(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
パーキンソン病に見舞われた被験体のoff発作の軽減に使用するための、単位投与剤形の医薬組成物であって、該単位投与剤形が、舌下投与のために製剤化されており、アポモルフィンの酸付加塩を含む第一部分およびpH中和剤を含む第二部分を有するフィルム剤またはストリップ剤であり、モノステアリン酸グリセロールおよび多糖を含む、前記医薬組成物。
抗酸化剤が、チオール、スルホキシミン、金属キレート剤、メタ重亜硫酸ナトリウム、ビタミン、フェノール類、ベンゾエート、尿酸、マンノース、没食子酸プロピル、セレニウム、スチルベン類、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載の医薬組成物。
単位投与剤形が、グリセロール、プロピレングリコール、脂肪酸エステル、ソルビタンエステル、クエン酸エステル、PEG 400、ポリビニルメチルエーテル、トリアセチン、マンニトール、キシリトール、およびソルビトールからなる群から選択される可塑剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病(PD)は、中枢神経系の進行性変性疾患である。パーキンソン病の発症リスクは加齢と共に増大し、罹患個体は、通常は40歳を超える成人である。パーキンソン病は世界のすべての地域で生じ、米国だけで150万人超の個体が罹患している。
【0003】
パーキンソン病の主因は明らかになっていないが、この病気は、黒質のドーパミン作動性ニューロンの変性を特徴とする。黒質は、脳下部、または脳幹下部の一部分であり、随意運動の制御を助ける。これらのニューロンの欠損により引き起こされる脳でのドーパミンの欠乏が、目に見える疾患症状を生じさせると考えられている。
【0004】
PDの症状は、患者毎に異なる。最も一般的な症状は、動作の欠如および硬直であり、随意性骨格筋の硬直の増大を特徴とする。さらなる症状としては、休止時振戦、動作緩慢(動作の遅延)、バランスの悪さ、および歩行障害が挙げられる。一般的な二次的症状としては、抑うつ、睡眠障害、めまい、前屈姿勢、認知症、発話障害、呼吸障害、および嚥下障害が挙げられる。症状は時間と共に徐々に悪化し、最終的には死に至る。
【0005】
PDに対する様々な治療が利用可能である。おそらく最もよく知られているのは、ドーパミン前駆体であるレボドパである。レボドパ投与は症状の劇的な改善をもたらすことができるが、患者は、吐き気および嘔吐をはじめとする重篤な副作用に見舞われる場合がある。レボドパとのカルビドパの併用投与は、腸、肝臓および他の組織でのレボドパ代謝を阻害し、それによってより多くのレボドパが脳に到達するのを可能にするカルビドパの追加による、顕著な改善である。ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、およびアンドロピニロールなどの他のドーパミンアゴニストも、パーキンソン病を治療するために用いられ、単独で、またはレボドパとの併用でPD患者に投与することができる。
【0006】
多くの患者は、不随意的な舞踏病性運動を発症し、これは、ドーパミン受容体の過剰な活性化の結果である。これらの運動は、通常は、顔および四肢を侵し、非常に重篤になる場合がある。ドーパミン前駆体(例えば、レボドパ)またはドーパミンアゴニストの用量を減らした場合、そのような運動は消失するが、これは典型的には硬直を元に戻らせる。さらに、有益な作用と望ましくない作用との間の余地は、化学療法の期間が長くなるにつれて徐々に狭くなる。
【0007】
ドーパミンアゴニストを用いた長期化学療法のさらなる合併症は、病状の急速な変動の発生であり、患者は、数分から数時間の周期で、可動性と不動性との間で突然切り替わる。この変動には、数種類の一般型がある。「wearing-off」現象は、次の用量が効果を生じる前の、レボドパの用量によりもたらされる症状の軽減の低下である(Van Laar T., CNS Drugs, 17:475 (2003))。これは患者の投与スケジュールに関連しているので、そのような期間は、多くの場合、比較的予測しやすい(Dewey RB Jr., Neurology, 62(suppl 4):S3-S7 (2004))。対照的に、「on-off」現象は、数分からさらには数秒で生じる、レボドパの効果の「on」期から、無動、硬直、および振戦の「off」期への突然の移行であり(Swope DM., Neurology, 62(suppl 4):S27-S31 (2004))、これは、患者の投与スケジュールとの間に認識できる関連性がない。2種類の他の現象は、遅延型「on」効果(レボドパの作用が著明に遅延する)、および投与失敗(「on」効果なしまたは用量効果スキップとしても知られる)(効果がまったく生じない)である。これらの様々な「off」状態は、突然の可動性欠如をもたらす場合があり、それにより、患者は、歩行中に突然停止するか、または少し前に正常に座った椅子から立ち上がることができなくなることがある。
【0008】
アポモルフィンの皮下注入は、パーキンソン病の「on-off」変動の治療に5〜15分以内に有効となり、45〜90分間続くことが証明されている。治験により、「off」期無動症の安定した逆転、レボドパの1日必要量の減少、およびその結果としての「on」期運動障害の量の低下が示されている。他のドーパミンアゴニストと比較した利点としては、迅速な作用開始および比較的低い心理学的合併症の発生率が挙げられる。「on-off」変動を有する患者での「救済療法」のために、アポモルフィンはまた、比較的短い半減期を有するという、他のドーパミンアゴニストに対する利点も有する。
【0009】
アポモルフィンについての多数の製剤および投与経路が研究されてきており、アポモルフィン療法は様々な合併症によって妨げられることが見出されている。例えば、アポモルフィン錠剤の経口投与は、必要な治療効果を達成するために高用量を必要とし、これは、この経路で投与されたアポモルフィンが、小腸および/または、吸収に際して、肝臓で、多大な代謝を受けるためである;アポモルフィン錠剤の舌下投与は、長期使用により重篤な胃炎を引き起こし、治療対象の患者の半数で頬粘膜潰瘍を伴った(Deffond et al., J. Neurol. Neurosurg. Psychiatry 56:101 (1993)を参照されたい);鼻内投与は、一時的な鼻閉塞、灼熱感ならびに鼻および口唇の腫脹をもたらした(Koller et al., Neurology 62:S22 (2004)を参照されたい)。アポモルフィンの皮下注入は有効であることが示されているが、運動機能の障害のために、針による注入はパーキンソン病患者には困難である。さらに、皮下注入の一般的な副作用は結節の形成であり、これは多くの場合に感染し、抗生物質治療または外科的創面切除を必要とする(Prietz et al., J. Neurol. Neurosurg. Psychiatry 65:709 (1998)を参照されたい)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
パーキンソン病患者に使用するための、安全で、有効、かつ簡便な、アポモルフィンおよびアポモルフィンプロドラッグの新規製剤に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、アポモルフィンおよびアポモルフィンプロドラッグの舌下用製剤を特徴とする。該製剤は、パーキンソン病、性機能障害、およびそれに伴う抑うつ障害の治療のために有用であり得る。
【0012】
最初の態様では、本発明は、舌下投与のために製剤化された単位投与剤形(例えば、ロゼンジ錠、丸剤、錠剤、フィルム剤、またはストリップ剤)の医薬組成物を特徴とし、該単位投与剤形は、アポモルフィンの酸付加塩またはアポモルフィンプロドラッグを含有する第一部分、およびpH中和剤(例えば、ポリアミン、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸鉄、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、およびそれらの混合物、またはいずれかの他の好適な塩基)を含有する第二部分を有する。
【0013】
一部の実施形態では、単位投与剤形は、フィルム剤またはストリップ剤であり、粘膜接着性ポリマーを含有する。粘膜接着性ポリマーは、限定するものではないが、本明細書中に記載されたいずれかの粘膜接着性ポリマーであり得る。
【0014】
特定の一実施形態では、アポモルフィンの酸付加塩またはアポモルフィンプロドラッグは、塩酸アポモルフィンである。別の特定の実施形態では、アポモルフィンの酸付加塩またはアポモルフィンプロドラッグは、アニオン性高分子電解質に複合体化したプロトン化アポモルフィンまたはアニオン性高分子電解質(例えば、アルギネート、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリレート、またはカルボキシメチルセルロース)に複合体化したプロトン化アポモルフィンプロドラッグである。
【0015】
また別の実施形態では、医薬組成物は、フィルム剤またはストリップ剤であり、第一部分が第一層であり、第二部分が第二層であり、第一層は酸性でありかつアポモルフィンの酸付加塩またはアポモルフィンプロドラッグを含有し、第二層はpH中和剤を含有する。
【0016】
一部の実施形態では、舌下用製剤は、抗酸化剤を含有する。抗酸化剤は、限定するものではないが、本明細書中に記載されたいずれかの抗酸化剤であり得る。
【0017】
特定の実施形態では、舌下用製剤は、アポモルフィンの酸付加塩もしくはアポモルフィンプロドラッグの固溶体を含有するフィルムである第一部分を含み、かつ単位投与剤形の上またはその中の粒子状基剤である第二部分を含む。粒子状基剤としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0018】
また別の実施形態では、単位投与剤形の第一部分は、障壁(例えば、多層フィルムで酸性層と塩基性層とを分離するフィルム、または単位投与剤形に含有される粒子状基剤またはアポモルフィン粒子へのコーティング)によって単位投与剤形の第二部分とは分離している。障壁は、pHが中性(例えば、6〜7.8)であり得、単位投与剤形の酸性第一部分と塩基性第二部分とを分離している。
【0019】
関連する態様では、本発明は、20nm〜10μmの有効粒径を有するアポモルフィン粒子を含む、舌下投与用に製剤化された医薬組成物を特徴とし、アポモルフィン粒子は、アポモルフィン、アポモルフィンプロドラッグ、またはそれらの塩を含有する。
【0020】
一部の実施形態では、医薬組成物は、ロゼンジ錠、丸剤、錠剤、フィルム剤、またはストリップ剤から選択される単位投与剤形である。他の実施形態では、医薬組成物は、舌下用ゲル剤である。
【0021】
舌下用製剤は、1μm〜10μmの有効粒径(例えば、1μm〜9μm、1μm〜8μm、1μm〜7μm、1μm〜6μm、1μm〜5μm、2μm〜10μm、3μm〜10μm、4μm〜10μm、2μm〜7μm、または2μm〜6μmの有効粒径)を有するアポモルフィン粒子を含有することができる。
【0022】
一部の他の実施形態では、舌下用製剤は、20nm〜1μmの有効粒径(例えば、20nm〜1μm、40nm〜1μm、60nm〜1μm、80nm〜1μm、100nm〜1μm、20nm〜800nm、20nm〜700nm、50nm〜700nm、40nm〜800nm、60nm〜800nm、100nm〜800nm、60nm〜700nm、60nm〜600nm、100nm〜600nm、150nm〜800nm、または150nm〜600nmの有効粒径)を有するアポモルフィン粒子を含有することができる。
【0023】
また他の実施形態では、舌下用製剤は、粘膜接着性ポリマーを含有する。粘膜接着性ポリマーは、限定するものではないが、本明細書中に記載されたいずれかの粘膜接着性ポリマーであり得る。
【0024】
一部の実施形態では、舌下用製剤は、アポモルフィン粒子を含有し、アポモルフィン粒子は、アポモルフィンの酸付加塩またはアポモルフィンプロドラッグを含有する。酸付加塩は、塩酸アポモルフィンまたは本明細書中に記載されたいずれかの酸付加塩であり得る。あるいは、酸付加塩は、アポモルフィンプロドラッグの塩酸塩または本明細書中に記載されたいずれかの他の酸付加塩であり得る。
【0025】
特定の実施形態では、単位投与剤形の舌下用製剤は、粘膜接着性ポリマーを含有するフィルム剤またはストリップ剤である。粘膜接着性ポリマーは、限定するものではないが、本明細書中に記載されたいずれかの粘膜接着性ポリマーであり得る。例えば、フィルム剤またはストリップ剤は、第一層および第二層を含むことができ、第一層は酸性でありかつアポモルフィン粒子を含有し、第二層はpH中和剤(例えば、ポリアミン、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸鉄、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、およびそれらの混合物、またはいずれかの他の好適な塩基)を含有する。
【0026】
一部の実施形態では、舌下用製剤は、抗酸化剤を含有する。抗酸化剤は、限定するものではないが、本明細書中に記載されたいずれかの抗酸化剤であり得る。
【0027】
別の態様では、本発明は、アニオン性高分子電解質(例えば、アルギネート、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリレート、またはカルボキシメチルセルロース)に複合体化した、プロトン化アポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグを含有する、舌下投与のために製剤化された医薬組成物を特徴とする。一部の実施形態では、舌下用製剤は抗酸化剤を含有する。抗酸化剤は、限定するものでがないが、本明細書中に記載されたいずれかの抗酸化剤であり得る。
【0028】
特定の実施形態では、医薬組成物は、ロゼンジ錠、丸剤、錠剤、フィルム剤、またはストリップ剤から選択される単位投与剤形である。また他の実施形態では、医薬組成物は舌下用ゲル剤である。
【0029】
別の態様では、本発明は、舌下投与のために製剤化された単位投与剤形の医薬組成物を特徴とし、該単位投与剤形は、2〜50mgのアポモルフィンプロドラッグ(例えば、2〜15mg、10〜50mg、12〜30mg、20〜50mg、15〜30mg、または35〜50mgのアポモルフィンプロドラッグ)を含有する。特定の実施形態では、単位投与剤形は、その遊離塩基形態のアポモルフィンプロドラッグを含有するロゼンジ錠、丸剤、錠剤、フィルム剤、またはストリップ剤である。また他の実施形態では、単位投与剤形は、その遊離塩基形態のアポモルフィンプロドラッグの固溶体を含有するロゼンジ錠、丸剤、錠剤、フィルム剤、またはストリップ剤である。
【0030】
上記の医薬組成物のうちいずれかの実施形態では、医薬組成物は、2〜40mgのアポモルフィン、アポモルフィンプロドラッグ、またはそれらの酸付加塩(例えば、2〜5mg、4〜10mg、6〜15mg、8〜20mg、10〜25mg、12〜30mg、20〜35mg、25〜40mg、もしくは30〜40mgのアポモルフィン、アポモルフィンプロドラッグ、またはそれらの酸付加塩)を含有する単位投与剤形である。例えば、各単位投与剤形は、3±1mg、4±1mg、5±1mg、8±2mg、10±3mg、12±3mg、15±3mg、22±4mg、27±4mg、30±5mg、35±5mg、もしくは40±5mgのアポモルフィン、アポモルフィンプロドラッグ、またはそれらの酸付加塩を含有することができる。
【0031】
上記の医薬組成物のうちいずれかの別の実施形態では、単位投与剤形は、pH7の非緩衝水1mL中に入れた場合に、pH7.4〜9.1(例えば、pH7.4〜8.8、7.4〜8.3、7.6〜8.8、7.6〜8.5、8.2〜8.5、8.4〜8.7、8.6〜8.8、または8.7〜9.1)を有する溶液をもたらす。
【0032】
上記の医薬組成物のいずれかのまた別の実施形態では、被験体への舌下投与に続いて、単位投与剤形は、投与後5〜15分間以内に少なくとも3ng/mLの平均循環濃度をもたらす。例えば、単位投与剤形は、投与後7〜10分以内に3〜6ng/mL、5〜10分以内に5〜10ng/mL、5〜10分以内に7〜12ng/mL、5〜10分以内に10〜16ng/mL、7〜15分以内に3〜6ng/mL、7〜15分以内に5〜10ng/mL、7〜15分以内に7〜12ng/mL、7〜15分以内に10〜16ng/mL、15〜20分以内に3〜6ng/mL、15〜20分以内に5〜10ng/mL、15〜20分以内に7〜12ng/mL、または15〜20分以内に10〜16ng/mLの平均循環濃度をもたらすことができる。
【0033】
本発明はさらに、哺乳動物を治療するのに有効な量で、該哺乳動物に本発明の医薬組成物を舌下投与することによる、該哺乳動物でのパーキンソン病を治療する方法を特徴とする。
【0034】
本発明はまた、運動障害を軽減するのに有効な量で、哺乳動物に本発明の医薬組成物を舌下投与することによる、パーキンソン病に罹患した哺乳動物での運動障害を軽減するための方法も特徴とする。
【0035】
本発明はまた、無動症を軽減するのに有効な量で、哺乳動物に本発明の医薬組成物を舌下投与することによる、パーキンソン病に罹患した哺乳動物での無動症を軽減するための方法も特徴とする。
【0036】
本発明は、哺乳動物を治療するのに有効な量で、該哺乳動物に本発明の医薬組成物を舌下投与することによる、該哺乳動物での性機能障害を治療する方法を特徴とする。
【0037】
本発明はまた、哺乳動物を治療するのに有効な量で、該哺乳動物に本発明の医薬組成物を舌下投与することによる、該哺乳動物での抑うつ障害を治療する方法も特徴とする。
【0038】
上記の方法のうちいずれかの一実施形態では、該方法はさらに、有効量の制吐剤(例えば、ニコチン、硫酸ロベリン、ピパマジン、塩酸オキシペンジル、オンダンセトロン、塩酸ブクリジン、塩酸シクリジン、ジメンヒドリナート、スコポラミン、メトピマジン、塩酸ベンザウイナミン(benzauinamine hydrochloride)、または塩酸ジフェニドール)の投与を含む。
【0039】
上記の方法および組成物のうちいずれかの実施形態では、アポモルフィン、アポモルフィンプロドラッグ、またはそれらの塩は、RおよびS異性体のラセミ混合物であるか、またはR異性体に富化されている(すなわち、組成物中のアポモルフィンのすべて、または投与されるアポモルフィンのすべてでのR:S異性体の比が、5:1〜1,000:1、10:1〜10,000:1、もしくは100:1〜100,000:1であるか、または組成物中の全アポモルフィン異性体の少なくとも98%がR異性体、少なくとも99%がR異性体、少なくとも99.5%がR異性体、少なくとも99.9%がR異性体であるか、あるいは観察可能な量のS異性体を含まない)。
【0040】
「投与」または「投与する」との用語は、患者に対して、アポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグの舌下投与を行なう方法を意味する。
【0041】
本明細書中で用いる場合、「アポモルフィン粒子」との用語は、アポモルフィン、アポモルフィンプロドラッグ、もしくはそれらの塩を含有するミクロ粒子またはナノ粒子を意味する。
【0042】
本明細書中で用いる場合、「平均循環濃度」との用語は、本発明の特定の単位投与剤形の舌下投与後に、被験体の群について観察される、時間tでのアポモルフィンの平均血漿濃度を意味する。例えば、20名の被験体のうち、単位投与剤形の舌下投与10分後のアポモルフィンの平均循環濃度は、単位投与剤形中のアポモルフィンの量に依存して、少なくとも3ng/mL、5ng/mL、7ng/mL、9ng/mL、11ng/mL、13ng/mL、または15ng/mLであり得る。
【0043】
「抑うつ障害」とは、抑うつ気分の症状を伴ういずれかの心理学的または精神医学的障害を意味する。治療可能な抑うつ障害は、側坐核でのドーパミン作動性機能の抑制または低下を特徴とする場合があり、例えば、大うつ、気分障害、双極性障害(躁うつ病)、および心的外傷後ストレス障害であり得る。
【0044】
本明細書中で用いる場合、「有効粒径」および「粒径」との用語は、交換可能に用いられ、粒子の50%が所定の測定値以下(below)であり、粒子の50%がそれを超える(above)分布を有する粒子の混合物を意味する。「有効粒径」とは、レーザー/光散乱法により測定した容積加重直径中央値または等価物を意味し、粒子の50容積%が、より小さな直径を有し、50容積%がより大きな直径を有する。有効粒径は、当業者には周知の慣用の粒径測定技術により測定することができる。そのような技術としては、例えば、沈降場流動分画法、光子相関分光法、光散乱(例えば、Microtrac UPA 150を用いる)、レーザー回折、およびディスク遠心法が挙げられる。
【0045】
本明細書中で用いる場合、「アポモルフィンプロドラッグ」との用語は、式(I):
【化1】
【0046】
のアポモルフィンエステルおよびグリコシドならびにその酸付加塩を意味する。式(I)では、R
1およびR
2はそれぞれ独立に、H、C(O)-R
3、C(O)-O-R
3、または単糖もしくはオリゴ糖のグリコシドであるか;あるいはR
1およびR
2は、それらが結合する酸素原子と一緒になって、環状アセタール、環状ケタール、環状炭酸(すなわち、-C(O)-O-C(O)-)、またはオルトエステルグリコシドを形成し;R
3は、1〜12個の炭素原子の環状、直鎖または分岐鎖炭化水素であり、任意により飽和しているか(すなわち、C
1〜12アルキル)、1箇所以上の炭素-炭素二重結合を含むか(すなわち、C
2〜12アルケニル)、かつ/または1箇所以上の炭素-炭素三重結合を含む(すなわち、C
2〜12アルキニル)。例えば、アポモルフィングリコシドは、1〜20個のグリコシド単位を含む直鎖または分岐鎖グリコシド部分のグリコシドであり得る。アポモルフィングリコシドおよびオルトエステルグリコシドは、PCT公開第WO/2003/080074号に記載されているように合成することができる。アポモルフィンエステル、環状アセタール、および環状ケタールは、米国特許第4,687,773号、Borgman et al., J. Med. Chem., 19:717 (1976)、ならびにPCT公開第WO/2005/099702号に記載されているものと同様の方法を用いて合成することができる。上記の特許公報は、参照により本明細書中に組み入れられる。アポモルフィンの炭酸エステルは、Atkinson et al., J. Pharma. Sci. 65:1685 (1976)、およびCampbell et al., Neuropharmacology 21:953 (1982)に記載されているように調製することができる。本発明の単位投与剤形で用いることができるアポモルフィンプロドラッグとしては、限定するものではないが、O,O’-ジアセチルアポモルフィン、O,O’-ジプロピオニルアポモルフィン、O,O’-ジイソブチリルアポモルフィン、O,O’-ジピバロイルアポモルフィン、O,O’-ジベンゾイルアポモルフィン、炭酸アポモルフィン、ジエチル炭酸アポモルフィン、アポモルフィンメチレンアセタール、アポモルフィンエチルアセタール、アポモルフィンジメチルアセタール、およびそれらの酸付加塩が挙げられる。
【0047】
本明細書中で用いる場合、「pH中和剤」とは、本発明の単位投与剤形中に存在するいずれかの塩基性成分を意味する。本発明の単位投与剤形で用いることができるpH中和剤としては、有機塩基(例えば、アミン)、無機塩基(例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩、またはリン酸塩)、およびそれらの混合物が挙げられる。pH中和剤は、典型的には、単位投与剤形をpH7の非緩衝水1mL中に入れた場合に、pH7.4〜9.1を有する溶液をもたらすのに十分な量で存在する。
【0048】
本明細書中で用いる場合、「性機能障害」とは、オルガズム、応答タイミング、射精、痛覚、鬱血性興奮および勃起の障害、血管性障害、または性的欲望の障害を意味する。男性では、性機能障害の形式は、典型的には、勃起不全、つまり性交に十分な勃起を達成・維持できないことである。女性も性的興奮およびオルガズムの性機能障害を有する場合があり、これは加齢と共に増加し、血管リスク因子の存在および更年期の開始に関連する。男性での陰茎勃起に寄与する血管・筋肉メカニズムの一部は、女性の生殖器応答における同様の血管性因子と関連すると考えられている。女性の性機能障害としては、性行為の完了までの性的興奮の膣潤滑-腫脹応答の到達または維持の不全が挙げられる。
【0049】
本明細書中で用いる場合、「治療する」との用語は、予防的および/または治療的目的のために、医薬組成物を投与することを意味する。「疾患を予防する」とは、特定の疾患に、まだ罹っていないが、罹りやすいか、またはそのリスクがある患者の予防的治療を意味する。「疾患を治療する」または「治療的処置」のための使用とは、疾患を軽減し、かつ患者の状態を改善するために、既に該疾患に罹患している患者に治療を施すことを意味する。つまり、特許請求の範囲および実施形態では、治療は、治療的または予防的目的のいずれかのための、哺乳動物への投与である。
【0050】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明は、アポモルフィンおよびアポモルフィンプロドラッグの舌下用製剤を特徴とする。該製剤は、パーキンソン病、性機能障害、およびそれに伴う抑うつ障害の治療のために有用であり得る。一部の態様では、本発明は、(i)アポモルフィンの酸付加塩もしくはアポモルフィンプロドラッグを含有する第一部分、およびpH中和剤を含有する第二部分を有する単位投与剤形の舌下用製剤;(ii)20nm〜10μmの有効粒径を有するアポモルフィン粒子を含有する舌下用製剤;および/または(iii)アニオン性高分子電解質に複合体化した、プロトン化アポモルフィンもしくはアポモルフィンプロドラッグを含有する舌下用製剤を特徴とする。
【0052】
運動障害(motor disability、dyskinesia)の変動は、パーキンソン病の長期治療での重大な問題である。パーキンソン病の後期では、多くの患者は重篤な「off」発作を発症し、その場合、薬物摂取を継続しているにもかかわらず、運動能力を欠失する時間を生じる(例えば、患者が動作緩慢(動作の遅延)または無動症(運動が不可能)を発症する)。これらの「off」発作は、典型的には、1日3〜4回起こる。
【0053】
アポモルフィンは、作用開始が早く、パーキンソン病での難治性の「off」期のための救済療法としての使用に理想的である。
【0054】
本発明の舌下用製剤を用いれば、中期または後期パーキンソン病の影響に見舞われた被験体が、その「off」症状の開始を認識することができ、本発明の製剤の舌下用量を投与して、そのような「off」発作に伴う運動障害を軽減することができる可能性がある。舌下用製剤は、運動能力が低下した被験体に投与するのが容易であり、そうでなければ「off」発作の開始時にアポモルフィンの注入用投与剤形を投与するために必要とされる場合がある介護人の必要性からパーキンソン病患者を開放することができる。
【0055】
本発明の舌下用製剤は、アポモルフィンのバイオアベイラビリティを増大させ、アポモルフィンの安定性を延長し、かつ/またはアポモルフィン療法の安全性および有効性を改善することができる。該製剤は、患者へのアポモルフィンの迅速な取り込みをもたらすことができ、運動障害発作を自分で治療することを可能にする。さらに、これらの舌下用製剤を自分で投与できるようにする簡便性は、中期または後期パーキンソン病を有する患者などの重篤な疾患を有する患者に対して、多大な利点を提供する。
【0056】
本発明の舌下用製剤の製造および使用方法のさらなる詳細を、下記および実施例に記載する。
【0057】
一層および二層フィルム
本発明のフィルムは、例えば、Listerine(登録商標) PocketPak(登録商標)口内清涼剤を製造するために用いられるフィルムと違わない。PocketPakフィルムでは、用いられるポリマーは、典型的には、プルラン、ペクチン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴムなどの多糖ベースまたは多糖・糖タンパク質ベースのガムである。これらの同じポリマーを、本発明のフィルムで用いることができる。
【0058】
フィルムは、一層、二層、またはそれ以上を含むことができる。二層の場合、粘膜組織に接着させるためにつくられた一方の層は、「接着層」と呼ばれる場合がある。二層では、外層はあまり接着性でないかまたは接着性でないことができ、使用者の舌による撹拌などの機械的撹拌に対する保護をもたらすことができる。外層の成分は、それ自体は、接着層の成分よりも溶解性が少ない場合がある。しかしながら、凝集体の中では、フィルムは、完全に溶解した部分、または対象となる粘膜組織での通常の清浄化過程により除去されるであろう部分に移行して、溶解するであろう。二層の形成においては、拡散または形成プロセスそれ自体が、二層の間の移行部での成分量の勾配をもたらし得る。二層は、成分同士(例えば、アポモルフィン含有またはアポモルフィンプロドラッグ含有酸性層と緩衝性pH中和層)とを分離するために用いることができ、これらは一緒になって、そうでなければ長期安定性(すなわち、保存寿命)を必要とする製剤では不適合なアポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグの吸収を強化する。あるいは、本発明の単位投与剤形は、粒子状基剤にコーティングするかもしくは含浸させた、アポモルフィン含有またはアポモルフィンプロドラッグ含有酸性層である一層フィルムであり得る。粒子状基剤は、PCT公開第WO/2009/052421号、米国特許公開第20060210610号(これらのそれぞれは参照により本明細書中に組み入れられる)に記載されている方法を用いて、一層フィルムに組み込むことができる。本発明のフィルムは、発泡性粒子(すなわち、粒子状炭酸塩基剤)を含むことができる。そのような発泡性フィルムは、米国特許公開第20010006677号(参照により本明細書中に組み入れられる)に記載されているように作製することができる。
【0059】
本発明のフィルムで用いられるポリマーは、接着層の水和速度または粘膜接着性に影響を与えるポリマーであり得る。そのようなポリマーは、例えば、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、Pharmacoat 606
TM(Shin-Etsu Chemical Company Ltd., Japan)など)、ニトロセルロース、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンポリマー、コポリマーもしくはブロックコポリマー、ポリビニルピロリドンポリマーまたは誘導体、およびガムであり得る。ポリマーの平均分子量は、目指す膨潤・溶解プロフィールに基づいて選択することができる。溶解性が低く、かつ/または膨潤性が低いポリマーの混合物と、溶解性または膨潤性がより高いポリマーとの混合物は、フィルムが十分に溶解した形態に移行するのを助けることができる。例えば、フィルムとしては、カルボマー、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、酸化チタンおよび着色剤(F、DおよびC青色レーキ着色剤など)が挙げられる。多くの場合、エタノール、水、混合物などの製薬上適切な溶媒を用いて、フィルムを形成する。そのような溶媒は、典型的には、使用前に大部分が蒸発してなくなる。任意により、水和速度、物理的特性および機械的特性を制御するために、フィルムは、2種以上のポリマーまたは所与の組み合わせのポリマーの2種以上の分子量のブレンドを含む。
【0060】
塩基性層
本発明の多層フィルムは、塩基性ポリマーから形成されたフィルムを含むことができる。本発明の単位投与剤形で用いることができるポリアミンとしては、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、または他の類似のアミノ官能化アクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、キトサンまたは実質的に塩基性形態の部分的に加水分解されたキチン、ポリエチレンイミン(polyethyleimine)、ポリリシン、ポリビニルイミダゾール、またはポリビニルアミンのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。一部の実施形態では、ポリアミンは、Eudragit E100である。
【0061】
他の成分
可塑剤、浸透促進剤、香料、保存料、着臭剤、着色剤などを、本発明の単位投与剤形に含めることができる。
【0062】
可塑剤は、一般的に、本発明の単位投与剤形の、感触、柔らかさ、柔軟性(非湿潤状態での)を変化させるであろう。浸透促進剤は、一部のケースでは、可塑剤として作用し得る。可塑剤の例としては、限定するものではないが、グリセロール、プロピレングリコール、脂肪酸エステル(オレイン酸グリセリルなど)、多価アルコール、ソルビタンエステル、クエン酸エステル、ポリエチレングリコール(例えば、PEG 400)、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、トリアセチン;マンニトール、キシリトール、およびソルビトールが挙げられる。可塑剤は、例えば、乾燥フィルムの重量に基づいて、約0.5%〜30%、10%〜20%、または15%〜18%をはじめとするいずれかの好適な範囲で存在することができる。
【0063】
透過促進剤は、粘膜での本発明の単位投与剤形中のアポモルフィンの透過性を高めるために用いることができる。1種以上の透過促進剤を用いて、アポモルフィンの粘膜吸収速度を変化させることができる。例えば、胆汁塩(コール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸塩、デオキシコール酸ナトリウム、リトコール酸ナトリウム、ケノコール酸塩、ケノデオキシコール酸塩、ウルソコール酸塩、ウルソデオキシコール酸塩、ヒオデオキシコール酸塩、デヒドロコール酸塩、グリコケノコール酸塩、タウロケノコール酸塩、およびタウロケノデオキシコール酸塩など);ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-ラウロイルサルコシン、モノラウリン酸ソルビタン、メタクリル酸ステアリル、N-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン、N-ドデシル-2-ピロリジノン、N-ドデシル-2-ピペリジノン、2-(1-ノイル)-1,3-ジオキソラン、N-(2-メトキシメチル)ドデシルアミン、N-ドデシルエタノールアミン、N-ドデシル-N-(2-メトキシメチル)アセトアミド、1-N-ドデシル-2-ピロリドン-5-カルボン酸、2-ペンチル-2-オキソ-ピロリジン酢酸、2-ドデシル-2-オキソ-1-ピロリジン酢酸、2-ドデシル-2-オキソ-1-ピロリジン酢酸、1-アザシリオヘプタン-2-オン-ドデシル酢酸(1-azacylioheptan-2-one-dodecylacetic acid)、メントール、プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセロール、モノラウリン酸ソルビトール、ジラウリン酸グリセロール、酢酸トコフェロール、ホスファチジルコリン、グリセロール、ポリエチレングリコール、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、レシチン、Tween系界面活性剤、ソルビタン系界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウム;飽和および不飽和脂肪酸の塩その他の誘導体、界面活性剤、胆汁塩類似体、胆汁塩の誘導体、または米国特許第4,746,508号(参照により本明細書中に組み入れられる)に記載されているようなそのような合成透過促進剤をはじめとするいずれかの有効な透過促進剤を用いることができる。
【0064】
香料および/または着臭剤を本発明の単位投与剤形に添加して、口当たりをよくすることができる。少なくとも1種の香料または着臭剤組成物を用いることができる。いずれかの有効な香味または匂いをつけることができる。香料は、天然のもの、人工的なもの、またはそれらの混合物であり得る。香料は、使用者にとって魅力的な香味をもたらす。一実施形態では、香料は、ミント、ハニーレモン、オレンジ、レモンライム、グレープ、クランベリー、バニラベリー、マグナスウィート
TM、風船ガム、またはチェリーの香味をもたらす。香料は、スクロース、キシリトール、サッカリンナトリウム、シクラメート、アスパルテーム、アセスルファム、およびそれらの塩などの天然または合成甘味料であり得る。
【0065】
アポモルフィンは、酸化的分解を受けやすい。酸化的分解を最小限に抑えるために、本発明の製剤が、1種以上の抗酸化剤を含有するのが望ましい。本発明のフィルム剤で用いることができる抗酸化剤は、チオール(例えば、アウロチオグルコース、ジヒドロリポ酸、プロピルチオウラシル、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、チオジプロピオン酸)、スルホキシミン(例えば、ブチオニン-スルホキシミン、ホモシステイン-スルホキシミン、ブチオニン-スルホン、ならびにペンタ-、ヘキサ-およびヘプタチオニン-スルホキシミン)、金属キレート剤(例えば、α-ヒドロキシ-脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、クエン酸、乳酸、およびリンゴ酸、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA、およびDTPA)、メタ重亜硫酸ナトリウム、ビタミン(例えば、ビタミンE、ビタミンC、パルミチン酸アスコルビル、リン酸マグネシウムアスコルビル、および酢酸アスコルビル)、フェノール類(例えば、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ユビキノール、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン)、ベンゾエート(例えば、安息香酸コニフェリル)、尿酸、マンノース、没食子酸プロピル、セレニウム(例えば、セレニウム-メチオニン)、スチルベン類(例えば、スチルベンオキシドおよびトランススチルベンオキシド)、ならびにそれらの組み合わせから選択することができる。フィルム剤に含有される抗酸化剤の総量は、製剤の総重量に基づいて、0.001重量%〜3重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%、特に0.05重量%〜0.5重量%であり得る。
【0066】
一部の実施形態では、本発明の単位投与剤形に含有される種々の成分(例えば、可塑剤、浸透促進剤、香料、保存料、着臭剤、着色剤、粒子状基剤、およびアポモルフィン粒子)は、酸性でありかつアポモルフィンもしくはそのプロドラッグを含有する第一部分に併せて組み込むか、または塩基性でありかつpH中和成分を含有する第二部分に併せて組み込むか、あるいは成分を2つの部分に分けることができる。一部の例では、2つの部分の間に障壁を含めることにより、単位投与剤形の酸性部分と単位投与剤形の塩基性部分との相互作用を最小限に抑えるのが望ましい場合がある。例えば、障壁は、多層舌下用投与剤形の酸性層と塩基性層との間に配置された第三の層として、本発明の単位投与剤形に含めることができる。あるいは、障壁は、単位投与剤形中の粒子状成分の表面上の速溶性コーティングであり得、例えば、単位投与剤形の酸性部分にコーティングされたか、またはその中に封入された、コーティングされた粒子状基剤などであり得る。また別のアプローチでは、障壁は、単位投与剤形中のアポモルフィン粒子の表面上の速溶性コーティングであり得、これはさらに酸性部分を含む。これらのアプローチは、単位投与剤形のアポモルフィン含有、またはアポモルフィンプロドラッグ含有酸性部分が、被験体への投与前に中和しないことを確実にするために用いることができる。
【0067】
アポモルフィン粒子
本明細書中に記載された医薬製剤は、約1ミクロン〜約10ミクロンの有効粒径を有するアポモルフィン粒子を含有することができる。出発アポモルフィン組成物は、主に結晶性、主に非晶質、またはそれらの混合物であり得、非修飾型アポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグを含有することができる。
【0068】
別のアプローチでは、本明細書中に記載された医薬製剤は、約1ミクロン未満の有効粒径を有するアポモルフィン粒子を含有することができる(すなわち、ナノ粒子製剤)。出発アポモルフィン組成物は、主に結晶性、主に非晶質、またはそれらの混合物であり得、非修飾型アポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグを含有することができる。
【0069】
これらのアポモルフィン粒子は、所望の粒径を達成するための、当技術分野で公知のいずれかの方法を用いて製造することができる。有用な方法としては、例えば、粉砕技術、ホモジナイゼーション技術、超臨界流体破砕技術、または沈殿技術が挙げられる。例示的な方法は、米国特許第4,540,602号;同第5,145,684号;同第5,518,187号;同第5,718,388号;同第5,862,999号;同第5,665,331号;同第5,662,883号;同第5,560,932号;同第5,543,133号;同第5,534,270号;および同第5,510,118号;同第5,470,583号に記載されている(これらのそれぞれは参照により具体的に本明細書中に組み入れられる)。
【0070】
サブミクロンアポモルフィン粒子を取得するための粉砕法
1つのアプローチでは、ミクロン粒子もしくはサブミクロン粒子を取得するために、アポモルフィン、アポモルフィンプロドラッグ、またはそれらの塩を粉砕する。粉砕プロセスは、乾式プロセス(例えば、乾式ローラー粉砕プロセス)、または湿式プロセス(すなわち、湿式粉砕)であり得る。湿式粉砕プロセスは、米国特許第4,540,602号、同第5,145,684号、同第6,976,647号および第EPO 498,482号に記載されている(これらの開示内容は、参照により本明細書中に組み入れられる)。つまり、湿式粉砕プロセスは、これらの刊行物に記載されているものなどの液体分散媒体および分散剤または湿潤化剤と組み合わせて実施することができる。有用な液体分散媒体としては、ベニバナ油、エタノール、n-ブタノール、ヘキサン、またはグリコール、とりわけ、公知の有機製薬用賦形剤(米国特許第4,540,602号および同第5,145,684号を参照されたい)から選択される液体が挙げられ、製剤中のアポモルフィンもしくはアポモルフィンプロドラッグの総重量に基づいて、2.0〜70重量%、3〜50重量%、または5〜25重量%の量で存在することができる。
【0071】
粒径低下プロセスのための粉砕媒体は、硬質媒体、典型的には球形のものから選択することができるが、非球形粉砕媒体を用いることもできる。好ましくは、粉砕媒体は、1mm〜約500ミクロンの平均粒径を有することができる。微粉砕のために、粉砕媒体粒子は、約0.05〜約0.6mmの平均粒径を有することができる。小さな粒径の粉砕媒体は、より大きなサイズの粉砕媒体を用いる同一条件と比較して、より小さなアポモルフィン粒子をもたらすであろう。材料を選択する際に、より効率よい粉砕のために、比較的高密度の粉砕媒体(例えば、ガラス(2.6g/cm
3)、ケイ酸ジルコニウム(3.7g/cm
3)、ならびに酸化ジルコニウム(5.4g/cm
3)およびイットリウムで安定化した95%酸化ジルコニウムを用いることができる。あるいは、ポリマー性粉砕媒体を用いることができる。本明細書中での使用に好適なポリマー性樹脂は、化学的および物理的に不活性であり、実質的に金属、溶媒およびモノマーを含まず、粉砕中に欠けるかまたは破砕されるのを回避することを可能にするのに十分な強度およびもろさのものである。好適なポリマー性樹脂としては、限定するものではないが、架橋ポリスチレン(ジビニルベンゼンで架橋したポリスチレンなど)、スチレンコポリマー、ポリカーボネート、ポリアセタール(デルリン
TMなど)、塩化ビニルポリマーおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ(テトラフルオロエチレン)(例えば、テフロン
TM)、および他のフルオロポリマー、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロースエーテルおよびエステル(酢酸セルロースなど)、ポリヒドロキシメタクリレート、ポリアクリル酸ヒドロキシエチル、ならびにシリコーン含有ポリマー(ポリシロキサンなど)が挙げられる。
【0072】
粉砕は、いずれかの好適な粉砕ミルでも行なうことができる。好適なミルとしては、エアジェットミル、ローラーミル、ボールミル、磨砕機ミル、振動ミル、遊星ミル、サンドミルおよびビーズミルが挙げられる。小さな粒子が望まれる場合は、高エネルギー媒体ミルが好ましい。ミルは、回転軸を含むことができる。
【0073】
粉砕容器中に存在する粉砕媒体、アポモルフィンもしくはアポモルフィンプロドラッグ、任意的な液体分散媒体、および分散剤、湿潤化剤または他の粒子安定化剤の好ましい割合は、広範囲の限界内で変化することができ、例えば、粉砕媒体のサイズおよび密度、選択したミルのタイプ、粉砕時間などに依存し得る。プロセスは、連続モード、バッチモードまたはセミバッチモードで行なうことができる。高エネルギー媒体ミルでは、粉砕チャンバーの容量の80〜95%を、粉砕媒体で満たすのが望ましい場合がある。一方で、ローラーミルでは、多くの場合、粉砕容器を半分まで空気で満たし、残りの容量に粉砕媒体および液体分散媒体(存在する場合)を含ませるのが望ましい。これにより、効率的な粉砕を可能にするローラー上の容器内でのカスケード効果が得られる。しかしながら、湿式粉砕での発泡が問題となる場合、容器を液体分散媒体で完全に満たすことができ、または分散液に消泡剤を添加することができる。
【0074】
磨砕時間は広範囲に変化させることができ、他の要因の中でも、選択した機械的手段および滞留条件、初期粒径および所望の最終的な粒径に主に依存する。ローラーミルに関しては、数日から数週間の処理時間が必要な場合がある。一方で、高エネルギー媒体ミルを用いると、一般的に、約2時間未満の粉砕滞留時間が必要とされる。磨砕が完了した後、濾過、またはメッシュスクリーンを通した篩分けなどによる慣用の分離技術を用いて、粉砕されたアポモルフィン粒子生成物から粉砕媒体を分離する(乾式または液体分散形式のいずれかで)。
【0075】
約1ミクロン未満の有効粒径を有するアポモルフィン粒子を製造するために、0.05mm〜4mmのサイズを有するビーズから粉砕媒体を製造することができる。例えば、イットリウム安定化酸化ジルコニウム0.4mmビーズを用いて、25分〜1.5時間の粉砕滞留時間の間、再循環モードで、1200〜3000RPMで、アポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグを高エネルギー粉砕する。別のアプローチでは、0.1mm酸化ジルコニウムボールを用いて、バッチモードで、2時間の粉砕滞留時間のアポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグの高エネルギー粉砕を用いることができる。粉砕濃度は、粉砕スラリー重量と比較して、約10重量%〜約30重量%アポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグであり得、粉砕スラリーは、初期懸濁物をコーティングするために湿潤化剤および/または分散剤を含有することができ、それにより連続粉砕モードで均一なフィード速度を用いることができる。あるいは、粘性を調整し、かつ/もしくは湿潤化作用をもたらす物質を含有する粉砕媒体と共にバッチ粉砕モードを用いて、アポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグが粉砕媒体中で良好に分散するようにすることができる。
【0076】
アポモルフィンナノ粒子を取得するための微小沈殿法
アポモルフィン粒子は、米国特許第5,560,932号および同第5,665,331号(参照により具体的に本明細書中に組み入れられる)に記載されたものと類似の方法を用いて、湿潤化剤または分散剤の存在下での均一核生成および沈殿によっても、調製することができる。そのような方法は、以下のステップを含むことができる:(1)好適な液体媒体中にアポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグを分散するステップ;(2)ステップ(1)からの混合物を、少なくとも1種の分散剤もしくは湿潤化剤を含有する混合物に添加し、適切な温度で、アポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグを溶解させるステップ;ならびに(3)適切な貧溶媒を用いてステップ(2)からの配合物を沈殿させるステップ。該方法に続いて、慣用の手段による分散物の透析または濾過および濃縮によって、いずれかの形成された塩の除去(存在する場合)を行なうことができる。一実施形態では、アポモルフィン粒子は、本質的に純粋な形態で存在し、好適な液体分散媒体中に分散している。このアプローチでは、アポモルフィン粒子は、得られる混合物中で分離した相である。有用な分散剤、湿潤化剤、溶媒、および貧溶媒は、実験的に決定することができる。
【0077】
アポモルフィンナノ粒子を取得するためのホモジナイゼーション法
アポモルフィン粒子はまた、高圧ホモジナイゼーションによっても調製することができる(米国特許第5,510,118号を参照されたい)。このアプローチでは、アポモルフィン粒子を、液体分散媒体中に分散させ、アポモルフィン粒子の粒径を所望の有効平均粒径まで低下させるために、繰り返しホモジナイゼーションに供する。アポモルフィン粒子は、少なくとも1種以上の分散剤または湿潤化剤の存在下で、粒径を低下させることができる。あるいは、磨砕の前後いずれかに、アポモルフィン粒子を、1種以上の分散剤または湿潤化剤と接触させることができる。希釈剤などの他の材料を、粒径低下プロセスの前、その途中、またはその後に、アポモルフィン/分散剤混合物に添加することができる。例えば、未処理のアポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグを、実質的に不溶性の液体媒体に添加し、プレミックスを形成させることができる(すなわち、約0.1〜60%w/wアポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグ、および約20〜60%w/w分散剤または湿潤化剤)。プレミックス懸濁液の見かけの粘性は、好ましくは、約1000センチポアズ未満である。続いて、プレミックスをマイクロフルイダイザーに移し、所望の粒径低下が達成されるまで、初めは低圧で、次に最大能力(すなわち、3,000〜30,000psi)で、連続的に循環させることができる。得られるアポモルフィン粒子の分散液を、当技術分野で周知の技術を用いて、本発明の舌下用医薬製剤にスプレーコーティングすることができる。
【0078】
シメチコンを用いる粉砕
ナノ化の際の発泡は、製剤化の問題をもたらし、粒径低下に対してマイナスの結果を有する場合がある。例えば、ミル中の高レベルの泡または気泡は、粘性の大幅な上昇を引き起こし、粉砕プロセスを行なえなくする場合がある。非常に低レベルの空気の存在でさえ、粉砕効率を劇的に低下させ、所望の粒径を達成できなくする場合がある。これは、結果として生じるミル中の空気が、粉砕ボールをクッションし、粉砕効率を制限するためである可能性がある。空気はまた、粉砕された成分とのマイクロエマルションを形成する場合があり、これは、正確な用量の送達および口当たりに関して、多数の問題をもたらす。少量のシメチコンの添加は、非常に有効な消泡剤であり、粉砕のばらつきまたは粉砕プロセスへの空気の導入を回避するための特別な操作技術を最小限に抑える。
【0079】
湿潤化剤および分散剤の使用
アポモルフィン粒子は、例えば、アポモルフィン粒子の表面に吸着する1種以上の湿潤化剤および/または分散剤を用いて調製することができる。粒径低下の前、その途中もしくはその後に、アポモルフィン粒子を湿潤化剤および/または分散剤と接触させることができる。一般的に、湿潤化剤および/または分散剤は、以下の2つの分類に分けられる:非イオン性物質およびイオン性物質。最も一般的な非イオン性物質は、結合剤、充填剤、界面活性剤および湿潤化剤として知られるクラスに含まれる賦形剤である。非イオン性表面安定化剤の限定的な例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プラスドン(Plasdone)、ポリビニルアルコール、プルロニック、Tweenおよびポリエチレングリコール(PEG)である。イオン性物質は、典型的には、イオン結合を有する有機分子であり、それにより該分子は製剤中で荷電しており、例えば、長鎖スルホン酸塩などである(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびスルホコハク酸ジオクチルナトリウム)。
【0080】
湿潤化剤および分散剤などの賦形剤は、スプレー乾燥プロセス、スプレー造粒プロセス、またはスプレー積層プロセスにより、アポモルフィンナノ粒子の表面に塗布することができる。これらの手順は、当業者に周知である。固体組成物が曝露されるであろう媒体(例えば、唾液)中での固体組成物の分散を助けるために、ナノ粒子懸濁液中の溶媒の除去の前に追加の賦形剤を添加して、アポモルフィン小粒子の凝集および/または粒径増大をさらに防止することも一般的である。そのような追加の賦形剤の例は、再分散剤である。好適な再分散剤としては、限定するものではないが、糖、ポリエチレングリコール、尿素および第四級アンモニウム塩が挙げられる。
【0081】
療法
本発明の舌下用製剤を用いて治療可能な疾患および症状の代表例は、本明細書中、上記で列挙した通りであり、限定するものではないが、パーキンソン病、性機能障害、ならびに大うつおよび双極性障害などの抑うつ障害が挙げられる。
【0082】
本発明の舌下用製剤としては、迅速溶解(fast dissolve)剤形、迅速溶解もしくは急速溶解(fast melt、rapid melt)剤形、および迅速崩壊(quick disintegrating)剤形としても知られる、急速崩壊性(rapidly disintegrating)または急速溶解性(rapidly dissolving)剤形が挙げられる。これらの剤形は、咀嚼もしくは短い時間枠内での水の必要性なしに、患者の口中で迅速に溶解または崩壊する。その投与の容易さによって、そのような組成物は、運動能力が低下した患者の特定のニーズのために特に有用である。舌下用製剤は、例えば、ロゼンジ錠、丸剤、錠剤、フィルム剤、またはストリップ剤の形状の単位投与剤形であり得る。あるいは、舌下用製剤は、ゲル剤などの非単位投与剤形として調製することができる。
【0083】
アポモルフィンもしくはアポモルフィンプロドラッグは、その遊離塩基形態で、または製薬産業で一般的に用いられる無毒の酸付加塩または金属複合体などの製薬上許容される塩として投与することができる。酸付加塩の例としては、有機酸(酢酸、乳酸、パモン酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸、パルミチン酸、スベリン酸、サリチル酸、酒石酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、またはトリフルオロ酢酸など);ポリマー酸(タンニン酸、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸など);および無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸など)が挙げられる。金属複合体としては、カルシウム、亜鉛、鉄等が挙げられる。一部の例では、本発明の製剤は、塩酸アポモルフィン、またはアポモルフィンプロドラッグの塩酸塩を含有する。
【0084】
製剤は、治療上有効量で患者に投与することができる。例えば、それぞれ、パーキンソン病、性機能障害、もしくは抑うつの症状を予防し、減少させ、または軽減する量を投与する。典型的な用量範囲は、1日5回まで投与される、約2mg〜約30mgのアポモルフィンまたはその塩である。投与されるアポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグの例示的な投与量は、状態のタイプおよび程度、特定の患者の全体的な健康状態、投与するアポモルフィンの特定の形態、および用いる特定の舌下用製剤などの可変要素に依存する可能性が高い。
【0085】
考えられる副作用は、アポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグを、制吐剤(ニコチン、硫酸ロベリン、ピパマジン、塩酸オキシペンジル、オンダンセトロン、塩酸ブクリジン、塩酸シクリジン、ジメンヒドリナート、スコポラミン、メトピマジン、塩酸ベンザウイナミン(benzauinamine hydrochloride)または塩酸ジフェニドールなど)と組み合わせて投与することにより、軽減することができる。一部の例では、アポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグとの組み合わせでの同時投与のために、舌下用製剤に制吐剤を組み込むことが望ましい場合がある。
【実施例】
【0086】
以下の実施例は、本明細書中で特許請求される方法および化合物をいかにして実施、製造、および評価するかの完全な開示ならびに説明を当業者に提供するために提示され、本発明者らがその発明としてみなすものの範囲を限定することを意図するものではない。
【0087】
実施例1 - 二層アポモルフィンストリップ剤
第一層の作製:
ゼラチンおよびマンニトールを精製水に分散し、十分に混合し(すなわち、真空混合機を用いて)、ホモジナイズする。塩酸アポモルフィンを添加し、混合物を再びホモジナイズして、塩酸アポモルフィンの完全な溶解を確実にする。溶液のpHを約3.0に調整する(すなわち、クエン酸などの好適な酸の添加により)。続いて溶液をシート上に注ぎ、加熱したオーブンで乾燥させる。
【0088】
第二層の作製:
エチルセルロース、ポリ(エチレンオキシド)、およびヒドロキシプロピルセルロースを、無水エタノールに溶解する。得られた溶液に、pH改変剤(すなわち、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸鉄、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、およびそれらの混合物)を添加する。あるいは、pH改変剤は、Eudragit E100などのポリアミンであり得る。
【0089】
第一層の上に溶液の薄層をキャストすることにより、溶媒キャスト粘膜接着性フィルムを作製する。溶媒(エタノール)の蒸発は、60℃で30分間乾燥させることにより達成することができる。
【0090】
得られる乾燥フィルムは、以下の層を含む:(i)安定な酸付加塩形態(すなわち、塩酸塩)のアポモルフィンを含有する第一酸性層、および(ii)舌下投与の時点でアポモルフィンの一部を中和することが可能な第二塩基性層(接着層)。塩酸アポモルフィンが中和されると吸収が高まるので、二層フィルム剤は、フィルム剤の保存寿命安定性を損なうことなく、アポモルフィンのバイオアベイラビリティを高めることができる。
【0091】
二層フィルム剤をストリップに切断し、各ストリップは、その遊離塩基形態のアポモルフィンの2mg〜20mg等量を含有する。ストリップ剤は、パーキンソン病、性機能障害、または抑うつ障害の治療のために、被験体に投与することができる。
【0092】
実施例2 - 単層ナノ粒子アポモルフィンストッリップ剤
エチルセルロース、ポリ(エチレンオキシド)、およびヒドロキシプロピルセルロースを無水エタノールに溶解し、溶液を形成させる。
【0093】
ナノ粒子状塩酸アポモルフィンは、本明細書中に記載されたように固体塩酸アポモルフィンを粉砕することにより調製する。
【0094】
粒子状アポモルフィンを前記溶液中に懸濁し、混合物の薄層をシート上にキャストすることにより、溶媒キャスト粘膜接着性フィルムを作製する。溶媒(エタノール)の蒸発は、60℃で30分間乾燥させることにより達成することができる。
【0095】
得られる乾燥フィルムは、ナノ粒子状アポモルフィンを放出する単一の接着層を含む。アポモルフィンは、そのナノ粒子形態で粘膜組織に浸透することができ、したがって、フィルム中のアポモルフィンのバイオアベイラビリティを高める。
【0096】
単層ナノ粒子フィルム剤をストリップに切断し、各ストリップは、その遊離塩基形態のアポモルフィンの2mg〜20mg等量を含有する。ストリップ剤は、パーキンソン病、性機能障害、または抑うつ障害の治療のために、被験体に投与することができる。
【0097】
実施例3 - 単層アポモルフィン遊離塩基ストリップ剤
すべての材料を使用前に脱気し、すべてのステップは窒素雰囲気下で行なう。
【0098】
エチルセルロース、ポリ(エチレンオキシド)、およびヒドロキシプロピルセルロースを無水エタノールに溶解し、ポリマー溶液を形成させる。
【0099】
塩酸アポモルフィンおよび抗酸化剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム)を最小限の量の水に溶解し、ポリマー溶液に添加する。得られた混合物のpHを、約9.0に調整する(すなわち、水酸化ナトリウムなどの好適な塩基の添加により)。
【0100】
混合物の薄層をシート上にキャストすることにより、溶媒キャスト粘膜接着性フィルムを作製する。溶媒(エタノール/水)の蒸発は、60℃で30分間乾燥させ、かつ/または減圧下で乾燥させることにより、達成することができる。
【0101】
得られる乾燥フィルムは、遊離塩基アポモルフィンを放出する単一の接着層を含む。アポモルフィンは、そのナノ粒子形態で粘膜組織に浸透することができ、したがって、フィルム中のアポモルフィンのバイオアベイラビリティを高める。
【0102】
単層フィルム剤をストリップに切断し、各ストリップは、その遊離塩基形態のアポモルフィンの2mg〜20mg等量を含有する。ストリップ剤は、パーキンソン病、性機能障害、または抑うつ障害の治療のために、被験体に投与することができる。
【0103】
実施例4 - 二層アポモルフィン-アニオン性高分子電解質複合体
第一層の作製:
アポモルフィン(遊離塩基)をアルギン酸と併せて、アポモルフィン-アルギン酸複合体を形成させる。この複合体に、ゼラチン、マンニトール、および精製水を添加する。混合物を十分に混合し(すなわち、真空混合機を用いて)、ホモジナイズする。溶液のpHを約3.0に調整する。続いて溶液をシート上に注ぎ、加熱したオーブンで乾燥させる。
【0104】
第二層の作製:
エチルセルロース、ポリ(エチレンオキシド)、およびヒドロキシプロピルセルロースを無水エタノールに溶解する。得られた溶液に、pH改変剤(すなわち、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸鉄、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、およびそれらの混合物)を添加する。あるいは、pH改変剤は、Eudragit E100などのポリアミンであり得る。
【0105】
第一層の上に溶液の薄層をキャストすることにより、溶媒キャスト粘膜接着性フィルムを作製する。溶媒(エタノール)の蒸発は、60℃で30分間乾燥させることにより達成することができる。
【0106】
得られる乾燥フィルムは、以下の層を含む:(i)アルギン酸との安定な酸付加塩複合体のアポモルフィンを含有する第一酸性層、および(ii)舌下投与の時点でアポモルフィンの一部を中和することが可能な第二塩基性層(接着層)。塩酸アポモルフィンが中和されると吸収が高まるので、二層フィルム剤は、フィルム剤の保存寿命安定性を損なうことなく、アポモルフィンのバイオアベイラビリティを高めることができる。
【0107】
二層フィルム剤をストリップに切断し、各ストリップは、その遊離塩基形態のアポモルフィンの2mg〜20mg等量を含有する。ストリップ剤は、パーキンソン病、性機能障害、または抑うつ障害の治療のために、被験体に投与することができる。
【0108】
実施例5 - ナノ粒子アポモルフィンゲル剤
ナノ粒子状塩酸アポモルフィンは、本明細書中に記載されたように固体塩酸アポモルフィンを粉砕することにより調製する。
【0109】
粒子状アポモルフィンを、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびグリセロールと併せる。得られた混合物を十分に混合し(すなわち、真空混合機を用いて)、ホモジナイズする。混合物に水を添加し(十分に混合しながら)、懸濁された塩酸アポモルフィンのナノ粒子を含有するヒドロゲルを形成させる。
【0110】
ナノ粒子ゲル剤は、その遊離塩基形態のアポモルフィンの2mg〜20mg等量を含有する量で、舌の下に分注することができる。ゲル剤は、パーキンソン病、性機能障害、または抑うつ障害の治療のために、被験体に投与することができる。
【0111】
実施例6 - アポモルフィン-アニオン性高分子電解質複合体ゲル剤
アポモルフィン(遊離塩基)をアルギン酸と併せて、アポモルフィン-アルギン酸複合体を形成させる。
【0112】
アポモルフィン-アルギン酸複合体を、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グリセロール、および抗酸化剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム)と併せる。得られた混合物を十分に混合し(すなわち、真空混合機を用いて)、ホモジナイズする。混合物に水を添加し(十分に混合しながら)、アポモルフィン-アルギン酸複合体を含有するヒドロゲルを形成させる。
【0113】
ゲル剤は、その遊離塩基形態のアポモルフィンの2mg〜20mg等量を含有する量で、舌の下に分注することができる。ゲル剤は、パーキンソン病、性機能障害、または抑うつ障害の治療のために、被験体に投与することができる。
【0114】
実施例7 - ポリマー系中和剤を含む二層アポモルフィン
以下の成分を、無酸素環境で200部の2-1水-エタノール溶媒と混合する:40部の塩酸アポモルフィン、5部のクエン酸、7部のMethocel E5、18部のMethocel E50、3部のKlucel JF、6部のスクラロース、3部のPEG400、3部のソルビトール、1部のProsweet G、4部のマルトデキストリンM180、4部のIPC B792、および6部のスペアミント。混合物を、薄いプラスチック裏地上に広げ、乾燥させて、約40μm厚のフィルムを作製する。
【0115】
それとは別に、Eudragit E100をエタノール-アセトン1:1に溶解し、粘性混合物を形成させる。混合物を薄いプラスチック裏地上に広げ、約24μm厚のフィルムを作製する。
【0116】
アポモルフィン層を、熱(60℃)および圧を用いてEudragit層と融合させ、二層フィルムを作製する。フィルム剤を2.5×1cmに切断することにより、40mgの塩酸アポモルフィンの個々の投与単位を得る。
【0117】
実施例8 - アポモルフィンおよび塩基性物質を含む錠剤
以下の成分をブレンドする:40部の塩酸アポモルフィン(10μm(D95)までジェットミル粉砕したもの)、100部のラクトース、100部の微晶性セルロース、5部のリン酸水素二ナトリウム、25部の架橋ポビドン、18部のスクラロース、2部のコロイド状シリカ、5部のミント香料、および5部のステアリン酸マグネシウム。300mgの錠剤を圧縮し、40mgのアポモルフィンを含有する錠剤を得る。
【0118】
あるいは、これらの成分をアポモルフィン含有混合物と第二のリン酸ナトリウム混合物とに分け、これらを二層錠剤に圧縮することができる。
【0119】
実施例9 - 二層薄フィルム剤での分散した粉砕アポモルフィン
上記の実施例の方法に従って、塩酸アポモルフィンのジェットミル粉末(D95<10μm)を、エタノール-酢酸エチル中のポリエチレングリコール、ポリピロリドン、スクラロース、ソルビトールおよびキシリトールの混合物に添加し、有効成分の均一な分散物を作製する。混合物を薄いプラスチック裏地上に広げ、乾燥させて、約40μm厚のフィルムを作製する。このフィルム剤は、そのまま、または上記の実施例にある中和層と組み合わせて、投与することができる。乾燥前に成分の分散物にジェットミル粉砕した炭酸ナトリウムを添加して、活性な塩酸アポモルフィンと中和剤の両方が単層内で固体物質として分散している単層を作製することも考慮される。
【0120】
実施例10 - ハードキャンディーロゼンジ錠
1カップ(240g)の砂糖、1/3カップ(81cc)のライトコーンシロップ、および1カップ強(240ml)の水を混合することにより、キャンディー母材を形成させる。母材混合物を、少なくとも285°Fの温度まで加熱し、その際、砂糖混合物の制御不能な結晶化を防ぐために、200°F超の温度で混合物を撹拌しないように注意する。母材混合物を260°Fまで冷却し、4mlの香料およびティースプーン1/8杯(0.625cc)のクエン酸を添加し、続いて900mgの粉砕アポモルフィンHClおよび1800mgのリン酸水素二ナトリウムを添加する。これらの成分を母材に十分に撹拌混入し、得られた混合物を、固着防止コーティングを噴霧した(例えば、PAMの商品名で知られる固着防止コーティングを噴霧した)型に注ぎ入れる。注入から2分後に、型にスティックを挿入する。望ましくは、アポモルフィンの酸化を最小限に抑えるために、ハードキャンディーロゼンジ錠を不活性雰囲気下で作製する。
【0121】
混合物は、着色料、アルコール、合成香料および保存料を含まず、完全に天然であることに留意すべきである。
【0122】
実施例11 - 粒子状基剤中和剤を含む単層アポモルフィン
以下の成分を、無酸素環境で200部の2-1水-エタノール溶媒と混合する:40部の塩酸アポモルフィン、5部のクエン酸、7部のMethocel E5、18部のMethocel E50、3部のKlucel JF、6部のスクラロース、3部のPEG400、3部のソルビトール、1部のProsweet G、4部のマルトデキストリンM180、4部のIPC B792、および6部のスペアミント。混合物を薄いプラスチック裏地上に広げ、乾燥させて、約40μm厚のフィルムを作製する。
【0123】
それとは別に、pH中和剤固体(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、またはそれらの混合物)を粉砕し、微粒子状基剤を作製する。任意により、この中和剤固体を、ポリエチレングリコールなどの中性障壁でコーティングする。
【0124】
例えば、エレクトロスプレー法または静電スプレー法により、アポモルフィン層を微粒子状基剤でコーティングする。任意により、前記層を加熱し(約60℃)、微粒子状基剤をアポモルフィン層に圧縮して、フィルム中に分散した微粒子状基剤を含む塩酸アポモルフィンの固溶体を含有する単層フィルムを形成させることができる。フィルム剤を2.5×1cmに切断することにより、40mgの塩酸アポモルフィンの個々の投与単位を得る。
【0125】
他の実施形態
本明細書中で言及したすべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物または特許出願それぞれが具体的かつ個別に参照により組み入れられることが示されているのと同程度に、参照により本明細書中に組み入れられる。
【0126】
本発明をその具体的な実施形態との関連で説明してきたが、さらなる改変が可能であること、および本出願が、広く本発明の原理に則り、本発明が属する技術分野の公知もしくは慣用の実務の範囲内となりかつ本明細書中で上記で示した本質的特徴に適用することができる本明細書の開示からの逸脱を含み、かつ特許請求の範囲の精神に従う、本発明のいかなる変形、使用、または適合にも及ぶことが理解されるであろう。
【0127】
他の実施形態は、特許請求の範囲の範囲内に入る。
以下は、本発明の実施形態の一つである。
(1)舌下投与のために製剤化された単位投与剤形の医薬組成物であって、該単位投与剤形が、アポモルフィンの酸付加塩またはアポモルフィンプロドラッグを含む第一部分およびpH中和剤を含む第二部分を有する、上記医薬組成物。
(2)前記単位投与剤形が、ロゼンジ錠、丸剤、錠剤、フィルム剤、またはストリップ剤である、(1)に記載の医薬組成物。
(3)前記pH中和剤が、ポリアミン、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸鉄、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、およびそれらの混合物から選択される、(1)に記載の医薬組成物。
(4)前記単位投与剤形がフィルム剤またはストリップ剤であり、粘膜接着性ポリマーを含む、(1)に記載の医薬組成物。
(5)前記アポモルフィンの酸付加塩またはアポモルフィンプロドラッグが塩酸アポモルフィンである、(1)に記載の医薬組成物。
(6)前記アポモルフィンの酸付加塩またはアポモルフィンプロドラッグが、アニオン性高分子電解質に複合体化したプロトン化アポモルフィンである、(1)に記載の医薬組成物。
(7)前記アニオン性高分子電解質が、アルギネート、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリレート、およびカルボキシメチルセルロースから選択される、(6)に記載の医薬組成物。
(8)前記医薬組成物がフィルム剤またはストリップ剤であり、前記第一部分が第一層であり、前記第二部分が第二層であり、該第一層が酸性でありかつ前記アポモルフィンの酸付加塩またはアポモルフィンプロドラッグを含み、該第二層が前記pH中和剤を含む、(1)に記載の医薬組成物。
(9)抗酸化剤をさらに含む、(1)に記載の医薬組成物。
(10)前記第一部分がアポモルフィンの酸付加塩またはアポモルフィンプロドラッグの固溶体を含むフィルムであり、前記第二部分が前記単位投与剤形上またはその中の粒子状基剤である、(1)に記載の医薬組成物。
(11)前記粒子状基剤が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、またはそれらの混合物を含む、(10)に記載の医薬組成物。
(12)前記第一部分が、障壁によって前記第二部分から分離している、(1)に記載の医薬組成物。
(13)前記障壁が、フィルムまたはコーティングである、(12)に記載の医薬組成物。
(14)20nm〜10μmの有効粒径を有するアポモルフィン粒子を含む、舌下投与のために製剤化された医薬組成物であって、該アポモルフィン粒子が、アポモルフィン、アポモルフィンプロドラッグ、またはそれらの塩を含む、上記医薬組成物。
(15)ロゼンジ錠、丸剤、錠剤、フィルム剤、またはストリップ剤から選択される単位投与剤形である、(14)に記載の医薬組成物。
(16)舌下用ゲル剤である、(14)に記載の医薬組成物。
(17)前記アポモルフィン粒子が、1μm〜10μmの有効粒径を有する、(16)に記載の医薬組成物。
(18)前記アポモルフィン粒子が、2μm〜7μmの有効粒径を有する、(17)に記載の医薬組成物。
(19)前記アポモルフィン粒子が、20nm〜1μmの有効粒径を有する、(16)に記載の医薬組成物。
(20)前記アポモルフィン粒子が、50nm〜700nmの有効粒径を有する、(19)に記載の医薬組成物。
(21)粘膜接着性ポリマーをさらに含む、(14)に記載の医薬組成物。
(22)前記アポモルフィン粒子が、アポモルフィンの酸付加塩またはアポモルフィンプロドラッグを含む、(14)に記載の医薬組成物。
(23)前記アポモルフィン粒子が塩酸アポモルフィンを含む、(22)に記載の医薬組成物。
(24)前記単位投与剤形が、フィルム剤またはストリップ剤であり、粘膜接着性ポリマーを含む、(14)に記載の医薬組成物。
(25)前記医薬組成物が第一層および第二層を含み、該第一層が酸性でありかつ前記アポモルフィン粒子を含み、該第二層がpH中和剤を含む、(24)に記載の医薬組成物。
(26)前記pH中和剤が、ポリアミン、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸鉄、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、およびそれらの混合物から選択される、(25)に記載の医薬組成物。
(27)抗酸化剤をさらに含む、(14)に記載の医薬組成物。
(28)アニオン性高分子電解質に複合体化したプロトン化アポモルフィンまたはアポモルフィンプロドラッグを含む、舌下投与のために製剤化された医薬組成物。
(29)前記アニオン性高分子電解質が、アルギネート、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリレート、およびカルボキシメチルセルロースから選択される、(28)に記載の医薬組成物。
(30)抗酸化剤をさらに含む、(28)に記載の医薬組成物。
(31)ロゼンジ錠、丸剤、錠剤、フィルム剤、またはストリップ剤から選択される単位投与剤形である、(28)に記載の医薬組成物。
(32)舌下用ゲル剤である、(28)に記載の医薬組成物。
(33)舌下投与のために製剤化された単位投与剤形の医薬組成物であって、該単位投与剤形が2〜50mgのアポモルフィンプロドラッグを含む、上記医薬組成物。
(34)前記単位投与剤形が、その遊離塩基形態で2〜50mgのアポモルフィンプロドラッグを含むロゼンジ錠、丸剤、錠剤、フィルム剤、またはストリップ剤である、(33)に記載の医薬組成物。
(35)前記単位投与剤形が、その遊離塩基形態でアポモルフィンプロドラッグの固溶体を含むロゼンジ錠、丸剤、錠剤、フィルム剤、またはストリップ剤である、(33)に記載の医薬組成物。
(36)2〜40mgのアポモルフィン、アポモルフィンプロドラッグ、またはそれらの酸付加塩を含む単位投与剤形である、(1)〜(35)のいずれかに記載の医薬組成物。
(37)前記単位投与剤形が、pH7の非緩衝水1mL中に入れられた場合に、7.4〜9.1のpHを有する溶液をもたらす、(1)〜(35)のいずれかに記載の医薬組成物。
(38)被験体への舌下投与に続いて、前記単位投与剤形が、5〜15分間以内に少なくとも3ng/mLの平均循環濃度をもたらす、(1)〜(35)のいずれかに記載の医薬組成物。
(39)哺乳動物でのパーキンソン病の治療方法であって、該哺乳動物を治療するのに有効な量の(1)〜(38)のいずれかに記載の医薬組成物の舌下投与を含む、上記方法。
(40)パーキンソン病に罹患した哺乳動物での運動障害を軽減するための方法であって、該運動障害を軽減するのに有効な量の(1)〜(38)のいずれかに記載の医薬組成物の舌下投与を含む、上記方法。
(41)パーキンソン病に罹患した哺乳動物での無動症を軽減するための方法であって、該無動症を軽減するのに有効な量の(1)〜(38)のいずれかに記載の医薬組成物の舌下投与を含む、上記方法。
(42)哺乳動物での性機能障害を治療する方法であって、該哺乳動物を治療するのに有効な量の(1)〜(38)のいずれかに記載の医薬組成物の舌下投与を含む、上記方法。
(43)哺乳動物での抑うつ障害を治療する方法であって、該哺乳動物を治療するのに有効な量の(1)〜(38)のいずれかに記載の医薬組成物の舌下投与を含む、上記方法。
(44)有効量の制吐剤の投与をさらに含む、(37)〜(41)のいずれかに記載の方法。
(45)前記制吐剤が、ニコチン、硫酸ロベリン、ピパマジン、塩酸オキシペンジル、オンダンセトロン、塩酸ブクリジン、塩酸シクリジン、ジメンヒドリナート、スコポラミン、メトピマジン、塩酸ベンザウイナミン(benzauinamine hydrochloride)、および塩酸ジフェニドールから選択される、(44)に記載の方法。