(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
駐車装置としては、パレット上に車両を載置して立体的に積み重ねて駐車させる、二段方式あるいは多段方式などの車両格納方式が知られており、車両を立体的に駐車可能な装置が横方向に複数個並んで配置された機械式駐車装置がある。機械式駐車装置においては、パレット上に車両を載置して立体的に積み重ねて駐車させ、当該パレットを入出庫口まで移動させて車両の出し入れを行う駐車装置が知られている。
【0003】
このような駐車装置は、パレットの操作を入出庫口付近に設けられた操作盤によって行われている。パレットを操作する操作盤には、駐車装置の電源を投入する電源スイッチ、目的とするパレットを番号で選択するパレット番号入力部、入力された番号を表示するパレット番号表示部、該当するパレットの移動を開始するスタートボタンなどが設けられている。駐車装置の利用者は操作盤で電源を投入し、パレット番号入力部に目的のパレット番号を入力し、スタートボタンを押すことでそのパレットを入出庫口まで移動させる。パレットに載置された状態で入出庫口まで搬送された車両は、入出庫口の安全ゲートを開いて駐車装置から外へ移動するものとなっている。
【0004】
ここで、機械式駐車装置においては、パレットは機械式で移動するものであることから、移動時に装置内に障害物(たとえば人)がいないことが前提である。そして、このような機械式駐車装置では、乗降室の外で同乗者や荷物を車外に降ろした後に、車両の利用者のみが車両と共に乗降室に進入し、パレットに車両を載置するのが正しい運用法である。
【0005】
しかし、装置内に無断で人が侵入してしまう場合、車両に乗っていた同乗者が装置内で降車してしまう場合、乗降室の外にいた人が乗降室に入ってきてしまう場合、利用者以外の人が機械式駐車装置の動作指令を出す場合など、無人でないことに気づかないままパレットを操作してしまう可能性が存在する。
【0006】
そこで、安全性を高める観点から、駐車装置の利用者は、装置内に障害物(たとえば人)がないことを確認して駐車装置を操作することが必要である。なお、本明細書において、利用者が装置内に障害物のないことを確認する行為を、「無人確認」として表記する。
【0007】
ここで、特許文献1には、乗降室内における安全確認の実施位置の近辺に人による安全確認の実施状態が入力される1以上の入力手段を設けて、入力手段への入力後パレットを搬送するという発明が記載されている。しかし、特許文献1は、タワー式駐車装置に関するものであるし、安全確認の実施位置の近辺において安全確認を行わせるもので、検知部と連動していないために、人による確認のみでしか無人確認をすることができない。
【0008】
また、特許文献2には、操作盤からの死角領域に到着する度に異なる表示を行う表示装置を設け、表示内容に対応する入力手段が操作されれば搬器の運転が可能となる無人確認装置が記載されているが、特許文献2は、タワー式駐車装置に関するものであるし、検知部と連動していないために、人による確認のみでしか無人確認をすることができない。
【0009】
また、現在までに二段方式あるいは多段方式などの車両格納方式において、無人確認を実装した駐車装置は市販されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
装置内に障害物(たとえば人)がないことを確認して運転することが、安全の観点から必要である。もっとも、単純に無人確認をしたかどうかだけを利用者に入力させる入力部などを備えた駐車装置としたところで、利用者が該入力のみを行い、無人確認をきちんと行わない可能性がある。そうすると、利用者が無人確認をしたことを確認するということが必要である。そこで、本発明では、利用者が無人確認をしたことを確認することで、該無人確認を形骸化させない駐車装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態によれば、複数のパレットと、前記複数のパレットにそれぞれ対応して配置されたゲートと、前記ゲートから見て前記パレット側の位置に配置され所定の情報を表示する表示部と、前記ゲートから見て前記パレットと反対側の位置に配置され解除コードが入力される入力部と、前記入力部へ入力された前記解除コードと前記所定の情報との関係が所定の条件を満たす場合に、前記ゲートの閉鎖を可能とする制御部と、を備える駐車装置が提供される。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、複数のパレットと、所定の位置に配置され所定の情報を表示する表示部と、前記所定の位置とパレットを介して反対側の位置に配置され解除コードが入力される入力部と、前記入力部へ入力された前記解除コードと前記所定の情報との関係が所定の条件を満たす場合に、前記パレットの搬送を可能とする制御部と、を備える駐車装置が提供される。
【0014】
前記表示部は、前記複数のパレットの間に配置されていてもよい。
【0015】
前記駐車装置は前記パレットの間に障害物があることを検知する検知部をさらに有していてもよい。
【0016】
前記検知した場合に、前記表示部に所定の情報を表示してもよい。
【0017】
前記検知部と前記表示部とが対応する位置に配置されていてもよい。
【0018】
前記検知した場合に所定の報知を行う報知部をさらに有してもよい。
【0019】
前記検知部と前記表示部と前記報知部とが対応する位置に配置されていてもよい。
【0020】
前記所定の情報は、文字、数字、又は色であってもよい。
【0021】
前記所定の条件は、前記解除コードと前記所定の情報が一致することであってもよい。
【0022】
複数のパレットと、前記複数のパレットにそれぞれ対応して配置されたゲートと、前記ゲートから見て前記パレット側の位置に配置され所定の情報を表示する表示部と、前記ゲートから見て前記パレットと反対側の位置に配置され解除コードが入力される入力部と、を備える駐車装置を制御する制御装置であって、前記入力部へ入力された前記解除コードと前記所定の情報との関係が所定の条件を満たす場合に、前記ゲートの閉鎖を可能とする制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、利用者が無人確認をしたことを確認することで、該無人確認を形骸化させない駐車装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を、図面等を参照しながら説明する。本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、図面の寸法比率(各構成間の比率、縦横高さ方向の比率等)は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号(数字の後にA、Bなどを付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0026】
[第1実施形態]
[駐車装置100の構成]
図1に本発明の一態様に係る駐車装置100の主たる構成を示す。
図1は駐車装置を側面(入出庫口がある面を正面とする場合)から見た概略図である。
【0027】
駐車装置100は支柱102によって主構造体が構成され、主構造体の中に車両Vを載置するパレット104が設置されている。パレット104は昇降機106により支柱102に沿って昇降可能に設けられている。また、パレット104は車体横方向(
図1の紙面奥行き方向)に沿って移動させることが可能になっていてもよい。主構造体の中でパレット104は、複数の車両Vを縦方向に積み重ねたとき、車両同士が干渉しない間隔をもって設けられている。これによって、支柱102によって形成される主構造体は、縦方向に複数段に積み重なった駐車空間を形成している。
【0028】
駐車装置100は駐車装置操作盤108によって操作される。駐車装置操作盤108は駐車装置100の外側に設けられている。たとえば、駐車装置100の入出庫口(図右側下部)の近くの支柱102に駐車装置操作盤108及びインターロック操作盤110が取り付けられている。駐車装置操作盤108とインターロック操作盤110とが一体の筐体に収められ、一つの操作盤として構成されていてもよい。
【0029】
利用者は駐車装置100の外側から駐車装置操作盤108を操作して、目的のパレット104を入出庫口まで移動させる。また、利用者はインターロック操作盤110を操作して後述するインターロックを作動させたり解除したりすることができる。
【0030】
駐車装置100の入出庫口に設けられる安全ゲート112(以下、単にゲートと称す)は駐車装置操作盤108により開閉を行うことができる。ゲート112は車両Vを入出庫するために開けた場合以外は閉じた状態となっている。したがって、パレット104が移動するときもゲート112は閉じた状態になっている。ゲート112が閉じていることにより、通常は駐車装置100の装置内に人が入れないようになっている。駐車装置操作盤108から出力される信号は制御部114に送られ、制御部114はパレット104の移動やゲート112の開閉を行う駆動装置に制御信号を出力する。駆動装置には、パレット104を移動させるための昇降機106等の装置、及びゲート112を開閉するための装置が含まれる。
【0031】
縦方向に複数段に積み重なった駐車空間を形成し立体的に車両Vを収納して駐車させる駐車装置100では、パレット104が昇降することで、目的とするパレット104を入出庫口へ移動させて車両の出し入れを行う。目的とするパレット104を入出庫口まで移動させる動作にはいくつかの方式があり、たとえば上段のパレット104に駐車された車両を出庫するために下段のパレット104を地下ピットに沈み込ませる方式、下段又は上段のパレット104を車体横方向(
図1の紙面奥行き方向)にスライドさせて上段のパレット104を下段のパレット104が存在しない空間に降下させる方式、あるいはこれらを組み合わせた方式等が採用されている。
【0032】
図1で示す例では、1階から上階に向かって駐車空間P1,P2,P3,P4が設けられている態様を示している。また駐車空間P1の横方向(
図1の紙面奥方向)には駐車空間P5(図示略)が、さらにその横方向(
図1の紙面奥方向)には駐車空間P9が、設けられている。このとき上段にある駐車空間P4にあるパレット104を降下させ車両Vを入出庫するには下段の駐車空間P1,P2,P3のパレット104が障害となる。この場合、駐車空間P5のパレット104を上昇させ、駐車空間P1,P2,P3のパレット104を横方向にスライドさせると障害物がなくなるので、駐車空間P4のパレット104を入出庫口まで降下させることが可能となる。
【0033】
図2は、駐車装置の駐車空間P1、P5、P9を上面から見た平面図である。
図2は、車両Vが各パレット104上に1台ずつ駐車されている状況を示している。インターロック操作盤110は
図2においてはゲート側の支柱102に配置されているが、これに限定されず、パレット104間であって、ゲート112から見てパレット104と反対側に配置されてもよい。所定の情報を表示する表示部116は、ゲート112から見てパレット104側の一番奥の支柱102に配置されているが、これに限定されず、ゲート112から見てパレット104側に配置されてもよい。
【0034】
[検知部118]
検知部118は、センシング箇所150を障害物によって遮断された場合を、赤外線センサが反応して検知する。センシング箇所150を物体が通過すると、赤外線センサが物体の通過を検知する。本実施形態においては、検知部118は、赤外線センサであり、赤外線を発光する発光部182と、赤外線を受光する受光部184とを有する。発光部182と受光部184との間がセンシング箇所150である(
図2)。もっとも、検知部は赤外線センサに限定されず、重量センサを採用して、パレット104間の重量移動を検知することで、駐車装置内部でパレット104間を人が移動したことを検知するような仕組みであっても、マイクロ波ドップラー・センサを採用することによってパレット104上での人の動きを検知する仕組みであってもよい。
【0035】
[駐車装置操作盤108]
図3は、駐車装置操作盤108の一例である。駐車装置操作盤108は、ゲート112の開閉を指示するためのゲート開閉指示部及びパレット104を移動する指示をするためのパレット指示部を備え、駐車装置操作盤108を用いて駐車装置100の基本的な操作を行うことができる。駐車装置操作盤108には操作電源スイッチ120、操作部122、パレット番号入力部126、パレット番号表示部124、非常停止ボタン128が設けられている。
【0036】
操作部122の「安全確認ボタン」は、駐車装置内に人がいないかどうかを利用者が確認してから利用者によって押されるボタンである。ゲート112が閉鎖中であれば、このボタンを押すことによりパレット呼び出しを可能な状態に移行させるボタンとなる。ゲート112が開放されている状態では、パレットの移動はされないようになっている。
【0037】
利用者が駐車装置操作盤108を操作することで、ゲート112の開閉、パレット104を移動するといった指示をすることができるが、この際に利用者が、装置内が無人でないことに気づかないまま操作してしまうと危険である。
【0038】
[インターロック操作盤110]
図4は、インターロック操作盤110の一例である。無人確認前に利用者が操作キーを操作してゲート112を開門若しくは閉鎖又はパレット移動操作をしてしまわないように、本実施の形態に係る駐車装置100にはインターロック機能が付加されている。インターロック機能は、検知部118が障害物を検知した場合において、駐車装置100のゲート112を開門若しくは閉鎖又はパレット移動操作といった操作を無効化する機能、すなわち制御部114による駆動装置の制御を無効化する機能を有している。
【0039】
[インターロック操作盤110]
図4にインターロック操作盤110の一例を示す。インターロック操作盤110には、利用者からの解除コードの入力を受け付ける入力部130が設けられている。図面では入力部130は、数字入力キー(テンキー)となっており、数字を入力できるようになっている。
【0040】
解除コードは、表示部116で表示される所定の情報と同一の数字、文字(記号を含む)、色、又はその組み合わせであってもよいが、所定の情報に関連する情報であってもよい。たとえば、所定の情報が「2」「3」「4」「+」である場合には、解除コードは、2と3と4とを足し合わせた「9」であってもよい。所定の情報と解除コードは、あらかじめ制御部114内の解除コード記憶部に記憶された一定のコード群から制御部がランダムに選択するようにしてもよい。
【0041】
インターロック操作盤110には、インターロックが作動している(制御部114による駆動装置の制御が無効化されている)ことを利用者等に知らせるロック状況表示部132が設けられている。
図4で示すロック状況表示部132は、文字によるメッセージが表示されるようになっている。ロック状況表示部132はインターロックが作動していることを確認するためのものでもある。もちろん、ロック状況表示部132は文字によるメッセージを表示する形態に限定されず、たとえば注意を喚起するためのランプが点灯するものであってもよいし、警報音等の音声を出力するようにしてもよいし、機械的な動きによるものであってもよいし、あるいはこれらを組み合わせてもよい。すなわち、利用者に対してインターロックが作動していること、あるいはインターロックが作動していないことを利用者に報知するロック状況表示部132により、駆動装置の制御が無効化されていることを認識させるようになっていればよい。
【0042】
また、
図4ではインターロック操作盤110に入力部130とロック状況表示部132を設ける構成を示しているが、ロック状況表示部132を分離して駐車装置100の他の場所(利用者の目に付きやすい場所、たとえば駐車装置操作盤108など)に設けるようにしてもよい。
【0043】
[報知部134]
本実施形態では、ロック状況表示部132とは別に、障害物を検知した箇所を利用者に報知する機能を有する報知部134を検知部118に対応する位置に配置することもできる(
図5)。たとえば、報知部134は「障害物が検知されました」「内部に人あり」「ロック中」等のメッセージを表示してもよい。これを設けた場合には、利用者はどの箇所に障害物が検知されたかを確認して、同箇所について無人確認を行えばよいため、利便性を向上させることができる。
【0044】
報知部134を検知部118に対応する位置に配置するとは、センシング箇所150Aを視認することができる位置に配置することを意味する。たとえば、報知部134Aを受光部184A近傍に設けてもよい。また、発光部182Aと受光部184Aとを結ぶ線の延長線上に設けてもよい。
【0045】
また、報知部134は、駐車装置操作盤108又はインターロック操作盤110と一体型となっていてもよい。また、警告音を鳴らすようにしてもよい。また、警告灯を点灯するようにしてもよい。メッセージの表示、警告音を鳴らすこと、警告灯の点灯は、組み合わせて採用してもよい。
【0046】
[表示部116]
表示部116は、所定の情報を表示する(
図6)。
図6では所定の情報として、数字「2」「3」「4」と足し算を意味する記号「+」を示しているが、これに限定されず、たとえば数字、文字(記号を含む)、色、及びそれらの組み合わせであり、典型的には4桁の数字等が含まれる。
【0047】
表示部116をゲート近傍に設置してしまうと、利用者は駐車場内部方向すなわちパレット方向を視認せずに表示部116の所定の情報だけ視認してしまう可能性がある。そこで、表示部116は駐車装置100におけるゲート112からみてパレット104側に設置されることが望ましい。このようにすることで無人確認の視線方向に表示部116が設置されることになり、検知部118が障害物等を検知した箇所近傍についての視認を利用者に強制させることができる。
【0048】
[システムブロック]
図7を用いて、本駐車装置のシステムブロックについて説明する。
【0049】
図7のシステムブロックチャートを参照すると、駐車装置操作盤108と制御部114とが接続されており、駐車装置操作盤108の情報が制御部114に送信される。また、制御部114には、検知部118から障害物の検知状況が送信される。制御部114は、障害物が検知されている場合には、表示部116に所定の情報を表示させる。また、制御部114は、所定の情報に関連する解除コードの入力を入力部130から受け付ける。そして、制御部114は、入力部へ入力された解除コードと所定の情報との関係が所定の条件を満たす場合に、駆動装置200にゲートを閉鎖させる。
【0050】
ここで、所定の条件を満たす場合とは、所定の情報と解除コードとが一致する場合が挙げられるが、これに限定されず、所定の情報に四則演算をしたものが解除コードであってもよい。たとえば、所定の情報が数字「2」「3」「4」と足し算を意味する記号「+」である場合には2と3と4とを足し合わせた9が解除コードであってもよい。また、所定の情報が「1」である場合に、これに1を足した「2」が解除コードであってもよい。
【0051】
また、発光部182A、受光部184Aの間で障害物を検知した場合に、表示部116Aに所定の情報を表示させるようにしてもよい。さらに、発光部182A、受光部184Aの間で障害物を検知した場合に、表示部116Aに所定の情報を表示させ、解除コードは110Aから入力させるようにしてもよい。このように、発光部182A、受光部184A、表示部116A、インターロック操作盤110Aのように
図2で同一のアルファベットが符合に付されているもの同士を対応させることによって、利用者が障害物が検知された箇所を実際に視認しなければならないという強制力が高まるため、さらに安全な駐車装置とすることができる。
【0052】
さらに、報知部134を設けた場合には、発光部182Aと受光部184Aとの間のセンシング箇所150Aで障害物が検知された場合には、報知部134Aが報知をする、というようにしてもよい。このようにすることで、利用者は、障害物が検知された箇所を早期に発見することができる。したがって、視認を強制させて安全性を高めつつ、利便性も向上させることができる。
【0053】
[動作]
図8、9を用いて、本駐車装置の動作について説明する。
【0054】
図8のフローチャートは本発明の一実施形態に係る駐車装置の操作方法を示したものである。利用者がゲートを開ける操作をすると、以下に示すフローが開始する。ステップ101(S101)は、検知部118が障害物を検知したかどうかを制御部114が判定するステップである。また、ステップ102(S102)は、ゲートを閉める操作がなされたかを制御部114が判定するステップである。検知部118によって障害物が検知されず(S101;NO)、かつゲート112を閉める操作がなされない場合(S102;NO)には、S101のNOとS102のNOを通って、ループし続ける。他方、検知部118によって障害物が検知されず(S101;NO)、かつゲート112を閉める操作がなされた場合(S102;YES)には、ゲート112は閉まる(S113)。ゲート112が閉まると(S113)このフローは終わる。
【0055】
ステップ103(S103)は制御部がゲートをロックするステップである。ステップ105(S105)は、表示部に所定の情報を表示させるステップである。ステップ107(S107)は、制御部が解除コードを受け付けるステップである。ステップ109(S109)は、解除コードが正しいか否かを判定するステップである。ステップ115(S115)は、解除コードが正しくない場合のエラーを表示させるステップである。
【0056】
検知部118によって障害物が検知された場合(S101;YES)、制御部114はゲート112をロックし(S103)、制御部114が表示部116に対して所定の情報を表示させる(S105)。表示部116の所定の情報を視認した利用者によって入力部130に解除コードの入力操作がなされると、制御部114がこれを受け付けて(S107)、解除コードが正しいものである場合(S109;YES)、ゲート112のロックを解除する。
【0057】
他方、解除コードが正しくない場合(S109;NO)は、エラー表示を表示させる(S115)。この場合にはゲート112はロックされたままである。
【0058】
このように、本実施形態に係る駐車装置では、利用者に所定の情報を視認させ、これに基づいた解除コードの入力がなければゲートが閉鎖されず、ゲートを閉鎖しなければ駐車装置を操作することができない駐車装置となっている。したがって、本実施形態において、利用者が無人確認をしたことを確認することで、該無人確認を形骸化させない駐車装置を提供することができる。
【0059】
[第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態とはインターロックの作動時期が異なるものの、駐車装置100の物理的な構成は第1実施形態で述べたことと同一であるから記載を省略する。システムブロックの説明は、解除コードが所定の条件を満たす場合に、ゲート112を閉鎖させるのではなく、パレット104の移動を再開する点が異なる以外は同一であるから記載を省略する。
【0060】
本実施形態は、検知部118が移動中に障害物を検知した場合、人がいるにもかかわらずパレット104が移動してしまっているという可能性があることからパレット104の移動を緊急停止するというものである。このようなことが起きる場合として、たとえば、ゲート112の閉鎖時点においては、内部の人が動かなかったために、検知部118は検知できなかった。しかし、ゲート112が閉鎖されたことから、又は、パレット104が動き始めたために、慌てて人が動いた、という場合が考えられる。そのような場合に、さらに安全性を高めるために、単にインターロック機能がゲート112を閉鎖するときだけ作用するのではなく、パレット104移動中の緊急停止装置とするのが本実施形態である。
【0061】
図9は第2実施形態、すなわち、パレット104移動時に障害物を検知した場合の緊急停止を行う場合のフローチャートを示したものである。パレット104に対して利用者による移動操作がなされ、移動操作信号を制御部114が受信した場合を引き金としてこのフローチャートが開始する。
【0062】
ステップ201(S201)は、検知部118が障害物を検知するステップである。ステップ211(S211)は、パレット104の移動が続行するステップである。ステップS215は、パレットの移動が終了しているかを判別するステップである。まず、検知部118が障害物を検知しない場合(S201;NO)、パレット104の移動は続行され(S211)、パレットの移動が終了したと判断された場合(S215;YES)、フローは終了する。移動が終了していない場合(S215;NO)には、検知部118が障害物を検知するステップ(S201)に戻る。
【0063】
ステップ203(S203)は制御部114がパレット104を緊急ロックするステップである。検知部118が障害物を検知した場合(S201;YES)、制御部114が障害物を検知したことを受信して、制御部114がパレット104を緊急ロックする(S203)。
【0064】
ステップ205(S205)はパレット104を緊急ロックした場合に所定の情報を表示部116に表示させるステップである。制御部114は、パレット104を緊急ロックした場合に、所定の情報を表示部116に表示させる(S205)。
【0065】
ステップ207(S207)では、解除コードが入力部130に入力されるステップであり、ステップ209(S209)は入力された解除コードが正しい解除コードかどうかを判定するステップである。表示部116の所定の情報を視認した利用者によって解除コードが入力部130に入力されると制御部114が解除コードを受信し(S207)、解除コードが正しければ(S209)、パレット104の移動を続行させる(S211)。パレットの移動が終了したと判断された場合(S215;YES)、フローは終了する。移動が終了していない場合(S215;NO)には、ステップ201に戻る。
【0066】
ステップ213(S213)は制御部114が表示部116又はロック状況表示部132にエラー表示をさせるステップである。ステップ(S207)の後、受信した解除コードが正しくない場合(S209;NO)には、制御部114が表示部116又はロック状況表示部132にエラー表示をさせる(S213)。この場合、パレットはロックされたままであるから、解除コード入力が入力されるステップ(S207)に戻る。
【0067】
[変形例]
図10、11、12、13を用いて、本実施形態に係る駐車装置の変形例について説明する。
【0068】
[変形例 表示部116A、入力部130A、所定の情報]
表示部116Aは、所定の情報として色を表示してもよい。たとえば信号機のような方法で色を表示する表示部とすることが考えられる(
図10)。その場合、入力部130Aは、色を塗ったり、色を示す文字をボタンに印字したりして、当該色のボタンを押すことができるようになっていてもよい(
図11)。さらなる変形例として、表示部の表示する所定の情報が文字であり、入力部130Aでは文字入力が可能になっていてもよい。
【0069】
[変形例 遮蔽板146]
利用者が所定の情報を正面からではなく、斜めから視認してしまうと、パレット長手方向の無人確認を怠っても解除コードを入力部に入力することができてしまい、無人確認の実効性が乏しくなることから、表示部116に遮蔽板146を設置してもよい(
図12、13)。
図12は遮蔽板146が表示部116を囲む様子を示す模式図であり、
図13は遮蔽板146の位置を示す模式図である。遮蔽板146を設置することによって、斜め方向から所定の情報を視認することができなくなり、無人確認の実効性を向上させることができる。
図12では、視線160と視線162は斜め方向からの視線なので、所定の情報を視認できない。他方、視線164は、正面方向からの視線なので所定の情報を視認できる。遮蔽板146は
図12、13で示すように表示部116を囲むように配置されるが、116の両側だけではなく、上下も囲むよう配置されてもよい。
【0070】
[変形例 検知部118]
検知部118が物体の移動速度も検知するようにしてもよい。パレットが移動する場合に検知部がパレットが移動したこと自体を検知してしまわないよう、検知部118が物体の移動速度も検知するようにすることで、制御部114が移動中のパレットの移動速度と異なる移動速度の物体を検知し、障害物であると判定してパレットの移動を緊急停止するように構成することができる。
【0071】
以上の通り、本発明によれば、無人確認において視認を強制する駐車装置を提供することができる。また、本発明によれば、無人確認が不十分であることによって発生する事故を未然に防ぐことで安全な駐車装置を提供することができる。