特許第6770886号(P6770886)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6770886
(24)【登録日】2020年9月30日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20201012BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   H01L21/304 643A
   H01L21/304 648G
   H01L21/306 D
【請求項の数】14
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-255240(P2016-255240)
(22)【出願日】2016年12月28日
(65)【公開番号】特開2018-107388(P2018-107388A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】仲野 彰義
【審査官】 平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−041727(JP,A)
【文献】 特開2003−051476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/306
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理装置であって、
所定の回転軸線周りに回転可能な回転台と、
前記回転台を前記回転軸線周りに回転させる回転駆動部と、
前記回転台の一方側の表面に設けられ、前記回転台から前記一方側に離れた位置で前記基板を保持する基板保持部材と、
前記回転台の前記一方側の表面に対向する基部を有し、前記基部が前記回転台と前記基板保持部材よって保持される前記基板との間に配設された状態で、前記回転駆動部によって前記回転台とともに回転するプレート部材と、
前記回転台と前記プレート部材との間に、前記プレート部材を温調する温調用流体を供給する温調用流体供給部と、
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
請求項1の基板処理装置であって、
前記プレート部材を、前記回転台より前記一方側の第1位置と、前記第1位置よりも前記基板保持部材にて保持される前記基板の裏面に接近する第2位置との間で移動させる、プレート部材移動機構、
をさらに備える、基板処理装置。
【請求項3】
求項2の基板処理装置であって、
前記プレート部材移動機構は、
前記プレート部材に設けられた第1磁石部と、
前記回転台の他方側に配設され、前記第1磁石部に対して反発力を与える第2磁石部と、
前記第2磁石部を支持するとともに、前記第2磁石部を前記第1磁石部に対して相対的に接近及び離隔させる相対移動機構と、
を備え、前記第1磁石部及び前記第2磁石部の少なくとも一方が、前記回転軸線を中心軸とする円環状に形成されている、基板処理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項の基板処理装置であって、
前記温調用流体を排出する温調用流体排出部、
をさらに備え、
前記プレート部材は、
前記回転台よりも外方の位置おいて、前記回転台よりも大きく広がる前記基部から前記回転台側に向けて張り出す環状に形成された筒状の第1スカート部、を有し、
前記温調用流体排出部は、前記第1スカート部に当たって落下した前記温調用流体を排出する、基板処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項の基板処理装置であって、
前記プレート部材は、前記基板保持部材が挿通される挿通孔が設けられ、かつ、前記基板保持部材に保持される前記基板よりも大きく広がっている、基板処理装置。
【請求項6】
請求項5の基板処理装置であって、
前記プレート部材は、
前記基板保持部材が挿通される前記挿通孔に連続する孔を形成するように、前記基部から前記回転台に向けて張り出す筒状の第2スカート部、を有する、基板処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項の基板処理装置であって、
前記基板保持部材に保持される前記基板と前記プレート部材との間に、裏面処理用の流体を吐出する裏面側ノズル、
をさらに備え、
前記プレート部材の前記回転軸線に重なる位置に貫通孔が形成されており、該貫通孔に前記裏面側ノズルが挿入されている、基板処理装置。
【請求項8】
請求項7の基板処理装置であって、
前記プレート部材は、
前記裏面側ノズルが挿入される前記貫通孔に連続する孔を形成するように、前記基部から前記回転台に向けて張り出す筒状の第3スカート部、を有する、基板処理装置。
【請求項9】
請求項8の基板処理装置であって、
前記温調用流体供給部は、前記プレート部材における前記第3スカート部よりも径方向外側の位置において、前記径方向外側に向けて前記温調用流体を吐出する、基板処理装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項の基板処理装置であって、
前記プレート部材は、ケイ素又は炭化ケイ素を含む材料で形成されている、基板処理装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項の基板処理装置であって、
前記温調用流体が、ヘリウムガスを含む、基板処理装置。
【請求項12】
基板を処理する基板処理方法であって、
(a) 基板を回転台の一方側の表面に設けられた基板保持部材によって保持する工程と、
(b) 前記(a)工程の後、前記基板と前記回転台との間に配設されたプレート部材を前記回転台とともに所定の回転軸線周りに回転させる工程と、
(c) 前記(b)工程において、回転する前記プレート部材及び前記回転台の間に、前記プレート部材を温調する温調用流体を供給する工程と、
を含む、基板処理方法。
【請求項13】
請求項12の基板処理方法であって、
(d) 前記(c)工程の前に、前記プレート部材を、前記回転台の一方側の第1位置から、前記第1位置よりも前記基板に接近する第2位置に移動させる工程、
をさらに含む、基板処理方法。
【請求項14】
請求項13の基板処理方法であって、
(e) 前記(d)工程の後、前記プレート部材を、前記第2位置から前記第1位置に移動させる工程、
をさらに含む、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板を処理する技術に関し、特に、基板を温調する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハなどの基板処理においては、基板を処理液で処理しつつ、基板の温度を昇温又は冷却する温調処理が行われる場合がある。
【0003】
このような基板を温調する技術として、例えば、基板の裏面に向けて高温の薬液やスチームなどを吐出することによって、基板を昇温させる技術がある(例えば、特許文献1)。また、基板の裏面にヒータを接触又は近接させることによって、基板を昇温する技術がある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−038949号公報
【特許文献2】特開2015−162597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術の場合、基板に加熱した薬液などを直接吐出することになるため、使用できる薬液などに制約が生じ得る。
【0006】
また、特許文献2のように、ヒータを用いる場合には、特許文献1のような薬液の制約は生じにくいものの、ヒータを使用することによって、諸問題が発生し得る。
【0007】
例えば、ヒータには、電源ケーブルなどが接続されているため、ヒータ自身を回転させることは困難であった。このため、処理液がヒータに落下した場合、その処理液をヒータ上から排出することが困難であった。したがって、ヒータが基板の裏面に接近していることによって、ヒータで跳ね返ったり蒸発したりした処理液が、基板の裏面を汚染するおそれがあった。
【0008】
そこで、本発明は、基板の汚染を低減しつつ、基板を温調する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、第1態様は、基板を処理する基板処理装置であって、所定の回転軸線周りに回転可能な回転台と、前記回転台を前記回転軸線周りに回転させる回転駆動部と、前記回転台の一方側の表面に設けられ、前記回転台から前記一方側に離れた位置で前記基板を保持する基板保持部材と、前記回転台の前記一方側の表面に対向する基部を有し、前記基部が前記回転台と前記基板保持部材よって保持される前記基板との間に配設された状態で、前記回転駆動部によって前記回転台とともに回転するプレート部材と、前記回転台と前記プレート部材との間に、前記プレート部材を温調する温調用流体を供給する温調用流体供給部とを備える。
【0010】
また、第2態様は、第1態様の基板処理装置であって、前記プレート部材を、前記回転台より前記一方側の第1位置と、前記第1位置よりも前記基板保持部材にて保持される前記基板の裏面に接近する第2位置との間で移動させる、プレート部材移動機構、をさらに備える。
【0011】
また、第3態様は、第2態様の基板処理装置であって、前記プレート部材移動機構は、前記プレート部材に設けられた第1磁石部と、前記回転台の他方側に配設され、前記第1磁石部に対して反発力を与える第2磁石部と、前記第2磁石部を支持するとともに、前記第2磁石部を前記第1磁石部に対して相対的に接近及び離隔させる相対移動機構とを備え、前記第1磁石部及び前記第2磁石部の少なくとも一方が、前記回転軸線を中心軸とする円環状に形成されている。

【0012】
また、第4態様は、第1態様から第3態様のいずれか1つの基板処理装置であって、前記温調用流体を排出する温調用流体排出部、をさらに備え、前記プレート部材は、前記回転台よりも外方の位置おいて、前記回転台よりも大きく広がる前記基部から前記回転台側に向けて張り出す環状に形成された筒状の第1スカート部、を有し、前記温調用流体排出部は、前記第1スカート部に当たって落下した前記温調用流体を排出する。
【0013】
また、第5態様は、第1態様から第4態様のいずれか1つの基板処理装置であって、前記プレート部材は、前記基板保持部材が挿通される挿通孔が設けられ、かつ、前記基板保持部材に保持される前記基板よりも大きく広がっている。
【0014】
また、第6態様は、第5態様の基板処理装置であって、前記プレート部材は、前記基板保持部材が挿通される前記挿通孔に連続する孔を形成するように、前記基部から前記回転台に向けて張り出す筒状の第2スカート部、を有する。
【0015】
また、第7態様は、第1態様から第6態様のいずれか1つの基板処理装置であって、前記基板保持部材に保持される前記基板と前記プレート部材との間に、裏面処理用の流体を吐出する裏面側ノズル、をさらに備え、前記プレート部材の前記回転軸線に重なる位置に貫通孔が形成されており、該貫通孔に前記裏面側ノズルが挿入されている。
【0016】
第8態様は、第7態様の基板処理装置であって、前記プレート部材は、前記裏面側ノズルが挿入される前記貫通孔に連続する孔を形成するように、前記基部から前記回転台に向けて張り出す筒状の第3スカート部、を有する。
【0017】
第9態様は、第8態様の基板処理装置であって、前記温調用流体供給部は、前記プレート部材における前記第3スカート部よりも径方向外側の位置において、前記径方向外側に向けて前記温調用流体を吐出する。
【0018】
また、第10態様は、第1態様から第9態様のいずれか1つの基板処理装置であって、前記プレート部材は、ケイ素又は炭化ケイ素を含む材料で形成されている。
【0019】
また、第11態様は、第1態様から第10態様のいずれか1つの基板処理装置であって、前記温調用流体が、ヘリウムガスを含む。
【0020】
また、第12態様は、基板を処理する基板処理方法であって、(a)基板を回転台の一方側の表面に設けられた基板保持部材によって保持する工程と、(b)前記(a)工程の後、前記基板と前記回転台との間に配設されたプレート部材を前記回転台とともに所定の回転軸線周りに回転させる工程と、(c)前記(b)工程において、回転する前記プレート部材及び前記回転台の間に、前記プレート部材を温調する温調用流体を供給する工程とを含む。
【0021】
また、第13態様は、第12態様の基板処理方法であって、(d)前記(c)工程の前に、前記プレート部材を、前記回転台の一方側の第1位置から、前記第1位置よりも前記基板に接近する第2位置に移動させる工程、をさらに含む。
【0022】
また、第14態様は、第13態様の基板処理方法であって、(e)前記(d)工程の後、前記プレート部材を、前記第2位置から前記第1位置に移動させる工程、をさらに含む。
【発明の効果】
【0023】
第1態様の基板処理装置によると、プレート部材と回転台との間に温調用流体が供給されることによって、プレート部材が温調される。これによって、温調プレートの一方側に配された基板を温調できる。また、基板を回転させる回転台とともにプレート部材も回転するため、回転中の基板に供給された処理液が、プレート部材に表面に付着しても、その処理液を遠心力で外方に移動させることができる。これによって、基板の裏面の汚染を低減できる。
【0024】
第2態様の基板処理装置によると、プレート部材を第1位置から第2位置に移動させて基板に接近させることができる。この状態で温調用流体を供給することによって、基板を効率よく温調できる。また、基板を温調した後に、プレート部材を第2位置から第1位置に移動させることによって、基板からプレート部材を離隔させることができる。これによって、基板の温調を速やかに停止でき、プロセスへの影響を抑制できる。
【0025】
第3態様の基板処理装置によると、第2磁石部をプレート部材に取り付けられた第1磁石に接近させることによって、プレート部材を基板に接近する第2位置に保持できる。また、第1磁石部及び第2磁石部のうち少なくとも一方が円環状に形成されているため、他方が一方に対して相対的に回転している間も、これらの間に常に反発力を作用させることができる。このため、プレート部材が回転している間に、プレート部材を第2位置に適切に保持できる。
【0026】
第4態様の基板処理装置によると、プレート部材の回転による遠心力によって、プレート部材の外方に向けて移動する温調用流体を、第1スカート部に当てて、温調用流体排出部によって排出できる。このため、プレート部材の外方に温調用流体が飛散することを抑制できる。
【0027】
第5態様の基板処理装置によると、プレート部材が基板よりも大きく広がっているため、基板全体を均一に温調できる。また、プレート部材に基板保持部を挿通する挿通孔を設けることによって、プレート部材が基板保持部に干渉することを抑制できる。
【0028】
第6態様の基板処理装置によると、挿通孔に連続する孔を形成するように第2スカート部を設けることによって、温調量流体が挿通孔に進入することを低減できる。したがって、温調用流体が挿通孔を通ってプレート部材と基板との間に進入することを低減できる。
【0029】
第7態様の基板処理装置によると、プレート部材の回転軸の位置に貫通孔を設け、その貫通孔に裏面側ノズルを挿入することによって、非回転の裏面側ノズルに対してプレート部材を回転させることができる。
【0030】
第8態様の基板処理装置によると、プレート部材の貫通孔に連続する孔を形成するように第3スカート部を設けることによって、温調量流体が貫通孔に侵入することを低減できる。したがって、温調量流体が貫通孔を通ってプレート部材と基板との間に進入することを低減できる。
【0031】
第9態様の基板処理装置によると、温調用流体供給部がプレート部材における第3スカート部よりも径方向外側の位置において、径方向外側に向けて温調量流体を吐出することによって、温調量流体が第3スカート部の内側及び貫通孔に進入することを低減できる。
【0032】
第10態様の基板処理装置によると、プレート部材をケイ素又は炭化ケイ素で構成することによって、プレート部材に高い耐薬品性、強度及び熱伝導性を持たせることができる。また、プレート部材を容易に薄く加工できるため、プレート部材の熱容量を容易に小さくできる。
【0033】
第11態様の基板処理装置によると、熱伝導性が高いヘリウムガスを用いることによって、プレート部材を良好に温調できる。
【0034】
第12態様の基板処理方法によると、プレート部材と回転台との間に温調用流体が供給されることによって、プレート部材が温調される。これによって、温調プレートの一方側に配された基板を温調できる。また、基板を回転させる回転台とともにプレート部材も回転するため、回転中の基板に供給された処理液が、プレート部材に表面に付着しても、その処理液を遠心力で外方に移動させることができる。これによって、基板の裏面の汚染を低減できる。
【0035】
第13態様の基板処理方法によると、プレート部材を、第1位置よりも基板に接近する第2位置に配置することによって、基板を効率よく温調できる。
【0036】
第14態様の基板処理方法によると、プレート部材を第2位置から第1位置に移動させることによって、基板からプレート部材を離隔させることができる。これによって、基板の温調を速やかに停止でき、プロセスへの影響を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】第1実施形態の基板処理システム100の構成を模式的に示す平面図である。
図2】第1実施形態の基板処理装置10の構成を模式的に示す側面図である。
図3】第1実施形態のプレート部材30の外縁付近を模式的に示す側面図である。
図4】第1実施形態のプレート部材30の表面側(上側)を示す平面図である。
図5】第1実施形態のプレート部材30の裏面側(下側)を示す斜視図である。
図6】プレート部材30の中心付近を模式的に示す側面図である。
図7】第1実施形態の基板処理装置10の概略断面図である。
図8】第1実施形態の基板処理装置10の概略断面図である。
図9】第1実施形態の基板処理装置10の概略断面図である。
図10】第1実施形態の基板処理装置10の概略断面図である。
図11】第1実施形態の基板処理装置10の概略断面図である。
図12】第1実施形態の基板処理装置10の概略断面図である。
図13】第2実施形態のプレート部材30の中心部付近を示す概略断面図である。
図14】第3実施形態のプレート部材30の中心部付近を示す概略断面図である。
図15】変形例のプレート部材30の外縁付近を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。また、図示の便宜上、一部の要素が断面のみで示されている場合がある。
【0039】
<1. 第1実施形態>
図1は、第1実施形態の基板処理システム100の構成を模式的に示す平面図である。図2は、第1実施形態の基板処理装置10の構成を模式的に示す側面図である。図3は、第1実施形態のプレート部材30の外縁付近を模式的に示す側面図である。なお、図3中、上段は第1位置L1にあるときのプレート部材30を示す図であり、下段は第2位置L2にあるときのプレート部材30を示す図である。
【0040】
図1に示す基板処理システム100は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の処理システムである。基板処理システム100は、各々が複数の未処理の基板Wが収容された複数のキャリアCと、各キャリアCに対する基板Wの搬出入を行う基板搬送装置(移載ロボット)IRとを備える。また、基板処理システム100は、処理液(有機溶剤を含む)や処理ガスによって基板Wを処理する複数の基板処理装置10と、各基板処理装置10に対して基板Wの搬入及び搬出を行う搬送ロボットCRと、基板処理システム100に備えられた装置の動作やバルブの開閉などを制御する制御部3とを含む。
【0041】
移載ロボットIRは、キャリアCから未処理の基板Wを取り出して、当該取り出した基板Wを、基板受渡位置Pにおいて搬送ロボットCRに渡す。また、移載ロボットIRは、基板受渡位置Pにおいて搬送ロボットCRから処理済みの基板Wを受け取って、当該受け取った基板Wを、キャリアCに収納する。
【0042】
基板処理装置10は、円形の基板Wの表面WS1(パターン形成面)及び裏面WS2に対して、薬液を用いた薬液処理(洗浄処理、エッチング処理等)を施すための枚葉型のユニットである。各基板処理装置10は、内部空間を有する箱形のチャンバ内で、一枚の基板Wを水平な姿勢で保持しながら、基板Wの中心を通る鉛直方向の回転軸線Q1周りに基板Wを回転させつつ、薬液処理を行う。以下においては、鉛直方向上側を単に「上側」とし、鉛直方向下側を単に「下側」として説明する場合がある。
【0043】
図2に示すように、基板処理装置10は、回転台22、回転駆動部24、基板保持部材26、プレート部材30、プレート部材移動機構40、加熱用流体供給部50、冷却用流体供給部60、排出部70、表面側処理流体供給部80及び裏面側処理流体供給部90を備える。
【0044】
回転台22は、鉛直方向から見て円形に形成された部材であり、回転軸線Q1周りに回転するように構成されている。回転台22の上側(一方側)の表面22Sは、水平面と平行となっている。回転台22の中心部には、鉛直方向に貫通する円形の貫通孔22Hが形成されている。
【0045】
回転駆動部24は、回転台22を回転軸線Q1周りに回転させる。回転駆動部24は、回転モータ240と、回転軸部242とを有する。回転軸部242は鉛直方向に延びる円柱状の部材であって、その先端部は回転台22に接続されている。回転軸部242は、回転モータ240によって、回転軸線Q1周りに回転する。回転軸部242が回転することによって、回転台22が回転軸線Q1周りに回転する。回転軸部242は、回転モータ240の回転駆動力を回転台22に伝達する部材である。
【0046】
回転軸部242の中心部には、鉛直方向に延びる孔242Hが形成されている。該孔242Hは、回転台22の貫通孔22Hに連続している。
【0047】
基板保持部材26は、回転台22の表面22Sに設けられ、回転台22から上側に離れた位置で基板Wを水平姿勢で保持する。なお、「水平姿勢」とは、基板Wの両側の主面(表面WS1及び裏面WS2)が水平面に対して平行な状態をいう。本例では、回転台22の表面に4つの基板保持部材26が設けられている。基板保持部材26は、基板Wに対応する大きさの円周に沿って等間隔で配設されており、基板Wの周縁部に当接して支持する部材とされている。なお、基板保持部材26の数量は、4つに限定されない。例えば、基板保持部材26を3つ以下としてもよく、あるいは、5つ以上としてもよい。
【0048】
図3上段に示すように、基板保持部材26は、軸部260と、幅広部262と、当接部264を備える。軸部260は、基端部が回転台22の表面22Sに取り付けられた部分であって、表面22Sから上側に延びる部分である。幅広部262は、軸部260の上側に設けられ、軸部260よりも水平方向に幅広とされた部分である。当接部264は、幅広部262の上側に設けられた部分であって、外周部分が基板Wの周縁部に当接される部分である。ここでは、幅広部262の上面(上側の表面)が基板Wの裏面WS2に接触しているが、これは必須ではない。
【0049】
<プレート部材30>
図4は、第1実施形態のプレート部材30の表面側(上側)を示す平面図である。図5は、第1実施形態のプレート部材30の裏面側(下側)を示す斜視図である。
【0050】
プレート部材30は、回転台22の表面22Sに対向する円板状に形成された基部32を有している。基部32は、複数の基板保持部材26によって支持される基板Wと、回転台22との間に配設された状態で、回転駆動部24によって回転台22とともに回転する。
【0051】
基部32は、回転台22よりも水平方向に大きく広がっている。基部32の周縁部の下側には、第1スカート部34が設けられている。第1スカート部34は、回転台22よりも水平方向(回転台22の表面22Sに平行な方向)外側の位置において、基部32から鉛直方向下向き(回転台22側)に張り出す環状に形成された円筒状部分である。
【0052】
後述するように、回転台22とプレート部材30の間には、加熱用流体供給部50又は冷却用流体供給部60から温調用流体が供給される。温調用流体は、回転台22及びプレート部材30の回転によって発生する遠心力を受けて、径方向外方に移動する。第1スカート部34は、回転台22から外方に飛散した温調用流体を受け止めて、下側の排出部70に導く。
【0053】
プレート部材30の基部32には、4つの基板保持部材26各々が挿通される挿通孔36Hが形成されている。ここでは、4つの挿通孔36H各々は、回転軸線Q1を中心とする円周に沿って等間隔で配されている。挿通孔36H各々には、図3に示すように、基板保持部材26の軸部260が挿通されている。挿通孔36Hの内径は、軸部260よりもわずかに大きく形成されている。
【0054】
基部32の下側には、挿通孔36Hに連続する孔を形成する円筒状に形成された第2スカート部36が形成されている。第2スカート部36は、基部32から回転台22に向けて鉛直方向下向きに張り出す環状に形成されている。第2スカート部36の内周面は、軸部260の環状の外周面に対応する環状に形成されている。
【0055】
第2スカート部36は、回転台22の径方向外方に向けて移動する温調用流体を跳ね返すことによって、温調用流体が挿通孔36Hに進入することを抑制する。
【0056】
また、回転台22が回転軸線Q1周りに回転すると、基板保持部材26各々も回転軸線Q1周りに回転する。これによって、プレート部材30の挿通孔36Hの内周面が、挿通された基板保持部材26から回転力を受けることによって、回転台22とともに同一の回転速度及び同一の回転方向で回転する。
【0057】
図5に示すように、プレート部材30の基部32の表面32Sの中心部には、貫通孔38Hが形成されている。貫通孔38Hには、裏面側処理流体供給部90の裏面側ノズル91が挿入される。貫通孔38Hを通じて、裏面側ノズル91から裏面処理用の処理流体が、基板Wとプレート部材30との間に供給される。これによって、基板Wの裏面WS2が処理流体で処理される。
【0058】
基部32の下側には、貫通孔38Hに連続する孔を形成する円筒状に形成された第3スカート部38が設けられている。第3スカート部38は、基部32から回転台22に向けて鉛直方向下向きに張り出す環状に形成されている。第3スカート部38の先端部は、加熱用流体供給部50の加熱用ノズル51の先端部と、裏面側ノズル91の先端部との間に配設される。また、第3スカート部38の先端部は、冷却用流体供給部60の冷却用ノズル61の先端部と、裏面側ノズル91の先端部との間に配設されている。
【0059】
プレート部材30は、ケイ素(Si)又は炭化ケイ素(SiC)を含む材料で形成され得る。プレート部材30を、ケイ素又は炭化ケイ素で形成することによって、プレート部材30に高い耐薬品性、強度及び熱伝導性を持たせることができる。また、プレート部材30を容易に薄く加工できるため、プレート部材30の熱容量を容易に小さくできる。ただし、プレート部材30の構成材料は、ケイ素又は炭化ケイ素に限定されるものではない。
【0060】
<プレート部材移動機構40>
プレート部材移動機構40は、プレート部材30を、鉛直方向に沿って上下に昇降移動させる昇降機構である。プレート部材移動機構40は、回転台22より上側の第1位置L1と、第1位置L1よりも基板保持部材26にて保持される基板Wの裏面WS2に接近する第2位置L2との間で移動させる。
【0061】
プレート部材移動機構40は、第1磁石部41と、第2磁石部42と、相対移動機構43とを備える。
【0062】
第1磁石部41は、図5に示すように、プレート部材30における基部32の下側に設けられている。ここでは、第1磁石部41は、回転軸線Q1を中心軸とする環状(ここでは、円環状)に形成されている。
【0063】
第2磁石部42は、図2に示すように、回転軸線Q1を中心軸とする環状(ここでは、円環状)に形成されている。第2磁石部42は、回転台22を介して、鉛直方向において第1磁石部41と対向する位置に配設されている。第2磁石部42は、第1磁石部41との間で反発力を生じさせる。
【0064】
第2磁石部42の内側には、回転軸部242が挿通されている。このため、第2磁石部42は、回転軸部242に干渉することなく鉛直方向に昇降移動可能となっている。
【0065】
相対移動機構43は、支持部431と駆動部432とを備える。支持部431は、回転軸部242の側方において、第2磁石部42を下側から支持する。駆動部432は、支持部431に接続されており、支持部431を鉛直方向に昇降移動させる。駆動部432が支持部431を昇降移動させることによって、第2磁石部42が第1磁石部41に対して相対的に接近又は離隔する。第2磁石部42は、相対移動機構43の動作によって、上述した第1位置L1と第2位置L2とに配置される。駆動部432は、例えばリニアモータ又はボールネジを駆動する回転モータなどで構成するとよい。駆動部432の動作は、制御部3によって制御される。
【0066】
第1磁石部41及び第2磁石部42は、共に、回転軸線Q1を中心軸とする同軸円環状に形成されている。このため、プレート部材30が回転することによって、第1磁石部41が第2磁石部42に対して相対的に回転する間、これらの間に反発力を作用させることができる。
【0067】
なお、第1磁石部41及び第2磁石部42のうち、どちらか一方を、他方の環状形状と同心円である円周上に分散して配置された複数の磁石としてもよい。この場合、複数の磁石で構成される一方の磁石部が、円環状の他方の磁石部に対して相対的に回転することになる。これによって、他方の磁石部が一方の磁石部に対して常に反発力を作用させることができる。したがって、プレート部材30が回転している間、プレート部材30を第2位置L2に適切に保持できる。
【0068】
第1位置L1は、プレート部材30の基部32が回転台22の表面22Sに最も接近するときのプレート部材30の鉛直方向の位置である(図2)。ここでは、プレート部材30第1位置L1にあるとき、第2スカート部36の下端が、回転台22の表面22Sに当接する(図3上段)。また、プレート部材30が第1位置L1にあるとき、プレート部材30の基部32が回転台22の表面22Sに設けられた複数の支持部材221によって支持される(図2図6)。このため、プレート部材30が第1位置L1にあるとき、プレート部材30の基部32は、回転台22の表面22Sから離間した位置に配される。
【0069】
なお、支持部材221を設けることは必須ではなく、省略可能である。この場合、プレート部材30は、第2スカート部36の下端のみが回転台22に接触することによって、第1位置L1にて支持される。また、第2スカート部36が回転台22に接触することは必須ではない。すなわち、支持部材221のみが基部32に接触することによって、プレート部材30が第1位置L1にて支持されてもよい。
【0070】
第1位置L1は、基板処理装置10において、例えば、基板Wの温調を行わないときにプレート部材30が配置される位置である。ただし、プレート部材30を第1位置L1に配置した状態で、温調用流体を供給して、基板Wを温調することも可能である。この場合、プレート部材30を基板Wから離れた位置に配置されているため、基板Wを穏やかに温調できる。
【0071】
相対移動機構43によって、第2磁石部42が第1磁石部41に接近すると、プレート部材30が第1位置L1から上側へ向けて移動する。すると、プレート部材30が基板保持部材26の幅広部262の下面に接触し、上側への移動が規制される(図3下段)。このように、基板保持部材26がストッパーとして機能することによって、プレート部材30の上側への移動が停止する。この停止したときのプレート部材30の位置が、第2位置L2に相当する。
【0072】
プレート部材30を第2位置L2に移動させることによって、プレート部材30の基部32と、回転台22との間に、温調用の流体が供給される温調用空間30Rが形成される。この温調用空間30Rに、温調用流体(加熱用流体又は冷却用流体)が供給されることによって、プレート部材30をその温調用流体の温度に応じた温度に変更できる。これによって、基板Wを下側から温調できる。このようにして、基板処理装置10においては、温調を伴う基板処理を行うことが可能となっている。
【0073】
図3下段に示すように、第2位置L2に配されたプレート部材30の第1スカート部34の下端が回転台22の表面22Sよりも下側に配されるように、第1スカート部34の鉛直方向の長さが規定されている。これによって、温調用流体が第1スカート部34よりも外側に飛散することを低減できる。
【0074】
なお、プレート部材移動機構40は省略することも可能である。例えば、加熱用流体供給部50又は冷却用流体供給部60が供給する温調用流体の単位時間あたりの流量を増減させることによって、プレート部材30を回転台22に対して適宜の高さ位置に移動させてもよい。
【0075】
<加熱用流体供給部50>
加熱用流体供給部50は、回転中の回転台22及びプレート部材30の間に高温の流体を供給することによってプレート部材30を昇温させ、もって、基板Wを加熱する。加熱用流体供給部50は、加熱用ノズル51と、配管部52と、流体供給源53a〜53dと、バルブ54a〜54dを備えている。
【0076】
図6は、プレート部材30の中心付近を模式的に示す側面図である。なお、図6中、上段は第1位置L1にあるときのプレート部材30を示す図であり、下段は第2位置L2にあるときのプレート部材30を示す図である。加熱用ノズル51は、流体供給源53a〜53d各々から供給される加熱用流体を先端の吐出口50Pから吐出する。
【0077】
図6に示すように、吐出口50Pは回転台22の表面22Sよりも上側に配置されている。また、吐出口50Pは、プレート部材30における第3スカート部38よりも径方向外側の位置に配置されている。そして、吐出口50Pは、鉛直方向に対して、プレート部材30の径方向外側に傾斜する方向に開口している。このため、図6下段に示すように、加熱用流体は、プレート部材30における第3スカート部38よりも径方向外側の位置において、径方向外側に向けて加速された状態で、吐出口50Pから吐出される。このように径方向外方に向けて加熱用流体が吐出されることによって、加熱用流体が第3スカート部38の内側及び貫通孔38Hに進入することを低減できる。なお、吐出口50Pは、鉛直方向上側に向けられていてもよい。
【0078】
配管部52は、流体供給源53a〜53d各々と、加熱用ノズル51とを接続しており、流体供給源53a〜53d各々から供給される流体を、加熱用ノズル51に導く流路を形成している。
【0079】
ここでは、流体供給源53a〜53dのうち、流体供給源53a〜53c各々を温水(脱イオン水などの純水)、SPM(sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture:硫酸過水)及びグリセリン各々を供給する供給源とし、流体供給源53dを、常温水(脱イオン水などの純水)を供給する供給源としている。SPM又はグリセリンは、水に比べて沸点が高いため、水よりも高温(例えば、100℃以上)に加熱して使用できる。基板Wを100℃以上の高温で加熱処理する際や、基板Wを急速加熱する際などに、高温のSPM又はグリセリン等が温調用空間30Rに供給され得る。常温水は、温調用空間30Rに供給された高温の加熱用流体を除去する際に使用され得る。流体供給源53a〜53d各々は、加熱用流体を貯留するタンクと、該タンクから加熱用流体を送り出すポンプなどの送液手段を適宜備えるとよい。
【0080】
なお、加熱用流体供給部50は、温水、SPM及びグリセリンのうち一部のみを供給可能に構成されてもよく、あるいは、これらの加熱用流体以外の他の流体(液体又は気体)を供給可能に構成されてもよい。例えば、加熱用の気体として、スチーム(例えば、200℃の水蒸気など)も採用し得る。
【0081】
バルブ54a〜54d各々は、流体供給源53a〜53dから延びる配管部52各々の途中に介挿されている。バルブ54a〜54dは、配管部52の流路の開閉を行うことによって、流体供給源53a〜53d各々から供給される加熱用流体各々の吐出口50Pからの吐出を制御する。バルブ54a〜54dの動作は、制御部3によって制御され得る。
【0082】
<冷却用流体供給部60>
冷却用流体供給部60は、回転台22とプレート部材30との間に低温の流体を供給することによってプレート部材30を冷却し、もって、基板Wを冷却する。冷却用流体供給部60は、冷却用ノズル61と、配管部62と、流体供給源63a〜63dと、バルブ64a〜64dを備えている。
【0083】
冷却用ノズル61は、流体供給源63a〜63d各々から供給される冷却用流体を先端の吐出口60Pから吐出する。図6に示すように、冷却用ノズル61の吐出口60Pは、加熱用ノズル51の吐出口50Pと同様に、回転台22の表面22Sよりも上側の位置に配置されている。また、吐出口60Pは、プレート部材30における第3スカート部38よりも径方向外側の位置に配置されている。そして、吐出口60Pは、鉛直方向に対して、プレート部材30の径方向外側に傾斜する方向に開口している。このため、図6下段に示すように、冷却用流体は、プレート部材30の径方向外側に向けて加速された状態で、吐出口60Pから吐出される。このように径方向外方に向けて冷却用流体が吐出されることによって、冷却用流体が第3スカート部38の内側及び貫通孔38Hに進入することを低減できる。なお、吐出口60Pは、鉛直方向上側に向けられていてもよい。
【0084】
図6に示すように、プレート部材30が第1位置L1に移動した際、プレート部材30の基部32の下面は、支持部材221に支持されることによって、加熱用ノズル51又は冷却用ノズル61の先端よりも上側に離れた位置に配される。これによって、プレート部材30が、加熱用ノズル51及び冷却用ノズル61の先端に接触しない第1位置L1に保持される。
【0085】
配管部62は、流体供給源63a〜63d各々と、冷却用ノズル61とを接続しており、流体供給源63a〜63d各々から供給される冷却用流体を、冷却用ノズル61に導く流路を形成している。
【0086】
流体供給源63a〜63d各々は、ここでは、冷却水(冷却された脱イオン水など)、液体窒素、冷却ガス(ヘリウムガスなど)及び不凍液(グリセリン含有液など)各々を供給する供給源としている。なお、ヘリウムガスは、熱伝導性に優れているため、冷却用流体として利用することにより、基板Wを良好に温調できる。また、ヘリウムガスは、加熱用流体としても利用可能である。
【0087】
冷却用流体供給部60は、冷却水、液体窒素、冷却ガス及び不凍液のうち一部のみを供給可能に構成されてもよく、あるいは、これらの冷却用流体以外の他の流体(液体又は気体)を供給可能に構成されてもよい。
【0088】
流体供給源63a,63b,63dは、冷却用流体として液体を供給するため、冷却用流体を貯留するタンク、及び、該タンクから冷却用流体を送液するポンプなどの送液手段を適宜備えるとよい。また、流体供給源63cは、冷却用流体として気体を供給するため、圧縮によって高圧状態となっている冷却用流体を貯蔵するボンベなどを適宜備えるとよい。
【0089】
バルブ64a〜64d各々は、流体供給源63a〜63dから延びる配管部62各々の途中に介挿されている。バルブ64a〜64dは、配管部62の流路の開閉を行うことによって、流体供給源63a〜63d各々から供給される冷却用流体各々の吐出口60Pからの吐出を制御する。バルブ64a〜64dの動作は、制御部3によって制御され得る。
【0090】
なお、基板処理装置10が温調用流体供給部として加熱用流体供給部50及び冷却用流体供給部60の双方を備えることは必須ではなく、どちらか一方のみを備えていてもよい。
【0091】
吐出口50P又は吐出口60Pから温調用流体を吐出する際の吐出流量は、適宜に設定し得る。例えば、温調用空間30Rを温調用流体でほぼ満たすことが可能な吐出流量で、温調用流体が吐出されてもよい。あるいは、温調用流体をプレート部材30の基部32の裏面に沿って温調用流体が移動する程度の吐出流量としてもよい。具体的には、回転中のプレート部材30の基部32の裏面に温調用流体を当て、遠心力によってその温調用流体を基部32の径方向外方に移動させるとよい。プレート部材30の回転速度及び温調用流体の吐出流量などを適宜に調整することによって、温調用流体を、回転台22の表面22Sにほとんど落下させずに、基部32の径方向外方に移動させることができる。この場合、プレート部材30に沿わせて温調用流体を移動させるため、プレート部材30自体の温調であり、かつ、温調用空間30Rを温調用流体で満たす場合よりも、温調用流体の使用量を軽減できる。
【0092】
<排出部70>
排出部70は、回転中の回転台22及びプレート部材30の間に供給される温調用流体、回転中の基板Wの表面WS1に供給される処理流体(以下、「表面側処理流体」とも称する。)、及び、回転中の基板Wの裏面WS2に供給される処理流体(以下、「裏面側処理流体」とも称する。)を基板処理装置10から排出する。排出部70は、第1カップ71〜第4カップ74と、カップ移動機構部75とを備えている。
【0093】
第1カップ71は、回転台22を囲繞する筒状に形成された部材である。第1カップ71は、プレート部材30の第1スカート部34に当たって落下した温調用流体を、第1カップ71の内側に設けられた排出口(不図示)に案内する。第1カップ71の上端は、第2位置L2まで上昇したプレート部材30における第1スカート部34の下端よりも上側に配されている(図3下段参照)。これによって、第1スカート部34の外側に飛散した温調用流体が、第1カップ71の外側に飛散することを抑制できる。第1カップ71の内側に形成される排出口は、温調用流体排出部の一例である。なお、温調用流体として気体を用いる場合、真空ポンプなどの吸引手段を適宜の位置に設けて、第1カップ71の内側の排出口を介してその気体(温調用流体)を吸引してもよい。
【0094】
第2カップ72〜第4カップ74は、回転台22を囲繞する筒状に形成された部材である。第2カップ72は第1カップ71の外側に配設されており、第3カップ73は第2カップ72カップの外側に配設されており、第4カップ74は第3カップ73の外側に配設されている。第2カップ72〜第4カップ74は、基板Wの表面WS1又は裏面WS2に供給された後、基板Wの径方向外方に飛散した処理液を受け止めて、各々の下方に設けられた排出口(不図示)に導く。カップ移動機構部75は、第2カップ72〜第4カップ74を独立して上下に移動させる。カップ移動機構部75が、第2カップ72〜第4カップ74の高さ位置を変更することによって、これらの中から選択される1つのカップで基板Wの外方に飛散した処理液が受け止められる。
【0095】
<表面側処理流体供給部80>
表面側処理流体供給部80は、回転する基板Wの表面WS1に処理流体を供給することによって、表面WS1を処理する。表面側処理流体供給部80は、表面側ノズル81と、配管部82と、処理流体供給源83a〜83cと、バルブ84a〜84dと、混合部85とを備えている。
【0096】
表面側ノズル81は、基板Wの表面WS1に向けて処理流体を吐出する。ここでは、表面側ノズル81は、複数の基板保持部材26に保持された状態で回転する基板Wの中心付近に向けて、処理流体を吐出する。なお、表面側ノズル81は、不図示のアームの先端に取り付けられている。不図示の移動駆動部が該アームを水平面内で移動(旋回移動、直線移動など)させることによって、表面側ノズル81が基板Wに処理流体を供給する供給位置(図2などに示される位置)と、回転台22の上側から径方向外方に待避した待避位置との間で移動する。表面側ノズル81が待避位置にある状態で、回転台22上への基板Wの搬入又は回転台22上からの基板Wの搬出が行われる。
【0097】
配管部82は、処理流体供給源83a〜83c各々から混合部85までの間と、混合部85から表面側ノズル81までの間とを接続しており、処理流体供給源83a〜83c各々から供給される処理流体を表面側ノズル81に導く流路を形成している。
【0098】
処理流体供給源83a〜83cは、ここでは、薬液、ガス及び純水を供給する供給源とされている。なお、薬液は、例えばIPA(isopropyl alcohol:イソプロピルアルコール)、DHF(diluted hydrofluoric acid:希フッ酸)、及び、SC−1(過酸化水素水及びアンモニアの混合液)などである。また、ガスは、例えば不活性ガス(N、Ar、He、Kr、又はXeガス、もしくはこれらの混合ガス)である。
【0099】
バルブ84a〜84cは、処理流体供給源83a〜83c各々から混合部85までを接続する配管部82上にそれぞれ介挿されている。バルブ84a〜84cは、配管部82内の流路を開閉することによって、処理流体供給源83a〜83cから混合部85への処理流体の供給を制御する。
【0100】
バルブ84dは、混合部85から表面側ノズル81までの配管部82上に介挿されている。バルブ84dは、配管部82内の流路を開閉することによって、混合部85から表面側ノズル81への処理流体の供給を制御する。バルブ84a〜84dによる配管部82の開閉動作は、制御部3によって制御され得る。
【0101】
混合部85は、鉛直方向に長い内部空間を形成しており、その内部空間に処理流体供給源83a〜83cから供給される処理流体を混合する。混合部85にて混合された処理流体は、配管部82を介して表面側ノズル81に供給される。
【0102】
<裏面側処理流体供給部90>
裏面側処理流体供給部90は、回転する基板Wの裏面WS2に処理流体を供給することによって、裏面WS2を処理する。裏面側処理流体供給部90は、裏面側ノズル91と、配管部92と、処理流体供給源93a〜93cと、バルブ94a〜94dと、混合部95とを備えている。
【0103】
裏面側ノズル91は、基板Wの裏面WS2に向けて処理流体を吐出する。裏面側ノズル91は、回転軸部242の回転台22の貫通孔22H、プレート部材30の内側に挿通され、さらに、プレート部材30の中心部に形成された貫通孔38Hに挿入されている。裏面側ノズル91は、その先端の吐出口から処理流体を基板Wの裏面WS2に向けて吐出する。
【0104】
配管部92は、処理流体供給源93a〜93c各々から混合部95までの間と、混合部95から裏面側ノズル91までの間とを接続しており、処理流体供給源93a〜93cから供給される処理流体を裏面側ノズル91に導く流路を形成している。
【0105】
処理流体供給源93a〜93cは、ここでは、薬液、ガス及び純水を供給する供給源とされている。なお、薬液は、例えばIPA、DHF、及び、SC−1などである。また、ガスは、例えば不活性ガス(N、Ar、He、Kr、又はXeガス、もしくはこれらの混合ガス)である。
【0106】
バルブ94a〜94cは、処理流体供給源93a〜93c各々から混合部95までを接続する配管部92上にそれぞれ介挿されている。バルブ94a〜94cは、配管部92内の流路を開閉することによって、処理流体供給源93a〜93cから混合部95への処理流体の供給を制御する。
【0107】
バルブ94dは、混合部95から裏面側ノズル91までの配管部92上に介挿されている。バルブ94dは、配管部92内の流路を開閉することによって、混合部95から裏面側ノズル91への処理流体の供給を制御する。バルブ94a〜94dによる配管部92の開閉動作は、制御部3によって制御され得る。
【0108】
混合部95は、鉛直方向に長い内部空間を形成しており、その内部空間に処理流体供給源93a〜93cから供給される処理流体を混合する。混合部95にて混合された処理流体は、配管部92を介して裏面側ノズル91に供給される。
【0109】
<基板処理装置10の動作>
次に、基板処理装置10の動作の一例について、図7図12を参照しつつ説明する。図7図12は、第1実施形態の基板処理装置10の概略断面図である。なお、以下の基板処理装置10の動作は、特に断らない限り、制御部3の制御下で行われるものとする。
【0110】
ここでは、基板処理の例として、所定サイズ(例えば、外径300mm)の基板Wの表面WS1(デバイスが形成されるべき面)に形成された酸化膜を除去する酸化膜エッチングを行う例について説明する。
【0111】
まず、基板処理装置10に未処理の基板Wが搬入され、複数の基板保持部材26に保持される(保持工程)。続いて、図7に示すように、回転台22が回転することによって基板Wを回転させた状態(例えば、600〜1200rpm)で、表面側ノズル81から表面WS1にDHFが吐出される。吐出されたDHFは、遠心力により広げられ、表面WS1の全面がDHFの液膜で被覆される(DHF被覆工程)。なお、基板Wの側方に飛散するDHFは、第3カップ73によって受け止められ、排出される。また、プレート部材30は、第1位置L1に配された状態で、回転台22とともに回転する(回転工程)。
【0112】
所定の時間が経過し、基板Wの表面WS1全域がDHFの液膜で覆われると、パドル状の液膜を基板Wの表面WS1に形成し保持するDHFパドル工程が行われる。具体的には、基板Wの回転速度が、短時間に、薬液被覆工程の時の回転速度よりも小さい回転速度(例えば、約10rpm)に減速される。以下、この回転速度をパドル速度とする。なお、表面側ノズル81からのDHFの吐出流量は、DHF被覆工程のときの吐出流量(例えば、毎分2.0リットル)と同一に維持される。基板Wの回転速度の減少によって、DHFは、表面WS1に溜められてパドル状の液膜を形成する。このパドル状の液膜によって、基板Wの表面WS1の全域が薬液処理される。
【0113】
DHFの吐出開始から、所定の処理時間が経過すると、表面側ノズル81からのDHFの吐出が停止され、基板WのDHFをリンス液(純水)に置換するパドルリンス工程が行われる。具体的には、図8に示すように、基板Wの回転速度をDHFパドル工程の時の回転速度に維持したまま、基板Wの表面WS1に表面側ノズル81から純水が所定の吐出流量で吐出される。そして、所定時間が経過すると、基板Wの表面WS1は、その全面がパドル状の純水液膜に置換される。基板Wの側方に流れる純水は、第1カップ71で受け止められ、排出される。
【0114】
純水の吐出開始から、所定の処理時間が経過すると、表面側ノズル81から純水の吐出が停止され、基板W上の純水をSC−1に置換するSC−1パドル工程が行われる。具体的には、図9に示すように、基板Wの回転速度をパドル速度に維持したまま、表面側ノズル81及び裏面側ノズル91から、SC−1が吐出される。また、このSC−1パドル工程では、基板Wの温調が行われる。具体的には、プレート部材移動機構40が動作することによって、プレート部材30が第1位置L1から第2位置L2に移動する。そして、加熱用流体供給部50の加熱用ノズル51から、温水(例えば、40℃の純水)がプレート部材30と回転台22との間に供給される。これによって、基板Wが温調される。基板Wの表面WS1はパドル状のSC−1で処理され、裏面WS2は基板Wとプレート部材30との間に供給されるSC−1で処理される。
【0115】
SC−1の吐出開始から、所定の処理時間が経過すると、表面側ノズル81からのSC−1の吐出が停止され、基板W上のSC−1をリンス液(純水)に置換するパドルリンス工程が行われる。具体的には、図10に示すように、基板Wの回転速度をパドル速度に維持したまま、表面側ノズル81から基板Wの表面WS1に純水が吐出される。また、裏面側ノズル91から基板Wの裏面WS2に向けて純水が吐出される。
【0116】
所定時間が経過すると、基板Wの表面WS1がパドル状の純水液膜に置換され、裏面WS2側も純水に置換される。基板Wの側方に流れる純水は、第1カップ71で受け止められ、排出される。また、本パドルリンス工程においても、加熱用ノズル51から温水(例えば、40℃の純水)が供給されることによって、基板Wが温調される。ただし、温水の供給を停止することによって、基板Wの温調を停止してもよい。なお、温水の供給を停止した場合においても、プレート部材30の位置を第2位置L2に維持するなど、プレート部材30を基板Wに接近させることによって、基板Wとプレート部材30の間の空間を小さくしてもよい。これによって、基板Wの裏面WS2を処理するために使用される純水の使用量を低減できる。
【0117】
純水の吐出開始から、所定の処理時間が経過すると、表面側ノズル81から純水の吐出を停止してIPAを吐出することによって、基板Wの純水液膜をIPAに置換するIPAパドル工程が行われる。具体的には、図11に示すように、基板Wの回転速度をパドル速度に維持したまま、表面側ノズル81からIPAを供給する。表面側ノズル81からのIPAの吐出流量は、例えば毎分0.1リットルに設定されている。基板Wの上面にIPAが供給されることによって、基板Wの表面WS1の純水が、IPAに順次置換されていく。その結果、基板Wの上面に、基板Wの上面全域を覆うIPAの液膜がパドル状に形成される。また、基板Wから径方向外側に飛散するIPAは、第4カップ74で受け止められ、排出される。
【0118】
IPAパドル工程においては、基板Wの裏面WS2へのIPAの吐出は特段行う必要はない。また、加熱用ノズル51から加熱用流体を吐出することによって、基板Wが温調される。温調用流体としては、例えば80℃もしくはそれ以上の温水を利用し得る。なお、裏面WS2へのIPAの吐出を行わない場合、基板Wとプレート部材30との間に熱伝導率が比較的低い空気が介在することとなるため、基板Wを効率的に温調することが困難である。このため、加熱用ノズル51から、より高温の加熱流体(例えば、180℃のSPMなど)を吐出するとよい。
【0119】
IPAの吐出開始から所定の処理時間が経過すると、IPAの吐出を継続しながら、基板Wの回転速度をパドル速度から高回転速度まで段階的に加速させる。そして、基板Wが高回転速度に到達した後は、IPAの吐出開始から所定の時間が経過したことを条件として、表面側ノズル81からのIPAの吐出を停止する。
【0120】
IPAの吐出が停止されると、乾燥工程が行われる。具体的には、基板Wの回転速度を高回転(例えば、600〜1200rpm)に維持される。これによって、基板Wに付着しているIPAが振り切られて、基板Wが乾燥される。また、乾燥工程においては、プレート部材30を第2位置L2に配置した状態で、加熱用ノズル51から80℃の温水又は180℃のSPMを吐出することによって、基板Wを加熱してもよい。
【0121】
なお、IPAパドル工程においては、基板Wの表面WS1上の純水の液膜をIPAの液膜へ置換した後、基板Wの表面WS1を、IPAの沸点(82.6℃)よりも高い温度に到達させるとよい。これによって、IPAの液膜の全域において、IPAの液膜と基板Wの表面WS1との間に、IPAの蒸発気体膜が形成される。したがって、IPAの蒸発気体膜の上方にIPAの液膜を浮上させることができる。この状態では、基板Wの表面WS1とIPAの液膜との間に生じる摩擦力の大きさが略ゼロになるため、IPAの液膜が表面WS1上を容易に移動できる。したがって、基板Wを高回転速度で回転させることによって、浮上しているIPAの液膜を、基板Wの表面WS1の上方から効果的に排除できる。
【0122】
乾燥工程が所定の乾燥時間に亘って行われると、搬出工程が行われる。具体的には、加熱用ノズル51からの加熱流体の吐出が停止される。また、基板Wの回転が停止され、1枚の基板Wに対する洗浄処理が終了する。そして、搬送ロボットCRによって、処理済みの基板Wが基板処理装置10から搬出される。なお、搬送ロボットCRが基板Wを搬出する前に、表面側ノズル81は、適宜基板Wの上方から外れた位置へ移される。
【0123】
また、搬送ロボットCRが基板Wを搬出する前に、プレート部材移動機構40が下降してプレート部材30を第1位置L1に移動させるとよい。これによって、乾燥工程にて加熱されたプレート部材30によって基板Wが余剰に加熱されることを抑制できる。ただし、搬出前にプレート部材30を第1位置L1に移動させることは必須ではない。
【0124】
また、基板Wが搬出された後、次の基板Wが搬入される前に、プレート部材30を冷却してもよい。具体的には、プレート部材30を第2位置L2に配置させて、回転台22とともにプレート部材30を回転させる。そして、冷却用ノズル61から冷却用流体を吐出するとよい。なお、加熱用ノズル51から常温水を供給するようにしてもよい。このようにしてプレート部材30を冷却することによって、次の未処理の基板Wが搬入された際に、その未処理の基板Wがプレート部材30によって不要に加熱されることを抑制できる。
【0125】
また、搬送ロボットCRが基板Wを搬出する前に、図12に示すように、プレート部材30を第2位置L2に配置した状態で、冷却用ノズル61から冷却用流体(冷却水など)を吐出してもよい。これによって、基板Wを急速に冷却できるため、搬送ロボットCRの基板Wに接触する部分が熱を持ったり、あるいは、その部分が熱で変形したりすることを抑制できる。
【0126】
<他の動作例>
基板処理装置10においては、いわゆる凍結洗浄技術を行うことも可能である。具体的には、基板Wの表面WS1又は裏面WS2に純水を供給するとともに、プレート部材30内に純水の凝固点温度よりも低温の冷却用流体(冷却ガス、液体窒素、不凍液など)を供給するとよい。これによって、表面WS1又は裏面WS2に供給された純水を凍結させた後、冷却を停止することによって、凍結した純水とともに基板Wに付着したパーティクルを有効に除去できる。
【0127】
<2. 第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。なお、以降の説明において、既に説明した要素と同様の機能を有する要素については、同じ符号又はアルファベット文字を追加した符号を付して、詳細な説明を省略する場合がある。
【0128】
図13は、第2実施形態のプレート部材30の中心部付近を示す概略断面図である。本実施形態の加熱用ノズル51aの吐出口50P及び冷却用ノズル61aの吐出口60Pは、温調用空間30Rにおいて、回転台22の径方向外方に向けられている。このため、吐出口50P,60P吐出された温調用流体を、回転する回転台22の径方向外方に向けて、円滑に移動させることができるため、プレート部材30を径方向に関して良好に温調できる。
【0129】
<3. 第3実施形態>
図14は、第3実施形態のプレート部材30の中心部付近を示す概略断面図である。本実施形態の加熱用ノズル51bの先端部分及び冷却用ノズル61bの先端部分は、回転台22の貫通孔22Hから、温調用空間30Rに延びた後、回転台22の径方向外方に向かって延びている。加熱用ノズル51b及び冷却用ノズル61bの径方向外方に向かって延びる先端部分に、複数の吐出口50P及び複数の吐出口60Pが所定の間隔で形成されている。このように、温調用空間30Rにおいて、回転台22の径方向外方に延びる先端部分から温調用流体を吐出することによって、温調用空間30Rに良好に温調用流体を供給できるとともに、プレート部材30を均一に温調できる。したがって、基板Wを均一に温調できる。
【0130】
なお、加熱用ノズル51b又は冷却用ノズル61bの先端部を、基板Wよりも外方の位置まで延ばして、基板Wの径方向全体に亘って複数の吐出口50P又は複数の吐出口60Pから温調用流体を供給してもよい。これによって、基板Wをより均一に温調できる。ただし、加熱用ノズル51b及び61bの先端部は、基板Wの内側まで延びるようにすることも妨げられない。
【0131】
<4. 変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0132】
例えば、上記第1実施形態では、複数の基板保持部材26各々に幅広部262を設けることによって、プレート部材30を第2位置L2で停止させている。しかしながら、プレート部材30を基板保持部材26で位置決めすることは必須ではない。例えば、図15に示すように、プレート部材30側に係止部材28を設けてもよい。
【0133】
係止部材28は、プレート部材30の基部32の下面に連結される部材である。係止部材28は、円柱状に形成された棒状部281と、棒状部281の下端に設けられ棒状部281よりも水平方向に幅広な係止部282とを備えている。
【0134】
また、回転台22の表面22Sには、係止部材28の係止部282を係止させる係止穴28Hが設けられている。係止穴28Hの上端における開口の大きさ(水平方向の開口径)は、棒状部281が上下に移動可能な大きさで、かつ、係止部282よりも小さくなっている。
【0135】
プレート部材30がプレート部材移動機構40によって上昇すると、係止部材28の係止部282が係止穴28Hの上部にて係止される。棒状部281の長さを適宜に設定することによって、係止部材28によってプレート部材30を第2位置L2にて停止させることができる。
【0136】
上記実施形態では、基板処理装置の処理対象が半導体ウエハである場合について説明した。しかしながら、本発明の処理対象となる基板は、フォトマスク用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、磁気・光ディスク用のガラス又はセラミック基板、液晶表示装置用のガラス基板、有機EL用ガラス基板、太陽電池用ガラス基板又はシリコン基板、その他フレキシブル基板及びプリント基板などの電子機器向けの各種被処理基板であってもよい。
【0137】
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
【符号の説明】
【0138】
100 基板処理システム
3 制御部
10 基板処理装置
22 回転台
22S 表面
24 回転駆動部
26 基板保持部材
260 軸部
262 幅広部
264 当接部
28 係止部材
28H 係止穴
30 プレート部材
30R 温調用空間
32 基部
34 第1スカート部
36 第2スカート部
36H 挿通孔
38 第3スカート部
38H 貫通孔
40 プレート部材移動機構
41 第1磁石部
42 第2磁石部
43 相対移動機構
50 加熱用流体供給部(温調用流体供給部)
50P 吐出口
51,51a,51b 加熱用ノズル
60 冷却用流体供給部(温調用流体供給部)
60P 吐出口
61,61a,61b 冷却用ノズル
70 排出部
71 第1カップ(温調用流体排出部)
80 表面側処理流体供給部
81 表面側ノズル
90 裏面側処理流体供給部
91 裏面側ノズル
281 棒状部
282 係止部
L1 第1位置
L2 第2位置
Q1 回転軸線
W 基板
WS1 表面
WS2 裏面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15