前記検査室に残っている間に、前記混合された血液および試薬に実行される粘弾性検査のために前記混合室から前記混合された血液および試薬を受け取るように構成された粘弾性血液検査室と、を備える一つ以上の血液の処理および検査のための経路と、
を備えるカートリッジ。
【0129】
2.実施形態1に記載のカートリッジであって、前記血液の処理および検査のための複数の経路の前記血液試料体積測定室は、直列に配置されており、その結果、複数の血液の処理および検査のための経路の第一の経路の血液試料体積測定室が、所定レベルまで血液試料で満たされるように構成され、かつ、その後、連続する血液試料体積測定室のそれぞれが、順次満たされるように構成されている、カートリッジ。
【0130】
3.実施形態2のカートリッジであって、前記血液試料体積測定室における血液試料受け器と反対端に真空ポートをさらに備え、外部真空が前記真空ポートに適用された場合、血液が、前記血液試料体積測定室のそれぞれを順次満たすように前記血液試料受け器から輸送されるように、前記カートリッジが構成されている、カートリッジ。
【0131】
4.実施形態3のカートリッジであって、前記血液試料受け器と、前記血液の処理および検査のための複数の経路のうちの第一の経路の前記血液試料体積測定室との間で血液を輸送するための第一経路をさらに備える、カートリッジ。
【0132】
5.実施形態4のカートリッジであって、前記第一経路内に配置された第一バルブをさらに備え、前記血液試料体積測定室のそれぞれを順次満たすために、血液試料が前記血液試料受け器から前記第一経路を通って輸送されることを可能にするように、前記第一バルブが、選択的に開かれるように構成されている、カートリッジ。
【0133】
6.実施形態1のカートリッジであって、前記血液の処理および検査のための複数の経路のそれぞれは、前記血液試料体積測定室と、対応する前記混合室との間で血液を輸送するための第二経路を備える、カートリッジ。
【0134】
7.実施形態5のカートリッジであって、前記血液の処理および検査のための複数の経路のそれぞれは、前記カートリッジの周囲の外部への第一通気孔を備え、前記第一通気孔が閉位置にある場合、血液が、前記血液試料体積測定室から前記混合室に前記第二経路を通って流れないように、前記第一通気孔のそれぞれが配置されている、カートリッジ。
【0135】
8.実施形態6のカートリッジであって、前記第一通気孔が、選択的に開かれるように構成され、かつ、前記第一通気孔が開位置にある場合、血液が、前記血液試料測定室から前記混合室に流れるように、前記カートリッジが構成されている、カートリッジ。
【0136】
9.実施形態1のカートリッジであって、前記混合室は、前記血液試料体積測定室からの血液と接触したときに溶解して前記混合された血液および試薬を混合室内に提供する固体状の試薬ビーズを備え、前記試薬ビーズは、CaCl
2、エラグ酸/リン脂質、組織因子、ヘパリナーゼ、ポリブレン、サイトカラシンD、トラネキサム酸の一つ以上を含む試薬組成物を備える、カートリッジ。
【0137】
10.実施形態1のカートリッジであって、前記血液の処理および検査のための複数の経路のそれぞれが、前記混合室から、対応する前記粘弾性血液検査室に前記混合された血液および試薬を輸送するための第三経路を備える、カートリッジ。
【0138】
11.実施形態10のカートリッジであって、前記血液の処理および検査のための複数の経路のそれぞれが、前記第三経路内に配置された第二バルブを備え、前記第二バルブのそれぞれは、閉位置にある場合に、前記第三経路を介する前記混合された血液および試薬の流れを妨げるように、かつ、開位置にある場合、前記第三経路を介する前記混合された血液および試薬の流れを可能にするように構成されている、カートリッジ。
【0139】
12.実施形態11のカートリッジであって、加圧ポートであって、外部圧力が前記加圧ポートに加えられ、かつ、前記第二バルブが開位置にある場合、前記混合室からの前記混合された血液および試薬が、前記混合室から、対応する粘弾性血液検査室へ前記第三経路を介して輸送されるように、配置された加圧ポートをさらに備える、カートリッジ。
【0140】
13.実施形態1のカートリッジであって、前記粘弾性血液検査室は、その中に、血液凝固特性を機械的に検査する可動プローブ要素を備える、カートリッジ。
【0141】
14.血液試料の粘弾性特性を測定する測定システム用のカートリッジ装置であって、
血液試料受け器と、
前記血液試料受け器と選択的に流体連通する複数の血液試料経路であって、前記血液試料経路のそれぞれが、
前記血液試料受け器を介して所定量の血液試料を受け取るための血液測定室と、
前記所定量の前記血液試料を一つ以上の試薬と一緒に受け取り、かつ、混合するための試薬混合室と、
前記試薬混合室から前記血液試料の少なくとも一部を、そこで混合される一つ以上の試薬と一緒に受け取るための血液凝固血液検査室であって、その中に、血液凝固特性を測定するための可動プローブを有する血液凝固血液検査室と、を備える複数の血液試料経路と、
を備えるカートリッジ装置
【0142】
15.実施形態14のカートリッジ装置であって、前記血液試料経路のすべてのための前記血液測定室は、互いに直列に接続され、前記血液試料経路のそれぞれのための前記試薬混合室および前記血液凝固血液検査室は、他の前記血液試料経路のための前記試薬混合室および前記血液凝固血液検査室と並列に接続されている、カートリッジ装置。
【0143】
16.実施形態14のカートリッジ装置であって、前記血液試料経路のそれぞれは、前記所定量の前記血液試料を第二試薬と一緒に受け取りかつ混合するための第二試薬混合室をさらに備える、カートリッジ装置。
【0144】
17.血液試料の粘弾性特性を測定する測定システム用のカートリッジ装置であって、
血液試料受け器と、
前記血液試料受け器と選択的に流体連通する少なくとも一つの血液試料経路であって、前記血液試料経路は、
前記血液試料受け器を介して所定量の血液試料で満たされるように構成された血液測定室と、
前記血液測定室から前記所定量の前記血液試料を受け取り、かつ、前記所定量の前記血液試料を一つ以上の試薬と一緒に混合する試薬混合室と、
前記試薬混合室から、前記血液試料の少なくとも一部を、それと一緒に混合される一つ以上の試薬と一緒に受け取る血液凝固血液検査室であって、その中に、血液凝固特性を測定するための可動プローブを有する血液凝固血液検査室と、
前記血液測定室からの前記所定量の前記血液試料を越えた過剰な血液を収集するために、前記血液試料経路と流体連通するオーバーフロー室と、を備える少なくとも一つの血液試料経路と、
を備えるカートリッジ装置。
【0145】
18.実施形態17のカートリッジであって、複数の前記血液試料経路をさらに備え、前記血液試料経路のすべてのための前記血液測定室は、互いに直列に接続され、かつ、前記オーバーフロー室に接続され、前記血液試料経路のそれぞれのための前記試薬混合室および前記血液凝固血液検査室は、他の前記血液試料経路のための前記試薬混合室および前記血液凝固血液検査室と並列に接続されている、カートリッジ装置。
【0146】
19.実施形態17のカートリッジ装置であって、前記血液試料経路は、前記所定量の前記血液試料を第二試薬と一緒に受け取りかつ混合する第二試薬混合室をさらに備える、カートリッジ装置。
【0147】
20.血液試料の粘弾性特性を測定する測定システムであって、
粘弾性測定部品を収納する制御ユニットであって、外部ポートを画定する制御ユニットと、
少なくとも一つの使い捨てカートリッジであって、前記カートリッジの外面に沿ってアクセス可能な血液試料入口と、前記カートリッジの内面に沿って配置された複数の血液検査室とを備える少なくとも一つの使い捨てカートリッジと、を備え、
前記複数の血液検査室が前記制御ユニット内に配置される一方で、前記カートリッジの前記血液試料入口が、前記制御ユニットの外部に残るように、前記制御ユニットは、前記外部ポートに挿入された場合、前記使い捨てカートリッジと取り外し可能に嵌合するように構成されている、測定システム。
【0148】
21.実施形態20のシステムであって、前記使い捨てカートリッジが備える前記血液試料入口は、前記血液試料リザーバ容器と取り外し可能に嵌合するように構成され、前記使い捨てカートリッジの前記複数の血液検査室は、その中に、血液凝固特性を測定するための可動プローブを備え、前記血液検査室のすべては、前記血液試料入口と選択的に流体連通する、システム。
【0149】
22.実施形態21のシステムであって、前記使い捨てカートリッジの前記血液検査室のそれぞれは、大気に露出され、かつ、前記血液検査室に沿って配置された血液入口ポートを備え、各血液検査室の前記血液入口ポートは、前記使い捨てカートリッジのそれぞれの試薬混合室の対応する出口ポートと流体連通している、システム。
【0150】
23.実施形態20のシステムであって、前記使い捨てカートリッジは、所定量の血液試料を一つ以上の試薬ビーズと一緒に受け取りかつ混合するように構成された複数の試薬混合室を備え、前記試薬混合室のそれぞれは、前記混合室内で試料混合ビーズのそれぞれの所定鉛直位置を維持するように、前記試薬混合室内に延びる複数の保持要素を備え、前記保持要素は、前記試料混合ビーズを互いに離間した状態に維持するように、前記試料混合ビーズと係合する、システム。
【0151】
24.実施形態23のシステムであって、前記試薬混合室のそれぞれは、可動混合要素を備え、前記可動混合要素は、前記血液試料を吸収しない材料を備え、前記可動混合要素から離れた位置に前記試料混合ビーズを維持するために、前記複数の保持要素が、前記試薬混合室内に延びている、システム。
【0152】
25.実施形態20のシステムであって、前記使い捨てカートリッジは、前記血液試料入口と選択的に流体連通する複数の血液試料経路を画定し、前記血液試料経路は、互いに並列に接続され、前記血液試料経路のそれぞれは、前記血液試料入口を介して所定量の血液試料を受け取るように構成された測定室と、前記所定量の前記血液試料を一つ以上の試薬と一緒に受け取りかつ混合するように構成された試薬混合室と、前記試薬混合室から、前記血液試料の少なくとも一部と、それと一緒に混合された一つ以上の試薬とを一緒に受け取るように構成された前記血液検査室の対応する一つと、を備え、前記血液検査室は、その中に、血液凝固特性を測定するための可動プローブを備える、システム。
【0153】
26.血液試料の粘弾性特性を測定するシステムを用いる方法であって、
血液試料入口が外部に露出したままとなるように血液検査制御コンソール内に使い捨てカートリッジを挿入することと、
前記血液試料入口に血液試料リザーバを取り付けることと、
前記複数の血液検査室のそれぞれにおいて血液の粘弾性特性を測定するために、前記カートリッジ内の前記複数の血液検査室への前記血液試料リザーバ内の血液の自動輸送を開始するように、前記血液検査制御コンソールのユーザインターフェースを介してユーザ入力を提供することと、を含む方法。
【0154】
27.実施形態26の方法であって、前記ユーザ入力を提供することは、前記使い捨てカートリッジの複数の血液試料経路を介する血液の前記自動輸送を開始し、前記血液試料経路のそれぞれは、血液試料リザーバから所定量の前記血液試料を受け取る測定室と、前記所定量の前記血液試料を一つ以上の試薬と一緒に受け取りかつ混合する試薬混合室と、前記試薬混合室から前記血液試料の少なくとも一部を、それと一緒に混合される一つ以上の試薬と一緒に受け取る前記血液検査室の対応するものと、を備え、前記血液検査室は、その中に、前記制御コンソールの嵌合部品に取り外し可能に取り付け可能である血液凝固特性を測定するための可動プローブを有する、方法。
【0155】
28.血液試料の粘弾性特性を測定する測定システム用のカートリッジ装置であって、
血液試料リザーバ容器と取り外し可能に嵌合するように構成された空洞を画定する血液試料受け器構造と、
複数の血液検査室であって、前記血液試料受け器構造から離れて配置され、かつ、前記血液検査室のそれぞれが、その中に、血液凝固特性を測定する可動プローブを有し、前記血液検査室のすべてが、前記血液試料受け器構造と選択的に流体連通している、複数の血液検査室と、
を備えるカートリッジ装置。
【0156】
29.実施形態28のカートリッジ装置であって、前記血液試料受け器構造と選択的に流体連通する複数の血液試料経路をさらに備え、前記血液試料経路のそれぞれは、前記血液試料受け器構造を介する所定量の血液試料を受け取るように構成された測定室と、前記所定量の前記血液試料を一つ以上の試薬と一緒に受け取りかつ混合するように構成された試薬混合室と、前記試薬混合室から前記血液試料の少なくとも一部を、それと一緒に混合される一つ以上の試薬と一緒に受け取るように構成された前記血液検査室の対応するものと、を備え、前記血液検査室は、その中に、血液凝固特性を測定する可動プローブを有する、カートリッジ装置。
【0157】
30.血液試料の粘弾性特性を測定する測定システム用のカートリッジ装置であって、
血液凝固特性を測定するための複数の血液検査室であって、前記血液検査室のそれぞれは、大気に露出され、かつ、前記血液検査室の側壁に沿って配置された血液入口ポートを有し、
前記血液検査室のそれぞれは、前記血液検査室の前記血液入口ポートよりも低い高さで、前記カートリッジ装置において画定された前記試薬混合室のそれぞれの出口ポートと流体連通している、カートリッジ装置。
【0158】
31.実施形態30に記載のカートリッジ装置であって、前記試薬混合室のそれぞれは、所定量の血液試料を一つ以上の試薬ビーズと一緒に受け取りかつ混合するように構成され、前記試薬混合室のそれぞれは、前記混合室内で、前記一つ以上の試薬混合ビーズのそれぞれの所定鉛直位置を維持するように、前記試薬混合室内に延びる複数の保持要素を備える、カートリッジ装置。
【0159】
32.血液試料の粘弾性特性を測定する測定システム用のカートリッジ装置であって、
所定量の血液試料を一つ以上の試薬ビーズと一緒に受け取りかつ混合するための複数の試薬混合室と、
前記混合室内で前記試薬混合ビーズのそれぞれの所定鉛直位置を維持するように、前記試薬混合室内に延びる複数の保持要素であって、前記試薬混合室の少なくとも一つの前記保持要素が、前記複数の試薬混合ビーズを互いから離間した状態に維持するように前記複数の試薬混合ビーズと係合する、複数の保持要素と、
を備えるカートリッジ装置。
【0160】
33.実施形態32のカートリッジ装置であって、前記試薬混合室のそれぞれは、共有血液試料リザーバから前記所定量の前記血液試料を受け取るように構成された対応する測定室に接続された入力経路を有し、前記試薬混合室のそれぞれは、前記試薬混合室から前記血液試料の少なくとも一部を、その中に溶解された前記一つ以上の試薬ビーズと一緒に受け取るように構成された対応する血液検査室に接続された出力経路を有し、前記血液検査室は、その中に、血液凝固特性を測定する可動プローブを有する、カートリッジ装置。
【0161】
34.血液試料の粘弾性特性を測定する測定システム用のカートリッジ装置であって、
所定量の血液試料を一つ以上の試薬ビーズと一緒に受け取りかつ混合するための複数の試薬混合室と、
前記試薬混合室に保持された可動混合要素であって、前記血液試料に対して不活性な材料を備える可動混合要素と、
前記可動混合要素から離間した位置に試薬混合ビーズを維持するために、前記試薬混合室内に延びる複数の保持要素と、
を備えるカートリッジ装置。
【0162】
35.実施形態34のカートリッジ装置であって、前記試薬混合室の少なくとも一つの前記保持要素は、複数の試薬混合ビーズを互いからかつ前記可動混合要素から離間した状態に維持するように、前記複数の試薬混合ビーズと係合する、カートリッジ装置。
【0163】
36.血液試料の凝固特性を測定する方法であって、
血液検査制御ユニットの受け部に挿入された血液検査カートリッジを検出することと、
一つ以上の血液検査室のそれぞれにおける血液の粘弾性特性を測定するために、前記カートリッジ内の前記一つ以上の血液検査室に前記血液試料リザーバ内の前記血液の自動輸送を開始させるように、前記血液検査制御ユニットのユーザインターフェースを介して入力をユーザに促すことと、
前記血液検査カートリッジの血液試料受け器から所定量の血液試料を、前記カートリッジ内の前記一つ以上の血液検査室のそれぞれに自動的に輸送することと、
前記カートリッジの前記血液検査室のそれぞれで、血液凝固特性を測定するプローブを移動させることと、
前記血液凝固特性の測定結果を、前記ユーザインターフェースを介して表示させることと、
を含む方法。
【0164】
37.血液試料の凝固特性を測定する制御コンソールであって、
その中に複数の血液検査室を有する使い捨てカートリッジを取り外し可能に受け取るように構成された少なくとも一つの結合要素と、前記使い捨てカートリッジの前記複数の血液検査室内の前記血液試料の凝固特性を測定するように構成された複数の測定部品と、を収納する制御ユニットハウジングと、
前記結合要素の近くに配置され、前記カートリッジを加熱するように構成された、一つ以上の加熱要素と、
前記結合要素の近くに配置された一つ以上の温度センサであって、前記温度センサが、前記使い捨てカートリッジの前記複数の血液検査室が所定温度に到達したことを示した後に、前記使い捨てカートリッジの前記複数の血液検査室に血液を輸送するように、前記制御ユニットが構成されている、一つ以上の温度センサと、
を備える制御コンソール。