【氏名又は名称原語表記】FUSHUN RESEARCH INSTITUTE OF PETROLEUM AND PETROCHEMICALS, SINOPEC CORP.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
排煙が脱硝反応器の底部から入り、アンモニア含有混合ガスがアンモニア噴射グリルにより排煙に注入され、気流が下から上へ水平に互い違いに配列された多層の触媒床を通して、脱硝反応を発生させてNOXを除去し、それと同時に排煙における粉塵が触媒床により濾過されて除塵され、脱硝と除塵後の排煙が反応器の頂部から排出され、さらに次の脱硫処理を行うステップを含む排煙脱硝方法であって、
触媒床は、上下複数層の網状コンベアとコンベアに堆積された粒子状脱硝触媒から構成され、隣接する2つの触媒床の間の垂直距離が1200〜2000mmであり、前記粒子状脱硝触媒は、粒子径が3〜6mm、かさ密度が0.2〜0.8g/cm3、比表面積が80〜120m2/gであり、上下複数層のコンベアの移動方向の両端は反応器外側の密閉チャンバ内に配置され、隣接する上下の二層のコンベアの移動方向が反対し、上層の粒子状脱硝触媒がコンベアに伴ってコンベアの末端まで移動して、重力を利用して下層のコンベアの移動方向の前記密閉チャンバ内の開始端に自由落下し、粒子状脱硝触媒が最後層のコンベアの前記密閉チャンバ内の末端で触媒回収装置に落下して回収される排煙脱硝方法。
【背景技術】
【0002】
総称してNO
xと呼ばれる窒素酸化物は、大気汚染の主な汚染源の1つである。最も有害なものはNOとNO
2である。NO
xの主な危害は以下のとおりである。(1)人体に有毒である。(2)植物に有毒である。(3)酸性雨や酸性ミストを生成する。(4)炭化水素化合物と光化学スモッグを形成する。(5)オゾン層を破壊する。
【0003】
排煙脱硝とは、排煙からNO
xを除去することをいい、処置方法によって湿式脱硝と乾式脱硝に分ける。主に、酸吸収法、アルカリ吸収法、選択的接触還元法、非選択的接触還元法、吸着法、イオン活性化法などが含まれる。国内外の何人かの研究者はまた、NO
x排出ガスを微生物で処理する方法を開発した。しかしながら、その中でも、選択的接触還元(SCR)は工業的価値を有しそして最も広く使用されている。
【0004】
現在、石炭火力発電所および製油所のFCC再生排煙の脱硝処理には主にSCR法が採用されており、且つ湿式洗浄による脱硫・除塵と組み合わせている。一例としてFCC排煙を取り上げると、主なプロセスは次の通りである。まず、500〜600℃のFCC再生排煙について廃熱ボイラーで熱を回収して、排煙温度を320〜400℃に下げて、SCR固定床反応器に入れて脱硝反応を行い、排煙中のNO
xを除去し、次に、廃熱ボイラーに戻して熱を回収して、排煙の温度を150〜200℃に下げた後、脱硫除塵洗浄塔に入れて、アルカリ吸収液を用いて排煙中のSOxと粉塵を同時に洗い落とし、排煙の温度を55〜60℃に下げると排出する。脱硫廃棄物の吸収液に対しては、沈降、濾過、濃縮などの工程で固液分離し、固液分離後の澄み液を空気曝気により酸化し、CODは標準に達して排出し、固体は埋め立てる。
【0005】
既存のSCR脱硝プロセスは、すべて固定床脱硝反応器を使用し、ハニカム式、プレート式または波式のものを触媒として用い、そして触媒をモジュールの形で反応器内に配置する。まず、還元剤NH
3を反応床の前に注入し、NH
3を排煙中のNO
xと十分に混合し、そして脱硝触媒床を通して、NO
xをN
2に接触還元する。
【0006】
従来技術には以下の問題がある。
【0007】
(1)一般に、排煙にはSO
2、SO
3、O
2および水蒸気を含有するので、反応域でのアンモニアが過剰となると(アンモニアの脱出)、SO
3と反応してアンモニウム塩を生成する。生成したアンモニウム塩(NH
4HSO
4)は、180℃〜240℃で液体であり、粘性を有しSCR脱硝反応器の下流装置であるエコノマイザの熱交換管に付着して排煙中のダストを粘着し、熱交換管層でのスケーリングや閉塞および腐食を引き起こしやすくなり、それによって装置の操作サイクルに悪影響を与える。アンモニアの脱出を回避するために、SCR固定床反応器の入り口でのアンモニア噴射の均一性には、一般に5%未満の正または負の偏差を必要とする。
【0008】
(2)排煙中のNO
x含有量は、主装置のプロセス条件によるものであり、変動幅が大きいのに加えて、SCR固定床反応器の触媒量は一定であるため、NO
x濃度範囲が設計値を超えると、浄化された排煙中のNO
xが標準排出量を満たせなくなる。従って、固定床の操作はそれほど柔軟ではない。
【0009】
(3)固定床反応器の運転中、触媒の活性が徐々に減少するため、反応器の出口でのNO
xが標準排出量に達しないとき、触媒を交換する必要がある。普通のSCR装置は、動作サイクルが少なくとも3〜4年であることが要求されている。そうしないと、主装置の動作に影響を与えてしまう。普通のSCR装置には、脱硝率が60〜90%以上であることが要求され、触媒を交換するときの触媒の活性が少なくとも60%以上である。このことから、固定床SCR反応器を用いる場合は、触媒の利用率が低いことが分かった。
【0010】
(4)一般に、排煙脱硝後、脱硫とともに湿式洗浄による除塵法を行う必要があり、除塵後、脱硫廃液について固液分離をする必要があり、工程が長くなり、操作が煩雑になり、また投資および運転コストが高くなる。
【0011】
現在のところ、工業化された移動床SCR反応器は報告されておらず、CN102008893Aは、従来の移動床反応器を用いてSCR反応を行うことを開示しており、床層を通すために圧力損失を必要とするため、排煙量が大きかったり、排煙には粉塵が含まれたり、排煙の残留圧力が低かったりするような作業条件に適していない。また、排煙は重力により下方に移動するため、反応器が大きいと移動の均一性が問題となり、床層がブリッジングして塞がれやすくなり、触媒の粒子径への要求が高まり、反応の均一性も問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、低い触媒利用率、低い操作上の柔軟性、および排煙脱硝後に湿式洗浄による除塵を必要とするなどの既存のSCRプロセスおよび装置の欠点を解決するために、排煙脱硝方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を実現するために、本発明は、脱硝反応器において、アンモニアの存在下で、排煙を下から上へ複数の触媒床を通して、脱硝反応を発生させるステップを含む排煙脱硝方法であって、各々の触媒床は、触媒担持部材と該触媒担持部材に堆積された粒子状脱硝触媒とを含み、隣接する上下の2つの触媒床において、2つの触媒担持部材の移動方向が反対し、上層の粒子状脱硝触媒が触媒担持部材に伴って触媒担持部材の末端まで移動して、重力を利用して下層の触媒担持部材の開始端に自由落下する排煙脱硝方法を提供する。
【0014】
本発明はさらに、排煙が脱硝反応器の底部から入り、アンモニア含有混合ガスがアンモニア噴射グリルにより排煙に注入され、気流が下から上へ水平に互い違いに配列された多層の触媒床を通して、脱硝反応を発生させてNO
Xを除去し、それと同時に排煙における粉塵が触媒床により濾過されて除塵され、脱硝と除塵後の排煙が反応器の頂部から排出され、さらに次の脱硫処理を行うステップを含む排煙脱硝方法であって、触媒床は、網状コンベアとコンベアに堆積された粒子状脱硝触媒から構成され、隣接する上下の二層のコンベアの移動方向が反対し、上層の粒子状脱硝触媒がコンベアに伴ってコンベアの末端まで移動して、重力を利用して下層のコンベアの移動方向の開始端に自由落下し、粒子状脱硝触媒が最後層のコンベアの末端で触媒回収装置に落下して回収される排煙脱硝方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
従来技術に比べて、本発明の前記方法は以下の利点を有する。
【0016】
(1)本発明の前記方法は、強い柔軟性と適応性を有し、触媒担持部材での脱硝触媒の移動速度を調節することによって反応器中の触媒の滞留時間を調節することができ、そして触媒担持部材での触媒の床厚を調節することによって、排煙が触媒床を通過する反応時間を調節することができるので、NO
x濃度の変動幅が大きい排煙を処理することができ、触媒の利用率を最大化することができる。
【0017】
(2)本発明では、触媒を繰り返し使用したり、いつでも触媒を交換することができるので、従来の固定床反応器に比べて触媒利用率が非常に高く、触媒の使用量が大幅に減少し、触媒のオンライン交換を実現して、反応器内の触媒の安定した活性を確保できる。
【0018】
(3)本発明では、触媒粒子が反応器内の排煙と逆接触するため、反応器上部の触媒床は過剰のアンモニアを吸着することができ、触媒粒子は下方へ移動する過程で排煙と反応してアンモニアを消費しまたはアンモニアを触媒粒子内に吸着させて反応器から排出するため、アンモニアの脱出がなく、床の初期アンモニア分布の均一性への要求が低くなり、アンモニアの脱出による二次汚染および硫酸水素アンモニウムによる床の閉塞の問題が回避され、装置の動作サイクルが延長される。
【0019】
(4)本発明は、排煙における粉塵を濾過するために粒子状触媒床を採用するものであり、従来技術よりもプロセスが簡単になり、そして触媒床に残留された粉塵は触媒と共に反応系から離れ、このように、同時に除塵効果を達成できる。また、大径の球状粒子触媒であれば、排煙と接触する比表面積が従来の固定床反応器よりも大きいので、脱硝効率は高くなる。
【0020】
(5)従来の移動床反応器と比較して、本発明の触媒担持部材上の床厚は、排煙量が大きい、排煙に粉塵が含まれている、排煙の残留圧力が低いという作業条件に適合するように調整することができる。そして、床が反応器内で触媒担持部材に沿って移動することによって、反応器の触媒滞留を防止して、目詰まりの現象を回避する。
【0021】
(7)脱硝触媒は、プレート型塔の液相と同様に反応器の頂部から次の床に移動し、反応器内で縦方向に活性勾配を持たせ、このように、深度脱硝を促進し、触媒活性を十分に利用し、そして均一な反応を達成する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書に開示される範囲の終点およびいずれの値も精確な範囲また値に限定されず、そのような範囲または値はその範囲または値に近い値を含むと理解される。数値範囲については、様々な範囲の終点値の間、様々な範囲の終点値と個々の点値との間、ならびに個々の点値の間が互いに組み合わせられて、1つまたは複数の新しい値の範囲を得ることができ、このような値の範囲は、本明細書に具体的に開示されているものと見なされるべきである。
【0024】
なお、本発明では、逆な説明がない限り、「上、下」などの使用される方位用語は、一般に、参照となる図面に示される上、下を指す。「内、外」は、各部材自体の輪郭の内、外を意味する。
【0025】
本発明の前記排煙脱硝方法は、脱硝反応器において、アンモニアの存在下で、排煙を下から上へ複数の触媒床を通して、脱硝反応を発生させるステップを含み、各々の触媒床は、触媒担持部材と該触媒担持部材に堆積された粒子状脱硝触媒とを含み、隣接する上下の2つの触媒床において、2つの触媒担持部材の移動方向が反対し、上層の粒子状脱硝触媒が触媒担持部材に伴って触媒担持部材の末端まで移動して、重力を利用して下層の触媒担持部材の開始端に自由落下する。
【0026】
前記脱硝反応器では、排煙が触媒床を通過できることを確保するために、前記触媒担持部材に孔が開口していることが必要である。好ましくは、前記触媒担持部材は網状である。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記触媒担持部材は網状コンベアであり、この場合、網状コンベアにおける粒子状脱硝触媒は一端から他端へ搬送され、そしてコンベアの搬送速度を制御することによって粒子状脱硝触媒の移動速度が柔軟に調整できる。また、各触媒床に対して網状コンベアが別々に設けられるため、各触媒床の移動速度および厚さを独立して制御し、床間の相互干渉を小さくする。さらに好ましくは、複数の前記触媒床は上から下へ平行に配置され、すなわち触媒担持部材としての複数の網状コンベアは互いに平行に配置されることにより、1つの網状コンベアにおける粒子状脱硝触媒の分布均一性が確保され、さらに触媒活性を十分に利用することに寄与する。
【0028】
本発明では、前記網状コンベアは当該技術分野における通常の金属網状コンベア、好ましくはステンレス鋼網状コンベアである。前記網状コンベアのメッシュサイズは、触媒粒子がメッシュから落下しないように粒子状脱硝触媒の粒子サイズよりも小さいことが要求される。通常、前記網状コンベアのメッシュサイズは、0.1〜3mm、好ましくは1.5〜2.5mmである。
【0029】
本発明では、前記触媒床の数および幅は、実際の必要および反応器の大きさに応じて選択することができる。前記触媒床の数は、3〜10が好ましく、3〜8がより好ましい。触媒担持部材(好ましくは網状コンベア)と反応器壁との間隙が、触媒担持部材の幅方向において、2〜50mm、好ましくは2〜5mmである。
【0030】
本発明では、隣接する2つの触媒床の間の垂直距離は50〜2000mmであってもよい。好ましくは、前記触媒担持部材は網状コンベアであり、複数の触媒担持部材同士が互いに平行に配置されている場合、隣接する2つの触媒床の間の垂直距離は1200〜2000mm、好ましくは1400〜1600mmである。
【0031】
本発明では、前記触媒担持部材が網状コンベアであり、且つ複数の触媒担持部材が互いに平行に配置されている場合、網状コンベアでの前記粒子状脱硝触媒のスタック高さは、50〜500mm、好ましくは200〜300mmである。
【0032】
本発明では、前記触媒担持部材が網状コンベアである場合、前記網状コンベアの搬送速度は0.1〜10mm/s、好ましくは0.5〜2mm/sである。
【0033】
本発明の前記方法では、前記排煙は、石炭火力発電所による排煙、FCC再生排煙、製油所のプロセス炉による排煙や化学炉による排煙(例えば、エチレン分解炉による排煙など)からなる群から選択することができ、一般的に、NO
x、SOxおよび不純物を含む。前記不純物は一般的に粉塵、水、CO
2およびO
2などである。前記脱硝反応器に入る排煙の温度は、300〜420℃、好ましくは340〜400℃である。
【0034】
本発明の前記方法では、アンモニアを当該技術分野で慣用の方法により導入することができ、例えば、アンモニアの形態で導入することができる。好ましくは、アンモニアをアンモニアと空気とを含有する混合ガスとして導入し、且つ、前記混合ガス中のアンモニアの体積濃度は0.5〜10%、好ましくは3〜7%である。
【0035】
本発明の前記方法では、前記アンモニアと空気を含有する混合ガスが触媒床の下から注入されること、すなわち前記アンモニアと空気を含有する混合ガスが最下方に位置する触媒床の下方から注入されることが好ましい。前記アンモニアと空気とを含む混合ガスは、排煙の入り口に設けられたアンモニア噴射グリルを通して注入することができる。前記アンモニア噴射グリルは当技術分野における従来のアンモニア噴射グリルであってもよいが、従来のSCRプロセスおよび装置においては、アンモニア噴射グリルの性能について、アンモニア濃度分布偏差が5%未満であることが求められるが、本発明では、アンモニア濃度分布偏差の範囲への要求がそれほど厳しいものではなく、アンモニア分布濃度偏差が30%以下であればよく、例えば5%〜30%、好ましくは12%〜18%である。
【0036】
本発明の前記方法では、アンモニアと排煙における窒素原子換算の窒素酸化物とのモル比は、0.9〜1.15:1であってもよい。
【0037】
本発明の前記方法では、前記排煙の流速は2〜15m/s、好ましくは4〜10m/sであり、そして反応滞留時間は0.5〜20sであってもよい。
【0038】
本発明の前記方法において、前記粒子状脱硝触媒は、粒子径3〜6mm、かさ密度0.2〜0.8g/cm
3、比表面積80〜120m
2/gの性質を有することが好ましい。前記脱硝触媒の組成は当業界で一般的に使用されている成分でよく、触媒の重量に対して、各成分の含有量として、酸化物基準で、Vが0.01〜1重量%、Tiが88〜99重量%、Wが0.1〜10重量%、Moが0.01〜1重量%である。前記脱硝触媒の製造過程は、材料乾式混合−混練−濾過−土練−押出造粒−陰乾−乾燥−焙焼−完成であってよく、ここで触媒を製造する各工程についての条件は当業者にとって周知するものであり、押出造粒では、触媒粒子径に応じて、異なる種類の混練式押出造粒機を装備することができる。
【0039】
一実施形態では、本発明の前記排煙脱硝方法は、排煙が脱硝反応器の底部から入り、アンモニアと空気を含有する混合ガスがアンモニア噴射グリルにより排煙に注入され、気流が下から上へ水平に互い違いに配列された多層の触媒床を通して、脱硝反応を発生させてNO
Xを除去し、それと同時に排煙における粉塵が触媒床により濾過されて除塵され、脱硝と除塵後の排煙が反応器の頂部から排出され、さらに次の脱硫処理を行うステップを含み、触媒床は、網状コンベアとコンベアに堆積された粒子状脱硝触媒から構成され、隣接する上下の二層のコンベアの移動方向が反対し、上層の粒子状脱硝触媒がコンベアに伴ってコンベアの末端まで移動して、重力を利用して下層のコンベアの移動方向の開始端に自由落下し、粒子状脱硝触媒が最後層のコンベアの末端で触媒回収装置に落下して回収される。
【0040】
前記粒子状脱硝触媒は、触媒添加管を介して脱硝反応器の頂部の第一層のコンベアに供給され、そして網状コンベアに落ちて堆積して触媒床を形成する。
【0041】
前記触媒回収装置は、一般に、触媒貯蔵タンク、触媒ホッパーなどの一般的な設備を採用しており、回収した触媒粒子を篩い分けして塵埃や破砕触媒粒子を除去し、繰り返し使用することができる。
【0042】
図1に示すように、本発明の前記脱硝反応器は、反応器外殻13と、反応器外殻13内で上から下に水平に互い違いに配列された複数の触媒担持部材とを備え、且つ、前記複数の触媒担持部材は、隣接する上下の2つの触媒担持部材において、2つの触媒担持部材の移動方向が反対し、触媒担持部材における粒子状脱硝触媒が触媒担持部材に伴って触媒担持部材の末端まで移動して、重力を利用して下層の触媒担持部材の開始端に自由落下するように配置されている。
【0043】
好ましい一実施形態では、前記触媒担持部材は網状コンベアである。さらに好ましくは、前記複数の触媒床は、上から下へ互いに平行に配置されており、すなわち、触媒担持部材としての複数の網状コンベアは互いに平行に配置されている。
【0044】
前記網状コンベアは、当技術分野における従来の金属網状コンベア、好ましくはステンレス鋼網状コンベアである。前記網状コンベアのメッシュサイズは、触媒粒子が網状から落下しないように、粒子状脱硝触媒の粒子サイズよりも小さいことが要求される。通常、前記網状コンベアでのメッシュサイズは、0.1〜3mm、好ましくは1.5〜2.5mmである。
【0045】
本発明では、
図1に示すように、前記脱硝反応器は、反応器外殻13の上端と下端を貫通する内筒12をさらに備えてもよく、前記網状コンベアは前記内筒12を横方向に貫通する。通常、前記網状コンベアはモータによって駆動され、コンベア駆動輪を介して回転するように駆動される。前記網状コンベアの駆動輪9が高温で破壊されることを防止するために、好ましくは、前記網状コンベアの駆動輪9は、前記内筒12と前記反応器外殻13との間のチャンバ内に配置される。さらに、前記内筒12の下端には排煙導入口が設けられ、上端には排煙排出口が設けられ、且つこの排煙導入口にアンモニア噴射部材6が配置されている。
【0046】
本発明の前記脱硝反応器において、最上方の触媒担持部材の頭部(開始端)には、粒子状脱硝触媒を添加するための触媒添加管7と、最下方の触媒担持部材の尾端(末端)には、触媒粒子を回収するための触媒収集ホッパーが対応して設置されている。
【0047】
以下、本発明の排煙の脱硝及び除塵方法について具体例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0048】
実施例および比較例において、v%は体積百分率、wt%は質量百分率である。
【0049】
触媒の比表面積および細孔容積は、ASAP 2420大型マルチステーション全自動比表面積・細孔分布測定装置によって測定される。
【0050】
試験例では、アンモニア濃度分布偏差は設計の指標の1つで、実験や計算により得られるものであり、計算するときに、CFD流体力学計算ソフトを用いてアンモニア噴射グリルの構造をシミュレーションしアンモニア濃度分布偏差を決定して、断面でのアンモニア濃度の平均値および分布範囲で算出する。
【0051】
脱出したアンモニアの量および粉塵の含有量は、CEMS排煙オンライン分析器を使用して測定される。
【0052】
実施例1〜5で使用した脱硝反応器の概略構造図を
図1に示す。該脱硝反応器は、反応器外殻13、反応器内筒12、アンモニア噴射グリル6、触媒添加管7、網状コンベア8、コンベア駆動輪9、触媒排出管10および触媒ホッパー11を備え、この中でも、反応器外殻13と反応器内筒12との間は反応器外側密閉チャンバとなり、アンモニア噴射グリル6は反応器内筒12の底部入り口に位置し、コンベア駆動輪9は反応器外側密閉チャンバ内に位置し、コンベア8は反応器内筒12を横切るようにコンベア駆動輪9に貼り付けられ、触媒添加管7は反応器外側チャンバの頂部に位置し、その底部出口がコンベアの一端に正対し、触媒ホッパー11は反応器外側密閉チャンバの底部に位置し、そして触媒排出管10は触媒ホッパー11の底部に位置する。
【0053】
前記排煙脱硝の操作過程は次のとおりである。粒子状脱硝触媒3が触媒添加管7によって第1層の網状コンベア8に注入されて堆積して床を形成し、コンベア駆動輪9がコンベア8での床を駆動して移動させ、この層が反応器内筒12を通過して、反応器外側密閉チャンバに入り、重力の作用によって次のコンベアに落下し、床を形成し、そしてコンベア駆動輪9の駆動下で反対方向に移動し、前記の作動方式のように、連続的に作動しているコンベア床が形成される。排煙1が脱硝床反応器の底部から入り、アンモニア含有混合ガス2がアンモニア噴射グリル6によって排煙1に注入され、両方が混合して下から上へコンベア床を通して、脱硝反応を発生させてNO
xが除去され、それと同時に粉塵が床により濾別され、最後層のコンベアの末端部で粒子状脱硝触媒が触媒ホッパー11に落下し、脱硝後の粒子状脱硝触媒は触媒排出管10を介して反応器から排出されて回収され、NO
xおよび粉塵を除去された浄化ガス5は反応器の頂部から排出される。
【0055】
FCC再生排煙は、流量15万Nm
3/h、温度650℃、圧力10kPa、NO
x濃度600mg/Nm
3、SO
2濃度1000mg/Nm
3、SO
3濃度20mg/Nm
3、粉塵含有量200mg/Nm
3であった。NO
x排出基準200mg/Nm
3であった。
【0056】
粒子状脱硝触媒の触媒微粒子活性成分は、Vの酸化物、Tiの酸化物、Wの酸化物およびMoの酸化物であり、触媒が球形粒子であり、活性成分の質量比率は、酸化物基準で、V 0.01wt%、Ti 99wt%、W 0.1wt%、Mo 0.02wt%であり、触媒粒子の大きさが5mm、かさ密度が0.68g/cm
3、比表面積が40m
2/gであった。
【0057】
まず、FCC再生排煙からボイラーにより熱を放熱し、温度を650℃からSCR脱硝反応温度である400℃に下げた。原料供給領域から供給されたアンモニア含有混合ガスの流量を1120Nm
3/h、それにおけるアンモニアの濃度を4v%、反応器の内側密閉チャンバの大きさを長さ8m×幅6m×高さ8m、反応時間を0.5sとし、3層のステンレス鋼コンベアを設置して、それぞれのコンベアでの触媒床の高さを300mm、コンベア寸法を長さ9m×幅5.8m、隙間直径を3mm、駆動輪の直径を300mm、十分なメンテナンススペースを確保するように上下の2層のコンベアの間の空間高さ1300mmとした。脱硝反応を行ったところ、浄化排煙のNO
x含有量が100mg/Nm
3、粉塵含有量が10mg/Nm
3未満であることが確保され、このため、重点として制御された区域に対する環境保全要求が満たされた。次に、排煙について脱硫と除塵を行い、排煙におけるSO
2と粉塵を除去して、煙突から排出した。
【0059】
FCC再生排煙については、NO
x濃度が2000mg/Nm
3、SO
2濃度が2000mg/Nm
3、SO
3濃度が200mg/Nm
3、粉塵含有量が400mg/Nm
3であった以外、流量、温度、圧力が実施例1と同様であった。NO
x排出基準が100mg/Nm
3であった。
【0060】
触媒の組成は実施例1と同様であった。
【0061】
まず、FCC再生排煙からボイラーにより熱を放熱し、温度を650℃からSCR脱硝反応温度である300℃に下げた。原料供給領域から供給されたアンモニア含有混合ガスの流量を1000Nm
3/h、それにおけるアンモニアの濃度を3v%、反応器の内側密閉チャンバの大きさを長さ8m×幅6m×高さ15m、反応時間を2sとし、10層のステンレス鋼コンベアを設置して、それぞれのコンベアでの触媒床の高さを500mm、コンベア寸法を長さ9m×幅5.8m、隙間直径を3mm、駆動輪の直径を300mm、十分なメンテナンススペースを確保するように上下の2層のコンベアの間の空間高さを1500mmとした。脱硝反応を行ったところ、浄化排煙のNO
x含有量が100mg/Nm
3、粉塵含有量が5mg/Nm
3未満であることが確保され、このため、重点として制御された区域に対する環境保全要求が満たされた。次に、排煙について脱硫と除塵を行い、排煙におけるSO
2と粉塵を除去して、煙突から排出した。
【0063】
FCC再生排煙については、NO
x濃度が300mg/Nm
3、SO
2濃度が600mg/Nm
3、SO
3濃度が10mg/Nm
3、粉塵含有量が100mg/Nm
3であった以外、流量、温度、圧力が実施例1と同様であった。NO
x排出基準が200mg/Nm
3であった。
【0064】
触媒の組成は実施例1と同様で、触媒粒子の直径は3mmであった。
【0065】
まず、FCC再生排煙からボイラーにより熱を放熱し、温度を650℃からSCR脱硝反応温度である300℃に下げた。原料供給領域から供給されたアンモニア含有混合ガスの流量を2000Nm
3/h、それにおけるアンモニアの濃度を2.8v%、反応器の内側密閉チャンバの大きさを長さ8m×幅6m×高さ6m、反応時間を0.5sとし、3層のステンレス鋼コンベアを設置して、それぞれのコンベアでの触媒床の高さを50mm、コンベア寸法を長さ9m×幅5.8m、隙間直径を2.5mm、駆動輪の直径を500mm、十分なメンテナンススペースを確保するように上下の2層のコンベアの間の空間高さを2000mmとした。脱硝反応を行ったところ、浄化排煙のNO
x含有量が100mg/Nm
3、粉塵含有量が5mg/Nm
3未満であることが確保され、このため、重点として制御された区域に対する環境保全要求が満たされた。次に、排煙について脱硫と除塵を行い、排煙におけるSO
2と粉塵を除去して、煙突から排出した。
【0067】
FCC再生排煙については、NO
x濃度が800mg/Nm
3、SO
2濃度が3600mg/Nm
3、SO
3濃度が1000mg/Nm
3、粉塵含有量が200mg/Nm
3であった以外、流量、温度、圧力が実施例1と同様であった。NO
x排出基準が100mg/Nm
3であった。
【0068】
触媒組成は実施例1と同様で、触媒粒子の直径は6mmであった。
【0069】
まず、FCC再生排煙からボイラーにより熱を放熱し、温度を650℃からSCR脱硝反応温度である300℃に下げた。原料供給領域から供給されたアンモニア含有混合ガスの流量を2000Nm
3/h、それにおけるアンモニアの濃度を2.8v%、反応器の内側密閉チャンバの大きさを長さ8m×幅6m×高さ6m、反応時間を0.5sとし、3層のステンレス鋼コンベアを設置して、それぞれのコンベアでの触媒床の高さを500mm、コンベア寸法を長さ9m×幅5.8m、隙間直径を0.2mm、駆動輪の直径300mm、十分なメンテナンススペースを確保するように上下の2層のコンベアの間の空間高さを2000mmとした。脱硝反応を行ったところ、浄化排煙のNO
x含有量が100mg/Nm
3、粉塵含有量が5mg/Nm
3未満であることが確保され、このため、重点として制御された区域に対する環境保全要求が満たされた。次に、排煙について脱硫と除塵を行い、排煙におけるSO
2と粉塵を除去して、煙突から排出した。
【0071】
FCC再生排煙は、流量8500Nm
3/h、温度650℃、圧力10kPa、NO
x濃度600mg/Nm
3、SO
2濃度1000mg/Nm
3、SO
3濃度20mg/Nm
3、粉塵含有量200mg/Nm
3であった。NO
x排出基準200mg/Nm
3であった。
【0072】
触媒組成は実施例1と同様で、触媒粒子の直径は5mmであった。
【0073】
まず、FCC再生排煙からボイラーにより熱を放熱し、温度を650℃からSCR脱硝反応温度である400℃に下げた。原料供給領域から供給されたアンモニア含有混合ガスの流量を70Nm
3/h、それにおけるアンモニアの濃度を4v%、反応器の内側密閉チャンバの大きさを長さ1.2m×幅1m×高さ1.2m、反応時間を0.5sとし、3層のステンレス鋼コンベアを設置して、それぞれのコンベアでの触媒床の高さを40mm、コンベア寸法を長さ1.5m×幅0.8m、隙間直径を3mm、駆動輪の直径を50mm、上下の2層のコンベアの間の空間高さ200mmとした。脱硝反応を行ったところ、浄化排煙のNO
x含有量が100mg/Nm
3、粉塵含有量が10mg/Nm
3未満であることが確保され、このため、重点として制御された区域に対する環境保全要求が満たされた。次に、排煙について脱硫と除塵を行い、排煙におけるSO
2と粉塵を除去して、煙突から排出した。
【0075】
反応器を従来の固定床反応器に変更し、触媒として成分が実施例1と同様なハニカム状触媒を用い、モジュール形態で装填されて、単一の触媒モジュールの高さを1m、反応器のサイズを4.4m×4.6mとして、触媒を3層充填する以外、実施例1と同様であった。まず、FCC再生排煙からボイラーにより熱を放熱し、温度を650℃からSCR脱硝反応温度である350℃に下げた。原料供給領域から供給されたアンモニア含有混合ガスの流量を1000Nm
3/h、それにおけるアンモニアの濃度を3v%とした。アンモニア含有混合ガスを反応器の入り口から所定距離離れた上流の煙道から導入して、アンモニア噴射グリルにより混合して拡散させることで、反応器の入り口での排煙におけるアンモニア濃度偏差を5%未満にした後、SCR反応器に投入して反応させ、脱硝反応を行ったところ、浄化排煙のNO
x含有量が100mg/Nm
3であることが確保され、脱硝後の排煙をさらに下流装置に導入して、熱交換、脱硫除塵を行って、重点として制御された区域に対する環境保全要求が満した。
【0077】
反応器を従来の固定床反応器に変更した以外、実施例2と同様であった。
【0079】
反応器を従来の固定床反応器に変更した以外、実施例3と同様であった。
【0081】
反応器を従来の固定床反応器に変更した以外、実施例4と同様であった。
【0083】
反応器を従来の固定床反応器に変更し、触媒として成分が実施例5と同様なハニカム状触媒を用い、モジュール形態で装填されて、単一の触媒モジュールの高さを150mm、反応器のサイズを700mm×800mmとして、触媒を3層充填する以外、実施例5と同様であった。まず、FCC再生排煙からボイラーにより熱を放熱し、温度を650℃からSCR脱硝反応温度である350℃に下げた。原料供給領域から供給されたアンモニア含有混合ガスの流量を60Nm
3/h、それにおけるアンモニアの濃度を3v%とした。アンモニア含有混合ガスを反応器の入り口から所定距離離れた上流の煙道から導入して、アンモニア噴射グリルにより混合して拡散させることで、反応器の入り口での排煙におけるアンモニア濃度偏差を5%未満にした後、SCR反応器に投入して反応させ、脱硝反応を行ったところ、浄化排煙のNO
x含有量が100mg/Nm
3であることが確保され、脱硝後の排煙をさらに下流装置に投入して、熱交換、脱硫除塵を行って、重点として制御された区域に対する環境保全要求が満した。
【0085】
比較例1に使用されている反応器を用いるが、排煙におけるNO
x濃度の向上の幅が過度に大きいため、アンモニア脱出<3mgNm
3であることが確保されても、脱硝後のNO
x濃度が1000〜1300mg/Nm
3であり、排出基準を満たさず、そして粉塵をさらに脱硫除塵システムに投入して処置しなければならなかった。
【0087】
実施例1〜4及び比較例1〜4の作動周期、並びに触媒の使用量を表1、実施例5と比較例5の作動周期、および触媒の使用量を表2、アンモニア噴射グリルによるアンモニア分布への要求を表3に示した。
【0091】
上記表1−3のデータから分かるように、本発明の前記排煙脱硝方法によれば、触媒の利用を向上させて、触媒の使用量を大幅に減少させることができ、さらに、本発明の前記方法は、アンモニア脱出を引き起こすことがなく、床での初期アンモニア分布の均一性への要求が低く、または、本発明の前記方法はより良い除塵効果が得られ得る。
【0092】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で、様々な技術的特徴を他の任意の適切な方式で組み合わせたりするなど、本発明の技術案に対して様々な簡単な変形を行うことができ、これらの簡単な変形および組み合わせも、本発明の開示と見なすべきであり、全て本発明の保護範囲内に入る。