特許第6770130号(P6770130)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6770130血流の患者に特異的なモデルからの情報を提供するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6770130
(24)【登録日】2020年9月28日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】血流の患者に特異的なモデルからの情報を提供するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20201005BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20201005BHJP
   G16H 30/00 20180101ALI20201005BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20201005BHJP
   G06F 3/0484 20130101ALI20201005BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20201005BHJP
【FI】
   A61B6/03 360G
   A61B5/055 380
   A61B6/03 360M
   G16H30/00
   G06T19/00 A
   G06F3/0484
   G06F3/0488 130
【請求項の数】20
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2019-85519(P2019-85519)
(22)【出願日】2019年4月26日
(62)【分割の表示】特願2018-46990(P2018-46990)の分割
【原出願日】2013年5月13日
(65)【公開番号】特開2019-166329(P2019-166329A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2019年5月24日
(31)【優先権主張番号】13/470,802
(32)【優先日】2012年5月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513030879
【氏名又は名称】ハートフロー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー リチャード ハート
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ヘンリー スティーブンス
【審査官】 井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−122118(JP,A)
【文献】 特表2013−534154(JP,A)
【文献】 特表2002−534204(JP,A)
【文献】 特開2011−233161(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0150184(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/021307(WO,A2)
【文献】 特表2004−513736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00−6/14
A61B 5/055
G06T 19/00−19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサーを有する少なくとも1つのコンピューターシステムを使用して患者に特異的な血流情報を提供するためのシステムの作動方法であって、前記少なくとも1つのコンピューターシステムは、ディスプレイを含み、前記作動方法は、
患者に特異的なデータに基づいて生成された幾何学的モデルを前記ディスプレイ上で表示することであって、前記幾何学的モデルは、前記患者の解剖学的構造の少なくとも一部を表す、ことと、
ユーザーによって示される前記ディスプレイ上の第一の位置に関連する第一のジェスチャーを受信することであって、前記第一のジェスチャーは、前記解剖学的構造の潜在的な処置を示し、前記ディスプレイ上の前記第一の位置に対応する前記幾何学的モデルの位置における前記潜在的な処置に基づいた前記幾何学的モデルの修正を開始させる、ことと、
前記第一のジェスチャーによって示される前記幾何学的モデルの前記第一の位置での少なくとも1つの血流特徴値を前記ディスプレイ上で表示することと、
前記潜在的な処置を調節するために前記ディスプレイに関連しユーザーがさらなるジェスチャーを提供するにつれて、前記少なくとも1つの血流特徴値の前記表示をダイナミックにアップデートすることであって、前記アップデートすることは、前記コンピューターシステムに、前記調節された潜在的な処置に基づいている前記幾何学的モデルのさらなる修正に基づいて、前記調節された潜在的な処置の表示をアップデートさせ、前記表示された少なくとも1つの血流特徴値をアップデートさせる、ことと
を含む、作動方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの血流特徴値の前記表示は、前記患者の前記解剖学的構造の前記表示された幾何学的モデルに対する前記ユーザーの指またはポインティング物体の入力物体位置に基づいて生成される、請求項1に記載の作動方法。
【請求項3】
所定の時間にわたってユーザーの指が前記ディスプレイに接触する位置に対応する前記ディスプレイ上の位置においてピンを形成することであって、前記ピンは、前記ユーザーによって移動可能である、ことと、
前記ピンが前記ユーザーによって移動されるにつれて、前記解剖学的構造に対応する前記少なくとも1つの血流特徴値を前記ディスプレイ上でアップデートすることと
をさらに含む、請求項1に記載の作動方法。
【請求項4】
前記幾何学的モデルの複数の位置において前記解剖学的構造中の前記少なくとも1つの血流特徴値をアップデートすることと、シェーディング、パターン、またはカラーリングのうちの少なくとも1つを使用して前記表示された幾何学的モデル上で前記少なくとも1つの血流特徴値を示すこととをさらに含む、請求項1に記載の作動方法。
【請求項5】
前記ディスプレイに関連しユーザー移動に応答して前記表示された幾何学的モデルを回転させることをさらに含み、回転の量および方向は、前記移動の特徴に依存する、請求項1に記載の作動方法。
【請求項6】
前記ユーザーがズーム入力を提供することに応答して、前記表示された幾何学的モデル上のズームを調節することをさらに含み、前記ズームの量は、前記ズーム入力の特徴に依存する、請求項1に記載の作動方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの血流特徴値を要求するジェスチャーを受信するための第一のモードで動作することと、前記ディスプレイ上で受信された前記第一のジェスチャーに基づいて冠動脈インターベンションをモデリングするための要求を受信するための第二のモードで動作することとを切り替えることをさらに含む、請求項1に記載の作動方法。
【請求項8】
処置モデリングモードで動作している間において、前記ディスプレイ上のインターベンション位置に関連する前記第一のジェスチャーを受信することをさらに含み、前記第一のジェスチャーは、前記幾何学的モデルの修正を示し、前記コンピューターシステムに、前記ディスプレイ上の前記インターベンション位置に対応する前記幾何学的モデルの位置における冠動脈インターベンションの表示を生成させる、請求項1に記載の作動方法。
【請求項9】
前記さらなるジェスチャーは、ステントもしくはバイパスの選択、および/または、前記選択されたステントもしくはバイパスの位置もしくはサイズの変化を含む、請求項8に記載の作動方法。
【請求項10】
前記冠動脈インターベンションの前記表示は、ステントの長さ、近位径、および遠位径から選ばれる少なくとも1つの選択されたステント特徴を示す、請求項9に記載の作動方法。
【請求項11】
第一の部分と第二の部分とを含む分割スクリーンを提供することをさらに含み、前記2つの部分は、それぞれの表示された幾何学的モデルの異なる修正を示すさらなるジェスチャーを受信するように構成されている、請求項1に記載の作動方法。
【請求項12】
前記ディスプレイに関連した前記ユーザーの少なくとも1つの移動から前記第一のジェスチャーおよび少なくとも1つの後続のジェスチャーを受信することをさらに含む、請求項1に記載の作動方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの血流特徴値は、圧力勾配値、冠血流予備量比値、圧力値、流速値、および速度値のうちの少なくとも1つから選ばれる、請求項1に記載の作動方法。
【請求項14】
前記患者の前記解剖学的構造は、大動脈の少なくとも一部と、前記大動脈の一部から発する複数の冠動脈の少なくとも一部とを含む、請求項1に記載の作動方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの血流特徴値は、前記複数の冠動脈中のある位置での圧力と、前記複数の冠動脈中の前記位置から上流のある位置での圧力との間の比を示す冠血流予備量比値を含む、請求項14に記載の作動方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの血流特徴値の前記表示は、計算冠血流予備量比モデルと計算圧力勾配モデルとのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の作動方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの血流特徴値の前記表示は、血管の内径および厚みのうちの少なくとも1つから選ばれる幾何学的情報をさらに含む、請求項1に記載の作動方法。
【請求項18】
前記患者の前記解剖学的構造は、前記患者の心臓、首、頭部、胸部、腹部、腕または足における複数の動脈の一部のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の作動方法。
【請求項19】
患者に特異的な血流情報を患者に提供するシステムであって、前記システムは、少なくとも、
ディスプレイを含むデバイスと、
プロセッサーと
を備え、
前記デバイスは、
患者に特異的なデータに基づいて生成された幾何学的モデルを表示することであって、前記幾何学的モデルは、前記患者の解剖学的構造の少なくとも一部を表す、ことと、
ユーザージェスチャーによって示される前記幾何学的モデルの位置での少なくとも1つの血流特徴値を表示することと
を行うように構成されており、
前記プロセッサーは、
ユーザーによって示される前記ディスプレイ上の第一の位置に関連する前記ユーザージェスチャーを受信することであって、前記ユーザージェスチャーは、前記解剖学的構造の潜在的な処置を示し、前記ディスプレイ上の前記第一の位置に対応する前記幾何学的モデルの位置における前記潜在的な処置に基づいた前記幾何学的モデルの修正を開始させる、ことと、
前記潜在的な処置を調節するために前記ディスプレイに関連しユーザーがさらなるジェスチャーを提供するにつれて、前記少なくとも1つの血流特徴値の、前記ディスプレイ上での表示をダイナミックにアップデートすることであって、前記アップデートすることは、前記プロセッサーに、前記調節された潜在的な処置に基づいている前記幾何学的モデルのさらなる修正に基づいて、前記調節された潜在的な処置の表示をアップデートさせ、前記表示された少なくとも1つの血流特徴値をアップデートさせる、ことと
を行うように構成されている、システム。
【請求項20】
ディスプレイを含みかつ患者に特異的な血流情報を提供するコンピューター実行可能なプログラミング命令を含有する少なくとも1つのコンピューターシステムでの使用のための持続性コンピューター読み取り可能媒体であって、前記命令は、前記少なくとも1つのコンピューターシステムによって、
患者に特異的なデータに基づいて生成された幾何学的モデルを前記ディスプレイ上で表示することであって、前記幾何学的モデルは、前記患者の解剖学的構造の少なくとも一部を表す、ことと、
ユーザーによって示される前記ディスプレイ上の第一の位置に関連する第一のジェスチャーを受信することであって、前記第一のジェスチャーは、前記解剖学的構造の潜在的な処置を示し、前記ディスプレイ上の前記第一の位置に対応する前記幾何学的モデルの位置における前記潜在的な処置に基づいた前記幾何学的モデルの修正を開始させる、ことと、
前記第一のジェスチャーによって示される前記幾何学的モデルの前記第一の位置での少なくとも1つの血流特徴値を前記ディスプレイ上で表示することと、
前記潜在的な処置を調節するために前記ディスプレイに関連しユーザーがさらなるジェスチャーを提供するにつれて、前記少なくとも1つの血流特徴値の表示をダイナミックにアップデートすることであって、前記アップデートすることは、前記コンピューターシステムに、前記調節された潜在的な処置に基づいている前記幾何学的モデルのさらなる修正に基づいて、前記調節された潜在的な処置の表示をアップデートさせ、前記表示された少なくとも1つの血流特徴値をアップデートさせる、ことと
のために実行可能である、持続性コンピューター読み取り可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、その全体が参照によって本明細書に援用される、2012年5月14日出願の米国特許出願第13/470,802号に対して優先権の恩典を主張する。
【0002】
(技術分野)
実施形態には、流体の流動のモデルを用いるための方法およびシステム、さらに具体的には、血流の患者に特異的なモデルからの情報を提供するための方法およびシステムを包含する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
冠動脈疾患は、狭窄症(血管の異常な狭窄)のような、心臓へ血流を供給する血管の冠動脈病変を生じ得る。結果として、心臓への血流が制限され得る。冠動脈疾患に罹患している患者は、身体的運動の間の慢性安定狭心症、または患者が休止期の不安定狭心症と呼ばれる、胸部の疼痛を経験する場合がある。疾患のさらに重篤な顕在化は、心筋梗塞または心臓発作につながる場合がある。
【0004】
胸部疼痛に罹っているか、および/または冠動脈疾患の症状を示している患者は、冠動脈病変に関連するいくつかの間接的な証拠を提供し得る1つ以上の試験に供してもよい。例えば、非侵襲性試験としては、心電図、血液検査からのバイオマーカーの評価、トレッドミル試験、心エコー検査、単陽電子(positron)放出コンピューター断層撮影(SPECT)、およびポジトロン放出断層撮影(PET)を挙げてもよい。非侵襲性試験は、心臓の電気活性の変化を(例えば、心電図(ECG)を用いて)、心筋の動きを(例えば、ストレス心電図を用いて)、心筋の灌流を(例えば、PETまたはSPECTを用いて)、または代謝変化を(例えば、バイオマーカーを用いて)調べることによって、冠動脈病変の間接的な証拠を得る場合がある。しかし、これらの非侵襲性試験は、介入(インターベンション)の転帰は予測しない。
【0005】
例えば、解剖学的データは、冠動脈コンピューター断層撮影血管造影法(CCTA)を用いて非侵襲性に得てもよい。CCTAは、胸部疼痛を有する患者の画像化のために用いられ得、これには、造影剤の静脈内注入後の心臓および冠動脈を画像化するコンピューター断層撮影(CT)技術を用いることを包含する。しかし、CCTAは、冠動脈病変の機能的な有意性に対する直接情報(例えば、その病変が血流に影響するか否か)を提供できない。さらに、CCTAは純粋に診断試験であるので、介入の転帰は予想しない。
【0006】
また、侵襲性試験を患者で行ってもよい。例えば、診断のための心臓カテーテル挿入は、従来の冠動脈造影法(CCA)を行って、動脈のサイズおよび形状の画像を医師に提供することによって、冠動脈病変に対する解剖学的データを集めることを包含し得る。しかし、またCCAも、介入の転帰を予想はしない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、冠動脈血流に対する薬物療法、介入および外科的処置の転帰を予測する方法の必要性がある。
【0008】
前述の一般的説明および以下の詳細な説明の両方とも、例示であって、説明に過ぎず、本開示を制限するものではないことが理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(要旨)
ある実施形態によれば、患者に関する血流情報を提供するためのシステムは、タッチスクリーンを備える少なくとも1つのコンピューターシステムを備えてもよい。この少なくとも1つのコンピューターシステムは、タッチスクリーン上に、患者に特異的なデータに基づいてその患者の解剖学的構造の少なくとも一部を示している三次元モデルを表示するように構成されてもよい。また、この少なくとも1つのコンピューターシステムは、ユーザーによって制御される少なくとも1つのポインティング物体によって示されるタッチスクリーン上の第一の位置に関連する第一の入力データを受容するように構成されてもよく、このタッチスクリーン上の第一の位置は、前記表示された三次元モデル上の第一の位置を示してもよい。この少なくとも1つのコンピューターシステムはさらに、このタッチスクリーン上に第一の情報を表示するように構成されてもよく、この第一の情報は、この第一の位置での血流特徴を示し得る。
【0010】
別の実施形態によれば、タッチスクリーンを備える少なくとも1つのコンピューターシステムを用いて患者に特異的な血流情報を提供するための方法は、タッチスクリーン上に、患者に特異的なデータに基づく三次元モデルを表示することを包含し得る。この三次元モデルは、患者の解剖学的構造の少なくとも一部に相当し得る。また、この方法は、ユーザーによって制御される少なくとも1つのポインティング物体によって示されるタッチスクリーン上の第一の位置に関連する第一の入力データを受容することを包含してもよく、このタッチスクリーン上の第一の位置は、前記表示された三次元モデル上の第一の位置を示してもよい。また、この方法は、このタッチスクリーン上に第一の情報を表示することを包含してもよく、この第一の情報は、この第一の入力データによって示される三次元モデル中の位置での血流特徴を示し得る。この方法はさらに、三次元モデルの改変を示している第二の入力データを受容することと、三次元モデルの改変に基づいた解剖学的構造における血流特徴に関する第二の情報を決定することとを包含し得る。
【0011】
さらなる実施形態によれば、少なくとも1つのコンピューターシステムでの使用のための持続性コンピューター読み取り可能媒体は、患者に特異的な血流情報を提供する方法を行うためのコンピューター実行可能なプログラミング命令を備えてもよい。この少なくとも1つのコンピューターシステムは、タッチスクリーンを備えてもよく、この方法は、患者に特異的なデータに基づいて患者の解剖学的構造の少なくとも一部に相当する三次元モデルを表示することと、ユーザーによって制御される少なくとも1つのポインティング物体によって示されるタッチスクリーン上の第一の位置に関連する第一の入力データを受容することとを包含し得る。この第一の入力データは、この解剖学的構造における配置のためにステントの位置を示し得る。またこの方法は、タッチスクリーン上の三次元モデル上にステントを表示することと、この第一の入力データ中に示される位置でそのステントの配置を反映する三次元モデルの改変に基づいて三次元モデルにおける複数の位置での血流特徴に関する第二の情報を決定することとを包含し得る。
【0012】
追加の実施形態および利点は、詳細な説明中に部分的に示されており、以下の詳細な説明に示されており、かつ部分的にはこの詳細な説明から明白であるが、また本開示の実施によって学習されてもよい。この実施形態および利点は、下に特に示される構成要素および組み合わせによって現実化され、かつ獲得される。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
患者に関する血流情報を提供するためのシステムであって、前記システムは:
タッチスクリーンを含む少なくとも1つのコンピューターシステムを備え、前記少なくとも1つのコンピューターシステムが:
前記タッチスクリーン上に、患者に特異的なデータに基づいて前記患者の解剖学的構造の少なくとも一部を示している三次元モデルを表示すること;ならびに、
ユーザーによって制御される少なくとも1つのポインティング物体によって示される前記タッチスクリーン上の第一の位置に関連する第一の入力データを受容することであって、前記タッチスクリーン上の前記第一の位置が、前記表示された三次元モデル上の第一の位置を示している、受容すること、および、
前記タッチスクリーン上に、第一の情報を表示することであって、前記第一の情報が、前記第一の位置での血流特徴を示している、第一の情報を表示すること、
を行うように構成されている、システム。
(項目2)
前記少なくとも1つのコンピューターシステムが、さらに、前記タッチスクリーンの表面に沿って、かつ前記表示された三次元モデル上で前記少なくとも1つのポインティング物体を前記ユーザーがドラッグするにつれて、前記表示された第一の情報をアップデートするように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記少なくとも1つのコンピューターシステムが、さらに:
ピンを前記第一の位置で形成するように構成されており、前記ピンが、前記三次元モデル内で前記ユーザーによって移動可能であり;かつ
前記ピンが前記ユーザーによって動かされるにつれて、前記解剖学的構造中の前記血流特徴に関する前記第一の情報を前記タッチスクリーン上でアップデートするように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目4)
前記少なくとも1つのコンピューターシステムが、さらに、前記三次元モデル中の複数の位置で、前記解剖学的構造中の前記血流特徴に関する前記第一の情報を決定し、かつシェーディング、パターン、またはカラーリングのうちの少なくとも1つを用いて前記表示された三次元モデルに対して前記第一の情報を示すように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記少なくとも1つのコンピューターシステムがさらに、前記タッチスクリーンの表面に対して前記少なくとも1つのポインティング物体をスワイプする前記ユーザーに対する応答において前記表示された三次元モデルを回転するように構成されており、回転の量および方向が前記スワイプの特徴に依存する、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記少なくとも1つのコンピューターシステムが、さらに、前記タッチスクリーンに対して別々の位置に位置する前記少なくとも1つのポインティング物体の2つをピンチングするユーザーに応答して、前記表示された三次元モデル上のズームを調節するように構成されており、前記ズームの量は、ピンチの特徴に依存している、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記少なくとも1つのコンピューターシステムが、さらに:
前記第一の入力データを受容し、かつ前記第一の情報を第一のモードで表示するように構成されており;
第二のモードで作動して、第二の入力データを受容して、これによって、前記三次元モデルの改変を示すように構成されており;かつ
前記三次元モデルの前記改変に基づいた前記解剖学的構造中の前記血流特徴に関する第二の情報を決定するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目8)
前記第二の入力データが、前記少なくとも1つのポインティング物体によって示されるタッチスクリーン上の第二の位置に関し、前記タッチスクリーン上の前記第二の位置が、前記改変についての前記三次元モデル中の第二の位置を示している、項目7に記載のシステム。
(項目9)
前記改変が、ステントの位置に相当し、かつ前記少なくとも1つのコンピューターシステムが、さらに前記ステントを表示するように構成されている、項目7に記載のシステム。
(項目10)
前記少なくとも1つのコンピューターシステムが、さらに前記ステントのサイズを示している第三の入力データを受容するように構成されている、項目9に記載のシステム。
(項目11)
前記少なくとも1つのコンピューターシステムが、さらに前記ステントの位置の変化またはサイズの変化を示す第三の入力データを受容するように構成されている、項目9に記載のシステム。
(項目12)
前記第二のモードにおいて、前記少なくとも1つのコンピューターシステムが、さらに第一の部分および第二の部分を備える分割スクリーンを提供するように構成されており、前記第一の部分が、前記解剖学的構造および前記ステントの少なくとも一部に相当する前記三次元モデルを表示しており、かつ前記第二の部分が、前記ステントの配置後の前記三次元モデルを表示している、項目9に記載のシステム。
(項目13)
前記改変が、バイパスの形成に対応し、かつ前記少なくとも1つのコンピューターシステムが、さらに前記バイパスを表示するように構成されている、項目7に記載のシステム。
(項目14)
前記少なくとも1つのコンピューターシステムが、さらに、前記表示された三次元モデルに対して前記バイパスを接続するための少なくとも1つの位置を示している少なくとも1つの第三の入力データを受容するように構成されている、項目13に記載のシステム。
(項目15)
前記少なくとも1つのコンピューターシステムが、さらに前記バイパスの位置の変化またはサイズの変化を示している第三の入力データを受容するように構成されている、項目13に記載のシステム。
(項目16)
前記少なくとも1つのコンピューターシステムが、さらに第一の部分および第二の部分を備えている分割スクリーンを提供するように構成され、前記2つの部分が、前記それぞれの表示された三次元モデルの異なる改変を示している、異なる第二の入力データを受容するように構成されている、項目7に記載のシステム。
(項目17)
前記少なくとも1つのポインティング物体が、前記ユーザーの少なくとも1つの指またはスタイラスを包含する、項目1に記載のシステム。
(項目18)
前記第一の情報が、圧力勾配、冠血流予備量比、圧力、流速、および速度のうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載のシステム。
(項目19)
前記患者の前記解剖学的構造が、大動脈の少なくとも一部および前記大動脈の前記一部から発する複数の冠動脈の少なくとも一部を含む、項目1に記載のシステム。
(項目20)
前記第一の情報が、前記複数の冠動脈中のある位置での圧力と、前記複数の冠動脈中の前記位置から上流のある位置での圧力との間の比を示している冠血流予備量比を含む、項目19に記載のシステム。
(項目21)
前記患者の前記解剖学的構造が、前記患者の心臓、首、頭部、胸部、腹部、腕または足における複数の動脈の一部のうち少なくとも1つを含む、項目1に記載のシステム。
(項目22)
少なくとも1つのコンピューターシステムを用いて、患者に特異的な血流情報を提供するための方法であって、前記少なくとも1つのコンピューターシステムが、タッチスクリーンを備えており、前記方法は:
前記タッチスクリーン上に、患者に特異的なデータに基づく三次元モデルを表示することであって、前記三次元モデルが、前記患者の解剖学的構造の少なくとも一部に相当することと;
ユーザーによって制御される少なくとも1つのポインティング物体によって示される前記タッチスクリーン上の第一の位置に関連する第一の入力データを受容することであって、前記タッチスクリーン上の前記第一の位置が、前記表示された三次元モデル中の第一の位置を示していることと;
前記タッチスクリーン上に第一の情報を表示することであって、前記第一の情報が、前記第一の入力データによって示される前記三次元モデル中の前記第一の位置での血流特徴を示していることと;
前記三次元モデルの改変を示している第二の入力データを受容することと;
前記三次元モデルの前記改変に基づいた前記解剖学的構造中の前記血流特徴に関する第二の情報を決定することと;
を含む、方法。
(項目23)
検査モードの選択、または処置計画モードの選択に相当するモード選択入力データを受容すること;をさらに含み、
ここで、前記第一の入力データが、前記検査モードで受容され、前記第二の入力データが前記処置計画モードで受容される、項目22に記載の方法。
(項目24)
項目22に記載の方法であって、ここで、前記第二の入力データが、前記少なくとも1つのポインティング物体によって示されるタッチスクリーン上の第二の位置に関しており、前記タッチスクリーン上の前記第二の位置は、前記改変の前記三次元モデルにおける第二の位置を示している、方法。
(項目25)
患者に特異的な血流情報を提供するための方法を行うためのコンピューター実行可能なプログラミング命令を含む少なくとも1つのコンピューターシステムでの使用のための持続性コンピューター読み取り可能媒体であって、前記少なくとも1つのコンピューターシステムが、タッチスクリーンを含んでおり、前記方法は:
患者に特異的なデータに基づいて前記患者の解剖学的構造の少なくとも一部を示している三次元モデルを表示すること;
ユーザーによって制御される少なくとも1つのポインティング物体によって示される、前記タッチスクリーン上の第一の位置に関連する第一の入力データを受容することであって、前記第一の入力データが、前記解剖学的構造における位置についてステントの位置を示していることと;
前記タッチスクリーン上の前記三次元モデル上にステントを表示することと;
前記第一の入力データ中に示される前記位置で前記ステントの位置を反映する前記三次元モデルの改変に基づいて、前記三次元モデル中の複数の位置で血流特徴に関する第二の情報を決定することと;を含む、方法。
(項目26)
前記方法がさらに:
前記ステントのサイズを示している第二の入力データを受容することと;
前記示されたステントのサイズを反映する前記三次元モデルの改変に基づいて前記三次元モデル中の前記複数の位置で前記血流特徴に関する第三の情報を決定することと;
を含む、項目25に記載の持続性コンピューター読み取り可能媒体。
(項目27)
前記第二の入力データを受容することが:
前記タッチスクリーンに対する別々の位置に位置する前記少なくとも1つのポインティング物体のうち2つをピンチングすることと、
前記ピンチの特徴に基づいて前記ステントのサイズの変化を決定することと、
を含む、項目26に記載の持続性コンピューター読み取り可能媒体。
(項目28)
前記ステントのサイズが、長さ、近位径、または遠位径を含む、項目26に記載の持続性コンピューター読み取り可能媒体。
(項目29)
前記方法がさらに:
前記ステントの位置の変化を示している第二の入力データを受容することと;
前記ステントの位置における示された前記変化を反映する三次元モデルの改変に基づいて三次元モデル中の前記複数の位置で前記血流特徴に関する第三の情報を決定することと;
を含む、項目25に記載の持続性コンピューター読み取り可能媒体。
(項目30)
前記第二の入力データを受容することが、
前記表示された三次元モデルに沿って少なくとも1つのポインティング物体をドラッグすることと、
前記ドラッグの特徴に基づいて、前記ステントの位置における前記変化を決定することと、
を含む、項目29に記載の持続性コンピューター読み取り可能媒体。
【0013】
本明細書に援用され、かつ本明細書の一部を構成する添付の図面は、いくつかの実施形態を図示しており、かつ詳細な説明と一緒になって、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】ある実施形態による、特定の患者における血流に関する種々の情報を提供するためのシステムの模式図である。
図2】ある実施形態による、患者の大動脈の一部およびその患者の大動脈から発している複数の冠動脈に相当する三次元モデル内の算出された冠血流予備量比(FFR)を示している画像である。
図3】ある実施形態による、患者の大動脈の一部およびその患者の大動脈から発している複数の冠動脈に相当する三次元モデル内の算出された圧力勾配を示している画像である。
図4】ある実施形態による、患者の大動脈の一部およびその患者の大動脈から発している複数の冠動脈に相当する三次元モデル内の算出されたFFR、ならびに冠動脈における配置のためのステントを示している画像である。
図5】ある実施形態による、患者の大動脈の一部およびその患者の大動脈から発している複数の冠動脈に相当する三次元モデル、ならびに冠動脈における配置のための複数のステントを示している画像である。
図6】ある実施形態による、一方のスクリーン部分では図4のモデルおよびステントを、ならびに別のスクリーン部分ではステントの配置に基づいて改変された三次元モデルを有する分割スクリーンを示している画像である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態の詳細な説明)
ここで例示的な実施形態に関して詳細に述べるが、その例示は、添付の図面に例示されている。可能な限り、同じ部分または同様の部分について述べるには図面を通じて、同じ参照番号を用いる。
【0016】
例示的な実施形態では、患者から回収した情報を用いて、特定の患者における血流に関する種々の情報を、ある方法およびシステムで決定する。この決定情報は、患者の冠血管系における血流に関連し得る。あるいは、この決定情報は、頸動脈、末梢血管、腹部血管、腎血管および脳血管のような、患者の脈管構造の他の領域における血流に関連し得る。
【0017】
冠血管系は、大きい動脈から、細動脈、毛細血管、細静脈、静脈などにおよぶ血管の複雑な網目状構造を含む。冠血管系は、血液を心臓へおよび心臓内に循環させ、大動脈2(図2)を含み、これが、複数の主冠動脈4(図2)(例えば、左前下行枝(LAD)動脈)、左回旋(LCX)動脈、右冠状(RCA)動脈、など)へ血液を供給し、これはさらに、大動脈2および主冠動脈4から下流の動脈の分岐または他の種類の血管に分かれてもよい。従って、例示的な方法およびシステムは、大動脈内、主冠動脈、および/またはその主冠動脈から下流の他の冠動脈もしくは血管の血流に関する種々の情報を決定し得る。大動脈および冠動脈(およびそれから延びる分岐)は下に考察されているが、また、開示の方法およびシステムは、他種の血管にも適用されてもよい。
【0018】
例示的な実施形態では、開示された方法およびシステムによって決定される情報としては、限定するものではないが、大動脈、主冠動脈、および/または他の冠動脈もしくはこの主冠動脈の下流の血管での種々な位置における、種々な血流特徴またはパラメーター、例えば、血流速度、圧力勾配、圧力(またはそれらの比)、流速、および冠血流予備量比(FFR)が挙げられる。この情報は、ある病変が機能的に有意であるか否かを決定するために、ならびに/またはその病変を処置するか、および/もしくは、種々の処置の選択肢の結果を予測するかのために用いられ得る。この情報は、患者から非侵襲的に得られた情報を用いて決定され得る。結果として、病変を処置するか否かの決定は、侵襲手順に伴う費用およびリスクなく行うことができる。
【0019】
図1は、ある実施形態による、特定の患者における冠血流に関連する種々の情報を提供するためのシステムの局面を示す。特定の患者における血流情報を決定するための方法およびシステムの種々の実施形態に関するさらなる詳細は、例えば、その全体が参照によって援用される「血流の患者に特異的なモデリングのための方法およびシステム(Method And System For Patient−Specific Modeling Of Blood Flow)」と題された米国特許出願公開第2012/0041739号に開示される。
【0020】
患者に特異的な解剖学的データ10、例えば、患者の心臓の幾何学、例えば、患者の大動脈の少なくとも一部、大動脈に接続された主冠動脈(およびそれから延びる分岐)の近位部分、および心筋の幾何形状に関するデータが得られてもよい。患者に特異的な解剖学的データ10は、例えば、非侵襲性の画像化方法を用いて、非侵襲性に得てもよい。例えば、CCTAは、ユーザーが、構造、例えば、心筋、大動脈、主冠動脈、およびそれらに接続された他の血管の画像を可視化および作成するためのコンピューター断層撮影(CT)スキャナーを操作し得る画像化方法である。あるいは、他の非侵襲性の画像化方法、例えば、磁気共鳴画像化(MRI)もしくは超音波(US)、または侵襲性の画像化方法、例えば、デジタルサブトラクション血管造影法(DSA)を用いて、患者の解剖学の構造の画像を作成してもよい。得られた画像化データ(例えば、CCTA、MRI、などによって提供される)は、第三者の供給業者、例えば、X線撮影の研究室または心臓専門医によって、患者の医師によってなどで提供されてもよい。また、他の患者に特異的な解剖学的データ10、例えば、患者の上腕動脈における血圧(例えば、圧力カフを用いる)、例えば、最大(収縮期)血圧および最小(拡張期)血圧も、患者から、非侵襲性に決定され得る。
【0021】
患者の解剖の三次元モデル12(図2および3)は、患者に特異的な解剖学的データ10を用いて作成されてもよい。ある実施形態では、モデル12によって提示される患者の解剖の一部は、大動脈2の少なくとも一部、および大動脈2に接続される主冠動脈4の近位部分(およびそれから延びているか発している分岐)を含んでもよい。また、三次元モデル12は、患者の解剖の他の一部、例えば、左心室および/または右心室、冠動脈4および/または分岐内のカルシウムおよび/または血小板、冠動脈4および/または分岐に接続されるかおよび/または囲んでいる他の組織などを含んでもよい。
【0022】
冠血流に関連する種々の生理学的法則または関係20が、例えば、実験データから推定され得る。モデル12および推定される生理学的法則20を用いて、冠血流に関連する複数の方程式30が決定され得る。例えば、方程式30は、任意の数値的方法、例えば、有限差分法、有限体積法、スペクトル法、格子ボルツマン法、粒子ベースの方法、レベルセット法、有限要素法などを用いて決定および解かれてもよい。方程式30を解いて、モデル12によって提示される解剖学における種々のポイントでの患者の解剖における冠血流量に関する情報(例えば、圧力、圧力勾配、FFR、など)を決定してもよい。
【0023】
ある実施形態では、モデル12を、分析のために調製してもよく、境界条件を決定してもよい。例えば、モデル12を、容積測定メッシュ、例えば、有限要素または有限体積メッシュの中に調整して、離散化してもよい。容積測定メッシュを用いて、方程式30を生成してもよい。
【0024】
境界条件は、生理学的法則20を用いて決定して、方程式30に組み込んでもよい。境界条件は、その境界、例えば、流入境界、流出境界、血管壁境界などで、モデル12についての情報を提供し得る。この流入境界は、大動脈基部付近の大動脈の末端のような、それを通じて流動が三次元モデルの解剖中へ指向される境界を備えてもよい。各々の流入境界は、境界に対して心臓モデルおよび/または集中パラメーターモデルをカップリングすることなどによって、速度、流速、圧力または他の特徴について規定値またはフィールドを例えば、割り当てられ得る。流出境界は、大動脈弓付近の大動脈の末端ならびに主冠動脈の下流末端およびそれから延びる分岐のような、それを通じて流動が三次元モデルの解剖から外向きに指向される境界を備えてもよい。各々の流出境界は、例えば、集中したパラメーターまたは分布した(例えば、一次元波動伝播)モデルをカップリングすることによって、割り当てられ得る。流入限界および/または流出境界の条件についての規定値は、患者の生理学的特徴、例えば、限定するものではないが、心拍出量(心臓からの血流の容積)、血圧、心筋質量などを非侵襲的に測定することによって決定され得る。血管壁境界は、大動脈の物理的境界、主冠動脈、および/またはモデル12の他の冠動脈または血管を含んでもよい。
【0025】
方程式30は、コンピューターシステム40を用いて解いてもよい。解いた方程式30に基づいて、コンピューターシステム40は、方程式30の解に基づいて決定される、FFR、血圧(または圧力勾配)、血流、または血液速度のような1つ以上の血流特徴を示している情報50を出力し得る。コンピューターシステム40は、下に記載されるように、モデル12および情報50またはコンピューター分析の他の結果に基づいて生成された画像を出力し得る。情報50は、冠血流量増大の模擬条件または充血条件(例えば、アデノシンの静脈内投与によって慣用的に誘導される)下で決定され得る。例えば、上記の境界条件は、冠血流量の増大の状態、充血状態および/またはアデノシンの効果という条件を特異的にモデリングし得る。
【0026】
図2は、コンピューターシステム40からの出力データであってもよい、計算FFRモデル100を示す。この計算FFRモデル100は、モデル12に基づく解剖学的構造の幾何形状を含んでもよく、かつまたモデル12の三次元に沿う種々の位置でのFFRの値などのコンピューターシステム40からの情報50の出力データを示し得る。FFRは、冠血流量の増大の条件または充血条件のもとでの、例えば、モデル12の流入境界での、大動脈における血圧で割った、モデル12での特定の位置での(例えば、冠動脈での)血圧の比として算出され得る。対応する色、シェード、パターンまたは他の視覚的指標が、計算FFRモデル100を通じてそれぞれのFFR値に割り当てられてもよく、その結果、計算FFRモデル100は、このモデル100における各ポイントについて個々の数値を視覚的に示す必要なく、モデル100全体にわたってFFR中の変動を視覚的に示し得る。
【0027】
スケールまたはキー110が提供されてもよく、これは、FFRのどの数値が、どの色、シェード、パターンまたは他の視覚的指標に対応するかを示す。例えば、計算FFRモデル100は、色で提供されてもよく、色のスペクトルは、モデル100全体を通じて、計算FFRのバリエーションを示すために用いられ得る。この色スペクトルは、赤、黄色、緑、シアンおよび青を、計算された最低のFFR(機能的に重大な病変を示している)から計算された最高のFFRまでの順序で含んでもよい。例えば、上限(青)は、1.0というFFRを示してもよく、下限(赤)は、約0.7(または0.75もしくは0.8)以下を示してもよく、緑は、約0.85(または上限と下限との間の約中間の他の値)を示している。例えば、この下限は、計算FFRが機能的に重大な病変または介入を必要とし得る他の特徴を示すか否かを決定するために用いられる、ある下限(例えば、0.7、0.75、または0.8)に基づいて決定され得る。従って、数例の患者にとっての計算FFRモデル100は、大動脈のほとんどまたは全てを、青またはスペクトルの高い方の端へ向かう他の色として示し得、そしてその色は、冠動脈のおよびそれから延びる分岐の遠位端へ向かうスペクトルを通じて徐々に変化し得る(例えば、スペクトルの下端に向かって(赤から青までのどこかまでさがって))。特定の患者の冠動脈の遠位端は、それぞれの遠位端で決定される計算FFRの局所値次第で、異なる色を、例えば、赤から青までのいずれかを、有してもよい。
【0028】
例えば、図2の計算FFRモデル100は、この特定の患者について、模擬的な充血状態のもとで、この計算FFRが一般には、大動脈で均一であり、かつほぼ1.0である(例えば、青色で示されるとおり)こと、およびこの計算FFRは、血液が、主冠動脈へおよび分岐中へ下流に流れるにつれて、徐々にかつ一貫して低下する(例えば、青からシアンへの段階的な色の変化、または青とシアンとの混合によって示されるように、1.0近くから下がって約0.9までにおよぶ値へ)ことを示し得る。しかし、エリア112および114のような特定のエリアでは、計算FFRが先鋭に低下され得る。例えば、冠動脈の1つにおける大動脈とエリア112との間で、計算FFRモデル100は、一般的に一定の値(例えば、青色で示されるように、約1.0)、または計算FFRにおける徐々に低下する値(例えば、青からシアンへの段階的な色の変化、または青とシアンとの混合によって示されるように、1.0近くから下がって約0.9までにおよぶ値へ)を示し得る。エリア112では、計算FFRモデル100は、計算FFRの約0.8への低下を示し得る(例えば、青および/またはシアンから、緑および/または黄色へ変化する色で示されるとおり)。エリア112とエリア114との間では、計算FFRモデル100は、一般的に一定の値(例えば、緑色および/または黄色によって示されるように、約0.8)または計算FFRにおける段階的に低下する値(例えば、緑よりも黄色い色によって示されるとおり、わずかに0.8より低い値まで)を示し得る。エリア114では、計算FFRモデル100は、計算FFRにおける約0.7以下への低下を示し得る(例えば、緑および/または黄色から赤色への色の変化によって示されるとおり)。エリア114の下流でかつ冠動脈の遠位端に対して、計算FFRモデル100は、この計算FFRが約0.7以下である(例えば、赤色によって示されるとおり)ことを示し得る。
【0029】
計算FFRモデル100に基づいて、ユーザーは、この計算FFRが、機能的に重大な病変の存在を決定するために用いられる下限より下に低下したこと、または介入を必要とし得る他の特徴(計算FFRモデル100において赤色になった、そうでなければその下限より下の計算FFRの値を示しているエリアの位置基づいて)を決定し得、そしてユーザーは、機能的に重大な病変を位置決め可能であり得る。このユーザーは、動脈または分岐の幾何形状に基づいて機能的に重大な病変を位置決めし得る(例えば、計算FFRモデル100を用いて)。例えば、機能的に重大な病変は、局所の最小FFR値を示している計算FFRモデル100の位置の近く(例えばそこから上流)に位置する狭小化または狭窄を見出すことによって配置され得る。
【0030】
図3は、コンピューターシステム40からの出力データであり得る計算圧力勾配モデル200を示す。計算圧力勾配モデル200は、モデル12に基づく解剖学的構造の幾何形状を含んでもよく、またモデル12の三次元に沿う種々の位置での血圧勾配の値などの、コンピューターシステム40からの情報50出力データも示し得る。この計算圧力勾配モデル200は、模擬的な充血状態または他の状態のもとで、モデル12全体を通じた局所の血圧勾配(例えば、1センチメートルあたりの水銀のミリメートル(mmHg))を示し得る。対応する色、シェード、パターン、または他の視覚的指標は、それぞれの圧力勾配に対して割り当てられてもよく、その結果このモデル200は、このモデル200における各ポイントについての個々の圧力勾配数値を視覚的に示す必要なしに、モデル200全体を通じた圧力勾配のバリエーションを視覚的に示し得る。
【0031】
スケールまたはキー210が提供され得、これは、圧力勾配のどの数値が色、シェード、パターン、または他の視覚的指標に相当するかを示す。例えば、計算圧力勾配モデル200は、色で示されてもよく、色のスペクトルを用いて、モデル200全体を通じて圧力のバリエーションを示してもよい。この色スペクトルには、赤、黄、緑、シアンおよび青色を、機能的に重大な病変を示し得る最高の圧力勾配から、最低の圧力勾配の順序で含む場合がある。例えば、上限(赤)は、約20mmHg/cm以上を示す場合があり、かつこの下限(青)は、約0mmHg/cm以下を示す場合があり、緑は、約10mmHg/cm(または上限と下限との間のほぼ中間の他の値)を示している。従って、数例の患者についての計算圧力勾配モデル200は、大動脈のほとんどまたは全てを、青および/またはシアンとして、またはスペクトルの下端に向かう他の色を示す場合があり、その色は、より高い圧力勾配を有しているエリアでは、スペクトルを通じて徐々に変化する場合がある(例えば、スペクトルの高い方の端部に向かって(最高で赤色へ))。
【0032】
例えば、図3の計算圧力勾配モデル200は、この特定の患者について、模擬的な充血状態のもとで、圧力勾配が、一般的に、大動脈で、ならびに主冠動脈および分岐のほとんどにおいて、均一であって、かつほぼゼロmmHg/cm(例えば、青色および/またはシアン色で示されるとおり)であり得ることを示し得る。計算圧力勾配モデル200は、圧力勾配における勾配の増大を示し得、その結果、主冠動脈および分岐におけるいくつかのエリア212は、約5mmHg/cm〜約10mmHg/cmの値(例えば、シアン色および/または緑色で示されるとおり)を示し、主冠動脈および分岐におけるいくつかのエリア214は、約10mmHg/cm〜約15mmHg/cmを超える値(例えば、緑色および/または黄色で示されるとおり)を示し、主冠動脈および分岐におけるいくつかのエリア216は、約15mmHg/cmの値(例えば、黄色および/または赤色で示されるとおり)を示す。
【0033】
計算圧力勾配モデル200に基づき、ユーザーは、計算圧力勾配が、機能的に重大な病変の存在または介入を必要とし得る他の特徴を示し得る特定のレベル(例えば、約20mmHg/cm)を上回って増大したことを決定する場合があり、そしてユーザーはまた、機能的に重大な病変を位置決めできる場合もある。ユーザーは、動脈または分岐の幾何形状に基づいて機能的に重大な病変を位置決めし得る(例えば、計算圧力勾配モデル200を用いる)。例えば、機能的に重大な病変は、約20mmHg/cm以上という値を示している計算圧力勾配モデル200の位置に近く配置された狭小化または狭窄を見出すことによって位置決めされ得る。
【0034】
コンピューターFFRモデル100、計算血圧勾配モデル200、または他のモデルはまた、他の情報、例えば、幾何形状の情報(例えば、血管の内径、厚みなどの数値)を、モデル100または200全体にわたって包含し得る。このモデル上の特定の位置に関連する情報は、下記のようなモデルの位置の選択の際にユーザーに表示されてもよい。
【0035】
コンピューターシステム40によって、ユーザーは、計算FFRモデル100、計算血圧勾配モデル200もしくは他のモデルを出力するか、および/または他のカラーマッピングもしくはレンダリングスタイル(例えば、x線レンダリング)を特定するかを選択することが可能になり得る。
【0036】
再度図1を参照、コンピューターシステム40は、1つ以上の持続性コンピューター読み取り可能な記憶装置を備えてもよく、この装置は、プロセッサーによって実行されるとき、コンピューターシステム、などが、患者の血流に関する種々の情報を提供するための本明細書に記載の任意の作用を行ない得る命令を記憶する。コンピューターシステム40は、デスクトップコンピューターもしくはポータブルコンピューター、ワークステーション、サーバー、携帯情報端末、または任意の他のコンピューターシステムを備えてもよい。コンピューターシステム40は、プロセッサー、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、末端装置に接続するための入力/出力(110)アダプター(例えば、入力装置、出力装置、記憶装置、など)、入力装置、例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、音声入力および/または他の装置を接続するためのユーザーインターフェースアダプター、ネットワークに対してコンピューターシステム40を接続するための通信アダプター、ディスプレイにコンピューターシステム40を接続するためのディスプレイアダプターなどを備えてもよい。例えば、このディスプレイは、モデル12および/または方程式30を解くことによって作成される任意の画像(例えば、計算FFRモデル100、計算血圧勾配モデル200、および/または下に記載される他のモデル)を表示するために用いられてもよい。
【0037】
患者に特異的な解剖学的データ10は、コンピューターシステム40に対して安全な通信ライン(例えば、無線または有線のネットワークを介して)で移行されてもよく、このコンピューターシステム40が、モデル12を作成して、方程式30を解いてもよい。例えば、ある実施形態では、データ10は、患者の医師または他のユーザーによって操作されるコンピューターシステム40に対して、患者に特異的な解剖学的データ10を得る第三者の供給業者から移行されてもよい。
【0038】
ある実施形態では、コンピューターシステム40は、安全な通信ラインによって(例えば、無線または有線のネットワークを介して、ウェブによるサービスを用いるなど)、Apple Inc.のiPad(登録商標)のようなタブレットコンピューター70(または他のモバイルもしくは携帯型コンピューターデバイス)へ、1つ以上の血流特徴、計算FFRモデル100、計算血圧勾配モデル200、および/または方程式30の解に基づいてコンピューターシステム40からの他の出力データを示している情報50を出力し得る。タブレットコンピューター70は、患者の医師または患者のような他のユーザーによって操作されてもよい。タブレットコンピューター70は、タッチスクリーンを備えてもよい。タッチスクリーンの種々のスクリーンショットは、図2〜6に示しており、下に記載される。このタッチスクリーンは、下記のようなタッチスクリーンの表面上にユーザーの指の少なくとも1本(例えば、ユーザーの指または親指のうちの少なくとも1本)での接触に基づいてそのユーザーからの入力データを受容するように構成されてもよい。以下の説明は、タッチスクリーンの表面上でユーザーの指の接触から入力データを受容するようにタッチスクリーンが構成されている実施形態に関する。しかし、このタッチスクリーンは、ユーザーの指、ユーザーの親指、スタイラス、別のポインティング物体もしくは器具、またはそれらの組み合わせによって、そのタッチスクリーンに対する接触または近接性の検知にもとづき、ユーザーからの入力データを受容するように構成されてもよいことが理解される。
【0039】
従って、ある実施形態では、コンピューターシステム40は、方程式30を解くなどの、さらに複雑な操作を行い得るが、タブレットコンピューター70は、コンピューターシステム40による方程式30の解の結果を表示するため、およびより複雑性の低い計算を行うためのポータブルシステムであってもよい。タブレットコンピューター70は、患者の医師、患者、または他のユーザーが、モデル12、100、または200からの情報にアクセスして、モデル12、100または200を操作することを、下記のように可能にし得る。また、タブレットコンピューター70は、ユーザーがタブレットコンピューター70を用いる処置選択肢を選択することを可能にするように構成されてもよい。タブレットコンピューター70は、下記のような選択された処置選択肢に基づいて患者の解剖学的構造における血流特徴(例えば、FFR、血圧(または圧力勾配)、など)を決定または予測し得る。
【0040】
例えば、図2〜4に示されるとおり、タブレットコンピューター70は、2つのモードの間でユーザーが切り替えることを可能にする、2つのモード選択ボタン310および320を提供し得る。最初のボタン310をタッチすることで、ユーザーが最初の操作モード(例えば、検査モード)を選択することが可能になり、かつ第二のボタン320をタッチすることで、ユーザーが、第二の操作モード(例えば、経皮冠動脈インターベンション(PCI)モード)を選択することが可能になる。
【0041】
図2および図3は、第一の操作モードにおいて作動するタブレットコンピューター70のスクリーンショットを図示する画像である。第一の操作モードでは、タブレットコンピューター70は、患者の現状における患者の1つ以上の血流特徴、例えば、計算FFRモデル100(図2)、計算圧力勾配モデル200(図3)、またはコンピューターシステム40からの情報50出力データを提供する他のモデルを示している情報を表示し得る。第一の操作モードにおいてタブレットコンピューター70を用いてユーザーから受容される入力データによって、ユーザーが、患者の現状に関する表示された情報と相互作用して操作することが可能になり得る。
【0042】
タブレットコンピューター70は、ユーザーの指が、表示されたモデル100または200上の位置に対応する位置(および患者の解剖学的構造における対応する位置)でタッチスクリーンの表面に接触するときを決定するように構成されてもよい。この入力データに基づいて、タブレットコンピューター70は、血流特徴の数値(例えば、FFR、血圧(または圧力勾配)、および/またはユーザーによって選択された他の血流特徴)を、表示されたモデル100または200上の示された位置で、決定し得、そしてその決定された数値を表示し得る。この表示された数値は、タッチスクリーンの表面にそって、および表示されたモデル100または200にそって、ユーザーが指をドラッグするにつれてダイナミックにアップデートされ得る。従って、このユーザーは、上記のような任意の血流特徴、例えば、FFR、血圧(または圧力勾配)、および/または他の血流特徴の数値を決定するためのモデル12、100、または200上の任意のポイントを、そのポイントでタッチし得る。また、幾何情報のような、モデル12、100、または200上の示されたポイントに関する追加の情報(例えば、血管の内径の数値など)が、ユーザーに対して表示され得る。
【0043】
例えば、タブレットコンピューター70は、表示されたモデル100または200上の位置に相当する位置で所定の時間、タッチスクリーンの表面にユーザーの指が接触(例えば、タッチおよび保持)する時点を決定するように構成されてもよい。この入力データに基づいて、タブレットコンピューター70は、表示されたモデル100または200内の示された位置を指し示すタグまたはピン330を作成し得る。次いで、このユーザーは、ピン330を、表示されたモデル100または200内のどこかにドラッグまたは移動して、血流特徴の数値を、表示されたモデル100または200上の示された位置(そこへピン330がドラッグされた)で決定してもよい。この数値は、ピン330がドラッグされるにつれてダイナミックにアップデートされ得る。このタブレットコンピューター70は、ピン330内またはその付近で決定された数値を表示し得る。例えば、図2および3では、ピン330は、FFR値が0.58であるモデル100中に図示される冠動脈の1つにおける位置を指し示す。またピン330は、示された位置で血管の寸法(例えば、直径)のような、示された位置に関する他の情報も示してもよい。タブレットコンピューター70は、ユーザーが、モデル100または200の周囲で別々にドラッグするために、2つ以上のピン330を創出すること、および必要に応じてピン330を取り除くことを可能にし得る。
【0044】
ユーザーの指が、表示されたモデル100または200上の位置に相当する位置で、タッチスクリーンの表面に接触するとき(例えば、ピン330を創出することに関連する時間より短い時間)、次にタブレットコンピューター70は、ユーザーが、特定の冠動脈(および/またはそれに接続された分岐)を選択したことを決定し得、そして他の冠動脈および分岐をフェードし得る(例えば、その輝度を落とすか低下し得る)。
【0045】
あるいは、またはさらに、その選択された位置は、表示されたモデル100もしくは200に対する新たな観察の焦点、ならびに/または、変換、例えば、回転およびズームのための新しい局所原点になり得る。これによって、ユーザーは、潜在的な狭窄症においてフォーカスすること、および任意のユーザー規定のポイントに対して周囲で回転することまたはそこにズームすること(またはそれから離れること)が可能になる。
【0046】
また、タブレットコンピューター70は、ユーザーの指が、タッチスクリーンの表面上でスワイプまたはドラッグするとき(例えば、ピン330から離れた位置で)を決定するために構成され得る。この入力データに基づき、タブレットコンピューター70は、表示されたモデル100または200を回転し得る。回転の量および方向は、スワイプの間のタッチスクリーンの表面に接触することにおける指が移動する距離およびタッチスクリーンの表面に沿ったスワイプの方向に依存し得る。
【0047】
また、タブレットコンピューター70は、ユーザーの指が、いつタッチスクリーンの表面をピンチするかを決定するためにも構成され得る。ユーザーの指がお互いに近づくように動く場合、タブレットコンピューター70は、表示されたモデル100または200からズームアウトし得る。ユーザーの指が、お互いに離れて動く場合、タブレットコンピューター70は、表示されたモデル100または200中にズームインし得る。このズームの量は、このタッチスクリーンの表面にそったピンチ中で指が移動する距離に依存し得る。
【0048】
ユーザーが、表示されたモデル100または200の視野を操作するにつれて(例えば、回転、ズームインまたは離れる、焦点を変更するなど)、解剖学的構造が示されている、チューブの角度測定または方向を特徴づけるための他の情報がユーザーに表示されて、ダイナミックにアップデートされ得る。例えば、その情報は、当該分野で公知のとおり、左前斜位(LAO)、右前斜位(RAO)、尾側(GAUD)、および/または頭蓋(GRAN)角度、例えば、LAO20°およびGRAN0°の形態で提供され得る。
【0049】
図4〜6は、第二のボタン320にタッチすることによってユーザーによって選択される第二の操作モード(例えば、PGIモード)で作動するタブレットコンピューター70のスクリーンショットを図示している画像である。第二の操作モードでタブレットコンピューター70を用いてユーザーから受容された入力データによって、ユーザーは、モデル12(例えば、血流特徴を示す追加情報なしで患者の解剖学的構造の幾何形状を反映するモデル)、計算FFRモデル100(図2)、計算圧力勾配モデル200(図3)、または患者の現在の状態における患者の血流特徴を示している情報50を提供する他のモデルに基づいて作成され得る、表示されたモデル400を用いて処置の選択肢を計画することが可能である。タブレットコンピューター70は、選択された処置の選択肢に基づいて血流特徴(例えば、FFR、血圧(または圧力勾配)、など)に関する予測された情報を表示し得る。
【0050】
図4は、ユーザーがモデル400を用いて処置選択肢を選択することを可能にするための第二の操作モードで作動するタブレットコンピューター70のスクリーンショットを示す。図4に示される実施形態では、モデル400は、計算FFRモデル100に基づいて作成される。あるいは、モデル400は、モデル12、計算圧力勾配モデル200、および/または他のモデルに基づいて作成され得る。タブレットコンピューター70は、ユーザーの指が、表示されたモデル400上の位置に相当する位置(および患者の解剖学的構造における対応する位置)で、ユーザーの指が、いつタッチスクリーンの表面に接触するか(例えば、所定の時間(例えば、タッチおよび保持))を決定するように構成されてもよい。この入力データに基づいて、タブレットコンピューター70は、(例えば、冠動脈において)患者の解剖学的構造への計画した挿入のためのステント410を表示し得る。このタブレットコンピューター70は、図5に示されるように、ユーザーが、モデル400上に2つ以上のステント410を配置し、必要に応じてステント410を省くことを可能にし得る。
【0051】
最初にモデル400上に配置した場合、ステント410は、所定のサイズもしくは寸法、または他の特徴(例えば、直径、長さ、材料、ワイヤ厚、ワイヤ立体配置など)を有してもよい。ステント410は、このステント410が、ユーザーによって選択される位置に関して長軸方向の中心であるように最初は配置されてもよい。
【0052】
次いで、ユーザーは、ステント410を規定および/または調整するための追加の入力データを提供し得る。例えば、タブレットコンピューター70は、ユーザーの指が、いつタッチスクリーンの表面上でスワイプまたはドラッグするかを決定するように構成されてもよい。この入力情報に基づいて、タブレットコンピューター70は、モデル400にそってステント410を移動し得る。例えば、ステント410は、冠動脈または動脈(またはそれに接続された分岐)の中心線に並行に動いてもよい。また、ステント410の形状は、ステント410が、その中心線にそってドラッグされるかまたは移動されるにつれて、図4〜6に示されるように、その中心線で屈曲および湾曲するように構成されてもよい。ステント410の移動の量および方向(例えば、中心線にそって上流または下流)は、スワイプの間のタッチスクリーンの表面に接触することにおいて指が移動する距離、およびタッチスクリーンの表面に沿ったスワイプの方向に依存し得る。
【0053】
また、タブレットコンピューター70は、このタッチスクリーンの表面をユーザーの指がいつピンチするかを決定するように構成されてもよい。もしユーザーの指がお互いに近づくように動く場合、タブレットコンピューター70は、ステント410を短くするかもしれない(例えば、長軸方向に、および/または中心線の方向に)。ユーザーの指が、お互いに離れて動く場合、タブレットコンピューター70は、ステント410を長くするかもしれない(例えば、長軸方向および/または中心線の方向に)。長さの変化する量は、タッチスクリーンの表面にそって指が移動してピンチを形成する距離に依存し得る。また、長さの変化は、連続であってもよいし、または徐々に提供されてもよい(例えば、約4ミリメートルずつ、または他の増分)。例えば、ステント410が、連続的なリング立体配置(例えば、一緒に連結されて管状構造を形成する一連の連続的なリング)を有するならば、長さの変化は、1つのリングの長さと一般には等しい増分で提供されてもよく、タッチスクリーンは、ステント410を短くするか、または長くするために、ステント410に追加されるかまたは取り外されたリングを示し得る。
【0054】
ユーザーがステント410を調節して操作することを可能にする他の特徴が提供されてもよい。図5は、ユーザーが、別の実施形態によって、モデル400を用いるステント410の配置に関連する処置の選択肢を計画することを可能にする第二の操作モードで作動するタブレットコンピューター70のスクリーンショットを示す。
【0055】
患者の解剖学的構造への(例えば、冠動脈における)計画的な挿入のためのステント410を表示するとき、タブレットコンピューター70は、1つ以上のハンドル、例えば、第一のハンドル420、第二のハンドル430、および/または第三のハンドル440を創出し得る。この第一のハンドル420は、長軸方向にそってステント410の中心、またはその付近に配置されてもよい。ユーザーは、第一のハンドル420を押すことおよび第一のハンドル420をモデル400上の所望の位置までドラッグすることによって、モデル400にそってステント410をドラッグまたは移動し得る。第一のハンドル420の移動は、ステント410の移動を生じる。ユーザーが、第一のハンドル420をモデル400にそってドラッグするにつれて、ステント410はまた、ユーザーが、第一のハンドル420から指を外すまで、冠動脈(またはそれに接続された分岐)の中心線へ並行に動いてもよい。また、ステント410の形状は、ステント410が第一のハンドル420により中心線にそってドラッグまたは移動されるにつれて、その中心線での屈曲および湾曲に適合し得る。
【0056】
第二および第三のハンドル430、440は、それぞれ、ステント410の近位端および遠位端、またはその付近に配置され得る。ユーザーは、第二および/または第三のハンドル430、440を押すこと、ならびにそれぞれの第二および/または第三のハンドル430、440をモデル400にそってドラッグすることによって、それによってステント410のそれぞれの近位端および遠位端の位置を調節することによって、ステント410の長さを調節し得る。第二および/または第三のハンドル430、440の動きは、ステント410を長くするか/短くする。例えば、ユーザーが、第三のハンドル440から離れた近位方向でモデル400にそって第二のハンドル430をドラッグする場合、ステント410は、長くなって、近位方向にそって延びてもよい。同様に、ユーザーが、第三のハンドル440を、モデル400にそって、第二のハンドル430から離れた遠位方向へドラッグするとき、ステント410は長くなって、遠位方向にそって延びる場合がある。この長くなるせいで追加されるステント410の新しい部分は、冠動脈(またはそれに対して接続される分岐)の中心線に対して並行に形成され得、その中心線の屈曲および湾曲に適合し得る。あるいは、ステント410は、ユーザーが、第三のハンドル440に向かって遠位方向にモデル400にそって第二のハンドル430をドラッグするとき、またはユーザーが、第三のハンドル440を、モデル400にそって、第二のハンドル430に向かう近位方向にドラッグする時、短くなり得る。ステント410の長さが変更されるにつれて、第一のハンドル420の配置は、自動的に調節されて、その結果、第一のハンドル420は、ステント410の中心でまたは中心付近でとどまる。結果として、ハンドル420、430、440は、ユーザーに優しく、かつユーザーが、ステント410を必要に応じて操作および調節することを可能にする。
【0057】
ステント410の種々の特徴が、タッチスクリーン上に表示され得る。例えば、ステント410の長さ、近位径および/または遠位径の数値は、例えば、タッチスクリーン上で、ステントの凡例に表示されてもよい。この数値は、ユーザーが、ステント410を調節するにつれてダイナミックにアップデートされる。
【0058】
ステント410の他の特徴、例えば、材料、ワイヤ厚、ワイヤ立体構造などが、ユーザーによって選択され得る。例えば、タブレットコンピューター70は、患者への配置に利用可能なステントモデルの選択を提供し得、そしてそれらのステントモデルの特徴を記憶し得る。ユーザーは、このステントモデルから選択し得、そしてタブレットコンピューター70は、そのユーザーによって選択されたステントモデルに相当する記憶された特徴を回収して、ステント410の寸法など、ステント410の種々の特徴を決定し得る。さらに、上記の長さの変化増分の寸法(例えば、リング高次構造におけるリングのサイズ)、および/またはステント410の可塑性(例えば、冠動脈および分岐の中心線における屈曲および湾曲に適合する能力)などの、ステント410の他の特徴は、選択されたステントモデルに基づいて決定され得る。
【0059】
あるいは、ステント410および/またはステントモデルの種々の特徴は、0.75未満の任意のFFR値の位置、ならびにそれらの位置での血管の寸法、血管の有意な狭小化の位置および寸法などのような、種々の要因に基づいてタブレットコンピューター70によって自動的に決定され、推奨され得る。
【0060】
タブレットコンピューター70はまた、モデル化された解剖の幾何形状における変化を生じ得るモデル化された解剖に対する他の種類の手術などの、ユーザーによる選択のための他の処置の選択肢を提供し得る。例えば、タブレットコンピューター70を用いて、冠動脈バイパス移植手順を計画してもよい。冠動脈バイパス移植は、モデル400において新規な管腔または通路を創出することを包含し得る。この種類の処置の選択肢を選択した後に、タブレットコンピューター70は、表示されたモデル400上のある位置に相当する位置で、ユーザーの指がいつタッチスクリーンの表面に接触するかを決定し得る(例えば、所定の時間(例えば、タッチおよび保持))。この第一の入力データに基づいて、タブレットコンピューター70は、第一の入力データによって示される位置でモデル400に対して接続される一端を有する、患者の解剖学的構造(例えば、冠動脈における)に対する計画的な接続のためのバイパスセグメント(示さず)を表示し得る。このタブレットコンピューター70は次に、ユーザーが、患者の解剖学的構造にバイパスセグメントの反対側の末端を接続するための第二の位置を特定する第二の入力データを提供することを促進し得る。あるいは、タブレットコンピューター70は、バイパスセグメントの一端または両端でバイパスセグメントを接続する場所を推奨し得る。タブレットコンピューター70は、ユーザーが、モデル中に2つ以上のバイパスセグメントを配置すること、および必要に応じてこのバイパスセグメントを省くことを可能にし得る。タブレットコンピューター70は、ユーザーが、バイパスセグメントの位置または寸法(例えば、直径、長さなど)を変化する入力データ(例えば、スワイプおよびピンチングのような、上記の入力データと同様)を提供することを可能にし得る。
【0061】
一旦、処置の選択肢がユーザーによって選択されれば、そのユーザーは、図4に示されるとおり、算出ボタン340にタッチし得る。そのユーザーが、算出ボタン340を選択した場合、そのタブレットコンピューター70は、血流特徴を再計算する。
【0062】
例えば、図1に立ち戻れば、コンピューターシステム40が上記のように方程式30を解いた後、コンピューターシステム40は、例えば、「Method And System For Patient−Specific Modeling Of Blood Flow」と題された米国特許出願公開第2012/0041739号に開示されるように、患者の現状における血流特徴を示している情報50に加えて(またはその代わりに)、種々の処置選択肢をモデリングするために、低次元(例えば、ゼロ次元または一次元)モデル60を創出して、タブレットコンピューター70に伝達し得る。例えば、低次元モデル60は、上記のような、より複雑な連立方程式30を解く必要なしに、患者における冠血流量についての情報を決定するために用いられ得る、患者の解剖の集中パラメーターモデルまたは他の単純化されたモデルであってもよい。低次元モデル60は、計算モデル100および200から抽出された情報を用いて作成され得る(例えば、上記の方程式30を解くことによって決定された血圧、血流、または速度の情報)。
【0063】
ユーザーが、算出ボタン340にタッチした後、タブレットコンピューター70は、ユーザーによって選択された処置選択肢に基づいて低次元モデル60を調節し得、そして低次元モデル60に基づいて方程式の簡易簡略化されたセットを解いて、患者の1つ以上の予測される血流特徴(例えば、FFR、血圧(または圧力勾配)など)を示す情報を出力してもよい。次いで、この情報を、患者の解剖学的構造の三次元モデル12に対して、マッピングまたは外挿して、図6に示されるように、例えば、介入後モデル500において、患者の解剖における冠血流に対する選択された処置選択肢の効果を表示してもよい。
【0064】
低次元モデル60は、方程式の簡略化されたセット(方程式30に比べて)で解かれ得るので、その低次元モデル60では、タブレットコンピューター70を用いて、比較的急速な計算(例えば、完全三次元モデルと比較して)が可能になり、そして完全三次元計算機解の結果を厳密に近似し得る流速および圧力を解くために用いられ得る。従って、低次元モデル60によって、比較的急速に繰り返して、種々の異なる処置の選択肢をモデリングすることが可能になる。
【0065】
あるいは、低次元モデル60を作成すること、および低次元モデル60を、タブレットコンピューター70に移すことの代わりに、処置の選択肢を選択するためのユーザーによって提供される入力データは、タブレットコンピューター70を介してコンピューターシステム40に変換され得る(例えば、有線接続または無線接続を介して)。ユーザーが、算出ボタン340にタッチした後、そのコンピューターシステム40は、例えば、処置選択肢を選択するためにユーザーによって提供される入力データを用いて方程式30を再度解くことによって、血流特徴を示す情報を再計算し得る。次いで、コンピューターシステム40は、タブレットコンピューター70に対して、方程式30のこの解に基づく血流特徴を示している情報を移行し得、またモデル12に基づいて生成された画像および決定情報(例えば、図6に示される介入後モデル500)を、タブレットコンピューター70に出力し得る。
【0066】
図6は、ある実施形態による、選択された処置選択肢に基づいた、患者の血流特徴を示している情報を決定した後の第二の操作モードで作動するタブレットコンピューター70のスクリーンショットを示す。特に、このスクリーンショットは、タッチスクリーンによって提供される分割スクリーンを示し、その分割スクリーンは、スクリーンを2つ以上の部分に分割し得る。図6に示される実施形態では、2つの部分が示され得る。分割スクリーンの最初の部分(図6に示される左側部分)は、ユーザーによって選択された処置選択肢による介入前モデル400(図4)を示し得る(図4と関連して上記される、ステント410の配置)。
【0067】
分割スクリーンの第二の部分(図6に示される右側部分)は、選択された処置の選択肢に基づいて、患者の血流特徴を示す情報を反映する、介入後モデル500を示し得る。介入後モデル500は、選択された処置の選択肢に起因して解剖学的構造の幾何形状における任意の変化を示し得る。例えば、図6に示される実施形態では、介入後モデル500は、模擬ステント410が配置される管腔の拡張510を示す。また、介入後モデル500は、ステント410の開始および終点を表示もし得る。
【0068】
図6に示される実施形態では、介入前および介入後モデル400、500は、計算FFRを示す。分割スクリーンによって、ユーザーが、モデル400などの、(例えば、ステントのない)未処置の患者に関する情報を、モデル500などの、患者に対する模擬的な処置に関連する情報の隣に並べながら、見て比較することが可能になる。例えば、同じ色、シェード、パターン、または他の視覚的指標は、モデル400として、モデル500に関するそれぞれのFFR値に割り当てられてもよい。従って、また、このモデル500は、モデル500内の各々のポイントについて個々の値を特定する必要なく、モデル500全体にわたってFFRのバリエーションを視覚的に示し得る。図6に示されるモデル500は、この特定の患者に関して、ユーザーによって選択された処置計画のもとで、FFRが一般に均一であり、かつ大動脈中で約1.0であること(例えば、青色で示されるとおり)、および主冠動脈および分岐において、FFRが徐々にかつ連続的に低下すること(例えば、青色からシアンへ、または青色とシアンとの混合へ徐々に色が変化することによって示されるとおり1.0から約0.9までさがる範囲の値へ)が示される。この実施形態では、介入後モデル500は、介入前モデル400で示されるFFR中のより先鋭な低下のエリア112および114を含まない。従って、分割スクリーンは、種々の処置の選択肢の結果を評価するために、医師または他のユーザーを補助するための、未処置の患者の介入前モデル400(患者の現状を示している)と、提唱された処置についての介入後モデル500との比較を示す。
【0069】
分割スクリーンのいずれかの部分は、ユーザーからの入力データを受容するように構成されてもよく、第一の操作モードに関連して上記のような入力データに応答してもよい。例えば、このユーザーは、例えば、モデル400および/または500の周囲に移動するための1つ以上のピン330を創出することによって、任意の血流特徴の数値、および/またはその位置での幾何学的情報を決定するために、モデル400および/または500上の任意の位置にタッチし得る。ある実施形態では、ユーザーが、モデル400または500のうちの一方のある位置にタッチして(またはピン330を創出して)、その示された位置で血流特徴の数値および/または幾何学的情報を決定するとき、他のモデル400または500での同じ位置での血流特徴の数値および/または幾何学的情報も比較のために表示されてもよい。例えば、別のピン330は、他のモデル400または500における同じ位置で自動的に創出されてもよい。結果として、分割スクリーンは、鏡面対称のピン330を、2つの表示されたモデルで提供してもよく、その結果、ユーザーの入力情報に起因してモデルの1つにおける1つのピン330の動きは、他のモデルにおけるピン330によって自動的に鏡面対称にされ、血流特徴の数値および/または幾何学的情報は、それぞれの位置で、比較されて、ピン330が動くにつれてダイナミックにアップデートされる。
【0070】
また、ユーザーは、モデル400および/または500のための回転、ズームおよび/または焦点を調節し得る。ある実施形態では、ユーザーが、1つ以上のモデル400または500について回転、ズームおよび/または焦点を調節するとき、他のモデル400または500についての回転、ズームおよび/または焦点は、同様に調節される。
【0071】
分割スクリーンの第一の部分(介入前モデル400を示している)は、ユーザーからの入力データを受容するように構成されてもよく、そして第二の操作モードに関連して上記のような入力データに応答し得る。例えば、ユーザーは、介入前モデル400を用いて処置選択肢を選択しても調節してもよい。所望の変化を作成した後、ユーザーは、算出ボタン340にタッチしてもよく、このボタンは、タブレットコンピューター70が、ユーザーによって選択される新規な処置選択肢に基づいて低次元モデル60を改変するようにし得る。改変された低次元モデル60と関連する方程式を解いた後に、タブレットコンピューター70は、ユーザーによって選択される新規な処置の選択肢を反映する改変された介入後モデル500を出力し得る。あるいは、タブレットコンピューター70は、新規な処置の選択肢をコンピューターシステム40に対して伝達し得、これが、新規な選択された処置選択肢に基づいて方程式30を再度解き、改変された介入後モデル500を、ユーザーに対して表示するため、タブレットコンピューター70に送る。
【0072】
あるいは、分割スクリーンは、異なる処置選択肢の結果を比較するための2つの部分を提供してもよい。このような実施形態では、分割スクリーンの各部分は、上記のような介入前モデル400を用いて処置選択肢を選択することに関連する入力データを受容するように構成されてもよく、選択された異なる処置選択肢に基づいて異なる介入後モデル500を表示することができる場合もある。
【0073】
従って、分割スクリーンは、ユーザーが繰り返し、新規の処置の選択肢を選択し、タブレットコンピューター70を用いて、お互いに対する種々の処置の選択肢の効果、および/または未処置の患者に関する情報を予測して比較することを可能にする。低次元モデル60は、ユーザーが、異なる処置選択肢が選択されるたびに、方程式30を解く必要なく、異なる処置選択肢を、容易にかつ迅速に分析し比較することを可能にし得る。
【0074】
このシステムを用いて、冠動脈血流に対する経皮的な冠状動脈インターベンションの潜在的な利点を予測して、最適の介入の戦略を選択するか、および/または冠動脈血流に対する冠動脈バイパス移植の潜在的利益を予測して、最適の外科手術ストラテジーを選択してもよい。
【0075】
本明細書に開示されるシステムおよび方法を、医師および他のユーザーによってアクセスされる携行のソフトウェアツール中に組み込んで、患者に特異的な血流情報を提供して、処置の選択肢を計画してもよい。さらに、医師および他のユーザーは、冠動脈血流に対する内科的、介入的および/または外科的な処置の効果を予測するための携行のソフトウェアツールを用いてもよい。携行のソフトウェアツールを用いて、首の動脈(例えば、頸動脈)、頭部の動脈(例えば、脳動脈)、胸部の動脈、腹部の動脈(例えば、腹部大動脈および分岐)、腕の動脈、または脚の動脈(例えば、大腿動脈および膝窩動脈)を含む心血管系の他の部分の疾患を予防、診断、管理および/または処置してもよい。携行のソフトウェアツールは、医師および他のユーザーが、患者の最適の個別治療を開発することを可能にするように相互作用され得る。
【0076】
血流を支配している方程式30を解くためのコンピューターシステム40は、ウェブベースのサービスまたは他のサービス(例えば、医師とは別のものが提供するサービス)の一部として提供されてもよい。このサービスの供給業者は、例えば、ウェブベースのサービスを運用してもよいし、コンピューターシステムの間の通信データのネットワークまたは他の方法を介して医師または他のユーザーにアクセス可能である、ウェブのポータルまたは他のウェブベースのアプリケーション(例えば、サービスプロバイダーによって運用されるサーバーまたは他のコンピューターシステム上で動く)を提供してもよい。例えば、患者から非侵襲的に得られた患者に特異的な解剖学的データ10は、サービスプロバイダーに提供されてもよく、このサービスプロバイダーは、このデータを用いて、低次元モデル60、計算FFRモデル100、および/または計算血圧勾配モデル200のような、式1と関連して上記される方程式30を解くことによって決定される、三次元モデル12または他のモデル/メッシュおよび/または任意のシミュレーションまたは他の結果を作成し得る。次いで、このウェブベースのサービスは、モデル60、100、および/または200を医師のタブレットコンピューター70(または他の携行装置)に移行し得る。この医師は、タブレットコンピューター70を用いて、例えば、潜在的な処置の選択肢を選択し、およびその選択された可能性のある処置の選択肢に基づいて血流情報を決定するために、モデル100または200と相互作用して、入力データを提供してもよい。
【0077】
種々の改変およびバリエーションが、本開示の範囲から逸脱することなく、開示されたシステムおよびプロセスにおいて可能であるということが当業者には理解される。他の実施形態は、本明細書に開示される開示の説明および実施の考慮から当業者に明らかである。本明細書および実施例は、例示として考慮されるに過ぎず、以下の特許請求の範囲によって示される開示の真の範囲および趣旨を有するものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6