(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シート幅方向に延びる溝部を表面に有するクッションパッドと前記溝部に吊り込まれた状態で前記クッションパッドを覆うトリムカバーとの間に設置されるシートヒーター用発熱体であって、
前記クッションパッドの表面において前記シート幅方向と交差する方向に前記溝部を挟んで配置される第1加温部及び第2加温部と、
前記第1加温部と前記第2加温部とを連結しており、前記溝部に挿し込まれる連結部と、
前記第1加温部の一部に設定される局所加温部と、
を備え、
前記連結部を介して前記第1加温部及び前記第2加温部に跨って配線されている第1発熱線と、
前記局所加温部に配線されている第2発熱線と、
を含み、
前記第1発熱線及び前記第2発熱線それぞれの給電接続部は、前記第1加温部において前記連結部が接続されている縁部を除く前記第1加温部の縁部に設けられ、
前記連結部には前記第1発熱線のみが配線され、
前記第1発熱線及び前記第2発熱線に対する電流供給を発熱線毎に制御可能に構成されているシートヒーター用発熱体。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態を説明するための、シートの一例の斜視図である。
【0015】
図1に示すシート1は、例えば自動車等の車両に設置されるシートであり、シートクッション2と、シートバック3とを備える。
【0016】
シートクッション2は、ウレタンフォームなどの発泡材からなるクッションパッドと、クッションパッドを覆うトリムカバーとを有する。シートクッション2のトリムカバーは、吊り込みラインL1に沿ってクッションパッドに吊り込まれている。吊り込みラインL1は、シートクッション2の座面において、シート前後方向の略中央部をシート幅方向に延びて設けられている。トリムカバーが吊り込まれることにより、トリムカバーのクッションパッドに対するフィット性が高められている。
【0017】
シートクッション2は、シートクッション発熱体20をさらに有する。シートクッション発熱体20は、不織布などの基材に発熱線が配線されてなる面状の発熱体であり、シートクッション2の座面側において、クッションパッドとトリムカバーとの間に設置されている。
【0018】
シートクッション発熱体20は、吊り込みラインL1を境に区分された第1加温部21及び第2加温部22と、第1加温部21及び第2加温部22を連結している連結部23とを含む。第1加温部21は、概ね着座者の臀部から大腿部近位端に亘る部位に相対して配置され、第2加温部22は、概ね着座者の大腿部遠位端に相対して配置されている。
【0019】
シートバック3は、クッションパッドと、クッションパッドを覆うトリムカバーとを有する。シートバック3のトリムカバーは、吊り込みラインL2に沿ってクッションパッドに吊り込まれている。吊り込みラインL2は、シートバック3の背もたれ面において、シート上下方向の略中央部をシート幅方向に延びて設けられている。
【0020】
シートバック3は、シートバック発熱体30をさらに有する。シートバック発熱体30は、不織布などの基材に発熱線が配線されてなる面状の発熱体であり、シートバック3の背もたれ面側において、クッションパッドとトリムカバーとの間に設置されている。
【0021】
シートバック発熱体30は、吊り込みラインL2を境に区分された第1加温部31及び第2加温部32と、第1加温部31及び第2加温部32を連結している連結部33とを含む。第1加温部31は、概ね着座者の腰部から肩甲骨下部に亘る部位に相対して配置され、第2加温部32は、概ね着座者の肩甲骨から頸部に亘る部位に相対して配置されている。
【0022】
図2は、シートクッション2の断面を示す。
【0023】
シートクッション2は、上記のとおり、クッションパッド11と、トリムカバー12と、クッションパッド11とトリムカバー12との間に設置されたシートクッション発熱体20とを有する。
【0024】
クッションパッド11の座面側の表面には、
図1に示した吊り込みラインL1に沿ってシート幅方向に延びる溝部13が設けられており、溝部13の底にはパッド側ワイヤ14が配置されている。パッド側ワイヤ14は、クッションパッド11に固定されており、又はクッションパッド11を支持する図示しないシートフレームに固定されている。
【0025】
トリムカバー12の裏面において溝部13に重なる部分には吊り袋15が縫い付けられており、吊り袋15にはカバー側ワイヤ16が挿通されている。カバー側ワイヤ16は、ホグリング17によってパッド側ワイヤ14と束ねられており、パッド側ワイヤ14と束ねられることによって溝部13に収納されている。そして、カバー側ワイヤ16が溝部13に収納されることにより、トリムカバー12は溝部13に吊り込まれている。
【0026】
シートクッション発熱体20の第1加温部21及び第2加温部22は、シート幅方向と交差する方向(シート前後方向)に溝部13を挟んで配置されている。第1加温部21及び第2加温部22を連結している連結部23は、パッド側ワイヤ14とカバー側ワイヤ16との間に挟み込まれており、撓められた状態で溝部13に挿し込まれている。
【0027】
図示は省略するが、シートバック3のクッションパッド及びトリムカバーもまた、シートクッション2のクッションパッド11及びトリムカバー12と同様に構成され、シートバック発熱体30の第1加温部31及び第2加温部32は、シートバック3のクッションパッドに設けられた溝部をシート幅方向と交差する方向(シート上下方向)に挟んで配置される。そして、第1加温部31及び第2加温部32を連結している連結部33は、撓められた状態で溝部に挿し込まれる。
【0028】
図3は、シートクッション発熱体20の一例を示し、
図4はシートバック発熱体30の一例を示す。
【0029】
図3に示すシートクッション発熱体20Aは、基材に配線される発熱線として、第1発熱線25と、第2発熱線26とを有する。第1発熱線25は、連結部23を介して第1加温部21及び第2加温部22に跨って配線されており、第2発熱線26は、第1加温部21の一部に設定される局所加温部24に配線されている。
【0030】
第1加温部21は、上記のとおり、着座者の臀部から大腿部近位端に亘る部位に相対して設けられており、このうち大腿部近位端は、シートクッション2の座面に接触する部位のなかでも温感の知覚が相対的に早い部位である。局所加温部24は、第1加温部21のうち大腿部近位端に相対する領域に設定されている。
【0031】
第1発熱線25の両端は一対の給電接続部27に接続されており、給電接続部27は、第1加温部21において連結部23が接続されている縁部21aとは反対側の縁部21b、すなわちシートクッション2の座面後端部に配置される縁部に設けられている。
【0032】
そして、第1発熱線25は、第1加温部21から連結部23を経て第2加温部22に達し、第2加温部22にて折り返され、第2加温部22から連結部23を経て第1加温部21に戻り、全体としては第1加温部21及び第2加温部22並びに連結部23に亘って略U字状に配線されており、局所的には第1加温部21及び第2加温部22の各部を蛇行しながら配線されている。ただし、本例では、第1発熱線25は、局所加温部24の外側を迂回して配線されている。
【0033】
第2発熱線26の両端は一対の給電接続部28に接続されており、給電接続部28は、第1発熱線25の給電接続部27と同じく、第1加温部21の縁部21bに設けられている。給電接続部27には第1発熱線25に電流を供給する給電線(不図示)が接続され、給電接続部28には第2発熱線26に電流を供給する給電線(不図示)が接続される。給電接続部27及び給電接続部28が一箇所に集約されていることにより、複数の給電線の取り回しが容易となる。
【0034】
そして、第2発熱線26は、全体として第1加温部21を略U字状に配線されており、局所的には第1加温部21内の局所加温部24を蛇行しながら配線されている。第1加温部21内の局所加温部24に配線される第2発熱線26の給電接続部28が第1加温部21の縁部21bに設けられていることにより、第2発熱線26は連結部23に配線されず、したがって、連結部23の撓みに起因して第2発熱線26が断線することもない。さらに、連結部23に配線される発熱線が第1発熱線25のみとなり、連結部23の可撓性の低下が抑制され、第1発熱線25の断線もまた抑制される。
【0035】
図4に示すシートバック発熱体30Aは、基材に配線される発熱線として、第1発熱線35と、第2発熱線36とを有する。第1発熱線35は、連結部33を介して第1加温部31及び第2加温部32に跨って配線されており、第2発熱線36は、第1加温部31の一部に設定される局所加温部34に配線されている。
【0036】
第1加温部31は、上記のとおり、着座者の腰部から肩甲骨下部に亘る部位に相対して配置されており、このうち肩甲骨下部は、シートバック3の背もたれ面に接触する部位のなかでも温感の知覚が相対的に早い部位である。局所加温部34は、第1加温部31のうち肩甲骨下部に相対する領域に設定されている。
【0037】
第1発熱線35の両端は一対の給電接続部37に接続されており、給電接続部37は、第1加温部31において連結部33が接続されている縁部31aとは反対側の縁部31b、すなわちシートバック3の背もたれ面下端部に配置される縁部に設けられている。
【0038】
そして、第1発熱線35は、第1加温部31から連結部33を経て第2加温部32に達し、第2加温部32にて折り返され、第2加温部32から連結部33を経て第1加温部31に達し、全体としては第1加温部31及び第2加温部32並びに連結部33に亘って略U字状に配線されており、局所的には第1加温部31及び第2加温部32の各部を蛇行しながら配線されている。ただし、本例では、第1発熱線35は、局所加温部34の外側を迂回して配線されている。
【0039】
第2発熱線36の両端は一対の給電接続部38に接続されており、給電接続部38は、第1発熱線35の給電接続部37と同じく、第1加温部31の縁部31bに設けられている。給電接続部37には第1発熱線35に電力を供給する給電線(不図示)が接続され、給電接続部38には第2発熱線36に電力を供給する給電線(不図示)が接続される。給電接続部37及び給電接続部38が一箇所に集約されていることにより、複数の給電線の取り回しが容易となる。
【0040】
そして、第2発熱線36は、全体として第1加温部31を略U字状に配線されており、局所的には第1加温部31内の局所加温部34を蛇行しながら配線されている。第1加温部31内の局所加温部34に配線される第2発熱線36の給電接続部38が第1加温部31の縁部31bに設けられていることにより、第2発熱線36は連結部33に配線されず、したがって、連結部33の撓みに起因して第2発熱線36が断線することもない。さらに、連結部33に配線される発熱線が第1発熱線35のみとなり、連結部33の可撓性の低下が抑制され、第1発熱線35の断線もまた抑制される。
【0041】
図5は、シートクッション発熱体及びシートバック発熱体を備えるシートヒーターの一例を示す。
【0042】
シートヒーター40は、
図3に示したシートクッション発熱体20Aと、
図4に示したシートバック発熱体30Aと、制御部41と、電源部42とを備える。制御部41は、シートクッション発熱体20Aの第1発熱線25及び第2発熱線26に対する電流供給を制御し、シートバック発熱体30Aの第1発熱線35及び第2発熱線36に対する電流供給を制御する。電源部42は、例えば車両に搭載されるバッテリーから給電される。
【0043】
制御部41は、スイッチ素子43a〜43dを含む。スイッチ素子43a〜43dは、シートクッション発熱体20Aの第1発熱線25及び第2発熱線26、並びにシートバック発熱体30Aの第1発熱線35及び第2発熱線36の発熱線毎に設けられている。制御部41は、これらのスイッチ素子43a〜43dを用い、第1発熱線25及び第2発熱線26並びに第1発熱線35及び第2発熱線36に対する電流供給を発熱線毎に制御可能に構成されている。制御方法としては、例えばパルス幅変調等が用いられる。
【0044】
図6は、シートクッション発熱体20Aの第1発熱線25及び第2発熱線26に対する電流供給制御の一例を示す。
【0045】
図6に示す例は、シートヒーター40の作動開始直後は局所加温部24のみ昇温させ、その後、局所加温部24の温度を維持し、且つ局所加温部24を除く第1加温部21及び第2加温部22を昇温させ、シートクッション2の座面の全体を略均一な温度に加温するものである。
【0046】
まず、シートヒーター40の制御部41は、作動開始(T1)から所定タイミング(T2)到来までの起動時(T1〜T2)には、第2発熱線26にのみ電流を供給し、第2発熱線26を発熱させる。第2発熱線26の発熱によって局所加温部24が昇温される。
【0047】
起動時(T1〜T2)に第2発熱線26に供給される電流量(A1)は、例えばシートヒーター40に許容される消費電流の上限に相当する電流量とすることができる。
【0048】
なお、所定タイミング(T2)は、作動開始(T1)から所定の時間が経過したタイミングであってもよく、局所加温部24に温度センサーが設けられ、この温度センサーによって検出される温度が所定の温度に達したタイミングであってもよい。
【0049】
本例では、第1発熱線25が局所加温部24を迂回して配線されていることから、制御部41は、所定タイミング(T2)が到来した後の定常時(T2〜T3)には、第1発熱線25及び第2発熱線26に電流を供給し、第1発熱線25及び第2発熱線26を発熱させる。第2発熱線26の発熱によって局所加温部24の温度が維持され、第1発熱線25の発熱によって、局所加温部24を除く第1加温部21及び第2加温部22が局所加温部24と同じ温度まで昇温される。
【0050】
定常時(T2〜T3)に第2発熱線26に供給される電流量(A2)は、起動時(T1〜T2)に第2発熱線26に供給される電流量(A1)より小さく、定常時(T2〜T3)に第1発熱線25に供給される電流量(A3)及び第2発熱線26に供給される電流量(A2)の合計の電流量(A2+A3)は、起動時(T1〜T2)に第2発熱線26に供給される電流量(A1)以下、すなわちシートヒーター40に許容される消費電流の上限に相当する電流量以下である。
【0051】
このように、起動時(T1〜T2)に、第2発熱線26にのみ電流を供給することにより、シートヒーター40に許容される消費電流の上限に相当する電流量(A1)を第2発熱線26に供給でき、局所加温部24を急速に昇温させることができる。局所加温部24は、温感の知覚が相対的に早い大腿部近位端に相対する領域に設定されており、起動時(T1〜T2)に、局所加温部24を急速に昇温させることによって快適感を早期に向上させることができ、局所加温部24を含む第1加温部21及び第2加温部22全体を同じ速度で昇温させる場合に要する電流量に比べて消費電流を抑制することができる。
【0052】
局所加温部24を急速に昇温させる観点から、局所加温部24における第2発熱線26の配線密度を、局所加温部24を除く第1加温部21及び第2加温部22における第1発熱線25の配線密度よりも大きくすることが好ましい。
【0053】
シートバック発熱体30Aの第1発熱線35及び第2発熱線36に対する電流供給もまた、シートクッション発熱体20Aの第1発熱線25及び第2発熱線26に対する電流供給と同様に制御される。
【0054】
なお、シートクッション発熱体20Aの第1発熱線25及び第2発熱線26に対する電流供給制御は、上記の例に限定されるものではない。例えば、上記の電流供給制御では、定常時(T2〜T3)に、局所加温部24の温度と、局所加温部24を除く第1加温部21及び第2加温部22の温度とを等しくするものとして説明したが、局所加温部24の温度と、局所加温部24を除く第1加温部21及び第2加温部22の温度とを互いに異ならせてもよい。シートクッション発熱体20Aでは、第1発熱線25が局所加温部24を迂回して配線されており、局所加温部24の温度と、局所加温部24を除く第1加温部21及び第2加温部22の温度とを互いに独立に設定できる。すなわち、局所加温部24の温度を相対的に低くすることもでき、相対的に高くすることもできる。
【0055】
図7は、シートクッション発熱体20の他の例を示し、
図8はシートバック発熱体30の他の例を示す。
【0056】
図7に示すシートクッション発熱体20Bは、第1発熱線25が第2発熱線26と並行して局所加温部24にも配線されている点で、
図3に示したシートクッション発熱体20Aと相違し、その他の点はシートクッション発熱体20Aと同一である。第1発熱線25が第2発熱線26と並行して局所加温部24にも配線されていることから、局所加温部24は、第1発熱線25の発熱によっても昇温され、第2発熱線26の発熱によっても昇温される。
【0057】
図8に示すシートバック発熱体30Bは、第1発熱線35が第2発熱線36と並行して局所加温部34にも配線されている点で、
図4に示したシートバック発熱体30Aと相違しており、局所加温部34は、第1発熱線35の発熱によっても昇温され、第2発熱線36の発熱によっても昇温される。
【0058】
図9は、
図5に示したシートヒーター40のシートクッション発熱体20A及びシートバック発熱体30Aをシートクッション発熱体20B及びシートバック発熱体30Bに替えた場合における、シートクッション発熱体20Bの第1発熱線25及び第2発熱線26に対する電流供給制御の一例を示す。
【0059】
図9に示す例は、シートヒーター40の作動開始直後は局所加温部24のみ昇温させ、その後、局所加温部24の温度を維持し、且つ局所加温部24を除く第1加温部21及び第2加温部22を昇温させ、シートクッション2の座面の全体を略均一な温度に加温するものである。
【0060】
まず、シートヒーター40の制御部41は、作動開始(T1)から所定タイミング(T2)到来までの起動時(T1〜T2)には、第2発熱線26にのみ電流を供給し、第2発熱線26を発熱させる。第2発熱線26の発熱によって局所加温部24が昇温される。
【0061】
起動時(T1〜T2)に第2発熱線26に供給される電流量(A1)は、例えばシートヒーター40に許容される消費電流の上限に相当する電流量とすることができる。
【0062】
本例では、第1発熱線25が第2発熱線36と並行して局所加温部34にも配線されていることから、制御部41は、所定タイミング(T2)が到来した後の定常時(T2〜T3)には、第2発熱線26に対する電流供給を遮断し、第1発熱線25にのみ電流を供給し、第1発熱線25を発熱させる。第1発熱線25の発熱によって、局所加温部24の温度は維持され、局所加温部24を除く第1加温部21及び第2加温部22が局所加温部24と同じ温度まで昇温される。
【0063】
定常時(T2〜T3)に第1発熱線25に供給される電流量(A4)は、起動時(T1〜T2)に第2発熱線26に供給される電流量(A1)以下、すなわちシートヒーター40に許容される消費電流の上限に相当する電流量以下である。
【0064】
このように、起動時(T1〜T2)に、第2発熱線26にのみ電流を供給することにより、シートヒーター40に許容される消費電流の上限に相当する電流量(A1)を第2発熱線26に供給でき、局所加温部24を急速に昇温させることができる。局所加温部24は、温感の知覚が相対的に早い大腿部近位端に相対する領域に設定されており、起動時(T1〜T2)に、局所加温部24を急速に昇温させることによって快適感を早期に向上させることができ、局所加温部24を含む第1加温部21及び第2加温部22全体を同じ速度で昇温させる場合に要する電流量に比べて消費電流を抑制することができる。
【0065】
さらに、本例では、第1発熱線25の発熱によって、局所加温部24を含む第1加温部21及び第2加温部22の全体を昇温させることができるので、定常時(T2〜T3)には第1発熱線25にのみ電流を供給してシートクッション2の座面の全体を略均一な温度に加温することができ、電流供給制御が簡潔となる。
【0066】
シートバック発熱体30Bの第1発熱線35及び第2発熱線36に対する電流供給もまた、シートクッション発熱体20Bの第1発熱線25及び第2発熱線26に対する電流供給と同様に制御される。
【0067】
なお、シートクッション発熱体20Bの第1発熱線25及び第2発熱線26に対する電流供給制御は、上記の例に限定されるものではない。例えば、起動時(T1〜T2)に第1発熱線25及び第2発熱線26に供給される合計の電流量が、起動時(T1〜T2)に第2発熱線26に供給される電流量以下、すなわちシートヒーター40に許容される消費電流の上限に相当する電流量以下となる範囲で、定常時(T2〜T3)に第1発熱線25及び第2発熱線26に電流を供給し、局所加温部24の温度を相対的に高くしてもよい。
【0068】
以上、自動車等の車両に設置されるシート1を例にして本発明を説明したが、本発明は、船舶や航空機といった車両以外の乗物用のシートにも適用可能であり、家具用のシートにも適用可能である。