特許第6770139号(P6770139)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6770139
(24)【登録日】2020年9月28日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/03 20060101AFI20201005BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
   H05K5/03 D
   G06F1/16 312Z
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-105002(P2019-105002)
(22)【出願日】2019年6月5日
【審査請求日】2019年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雅人
(72)【発明者】
【氏名】宮本 旅人
(72)【発明者】
【氏名】坂東 正明
(72)【発明者】
【氏名】堀野 俊和
【審査官】 五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−76045(JP,A)
【文献】 特開2008−250835(JP,A)
【文献】 特開2015−119470(JP,A)
【文献】 特開2017−228109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/03
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を正面に有する第1ユニットと、
前記第1ユニットが正面を向けて重なる第1面と、前記第1ユニットが背面を向けて重なる、前記第1面と反対側の第2面と、を有する第2ユニットと、
前記第2ユニットに設けられた第1磁石と、
前記第1ユニットに設けられ、前記第1ユニットが前記第2ユニットの第1面と重なる第1状態のときに前記第1磁石に対して第1距離をあけて配置され、前記第1ユニットが前記第2ユニットの第2面と重なる第2状態のときに前記第1磁石に対して前記第1距離よりも離れた第2距離をあけて配置される磁気センサーと、
前記第1ユニットに設けられ、前記第1状態のときに前記磁気センサーが受ける磁界を弱め、前記第2状態のときに前記磁気センサーが受ける磁界を強める第2磁石と、を備える、電子機器。
【請求項2】
前記第2磁石の磁極の向きと、前記磁気センサーの磁界検知の向きは、互いに異なっている、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第2ユニットに設けられ、前記第1状態及び前記第2状態のとき、前記第2磁石を磁気的に吸引する第3磁石を備える、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1ユニットと前記第2ユニットとを、前記第1状態から前記第2状態まで回動可能に連結するヒンジ機構を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1ユニットと前記第2ユニットとの回動角度を検知する角度センサーと、
前記角度センサーの検知結果に基づいて、前記磁気センサーの検知のON/OFFを制御する制御装置と、を備える、請求項4に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器として、例えば、携帯可能なノート型のパーソナルコンピュータは、表示部を有する第1ユニット(蓋体)と、該第1ユニットが開閉可能に連結される第2ユニット(筐体)と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。この電子機器は、第1ユニットの開閉を検知する磁気センサーを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−65696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年のノート型のパーソナルコンピュータは、ラップトップPCとして使用するのみならず、第1ユニットを360°回動する、若しくは、第1ユニットを分離するなどして、第1ユニットと第2ユニットとを背面合わせの状態にし、タブレットとして使用できるものがある。
しかしながら、タブレットとして使用したときには、ラップトップPCとして使用したときと第1ユニットと第2ユニットの位置関係が逆になることから、磁気センサーと磁石との距離が離れ、タブレットでの使用状態を検知できないことがあった。一方で、磁気センサーの感度を高めると、ラップトップPCとして使用したときに、第1ユニットが閉まりきらないうちに磁気センサーがONになり、ユーザーが予期せずに画面が消灯する懸念があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、第1ユニットと第2ユニットが正面合わせの状態であるか背面合わせの状態であるかを検知できる電子機器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電子機器は、表示部を正面に有する第1ユニットと、前記第1ユニットが正面を向けて重なる第1面と、前記第1ユニットが背面を向けて重なる、前記第1面と反対側の第2面と、を有する第2ユニットと、前記第2ユニットに設けられた第1磁石と、前記第1ユニットに設けられ、前記第1ユニットが前記第2ユニットの第1面と重なる第1状態のときに前記第1磁石に対して第1距離をあけて配置され、前記第1ユニットが前記第2ユニットの第2面と重なる第2状態のときに前記第1磁石に対して前記第1距離よりも離れた第2距離をあけて配置される磁気センサーと、前記第1ユニットに設けられ、前記第1状態のときに前記磁気センサーが受ける磁界を弱め、前記第2状態のときに前記磁気センサーが受ける磁界を強める第2磁石と、を備える。
また、上記電子機器においては、前記第2磁石の磁極の向きと、前記磁気センサーの磁界検知の向きは、互いに異なっていてもよい。
また、上記電子機器においては、前記第2ユニットに設けられ、前記第1状態及び前記第2状態のとき、前記第2磁石を磁気的に吸引する第3磁石を備えてもよい。
また、上記電子機器においては、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを、前記第1状態から前記第2状態まで回動可能に連結するヒンジ機構を備えてもよい。
また、上記電子機器においては、前記第1ユニットと前記第2ユニットとの回動角度を検知する角度センサーと、前記角度センサーの検知結果に基づいて、前記磁気センサーの検知のON/OFFを制御する制御装置と、を備えてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1ユニットと第2ユニットが正面合わせの状態であるか背面合わせの状態であるかを検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態における電子機器の斜視図である。
図2】本発明の実施形態における第1ユニットと第2ユニットとを連結するヒンジ機構を模式的に示す左側面図である。
図3】本発明の実施形態における磁気センサー、第1磁石、第2磁石の位置関係を示す模式図である。
図4】本発明の実施形態における磁気センサーの検知のON/OFF制御を視覚的に示す説明図である。
図5】本発明の実施形態における制御装置による制御フローである。
図6】本発明の実施形態における第2状態のときに磁気センサーが受ける磁界の強さ[mT]を、第2磁石を設けた場合と設け無い場合で比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の実施形態における電子機器1の斜視図である。
電子機器1は、第1ユニット10及び第2ユニット20を備える。この電子機器1は、クラムシェル型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型のパーソナルコンピュータ)である。第1ユニット10及び第2ユニット20は、それぞれ扁平な箱状に形成されている。
【0010】
第1ユニット10は、表示部11を正面10aに備えている。表示部11は、例えば、タッチパネル式の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどから形成されている。
第2ユニット20は、第1ユニット10が正面10aを向けて重なる第1面20a(上面)を備えている。第1面20aには、キーボード21と、タッチパッド22が設けられている。
【0011】
キーボード21は、第1面20aの奥側に配置され、タッチパッド22は、第1面20aの手前側に配置されている。また、第1面20aにおけるタッチパッド22の左右両側には、パームレスト部23が形成されている。
【0012】
第2ユニット20内には、マザーボード30、冷却ファン31、及び図示しないバッテリなどが設けられている。第2ユニット20の左側面20cには、排気口24、USB(Universal Serial Bus)レセプタクル32が開口している。
【0013】
マザーボード30は、第2ユニット20の底部に立設された図示しない複数のボスにネジ止めにより固定され、当該底部に対し空間をあけてほぼ平行に対向して配置されている。このマザーボード30は、キーボード21の裏面側に配置され、第2ユニット20のほぼ半分の面積に亘って設けられている。
【0014】
冷却ファン31は、第2ユニット20の左奥隅に配置されている。冷却ファン31は、ヒートパイプ31aを介してマザーボード30を冷却すると共に、第2ユニット20内の空気を排気口24から外部に排気する。
【0015】
図2は、本発明の実施形態における第1ユニット10と第2ユニット20とを連結するヒンジ機構40を模式的に示す左側面図である。
図2に示すように、第1ユニット10は、ヒンジ機構40によって、第2ユニット20に対し360°回動可能に連結されている。
【0016】
本実施形態のヒンジ機構40は、2つの連結軸41,42と、1つのリンク部材43と、を有するツインリンク機構となっている。リンク部材43は、第2ユニット20に設けられた連結軸41と、第1ユニット10に設けられた連結軸42のそれぞれに対して回動可能とされている。
【0017】
図2において実線で示す第1状態P1とは、第1ユニット10が正面10a(表示部11が有る面)を向けて第2ユニット20の第1面20a(上面)と重なる状態(第1ユニット10と第2ユニット20が正面合わせの状態)を言う。第1状態P1では、第1ユニット10は、表示部11、及び第2ユニット20の第1面20aを覆うカバーとなる。
【0018】
図2において二点鎖線で示す第2状態P2とは、第1ユニット10が背面10b(表示部11が無い面)を向けて第2ユニット20の第2面20b(下面)と重なる状態(第1ユニット10と第2ユニット20が背面合わせの状態)を言う。第2状態P2では、第2ユニット20の下面側に配置された表示部11を上向きに反転してタッチパネル操作することで、タブレットとして使用することができる。
【0019】
第1ユニット10内には、上述した第1状態P1及び第2状態P2を検知する磁気センサー14が設けられている。磁気センサー14は、図1に示すように、第1ユニット10の正面10aにおける表示部11の周囲(ベゼル部)において、第1状態P1(第1ユニット10を閉じた状態)のときに第2ユニット20の手前側に位置する、表示部11の上部に配置されている。
【0020】
また、表示部11の上部には、音声を取得するマイク12が配置されている。マイク12は、第1ユニット10内に収容されたマイクボード13に搭載されている。本実施形態の磁気センサー14は、同様にマイクボード13に搭載されている。なお、表示部11の上部に、図示しないカメラが配置されている場合、磁気センサー14は、当該カメラのカメラボードに搭載しても構わない。
【0021】
一方、第2ユニット20内には、第1磁石35が設けられている。第1磁石35は、図2に示すように、第1状態P1及び第2状態P2のときに磁気センサー14と重なる位置に配置されている。なお、本実施形態の第1磁石35は、第2ユニット20の手前側(図2に示す紙面右側)の先端形状(先細りの形状)における設置スペースを有効活用するべく、下面側をアンダーカットした形状となっているが、単純なブロック形状であっても構わない。
【0022】
磁気センサー14は、第1ユニット10が第2ユニット20の第1面20aと重なる第1状態P1のときに第1磁石35に対して第1距離D1をあけて配置される。また、磁気センサー14は、第1ユニット10が第2ユニット20の第2面20bと重なる第2状態P2のときに第1磁石35に対して第1距離D1よりも離れた第2距離D2をあけて配置される。例えば、第2距離D2は、第1距離D1の2倍以上(本実施形態では約3倍)である。
【0023】
図1に示すように、第1ユニット10内には、磁気センサー14の第1状態P1及び第2状態P2の検知を補助する第2磁石15が設けられている。第2磁石15は、第1ユニット10の正面10aにおける表示部11の周囲(ベゼル部)において、磁気センサー14の隣に配置されている。第2磁石15は、第1ユニット10の筐体の内壁面に接着剤などで固定されている。
【0024】
図3は、本発明の実施形態における磁気センサー14、第1磁石35、第2磁石15の位置関係を示す模式図である。なお、図3は、図2における矢視A図(つまり正面から視た図)に対応している。
図3に示すように、第1磁石35は、第2ユニット20内において第1面20a側に配置されている。この第1磁石35は、例えば、N極、S極の組が左右逆向きで上下に配置されている4極磁石である。第1磁石35の磁極の向きは、X方向(左右方向)である。
【0025】
一方、磁気センサー14は、第1ユニット10内において正面10a側に配置されている。磁気センサー14は、例えば、ホールセンサである。磁気センサー14の磁界検知の向きは、X方向(左右方向)である。
【0026】
第2磁石15は、第1ユニット10内において磁気センサー14の隣に配置され、第1状態P1及び第2状態P2のいずれであっても第1磁石35と重ならない位置に配置されている。この第2磁石15は、例えば、N極、S極を有する通常の2極磁石であって、第1磁石35よりも磁界が弱い。第2磁石15の磁極の向きは、X方向と直交するY方向(上下方向、つまり第1ユニット10と第2ユニット20が重なる方向)である。
【0027】
第2磁石15から発せられる磁界T2は、第1状態P1のときに、磁気センサー14に近接する第1磁石35の上側の磁極から発せられる磁界T1を相殺する。また、磁界T2は、第2状態P2のときに、磁気センサー14に近接する第1磁石35の下側の磁極から発せられる磁界T3を強める。
【0028】
つまり、第1状態P1のとき、磁気センサー14と第1磁石35との距離が近づくが、第2磁石15の作用により、磁気センサー14の検知感度が低くなり、第1ユニット10が閉まりきらないうちに、磁気センサー14がONになる誤検知を防止できる。
また、第2状態P2のときには、磁気センサー14と第1磁石35との距離が離れても、第2磁石15の補助により、磁気センサー14の検知感度を高めることができ、磁気センサー14が第2状態P2を検知できるようになる。
【0029】
第2ユニット20には、第1磁石35の他に、第3磁石36が設けられている(図1も参照)。第3磁石36は、第2ユニット20内において第1磁石35の隣に配置され、第1状態P1及び第2状態P2のいずれであっても磁気センサー14とは重ならないが、第2磁石15とは重なる位置に配置されている。
【0030】
この第3磁石36は、例えば、N極、S極を有する通常の2極磁石であって、第1状態P1及び第2状態P2のとき、第2磁石15(第1ユニット10)を第2ユニット20側に引き付ける磁界を発生する。第3磁石36の磁極の向きは、Y方向(上下方向)である。これにより、第1ユニット10と第2ユニット20とを引き付け、第1状態P1または第2状態P2を維持し易くすることができる。
【0031】
ところで、電子機器1には、上述したように、複数の磁石が設けられ、特に第2磁石15によって磁気センサー14に予め磁界が作用している。このため、例えば、電子機器1の使用者が磁気ブレスレットなどを着用していた場合など、外部の些細な磁力に対して磁気センサー14が敏感に反応しないように、以下の構成を採用するとよい。
【0032】
電子機器1は、図1に示すように、第1ユニット10と第2ユニット20との回動角度を検知する角度センサー37と、角度センサー37の検知結果に基づいて、磁気センサー14の検知のON/OFFを制御する制御装置33とを備えている。角度センサー37は、第1ユニット10の任意の位置に設けられた加速度センサー37Aと、第2ユニット20の任意の位置に設けられた加速度センサー37Bと、を有する。
【0033】
加速度センサー37A,37Bは、例えば、3軸加速度センサーである。このような角度センサー37によれば、2つの加速度センサー37A,37Bから出力される重力加速度の方向から、第1ユニット10と第2ユニット20との回動角度及び姿勢を検知できる。なお、角度センサー37は、ヒンジ機構40などに設けられたロータリーエンコーダなどであっても構わない。
【0034】
制御装置33は、マザーボード30に搭載された周知の電子部品群(CPUなどを含む)によって構成されている。制御装置33は、以下に説明するように、角度センサー37の検知結果に基づいて、磁気センサー14の検知のON/OFFを制御する。なお、磁気センサー14の検知のON/OFFとは、磁気センサー14が磁界を検知できるアクティブ状態か、非アクティブ状態であるかを意味する。
【0035】
図4は、本発明の実施形態における磁気センサー14の検知のON/OFF制御を視覚的に示す説明図である。図5は、本発明の実施形態における制御装置33による制御フローである。
制御装置33は、概略、図4に示すように、第1ユニット10と第2ユニット20との回動角度θに基づいて、磁気センサー14の検知のON/OFFを制御する。なお、回動角度θは、第1ユニット10と第2ユニット20とが平行になる第1状態P1のときに0degとし、第1ユニット10と第2ユニット20とが平行になる第2状態P2のときに360degとしている。
【0036】
具体的に、制御装置33は、図5に示すように、先ず、加速度センサー37A,37Bによる角度検知が10deg未満であるか否かを判定する(ステップS1)。加速度センサー37A,37Bによる角度検知が10deg未満である場合(ステップS1が「Yes」の場合)、制御装置33は、磁気センサー14の検知をONにし、磁気センサー14をアクティブ状態とする(ステップS4)。
【0037】
一方、加速度センサー37A,37Bによる角度検知が10deg未満でない場合(ステップS1が「No」の場合)、次に、制御装置33は、加速度センサー37A,37Bによる角度検知が350deg以上であるか否かを判定する(ステップS2)。加速度センサー37A,37Bによる角度検知が350deg以上である場合(ステップS2が「Yes」の場合)、制御装置33は、磁気センサー14の検知をONにし、磁気センサー14をアクティブ状態とする(ステップS4)。
【0038】
一方、加速度センサー37A,37Bによる角度検知が350deg以上でない場合(ステップS2が「No」の場合)、制御装置33は、磁気センサー14の検知をOFFにし、磁気センサー14を非アクティブ状態とする(ステップS3)。
以上によって、図4に示すように、第1ユニット10と第2ユニット20との回動角度θが10deg以上、350deg未満の範囲では、磁気センサー14の検知をOFFにし、誤検知を防止することができる。
【0039】
次に、第2磁石15を設けることによる作用について説明する。
図6は、本発明の実施形態における第2状態P2のときに磁気センサー14が受ける磁界の強さ[mT]を、第2磁石15を設けた場合と設け無い場合で比較したグラフである。なお、図6に示すグラフの縦軸は、磁気センサー14が受ける磁界の強さ[mT]を示し、同グラフの横軸は、第2状態P2のときの第1ユニット10と第2ユニット20との距離[mm]を示す。なお、同グラフには、磁気センサー14が少なくとも第2状態P2であることを検知すべきである設定距離Cが示されている(図3も参照)。
【0040】
図6に示すように、磁気センサー14は、アクティブ状態のときに、ONになる第1閾値(ピッチが長い破線で示す)と、第1閾値より低いときにOFFになる第2閾値(ピッチが短い破線で示す)が設定されている。第2磁石15が無い場合、設定距離Cのときであっても、磁気センサー14が受ける磁界の強さ(下側の実線で示す)は、第1閾値を超えないため、第2状態P2であることは検知できなかった。しかし、第2磁石15が有る場合、予め磁気センサー14に磁界をかけることができるため、磁気センサー14が受ける磁界の強さは、同図の上側の実線で示すように上側にシフトし、設定距離Cのときには第1閾値を超えて、第2状態P2であることを検知することができる。
【0041】
このように、上記構成の電子機器1によれば、表示部11を正面10aに有する第1ユニット10と、第1ユニット10が正面10aを向けて重なる第1面20aと、第1ユニット10が背面10bを向けて重なる、第1面20aと反対側の第2面20bと、を有する第2ユニット20と、第2ユニット20に設けられた第1磁石35と、第1ユニット10に設けられ、第1ユニット10が第2ユニット20の第1面20aと重なる第1状態P1のときに第1磁石35に対して第1距離D1をあけて配置され、第1ユニット10が第2ユニット20の第2面20bと重なる第2状態P2のときに第1磁石35に対して第1距離D1よりも離れた第2距離D2をあけて配置される磁気センサー14と、第1ユニット10に設けられ、第1状態P1のときに磁気センサー14が受ける磁界T1を弱め、第2状態P2のときに磁気センサー14が受ける磁界T3を強める第2磁石15と、を備えることによって、磁気センサー14と第1磁石35との距離が近づく第1状態P1のときには第2磁石15の磁界T2によって磁気センサー14の感度を低くし、磁気センサー14と第1磁石35との距離が離れる第2状態P2のときには第2磁石15の磁界T2によって磁気センサー14の感度を高めることができる。これにより、第1ユニット10と第2ユニット20が正面合わせの状態(第1状態P1)であるか背面合わせの状態(第2状態P2)であるかで、磁気センサー14の感度を適正に調整し、第1状態P1及び第2状態P2を検知することができる。
【0042】
また、本実施形態では、図3に示すように、第2磁石15の磁極の向き(Y方向)と、磁気センサー14の磁界検知の向き(X方向)は、互いに異なっている。この構成によれば、磁気センサー14の近くに第2磁石15を配置しても、磁気センサー14に磁界をかけすぎないようにすることができ、配置の制約を緩和することができる。
【0043】
また、本実施形態では、第2ユニット20に設けられ、第1状態P1及び第2状態P2のとき、第2磁石15を磁気的に吸引する第3磁石36を備えている。この構成によれば、磁気センサー14の検知を補助する第2磁石15を利用して、第1ユニット10と第2ユニット20とを引き付け、第1状態P1または第2状態P2を維持し易くすることができる。
【0044】
また、本実施形態では、第1ユニット10と第2ユニット20とを、第1状態P1から第2状態P2まで回動可能に連結するヒンジ機構40と、第1ユニット10と第2ユニット20との回動角度θを検知する角度センサー37と、角度センサー37の検知結果に基づいて、磁気センサー14の検知のON/OFFを制御する制御装置33と、を備えているので、上述したように外部の些細な磁力に対して磁気センサー14が敏感に反応しないようにすることができる。
【0045】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。上記の実施形態において説明した各構成は、矛盾しない限り任意に組み合わせることができる。
【0046】
例えば、上記実施形態では、第1ユニット10と第2ユニット20とをヒンジ機構40介して連結した構成について説明したが、第1ユニット10が第2ユニット20に対して分離可能とされて、上述した第1状態P1と第2状態P2に移行できる構成であっても構わない。
【0047】
また、例えば、上記実施形態では、第2磁石15の磁極の向き(Y方向)と、磁気センサー14の磁界検知の向き(X方向)が、互いに異なっている構成について説明したが、磁気センサー14に予め磁界をかけることができれば、第2磁石15の磁極の向きと、磁気センサー14の磁界検知の向きが同じであっても構わない。なお、第2磁石15の磁極の向きがY方向であれば、第3磁石36との関係で、第2ユニット20に対して第1ユニット10を磁気的に引き込み易くなる。
【0048】
また、例えば、上記実施形態では、電子機器の一例としてノート型パーソナルコンピュータを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばタブレット等の他の電子機器にも適用できるものである。
【符号の説明】
【0049】
1 電子機器
10 第1ユニット
10a 正面
10b 背面
11 表示部
14 磁気センサー
15 第2磁石
20 第2ユニット
20a 第1面
20b 第2面
33 制御装置
35 第1磁石
36 第3磁石
37 角度センサー
40 ヒンジ機構
D1 第1距離
D2 第2距離
P1 第1状態
P2 第2状態
θ 回動角度
【要約】
【課題】第1ユニットと第2ユニットが正面合わせの状態であるか背面合わせの状態であるかを検知できる電子機器の提供。
【解決手段】電子機器1は、第1ユニット10と、第2ユニット20と、第2ユニット20に設けられた第1磁石35と、第1ユニット10に設けられ、第1状態P1のときに第1磁石35に対して第1距離をあけて配置され、第2状態P2のときに第1磁石35に対して第1距離よりも離れた第2距離をあけて配置される磁気センサー14と、第1ユニット10に設けられ、第1状態P1のときに磁気センサー14が受ける磁界を弱め、第2状態P2のときに磁気センサー14が受ける磁界を強める第2磁石15と、を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6