特許第6770140号(P6770140)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6770140
(24)【登録日】2020年9月28日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】半導体装置およびその動作方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/24 20060101AFI20201005BHJP
   G11C 16/04 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
   G11C16/24 110
   G11C16/04 170
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-114682(P2019-114682)
(22)【出願日】2019年6月20日
【審査請求日】2019年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】511062254
【氏名又は名称】ウィンボンド エレクトロニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】岡部 翔
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−146482(JP,A)
【文献】 特開2013−73657(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/24
G11C 16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルアレイが複数のプレーンを有し、各プレーンには、ビット線とソース線との間にNANDストリングが形成された半導体装置の動作方法であって、
読出し動作、書込み動作または消去動作を行うための少なくとも1つのプレーンを複数のプレーンの中から選択するステップと、
非選択プレーンのビット線を基準電圧に電気的に接続するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記接続するステップは、非選択プレーンのビット線を、偶数ビット線または奇数ビット線を選択するビット線選択回路を介して仮想電源の基準電圧に接続する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビット線選択回路は、非選択プレーンの偶数ビット線および奇数ビット線を仮想電源に接続する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
仮想電源は、基準電圧を生成するための駆動能力の強いトランジスタと駆動能力の弱いトランジスタとを含み、非選択プレーンのビット線を基準電圧に接続するとき、前記駆動能力の弱いトランジスタがオンされ、前記駆動能力の強いトランジスタがオフされる、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
NANDストリングは、ビット線側選択トランジスタと複数のメモリセルとソース線側選択トランジスタとを含み、
動作時、選択プレーンのビット線側選択トランジスタおよびソース線側選択トランジスタと非選択プレーンのビット線側選択トランジスタおよびソース線側選択トランジスタとに共通のゲート選択信号が印加される、請求項1ないし4いずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
複数のプレーンを含み、各プレーンには、ビット線とソース線との間にNANDストリングが形成されたメモリセルアレイと、
読出し動作、書込み動作または消去動作を行うための少なくとも1つのプレーンを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されない非選択プレーンのビット線を基準電圧に電気的に接続する接続手段と、
を有する半導体装置。
【請求項7】
前記接続手段は、偶数ビット線または奇数ビット線を選択するビット線選択回路を含み、非選択プレーンのビット線は、前記ビット線選択回路を介して仮想電源に接続される、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記ビット線選択回路は、非選択プレーンの偶数ビット線および奇数ビット線を仮想電源に接続する、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
仮想電源は、基準電圧を生成するための駆動能力の強いトランジスタと駆動能力の弱いトランジスタとを含み、非選択プレーンのビット線を基準電圧に接続するとき、前記駆動能力の弱いトランジスタがオンされ、前記駆動能力の強いトランジスタがオフされる、請求項7または8に記載の半導体装置。
【請求項10】
NANDストリングは、ビット線側選択トランジスタと複数のメモリセルとソース線側選択トランジスタとを含み、
動作時、選択プレーンのビット線側選択トランジスタおよびソース線側選択トランジスタと非選択プレーンのビット線側選択トランジスタおよびソース線側選択トランジスタとに共通のゲート選択信号が印加される、請求項6ないし9いずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項11】
複数のプレーンに共通に、前記ゲート選択信号を生成するための駆動制御回路が設けられる、請求項10に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置に関し、特に複数のプレーンを有するフラッシュメモリの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
NAND型フラッシュメモリは、複数のブロックを含むメモリセルアレイを含み、各ブロックには、ビット線側選択トランジスタとソース線側選択トランジスタとの間に複数のメモリセルが接続されたNANDストリングが複数形成される。フラッシュメモリの微細化によりビット線側選択トランジスタ/ソース線側選択トランジスタとメモリセルとの距離が小さくなると、ビット線側選択トランジスタ/ソース線側選択トランジスタのドレイン端でゲート誘導ドレインリーク電流(GIDL:Gate Induced Drain Leakage)が発生し、これにより隣接するメモリセルのフローティングゲートに電子が注入され、メモリセルのしきい値が変動したり、あるいは誤書込みが生じてしまう。これを抑制するため、ビット線側選択トランジスタ/ソース線側選択トランジスタと隣接するメモリセルとの間に、データ記憶に無関係なダミーセルを配置している(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−53565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
NAND型フラッシュメモリでは、メモリセルアレイ内に形成されるブロックの数を増やすことで記憶容量を増加させることが可能である。しかし、ブロック数を増やすと、ブロックの配列方向に延在するグローバルビット線の配線長が長くなり、その増加した負荷容量により読出し速度等が遅くなってしまう。そこで、記憶容量の増加を図りつつグローバルビット線の負荷容量を抑えるためにメモリセルアレイを複数に分割し、分割した複数のメモリセルアレイに一定数のブロックを形成している。
【0005】
このようなメモリセルアレイを複数に分割したマルチプルプレーンのフラッシュメモリでは、1つのチップ上に複数のプレーンが形成され、1つのプレーンにおいて、メモリセルアレイ、行デコータ/駆動回路、列デコーダ、ページバッファ/センス回路等がそれぞれ機能的に動作可能である。また、コントローラや入出力回路は、複数のプレーンによって共有することができる。コントローラまたはアドレスデコーダ等は、入力された列アドレス情報に基づき複数のプレーンの中から1つまたは複数のプレーンを選択したり、選択されたプレーンにおいて読出し動作、プログラム動作、あるいは消去動作を制御する。プレーンの選択は、例えば、外部から入力されたアドレスに基づきコントローラが1つのプレーンを選択したり、あるいは複数のプレーンを同時に選択する。
【0006】
図1に、2つのプレーンP0、P1が形成されたフラッシュメモリの概略を示す。同図には、プレーンP0とプレーンP1のそれぞれの一部のブロックn−1、n、n+1と、それらの各ブロックのワード線を駆動する行駆動回路X_DRVn−1、n、n+1と、それらの各ブロックのビット線側選択トランジスタおよびソース線側選択トランジスタを駆動する2つの駆動制御回路10A、10Bとが例示されている。
【0007】
図2に、ブロックnのNANDストリングとビット線選択回路の構成を示す。ここには、1つの偶数グローバルビット線BLEと1つの奇数グローバルビット線BLOとこれらに接続されたNANDストリングおよびビット線選択回路20とが例示されている。1つのNANDストリングは、直列に接続された複数のトランジスタから構成され、すなわち、グローバルビット線BLE/BLOに接続されたビット線側選択トランジスタSEL_Dと、ビット線側のダミーセルDCDと、ソース線SLに接続されたソース線側選択トランジスタSEL_Sと、ソース線側のダミーセルDCSと、これらダミーセル間に接続されたメモリセルMC0〜MC31とを有する。
【0008】
ビット線選択回路20は、偶数ビット線BLEを選択するためのトランジスタBLSE、奇数ビット線BLOを選択するためのトランジスタBLSO、仮想電源VIRPWRを偶数ビット線BLEに接続するためのトランジスタYBLE、仮想電源VIRPWRを奇数ビット線BLOに接続するためのトランジスタYBLOを含んで構成される。
【0009】
また、プレーンP0、P1のそれぞれに駆動制御回路10A、10Bが用意される。駆動制御回路10A、10Bは、ソース線側選択トランジスタSEL_Sを駆動するための選択信号SGSとビット線選択トランジスタSEL_Dを駆動するための選択信号SGDを出力する。駆動制御回路10A、10Bは、フラッシュメモリの動作に応じて選択信号SGS/SGDの電圧レベルを制御する。
【0010】
例えば、読出し動作が行われるとき、プレーンP0が選択プレーン、プレーンP1が非選択プレーンとし、ブロックnが選択されるものとする。行デコーダ(図示省略)は、行アドレスのデコード結果に基づきブロックnを選択するためのブロック選択信号BSELnを選択プレーンP0の行駆動回路X_DRVnおよび非選択プレーンP1の行駆動回路X_DRVnに共通に出力する。これにより、選択プレーンP0および非選択プレーンP1の行駆動回路X_DRVnのパストランジスタがオンする。なお、ブロック選択信号BSELnは、ワード線や選択信号SGS/SGDに印加される電圧がパストランジスタによってVt降下しないように十分に高い電圧(例えば、ワード線に高電圧が印加されるならば、ブロック選択信号BSELnの電圧はこれよりも十分に高い電圧)で駆動される。
【0011】
選択プレーンP0では、ビット線側選択トランジスタSEL_Dおよびソース線側選択トランジスタSEL_Sがオンし、選択ワード線にGND電圧が印加され、非選択ワード線に読み出し電圧Vpassが印加され、選択プレーンP0のページバッファ/センス回路において選択メモリセルのデータが読み出され、これが外部に出力される。
【0012】
他方、非選択プレーンP1では、図3に示すバイアス電圧でトランジスタが駆動され、行駆動回路X_DRVのパストランジスタはオンされるが、選択信号SGS/SGDがGNDであるため、ビット線側選択トランジスタSEL_Dおよびソース線側選択トランジスタSEL_Sが強制的にオフされ、非選択プレーンP1のメモリセルは、選択プレーンP0の動作の影響を受けない。
【0013】
駆動制御回路10A、10Bは、高電圧の選択信号SGS/SGDを出力する必要があるため、高電圧バイアスをスイッチングするため高電圧トランジスタやレベルシフタを持つ必要があり、それ故、レイアウト面積が大きくなる。これを解決するため、図4に示すフラッシュメモリは、2つのプレーンP0、P1によって共有される駆動制御回路10を備えている。この場合、駆動制御回路10は、選択プレーンP0と非選択プレーンP1の双方に共通の選択信号SGS/SGDを出力する。このため、非選択プレーンP1のビット線側選択トランジスタSEL_Dおよびソース線側選択トランジスタSEL_Sを強制的にオフすることができず、非選択プレーンのNANDストリングに不所望の電流が流れ、これによりメモリセルのしきい値分布が変動し得る、という課題がある。
【0014】
図5に、読出し動作時に非選択プレーンP1の各トランジスタに印加されるバイアス電圧を示す。読出し動作が開始されるとき、ビット線選択回路20の各トランジスタがオフ(ゲート電圧=GND)であり、かつビット線側選択トランジスタSEL_Dがオフ(選択信号SGD=GND)であるため、非選択プレーンP1のグローバルビット線BLE/BLOは、フローティング状態である。読出し動作が開始されると、駆動制御回路10は、先ず選択信号SGDをHレベル(VSGD=例えば、4.5V)にセットする。この選択信号SGDは、非選択プレーンP1のビット線側選択トランジスタSEL_Dにも供給される。そうすると、非選択プレーンP1のグローバルビット線BLE/BLOは、ゲートの選択信号SGDとの容量結合の影響を受け、グローバルビット線BLE/BLOの電圧は、最終的にフローティング状態の0Vから0.5Vもしくはそれ以上の電圧(容量結合比による)まで上昇する。
【0015】
次に、駆動制御回路10は、選択信号SGSをHレベル(VSGS=例えば、4.5V)にセットし、この選択信号SGSは、非選択プレーンP1のソース線側選択トランジスタSEL_Sにも供給される。ダミーセルDCS/DCDは、消去された状態(負のしきい値)であり、ダミーワード線DWLS/DWLDにはGNDが印加され、このとき、もし、NANDストリングの全てのメモリセル30が深く消去された状態(負のしきい値)であると、NANDストリングにセル電流Icが発生する。つまり、オン状態であるビット線側選択トランジスタSEL_Dおよびソース線側選択トランジスタSEL_Sを介してグローバルビット線BLE/BLOからソース線に電流が流れる。たとえ、ワード線WLの全てがGNDにセットされていても、このセル電流Icの発生は避けることができない。セル電流Icが流れると、メモリセルのしきい値分布を変動させ、信頼性の低下を招いてしまう。
【0016】
本発明は、このような従来の課題を解決し、メモリセルのしきい値分布の安定化を図る高信頼性の半導体装置およびその動作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る動作方法は、メモリセルアレイが複数のプレーンを有し、各プレーンには、ビット線とソース線との間にNANDストリングが形成された半導体装置のものであって、読出し動作、書込み動作または消去動作を行うための少なくとも1つのプレーンを複数のプレーンの中から選択するステップと、非選択プレーンのビット線を基準電圧に電気的に接続するステップとを有する。
【0018】
ある実施態様では、前記接続するステップは、非選択プレーンのビット線を、偶数ビット線または奇数ビット線を選択するビット線選択回路を介して仮想電源の基準電圧に接続する。ある実施態様では、前記ビット線選択回路は、非選択プレーンの偶数ビット線および奇数ビット線を仮想電源に接続する。ある実施態様では、仮想電源は、基準電圧を生成するための駆動能力の強いトランジスタと駆動能力の弱いトランジスタとを含み、非選択プレーンのビット線を基準電圧に接続するとき、前記駆動能力の弱いトランジスタがオンされ、前記駆動能力の強いトランジスタがオフされる。ある実施態様では、NANDストリングは、ビット線側選択トランジスタと複数のメモリセルとソース線側選択トランジスタとを含み、動作時、選択プレーンのビット線側選択トランジスタおよびソース線側選択トランジスタと非選択プレーンのビット線側選択トランジスタおよびソース線側選択トランジスタとに共通のゲート選択信号が印加される。
【0019】
本発明に係る半導体装置は、複数のプレーンを含み、各プレーンには、ビット線とソース線との間にNANDストリングが形成されたメモリセルアレイと、読出し動作、書込み動作または消去動作を行うための少なくとも1つのプレーンを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されない非選択プレーンのビット線を基準電圧に電気的に接続する接続手段とを有する。
【0020】
ある実施態様では、前記接続手段は、偶数ビット線または奇数ビット線を選択するビット線選択回路を含み、非選択プレーンのビット線は、前記ビット線選択回路を介して仮想電源に接続される。ある実施態様では、前記ビット線選択回路は、非選択プレーンの偶数ビット線および奇数ビット線を仮想電源に接続する。ある実施態様では、仮想電源は、基準電圧を生成するための駆動能力の強いトランジスタと駆動能力の弱いトランジスタとを含み、非選択プレーンのビット線を基準電圧に接続するとき、前記駆動能力の弱いトランジスタがオンされ、前記駆動能力の強いトランジスタがオフされる。ある実施態様では、NANDストリングは、ビット線側選択トランジスタと複数のメモリセルとソース線側選択トランジスタとを含み、動作時、選択プレーンのビット線側選択トランジスタおよびソース線側選択トランジスタと非選択プレーンのビット線側選択トランジスタおよびソース線側選択トランジスタとに共通のゲート選択信号が印加される。ある実施態様では、複数のプレーンに共通に、前記ゲート選択信号を生成するための駆動制御回路が設けられる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、非選択プレーンのビット線を基準電圧に電気的に接続することで、非動作時または非選択時にプレーンのNANDストリングに流れる不所望な電流の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来のマルチプレーンタイプのフラッシュメモリの概略を示す図である。
図2】メモリセルアレイのn番目のブロックのNANDストリングとこれに接続されたビット線選択回路の構成を示す図である。
図3】非選択プレーンにおけるNANDストリングおよびビット線選択回路の各トランジスタのバイアス電圧を示す図である。
図4】従来のマルチプレーンタイプのフラッシュメモリにおいて駆動制御回路が各プレーンに共有される構成を示す図である。
図5図4に示すフラッシュメモリの課題を説明する図である。
図6】本発明の実施例に係るNAND型フラッシュメモリの構成を示す図である。
図7】NAND型フラシュメモリの動作時に印加されるバイアス電圧を示すテーブルである。
図8】本発明の実施例に係る非選択プレーンの制御方法を示す図である。
図9】本発明の実施例に係る仮想電源の駆動回路の構成を示す図である。
図10】本発明の実施例に係る他の仮想電源の駆動回路の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明に係る半導体装置は、例えば、NAND型フラッシュメモリ、あるいはこのようなフラッシュメモリを埋め込むマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ロジック、ASIC、画像や音声を処理するプロセッサ、無線信号等の信号を処理するプロセッサなどである。
【実施例】
【0024】
図6は、本発明の実施例に係るマルチプレーンタイプのNAND型フラッシュメモリの構成を示す図である。本実施例のフラッシュメモリ100は、複数のプレーンP0、P1を含むメモリセルアレイ110と、外部入出力端子I/Oに接続されデータの入力または出力を行う入出力回路120と、入出力回路120からのアドレスデータを受け取るアドレスレジスタ130と、入出力バッファ120から受け取ったコマンドや外部制御信号(CLE、ALE等)に基づき各部を制御するコントローラ140と、アドレスレジスタ130からの行アドレス情報Axに基づきブロックの選択やワード線等の駆動を行うワード線選択・駆動回路150と、選択ページから読み出されたデータを保持したり、選択ページにプログラムすべきデータを保持するページバッファ/センス回路160と、アドレスレジスタ130からの列アドレス情報Ayに基づきページバッファ/センス回路160内のデータの選択等を行う列選択回路170と、データの読出し、プログラムおよび消去等のために必要な種々の電圧(書込み電圧Vpgm、パス電圧Vpass、消去電圧Vers、読出し電圧Vreadなど)を生成する内部電圧発生回路180とを含んで構成される。
【0025】
メモリアレイ110は、上記したように2つのプレーンP0、P1を含み、各プレーンには、列方向にm−1個のブロックが形成される。1つのブロックには、図2に示すように行方向に複数のNANDストリングが形成される。1つのNANDストリングは、ソース線側選択トランジスタSEL_S、ソース線側ダミーセルDCS、直列に接続された複数のメモリセルMC0〜MC31、ドレイン側ダミーセルDCD、ビット線側選択トランジスタSEL_Dとを含み、ソース線側選択トランジスタSEL_Sが共通ソース線SLに接続され、ビット線側選択トランジスタSEL_Dが対応するグローバルビット線BLEまたはBLOに接続される。
【0026】
メモリセルMC0〜MC31のゲートに接続されたワード線WL0〜WL31、およびダミーセルDCS、DCDのゲートに接続されたダミーワード線DWLS、DWLDは、ワード線選択・駆動回路150によって駆動される。ワード線選択・駆動回路150は、選択プレーンまたは非選択プレーンのワード線およびダミーワード線を個別に駆動制御することが可能である。また、ソース線側選択トランジスタSEL_Sおよびビット線側選択トランジスタSEL_Dのゲートには、ワード線選択・駆動回路150に含まれる駆動制御回路10(図4を参照)から選択信号SGSおよび選択信号SGDが供給される。駆動制御回路10は、複数のプレーンによって共有され、つまり、選択プレーンおよび非選択プレーンの各選択ブロックに対して選択信号SGS/SGDを共通に供給する。
【0027】
なお、NANDストリングは、基板表面に形成された2次元アレイ状であってもよいし、基板表面上に形成された半導体層を利用する3次元アレイ状であってもよい。また、1つのメモリセルは、1ビット(2値データ)を記憶するSLCタイプでもよいし、多ビットを記憶するMLCタイプであってもよい。
【0028】
各プレーンの各ブロックのNANDストリングは、ビット線側選択トランジスタSEL_Dを介してグローバルビット線BLE/BLOに接続され、グローバルビット線BLE/BLOは、ビット線選択回路20を介してページバッファ/センス回路160に接続される。
【0029】
図7は、フラッシュメモリの各動作時に印加されるバイアス電圧の一例を示したテーブルである。読出し動作では、ビット線に或る正の電圧を印加し、選択ワード線に或る読み出し電圧(例えば0V)を印加し、非選択ワード線に読み出しパス電圧Vpass(例えば4.5V)を印加し、選択信号SGD/SGSに正の電圧(例えば4.5V)を印加し、ビット線側選択トランジスタSEL_Dおよびソース線側選択トランジスタSEL_Sをオンし、共通ソース線に0Vを印加する。プログラム(書込み)動作では、選択ワード線に高電圧のプログラム電圧Vpgm(15〜20V)を印加し、非選択のワード線に中間電位(例えば10V)を印加し、ビット線側選択トランジスタSEL_Dをオンさせ、ソース線側選択トランジスタSEL_Sをオフさせ、「0」または「1」のデータに応じた電位をビット線に供給する。消去動作では、ブロック内の選択ワード線に0Vを印加し、Pウエルに高電圧(例えば20V)を印加し、ブロック単位でデータを消去する。
【0030】
マルチプレーンタイプのフラッシュメモリ100では、例えば、外部から入力された列アドレス情報Ayに基づきプレーンP0またはP1の選択が可能である。また、モードを選択するコマンドに応じてプレーンP0およびP1の双方を選択することも可能である。
コントローラ140は、読出し動作、プログラム動作および消去動作時に、選択プレーンおよび非選択プレーンを個別に制御することが可能である。ワード線選択・駆動回路150は、アドレス情報Axに基づきブロックを選択するためのHレベルのブロック選択信号BSELをパストランジスタのゲートに出力し、パストランジスタをオンさせるが、このブロック選択信号BSELは、同時に非選択プレーンにも出力される。つまり、選択プレーンのブロックに対応する非選択プレーンのブロックに接続されたパストランジスタもオンされる。また、上記したように、駆動制御回路10から出力される選択信号SGS/SGDは、フラッシュメモリの動作に応じた電圧で駆動され(図7を参照)、この駆動電圧がオン状態のパストランジスタを介して非選択プレーンのブロックに供給され、これが原因となって、非選択プレーンのNANDストリングに不所望のセル電流Icが流れる(図5を参照)。
【0031】
本実施例では、非選択プレーンのNANDストリングの不所望のセル電流Icを抑制するため、非選択プレーンのグローバルビット線を基準電圧(例えば、GNDレベル)に接続することで、グローバルビット線がフローティング状態の容量結合により電圧上昇するのを防止する。
【0032】
図8は、本実施例の非選択プレーンのグローバルビット線の制御方法を説明する図である。ここで、プレーンP0を選択プレーン、プレーンP1を非選択プレーンとし、選択ブロックnの選択ページの読出しが行われるものと仮定する。
【0033】
同図に示すように、非選択プレーンP1のグローバルビット線BLE/BLOは、ビット線選択回路20を介して仮想電源VIRPWRのGNDレベルに電気的に接続される。コントローラ140は、プレーンの選択が行われていない非選択プレーンのグローバルビット線BLE/BLOに接続されたビット線選択回路20を制御し、トランジスタYBLE/YBLOにHレベルの電圧YPASS(例えば、供給電圧VDDよりも大きな電圧)を印加し、偶数および奇数のグローバルビット線BLE/BLOを仮想電源VIRPWRに電気的に接続する。なお、図8には、1組の偶数および奇数のグローバルビット線BLE/BLOが例示されているが、実際には、非選択プレーンの全てのグローバルビット線がビット線選択回路を介して仮想電源VIRPWRのGNDに電気的に接続される。
【0034】
図9に、仮想電源VIRPWRの駆動回路を示す。駆動回路200は、供給電圧VDDと出力ノードNとの間に接続されたP型のプルアップトランジスタPUと、出力ノードNとGNDとの間に接続されたN型のプルダウントランジスタPDと、出力ノードNと出力端子VIRPWR_OUTとの間に接続されたN型のトランジスタQとを含む。これらトランジスタPU、PD、Qの各ゲートには、コントローラ140から制御信号S1、S2、S3が印加される。コントローラ140は、プレーンが非選択であるとき、プルアップトランジスタPUをオフ、プルダウントランジスタPDをオン、トランジスタQをオンさせ、出力端子VIRPWR_OUTにGNDを供給する。他方、選択プレーンでは、コントローラ140は、動作シーケンスに応じて制御信号S1、S2、S3をHレベルまたはLレベルに駆動し、出力端子VIRPWR_OUTからVDDやGNDを提供する。
【0035】
こうして、非選択プレーンP1のグローバルビット線BLE/BLOは、トランジスタYBLE/YBLOを介してGNDレベルの仮想電源VIRPWRに電気的に接続され、非動作時のグローバルビット線BLE/BLOがフローティング状態ではなくGNDレベルの電圧に固定される。
【0036】
読出し動作が開始されると、先ず選択プレーンP0では、ページバッファ/センス回路160を用いてグローバルビット線BLE/BLOおよびローカルビット線LBLE/LBLOのプリチャージが行われる。ローカルビット線LBLE/LBLOは、グローバルビット線GBLE/GBLからソース線SLに至るNANDストリングのパスである。駆動制御回路10(図4を参照)は、ビット線のプリチャージを行うため、選択プレーンP0および非選択プレーンP1に共通の選択信号SGDをGNDからHレベル(例えば、VSGD=4.5V)に駆動する。この駆動電圧は、選択プレーンP0および非選択プレーンP0のビット線側選択トランジスタSEL_Dのゲートに印加され、ビット線側選択トランジスタSEL_Dがオン状態になる。非選択プレーンP1のグローバルビット線BLE/BLOは、フローティング状態ではなくGNDレベルに固定された電圧であるため、グローバルビット線BLE/BLOの電圧は、選択信号SGDの駆動電圧VSGDの印加により上昇しない。つまり、ビット線側選択トランジスタSEL_Dのゲートとグローバルビット線BLE/BLOとの間の容量結合は事実上無視することができる。
【0037】
次に、選択プレーンP0では、ビット線にプリチャージされた電荷がディスチャージ(放電)される。駆動制御信号10は、ビット線のディスチャージを行うため、選択プレーンP0および非選択プレーンP1に共通の選択信号SGSをGNDからHレベル(例えば、VSGS=4.5V)に駆動する。この駆動電圧は、選択プレーンP0および非選択プレーンP1のソース線側選択トランジスタSEL_Sのゲートに印加され、ソース線側選択トランジスタSEL_Sがオン状態になる。このとき、非選択プレーンP1のグローバルビット線BLE/BLOはGNDレベルであるため、仮にメモリセルMC0〜MC31およびダミーセルDCS/DCDが強く消去された状態(しきい値が負)であったとしても、グローバルビット線BLE/BLOからローカルビット線LBLE/LBLOを介してソース線SLにセル電流Icが流れるのを防止することができる。それ故、非選択プレーンP1において、メモリセルのしきい値分布が変動することが防止される。
【0038】
次に、本発明の他の実施例について説明する。上記実施例では、非選択プレーンのグローバルビット線BLE/BLOからソース線SLに流れるセル電流Icの発生を抑制するが、グローバルビット線BLE/BLOをGNDにしたことで、ローカルビット線LBLE/LBLOの電圧が容量結合により上昇したとき、ローカルビット線LBLE/LBLOから、ビット線側選択トランジスタSEL_D、グローバルビット線BLE/BLOおよびビット線選択回路20を介して仮想電源VIRPWRにセル電流Ivが流れ得る。
【0039】
仮想電源VIRPWRの駆動回路200は、読出し動作時、いわゆるシールド読出しのために偶数ページまたは奇数ページの非選択ビット線をGNDに放電させる。グローバルビット線の配線容量は大きく、非選択ビット線を短時間でGNDに放電させるには、駆動回路200のプルダウントランジスタPDに強い駆動能力が要求される。しかし、このような駆動能力の強いプルダウントランジスタPDにより上記したセル電流Ivを放電させると、セル電流Ivが一気に流れることでローカルビット線LBLE/LBLOの電圧変動が大きくなり、メモリセルのしきい値に影響を及ぼすおそれがある。
【0040】
そこで、本実施例の仮想電源VIRPWRの駆動回路210は、図10(B)に示すように、図9に示す駆動能力の強いプルダウントランジスタPDに加えて、駆動能力の弱いプルダウントランジスタPD_Wを設け、駆動能力の弱いプルダウントランジスタPD_Wを利用してセル電流Ivを放電させる。駆動能力を異ならせる1つの方法として、プルダウントランジスタPD_Wの駆動能力は、プルダウントランジスタPDの駆動能力よりも小さく、つまり、プルダウントランジスタPD_WのW/L比は、プルダウンランジスタPDのW/L比よりも小さく構成され、それ故、プルダウントランジスタPD_Wが導通したときに流れるドレイン電流は、プルダウントランジスタPDが導通したときに流れるドレイン電流よりも小さい。この場合、駆動能力の強いプルダウントランジスタPDを駆動するときのゲート電圧と駆動能力の弱いプルダウントランジスタPD_Wを駆動するときのゲート電圧は同じ電圧レベルであってもよい。また、別の方法として、駆動能力の弱いプルトランジスタPD_Wを駆動するときのゲート電圧を、駆動能力の強いプルトランジスタPDを駆動するときのゲート電圧よりも小さくすることで、駆動能力の弱いプルダウントランジスタPD_Wを流れるドレイン電流を小さくするようにしてもよい。例えば、駆動能力の弱いプルダウントランジスタPD_Wのゲートには、カレントミラー回路により制御されたバイアス電圧が印加され、ドレイン電流が定電流化される。なお、トランジスタのW/L比を変えること、およびトランジスタのゲート電圧を変えることの双方を組合せてトランジスタの駆動能力を異ならせるようにしてもよい。
【0041】
次に、本実施例の動作について説明する。図10(A)に示すように、非選択プレーンP1の選択信号SGDがGNDからHレベル(例えば、VSGD=4.5V)に駆動されたとき、ゲートとグローバルビット線BLE/BLOとの間のカップリングは殆ど生じない。しかし、ビット線側選択トランジスタSEL_Dがオンするまでの期間中、つまり選択信号SGDの電圧VSGDがトランジスタのしきい値より小さいとき(VSGD<Vth)、ローカルビット線LBLE/LBLOはフローティングであり、ゲートとローカルビット線LBLE/LBLO間の容量結合によりローカルビット線LBLE/LBLOの電圧が幾分上昇する。その後、ビット線側選択トランジスタSEL_Dがオン状態になると、ローカルビット線LBLE/LBLOからビット線側選択トランジスタSEL_Dを介して仮想電源VIRPWRのGNDレベルに向けてセル電流Ivが流れる。
【0042】
仮想電源の駆動回路210は、制御信号S1、S2に応答してプルアップトランジスタPUおよび駆動能力の強いプルダウントランジスタPDをオフし、制御信号S4、S3に応答して駆動能力の弱いプルダウントランジスタPD_WおよびトランジスタQをオンさせる。これにより、セル電流Ivの放電速度または放電量が制限され、ローカルビット線LBLE/LBLOの急峻な電圧変動も抑制され、セル電流Ivによるメモリセルへの影響を出来るだけ小さくすることができる。制御信号S4の電圧は、制御信号S3の電圧と同様でも良いが、上記したように、トランジスタのゲート電圧により駆動能力を調整させたい場合には、制御信号S4の電圧は、図示しないカレントミラー回路で生成されたバイアス電圧を使用することで、駆動能力の弱いプルダウントランジスタPD_Wを流れるドレイン電流をより小さく制御することもできる。
【0043】
一方、選択プレーン側の仮想電源の駆動回路210は、例えば、シールド読出し等のために出力端子VIRPWR_OUTにGNDを提供するとき、制御信号S2、S4に応答して駆動能力の強いプルダウントランジスタPDと駆動能力の弱いプルダウントランジスタPR_Wの双方をオンし、非選択ビット線を短時間でGNDレベルに放電させることができる。
【0044】
上記実施例では、2つのプレーンを有するフラッシュメモリを例示したが、プレーンの数は2つに限らず、3つ以上であってもよい。例えば、プレーン数が4つであるとき、2つのプレーンにおいて1つの駆動制御回路10が共有され、残りの2つのプレーンにおいて1つの駆動制御回路10が供給されるようにしてもよいし、4つのプレーンにおいて1つの駆動制御回路10が共有されるようにしてもよい。
【0045】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0046】
10、10A、10B:駆動制御回路
20:ビット線選択回路
Ic:セル電流
BLE/BLO:グローバルビット線
LBLE/LBLO:ローカルビット線
PU:プルアップトランジスタ
PD、PD_W:プルダウントランジスタ
100:フラッシュメモリ
【要約】
【課題】 メモリセルのしきい値分布の安定化を図る高信頼性の半導体装置を提供する。
【解決手段】 本発明のフラッシュメモリは、複数のプレーンを含むメモリセルアレイと、読出し動作、書込み動作または消去動作を行うための少なくとも1つのプレーンを選択する選択手段と、選択手段によって選択されない非選択プレーンのビット線を基準電圧に電気的に接続する接続手段とを有する。接続手段は、偶数ビット線または奇数ビット線を選択するビット線選択回路20を含み、非選択プレーンのビット線BLE/BLOは、ビット線選択回路20を介して仮想電源VIRPWRのGNDに接続される。
【選択図】 図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10