【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための手段として、
本発明に係るトラクタは、
外部に開放された状態で車体の後部に配置される運転座席と、前記運転座席の左右の横外側に配置される左右のフェンダと、が備えられ、かつ、作業装置を取り付けて作業を行うトラクタであって、
前記運転座席のシートバックの側方又は後方で、かつ、左右の前記フェンダの後端よりも車体前側の位置に、仕切壁が備えられ、
前記運転座席の前方及び左右両側方が外部に開放されるとともに、前記仕切壁によって前記車体の領域が運転者側領域とその後方領域とに仕切られ、
前記仕切壁は、左右の前記フェンダの外端幅よりも狭く、かつ、前記シートバックよりも広い左右幅を有して
おり、かつ、前記シートバックの上部に対応する高さから前記シートバックの下部に対応する高さにわたる上下幅を有している。
【0007】
この手段によると、車体後方の他物が、左右のフェンダの外端幅内における運転座席のシートバックの横外側の空間から運転者側領域に入り込む虞を、仕切壁によって回避することができる。
また、別の手段として、
本発明に係るトラクタは、
車体の後部に配置される運転座席と、前記運転座席の左右の横外側に配置される左右のフェンダと、前記車体の領域を運転者側領域とその後方領域とに仕切る仕切壁とを備え、
前記仕切壁は、左右の前記フェンダの外端幅よりも狭く、かつ、前記運転座席のシートバックよりも広い左右幅を有して、前記シートバックの側方又は後方で、かつ、左右の前記フェンダの後端よりも車体前側の位置に配備され、
前記車体の後部に起立姿勢で配置される保護フレームを備え、
前記保護フレームは、前記車体に起立姿勢で固定される下側フレーム部と、前記下側フレーム部の上部にヒンジを介して上下揺動可能に連結される上側フレーム部とを備え、
前記仕切壁は、前記ヒンジよりも低い位置に配備されている。
この手段によると、保護フレームの使用状態が、上側フレーム部を下側フレーム部の上側に位置させた状態と、上側フレーム部を下側フレーム部の後側に位置させた状態とにかかわらず、車体後方の他物が、前述した空間から運転者側領域に入り込む虞を回避することができる。
さらに、別の手段として、
本発明に係るトラクタは、
車体の後部に配置される運転座席と、前記運転座席の左右の横外側に配置される左右のフェンダと、前記車体の領域を運転者側領域とその後方領域とに仕切る仕切壁とを備え、
前記仕切壁は、左右の前記フェンダの外端幅よりも狭く、かつ、前記運転座席のシートバックよりも広い左右幅を有して、前記シートバックの側方又は後方で、かつ、左右の前記フェンダの後端よりも車体前側の位置に配備され、
前記車体の後部に起立姿勢で配置される保護フレームと、ナンバープレート取り付け用のライセンスステーとを備え、
前記保護フレームは、左右の支柱部材を備え、
前記ライセンスステーは、左右の前記支柱部材の間で、かつ、左右の前記支柱部材の前後幅内における前記仕切壁よりも車体後側に配備されている。
この手段によると、ライセンスステーの背部に取り付けられるナンバープレートの車体後方からの視認が、仕切壁によって妨げられる不都合の発生を回避することができる。
又、ライセンスステーの左右の外端縁を左右の支柱部材にて隠すことができる。これにより、他物が、ライセンスステーにおける左右の外端縁のエッジ部に接触する虞を、専用のガード部材を備えることなく防止することができる。
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記車体の後部に起立姿勢で配置される保護フレームを備え、
前記保護フレームは、前記シートバックの左右両端よりも車体横外側に配置される左右の支柱部材を備え、
前記仕切壁は、左右の前記支柱部材の前後幅内に配備されている。
この手段によると、仕切壁の左右の外端縁を左右の支柱部材にて隠すことができる。これにより、他物が、仕切壁における左右の外端縁のエッジ部に接触する虞を、専用のガード部材を備えることなく回避することができる。
【0008】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記車体に備えられた機器を操作する操作具が、前記仕切壁よりも車体前側に配備されている。
【0009】
この手段によると、車体後方の他物が、前述した空間から運転者側領域に入り込んで操作具に接触する虞を回避することができる。
【0010】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
作業装置を取り付けて作業を行うように構成されており、
前記機器は、前記車体の後部に着脱可能に連結される前記作業装置を駆動する駆動部であり、
前記操作具は、前記駆動部の人為操作を可能にする作業用の操作具であり、
前記駆動部は、前記仕切壁よりも車体後側に配備されている。
【0011】
この手段によると、例えば、後方領域で駆動部又は作業装置のメンテナンスなどを行う作業者の腕などが、前述した空間から運転者側領域に入り込んで操作具に接触する虞を回避することができる。
つまり、車体後方の他物が、前述した空間から運転者側領域に入り込んで作業用の操作具に接触する虞を回避することができる。
【0012】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記駆動部は、前記作業装置を昇降駆動する昇降装置であり、
前記操作具は、前記昇降装置の人為操作を可能にする昇降レバーである。
【0013】
この手段によると、例えば、後方領域で昇降装置又は作業装置のメンテナンスなどを行う作業者の腕などが、前述した空間から運転者側領域に入り込んで昇降レバーに接触する虞を回避することができる。
つまり、車体後方の他物が、前述した空間から運転者側領域に入り込んで昇降レバーに接触する虞を回避することができる。
【0014】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記駆動部は、作業装置に動力を出力するPTO軸であり、
前記操作具は、前記PTO軸の伝動に関する人為操作を可能にするPTOレバーである。
【0015】
この手段によると、例えば、後方領域でPTO軸又は作業装置のメンテナンスなどを行う作業者の腕などが、前述した空間から運転者側領域に入り込んでPTOレバーに接触する虞を回避することができる。
つまり、車体後方の他物が、前述した空間から運転者側領域に入り込んでPTOレバーに接触する虞を回避することができる。
【0016】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記操作具は、前記運転座席の横外側に配備され、
前記仕切壁は、前記操作具における操作部の上下長さよりも長い上下幅を有して、前記操作部と同じ高さ位置に配備されている。
【0017】
この手段によると、車体後方の他物が、前述した空間から運転者側領域に入り込んで、運転座席の横外側に配備された操作具の操作部に接触する虞をより確実に回避することができる。
【0018】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記操作具は、左右の前記フェンダの上側に配備されている。
【0019】
この手段によると、車体後方の他物が、前述した空間から運転者側領域に入り込んで、左右のフェンダの上側に配備された操作具に接触する虞を回避することができる。
【0020】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記仕切壁は、左右の前記フェンダの内端同士の離間距離よりも長い左右幅を有している。
【0021】
この手段によると、車体後方の他物が、前述した空間から運転者側領域に入り込む虞を、より確実に回避することができる。
特に、車体後方の他物が、前述した空間から運転者側領域に入り込んで、左右のフェンダの上側に配備された操作具に接触する虞をより確実に回避することができる。
【0022】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記仕切壁は、前記シートバックの上部に対応する高さから前記シートバックの下部に対応する高さにわたる上下幅を有している。
【0023】
この手段によると、車体後方の他物が、前述した空間におけるシートバックの上下幅範囲から運転者側領域に入り込む虞を回避することができる。
【0024】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記車体の後部に起立姿勢で配置される保護フレームを備え、
前記仕切壁は、前記保護フレームに支持されている。
【0025】
この手段によると、仕切壁を支持する専用の支持部材を備える場合に比較して、部品点数の削減による構成の簡素化などを図ることができる。
【0026】
【0027】
【0028】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記車体の後部に起立姿勢で配置される保護フレームを備え、
前記保護フレームは、前記シートバックの左右両端よりも車体横外側に配置される左右の支柱部材を備え、
前記仕切壁は、左右の前記支柱部材の横外端からはみ出さない左右幅を有している。
【0029】
この手段によると、車体後方の他物が、前述した空間のうちの左右の支柱部材とシートバックとの間の空間から運転者側領域に入り込む虞を回避することができる。
【0030】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記車体の後部に起立姿勢で配置される保護フレームを備え、
前記保護フレームは、前記シートバックの左右両端よりも車体横外側に配置される左右の支柱部材を備え、
前記仕切壁は、少なくとも左右の前記支柱部材にわたる左右幅を有している。
【0031】
この手段によると、車体後方の他物が、前述した空間のうちの左右の支柱部材とシートバックとの間の空間から運転者側領域に入り込む虞を確実に回避することができる。
【0032】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記車体の後部に起立姿勢で配置される保護フレームを備え、
前記保護フレームは、前記シートバックの左右両端よりも車体横外側に配置される左右の支柱部材を備え、
前記仕切壁は、左側の前記支柱部材から前記シートバックにわたる左右幅を有する左側壁部と、右側の前記支柱部材から前記シートバックにわたる左右幅を有する右側壁部とを有している。
【0033】
この手段によると、仕切壁の壁部が左右の支柱部材にわたる長さを有する場合に比較して、車体の軽量化などを図ることができる。
【0034】
【0035】
【0036】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記仕切壁は透視性を有している。
【0037】
この手段によると、仕切壁を備えながら、車体後方に対する運転者の視認性を確保することができる。
【0038】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
前記仕切壁は、主部材として多孔板を備えている。
【0039】
この手段によると、仕切壁を備えながら、車体後方に対する運転者の視認性を確保することができる。
又、車体の運転者側領域とその後方領域との間での通気性を確保することができ、運転者側領域での熱気の滞留などを回避することができる。
そして、走行中に仕切壁にかかる抵抗を低減することができる。これは、走行速度の速い路上走行時に特に有効である。
しかも、作業走行中に泥が仕切壁に向けて跳ね上がったとしても、仕切壁への泥の付着を抑制することができる。又、寒冷地においては、降雪時における仕切壁への雪の付着堆積を抑制することができる。これにより、仕切壁から泥又は雪などを落とす手間を要することなく、車体後方に対する運転者の視認性を常に良好に保つことができる。
【0040】
本発明をより好適にするための手段の一つとして、
ナンバープレート取り付け用のライセンスステーを備え、
前記ライセンスステーは、前記仕切壁よりも車体後側に配備されている。
【0041】
この手段によると、ライセンスステーの背部に取り付けられるナンバープレートの車体後方からの視認が、仕切壁によって妨げられる不都合の発生を回避することができる。
【0042】
【0043】