(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記多数のデータラインのうちの少なくとも一部のデータラインに、前記第1タッチ駆動期間にデータ電圧が供給され、前記第2タッチ駆動期間に前記データ電圧の供給が中止される、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
前記第2タッチ駆動期間に前記第2電極に印加される信号は、前記第2タッチ駆動信号の周波数、位相、及び振幅のうちの少なくとも1つと対応する信号である、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
前記第1タッチ駆動信号と前記第2タッチ駆動信号はパルス形態の信号であり、前記第1タッチ駆動信号は周期的なパルス信号であり、前記第2タッチ駆動信号は非周期的なパルス信号である、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
前記第2タッチ駆動期間に、アップリンク信号が前記多数のタッチ電極のうちの少なくとも1つのタッチ電極からペンに転送され、前記第3タッチ駆動期間に、ダウンリンク信号が前記ペンから前記少なくとも1つのタッチ電極に転送される、請求項5に記載のタッチディスプレイ装置。
前記第1タッチ駆動期間にグラウンド信号が印加され、前記第2タッチ駆動期間に前記第2タッチ駆動信号に対応する信号が印加されるように、前記第2電極と電気的に連結される基底電圧ラインをさらに含む、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
前記第1タッチ駆動信号は前記第1タッチ駆動期間に前記第2電極に印加される前記定電圧と異なり、前記第2タッチ駆動信号は前記第2タッチ駆動期間に前記第2電極に印加される信号と同一である、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
前記多数のタッチ電極の各々は開口部を含むメッシュタイプであり、前記開口部は位置的に前記多数のサブピクセルの発光領域に対応する、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
前記第1タッチ駆動期間にディスプレイ駆動を遂行し、前記第2タッチ駆動期間にディスプレイ駆動を中止する、請求項15に記載のタッチディスプレイ装置の駆動方法。
前記第2タッチ駆動期間に前記ディスプレイ電極に印加される信号は、前記第2タッチ駆動信号の周波数、位相、及び振幅のうちの少なくとも1つと対応する信号である、請求項15に記載のタッチディスプレイ装置の駆動方法。
前記ディスプレイ電極はディスプレイ駆動のための電圧が印加される電極のうち、前記多数のタッチ電極と最も近接するように配置された電極である、請求項15に記載のタッチディスプレイ装置の駆動方法。
前記第1タッチ駆動信号は前記第1タッチ駆動期間に前記ディスプレイ電極に印加される前記定電圧と異なり、前記第2タッチ駆動信号は前記第2タッチ駆動期間に前記ディスプレイ電極に印加される信号と同一である、請求項15に記載のタッチディスプレイ装置の駆動方法。
前記第2タッチ駆動期間に、アップリンク信号が前記多数のタッチ電極のうちの少なくとも1つのタッチ電極からペンに転送され、前記第3タッチ駆動期間に、ダウンリンク信号が前記ペンから前記少なくとも1つのタッチ電極に転送される、請求項21に記載のタッチディスプレイ装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一部の実施形態を添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するに当たって、同一な構成要素に対してはたとえ他の図面上に表示されても、できる限り同一な符号を有することができる。また、本発明を説明するに当たって、関連した公知構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすることがあると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。
【0018】
また、本発明の構成要素を説明するに当たって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語により当該構成要素の本質や回順序または順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に“連結”、“結合”、または“接続”されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結、または接続できるが、各構成要素の間に更に他の構成要素が“連結”、“結合”、または“接続”されることもできると理解されるべきである。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100の例示を示した図である。
【0020】
図1を参照すると、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100は、映像表示機能を提供するだけでなく、指やペンなどによるタッチをセンシングする機能を提供することができる。
【0021】
ここで、“ペン”は信号送受信機能を有するか、タッチディスプレイ装置100と連動動作を遂行することができるか、自体電源を含むアクティブペン(Active Pen)でありうるが、これに限定されるのではない。
【0022】
本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100は、一例に、テレビ(TV)、モニターなどでありえ、タブレット、スマートフォンなどのモバイルデバイスでありうる。
【0023】
本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100は、映像表示機能を提供するためのディスプレイパートとタッチセンシング機能を提供するためのタッチセンシングパートを含むことができる。
【0024】
図2は、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100の概略的なシステム構成を示した図である。
【0025】
図2を参照すると、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100は映像ディスプレイのための機能とタッチセンシングのための機能を全て提供することができる。
【0026】
映像ディスプレイ機能を提供するために、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100は、多数のデータライン及び多数のゲートラインが配置され、多数のデータライン及び多数のゲートラインにより定義された多数のサブピクセルが配列されたディスプレイパネルDISPと、多数のデータラインを駆動するデータ駆動回路DDCと、多数のゲートラインを駆動するゲート駆動回路GDCと、データ駆動回路DDC及びゲート駆動回路GDCの動作を制御するディスプレイコントローラDCTRなどを含むことができる。
【0027】
データ駆動回路DDC、ゲート駆動回路GDC、及びディスプレイコントローラDCTRの各々は1つ以上の個別部品で具現されることもできる。場合によって、データ駆動回路DDC、ゲート駆動回路GDC、及びディスプレイコントローラDCTRのうちの2つ以上は1つの部品に統合されて具現されることもできる。例えば、データ駆動回路DDCとディスプレイコントローラDCTRは1つの集積回路チップ(IC Chip)で具現できる。
【0028】
タッチセンシング機能を提供するために、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100は、多数のタッチ電極を含むタッチパネルTSPと、タッチパネルTSPにタッチ駆動信号を供給し、タッチパネルTSPからタッチセンシング信号を検出して、検出されたタッチセンシング信号に基づいてタッチパネルTSPでのユーザのタッチ有無またはタッチ位置(タッチ座標)をセンシングするタッチセンシング回路TSCを含むことができる。
【0029】
タッチセンシング回路TSCは、一例に、タッチパネルTSPにタッチ駆動信号を供給し、タッチパネルTSPからタッチセンシング信号を検出するタッチ駆動回路TDCと、タッチ駆動回路TDCにより検出されたタッチセンシング信号に基づいてタッチパネルTSPでのユーザのタッチ有無及び/又はタッチ位置をセンシングするタッチコントローラTCTRなどを含むことができる。
【0030】
タッチ駆動回路TDCは、タッチパネルTSPにタッチ駆動信号を供給する第1回路パートと、タッチパネルTSPからタッチセンシング信号を検出する第2回路パートを含むことができる。
【0031】
タッチ駆動回路TDC及びタッチコントローラTCTRは別途の部品で具現されるか、場合によって、1つの部品に統合されて具現されることもできる。
【0032】
一方、データ駆動回路DDC、ゲート駆動回路GDC、及びタッチ駆動回路TDCの各々は1つ以上の集積回路で具現されることができ、ディスプレイパネルDISPとの電気的な連結の観点で、COG(Chip On Glass)タイプ、COF(Chip On Film)タイプ、またはTCP(Tape Carrier Package)タイプなどで具現されることができ、ゲート駆動回路GDCはGIP(Gate In Panel)タイプでも具現できる。
【0033】
一方、ディスプレイ駆動のための回路構成(DDC、GDC、DCTR)とタッチセンシングのための回路構成(TDC、TCTR)の各々は1つ以上の個別部品で具現できる。場合によって、ディスプレイ駆動のための回路構成(DDC、GDC、DCTR)のうちの1つ以上とタッチセンシングのための回路構成(TDC、TCTR)のうちの1つ以上は機能的に統合されて1つ以上の部品で具現されることもできる。
【0034】
例えば、データ駆動回路DDCとタッチ駆動回路TDCは1つまたは2つ以上の集積回路チップに統合できる。データ駆動回路DDCとタッチ駆動回路TDCが2つ以上の集積回路チップに統合される場合、2つ以上の集積回路チップの各々はデータ駆動機能とタッチ駆動機能を有することができる。
【0035】
一方、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100は、有機発光ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置などの多様なタイプでありうる。以下では、説明の便宜のために、タッチディスプレイ装置100が有機発光ディスプレイ装置のものとして例を挙げて説明する。即ち、ディスプレイパネルDISPは有機発光ディスプレイパネル、液晶ディスプレイパネルなどの多様なタイプでありうるが、以下では、説明の便宜のためにディスプレイパネルDISPが有機発光ディスプレイパネルのものとして例を挙げて説明する。
【0036】
また一方、後述するが、タッチパネルTSPはタッチ駆動信号が印加されるか、またはタッチセンシング信号が検出できる多数のタッチ電極と、このような多数のタッチ電極をタッチ駆動回路TDCと連結させるための多数のタッチルーティング配線などを含むことができる。
【0037】
タッチパネルTSPはディスプレイパネルDISPの外部に存在することもできる。即ち、タッチパネルTSPとディスプレイパネルDISPは別途に製作されて結合できる。このようなタッチパネルTSPを外装型タイプまたはアド−オン(Add-on)タイプという。
【0038】
これとは異なり、タッチパネルTSPはディスプレイパネルDISPの内部に内蔵されることもできる。即ち、ディスプレイパネルDISPを製作する時、タッチパネルTSPを構成する多数のタッチ電極と多数のタッチルーティング配線などのタッチセンサー構造は、ディスプレイ駆動のための電極及び信号ラインと共に形成できる。このようなタッチパネルTSPを内蔵型タイプという。以下では、説明の便宜のために、タッチパネルTSPが内蔵型タイプである場合を例として説明する。
【0039】
図3は、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100のディスプレイパネルDISPを概略的に示した図である。
【0040】
図3を参照すると、ディスプレイパネルDISPは映像が表示されるアクティブ領域AAと、アクティブ領域AAの外郭境界ラインBLの外郭領域であるノン−アクティブ領域NAを含むことができる。
【0041】
ディスプレイパネルDISPのアクティブ領域AAには、映像ディスプレイのための多数のサブピクセルが配列され、ディスプレイ駆動のための各種の電極や信号ラインが配置される。
【0042】
また、ディスプレイパネルDISPのアクティブ領域AAには、タッチセンシングのための多数のタッチ電極と、これらと電気的に連結された多数のタッチルーティング配線などが配置できる。これによって、アクティブ領域AAはタッチセンシング可能なタッチセンシング領域ともいうことができる。
【0043】
ディスプレイパネルDISPのノン−アクティブ領域NAには、アクティブ領域AAに配置された各種の信号ラインが延びたリンクラインまたはアクティブ領域AAに配置された各種の信号ラインと電気的に連結されたリンクラインと、このリンクラインに電気的に連結されたパッドが配置できる。ノン−アクティブ領域NAに配置されたパッドはディスプレイ駆動回路(DDC、GDCなど)がボンディングされるか、または電気的に連結できる。
【0044】
また、ディスプレイパネルDISPのノン−アクティブ領域NAには、アクティブ領域AAに配置された多数のタッチルーティング配線が延びたリンクラインまたはアクティブ領域AAに配置された多数のタッチルーティング配線と電気的に連結されたリンクラインと、このリンクラインに電気的に連結されたパッドが配置できる。ノン−アクティブ領域NAに配置されたパッドは、タッチ駆動回路TDCがボンディングされるか、または電気的に連結できる。
【0045】
ノン−アクティブ領域NAには、アクティブ領域AAに配置された多数のタッチ電極のうち、最外郭のタッチ電極の一部が拡張された部分が存在することもでき、アクティブ領域AAに配置された多数のタッチ電極と同一な物質の1つ以上の電極(タッチ電極)がさらに配置されることもできる。
【0046】
即ち、ディスプレイパネルDISPに配置された多数のタッチ電極はアクティブ領域AA内に全て存在するか、ディスプレイパネルDISPに配置された多数のタッチ電極のうちの一部(例:最外郭のタッチ電極)はノン−アクティブ領域NAに存在するか、またはディスプレイパネルDISPに配置された多数のタッチ電極のうちの一部(例:最外郭のタッチ電極)はアクティブ領域AAとノン−アクティブ領域NAに渡っていることもできる。
【0047】
一方、
図3を参照すると、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置のディスプレイパネルDISPは、アクティブ領域AA内の如何なる層(Layer、例:有機発光ディスプレイパネルでの封止部)が崩れることを防止するためのダム(Dam)が配置されるダム領域DAを含むことができる。
【0048】
ダム領域DAは、アクティブ領域AAとノン−アクティブ領域NAの境界地点やアクティブ領域AAの外郭領域であるノン−アクティブ領域NAの任意の地点に位置することができる。
【0049】
ダム領域DAに配置されるダムは、アクティブ領域AAの全ての方向を囲みながら配置されるか、またはアクティブ領域AAの1つまたは2つ以上の部分(例:崩れやすい層のある部分)の外郭のみに配置されることもできる。
【0050】
ダム領域DAに配置されるダムは、全て連結される1つのパターンでありえ、断絶された2つ以上のパターンからなることもできる。また、ダム領域DAは1次ダムのみ配置されることもでき、2つのダム(1次ダム、2次ダム)が配置されることもでき、3個以上のダムが配置されることもできる。
【0051】
ダム領域DAで、一方向では1次ダムのみがあり、他の一方向では1次ダムと2次ダムが全てあることもある。
【0052】
図4は、本発明の実施形態に従うディスプレイパネルDISPにタッチパネルTSPが内蔵される構造を例示的に示した図である。
【0053】
図4を参照すると、ディスプレイパネルDISPのアクティブ領域AAには、基板SUB上に多数のサブピクセルSPが配列される。
【0054】
各サブピクセルSPは、発光素子EDと、発光素子EDを駆動するための第1トランジスタT1と、第1トランジスタT1の第1ノードN1にデータ電圧(VDATA)を伝達するための第2トランジスタT2と、1フレームの間一定電圧を維持するためのストレージキャパシターCstなどを含むことができる。
【0055】
第1トランジスタT1はデータ電圧が印加できる第1ノードN1、発光素子EDと電気的に連結される第2ノードN2、及び駆動電圧ラインDVLから駆動電圧VDDが印加される第3ノードN3を含むことができる。第1ノードN1はゲートノードであり、第2ノードN2はソースノードまたはドレインノードでありえ、第3ノードN3はドレインノードまたはソースノードでありうる。このような第1トランジスタT1は発光素子EDを駆動する駆動トランジスタともいう。
【0056】
発光素子EDは、第1電極(例:アノード電極)、発光層、及び第2電極(例:カソード電極)を含むことができる。第1電極は、第1トランジスタT1の第2ノードN2と電気的に連結され、第2電極は基底電圧VSSが印加できる。
【0057】
このような発光素子EDで発光層は有機物を含む有機発光層でありうる。この場合、発光素子EDは有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)でありうる。
【0058】
第2トランジスタT2は、ゲートラインGLを通じて印加されるスキャン信号(SCAN)によりオン−オフが制御され、第1トランジスタT1の第1ノードN1とデータラインDLとの間に電気的に連結できる。このような第2トランジスタT2はスイッチングトランジスタともいう。
【0059】
第2トランジスタT2はスキャン信号(SCAN)によりターン−オンされれば、データラインDLから供給されたデータ電圧(VDATA)を第1トランジスタT1の第1ノードN1に伝達する。
【0060】
ストレージキャパシターCstは、第1トランジスタT1の第1ノードN1と第2ノードN2との間に電気的に連結できる。
【0061】
各サブピクセルSPは、
図4に図示したように、2つのトランジスタT1、T2と1つのキャパシターCstを含む2T1C構造を有することができ、場合によって、1つ以上のトランジスタをさらに含むか、または1つ以上のキャパシタをさらに含むこともできる。
【0062】
ストレージキャパシタCstは、第1トランジスタT1の第1ノードN1と第2ノードN2との間に存在できる内部キャパシタ(Internal Capacitor)である寄生キャパシタ(例:Cgs、Cgd)でなく、第1トランジスタT1の外部に意図的に設計した外部キャパシタ(External Capacitor)でありうる。
【0063】
第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2の各々はnタイプトランジスタであるか、またはpタイプトランジスタでありうる。
【0064】
一方、前述したように、ディスプレイパネルDISPには発光素子ED、2つ以上のトランジスタT1、T2、及び1つ以上のキャパシタCstなどの回路素子が配置される。このような回路素子(特に、発光素子ED)は外部の水分や酸素などに脆弱であるので、外部の水分や酸素が回路素子(特に、発光素子ED)に侵入することを防止するための封止部ENCAPがディスプレイパネルDISPに配置できる。
【0065】
このような封止部ENCAPは1つの層となっていることもできるが、多数の層となっていることもできる。
【0066】
一方、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100では、タッチパネルTSPが封止部ENCAP上に形成できる。
【0067】
即ち、タッチディスプレイ装置100で、タッチパネルTSPをなす多数のタッチ電極TEなどのタッチセンサー構造は封止部ENCAP上に配置できる。
【0068】
タッチセンシング時、タッチ電極TEにはタッチ駆動信号またはタッチセンシング信号が印加できる。したがって、タッチセンシング時、封止部ENCAPを挟んで配置されるタッチ電極TEとカソード電極との間には電位差が形成されて不必要な寄生キャパシタンスが形成できる。このような寄生キャパシタンスはタッチ感度を低下させることがあるので、寄生キャパシタンスを低下させるために、タッチ電極TEとカソード電極との間の距離は、パネル厚さ、パネル製作工程、及びディスプレイ性能などを考慮して一定値(例:1μm)以上になるように設計できる。このために、一例に、封止部ENCAPの厚さは最小1μm以上に設計できる。
【0069】
図5及び
図6は、本発明の実施形態に従うディスプレイパネルDISPに配置されたタッチ電極TEのタイプを例示的に示した図である。
【0070】
図5に図示したように、ディスプレイパネルDISPに配置された各タッチ電極TEは開口部のない板形状の電極メタルでありうる。この場合、各タッチ電極TEは透明電極でありうる。即ち、各タッチ電極TEは以下に配置された多数のサブピクセルSPで発光された光が上に透過できるように透明電極物質からなっていることができる。
【0071】
これとは異なり、
図6に図示したように、ディスプレイパネルDISPに配置された各タッチ電極TEはメッシュ(Mesh)タイプでパターニングされて2つ以上の開口部OAを有する電極メタルEMでありうる。
【0072】
電極メタルEMは実質的なタッチ電極TEに該当する部分であって、タッチ駆動信号が印加されるか、またはタッチセンシング信号が感知される部分である。
【0073】
図6に図示したように、各タッチ電極TEがメッシュタイプでパターニングできた電極メタルEMである場合、タッチ電極TEの領域には2つ以上の開口部OAが存在することができる。
【0074】
各タッチ電極TEに存在する2つ以上の開口部OAの各々は、1つ以上のサブピクセルSPの発光領域と対応できる。即ち、多数の開口部OAは以下に配置された多数のサブピクセルSPで発光された光が上に経る経路となる。以下では、説明の便宜のために、各タッチ電極TEがメッシュタイプの電極メタルEMであることを例として説明する。
【0075】
各タッチ電極TEに該当する電極メタルEMは2つ以上のサブピクセルSPの発光領域でない領域に配置されるバンク上に位置することができる。
【0076】
一方、多数個のタッチ電極TEを形成する方法として、電極メタルEMをメッシュタイプで広く形成した以後、電極メタルEMを定まったパターンにカッティングして電極メタルEMを電気的に分離させて、多数個のタッチ電極TEを作ることができる。
【0077】
タッチ電極TEの外郭線形態は、
図5及び
図6のように、ダイアモンド形状、菱形などの四角形でありえ、三角形、五角形、または六角形などの多様な形態でありうる。
【0078】
図7は、
図6のメッシュタイプのタッチ電極TEを例示的に示した図である。
【0079】
図7を参照すると、各タッチ電極TEの領域には、メッシュタイプの電極メタルEMと途切れている1つ以上のダミーメタルDMが存在することができる。
【0080】
電極メタルEMは実質的なタッチ電極TEに該当する部分であって、タッチ駆動信号が印加されるか、またはタッチセンシング信号が感知される部分であるが、ダミーメタルDMはタッチ電極TEの領域内に存在するとはいうものの、タッチ駆動信号が印加されず、タッチセンシング信号も感知されない部分である。即ち、ダミーメタルDMは電気的にフローティング(Floating)されたメタルでありうる。
【0081】
したがって、電極メタルEMはタッチ駆動回路TDCと電気的に連結できるが、ダミーメタルDMはタッチ駆動回路TDCと電気的に連結されない。
【0082】
全てのタッチ電極TEの各々の領域の中には、1つ以上のダミーメタルDMが電極メタルEMと途切れた状態で存在することができる。
【0083】
これとは異なり、全てのタッチ電極TEのうちの一部の各タッチ電極TEの領域内のみに、1つ以上のダミーメタルDMが電極メタルEMと途切れた状態で存在することもできる。即ち、一部のタッチ電極TEの領域内にはダミーメタルDMが存在しないこともある。
【0084】
一方、ダミーメタルDMの役割と関連して、
図6に図示したように、タッチ電極TEの領域内に1つ以上のダミーメタルDMが存在せず、電極メタルEMのみメッシュタイプで存在する場合、画面上に電極メタルEMの輪郭が見える視認性の問題が発生することがある。
【0085】
これに比べて、
図7に図示したように、タッチ電極TEの領域内に1つ以上のダミーメタルDMが存在する場合、画面上に電極メタルEMの輪郭が見える視認性の問題が防止できる。
【0086】
また、各タッチ電極TE別に、ダミーメタルDMの存在有無または個数(ダミーメタル比率)を調節することによって、各タッチ電極TE別にキャパシタンスのサイズを調節してタッチ感度を向上させることもできる。
【0087】
一方、1つのタッチ電極TEの領域内に形成された電極メタルEMで一部の地点をカッティングすることで、カッティングされた電極メタルEMがダミーメタルDMとして形成できる。即ち、電極メタルEMとダミーメタルDMは同一な層に形成された同一な物質でありうる。
【0088】
一方、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100はタッチ電極TEに形成されるキャパシタンス(Capacitance)に基盤してタッチをセンシングすることができる。
【0089】
本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100はキャパシタンス基盤のタッチセンシング方式であって、ミューチュアル−キャパシタンス(Mutual-capacitance)基盤のタッチセンシング方式によりタッチをセンシングすることもでき、セルフ−キャパシタンス(Self-capacitance)基盤のタッチセンシング方式によりタッチをセンシングすることもできる。
【0090】
ミューチュアル−キャパシタンス(Mutual-capacitance)基盤のタッチセンシング方式の場合、多数のタッチ電極TEはタッチ駆動信号が印加される駆動タッチ電極(送信タッチ電極またはTXタッチ電極)と、タッチセンシング信号が検出され、駆動タッチ電極とキャパシタンスを形成するセンシングタッチ電極(受信タッチ電極またはRXタッチ電極)に分類できる。
【0091】
このようなミューチュアル−キャパシタンス基盤のタッチセンシング方式の場合、タッチセンシング回路TSCは指、ペンなどのポインタの有無に従う駆動タッチ電極とセンシングタッチ電極との間のキャパシタンス(ミューチュアル−キャパシタンス)の変化に基づいてタッチ有無及び/又はタッチ座標などをセンシングする。
【0092】
セルフ−キャパシタンス(Self-capacitance)基盤のタッチセンシング方式の場合、各タッチ電極TEは駆動タッチ電極とセンシングタッチ電極の役割を全て有する。即ち、タッチセンシング回路TSCは1つ以上のタッチ電極TEにタッチ駆動信号を印加し、タッチ駆動信号が印加されたタッチ電極TEを通じてタッチセンシング信号を検出して、検出されたタッチセンシング信号に基づいて指、ペンなどのポインタとタッチ電極TEとの間のキャパシタンスの変化を把握してタッチ有無及び/又はタッチ座標などをセンシングする。セルフ−キャパシタンス基盤のタッチセンシング方式では、駆動タッチ電極とセンシングタッチ電極の区分がない。
【0093】
このように、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100はミューチュアル−キャパシタンス基盤のタッチセンシング方式によりタッチをセンシングすることもでき、セルフ−キャパシタンス基盤のタッチセンシング方式によりタッチをセンシングすることもできる。但し、以下では、説明の便宜のために、タッチディスプレイ装置100はミューチュアル−キャパシタンス基盤のタッチセンシングを遂行し、このためにタッチセンサー構造を有することを例として説明する。
【0094】
図8は本発明の実施形態に従うディスプレイパネルDISPでのタッチセンサー構造を簡略に示した図であり、
図9は
図8のタッチセンサー構造の具現例示図である。
【0095】
図8を参照すると、ミューチュアル−キャパシタンス基盤のタッチセンシングのためのタッチセンサー構造は、多数のX−タッチ電極ラインX−TELと多数のY−タッチ電極ラインY−TELを含むことができる。ここで、多数のX−タッチ電極ラインX−TELと多数のY−タッチ電極ラインY−TELは封止部ENCAP上に位置する。
【0096】
多数のX−タッチ電極ラインX−TELの各々は第1方向に配置され、多数のY−タッチ電極ラインY−TELの各々は第1方向と異なる第2方向に配置できる。
【0097】
本明細書で、第1方向及び第2方向は相対的に互いに異なる方向でありえ、一例に、第1方向はx軸方向であり、第2方向はy軸方向でありうる。これと反対に、第1方向はy軸方向であり、第2方向はx軸方向でありうる。また、第1方向及び第2方向は互いに直交することもあるが、直交しないこともある。また、本明細書で、行と列は相対的なものであって、見る観点によって行と列は変わることができる。
【0098】
多数のX−タッチ電極ラインX−TELの各々は電気的に連結された多数個のX−タッチ電極X−TEで構成できる。多数のY−タッチ電極ラインY−TELの各々は電気的に連結された多数個のY−タッチ電極Y−TEで構成できる。
【0099】
ここで、多数のX−タッチ電極X−TEと多数のY−タッチ電極Y−TEは多数のタッチ電極TEに含まれ、役割(機能)が区分される電極である。
【0100】
たとえ、多数のX−タッチ電極ラインX−TELの各々を構成する多数のX−タッチ電極X−TEは駆動タッチ電極であり、多数のY−タッチ電極ラインY−TELの各々を構成する多数のY−タッチ電極Y−TEはセンシングタッチ電極でありうる。この場合、多数のX−タッチ電極ラインX−TELの各々は駆動タッチ電極ラインに該当し、多数のY−タッチ電極ラインY−TELの各々はセンシングタッチ電極ラインに該当する。
【0101】
これと反対に、多数のX−タッチ電極ラインX−TELの各々を構成する多数のX−タッチ電極X−TEはセンシングタッチ電極であり、多数のY−タッチ電極ラインY−TELの各々を構成する多数のY−タッチ電極Y−TEは駆動タッチ電極でありうる。この場合、多数のX−タッチ電極ラインX−TELの各々はセンシングタッチ電極ラインに該当し、多数のY−タッチ電極ラインY−TELの各々は駆動タッチ電極ラインに該当する。
【0102】
タッチセンシングのためのタッチセンサーメタルは、多数のX−タッチ電極ラインX−TELと多数のY−タッチ電極ラインY−TELの他にも、多数のタッチルーティング配線TLを含むことができる。
【0103】
多数のタッチルーティング配線TLは、多数のX−タッチ電極ラインX−TELの各々に連結される1つ以上のX−タッチルーティング配線X−TLと、多数のY−タッチ電極ラインY−TELの各々に連結される1つ以上のY−タッチルーティング配線Y−TLを含むことができる。
【0104】
図9を参照すると、多数のX−タッチ電極ラインX−TELの各々は、同一な行(または、列)に配置される複数のX−タッチ電極X−TEと、これらを電気的に連結する1つ以上のX−タッチ電極連結配線X−CLを含むことができる。ここで、隣接した2つのX−タッチ電極X−TEを連結するX−タッチ電極連結配線X−CLは、隣接した2つのX−タッチ電極X−TEと一体化したメタルでありえ(
図9の例示)、コンタクトホールを通じて隣接した2つのX−タッチ電極X−TEと連結されるメタルでありうる。
【0105】
多数のY−タッチ電極ラインY−TELの各々は、同一な列(または、行)に配置される複数のY−タッチ電極Y−TEと、これらを電気的に連結する1つ以上のY−タッチ電極連結配線Y−CLを含むことができる。ここで、隣接した2つのY−タッチ電極Y−TEを連結するY−タッチ電極連結配線Y−CLは、隣接した2つのY−タッチ電極Y−TEと一体化されたメタルでありえ、コンタクトホールを通じて隣接した2つのY−タッチ電極Y−TEと連結されるメタルでありうる(
図9の例示)。
【0106】
X−タッチ電極ラインX−TELとY−タッチ電極ラインY−TELが交差する領域(タッチ電極ライン交差領域)では、X−タッチ電極連結配線X−CLとY−タッチ電極連結配線Y−CLが交差できる。
【0107】
このように、タッチ電極ライン交差領域で、X−タッチ電極連結配線X−CLとY−タッチ電極連結配線Y−CLが交差した場合、X−タッチ電極連結配線X−CLとY−タッチ電極連結配線Y−CLは互いに異なる層に位置しなければならない。
【0108】
したがって、多数のX−タッチ電極ラインX−TELと多数のY−タッチ電極ラインY−TELが交差するように配置されるために、多数のX−タッチ電極X−TE、多数のX−タッチ電極連結配線X−CL、多数のY−タッチ電極Y−TE、多数のY−タッチ電極ラインY−TEL、多数のY−タッチ電極連結配線Y−CLは2つ以上の層に位置することができる。
【0109】
図9を参照すると、多数のX−タッチ電極ラインX−TELの各々は1つ以上のX−タッチルーティング配線X−TLを通じて該当X−タッチパッドX−TPと電気的に連結される。即ち、1つのX−タッチ電極ラインX−TELに含まれた複数のX−タッチ電極X−TEのうち、最外郭に配置されたX−タッチ電極X−TEはX−タッチルーティング配線X−TLを通じて該当X−タッチパッドX−TPと電気的に連結される。
【0110】
多数のY−タッチ電極ラインY−TELの各々は1つ以上のY−タッチルーティング配線Y−TLを通じて該当Y−タッチパッドY−TPと電気的に連結される。即ち、1つのY−タッチ電極ラインY−TELに含まれた複数のY−タッチ電極Y−TEのうち、最外郭に配置されたY−タッチ電極Y−TEはY−タッチルーティング配線Y−TLを通じて該当Y−タッチパッドY−TPと電気的に連結される。
【0111】
一方、
図9に図示したように、多数のX−タッチ電極ラインX−TEL及び多数のY−タッチ電極ラインY−TELは封止部ENCAP上に配置できる。即ち、多数のX−タッチ電極ラインX−TELを構成する多数のX−タッチ電極X−TEと多数のX−タッチ電極連結配線X−CLは、封止部ENCAP上に配置できる。多数のY−タッチ電極ラインY−TELを構成する多数のY−タッチ電極Y−TEと多数のY−タッチ電極連結配線Y−CLは、封止部ENCAP上に配置できる。
【0112】
一方、
図9に図示したように、多数のX−タッチ電極ラインX−TELに電気的に連結された多数のX−タッチルーティング配線X−TLの各々は封止部ENCAP上に配置されながら封止部ENCAPのない個所まで延びて多数のX−タッチパッドX−TPと電気的に連結できる。多数のY−タッチ電極ラインY−TELに電気的に連結された多数のY−タッチルーティング配線Y−TLの各々は封止部ENCAP上に配置されながら封止部ENCAPのない個所まで延びて多数のY−タッチパッドY−TPと電気的に連結できる。ここで、封止部ENCAPはアクティブ領域AA内に位置することができ、場合によって、ノン−アクティブ領域NAまで拡張されることもできる。
【0113】
一方、前述したように、アクティブ領域AA内の如何なる層(Layer、例:有機発光ディスプレイパネルでの封止部)が崩れることを防止するために、アクティブ領域AAとノン−アクティブ領域NAの境界領域またはアクティブ領域AAの外郭領域であるノン−アクティブ領域NAにダム領域DAが存在することができる。
【0114】
図9に図示したように、一例に、ダム領域DAには1次ダムDAM1と2次ダムDAM2が配置できる。ここで、2次ダムDAM2は1次ダムDAM1より外郭に位置することができる。
【0115】
図9の例示とは異なり、ダム領域DAに1次ダムDAM1のみ位置することもでき、場合によって、ダム領域DAに1次ダムDAM1と2次ダムDAM2だけでなく、1つ以上の追加的なダムがさらに配置されることもできる。
【0116】
一方、
図9を参照すると、封止部ENCAPが1次ダムDAM1の側面に位置するか、または封止部ENCAPが1次ダムDAM1の側面は勿論、上部にも位置することができる。
【0117】
図10は本発明の実施形態に従うディスプレイパネルDISPの部分的な断面図であって、
図9のX−X’断面図である。但し、
図10では、タッチ電極TEが板形状に図示されており、これは例示であり、メッシュタイプとなっていることもできる。
【0118】
アクティブ領域AA内の各サブピクセルSPでの駆動トランジスタである第1トランジスタT1は基板SUB上に配置される。
【0119】
第1トランジスタT1は、ゲート電極に該当する第1ノード電極NE1、ソース電極またはドレイン電極に該当する第2ノード電極NE2、ドレイン電極またはソース電極に該当する第3ノード電極NE3及び半導体層SEMIなどを含む。
【0120】
第1ノード電極NE1と半導体層SEMIはゲート絶縁膜GIを挟んで重畳できる。第2ノード電極NE2は絶縁層INS上に形成されて半導体層SEMIの一側と接触し、第3ノード電極NE3は絶縁層INS上に形成されて半導体層SEMIの他側と接触することができる。
【0121】
発光素子EDはアノード電極(または、カソード電極)に該当する第1電極E1と、第1電極E1上に形成される発光層ELと、発光層ELの上に形成されたカソード電極(または、アノード電極)に該当する第2電極E2などを含むことができる。
【0122】
第1電極E1は平坦化膜PLNを貫通する画素コンタクトホールを通じて露出した第1トランジスタT1の第2ノード電極NE2と電気的に接続される。
【0123】
発光層ELはバンクBANKにより設けられた発光領域の第1電極E1上に形成される。発光層ELは第1電極E1上に正孔関連層、発光層、電子関連層の順に、または逆順に積層されて形成される。第2電極E2は発光層ELを挟んで第1電極E1と対向するように形成される。
【0124】
封止部ENCAPは外部の水分や酸素に脆弱な発光素子EDに外部の水分や酸素が侵入することを遮断する。
【0125】
このような封止部ENCAPは1つの層となっていることもあるが、
図10に図示したように、多数の層(PAS1、PCL、PAS2)となっていることもある。
【0126】
例えば、封止部ENCAPが多数の層(PAS1、PCL、PAS2)からなる場合、封止部ENCAPは1つ以上の無機封止層PAS1、PAS2と1つ以上の有機封止層PCLを含むことができる。具体的な例として、封止部ENCAPは第1無機封止層PAS1、有機封止層PCL、及び第2無機封止層PAS2が順に積層された構造となっていることができる。
【0127】
ここで、有機封止層PCLは、少なくとも1つの有機封止層または少なくとも1つの無機封止層をさらに含むこともできる。
【0128】
第1無機封止層PAS1は発光素子EDと最も近接するようにカソード電極に該当する第2電極E2が形成された基板SUB上に形成される。このような第1無機封止層PAS1は、一例に、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiON)、または酸化アルミニウム(Al
2O
3)のような低温蒸着可能な無機絶縁材質で形成される。第1無機封止層PAS1が低温雰囲気で蒸着されるので、第1無機封止層PAS1は蒸着工程時、高温雰囲気に脆弱な有機物を含む発光層ELが損傷されることを防止することができる。
【0129】
有機封止層PCLは第1無機封止層PAS1より小さな面積で形成されることができ、この場合、有機封止層PCLは第1無機封止層PAS1の両端部を露出させるように形成できる。有機封止層PCLは有機発光ディスプレイ装置であるタッチディスプレイ装置の撓みに伴った各層の間の応力を緩和させる緩衝役割をし、平坦化性能を強化する役割をすることができる。有機封止層PCLは、一例に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、またはシリコンオキシカーボン(SiOC)のような有機絶縁材質で形成できる。
【0130】
一方、有機封止層PCLがインクジェット方式により形成される場合、ノン−アクティブ領域NA及びアクティブ領域AAの境界領域やノン−アクティブ領域NA内の一部の領域に該当するダム領域DAに1つまたは2つ以上のダムDAMが形成できる。
【0131】
例えば、
図10に図示したように、ダム領域DAはノン−アクティブ領域NAで多数のX−タッチパッドX−TP及び多数のY−タッチパッドY−TPが形成されたパッド領域とアクティブ領域AAとの間に位置し、このようなダム領域DAにはアクティブ領域AAと隣接した1次ダムDAM1とパッド領域に隣接した2次ダムDAM2が存在することができる。
【0132】
ダム領域DAに配置される1つ以上のダムDAMは液状形態の有機封止層PCLがアクティブ領域AAに滴下される時、液状形態の有機封止層PCLがノン−アクティブ領域NAの方向に崩れてパッド領域を侵犯することを防止することができる。
【0133】
このような効果は、
図10に図示したように、1次ダムDAM1及び2次ダムDAM2が備えられる場合、さらに大きくなることができる。
【0134】
1次ダムDAM1及び/又は2次ダムDAM2は単層または多層構造で形成できる。例えば、1次ダムDAM1及び/又は2次ダムDAM2はバンクBANK及びスペーサー(図示せず)などのうち、少なくともいずれか1つと同一材質で同時に形成できる。この場合、マスク追加工程及び費用上昇無しにダム構造を形成することができる。
【0135】
また、1次ダムDAM1及び/又は2次ダムDAM2は、
図10に図示したように、第1無機封止層PAS1及び/又は第2無機封止層PAS2がバンクBANK上に積層された構造となっていることができる。
【0136】
また、有機物を含む有機封止層PCLは、
図10に図示したように、1次ダムDAM1の内の側面のみに位置することができる。
【0137】
これとは異なり、有機物を含む有機封止層PCLは、1次ダムDAM1及び2次ダムDAM2のうち、少なくとも一部の上部にも位置することができる。一例に、有機封止層PCLが1次ダムDAM1の上部に位置することもできる。
【0138】
第2無機封止層PAS2は有機封止層PCLが形成された基板111上に有機封止層PCL及び第1無機封止層PAS1の各々の上部面及び側面を覆うように形成できる。第2無機封止層PAS2は外部の水分や酸素が第1無機封止層PAS1及び有機封止層PCLに侵入することを最小化または遮断する。このような第2無機封止層PAS2は、一例に、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiON)、または酸化アルミニウム(Al
2O
3)のような無機絶縁材質で形成される。
【0139】
このような封止部ENCAP上にはタッチバッファ膜T−BUFが配置できる。タッチバッファ膜T−BUFは、X、Y−タッチ電極X−TE、Y−TE及びX、Y−タッチ電極連結配線X−CL、Y−CLを含むタッチセンサーメタルと、発光素子EDの第2電極E2の間に位置することができる。
【0140】
タッチバッファ膜T−BUFはタッチセンサーメタルと、発光素子EDの第2電極E2の間の離隔距離が予め定まった最小離隔距離(例:1μm)を維持するように設計できる。これによって、タッチセンサーメタルと、発光素子EDの第2電極E2の間に形成される寄生キャパシタンスを減らすか、または防止することができ、これを通じて、寄生キャパシタンスによるタッチ感度の低下を防止することができる。
【0141】
このようなタッチバッファ膜T−BUF無しに、封止部ENCAP上にX、Y−タッチ電極X−TE、Y−TE、及びX、Y−タッチ電極連結配線X−CL、Y−CLを含むタッチセンサーメタルが配置されることもできる。
【0142】
また、タッチバッファ膜T−BUFはタッチバッファ膜T−BUF上に配置されるタッチセンサーメタルの製造工程時に用いられる薬液(現像液またはエッチング液など)、または外部からの水分などが有機物を含む発光層ELに侵入することを遮断することができる。これによって、タッチバッファ膜T−BUFは薬液または水分に脆弱な発光層ELの損傷を防止することができる。
【0143】
タッチバッファ膜T−BUFは高温に脆弱な有機物を含む発光層ELの損傷を防止するために、一定温度(例:100度(℃))以下の低温で形成可能であり、1〜3の低誘電率を有する有機絶縁材質で形成される。例えば、タッチバッファ膜T−BUFはアクリル系列、エポキシ系列、またはシロキサン(Siloxan)系列の材質で形成できる。有機絶縁材質で平坦化性能を有するタッチバッファ膜T−BUFは有機発光ディスプレイ装置の撓みに伴った封止部ENCAPを構成する各々の封止層(PAS1、PCL、PAS2)の損傷及びタッチバッファ膜T−BUF上に形成されるタッチセンサーメタルの破れ現象を防止することができる。
【0144】
ミューチュアル−キャパシタンス基盤のタッチセンサー構造によれば、タッチバッファ膜T−BUF上にX−タッチ電極ラインX−TEL及びY−タッチ電極ラインY−TELが配置され、X−タッチ電極ラインX−TEL及びY−タッチ電極ラインY−TELは交差するように配置できる。
【0145】
Y−タッチ電極ラインY−TELは、多数のY−タッチ電極Y−TEと、多数のY−タッチ電極Y−TEの間を電気的に連結する多数のY−タッチ電極連結配線Y−CLを含むことができる。
【0146】
図10に図示したように、多数のY−タッチ電極Y−TEと多数のY−タッチ電極連結配線Y−CLは、タッチ絶縁膜ILDを挟んで互いに異なる層に位置することができる。
【0147】
多数のY−タッチ電極Y−TEはy軸方向に沿って一定の間隔で離隔できる。このような多数のY−タッチ電極Y−TEの各々はY−タッチ電極連結配線Y−CLを通じてy軸方向に隣接した異なるY−タッチ電極Y−TEと電気的に連結できる。
【0148】
Y−タッチ電極連結配線Y−CLはタッチバッファ膜T−BUF上に形成され、タッチ絶縁膜ILDを貫通するタッチコンタクトホールを通じて露出してy軸方向に隣接した2つのY−タッチ電極Y−TEと電気的に接続できる。
【0149】
Y−タッチ電極連結配線Y−CLはバンクBANKと重畳するように配置できる。これによって、Y−タッチ電極連結配線Y−CLにより開口率が低下することを防止することができる。
【0150】
X−タッチ電極ラインX−TELは、多数のX−タッチ電極X−TEと、多数のX−タッチ電極X−TEの間を電気的に連結する多数のX−タッチ電極連結配線X−CLを含むことができる。多数のX−タッチ電極X−TEと多数のX−タッチ電極連結配線X−CLはタッチ絶縁膜ILDを挟んで互いに異なる層に位置することができる。
【0151】
多数のX−タッチ電極X−TEはタッチ絶縁膜ILD上でx軸方向に沿って一定の間隔で離隔できる。このような多数のX−タッチ電極X−TEの各々はX−タッチ電極連結配線X−CLを通じてx軸方向に隣接した異なるX−タッチ電極X−TEと電気的に連結できる。
【0152】
X−タッチ電極連結配線X−CLはX−タッチ電極X−TEと同一平面上に配置されて別途のコンタクトホール無しでx軸方向に隣接した2つのX−タッチ電極X−TEと電気的に接続されるか、またはx軸方向に隣接した2つのX−タッチ電極X−TEと一体となっていることができる。
【0153】
X−タッチ電極連結配線X−CLはバンクBANKと重畳するように配置できる。これによって、X−タッチ電極連結配線X−CLにより開口率が低下することを防止することができる。
【0154】
一方、Y−タッチ電極ラインY−TELはY−タッチルーティング配線Y−TL及びY−タッチパッドY−TPを通じてタッチ駆動回路TDCと電気的に連結できる。これと同様に、X−タッチ電極ラインX−TELはX−タッチルーティング配線X−TL及びX−タッチパッドX−TPを通じてタッチ駆動回路TDCと電気的に連結できる。
【0155】
X−タッチパッドX−TP及びY−タッチパッドY−TPを覆うパッドカバー電極がさらに配置されることもできる。
【0156】
X−タッチパッドX−TPはX−タッチルーティング配線X−TLと別途に形成されることもでき、X−タッチルーティング配線X−TLが延びて形成されることもできる。Y−タッチパッドY−TPはY−タッチルーティング配線Y−TLと別途に形成されることもでき、Y−タッチルーティング配線Y−TLが延びて形成されることもできる。
【0157】
X−タッチパッドX−TPがX−タッチルーティング配線X−TLが延びて形成され、Y−タッチパッドY−TPがY−タッチルーティング配線Y−TLが延びて形成された場合、X−タッチパッドX−TP、X−タッチルーティング配線X−TL、Y−タッチパッドY−TP、及びY−タッチルーティング配線Y−TLは、同一な第1導電物質で構成できる。ここで、第1導電物質は、一例に、Al、Ti、Cu、Moのような耐食性及び耐酸性が強く、伝導性の良い金属を用いて単層または多層構造で形成できる。
【0158】
例えば、第1導電物質からなるX−タッチパッドX−TP、X−タッチルーティング配線X−TL、Y−タッチパッドY−TP、及びY−タッチルーティング配線Y−TLは、Ti/Al/TiまたはMo/Al/Moのように積層された3層構造で形成できる。
【0159】
X−タッチパッドX−TP及びY−タッチパッドY−TPを覆うことができるパッドカバー電極は、第X及びY−タッチ電極X−TE、Y−TEと同一材質で第2導電物質で構成できる。ここで、第2導電物質は耐食性及び耐酸性の強いITOまたはIZOのような透明導電物質で形成できる。このようなパッドカバー電極はタッチバッファ膜T−BUFにより露出するように形成されることによって、タッチ駆動回路TDCとボンディングされるか、またはタッチ駆動回路TDCが実装された回路フィルムとボンディングできる。
【0160】
ここで、タッチバッファ膜T−BUFはタッチセンサーメタルを覆うように形成されてタッチセンサーメタルが外部の水分などにより腐食されることを防止することができる。一例に、タッチバッファ膜T−BUFは有機絶縁材質で形成されるか、円偏光板またはエポキシまたはアクリル材質のフィルム形態に形成できる。このようなタッチ保護膜T−BUFが封止部ENCAP上にないこともある。即ち、タッチバッファ膜T−BUFは必須な構成でないこともある。
【0161】
Y−タッチルーティング配線Y−TLは、タッチルーティング配線コンタクトホールを通じてY−タッチ電極Y−TEと電気的に連結されるか、またはY−タッチ電極Y−TEと一体となっていることができる。
【0162】
このようなY−タッチルーティング配線Y−TLは、ノン−アクティブ領域NAまで伸びて封止部ENCAPの上部及び側面とダムDAMの上部及び側面を経てY−タッチパッドY−TPと電気的に連結できる。これによって、Y−タッチルーティング配線Y−TLはY−タッチパッドY−TPを通じてタッチ駆動回路TDCと電気的に連結できる。
【0163】
Y−タッチルーティング配線Y−TLは、Y−タッチ電極Y−TEでのタッチセンシング信号をタッチ駆動回路TDCに伝達するか、またはタッチ駆動回路TDCからタッチ駆動信号の供給を受けてY−タッチ電極Y−TEに伝達することができる。
【0164】
X−タッチルーティング配線X−TLは、タッチルーティング配線コンタクトホールを通じてX−タッチ電極X−TEと電気的に連結されるか、またはX−タッチ電極X−TEと一体となっていることができる。
【0165】
このようなX−タッチルーティング配線X−TLはノン−アクティブ領域NAまで伸びて封止部ENCAPの上部及び側面とダムDAMの上部及び側面を経てX−タッチパッドX−TPと電気的に連結できる。これによって、X−タッチルーティング配線X−TLはX−タッチパッドX−TPを通じてタッチ駆動回路TDCと電気的に連結できる。
【0166】
X−タッチルーティング配線X−TLは、タッチ駆動回路TDCからタッチ駆動信号の供給を受けてX−タッチ電極X−TEに伝達することができ、X−タッチ電極X−TEでのタッチセンシング信号をタッチ駆動回路TDCに伝達することもできる。
【0167】
X−タッチルーティング配線X−TL及びY−タッチルーティング配線Y−TLの配置はパネル設計事項によって多様に変更可能である。
【0168】
X−タッチ電極X−TE及びY−タッチ電極Y−TE上にタッチ保護膜PACが配置できる。このようなタッチ保護膜PACはダムDAMの前または後まで拡張されてX−タッチルーティング配線X−TL及びY−タッチルーティング配線Y−TL上にも配置できる。
【0169】
一方、
図10の断面図は概念的に構造を図示したものであって、見る方向や位置などによって各パターン(各種の層や各種の電極)の位置、厚さ、または幅が変わることもでき、各種のパターンの連結構造も変更されることができ、図示された多数の層の以外にも追加的な層がさらに存在することもでき、図示された多数の層のうちの一部は省略または統合されていることもできる。例えば、バンクBANKの幅は図面に比べて狭いこともあり、ダムDAMの高さも図面より低いか高いことがある。
【0170】
図11及び
図12は、本発明の実施形態に従うディスプレイパネルDISPにカラーフィルタCFが含まれた場合の断面構造を例示的に示した図である。
【0171】
図11及び
図12を参照すると、タッチパネルTSPがディスプレイパネルDISPに内蔵され、ディスプレイパネルDISPが有機発光ディスプレイパネルで具現される場合、タッチパネルTSPはディスプレイパネルDISP内の封止部ENCAP上に位置することができる。言い換えると、多数のタッチ電極TE、多数のタッチルーティング配線TLなどのタッチセンサーメタル(Touch Sensor Metal)は、ディスプレイパネルDISP内の封止部ENCAP上に位置することができる。
【0172】
前述したように、封止部ENCAP上にタッチ電極TEを形成することによって、ディスプレイ性能及びディスプレイ関連層形成に大きい影響を与えず、タッチ電極TEを形成することができる。
【0173】
一方、
図11及び
図12を参照すると、封止部ENCAPの下に有機発光ダイオード(OLED)のカソード電極でありうる第2電極E2が位置することができる。
【0174】
封止部ENCAPの厚さ(T)は、一例に、1マイクロメートル以上でありうる。
【0175】
前述したように、封止部ENCAPの厚さを1マイクロメートル以上に設計することによって、有機発光ダイオード(OLED)の第2電極E2とタッチ電極TEとの間に形成される寄生キャパシタンスを減らすことができる。これによって、寄生キャパシタンスによるタッチ感度の低下を防止することができる。
【0176】
前述したように、多数のタッチ電極TEの各々は電極メタルEMが2つ以上の開口部OAのあるメッシュ形態にパターニングされており、2つ以上の開口部OAの各々は、垂直方向から見ると、1つ以上のサブピクセルまたはその発光領域と対応できる。
【0177】
前述したように、平面から見る時、タッチ電極TEの領域内に存在する2つ以上の開口部OAの各々の位置に1つ以上のサブピクセルの発光領域が対応して存在するように、タッチ電極TEの電極メタルEMがパターニングされることで、ディスプレイパネルDISPの発光効率を高めることができる。
【0178】
図11及び
図12に図示したように、ディスプレイパネルDISPにはブラックマトリックスBMが配置されることができ、カラーフィルタCFがさらに配置されることもできる。
【0179】
ブラックマトリックスBMの位置はタッチ電極TEの電極メタルEMの位置と対応できる。
【0180】
多数のカラーフィルタCFの位置は多数のタッチ電極TEまたは多数のタッチ電極TEをなす電極メタルEMの位置と対応する。
【0181】
前述したように、多数のオープン領域OAの位置に対応する位置に多数のカラーフィルタCFが位置することによって、ディスプレイパネルDISPの発光性能を高めることができる。
【0182】
多数のカラーフィルタCFと多数のタッチ電極TEとの間の垂直位置関係を見ると、次の通りである。
【0183】
図11に図示したように、多数のカラーフィルタCFとブラックマトリックスBMは多数のタッチ電極TE上に位置することができる。
【0184】
この場合、多数のカラーフィルタCFとブラックマトリックスBMは、多数のタッチ電極TE上に配置されたオーバーコート層OC上に位置することができる。ここで、オーバーコート層OCは
図10のタッチ保護膜PACと同一な層であることもあり、異なる層であることもある。
【0185】
図12に図示したように、多数のカラーフィルタCFとブラックマトリックスBMは多数のタッチ電極TEの下部に位置することができる。
【0186】
この場合、多数のタッチ電極TEは多数のカラーフィルタCFとブラックマトリックスBM上のオーバーコート層OC上に位置することができる。ここで、オーバーコート層OCは
図10のタッチバッファ膜T−BUFまたはタッチ絶縁膜ILDと同一な層であることもあり、異なる層であることもある。
【0187】
一方、このように、封止部ENCAP上にタッチ電極TEを配置することによって、タッチセンシング可能なディスプレイパネルDISPを容易に具現することができるが、封止部ENCAPの下部に位置するディスプレイ電極による寄生キャパシタンスがタッチセンシングに影響を与えることがある。
【0188】
特に、ディスプレイパネルDISPの厚さが薄くなるほどタッチ電極TEとディスプレイ電極との間の距離が近くなって両方の間の寄生キャパシタンスが増加することがあり、このような寄生キャパシタンスによってタッチ電極TEに印加または検出される信号に影響を与えることがある。
【0189】
一例に、タッチ電極TEと最も近接するように配置された第2電極E2の間の寄生キャパシタンスによってタッチ電極TEに印加される信号が遅延されるか、またはタッチ電極TEから検出される信号にノイズが発生することがある。
【0190】
図13は、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100が指タッチとペンタッチセンシングを遂行するタイミングと信号の例示を示した図である。
【0191】
図13を参照すると、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100のタッチ駆動回路TDCは、指タッチをセンシングする第1タッチ駆動期間(P1)に多数のタッチ電極TEのうちの少なくとも一部のタッチ電極TEに第1タッチ駆動信号を印加することができる。
【0192】
そして、タッチ駆動回路TDCは、ペンタッチをセンシングする第2タッチ駆動期間(P2)に多数のタッチ電極TEのうちの少なくとも一部のタッチ電極TEに第2タッチ駆動信号を印加することができる。ここで、第2タッチ駆動期間(P2)は、ディスプレイパネルDISPがペンにアップリンク信号を転送する期間でありうる。
【0193】
この際、第1タッチ駆動期間(P1)と第2タッチ駆動期間(P2)にタッチ電極TEと下部に位置する第2電極E2は定電圧が印加できる。
【0194】
このように、タッチ電極TEと第2電極E2との間の電圧差が発生することによって、タッチ電極TEと第2電極E2との間に寄生キャパシタンスが形成できる。そして、このような寄生キャパシタンスによってタッチ電極TEに印加される信号が遅延されるか、またはタッチ電極TEから検出される信号にノイズが発生することがある。
【0195】
特に、ペンタッチセンシングのためのアップリンク信号が寄生キャパシタンスによって遅延されることができ、アップリンク信号が遅延される場合、ペンがディスプレイパネルDISPが転送したアップリンク信号を認識できないことがある。
【0196】
本発明の実施形態は、このような寄生キャパシタンスによるアップリンク信号の遅延を防止して、ペンタッチセンシングの性能を改善することができる方案を提供する。
【0197】
図14は、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100が指タッチとペンタッチセンシングを遂行するタイミングと信号の他の例示を示した図である。
【0198】
図14を参照すると、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100のタッチ駆動回路TDCは、指タッチをセンシングする第1タッチ駆動期間(P1)に多数のタッチ電極TEのうちの少なくとも一部のタッチ電極TEに第1タッチ駆動信号を出力する。ここで、第1タッチ駆動信号が印加されるタッチ電極TEは駆動タッチ電極であるTXタッチ電極でありうる。
【0199】
そして、タッチ電極TEの下部に位置する第2電極E2は、第1タッチ駆動期間(P1)に定電圧が印加できる。
【0200】
タッチ駆動回路TDCは、ペンタッチセンシングのためのアップリンク信号転送期間である第2タッチ駆動期間(P2)に多数のタッチ電極TEのうちの少なくとも一部のタッチ電極TEに第2タッチ駆動信号を印加することができる。
【0201】
ここで、第2タッチ駆動信号が印加されるタッチ電極TEは、駆動タッチ電極であるTXタッチ電極でありうる。または、センシングタッチ電極であるRXタッチ電極でありうる。
【0202】
即ち、ペンタッチセンシングのためのアップリンク信号転送期間はペンタッチによる信号を検出する期間でないので、TXタッチ電極とRXタッチ電極のうちの少なくとも一部のタッチ電極に第2タッチ駆動信号を印加してアップリンク信号が転送されるようにすることができる。
【0203】
また、第2タッチ駆動期間(P2)にタッチ電極TEに印加される第2タッチ駆動信号は、非周期的なパルス形態の信号でありうる。アップリンク信号は、ディスプレイパネルDISPがペンに転送するための情報(例:パネル状態情報、駆動期間情報、タイミング情報など)を含んでいるので、非周期的なパルス形態に転送されることもできる。
【0204】
そして、第2タッチ駆動期間(P2)にタッチ電極TEの下部に位置する第2電極E2は、タッチ電極TEに印加される第2タッチ駆動信号に対応する信号が印加できる。
【0205】
ここで、第2タッチ駆動信号に対応する信号は、第2タッチ駆動信号の周波数、位相、及び振幅のうち、少なくとも1つと対応する周波数、位相、及び振幅を有する信号でありうる。
【0206】
一例に、第2タッチ駆動期間(P2)に第2電極E2に第2タッチ駆動信号の周波数及び位相と同一な周波数及び位相を有する信号を印加することができる。これを通じて、タッチ電極TEと第2電極E2との間の寄生キャパシタンスを減少させることができる。
【0207】
または、第2タッチ駆動期間(P2)に第2電極E2に第2タッチ駆動信号の周波数、位相、及び振幅と同一な周波数、位相、及び振幅を有する信号を印加することができる。
【0208】
これによって、タッチ電極TEと第2電極E2が同一な位相と同一な電位状態で駆動されることになって、タッチ電極TEと第2電極E2との間の寄生キャパシタンスを除去することができる。
【0209】
したがって、第2タッチ駆動期間(P2)にタッチ電極TEに印加される第2タッチ駆動信号によりペンに転送されるアップリンク信号が寄生キャパシタンスによって遅延されることが防止できるようにする。
【0210】
そして、ディスプレイパネルDISPがペンに転送するアップリンク信号の遅延を防止することによって、ペンのアップリンク信号認識率を向上させ、ペンタッチセンシングの性能が改善できるようにする。
【0211】
図15は、
図14に図示されたタイミングと信号によってタッチセンシングを遂行するタッチディスプレイ装置100の駆動方式の例示を示した図である。
【0212】
図15を参照すると、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100において、タッチ電極TEの下部に位置する第2電極E2は各々のサブピクセルSPに配置された発光素子EDのカソード電極でありうる。そして、カソード電極は、基底電圧VSSが印加されるラインと連結できる。
【0213】
ここで、基底電圧VSSが印加されるラインは、ディスプレイパネルDISPのグラウンドGNDと接地できる。また、スイッチングにより基底電圧VSSが印加されるラインに第2タッチ駆動信号に対応する信号が印加できる。
【0214】
即ち、第2電極E2であるカソード電極に電圧を供給するラインがグラウンドGNDと電気的に連結されるか、または第2タッチ駆動信号に対応する信号を供給する回路と電気的に連結できる。
【0215】
そして、第2タッチ駆動信号に対応する信号を供給する回路はタッチ駆動回路TDCでありえ、別途に備えられた回路でありうる。
【0216】
このように、第2電極E2に電圧を供給するラインがグラウンドGND及び第2タッチ駆動信号に対応する信号を供給する回路とスイッチングできるようにすることによって、タッチ駆動期間によって第2電極E2の電圧状態をタッチ電極TEと同一に制御できるようにする。
【0217】
具体的に、第1タッチ駆動期間(P1)には、タッチ電極TEに第1タッチ駆動信号が印加され、第2電極E2に電圧を供給するラインはグラウンドGNDと電気的に連結される。
【0218】
そして、第2タッチ駆動期間(P2)には、タッチ電極TEに第2タッチ駆動信号が印加され、第2電極E2に電圧を供給するラインは第2タッチ駆動信号に対応する信号を供給する回路と電気的に連結できる。
【0219】
したがって、第2タッチ駆動期間(P2)に、第2電極E2に第2タッチ駆動信号に対応する信号が印加された状態になるので、タッチ電極TEと第2電極E2との間の寄生キャパシタンスCpが減少または除去できる。
【0220】
このように、第2タッチ駆動期間(P2)にタッチ電極TEと第2電極E2との間の寄生キャパシタンスを減少または除去させることによって、第2タッチ駆動期間(P2)にディスプレイパネルDISPからペンに転送されるアップリンク信号が遅延されることを防止することができる。
【0221】
また、第1タッチ駆動期間(P1)には、第2電極E2にグラウンドGND電圧が印加されるようにすることによって、タッチ駆動期間にディスプレイ駆動が遂行できるようにする。
【0222】
図16は、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100が指タッチとペンタッチセンシングを遂行するタイミングと信号の更に他の例示を示した図である。
【0223】
図16を参照すると、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100のタッチ駆動回路TDCは、第1タッチ駆動期間(P1)にTXタッチ電極に第1タッチ駆動信号を印加する。そして、第1タッチ駆動期間(P1)にRXタッチ電極は定電圧状態に制御する。
【0224】
したがって、ディスプレイパネルDISPに対するユーザの指タッチ発生時、TXタッチ電極とRXタッチ電極との間のミューチュアル−キャパシタンス変化を感知して、ディスプレイパネルDISPに対するユーザの指タッチを認識することができる。
【0225】
そして、第1タッチ駆動期間(P1)にタッチ電極TEの下部に位置する第2電極E2に定電圧(例:グラウンド電圧)が印加されるようにする。
【0226】
サブピクセルSPに配置された発光素子EDのカソード電極である第2電極E2に定電圧が印加された状態であるので、指タッチをセンシングする第1タッチ駆動期間(P1)にディスプレイ駆動を遂行することができる。
【0227】
タッチ駆動回路TDCは、ペンタッチセンシングのためのアップリンク信号転送期間である第2タッチ駆動期間(P2)にTXタッチ電極に第2タッチ駆動信号を印加する。または、第2タッチ駆動期間(P2)にRXタッチ電極に第2タッチ駆動信号を印加することもできる。また、TXタッチ電極とRXタッチ電極に第2タッチ駆動信号を印加してアップリンク信号の転送性能を高めることができる。
【0228】
前述した第2タッチ駆動期間(P2)にタッチディスプレイ装置100は、ディスプレイ駆動を中止し、第2電極E2に第2タッチ駆動信号に対応する信号を印加することができる。
【0229】
ディスプレイ駆動を中止するので、第2タッチ駆動期間(P2)にデータラインにデータ電圧VDATAの供給が中止されるか、またはゲートラインにスキャン信号の供給が中止できる。
【0230】
第2タッチ駆動期間(P2)に第2電極E2にタッチ電極TEに印加された第2タッチ駆動信号に対応する信号が印加されるので、タッチ電極TEと第2電極E2との間の寄生キャパシタンスを減少または除去することができる。
【0231】
したがって、タッチ電極TEと第2電極E2との間の寄生キャパシタンスによってディスプレイパネルDISPが転送するアップリンク信号の転送が遅延されることを防止し、ペンタッチセンシングの性能を改善することができる。
【0232】
タッチ駆動回路TDCは、第3タッチ駆動期間(P3)にTXタッチ電極に第3タッチ駆動信号を出力する。そして、RXタッチ電極は定電圧が印加された状態に制御する。
【0233】
また、第3タッチ駆動期間(P3)に第2電極E2に定電圧が印加されるようにする。
【0234】
したがって、第3タッチ駆動期間(P3)にディスプレイ駆動を遂行し、ペンから転送される信号を受信することができる。そして、ペンから転送されたダウンリンク信号を通じてペン情報、ペンタッチの有無及び位置などを検出することができる。
【0235】
このように、第1タッチ駆動期間(P1)と第3タッチ駆動期間(P3)に第2電極E2に定電圧を印加することによって、ディスプレイ駆動を遂行し、指タッチやペンタッチがセンシングできるようにする。
【0236】
また、第2タッチ駆動期間(P2)にディスプレイ駆動を中止し、第2電極E2に第2タッチ駆動信号に対応する信号を印加することによって、アップリンク信号の転送遅延を防止してペンのアップリンク信号認識率が改善できるようにする。
【0237】
図17から
図19は、
図16に図示されたタイミングと信号によってタッチセンシングを遂行するディスプレイ装置100の駆動過程の例示を示した図である。
【0238】
図17を参照すると、指タッチセンシングを遂行する第1タッチ駆動期間(P1)に第2電極E2に印加される電圧とタッチ駆動回路TDCの駆動の例示を示したものであって、タッチ駆動回路TDCでRXタッチ電極と連結された回路部分の例示を示したものである。
【0239】
第1タッチ駆動期間(P1)にタッチ駆動回路TDCは、TXタッチ電極に第1タッチ駆動信号を出力し、RXタッチ電極はタッチセンシングのための基準電圧(V
ref)が印加されるように制御する。
【0240】
したがって、TXタッチ電極とRXタッチ電極との間のミューチュアル−キャパシタンス(C
Mutual)の変化をフィードバックキャパシタ(C
FB)と演算増幅器などを通じて検出し、検出されたキャパシタンスの変化を通じて指タッチを感知することができる。
【0241】
そして、第1タッチ駆動期間(P1)に第2電極E2に電圧を供給するラインはディスプレイパネルDISPのグラウンドGNDと電気的に連結できる。
【0242】
したがって、サブピクセルSPに配置された発光素子EDのカソード電極である第2電極E2に定電圧が印加され、ディスプレイ駆動が遂行できるようにする。
【0243】
図18を参照すると、ペンにアップリンク信号を転送する第2タッチ駆動期間(P2)に第2電極E2に印加される電圧とタッチ駆動回路TDCの駆動の例示を示したものである。
【0244】
第2タッチ駆動期間(P2)にタッチ駆動回路TDCは、TXタッチ電極及びRXタッチ電極のうちの少なくとも一部のタッチ電極TEに第2タッチ駆動信号を出力する。したがって、タッチ駆動回路TDCに含まれた演算増幅器の(+)入力端にAC電圧が印加できる。
【0245】
そして、TXタッチ電極やRXタッチ電極に第2タッチ駆動信号が印加されることによって、ディスプレイパネルDISPがペンにアップリンク信号を転送することができる。
【0246】
このような第2タッチ駆動期間(P2)に第2電極E2に電圧を供給するラインは第2タッチ駆動信号に対応する信号を供給する回路と電気的に連結できる。
【0247】
したがって、第2タッチ駆動期間(P2)に第2電極E2はタッチ電極TEと対応する電圧状態になることができ、タッチ電極TEと同一な位相及びレベルを有する電圧が印加された状態になることができる。
【0248】
このように、第2電極E2がタッチ電極TEと同一な位相と電位で駆動されるので、第2電極E2とタッチ電極TEとの間に形成できる寄生キャパシタンスCpが除去できるようにする。
【0249】
そして、このような寄生キャパシタンスの除去によってディスプレイパネルDISPが転送するアップリンク信号の遅延を防止して、アップリンク信号の転送率を高めることができるようにする。
【0250】
図19を参照すると、ペンからダウンリンク信号を受信する第3タッチ駆動期間(P3)に第2電極E2に印加される電圧とタッチ駆動回路TDCの駆動の例示を示したものである。
【0251】
第3タッチ駆動期間(P3)にタッチ駆動回路TDCは、TXタッチ電極に第3タッチ駆動信号を出力し、RXタッチ電極はTXタッチ電極とのミューチュアル−キャパシタンス(C
Mutual)変化が検出できるように定電圧が印加されるようにする。
【0252】
そして、第2電極E2に電圧を供給するラインは、ディスプレイパネルDISPと電気的に連結されるようにする。
【0253】
したがって、ディスプレイパネルDISPは、ディスプレイ駆動を遂行し、ペンから転送されるダウンリンク信号を受信してディスプレイパネルDISPに対するペンタッチをセンシングすることができる。
【0254】
このように、本発明の実施形態は、タッチ駆動期間によってタッチ電極TEの下部に位置する第2電極E2が定電圧状態になるか、またはタッチ駆動信号に対応する信号が印加された状態になるように制御することができる。
【0255】
これを通じて、ディスプレイ駆動と同時にタッチセンシングを遂行し、ディスプレイパネルDISPがペンに転送するアップリンク信号が遅延されることが防止できるようにする。
【0256】
図20は、本発明の実施形態に従うタッチディスプレイ装置100の駆動方法の過程の例示を示した図である。
【0257】
図20を参照すると、タッチディスプレイ装置100は指タッチをセンシングする第1タッチ駆動期間(P1)にタッチ電極TEに第1タッチ駆動信号を印加する(S2000)。
【0258】
そして、第1タッチ駆動期間(P1)にタッチ電極TEの下部に配置されたディスプレイ電極(カソード電極)に定電圧を印加する(S2010)。
【0259】
したがって、第1タッチ駆動期間(P1)にディスプレイ駆動を遂行し、ディスプレイパネルDISPに対するユーザの指タッチをセンシングすることができる。
【0260】
タッチディスプレイ装置100はペンにアップリンク信号を転送する第2タッチ駆動期間(P2)にタッチ電極TEに第2タッチ駆動信号を印加する(S2020)。
【0261】
そして、第2タッチ駆動期間(P2)にタッチ電極TEの下部に配置されたディスプレイ電極に第2タッチ駆動信号に対応する信号を印加する(S2030)。
【0262】
したがって、タッチ電極TEとディスプレイ電極との間に形成される寄生キャパシタンスを除去して、アップリンク信号の転送遅延を防止し、ペンタッチセンシングの性能が改善できるようにする。
【0263】
前述した本発明の実施形態によれば、タッチ駆動期間によってタッチ電極TEと隣接するように位置するカソード電極がディスプレイパネルDISPのグラウンドGNDと連結されるか、またはタッチ駆動信号に対応する信号を供給する回路と連結できるようにする。
【0264】
そして、ディスプレイパネルDISPがペンにアップリンク信号を転送する期間にカソード電極にタッチ電極TEに印加されたタッチ駆動信号に対応する信号が印加されるようにすることによって、タッチ電極TEとカソード電極との間の寄生キャパシタンスが除去できるようにする。
【0265】
したがって、このような寄生キャパシタンスによるアップリンク信号の転送遅延を防止し、アップリンク信号の転送率を向上させてペンタッチセンシングの性能が改善できるようにする。
【0266】
また、指タッチやペンタッチをセンシングするタッチ駆動期間にはカソード電極がグラウンドGNDと連結するようにすることによって、ディスプレイ駆動を遂行し、ディスプレイパネルDISPに対するタッチがセンシングできるようにする。
【0267】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎないものであって、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で多様な修正及び変形が可能である。また、本発明に開示された実施形態は本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであるので、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるのではない。本発明の保護範囲は請求範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。