特許第6770121号(P6770121)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 同方威視技術股▲分▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許6770121-画像表示方法 図000012
  • 特許6770121-画像表示方法 図000013
  • 特許6770121-画像表示方法 図000014
  • 特許6770121-画像表示方法 図000015
  • 特許6770121-画像表示方法 図000016
  • 特許6770121-画像表示方法 図000017
  • 特許6770121-画像表示方法 図000018
  • 特許6770121-画像表示方法 図000019
  • 特許6770121-画像表示方法 図000020
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6770121
(24)【登録日】2020年9月28日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】画像表示方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/046 20180101AFI20201005BHJP
   G01N 23/04 20180101ALI20201005BHJP
【FI】
   G01N23/046
   G01N23/04 340
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-38445(P2019-38445)
(22)【出願日】2019年3月4日
(62)【分割の表示】特願2018-35383(P2018-35383)の分割
【原出願日】2015年5月14日
(65)【公開番号】特開2019-144250(P2019-144250A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2019年4月2日
(31)【優先権主張番号】201410202944.7
(32)【優先日】2014年5月14日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503414751
【氏名又は名称】同方威視技術股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】張 麗
(72)【発明者】
【氏名】陳 志強
(72)【発明者】
【氏名】黄 清萍
(72)【発明者】
【氏名】孫 運達
(72)【発明者】
【氏名】唐 智
(72)【発明者】
【氏名】沈 楽
(72)【発明者】
【氏名】唐 虎
(72)【発明者】
【氏名】任 乾魯
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲しん▼
【審査官】 越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−029844(JP,A)
【文献】 特表2014−508954(JP,A)
【文献】 特開2006−015139(JP,A)
【文献】 特開2004−012407(JP,A)
【文献】 特開2004−177138(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0168959(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/165396(WO,A1)
【文献】 特開2009−092659(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102608135(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00−23/2276
A61B 6/00− 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DR−CTイメージングシステムにおいて画像の位置合わせを行う方法であって、前記DR−CTイメージングシステムはDR機器およびCT機器を含み、前記方法は、
前記CT機器によって被検体を走査してCT投影データを取得するステップと、
前記CT投影データから前記被検体の3次元画像を再構成するステップと、
前記DR機器によって前記被検体を走査してDR画像を取得するステップと、
前記DR画像及び前記3次元画像をスクリーンに表示するステップと、
ユーザの前記DR画像における特定の位置に対する選択に応答して、前記DR画像のデータから対応する列を抽出するステップと、
前記3次元画像から前記DR画像と同じ視角での補助DRデータを取得するステップと、
前記DR画像の前記列と前記補助DRデータの各列との関連性を算出するステップと、
前記補助DRデータの、前記DR画像の前記列との関連性が最大である列に対応するスライス画像と前記DR画像とを同時にスクリーンに表示するステップと、を含む、画像の位置合わせを行う方法。
【請求項2】
前記3次元画像から前記DR画像と同じ視角での補助DRデータを取得するステップは、
次元yの方向に沿って前記被検体の前記3次元画像のデータH(x,y,z)を投影し、前記視角でのDRデータを取得するステップを含み、その中、前記3次元画像の前記データH(x,y,z)の各次元のサイズはX×Y×Zであり、次元xは1からXまで変化し、前記次元xの方向は水平面内の方向であって前記被検体を搬送するためのベルト運動に垂直する方向であり、次元yは1からYまで変化し、前記次元yの方向は前記水平面に垂直する方向の上向き方向であり、次元zは1からZまで変化し、前記次元zの方向は前記水平面内における前記ベルト運動に沿う方向である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記3次元画像の前記データH(x,y,z)を前記次元yの方向に沿って投影し、2次元データJ(x,z)を取得し、投影式は以下の通りである:
【数1】
この2次元データは前記水平面内に垂直する方向における底面視の視角または上面視の視角でのDRデータであり、データの次元サイズはX×Zである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
DR−CTイメージングシステムにおいて画像の位置合わせを行う方法であって、前記DR−CTイメージングシステムはDR機器およびCT機器を含み、前記方法は、
前記CT機器によって被検体を走査してCT投影データを取得するステップと、
前記DR機器によって前記被検体を走査してDR画像を取得するステップと、
前記DR画像をスクリーンに表示するステップと、
ユーザの前記DR画像における特定の位置に対する選択に応答して、前記DR画像のデータから対応する列を抽出するステップと、
前記CT投影データから前記DR画像と同じ視角での補助DRデータを取得するステップと、
前記DR画像の前記列と前記補助DRデータの各列との関連性を算出するステップと、
前記CT投影データから前記被検体の3次元画像を再構成するステップと、
前記補助DRデータの、前記DR画像の前記列との関連性が最大である列に対応するスライス画像と前記DR画像とを同時にスクリーンに表示するステップと、を含む、画像の位置合わせを行う方法。
【請求項5】
前記CT投影データから前記DR画像と同じ視角での補助DRデータを取得するステップは、
前記CT投影データを所定の間隔で整理するステップと、
ある固定角度を第1最初角度として360度を間隔とし、整理されたCT投影データから前記補助DRデータを抽出して取得するステップと、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記固定角度に180度を加えて第2最初角度とし、360度を間隔として、整理されたCT投影データから補充データを抽出するステップと、
抽出された補充データを行列に記憶するステップと、
前記行列に対して左右鏡像処理を行うステップと、
行を単位とし、鏡像処理された行列中の補充データを前記補助DRデータに間隔挿入し、補充された補助DRデータを取得するステップと、を含む、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、コンピュータ断層イメージング(CT)技術に関し、具体にはCTシステムにおける画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国の9・11事件が発生した後で、航空分野のセキュリティーチェック作業はますます重視されている。CT技術に基づくセキュリティーチェック製品はたぐいまれな先進性を有しており、性能指標の優勢は明らかである。米国TSAは、CT機器及びその検出方法が空港のセキュリティーチェックを実現する重要な方法であると考える。普通の物品機器であるX線放射器は透視してイメージングし、明瞭なDR画像を得ることができる。このようなDR(Digital Radiography)画像は、ユーザに固定的な印象が形成されている。ユーザはDR画像をよく知っている。DRシステムにおいて、放射線源および探測器は固定で、回転しないものである。これらのDR画像は、通常、頂視角画像または底視角画像であり、直観的で、便利に見られることができる。画像の読取及び画像の判定から形成される豊富な経験は、いずれも直観的なDR画像に基づくものである。ある優秀な画像判定員は、必ず数万点以上の実際なDR画像を見たことがある。通常に、90日以上の業務を行うことによって優秀な画像判定員を育成することができる。現在、多数の優秀な画像判定員は、医療、セキュリティーチェックなどの分野で作業している。DR画像が存在しない場合、これらの経験豊富な画像判定員は、正確な画像判定を行うことができない。
【0003】
現在のCTシステムには既製の3次元データがあるが、DR画像が存在しない。画像判定員が突然に3次元画像を見たとき、慣れないと感じている。例えば、観察角度の不適宜により、3次元画像における危険物(例えば、ピストル)は小さい集塊であり、形態が不明瞭である。画像判定員が突然に3次元画像を見たとき、如何にしてピストルが小さい集塊となるかを分かることができない。画像判定員が3次元画像を単独に観察しても、旅客が何を持っているかを明瞭にすることができない。このため、3次元画像が存在しても、画像判定員も3次元画像を以前によく知っているDR画像と比較し、この2つの画像を対比し、既存のDR画像の豊富な画像判定経験を利用してほしい。すなわち、画像判定員は、左辺にDR画像を表示するディスプレイが置かれ、右辺にCT画像を表示するディスプレイが置かれるような環境を望んでいる。既存のDR画像の判定経験によって、多数の画像判定員は、旅客が何を持っているかをより迅速、簡便、正確に把握することができる。このように、多くの手間を省くことができる。
【0004】
また、DRシステムを有するCT機器において、ユーザが特定の位置を選択する場合には、特定の位置のスライスを表示させるためにDR−CTの位置合わせが必要となる。ハードウェア装置のベルト番号に基づいて、特定の位置が荷物のヘッド、中部、又はテールであるかが分かる。しかしながら、搬送過程においてベルト番号が紛失又はなくなりやすく、あるいは、マッチングできない場合があるため、この方法によって正確に位置合わせることができない。新たな効果的な位置合わせ方法が期待されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の1つまたは複数の技術課題を考慮し、CTシステムにDRイメージング機器を備えない場合に、DR画像と被検体の3次元画像とを同時に表示できるCTシステムの画像表示方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面において、CTシステムの画像表示方法を提供し、被検体に対してCT走査を行い、CT投影データを取得するステップと、CT投影データを所定の間隔で整理するステップと、ある固定角度を最初角度として360度を間隔とし、整理されたCT投影データから基本データを抽出するステップと、抽出された基本データに基づいてDR画像を形成するステップと、CT投影データから被検体の3次元画像を再構成するステップと、DR画像と再構成された3次元画像とを同時にスクリーンに表示するステップと、を含む。
【0007】
いくつかの実施例によれば、前記画像表示方法は、前記固定角度に180度を加えて最初角度とし、360度を間隔として、整理されたCT投影データから補充データを抽出するステップと、抽出された補充データを行列に記憶するステップと、前記行列に対して左右鏡像処理を行うステップと、行を単位として、鏡像処理された行列中の補充データを前記基本データに間隔挿入し、補充された基本データを取得するステップと、補充された基本データに基づいてDR画像を形成するステップと、を含む。
【0008】
いくつかの実施例によれば、前記画像表示方法は、別の固定角度を最初角度として360度を間隔とし、整理されたCT投影データから基本データを抽出するステップと、抽出された基本データに基づいて別のDR画像を形成するステップと、前記DR画像、前記別のDR画像と再構成された3次元画像とを同時にスクリーンに表示するステップと、を含む。
【0009】
いくつかの実施例によれば、CT投影データを所定の間隔で整理するステップは、サンプリング周波数が所定の間隔あたりにデータを1回投影することより高い場合に、サブサンプリング規則に従って、CT投影データを所定の間隔あたりにデータを1回投影することに調整するステップと、サンプリング周波数が所定の間隔あたりにデータを1回投影することより低い場合に、線形補間に従って、CT投影データを所定の間隔あたりにデータを1回投影することに調整するステップと、を含む。
【0010】
いくつかの実施例によれば、前記基本データが高いエネルギーデータ及び低いエネルギーデータである場合に、物質識別アルゴリズムによって前記基本データを処理して階調データ及び材料データを取得する。
【0011】
いくつかの実施例によれば、DR画像をユーザが要求する解像度に補間して、スクリーンに表示する。
【0012】
いくつかの実施例によれば、再構成された3次元画像のデータは、物理密度データ、電子密度データ、原子番号データ、高いエネルギーデータ、低いエネルギーデータ、階調データ、材料データの1つである。
【0013】
本発明の他の局面において、CTシステムの画像表示方法を提供し、被検体に対してCT走査を行い、CT投影データを取得するステップと、CT投影データから被検体の3次元画像を再構成するステップと、被検体の3次元画像データH(x,y,z)をある視角で投影し、この視角でのDRデータを取得するステップと、この視角でのDRデータに基づいてDR画像を形成するステップと、DR画像と3次元画像とを同時にスクリーンに表示するステップと、を含み、その中、3次元画像データH(x,y,z)の各次元のサイズはX×Y×Zであり、次元xは1からXまで変化し、この変化は水平面内におけるベルト運動に垂直する方向であり、次元yは1からYまで変化し、この変化は垂直方向の上向き方向であり、次元zは1からZまで変化し、この変化は水平面内におけるベルト運動に沿う方向である。
【0014】
いくつかの実施例によれば、前記画像表示方法は、被検体の3次元画像データH(x,y,z)を別の視角で投影し、この視角でのDRデータを取得するステップと、この別の視角でのDRデータに基づいてDR画像を形成するステップと、2つのDR画像と3次元画像とを同時にスクリーンに表示するステップと、を含む。
【0015】
いくつかの実施例によれば、前記視角及び前記別の視角は、水平面内におけるベルト運動に垂直する方向、垂直方向及び水平面内におけるベルト運動に沿う方向から選択されるものである。
【0016】
いくつかの実施例によれば、3次元データH(x,y,z)を次元xの方向に沿って投影し、2次元データI(y,z)を取得し、投影式は以下の通りである:
【数1】
当該2次元データは側視角のDRデータであり、データの次元サイズはY×Zである。
【0017】
いくつかの実施例によれば、3次元データH(x,y,z)を次元yの方向に沿って投影し、2次元データJ(x,z)を取得し、投影式は以下の通りである:
【数2】
当該2次元データは底視角または頂視角のDRデータであり、データの次元サイズはX×Zである。
【0018】
いくつかの実施例によれば、3次元データH(x,y,z)を次元zであるベルト運動の方向に沿って投影し、2次元データK(x,y)を取得し、投影式は以下の通りである:
【数3】
当該2次元データは前視角のDRデータであり、データの次元サイズはX×Yである。
【0019】
いくつかの実施例によれば、再構成された3次元画像のデータは、物理密度データ、電子密度データ、原子番号データ、高いエネルギーデータ、低いエネルギーデータ、階調データ、材料データの1つである。
【0020】
上記技術案によって、CT投影データを処理してDRデータを取得し、DRデータを取得した後で、DRデータ処理アルゴリズムによって、DR画像を取得する。これにより、画像判定員は既存のDR画像の画像判定経験によって、旅客が持っている物品をより正確、快速に検査することができる。
【0021】
本発明のまた他の局面において、DR−CTシステムにおいて画像の位置合わせを行う方法を提供し、前記DR−CTイメージングシステムはDR機器およびCT機器を含み、前記方法は、CT機器によって被検体を走査してCT投影データを取得するステップと、前記CT投影データから被検体の3次元画像を再構成するステップと、DR機器によって被検体を走査してDR画像を取得するステップと、前記DR画像及び前記3次元画像をスクリーンに表示するステップと、ユーザのDR画像中における特定の位置に対する選択に応答して、DR画像のデータから対応する列を抽出するステップと、前記3次元画像から前記DR画像と同じ視角での補助DRデータを取得するステップと、前記DR画像の前記列と補助DRデータの各列との関連性を算出するステップと、補助DRデータの、前記DR画像の前記列との関連性が最大である列に対応するスライス画像と前記DR画像とを同時にスクリーンに表示するステップと、を含む。
【0022】
いくつかの実施例によれば、前記3次元画像から前記DR画像と同じ視角での補助DRデータを取得するステップは、次元y方向に沿って被検体の3次元画像データH(x,y,z)を投影し、この視角でのDRデータを取得するステップを含み、その中、3次元画像データH(x,y,z)の各次元のサイズはX×Y×Zであり、次元xは1からXまで変化し、この変化は水平面内におけるベルト運動に垂直する方向であり、次元yは1からYまで変化し、この変化は垂直方向の上向き方向であり、次元zは1からZまで変化し、この変化は水平面内におけるベルト運動に沿う方向である。
【0023】
いくつかの実施例によれば、3次元データH(x,y,z)を次元yの方向に沿って投影し、2次元データJ(x,z)を取得し、投影式は以下の通りである:
【数4】
この2次元データは底視角または頂視角のDRデータであり、データの次元サイズはX×Zである。
【0024】
本発明のまた一局面において、DR−CTシステムにおいて画像の位置合わせを行う方法を提供し、前記DR−CTイメージングシステムはDR機器およびCT機器を含み、前記方法は、CT機器によって被検体を走査してCT投影データを取得するステップと、DR機器によって被検体を走査してDR画像を取得するステップと、前記DR画像をスクリーンに表示するステップと、ユーザのDR画像中における特定の位置に対する選択に応答して、DR画像のデータから対応する列を抽出するステップと、前記CT投影データから前記DR画像と同じ視角での補助DRデータを取得するステップと、前記DR画像の前記列と補助DRデータの各列との関連性を算出するステップと、前記CT投影データから被検体の3次元画像を再構成するステップと、補助DRデータの、前記DR画像の前記列との関連性が最大である列に対応するスライス画像と前記DR画像とを同時にスクリーンに表示するステップと、を含む。
【0025】
いくつかの実施例によれば、前記CT投影データから前記DR画像と同じ視角での補助DRデータを取得するステップは、CT投影データを所定の間隔で整理するステップと、ある固定角度を最初角度として360度を間隔とし、整理されたCT投影データから前記補助データを抽出して取得するステップと、を含む。
【0026】
いくつかの実施例によれば、前記方法は、前記固定角度に180度を加えて最初角度とし、360度を間隔として、整理されたCT投影データから補充データを抽出するステップと、抽出された補充データを行列に記憶するステップと、前記行列に対して左右鏡像処理を行うステップと、行を単位とし、鏡像処理された行列中の補充データを前記補助DRデータに間隔挿入し、補充された補助DRデータを取得するステップと、を含む。
【0027】
以下は、本発明をより良く理解できるように、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施例によるCT機器の構造模式図を示す。
図2図1に示すようなコンピュータデータプロセッサの構造ブロック図を示す。
図3】本発明の実施形態によるコントローラの構造ブロック図を示す。
図4】本発明の一実施例によるCTシステムにおいて画像を表示する方法を説明するフローチャートである。
図5】CT投影データを整理する過程を説明する模式図である。
図6】CT投影データから得られたDR画像の模式図を示す。
図7】本発明の別の実施例によるCTシステムにおいて画像を表示する方法を説明するフローチャートである。
図8】本発明のまた一実施例によるCTシステムにおいてDR画像とCT画像を位置合わせる方法を説明するフローチャートである。
図9】本発明のまた別の一実施例によるCTシステムにおいてDR画像とCT画像とを位置合わせる方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。ここで説明した実施例は、例として説明するためのものであり、本発明は、これに限らないと理解すべきである。以下の説明において、本発明に対する透徹した理解をさせるため、大量の特定の細部を描写した。しかし、必ずこれらの特定の細部を採用して本発明を実現することではないことが当業者にとって明らかになっている。その他の実例においては、本発明との混同を避けるために、周知の回路、材料または方法に対する具体的な説明を省略した。
【0030】
本明細書の全体において、言及した「一実施例」、「実施例」、「一示例」または「示例」は、該実施例または示例に結合して描写した特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも一実施例に含まれていることを意味する。従って、明細書全体の各箇所に現れた短文「一実施例において」、「実施例において」、「一示例」または「示例」は、必ず同一の実施例または示例を指したものではない。また、何らかの適宜な組み合わせ及び/またはサブ組み合わせによって、特定の特徴、構造または特性を一つまたは複数の実施例または示例に組み合わせることができる。また、当業者は、ここの「及び/又は」という用語が一つ又は複数の関連するアイテムの任意及び全ての組合を含むことを理解すべきである。
【0031】
従来技術のCT機器にDRイメージングモジュールを備えないが画像判定の過程において画像判定員がDR画像を表示する必要があるという課題に対して、本発明のいくつかの実施例は、CT投影データから被検体のDR画像を取得し、それと再構成された3次元画像とを同時にスクリーンに表示し、これにより、画像判定員が既存の画像判定の経験によってセキュリティーチェックを行うことを提供する。上記技術案によって、旅客が持っている物品をより正確、快速に検査することができる。いくつかの実施例において、再構成された3次元画像のデータから特定の視角での投影データを抽出し、これらの投影データを組み合わせてこの視角でのDRデータとなる。他の実施例において、再構成された3次元画像のデータを異なる視角で投影し、この視角でのDRデータを取得し、DR画像を形成する。
【0032】
他の実施例において、DR機器が配置されたCT機器においてベルト番号がなくなり又は紛失したことによるDR画像とCT画像とを位置合わせることができない課題に対して、CT投影データから、または再構成された3次元画像のデータから、特定の視角でのDR画像を取得し、DR機器により取得されたDR画像の選択列と、3次元画像のデータから得られたDR画像とに対して関連性分析を行い、関連性が最大である列が位置するスライスを確定して、DR画像と同時に表示することを提供する。
【0033】
図1は本発明の実施形態によるCT機器の構造模式図である。図1に示すように、本実施形態によるCT機器は、フレーム20、搭載機構40、コントローラ50、コンピュータデータプロセッサ60などを含む。フレーム20は、例えばX線放射器という検査用X放射線を放射する放射線源10と、探測・採集装置30とを含む。搭載機構40は、被検査荷物70をフレーム20の放射線源10と探測・採集装置30との間の走査領域を通すように搭載するとともに、フレーム20が被検査荷物70の直進方向を取り込むように回し、これにより、放射線源10からの放射線が被検査荷物70を透過し、被検査荷物70に対してCT走査を行うことができる。
【0034】
探測・採集装置30は、例えば全体モジュール構造を有する探測器・データ採集器であり、例えば平板探測器であり、検出される液体物品を透過する放射線を探測し、アナログ信号を取得し、アナログ信号をデジタル信号に変換し、これにより、被検査荷物70のX放射線に対する投影データを出力する。コントローラ50は、システム全体の各部分を同期して動作するように制御する。コンピュータデータプロセッサ60は、データ採集器により採集されたデータを処理し、データを処理して再構成し、結果を出力する。
【0035】
図1に示すように、放射線源10は、被検体が放置可能な側に置かれ、探測・採集装置30は被検査荷物70の他側に置かれ、探測器・データ採集器を含み、被検査荷物70の多角度の投影データを取得するためである。データ採集器は、データ拡大成形回路を含み、(電流)積分方式又はパルス(カウント)方式で動作することができる。探測・採集装置30のデータ出力ケーブルは、コントローラ50及びコンピュータデータプロセッサ60に接続され、トリガーコマンドに基づいて、採集されたデータをコンピュータデータプロセッサ60に記憶する。
【0036】
図2図1に示すようなコンピュータデータプロセッサ60の構造ブロック図を示す。図2に示すように、データ採集器が採集したデータは、インタフェース手段68及びバス64によってメモリ61に記憶される。リードオンリーメモリ(ROM)62にコンピュータデータプロセッサの配置情報及びプログラムが記憶される。ランダムアクセスメモリ(RAM)63は、プロセッサ66の動作過程に各種のデータを一時に記憶する。なお、メモリ61に、データ処理を行うためのコンピュータプログラムが更に記憶される。内部バス64は、上記したメモリ61、リードオンリーメモリ62、ランダムアクセスメモリ63、入力装置65、プロセッサ66、表示装置67及びインタフェース手段68を接続している。
【0037】
ユーザが例えばキーボード及びマウスなどの入力装置65によって操作コマンドを入力した後で、コンピュータプログラムの指令コードコマンドプロセッサ66は、所定のデータ処理アルゴリズムを実行し、データ処理の結果を取得した後で、それを例えばLCDディスプレイなどの表示装置67に表示し、あるいは、例えば印刷などのハードコピーの形式によって処理結果を出力する。
【0038】
図3は本発明の実施形態によるコントローラの構造ブロック図を示す。図3に示すように、コントローラ50は、コンピュータ60からの指令によって、放射線源10、搭載機構40、探測・採集装置30を制御する制御手段51と、制御手段の制御によって、放射線源10、探測・採集装置30、搭載機構40の動作をトリガーするためのトリガーコマンドを生成するトリガー信号生成手段52と、トリガー信号生成手段52が制御手段51の制御によって生成したトリガーコマンドに基づいて、搭載機構40を被検査荷物70を搬送するように駆動する第1の駆動機器53と、トリガー信号生成手段52が制御手段51の制御によって生成したトリガーコマンドに基づいて、フレーム20を回転するように駆動する第2の駆動機器54と、を含む。探測・採集装置30により取得された投影データがコンピュータ60に記憶され、CT断層画像の再構成を行って、被検査荷物70の断層画像データを取得する。そして、コンピュータ60は、例えばソフトウェアを実行することにより、断層画像データから被検査荷物70の少なくとも1つの視角でのDR画像を取得し、再構成された3次元画像と同時に表示し、これにより、画像判定員がセキュリティーチェックを便利に行うことができる。他の実施例によって、上記CTイメージングシステムは、ダブルエネルギーCTシステムであってもよく、すなわち、フレーム20の放射線源10は、高いエネルギー及び低いエネルギーという2つの放射線を放射することができ、探測・採集装置30が異なるエネルギーレベルの投影データを探測した後で、コンピュータデータプロセッサ60によってダブルエネルギーCTの再構成を行って、被検査荷物70の各断層の同価原子番号及び同価電子密度データを取得する。
【0039】
図4は本発明の一実施例によるCTシステムにおいて画像を表示する方法を説明するフローチャートである。図4に示すように、ステップS41において、CTシステムによって被検体70に対してCT走査を行い、CT投影データを取得する。ここのCT投影データは、物理密度又は電子密度データ、原子番号データ、高いエネルギーデータ、低いエネルギーデータ、階調データ、材料データであってもよいが、これらに限定されるものではない。この実施例において、探測器の列数は1列を例とする。探測器が複数列である場合、複数列を全体1列としてデータ処理を行う。
【0040】
ステップS42において、CT投影データを所定の間隔で整理する。例えば、CT投影データが1度を間隔として整理される。すなわち、1度あたりに、1回のデータ投影がある。いくつかの実施例において、サンプリング周波数が1度あたりにデータを1回投影することより高い場合に、サブサンプリング規則に従って、1度あたりにデータを1回投影することに調整する。サンプリング周波数が低すぎる場合に、線形補間に従って、1度あたりにデータを1回投影することに調整する。
【0041】
例えば、CT投影データであるサイノグラムを行列Aに整理して並ぶことができる。そのエレメントをA(m,n)にする。nは探測器のアレイ要素を示し、nは探測器アレイの1〜Nに変化し、Nは探測器アレイにおけるアレイ要素の個数である。mは角度を示し、mの変化は角度数の変化であり、すなわち、行列Aの第1行目は第1度の探測器アレイの1〜Nデータであり、第2行目は第2度の探測器アレイの1〜Nデータである。全ての角度は360を周期とし、図5のように周期的に配列される:1度〜360度、361度〜720度、721度〜1080度、1081度〜1440度…。
【0042】
ステップS43において、固定角度を最初角度とし、360度を間隔として、基本データを整理されたCT投影データから抽出する。例えば、CT投影データから、円周期360度を間隔として、固定の最初角度Sで、例えば、1度、361度、721度、1081度、1441度という若干の角度のデータを抽出する。仮に、固定の最初角度がSであれば、第i回目の抽出で対応する角度数Angleは以下の通りである:
Angle=S+i×360
ただし、i=0,1,2, … (1)
【0043】
抽出された基本データを行列Bに改めて組み合わせる。
【0044】
ステップS44において、図6に示すように、抽出された基本データに基づいてDR画像を形成する。例えば、組み合わせ直された行列Bを既存のDRデータ処理アルゴリズムに従って処理してDR画像を形成する。データが高いエネルギーデータ及び低いエネルギーデータである場合に、物質識別アルゴリズムによって階調データ及び材料データを取得する。
【0045】
ステップS45において、コンピュータデータプロセッサ60は、ソフトウェアを運行してCT投影データから被検体の3次元画像を再構成する。
【0046】
ステップS46において、DR画像と再構成された3次元画像とを同時にスクリーンに表示する。いくつかの状況において、DR画像をユーザが要求する解像度に補間して、ディスプレイに表示する。
【0047】
他の実施例において、行列Bのデータ量が不十分であり、データを増加する必要がある場合、以下の式に基づいて抽出を続ける。仮に、固定の最初角度がSであれば、第i回目の抽出で対応する角度数Angleは、以下の通りである:
Angle= S+i×360+180
ただし、i=0,1,2, … (2)
【0048】
抽出されたデータを行列B1に改めて組み合わせる。
【0049】
そして、行列B1に対して左右鏡像処理を行い、すなわち、左右に対称するエレメントを互いに交換する。式は以下の通りである:
B1(m,1)<==>B1(m,N)
B1(m,2)<==>B1(m,N−1) (3)
……
【0050】
次に、行を単位として、得られた行列B1を行列Bに間隔挿入し、行列Bと組み合わせて、行列Cを形成する。データの次元サイズはM×Nである。組み合わせの式は以下の通りである:
【数5】
(4)
【0051】
最後に、行列Cを既存のDRデータ処理アルゴリズムに従って処理してDR画像を形成する。データが高いエネルギーデータ及び低いエネルギーデータである場合に、物質識別アルゴリズムによって階調データ及び材料データを取得する。
【0052】
上記実施例において、固定の最初角度SはDR画像の視角方向を決定した。例えば、S=1である場合に、頂視角を得ることができる;S=180である場合に、底視角を得ることができる;S=90である場合に、左側視角を得ることができる;S=270である場合に、右側視角を得ることができる。
【0053】
以上の実施例において、1つの視角でのDR画像を取得する。必要であれば、上記角度Sと異なる別の固定角度を最初角度として当該角度のDRデータを形成することができ、対応するDR画像を取得した後で上記DR画像と再構成された3次元画像とを同時にスクリーンに表示し、画像判定員がセキュリティーチェックを行う。
【0054】
また、いくつかの実施例において、CTシステムの探測器が一列又は複数列であってもよく、そして、CTデータによっていずれか1つの視角(頂視角、底視角、側視角を含む)の画像を取得してもよい。あるいは、CTデータによっていずれか2つの、すなわち、ダブル視角の画像を取得してもよい。そして、CTデータによっていずれか複数の、すなわち、複数視角の画像を取得してもよい。
【0055】
図7は本発明の別の実施例によるCTシステムにおいて画像を表示する方法を説明するフローチャートである。図7に示すように、ステップS71において、CTシステムによって被検体に対してCT走査を行い、CT投影データを取得し、そして、ステップS72において、コンピュータ60によってCT投影データから被検体の3次元画像を再構成する。ここの再構成された3次元データは、物理密度又は電子密度データ、原子番号データ、高いエネルギーデータ、低いエネルギーデータ、階調データ、材料データであることができるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
ステップS73において、被検体の3次元画像データH(x,y,z)を一視角で投影し、当該視角でのDRデータを取得し、その中、3次元画像データH(x,y,z)の各次元のサイズはX×Y×Zであり、次元xは1からXまで変化し、この変化は水平面内におけるベルト運動に垂直する方向であり、次元yは1からYまで変化し、この変化は垂直方向の上向き方向であり、次元zは1からZまで変化し、この変化は水平面内におけるベルト運動に沿う方向である;
【0057】
例えば、必要な視角で投影すると、具体的には3つの状況に分かられる:
(1)3次元データH(x,y,z)を次元xの方向に沿って投影し、2次元データI(y,z)を取得し、投影式は以下の通りである:
【数6】
(5)
当該2次元データは側視角のDRデータである。データの次元サイズはY×Zである。
【0058】
(2)3次元データH(x,y,z)を次元yの方向に沿って投影し、2次元データJ(x,z)を取得し、投影式は以下の通りである:
【数7】
(6)
当該2次元データは底視角または頂視角のDRデータである。データの次元サイズはX×Zである。
【0059】
(3)3次元データH(x,y,z)を次元zであるベルト運動の方向に沿って投影し、2次元データK(x,y)を取得し、投影式は以下の通りである:
【数8】
(7)
この2次元データは前視角のDRデータである。データの次元サイズはX×Yである。
【0060】
ステップS74において、この視角でのDRデータに基づいてDR画像を形成する。例えば、DRデータを取得した後で、既存のDRデータ処理アルゴリズムによって処理してDR画像を形成する。データが高いエネルギーデータ及び低いエネルギーデータである場合、物質識別アルゴリズムによって、階調データ及び材料データを取得する。
【0061】
ステップS75において、DR画像と3次元画像とを同時にスクリーンに表示する。例えば、DR画像をユーザが要求する解像度に補間して、ディスプレイに表示する。
【0062】
上記にCTシステムにDR機器を備えない状況が記述されるが、DR機器を備えるいくつかのCTシステムにおいて、DR画像とスライス画像とを位置合わせる必要がある。例えば、DRシステムを備えるCT機器には、ユーザがDR画像のある所をクリックした後で、3次元データからスライスの正確な位置が荷物のヘッド、中部又はテールに位置するかを取得して、当該スライスを表示することが要求される。3次元データに若干のスライスがあり、3次元データから正確な位置を取得してスライスを表示するために、ハードウェア装置のベルト番号に基づいて荷物のヘッド、中部又はテールであるかを分かることができる。しかしながら、ベルト番号が搬送過程において紛失し又はなくなり、あるいは、マッチングできない場合に、当該方法によって正確に位置合わせることができない。
【0063】
上記課題に対して、本発明の実施例は、DR機器により得られたDR画像の一列と再構成された3次元画像から抽出されたDRデータの各列に対して関連性算出を行い、関連性が最大である列に対応するスライス画像とDR画像とを同時にスクリーンに表示することを提供する。ここのDRデータは、物理密度又は電子密度データ、原子番号データ、高いエネルギーデータ、低いエネルギーデータ、階調データ、材料データなどであることができるが、これらに限定されるものではない。
【0064】
図8は本発明のまた一実施例によるCTシステムにおいてDR画像とCT画像を位置合わせる方法を説明するフローチャートである。
【0065】
ステップS81において、CT機器によって被検体を走査してCT投影データを取得する。ステップS82において、コンピュータ60がソフトウェアを実行することによってCT投影データから被検体の3次元画像を再構成する。
【0066】
ステップS83において、DR機器によって被検体を走査してDR画像を取得し、そして、ステップS84において、DR機器により得られたDR画像と再構成された3次元画像をスクリーンに表示し、画像判定員が便利にセキュリティーチェックを行う。
【0067】
画像判定員は、より正確な検査を行うため、DR画像のある列に対応するスライス画像を見たい場合には、例えばマウスなどの入力装置65を操作して、DR画像のその列をクリックする。ステップS85において、ユーザのDR画像中における特定の位置に対する選択に応答して、DR画像のデータから対応する列を抽出する。次に、ステップS86において、コンピュータ60は、3次元画像から、DR画像と同じ視角での補助DRデータを取得する。
【0068】
例えば、DRシステムはDRデータを生成し、ユーザは、当該DRデータにおいて、ある位置をマウスで指定する。この位置が位置するDRデータを探測器アレイ要素の方向に沿って広げて、Array0(n)として記述し、ただし、nは1からNまで変化する。Nは探測器アレイのアレイ要素の個数である。当該データは、実際に配列であり、全ての探測器アレイ要素のデータが記憶されている。
【0069】
図7に示すような方法によって、CTデータからDRデータを取得し、行列Jとして記述し、そのエレメントはJ(x,z)である。行列Jを入り替えてJ1を取得し、そのエレメントはJ1(z,x)であり、J1を要求された次元サイズM×Nに従って補間して行列Cを取得し、データの次元サイズはM×Nである。
【0070】
いくつかの実施例において、3次元画像から前記DR画像と同じ視角での補助DRデータを取得するステップは以下のことを含む:被検体の3次元画像データH(x,y,z)を次元y方向に沿って投影し、この視角でのDRデータを取得し、その中、3次元画像データH(x,y,z)の各次元のサイズはX×Y×Zであり、次元xは1からXまで変化し、この変化は水平面内におけるベルト運動に垂直する方向であり、次元yは1からYまで変化し、この変化は垂直方向の上向き方向であり、次元zは1からZまで変化し、この変化は水平面内におけるベルト運動に沿う方向である。例えば、3次元データH(x,y,z)を次元yの方向に沿って投影し、上記式(6)を参照して2次元データJ(x,z)を取得する。
【0071】
そして、ステップS87において、コンピュータ60は前記DR画像の前記列と補助DRデータの各列との関連性を算出し、ステップS88において、補助DRデータの、前記DR画像の前記列との関連性が最大である列に対応するスライス画像と前記DR画像とを同時にスクリーンに表示する。
【0072】
例えば、行列Cのある行を抽出し、例えばm=1である場合、nは1からNまで変化し、配列Array1(n)に記入する。下記の式に基づいて誤差Eを算出する。
【数9】
(8)
【0073】
行列Cの全ての行が走査されるまでに、上記ステップを繰返し、次の行を抽出し、例えばm=2である場合に、nは1からNまで変化し、配列Array1(n)に記入する。最後に、全てのEから逐一に探して最小値に対応するmを見つけて、この位置をマッチングする。3次元データH(x,y,z)のスライスデータH(x,y,z=m)を抽出して、DR画像と同時にディスプレイに表示する。
【0074】
上記には、3次元画像を再構成した後で補助DRデータを取得して位置合わせる実施例が記述されている。類似的には、3次元画像を再構成する前に、補助DRデータを取得し、画像の位置合わせに用いてもよい。図9は、本発明のまた別の実施例によるCTシステムにおいてDR画像とCT画像を位置合わせる方法を説明するフローチャートである。
【0075】
図9に示すようなDR−CTシステムにおいて画像の位置合わせを行う方法では、DR−CTイメージングシステムは、DR機器およびCT機器を含む。ステップS91において、CT機器によって被検体を走査してCT投影データを取得し、ステップS92において、DR機器によって被検体を走査してDR画像を取得する。そして、ステップS93において、前記DR画像をスクリーンに表示する。
【0076】
画像判定員は、より正確な検査を行うため、DR画像のある列に対応するスライス画像を見たい場合には、例えばマウスなどの入力装置65を操作して、DR画像のある列をクリックする。ステップS94において、ユーザのDR画像中における特定の位置に対する選択に応答して、DR画像のデータから対応する列を抽出する。
【0077】
ステップS95において、前記CT投影データから前記DR画像と同じ視角での補助DRデータを取得する。
【0078】
ステップS96において、前記DR画像の前記列と補助DRデータの各列との関連性を算出する。
【0079】
ステップS97において、前記CT投影データから被検体の3次元画像を再構成する。
【0080】
ステップS98において、補助DRデータの、前記DR画像の前記列との関連性が最大である列に対応するスライス画像と前記DR画像とを同時にスクリーンに表示する。
【0081】
いくつかの実施例において、CT投影データから前記DR画像と同じ視角での補助DRデータを取得するステップは以下のことを含む:CT投影データを所定の間隔で整理する;ある固定角度を最初角度として360度を間隔として、整理されたCT投影データから前記補助データを抽出して取得する。
【0082】
他の実施例において、上記方法は以下のステップを更に含んでいる:この固定角度に180度を加えて最初角度とし、360度を間隔とし、整理されたCT投影データから補充データを抽出する。抽出された補充データを行列に記憶する;前記行列に対して左右鏡像処理を行う;行を単位として、鏡像処理された行列中の補充データを前記補助DRデータに間隔挿入して、補充された補助DRデータを取得する。
【0083】
以上、詳細の記載は、模式図、フローチャット及び/または例を使用することによって、画像表示方法及び画像を位置合わせる方法に係る数多くの実施例を説明した。このような模式図、フローチャット及び/または例が、機能及び/または操作が一つまたは複数含まれた場合には、当業者は、このような模式図、フローチャットまたは例における各機能及び/または操作が、各種の構造、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたは実質上のこれらの任意の組み合わせで、個別及び/または共同で実現できると理解すべきである。一つの実施例において、本発明の実施例の前記主題のいつかの部品は、専用集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、またはその他の集積フォーマットで実現できる。しかしながら、当業者は、ここで公開した実施例の一部が、全体または部分的に集積回路で同じく実現することができる。例えば、一台または複数台のコンピュータ上で運行する一つまたは複数のコンピュータプログラム(例えば、一台または複数台のコンピュータシステム上で運行する一つまたは複数のプログラム)によって実現させても良いし、一つまたは複数のプロセッサ上で運行する一つまたは複数のプログラム(例えば、一つまたは複数のマイクロプロセッサ上で運行する一つまたは複数のプログラム)によって実現させても良いし、ファームウェアまたは実質上に上記形態の任意組み合わせによって実現させても良いと理解すべきである。また、当業者は、本開示を元に、回路の設計及び/またはソフトウェアの書き込み及び/またはファームウェアのコーディングの能力を備える。また、当業者には理解されるように、本開示の前記主題のメカニズムは、複数の形態のプログラム製品として配分できると共に、実際に配分の信号載置媒体の具体的な類型が何かであろうか、本開示の前記主題の実施例は何れも適用できる。信号載置媒体の例示は、例えば、ソフトディスク、ハートディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタル汎用ディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリ等の記録可能な記録型媒体、及び例えば、デジタル及び/またはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバ、導波管、有線通信リング、無線通信リングなど)の搬送型媒体を含むが、それらに限らない。
【0084】
以上、本発明の典型的な実施例に基づいて本発明を説明したが、当業者は、使用された用語が、説明するための例であって、本発明を限定する用語ではないと理解すべきである。また、本発明は、精神及び主旨を逸脱しない限りに、種々の形態で具体的に実施できるので、上記の実施例は、前述の詳細に限らず、特許請求の範囲によって限定されるものとして、広く解釈できると理解すべきである。特許請求の範囲または等価の範囲内での全ての変化や改良は、特許請求の範囲内に含まれていることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9