(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6770177
(24)【登録日】2020年9月28日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】デプレッションモード接合電界効果トランジスタと統合されたデバイスおよび該デバイスを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/337 20060101AFI20201005BHJP
H01L 21/338 20060101ALI20201005BHJP
H01L 29/808 20060101ALI20201005BHJP
H01L 29/812 20060101ALI20201005BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20201005BHJP
H01L 27/06 20060101ALI20201005BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20201005BHJP
H01L 21/76 20060101ALI20201005BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
H01L29/80 V
H01L27/06 102Z
H01L29/80 E
H01L29/78 656A
H01L29/78 652D
H01L29/78 652R
H01L29/78 658A
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-511877(P2019-511877)
(86)(22)【出願日】2017年8月21日
(65)【公表番号】特表2019-530213(P2019-530213A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】CN2017098314
(87)【国際公開番号】WO2018040973
(87)【国際公開日】20180308
【審査請求日】2019年4月19日
(31)【優先権主張番号】201610793855.3
(32)【優先日】2016年8月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512154998
【氏名又は名称】無錫華潤上華科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CSMC TECHNOLOGIES FAB2 CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シカン
(72)【発明者】
【氏名】ツァン セン
【審査官】
高橋 優斗
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0180858(US,A1)
【文献】
特開2000−252475(JP,A)
【文献】
特開2015−179869(JP,A)
【文献】
米国特許第06391723(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/337
H01L 21/336
H01L 21/338
H01L 21/76
H01L 21/8234
H01L 27/06
H01L 29/78
H01L 29/808
H01L 29/812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デプレッションモード接合電界効果トランジスタと統合されたデバイスであって、前記デバイスが、接合電界効果トランジスタ(JFET)領域と電源デバイス領域とに分割されており、前記デバイスが、
第1の伝導型ドレインであり、前記ドレインの一部分が前記JFET領域を形成するように構成され、前記ドレインの残りの部分が前記電源デバイス領域を形成するように構成された、第1の伝導型ドレインと、
前記デバイスの前面を向く前記第1の伝導型ドレインの表面に配置された第1の伝導型領域であり、前記第1の伝導型領域の一部分が前記JFET領域を形成するように構成され、前記第1の伝導型領域の残りの部分が前記電源デバイス領域を形成するように構成された、第1の伝導型領域と
を備え、前記JFET領域が、
前記第1の伝導型領域内に形成された少なくとも2つの第2の伝導型ウェル領域であり、前記第1の伝導型が第2の伝導型とは反対である、第2の伝導型ウェル領域と、
第1の伝導型を有する少なくとも2つのJFETソースであり、それぞれ前記少なくとも2つの第2の伝導型ウェル領域内に形成された少なくとも2つのJFETソースと、
前記JFETソース上に形成された前記JFETソースの金属電極であり、前記JFETソースと接触した金属電極と、
隣り合った2つのJFETソース間に形成された、前記第1の伝導型である横方向チャネル領域であり、前記横方向チャネル領域の2つの端部が前記隣り合った2つのJFETソースと接触した、横方向チャネル領域と、
第2の伝導型ウェル領域上に形成されたJFET金属ゲートと、
を備え、
前記第2の伝導型ウェル領域は、複数の第1ウェルと、各第1ウェル内にそれぞれ配置され、各第1ウェルよりイオン濃度が高い複数の第2ウェルと、を含み、
第1ウェルは、前記電源デバイス領域から前記JFET領域を絶縁するために前記JFET領域と前記電源デバイス領域との境界に配置されていることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスであって、前記JFET領域が、少なくとも2つのJFETゲートオーム接点をさらに備え、前記JFETゲートオーム接点がそれぞれ、前記隣り合った2つのJFETソースが配置された第2の伝導型ウェル領域のうちのそれぞれのウェル領域内に形成されており、かつ前記JFETソースの前記横方向チャネル領域から離れた1つの側に配置されており、前記第2の伝導型を有しており、前記JFET金属ゲートが、前記JFETゲートオーム接点上に、前記JFETゲートオーム接点と接触して形成されていることを特徴とするデバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のデバイスであって、前記電源デバイスが、垂直二重拡散金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(VDMOS)であることを特徴とするデバイス。
【請求項4】
請求項3に記載のデバイスであって、前記電源デバイス領域が、
ゲートと、
第2のウェルと、
前記第2のウェル内に配置されたVDMOS第1の伝導型ソースと、
前記第2のウェル内の前記VDMOS第1の伝導型ソースの下に配置された第1の非クランプ誘導性スイッチング領域であり、前記第2の伝導型を有し、かつ前記第2のウェルのイオン濃度よりも高いイオン濃度を有する第1の非クランプ誘導性スイッチング領域と
を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項5】
請求項4に記載のデバイスであって、前記JFETソースの下の第2のウェル内に配置された第2の非クランプ誘導性スイッチング領域をさらに備え、前記第2の非クランプ誘導性スイッチング領域が、前記第2の伝導型を有し、かつ前記第2のウェルのイオン濃度よりも高いイオン濃度を有することを特徴とするデバイス。
【請求項6】
請求項4に記載のデバイスであって、前記ゲートの下の両側に2つの第2のウェルがそれぞれ配置されており、前記2つの第2のウェル内に前記VDMOS第1の伝導型ソースが形成されており、前記2つの第2のウェルのうちのそれぞれのウェル内で前記VDMOS第1の伝導型ソースが2つのブロックに分割されていることを特徴とするデバイス。
【請求項7】
請求項6に記載のデバイスであって、前記VDMOS第1の伝導型ソースの前記2つのブロック間に第2の伝導型オーム接点領域が形成されていることを特徴とするデバイス。
【請求項8】
請求項1に記載のデバイスであって、前記第1の伝導型がN型であり、前記第2の伝導型がP型であり、前記第1の伝導型領域がN型エピタキシャル層であることを特徴とするデバイス。
【請求項9】
デプレッションモード接合電界効果トランジスタと統合されたデバイスを製造するための方法であって、前記デバイスが、接合電界効果トランジスタ(JFET)領域および電源デバイス領域を含み、前記方法が、
その上に第1の伝導型領域が形成された、第1の伝導型の基板を用意するステップであり、前記第1の伝導型が第2の伝導型とは反対であるステップと、
前記第1の伝導型領域に第2の伝導型のイオンを注入し、ドライブインにより前記第1の伝導型領域内に複数の第1のウェルを形成するステップと、
前記第1の伝導型領域の表面にフィールド酸化物層およびゲート酸化物層を順番に成長させ、前記第1の伝導型領域の前記表面にポリシリコン層を形成するステップと、
前記第1の伝導型のイオンを注入して、前記JFET領域内に少なくとも2つのJFETソースを形成し、前記電源デバイス領域内に電源デバイスソースを形成するステップと、
フォトエッチングおよびエッチングを実行して、隣り合った2つのJFETソース間の位置の上方のポリシリコンおよび他の表面介在物を除去してチャネル注入窓を形成し、前記チャネル注入窓に前記第1の伝導型のイオンを注入して横方向チャネル領域を形成するステップと、
コンタクトホールをフォトエッチングおよびエッチングし、金属層を堆積させ、前記コンタクトホールに前記金属層を充填して、前記JFETソースの金属電極、JFET金属ゲートおよび前記電源デバイスソースの金属接点をそれぞれ形成するステップと、
前記第1伝導型領域内に前記複数の第1ウェルを形成する前記ステップは、前記第1ウェルを前記JFET領域と前記電源デバイス領域との境界に形成して、前記電源デバイス領域から前記JFET領域を絶縁し、
前記第1伝導型領域の表面上に前記ポリシリコン層を形成する前記ステップの後に、前記第1伝導型領域に前記第2伝導型のイオンを注入し、ドライブインによって複数の第2ウェルを形成するステップであって、前記第2ウェルは異なる第1ウェル内にそれぞれ形成された前記JFET領域内に配置され、各前記第2ウェルは各前記第1ウェルよりもイオン濃度が高いことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記JFET領域内に前記JFETソースを形成し、前記電源デバイス領域内に前記電源デバイスソースを形成する前記ステップが、前記第2のウェルに前記第1の伝導型のイオンを注入して、それぞれ前記JFET領域内に前記JFETソースを形成し、前記電源デバイス領域内に前記電源デバイスソースを形成することであることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、前記JFET領域内に前記JFETソースを形成し、前記電源デバイス領域内に前記電源デバイスソースを形成する前記ステップの後、フォトエッチングおよびエッチングを実行して、前記隣り合った2つのJFETソース間の前記位置の上方の前記ポリシリコンおよび他の表面介在物を除去して前記チャネル注入窓を形成する前記ステップの前に、前記電源デバイス領域の前記第2のウェルに前記第2の伝導型のイオンを注入して、前記電源デバイスソースおよび前記JFETソースの下の前記第2のウェル内に非クランプ誘導性スイッチング領域を形成するステップをさらに含み、注入エネルギーが、前記第1の伝導型のイオンを注入する前記ステップの注入エネルギーよりも大きいことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記JFET領域内に前記JFETソースを形成し、前記電源デバイス領域内に前記電源デバイスソースを形成する前記ステップの後、前記電源デバイス領域の前記第2のウェルに前記第2の伝導型のイオンを注入する前記ステップの前に、注入障壁層を形成するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項9に記載の方法であって、前記第1の伝導型がN型であり、前記第2の伝導型がP型であり、前記第1の伝導型領域がN型エピタキシャル層であり、前記電源デバイスが、垂直二重拡散金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(VDMOS)であることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項9に記載の方法であって、前記チャネル注入窓に前記第1の伝導型のイオンを注入する前記ステップで、注入される前記イオンがヒ素イオンであり、前記注入されたイオンのエネルギーが100keVから180keVであり、前記注入されたイオンのドーズ量が2e12cm−2から7e12cm−2であることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、前記チャネル注入窓に前記第1の伝導型のイオンを注入する前記ステップで、注入される前記イオンがリンイオンであり、前記注入されたイオンのエネルギーが60keVから120keVであり、前記注入されたイオンのドーズ量が2e12cm−2から7e12cm−2であることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体製造技法に関し、より詳細には、デプレッションモード接合電界効果トランジスタ(depletion−mode junction field−effect transistor)と統合されたデバイス、およびデプレッションモード接合電界効果トランジスタと統合されたデバイスを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、高電圧の接合電界効果トランジスタ(JFET)を高電圧処理プラットフォーム上に統合することは、縦型電源デバイス(longitudinal power device)のオン状態性能を大幅に向上させることができかつチップ面積を著しく縮小することができるスマートパワー集積回路(smart power integrated circuit)の分野における先端的な発展および考え方であり、今日のスマートパワーデバイスを製造する傾向の主流に沿っている。
【0003】
従来の構造の高電圧集積JFETは、より単純な技術によって実装され得る。しかし、ピンチオフ電圧の不安定さおよびピンチオフ電圧の不十分な調整が、スマートパワー集積化の分野においてその大規模な適用を制限している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
デプレッションモード接合電界効果トランジスタと統合されたデバイス、およびそのデバイスを製造するための方法が、本開示の実施形態のそれぞれに従って提供される。
【0005】
デプレッションモード接合電界効果トランジスタと統合されたデバイスが提供される。このデバイスは、接合電界効果トランジスタ(JFET)領域と電源デバイス領域とに分割されており、このデバイスは、第1の伝導型ドレインであり、ドレインの一部分がJFET領域を形成するように構成され、ドレインの残りの部分が電源デバイス領域を形成するように構成された、第1の伝導型ドレインと、デバイスの前面を向く第1の伝導型ドレインの表面に配置された第1の伝導型領域であり、第1の伝導型領域の一部分がJFET領域を形成するように構成され、第1の伝導型領域の残りの部分が電源デバイス領域を形成するように構成された、第1の伝導型領域とを備え、JFET領域は、第1の伝導型領域内に形成された第2の伝導型ウェル領域であり、第1の伝導型が第2の伝導型とは反対である、第2の伝導型ウェル領域と、第1の伝導型を有する少なくとも2つのJFETソースであり、第2の伝導型ウェル領域内に形成された少なくとも2つのJFETソースと、JFETソース上に形成されたJFETソースの金属電極であり、JFETソースと接触した金属電極と、隣り合った2つのJFETソース間に形成された、第1の伝導型である横方向チャネル領域(lateral channel region)であり、横方向チャネル領域の2つの端部が隣り合った2つのJFETソースと接触した、横方向チャネル領域と、第2の伝導型ウェル領域上に形成されたJFET金属ゲートとを備える。
【0006】
デプレッションモード接合電界効果トランジスタと統合されたデバイスを製造するための方法が提供される。このデバイスは、接合電界効果トランジスタ(JFET)領域および電源デバイス領域を含み、この方法は、その上に第1の伝導型領域が形成された、第1の伝導型の基板を用意するステップであり、第1の伝導型が第2の伝導型とは反対であるステップと、第1の伝導型領域に第2の伝導型のイオンを注入し、ドライブインにより第1の伝導型領域内に第1のウェルを形成するステップと、デバイスの表面にフィールド酸化物層およびゲート酸化物層を順番に成長させ、第1の伝導型領域の表面にポリシリコン層を形成するステップと、第1の伝導型のイオンを注入して、JFET領域内に少なくとも2つのJFETソースを形成し、電源デバイス領域内に電源デバイスソースを形成するステップと、フォトエッチングおよびエッチングを実行して、隣り合った2つのJFETソース間の位置の上方のポリシリコンおよび他の表面介在物(surface medium)を除去してチャネル注入窓を形成し、チャネル注入窓に第1の伝導型のイオンを注入して横方向チャネル領域を形成するステップと、コンタクトホールをフォトエッチングおよびエッチングし、金属層を堆積させ、コンタクトホールに金属層を充填して、JFETソースの金属電極、JFET金属ゲートおよび電源デバイスソースの金属接点をそれぞれ形成するステップとを含む。
【発明の効果】
【0007】
デプレッションモード接合電界効果トランジスタと統合された上述のデバイスおよびこのデバイスを製造するための方法に関しては、横方向チャネル領域
が、隣り合った2つのJFET
ソース間に形成されたN−チャネルであり、横方向チャネル
領域の2つの端部が2つのJFET
ソースと
接触して
おり、そのため、チャネル濃度がより
均一であり、レイアウトにより、より長い横方向チャネルが設計され、そのピンチオフ電圧をより安定させることができる。一方、横方向チャネルの方が濃度がより均一であるため、そのピンチオフ電圧もより安定している。
【0008】
本開示の実施形態または従来技術における技術的解決法をより明らかにするために、実施形態の例示に必要とされる図面が、以下に簡単に紹介される。以下で説明される図面は、単に本開示のいくつかの実施形態であることは明らかであり、当業者は、創造的な作業を伴わずにこれらの図面から他の実施形態の図面を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態による、デプレッションモード接合電界効果トランジスタと統合されたデバイスの概略断面図である。
【
図2】本開示の一実施形態による、デプレッションモード接合電界効果トランジスタと統合されたデバイスを製造するための方法を示す流れ図である。
【
図3a】
図2に示された製造方法の製造プロセスにおけるデバイスの概略断面略図である。
【
図3b】
図2に示された製造方法の製造プロセスにおけるデバイスの概略断面略図である。
【
図3c】
図2に示された製造方法の製造プロセスにおけるデバイスの概略断面略図である。
【
図3d】
図2に示された製造方法の製造プロセスにおけるデバイスの概略断面略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の理解を容易にするために、本開示は、添付の図面を参照しながら以下で詳述される。本開示の好ましい実施形態が、図面において与えられる。しかし、本開示は、多くの異なる形態で実施され得るものであり、かつ、本明細書において説明される実施形態に限定されるものではない。それどころか、これらの実施形態を提供する目的は、本開示をより綿密かつ包括的なものにすることである。
【0011】
別段の規定がない限り、本明細書において使用される全ての技術的用語および科学的用語は、本開示の技術分野に属している当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本開示の説明において使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものであって、本開示を限定するように意図されたものではない。本明細書において、「および/または」という用語は、関連する記載された品目のうちの1つ以上の品目のあらゆる組合せを含む。
【0012】
ある要素が別の要素に「固定されて」いるといわれる場合、その要素は他方の要素上に直接存在していてもよく、または介在する要素が存在していてもよいことに留意すべきである。ある要素が別の要素に「接続されている」といわれる場合、その要素は他方の要素に直接接続されていてもよく、または、介在する要素が同時に存在していてもよい。本明細書において、「垂直の」、「水平の」、「上の」、「下の」、「左の」、「右の」、などの用語は、例示の目的にのみ使用される。
【0013】
本明細書において使用される半導体分野の語彙は、例えばP型およびN型不純物といった、ドーピング濃度を区別するために当業者によって一般に使用される技術的語彙であり、単純に、P+型は、濃密なドーピング濃度のP型を表すとされ、P型は、適度なドーピング濃度のP型を表すとされ、P−型は、薄いドーピング濃度のP型を表すとされ、N+型は、濃密なドーピング濃度のN型を表すとされ、N型は、適度なドーピング濃度のN型を表すとされ、N−型は、薄いドーピング濃度のN型を表すとされる。
【0014】
図1は、一実施形態による、デプレッションモード接合電界効果トランジスタと統合されたデバイスの概略断面図である。この実施形態では、N型が、第1の伝導型と定義され、P型が、第2の伝導型と定義され、電源デバイスが、垂直二重拡散金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(VDMOS;Vertical Double−diffused Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)と定義される。
図1に示されているように、このデバイスは、構造に従ってJFET領域とVDMOS領域とに分割されている。デバイスの背面(すなわち、
図1において下に向いている面)上に配置されたN+型ドレイン201の一部分は、JFET領域を形成するように構成されており、N型ドレイン201の残りの部分はVDMOS領域を形成するように構成されている。同様に、ドレイン201の前面(すなわち、
図1において上に向いている面)上に配置されたN−型領域214の一部分は、JFET領域を形成するように構成されており、N型領域214の残りの部分はVDMOS領域を形成するように構成される。この実施形態では、ドレイン201がN+ドレインであり、N型領域214がN−エピタキシャル層である。他の実施形態では、N型領域214としてN型基板を直接使用することも可能である。
【0015】
この実施形態では、JFET領域が、横方向チャネル領域208、JFETソース210、JFETソースの金属電極212、JFET金属ゲート213、およびウェル領域を含む。
【0016】
N+JFETソース210はウェル領域内に形成されており、横方向チャネル領域208は、隣り合った2つのJFETソース210間に形成されたN−チャネルであり、横方向チャネル領域208の2つの端部はそれらの2つのJFETソース210と接触している。JFETソースの金属電極212は、JFETソース210のソース接点としてJFETソース210上に形成されている。JFET金属ゲート213は、ウェル領域上に形成されている。
【0017】
デプレッションモード接合電界効果トランジスタと統合された上述のデバイスに関しては、横方向チャネル領域
が、隣り合った2つのJFET
ソース間に形成されたN−チャネルであり、横方向チャネル
領域の2つの端部が2つのJFET
ソースと
接触して
おり、そのため、チャネル濃度がより
均一であり、レイアウトにより、より長い横方向チャネルが設計され、そのピンチオフ電圧をより安定させることができる。一方、横方向チャネルの方が濃度がより均一であるため、ピンチオフ電圧もより安定している。
【0018】
図1に示された実施形態では、ウェル領域が、第1のウェル202と第2のウェル205とからなる複合ウェル領域構造である。この複合ウェル領域構造はN−エピタキシャル層内に形成されている。第1のウェル202はP−ウェルであり、第2のウェル205は、第1のウェル202内に配置された高電圧Pウェルである。第2のウェル205のイオン濃度は第1のウェル202のイオン濃度よりも高い。1つのセル内では、複合ウェル領域構造がそれぞれ、横方向チャネル領域208の両方のそれぞれの端部に形成されて
いる。JFET領域の横方向チャネル領域208は、第2のウェル205
および第1のウェル202の空乏によってピンチオフされ、第2のウェル205は、デバイス
がオフにされたときに逆電圧を受ける。
【0019】
単一のP−ウェルと比較して、この複合ウェル領域はより高いイオン濃度を有し、このより高いイオン濃度は、ドレインに高電圧を追加することによって引き起こされるPN接合の空乏およびパンチスルー(punch through)を防ぐ。他の実施形態では、ウェル領域が、単一のPウェルまたはP−ウェル構造を使用することもできることが理解可能である。
【0020】
図1に示された実施形態では、横方向チャネル領域208が、複合ウェル領域構造の第2のウェル205内に延びており、複合ウェル領域構造の第2のウェル205内にはJFETソース210が形成されている。他の実施形態では、横方向チャネル領域208の2つの端部が、複合ウェル領域構造の第2のウェル205から離れたある距離のところにあることもできること、または複合ウェル領域構造の第2のウェル205の外側の複合ウェル領域構造の第1のウェル202内にJFETソース210を配置することができることが理解可能である。
【0021】
図1に示された実施形態では、JFET領域とVDMOS領域との間の境界に、第1のウェル202が、JFET領域とVDMOS領域との分離物(isolation)として形成されている。P−の第1のウェル202は、空乏を支援するためおよび分離物を形成するために利用される。電流の流路は、このより深いP−ウェル分離物によって完全に遮断することができ、それによってJFETとVDMOSの間の漏電を防止し、下方のN−エピタキシャル層、すなわちN型領域214を、デバイスが逆にバイアスをかけられたときに空乏に関与するように支援することができ、かつ、電圧に耐えることができ、局所領域の降伏電圧を、降伏点を固定化するのに役立つように上昇させる。それと同時に、接合端子延長技法(junction terminal extension technique)における端子の空乏構造として役立つ第1のウェル202は、高電圧VDMOSのチップ面積を効果的に縮小することができる。さらに、接合端子延長技法の接合プロセスの存在により、P−ウェルの接合深さは、従来の技法におけるVDMOSのP型基板の接合深さを大きく上回り、したがってより長い縦方向電流チャネルが生じる。従来の構造と比較して、このデバイスのピンチオフ電圧の安定度はより向上し、同時にピンチオフ電圧も著しく低減される。
【0022】
図1に示された実施形態では、JFET領域がさらに、P型のJFETゲートオーム接点211を含む。1つのJFETゲートオーム接点211が、2つのそれぞれの第2のウェル205内の横方向チャネル領域208の両側に形成されており、かつJFETソース210の横方向チャネル領域208から離れた1つの側に配置されている。JFET金属ゲート213は、JFETゲートオーム接点211上に、JFETゲートオーム接点211と接触して形成されている。この実施形態では、JFETゲートオーム接点211のイオン濃度が第2のウェル205のイオン濃度よりも高い。
【0023】
図1に示された実施形態では、VDMOS領域が、ゲート(このゲートはゲート酸化物層203およびポリシリコンゲート204を含む)と、第2のウェル205と、第2のウェル205内に配置されたN+VDMOSソース206と、VDMOSソース206の下に配置されたP型の非クランプ誘導性スイッチング(UIS;Unclamped Inductive Switching)領域207とを含む。UIS領域207のイオン濃度は第2のウェル205のイオン濃度よりも高い。
図1に示された実施形態では、JFET領域内にもUIS領域207が形成されており、このUIS領域207は特にJFETソース210の下に配置されている。この実施形態では、このUIS領域207が、JFET領域の第2のウェル205内に配置されており、他の実施形態では、このUIS領域207を、JFET領域の第2のウェル205の外側の第1のウェル202内に配置することができる。
【0024】
図1に示された実施形態では、それぞれの第2のウェル205がゲートの下のそれぞれの側に形成されており、VDMOSソース206は、2つの第2のウェル205内に形成されており、VDMOSソース206は、2つのそれぞれの第2のウェル205内で2つのブロックに分割されている。このデバイスはさらに、VDMOSソース206の2つのブロック間に形成されたP型のオーム接点領域209を含む。
【0025】
図2は、一実施形態による、デプレッションモード接合電界効果トランジスタと統合されたデバイスを製造するための方法を示す流れ図である。以下の説明のとおり、このデバイスはVDMOSであり、第1の伝導型はN型であり、第2の伝導型はP型である。以下に、デプレッションモード接合電界効果トランジスタと統合されたデバイスを製造するための方法を紹介する。
【0026】
ステップS510で、その上に第1の伝導型領域が形成された、第1の伝導型の基板を用意する。
【0027】
この実施形態では、このN+基板上にN型領域214をエピタキシャルに形成する。この基板は後に、デバイスのドレイン201として機能する。
【0028】
ステップS520で、第2の伝導型のイオンを注入し、ドライブインにより第1の伝導型領域内に第1のウェルを形成する。
【0029】
この実施形態では、N型領域214にP型イオンを注入し、ドライブインによりN型領域214内に第1のウェル202を形成する。
図3aは、ステップS520が完了した後のデバイスの概略断面図である。
【0030】
ステップS530で、フィールド酸化物層およびゲート酸化物層を成長させ、ポリシリコン層を形成する。
【0031】
デバイスの表面に厚いフィールド酸化物層302を成長させ、次いでゲート酸化物層304を成長させ、N型領域214の表面にポリシリコン層604を形成する。この実施形態では、JFET領域のウェル領域が、第1のウェル202と第2のウェル205とからなる複合ウェル領域構造である。したがって、フィールド酸化物層およびポリシリコン層604をマスクとして機能させることによりN型領域214にP型イオンを注入し、ドライブインにより複数の第2のウェル205を形成する。JFET領域の第2のウェル205をそれぞれ1つの第1のウェル202内に形成する。第2のウェル205のイオン濃度は第1のウェル202のイオン濃度よりも高い。
図3bは、ステップS530が完了した後のデバイスの概略断面図である。
【0032】
ステップS540で、第1の伝導型のイオンを注入し、JFET領域内にJFETソースを形成し、電源デバイス領域内に電源デバイスソースを形成する。
【0033】
この実施形態では、フォトエッチング技術を利用し、フォトレジストをマスクとして使用してN型イオンを注入し、JFET領域の第2のウェル205内にJFETソースを形成し、電源デバイス領域の第2のウェル205内にVDMOSソース206を形成する。VDMOSソース206は、それぞれの第2のウェル205内のゲートの両側に形成され、それぞれの第2のウェル205内のVDMOSソース206を2つのブロックに分割して、後続のステップでオーム接点領域209を形成するための位置を中央に残す。
【0034】
図3cを参照すると、実施形態では、ステップS550を実行する前に、この方法がさらに、第2のウェル205にP型イオンを注入して、VDMOSソース206の下の第2のウェル205内に非クランプ誘導性スイッチング(UIS)領域207を形成するステップを含む。この実施形態では、第2のウェル205に注入されたP型イオンがチャネル領域に悪影響を与えることを防ぐために、P型イオンを注入してUIS領域207を形成するステップの前に、この方法がさらに、注入障壁層を形成するステップを含む。この実施形態では、注入障壁層を形成することが、1つの酸化物層を再形成することにより実行される。UIS領域207を形成するためのP型イオンがそこを通して注入される注入窓の酸化物層はより薄いため、注入された高エネルギーのP型イオンはこの酸化物層を通り抜けてUIS領域207を形成する。他の位置の酸化物層は、フィールド酸化物層、ポリシリコン層604などの構造上に形成され、その結果、注入障壁層全体の厚さはより厚く、P型イオンが注入障壁層を通り抜けてN型領域214内に入ることは難しい。
【0035】
ステップS550で、表面のポリシリコンおよび他の表面介在物をフォトエッチングおよびエッチングにより除去し、第1の伝導型のイオンを注入し、横方向チャネル領域を形成する。
【0036】
この実施形態では、隣り合った2つのJFETソース210間の位置の上方の介在物(例えばフィールド酸化物層、注入障壁層)およびポリシリコン層604をフォトエッチングおよびエッチングにより除去し、次いでN型不純物を注入し、N型領域214の表面の隣り合った2つのJFETソース210間に横方向チャネル領域208を形成する。余分のポリシリコン層604を除去して、
図1に示されているようなポリシリコンゲート204を形成する。
図3dは、ステップS550が完了した後のデバイスの概略断面図である。
【0037】
ステップS560で、コンタクトホールをフォトエッチングおよびエッチングし、金属層を堆積させ、コンタクトホールに金属層を充填して、JFETソースの金属電極およびJFET金属ゲートを形成する。
【0038】
この実施形態では、コンタクトホールをエッチングした後に、この方法がさらに、コンタクトホールにP型イオンを注入し、JFET領域の第2のウェル205内にJFETゲートオーム接点211を、電源デバイス領域の第2のウェル205内にオーム接点領域209をそれぞれ形成するステップを含む。コンタクトホールに充填された金属は、JFETゲートオーム接点211と接触してJFET金属ゲート213を形成し、コンタクトホールに充填された金属は、JFETソース210と接触してJFETソースの金属電極212を形成する。金属層を堆積させた後、デバイスの表面にパシベーション層を形成する。完成したデバイスの断面が
図1に示されている。
【0039】
上記の利点を組み合わせると、デプレッションモード接合電界効果トランジスタと統合された上述のデバイスは、従来の技法に基づいてピンチオフ電圧の安定度を向上させ、降伏点を固定化し、UIS性能を強化し、技法に完全に対応し、かつ、ピンチオフ電圧の調節可能性を実現する。
【0040】
上記の実施形態のうちの1つの実施形態では、ステップS520が、JFET領域と電源デバイス領域との間の境界に、第1のウェル202を、JFET領域と電源デバイス領域との分離物として形成することを含む。
【0041】
上記の実施形態のうちの1つの実施形態では、ステップS520の第1のウェル202の注入濃度が1.5E13cm
−2から2.2E13cm
−2、第1のウェル202のウェル深さが8.5マイクロメートルから13.5マイクロメートルである。
【0042】
上記の実施形態のうちの1つの実施形態では、5Vから15Vの範囲のピンチオフ電圧を有するデバイスに関して、ステップS550で注入されるN型イオンがAs(ヒ素)またはP(リン)からなる。ヒ素イオンについては、注入エネルギーが100keVから180keV、注入ドーズが2e12cm
−2から7e12cm
−2である。リンイオンについては、注入エネルギーが60keVから120keV、注入ドーズが2e12cm
−2から7e12cm
−2である。
【0043】
上述の実施形態は、本開示のいくつかの例示にすぎず、また、それらの記述は、より具体的で詳細にわたるものであるが、本開示の範囲を限定するものとして理解されるものではない。当業者は、本開示の趣旨から逸脱することなく多数の変更および変形を実施することができること、およびそれらの変更および変形も本開示の範囲に属することに留意すべきである。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲に従うべきである。