(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判定手段における、前記或る項目の入力値が条件を満たすか否かの判定において、更に、前記定義に含まれる条件対象項目の設定値が格納されているテーブル及びフィールドを含む項目定義マスタデータテーブルを参照すること、
を特徴とする請求項1に記載の情報管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0014】
[1.構成]
ここでは、本発明の情報管理装置の構成の一例について、
図1を参照して説明する。なお、本実施形態の構成はあくまでも一例であり、本発明は、本実施形態の構成で実現することに限定されるものではない。また、構成に関する以下の説明において、重複する説明を省略する場合がある。
【0015】
情報管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108とを備え、ネットワーク200に通信可能に接続されている。情報管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。なお、情報管理装置100は、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型のものであってもよく、また、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型のものであってもよい。
【0016】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、情報管理装置100をネットワーク200に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0017】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114は、例えばモニタであってもよく、入力装置112は、例えばキーボードまたはマウスであってもよい。
【0018】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0019】
更に、記憶部106は、定義マスタデータ記憶部106a、定義詳細マスタデータ記憶部106b、定義条件マスタデータ記憶部106c、画面項目定義マスタデータ記憶部106d、及び、項目定義マスタデータ記憶部106dを有する。
【0020】
定義マスタデータ記憶部106aは、定義マスタデータテーブル(以下では、「マスタデータテーブル」を「マスタテーブル」又は「マスタ」と呼ぶ場合がある。)を格納するためのものである。定義マスタは、
図2に示すように、定義番号、定義名、及び実行順という項目に関する各データを含むレコードを格納したものである。定義名という項目には、処理概要を名称化した文字列が設定される。また、実行順という項目には、処理を実行する際の順番を意味する数値が設定される。
【0021】
ここで、
図2に定義名として示されている「正社員(東京)初期値セット」という文字列は、「社員区分が正社員であり且つ勤務地が東京及び神奈川のいずれかであるときに、社員情報(本発明の個別情報の一例に相当)に含まれる、社員区分及び勤務地以外の他の項目に初期値をセットする」という処理概要を名称化したものである。
【0022】
また、
図2に定義名として示されている「正社員(以外)初期値セット」という文字列は、「社員区分が正社員であり且つ勤務地が東京及び神奈川以外の地であるときに、社員情報に含まれる、社員区分及び勤務地以外の他の項目に初期値をセットする」という処理概要を名称化したものである。
【0023】
また、
図2に定義名として示されている「パート(東京)初期値セット」という文字列は、「社員区分がパートであり且つ勤務地が東京及び神奈川のいずれかであるときに、社員情報に含まれる、社員区分及び勤務地以外の他の項目に初期値をセットする」という処理概要を名称化したものである。
【0024】
また、
図2に定義名として示されている「パート(以外)初期値セット」という文字列は、「社員区分がパートであり且つ勤務地が東京及び神奈川以外の地であるときに、社員情報に含まれる、社員区分及び勤務地以外の他の項目に初期値をセットする」という処理概要を名称化したものである。
【0025】
また、
図2に定義名として示されている「長期勤続者初期値セット」という文字列は、「社員区分がパートであり且つ勤続年数が5年以上であるときに、社員情報に含まれる、社員区分以外の他の項目に初期値をセットする」(勤続年数は社員情報に含まれていないことを前提)という処理概要を名称化したものである。
【0026】
図1に戻り、定義詳細マスタデータ記憶部106bは、初期値をセットする対象となる項目である設定対象項目(上述した「他の項目」に相当)および当該項目に初期値としてセットされる値である設定値を定義ごとに管理するための定義詳細マスタデータテーブルを格納するためのものである。定義詳細マスタは、
図3に示すように、定義番号、SEQ、設定対象(設定対象項目)、及び設定値という項目に関する各データを含むレコードを格納したものである。
【0027】
ここで、
図3において定義番号T001及びSEQ=1で特定されるレコードに示されている設定対象「給与区分」及び設定値「月給者」並びに定義番号T001及びSEQ=2で特定されるレコードに示されている設定対象「勤務地手当」及び設定値「10000円」は、定義名「正社員(東京)初期値セット」に関する上述した処理概要における「他の項目」及び「初期値」に当たるものである。
【0028】
また、
図3において定義番号T002及びSEQ=1で特定されるレコードに示されている設定対象「給与区分」及び設定値「月給者」並びに定義番号T002及びSEQ=2で特定されるレコードに示されている設定対象「勤務地手当」及び設定値「8000円」は、定義名「正社員(以外)初期値セット」に関する上述した処理概要における「他の項目」及び「初期値」に当たるものである。
【0029】
また、
図3において定義番号T003及びSEQ=1で特定されるレコードに示されている設定対象「給与区分」及び設定値「時給者」並びに定義番号T003及びSEQ=2で特定されるレコードに示されている設定対象「勤務地手当」及び設定値「0円」は、定義名「パート(東京)初期値セット」に関する上述した処理概要における「他の項目」及び「初期値」に当たるものである。
【0030】
また、
図3において定義番号T004及びSEQ=1で特定されるレコードに示されている設定対象「給与区分」及び設定値「時給者」並びに定義番号T004及びSEQ=2で特定されるレコードに示されている設定対象「勤務地手当」及び設定値「0円」は、定義名「パート(以外)初期値セット」に関する上述した処理概要における「他の項目」及び「初期値」に当たるものである。
【0031】
また、
図3において定義番号T005及びSEQ=1で特定されるレコードに示されている設定対象「勤務地手当」及び設定値「5000円」は、定義名「長期勤続者初期値セット」に関する上述した処理概要における「他の項目」及び「初期値」に当たるものである。
【0032】
図1に戻り、定義条件マスタデータ記憶部106cは、定義に相当する上述した処理概要に含まれる「〜であるとき」という条件(条件式、条件文)を定義ごとに管理するための定義条件マスタデータテーブルを格納するためのものである。定義条件マスタは、
図4に示すように、定義番号、SEQ、条件対象項目、比較条件、及び比較値という項目に関する各データを含むレコードを格納したものである。
【0033】
ここで、
図4において定義番号T001及びSEQ=1で特定されるレコードに示されている条件対象項目「社員区分」、比較条件「=」、及び比較値「正社員」の組み合わせ並びに定義番号T001及びSEQ=2で特定されるレコードに示されている条件対象項目「勤務地」、比較条件「いずれか」、及び比較値「東京,神奈川」の組み合わせにより、定義名「正社員(東京)初期値セット」に関する上述した処理概要における「社員区分が正社員であり且つ勤務地が東京及び神奈川のいずれかである」という条件が生成される。
【0034】
また、
図4において定義番号T002及びSEQ=1で特定されるレコードに示されている条件対象項目「社員区分」、比較条件「=」、及び比較値「正社員」の組み合わせ並びに定義番号T001及びSEQ=2で特定されるレコードに示されている条件対象項目「勤務地」、比較条件「以外」、及び比較値「東京,神奈川」の組み合わせにより、定義名「正社員(以外)初期値セット」に関する上述した処理概要における「社員区分が正社員であり且つ勤務地が東京及び神奈川以外の地である」という条件が生成される。
【0035】
また、
図4において定義番号T003及びSEQ=1で特定されるレコードに示されている条件対象項目「社員区分」、比較条件「=」、及び比較値「パート」の組み合わせ並びに定義番号T003及びSEQ=2で特定されるレコードに示されている条件対象項目「勤務地」、比較条件「いずれか」、及び比較値「東京,神奈川」の組み合わせにより、定義名「パート(東京)初期値セット」に関する上述した処理概要における「社員区分がパートであり且つ勤務地が東京及び神奈川のいずれかである」という条件が生成される。
【0036】
また、
図4において定義番号T004及びSEQ=1で特定されるレコードに示されている条件対象項目「社員区分」、比較条件「=」、及び比較値「パート」の組み合わせ並びに定義番号T004及びSEQ=2で特定されるレコードに示されている条件対象項目「勤務地」、比較条件「以外」、及び比較値「東京,神奈川」の組み合わせにより、定義名「パート(以外)初期値セット」に関する上述した処理概要における「社員区分がパートであり且つ勤務地が東京及び神奈川以外の地である」という条件が生成される。
【0037】
また、
図4において定義番号T005及びSEQ=1で特定されるレコードに示されている条件対象項目「社員区分」、比較条件「=」、比較値「パート」の組み合わせ並びに定義番号T005及びSEQ=2で特定されるレコードに示されている条件対象項目「勤続年数」、比較条件「以上」、及び比較値「5年」の組み合わせにより、定義名「長期勤続者初期値セット」に関する上述した処理概要における「社員区分がパートであり且つ勤続年数が5年以上である」という条件が生成される。
【0038】
図1に戻り、画面項目定義マスタデータ記憶部106dは、本実施形態に係る後述する初期値セット処理による制御が適用される画面及び項目を管理するための画面項目定義マスタデータテーブルを格納するためのものである。画面項目定義マスタは、
図5に示すように、項目、画面、及びコントロールという項目に関する各データを含むレコードを格納したものである。
図5に示す画面項目定義マスタでは、社員情報登録画面に含まれる社員コード、社員区分、勤務地、給与区分、及び勤務地手当が制御の適用対象であること、及び、社員手当一括登録画面に含まれる社員コード及び勤務地手当が制御の適用対象であること、が管理されている。
【0039】
図1に戻り、項目定義マスタデータ記憶部106dは、本実施形態に係る後述する初期値セット処理に含まれる「条件を満たすかの判定」において定義条件マスタに含まれる条件対象項目と同じ項目が画面上にないときに当該項目の参照先となるテーブル及びフィールドを管理するための項目定義マスタデータテーブルを格納するためのものである。項目定義マスタは、
図6に示すように、項目、テーブル、及びフィールドという項目に関する各データを含むレコードを格納したものである。
図6に示す項目定義マスタでは、(1)画面上に社員コードという項目がないときに当該項目の参照先となるテーブル及びフィールドが社員基本情報テーブル及び当該テーブルに含まれる社員コードであること、(2)画面上に性別という項目がないときに当該項目の参照先となるテーブル及びフィールドが社員基本情報テーブル及び当該テーブルに含まれる性別であること、(3)画面上に社員区分という項目がないときに当該項目の参照先となるテーブル及びフィールドが社員属性情報テーブル及び当該テーブルに含まれる社員区分であること、(4)画面上に勤務地という項目がないときに当該項目の参照先となるテーブル及びフィールドが社員属性情報テーブル及び当該テーブルに含まれる勤務地であること、(5)画面上に給与区分という項目がないときに当該項目の参照先となるテーブル及びフィールドが社員属性情報テーブル及び当該テーブルに含まれる給与区分であること、(6)画面上に勤続年数という項目がないときに当該項目の参照先となるテーブル及びフィールドが社員属性情報テーブル及び当該テーブルに含まれる金属年数であること、及び、(7)画面上に勤務地手当という項目がないときに当該項目の参照先となるテーブル及びフィールドが社員手当額情報テーブル及び当該テーブルに含まれる勤務地手当額であること、が管理されている。
【0040】
制御部102は、情報管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、本発明の定義取得手段に相当する定義取得部102a、本発明の判定手段で実行される処理等を実行する判定部102b、本発明の設定取得手段で実行される処理等を実行する設定取得部102c、及び、本発明の設定手段で実行される処理等を実行する設定部102dを含む。
【0041】
定義取得部102aは、例えば、社員情報などの個別情報の或る項目に設定される入力値が画面上で入力されると、定義条件マスタを参照して、この或る項目を条件対象項目として含む定義を取得する等の情報処理を行う。
【0042】
判定部102bは、例えば、定義取得部102aで取得した各定義に対して、条件対象項目、比較条件、及び比較値で構成される条件を、この或る項目の入力値が満たすか否かを判定する等の情報処理を行う。なお、判定部102bは、この或る項目の入力値が条件を満たすか否かの判定において、更に、項目定義マスタを参照してもよい。
【0043】
設定取得部102cは、例えば、判定部102bでこの或る項目の入力値が条件を満たすと判定された定義について、定義詳細マスタを参照して、当該定義と紐付く設定対象項目及び設定値を取得する等の情報処理を行う。
【0044】
設定部102dは、設定取得部102cで取得された設定対象項目及び設定値から、社員情報などの個別情報のこの或る項目以外の項目への入力値設定をする等の情報処理を行う。なお、設定部102dは、判定部102bでこの或る項目の入力値が条件を満たすと判定された定義が複数存在する場合に、定義マスタを参照して、当該定義と紐付く実行順に従って入力値設定をしてもよい。
【0045】
なお、制御部102に含まれる各部で行われる処理の具体例については、後述する。
【0046】
[2.処理]
ここでは、本実施形態に係る初期値セット処理の一例について、
図7から
図13等を参照して詳細に説明する。
図10は、本実施形態に係る情報管理処理(初期値セット処理)のフローチャートの一例を示す図である。
【0047】
なお、本説明では、初期値セット処理が実行されるタイミングは、モニタ114に表示されている
図7に示す社員情報登録画面に社員コードS001に対応する登録済みの社員情報(社員コードS001(山田花子)、社員区分001(パート)、勤務地091(福岡)、給与区分1(月給者)、及び勤務地手当8,000)が表示されている状態において、オペレータ(情報管理装置100を操作する者)が社員区分001を002に変更してフォーカスが他の項目に移された時であること、を前提とする。
【0048】
また、本説明では、
図8に示すテーブルがデータベースに格納されていることを前提とする。
【0049】
[ステップS1.定義取得処理]
定義取得部102aは、定義条件マスタを参照し、変更が行われた画面上の項目である社員区分を条件対象項目として含む定義を全て取得する。ここでは、
図11に示すように、定義番号T001からT005の5つの定義が取得されたものとする。
【0050】
[ステップS2.判定処理]
判定部102bは、ステップS1で取得した定義番号T001からT005の各定義に対して、条件対象項目、比較条件、及び比較値で構成される条件を、画面上の社員区分に対し入力された入力値(ここでは002(パート))が満たすか否かを判定(チェック)する。
【0051】
ここで、
図11に示す定義条件マスタにおいて、定義番号T001でSEQ=1のレコードは、条件対象項目が「社員区分」であり、比較条件が「=」であり、比較値が「正社員」であるので、「社員区分=正社員」という条件を定義している。しかし、画面上の社員区分の入力値は002(パート)であるので、この入力値は「社員区分=正社員」という条件を満たさない。また、定義番号T001でSEQ=2のレコードは、条件対象項目が「勤務地」であり、比較条件が「いずれか」であり、比較値が「東京,神奈川」であるので、「勤務地が東京及び神奈川のいずれかである」という条件を定義している。しかし、社員コードS001(山田花子)の登録済み社員情報において勤務地は福岡であるので、この条件を満たさない。したがって、定義番号T001について、SEQ=1,2の条件をどちらも満たさない。
【0052】
また、
図11に示す定義条件マスタにおいて、定義番号T002でSEQ=1のレコードは、条件対象項目が「社員区分」であり、比較条件が「=」であり、比較値が「正社員」であるので、「社員区分=正社員」という条件を定義している。しかし、画面上の社員区分の入力値は002(パート)であるので、この条件を満たさない。また、定義番号T001でSEQ=2のレコードは、条件対象項目が「勤務地」であり、比較条件が「以外」であり、比較値が「東京,神奈川」であるので、「勤務地が東京及び神奈川以外の地である」という条件を定義している。そこで、社員コードS001(山田花子)の登録済み社員情報において勤務地は福岡であるので、この条件を満たす。したがって、定義番号T002について、SEQ=2の条件を満たすがSEQ=1の条件を満たさない。
【0053】
また、
図11に示す定義条件マスタにおいて、定義番号T003でSEQ=1のレコードは、条件対象項目が「社員区分」であり、比較条件が「=」であり、比較値が「パート」であるので、「社員区分=パート」という条件を定義している。そこで、画面上の社員区分の入力値は002(パート)であるので、この条件を満たす。また、定義番号T003でSEQ=2のレコードは、条件対象項目が「勤務地」であり、比較条件が「いずれか」であり、比較値が「東京,神奈川」であるので、「勤務地が東京及び神奈川のいずれかである」という条件を定義している。しかし、社員コードS001(山田花子)の登録済み社員情報において勤務地は福岡であるので、この条件を満たさない。したがって、定義番号T003について、SEQ=1の条件を満たすがSEQ=2の条件を満たさない。
【0054】
また、
図11に示す定義条件マスタにおいて、定義番号T004でSEQ=1のレコードは、条件対象項目が「社員区分」であり、比較条件が「=」であり、比較値が「パート」であるので、「社員区分=パート」という条件を定義している。そこで、画面上の社員区分の入力値は002(パート)であるので、この条件を満たす。また、定義番号T004でSEQ=2のレコードは、条件対象項目が「勤務地」であり、比較条件が「以外」であり、比較値が「東京,神奈川」であるので、「勤務地が東京及び神奈川以外の地である」という条件を定義している。そこで、社員コードS001(山田花子)の登録済み社員情報において勤務地は福岡であるので、この条件を満たす。したがって、定義番号T004について、全ての条件を満たす。
【0055】
また、
図11に示す定義条件マスタにおいて、定義番号T005でSEQ=1のレコードは、条件対象項目が「社員区分」であり、比較条件が「=」であり、比較値が「パート」であるので、「社員区分=パート」という条件を定義している。そこで、画面上の社員区分の入力値は002(パート)であるので、この条件を満たす。また、定義番号T005でSEQ=2のレコードは、条件対象項目が「勤続年数」であり、比較条件が「以上」であり、比較値が「5年」であるので、「勤続年数が5年以上である」という条件を定義している。しかし、社員情報ではそもそも勤続年数を管理していない。そこで、項目定義マスタを参照すると、勤続年数の参照先となるテーブル及びフィールドは、社員属性情報テーブル及び当該テーブルの勤続年数と設定されているので(
図12参照)、社員属性情報テーブルから社員コードS001と紐付く勤続年数「15」を取得する(
図8参照)。そして、取得した勤続年数「15」を基に「勤続年数が5年以上である」という条件を満たしているかを判定すると、この条件を満たす。したがって、定義番号T005について、全ての条件を満たす。
【0056】
以上により、適用可能な定義はT004及びT005となる。
【0057】
[ステップS3.設定取得処理]
設定取得部102cは、ステップS2で条件を満たすと判定された定義(ここでは、定義T004,T005)について、定義詳細マスタを参照して、当該定義と紐付く設定対象項目及び設定値を取得する。ここでは、初期値設定対象及び初期値設定値として、
図13に示すもの(「給与区分,時給者」、「勤務地手当,0円」、及び「勤務地手当,5,000円」)が取得される。
【0058】
[ステップS4.設定処理]
設定部102dは、ステップS3で取得された設定対象項目及び設定値に基づいて、社員情報登録画面に含まれている当該取得された設定対象項目と同じ項目に当該取得された設定値をセットする。ここで、適用可能な定義が複数存在する場合は、定義マスタの実行順に従ってセットすることが好ましい。例えば、
図13において、定義T004と定義T005では設定対象が「勤務地手当」と同じである(要するに適用可能な定義が複数存在する)。この場合、定義マスタを参照すると、定義T004の実行順は1であり定義T005の実行順は2であるので(
図2参照)、実行順の小さい方からセットするのが好ましい。具体的には、実行順=1である定義番号T004のSEQ=1の設定対象項目「給与区分」に設定値「時給者」をセットし、つぎに、実行順=1である定義番号T004のSEQ=2の設定対象項目「勤務地手当」に設定値「0円」をセットし、最後に、実行順=2である定義番号T005のSEQ=1の設定対象項目「勤務地手当」に設定値「5,000円」をセットする。このようにして、
図9に示すように、社員コードS001の社員情報登録画面で、給与区分に時給者をセットし、勤務地手当に5000円をセットすることにより、入力値設定を行う。
【0059】
[3.実施形態のまとめ、および他の実施形態]
以上、本実施形態によれば、社員コードS001の社員情報登録画面において、社員区分の項目に入力値として「002(パート)」が入力されると、定義条件マスタを参照して、「社員区分」を条件対象項目として含む定義を全て取得し、取得した各定義に対して、当該画面に表示されているデータを基に、条件対象項目、比較条件、及び比較値で構成される条件を満たすか否かを判定し(1つの定義に複数の条件が含まれる場合は全ての条件を満たすか否かを判定し)、条件を満たすと判定された定義について、定義詳細マスタを参照して、当該定義と紐付く設定対象項目及び設定値を取得し、取得された設定対象項目及び設定値から、当該画面に含まれる当該取得した設定対象項目と同じ項目に当該取得した設定値を入力値として設定する。これにより、一項目の入力値に応じた他項目への入力値設定の制御を実現することができる。
【0060】
また、本実施形態によれば、従来は他項目への初期値設定を行いたい場合に各物件でカスタマイズが必要だったが、上記の機能で定義を作成することで実装可能になり開発工数低減となる。この機能により入力が自動化されることで、オペレータの作業負荷が軽減するので、入力ミスを防ぐことが期待できる。更に、定義を登録する画面を個別入力画面と同じデザインで作成することで、視覚的に初期値の定義登録を行うことが容易となる。
【0061】
なお、本実施形態は、オペレータ種別単位に初期値の定義を作成することができる。1オペレータ種別に設定可能な設定対象、設定値は複数設定可能である。また、オペレータの属性情報を元にオペレータ種別を抽出する条件を汎用的に定義可能である。
【0062】
また、本実施形態は、入力画面のイメージを用いて定義登録を可能としており、マスタ登録作業をしやすい仕組みを用意している。すなわち、同一画面で実現出来るように画面作成をしている。
【0063】
本実施形態は、条件対象項目として使用可能な項目はマスタ登録を可能としており、画面上の入力値をログインしているユーザの属性情報をもとに制御している。初期値をセットするトリガーは、例えば、入力項目からフォーカスが抜けたタイミングで固定されているが、セットするタイミングまで制御してもよい。
【0064】
また、社員属性情報が増えた場合、すなわちマスタデータテーブルが増えた場合でも、社員コードで抽出することができるマスタデータテーブルであれば増やすことができる。社員属性だけなく、例えば取引先属性から制御するなど、抽出する上でのキーとなる情報が汎用的になり他の情報まで制御できてもよい。
【0065】
本実施形態では、社員情報及び画面の入力値を元に画面の入力初期値を制御しているが、抽出条件及び設定値について、既に管理している社員情報だけでなく、管理する社員情報が増えたとしてもマスタデータテーブル管理で対応可能である。マスタデータテーブルが追加される場合でも、複数定義がヒットした場合には、マスタデータテーブルで設定された優先順位をもとに順に処理を行うことができる。
【0066】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0067】
例えば、上述した実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0068】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0069】
また、情報管理装置の構成に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0070】
例えば、各構成要素が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報管理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて各装置に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0071】
また、このコンピュータプログラムは、Webサーバに対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0072】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0073】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0074】
記憶部に格納される各種のDB等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0075】
また、本発明の情報管理装置は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、Webサーバは、当該Webサーバに本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0076】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。