(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1基板ないし前記第3基板のうち、少なくともいずれか一つを成す材質は、ポリジメチルシロキシ酸、及びポリウレタンからなる群のうち少なくともいずれか一つを含み、
前記第1導電性液体または前記第2導電性液体のうち、少なくともいずれか一つを成す材質は、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)からなる群のうち少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項5に記載のタッチセンサー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は、上記課題を解決するために案出されたもので、その目的は、延伸可能な基板に互いに交差するチャンネルを形成し、それぞれのチャンネルはラウンド形状を有するウェッジ(Wedge)部を含み、前記チャンネルに導電性液体を注入するため、ウェッジ部によってタッチの感度が増加しながらもチャンネルに気泡がなくて基板が損傷されることのないタッチセンサー、及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の一実施例によるタッチセンサーは、第1方向に延びた複数の第1チャンネルが形成されて延伸可能な第1基板と、前記複数の第1チャンネルに注入された第1導電性液体と、前記第1方向と交差する第2方向に延びた複数の第2チャンネルが形成されて延伸可能な第2基板と、前記複数の第2チャンネルに注入された第2導電性液体と、を含むことができる。
【0007】
また、前記複数の第1チャンネルまたは前記複数の第2チャンネルのうち、少なくともいずれか一つは、複数の直線型チャンネル及び複数のウェッジ部を含み、前記複数のウェッジ部のうち、少なくともいずれか一つはラウンド部を含み、前記ラウンド部は内側ラウンド及び外側ラウンドを含み、前記外側ラウンドの曲律半径は、下記式で表現されることができる。
【0008】
【数1】
(W:前記複数の直線型チャンネルのうち、少なくともいずれか一つの幅、ROC−O:前記外側ラウンドの曲律半径)
【0009】
また、前記複数の第1チャンネルのうち、互いに隣合う二つの第1チャンネルがそれぞれ第1ウェッジ部及び第2ウェッジ部を含むことができ、前記第1ウェッジ部及び前記第2ウェッジ部は、互いに隣合うことができ、前記第1ウェッジ部または前記第2ウェッジ部のうち、少なくともいずれか一つの前記第2方向の長さは150マイクロメートル以上600マイクロメートル以下であって、前記第1ウェッジ部と前記第2ウェッジ部との間の間隔は、150マイクロメートル以上200マイクロメートル以下でありえる。
【0010】
また、前記タッチセンサーは、前記複数の第1チャンネルの一端に形成された複数の第1ホールに挿入される第1電極、及び前記複数の第2チャンネルの一端に形成された複数の第2ホールに挿入された第2電極をさらに含むことができ、前記複数の第1電極のうち、少なくともいずれか一つに既設定されたレベルを持つ電圧が供給されることができ、前記タッチセンサーに導電性物質が接触する場合、静電容量の変化によって前記第2電極のうち、少なくともいずれか一つの電流または電圧のレベルが変更されることができ、前記電流または電圧のレベル変更に基づいてタッチ位置が感知されることができる。
【0011】
また、前記タッチセンサーは、前記第1基板と前記第2基板との間に配置されて延伸可能な第3基板をさらに含むことができ、前記第3基板は前記複数の第1ホール及び前記複数の第2ホールを外部から遮断することができる。
【0012】
また、前記第3基板は、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向の厚さを持つことができ、外力が前記タッチセンサーに印加される場合、前記厚さの変更によって前記第1導電性液体と前記第2導電性液体との間の静電容量が変化され、静電容量の変化によって前記複数の第1電極または前記複数の第2電極によって測定された電流または電圧のレベルが変更され、前記電流または電圧のレベル変更に基づいてタッチ位置が感知されることができる。
【0013】
また、前記第1基板ないし前記第3基板のうち、少なくともいずれか一つを成す材質は、ポリジメチルシロキシ酸(Polydimethylsiloxane;POMS)、及びポリウレタン(polyurethane)からなる群のうち少なくともいずれか一つを含むことができ、前記第1導電性液体または前記第2導電性液体のうち、少なくともいずれか一つを成す材質は、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)からなる群のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0014】
また、前記第3基板の弾性係数が前記第1基板及び前記第2基板の弾性係数よりも低い場合があり、前記第3基板は多孔性でありえる。
【0015】
また、前記第3基板は突起を含むことができる。
【0016】
また、前記第1基板は、前記複数の第1チャンネルの一部である複数の第1溝が形成された第1溝形成基板及び前記複数の第1溝が外部から遮断されるように前記第1溝形成基板に付着され、前記複数の第1ホールが形成された第1平面基板を含むことができ、前記第2基板は、前記複数の第2チャンネルの一部である第2溝が形成された第2溝形成基板及び前記第2溝が外部から遮断されるように前記第2溝形成基板に付着されて前記複数の第2ホールが形成された第2平面基板を含むことができる。
【0017】
また、前記第1溝形成基板または前記第2溝形成基板のうち、少なくともいずれか一つは、前記複数の第1チャンネルまたは前記複数の第2チャンネルの変形を制限するスペーサをさらに含むことができる。
【0018】
さらに、本発明の他の実施例では、タッチセンサーの製造方法という他の側面がある。
【0019】
本発明の一実施例によるタッチセンサーの製造方法は、複数の第1溝が形成された第1溝形成基板を製造する第1溝形成基板の形成段階と、第1平面基板を製造する第1平面基板の形成段階と、前記第1溝形成基板と前記第1平面基板とを付着して前記第1溝に対応する複数の第1チャンネルが形成された第1基板を製造する第1基板の付着段階と、前記複数の第1チャンネルに第1導電性液体を注入する第1注入段階と、を含むことができる。
【0020】
また、前記複数の第1チャンネルのうち、少なくともいずれか一つは複数の直線型チャンネル及び複数のウェッジ部を含むことができ、それぞれのウェッジ部は、ラウンド部を含み、前記ラウンド部は内側ラウンド及び外側ラウンドを含み、前記外側ラウンドの曲律半径は、下記式で表現されることができる。
【数2】
(W:前記複数の直線型チャンネルのうち、少なくともいずれか一つの幅、ROC−O:前記外側ラウンドの曲律半径)
【0021】
また、前記第1溝形成基板の形成段階は、モールドに前記複数の第1突起を形成する段階と、前記複数の第1突起が形成されたモールドに前記第1溝形成基板を成す材質を注入する段階と、注入された材質を硬化させて前記第1溝形成基板を形成する段階と、前記第1溝形成基板を前記モールドから分離させる段階と、を含むことができ、前記複数の第1突起の形状が前記複数の第1溝に対応することができる。
【0022】
また、前記タッチセンサーの製造方法は、複数の第2溝が形成された第2溝形成基板を製造する第2溝形成基板の形成段階と、第2平面基板を製造する第2平面基板の形成段階と、前記第2溝形成基板と前記第2平面基板とを付着して前記第2溝に対応する複数の第2チャンネルが形成された第2基板を製造する第2付着段階と、前記複数の第2チャンネルに第2導電性液体を注入する第2注入段階及び前記第1基板を前記第2基板に固定させる固定段階と、をさらに含み、前記固定段階で、前記複数の第1チャンネルは第1方向に延びて、前記複数の第2チャンネルは前記第1方向と交差する第2方向に延びるように固定されることができる。
【0023】
また、前記固定段階は、第3基板を製造する第3基板の製造段階と、前記第1基板と前記第3基板とを付着する第3付着段階、及び前記第3基板と前記第2基板とを付着する第4付着段階を含むことができ、前記第3基板は、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向の厚さを持つことができ、外力によって前記厚さが変わる場合、前記第1導電性液体と前記第2導電性液体との間の静電容量が変更されることができる。
【0024】
また、前記第3基板の製造段階は、モールドに前記第3基板を成す材質を注入して泡を立てる段階と、前記材質を硬化させて前記第3基板を形成する段階、及び前記第3基板を前記モールドから分離させる段階と、を含むことができる。
【0025】
また、前記第3基板の製造段階は、複数の溝が形成されたモールドの間に前記第3基板を成す材質を注入する段階と、前記材質を硬化させて前記第3基板を形成する段階、及び前記第3基板を前記モールドから分離させる段階と、を含むことができる。
【0026】
また、前記第1注入段階は、前記複数の第1チャンネルの一端に複数の第1ホールを形成して前記複数の第1チャンネルの他端に複数の臨時ホールを形成し、前記複数の第1ホールに複数の第1電極を挿入する段階、及び前記複数の第1ホールを介して前記複数の第1チャンネルに前記第1導電性液体を注入し、前記複数の臨時ホールを介して前記複数の第1チャンネル内の気体を排出させる段階と、を含むことができる。
【0027】
また、前記第3付着段階で、前記複数の第1ホールは、前記第3基板によって外部から遮断されることができる。
【発明の効果】
【0028】
以上のように、本発明の実施例によれば、延伸可能な基板互いに交差する複数のチャンネルを形成し、それぞれのチャンネルはラウンド形状を持つウェッジ部を含み、そのチャンネルに導電性液体を注入するので、ウェッジ部によってタッチの感度が増加し、かつ、チャンネルに気泡がなくて基板が損傷されないタッチセンサー、及びその製造方法を提供することができるという效果がある。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付された図面を参照して本発明による好ましい実施例について詳しく説明する。明細書全体にかけて同一の参照番号は、実質的に同一の構成要素を意味する。
【0031】
以下の説明において、本発明に係わる公知機能あるいは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曇らせることがあると判断される場合、その詳細な説明を略する。また、使用される構成要素の名称は、明細書作成の容易さを考慮して選択されたものであり、実際の製品の部品名称とは異なっている場合がある。
【0032】
図1ないし
図3は、本発明の一実施例によるタッチセンサーを説明するための斜視図及び断面図である。
【0033】
図1は、本発明の一実施例によるタッチセンサーを説明するための斜視図、
図2は、本発明の一実施例によるタッチセンサーをA−A’及びB−B’で切り出した断面図、
図3は、本発明の一実施例によるタッチセンサーをC−C’及びD−D’で切り出した断面図である。
【0034】
図1を参照すると、タッチセンサーは、第1基板100、第2基板200及び第3基板300を含む。
【0035】
第1基板100、第2基板200及び第3基板300は、第1方向及び第2方向と交差する第3方向の厚さをそれぞれ持つ。説明の便宜のために、第1基板100、第2基板200及び第3基板300が分離されたように示されたが、実際には第1基板100と第3基板300、そして第3基板300と第2基板200が互いに付着されている。
【0036】
第1基板100は、第1方向に延びた複数の第1チャンネルLC1を含み、複数の第1チャンネルLC1には第1導電性液体が注入される。
【0037】
第2基板200は、第1方向と交差する第2方向に交差する複数の第2チャンネルLC2を含み、複数の第2チャンネルLC2には第2導電性液体が注入される。
【0038】
第3基板300は、第1基板100と第2基板200との間に配置される。第1基板100と第3基板300とが互いに付着し、第3基板300と第2基板200とが互いに付着する。
【0039】
第1基板100、第2基板200及び第3基板300は、いずれも延伸されることができ、実施例によって第3基板300の弾性係数が第1基板100の弾性係数及び第2基板200の弾性係数よりも低いことがある。
【0040】
または、第1基板100、第2基板200及び第3基板300を成す材質がいずれも同じ材質であることができ、第1基板100、第2基板200及び第3基板300の弾性係数もすべて同じである場合がある。
【0041】
第1基板100ないし第3基板300のうち少なくとも一つを成す材質は、ポリジメチルシロキシ酸、及びポリウレタンからなる群のうち少なくともいずれか一つを含むので、第1基板100、第2基板200及び第3基板300はいずれも延伸が可能である。
【0042】
第1導電性液体または第2導電性液体のうち、少なくともいずれか一つを成す材質は、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)からなる群のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。特に、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)のユテティック(Eutectic)方式の合金であるユテティックガリウム−インジウム合金(Eutectic Ga−EGaIn)の場合、その融点が常温より低くて常温で液体状態でありながら低い比抵抗を持っているため、第1導電性液体または第2導電性液体として使用することができる。
【0043】
図2及び
図3を参照して第1基板100、第2基板200及び第3基板300についてより詳しく説明する。
【0044】
第1基板100は、第1溝形成基板100−H及び第1平面基板100−Fを含み、第2基板200は、第2溝形成基板200−H及び第2平面基板200−Fを含む。
【0045】
図2を参照すれば、第1溝形成基板100−Hには、複数の第1溝が形成される。第1溝形成基板100−Hの詳細な内容は、
図9を参照して説明する。
【0046】
第1平面基板100−Fは、複数の第1溝が外部から遮断されるように第1溝形成基板100−Hに付着され、第1平面基板100−Fに複数の第1ホールが形成される。
【0047】
複数の第1ホールには複数の第1電極が挿入される。説明の便宜のために、実際のデバイス内A及びA’の位置は、B及びB’の位置に対応すると仮定することができ、複数の第1チャンネルの中でa(aは自然数)番目第1チャンネルLC1−aのみが示されたものと仮定することができる。
【0048】
したがって、
図2では複数の第1ホールの中で第1ホールH1−aのみが代表的に示されており、複数の第1電極の中で第1電極EC1−aのみが代表的に示された。
【0049】
第1電極EC1−aは、第1平面基板100−Fと第3基板300との間に配置される。タッチセンサーが駆動される場合、複数の第1電極のうち、少なくともいずれか一つ、例えば、第1電極EC1−aに既設定されたレベルを持つ電圧が供給されることができる。
【0050】
図1の第1基板100をA−A’で切り出した場合、第1チャンネルLC1−aがもう少し多くの数に分割されるが、説明の便宜のために第1チャンネルLC1−aの分割された数が減少された。
【0051】
図3を参照すれば、第2溝形成基板200−Hには複数の第2溝が形成されている。第2平面基板200−Fは、第2溝が外部から遮断されるように第2溝形成基板200−Hに付着され、第2平面基板200−Fに複数の第2ホールが形成される。複数の第2ホールには複数の第2電極が挿入される。説明の便宜のために、実際のデバイス内C及びC’の位置は、D及びD’の位置に対応すると仮定することができ、複数の第2チャンネルの中でb(bは自然数)番目第2チャンネルLC2−bのみが示されたものと仮定することができる。
【0052】
したがって、
図3では、複数の第2ホールの中で第2ホールH2−bのみが代表的に示されており、複数の第2電極の中で第2電極EC2−bのみが代表的に示された。
【0053】
第2電極EC2−bは、第2平面基板200−Fと第3基板300との間に配置される。
図1ないし
図3を参照して説明されたタッチセンサーは、多様な方式によってタッチを感知することができる。例えば、導電性物質がタッチされる場合にはタッチによって静電容量が変わる。
【0054】
静電容量の変化によって複数の第1電極に同じレベルの電圧が供給されても複数の第2電極によって測定された電流または電圧のレベルが変更される。すなわち、本発明のタッチセンサーは、導電性物質のタッチによる電流または電圧のレベルの変化を感知することができる。
【0055】
それだけでなく、タッチセンサーに圧力が印加される場合には、第3基板300の中で圧力が印加された点の第3方向厚さのT3が変わり、複数の第1チャンネルLC1と複数の第2チャンネルLC2との間の間隔が変わる。
【0056】
間隔の変化によって静電容量が変わり、それによって複数の第1電極及び複数の第2電極によって測定された電流または電圧のレベルが変更される。すなわち、本発明のタッチセンサーは、圧力による電流または電圧のレベル変化をも感知することができる。
【0057】
本発明のタッチセンサーが使用される場合、導電性物質が軽く接触されて静電容量が変更されるか、あるいは、物質に関係なく圧力によって第3基板300の中で圧力が印加された点の厚さが変更される場合、接触された位置または厚さが変更された位置が算出されることができる。
【0058】
図1の第2基板200をD−D’で切り出す場合、複数の第2チャンネルLC2−bがより多くの数に分割されるが、説明の便宜のために第2チャンネルLC2−bの分割された数が減少された。
【0059】
図4A、
図4B及び
図5は、
図1のタッチセンサーの複数の第1チャンネル及び複数の第2チャンネルの構造の一実施例について説明するための平面図である。
【0060】
図4A及び
図4Bは、
図1のタッチセンサー複数の第1チャンネルの構造の一実施例について説明するための平面図で、
図5は、
図1のタッチセンサーの複数の第2チャンネルの構造の一実施例について説明するための平面図である。
【0061】
図4A及び
図4Bでは、説明の便宜のために複数の第1チャンネルの中で互いに隣合う二つの第1チャンネルのみが示された。第1チャンネルLC1−aは複数の直線型チャンネル及びウェッジ部を含み、説明の便宜のために複数の直線型チャンネル(LC1−a−s−1、LC1−a−s−2)とウェッジ部LC1−a−w−1のみを例として採り上げて説明する。
【0062】
また、第1チャンネル(LC1−(a+1))については、ウェッジ部(LC1−(a+1)−w−2のみ説明される。複数の直線型チャンネル(LC1−a−s−1、LC1−a−s−2)は、第2方向に延びることができる。また、互いに隣合う第1チャンネルLC1−aのウェッジ部LC1−a−w−1と、第1チャンネルLC1−a+1のウェッジ部(LC1−(a+1)−w−2)とは、距離Dほど離隔されて配置される。
【0063】
ウェッジ部LC1−a−w−1は、第1ウェッジ部である場合があり、ウェッジ部LC1−a+1−w−2は、第2ウェッジ部である場合がある。その距離Dは、150マイクロメートル(μm)以上200マイクロメートル(μm)以下であることが好ましい。
【0064】
距離Dが150マイクロメートル(μm)よりも短い場合、第1チャンネルLC1−aと第2チャンネル(LC1−(a+1))との間の隔壁の距離が短くなってタッチセンサーが破壊されやすいという問題があり、距離Dが200マイクロメートル(μm)より長い場合、タッチセンサーの精度が減少するという問題がある。ウェッジ部LC1−a−w−1は、
図6を参照してさらに詳しく説明する。
【0065】
図5では、説明の便宜のために複数の第2チャンネルの中で第2チャンネルLC2−bのみが示された。第2チャンネルLC2−bは、複数の直線型チャンネル及びウェッジ部を含むが、説明の便宜のために直線型チャンネル(LC2−b−S−1、LC2−b−S−2)とウェッジ部(LC2−b−w−1、LC2−b−w−2)のみを例として説明される。直線型チャンネル(LC1−a−s−1、LC1−a−s−2)は、第1方向に延びることができる。
【0066】
図6は、
図4の第1チャンネルのウェッジ部構造の一実施例について説明するための平面図である。
【0067】
図6では、説明の便宜のために複数の直線型チャンネル(LC1−a−s−1、LC1−a−s−2)とウェッジ部LC1−a−w−1のみが示された。
【0068】
直線型チャンネルLC1−a−s−1は、第1方向の幅を持っており、その幅は、80マイクロメートル(μm)以上300マイクロメートル(μm)以下でありえる。
【0069】
ウェッジ部LC1−a−w−1は、ラウンド部を含み、ラウンド部は内側ラウンドR−I及び外側ラウンドR−Oを含む。接触角(Contact Angle)とは、固体の表面に液体が接触する場合、固体の面と液体との間に形成される角に定義され、導電性液体と第1基板とを構成する材質によってその値が変わる場合がある。
【0070】
ウェッジ部LC1−a−w−1が外側ラウンドR−Oを持たない場合、ウェッジ部LC1−a−w−1の傾斜面が0°よりも大きい特定の角度(例えば、22°ないし45°を成して会う。
【0071】
その特定の角度が複数の第1チャンネルと第1導電性液体との接触角より低い場合、境界面に導電性液体がすべて注入されないため、複数の第1チャンネルに気泡が形成される。気泡が複数のチャンネルに飛び回る場合、導電性液体の量が減少してしまい、タッチ感度が減少することがあり、気泡によってタッチセンサーが損傷されることができる。
【0072】
しかしながら、本発明ではウェッジ部LC1−a−w−1が外側ラウンドR−Oを持つので、ウェッジ部LC1−a−w−1の傾斜面が0°よりも大きい特定の角度を成しながら会わない。また、ウェッジ部LC1−a−w−1が内側ラウンドR−Iを持つので、複数の直線型チャンネル(LC1−a−s−1、LC1−a−s−2)とウェッジ部LC1−a−w−1との境界面も0°よりも大きい特定の角度(例えば、22°ないし45°)を成しながら会わない。
【0073】
したがって、境界面に導電性液体がすべて注入されることができるので、チャンネルに気泡が形成されない。さらに、内側ラウンドR−Iにも導電性液体がすべて注入されることができ、外側ラウンドR−Oの曲律半径が所定の条件を満足する場合、外側ラウンドR−Oにも導電性液体がすべて注入されることができる。すなわち、ラウンド形状を持つ複数のウェッジ部を含んで、そのチャンネルに導電性液体を注入するので、ウェッジ部によってタッチ感度が増加しながらもチャンネルに気泡がなくて基板が損傷されことがない。
【0074】
ウェッジ部LC1−a−w−1は、第2方向長さLを持つ。長さLが150マイクロメートル(μm)よりも小さい場合には、チャンネル抵抗が増加してRCディレーがひどくなるという問題点があり、600マイクロメートル(μm)よりも大きい場合には、ラウンド部があまり大きすぎてチャンネル感度が減少するという問題点がある。
【0075】
外側ラウンドR−Oの曲律半径(Radius Of Curvature;ROC)が複数の直線型チャンネル(LC1−a−s−1、LC1−a−s−2)の幅Wの0.5倍より小さい場合には、外側ラウンドR−Oがあまりたくさん撓めすぎてしまい、導電性液体が外側ラウンドR−Oに全部注入されないために気泡が発生しえる。
【0076】
気泡が発生する場合、全体タッチセンサーのセンシング感度が低くなってタッチセンサーが損傷されることもありえる。外側ラウンドR−Oの曲律半径が複数の直線型チャンネル(LC1−a−s−1、LC1−a−s−2)の幅Wの0.63倍よりも大きい場合には、外側ラウンドR−Oがあまり平たくて、チャンネルの長さが増加して抵抗が増加し、その結果、タッチセンサーの感度が減少することがありえる。すなわち、外側ラウンドR−Oの曲律半径は、下記式で表現されることができる。
【0077】
【数3】
(W:直線型チャンネルLC1−a−s−1の幅、ROC−O:外側ラウンドR−Oの曲律半径)
【0078】
図7ないし
図18は、
図1のタッチセンサーを製造する方法を説明するための断面図である。
図7ないし
図14は、第1基板を製造する方法について説明するための断面図、
図15ないし
図16は、第3基板を製造する方法について説明するための断面図である。第2基板を製造する方法をも、同様に
図7ないし
図14を参照して説明する。
【0079】
図7は、モールドM上に複数の第1突起Pを形成する段階を説明する図面である。複数の第1突起Pの形状は、複数の第1チャンネルLC1の形状及び第1溝形成基板100−Hの複数の第1溝の形状に対応することができ、複数の第1突起Pの材質は感光性であり、高い厚さで積層可能な材質に選択されることができる。例えば、SU―8等を含むことができる。モールドMは、以後に流体を盛り込むことができるように容器の形状を持つことができる。
【0080】
図8は、複数の第1突起Pが形成されたモールドMに第1溝形成基板100−Hを成す材質を注入し、注入された材質を硬化させて第1溝形成基板100−Hを形成する段階を説明する図面である。
【0081】
第1溝形成基板100−Hを成す材質、例えば、ポリジメチルシロキシ酸(PDMS)は、流れるものであるために流体に含まれることができる。しかし、熱、紫外線などが加えられる場合、第1溝形成基板100−Hを成す材質が硬化されることができる(キュアリング)。
【0082】
第1溝形成基板100−Hを成す材質が容器の形状を持って感光層PRが形成されたモールドMに盛り込まれて外部の環境(熱、紫外線など)によって硬化されることによって、第1溝形成基板100−Hが形成される。すなわち、複数の第1突起Pに対応する複数の第1溝が形成されたままで硬化される。
【0083】
図9は、第1溝形成基板100−HをモールドMから分離させる段階を説明するための図面である。第1溝形成基板100−Hに外力を加えることによってモールドMと第1溝形成基板100−H、及び複数の第1突起Pと第1溝形成基板100−Hとの間が分離されることができる。
【0084】
図7ないし
図9で示された段階が第1溝形成基板の形成段階に対応する。第1溝形成基板100−Hの複数の第1溝Hは、複数の第1突起Pの形状に対応することができ、複数の第1溝Hの第3方向の厚さTHは、複数の第1チャンネルLC1の第3方向の高さに対応することができる。
【0085】
図10は、モールドM上に第1平面基板100−Fを成す液状の材質を注入して硬化させる段階を説明するための図面である。第1平面基板100−Fを成す材質は、第1溝形成基板100−Hを成す材質と同一の特性を持つので、詳細な説明が省略されてもよい。
【0086】
第1平面基板100−Fを成す材質が容器の形状を持つモールドMに盛り込まれて外部の環境(熱、紫外線など)によって硬化されることで、第1平面基板100−Fが形成される。モールドMの中で第1溝形成基板100−Hを成す材質に触れる面に突起や溝がないため、第1平面基板100−Fが平坦な形状を持つことができる。
【0087】
図11は、第1平面基板100−FをモールドMから分離する段階を説明するための図面である。第1溝形成基板100−Hと同様に、第1平面基板100−Fに外力を加えることによってモールドMと第1平面基板100−Fとの間が分離されることができる。
図10ないし
図11で示された段階が第1平面基板の形成段階に対応する。
【0088】
図12は、第1溝形成基板100−Hと第1平面基板100−Fとを互いに付着させて複数の第1チャンネルが形成された第1基板を製造する第1付着段階を説明するための図面である。
【0089】
第1溝形成基板100−Hと第1平面基板100−Fとを互いに触れるようにし、熱を加えて付着させることも可能である。または、第1溝形成基板100−Hの付着される面、及び第1溝形成基板100−Hの付着される面の間に、硬化される前の第1溝形成基板100−Hを成す材質を塗る。
【0090】
その後、熱または紫外線を加えれば第1溝形成基板100−Hを成す材質が硬化されながら第1溝形成基板100−Hと第1平面基板100−Fとが互いに付着される。または、第1溝形成基板100−Hを成す材質と第1平面基板100−Fを成す材質とが同一である場合、第1溝形成基板100−H及び第1平面基板100−Fの中で付着される面に酸素プラズマ処理をした後、第1溝形成基板100−H及び第1平面基板100−Fの付着される面を互いに触れるようにすることができる。
【0091】
第1溝形成基板100−H及び第1平面基板100−Fのプラズマ処理済みの面が互いに触れる場合、第1溝形成基板100−Hと第1平面基板100−Fとが互いに付着することができる。第1溝形成基板100−Hと第1平面基板100−Fとが互いに付着することで、複数の第1チャンネルLC1が形成される。
【0092】
図13は、複数の第1チャンネルLC1に複数の第1ホール及び複数の臨時ホールを形成して、複数の第1ホールに複数の第1電極を挿入する段階を説明するための図面である。
【0093】
複数の第1チャンネルLC1に複数の第1ホール及び複数の臨時ホールを形成して、複数の第1ホールには複数の第1電極を挿入する。
図13では、a番目の第1チャンネルLC1−aのみが示されたので、複数の第1ホールの中で第1ホールH1−aのみが示されており、複数の臨時ホールの中で臨時ホールHt−aのみが示されており、複数の第1電極の中で第1電極EC1−aのみが示された。また、実施例によっては臨時ホールが形成されないこともある。
【0094】
図13において、第1電極EC1−aは第1基板100に対して固定されないこともある。また、複数の第1ホール及び複数の臨時ホールに第1導電性液体を注入するか、または複数の第1チャンネルLC1の空気を抜くための複数の管(図示せず)が挿入されることもできる。この場合、第1電極EC1−aが複数の管の中で一つ(図示せず)の中に存在することもできる。
【0095】
図14は、複数の第1ホールを介して複数の第1チャンネルに第1導電性液体を注入し、複数の臨時ホールを介して複数の第1チャンネル内の気体を排出させる段階を説明するための図面である。説明の便宜のために、複数の第1チャンネルLC1の中で第1チャンネルLC1−aについてのみ説明される。
【0096】
第1ホールH1−aに挿入された管の中で一つ(図示せず)からの第1導電性液体が第1チャンネルLC1−aに注入されることができる。それと同時に、第1チャンネルLC1−aに存在していた空気が臨時ホールHt−aに挿入された管の中で一つ(図示せず)によって第1チャンネルLC1から排出されることができる。このような方式を使用する場合、複数の第1チャンネルLC1に空気が残らず、タッチセンサーの感度を低めることなく、気泡によるタッチセンサーの損傷を防止することも可能である。
【0097】
図15及び
図16は、第3基板を製造する方法を説明するための図面である。
図15は、モールドM上に第3基板300を成す液状の材質を注入して硬化させる段階を説明するための図面である。
図10を参照して説明した第1平面基板100−Fを成す液状の材質を注入して硬化させる段階と非常に類似しているため、詳細な説明は省略する。
【0098】
第3基板300を成して流体に含まれることができる材質が、容器の形状を持つモールドMに盛り込まれて外部の環境(熱、紫外線など)によって硬化されることで、第3基板300が形成される。
【0099】
また、第1基板100、第2基板200及び第3基板300を成す材質が同じであっても第3基板300が多孔性を持つことによって第3基板300の弾性係数が第1基板100及び第2基板200の弾性係数よりも低いことがある。具体的に、モールドMに第3基板300を成す材質(例えば、ポリジメチルシロキシ酸;PDMS)を注入した後、材質を掻き乱して泡を立てる。泡を立てるために、他の材質(例えば、水)が追加的にモールドMに注入されることもできる。泡が立った状態で材質を硬化させる場合、多孔性を持つ第3基板300が形成されることができる。
【0100】
図16は、第3基板300をモールドMから分離する段階を説明するための図面である。第1溝形成基板100−Hと同様に、第3基板300に外力を加えることによってモールドMと第3基板300との間が分離されることができる。
【0101】
図17は、第1基板と第3基板とを付着する第3付着段階を説明するための図面である。第1基板100を成す材質と第3基板300とを成す材質が同一である場合、
図12を参照して説明された方法によって第1基板100と第3基板300とが互いに付着することができる。第3基板300によって、複数の第1ホール及び複数の臨時ホールが外部から遮断される。すなわち、複数の第1チャンネルLC1に注入された第1導電性液体が外に出ることができない。
【0102】
図17以後、第3基板300と第2基板200とが
図12で説明された方法によって互いに付着することができる。第3基板300によって、複数の第2ホールも外部から遮断される。すなわち、複数の第2チャンネルLC2に注入された第2導電性液体が外に出ることができない。
【0103】
第3基板300と第2基板200との付着以後、
図1ないし
図3で示されたタッチセンサーが得られる。複数の第1チャンネルLC1が第1方向に延びて、複数の第2チャンネルLC2が第1方向と交差する第2方向に延びるように付着することが望ましい。第3基板300と第2基板200とが付着される場合、
図1ないし
図3を参照して説明したタッチセンサーが完成されることができる。
【0104】
図18は、本発明の他の実施例によるタッチセンサーを説明するための断面図である。タッチセンサーは、第1基板100’、第2基板200’及び第3基板300’を含む。
図19に示されたタッチセンサーは、
図2及び
図3に示されたタッチセンサーとは異なり、第3基板300’が突起300−p’を含む。
【0105】
第3基板300の弾性係数が第1基板100の弾性係数及び第2基板200の弾性係数より低く、第3基板300’が突起300−p’を含む場合、タッチセンサーに圧力が印加されても複数の第1チャンネルの中でa番目の第1チャンネルLC1−a’が変形される程度よりも突起300−p’が変形される程度がさらに大きい。したがって、圧力を受けても第1チャンネルLC1−a’が変形される程度が減少するので、チャンネルが詰まって断線される程度が緩和されることができる。
【0106】
図19は、
図18のタッチセンサーの中で第1平面基板を製造する方法を説明するための断面図である。
図10とは異なり、モールドMに複数の突起P’が形成され、その後、第1平面基板100−F’を成して流体に当たるような材質が注入されて硬化される。第1平面基板100−F’に複数の溝が形成され、複数溝の形状は複数の突起P’に対応する。
【0107】
図20及び
図21は、
図18のタッチセンサーの中で第3基板を製造する方法を説明するための断面図である。
図20は、複数の溝が形成された複数のモールドM2’、M3’の間に第3基板300’を成す材質を注入して材質を硬化させ、第3基板を形成する段階を説明する図面である。
【0108】
第3基板300’を成す材質が固定させるモールドM1’及び複数の溝H’が形成された複数のモールドM2’、M3’の間に注入される。その後、材質を硬化させて第3基板300’を形成する場合、第3基板300’に溝H’に対応する突起が形成されることができる。
【0109】
図21は、第3基板300’を複数のモールドM2’、M3’から分離する段階を説明する図面である。
図9を参照して説明されたように、第3基板300’に外力が加えられることによって、第3基板300’が複数のモールドM1’、M2’、M3’から分離されることができる。
【0110】
前述の外にもまた他の方法を使用して複数の突起300−p’を持つ第3基板300’が形成されることができる。例えば、
図15及び
図16を参照して説明されたように第3基板を製造した以後、溝を形成することも可能である。
【0111】
図22は、本発明のまた他の実施例によるタッチセンサーを説明するための断面図である。
図22を参照としたタッチセンサーにて、第1溝形成基板100−H’’は、複数のスペーサSp1−a’’、Sp2−a’’を含む。 複数のスペーサSp1−a’’、Sp2−a’’は、第1チャンネルLC1−a’’の変形を制限するので、過度な圧力が印加されることによる複数のチャンネルの断線を防止することができる。また、圧力がタッチセンサーに印加される場合、第3基板300’’の厚さの変化量が第1基板100’’または第2基板200’’の厚さの変化量に比べて大きい。したがって、複数の第1チャンネルと複数の第2チャンネルとの間の間隔が大きく変わることがある。したがって、圧力による電流または電圧のレベル変化に対する敏感度が
図1に示されたタッチセンサーに比べて増加することができる。
【0112】
図23及び
図24は、
図22のタッチセンサーの中で第1溝形成基板を製造する方法のうち一部を説明するための断面図である。
図23は、複数の第1突起P’’が形成されたモールドM’’に第1溝形成基板100−H’’を成す材質を注入し、注入された材質を硬化させて第1溝形成基板100−H’’を形成する段階を説明する図面である。
図23は、
図8と大部分同一である。ただし、複数のスペーサに対応する部分A−Sp1’’、A−Sp2’’には複数の第1突起P’’が形成されない。
【0113】
図24は、第1溝形成基板100−H’’をモールドM’’から分離させる段階を説明するための図面である。
図24は、
図9と大部分同一である。ただし、複数のスペーサSP1−a’’、SP2−a’’が形成されている。
【0114】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。