(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記再設定後の区分領域の輝度及び当該区分領域が有する複数の小区分領域の各々に必要な輝度のうち少なくとも前記最大の輝度に基づいて、所定の第2上限輝度以下の範囲内で当該区分領域を照明する光源の点灯量を補正する
請求項1に記載の表示装置。
前記制御部は、前記小区分領域に必要な輝度に所定の係数を乗じて算出された再設定用輝度が当該小区分領域に隣接する区分領域の輝度よりも大きい場合に当該再設定用輝度を当該区分領域の輝度として再設定する
請求項1又は2に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2は、実施形態1に係る画像表示パネルの画素配列を示す図である。
図1に示すように、表示装置10は、制御装置11からの原画像の入力信号である処理前信号BD及び制御データODが入力され、処理後信号AD及び光源駆動信号BLを出力し、表示装置10の動作を制御する信号処理部20と、画像信号として機能する処理後信号ADに基づいて表示が制御される表示領域を有し、表示領域に画像を表示させる画像表示パネル(表示部)30と、画像表示パネル30の駆動を制御する画像表示パネル駆動部40と、画像表示パネル30を背面から照明するバックライトとして機能する光源装置50と、光源装置50の駆動を制御する光源装置駆動部60と、を備える。制御装置11、信号処理部20、及び光源装置駆動部60は、例えば半導体集積回路(IC)で構成される。なお、制御装置11、信号処理部20、及び光源装置駆動部60は、1つの半導体集積回路(IC)に構成されていても良いし、それぞれが異なる半導体集積回路(IC)に構成されていても良い。制御装置11、信号処理部20、及び光源装置駆動部60の構成により本発明が限定されるものではない。
【0010】
信号処理部20は、画像表示パネル30及び光源装置50の動作を制御する演算処理部である。信号処理部20は、画像表示パネル30を駆動するための画像表示パネル駆動部40、及び、光源装置50を駆動するための光源装置駆動部60と接続されている。信号処理部20は、制御装置11から入力される信号等に基づいた演算処理を行って処理後信号AD及び光源駆動信号BLを生成する。具体的には、信号処理部20は、例えば、第1の色、第2の色、第3の色で再現される画像を出力するための処理前信号BDを、第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色で再現される画像を画像表示パネル30で出力するための処理後信号ADに変換して生成する。信号処理部20は、生成した処理後信号ADを画像表示パネル駆動部40に出力する。また、信号処理部20は、処理前信号BD及び制御データODに基づいて、処理後信号ADの入力に応じて動作する画像表示パネル30を照明する光源装置50からの光量を制御するための光源駆動信号BLを生成する。信号処理部20は、光源駆動信号BLを光源装置駆動部60に出力する。処理前信号BDは、例えば所謂RGB信号である。処理後信号ADは、例えば所謂RGBW信号である。制御データODは、例えば後述する区分領域及び小区分領域を示すデータ、クロック信号等の制御用の信号等を含む。
【0011】
図1に示すように、画像表示パネル30は、複数の画素48が2次元のマトリクス状(行列状)に配列されている。
図1に示す例は、表示領域として機能する画像表示パネル30の表示面におけるXYの2次元座標系に複数の画素48がマトリクス状に配列されている例を示している。この例において、行方向がX方向、列方向はY方向である。
【0012】
図2に示すように、画素48は、第1副画素49Rと、第2副画素49Gと、第3副画素49Bと、第4副画素49Wとを有する。第1副画素49Rは、第1原色(例えば、赤色)を表示する。第2副画素49Gは、第2原色(例えば、緑色)を表示する。第3副画素49Bは、第3原色(例えば、青色)を表示する。第4副画素49Wは、第4の色(具体的には白色)を表示する。このように、画像表示パネル30に行列状に配列された画素48は、第1の色を表示する第1副画素49R、第2の色を表示する第2副画素49G、第3の色を表示する第3副画素49B及び第4の色を表示する第4副画素49Wを含む。第1の色、第2の色、第3の色及び第4の色は、第1原色、第2原色、第3原色及び白色に限られず、補色など色が異なっていればよい。第4の色を表示する第4副画素49Wは、同じ光源点灯量で照射された場合、第1の色を表示する第1副画素49R、第2の色を表示する第2副画素49G、第3の色を表示する第3副画素49Bよりも明るいことが好ましい。以下の説明において、第1副画素49Rと、第2副画素49Gと、第3副画素49Bと、第4副画素49Wとをそれぞれ区別する必要がない場合、副画素49という。
【0013】
表示装置10は、より具体的には、透過型のカラー液晶表示装置である。
図2に示すように、画像表示パネル30は、カラー液晶表示パネルであり、第1副画素49Rと画像観察者との間に第1原色を通過させる第1カラーフィルタが配置され、第2副画素49Gと画像観察者との間に第2原色を通過させる第2カラーフィルタが配置され、第3副画素49Bと画像観察者との間に第3原色を通過させる第3カラーフィルタが配置されている。また、画像表示パネル30は、第4副画素49Wと画像観察者との間にカラーフィルタが配置されていない。この場合には、第4副画素49Wに大きな段差が生じることとなる。このため、第4副画素49Wには、カラーフィルタの代わりに透明な樹脂層が備えられていてもよい。これにより、第4副画素49Wに大きな段差が生じることを抑制することができる。
【0014】
図1及び
図2に示す画像表示パネル駆動部40は、本実施形態の制御部に含まれ、信号出力回路41及び走査回路42を備えている。画像表示パネル駆動部40は、信号出力回路41によって映像信号を保持し、順次、画像表示パネル30に出力する。信号出力回路41は、信号線DTLによって画像表示パネル30と電気的に接続されている。画像表示パネル駆動部40は、走査回路42によって、画像表示パネル30における副画素49を選択し、副画素49の動作(光透過率)を制御するためのスイッチング素子(例えば、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor))のオン及びオフを制御する。走査回路42は、走査線SCLによって画像表示パネル30と電気的に接続されている。
【0015】
光源装置50は、複数の光源で画像表示パネルを照明する。光源装置50は、画像表示パネル30の背面に配置され、画像表示パネル30に向けて光を照射することで、画像表示パネル30を照明する。光源装置駆動部60は、光源装置50から出力する光の光量等を制御する。光源装置駆動部60は、本実施形態の制御部に含まれる。具体的には、光源装置駆動部60は、信号処理部20から出力される光源駆動信号BLに基づいて光源装置50に供給する電流値を調整することで、画像表示パネル30を照射する光量(光の強度)を光源駆動信号BLに応じた光量とする。
【0016】
図3は、光源装置50の構成例を示す模式図である。本発明に係る光源装置50は、一方向に沿って複数の光源(例えば、光源51)が配置された光源列を複数有する。ここでいう一方向とは、X方向、Y方向の少なくともいずれか一方である。本実施形態の光源装置50は、X方向及びY方向の二方向に沿って複数の光源が配置された光源列及び光源行を有する。具体的には、例えば
図3に示すように、光源装置50は、2次元のマトリクス状(行列状)に配列されている複数の光源51を有する。光源51は、例えば、同色(例えば、白色)の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)である。
図3では、[h=0]〜[h=6]のX方向座標と[v=0]〜[v=3]のY方向座標で識別可能な7×4=28のXY座標で識別可能なブロックの各々に1つずつ光源51が配置された例を示している。本実施形態では、このブロックは、後述する区分領域に対応する。以降、同様のXY座標を用いて説明を行うことがある。なお、
図3では、X方向に沿って7つの光源51が並び、Y方向に沿って4つの光源51が並んでいる光源装置50を示しているが、あくまで模式的な例示である。光源装置50が有する光源51の配置及び数は、
図3に示す例に限られるものでなく、適宜変更可能である。
【0017】
図4は、行方向に沿って並ぶ複数の光源51の各々の輝度と光源行全体の輝度分布との関係の一例を示す図である。複数の光源51の各々は、予め定められた第1上限輝度(MAX)から最低輝度(消灯)までの範囲内で輝度を変化させることができる。ここで、光源51は、点灯時おける光の一部によって隣接するブロックを照明する。すなわち、各ブロックの輝度は、各ブロックに配置されている光源51からの光と、隣接するブロックに配置されている光源51からの光の影響を受ける。例えば、全ての光源51が第1上限輝度で点灯した場合、各ブロックの輝度は、第1上限輝度を上回る全点灯時輝度(100%ALL)になる。
【0018】
光源51は、第1上限輝度を上回る輝度で点灯する性能を有している。例えば、本実施形態における光源51は、第1上限輝度を上回る輝度である第2上限輝度(LIMIT)まで輝度を上げた状態で点灯させることができる性能を有する。第2上限輝度(LIMIT)は、例えば、第1上限輝度(MAX)を電流量100[%]時の光源51の輝度とすると、電流量125[%]時の光源51の輝度である。一方、光源51の点灯時の輝度を第1上限輝度で制限することで、消費電力の低減、光源51の長寿命化等のメリットが生じる。すなわち、第1上限輝度は、第2上限輝度よりも光源51への負担を軽減するために予め第2上限輝度を下回る輝度として設定されている輝度である。
【0019】
図4では、行方向に沿って並ぶ複数の光源51の各々の輝度と光源行全体の輝度分布との関係を例示しているが、列方向に沿って並ぶ複数の光源51の各々の輝度と光源列全体の輝度分布との関係についても同様である。ただし、光源列の場合、
図4に示す[h=0]〜[h=6]の計7つの光源51の点灯量が、[v=0]〜[v=3]の計4つの光源51の点灯量に置き換わる。なお、本実施形態のように複数の光源51が二次元マトリクス状に配置されている場合、点灯量と輝度との関係も二次元的に関連する。すなわち、あるブロックの光源51は、そのブロックに二次元的に隣接するブロックの他の光源51の影響を受ける。
【0020】
次に、信号処理部20が行う処理のうち、光源駆動信号BLに関連する処理における光源51の点灯量の制御方法の基本的な考え方について説明する。
図5〜
図9は、光源装置50の輝度分布に基づいた光源51の点灯量の決定処理の流れを模式図に示したグラフである。
図5〜
図9では考え方をより分かりやすく示す目的で、行方向に沿って並ぶ複数の光源51の各々の輝度と光源行全体の光量との関係を以て説明を簡略化しているが、本実施形態の場合、実際には点灯量と輝度との関係は二次元的である。
【0021】
まず、ブロック単位で必要輝度が求められる。必要輝度は、各ブロックに配置された光源により照明される画像表示パネル30の表示出力内容、例えば後述する区分領域単位での表示出力内容に応じて求められる。
図5〜
図9及び後述する
図11では、必要輝度に符号Laを付している。
【0022】
次に、必要輝度に応じてブロック単位で光源51の点灯量が仮設定される。具体的には、例えば光源51のピーク輝度が必要輝度と略等しくなるように光源51の点灯量が仮設定される。
図6〜
図9及び後述する
図11では、[h=0],[h=1],[h=2],[h=3],[h=4],[h=5],[h=6]のブロック単位で仮設定された光源51の点灯量にそれぞれ符号Lb0,Lb1,Lb2,Lb3,Lb4,Lb5,Lb6を付している。
【0023】
次に、仮設定された光源51の点灯量に応じた仮点灯量輝度分布の計算が行われる。具体的には、例えば、仮設定された光源51の点灯量と、事前の測定等によって予め得られている光源51の各々の点灯量と表示領域で得られる光量の関係(明暗)、隣接する複数の光源51同士の影響等、輝度分布の算出における各種の決定要因を示すデータ(例えば、後述する参照データ22f)とを対照し、複数の光源51によって総合的に表示領域に与えられる輝度分布が算出される。
図7〜
図9では、仮設定された光源51の点灯量に応じた仮点灯量輝度分布に符号Lcを付している。
【0024】
次に、必要輝度と仮点灯量輝度分布との差に基づいて、必要輝度を得るための光源51の点灯量の補正(光源点灯量補正)が行われる。具体的には、仮点灯量輝度分布に含まれない必要輝度が生じているブロックの光源51の点灯量を上昇させる点灯量の補正が行われる。
図8及び
図9では、仮点灯量輝度分布に含まれない必要輝度が生じている[h=1]のブロックで点灯量Lb1から上昇するよう補正された光源51の点灯量に符号Ld1を付している。
【0025】
仮点灯量輝度分布に含まれない必要輝度が生じているブロックの光源51の点灯量の補正は、第2上限輝度(LIMIT)までの範囲内で行われる。光源点灯量補正後、仮点灯量輝度分布の計算と同様の仕組みで、補正後の点灯量に応じた輝度分布の算出が行われる。ここで、仮点灯量輝度分布に含まれない必要輝度が生じているブロックの光源51の点灯量を第2上限輝度(LIMIT)まで上昇させてもそのブロックの必要輝度が補正後の輝度分布に含まれない場合、そのブロックに隣接するブロックの光源51の点灯量を上昇させることで必要輝度を確保するための隣接光源点灯量補正が行われる。
図9では、[h=1]のブロックに隣接する[h=2]のブロックで点灯量Lb2から上昇するよう隣接光源点灯量補正が行われた光源51の点灯量に符号Le2を付している。また、
図9では、[h=2]のブロックで点灯量Lb2から点灯量Le2に上昇するよう隣接光源点灯量補正が行われたことで必要輝度が確保された後に算出された輝度分布に符号Lfを付している。
【0026】
次に、光量を周囲から補う場合に点灯量を変更する対象とする光源51の選定方法の考え方について説明する。
図10は、光源51の点灯量の変更対象の選定方法を模式的に説明する図である。例えば
図10に示すように、[h=1],[v=1]のブロックの光源51に対応する表示領域の一部分(区分領域)で、高輝度出力H1が行われる場合について考える。ここで、この一部分を行列方向に2×2に細分化した場合、高輝度出力H1は、[h=2],[v=2]側のブロックに隣接する領域(小区分領域)に位置している。このような場合、[h=0],[v=0]側のブロックの光源51で光量を補うよりも、[h=2],[v=2]側のブロックの光源51で光量を補うほうが高輝度出力H1の位置に近い光源51で光量を補うことができ、より効率的である。また、表示出力内容の変化が生じた場合、高輝度出力H1が他のブロック側に移動するために必要な移動量は、[h=0],[v=0]側のブロックより[h=2],[v=2]側のブロックの方が小さい。このため、例えば移動後の高輝度出力H2で例示するように表示出力内容の変化が生じた場合、進入してきた高輝度出力H1を行うための点灯量が要求されることになる可能性がより高いブロックは、[h=2],[v=2]側のブロックになる。仮に、[h=2],[v=2]側のブロックの光源が点灯していない状態で[h=2],[v=2]側のブロックで高輝度出力H1が行われることになった場合、突然[h=2],[v=2]側のブロックの光源51を高輝度で点灯させることになる。一方、予め[h=2],[v=2]側のブロックの光源51で[h=1],[v=1]の光量を補っていた場合、[h=2],[v=2]側のブロックの光源51の点灯によりもたらされる輝度の変化はより小さくなる。このように、補う必要がある出力が行われている小区分領域の位置に応じて、点灯量を変更する対象とする光源51を選定して光量を周囲から補うようにすることで、輝度の変化の可能性をより小さくすることができ、突然輝度が大きく変化することによる画質の劣化を抑制しやすくなる。
図10では、高輝度出力H1が行われる場合に光量を周囲から補うとき、点灯量の変更対象となる光源51が配置されているブロックとしてより適当と考えられる[h=2],[v=1]のブロック及び[h=1],[v=2]のブロックに相対的に濃いマスキングを施している。また、これらのブロックに次いで点灯量の変更対象となる光源51が配置されているブロックとして適当と考えられる[h=2],[v=2]のブロックに相対的に薄いマスキングを施している。このような光源51の選定は、隣接光源点灯量補正において採用することもできるし、仮設定された点灯量の再設定においても採用することができる。
【0027】
図11は、仮設定の再設定例を示すグラフである。光源51の点灯量の仮設定(
図6参照)後に、仮点灯量輝度分布に含まれない必要輝度が生じているブロックの光源51の点灯量を上昇させる点灯量の補正(
図8参照)を行う前に予め仮設定された点灯量のうち、より高い輝度が求められているブロック(例えば、[h=1])に隣接するブロック(例えば、[h=2])における点灯量を、
図11で例示するように仮設定の段階で上昇させるように再設定することで、点灯量の補正(
図8参照)、隣接光源点灯量補正(
図9参照)において求められる補正の度合いをより小さくしやすくなる。
図11では、再設定された[h=2]の光源51の点灯量に符号Lg2を付している。
【0028】
次に、複数の光源の各々の点灯量を制御するための信号である光源駆動信号BLを出力する信号処理部20についてより詳細に説明する。
図12は、信号処理部20の機能構成例を示す機能ブロック図である。信号処理部20は、ブロック必要輝度算出部21、照明点灯量計算部22、輝度分布計算部23、画素処理部24として機能する。
【0029】
ブロック必要輝度算出部21は、制御データODに基づいて設定される複数の区分領域及び小区分領域の各々について、処理前信号BDに基づいて複数の区分領域及び小区分領域の各々に必要な輝度(必要輝度)を算出する。この必要輝度は、上記の
図5を参照して説明した必要輝度に対応する。
【0030】
図14は、複数の区分領域の各々が必要とする輝度の一例を示す模式図である。
図14では、区分領域を示す矩形の内側に記載されている数値が区分領域の各々の必要輝度(後述)を示している。
図14ならびに後述する
図15及び
図17では、実線で区分された矩形の各々が区分領域を示している。区分領域は、画像表示パネル30が画像の表示出力を行う表示領域の一部分である。表示領域は、複数の区分領域に区分することができる。言い換えれば、全ての区分領域を併せた領域が表示領域である。画像表示パネル30が有する画素48は、いずれかの区分領域に含まれる。
【0031】
複数の区分領域は、少なくとも一方向に沿って配置されている。例えば、複数の区分領域は、直交する二方向に沿って配置されている。本実施形態では、[h=0]〜[h=6]のX方向座標と[v=0]〜[v=3]のY方向座標で識別可能な7×4=28のXY座標で識別可能な区分領域が制御データODに基づいて設定される。すなわち、制御データODが区分領域の設定を示す情報を含む。ブロック必要輝度算出部21は、制御データODに基づいて区分領域を設定する。また、
図3と
図14との対応関係が例示するように、区分領域の各々に個別に光源51が設けられている。このように、複数の光源51の各々は、複数の区分領域のうち1つに割り当てられている。複数の区分領域は、各々が1つ以上の光源により照明される。
【0032】
図15は、小区分領域の各々が必要とする輝度の一例を示す模式図である。
図15では、区分領域を複数の小区分領域に分割する分割線を破線で示している。また、
図15では、小区分領域を示す矩形の内側に記載されている数値が小区分領域の各々の必要輝度(後述)を示している。小区分領域は、区分領域の一部分である。1つの区分領域は、複数の小区分領域に区分することができる。1つの小区分領域は、1つ以上の画素48を含む領域である。
【0033】
本実施形態における複数の区分領域の各々は、直交する二方向の各々に二分する2つの分割線による4つの小区分領域を有する。また、本実施形態における2つの分割線の一方はX方向に沿い、他方はY方向に沿う。具体的には、例えば
図15に示すように、1つの区分領域が有する4つの小区分領域は、XY方向に2×2の配置となっている。
図15では、2つの分割線が区分領域を4等分する例を示しているが、これは一例であってこれに限られるものでない。例えば、1つの区分領域が有するX方向の画素48の数が奇数である場合、X方向に並ぶ複数の小区分領域の各々の画素48の画素数が異なっていてもよい。また、1つの区分領域が有するY方向の画素48の数が奇数である場合、Y方向に並ぶ複数の小区分領域の各々の画素48の画素数が異なっていてもよい。
【0034】
ブロック必要輝度算出部21は、区分領域を複数に分割した小区分領域の各々における画像信号に基づいて小区分領域の各々に必要な輝度を算出する。具体的には、ブロック必要輝度算出部21は、処理前信号BDが示す副画素49の各々の階調値に応じた必要輝度を算出する。一例として、処理前信号BDが副画素49の各色を8ビットの階調値で示す場合について説明する。8ビットの階調値は、0を最小値とし、255を最大値とする数値で表すことができる。本実施形態では、階調値が最大値である場合に副画素49を照明する光源51に求められる輝度が第1上限輝度であるものとする。この場合の必要輝度は、100[%]となる。一方、階調値が最小値である場合に副画素49を照明する光源51に求められる輝度が最低輝度であるものとする。この場合の必要輝度は、0[%]となり、所謂光源51の消灯状態をさす。本実施形態では、必要輝度が100[%]である場合、全点灯時輝度(100%ALL)が必要になる。ブロック必要輝度算出部21は、第2上限輝度(LIMIT)よりも低い全点灯時輝度(100%ALL)の範囲内で必要輝度を算出する。
【0035】
ブロック必要輝度算出部21は、処理前信号BDが示す副画素49の階調値に対応する必要輝度を算出する。例えば、ブロック必要輝度算出部21は、最大値と最小値との中間である階調値(例えば、127)である副画素49の必要輝度を50[%]と算出する。階調値と必要輝度との関係は、ブロック必要輝度算出部21が有する記憶部に記憶されている所定のデータ(例えば、テーブル形式のデータ等)で定められていてもよいし、ブロック必要輝度算出部21に実装された所定のアルゴリズムにより算出されてもよい。ブロック必要輝度算出部21は、全ての副画素49の階調値に対応する必要輝度を算出する。ブロック必要輝度算出部21は、1つの小区分領域に含まれる副画素49のうち、算出された必要輝度が最も大きい副画素49の必要輝度をその小区分領域の必要輝度として導出する。ブロック必要輝度算出部21は、小区分領域の必要輝度の導出を全ての小区分領域に対して個別に行う。
図15では、小区分領域を示す矩形の内側に記載されている数値が小区分領域の各々の必要輝度を示している。
【0036】
ブロック必要輝度算出部21は、各々の区分領域が有する複数の小区分領域の各々に必要な輝度のうち最大の輝度に基づいて、複数の光源51の点灯量を決定するための各々の区分領域の輝度を仮設定する。具体的には、ブロック必要輝度算出部21は、1つの区分領域に含まれる複数の小区分領域のうち、算出された必要輝度が最も大きい小区分領域の必要輝度をその区分領域の必要輝度として設定する。ブロック必要輝度算出部21は、区分領域の必要輝度の設定を全ての区分領域に対して個別に行う。ブロック必要輝度算出部21は、仮設定された全ての区分領域の必要輝度を示す仮設定情報BBを照明点灯量計算部22に出力する。
図14では、区分領域を示す矩形の内側に記載されている数値が区分領域の各々の必要輝度を示している。
【0037】
図13は、照明点灯量計算部22のサブブロック図である。照明点灯量計算部22は、仮設定情報BBが示す必要輝度に基づいて、光源駆動信号BLを出力する。具体的には、照明点灯量計算部22は、例えば、仮点灯量設定部22a、仮点灯量再設定部22b、仮点灯量輝度分布計算部22c、点灯量補正部22d、隣接光源点灯量補正部22e、参照データ22f等を有する。
【0038】
仮点灯量設定部22aは、必要輝度に応じた光源51の点灯量を仮設定する(光源点灯量仮設定)。仮点灯量設定部22aにより仮設定される点灯量は、上記の
図6を参照して説明した仮設定による点灯量に対応する。具体的には、仮点灯量設定部22aは、例えば複数の区分領域の各々と対応する位置に配置された複数の光源51の各々のピーク輝度が複数の区分領域の各々の必要輝度と略等しくなるように複数の光源51の各々の点灯量を仮設定する。
【0039】
仮点灯量再設定部22bは、小区分領域に必要な輝度から再設定用輝度を算出する。具体的には、仮点灯量再設定部22bは、例えば小区分領域の必要輝度に対して予め定められた再設定用輝度算出用の係数(例えば、k1及びk2)を乗じて再設定用輝度を算出する。仮点灯量再設定部22bにより再設定される輝度に対応する点灯量は、上記の
図11を参照して説明した再設定による点灯量に対応する。
【0040】
図16は、1つの区分領域に含まれる小区分領域の各々が必要とする輝度に基づいた他の区分領域の必要輝度の算出例を示す模式図である。
図16及び後述する
図18、
図24は、
図14及び
図15においてマスキングが施された9つの区分領域のうち、中央に位置する[h=3],[v=1]の区分領域が有する4つの小区分領域の各々の必要輝度から再設定用輝度を算出する場合を例示している。本実施形態では、小区分領域に対してX方向又はY方向に隣接する区分領域の再設定用輝度を算出するための第1係数(k1)と小区分領域に対してX方向及びY方向と異なる方向である斜め方向に隣接する区分領域の再設定用輝度を算出するための第2係数(k2)とが個別に定められている。第1係数(k1)は、例えば0.4〜0.6の範囲内で定められた一意の数値(例:0.5)である。第2係数(k2)は、例えば0〜0.25の範囲内で定められた一意の数値(例:0)である。これらの係数の数値範囲及び一意の数値はあくまで一例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。
【0041】
中央に位置する[h=3],[v=1]の区分領域が有する4つの小区分領域のうち1つの小区分領域の必要輝度は、100[%]である。よって、100[%]の必要輝度に対して第1係数(k1)を乗じて算出される再設定用輝度は、例えばk1=0,5である場合、50[%]である。また、100[%]の必要輝度に対して第2係数(k2)を乗じて算出される再設定用輝度は、例えばk2=0である場合、0[%]である。この1つの小区分領域は、[h=3],[v=0]の区分領域とY方向に隣接している。また、この1つの小区分領域は、[h=2],[v=1]の区分領域とX方向に隣接している。よって、これらの区分領域の再設定用輝度として、第1係数(k1)を乗じて算出された再設定用輝度(50[%])が算出される。また、この1つの小区分領域は、[h=2],[v=0]の区分領域と斜め方向に隣接している。よって、この区分領域の再設定用輝度として、第2係数(k2)を乗じて算出された再設定用輝度(0[%])が算出される。
【0042】
中央に位置する[h=3],[v=1]の区分領域が有する4つの小区分領域のうち他の3つの小区分領域の必要輝度は、50[%]である。よって、50[%]の小区分領域の必要輝度に対して第1係数(k1)を乗じて算出される再設定用輝度は、例えばk1=0,5である場合、25[%]である。また、50[%]の必要輝度に対して第2係数(k2)を乗じて算出される再設定用輝度は、例えばk2=0である場合、0[%]である。他の3つの小区分領域は、[h=3],[v=0]の区分領域及び[h=3],[v=2]の区分領域とY方向に隣接している。また、他の3つの小区分領域は、[h=2],[v=1]の区分領域及び[h=4],[v=1]の区分領域とX方向に隣接している。よって、これらの区分領域の再設定用輝度として、第1係数(k1)を乗じて算出された再設定用輝度(25[%])が算出される。また、この1つの小区分領域は、[h=2],[v=0]の区分領域、[h=4],[v=0]の区分領域、[h=2],[v=2]の区分領域及び[h=4],[v=2]の区分領域と斜め方向に隣接している。よって、これらの区分領域の再設定用輝度として、第2係数(k2)を乗じて算出された再設定用輝度(0[%])が算出される。
【0043】
なお、再設定用輝度算出用の係数は、照明点灯量計算部22が有する記憶部に記憶されている参照データ22fによって定められていてもよいし、仮点灯量再設定部22bに実装されたアルゴリズムに含まれていてもよい。また、本実施形態における第1係数と第2係数は個別でなくともよく、統合された1つの係数であってもよい。また、第2係数を用いた再設定用輝度の算出は省略されてもよい。
【0044】
以上、1つの区分領域に含まれる複数の小区分領域の必要輝度から再設定用輝度を算出する場合の処理の流れについて例示したが、仮点灯量再設定部22bは、全ての区分領域に対して同様の処理を順次又は平行して実施する。なお、仮点灯量再設定部22bが全ての区分領域に含まれる全ての小区分領域の必要輝度からの再設定用輝度の算出を完了しても、仮点灯量設定部22aが仮設定した複数の区分領域の点灯量は別途保持されている。
【0045】
仮点灯量再設定部22bは、1つの区分領域に対して複数の再設定用輝度を算出する。言い換えれば、隣接する区分領域を共有する複数の小区分領域の各々の必要輝度から算出された複数の再設定用輝度は、当該区分領域に対して算出された複数の再設定用輝度になる。例えば、
図16及び
図18では、[h=3],[v=0]の区分領域、[h=3],[v=2]の区分領域、[h=2],[v=1]の区分領域及び[h=4],[v=1]の区分領域に対して2つの再設定用輝度が算出されている。また、仮点灯量再設定部22bは、複数の区分領域の各々に含まれる複数の小区分領域の必要輝度から再設定用輝度を算出する。このため、1つの区分領域に対して算出される再設定用輝度の数は、1つの区分領域に含まれる複数の小区分領域から算出された再設定用輝度の数よりも増えることがありうる。仮点灯量再設定部22bは、1つの区分領域に対して複数の再設定用輝度が算出された場合、そのうち最も大きい再設定用輝度を当該1つの区分領域に対する再設定用輝度として導出する。
【0046】
図17は、再設定後の複数の区分領域の輝度の一例を示す模式図である。仮点灯量再設定部22bは、小区分領域に必要な輝度に所定の係数を乗じて算出された再設定用輝度が当該小区分領域に隣接する区分領域の輝度よりも大きい場合に当該再設定用輝度を当該区分領域の輝度として再設定する。例えば、[h=3],[v=0]の区分領域に設定されていた輝度は、30[%]である。一方、[h=3],[v=0]に対する再設定用輝度として、[h=3],[v=1]の区分領域に含まれる1つの小区分領域(
図16における左上)の必要輝度(100[%])から算出された再設定用輝度(50[%])がある。この場合、小区分領域の必要輝度から算出された再設定用輝度(50[%])は、[h=3],[v=0]の区分領域の輝度(30[%])よりも大きい。したがって、当該再設定用輝度(50[%])が[h=3],[v=0]の区分領域の輝度として再設定される。同様の考え方で、仮点灯量再設定部22bは、複数の区分領域の各々に設定されている輝度(
図14参照)よりも大きい再設定用輝度が算出されている区分領域の輝度を再設定用輝度で再設定する(
図17参照)。
図14及び
図17を参照した例では、[h=3],[v=0]の区分領域の輝度が、30[%]から50[%]に再設定されている。また、[h=1],[v=2]の区分領域の輝度が、0[%]から40[%]に再設定されている。また、[h=3],[v=2]の区分領域の輝度が、0[%]から25[%]に再設定されている。また、[h=5],[v=1]の区分領域の輝度及び[h=4],[v=2]の区分領域の輝度が、0[%]から20[%]に再設定されている。このように、仮点灯量再設定部22bは、小区分領域に必要な輝度に基づいて、当該小区分領域に隣接する区分領域の輝度を再設定する(隣接光源点灯量再設定)。なお、輝度が再設定されなかった区分領域は、仮点灯量設定部22aによって仮設定された点灯量に応じた区分領域の輝度、すなわち、ブロック必要輝度算出部21によって算出された必要輝度が保持される。
【0047】
仮点灯量輝度分布計算部22cは、仮点灯量再設定部22bによる再設定後の輝度が反映された点灯量に応じた仮点灯量輝度分布の計算を行う。仮点灯量輝度分布計算部22cにより算出される仮点灯量輝度分布は、上記の
図7を参照して説明した仮点灯量輝度分布に対応する。具体的には、仮点灯量輝度分布計算部22cは、例えば、再設定後の輝度に対応した複数の光源51の各々の点灯量を求め、この点灯量と、事前の測定等によって予め得られている光源51の各々の点灯量と表示領域で得られる光量の関係(明暗)、隣接する複数の光源51同士の影響等、輝度分布の算出における各種の決定要因を示す参照データ22fとを対照し、複数の光源51によって総合的に表示領域に与えられる輝度分布を仮点灯量輝度分布として算出する。
【0048】
なお、仮点灯量輝度分布の時点で必要輝度が得られていない区分領域がない場合、照明点灯量計算部22は、仮点灯量再設定部22bによる再設定後の輝度に対応する点灯量で複数の光源51を点灯させるための光源駆動信号BLを出力する。
【0049】
点灯量補正部22dは、必要輝度と仮点灯量輝度分布との差に基づいて、必要輝度を得るための光源51の点灯量の補正(光源点灯量補正)を行う。点灯量補正部22dによる光源点灯量補正は、上記の
図8を参照して説明した光源点灯量補正に対応する。本実施形態の点灯量補正部22dは、第2上限輝度(例えば、LIMIT)以下の範囲内で複数の光源の点灯量を補正する。また、本実施形態の点灯量補正部22dは、仮点灯量輝度分布において必要輝度が得られていない区分領域が有する複数の小区分領域の各々に必要な輝度のうち少なくとも最大の輝度に基づいて、当該区分領域を照明する光源の点灯量を補正する。
【0050】
具体的には、点灯量補正部22dは、仮点灯量輝度分布において必要輝度が得られていない区分領域に代表点を設定する。代表点とは、例えば、1つの区分領域に含まれる複数の小区分領域のうち、必要輝度が最高の輝度であった小区分領域における1つの画素48の階調値に対応する輝度である。代表点として階調値が採用される画素48は、この小区分領域で最高の階調値を示す画素48であってもよいし、サンプリングにより抽出された画素48であってもよい。点灯量補正部22dは、設定された代表点を表示出力するために必要な輝度を算出する。この輝度の算出は、ブロック必要輝度算出部21による必要輝度の算出と同様の考え方に基づいた算出である。また、点灯量補正部22dは、仮点灯量輝度分布が示す複数の区分領域の各々の輝度のうち、代表点が設定された区分領域における輝度(現状輝度)を取得する。点灯量補正部22dは、代表点を表示出力するために必要な輝度と現状輝度との差分を算出する。点灯量補正部22dは、この差分を、この区分領域に対応する光源51の点灯量を、第2上限輝度(LIMIT)を上限として補正した場合に補えるか否か判定する。具体的には、点灯量補正部22dは、例えばこの区分領域に対応する光源51の点灯量を第2上限輝度(LIMIT)以下の点灯量に補正した場合の輝度分布を、仮点灯量輝度分布計算部22cによる仮点灯量輝度分布と同様の方法で算出し、算出された輝度分布によってこの区分領域の必要輝度が得られるか否か判定する。得られると判定された場合、点灯量補正部22dは、この区分領域の必要輝度が得られる最低の点灯量でこの区分領域に対応する光源51の点灯量を補正する。得られないと判定された場合、点灯量補正部22dは、この区分領域に対応する光源51の点灯量を第2上限輝度(LIMIT)とするとともに、この区分領域に対応する光源51の点灯量を第2上限輝度(LIMIT)としてもなお不足する輝度分と、不足する輝度分が生じた区分領域の配置を示す情報と、この区分領域において最大の輝度を示す小区分領域の配置とを示す情報(参照情報)を隣接光源点灯量補正部22eに出力する。
【0051】
なお、光源点灯量補正によって必要輝度が得られない区分領域がなくなった場合、照明点灯量計算部22は、点灯量補正部22dによる補正後の輝度に対応する点灯量で複数の光源51を点灯させるための光源駆動信号BLを出力する。
【0052】
隣接光源点灯量補正部22eは、参照情報が点灯量補正部22dから入力された場合に隣接光源点灯量補正を行う。隣接光源点灯量補正部22eによる隣接光源点灯量補正は、上記の
図9を参照して説明した隣接光源点灯量補正に対応する。具体的には、隣接光源点灯量補正部22eは、参照情報に含まれる情報のうち、不足する輝度分が生じた区分領域の配置を示す情報と、この区分領域において最大の輝度を示す小区分領域の配置を示す情報とに基づいて、不足する輝度分を補うために点灯量を上昇させる光源51を決定する。
【0053】
隣接光源点灯量補正部22eは、点灯量補正部22dによる光源点灯量補正を経てなお不足する輝度分があった区分領域において最大の輝度を示す小区分領域と隣接する区分領域に対応する光源51の点灯量を上昇させるよう、この小区分領域と隣接する区分領域に設定されている輝度を上昇させる。また、隣接光源点灯量補正部22eは、この小区分領域と隣接する区分領域が複数ある場合、予め定められている優先順位に従って輝度を上昇させる区分領域を決定する。優先順位を示す情報は、例えば参照データ22fに含まれている。
【0054】
図18は、不足する輝度分が生じた区分領域と、この区分領域において最大の輝度を示す小区分領域と、不足する輝度分を補うために点灯量を上昇させる隣接光源点灯量補正の対象となる光源の配置に対応する区分領域との対応関係及び光源点灯量補正の実施順序の一例を示す図である。
図18及び後述する
図24では、隣接光源点灯量補正の対象となる光源に対応する区分領域の優先順序を、括弧付き数字((1),(2),(3))で示している。
【0055】
本実施形態では、隣接光源点灯量補正部22eは、光源点灯量補正を経てなお不足する輝度分があった区分領域において最大の輝度を示す小区分領域と隣接する区分領域のうち、X方向に隣接する区分領域(1)に対応する光源51を最も優先して隣接光源点灯量補正の対象とする。隣接光源点灯量補正部22eは、第2上限輝度(LIMIT)を上限としてこの区分領域(1)に対応する光源51の点灯量を補正した場合に点灯量補正部22dによる光源点灯量補正を経てなお不足する輝度分を補えるか否か判定する。具体的には、隣接光源点灯量補正部22eは、例えばこの区分領域(1)に対応する光源51の点灯量を第2上限輝度(LIMIT)以下の点灯量に補正した場合の輝度分布を、仮点灯量輝度分布計算部22cによる仮点灯量輝度分布と同様の方法で算出し、算出された輝度分布によって不足する輝度分が生じた区分領域の必要輝度が得られるか否か判定する。得られると判定された場合、隣接光源点灯量補正部22eは、不足する輝度分が生じた区分領域の必要輝度が得られる最低の点灯量でこの区分領域(1)に対応する光源51の点灯量を補正する。得られないと判定された場合、隣接光源点灯量補正部22eは、この区分領域(1)に対応する光源51の点灯量を第2上限輝度(LIMIT)とするとともに、光源点灯量補正を経てなお不足する輝度分があった区分領域において最大の輝度を示す小区分領域と隣接する区分領域のうち、Y方向に隣接する区分領域(2)に対応する光源51を次いで優先される隣接光源点灯量補正の対象とする。隣接光源点灯量補正部22eは、第2上限輝度(LIMIT)を上限としてこの区分領域(2)に対応する光源51の点灯量を補正した場合に点灯量補正部22dによる光源点灯量補正を経てなお不足する輝度分を補えるか否か判定し、補えると判定された場合には上記の区分領域(1)と同様の処理を行う。補えないと判定された場合、隣接光源点灯量補正部22eは、この区分領域(1)に対応する光源51の点灯量を第2上限輝度(LIMIT)とするとともに、光源点灯量補正を経てなお不足する輝度分があった区分領域において最大の輝度を示す小区分領域と隣接する区分領域のうち、斜め方向に隣接する区分領域(3)に対応する光源51を次いで優先される隣接光源点灯量補正の対象とする。以降、隣接光源点灯量補正部22eは、区分領域(1),(2)の場合と同様の処理を区分領域(3)についても行う。
【0056】
図18及び後述する
図24では、隣接光源点灯量補正の対象の優先順位を(1)〜(3)まで例示しているが、(4)以降が予め設定されていてもよい。この場合、区分領域(3)に対する隣接光源点灯量補正を経てなお不足する輝度分を補えない場合、(4)以降の区分領域についても上記の(1)〜(3)と同様の処理を行うようにしてもよい。
【0057】
図19は、隣接光源点灯量補正後の複数の区分領域の輝度の一例を示す模式図である。
図19に示す例では、点灯量補正部22dによる光源点灯量補正で[h=3],[v=1]の区分領域の輝度が100[%]から第2上限輝度(LIMIT)に対応する125[%]に上昇している。また、
図7を参照した説明において、[h=3],[v=1]の区分領域に含まれる小区分領域のうち必要な輝度が最高の輝度である区分領域([h=2],[v=0]に隣接する左上側の小区分領域)と隣接する区分領域のうち、X方向に隣接する区分領域(1)である[h=2],[v=1]の区分領域に対して隣接光源点灯量補正部22eによる隣接光源点灯量補正が行われている。
図19では、この隣接光源点灯量補正によって[h=2],[v=1]の区分領域の輝度が、再設定後の50[%]から60[%]に上昇している。なお、隣接光源点灯量補正が行われた区分領域の輝度はあくまで一例であってこれに限られるものでなく、例えば再設定後の輝度が125/2=62.5[%]であってもよい。
【0058】
隣接光源点灯量補正部22eによる隣接光源点灯量補正が行われた場合、照明点灯量計算部22は、隣接光源点灯量補正部22eによる補正後の輝度に対応する点灯量で複数の光源51を点灯させるための光源駆動信号BLを出力する。このように、照明点灯量計算部22としての機能を有する信号処理部20は、画像信号に基づいて光源駆動信号BLを出力する制御部として機能する。
【0059】
なお、点灯量補正部22dは、必要輝度が最高の輝度であった小区分領域に限らず全ての小区分領域で代表点を設定し、1つの区分領域の全ての小区分領域について上記と同様の光源点灯量補正を行ってもよい。この場合、隣接光源点灯量補正部22eは、1つの区分領域の全ての小区分領域で行われた点灯量補正部22dによる補正が行われた結果、不足している輝度を補う。
【0060】
図18では、必要輝度が最高の輝度であった小区分領域に限らず全ての小区分領域で代表点を設定し、1つの区分領域の全ての小区分領域で上記と同様の処理を行う場合の光源点灯量補正の実施順序を例示している。本実施形態では、全ての小区分領域で代表点を設定する場合の光源点灯量補正の実施順序が予め定められている。具体的には、点灯量補正部22dは、予め算出順序を管理するための変数(z)を所定の初期値(例えば、0)で定義し、設定された代表点を用いて光源点灯量補正を行う。点灯量補正部22dは、1つの小区分領域の代表点を用いた光源点灯量補正が完了すると、変数(z)に1を加算して変数に設定された数値に対応した小区分領域の代表点を用いた光源点灯量補正を行う。変数(z)の数値加算及び光源点灯量補正の繰り返しは、変数(z)の数値が所定の最終値(例えば、3)になった後の光源点灯量補正が完了した時点で終了する。
図18では、1つの区分領域に含まれる4つの小区分領域のうち、XY座標がより小さい番号の区分領域に隣接する小区分領域(例えば、左上の小区分領域)がz=0に対応する小区分領域である。また、他の3つの小区分領域のうち、Y座標がより小さい番号の区分領域に隣接する小区分領域(例えば、右上の小区分領域)がz=1に対応する小区分領域である。また、残る2つの小区分領域のうち、X座標がより小さい番号の区分領域に隣接する一方の小区分領域(例えば、左下の小区分領域)がz=2に対応する小区分領域であり、他方の小区分領域(例えば、右下の小区分領域)がz=3に対応する小区分領域である。
【0061】
輝度分布計算部23は、光源駆動信号BLが示す複数の光源51の各々の点灯量によりもたらされる光源装置50全体の輝度分布を計算する。具体的には、輝度分布計算部23は、輝度分布計算部23が有する記憶部に予め記憶されている参照データと同様のデータ、輝度分布計算部23に実装済みのアルゴリズム等によって求める。輝度分布計算部23は、照明点灯量計算部22の参照データ22fを参照可能に設けられていてもよい。参照データ22fは、信号処理部20が有する機能全般から参照可能に設けられていてもよい。輝度分布計算部23は、この輝度分布を示す輝度分布情報BMを画素処理部24に出力する。
【0062】
画素処理部24は、輝度分布情報BMが示す輝度分布で処理前信号BDに基づいた表示出力を行うための画素48の階調値を求める。具体的には、例えば仮点灯量再設定部22bによって輝度が再設定された区分領域では、ブロック必要輝度算出部21によって設定された再設定前の輝度よりも光源装置50からの光が強くなることから、処理後信号ADが示す階調値のまま画素48の透過率を制御すると当該画素48が必要以上に明るくなってしまうことがある。そこで、画素処理部24は、輝度が再設定された区分領域に含まれる画素48を構成する副画素49の各々の階調値を補正する。一例を挙げると、[h=3],[v=0]の区分領域の輝度(30[%])は、再設定用輝度(50[%])で再設定されている。画素処理部24は、[h=3],[v=0]の区分領域に含まれる画素48を構成する副画素49の各々の階調値を、再設定前後の輝度の比率に応じて補正する。例えば、[h=3],[v=0]の区分領域に含まれる画素48の階調値が(R,G,B)=(50,100,150)であることを示す情報が処理後信号ADに含まれていたとする。この場合、画素処理部24は、(R,G,B)=(50,100,150)の階調値に、再設定前の輝度(30[%])に対する再設定後の輝度(50[%])の倍率(5/3)の逆数(3/5)を乗じて補正する。したがって、この場合、画素処理部24は、(R,G,B)=(50,100,150)の階調値を、(R,G,B)=(30,60,90)と補正する。
【0063】
また、処理前信号BDは所謂RGB信号であり、処理後信号ADは所謂RGBW信号であるので、画素処理部24は、RGB信号をRGBW信号に置換する処理を併せて行う。具体的には、補正後の(R,G,B)=(30,60,90)の階調値に対応した出力は、(R,G,B)=(30,30,30)の成分に対応した出力を白色成分(W)に割り当てることで、(R,G,B,W)=(0,30,60,30)とすることができる。画素処理部24は、このような白色成分(W)に割り当て可能な出力を画素48が有する第4副画素49Wに割り当てる処理を併せて行う。
【0064】
図20は、実施形態の表示装置で再現可能な再現HSV色空間の概念図である。本実施形態では、画素48が第4副画素49Wを有するので、処理後信号ADを求める際に処理前信号BDの色空間を拡張した色空間を採用することができる。
図20に示したように、第4の色を加えた再現HSV色空間は、第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bが表示することのできる円柱形状のHSV色空間に、彩度Sが高くなるほど明度Vの最大値が低くなる略台形形状となる立体が載っている形状となる。信号処理部20は、第4の色を加えることで拡大された再現HSV色空間における彩度Sを変数とした明度の最大値Vmax(S)が記憶している記憶部を有する。つまり、信号処理部20は、
図20に示した再現HSV色空間の立体形状について、彩度S及び色相Hの座標(値)ごとに明度の最大値Vmax(S)の値を記憶している。
【0065】
なお、画像信号SRGBは、第1原色、第2原色及び第3原色に対応する画像信号値を有する信号であるため、画像信号SRGBのHSV色空間は、円柱形状、すなわち、
図20に示した再現HSV色空間の円柱形状部分と同じ形状となる。したがって、表示用信号SRGBWは、再現HSV色空間に対し、画像信号SRGBを伸張した伸張画像信号として算出することができる。この伸張画像信号は、再現HSV色空間における明度レベルを比較することで決定される伸張係数αによって伸張する。伸張係数αによって画像信号の信号レベルを伸張することで、第4副画素49Wの値を大きくとることができ、画像全体の輝度を向上することができる。このとき、伸張係数αで画像全体の輝度が向上した分、光源装置50の輝度を1/αに下げることで、画像信号SRGBと全く同じ輝度で表示することが可能となる。伸張係数αの算出及び伸張係数αに応じて1/αに下げられた光源装置50の輝度は、例えばブロック必要輝度算出部21が必要輝度として算出する。すなわち、仮設定情報BBが示す輝度は、伸張係数αに応じて1/αに下げられた光源装置50の輝度に対応する区分領域の必要輝度であってもよい。伸張係数αに応じた副画素49の階調値を求める処理は、例えば画素処理部24が行う。
【0066】
次に、画像信号SRGBの伸張について説明する。信号処理部20では、χを表示装置10に依存した定数としたとき、第(p,q)番目の画素(または第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bの組)への第1副画素49Rの表示用信号であるX1
(p,q)、第2副画素49Gの表示用信号であるX2
(p,q)及び第3副画素49Bの表示用信号であるX3
(p,q)は、伸張係数αと定数χを用いて、次のように表現することができる。χについては後述する。
X1
(p,q)=α・x1
(p,q)−χ・X4
(p,q)・・・(1)
X2
(p,q)=α・x2
(p,q)−χ・X4
(p,q)・・・(2)
X3
(p,q)=α・x3
(p,q)−χ・X4
(p,q)・・・(3)
【0067】
また、表示用信号値X4
(p,q)は、Min
(p,q)と伸張係数αとの積に基づき求めることができる。Min
(p,q)は、画像信号値x1
(p,q)、x2
(p,q)、x3
(p,q)のうちの最小値である。具体的には、下記の式(4)に基づいて、表示用信号値X4
(p,q)を求めることができる。なお、式(4)では、Min
(p,q)と伸張係数αとの積をχで除しているが、これに限定するものではない。また、伸張係数αは、1画像表示フレームごとに決定される。
X4
(p,q)=Min
(p,q)・α/χ ・・・(4)
【0068】
一般に、第(p,q)番目の画素において、第1原色の画像信号値x1
(p,q)、第2原色の画像信号値x2
(p,q)及び第3原色の画像信号値x3
(p,q)を含む画像信号SRGBに基づき、円柱のHSV色空間における彩度S
(p,q)及び明度V(S)
(p,q)は、次の式(5),(6)から求めることができる。
S
(p,q)=(Max
(p,q)−Min
(p,q))/Max
(p,q)・・・(5)
V(S)
(p,q)=Max
(p,q)・・・(6)
【0069】
なお、Max
(p,q)は、画像信号SRGBの画像信号値x1
(p,q)、x2
(p,q)、x3
(p,q)のうちの最大値である。Min
(p,q)は、3つの副画素の入力値のうちの最小値である。また、彩度Sは0から1までの値をとることができ、明度V(S)は0から(2
n−1)までの値をとることができる。nは、表示階調ビット数である。
【0070】
第4の色を表示する第4副画素49Wは、同じ点灯量で照射された場合、第1原色を表示する第1副画素49R、第2原色を表示する第2副画素49G及び第3原色を表示する第3副画素49Bよりも明るい。第1副画素49Rに第1副画素49Rの表示用信号の最大信号値に相当する値を有する信号が入力され、第2副画素49Gに第2副画素49Gの表示用信号の最大信号値に相当する値を有する信号が入力され、第3副画素49Bに第3副画素49Bの表示用信号の最大信号値に相当する値を有する信号が入力されたときの画素48または画素48の群が備える第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bの集合体の輝度をBN
1-3とする。また、画素48または画素48の群が備える第4副画素49Wの表示用信号の最大信号値に相当する値を有する信号が入力されたときの第4副画素49Wの輝度をBN
4としたときを想定する。すなわち、第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bの集合体によって最大輝度の白色が表示され、この白色の輝度がBN
1-3で表される。すると、表示装置10に依存した定数χは、χ=BN
4/BN
1-3で表される。
【0071】
ところで、表示用信号値X4
(p,q)が、上記の式(4)で与えられる場合、再現HSV色空間における彩度Sを変数とした明度の最大値Vmax(S)は、次の式(7),(8)で表すことができる。式(7)は、S≦S
0の場合を示す。式(8)は、S
0<S≦1の場合を示す。式(8)では、S
0=1/(χ+1)である。
Vmax(S)=(χ+1)・(2
n−1)・・・(7)
Vmax(S)=(2
n−1)・(1/S)・・・(8)
【0072】
このようにして得られた第4の色を加えることによって再現HSV色空間における彩度Sを変数とした明度の最大値Vmax(S)が、例えば、信号処理部20に一種のルックアップテーブルとして記憶されている。あるいは、再現HSV色空間における彩度Sを変数とした明度の最大値Vmax(S)は、都度、信号処理部20において求められる。伸張係数αは、HSV色空間における明度V(S)を再現HSV色空間に伸張する係数であり、次の式(9)で表すことができる。
α(S)=Vmax(S)/V(S)・・・(9)
【0073】
伸張演算では、例えば、複数の画素48において求められたα(S)に基づき、伸張係数αを決定する。なお、伸張演算は、(第1副画素49R+第4副画素49W)によって表示される第1原色の輝度、(第2副画素49G+第4副画素49W)によって表示される第2原色の輝度、(第3副画素49B+第4副画素49W)によって表示される第3原色の輝度の比を保つように行われる。しかも、色調を保持(維持)するように行われる。さらには、階調−輝度特性(ガンマ(γ)特性)を保持(維持)するように行われる。また、いずれかの画素48または画素48の群において、画像信号値のすべてが0である場合、または小さい場合には、このような画素48または画素48の群を含めることなく伸張係数αを算出するとしてもよい。
【0074】
信号処理部20は、例えば伸張係数αを画素ごとに算出し、任意の領域の画素について算出した伸張係数αのうちの少なくとも1つに基づき、任意の領域の伸張係数αを決定するようにしてもよいし、サンプリングされた画素の伸張係数αのうちの少なくとも1つに基づき、任意の領域の伸張係数αを決定するようにしてもよい。任意の領域は、1画素であっても表示面全体であってもよく、例えば区分領域を任意の領域としてもよい。そして、式(1),(2),(3),(4)を用いて画像信号SRGBを表示用信号SRGBWに変換する。
【0075】
このように、伸張係数αを用いて光源装置50の分割駆動制御と、画像表示パネル30への画像表示制御と、を行うことにより、光源装置50の輝度を、表示装置10の再現HSV色空間において色再現が可能な最も低い値とすることができる。これによって、表示装置10の電力消費を削減することが可能となる。
【0076】
図21は、光源駆動信号BLを求める処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、仮点灯量設定部22aは、区分領域を複数に分割した小区分領域の各々における画像信号に基づいて小区分領域の各々の必要輝度を算出し、各々の区分領域が有する複数の小区分領域の各々の必要輝度のうち最大の輝度に基づいて、複数の光源の点灯量を決定するための各々の区分領域の輝度を仮設定する。仮点灯量設定部22aは、光源点灯量仮設定として、このような区分領域の輝度の仮設定を行う(ステップS1)。次に、仮点灯量再設定部22bは、小区分領域に必要な輝度に所定の係数を乗じて算出された再設定用輝度が当該小区分領域に隣接する区分領域の輝度よりも大きい場合に当該再設定用輝度を当該区分領域の輝度として再設定する。仮点灯量再設定部22bは、隣接光源点灯量再設定として、このような区分領域の輝度の再設定を行う(ステップS2)。次に、仮点灯量輝度分布計算部22cは、仮点灯量再設定部22bによる再設定後の輝度が反映された点灯量に応じた仮点灯量輝度分布を算出する(ステップS3)。
【0077】
その後、必要に応じて、点灯量補正部22dは、必要輝度と仮点灯量輝度分布との差に基づいて、必要輝度を得るための光源51の点灯量の補正(光源点灯量補正)を行う(ステップS4)。また、隣接光源点灯量補正部22eは、点灯量補正部22dから入力された参照情報に応じて隣接光源点灯量補正を行う(ステップS5)。
【0078】
図22は、
図21に示す光源点灯量補正の算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図22は、必要輝度が最高の輝度であった小区分領域に限らず全ての小区分領域で代表点を設定し、1つの区分領域の全ての小区分領域について上記と同様の光源点灯量補正を行った場合にこの1つの区分領域において行われる光源の点灯量補正の実施ルーチン例を示している。点灯量補正部22dは、区分領域のY座標を管理するための変数(yv)を所定の初期値(例えば、yv=0)にする(ステップS11)。点灯量補正部22dは、区分領域のX座標を管理するための変数(xh)を所定の初期値(例えば、xh=0)にする(ステップS12)。点灯量補正部22dは、小区分領域の必要輝度からの光源点灯量補正の実施順序を管理するための変数(z)を所定の初期値(例えば、z=0)にする(ステップS13)。変数(yv)、変数(xh)及び変数(z)は、点灯量補正部22dが光源点灯量補正の算出処理で用いるカウンタの値を設定するためのものであり、点灯量補正部22dに予め実装されている論理回路によるカウンタで管理するものであってもよいし、所謂ソフトウェア・プログラムによる処理で管理するものであってもよい。点灯量補正部22dは、XY座標の変数[h=(xh)],[v=(yv)]に対応する区分領域に含まれる複数の小区分領域のうち、変数(z)に対応する小区分領域で代表点を設定し、この代表点を用いた光源51の点灯量の補正を行う(ステップS14)。
【0079】
ステップS14の完了後、点灯量補正部22dは、変数(z)の値が光源点灯量補正の実施順序を管理するための変数の最大値(zmax)であるか否か判定する(ステップS15)。
図18に示す例の場合、zmax=3である。変数(z)の値が最大値(zmax)でない場合(ステップS15;No)、点灯量補正部22dは、変数(z)の値に1を加算し(ステップS16)、ステップS14の処理に移行する。
【0080】
変数(z)の値が最大値(zmax)である場合(ステップS15;Yes)、点灯量補正部22dは、変数(xh)の値が区分領域のX座標を管理するための変数の最大値(hmax)であるか否か判定する(ステップS17)。
図14に示す例の場合、hmax=6である。変数(xh)の値が最大値(hmax)でない場合(ステップS17;No)、点灯量補正部22dは、変数(xh)の値に1を加算し(ステップS18)、ステップS13の処理に移行する。
【0081】
変数(xh)の値が最大値(hmax)である場合(ステップS17;Yes)、点灯量補正部22dは、変数(yv)の値が区分領域のX座標を管理するための変数の最大値(vmax)であるか否か判定する(ステップS19)。
図14に示す例の場合、vmax=3である。変数(yv)の値が最大値(vmax)でない場合(ステップS19;No)、点灯量補正部22dは、変数(yv)の値に1を加算し(ステップS20)、ステップS12の処理に移行する。変数(yv)の値が最大値(vmax)である場合(ステップS19;Yes)、光源点灯量補正、すなわち、ステップS4の処理が完了する。
【0082】
以上、実施形態1によれば、少なくとも、必要な輝度が最大の輝度である小区分領域に隣接する区分領域の輝度を再設定するので、再設定される対象となる区分領域を表示出力内容の変化に応じて変化させることができ、輝度が上昇するよう補正される光源を分散させやすくなる。したがって、光源の負荷をより低下させることができる。また、表示出力内容の変化に伴い、必要な輝度が最大の輝度である小区分領域における高輝度出力がこの小区分領域に隣接する区分領域側に遷移した場合に区分領域単位での輝度の変化の度合いをより小さくすることができ、突然輝度が大きく変化することによる画質の劣化を抑制しやすくなる。したがって、より良好な画質で表示出力を行うことができる。
【0083】
また、再設定後の区分領域の輝度及び当該区分領域が有する複数の小区分領域の各々に必要な輝度のうち少なくとも最大の輝度に基づいて、所定の第2上限輝度以下の範囲内で当該区分領域を照明する光源の点灯量を補正する。これによって、表示出力に必要な光量をより確実に得ることができる。
【0084】
また、小区分領域に必要な輝度に所定の係数を乗じて算出された再設定用輝度が当該小区分領域に隣接する区分領域の輝度よりも大きい場合に当該再設定用輝度を当該区分領域の輝度として再設定する。これによって、小区分領域の輝度と、この小区分領域に隣接する区分領域の輝度との差をより小さくしやすくなる。よって、小区分領域における高輝度出力がこの小区分領域に隣接する区分領域側に遷移した場合に区分領域単位での輝度の変化の度合いをより小さくすることができ、突然輝度が大きく変化することによる画質の劣化を抑制しやすくなる。したがって、より良好な画質で表示出力を行うことができる。
【0085】
また、複数の区分領域は、少なくとも一方向(例えば、X方向及びY方向の二方向)に沿って配置されている。また、区分領域を小区分領域に分割する2つの分割線は、少なくともこの一方向(例えば、X方向及びY方向の二方向)に沿う。これによって、区分領域の並列方向と小区分領域の並列方向とを対応させることができ、輝度の再設定に関する規則性の確保をより容易にすることができる。また、光源装置50は、少なくとも一方向(例えば、X方向及びY方向の二方向)に沿って複数の光源が配置されている。これによって、区分領域の輝度と光源51の点灯量とをより対応させやすくなり、輝度の再設定に応じた光源51の制御の仕組みをより簡易にすることができる。
【0086】
(実施形態2)
次に、実施形態1と異なる本発明の実施形態2について説明する。実施形態2の説明において、実施形態1と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略することがある。また、実施形態2の説明において特筆されない構成については実施形態1と同様の構成を採用することができる。
【0087】
図23は、実施形態2に係る表示装置の構成の一例を示すブロック図である。実施形態2の表示装置は、実施形態1の表示装置の構成に加えて、さらに、切替部25を備える。切替部25は、点灯量補正部22dによる光源点灯量補正の実施順序を切り替えるための回路である。具体的には、切替部25は、例えば、計算順序記憶部26、タイマー27、ROM28等を有する。
【0088】
計算順序記憶部26は、点灯量補正部22dに採用させる光源点灯量補正の実施順序を記憶する。具体的には、実施形態2では、光源点灯量補正の実施順序が複数パターン(例えば、2パターン)設けられている。複数パターンの実施順序は、ROM28が保持している。計算順序記憶部26は、複数パターンの実施順序のうち現時点で点灯量補正部22dに採用させる光源点灯量補正の実施順序のパターンをROM28から読み出して記憶している。
【0089】
図24は、不足する輝度分が生じた区分領域と、この区分領域において最大の輝度を示す小区分領域と、不足する輝度分を補うために点灯量を上昇させる隣接光源点灯量補正の対象となる光源51の配置に対応する区分領域との対応関係及び光源点灯量補正の実施順序の他の一例を示す図である。実施形態2では、
図18を参照して説明した光源点灯量補正の実施順序を1パターンとしてROM28が記憶している。また、実施形態2では、
図24が示す光源点灯量補正の実施順序を他の1パターンとしてROM28が記憶している。
図24では、1つの区分領域に含まれる4つの小区分領域のうち、XY座標がより大きい番号の区分領域に隣接する小区分領域(例えば、右下の小区分領域)がz=0に対応する小区分領域である。また、他の3つの小区分領域のうち、Y座標がより大きい番号の区分領域に隣接する小区分領域(例えば、左下の小区分領域)がz=1に対応する小区分領域である。また、残る2つの小区分領域のうち、X座標がより大きい番号の区分領域に隣接する一方の小区分領域(例えば、右上の小区分領域)がz=2に対応する小区分領域であり、他方の小区分領域(例えば、左上の小区分領域)がz=3に対応する小区分領域である。
【0090】
なお、パターンの切り替えに伴い、光源点灯量補正の実施順序に加えて、隣接光源点灯量補正の対象の優先順位を切り替えるようにしてもよい。具体的には、例えば
図24に示すように、他の1パターンが採用されている場合には、光源点灯量補正を経てなお不足する輝度分があった区分領域において最大の輝度を示す小区分領域と隣接する区分領域のうち、Y方向に隣接する区分領域(1)に対応する光源51を最も優先して隣接光源点灯量補正の対象とするようにしてもよい。また、この最大の輝度を示す小区分領域と隣接する区分領域のうち、X方向に隣接する区分領域(2)に対応する光源51を次いで優先して隣接光源点灯量補正の対象とするようにしてもよい。
【0091】
タイマー27は、光源点灯量補正の実施順序を他のパターンに切り替えるタイミングを決定するための計時を行う。具体的には、タイマー27は、所定の時間が経過するたびに光源点灯量補正の実施順序を他のパターンに切り替えるタイミングを示す切替タイミング信号TDを計算順序記憶部26に出力する。
【0092】
実施形態2の制御装置11は、切替部25に対して所定周期でクロック信号CSを出力する。計算順序記憶部26は、クロック信号CSの入力タイミングに応じて切替タイミング信号TDが入力されたかチェックする。切替タイミング信号TDが入力された場合、計算順序記憶部26は、記憶している光源点灯量補正の実施順序のパターンとは異なるパターンの光源点灯量補正の実施順序のパターンを採用パターンRDとして読み出す。計算順序記憶部26は、採用パターンRDを点灯量補正部22dに採用させる指令信号PLを照明点灯量計算部22に出力する。
【0093】
なお、光源点灯量補正の実施順序が3パターン以上ある場合、計算順序記憶部26は、3パターン以上の実施順序の採用順序を示すデータを保持しており、このデータに応じた採用順序で光源点灯量補正の実施順序を選定してROM28から読み出して指令信号PLを出力する。
【0094】
なお、
図23では切替部25が独立した構成として設けられているが、切替部25の機能は、他の構成が有する機能であってもよい。例えば、信号処理部20が切替部25と同様の機能を有していてもよい。
【0095】
パターンの切り替えによる光源点灯量補正の実施順序の変更対象は、代表点を用いた小区分領域単位での光源点灯量補正の実施順序(
図22のフローチャートにおけるzに関する事項)に限られるものでない。例えば、
図22のフローチャートを参照して説明したxh,yvの初期値及びxh,yvの値の操作内容をパターンの切り替わりに応じて変更させてもよい。具体的には、他のパターンが採用されている場合にxh,yvの初期値を最大値(hmax,vmax)とし、xh,yvが最低値(0)となるまでxh,yvから1を減算するようにしてもよい。これによって、1パターンと他の1パターンにおける小区分領域の処理対象遷移順序と同様に、光源点灯量補正が行われる区分領域の処理対象遷移順序をパターンに応じて変化(例えば、逆転)させることができる。これによって、輝度が上昇するよう補正される光源を分散させやすくなる。したがって、光源の負荷をより低下させることができる。また、このようなパターンの切り替わりに応じた区分領域の処理対象遷移順序の変化は、隣接光源点灯量補正の実施順序にも同様に適用可能である。
【0096】
(変形例)
次に、本発明の実施形態1、実施形態2の変形例について説明する。変形例の説明において、実施形態1と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略することがある。また、後述する各変形例は、実施形態1、実施形態2のいずれにも適用可能であり、変形例の説明において特筆されない構成については実施形態1、実施形態2と同様の構成を採用することができる。
【0097】
(変形例1)
図25は、変形例1に係る画像表示パネル30の区分領域及び小区分領域の設定例を示す模式図である。変形例1のように、区分領域は、一方向に沿って配置され、かつ、一方向に直交する他方向に沿って並ぶ複数の区分領域の配置が互い違いであってもよい。具体的には、例えば
図25に示すように、複数の区分領域は、X方向に沿って並んで区分領域の行を形成するとともに、Y方向に互い違いに並んで千鳥状の配置を形成していてもよい。なお、
図25では、1つの区分領域に含まれる複数の小区分領域の構成が実施形態1と同様である。輝度の再設定については、実施形態1及び実施形態2のいずれの構成をとってもよい。
【0098】
図26は、変形例1に係る光源装置50Aの光源51aの配置例を示す図である。変形例1では、例えば
図26に示すように、1つの区分領域に2つの光源が割り当てられていてもよい。
図26では、1つの区分領域に2つの光源51aが割り当てられてX方向に沿って等間隔で並び、かつ、光源装置50Aが有する複数の光源51aが行列方向に整列して配置されている。これによって、区分領域に対する再設定用輝度の再設定を光源51a単位で行うことができる。具体的には、実施形態1で第1係数を用いて算出したX方向、Y方向に隣接する区分領域の再設定用輝度が当該区分領域に再設定された場合、この再設定用輝度の算出を行った小区分領域に対してX方向又はY方向に沿って隣接する光源51aの点灯量に反映させるようにしてもよい。すなわち、区分領域を照明する全ての光源51aでなく、一部の光源51aに再設定用輝度が反映されるようにしてもよい。これによって、小区分領域単位での輝度差を、光源駆動信号BLが示す輝度分布により忠実に反映しやすくなる。
【0099】
変形例1において、
図3を参照して説明した区分領域ごとに1つの光源51が割り当てられている構成を取ってもよい。この場合、光源51はY方向に互い違いに並ぶ。
【0100】
(変形例2)
図27は、変形例2に係る画像表示パネル30の区分領域及び小区分領域の設定例を示す模式図である。
図28は、変形例2に係る光源装置50Bの光源51bの配置例を示す図である。上記の変形例1で他方向(Y方向)の区分領域の配置が互い違いになったことで表示領域の一方向(X方向)の両端が行単位で段差を形成していた部分について、変形例2では当該段差を埋めるように設けられた略半分の区分領域Hを設けている。区分領域Hは、一方向の小区分領域の数が半減した区分領域である。光源装置50Bの光源51bの配置も区分領域Hに対応しており、区分領域Hを照明する略半分のブロックIに配置されている光源51bは、他の区分領域を照明する光源51bに比して一方向に並ぶ数が半減している。輝度の再設定については、実施形態1及び実施形態2のいずれの構成をとってもよい。
【0101】
変形例1及び変形例2において、一方向と他方向の関係は逆でもよい。すなわち、一方向がY方向であり、他方向がX方向であってもよい。
【0102】
(変形例3)
図29は、変形例3に係る画像表示パネル30の区分領域及び小区分領域の設定例を示す模式図である。変形例3では、区分領域を複数の小区分領域に分割する2つの分割線は、光源装置50が並ぶ一方向(例えば、X方向とY方向の少なくともいずれか一方)に沿わない。すなわち、例えば
図29に示すように、2つの分割線は、区分領域の矩形の対角線を形成するように斜め方向に沿って伸びていてもよい。厳密には、2つの分割線は、画素48同士の境界線をなぞるように階段状の線となり、この階段が対角線の方向に沿って伸びている。輝度の再設定については、実施形態1及び実施形態2のいずれの構成をとってもよい。なお、この場合、隣接光源点灯量補正において各小区分領域の辺と対向する区分領域の光源を用いる優先順位がより高くなる。
【0103】
(変形例4)
図30は、変形例4に係る画像表示パネル30の区分領域及び小区分領域の設定例を示す模式図である。1つの区分領域を複数の小区分領域に分割する分割線は、2つに限られるものでない。例えば、
図30に示すように、1つの区分領域を複数の小区分領域に分割する分割線は、1つであってもよい。
図30に示す変形例4は、
図29に示す2つの分割線のうち一方のみが採用されている例を示しているが、他方のみが採用されてもよい。輝度の再設定については、実施形態1及び実施形態2のいずれの構成をとってもよい。なお、この場合、隣接光源点灯量補正において各小区分領域の辺と対向する区分領域の光源を用いる優先順位がより高くなる。
【0104】
(変形例5)
図31は、変形例5に係る光源装置50Cの構成例を示す図である。光源装置50Cの光源は、区分領域の直下に設けられていなくてもよい。具体的には、例えば
図31に示すように、光源装置50Cは、複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fを配列した第1サイドライト光源52A、複数の光源57A、57B、57C、57D、57E及び57Fを配列した第2サイドライト光源52B、を備えていてもよい。第1サイドライト光源52Aと、第2サイドライト光源52Bとは、複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fと、複数の光源57A、57B、57C、57D、57E及び57Fとが、入光方向の中心線LXcに対して線対称となるように配置されている。複数の光源56A、56B、56C、56D、56E、56F、57A、57B、57C、57D、57E及び57Fは、例えば、同色(例えば、白色)のLEDである。輝度の再設定については、実施形態1及び実施形態2のいずれの構成をとってもよい。また、
図31に示す例の隣接光源点灯量補正では、各小区分領域に対してX方向に隣接する区分領域の光源が対象となる。
図31では、複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fと複数の光源57A、57B、57C、57D、57E及び57FがそれぞれX方向に沿っているが、Y方向に沿っていてもよい。複数の光源がY方向に沿う場合、各小区分領域に対してY方向に隣接する区分領域の光源が対象となる。第1サイドライト光源52Aと、第2サイドライト光源52Bとは、例えば、画像表示パネル30の背面側に設けられて複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fと複数の光源57A、57B、57C、57D、57E及び57Fの並び方向に直交する方向に光を誘導するとともに画像表示パネル30側に光を出射させる導光板を介して画像表示パネル30を照明する。第1サイドライト光源52Aと、第2サイドライト光源52Bとは、いずれか一方のみであってもよい。また、第1サイドライト光源52Aと、第2サイドライト光源52Bの各々を構成する光源の数は任意である。
【0105】
図32は、変形例5に係る画像表示パネル30の区分領域及び小区分領域の設定例を示す模式図である。変形例5の場合、複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fと複数の光源57A、57B、57C、57D、57E及び57Fの並び方向であるX方向についてのみ区分領域が複数の小区分領域に分割されている。これは、第1サイドライト光源52Aと、第2サイドライト光源52Bとを構成する複数の光源56A、56B、56C、56D、56E及び56Fと複数の光源57A、57B、57C、57D、57E及び57Fの並び方向に対応する。変形例5のように、一方向について小区分領域を設けて再設定、補正を行うようにしてもよい。
【0106】
変形例5では、
図31に示す画像表示パネル30の部分領域31が
図32における[v=0],[v=1]に対応する。また、
図31に示す画像表示パネル30の部分領域32が
図32における[v=2],[v=3]に対応する。また、複数の光源56A〜56F及び複数の光源57A〜57Fは、例えばそれぞれ[h=0]〜[h=6]の区分領域同士を区分する境界線上に位置する。すなわち、変形例5では、1つの光源が2つ以上の区分領域で共有されている。
【0107】
以上、上記の実施形態1、2及び変形例(実施形態等)について述べたが、本発明の実施形態等はこれに限られるものでない。例えば、1つの区分領域に3つ以上の光源が割り当てられていてもよい。また、1つの区分領域が有する小区分領域の数は2又は4に限られるものでなく、3又は5以上であってもよい。また、1つの区分領域を複数の小区分領域に分割する分割線のパターンは、実施形態等の例示に限られるものでなく、任意である。複数の区分領域は、各々が1つ以上の光源により照明されるが、複数の光源の各々は、複数の区分領域のうち1つに割り当てられていなくてもよい。例えば、
図31に示すように、複数の区分領域が光源56A等を共有する構成であってもよい。
【0108】
また、実施形態等において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。