(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、被施療部からの負荷の変化により前記モータの回転速度が一のレベルから他のレベルに低下したことを前記センサが検出すると、前記モータの回転方向を反転させる、又は前記モータの駆動を停止させるよう制御することを特徴とする請求項7に記載のマッサージ機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のマッサージ機では、縦ねじりバネは施療子を被施療部に近接させる方向に付勢するものではないため、例えば体格の小さな使用者に対しては、良好な揉みマッサージを行うことができない恐れがある。そこで本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、体格に関わらず良好な揉みマッサージを行うことができるマッサージユニット及びこのマッサージユニットを有するマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、施療子と、前記施療子を支持するアームと、前記アームを支持するとともに前記施療子を被施療部に対して近接又は離反させる駆動軸と、前記施療子が所定以上の力で被施療部に接触したときに被施療部から離反する方向に動作可能とする可動部と、前記施療子を前記近接方向に付勢する付勢手段と、を有することを特徴とする。
このような構成とすることにより、施療子を被施療部側に付勢した状態で揉みマッサージを行うことができ、施療子が所定以上の力で被施療部に接触したときには被施療部から離反する方向に動作するため、体格差に関わらず良好な揉みマッサージを行うことができる。
【0006】
また、前記アームは、前記駆動軸に支持された第1アームと、前記第1アームに前記可動部を介して支持された第2アームと、前記第1アームに対して前記第2アームを回動可能に連結する前記可動部としての回動軸と、を有し、前記付勢手段は、前記施療子を被施療部に近接させる方向に前記第2アームの回動を付勢することが好ましい。
このような構成とすることにより、適切な押圧力となるようにアームが自然と回動する。
【0007】
また、前記付勢手段は、前記第1アームと前記2アームの間に介在させた弾性部材を有することが好ましい。
このような構成とすることにより、適切な押圧力となるようにアームが自然と回動する。
【0008】
また、前記付勢手段は、前記第2アームの前記施療子側と反対側である基部を引っ張る弾性部材を有することが好ましい。
このような構成とすることにより、適切な押圧力となるようにアームが自然と回動する。
【0009】
また、前記駆動軸の軸心に対して傾斜した傾斜軸を有し、前記アームは、前記傾斜軸を介して前記駆動軸に支持されているとともに、被施療部側に向かって延設されており、前記駆動軸の回転による前記アームの動作を該駆動軸の軸方向を主成分とする方向に規制する規制部材を有し、前記駆動軸と前記回動軸は、その軸方向が交差するよう配置されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、駆動軸の回転によるアームの動作と、回動軸回りのアームの動作と、の方向を略一致させることができる。
【0010】
また、前記施療子と前記アームは対をなしており、前記駆動軸の回転により対をなす前記施療子が互いに近接離反することが好ましい。
このような構成とすることにより、対の施療子により揉みマッサージを行うことができる。
【0011】
また、前記施療子に対向する対向面を有し、前記施療子は前記対向面に対して近接離反することが好ましい。
このような構成とすることにより、施療子と対向面により揉みマッサージを行うことができる。
【0012】
また、前記施療子に向かって膨張可能であるエアセルを有することが好ましい。
このような構成とすることにより、施療子とエアセルにより揉みマッサージを行うことができる。
【0013】
また、施療子と、前記施療子を支持するアームと、前記アームを支持するとともに前記施療子を被施療部に対して近接又は離反させる駆動軸と、前記駆動軸を回転駆動させるモータと、前記モータの駆動を制御する制御部と、前記モータの回転速度について複数のレベルを検出可能であるセンサと、を有し、前記各レベルに対応した前記モータの目標回転速度が記憶されており、前記制御部は、被施療部からの負荷の変化により前記モータの回転速度が一のレベルから他のレベルに低下したことを前記センサが検出すると、他のレベルに対応する目標回転速度を新たに設定し、前記モータの回転速度を低下させるよう制御することを特徴とする。
このような構成とすることにより、モータの回転速度の変化によって、被施療部から施療子に加わる負荷の変化を検出することができる。そして、被施療部から施療子に加わる負荷に応じて揉みマッサージの速度を変化させるため、体格差に関わらず良好な揉みマッサージを行うことができる。
【0014】
また、前記制御部は、被施療部からの負荷の変化により前記モータの回転速度が一のレベルから他のレベルに低下したことを前記センサが検出すると、前記モータの回転方向を反転させる、又は前記モータの駆動を停止させるよう制御することが好ましい。
このような構成とすることにより、被施療部から施療子に加わる負荷に応じて揉みマッサージを弱める、又は揉みマッサージを停止させることができるため、良好な揉みマッサージを行うことができる。
【0015】
また、前記モータは、ブラシレスモータ又はサーボモータであることが好ましい。
このような構成とすることにより、モータの回転速度を細かく制御することができる。
【0016】
また、前記マッサージユニットを有するマッサージ機において、膨張することにより前記施療子と被施療部を近接させるエアセルと、前記エアセルに対してエアを給排気する給排気装置と、を有し、前記モータの回転速度が所定のレベルまで低下又は上昇したことを前記センサが検出すると、前記制御部は前記給排気装置によるエアの排気又は給気を行うことが好ましい。
このような構成とすることにより、被施療部から施療子に加わる負荷に応じてエアセルの状態を変化させるため、体格差に関わらず良好な揉みマッサージを行うことができる。
【0017】
また、前記施療子は、使用者の下肢をマッサージ可能であることが好ましい。
このような構成とすることにより、下肢をマッサージできる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、体格に関わらず良好な揉みマッサージを行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[マッサージ機の全体構成]
以下、本発明のマッサージ機1の全体構成について説明する。
なお、以下の説明で用いる方向の概念は、マッサージ機1に着座した使用者から見て、身長方向における頭部側を「上」、身長方向における足先側を「下」、身体の表側(例えば、顔、胸、腹又はすね側)を向く方向を「表」、身体の裏側(例えば、後頭部、背中、腰又はふくらはぎ側)を向く方向を「裏」、左手側を「左」、右手側を「右」と規定し、その他の場合は適宜説明するものとする。
【0021】
図1は本発明の一実施形態に係る起立姿勢のマッサージ機1の斜視図である。
図2は起立姿勢のマッサージ機1の右側面図である。
図3はリクライニング姿勢のマッサージ機1の右側面図である。
図4は椅子本体2の斜視図である。
図5は
図4に示す椅子本体2の背面図である。
図6は椅子本体2の斜視図である。
図7は
図6に示す椅子本体2の底面図である。
図8は右側の第1フレーム10の斜視図である。
図9は右側のガイドレール26の斜視図である。なお、
図6及び
図7では、身体載置部21及びバックカバー40を省略して図示している。
【0022】
図1〜
図3に示すとおり、本発明のマッサージ機1は、主として、使用者が着座する座部3と、座部3の後部に設けられた使用者が凭れる背凭れ部4と、座部3の前部に設けられた使用者の下肢を支持するフットレスト5と、を備えた椅子本体2と、椅子本体2を床面から所定の高さで支持する脚フレーム6と、椅子本体2の各種動作を制御する制御部7と、マッサージ機1の各種操作を行うコントローラC(
図17参照)と、を有している。椅子本体2は、使用者の身体を支持する身体支持部として機能する。本実施形態では、座部3、背凭れ部4及びフットレスト5は一体的に構成されているが、座部3と背凭れ部4は別体として分離していてもよいし、座部3とフットレスト5は別体として分離していてもよい。椅子本体2には、揉みマッサージ及び/又は叩きマッサージを行うマッサージユニット8が設けられている。マッサージユニット8は、身長方向に沿って移動可能であり、背凭れ部4から座部3を経由してフットレスト5まで移動可能であることが好ましい。なお、座部3の左右両側には、使用者の腕部を載置する肘掛け部(図示せず)が設けられていてもよい。
【0023】
椅子本体2は、左右方向を軸方向とする枢軸A1を介して脚フレーム6に連結されている。また、椅子本体2と脚フレーム6の間には、椅子本体2を前後方向にリクライニングさせるアクチュエータ9が設けられている。このアクチュエータ9は、伸縮動作する直動式のアクチュエータにより構成されている。アクチュエータ9が伸縮動作することにより、椅子本体2は
図2に示す起立姿勢から
図3に示すリクライニング姿勢までの間の任意の位置で停止できるようになっている。アクチュエータ9の駆動は制御部7により制御される。
【0024】
[椅子本体の構成]
図4〜
図8に示すとおり、椅子本体2(身体支持部)は、主として、左右で対をなして左右方向に板面を有する板状の金属よりなる第1フレーム10と、第1フレーム10に固着され左右方向に所定の厚みを有する樹脂よりなる第2フレーム20と、左右の第1フレーム10を連結する第3フレーム30と、マッサージユニット8を裏側から覆うバックカバー40と、マッサージユニット8を表側から覆う伸縮性を有する生地等よりなるフロントカバー(図示せず)と、を有している。本実施形態では、バックカバー40は、樹脂を用いたインジェクション成形により構成されているが、樹脂を用いた真空成型により構成してもよいし、第1フレーム10と同様に板状の金属により構成してもよい。
【0025】
[第1フレームの構成]
図8に示すとおり、第1フレーム10は、背凭れ部4に対応する位置に設けられた上部第1フレーム10aと、座部3及びフットレスト5に対応する位置に設けられた下部第1フレーム10bと、に分離している。上部第1フレーム10aは、側面視において腰部に対応する位置で前方へ若干隆起した形状である。下部第2フレーム10bは、側面視において膝部に対応する位置で下方に屈曲した形状である。すなわち、第1フレーム10の表側は、椅子本体2に着座する使用者の身体の裏側に沿った形状となっている。
【0026】
第1フレーム10は、左右方向に板面を有する側部11と、側部11の表裏方向における両端部から左右方向へ延設された延設部12と、を有している。側部11には、側面視で略三角形の凸部又は凹部よりなるリブ13が形成されており、第1フレーム10の強度確保に寄与している。延設部12は、表側から左右外側へ延設された第1延設部12aと、裏側から左右内側へ延設された第2延設部12bと、を有している。この延設部12は、第1フレーム10の左右方向の強度確保に寄与している。すなわち、第1フレーム10が左右方向へ変形することを防止できる。延設部12及びリブ13は、単一の金属板をプレス加工することにより、まとめて形成することができる。従って、延設部12は、側部11の身長方向における全長に亘って形成されている。
【0027】
上述したとおり、第1フレーム10は左右方向に板面を有する板状の金属により構成されているため、プレス加工によって容易に曲げることができ、リブ13も容易に形成することができる。従って、椅子本体2を安価に製造できる。また、第1フレーム10の周囲に外装を構成する部材(例えば、樹脂等よりなる外装パネル)を別途必要とせず、部品点数を削減できる。また、使用者の重量が大きく作用する左右方向と直交する方向(表裏方向)の強度を確保できる。
【0028】
[第2フレーム(身体載置部)の構成]
図4〜
図9に示すとおり、第2フレーム20は、使用者の身体が載置される身体載置部21と、マッサージユニット8の身長方向に沿った移動をガイドするガイドレール26と、を有している。本実施形態では、身体載置部21及びガイドレール26は、樹脂により構成されているが、少なくともいずれか一方が樹脂により構成されていればよい。樹脂には、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)又はチップウレタン等様々な樹脂材料が含まれる。
【0029】
身体載置部21は、身長方向に延設された左右で対をなす第1部分22と、左右方向に延設された第2部分23a〜23cと、を有している。
図5及び
図6に示すとおり、第1部分22は、左右の第1フレーム10における第1延設部12aに固着されている。具体的には、第1部分22は、第1延設部12aの表側に載置された状態で裏側からネジ止めされている。
図4に示すとおり、第1部分22は、第1フレーム10と同様に、背凭れ部4に対応する位置に設けられた上部第1部分22aと、座部3及びフットレスト5に対応する位置に設けられた下部第1部分22bと、に分離している。上部第1部分22aは、側面視において腰部に対応する位置で前方へ若干隆起した形状である。下部第1部分22bは、側面視において膝部に対応する位置で下方に屈曲した形状である。すなわち、第1部分22の表側は、椅子本体2に着座する使用者の裏側に沿った形状である。
【0030】
第1部分22は、左右内側が第1延設部12aに固着されており、第1延設部12aの左右寸法よりも長寸である。すなわち、身体載置部21は、左右方向に所定の厚みを有している。第1延設部12aは、側部11の表側から左右外側へ延設されているため、左右で対をなす第1部分22を離反して配置することができる。従って、身体載置部21の左右寸法を大きくしなくても、身体載置部21により身体(特に身体の側部)を安定して支持することができる。また、第2フレーム20は左右方向に所定の厚みを有する樹脂により構成されているため、椅子本体2の左右方向の強度を確保することができる。換言すると、板状の金属よりなる第1フレーム10が左右方向へ変形することを防止できる。
【0031】
図4〜
図6に示すとおり、第2部分23a〜23cは、左右の第1フレーム10における第1延設部12aに固着されている。具体的には、第2部分23a〜23cは、第1延設部12aの表側に載置された状態で裏側からネジ止めされている。第2部分23a〜23cは、頭部側と脚先側に設けられている。頭部側の第2部分23a,23bは、背凭れ部4の上面を構成する第2部分23aと、背凭れ部4の前面を構成する第2部分23bと、を有している。第2部分23aは、第1部分22と一体的に構成されている。第2部分23bは、第1部分22とは別体の部材であり、その外側面が第1部分22の内側面に当接して設けられている。第2部分23bは、身体(特に頭部)を支持することができる。脚先側の第2部分23cは、第1部分22と一体的に構成されている。第2部分23cは、身体(特に下肢)を支持することができる。また、第2部分23cは、左右の下肢を振り分けて支持できるように、身長方向に直交する断面が凹状である凹部24が左右で対をなして形成されている。
【0032】
左右方向に延設された第2部分23a,23cが第1部分22と一体的に構成されていること、及び/又は左右方向に延設された第2部分23bが第1部分22の内側面に当接して設けられていることにより、左右方向に離反して配置された対の第1フレーム10が、使用者の重量によって左右内側又は外側へ傾くことを防止できる。すなわち、椅子本体2の左右方向の強度を確保することができる。また、身体載置部21は、身長方向に延設された左右で対をなす第1部分22と、左右方向に延設された頭部側及び脚先側の第2部分23a〜23cと、により、表裏方向に開口する開口25が形成されている。そして、身体載置部21に載置された身体の裏側に対して、開口25を通じてマッサージユニット8によりマッサージを行うことができる。
【0033】
[第2フレーム(ガイドレール)の構成]
図6及び
図9に示すとおり、ガイドレール26は、身長方向に沿って延設されており、左右の第1フレーム10における側部11に固着されている。具体的には、ガイドレール26は、側部11の内側面に当接した状態で左右外側からネジ止めされている。ガイドレール26は、背凭れ部4、座部3及びフットレスト5それぞれに対応する位置に設けられており、座部3及び背凭れ部4の境界近傍と、座部3及びフットレスト5の境界近傍と、には、湾曲部26aを有している。従って、マッサージユニット8は、背凭れ部4から座部3を経由してフットレスト5までの間をガイドレール26に沿って移動可能である。
【0034】
ガイドレール26は、身長方向に直交する断面が、左右内側に開口する略コの字型に形成されている。具体的には、ガイドレール26は、側部11に当接する第1壁部26bと、第1壁部26bの一端部から左右内側へ立設された第2壁部26cと、第1壁部26bの他端部から左右内側へ立設された第3壁部26dと、を有している。すなわち、ガイドレール26は、左右方向に所定の厚みを有している。
図9及び
図10に示すとおり、第3壁部26dの表側には、マッサージユニット8が有するピニオン86が係合するラック26fが設けられている。また、第3壁部26dの裏側は、マッサージユニット8が有するガイドローラ87が転動する転動面となっている。すなわち、ピニオン86とガイドローラ87により第3壁部26dを挟持している。マッサージユニット8は、ピニオン86が回転すると身長方向に沿って移動することができる。
【0035】
上述したとおり、第2フレーム20は左右方向に所定の厚みを有する樹脂により構成されているため、椅子本体2の左右方向の強度を確保することができる。また、板状の金属よりなる第1フレーム10と樹脂よりなる第2フレーム20を組み合わせて椅子本体2を構成しているため、金属のパイプ材を組み合わせた従来の椅子本体(のフレーム)に比べて軽量化することができる。また、第2フレーム20を第1フレーム10にネジ止めしているため、溶接作業を削減できる。
【0036】
[第3フレームの構成]
図6及び
図7に示すとおり、椅子本体2は、左側の第1フレーム10から右側の第1フレーム10に亘って架設された第3フレーム30を有している。第3フレーム30は、第1フレーム10と同様に板状の金属より構成されており、左右の第1フレーム10同士を連結している。第3フレーム30は、身長方向に複数設けられており、具体的には、背凭れ部4に対応する位置に2つ、座部3に対応する位置に1つ、フットレスト5に対応する位置に1つ、座部3と背凭れ部4の境界近傍に1つ設けられている。背凭れ部4、座部3及びフットレスト5に対応する位置の第3フレーム30aは、第1フレーム10の第2延設部12bに裏側からネジ止めにより固着されている。座部3と背凭れ部4の境界に対応する位置の第3フレーム30bは、第1フレーム10の側部11及び第1延設部12aに左右外側及び上側からネジ止めにより固着されており、上部第1フレーム10aと下部第1フレーム10bを連結している。この第3フレーム30bの左右外側には、椅子本体2と脚フレーム6を連結する枢軸A1が設けられている。また、第3フレーム30bの裏側であって左右略中央には、アクチュエータ9を連結するブラケット31が設けられている。
【0037】
左側の第1フレーム10から右側の第1フレーム10に亘って架設された第3フレーム30により、左右方向に離反して配置された対の第1フレーム10が、使用者の重量によって左右内側又は外側へ傾くことを防止できる。すなわち、椅子本体2の左右方向の強度を確保することができる。バックカバー40は、第1フレーム10及び第3フレーム30に固着されている。具体的には、第1フレーム10の第2延設部12bに裏側からネジ止めされるとともに、第3フレーム30に裏側からネジ止めされている。バックカバー40により、マッサージユニット8を裏側から覆うことができる。
【0038】
[マッサージユニットの構成]
以下、マッサージユニット8の構成について説明する。なお、本実施形態のマッサージユニット8は、使用者の下肢をマッサージするのに適した構造であるため、下肢を被施療部とする場合を例示して説明するが、被施療部として下肢に代えて他の部位とすることも当然可能である。
図10はマッサージユニット8の斜視図である。
図11はマッサージユニット8の正面図である。
図12はマッサージユニット8の平面図である。
図13はフレーム82の斜視図である。
図14は部品の一部を省略したフレーム82の斜視図である。
図15は施療子83及びアーム84の底面図である。
図16は駆動軸92及び傾斜軸93の正面図である。
図17はマッサージ機1のブロック図である。
図18はモータM2を出力軸M2aの軸方向から見た図である。
【0039】
マッサージユニット8は主として、ベースフレーム81と、ベースフレーム81に支持されたフレーム82と、施療子83と、施療子83を支持する左右で対をなすアーム84と、アーム84を駆動させる駆動機構85と、を有している。また、マッサージユニット8は、前述した制御部7によって動作が制御される。
【0040】
図10〜
図12に示すとおり、ベースフレーム81は、底壁81aと、底壁81aの左右両側から表側に向かって立設された側壁81bと、底壁81aの下側から表側に向かって立設された下壁81cと、底壁81aの上側から表側に向かって立設された上壁81dと、を有しており、表側が開口した箱型をなしている。ベースフレーム81の側壁81bには、ガイドレール26が有するラック26fに噛合するピニオン86と、ガイドレール26内を走行するガイドローラ87と、が設けられている。ピニオン86及びガイドローラ87は、上下方向に所定距離を空けて複数(本実施形態では2個)設けられている。下側のピニオン86は、モータ(昇降モータ)M1に連結されており、モータM1の駆動により回転駆動される。
【0041】
図12〜
図14に示すとおり、箱形のベースフレーム81の内部には、フレーム82が設けられている。フレーム82は、ベースフレーム81の底壁81aに対向する面を有する底壁88と、左右の施療子83に対向する対向面89aを有する中間壁89と、を有している。底壁88の表側には、駆動機構85を収容するケース90が設けられている。駆動機構85は、モータ(マッサージモータ)M2と、モータM2の駆動力を減速して伝達するウォームギヤ等よりなる減速器91と、減速器91を介してモータM2に連結された左右方向を軸方向とする駆動軸92と、を有している。駆動軸92の左右両端には、駆動軸92の軸心92aに対して傾斜した傾斜軸93が設けられている。
図16に示すとおり、左右の傾斜軸93は、表側から見て略ハの字となるように軸方向が交差している。傾斜軸93には、ベアリング94を介してアーム84(後述する第1アーム95)が回動可能に支持されている。
【0042】
図13〜
図15に示すとおり、アーム84は左右で対をなしており、傾斜軸93に回動可能に支持された第1アーム95と、第1アーム95に可動部97を介して支持された第2アーム96と、により構成されている。これらのアーム84は、略左右方向に板面を有する鉄板等よりなる板材により構成されており、表側に向かって延設されている。アーム84は、傾斜軸93に支持されているため、駆動軸92が回転すると三次元的に回動することとなる。また、アーム84の動作を規制する規制部材98が設けられている。
【0043】
規制部材98は、底壁88に設けられたガイド溝98aと、第1アーム95に設けられたガイド溝98aに嵌合するスライダ98bと、を有している。ガイド溝98aは、底壁88の表側に設けられており、表側に開口した左右方向に長寸の溝が形成されている。スライダ98bは、第1アーム95から裏側に向かって延設された先端に球状部材を有するガイドピンである。規制部材98によりアーム84は、駆動軸92との共回りが規制され、左右方向を主成分とする動作に規制される。駆動軸92が回転すると、下肢との関係では施療子83は下肢に対して近接又は離反し、左右で対をなす施療子83同士の関係では互いに近接又は離反する。
【0044】
第1アーム95は、表裏方向における中途部に位置する屈曲部95aと、屈曲部95aを挟んで裏側に位置する基部95b及び表側に位置する先部95cと、を有している。そして、基部95bが傾斜軸93を介して駆動軸92に支持されており、先部95cが左右外側へ開いている。第1アーム95の先部95cは、上下方向に開口する孔を有するブラケット95dを有している。第1アーム95には、第2アーム96が左右方向に回動可能として支持されている。第2アーム96は、表裏方向における中途部に位置する屈曲部96aと、屈曲部96aを挟んで裏側に位置する基部96b及び表側に位置する先部96cと、を有している。屈曲部96aの近傍には、上下方向に開口する孔を有するブラケット96dを有している。第1アーム95の先部95cが有する板面と、第2アーム96の基部96bが有する板面と、が互いに対向するように、第1アーム95と第2アーム96が連結されている。第2アーム96の先部96cには、施療子83が左右方向の回転軸A2回りに回転可能として支持されている。施療子83は、上下方向に複数(本実施形態では2個)設けられている。
【0045】
第1アーム95及び第2アーム96が有するブラケット95d,96dを上下方向に重ねた状態で、上下方向を軸方向とする回動軸A3がブラケット95d,96dが有する孔に挿通されている。つまり、ブラケット95d,96d及び回動軸A3は、第2アーム96を左右方向へ回動可能とする可動部97として機能する。このようにして、第2アーム96は、可動部97を介して第1アーム95に支持されている。従って、施療子83が所定以上の力で下肢に接触したときに、第2アーム96及び施療子83は、例えば、
図15の実線で示す位置から二点鎖線で示す位置まで下肢から離反する方向に動作可能であるため、体格差に関わらず良好な揉みマッサージを行うことができる。また、駆動軸92は左右方向を軸方向とし、回動軸A3は上下方向を軸方向としており、その軸方向が交差している。このような構成とすることにより、駆動軸92の回転によるアーム84の動作と、回動軸A3回りのアーム84の動作と、の方向を左右方向に略一致させることができる。
【0046】
図15に示すとおり、アーム84には、施療子83を下肢に対して近接する方向に付勢する付勢手段100が設けられている。本実施形態では、2種類の付勢手段100が設けられている。第1の付勢手段100として、第1アーム95と第2アーム96の間に介在させたゴム等よりなる弾性部材101が設けられている。この弾性部材101は、可動部97よりも裏側であって、第1アーム95の先部95cと第2アーム96の基部96bの間に設けられている。弾性部材101の復元力により第2アーム96の基部96bを左右外側へ押動することで、施療子83を下肢に対して近接する方向に付勢している。
【0047】
第2の付勢手段100として、第1アーム95と第2アーム96を連結する引っ張りバネ等よりなる弾性部材102が設けられている。本実施形態では、可動部97よりも裏側であって、第1アーム95の基部95bと第2アーム96の基部96bを連結しているが、連結箇所はこれに限られない。例えば、弾性部材102は、第2アーム96とベースフレーム81又はフレーム82を連結してもよい。また、前述した2種類の弾性部材101,102のうち、いずれか一方だけを設けていてもよい。
【0048】
図10〜
図13に示すとおり、ケース90の表側には、左右の施療子83に対向する対向面89aを有する中間壁89が設けられている。すなわち、中間壁89は、左右の施療子83の間に設けられている。そして、施療子83と中間壁89の間に下肢を位置させてマッサージを行う。中間壁89は、左右の対向面89aが表側から裏側に向かうにつれて左右外側に位置するよう、上方から見て略三角形に構成されている。対向面89aには、エアの給排気により膨張収縮するエアセル105が設けられている。エアセル105は、裏側が対向面89aに固定され、
図12の二点鎖線で示すとおり表側が展開するように施療子83に向かって膨張するよう構成されていることが好ましい。施療子83の左右内側への動作と、エアセル105の左右外側(施療子83側)への膨張と、により下肢を挟持することができる。また、エアセル105に代えて又は加えてウレタン等よりなるクッション材(図示せず)を対向面89aに設けてもよい。
【0049】
また、施療子83は表裏方向に進退可能に構成されていることが好ましい。
図13に示すとおり、本実施形態では、マッサージユニット8はベースフレーム81に対してフレーム82が表裏方向に移動可能であり、フレーム82を進退駆動させる進退駆動部106と、フレーム82の移動をガイドするリンク107と、を有している。進退駆動部106は、エアの給排気により膨張収縮することでフレーム82を進退駆動させるエアセルであることが好ましいが、エアセルに限られず、モータにより駆動するものであってもよい。進退駆動部106としてのエアセルは、ベースフレーム81の底壁81aとフレーム82の底壁88との間に設けられており、膨張することによりフレーム82を表側へ押動する。すなわち、エアセル106は施療子83よりも裏側に設けられている。
【0050】
エアセル106を収縮させると、フレーム82は身体からの荷重により裏側へ後退する。ベースフレーム81とフレーム82を引っ張りバネ等により連結して、フレーム82を裏側へ常時付勢していてもよい。なお、進退駆動部106は上述した配置に限られない。例えば、進退駆動部106はアーム84に設けられていてもよい。この場合、フレーム82ではなくアーム84を進退させることにより、施療子83を表裏方向に進退させることができる。
【0051】
図17に示すとおり、マッサージユニット8は駆動系として、マッサージユニット8を身長方向に移動させるモータM1と、駆動軸92を回転させることにより施療子83を下肢に対して近接又は離反させるモータM2と、中間壁89に設けられたエアセル105及び/又は進退駆動部としてのエアセル106に対してエアを給排気する給排気装置14と、を有しており、それぞれがプログラマブルなマイコン等よりなる制御部7に電気的に接続されて駆動制御される。モータM1,M2は、ブラシレスモータ又はサーボモータとすれば、モータM1,M2の回転速度を細かく制御することができる。
【0052】
また、下肢から施療子83に加わる負荷を直接又は間接的に検出するセンサ15,16が設けられている。本実施形態では、2種類のセンサ15,16が設けられているが、少なくともいずれか一方が設けられていればよい。第1のセンサ15としては、モータM2に設けられている。センサ15は、モータM2の回転速度を検出することにより下肢から施療子83に加わる負荷を間接的に検出する。下肢から施療子83に加わる負荷の変化は、モータM2の回転速度の変化となって現れる。すなわち、駆動軸92の回転により施療子83を下肢に当接した状態から更に下肢側へ移動させていくと、モータM2の回転速度は減少する。一方、駆動軸92の回転により施療子83を下肢に当接した状態から離反させていくと、モータM2の回転速度は増加する。
【0053】
図18に示すとおり、センサ15は、モータM2の出力軸M2aの周囲に設けられた複数(本実施形態では5個)の非接触式の検出部15aと、モータM2の出力軸M2aに設けられた検出部15aによって存否が検出される磁石等よりなる被検出部15bと、を有している。検出部15aは、被検出部15bを有する出力軸M2aの回転位置を検出することができる。より具体的には、出力軸M2aの回転位置を複数箇所(本実施形態では5箇所)把握することができる。そして、センサ15は、所定時間内における出力軸M2aの回転位置の変化量からモータM2の回転速度を検出する。
【0054】
図15に示すとおり、第2のセンサ16としては、アーム84に設けられている。具体的には、センサ16は、第1アーム95の先部95cと第2アーム96の基部96bの間に設けられている。センサ16は、下肢から施療子83に加わる負荷を直接的に検出する圧力センサ又は感圧センサ等により構成されている。駆動軸92の回転により施療子83を下肢に当接した状態から更に下肢側へ移動させていくと、第2アーム96は、下肢からの反力により回動軸A3を中心として回動し、基部96bが第1アーム95の先部95cに近接する。従って、センサ16が検出する圧力は大きくなる。一方、駆動軸92の回転により施療子83を下肢に当接した状態から離反させていくと、第2アーム96は、付勢手段100の付勢力により回動軸A3を中心として回動し、基部96bが第1アーム95の先部95cから離反する。従ってセンサ16が検出する圧力は小さくなる。
【0055】
以下、マッサージユニット8の動作制御について、モータM2の回転速度を検出するセンサ15に基づいて行う場合を
図19を参照して説明する。
図19はセンサ15の検出結果に応じてモータM2及び給排気装置14の制御を説明する図である。
センサ15は、モータM2の回転速度について複数のレベルを検出可能である。具体的には、センサ15によるモータM2の検出回転速度は、5段階のレベルが設定されており、各レベルにおいて所定の範囲を有している。レベルが高くなるに従って、モータM2の検出回転速度は速く設定されている。制御部7が有するメモリ(図示せず)には、モータM2の検出回転速度の各レベルに対応したモータM2の目標回転速度が記憶されている。制御部7は、モータM2の回転速度が目標回転速度と一致するようにモータM2の駆動を制御するが、被施療部からの負荷の変化によりモータM2の回転速度が一のレベルから他のレベルに低下したことをセンサ15が検出すると、他のレベルに対応する目標回転速度を新たに設定し、モータM2の回転速度を低下させるよう制御する。なお、目標回転速度は、センサ15の検出結果に基づいて変更するだけでなく、予め定められたプログラムに従って時系列に沿って変更するよう構成されている。従って、人の手を模擬した良好なマッサージを行うことができる。
【0056】
以下、例を挙げて具体的に説明する。制御部7が、目標回転速度を28回転/秒としてモータM2を正転させてマッサージを行っている過程で、施療子83が被施療部に対して近接することにより被施療部から施療子83に加わる負荷が増加して、モータM2の検出回転速度がレベル4に対応する下限値である26回転/秒を下回ると、目標回転速度をレベル3に対応する23回転/秒に設定してモータM2を駆動する。更にモータM2の検出回転速度が低下し、レベル3に対応する下限値である21回転/秒を下回ると、目標回転速度をレベル2に対応する18回転/秒に設定してモータM2を駆動する。更にモータM2の検出回転速度が低下し、レベル2に対応する下限値である16回転/秒を下回ると、モータM2の回転方向を反転させて施療子83を被施療部から離反させる。この際、目標回転速度はレベル1に対応する28回転/秒に上昇させている。上述したようにモータM2を駆動することにより、施療子83を被施療部に当接した状態からゆっくりと押し込み、その後素早く被施療部から離反させることができ、人の手を模擬しためりはりのあるマッサージを実現できる。なお、モータM2の検出回転速度が所定値(例えば、レベル2に対応する下限値である16回転/秒)を下回ると、モータM2の回転方向を反転させるのに代えて、駆動を一時的に停止させてもよい。このように動作させることにより、施療子83を被施療部に当接した状態からゆっくりと押し込み、その後一定時間その状態を維持することができ、人の手を模擬した味のあるマッサージを実現できる。
【0057】
また、制御部7は、被施療部から施療子83に加わる負荷が所定値まで増加又は減少したことをセンサ15が検出すると、給排気装置14によるエアの排気又は給気を行ってエアセル105,106の動作を制御する。以下、例を挙げて具体的に説明する。制御部7が、目標回転速度を23回転/秒としてモータM2を正転させてマッサージを行っている過程で、施療子83が被施療部に対して近接することにより被施療部から施療子83に加わる負荷が増加して、モータM2の検出回転速度がレベル3に対応する下限値である21回転/秒を下回ると、エアセル105,106内のエアを排気するよう給排気装置を駆動する。
【0058】
一方、制御部7が、目標回転速度を18回転/秒としてモータM2を正転させてマッサージを行っている過程で、目標回転速度を上昇させて、モータM2の回転速度がレベル2に対応する上限値である20回転/秒を上回ると、エアセル105,106内へエアを給気するよう給排気装置14を駆動する。つまり、モータM2の回転速度が所定の速度まで低下したことをセンサ15が検出すると、制御部7はエアを排気するよう給排気装置14を制御する。また、モータM2の回転速度が所定の速度まで上昇したことをセンサ15が検出すると、制御部7はエアを給気するよう給排気装置14を制御する。なお、センサ15の検出結果に応じてエアを給排気する対象は、エアセル105,106の両方でもよいし、いずれか一方であってもよい。
【0059】
以下、マッサージユニット8の動作制御について、被施療部から施療子83に加わる圧力を検出するセンサ16に基づいて行う場合を
図20を参照して説明する。
図20はセンサ16の検出結果に応じてモータM2及び給排気装置14の制御を説明する図である。
センサ16は、被施療部から施療子83に加わる圧力を検出可能である。具体的には、センサ16により検出される圧力は、5段階のレベルが設定されている。レベルが高くなるに従って、検出圧力は低く設定されている。制御部7が有するメモリ(図示せず)には、検出圧力の各レベルに対応したモータM2の目標回転速度が記憶されている。制御部7は、モータM2の回転速度が目標回転速度と一致するようにモータM2の駆動を制御するが、被施療部からの負荷の変化により検出圧力が一のレベルから他のレベルに増加したことをセンサ16が検出すると、他のレベルに対応する目標回転速度を新たに設定し、モータM2の回転速度を低下させるよう制御する。なお、目標回転速度は、センサ16の検出結果に基づいて変更するだけでなく、予め定められたプログラムに従って時系列に沿って変更するよう構成されている。従って、人の手を模擬した良好なマッサージを行うことができる。
【0060】
以下、例を挙げて具体的に説明する。制御部7が、目標回転速度を28回転/秒としてモータM2を正転させてマッサージを行っている過程で、施療子83が被施療部に対して近接することにより被施療部から施療子83に加わる負荷が増加して、センサ16による検出圧力がレベル4に対応する所定値である37kpaを上回ると、目標回転速度をレベル3に対応する23回転/秒に設定してモータM2を駆動する。更に検出圧力が増加し、レベル3に対応する所定値である38kpaを上回ると、目標回転速度をレベル2に対応する18回転/秒に設定してモータM2を駆動する。更に検出圧力が増加し、レベル2に対応する所定値である39kpaを上回ると、モータM2の回転方向を反転させて施療子83を被施療部から離反させる。この際、目標回転速度はレベル1に対応する28回転/秒に上昇させている。上述したようにモータM2を駆動することにより、施療子83を被施療部に当接した状態からゆっくりと押し込み、その後素早く被施療部から離反させることができ、人の手を模擬しためりはりのあるマッサージを実現できる。なお、検出圧力が増加し、例えば、レベル2に対応する所定値である39kpaを上回ると、モータM2の回転方向を反転させるのに代えて、駆動を一時的に停止させてもよい。このように動作させることにより、施療子83を被施療部に当接した状態からゆっくりと押し込み、その後一定時間その状態を維持することができ、人の手を模擬した味のあるマッサージを実現できる。
【0061】
また、制御部7は、被施療部から施療子83に加わる負荷が所定値まで増加又は減少したことをセンサ16が検出すると、給排気装置14によるエアの排気又は給気を行ってエアセル105,106の動作を制御する。以下、例を挙げて具体的に説明する。制御部7が、目標回転速度を23回転/秒としてモータM2を正転させてマッサージを行っている過程で、施療子83が被施療部に対して近接することにより被施療部から施療子83に加わる負荷が増加して、センサ16による検出圧力がレベル3に対応する所定値である38kpaを上回ると、エアセル105,106内のエアを排気するよう給排気装置14を駆動する。
【0062】
一方、制御部7が、目標回転速度を18回転/秒としてモータM2を正転させてマッサージを行っている過程で、施療子83が被施療部から離反することにより被施療部から施療子83に加わる負荷が減少して、センサ16による検出圧力がレベル2に対応する所定値である39kpaを下回ると、エアセル105,106内へエアを給気するよう給排気装置14を駆動する。つまり、圧力が所定値まで増加したことをセンサ16が検出すると、制御部7はエアを排気するよう給排気装置14を制御する。また、圧力が所定値まで減少したことをセンサ16が検出すると、制御部7はエアを給気するよう給排気装置14を制御する。なお、センサ16の検出結果に応じてエアを給排気する対象は、エアセル105,106の両方でもよいし、いずれか一方であってもよい。
【0063】
被施療部に対する施療子83の近接度合いが同じでも、筋肉が硬直していれば被施療部から施療子83に加わる負荷は大きくなり、筋肉が弛緩していれば被施療部から施療子83に加わる負荷は小さくなる。従って、上述した構成とすることにより、モータM2の目標回転速度を予め定められたプログラムに従って時系列に沿って変更しながらマッサージを行う中で、センサ15,16の検出結果に応じて、マッサージ中に変化する筋肉の状態変化、又は使用者毎に異なる筋肉の硬さに応じた強さでマッサージを行うことができる。また、施療子83の被施療部側への移動量が同じでも、使用者の体格が大きければ被施療部から施療子83に加わる負荷は大きくなり、使用者の体格が小さければ被施療部から施療子83に加わる負荷は小さくなる。従って、上述した構成とすることにより、どのような体格の使用者であっても同じ強さでマッサージを行うことができる。また、被施療部に対して施療子83を過剰に作用させることがない。
【0064】
また、本発明のマッサージ機1は、図示する形態に限らず、この発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。
このマッサージユニット8は、被施療部として上半身及び/又は臀部に適用してもよい。この場合、被施療部への無用な干渉を避けるため、中間壁88を取り除くことが好ましい。また、マッサージユニット8を身長方向に沿って複数設けてもよい。例えば、上半身から臀部までの範囲を移動可能である中間壁88を取り除いた第1のマッサージユニット8と、大腿部から下腿までの範囲を移動可能である中間壁88を有する第2のマッサージユニット8と、を設けることが好ましい。また、マッサージユニット8に加えて、給排気装置14によるエアの給排気により膨張収縮して、背中、腰、臀部、下肢等の被施療部を押圧するエアセルを有していてもよい。