(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6770360
(24)【登録日】2020年9月29日
(45)【発行日】2020年10月14日
(54)【発明の名称】液状または半液状食品を製造する装置および方法
(51)【国際特許分類】
A23G 9/14 20060101AFI20201005BHJP
A23G 9/22 20060101ALI20201005BHJP
A23G 9/28 20060101ALI20201005BHJP
【FI】
A23G9/14
A23G9/22
A23G9/28
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-145892(P2016-145892)
(22)【出願日】2016年7月26日
(65)【公開番号】特開2017-38593(P2017-38593A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2019年6月14日
(31)【優先権主張番号】102015000042999
(32)【優先日】2015年8月6日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519231153
【氏名又は名称】アリ グループ エス.アール.エル−カルピジャーニ
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア コッキ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ラッザリーニ
【審査官】
宮岡 真衣
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2004/0251270(US,A1)
【文献】
特開2005−210969(JP,A)
【文献】
特開平04−086989(JP,A)
【文献】
実開昭58−002080(JP,U)
【文献】
米国特許第02511844(US,A)
【文献】
特開2014−031864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 9/00−9/52
A47J 31/00−31/60
G07F 13/00−13/10
F16K 1/00−99/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
FSTA/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状または半液状食品を製造するための装置(1)であって、
−フレーム(2)と、
−各第1の容器(3)によって占められている空間が前記同一の第1の容器(3)内の基本混合物の分量に依存するように変形可能な、液状または半液状の基本混合物を収容する複数の供給容器(3)と、
−前記基本混合物の加工チャンバを形成し、かつ、互いに連携して作動して前記基本混合物を冷却して液状または半液状製品に変換する前記基本混合物の撹拌機(6)および熱処理手段(7)を備える加工容器(5)と、
−前記供給容器(3)を前記加工容器(5)に接続するためのものであり、各々の前記供給容器(3)の前記加工容器(5)への作動可能な接続を可能にし、かつ、前記基本混合物を各々の前記供給容器(3)から前記加工容器(5)に移送させるよう構成されている接続手段(8)と、
−前記フレーム(2)に作動可能に関連付けられている前記供給容器(3)の支持手段(9)と、
−電子駆動制御ユニット(11)と、
を備え、
前記装置(1)は、前記接続手段(8)が複数の空気圧作動の閉鎖弁(19)を備え、各々の前記弁は、前記供給容器(3)のうちの1つに関連付けられており、かつ、残りの前記弁(19)から独立して起動および停止して、前記容器(3)のうちの1つの前記加工容器(5)への接続を可能にし、
前記装置(1)は、
−圧縮空気を生成するよう構成されている圧縮装置(16)と、
−前記圧縮装置(16)に接続されて圧縮空気を受け取り、かつ、前記電子駆動制御ユニット(11)によって制御可能な圧縮空気分配装置(17)と、
−前記圧縮空気分配装置(17)を前記弁(19)に接続して圧縮空気の流れを各々の前記弁(19)に導き、前記圧縮空気分配装置(17)が独立して空気流れを各々の前記弁(19)に放出することができるよう構成されている複数の供給管(18)と、をさらに備え、
前記接続手段(8)は、前記供給容器(3)を前記加工容器(5)に接続する複数の接続管(15)を備え、
各々の前記空気圧作動弁(19)は、
−使用時に、前記供給容器(3)のうちの1つに接続される入口ダクト(22)と、
−使用時に、前記接続管(15)のうちの1つに接続される出口ダクト(21)と、
−遮断位置と前記入口ダクト(22)および前記出口ダクト(21)の接続を行う位置との間を移動可能な閉鎖要素(20)と、
を備え、
各々の前記空気圧作動弁(19)は、前記閉鎖要素(20)に作動可能に作用して、前記閉鎖要素(20)を、元のところに戻すおよび/または前記遮断位置に維持することを目的とする力を加えるバネ(23)をさらに備え、
各々の前記空気圧作動弁(19)は、
−供給管(18)によって前記圧縮空気分配装置(17)に接続可能である制御入口(26)と、
−前記制御入口(26)が接続されており、かつ、前記閉鎖要素(20)に作動可能に作用して、前記閉鎖要素(20)を、前記遮断位置と前記入口ダクト(22)および前記出口ダクト(21)の前記接続を行う前記位置との間で移動させる少なくとも1つの可動壁を備える制御チャンバ(27)と、
を備え、
前記可動壁は、変形可能な膜(28)によって形成され、
前記閉鎖要素(20)は、前記入口ダクト(22)の端壁に作動可能に作用している、ことを特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
各々の前記空気圧作動弁(19)はノーマルクローズ弁である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記接続管(15)は、任意の供給容器(3)から来る前記基本混合物の通路に含まれる第1の共通管であって、前記加工容器(5)までの前記通路が最も短い前記供給容器(3)を前記加工容器(5)に接続する第1の共通管と、前記加工容器(5)までの前記通路が最も短い前記供給容器(3)を除く、ある供給容器(3)からのみ来る前記基本混合物の通路に含まれる第2の管と、を備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記電子駆動制御ユニット(11)に接続され、かつ、選択的に前記供給容器(3)のうちの1つを前記加工容器(5)に流体連通させるように前記弁(19)を制御するためにアクティベート可能な制御指令を備えるインターフェースを備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記供給容器(3)と前記加工容器(5)との間に作動可能に置かれて、流体を前記供給容器(3)から前記加工容器(5)に移送する移送ポンプ(25)を備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記移送ポンプ(25)は、ぜん動ポンプである、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記膜(28)、前記バネ(23)および前記閉鎖要素(20)が一直線上に配置されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記閉鎖要素(20)は、前記入口ダクト(22)を塞ぐための先端部と、前記先端部から前記膜(28)に向かって延びる棒状部とを含み、前記棒状部の直径は、前記入口ダクト(22)の内径よりも小さい、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の装置で液状または半液状食品を製造するための方法であって、基本混合物から始まり、
−前記各第1の容器(3)によって占められている空間が前記同一の第1の容器(3)内の基本混合物の分量に依存するように変形可能な、基本混合物を収容する前記複数の供給容器(3)を準備するステップと、
−前記基本混合物の加工チャンバを形成する前記加工容器(5)を準備するステップと、
−各々の前記供給容器(3)を前記加工容器(5)に前記接続管(15)によって作動可能に接続させ、かつ、各供給容器(3)に関連付けられた前記空気圧作動弁(19)を準備するステップと、
−圧縮空気の流れを前記弁(19)のうちの1つに送って、前記供給容器(3)のうちの1つめを前記加工容器(5)に流体連通させるステップと、
−前記基本混合物を前記供給容器(3)のうちの前記1つめから前記加工容器(5)に移送するステップと、
−前記加工容器(5)内の前記基本混合物を撹拌し、かつ、前記加工容器(5)内の前記基本混合物を冷却して、前記基本混合物を完成品に変換するステップと、を備える方法。
【請求項10】
前記基本混合物は、アイスクリーム向けの基本混合物であり、かつ、前記完成品は、前記アイスクリームの種類の製品である、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状または半液状食品、特に、アイスクリームまたはソフトクリームの種類の製品を製造する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
当該アイスクリーム業界において、冷凍装置に関連付けられており、かつ、撹拌機を備える混合冷却シリンダを備える(ソフトクリーム)アイスクリーム製造機が知られている。
【0003】
混合冷却シリンダは、別の容器によって供給される基本混合物から、完成品(アイスクリームまたはソフトクリーム)を製造することを可能にする。
【0004】
基本混合物は、容器によって、すなわち、「バッグインボックス」として知られている種類の柔軟性のある供給容器によって、混合冷却シリンダに供給される。供給容器は、基本的に、製品を出すことを可能にする(貫通させることができる)開口部が備えられた柔軟性のある壁を備える。
【0005】
これらの柔軟性のある供給容器は、製品が供給容器から出るにつれて、変形するよう構成されている。換言すると、供給容器の容積は、供給容器が収容する製品の分量に依存する。
【0006】
作業者は、特に多数の客に提供し、スタッフが仕事で忙しい就業時間のピーク時に何度もなくなる基本混合物の供給を制御することは困難であると頻繁に不満を言う。
【0007】
容器内部の基本混合物がなくなると、空の基本混合物供給容器が混合物で充填されている新しい容器に交換されるまで、装置が一時的に機能停止して、すなわち、作動しない状態になる。
【0008】
したがって、当該分野においては、非常に迅速、簡単かつ信頼性が高くなるように、1つの供給容器から別の容器に切り替えることができ、これにより、装置の機能停止時間が長引くことを回避する必要性が特に高い。
【0009】
より詳細には、当該分野においては、供給容器が空になると、作業者が供給容器を迅速に取り替えることを可能にする必要性が特に高い。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明は、上記の欠点を解消する、すなわち、上述の必要性を満たすことを目的とする。
【0011】
具体的には、本発明の目的は、上述の必要性を満たすことが可能な装置を提供することにある。
【0012】
本発明のさらなる目的は、装置の機能停止時間を低減することが可能な液状または半液状製品を製造する装置を提供することにある。
【0013】
本発明によると、本発明の対象を構成し、かつ、添付の1つまたは複数の請求項に記載の技術的特徴を備える装置および方法によってこれらの目的が達成される。
【0014】
上記の目的に関連する本発明の技術的特徴は、添付の特許請求の範囲に明確に記載されており、その利点は、本発明の例示の実施形態を示す添付の図面を参照した以下の詳細な説明から明らかとなろう。また、例示の実施形態は、好ましいものであり本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】液状または半液状製品を製造するための本発明の装置の概略側面図である。
【
図2】
図1の、液状または半液状製品を製造するための装置の概略斜視図である。
【
図4】本発明に係る装置の、
図3とは異なる作動配置での詳細の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付の図面において、符号1は、液状または半液状製品を製造するための機械(apparatus)または装置を指す。
【0017】
特に、装置1は、アイスクリーム製品を製造することを可能にする。
【0018】
より厳密には、装置1は、次の1つまたは複数の製品、つまり、手作りジェラート(artisan gelato)、ソフトクリーム、ソルベを製造することを可能にする。
【0019】
本発明によると、液状または半液状食品(アイスクリーム、より厳密には、ソフトクリーム)を製造するための装置1が規定されており、装置1は、
−フレーム2と、
−各第1の容器3によって占められている空間が同一の第1の容器3内の基本混合物の分量に依存するように、液状または半液状の基本混合物を収容し、かつ、変形可能な壁4を備える複数の供給容器3と、
−基本混合物の加工チャンバ(より厳密には、混合冷却シリンダ)を形成し、かつ、互いに連携して作動して基本混合物を液状または半液状製品に変換する、基本混合物の撹拌機6および熱処理手段7を備える加工容器5と、
−供給容器3を加工容器5に接続するためのものであり、各々の供給容器3を(選択的に)加工容器5に作動可能に接続させることを可能にし、かつ、基本混合物を各々の供給容器3から加工容器5に移送させるよう構成されている接続手段8と、
−フレーム2に作動可能に関連付けられている、供給容器3の支持手段9と、
−電子駆動制御ユニット11と、
を備える。
【0020】
一観点によると、接続手段8は、供給容器3を加工容器5に接続する複数の接続管15を備える。
【0021】
本発明によると、接続手段8は、複数の空気圧作動の閉鎖弁19を備え、各々の弁は、供給容器3のうちの1つに関連付けられており、かつ、残りの弁19から独立して起動および停止して、容器3のうちの1つを加工容器5に(選択的に)接続することを可能にすることができる。
【0022】
さらなる観点によると、装置1は、また、
−圧縮空気を生成するよう構成されている圧縮装置16と、
−圧縮装置16に接続されて圧縮空気を受け取り、かつ、電子駆動制御ユニット11によって制御可能な圧縮空気分配装置17と、
−圧縮空気分配装置17を弁19に接続して圧縮空気の流れを各々の弁19に導き、圧縮空気分配装置17は、独立して、空気流れを各々の弁19に放出することができるよう構成されている複数の供給管18と、
を備える。
【0023】
なお、基本混合物を熱処理するための手段7は、加工容器5に関連付けられている少なくとも1つの熱交換器(蒸発器)を備える熱力学システム(図示せず)を備える。
【0024】
好ましくは、熱システムは、熱交換流体を備える流体回路を備える。
【0025】
好ましくは、熱システムは、熱力学サイクルに応じて作動する。
【0026】
本発明によると、空気圧作動弁19の各々はノーマルクローズ弁である。
【0027】
熱処理手段は、加工容器5内部の基本混合物を、好ましくは−20℃から0℃の間の温度、なおより好ましくは−20℃から−5℃の間の温度に冷却することを可能にするよう構成されている。
【0028】
なお、制御ユニット11は、冷却および混合が同時に行われるように、撹拌機6と熱処理手段7の双方を同時に起動するよう構成されている。
【0029】
また、本発明によると、空気圧作動弁19の各々は、
−供給容器3のうちの1つに接続される入口ダクト22と、
−接続管15に接続される出口ダクト21と、
−遮断位置と、入口ダクト22および出口ダクト21の接続を行う位置との間を移動可能な閉鎖要素20と、
−閉鎖要素20に作動可能に作用して、閉鎖要素20を、元のところに戻すおよび/または遮断位置に維持することを目的とする力を加えるバネ23と、
を備える。
【0030】
図3には、閉鎖要素20が、入口ダクト22および出口ダクト21の接続を遮断する位置にある(閉)配置における弁19を示し、
図4には、閉鎖要素20が、入口ダクト22および出口ダクト21の接続を行う位置にある(開)配置における弁19を示す。
【0031】
なお、空気圧作動弁19は、また、制御入口26を備える。制御入口26は、圧縮空気源に接続されるよう構成される。圧縮空気源は、弁19自体を起動または閉にする、すなわち、閉鎖要素20の、上述の遮断位置と入口ダクト22および出口ダクト21の接続を行う位置との間における位置決めを制御する。
【0032】
実際に、制御入口に供給される加圧空気は、閉鎖要素20を、接続を遮断する位置(通常、この位置が維持されている)および接続を行う位置との間で移動させることを可能にする。
【0033】
より厳密には、制御入口26は、分配装置17自体によって圧縮空気が供給されるように供給管18を介して圧縮空気分配装置17に接続される。
【0034】
なお、弁19は、制御ダクト26から来る圧縮空気を受け取るよう構成される制御チャンバ27を備える。
【0035】
なお、閉鎖要素20は、一実施形態において、制御チャンバ27の壁の(可動な)一部を画定する。
【0036】
一方、別の実施形態において、制御チャンバ27は、変形可能な壁28(膜)を備える。壁28は、制御チャンバ27に加圧空気が入る結果、押す力を閉鎖要素20に加える。
【0037】
なお、通常、すなわち、圧縮空気が弁19に供給されていないとき(より厳密には、圧縮空気が制御ダクト26に供給されていないとき)、閉鎖要素20は、入口ダクト22および出口ダクト21の接続を遮断する位置にある。
【0038】
さらなる観点によると、装置は、インターフェース(図示せず)を備える。インターフェースは、駆動制御ユニット11に接続され、かつ、選択的に供給容器3のうちの1つを加工容器5に流体連通させるように弁19を制御するためにアクティベート可能な制御指令を備える。
【0039】
実際に、インターフェースは、制御信号を制御駆動ユニット11に送ることを可能にする。この制御駆動ユニット11は、これらの制御信号に応じて、選択的に弁19のうちの1つを(なされた選択に基づいて)開にする。
【0040】
さらに別の観点によると、装置1は、移送ポンプ25を備える。移送ポンプ25は、供給容器3と加工容器5との間に作動可能に置かれて、流体を供給容器3から加工容器5に移送する。
【0041】
好ましくは、移送ポンプ25は、各々の供給容器3に作動可能に接続される。なお、言い換えると、弁19は、それが開位置にあるとき、それぞれの供給容器3とポンプ25との流体接続を行うことを可能にし、閉位置にあるとき、それぞれの供給容器3とポンプ25との流体接続をさせないようにする。
【0042】
なお、移送ポンプ25は、好ましくはぜん動ポンプである。
【0043】
好ましくは、ポンプ25は、接続ダクト15に関連付けられている。
【0044】
図示しない変形例において、装置1は、各供給容器3の容器(容器は、剛性、すなわち、10バール未満の空気圧では実質的に変形不可能である)を備える。この容器は、供給容器3を収容し、かつ、封止密閉することができるよう構成されている。
【0045】
この変形例によると、加圧空気が、供給容器3を圧縮させることにより基本混合物を供給容器3から圧搾するために容器に送られる。
【0046】
なお、供給容器3およびこれを収容する容器によって画定されている組み立て品は、「バッグインボックス」として周知のものを形成する。
【0047】
したがって、この変形例において、ポンプ25は、基本混合物の加工容器5への移送が容器内部の供給容器3を圧縮する効果によって達成されるので、使用されない。
【0048】
なお、本発明に係る装置1は、特に簡単に、1つの供給容器3を別の供給容器に切り替えることを可能にする。
【0049】
弁19が空気圧式であり、かつ、装置1が圧縮装置16と圧縮空気分配装置17とを備えるという事実は、すべての一般的な店舗の労働条件の下、特に信頼性が高くなるように、任意の種類の基本アイスクリーム製品を加工容器5に供給することができることを意味する。
【0050】
さらなる観点によると、装置1は、ディスペンサ29を備える。ディスペンサ29は、加工容器5に接続されて加工容器5から製品を提供する。
【0051】
また、液状または半液状食品を製造するための方法が規定されている。この方法は、基本混合物から始まり、
−各第1の容器3によって占められている空間が供給容器3内部の基本混合物の分量に依存するように、基本混合物を収容し、かつ、変形可能な壁4を備える複数の供給容器3を準備するステップと、
−基本混合物の加工チャンバを形成する加工容器5を準備するステップと、
−各々の供給容器3を加工容器5に接続ダクト15によって作動可能に接続させ、かつ、各供給容器3に関連付けられた空気圧作動弁19を準備するステップと、
−圧縮空気の流れを弁19のうちの1つに送って、(接続ダクト15の一部を介して)供給容器3のうちの1つめを加工容器5に流体連通させるステップと、
−基本混合物を供給容器3のうちの1つめから加工容器5に移送するステップと、
−加工容器5内の基本混合物を撹拌し、かつ、(同時に)加工容器5内の基本混合物を熱処理して、基本混合物を完成品に変換するステップと、
を備える。
【0052】
なお、完成品がアイスクリームの場合、加工容器5内部の基本混合物を撹拌し、かつ、(同時に)加工容器5内部の基本混合物を熱処理して、基本混合物を完成品に変換するステップは、実質的に、アイスクリームを混合冷却するステップに対応し、空気を基本混合物に取り込んで(完成品に取り込まれた空気の割合を示すオーバーラン値(the value of overrun)を増加させることにより)アイスクリーム製品に適切にクリーム状かつ口に合う粘稠性を与えるために基本混合物が冷却かつ攪拌される。