【文献】
ERIC J PAPPERT; ET AL,CLINICAL/ SCIENTIFIC NOTES - THE STABILITY OF CARBIDOPA IN SOLUTION,MOVEMENT DISORDERS,1997年 1月 1日,VOL:12, NR:4,PAGE(S):608 - 610,URL,http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/mds.870120422/epdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、約14.5±0.2分間の保持時間における主要な不純物(分解物)を示すグラフを表す。
【
図2】
図2A−2Bは、製剤サンプルから収集された主要な不純物のピークのネガティブモード(2A)およびポジティブモード(2B)における典型的なMSスペクトルを示すグラフを表す。
【
図3】
図3A−3Bは、製剤サンプルから収集された主要な不純物のピークにおける典型的なMS/MS娘スキャン(イオンM/Z=179)スペクトル(3A)および親(イオンM/Z=105)スペクトル(3B)を示すグラフを表す。
【0021】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、長期にわたり(より詳しくは、数日間にも、数週間にも、数か月間にも、または数年間にもわたり)非常に安定で、かつ非常に少ない含有量(すなわち、安全かつ耐えられる量)のヒドラジンを含有している、カルビドパの薬学的組成物を提供する。カルビドパを主成分とし、酸化防止剤を含有している組成物は、従来技術において既に開示されている。しかし、本発明の薬学的組成物は、2種以上(すなわち、2、3、4、またはそれ以上の種類)の酸化防止剤の具体的な組み合わせによって、安定化されている。ここで、上記酸化防止剤の1種は、アスコルビン酸またはその塩であり、上記酸化防止剤の組み合わせのうちの他の酸化防止剤は、例えば、L−システイン、NAC、グルタチオン、ジアセチルシスチン、上述の物質の塩、または重亜硫酸ナトリウムから、それぞれ独立に選択される。上記組成物は、カルビドパ以外の有効な薬剤(具体的にはレボドパ)を含んでいてよい。また、上記組成物は、上記組成物をさらに安定化させるための追加成分(例えば、アルギニン(Arg;L−Arg)、メグルミン、またはアルギニンおよびメグルミンの両方)を含んでいてよい。さらに、上記組成物は、1種以上の界面活性剤を含んでいてよい。
【0022】
一態様において、本発明は、カルビドパ(および/またはそのエステル)、少なくとも2種の酸化防止剤(本明細書においては、o−キノン捕捉剤とも呼ぶ)、および薬学的に許容できる担体を含んでいる、薬学的組成物(本明細書においては、「薬学的製剤」とも呼ぶ)を提供する。ここで、上記酸化防止剤の1種は、アスコルビン酸またはその塩である。また、上記組成物は、GCMSによって決定されたときに1μg/ml未満であるヒドラジンを含んでいるか、または、HPLCによって決定されたときに、カルビドパの初期量に対して、最大で5重量%の(5%重量を超えない)3,4−ジヒドロキシフェニル−2−メチルプロピオン酸を含んでいる。
【0023】
ある実施形態において、本発明の薬学的組成物は、GCMSによって決定されたときに1.0μg/ml未満、0.75μg/ml未満、0.5μg/ml未満、0.25μg/ml未満、0.1μg/ml未満、0.05μg/ml未満、または0.025μg/ml未満であるヒドラジンを含んでいる。特に、本発明の薬学的組成物は、例えば、GCMSによって決定されたときに、0.1μg/ml未満もしくは0.05μg/ml未満、または0.1μg/ml〜0.5μg/mlであるヒドラジンを含んでいる。あるいは、本発明の薬学的組成物は、HPLCによって決定されたときに、カルビドパの初期量に対して、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満、0.1重量%未満、または0.05重量%未満の分解物を含んでいる。
【0024】
ある実施形態において、本発明の薬学的組成物は、0.1重量%〜10重量%のカルビドパを含んでいる。特定の上記実施形態において、本発明の薬学的生物は、0.5重量%〜6重量%、好ましくは0.75重量%〜4重量%、より好ましくは0.75重量%、1.4重量%、3重量%、3.3重量%、または4重量%のカルビドパを含んでいる。
【0025】
本発明の薬学的組成物は、2種以上の酸化防止剤の組み合わせを含んでいる。ここで、上記酸化防止剤の1種は、アスコルビン酸またはその塩である。アスコルビン酸塩の例としては、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、ステアリン酸アスコルビル、およびパルミチン酸アスコルビルが含まれるが、限定されない。上述した中では、アスコルビン酸ナトリウムが好ましい。
【0026】
ある実施形態において、本発明の薬学的組成物は、0.1重量%〜10重量%のアスコルビン酸またはその塩を含んでいる。特定の上記実施形態において、上記組成物は、0.2重量%〜2重量%、好ましくは0.4重量%〜1.3重量%、より好ましくは0.5重量%、0.6重量%、0.75重量%、0.85重量%、1.0重量%、1.2重量%、または1.3重量%のアスコルビン酸またはその塩(アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、ステアリン酸アスコルビル、およびパルミチン酸アスコルビルなど)を含んでいる。
【0027】
本発明によると、本発明の薬学的組成物に含まれており、アスコルビン酸またはその塩以外である酸化防止剤の各々は、任意の酸化防止剤またはo−キノン捕捉剤であってよい。上記酸化防止剤は、アスコルビン酸またはその塩と共に組み合わせることで、カルビドパの分解を強力に抑制することによりヒドラジンの形成を最小限に抑えられ、したがって上記組成物を十分な期間にわたって(例えば、数時間、数日間、数週間、数か月間、または数年間にもわたり)実質的に安定化させられる組み合わせを提供できることが好ましい。
【0028】
ある実施形態において、アスコルビン酸またはその塩以外である酸化防止剤の各々は、L−システイン(L−cys)もしくはシステイン誘導体(NAC、グルタチオン、ジアセチルシスチン、S−メチル−N−アセチルシステインアミド、S−メチル−N−アセチルシステインメチルヒドラジンのアセチル誘導体、S−メチルシステインモルホリンアミド、およびS−メチル−N−アセチルシステインモルホリンアミド、上述の物質の塩など)、または重亜硫酸塩(重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、またはメタ重亜硫酸ナトリウムなど)から独立に選択される。好ましくは、上記アスコルビン酸またはその塩以外である酸化防止剤は、L−システインもしくはその塩(塩酸システインなど)、NAC、または重亜硫酸ナトリウムから独立に選択される。特定の上記実施形態において、本発明の薬学的生物は、(i)0.001重量%〜5重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%、より好ましくは0.1重量%〜0.6重量%、0.3重量%または0.4重量%のL−システインまたはその塩(塩酸システインなど);および/または、(ii)0.001重量%〜5重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%、より好ましくは0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%または0.4重量%のNAC;および/または、(iii)0.01重量%〜2重量%、好ましくは0.075重量%〜0.75重量%、より好ましくは0.1重量%の重亜硫酸ナトリウム;および/または(iv)0.001重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜1重量%のグルタチオン;および/または、(v)0.001重量%〜5重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%のジアセチルシスチンまたはその塩、を含んでいる。
【0029】
ある実施形態において、本発明の薬学的組成物は、0.1重量%〜10重量%のカルビドパ;0.1重量%〜10重量%のアスコルビン酸またはその塩(アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、ステアリン酸アスコルビル、またはパルミチン酸アスコルビルなど);および、(i)0.001重量%〜5重量%のL−システインもしくはその塩(塩酸システインなど)、または(ii)0.001重量%〜5重量%のNAC、または(iii)0.001重量%〜5重量%のグルタチオン、または(iv)0.001重量%〜5重量%のジアセチルシスチンもしくはその塩、または(v)0.01重量%〜2重量%の重亜硫酸ナトリウムを含んでいる。特定の上記実施形態において、上記組成物は、0.5重量%〜6重量%、好ましくは0.75重量%〜4重量%、より好ましくは0.75重量%、1.4重量%、3重量%、3.3重量%または4重量%のカルビドパ;0.2重量%〜2重量%、好ましくは0.4重量%〜1.3重量%、より好ましくは0.5重量%、0.6重量%、0.75重量%、0.85重量%、1.0重量%、または1.2重量%のアスコルビン酸もしくはその塩;および、(i)0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.1重量%〜0.6重量%のL−システインもしくはその塩、(ii)0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.1重量%〜0.4重量%のNAC、または、(iii)0.075重量%〜0.75重量%の重亜硫酸ナトリウム、を含んでいる。
【0030】
特定の上記態様において、上述の実施形態のいずれか1つに係る本発明の薬学的組成物は、(i)レボドパ(および/またはそのエステル);(ii)アルギニン、メグルミン、上述の物質の塩、もしくはそれらの組み合わせ;または(iii)(i)および(ii)の両方、をさらに含んでおり、界面活性剤をさらに任意に含んでいる。特定の上記組成物は、レボドパを含んでいない。
【0031】
ある実施形態において、本発明の薬学的組成物は、カルビドパおよび少なくとも2種の酸化防止剤(それぞれ上述の実施形態のいずれか1つにおいて規定されている通り)を含んでおり、レボドパをさらに含んでいる。ある特定の上記組成物は、1重量%未満の(例えば、0.5重量%未満、0.25重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、または0.01重量%未満)のレボドパを含んでいる。他の組成物は、1重量%〜20重量%、好ましくは2重量%〜16重量%(例えば、2重量%〜8重量%、4重量%〜8重量%、5重量%〜7重量%、8重量%〜16重量%、10重量%〜15重量%、12重量%〜15重量%)、より好ましくは4重量%、6重量%、12重量%、または13.2重量%のレボドパを含んでいる。
【0032】
ある実施形態において、本発明の薬学的組成物は、カルビドパおよび少なくとも2種の酸化防止剤(それぞれ上述の実施形態のいずれか1つにおいて規定されている通り)を含んでおり、アルギニン、メグルミンまたはそれらの組み合わせをさらに含んでいる。特定の上記組成物は、0.1重量%〜42重量%(例えば、0.1重量%〜40重量%、10重量%〜25重量%、13重量%〜18重量%、14重量%〜16重量%、12重量%〜40重量%、25重量%〜40重量%、30重量%〜38重量%、10重量%〜20重量%および20重量%〜42重量%)、好ましくは2重量%〜40重量%または10重量%〜38重量%、より好ましくは12重量%〜36重量%、または15.2重量%〜32重量%の、アルギニン、メグルミンまたはそれらの組み合わせを含んでいる。ある特定の上記組成物はアルギニンのみを含んでおり、他の特定の組成物はメグルミンのみを含んでおり、さらなる特定の組成物はアルギニンおよびメグルミンの両方を含んでいる、と理解されるべきである。
【0033】
ある実施形態において、本発明の薬学的組成物は、カルビドパ;少なくとも2種の酸化防止剤;並びに(i)レボドパ、(ii)アルギニン、メグルミン、もしくはそれらの組み合わせ、または(iii)(i)および(ii)の両方(それぞれ、上述の実施形態のいずれか1つにおいて規定されている通り)を含んでおり、界面活性剤をさらに含んでいる。上記界面活性剤は、例えば、非イオン界面活性剤(ポリソルベート20[モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン]、ポリソルベート40[モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン]、ポリソルベート60[モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン]、ポリソルベート80[モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン;Tween(登録商標)80]、またはそれらの組み合わせなど)である。特定の上記組成物は、0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜0.5重量%または0.2重量%〜0.4重量%、より好ましくは0.3重量%の、上記に挙げられた非イオン性界面活性剤、好ましくはポリソルベート80を含んでいる。
【0034】
ある実施形態において、本発明の薬学的組成物は、カルビドパおよび少なくとも2種の酸化防止剤(それぞれ上述の実施形態のいずれか1つにおいて規定されている通り)を含んでおり、1重量%〜20重量%のレボドパ;および0.1重量%〜42重量%のアルギニン、メグルミン、またはそれらの組み合わせをさらに含んでいる。特定の上記実施形態において、上記組成物は、2重量%〜16重量%(例えば、2重量%〜8重量%、4重量%〜8重量%、5重量%〜7重量%、8重量%〜16重量%、10重量%〜15重量%、12重量%〜15重量%)、好ましくは4重量%、6重量%、12重量%または13.2重量%のレボドパ;並びに、0.1重量%〜42重量%(例えば、0.1重量%〜40重量%、10重量%〜25重量%、13重量%〜18重量%、14重量%〜16重量%、12重量%〜40重量%、25重量%〜40重量%、30重量%〜38重量%、10重量%〜20重量%および20重量%〜42重量%)、好ましくは10重量%〜38重量%、より好ましくは12重量%〜36重量%または15.2重量%〜32重量%のアルギニン、メグルミン、またはそれらの組み合わせを含んでいる。より特定の上記実施形態において、本発明の組成物は、界面活性剤をさらに含んでいる。上記界面活性剤は、例えば、ポリソルベート80であり、より具体的には0.1重量%〜0.5重量%または0.2重量%〜0.4重量%、好ましくは0.3重量%のポリソルベート80である。
【0035】
ある実施形態において、本発明の薬学的組成物は、(i)0.1重量%〜6重量%のカルビドパ、(ii)0.1重量%〜10重量%のアスコルビン酸またはその塩、(iii)0.01重量%〜1重量%のL−システインもしくはその塩、NAC、またはグルタチオン、(iv)0重量%〜16重量%のレボドパ、および(v)0.1重量%〜40重量%のアルギニン、を含んでいる。
【0036】
したがって、ある実施形態において、本発明の薬学的組成物は、(i)0.1重量%〜10重量%のカルビドパ、(ii)0.1重量%〜10重量%のアスコルビン酸またはその塩(アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、ステアリン酸アスコルビル、およびパルミチン酸アスコルビルなど)、(iii)0.001重量%〜5重量%のL−システインもしくはその塩(塩酸システインなど);または、0.001重量%〜5重量%のNAC;または、0.001重量%〜5重量%のグルタチオン;または、0.001重量%〜5重量%のジアセチルシスチンもしくはその塩;または、0.01重量%〜2重量%の重亜硫酸ナトリウム、(iv)1重量%〜20重量%のレボドパ、(v)0.1重量%〜42重量%のアルギニン、メグルミン、またはそれらの組み合わせ;および、任意に(vi)0.01重量%〜5重量%のポリソルベート80を含んでいる。ここで、上記組成物は、1μg/ml未満、好ましくは0.5μg/ml未満、より好ましくは0.1μg/ml未満のヒドラジンを含んでいる。特定の上記実施形態において、上記組成物は、(i)0.5重量%〜6重量%、好ましくは0.75重量%〜4重量%、より好ましくは0.75重量%、1.4重量%、3重量%、3.3重量%または4重量%のカルビドパ、(ii)0.2重量%〜2重量%、好ましくは0.4重量%〜1.3重量%、より好ましくは0.5重量%、0.6重量%、0.75重量%、0.85重量%、1.0重量%、1.2重量%または1.3重量%のアスコルビン酸またはその塩、(iii)0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.1重量%〜0.6重量%のL−システインまたはその塩;0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.1重量%〜0.4重量%のNAC;または、0.075重量%〜0.75重量%の重亜硫酸ナトリウム、(iv)2重量%〜16重量%、好ましくは4重量%〜14重量%、より好ましくは4重量%、6重量%、12重量%または13.2重量%のレボドパ、(v)2重量%〜42重量%、好ましくは10重量%〜38重量%、より好ましくは12重量%〜36重量%または15.2重量%〜32重量%のアルギニン、メグルミン、またはそれらの組み合わせ、および、任意に(vi)0.1重量%〜0.5重量%または0.2重量%〜0.4重量%、好ましくは0.3重量%のポリソルベート80、を含んでいる。他の特定の上記実施形態において、上記組成物は、(i)0.1重量%〜3重量%、好ましくは0.5重量%〜2重量%または0.6重量%〜1.5重量%のカルビドパ、(ii)0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜2重量%または0.3重量%〜0.7重量%のアスコルビン酸またはその塩、(iii)0.001重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜2重量%または0.3重量%〜0.5重量%のL−システインもしくはその塩、NAC、グルタチオンまたはジアセチルシスチン、(iv)2重量%〜8重量%、好ましくは4重量%〜8重量%または5重量%〜7重量%のレボドパ、(v)10重量%〜25重量%、好ましくは13重量%〜18重量%または14重量%〜16重量%のアルギニン、メグルミン、またはそれらの組み合わせ、および、任意に(vi)0.01重量%〜5重量%もしくは0.1重量%〜0.5重量%、または0.3重量%のポリソルベート80を含んでいる。より特定の上記実施形態において、上記組成物は、(i)1重量%〜4重量%、好ましくは1.2重量%〜4重量%または2重量%〜4重量%のカルビドパ、(ii)0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜2重量%または0.3重量%〜0.7重量%のアスコルビン酸またはその塩、(iii)0.001重量%〜1重量%、好ましくは0.1重量%〜1重量%または0.2重量%〜0.5重量%のL−システインもしくはその塩、NAC、グルタチオンまたはジアセチルシスチン、(iv)8重量%〜16重量%、好ましくは10重量%〜15重量%または12重量%〜15重量%のレボドパ、(v)12重量%〜40重量%、好ましくは25重量%〜40重量%または30重量%〜38重量%のアルギニン、メグルミン、またはそれらの組み合わせ、および、任意に(vi)0.01重量%〜5重量%もしくは0.1重量%〜0.5重量%、または0.3重量%のポリソルベート80、を含んでいる。さらにより特定の上記実施形態において、上記組成物は、(i)0.1重量%〜1.5重量%のカルビドパ、(ii)0.1重量%〜1.5重量%、好ましくは0.4重量%〜0.6重量%または0.4重量%〜1重量%のアスコルビン酸またはその塩、(iii)0.1重量%〜0.7重量%のL−システインもしくはその塩、またはNAC、(iv)4重量%〜8重量%のレボドパ、(v)10重量%〜20重量%のアルギニン、および、任意に(vi)0.1重量%〜0.5重量%のポリソルベート80、を含んでいる。さらにまたより特定の上記実施形態において、上記組成物は、(i)1重量%〜4重量%のカルビドパ、(ii)0.1重量%〜1.5重量%、好ましくは1重量%〜1.4重量%のアスコルビン酸またはその塩、(iii)0.1重量%〜1重量%、好ましくは0.1重量%〜0.5重量%のL−システインもしくはその塩、またはNAC、(iv)8重量%〜16重量%のレボドパ、(v)20重量%〜40重量%のアルギニン、メグルミン、またはそれらの組み合わせ、を含んでいる。
【0037】
したがって、より特定の実施形態において、本発明の薬学的組成物は、(i)12重量%〜15重量%のレボドパ、1.2重量%〜4重量%のカルビドパ、32重量%〜42重量%(例えば、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%または36重量%)のアルギニンまたはメグルミン、1重量%〜1.3重量%のアスコルビン酸ナトリウム、0.1重量%〜0.5重量%のL−システイン(もしくは塩酸システイン)またはNAC、および、任意にポリソルベート80(例えば、0.3重量%)を含んでいるか、あるいは、(ii)6重量%のレボドパ、0.6重量%〜1.4重量%のカルビドパ、15重量%〜16重量%のアルギニン、0.5重量%のアスコルビン酸、0.3重量%のポリソルベート80、並びに、0.5重量%のNACもしくは0.4重量%のL−システインを含んでいる。
【0038】
【表1】
【0039】
ある特定の実施形態において、本発明の薬学的組成物は、本明細書において例示されており、表1に列挙されている薬学的組成物の1つである。これらの組成物は、(i)12重量%のレボドパ、3重量%のカルビドパ、32重量%のアルギニン、1.2重量%のアスコルビン酸ナトリウム、および0.3重量%のL−システインもしくは塩酸システイン、(ii)13.2重量%のレボドパ、3.3重量%のカルビドパ、36重量%のアルギニン、1.3重量%のアスコルビン酸ナトリウム、および0.3重量%のL−システインもしくは塩酸システイン、(iii)13.2重量%のレボドパ、3.3重量%のカルビドパ、36重量%のメグルミン、1.3重量%のアスコルビン酸ナトリウム、および0.3重量%のL−システインもしくは塩酸システイン、(iv)12重量%のレボドパ、3重量%のカルビドパ、32重量%のメグルミン、1.2重量%のアスコルビン酸ナトリウム、および0.3重量%のNAC、(v)12重量%のレボドパ、3重量%のカルビドパ、32重量%のアルギニン、1.2重量%のアスコルビン酸ナトリウム、および0.3重量%のNAC、(vi)6重量%のレボドパ、1.4重量%のカルビドパ、15.5重量%のアルギニン、0.5重量%のアスコルビン酸、0.4重量%のL−システイン、および0.3重量%のポリソルベート80、(vii)6重量%のレボドパ、1.4重量%のカルビドパ、15.5重量%のアルギニン、0.5重量%のアスコルビン酸、0.5重量%のNAC、および0.3重量%のポリソルベート80、(viii)6重量%のレボドパ、0.75重量%のカルビドパ、15.2重量%のアルギニン、0.5重量%のアスコルビン酸、0.4重量%のL−システイン、および0.3重量%のポリソルベート80、または(ix)6重量%のレボドパ、0.75重量%のカルビドパ、15.2重量%のアルギニン、0.5重量%のアスコルビン酸、0.5重量%のNAC、および0.3重量%のポリソルベート80、を含んでいる。上記(i)〜(v)の組成物は、ポリソルベート80を(例えば、0.3重量%)さらに含んでいてよい。
【0040】
本発明に係る薬学的組成物は、さらなる酸化防止剤を含んでいてよい。上記酸化防止剤は、ジ−tert−ブチルメチルフェノール、tert−ブチル−メトキシフェノール、ポリフェノール、トコフェロールおよびユビキノン(例えば、カフェイン酸および/またはグルコースアミン)などである。上述の酸化防止剤は、例えば、上記製剤に存在している一部または全部のアルギニンと置き換えてもよい。本発明に係る組成物はまた、チロシナーゼ阻害剤を含んでいてよい。上記チロシナーゼ阻害剤は、カプトプリル、メチマゾール、クエルセチン、アルブチン、アロエシン、N−アセチルグルコサミン、レチノイン酸、フェルラ酸α−トコフェリル、アスコルビルりん酸Mg(MAP)、基質類似体(例えば、安息香酸ナトリウムおよびL−フェニルアラニン)、Cu
++キレート剤(例えば、Na
2−EDTA、Na
2−EDTA−Ca、DMSA(スクシメル)、DPA(D−ペニシラミン)、トリエンチン−HCl、ジメルカプロール、クリオキノール、チオ硫酸ナトリウム、TETA、TEPA、クルクミン、ネオクプロイン、タンニンおよびクプリゾン)などであるが、限定されない。上記組成物は、薬学的に許容可能な充填剤、担体、希釈剤またはアジュバント、並びに他の不活性な成分および添加物を、さらに含んでいてよい。
【0041】
ある実施形態において、本発明の薬学的組成物は、カルビドパ;少なくとも2種の酸化防止剤;レボドパ;アルギニン、メグルミンまたはそれらの組み合わせ;および、任意で界面活性剤(それぞれ上述の実施形態のいずれか1つにおいて規定されている通り)を含んでいる。ここで、上記組成物のpHは9.1〜10、好ましくは9.4〜9.8、より好ましくは9.6〜9.8である。
【0042】
上述した通り、特定の酸化防止剤の組み合わせのため、本発明の薬学的組成物は非常に安定である。上記特定の酸化防止剤の組み合わせは、上記組成物中のカルビドパを安定化させ、上記カルビドパの分解物およびヒドラジンへの分解を強く抑制する。さらに、これらの組成物は、種々の条件および温度にて(例えば、最高で25℃の温度にて、長期間(より具体的には、最長で数年)にわたり)、安全かつ耐えられるヒドラジンの濃度に保ちながら保存することができる。
【0043】
ある実施形態において、上述の実施形態のいずれか1つに係る本発明の薬学的組成物は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間、もしくは24時間;1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、21日間、28日間、もしくは30日間;1か月間、2か月間、3か月間、4か月間、5か月間、6か月間、7か月間、8か月間、9か月間、10か月間、11か月間もしくは12か月間;または1年間、1.5年間、2年間、2.5年間、もしくは3年間にわたり、−20℃〜25℃の範囲の温度にて(例えば、−20℃、2℃〜8℃または25℃にて)保存後に、GCMSによって決定された1μg/ml未満、好ましくは0.5μg/ml未満、より好ましくは0.1μg/ml未満のヒドラジンを含んでいるか、または、HPLCによって決定された、カルビドパの初期量に対して5重量%未満、好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.75重量%未満、0.6重量%未満、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.25重量%未満、0.2重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、もしくは0.01重量%未満の分解物を含んでいる。
【0044】
本発明により提供される薬学的組成物は、従来技術によって調製されてよい。上記従来技術は、例えば、Remington "The Science and Practice of Pharmacy, 19
thEd.", 1995において説明されているものであり、後述する本明細書の実施例において説明されている手法の1つである。例えば、上記組成物は、全ての成分(すなわち、カルビドパ、酸化防止剤、並びに、任意でレボドパ、アルギニンおよび/またはメグルミン、および界面活性剤)を、全て粉末状にて、上述した量で混合し、粉末状の混合物とすることによって調製されてよい。その後、上記混合物に水を加えて、懸濁液とすることができる。上記混合物を溶解させるために十分な温度および時間にて、上記水を予熱し、または調製された上記懸濁液を加熱して、任意で攪拌すると、溶液とすることができる。上記予熱および加熱は、例えば、40℃〜100℃、40℃〜80℃、または60℃〜90℃にて、例えば、65±5℃、72℃±5℃、または73℃±3℃にて、例えば、予熱した水を加えること、および/または、上記混合物を湯浴すること(例えば、最大で3分間、5分間、10分間、20分間、30分間、40分間、50分間、60分間またはそれ以上)による。上述の工程に続いて上記溶液を冷却して、上記組成物を調製することができる。N
2を容器のヘッドスペースに封入することができる。特定の調製方法は、以下の実施例1において説明されている。本明細書において開示されている薬学的組成物は、例えば、0.2μmのフィルター(ナイロンを主成分とするフィルター、またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜など)を用いることによって滅菌することができる。
【0045】
本発明の薬学的組成物は、液体、ゲル、クリーム、固体、フィルム、エマルジョン、懸濁液、溶液、凍結乾燥物またはエアロゾルとして製剤化されており、液体として製剤化されていることが好ましい。上記組成物は、任意の適切な投与経路用に製剤化されていてよく、皮下投与用、経皮投与用、皮内投与用、静脈内投与用、筋肉内投与用、気管内投与用、髄腔内投与用、十二指腸内投与用、または経口投与用に製剤化されていることが好ましい。上記組成物はまた、吸入用、または粘膜組織を通した直接吸収用に製剤化されていてよい。
【0046】
他の態様において、本発明は、治療を必要とする個体における、ドーパミンまたはドーパミン作動性ニューロンの損失に関連する疾患、障害または病気を治療するための方法に関する。上記方法は、上述した実施形態のいずれか1つにおいて規定されている薬学的組成物(すなわち、安全かつ耐えられる濃度のヒドラジンを含有している、カルビドパを主成分とする組成物)の有効な量を、上記個体へ投与する工程を含んでいる。上記ドーパミンまたはドーパミン作動性ニューロンの損失に関連する疾患、障害または病気は、神経障害または運動障害であってよい。上記神経障害または運動障害は、むずむず脚症候群、パーキンソン病、二次性パーキンソン症候群、ハンチントン病、シャイ=ドレーガー症候群、および脳損傷に起因する病気(一酸化炭素中毒またはマンガン中毒を含む)を含んでいる。特定の一実施形態において、上記神経障害は、パーキンソン病である。
【0047】
本発明の方法によると、上記薬学的組成物を、定められた期間(例えば、数日間、数週間、数か月間または数年間)に及び投与することができ、任意の適当な経路(例えば、皮下、経皮、静脈内、筋肉内、皮内、気管内、髄腔内、十二指腸内または経口に加えて、吸入または粘膜組織を通した直接吸収によって)により作用させることができる。
【0048】
ある実施形態において、本発明の方法に係る薬学的組成物の上記投与は、実質的に継続的である(例えば、皮下または経皮)。本明細書において用いられるとき、用語「実質的に継続的」とは、上記組成物の1回分の投与量が、上記患者または個体へ、ボーラスとして(例えば、経口投与される錠剤として、またはボーラス注入として)投与されるよりも、特定の所定期間(例えば、少なくとも10分間、20分間または30分間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、15時間、18時間、21時間または24時間)に及んで投与されることを意味する。これら薬学的組成物の実質的に継続的な投与は、例えば経皮パッチまたは、上記組成物を上記患者へ徐々に継続的に投与するポンプ装置を用いることにより、達成できる。
【0049】
ある実施形態において、本発明に係る液体組成物(特にレボドパを含んでいる場合)は、0.01ml/時間/箇所〜0.4ml/時間/箇所(例えば、0.16ml/時間/箇所〜0.24ml/時間/箇所)の割合で投与されてよい。上記割合は、昼夜を通して一定であってもよいし、または、患者の必要に応じて変化させてもよい(例えば、患者の休憩または睡眠の予定と、覚醒または高度な活動レベルの予定とを反映させてよい)。したがって、上記薬学的組成物は、例えば、朝(例えば、起床前の2時間〜4時間)には0.32ml/時間/箇所の割合で、日中または活動時間の間(例えば、10時間〜12時間)には0.24ml/時間/箇所の割合で、および/または、休憩中または夜には0.08ml/時間/箇所の割合で、投与されてよい。他の実施形態において、上記組成物は、例えば、十二指腸内に、日中または活動時間の間(例えば、起床前の2時間〜3時間および、その後10時間〜12時間)は1.0ml/時間の割合で、休憩中または夜には0ml/時間〜0.5ml/時間の割合で、投与される。さらなる実施形態において、上記組成物は、日中または活動時間の間(例えば、起床前または後の2時間〜3時間および、その後10時間〜14時間)1.25ml/時間の割合で、休憩中または夜には0ml/時間〜0.5ml/時間(例えば、0.5±0.25ml/時間)の割合で、投与されてよい。他のさらなる実施形態において、上記組成物は、0.1μl/時間/箇所〜1000μl/時間/箇所の割合で;または、2ml/24時間/箇所〜10ml/24時間/箇所の体積で、好ましくは4ml/24時間/箇所〜6ml/24時間/箇所の体積で;または、レボドパを80mg/日〜800mg/日、かつカルビドパを20mg/日〜200mg/日の用量で;または、レボドパを240mg/日/箇所〜360mg/日/箇所、かつカルビドパを60mg/日/箇所〜90mg/日/箇所の割合で、投与されてよい。
【0050】
ある実施形態において、本発明に係る薬学的組成物は、実質的に継続的に投与されてよい。上記投与は、例えば、皮下注入用のポンプ(例えば、インスリンポンプ)を用いて、10μl/時間〜1000μl/時間(例えば、10μl/時間〜250μl/時間)、300±100μl/時間、もしくは200±40μl/時間の平均割合で、24時間にわたり継続的に;440±200μl/時間もしくは200±50μl/時間で、16時間(覚醒時間の間)にわたり継続的に、かつ0μl/時間〜80μl/時間もしくは0μl/時間〜200μl/時間で、8時間(夜間)にわたり継続的に;または、経皮パッチを用いてなされる。患者に対する上記組成物の実質的に継続的な投与は、2つ以上のポンプ、パッチまたは注入箇所を用いることによって、2倍または3倍にできる。ある実施形態において、例えば、液体組成物を用いる実質的に継続的な投与は、0.2μl/時間〜2μl/時間もしくは1±0.5μl/時間の平均割合で、24時間にわたり継続的に;1±0.5μl/時間で、16時間(覚醒時間の間)にわたり継続的に、かつ0μl/時間〜0.5μl/時間で、8時間(夜間)にわたり、ポンプ、経皮パッチ、または、例えば、皮下投与、静脈内投与、髄腔内投与および/または十二指腸内投与に適した送達装置の組み合わせを介したものでありうる。
【0051】
ある実施形態において、本発明の薬学的組成物は、速やかな急性投与による(例えば、吸入または注入による)上記神経障害または運動障害の治療のために使用される。
【0052】
本明細書において用いられるとき、用語「薬学的に許容可能な担体」または「薬学的に許容可能な添加物」とは、互いに可換であり、薬学的投与と両立可能である任意かつ全ての溶媒、分散媒、保存料、酸化防止剤、被覆物、等張化剤および吸収遅延剤などを表している。薬学的に有効な物質のための、上記媒体および成分の使用は、周知技術である。本発明の組成物はまた、補助的な、追加のまたは強化された治療機能を与える、他の有効な薬剤を含有しうると理解されるべきである。
【0053】
薬学的組成物に含まれている担体または添加物について、用語「許容可能」とは、哺乳類またはヒトに対して適切に投与された場合に、副作用、アレルギー反応、または他の不利な反応を引き起こさない、任意の担体、成分または分子実体を表している。ヒトへの投与のために、組成物は、例えば、米国食品医薬品局(FDA)または欧州医薬品庁(EMA)によって要求されるような、不妊時、妊娠時および一般的な安全基準および純度基準に適合しているべきである。
【0054】
用語「生理学的に許容可能なpH」とは、例えば、患者に対する製剤または組成物の、顕著な副作用のない投与を容易にする、上記製剤または組成物のpHを意味していることが理解される。上記pHは、例えば、pH4〜pH9.8(例えば4±0.3〜9.5±0.3)である。
【0055】
本明細書において用いられるとき、用語「環境温度」とは、10℃〜30℃の範囲の温度を表している。特定の実施形態において、環境温度は25℃でありうる。
【0056】
本明細書において開示されている、本発明の薬学的組成物に関する百分率は、特別に示されていない限り、重量パーセントである。
【0057】
さらに他の態様において、本発明は、ドーパミンまたはドーパミン作動性ニューロンの損失に関連する疾患、障害または病気(例えば、パーキンソン病)の治療における使用のための、上述の薬学的組成物(すなわち、安全かつ耐えられる濃度のヒドラジンを含有している、カルビドパを主成分とする組成物)に関する。
【0058】
さらにまた他の態様において、本発明は、ドーパミンまたはドーパミン作動性ニューロンの損失に関連する疾患、障害または病気(例えば、パーキンソン病)の治療用薬剤の調製のための、上述の薬学的組成物(すなわち、安全かつ耐えられる濃度のヒドラジンを含有している、カルビドパを主成分とする組成物)の使用に関する。
【0059】
さらなる態様において、本発明は、上述の実施形態のいずれか1つに係る薬学的組成物をそれぞれ含んでいる、少なくとも1つ(すなわち、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上)の容器を備えているキットを提供する。ここで、少なくとも1日間、1週間、1か月間、2か月間、6か月間または1年間にわたって、上記組成物は、ドーパミンまたはドーパミン作動性ニューロンの損失に関連する疾患、障害または病気(例えば、パーキンソン病)について治療が必要な個体を治療するために十分な量にて存在する。本発明のキット中に備えられている容器は、例えば、事前に充填されたカートリッジ、または医師もしくは患者による使用に適した薬瓶であってよい。
【0060】
したがって、ある実施形態において、本発明のキットは、上述した薬学的組成物を含んでいる事前に充填されたカートリッジ(例えば、1回の用量、または患者に対する1回の投与もしくは複数回の投与に適した用量の上記組成物を含んでいる、事前に充填されたカートリッジ)、および、任意で使用のための説明書を備えている。上記容器、薬瓶または事前に充填されたカートリッジなどは、例えば、1ml〜10mlの開示されている組成物を含んでいてよい。特定の実施形態において、本発明のキットは、開示されている薬学的液体組成物を、シリンジポンプまたはパッチポンプに充填するのに適した量にて(例えば、1ml〜10ml、1ml〜2ml、2ml〜5ml、1ml〜2mlまたは4ml〜10mlの開示されている組成物)それぞれ含んでいる、1つ以上の事前に充填された薬瓶、容器または注射器を備えている。
【0061】
本発明の組成物の増大された安定性を考慮すると、本発明に係る特定のキットは、少なくとも1日間、2日間、3日間、4日間もしくは5日間;1週間、2週間、3週間もしくは4週間;1か月間、2か月間、3か月間、4か月間、6か月間もしくは9か月間;または1年間もしくは1.5年間、患者に対する投与に適切な量である供給量の組成物を含む。上記供給量は、例えば、適切な容量(例えば、単位用量)の組成物へと封入されうる。上記キットは、それらの使用のための説明書を任意で含みうる。例えば、日常の使用のためのキットは、開示されている組成物の容器または薬瓶を1つ、2つまたはそれ以上、注入セット、および使い捨ての患者への送達ユニット(例えば、注射器)を備えていてよい。
【0062】
ここに一般的に説明されている本発明は、以下の実施例を参照することにより、より容易に理解される。以下の実施例は、本発明のある態様および実施形態の単なる例示の目的のために含まれており、決して本発明を限定するために意図されていない。
【0063】
〔実施例〕
[実施例1 製剤の調製手法]
レボドパ(LD)およびカルビドパ(CD)製剤は、以下のように調製できる。
方法#1(L−Arg溶液):L−Argおよび重亜硫酸Na(Na−Bis)を、水に溶解させた。溶液を、LD粉末およびCD粉末に加えた。混合物を、攪拌しながら75℃で13分間、完全に溶解するまで加熱した。LD/CD溶液を、室温(RT)で10分間放置し、冷却した。
方法#2(全ての粉末を一度に):全ての粉末(LD、CDおよびL−Arg)を計量し、水およびNa−Bisを加えた。懸濁液を、攪拌しながら75℃で13分間、完全に溶解するまで加熱した。LD/CD溶液を、RTで10分間放置し、冷却した。
方法#3(Na−Bisの予熱以外は#2と同様):全ての粉末(LD、CDおよびL−Arg)を同時に計量し、水を加えた。懸濁液を、攪拌しながら75℃で13分間、完全に溶解するまで加熱した。LD/CD溶液を、RTで10分間放置し、冷却した。
方法#4(段階ごとに調製):LDおよびそれぞれの量のL−Argを計量し、水およびNa−Bis溶液を加えた。懸濁液を、75℃で7分間、完全に溶解するまで加熱した後、RTで7分放置した。CDおよびそれぞれの量のL−Argを計量し、完全に溶解するまで、60℃のLD/Arg溶液に加えた。最後に、追加のL−Argを加えた。
方法#5(Na−Bisの予熱以外は#4と同様):LDおよびそれぞれの量のL−Argを計量し、水を加えた。懸濁液を、75℃で7分間、完全に溶解するまで加熱した後、RTで7分放置した。CDおよびそれぞれの量のL−Argを計量し、完全に溶解するまで、60℃のLD/Arg溶液に加えた。最後に、追加のL−Argを加えた。
【0064】
冷却後、全ての方法から調製された全ての製剤は、3つの薬瓶に分注され、それぞれの薬瓶に対して、水、Na−Bis溶液またはNa−Bis−Arg溶液を加えた。
【0065】
[実施例2 CD含有製剤における主成分の同定]
レボドパ、カルビドパおよびアルギニンを含む液体製剤を、実施例1において概要を説明した手法を用いて調製した。上記組成物を、Agilent 1100 systemを用いて、カルビドパ−レボドパ製剤用のAPH安定性指標分析法に従い、HPLC分析を行った。
【0066】
本実施例において用いたHPLCシステムは、以下の部品(Agilent製)を備えている:ポンプシステム(G1311Aモデル)、ダイオードアレイ検出器(G1315Bモデル)、オートサンプラー(G1329Aモデル)、脱気装置(G1379Aモデル)、サーモスタット(G1330Bモデル)、サーモスタット付カラムコンパートメント(G1316Aモデル)。カラムは、新品のSynergi 4μ Fusion-RP 80A、250×4.6mm(Phenomenex(登録商標))を採用した。
【0067】
HPLCの作動環境 波長:280nm;流速:1.0ml/分;注入量:10μl;カラム温度:30℃;サーモスタット温度:4℃;終了時間:27分;圧力:105bar。
【0068】
移動相の調製 溶媒A:アセトニトリル、溶媒B:20mM二水素リン酸カリウム(pH2.4)。2.72g/lの二水素リン酸カリウムを計量することにより、上記移動相Bを調製した。H
3PO
4を加えることにより、pHを2.4に調節した。使用した勾配は、表2によった。
【0069】
希釈剤 0.1M HCl/MeOH(9:1)。(8.3mlの37%HClを1Lに)→0.1M HCl。STD LDOPA=100.00mg/100ml。STD
CDOPA=25.00mg/100ml。
【0070】
校正曲線は、表3において説明されている。
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
1mlのサンプル(レボドパ/カルビドパ製剤)を、25mlのメスフラスコ(茶褐色ガラス製)に移し、希釈剤(0.1M HCl/MeOH(9:1))で容積いっぱいまで満たした。上記サンプルを、過酸化水素で分解させた。
【0074】
約14.5±0.2分間の保管期間における、不純物の多さを観測した(
図1)。観測されたピークが実際に当該化合物であることを確認するために、分解物の主要なピークをHPLC分析機から分取し、窒素気流の下で乾燥させ、希釈剤で再び溶解させた。得られたサンプルを、HPLC/MSで試験した。
【0075】
まず、MSスキャン分析を行った(
図2A〜2B)。未知の化合物は、ネガティブモードにおいて明確で強いシグナルを示し、ポジティブモードにおいてよりノイズの多いシグナルを示した。この結果より、プロトンドナーがプロトンアクセプターより多かったと推定された。ネガティブモードにおけるベースピークは、M/Z=195Daであり、M−Hであると思われた。当該イオンとM/Z=217のピークとの間の質量差は22であることから、ナトリウム付加物である。これは、カルボキシル基または/およびフェノール基の存在の証拠である。この事実より、分子量は196Daであると提案された。
【0076】
M/Z=197(M+H+)
+のピークは、ポジティブモードにおいて検出されなかった。しかし、M/Z=197(M−H
2O)
+のピークは観測された。これは、酸素を含有する分子に典型的である。
【0077】
さらに、親イオン−娘イオンMS/MSを行い、分子構造を明らかにした。ポジティブモードにおいて観測されたピークのうち、M/Z=179、161、151、133、123、105のものが、関係があると判明した。これらは、M/Z=197の分子イオンから生じた、インソースフラグメントイオンであると明らかになった。典型的なMSおよびMS/MSのスペクトルを、
図3A〜
図3Bに示した。
【0078】
分解化合物の化学式は、C
10H
12O
4であり、分子構造は3−(3,4ジヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン酸であった。
【0079】
[実施例3 LC/CD製剤の安定性における、アスコルビン酸(EDTAを伴う、または伴わない)の効果]
全ての粉末(LD、CD、EDTA、アスコルビン酸およびL−Arg)を計量し、73±3℃に予熱した水を加えることにより、液体製剤を調製した。懸濁液を73±3℃にて湯浴し、完全に溶解するまで10分間攪拌した。LD/CD溶液をRTにて10分間放置し、冷却した。溶液をガラス製の薬瓶に分注し、+25℃および−20℃にて、示された期間保管した。分析に先立って、冷凍された薬瓶を、完全に解凍されるまでRTにて放置した。その後、製剤を混合し、安定性の分析を行った。LD/CD製剤の安定性における、アスコルビン酸(EDTAを伴う、または伴わない)の効果は、HPLCによって計測した。表4および表5に示されている分解物のレベル(CDの初期量に対する百分率として)は、LC/CD製剤の安定性のレベルを示している。上記分解物のレベルによると、EDTAは、LD/CD製剤の安定性において顕著な効果をもたらさなかったと考えられる。
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
[実施例4 CD/LD含有溶液の安定性における、L−システインの効果]
全ての粉末(LD、CD、L−システイン、アスコルビン酸およびL−Arg)を計量し、73±3℃に予熱した水を加えることにより、液体製剤を調製した。懸濁液を73±3℃にて湯浴し、完全に溶解するまで10分間攪拌した。LD/CD溶液をRTにて10分間放置し、冷却した。CD製剤用に、CD、L−システインおよびアスコルビン酸を計量し、予熱した水(60℃)を加えた。溶液をガラス製の薬瓶に分注し、+25℃および−20℃にて、示された期間保管した。分析に先立って、冷凍された薬瓶を、完全に解凍されるまでRTにて放置した。その後、製剤を混合し、安定性の分析を行った。25℃にて保管した場合のカルビドパ製剤の安定性におけるL−システインの効果は、空気中に暴露した場合または嫌気環境(N
2)を保った場合のいずれも、HPLCを用いて分析した。表6に示されている分解物のレベル(CDの初期量に対する百分率として)は、カルビドパ製剤の安定性のレベルを示している。
【0083】
表6に示されているように、アスコルビン酸および0.1%のL−システインは、少なくとも5週間にわたり25℃の嫌気環境下で保存された場合のカルビドパ含有製剤(レボドパを含むまたは含まない)における、分解物の形成の抑制に十分であった。この表からさらに推論されうるように、L−システインは、25℃の好気環境下における分解物の形成を、含有量に依存して低減した。
【0084】
カルビドパおよび0.4%のL−システインを含有している製剤において、上記製剤の調製の間、分解物の形成は抑制された。これらの製剤は、好気環境下および嫌気環境下の両方において、25℃にて少なくとも5週間にわたり安定であった。LDをも含有している場合、カルビドパを含有している製剤は、空気中に暴露した状態でさらに安定であった。
【0085】
【表6】
【0086】
[実施例5 6%/1.4%のLD/CD製剤の安定性における、L−システインの効果]
実施例3において説明した通りに、液体製剤を調製した。6%/1.4%のレボドパ/カルビドパ溶液の、25℃での安定性におけるL−システインの効果を、HPLCを用いて分析した。表7〜表10に示されている分解物のレベル(CDの初期量に対する百分率として)は、当該製剤の安定性のレベルを示している。
【0087】
その結果、アスコルビン酸およびL−システインを両方含む場合は、アスコルビン酸のみを含む場合と比較して、レボドパ/カルビドパ製剤はより安定であることが示された。L−システインおよびアスコルビン酸は、分解物の形成を防止することにおいて、相乗効果を有していると考えられる。他の結果によると、L−システイン単独では、全く効果がなかったことが示された(データは示されていない)。さらに、製剤の調製の間、L−システインは分解物の形成を抑制した。また、L−システインは、25℃で少なくとも最大5週間にわたって、含有量に依存して上記製剤の安定性を維持した。アスコルビン酸の量が増加するにつれ、分解物の形成は低減した。しかし、上記低減の効果は、アスコルビン酸とL−Cysとの組み合わせと比較すると、顕著に効果が低かった。
【0088】
【表7】
【0089】
【表8】
【0090】
【表9】
【0091】
【表10】
【0092】
[実施例6 LD/CD製剤の安定性における、Tween−80およびアスコルビン酸Naの効果]
全ての粉末(LD、CD、L−システイン、アスコルビン酸、アスコルビン酸NaおよびL−Arg)を計量し、73±3℃に予熱した水を加えることにより、液体製剤を調製した。懸濁液を73±3℃にて湯浴し、完全に溶解するまで10分間攪拌した。LD/CD溶液をRTにて10分間放置し、冷却した。次に、Tween−80を加えた。溶液をガラス製の薬瓶に分注し、+25℃および−20℃にて、示された期間保管した。分析に先立って、冷凍された薬瓶を、完全に解凍されるまでRTにて放置した。その後、製剤を混合し、安定性の分析を行った。レボドパ/カルビドパ製剤の安定性における、Tween−80およびアスコルビン酸Naの効果は、HPLCを用いて分析した。表11に示されている分解物のレベル(CDの初期量に対する百分率として)は、カルビドパ/レボドパ製剤の安定性のレベルを示している。
【0093】
【表11】
【0094】
その結果、Tween−80は、分解物の形成において効果を有さないことが示された。加えて、上記製剤の安定性におけるL−システインの効果は、含有量に依存することも示された。さらに、上記製剤の安定性および分解物の形成における、アスコルビン酸Naおよびアスコルビン酸の効果は、類似していることも示された。
【0095】
[実施例7 LD/CD製剤の長期間の安定性における、アスコルビン酸(L−CysもしくはNACを伴う、または伴わない)の効果]
全ての粉末(LD、CD、アルギニン、L−システインまたはNAC、およびアスコルビン酸またはアスコルビン酸Na)を計量し、73±3℃に予熱した水を加えることにより、液体製剤を調製した。懸濁液を73±3℃にて湯浴し、完全に溶解するまで攪拌した。LD/CD溶液をRTにて放置し、冷却した。次に、Tween−80を加えた。溶液をガラス製の薬瓶に分注し、+25℃および−20℃にて、示された期間保管した。分析に先立って、冷凍された薬瓶を、完全に解凍されるまでRTにて放置した。その後、製剤を混合し、安定性の分析を行った。カルビドパ/レボドパ製剤の安定性における、アスコルビン酸(L−CysもしくはNACを伴う、または伴わない)の効果は、HPLCを用いて分析した。表12に示されている分解物のレベル(CDの初期量に対する百分率として)は、カルビドパ/レボドパ製剤の安定性のレベルを示している。
【0096】
表12に示された結果によると、アスコルビン酸およびNACの両方を含有している製剤は、アスコルビン酸のみを有している製剤と比較して、以下の条件下でより安定であると考えられる。a)T
0、すなわち、製剤の調製直後、b)−20℃にて、少なくとも9か月間にわたって、および、c)環境温度にて、少なくとも1か月間にわたって。
【0097】
【表12】
【0098】
[実施例8 CD製剤の安定性における、酸化防止剤の効果]
上述した通りに、カルビドパおよびアルギニンを含む液体製剤を調製した。カルビドパ製剤の安定性における酸化防止剤の効果は、HPLCを用いて分析した。表13および表14に示されている分解物のレベル(CDの初期量に対する百分率として)は、カルビドパ製剤の安定性のレベルを示している。
【0099】
表13および表14における結果によると、アスコルビン酸+L−システインを含有している製剤は、重亜硫酸Naを含有している製剤と比較して、顕著により安定であると考えられる(製剤3、4と製剤1、2とを比較)。0.075%重亜硫酸Naおよび0.1%の重亜硫酸Naにおいて同量の不純物が計測されたことから、重亜硫酸Naによる最大限に可能な保護は、達成されたと考えられる。
【0100】
要約すると、アスコルビン酸/L−システインの組み合わせは、分解物および他の不純物(ヒドラジンなど)の形成を防止することができる(他の実施例を参照されたい)。一方、重亜硫酸Naは、カルビドパを含有する製剤を、同程度には保護しない。
【0101】
【表13】
【0102】
【表14】
【0103】
[実施例9 4%のCDを含有している製剤の安定性における、種々の酸化防止剤および異なる濃度のアルギニンの効果]
上述した通りに、カルビドパおよびアルギニンを含む液体製剤(表15)を調製した。4%のCDを含有し、環境温度(25℃)または冷温(2〜8℃)にて、好気環境下(空気)または嫌気環境下(N
2)で保存された製剤の安定性における、種々の酸化防止剤および異なる濃度のアルギニンの効果は、HPLC分析を用いて評価した。表16および表17にそれぞれ示されている、分解物のレベルおよび全不純物のレベルは、カルビドパ製剤の安定性のレベルを示している。
【0104】
表16および表17に示されている結果より、25℃にて空気中に暴露された場合、アルギニンをより多く含有している製剤は、より安定であったことが示される(製剤2と製剤3とを比較)。さらに、窒素下(嫌気環境下)で保存した場合、重亜硫酸Naを含有している製剤は、アスコルビン酸およびL−システインを含有している製剤と比較して、より安定でなかった(それぞれ製剤2と製剤1とを比較)。N
2により、分解および分解物の形成から、顕著に保護された。冷蔵保存された場合、室温(環境温度)と比較して、空気中に暴露された製剤はより安定であった。
【0105】
【表15】
【0106】
【表16】
【0107】
【表17】
【0108】
[実施例10 4%のCDを含有している製剤の、40℃での安定性における、種々の酸化防止剤の効果]
上述した通りに、カルビドパおよびアルギニンを含む液体製剤(表18)を調製した。4%のCDを含有している製剤の、40℃での安定性における種々の酸化防止剤の効果は、HPLC分析を用いて評価した。表19および表20にそれぞれ示されている、分解物のレベル(CDの初期量に対する百分率として)および全不純物のレベルは、カルビドパ製剤の安定性のレベルを示している。
【0109】
【表18】
【0110】
表19〜表20に示された結果によると、重亜硫酸Naを含有している製剤は、アスコルビン酸およびL−システインを含有している製剤と比較して、調製中および40℃にて保存した場合の両方において、より安定でなかったと考えられる(製剤1、2と製剤3、4とを比較)。さらに、システインの含有量依存性がみられた。すなわち、L−システインの濃度が高いほど、分解物の形成は少なかった。重亜硫酸Naについては、含有量依存性は観測されなかった。最大限の可能な保護が、0.075%の重亜硫酸Naによって達成されうると考えられる。
【0111】
【表19】
【0112】
【表20】
【0113】
[実施例11 4%のCDを含有している製剤の安定性における、種々の酸化防止剤と組み合わされたアスコルビン酸の効果]
上述の通り、カルビドパおよびアスコルビン酸を含む液体製剤(追加の酸化防止剤を伴う、または伴わない)を調製した。4%のCDを含有している製剤の、25℃での安定性における、アスコルビン酸と種々の酸化防止剤との間の組み合わせ効果は、HPLC分析を用いて評価した。表21および表22にそれぞれ示されている、分解物のレベル(CDの初期量に対する百分率として)および全不純物のレベルは、カルビドパ製剤の安定性のレベルを示している。
【0114】
表21〜表22に示された結果によると、0.5%のアスコルビン酸は、カルビドパを含有している製剤における、分解物の形成防止のためには不十分であったことが示される。さらに、アスコルビン酸の最大限の酸化防止能を発揮するために、アスコルビン酸は他の酸化防止剤を必要とする。例えば、0.5%のアスコルビン酸およびL−システイン、NACまたは重亜硫酸Naは、カルビドパの分解を相乗的に抑制した。25℃で3日間経過後において、アスコルビン酸およびL−システインを含有している製剤は、分解物の量が最も少なかった。
【0115】
カルビドパの分解における重亜硫酸Naの効果は、酸化防止剤を全く含まない場合に得られた効果と類似していた。
【0116】
【表21】
【0117】
【表22】
【0118】
[実施例12 4%のCDを含有している製剤の、25℃での安定性における、酸化防止剤の効果]
上述の通りに、カルビドパ(4%)およびアルギニンを含む液体製剤(表23)を調製した。これらの製剤の、25℃での安定性における種々の酸化防止剤の効果は、HPLC分析を用いて評価した。表24に示されている、分解物のレベル(CDの初期量に対する百分率として)および全不純物のレベルは、これらの製剤の安定性のレベルを示している。
【0119】
表24に示されている結果によると、アスコルビン酸、重亜硫酸塩またはシステインは、それぞれ単独で使用すると、分解物の形成を抑制しなかったと考えられる。重亜硫酸塩とシステインまたはアスコルビン酸との組み合わせは、分解物の形成を抑制しなかった。アスコルビン酸とシステインとの間には、分解物の形成における相乗的な抑制効果があった。しかし、そのような相乗効果は、システインと重亜硫酸塩との間には観測されなかった。上記相乗効果は、アスコルビン酸と重亜硫酸塩との間で(アスコルビン酸濃度が高い場合に)見られた。これらの結果から、アスコルビン酸およびシステインという固有の組み合わせを含有している製剤は、分解物の形成を抑制するための最良の手段をもたらしうる、とさらに考えられる。
【0120】
0.2%のアスコルビン酸は、分解物の形成防止のためには、十分ではなかった。0.2%のシステインを伴う場合、0.5%のアスコルビン酸は、0.2%のアスコルビン酸と比較して、不純物の全量および分解物の形成を低減することにおいて、より効果的であった。少なくとも0.5%のアスコルビン酸および0.2%のシステインが、望ましいと考えられる。
【0121】
【表23】
【0122】
【表24】
【0123】
[実施例13 CD製剤およびCD/LD製剤における、ヒドラジンのレベルの決定]
アセトン−d6を用いた誘導体化によって、ヒドラジンの決定を行った。ヒドラジン誘導体を、ガスクロマトグラフィ質量分析(GC/MS)によって分析した。ヒドラジン誘導体に特有の質量を、Solvias標準操作法(SOP’s)に基づいて、選択イオンモニタリングモード(SIMモード)にて計測した。
【0124】
上述の通りに、カルビドパ、レボドパおよびアルギニンを含む液体製剤(表25)を調製した。当該製剤における、ヒドラジンのレベルを計測した(表26)。
【0125】
【表25】
【0126】
【表26】
【0127】
表26に示された結果によると、レボドパ製剤とレボドパを含まない製剤とを比較すると、ヒドラジンのレベルが少なくとも2倍低かったことが、明確に示されている。さらに、L−システインまたはNACを含んでいる製剤は、L−システインまたはNACを含まない製剤と比較して、少なくとも4倍低いヒドラジンのレベルを示した。
【0128】
[実施例14 CD/LD製剤]
分解物およびヒドラジンの形成を低減する組み合わせの発見に基づいて、新規なCD/LD製剤を開発した。これらの製剤は、表27および表28に示されている。
【0129】
【表27】
【0130】
【表28】
【0131】
本明細書において開示されている製剤に照らして使用されてもよい、さらなる製剤が、表29に与えられている。上記製剤は、追加の成分(例えば、本明細書において開示されている任意の成分)を含んでいてよい。本明細書において開示されている製剤に照らして使用されうる、よりさらなる製剤が、表30および表31に説明されている。
【0132】
【表29】
【0133】
【表30】
【0134】
【表31】
【0135】
〔均等物〕
本発明の特定の実施形態が論ぜられてきたが、上記の明細書は例示であり、制限ではない。本明細書を閲覧した当業者にとって、本発明の種々の変形例は明らかである。本発明の全範囲は、請求項(および均等物の全範囲)並びに本明細書(および上記変形例)を参照することによって決定されるべきである。
【0136】
別途示されていない限り、本明細書および請求項において使用されている、成分の量、反応条件などを表している全ての数は、全ての例において、用語「約」によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、そうではないと示されていない限り、本明細書および添付の請求項における数値パラメータなどは、本発明によって得られる、求められる所望の特性に応じて変化してよい近似値である。
【0137】
〔参照による組み込み〕
ここに、本明細書において引用されている全ての特許、出願公開、ウェブサイトおよび他の参照文献の全内容は、参照により、明示的に完全に本明細書に組み込まれる。