特許第6770906号(P6770906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6770906
(24)【登録日】2020年9月30日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】屋根構造体
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/02 20060101AFI20201012BHJP
   E04B 1/343 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
   E04H6/02 D
   E04B1/343 V
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-18993(P2017-18993)
(22)【出願日】2017年2月3日
(65)【公開番号】特開2018-123652(P2018-123652A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】魚住 直宏
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−186352(JP,U)
【文献】 特開2003−206645(JP,A)
【文献】 特開2006−097256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/02
E04B 1/343
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱材と、
前記柱材に接続される梁と、
前記梁に接続される屋根体と、
前記梁に固定され、サポート柱の上端部を係脱させることが可能なサポート柱取付金具と、を備え、
前記サポート柱取付金具の少なくとも一部は、前記屋根体の内部に配置される屋根構造体。
【請求項2】
前記屋根体は、平面状の形材側下面と、前記形材側下面を貫通する開口部と、を有する屋根体構成形材を備え、
前記サポート柱取付金具の少なくとも一部は、前記形材側下面よりも上方に配置され、
前記サポート柱取付金具は、前記屋根体構成形材の前記開口部を介して前記形材側下面よりも下方に突出する係脱部を有する請求項1に記載の屋根構造体。
【請求項3】
前記係脱部の下面は、平面状に形成される請求項2に記載の屋根構造体。
【請求項4】
前記屋根体構成形材は、中空部を有する形材で構成される請求項2又は3に記載の屋根構造体。
【請求項5】
前記屋根体は、梁の下部に接続され、
前記サポート柱取付金具は、ネジ部材により前記梁と前記屋根体とに共締めされて、前記梁及び前記屋根体に固定される請求項1から4のいずれかに記載の屋根構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根構造体に関する。より詳しくは、屋根体を下方から支持するサポート柱の上端部を係脱させることが可能なサポート柱取付金具を備える屋根構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、梁と屋根体とを備える片持ち支持構造のカーポートなどの屋根構造体において、屋根体を下方から支持するサポート柱を備える技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。サポート柱は、片持ち支持構造のカーポートにおいて、例えば、強風や降雪の場合に、屋根体を下方から支持するように、梁や屋根体に取り付けられたサポート柱取付金具に取り付けられ、強風や雪でない場合に、梁や屋根体に取り付けられたサポート柱取付金具から取り外される。つまり、カーポートのサポート柱の上端部は、梁や屋根体の下部に設けられたサポート柱取付金具に係脱可能に構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5261698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サポート柱が取り付けられたカーポートにおいては、梁や屋根体に設けられたサポート柱取付金具は、サポート柱が取り外された場合に、梁や屋根体の下部から下方に突出した状態で配置される。そのため、カーポートの屋根体を下方から見た場合に、サポート柱取付金具が目立った状態で視認される。
サポート柱をカーポートから取り外した場合に、サポート柱取付金具が目立たないように、意匠性を向上できることが望まれる。
【0005】
本発明は、意匠性を向上できる屋根構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、柱材(例えば、後述する支柱2)と、前記柱材に接続される梁(例えば、後述する梁4)と、前記梁に接続される屋根体(例えば、後述する屋根体6)と、前記梁に固定され、サポート柱(例えば、後述するサポート柱12)の上端部を係脱させることが可能なサポート柱取付金具(例えば、後述するサポート柱取付金具68)と、を備え、前記サポート柱取付金具の少なくとも一部は、前記屋根体の内部に配置される屋根構造体に関する。
【0007】
また、前記屋根体は、平面状の形材側下面(例えば、後述する形材側下面649a)と、前記形材側下面を貫通する開口部(例えば、後述する開口部649b)と、を有する屋根体構成形材(例えば、後述する先端側形材64)を備え、前記サポート柱取付金具の少なくとも一部は、前記形材側下面よりも上方に配置され、前記サポート柱取付金具は、前記屋根体構成形材の前記開口部を介して前記形材側下面よりも下方に突出する係脱部(例えば、後述する係脱部682)を有することが好ましい。
【0008】
また、前記係脱部の下面は、平面状に形成されることが好ましい。
【0009】
また、前記屋根体構成形材は、中空部を有する形材で構成されることが好ましい。
【0010】
また、前記屋根体は、梁の下部に接続され、前記サポート柱取付金具は、ネジ部材(例えば、後述するネジ部材108)により前記梁と前記屋根体とに共締めされて、前記梁及び前記屋根体に固定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、意匠性を向上できる屋根構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るカーポートを上方側から見た斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るカーポートを下方側から見た斜視図である。
図3】屋根体の基端側の構造を示す要部拡大斜視図である。
図4図1におけるA−A線断面図である。
図5】屋根体を構成する樋構成形材の梁への接続構造を示す断面図である。
図6】屋根体を構成する中間形材の梁への接続構造を示す断面図である。
図7図4におけるC−C線断面図である。
図8】サポート柱取付金具にサポート柱を引っ掛ける状態を示す斜視図である。
図9】サポート柱取付金具の取り付け状態において各部材を分解して示す分解斜視図である。
図10】サポート柱取付金具の取り付け状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の屋根構造体の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態においては、屋根構造体をカーポート1に適用した例について説明する。なお、本実施形態においては、屋根構造体をカーポート1に適用した例について説明するが、これに限定されない。例えば、屋根構造体を、カーポート以外の構造物、例えば、駐輪場、シェルター、休憩所、テラス、バス停などの構造物に適用してもよい。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るカーポート1を上方側から見た斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係るカーポート1を下方側から見た斜視図である。図3は、屋根体6の基端側の構造を示す要部拡大斜視図である。図4は、図1におけるA−A線断面図である。図5は、屋根体6を構成する樋構成形材62の梁4への接続構造を示す断面図である。図6は、屋根体6を構成する中間形材63の梁4への接続構造を示す断面図である。図7は、図4におけるC−C線断面図である。図8は、サポート柱取付金具68にサポート柱12を引っ掛ける状態を示す斜視図である。図9は、サポート柱取付金具68の取り付け状態において各部材を分解して示す分解斜視図である。図10は、サポート柱取付金具68の取り付け状態を示す断面図である。
【0015】
なお、本実施形態の説明においては、カーポート1の屋根体6を構成する複数の長尺形材(長尺材)61が延びる方向を前後方向ともいい、図1及び図2において、カーポート1の手前側を手前側ともいい、カーポート1の奥側を奥側ともいう。また、長尺形材(長尺材)61が延びる前後方向に直交する方向を左右方向ともいう。また、左右方向において、手前側から見た場合に支柱2側を、カーポート1の右側ともいい、手前側から見た場合に支柱2と反対側を、カーポート1の左側ともいう。また、梁4が延びる方向において、支柱2側を、カーポート1の基端側ともいい、支柱2と反対側を、カーポート1の先端側ともいう。
【0016】
まず、本実施形態のカーポート1の全体構造について説明する。本実施形態のカーポート1は、図1及び図2に示すように、屋根体6を左右方向の基端側(図1及び図2における右側)において一対の支柱2で支持する、いわゆる、片持ち構造のカーポートである。また、本実施形態のカーポート1は、支柱2に接続された梁4の下部(下方)に、屋根体6が吊られて接続される吊構造で構成される。
【0017】
図1図6に示すように、本実施形態のカーポート1は、地面11に立設される一対の支柱2(柱材)と、一対の支柱2の側面に取り付けられる支柱カバー部材3(カバー部材)と、支柱2の上端部から支柱に交差する方向に延びる梁4と、支柱2と梁4とを接続するL字状の連結部材5と、梁4の下部に接続される屋根体6(屋根材)と、屋根体6の上面を流れた水を支柱2側へ誘導するL字状の誘導部材7(図3参照)と、一対の屋根体側部カバー部材8(カバー部)と、屋根体先端カバー部材65と、サポート柱12と、サポート柱取付金具68と、を備える。支柱2及び梁4は、アルミ材料の押出し形材で形成され、断面が中空状の中空部を有するホロー構造を有する。
支柱2、梁4、屋根体6及びサポート柱取付金具68は、後述するサポート柱取付金具68を備える屋根構造体を構成する。
【0018】
一対の支柱2は、図1に示すように、カーポート1の左右方向の一方側(図1における右側)において、カーポート1の前後方向に離間して配置される。
支柱2は、上下方向に延びて形成され、図7に示すように、横断面が角筒状に形成される中空状の支柱側ホロー部21と、支柱側ホロー部21の屋根体6側の側面から屋根体6側に突出すると共に上下方向に延びる一対のカバー取付壁22と、を有する。一対のカバー取付壁22には、支柱カバー部材3が取り付けられる。支柱2の上端部には、支柱2の上端部の開口を覆うように、支柱キャップ201が配置される。
【0019】
図1に示すように、一対の支柱2における前後方向の一方側(図1における手前側)の支柱2には、地面11付近の下端部に、下端開口部23が形成される。下端開口部23は、屋根体6側の側面が開放すると共に屋根体6側から支柱2の内部側に窪むように切り欠かれている。下端開口部23には、排水受け蓋部材24が配置される。排水受け蓋部材24には、前後方向の手前側の外方に向けて開放する排出開口24aが設けられている。排出開口24aは、支柱2と支柱カバー部材3とにより構成される支柱側樋構成部20(後述)を流れる水を手前側の外部へ排出する。
【0020】
支柱カバー部材3は、図4に示すように、支柱2における一対のカバー取付壁22に取り付けられる。支柱カバー部材3は、支柱2における屋根体6側の側面、及び後述する支柱2と連結部材5とを固定するネジ部材102を覆うように、一対のカバー取付壁22(図7参照)に取り付けられる。支柱2と支柱カバー部材3との間には屋根体6の上面6aを流れる水が流入して水が流れるため、支柱2及び支柱カバー部材3は支柱側樋構成部20(柱材側樋構造)として構成される。
【0021】
支柱2と支柱カバー部材3との間(支柱側樋構成部20)には、屋根体6の屋根体側樋構成部60(後述)から排出された水が流される。支柱側樋構成部20は、支柱2の屋根体6側の側面が支柱カバー部材3に覆われるため、カーポート1の外部からは視認されない。そのため、支柱2が樋の機能を備えることが外部からは視認されず、意匠性を向上できる。
【0022】
一対の梁4は、図1に示すように、カーポート1の前後方向に離間して配置される。一対の梁4は、それぞれ、左右方向に延びると共に、支柱2側に下る下り傾斜で形成される。一対の梁4の基端側の端部(右側の端部)は、L字状の連結部材5を介して、支柱2の上端部に接続される。一対の梁4の下部には、屋根体6が接続される。
【0023】
一対の梁4は、図1及び図4に示すように、それぞれ、断面が角筒状に形成される梁側ホロー部41と、延出板部42と、端部キャップ43と、を有する。
【0024】
梁側ホロー部41の先端41aは、先端側の上端部が傾斜して切り欠かれるように、先端側から基端側(支柱2側)に向かうにしたがって上る上り傾斜で形成される。そのため、梁4の先端41aは、梁4の下部に屋根体6が接続された状態において、屋根体6の先端側の下方の地面11側からは視認しにくい形状である。よって、屋根体6の先端側の下方の地面11側からは梁4を視認しにくいため、意匠性を向上できる。
【0025】
延出板部42は、梁側ホロー部41の下端部から、屋根体6における前後方向の中央側(一対の梁4のうち、当該梁4とは別の梁4側)に向けて延出すると共に、左右方向に延びる板状に形成される。
【0026】
延出板部42には、図5及び図6に示すように、梁4に屋根体6を固定するために用いられるネジ部材101が挿入されるネジ孔421が左右方向に並んで複数形成されている。複数のネジ孔421は、支柱2側の基端側から梁4の先端側に向かって、第1樋形材取り付けネジ孔421a、フック部取り付けネジ孔421b、第2樋形材取り付けネジ孔421cが形成され、続けて、複数の片側取り付けネジ孔421dが並んで形成されている。
【0027】
第1樋形材取り付けネジ孔421aは、図5に示すように、長尺形材61における樋構成形材62(後述)の基端側の部分と梁4の延出板部42とをネジ部材101で固定するために設けられる。
第2樋形材取り付けネジ孔421cは、長尺形材61における樋構成形材62(後述)の先端側の部分と梁4の延出板部42とをネジ部材101で固定するために設けられる。
フック部取り付けネジ孔421bには、長尺形材61における樋構成形材62(後述)を梁4に取り付ける際に、長尺形材61の樋構成形材62を引っ掛けて仮置きするためのフック部110(図5参照)をネジ部材101で固定するために設けられる。
片側取り付けネジ孔421dは、図6に示すように、長尺形材61の中間形材63を梁4に取り付ける際に、中間形材63の先端側の部分と梁4の延出板部42とをネジ部材101で固定するために設けられる。
【0028】
連結部材5は、図4に示すように、カーポート1を前後方向に見た場合に、全体としてL字状に形成され、断面が筒状に形成される。連結部材5は、上下方向に延びる縦筒部51と、縦筒部51側が下る下り傾斜となるように延びると共に縦筒部51に接続される横筒部52と、を有する。
【0029】
連結部材5は、支柱2と梁4とを接続する。連結部材5は、縦筒部51の下端部(一方側)が、支柱2の上端部側から支柱2の支柱側ホロー部21に挿入され、上下方向に並ぶ4つのネジ部材102により屋根体6側において支柱2に固定される。連結部材5は、横筒部52の先端部(他方側)が、梁4の梁側ホロー部41に挿入されて、上方側から2のネジ部材103に固定されると共に、下方側から1つのネジ部材104で固定される。
【0030】
支柱2と連結部材5とを固定する上下方向に並ぶ4つのネジ部材102は、図4に示すように、屋根体6側の支柱2の側面の4箇所において、支柱2と連結部材5とを固定する。支柱2の屋根体6側の側面に露出したネジ部材102は、支柱2の側面を覆う支柱カバー部材3が支柱2に取り付けられることで、外部から視認されないように、支柱カバー部材3により覆われる。これにより、外部からネジ部材102が視認されないため、意匠性を向上できる。
【0031】
梁4と連結部材5とを固定する複数のネジ部材103,104は、梁4の上面の2箇所と、梁4の下面の1箇所において、梁4と連結部材5とを固定する。梁4の上面側の2箇所のネジ部材103は、上方に露出して配置されるため、カーポート1の下方側からは視認されない。梁4の下面側の1箇所のネジ部材104は、梁4の下方に屋根体6が配置されるため、カーポート1の下方側からは視認されない。
【0032】
屋根体6は、図4に示すように、屋根体6が一対の梁4の下部に吊られて配置される吊り下げ構造であって、一対の梁4の下部に取り付けられる(接続される)。屋根体6は、複数の長尺形材(長尺材)61が、梁4が延びる方向に並んで連設されて互いが嵌合して連結されて構成される。屋根体6の先端側には、一対のサポート柱12の上端部が係脱可能に接続される。
【0033】
一対のサポート柱12は、図1に示すように、カーポート1の前後方向に離間して配置される。サポート柱12は、屋根体6の先端側の下面側から、支柱2とは反対側に離れるように僅かに傾斜して地面11側に向かって延びる棒状に形成される。サポート柱12は、地面11と屋根体6との間に配置され、屋根体6と共締めされて、梁4に固定される。サポート柱12の上端部は、例えば、強風や降雪の際に、屋根体6に取り付けられたサポート柱取付金具68(図8参照)に係脱させることが可能である。
【0034】
複数の長尺形材61は、それぞれ、カーポート1の前後方向(梁4が延びる方向に直交する方向)に延びており、所定の厚さを有する。複数の長尺形材61は、それぞれ、アルミ材料の押出し形材で形成され、断面が中空状に形成される中空部を有するホロー構造を有する。屋根体6は、上面6a及び下面6bがフラット(平面状)に形成される。屋根体6は、支柱2側が下る下り傾斜に配置されており、上面6a及び下面6bは、支柱2側が下る下り傾斜に形成される。アルミ材料の押出し形材で形成された複数の長尺形材61を連結して屋根体6を構成することで、複数の長尺形材61を、屋根体6の面材として使用できると共に、屋根体6の強度を確保することができる。
【0035】
屋根体6を構成する複数の長尺形材61は、図4に示すように、支柱2側の最も基端側の端部に配置される樋構成形材62と、最も先端側に配置される先端側形材64と、樋構成形材62と先端側形材64との間に配置される複数の中間形材63と、により構成される。
【0036】
樋構成形材62は、図5に示すように、中空部を有するホロー構造のアルミ材料の長尺形材の上面が切り欠かれて上方に開放された形状に形成される。樋構成形材62は、屋根体6の支柱2側の最も基端側の端部において、屋根体6の上面6aを基端側に流れて基端側の端部に達した水を受け止めて流通させる屋根体側樋構成部60を構成する。屋根体側樋構成部60は、屋根体6の上面6aを流れる水の下流側の端部に配置される。本実施形態においては、屋根体側樋構成部60は、屋根体6における下り傾斜の端部であって、屋根体6における基端側の支柱2側の端部に配置されている。
【0037】
屋根体側樋構成部60は、中空部を有するホロー構造のアルミ材料の長尺形材の上面を切り欠いて形成されるため、屋根体側樋構成部60を屋根体6の下方から見た場合に、長尺形材61のフラットな(平面状の)下面が見えるだけで、屋根体6の上面6a側に樋が存在することを認識させずに樋を構成でき、意匠性を向上できる。
【0038】
樋構成形材62は、屋根体6の基端側の支柱2側に形成される樋構成部621と、屋根体6の先端側に形成される先端側上部外方延出片627と、屋根体6の先端側に形成される先端側下部外方片628と、を有する。
【0039】
樋構成部621は、上方が開放する略U字形状の樋構成部本体622と、屋根体6の基端側に配置される基端側上部内方延出片623と、屋根体6の先端側に配置される先端側上部内方延出片624と、水切りフィン625と、基端側上部壁626と、を有する。
【0040】
樋構成部本体622は、屋根体6の上面6aにおいて支柱2側に流された水を、上方の開放された部分から導入して受け止める。樋構成部本体622の側面には、導出開口622aが形成される。
【0041】
導出開口622aは、図3及び図5に示すように、前後方向において一対の支柱2のうちの手前側の一方の支柱2が配置される部分において、樋構成部本体622の側面を支柱2側の側方に貫通して形成される。導出開口622aには、L字状の誘導部材7の側部開口部71(後述)が接続される。
【0042】
誘導部材7は、図3及び図5に示すように、屋根体側樋構成部60に流れ込んで滞留した水を、支柱側樋構成部20に誘導する。誘導部材7は、前後方向に見た場合に、L字状の筒状に形成され、側部開口部71と、下端開口部72と、を有する。誘導部材7は、一方側の側部開口部71が樋構成部本体622(屋根体側樋構成部60)の側面に形成された導出開口622aに接続されると共に、他方側の下端開口部72が支柱2と支柱カバー部材3との間に挿入されて、支柱側樋構成部20の内部に開口される。誘導部材7は支柱2と支柱カバー部材3との間に配置されるため、支柱2を切り欠かなくても、誘導部材7の下端開口部72を支柱2側に配置できる。
【0043】
基端側上部内方延出片623は、図5に示すように、樋構成部621の基端部側において、樋構成部621の上方側の内面から内方側に突出する。基端側上部内方延出片623には、ネジ部材101がねじ込まれる取付ネジ孔623aが形成される。
【0044】
先端側上部内方延出片624は、樋構成部621の幅方向の基端部と反対側において、樋構成部621の上端部から内側に突出する。先端側上部内方延出片624の先端には下端に突出する引っ掛け突出片624aが形成される。樋構成形材62を梁4に取り付ける場合には、樋構成形材62の引っ掛け突出片624aを、梁4の延出板部42の下面に固定されたフック部110に引っ掛けることで、樋構成形材62を、梁4の延出板部42の下面に仮置きできる。また、樋構成形材62の引っ掛け突出片624aを梁4の延出板部42の下面に固定されたフック部110に引っ掛けた状態で、引っ掛け突出片624aを中心に樋構成形材62を回転することで、樋構成形材62を、取り付け位置に配置できる。
【0045】
水切りフィン625は、図5に示すように、樋構成部本体622における屋根体6の基端側において、樋構成部本体622の下端部から下方に突出する。水切りフィン625の下端部625aの位置は、上下方向において、支柱カバー部材3の上端部31よりも下方に位置する。
【0046】
水切りフィン625は、後述する屋根体側部カバー部材8の水受け流路部(図示せず)から導出された水が伝達され、屋根体側部カバー部材8の水受け流路部(図示せず)により伝達された水を、屋根体6の下面6bに回り込まないように、屋根体6の下方に落下させる。
【0047】
また、水切りフィン625の下端部625aの位置は、上下方向において、支柱カバー部材3の上端部31よりも下方に位置するため、水切りフィン625は、支柱カバー部材3の上端部31よりも上方における誘導部材7が配置される部分を覆うことができる。これにより、誘導部材7を外部から隠すことができるため、意匠性を向上できる。
【0048】
基端側上部壁626は、屋根体6の基端側の端部において、屋根体6の上面6aから立設して形成される。基端側上部壁626は、屋根体6の基端側の端部において、水の飛び出しを低減する。
【0049】
先端側上部外方延出片627は、樋構成部本体622における屋根体6の先端側(左側)の上端部から先端側に向けて延出する。先端側上部外方延出片627には、ネジ孔627aが形成される。ネジ孔627aには、樋構成形材62の先端側の端部を梁4に取り付ける際に、梁4の延出板部42の第2樋形材取り付けネジ孔421cの上方から挿入されたネジ部材101が挿入され、ネジ部材101は、先端側上部外方延出片627の下方に配置されるナット部材601に螺合する。
【0050】
先端側上部外方延出片627における屋根体6の先端側(左側)の端部には、側方延出壁627bと、下方延出壁627cと、が形成される。下方延出壁627cの基端側の側面からは、先端側係止片627dが基端側の側方に突出する。先端側係止片627dに対向する位置には、先端側上部外方延出片627の下方から下方に延出し途中で先端側係止片627d側に屈曲して形成される基端側係止片627eが形成される。
先端側上部外方延出片627の下方において、先端側係止片627dと基端側係止片627eとにより、ナット部材601が係止される。
【0051】
下方延出壁627cの先端側(左側)の面には、隣接する中間形材63の基端側の端部に取り付けられるパッキン部材602が押圧される。パッキン部材602は、樋構成形材62と中間形材63との接合部に配置される止水部(第1止水部)として機能する。
【0052】
先端側下部外方片628は、樋構成部本体622における屋根体6の先端側(左側)の下端部から先端側(左側)に延出する。先端側下部外方片628における先端側(左側)の端部には、上方側に突出する引っ掛け係合部628a(第1係合部)が形成される。
【0053】
引っ掛け係合部628aは、梁4に取り付けられた樋構成形材62の先端側(長手方向に直交する幅方向の一端部側)の端部に形成される。引っ掛け係合部628aは、隣接する中間形材63の基端側(長手方向に直交する幅方向の樋構成形材62側の端部側)の端部に形成される引っ掛け延出片635の戻り引っ掛け片635b(第2係合部)(後述)に係合可能である。
【0054】
先端側下部外方片628の上面には、隣接する長尺形材61の中間形材63における中段樋構成部610(後述)(第1の第2止水部)から溢れた水が流通する。先端側下部外方片628の上面は、屋根体6の内部において、上下方向の下段に位置する下段樋構成部620を構成する。下段樋構成部620は、水を流す樋機能を有すると共に、止水部(第2の第2止水部)として機能する。下段樋構成部620は、パッキン部材602を通過して中段樋構成部610に受け止められた水であって中段樋構成部610(第1の第2止水部)から溢れた水を受け止めて、受け止めた水を前後方向の両端部側に流通させる。
【0055】
樋構成形材62は、基端側において、上方側からネジ部材101が移動され、梁4の延出板部42の第1樋形材取り付けネジ孔421aを通されたネジ部材101が基端側上部内方延出片623の取付ネジ孔623aに螺合されることで、梁4に固定される。また、樋構成形材62においては、図5に示すように、ナット部材601は、樋構成形材62における先端部側において、樋構成形材62の内部に取り付けられている。樋構成形材62は、先端側において、上方側から移動されるネジ部材101により、梁4の延出板部42の片側取り付けネジ孔421dと先端側上部外方延出片627のネジ孔627aとに挿通されたネジ部材101が、ナット部材601に螺合されることで、梁4に固定される。
【0056】
中間形材63は、樋構成形材62と先端側形材64との間に複数並んで配置される。中間形材63は、図6に示すように、中間形材63側に配置される第1中間ホロー部631と、第1中間ホロー部631の先端側に配置される第2中間ホロー部632と、第1中間ホロー部631における基端側の上端部の側面に形成されるパッキン取付凹部633と、第1中間ホロー部631の中間形材63側の面において上下方向の略中央から中間形材63側に延在するL字状の第2止水部としての中段樋部634と、中段樋部634の基端側の端部の下端部から下方に延びるL字状の引っ掛け延出片635と、第1中間ホロー部631における中間形材63側の下端部の側面から基端側に突出する基端側下部突出片636と、先端側上部外方延出片637と、先端側下部外方片638と、を有する。
【0057】
パッキン取付凹部633は、基端側に隣接する樋構成形材62の下方延出壁627cに対向して配置される。パッキン取付凹部633には、パッキン部材602が取り付けられる。パッキン部材602は、パッキン取付凹部633に取り付けられた状態で、基端側に隣接する樋構成形材62の下方延出壁627cを押圧する。パッキン部材602は、樋構成形材62と中間形材63との連結部分に配置され、止水部(第1止水部)として機能する。
【0058】
中段樋部634は、底壁部634aと、立設片634bと、を有する。中段樋部634は、屋根体6の内部において、上下方向の中段に位置する中段樋構成部610を構成する。中段樋構成部610は、水を流す樋機能を有すると共に、止水部(第1の第2止水部)として機能する。中段樋構成部610は、パッキン部材602で止水できなかったパッキン部材602を通過した水を受け止めて、受け止めた水を前後方向の両端部側に流通させる。
【0059】
L字状の引っ掛け延出片635は、下方延出片635aと、下方延出片635aの下端部から第1中間ホロー部631側に戻るように延びる戻り引っ掛け片635bと、を有する。戻り引っ掛け片635bは、隣接する樋構成形材62の先端側の端部に形成される引っ掛け係合部628aに係合可能である。戻り引っ掛け片635bは、引っ掛け係合部628aに係合した状態で、引っ掛け係合部628aを中心に回転可能である。
【0060】
梁4に接続した樋構成形材62の隣りに、隣接する中間形材63を取り付ける場合には、梁4に取り付けられた樋構成形材62の引っ掛け係合部628aに、中間形材63の引っ掛け延出片635を引っ掛けることで、梁4の下方において、中間形材63を仮置きできる。また、樋構成形材62の引っ掛け係合部628aに中間形材63の引っ掛け延出片635を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片635の先端を中心に中間形材63を回転することで、中間形材63を取り付け位置に配置できる。
中間形材63を取り付け位置に配置した状態においては、樋構成形材62における梁4の先端側には、樋構成形材62の引っ掛け係合部628aに中間形材63の引っ掛け延出片635が嵌合した状態で、中間形材63が取り付けられる。
【0061】
中間形材63の先端側上部外方延出片637及び先端側下部外方片638については、説明しない点については、樋構成形材62の先端側上部外方延出片627及び先端側下部外方片628の構造と同様である。そのため、中間形材63の先端側上部外方延出片637及び先端側下部外方片638の構造については、図6において樋構成形材62の構造に対応する符号を付して、その説明を省略する。
【0062】
中間形材63においては、図6に示すように、ナット部材601は、中間形材63における先端部側(長手方向に直交する幅方向における戻り引っ掛け片635b(第2係合部)と反対側の端部側)において、中間形材63の内部に取り付けられている。中間形材63は、先端側において、上方側から移動されるネジ部材101により、梁4の延出板部42の片側取り付けネジ孔421dと先端側上部外方延出片637のネジ孔637aとに挿通されたネジ部材101が、ナット部材601に螺合されることで、梁4に固定される。
【0063】
また、連続して配置される複数の中間形材63のうち、梁4に接続した中間形材63の先端側に隣接して配置される中間形材63の構成は、梁4に接続した樋構成形材62の先端側に隣接して配置される中間形材63の構成と同様である。そのため、中間形材63に隣接して配置される中間形材63の構成の説明は省略する。
【0064】
梁4に接続した中間形材63の隣りに、隣接する中間形材63を取り付ける場合には、樋構成形材62の隣りに中間形材63を取り付ける場合と同様に、梁4に取り付けられた中間形材63の引っ掛け係合部638a(第1係合部)に、中間形材63の引っ掛け延出片635(第2係合部)を引っ掛けることで、梁4の下方において、中間形材63を仮置きできる。また、中間形材63の引っ掛け係合部638aに中間形材63の引っ掛け延出片635を引っ掛けた状態で、引っ掛け延出片635の先端を中心に中間形材63を回転することで、中間形材63を取り付け位置に配置できる。
隣接する中間形材63を取り付け位置に配置した状態においては、既に取り付けられている中間形材63における梁4の先端側には、既に取り付けられている中間形材63の引っ掛け係合部638aに、隣接する中間形材63の引っ掛け延出片635が嵌合した状態で、隣接する中間形材63が取り付けられる。
【0065】
先端側形材64は、図4に示すように、梁4に接続された複数の中間形材63の先端側に配置される。先端側形材64は、1つのホロー部641を有する。また、先端側形材64における支柱2側の基端側の形状は、中間形材63の支柱2側の形状と同様であるため、中間形材63の説明を援用して、その説明を省略する。また、梁4に接続した中間形材63の隣に、隣接する先端側形材64を取り付ける場合においても、中間形材63を樋構成形材62の隣りに取り付ける場合と同様である。
先端側形材64を取り付け位置に配置した状態においては、先端側形材64の隣りの中間形材63における梁4の先端側には、中間形材63の引っ掛け係合部638aに、先端側形材64の引っ掛け延出片(図示せず)が嵌合した状態で、先端側形材64が取り付けられる。
【0066】
以上のように構成される屋根構造体において、図4に示すように、屋根体6における複数の長尺形材61は、梁4の基端側から先端側に向かって、樋構成形材62、複数の中間形材63、先端側形材64の順に並んで連接される。樋構成形材62、複数の中間形材63、先端側形材64は、それぞれ、梁4の基端側において嵌合して連結され、梁4の先端側において、ネジ部材101により梁4に固定される。
【0067】
屋根体先端カバー部材65は、屋根体6の最も先端において、先端側形材64の先端に取り付けられる。屋根体先端カバー部材65は、屋根体6の前後方向に延びる。屋根体先端カバー部材65は、図4に示すように、先端側の下端部において、下方に突出するフィン651を有する。
【0068】
次に、サポート柱取付金具68を備える屋根構造体について説明する。
カーポート1は、図4及び図8に示すように、支柱2と、支柱2に接続される梁4と、梁4の下部に接続される屋根体6と、サポート柱取付金具68と、を備える。
【0069】
屋根体6は、図4に示すように、複数の長尺形材61が、梁4が延びる方向に並んで連設されており、梁4の先端側には、複数の長尺形材61のうちの最も先端側において、サポート柱取付金具68が取り付けられる先端側形材64(屋根体構成形材)が配置される。
【0070】
先端側形材64は、中空部を有するホロー構造の形材で構成される。先端側形材64は、図8図10に示すように、下面が平面状の形材側下面649aと、形材側下面649aを貫通する円形状の開口部649bと、を有する。形材側下面649aは、先端側形材64におけるホロー構造の形材の下板の下面である。
【0071】
形材側下面649aにおける開口部649bの周縁には、環状カバー部材69が取り付けられる。環状カバー部材69は、形材側下面649aにおける開口部649bを狭めるように、形材側下面649aにおける開口部649bの周縁から、開口部649bの内側に延出する。環状カバー部材69は、下方側から見た場合に、外側の外周が、円形状に形成され、内側の開口が、円形の径方向の両端部が直線状に切り欠かれた細長状に形成される。環状カバー部材69は、図9に示すように、開口が形成されたカバー部材本体691と、カバー部材本体691の上部における開口の縁部から上方に環状に突出する環状突出部692と、環状突出部692から上方側に延出する一対の延出片693と、を有する。一対の延出片693は、支持枠体681の外面において、支持枠体681と係脱部682とを回動可能に連結する連結軸部材687の両端部に取り付けられている。
【0072】
サポート柱取付金具68は、サポート柱12の上端部を係脱させることが可能である。サポート柱12は、例えば、積雪(耐荷重)や耐風圧に対する強度を向上させるための補助部材である。サポート柱12は、サポート柱取付金具68に係脱することが可能である。
【0073】
サポート柱12は、断面が方形状で所定方向に延びる棒状部材121と、棒状部材121の上端部に取り付けられた引っ掛け金具123と、を有する。引っ掛け金具123は、略U字形状の板材により形成される。引っ掛け金具123は、入口部分が狭く且つ奥側が広い係脱溝124を有する。
【0074】
サポート柱12の引っ掛け金具123の係脱溝124に、屋根体6に取り付けられたサポート柱取付金具68を引っ掛けて、サポート柱12をサポート柱取付金具68に係合させる方向に回転させることで、サポート柱12をサポート柱取付金具68に取り付けることができる。また、サポート柱12をサポート柱取付金具68との係合を外す方向に回転させることで、サポート柱12をサポート柱取付金具68から取り外すことができる。サポート柱12の下端部は、カーポート1の下方の地面11(図1参照)に設けられた固定金具(図示せず)に固定される。
【0075】
サポート柱取付金具68の少なくとも一部は、図8に示すように、形材側下面649aよりも上方において、屋根体6の先端側形材64の内部に配置される。サポート柱取付金具68は、図9及び図10に示すように、支持枠体681と、先端側形材64の開口部649bを介して形材側下面649aよりも下方に突出する係脱部682と、支持枠体681と係脱部682とを回動可能に連結する連結軸部材687と、を有する。
【0076】
支持枠体681は、断面視でU字形状の板材により形成される。支持枠体681は、先端側形材64の開口部649bの上方側において、U字形状の閉じた部分の板材が、先端側形材64の上板の下面に取り付けられる。
【0077】
支持枠体681は、図10に示すように、支持枠体681のU字形状の閉じた部分の板材に貫通して形成されるネジ孔681a、先端側形材64の上板を貫通して形成されるネジ孔649c、及び梁4の延出板部42を貫通して形成されるネジ孔421eを介して、ネジ部材108により、梁4と先端側形材64(屋根体6)に共締めされて、先端側形材64(屋根体6)に固定される。
【0078】
係脱部682には、サポート柱12の引っ掛け金具123を引っ掛けることが可能である。係脱部682の一部は、先端側形材64の形材側下面649aよりも下方に突出する。係脱部682は、図9及び図10に示すように、回動円柱体686と、上側円板部材683と、金具係合筒684と、下部円板部材685と、を有する。
【0079】
回動円柱体686は、上下方向に延びる円柱状に形成される。回動円柱体686の上部側は、支持枠体681のU字形状の開放した部分に配置される。回動円柱体686は、水平方向に延びる連結軸部材687により、支持枠体681に対して回動可能に、支持枠体681に連結される。回動円柱体686は、水平方向に延びる連結軸部材687の回動軸を中心に回動する。
【0080】
上側円板部材683は、回動円柱体686の下端部に接続される。上側円板部材683は、回動円柱体686の径よりも大きい径の円板状に形成される。
【0081】
金具係合筒684は、上側円板部材683の下端部に接続される金具係合筒684は、先端側形材64の形材側下面649aにおける開口部649bよりも下方に配置される。金具係合筒684は、上側円板部材683及び下部円板部材685の径よりも小さい径の筒状に形成され、対向する一対の円弧状部分684aと、対向する一対の直線状部分684bと、を有する。金具係合筒684には、サポート柱12の引っ掛け金具123に形成された係脱溝124が側方から挿入された状態で、サポート柱12が回転されることにより、サポート柱12の引っ掛け金具123が係合される。
【0082】
下部円板部材685は、金具係合筒684よりも、径が大きい円板状に形成される。下部円板部材685は、上面の中心部分が、金具係合筒684の下端部に接続される。下部円板部材685は、先端側形材64の形材側下面649aにおける開口部649bよりの下方に配置される。下部円板部材685の下面685aは、平面状に形成される。
【0083】
下部円板部材685の下面685aは、先端側形材64の形材側下面649aに対する角度αが、図10に示すように、水平又は鋭角の角度αとなるように配置される。形材側下面649aに対する角度αは、屋根体6の下方から見た場合に目立ちにくくするため、サポート柱12をサポート柱取付金具68から外した場合に、形材側下面649aに対して水平又は水平に近い角度であることが好ましく、本実施形態においては、例えば、0°≦α≦30°の範囲になるように配置される。
【0084】
以上説明した本実施形態の屋根構造体によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の屋根構造体は、梁4に固定されサポート柱12の上端部を係脱させることが可能なサポート柱取付金具68と、を備え、サポート柱取付金具68の少なくとも一部は、屋根体6の内部に配置される。そのため、サポート柱12をサポート柱取付金具68から外した場合に、屋根体6の先端側形材64の形材側下面649a側の外部側から、サポート柱取付金具68が目立ちくいため、意匠性を向上できる。
【0085】
また、本実施形態においては、屋根体6は、平面状の形材側下面649aと、形材側下面649aを貫通する開口部649bと、を有する先端側形材64を備え、サポート柱取付金具68の少なくとも一部は、形材側下面649aよりも上方に配置され、サポート柱取付金具68は、先端側形材64の開口部649bを介して形材側下面649aよりも下方に突出する係脱部682を有する。
これにより、サポート柱12をサポート柱取付金具68から外した場合に、サポート柱取付金具68の少なくとも一部が形材側下面649aよりも上方に配置された状態で、屋根体6の先端側形材64の形材側下面649a側の外部側から、係脱部682の下面685aが視認される。そのため、サポート柱取付金具68が一層目立ちくいため、意匠性を向上できる。
【0086】
また、本実施形態においては、係脱部682の下面685aは、平面状に形成される。これにより、サポート柱取付金具68が一層目立ちくいため、意匠性を向上できる。
【0087】
また、本実施形態においては、先端側形材64は、中空部を有する形材で構成される。これにより、サポート柱取付金具68の少なくとも一部は、先端側形材64の中空部の内部に配置される。よって、サポート柱取付金具68が一層目立ちくいため、意匠性を向上できる。
【0088】
本実施形態においては、屋根体6は、梁の下部に接続され、サポート柱取付金具68は、ネジ部材108により梁4と屋根体6とに共締めされて、梁4及び屋根体6に固定される。そのため、サポート柱取付金具68を強固に固定できる。これにより、サポート柱取付金具68の取り付けの強度を向上できる。
【0089】
以上、本発明のカーポート(屋根構造体)の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、屋根体6を、複数の長尺形材61を並べて配置して構成したが、これに限定されない。例えば、フレーム(枠体)とフレームに支持されるパネル材とを備える構造の屋根体であってもよい。この場合には、サポート柱取付金具68を、複数の長尺形材61のうちの先端側形材64に取り付けたが、これに限定されず、例えば、枠組みされたフレーム(枠体)とパネル材とにより屋根体が構成される屋根構造体において、サポート柱取付金具を、フレーム(枠体)に取り付けてもよいし、梁に接続されると共に屋根体を支持する前桁を備える屋根構造体において、サポート柱取付金具を、前桁に取り付けてもよい。
【0090】
また、前記実施形態では、複数の長尺形材61を左右方向に並べて配置したが、これに限定されず、複数の長尺形材61を前後方向に並べて配置してもよい。
【0091】
また、前記実施形態では、長尺形材61を、中空部を有するホロー構造としたが、これに、限定されず、中空部を有さないソリッド材や複数のソリッド材を組み合わせた構造の形材を用いてもよい。例えば、長尺形材61を、上部が開口する断面視でU字形状やC字形状に形成してもよい。長尺形材61の上部に開口部分を設けて構成される場合には、例えば、サポート柱取付金具68を、長尺形材61に固定せずに、長尺形材61の開口部分に配置した状態で、サポート柱取付金具68を梁4に直接固定することもできる。また、長尺形材61にけるホロー構造の中空部の数は限定されない。
【0092】
また、前記実施形態では、屋根体6を梁4に吊られる構造としたが、これに限定されず、屋根体6を梁4の上方に配置する構造でもよい。
【0093】
また、前記実施形態では、サポート柱取付金具68の係脱部682を、先端側形材64(屋根体構成形材)の開口部649bを介して形材側下面649aよりも下方に突出するように配置したが、これに限定されない。例えば、サポート柱取付金具68の係脱部682を、先端側形材64(屋根体構成形材)の形材側下面649aと同一平面状に配置してもよいし、先端側形材64(屋根体構成形材)の内部(形材側下面649aよりも上方)に配置してもよい。
【符号の説明】
【0094】
2 支柱(柱材)
4 梁
6 屋根体
12 サポート柱
64 先端側形材(屋根材構成形材)
68 サポート柱取付金具
108 ネジ部材
649a 形材側下面
649b 開口部
682 係脱部
685a 係脱部の下面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10