【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、特許請求の範囲に規定されるカプセル、特許請求の範囲に規定されるシステム、およびこのようなカプセルを識別する方法によって達成される。
【0012】
本発明によれば、少なくとも1つの第1の光学的に読取可能なコードがカプセル、その結果カプセルビーカーの底部上に提供され、つまり底部上に存在している。第1のコードは、いくつかの第1のコード要素の二次元配置を有し、当該第1のコード要素の各々は、底部の平面におけるコードのいくつかの考えられる配列のうちの1つを一義的に導出可能な情報を備える。コード要素自体は、一般に二次元設計を有し、底部の平面におけるコード要素の配列または向きを判断することを可能にする幾何学的輪郭を有する。これによって、個々の第1のコード要素の配列は、コード要素によって形成される第1のコードの配列と相関する。好ましくは各コード要素がコードの配列に対して規定の配列を有するという事実により、コードのいくつかの考えられる配列のうちの1つは、任意のコード要素の向きの判断に基づいて確実かつ一義的に判断することができる。コードの向きに関する情報は、特に各コード要素に含まれることができ、そのため、コードの実際の読み出しおよび解読とは独立して、少なくともコードの配列を苦もなく認識することができる。
【0013】
配列以外に、コードの位置およびサイズ、水平方向および垂直方向スケーリング、またはコードの基礎を成す格子もしくはラスタの位置およびサイズ、水平方向および垂直方向スケーリングも、コード要素自体にコード化されてもよい。
【0014】
カバーまたは上記の現状技術に記載されているようにカバー膜ではなくカプセルの底部上にコードを取付けることにはさまざまな利点がある。したがって、カプセルカバーは、装飾印刷、ユーザが読み取ることができる情報などに利用でき、カバーの仕立てが追加のコードによって損なわれることはない。しかし、カプセルカバーの印刷に補足的にまたは代替的に、カプセルビーカーの底部が、コードに加えて、読み出し可能な好適な形態のさらなる視覚的に認識可能な要素、たとえば装飾要素、識別子または他の情報を備えることも排除するものではない。特に、コードは、たとえば装飾要素に好適に一体化することもできる。
【0015】
さらに、底部上へのコードの組込みにより、水平型ブリューイングマシンにおける検出ユニットは、ブリューイングチャンバの前に、すなわちブリューイングチャンバの上流に配置され得て、飲み物の跳ね返りなどによる汚染の危険が少なくなり、設置スペースがそれほど重要でなくなる。
【0016】
公知のタイプのカプセルは、その対称性およびその正方形断面により、4つの異なる位置でブリューイングマシンに挿入または導入され得る。したがって、カプセルには各々90°回転された4つの向きがあり、したがって、カプセルの底部上に存在するコードにも4つの向きがある。個々のコード要素がコードの向きに関する情報を担持しているという事実により、コードのいくつかの考えられる向きのうちの1つは、個々の任意のコード要素の認識および識別によって既に一義的に判断することができる。したがって、コードの向きは、コード要素の判断された全ての向きに基づいて、多数決によってロバストな態様で判断することができる。コード要素がコードの基礎を成す想像上の格子構造上に位置するようにコード要素の配置が選択される場合、コード要素の任意の選択によって格子パラメータをさらに再構築することができる。したがって、二次元コードでのいわゆるファインダパターンの使用が不必要になるだけでなく、上記の、汚れた(汚染された)ファインダパターンから生じる全ての不利な点も有利に回避される。
【0017】
コード要素が、それらの形状、平面におけるそれらの配列および平面におけるそれらの表面分布によって、コード化された情報を提供するという事実により、ファインダパターンの使用は完全に無くすことができる。これに関する限り、特に局所汚染に関するコードのロバスト性を改善することができる。
【0018】
コード要素に関して、コード要素が、少なくともブリューイングマシンにおけるコードのいくつかの考えられる配列、すなわち底部の平面におけるさまざまな配列のために、回転対称の幾何学的構造ではなく、一義的な、いずれの場合にも一義的な想像上のポインタ構造を有するまたは規定するということが特に言える。
【0019】
コードの解読および読み出しに必要なコードの向きの情報は、ここで想定されるコード配列とその個々のコード要素の配列との結合により、コードの解読から切り離されて、これとは独立して判断され得る。これは、光学検出ユニットおよびその後に接続される画像評価に対する可能な限り低くかつ安価な技術的要求の実現に有利な影響を及ぼし得る。
【0020】
ブリューイングマシンの検出ユニットに対するコードのいくつかの考えられる配列のうちの1つの判断は、少なくとも1つのコード要素および底部の平面におけるその配列または検出ユニットの画像平面におけるその配列に基づいて行うことができる。したがって、コードの配列の判断は、いくつかのコード要素の互いに対する配置とは独立している。
【0021】
特に、底部の平面におけるコードの配列は各コード要素に含まれ、そのため、ブリューイングマシンの検出ユニットに対するカプセルの配列および向きに関する情報は、重複してコードに含まれる。これは、コードの基礎を成す格子パラメータにも当てはまる。これらも重複して面全体にわたってコード化される。
【0022】
カプセルのさらなる実施形態によれば、第1のコードは、複数の本質的に同一のおよび本質的に同一に配列された第1のコード要素を備える。特に、第1のコードがもっぱら同一のコード要素で構成されることが考えられる。さらに、第1のコードが、さらにやはり互いに同一に配列される同一のコード要素で構成されることが考えられる。コード情報は、特に、個々のコード要素の空間的な二次元分散配置に含まれ得る。同一のおよび同一に配列された第1のコード要素を提供することは、上記のような底部の平面におけるコードの配列の一義的な判断に有利であるだけでなく、できる限り正確でエラーの無いコード自体の光学的読み出しにも有利である。
【0023】
同一のおよび同一に配列されたコード要素を有するコードの実施形態の代替例として、コード要素が同一ではなく、それによって特性の点で体系的または非体系的に互いに異なっていることも想定され得る。底部の平面におけるコードの配列を一義的に導出可能な情報を備える複数のコード要素に加えて、コードが、これが当てはまらないさらなるコード要素を備えることも可能である。
【0024】
ブリューイングマシンの検出ユニットは、特に、投影二次元検出器、たとえばカメラを備える。もっぱら同一のおよび同一に配列された第1のコード要素を使用することにより、特に安価な検出ユニットを実現することができる。特定の状況下では、コードの読み出しおよび解読に必要なのは、コード、たとえば二次元コードの中心領域の、局部的に焦点を合わせた正確な投影だけである。これに関する限り、コードを読み出して解読するために、コードの中心領域よりも焦点合わせ/鮮明さが低い状態で、コードの外側に位置する端縁領域を検出ユニットにおいて検出または投影することで既に十分であり得る。本発明のコードの設計が引き起こす読み出し時のぼやけまたは光学的エラーに関するこのロバスト性は、コード要素の互いの間でのばらつきに関するロバスト性にも影響を及ぼす。コード要素は、特に、それらのサイズ、着色などの点で互いに異なっていてもよい。
【0025】
コード情報の抽出に決定的であるのは、底部の平面またはコードの端縁領域内の個々のコード要素の位置だけであるので、比較的焦点の合っていない態様でしか検出ユニットに投影されないコード要素でも、エラーの無いコードの検出、読み出しおよび/または解読に既に十分であり得る。
【0026】
さらなる実施形態によれば、第1のコード要素は、規定された角度で互いに隣接する少なくとも2つの直線セクションを備える。コード要素の直線セクションは、特に正確かつ簡単に検出ユニットにおいて検出することができる。特に、検出ユニットは、一般に検出器画素として示されるいくつかの光学または感光性(電磁スペクトルの可視、赤外および/または紫外部分に対して感光性の)センサの規則的な二次元配置を備える。
【0027】
直線状に延在するコード要素の線セクションは、この方法および態様で検出ユニットの隣接する検出器画素の幾何学的配置に従って投影されることができる。この方法および態様で、検出器画素の数が少ない場合でさえ、それゆえ比較的低い解像度しか持たない検出ユニットによっても、少なくともコード要素の線セクションの配列を、それらの配列を判断する目的で正確に検出することができるが、二次元コード内の個々のコード要素の位置も正確に検出することができる。
【0028】
これのさらなる発展例によれば、第1のコード要素の少なくとも1つの線セクションが、本質的に長方形または正方形のコードの外縁に本質的に平行に延在することがさらに想定される。コードの外縁は、カプセルビーカーの底部上で光学的または視覚的に認識可能であるように設計され得るが、必ずしもその必要はない。さらに、個々の外側に位置するコード要素が、もっぱらそれらの端縁位置によって長方形または正方形のコードの外縁を準仮想的にマークすることが考えられる。少なくともコードの外縁に対する線セクションの平行配列により、コード構造をはっきりと認識できる。特に、ブリューイングマシンによって規定されるコードまたはカプセルのいくつかの考えられる配列からの、特定の許容域内の起こり得るわずかな偏差は、視覚的または光学的に認識可能な外縁によって認識することができ、エラーの数値補償または画像評価に使用することができる。
【0029】
コードの端縁に対する線セクションまたはコード要素の平行配列は、コード構造の認識に絶対に必要なわけではない。コード構造は、コード要素の位置にだけ含まれていてもよい。形状およびサイズの点でも異なり得る任意の方向付け可能なコード要素が使用されてもよい。
【0030】
さらなる実施形態によれば、第1のコード要素の少なくとも1つの線セクションは、正方形の底部の外縁に本質的に平行に延在している。それによって、特に、コードの外縁も正方形の底部の外縁に平行に延在することが想定される。さらに、底部の平面におけるコードの考えられる配列および/またはブリューイングマシンにおけるカプセルの通常4つの考えられる配列が、正方形の底部の垂直または水平に延在する外縁、つまり長方形または正方形のコードの水平または垂直に延在する外縁と一致することが想定され得る。これに関する限り、検出ユニットおよびこれに一体化されるかまたはこれの後に接続される画像評価は、正方形の底部の外縁、つまり底部上に提供された長方形または正方形のコードの外縁に平行に延在する1つまたは2つの優先的な方向(x,y)を備え得る。
【0031】
さらに、少なくとも第1のコード要素が、全てがコードの外縁に平行に延在する線セクションだけで構成されることが考えられる。
【0032】
さらなる実施形態によれば、第1のコード要素は、本質的にL字型の態様で設計される。コード要素のL字型の設計は、2つの線セクションを備え、当該2つの線セクションは、おおよそ直角で互いに隣接しており、両方ともが直線の態様で設計されており、本質的に同一のまたは異なる長さを有していてもよい。これによって、第1の線セクションの一端は、第2の線セクションの端部に隣接している。それによって、線セクションの反対側に位置する端部同士は、互いに離れている。線セクションの交点は、たとえばそれぞれのコード要素の基準点を規定し得る一方、2つの線セクションのうちの一方は、ポインタ構造として機能し得る。これによって、線セクションが同一のまたは異なる長さを有することが考えられる。2つの線セクションの交点から出発する直線ポインタは、たとえばコード要素の線セクションのうちの1つと一致してもよく、この方法および態様で、底部の平面におけるそれぞれのコード要素の配列を一義的に判断でき、これによってコード一式の配列を一義的に判断できる。線セクションがおおよそ等しい長さに設計される場合には、それぞれのコード要素の一義的な向きは、2つの線セクションの互いに対する相対的な位置および配列から導出可能である。
【0033】
これの代替例であるさらなる実施形態によれば、第1のコード要素が少なくとも1つのアーチセクションを備えることがさらに考えられる。L字型のコード要素以外に、多数の異なるコード要素を検討することができる。少なくとも1つのアーチセクションを有するコード要素は、たとえばC字型またはU字型の形状を有していてもよい。L字型のコード要素以外に、特にT字型またはV字型のコード要素も考えられ、これらは特に単純な幾何学的構造を特徴とし、そのため、解像度の低い検出ユニットを使用しても個々のコード要素の配列の判断を確実かつ正確に行うことができる。
【0034】
特に、それらのコード要素は、コード端縁に平行に延在する線セクションでもっぱら構成され、これにより検出ユニットの要求解像度の大幅な低減が可能になる。特に、L字型のコード要素は、検出用画素の数が最小限であることを特徴とする。さらに、L字型のコード要素は、画像認識および評価時に、ぼやけに対して優れた挙動を示す。
【0035】
さらなる実施形態によれば、コード要素は、カプセルビーカーの底部上にレーザ処理されるか、または底部内にレーザ処理される。底部の外側または底部の材料内にコード要素、それゆえコード一式を配置することは、レーザ照射によって行われる。これによって、特に、底部の材料が特定の規定の波長領域でのレーザ照射にさらされると色変化またはテクスチャ変化を受け、その結果、これによって形成されるコード要素は、特にハイコントラストの態様で視覚的に表現できることが想定され得る。それによって、必ずしも人間の眼に見える色変化である必要がなくなる。また、IRまたはUV照射に関する反射特性および/または吸収特性の変化がレーザによって達成され、その結果、裸眼では認識できないがIR光またはUV光を用いた検出ユニットでは認識できるコードが生じることも考えられる。さらに、コード要素がカプセルビーカーの底部上または底部内のレーザ彫込みとして実現されることが考えられる。このため、印刷方法またはこのような方法が必要とする印刷染料の使用は、カプセルビーカーの底部上へのコード要素およびコードの取付けには不要である。したがって、別の態様で印刷または付着された印刷染料がブリューイング手順中に放出されて最悪の場合には飲み物の中に入り込むことも起こり得ない。カプセルビーカーの底部上または底部内へのコード要素のレーザ処理により、カプセルビーカー、したがってカプセル全体の特に耐久性がありロバストなコード化が行われる。
【0036】
さらなる実施形態によれば、第1のコードが、50〜400個の個々のコード要素、好ましくは70〜100個の個々のコード要素を備え、これらのコード要素がカプセルビーカーの底部上に二次元的に配置され、空間的に分散されることが想定される。個々のコード要素は、特に重なり合うことなく互いに配置される。これに関する限り、コード要素は、互いに間隔をあけた態様でカプセルビーカーの底部上に設けられる。上記の数のコード要素によって、合計100〜800ビットの情報をカプセルビーカーの底部に組み入れることができる。これによって、特に、コード要素の各々が2ビットの情報量を有することが想定される。特に、1つ1つのコード要素の情報量は、底部の平面における残りのコード要素に対するコード要素の相対的空間位置に含まれる。
【0037】
コード要素の一部はテストビットの実装に役立ち得るのに対して、コード要素の別の部分はいわゆる情報ビットを含む。エラーの無いコードの読み出しおよび解読または試験はテストビットによって可能であるのに対して、情報ビットはコード情報の実際のキャリアである。
【0038】
さらなる実施形態によれば、第1のコードが、少なくとも対にしてコードグループにグループ化されるコードフィールドの規則的な想像上の配置に細分化されることがさらに想定される。それによって、コードグループ内ではコードフィールドの1つだけがコード要素を備えるのに対して、コードグループの残りのコードフィールドは空いているままである。たとえばコードグループが互いに隣接する4つのコードフィールドで構成される場合、4つの考えられる空間がコード要素に利用可能である。したがって、このようなコード要素は、1〜4の数字、それゆえ2ビットの情報量を表し得る。特に、コードグループは、互いに隣接するいくつかのコードフィールドの二次元配置を備え得る。たとえばコードグループが正方形に配置された4つのコードフィールドで構成されることが考えられる。しかし、たとえば各々が3つのコードフィールドを有する2つの横列で構成されるたとえば長方形のコードグループなどの他の二次元配置も考えられる。
【0039】
これのさらなる実施形態によれば、コードグループ内のコード要素の局所位置が情報を備える。コードグループの総情報量は、コードグループに属するコード要素の数に直接依存する。コードグループがたとえば4つの個々のコードフィールドを備える場合、各コードフィールドは、定義に従って、単一の情報、たとえば数字「0,1,2,3...」を表し得る。コードグループの単一のコードフィールドにコード要素を位置決めすることによって、コードフィールドおよびそれに割り当てられる値が選択される。
【0040】
コードフィールドへのコードの規則的な細分化、および、コードフィールドから形成されるコードグループがいずれの場合にも1つだけのコード要素によって占められることにより、それぞれのコードは、コードグループへの細分化に関してコードの面にわたってコード要素の均一な密度を有することになる。これに関する限り、均一な情報密度の存在は、コードの画像レベルでの妥当性基準または試験基準を既に表し得て、当該基準によって読取エラーが認識され、上記エラーは、たとえば汚染によって引き起こされる可能性があり、検出ユニットおよび/またはその後に接続される制御装置によってコード要素として誤って解釈される可能性がある。互いの間での個々のまたはいくつかのコード要素の位置も、同一の方法および態様で試験基準または妥当性基準を表し得る。
【0041】
さらなる実施形態によれば、いくつかのコードグループおよび/またはコードフィールドがコード語にまとめられる。コード語におけるコードグループおよびコードフィールドの数は、任意の態様で選択可能である。一般に、各コード語は、同一の数のコード要素または同一の数のコードグループを有する。コード語への分割のために、各コード語が整数個のコードグループで構成されることが想定され得る。さらに、コード語がたとえば1つ以上のコードグループおよび個々のコードフィールドを備えることが考えられる。特に、コード語は、奇数倍数のコードフィールドを有していてもよい。
【0042】
特に、いくつかの妥当性および/または品質試験が異なるコードレベルで実行されてもよい。第1の試験が個々のコード要素の規定の幾何学的形状に関して行われることが考えられる。たとえば予め規定された、たとえばL字型の形状とは異なる幾何学的構造を有するコード要素が読み出されると、これは既にコードの拒否に至る場合もあればコードの正確な認識に至る場合もある。
【0043】
さらなる試験基準または品質基準の実施も、さらなる、たとえば第2のコードレベルで可能である。たとえば、ここでは、想定された数のコード要素が平面の予め規定された面セグメント内に位置しているか否かを画像レベルで直接調べることができる。したがって、たとえば、各々のまたは個々のコードグループまたはコードフィールドのレベルで完全性試験を実行することができる。たとえば、コードグループがいずれの場合にも厳密に1つのコード要素を備えるか否かを調べることができる。コードグループ当たりいくつかのまたは1つ未満のコード要素が存在する場合、試験基準は満たされない。同程度に、これはコードまたは修正すべきものの正確な認識に役立つことができる。
【0044】
最後に、個々のまたはいくつかのコード語のレベルでも妥当性試験を実行することも考えられる。したがって、特に、コード語に含まれる個々のテストビットが妥当性制御のために選択的に読み取られて評価され得る。上記の全ての妥当性または品質試験では、コードの完全な解読は不要である。
【0045】
基本的には、特定の割合のコードフィールド、コードグループまたはコード語のみを解読のために読み出すことができる必要がある。そして、良い選択をするために、コード要素、コードフィールド、コードグループおよびコード語の妥当性試験および品質評価が使用可能であり、利用可能な情報の信頼性は、解読時の解読プロセスに含まれ得る。特に、所与の状況をもたらす全ての解読可能性は、互いに比較することができる。次いで、それぞれに判断された解読可能性の品質評価によって、特定の確率または信用性で、コード化された内容に関する決定がなされ得る。
【0046】
さらに、コード要素のレベル、コードフィールドもしくはコードグループのレベルおよび/またはコード語のレベルでのコード試験または品質判断の可能性により、コードの品質、すなわちその認識可能性を数回、したがってかなり確実な程度に判断することができる。特に、コード認識の品質は、これらのレベルの各々で評価され得る。
【0047】
これとは独立して、画像レベルでの記録されたコードの品質の評価が格子の計算およびコードの基礎を成す1つ以上の格子定数の計算に含まれることが一般に考えられる。
【0048】
したがって、コード認識では、これに関する限り、記録されたコードのスケーリングを実行するためにコードの格子または格子定数が近似、特にいわゆるフィッティングによって判断されることが特に想定され得る。画像レベルで判断されるコードの品質もこのスケーリングに使用できるが、格子の位置決めにも使用できる。コードの解読自体も、品質認識によって実行または簡略化することができる。コードがたとえば各コード語に重複して数回含まれるので、全てのコード語の品質判断に基づいて、全てのコード語の中で最も高い品質または最も高い評価を有する語がコードの解読のために選択される。この方法および態様で、解読エラーは高度に最小化することができる。
【0049】
最も高い品質評価を有する語に基づく解読が不可能であるかまたは尤もらしい結果を提供しない場合、格子定数および/または格子位置を変更して、再度評価および解読を実行することが想定される。
【0050】
さらなる実施形態によれば、カプセルが、第1の光学的に読取可能なコードに加えて、少なくとも1つの第2の光学的に読取可能なコードをカプセルビーカーの底部上に備えることがさらに想定される。既に第1のコードでそうであったように、第2の視覚的に認識可能なコードも、第1のコードの中点に対して第1のコードの径方向外側に位置するいくつかの第2のコード要素の二次元配置を備える。特に、第1のコードに関して、第1のコードがカプセルビーカーの底部の中点の上に延在していることが想定される。それによって、第1のコードの中点は、カプセルビーカーの底部の幾何学的中点とおおよそ一致し得る。
【0051】
それによって、第1および第2のコードは、異なるコードレベルを示す。カプセル底部上に配置されるコードは、特に二段階または複数段階の態様で設計されてもよく、第1のコードは、第1のコード段階または第1のコードレベルを規定し、第2のコードは、第2のコード段階または第2のコードレベルを規定する。
【0052】
コード、つまりブリューイングマシン内のカプセルのたとえば4つの異なる考えられる配列について検討した場合、第1のコードの中点は、特にカプセルビーカーの回転軸と一致し得て、当該回転軸を基準にしてカプセルの配列をブリューイングマシン内の別の考えられる配列にすることができる。
【0053】
第2のコードに第2のコード要素を提供することにより、ロバスト性の程度が異なる状態で、コード化された態様で、段階分けされた態様で、より多くの異なる情報をカプセルビーカーの底部に格納して読み出すことができる。特に、第2のコードは、任意に提供され、場合によってはブリューイングマシンの動作またはブリューイング手順に関して重要ではないかまたはそれほど重要ではない任意の情報を含み得る。特に、たとえば水量、水温、ブリューイング前時間、またはポンプパワーの設定点もしくは設定点曲線、流量または圧力などのブリューイング手順に関連するブリューイングパラメータまたは情報が第1のコードに含まれることが考えられる。
【0054】
代替的に、第1のコードは、カプセルまたはカプセルタイプの識別を可能にし、たとえばマシンに格納されたブリューイングプログラムまたは飲み物レシピをそれに割り当てることを可能にする情報も単に含んでいてもよい。それによって、飲み物レシピは、たとえばブリューイングされた飲み物に追加されるミルクまたはスチームミルクの量および/または温度などの、ブリューイングパラメータの範囲を越える追加のレシピ情報を備えることができる。
【0055】
第2のコードは、たとえば、このような追加のレシピ情報、または、たとえば販売期限、製造地もしくは原産地、製造日もしくはバッチ番号などの情報を備え得る。
【0056】
互いに空間的に分離された態様での第1および第2のコードの配置により、第1および第2のコードの選択的読み出しが可能になる。さらに、径方向外側に段階分けされた異なるコードの空間的に分離された配置は、さまざまなブリューイングマシンで使用できる。ブリューイングマシンの設計次第で、第2のコードは使用される場合もあれば無視される場合もある。カプセルおよびその抽出原料に関する任意の追加情報は、たとえば第2のコードによって、結果的に高性能の検出ユニットを有するブリューイングマシンの特定のタイプまたは設計変形例だけがアクセスできるようにされてもよい。
【0057】
対照的に、安価なブリューイングマシンでは第1のコードを読み出すだけで十分である場合がある。これに関する限り、このようなマシンも、それに応じて最小化された検出ユニットおよび画像評価を備えていてもよく、当該検出ユニットおよび画像評価は、単にカプセルビーカーの底部の中心領域に位置する第1のコードを視覚的に検出または解読する。
【0058】
さらなる実施形態によれば、第1および第2のコードの第1および第2のコード要素は、本質的に同一である。しかし、それによって、第1のコード要素は、第2のコード要素と比較して異なって配列される。たとえば、第1のコード要素は、カプセルビーカーの底部の平面において90°、180°または270°だけ回転させた態様で第2のコード要素に対して配列されてもよい。ここでも、第1のコード要素は全て、有利に、互いに同一であり、互いに同一に配列される。同じことが第2のコードの第2のコード要素にも当てはまるであろう。
【0059】
さらに、第1のコード要素の上記の特性および特徴は全て、第2のコード要素のものと同一または本質的に同一であり得て、または第2のコード要素でも対応して実現可能である。
【0060】
さらなる局面によれば、本発明はさらに、上記のカプセルから飲み物を準備するためのシステムに関する。当該システムは、ブリューイングマシンを備え、当該ブリューイングマシンは、ブリューイングされた飲み物を準備する目的で、本質的に正方形の底部を有する上記のタイプのカプセルを受けるためのブリューイングチャンバと、カプセルがブリューイングチャンバの上方の読取位置に位置している間にカプセルビーカーの底部から第1のコードを読み出すための光学検出ユニットとを有する。カプセルは、4つの異なる配列で読取位置に位置決めされ得る。それによって、検出ユニットは、カプセルビーカーの底部上の個々のコード要素の配列を認識し、これからコードの配列を導出するように設計される。この方法および態様で、コードの配列は、コード一式の分析を必要とすることなく、単一のコード要素または若干のコード要素の視覚的認識に純粋に基づいて行うことができる。したがって、コードの配列の判断には、画像評価の比較的低い計算機能のみが必要である。コードを担持する正方形の底部を有する少なくとも1つの対応するカプセルも当該システムに属し、当該コードはコード要素を備え、当該コード要素から検出ユニットはコードの配列を導出する。
【0061】
ここで、上記の(第1の)コード要素に加えて、カプセル底部上のさらなる要素を認識する検出ユニットを排除するものではなく、当該さらなる要素から、検出ユニットは、コードの配列を導出することはできないが、情報を読み出すことができるコードの要素として、および/または、コードに属していないとして拒否される要素としてそれらを認識することができる。
【0062】
特に、カプセル底部の一部の領域は、コードに属していないとして拒否され得て、このような領域は、たとえば周辺に配置されてもよく、または有効なコードの外縁内にも配置されてもよい。
【0063】
さらなる局面によれば、本発明はさらに、飲み物を準備するためのブリューイングマシンにおいてカプセルを識別する方法に関し、当該カプセルは、本質的に正方形の底部を有するカプセルビーカーと、底部上にいくつかのコード要素の二次元配置を有するコードとを有する。これによって、当該方法は、
ユーザによってブリューイングマシンに挿入されたカプセルを読取位置に移すステップと、
コード要素を認識し、コード要素の配列に基づいてコードの配列を判断するステップと、
コードを解読し、コードに含まれるコード情報に基づいてカプセルタイプを識別するステップとを備える。
【0064】
コード情報は、コードの認識が成功した後は、ブリューイングマシン、特にブリューイング手順の制御に使用することができる。
【0065】
一般に、カプセルの文脈において記載される全ての特徴および利点は、本明細書に記載されているシステムおよび方法に同程度に当てはまると言え、逆の場合も同様である。
【0066】
本発明の実施形態において要求される本質的に同一のまたは本質的に同一に配列されたコード要素という表現は、検出ユニットおよびその後に接続される画像評価の解像度精度の範囲内で、それぞれ同一の態様および同一に配列された態様でコード要素がカプセル底部上に提供されるという事実を表現するものである。検出ユニットおよびその後に接続される画像評価は、特定のエラー耐性を提供することができ、その結果、コード要素の規定の形状、位置および/または規定の配列からのわずかな偏差でさえ依然として確実に検出することができるが、大きな偏差も依然として確実に検出することができる。
【0067】
これによって、10%までまたは20%まで、30%までまたはさらには40%までのコード要素の長手方向または横方向の広がりに対するコード要素の幾何偏差は、依然として検出ユニットの許容域の範囲内であり、そのため依然として本質的に同一であるとして有効であるべきである。対照的に、線またはストライプの厚みは、最大で200%まで、予め規定された厚みと異なっている可能性がある。配列に関して、5%、20°、30°またはさらには35%までの偏差は、検出ユニットおよびその後に接続される画像評価によって許容、つまり補償することができる。
【0068】
本発明の実施形態の例を図面によって以下で説明する。図中、同一の参照番号は同一または同様の要素を示す。