(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記注出機は、互いに異なる粉末を貯蔵する少なくとも2つのタンク(1a、1b)を備え、複数の前記タンクの前記粉末入口の前記受け領域(122a、122b)は、互いに異なる粉末を貯蔵する互いに異なる再充填容器(2a、2b)に接続されている、互いに異なるコネクタ(3a、3b)を受けるように、別様に設計されている、請求項7に記載の飲料注出機。
【背景技術】
【0002】
エスプレッソ及びその他のコーヒー飲料、ミルク飲料、チョコレート飲料のような多くの飲料は、飲料可溶性粉末を希釈液と混合して調製される。飲料可溶性粉末を水などの希釈液と混合することによりそのような飲料をより迅速に調製するための混合装置が知られている。これらの装置は、溶解チャンバを備えることができ、この溶解チャンバに可溶性成分及び希釈液が供給される。希釈液は、渦を形成して効果的に可溶性粉末を湯に溶解するために、溶解チャンバに導入されてもよいし、あるいは、熱い希釈液が、混合、溶解及び泡立てを行うジェット形態で導入されてもよい。混合物はまた、最終的に溶解チャンバ内のホイッパによって泡立てられて飲料を再構成し、泡を生成することもできる。その後、飲料は通常、飲用容器の中に排出される。これらの装置はまた、飲用カップ、通常は使い捨てのカップ内で、飲料可溶性粉末を希釈液と混合することもできる。その場合、可溶性食品成分はカップ内に導入され、希釈液は、混合、溶解及び/又は泡立てを行うジェット形態で導入される。
【0003】
粉末及び希釈液がどのような方法で一緒に混合されても、飲料可溶性粉末は通常、開口した溶解チャンバの上方に設置されたタンクに収容され、スクリュー又はオーガのような投入装置が飲料可溶性粉末を分配して送出し、飲料可溶性粉末は溶解チャンバ又は飲用カップ内に落下する。希釈液は、溶解が起こるように溶解チャンバに同時に供給される。
【0004】
食品粉末又は飲料粉末を貯蔵するタンクは、上部に取り外し可能な蓋を備えるタンクを含む。タンクは、蓋を取り除き、タンクを再充填することによって、粉末を再充填することができる。この操作は、食品粉末又は飲料粉末を単純にパッケージングすることによって、行われる。パッケージの上部が切断されるか、裂かれて、粉末がタンク内に空けられる。
【0005】
この現在の実施方法は、いくつかの不利益を呈する。
【0006】
第1に、移送動作中にタンクの周囲に粉末が流れ得るために、再充填はちらかりを生じ得る。パッケージ操作を行う人が不器用である場合、マシン内部又は周囲の場所は、すぐに乱雑で汚くなり得、効率的に粉末を取り除いて、その場所を適正な場所とすることが困難になる。
【0007】
次に、飲料注出機は、異なる飲料を調製するために、異なる粉末を含むいくつかの食品又は飲料タンクを備えることが多い。例えば、飲料注出機はインスタントコーヒー粉末タンク及びミルク粉末タンクを備えることが多い。様々な理由のために、容器に常に同じ粉末を再充填することが重要である。1つの理由は、顧客が求める飲料の最終的な味に影響を与えないために、いずれの粉末も他の種類の粉末によって汚染されてはならないためである。
【0008】
別の理由は、通常各タンクは、特定の投入装置と関連付けられており、1つのタンクと関連付けられた投入装置は、期待される希釈液による溶解をもたらすために、特定量の特定の粉末を投入するように設定されているためである。誤って異なる粉末でタンクを再充填すると、注出機によって飲料の不適切な調製が行われることになる。
【0009】
飲料注出機内の粉末タンクの再充填を改善する必要性がある。
【0010】
本発明の1つの目的は、使い捨て容器を備える飲料注出機内に粉末を貯蔵するためのタンクの再充填を可能にする装置を提示することである。
【0011】
再充填中における粉末の漏れを制限する装置を提示することが有利である。
【0012】
粉末容器を誤って充填する危険性を避ける、装置をもたらすことが有利である。
【0013】
新しい種類のパッケージの開発を避けるため、既存の容器の製造ラインを使用できるようにするように、現存する使い捨て再充填容器、好ましくはパウチの使用を可能にする、装置を提示することが有利である。
【発明の概要】
【0014】
本発明の第1態様において、少なくとも1つの可撓性壁部を備える粉末再充填容器を、飲料調製マシンの粉末貯蔵タンクと接続するための、コネクタが提示され、コネクタはチューブであり、上記チューブは2つの端部である、
粉末再充填容器の可撓性壁部を穿孔し、前記壁部に取り付けられるように構成された1つの第1端部と、
貯蔵タンクの粉末入口の受け領域に導入するように構成された1つの第2端部とを有する。
【0015】
一般的に、コネクタは、粉末再充填容器、好ましくはパウチを、食品粉末又は飲料粉末を貯蔵するためのタンクと接続するように適合されており、上記タンクは飲料注出機の一部である。
【0016】
飲料調製注出機内のこのタンクは、一般的には使い捨てではない。注出機の構成によって、タンクは、例えば、メンテナンス又は洗浄して、また再充填に使うために、注出機から取り外すことができる。
【0017】
タンクは、一般的には底部に位置付けられる、粉末出口を備えている。
【0018】
好ましくは、タンクは、貯蔵及び投入タンクである。したがってこれは、一般的にタンクの底部に配置され、タンクの粉末出口を通じて粉末の投入量を供給する、投入装置を備える。投入装置は、エンドレススクリュー、又は代替として、螺旋状ばね(ばねオーガとしても既知)などの、回転可能な容積投入装置であり得る。
【0019】
投入装置を備えるタンクは通常、投入装置を、タンクの後端部の電動シャフトと接続するのを可能にするように構成され、上記シャフトは、飲料注出機の一部である。
【0020】
別の実施形態では、投入装置は、タンクの一部ではない。この実施形態において、投入装置は、飲料注出機の一部であり得、タンクは、飲料注出機内の投入装置に粉末を供給するための粉末出口を備える、単純な貯蔵タンクである。この実施形態において、好ましくは、粉末出口は、投入動作中に、タンクの出口が開くのを可能にする装置を備える。
【0021】
一般的に、タンクの貯蔵チャンバが、平行六面体の形状を全体的に示している。これは通常、2つの横方向壁部、及び2つの端壁(通常は1つの後方端壁、及び1つの前方端壁)を有している。壁部は、貯蔵チャンバの底部と上部との間に延び、本質的に垂直である。本質的に垂直とは、壁部のいくつかの部分は傾いており、タンク底部の上に、一般的に漏斗を形成し得ることを意味している。例えば、タンクがその底部にエンドレス投入スクリューを備える場合、スクリューの上の貯蔵チャンバの貯蔵体積が増加し、粉末をスクリューに案内する漏斗を形成する。
【0022】
タンクの上部は蓋により閉じられる。この蓋は、例えば、タンクを洗浄するため、又は投入装置のメンテナンスのために、取り外し可能な蓋であり得る。
【0023】
一般的に、タンクに粉末を再充填するための、粉末再充填容器は、使い捨て容器である。これは好ましくは、通常、可撓性フィルムシートで作製したパウチである。
【0024】
本発明は、タンク及び粉末再充填容器を接続するためのコネクタを提示する。コネクタは、粉末再充填容器の可撓性壁部を穿孔し、上記壁部に取り付けられるように構成された、1つの第1端部を有するチューブである。一般的にチューブは本質的に真っ直ぐである。
【0025】
任意により、チューブは一端において僅かに角度を成していてもよく、好ましくは一端において、粉末再充填容器に取り付けられるように構成されている。チューブの湾曲の存在及びその角度は、粉末再充填容器の形状、及び/又はコネクタにより穿孔される可撓性壁部の領域の位置(後に説明される)に依存する。
【0026】
したがって、上記第1端部は、容器の壁部の粉末出口を形成すること、及び穿孔と同時に、又はこれに続いて、コネクタチューブを上記粉末出口に取り付けることを可能にする。
【0027】
通常コネクタは、可撓性壁部における、コネクタにより穿孔される領域の周囲で壁部に取り付けられるように構成されている。
【0028】
好ましくは、チューブの第1端部が穿孔部を備え、上記穿孔部は先端部を備える。
【0029】
結果的に上記先端部は、壁部の穿孔を改善することができる。
【0030】
好ましい実施形態により、先端部は、先端部において接合されるリブによって支持され得る。
【0031】
別の実施形態により、先端部は、傾斜させてチューブをスライスすることにより得られる。
【0032】
好ましくは、チューブの第1端部は、粉末再充填容器の壁部上の対応する取り付け要素と協働するように設計された形状を有する、取り付け部分を備える。
【0033】
特にこのような取り付け部分は、バヨネット型係合、ねじ込み型係合、及び/又はスナップ嵌め係合を可能にする設計を含む場合がある。
【0034】
この設計とは別に、接続中に操作者の感触を改善するために、磁石及び金属部品が存在してもよい。
【0035】
コネクタのチューブは、貯蔵タンクの粉末入口の受け領域に導入するように構成された、1つの第2端部を有している。
【0036】
したがって、チューブの第1端部によって粉末再充填容器に取り付けられた、コネクタは、チューブの第2端部によってタンクに接続されてもよく、再充填容器とタンクとの間に接続を形成することができる。
【0037】
コネクタのチューブの第2端部は、好ましくは、
貯蔵タンクの粉末入口の受け領域に受けられるように、かつ
上記受け領域に受けられると、タンクの粉末入口に対して、第2端部を、少なくとも2つの位置、即ち、
チューブの第2端部が上方に向けられる、1つの第1位置、及び
チューブの第2端部が下方に向けられる、1つの第2位置に配置するように、上記受け領域内で移動できるように、設計されている。
【0038】
したがって、第1位置において、接続は形成されるが、チューブが上方を向いていることによって粉末が重力で容器内に留まるために、粉末がコネクタのチューブを通じて貯蔵タンクに流れることはない。この位置により、操作者が、粉末がチューブを通じて流れずに周りに落ち得るという危険性なしに、粉末再充填容器に取り付けられたコネクタを、タンクの粉末入口に適切に接続するのを可能にする。
【0039】
したがって、チューブの第2端部が第2位置に配置されると、粉末のための下方に向けられた流路が形成され、粉末は粉末容器からタンクに重力によって流れることができる。
【0040】
一般的に、第2位置に形成される流路は、本質的に真っ直ぐである。
【0041】
好ましくは、流路は、コネクタの第2端部からタンクの粉末入口に、本質的に下方に向けられている。第2位置において、流路は、垂直方向から最大60°、好ましくは最大45°の角度を成すことがある。角度の値は、粉末の性質、及びその流動性に依存し得る。
【0042】
一般的に粉末入口及びその受け領域は固定され、コネクタのみが、粉末入口及びその受入領域に対して移動できる。
【0043】
好ましくは、チューブの第2端部は、
チューブの第2端部は、上記第2端部が上方に向けられているときのみ、タンクの粉末入口に受けられることができ、
タンクの粉末入口に受けられると、チューブの第2端部は、下方に向けられるように、タンクの粉末入口に対して移動することができる。
【0044】
したがって、操作者は、操作者がコネクタをタンクの粉末入口に接続するときに、粉末再充填容器からタンクへの粉末の方向(sense)に従って、チューブの第2端部を上方に向けて保持するように促され、接続動作中に上記コネクタから粉末が落ちるのが防がれる。
【0045】
一般的に、チューブの第2端部は、タンクの粉末入口内側の回転に従って、第1位置から第2位置に移動する。
【0046】
実際、コネクタの第1端部は、粉末再充填容器に前に取り付けられており、チューブが第1位置から第2位置に動くと、操作者は、粉末再充填容器を粉末貯蔵タンクの上に保持するように促され、粉末が重力によりチューブを通じて流れるようにする。
【0047】
一態様により、チューブの第2端部は、第1位置への上方への並進移動により、タンクの粉末入口に導入される。
【0048】
したがって、操作者は、チューブの第2端部をタンクの粉末入口と接続するステップ中において、チューブの第2端部を上方に動かすように促され、このため粉末が、この動作中にチューブの第2端部から落ちるのが防がれる。
【0049】
それほど好ましくない態様において、チューブの第2端部は、第1位置への下方への並進運動に従って、タンクの粉末入口に導入することができ、チューブの第2端部は上方に向けられる。
【0050】
したがって、チューブの第2端部は、上方に向けられ、動作中において粉末が、チューブの第2端部から落ちるのが防がれる。
【0051】
好ましい実施形態により、チューブの第2端部は、
チューブの第2端部を、タンクの受け領域内で、第1位置に導入すること、
チューブの第2端部が、第1位置から第2位置に回転移動すること、を可能にする手段を含む。
【0052】
通常、導入及び回転移動のこの手段は、機械的形状を含む。
【0053】
好ましくは、チューブの外壁は、貯蔵タンクの粉末入口の受け領域内にチューブを案内する、及び受け領域内でチューブを移動させるために設計された少なくとも1つの案内溝部及び/又はピンを備える。
【0054】
好ましくは、チューブは、その外側側部に、2対の対称なピンを備える。
【0055】
好ましくは、コネクタのチューブの第2端部はまた、一度これが第2位置にくると、まず第1位置に反転させなければ、粉末入口の受け領域から取り外すことができないように設計されている。
【0056】
結果的に、チューブの第2端部は、これが受け領域から取り外されるときに、上方に向けられ、出口から粉末が落ちる危険性がない。
【0057】
コネクタは、チューブの第2端部の上に取り外し可能なカバーを備えることがある。
【0058】
一態様により、取り外し可能なカバーは、例えば、ネジ付きキャップなど、第2端部から完全に取り外されるように構成され得る。操作者は手動により、再充填操作前にカバーを完全に取り外すことができる。
【0059】
別の態様により、チューブの第2端部は、取り外し可能なカバーを備えることがあり、上記カバーは、パッケージに恒久的に取り付けられ、チューブの第2端部と、タンクの粉末入口との間の接続は、
第1位置において、カバーがチューブの第2端部を閉じ、
第2位置において、カバーがチューブの第2端部から取り外されるように設計することができる。
【0060】
好ましくは、チューブの第2端部からのカバーの取り外しが、チューブの第2端部を第1位置から第2位置に動かすことによって生じる。一例として、タンクの粉末入口の受け領域は、第2端部が第1位置から第2位置に移動する間に、移動可能カバーを保持するリップ又は障害物などの、カバー保持手段を含む設計を有し得る。
【0061】
一態様により、コネクタは使い捨てであり、タンクを1つの粉末再充填容器で再充填するために使用することができる。上記の方法により、コネクタは、粉末再充填容器に取り外し可能に取り付ける必要がない。
【0062】
別の態様により、コネクタは再使用可能であり、タンクをいくつかの再充填容器で再充填するために使用することができる。上記態様により、コネクタは、例えば、バヨネット又はねじ係合によって、粉末再充填容器に取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0063】
本発明の第2態様において、少なくとも1つの可撓性壁部から作製され、上記のようなコネクタに接続可能な、粉末再充填容器の列が提示され、上記可撓性壁部は、引き裂き可能領域を含み、前記粉末再充填容器は、コネクタの第1端部と協働するように構成された取り付け要素を備え、上記取り付け要素は、可撓性壁部の引き裂き可能領域を包囲しており、上記容器は粉末を含んでいる。
【0064】
容器の可撓性壁部は、好ましくは多層フィルムで作製され、好ましくは少なくとも1つの金属フィルム及び1つのプラスチックフィルムで作製されている。
【0065】
好ましい実施形態によると、コンテナは、1つの可撓性フィルム材料から作製されたパウチである。
【0066】
一実施形態により、可撓性壁部の引き裂き可能な領域は、穿孔、を改善するための脆弱線、特に、領域の中心から半径方向に延びる線を含む場合がある。
【0067】
フィルムが多層である場合、穿孔又は切断線は、可撓性壁部を構成する層の少なくとも1つに存在し得る。
【0068】
好ましくは、粉末再充填容器の取り付け要素はリングであり、引き裂き可能領域を囲むために、上記リングの底面が、再充填容器の可撓性壁部に封止されてり、上記リングは、コネクタの第1端部と協働するように設計されている。
【0069】
好ましくはリングの底面は、可撓性壁部への取り付けを改善するために平坦である。リングは、接着、加熱、超音波溶接、又は他の既知の方法により壁部に取り付けることができる。
【0070】
特定の実施形態により、取り付け要素は、粉末再充填容器の内面上の固定要素と協働することによって、粉末再充填容器に固定することができ、可撓性壁部は、取り付け要素と固定要素との間に挟持される。
【0071】
好ましくは、リングは、バヨネット式係合、ねじ式係合、及び/又はスナップ嵌め係合によって、コネクタと協働することを可能にするように設計されている。したがって、リングの設計は、スロット、ピン、ねじを含み得る。
【0072】
この設計とは別に、接続中に操作者の感触を改善するために、磁石及び金属部品が存在してもよい。
【0074】
好ましくは、粉末充填容器はパウチである。このようなパウチの製造は、既存の粉末パウチの製造と同等であるが、ただし、パウチは、引き裂き可能領域及び取り付け要素を含む。
【0075】
引き裂き可能領域は、パウチを構成するフィルムの上面の、脆弱な穿孔部によって形成することができ、一般的な取り付け技術によって取り付け要素をこの領域の周囲に取り付けることができる。
【0076】
したがって、本発明は、新しい割り当てられた製造ラインを設けることを必要としない、パウチをもたらすことができ、既存のパウチ製造ラインを使用することができる。パウチを製造するために使用されるフィルムの上面は、パウチを作製及び充填する前に穿孔することができる。例えば、接着剤による場合には最終製造ステップにおいて、又は固定要素と協働させる場合には穿孔するステップにおいて、取り付け要素を取り付けることができる。
【0077】
粉末充填容器は、パウチではない他のいずれかの種類の容器であってもよく、ただしこれは、引き裂き可能領域を備える少なくとも1つの可撓性壁部と、コネクタの第1端部と協働するように構成された取り付け要素とを備え、上記取り付け要素は可撓性壁部の引き裂き可能領域を包囲するものとする。例えば、容器は主要剛性本体を有してもよく、上記本体は、引き裂き可能領域を備える可撓性壁部によって閉じられる開口部を備え、上記開口部は、コネクタの第1端部と協働する取り付け要素となるように構成されていてもよい。このような実施例において、主要剛性本体は、プラスチックボトルであってもよく、その開口部は引き裂き可能領域を備える可撓性壁部によって閉じられる。
【0078】
好ましくは、粉末再充填容器は、食品又は飲料を形成する粉末を含む。
【0079】
第3の態様において、食品粉末又は飲料粉末を貯蔵するための少なくとも1つのタンクを備える飲料注出機が提示され、上記タンクは、上記のコネクタに接続可能であり、タンクは粉末入口を備え、
タンクの粉末入口は、コネクタのチューブの第2端部を受けるための受け領域を備え、上記受け領域は、コネクタのチューブが、タンクの粉末入口に対して、第2端部を、少なくとも2つの位置、即ち、
チューブが上方に向けられる、1つの第1位置、
チューブが下方に向けられる、1つの第2位置に配置するように、上記受け領域内で移動させることができるように、設計されている。
【0080】
好ましくは、タンクの受け領域は、コネクタが第1位置から第2位置に回転移動するのを可能にするための手段を備える。
【0081】
好ましくは、タンクの受け領域は、ソケットであり、上記ソケットの内壁は、コネクタのチューブの第2端部の外壁上の少なくとも1つの対応する案内溝部、及び/又はピンと協働するための、少なくとも1つの案内ピン及び/又は溝部を備える。
【0082】
好ましくは受け領域は、その内壁上に、少なくとも2つの対称な案内溝部を備える。
【0083】
第1実施形態により、注出機は、異なる食品粉末又は飲料粉末を貯蔵する少なくとも2つのタンクを備えてもよく、タンクの粉末入口の受け領域は、互いに異なるコネクタに接続されるように、互いに異なるかたちで設計されており、上記複数のコネクタは、互いに異なる粉末を貯蔵する互いに異なる容器に接続されている。
【0084】
第4の態様により、飲料注出機の貯蔵タンクに、粉末を再充填するためのシステムが提示され、上記システムは、
上記のような、少なくとも1つのコネクタと、
上記のような粉末再充填容器と、
上記のような飲料注出機とを備える。
【0085】
上記のように、コネクタのチューブの第2端部、及びタンクの粉末入口の受け領域は、チューブの第2端部を、受け領域内に導入することができ、かつ上記受け領域内に導入すると、タンクの粉末入口に対して、第2の端部を、少なくとも2つの位置、即ち、
チューブの第2端部が上方に向けられる、1つの第1位置、及び
チューブの第2端部が下方に向けられる、1つの第2位置に配置するように、上記受け領域内で移動できるように、設計されている。
【0086】
好ましくは、コネクタのチューブの外壁が、その外側側部に2対の対称なピンを備え、受け領域は、その内壁に少なくとも2対の対称な案内溝部を備え、対称なピンの1つの第1対は、コネクタのチューブの第2端部が受け領域内で第1位置に導入されるときに、案内溝部の1つの第1対と協働し、対称なピンの1つの第2対は、コネクタのチューブの第2端部が、第2位置に導入されるときに、案内溝部の1つの第2対と協働する。
【0087】
好ましくは、案内溝部の第1及び第2対は本質的に互いに横方向に設計されている。したがって、コネクタのチューブの第2端部が第2位置にあるとき、これは、第1位置に反転させることなく、受け領域から直接取り外すことができず、操作者が、粉末が漏れる危険性がないように、チューブの出口を上方に向けるように促す。
【0088】
別の実施形態において、
コネクタのチューブの外壁は、少なくとも一対の安全溝部を備えることがあり、粉末入口の受け領域の外壁は、少なくとも1つの対応するピンの対を備えることがあり、又は
チューブの外壁、及び受け領域の内壁は、一対の案内溝部及び一対の案内ピンを備えることがある。
【0089】
好ましくは注出機の貯蔵タンクは、互いに異なる種類の粉末を貯蔵し、
貯蔵タンクは、互いに異なる粉末を貯蔵する貯蔵タンクは互いに異なる受け領域を有し、
互いに異なる粉末を貯蔵する粉末再充填容器は、互いに異なる取り付け要素を有し、
システムは互いに異なるコネクタを備え、上記複数のコネクタは設計が異なっており、各コネクタは、割り当てられた種類の粉末再充填容器を、割り当てられた貯蔵粉末タンクのみに接続できるようになっている。
【0090】
一態様により、
複数の貯蔵タンクの受け領域は、互いに色が異なっており、
複数の粉末再充填容器の取り付け要素は、互いに色が異なっており、
複数のコネクタは、互いに色が異なっており、
ある色は、ある種類の粉末割り当てられている。
【0091】
したがって、操作者はある色のコネクタを、同じ色の取り付け要素を有する粉末再充填容器に取り付け、容器及びコネクタのアセンブリを、同じ色の受け領域を有するタンクに接続するように、促される。
【0092】
第2実施形態により、
複数の貯蔵タンクの受け領域は、形状が互いに異なっており、
複数の粉末再充填容器の取り付け要素は、形状が互いに異なっており、
複数のコネクタは、第1端部及び第2端部の形状が互いに異なっている。
【0093】
したがって、操作者は、1つのコネクタを、コネクタ第1端部と協働する設計を有する取り付け要素を有する、再充填容器に取り付け、容器及びコネクタのアセンブリを、コネクタ第2端部と協働する同じ設計を有する受け領域を有するタンクに接続することができる。
【0094】
上記の双方の態様を組み合わせることができる。
【0095】
したがって、タンクが1種類のコネクタのみによって再充填することができ、上記コネクタは、1種類の粉末再充填容器のみに接続されうることを確実にするため、システムは、飲料注出機のタンクのクロスコンタミネーションを防ぐ。
【0096】
コネクタが使い捨てではなく、再使用可能である場合、システムは、コネクタが1種類の粉末の再充填のみに使用され、別の粉末と交わらないことを確実にする。
【0097】
第5態様により、上記のような互いに異なるコネクタであって、第1端部及び第2端部の設計が異なっており、よって各コネクタは、割り当てられた種類の粉末再充填容器のみに取り付けることができ、割り当てられた粉末貯蔵タンクのみに接続され得る、コネクタが提示される。
【0098】
第6態様により、上記のような互いに異なる粉末再充填容器であって、含まれる粉末の性質、及び取り付け要素の設計が異なっており、各容器が、割り当てられたコネクタのみを受けることができる、粉末再充填容器の列が提示される。
【0099】
第7態様により、上記のようなシステムの粉末貯蔵用のタンクを再充填するための方法であって、
コネクタの第1端部を、粉末再充填容器に取り付けるステップと、
コネクタの第2端部を、タンクの受け領域内で第1位置に導入するステップと、
コネクタの第2端部を、タンクの受け領域内で第2位置に導入するステップとを実施する、方法が提示される。
【0100】
好ましくは、コネクタのチューブの第2端部は、第1位置において上方に向けられ、その後チューブの第2端部は下方に向けられる。
【0101】
好ましくはパッケージの粉末出口は、第1位置と第2位置との間に回転させられる。
【0102】
その後、タンクの再充填を停止させるために、
第2位置に配置されたコネクタの第2端部は、第1位置まで、上方に向けられるステップと、
コネクタが容器の粉末入口から取り外されるステップと、が実施される。
【0103】
したがって、取り外しは、接続と反対の動きに対応する。
【0104】
方法は、粉末が粉末再充填容器内に留まっていても、容器の充填を適切に停止することを可能にするという利益を有する。操作者は、コネクタが容器の粉末入口から取り外されるときに、コネクタの第2端部を常に上方に向けるように促される。この動きの間、コネクタ内に依然として存在している粉末は、粉末再充填容器内に流れて戻る。その後操作者は、粉末がタンクの周囲に落ちる危険性なく、受け領域からコネクタを安全に取り外すことができる。コネクタの第2端部が取り外し可能なカバーを備える場合、危険性は更に低い。
【0105】
本発明において、用語「粉末」は、粉末、自由流動粒子、ペレット、顆粒、細粒、穀物(コーヒー豆のような)又は葉(茶葉のような)のようなバルク材料を含む。好ましくは、食品粉末又は飲料粉末は、インスタント、若しくはローストし挽いたコーヒー、チョコレート、インスタントティー、ミルクパウダー、スープ、又はコーヒーミックスであり得る。
【0106】
本明細書では、「下方に」、「上方に」、「内側」、「外側」、「後ろ」、「前」、「底」及び「横」という用語は、本発明の装置の特徴の相対的な位置関係を示している。これらの用語は、コネクタ及び粉末再充填コネクタに関する場合は、再充填動作中におけるその通常の向き、及びタンクに関する場合は、飲料調製のために飲料調製注出機内に配置された状態における(
図6、7a〜7c、8、9a〜9c、10、及び11)、本発明の互いに異なる装置に関連するものとして理解されるべきである。
【0107】
本発明の上記各態様は、任意の適切な組み合わせで組み合わせることができる。更に、本明細書の様々な特徴は、具体的に図示して説明した組み合わせ以外の組み合わせを提供するために、上記各態様の1つ以上と組み合わせてもよい。本発明の更に他の目的及び有利な特徴は、特許請求の範囲、詳細な説明、及び添付の図面から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0109】
図1a及び
図1bは、本発明によるコネクタ3を例示する異なる斜視図である。コネクタは、チューブであって、チューブの1つの第1端部31から、チューブの第2端部32に粉末が流れるのを可能にするチューブである。
【0110】
このチューブの断面は任意の形状を呈することができる。この断面はほぼ円形である。
【0111】
チューブは好ましくは本質的に真っ直ぐである。更に図面に例示されているように、チューブは第1端部31付近で僅かに角度を成していてもよい。例示される実施形態において、第1端部31は、
図1cに例示されるチューブの主要長手方向軸XXから、小さな角度を成すようにしてずれた長手方向軸に沿って向けられている。角度の値は、コネクタを取り付けることができる、容器を再充填する粉末による。この角度は任意選択である。
【0112】
コネクタの第1端部31は、穿孔部分311を含む。この穿孔部分は先端部3111を備える。この先端部は好ましくは、パウチの可撓性壁部に対してこの先端部3111を押し付けたときに、これを穿孔するために、十分に鋭い。例示される実施形態において、穿孔部分311は、先端部3111であって、チューブから隆起し、この先端部において接合される3つのリブ3112によって支持される、先端部3111を備えている(
図4でより具体的に例示されている)。この実施形態により、コネクタが一度パウチに取り付けられると、チューブ内の粉末の流れを阻害することなく、先端部がパウチの可撓性壁部を穿孔するのを可能にする。
【0113】
例えば、
図1dに例示されるように、チューブの第1端部を斜めにスライスすることにより生じる、穿孔端部などの穿孔部分の他の実施形態も可能である。
【0114】
コネクタの第1端部31は、可撓性壁部の対応する取り付け要素と協働するように設計された形状を示す、取り付け部分312を備えている。例示される実施形態において取り付け部分312はリングの形状を有しており、このリングは、可撓性壁部の取り付け要素の隆起部と協働するために、内壁(
図4に具体的 に例示されている)にスロット3121を有している。
【0115】
コネクタの第1端部と、再充填容器との間の協働の、他のいずれかの実施形態が、2つの装置の間の隆起部及びスロットの反転、ねじ止めによる協働、スナップ嵌めなどとして、実施することができる。
【0116】
コネクタの第2端部32は、後に詳述されるように、貯蔵タンクの粉末入口に取り付けられるように構成される。
【0117】
図2aは、注出機の貯蔵タンクを再充填するために使用され得る粉末のパウチを例示している。このパウチは、1枚の可撓性フィルム材料から作製される場合、パウチを形成するように折り畳まれ、溶接される。ある変形例により、パウチは、可撓性ではない二次壁部を有し得る。好ましくは、パウチは、可撓性壁部のみから構成される。パウチは、粉末を収容する。
【0118】
可撓性壁部は引き裂き可能な領域21を含む。この引き裂き可能領域21は好ましくは、パウチが一度コネクタ、及び飲料注出機のタンクに接続されると、これを完全に空にすることができるように、可撓性壁部上の場所に、位置決めされる。
【0119】
例示される実施形態において、この引き裂き可能領域21は、この領域の中心から半径方向に延びる脆弱線211を含む。これらの脆弱線211は、コネクタの先端部を押し付けたときに、領域21の引き裂きを開始するように構成されている。これらの脆弱線211は、可撓性壁部を構成する層の少なくとも1つにおける、穿孔又は切断線であり得る。3本以上の線が設けられる場合、これらは好ましくは、領域の同じ中心点で切るように設計される。
【0120】
これらの線211は、コネクタと協働するように設計された取り付け要素を配置する場所を知らせるための手段をもたらす。
【0121】
図2bは、上記取り付け要素22がその上に存在するパウチを例示している。引き裂き可能領域21の周囲に位置付けられている。
【0122】
図3a〜3cは、互いに異なる取り付け要素22の図である。取り付け要素22は、接着、加熱、超音波溶接、又は他の既知の手段により、可撓性壁部に取り付けることができる。好ましくは、上記取り付け要素の底面221は、取り付けを可能にするために平坦であり、再充填中のあらゆる粉末の漏れを防ぐ。
【0123】
例示される実施形態において、取り付け要素22はリングである。上記取り付け要素と、コネクタの第1端部の取り付け部分との協働の種類によって、更に他の形状も実施可能であり得る。例えば、スナップ嵌めにより協働が形成される場合には、環状のリングは必須ではない。
【0124】
例示される実施形態において、取り付け要素22は、リングの内壁に凹部223を有し、コネクタ3のパウチへの穿孔及び取り付けの間に、コネクタの穿孔部分311のリブ3112が、リング内に摺動するのを可能にする。取り付け要素22は、リングの内壁に隆起部222を有し、コネクタの穿孔部分311のリブ3112が、コネクタの取り付け部分312のスロット3121と協働するのを可能にする。したがって、コネクタが一度、パウチの引き裂き可能領域を穿孔すると、コネクタは、コネクタをリング内で回転させることによって、取り付け要素22に取り付けることができる。
【0125】
隆起部及びスロットによるこの種類の接続は、コネクタを可撓性壁部に取り外し可能に取り付けることを可能にする。結果的に、上記パウチが空になったときにパウチ2からコネクタ3を取り外し、このコネクタを別のパウチと使用することが可能となる。
【0126】
隆起部及びスロットの位置は、ある種類のコネクタの第1端部のみが、パウチの1種類の取り付け要素に取り付けることができ、よって1種類のコネクタは、1種類の粉末の再充填だけに用いられるように、設計され得る。
【0127】
図5a〜5cは、コネクタ3を、取り付け要素22を備えるパウチ2に取り付けるための、逐次的なステップを例示している。
図5aに例示される第1ステップにおいて、取り付け要素22により画定される領域内の、パウチの引き裂き可能領域に対して穿孔要素311を押し付けることによって、コネクタ3が取り付け要素22内に導入される。
【0128】
図5bに例示される第2ステップにおいて、コネクタの取り付け部分のスロット3121、及びパウチの取り付け要素の隆起部222を一緒に協働させるために、コネクタが回される。
図5cは、飲料注出機タンクに取り付けられ、これを容易に再充填するための、コネクタ3を備えるパウチ2を例示している。
【0129】
図6は、粉末1を貯蔵するためのタンクを例示している。容器は、粉末を貯蔵するための貯蔵チャンバ11を備える。チャンバ11の上部は蓋110で閉じられている。チャンバ11は、2つの垂直な横方向壁部111、及び2つの垂直な端壁、1つの後方前壁112a、及び1つの後方端壁112bを有する、本質的な平行六面体を呈している。チャンバは、タンクから粉末を放出するために、タンクの底部113に水平出口ダクト13である、出口を備える。タンク1は、タンクの底部113にエンドレススクリュー14を備えている。スクリュー14の回転により、粉末が出口ダクト13の方向に移動する。スクリューは、飲料注出機の一部であるシャット(shat)によってその後端部で作動させることができる。
【0130】
タンク1は、粉末入口12を備える。粉末入口12はタンクの上部で突出している。好ましくは、粉末入口は、タンクの上部に取り付けられ、洗浄又はメンテナンスの時以外には、そこから取り外し不可能である。粉末入口12は、容器が再充填されないときに、粉末入口12を保護する、移動可能カバー121を備える。粉末入口は、コネクタを受けるための、受け領域122を有する。
【0131】
図7a〜7eは、注出機のタンク1と、コネクタの第2端部32との協働を例示しており、コネクタの第1端部は、
図5a〜5cに例示されるように、粉末パウチ2に既に取り付けられている。これらの図面において、協働は第1実施形態に従って形成される。
【0132】
図7aに例示されるように、タンク1は、タンクの上部において突出する粉末入口12を有する。粉末入口12は、容器が再充填されないときに、粉末入口12を保護する、移動可能カバー121を備える。
【0133】
図7bにおいて、タンクの粉末入口のカバー121は、粉末入口12を開くために取り外されている。粉末入口12は、コネクタの第2端部32を受けるように構成された受け領域122を含む。受け領域122は、第2端部32を受けるように設計されており、コネクタのチューブ3は上方に向けられている。
図7bは、粉末入口の受け領域122の内側に導入できるように、操作者がコネクタを配置するべき方法を例示しており、例示されるように、パウチ及びコネクタは、チューブ3が上方に向けられ、パウチ2が上方に並進移動で導入されるように、保持されなくてはならない。
【0134】
図7cは、
図7bのAAに沿った粉末入口12の断面を示す
図7bの側面図であり(コネクタは側面図で示されている)、
図7dは、同じ上方位置におけるコネクタ第2端部32の斜視図である。コネクタ3は、対称なピンの第1対322と、その外側横方向側部の対称なピン3211の第2対を備える(
図7c、7dにおいて、各対の一方のピンだけが示されている)。対称なピンの第1対の各ピン322は、隆起部3221を有している。
【0135】
コネクタは、その外側横方向側部の対称な案内溝の対3212を有し(
図7c、7dにおいて、各対の一方の溝のみが示されている)、第2端部のピンの第2対3211と協働する、カバー321を備えている。カバーの横方向側部の底縁部3213は、第2端部の外側横方向側部の対称なカバー案内隆起部3214と係合する。コネクタが、容器の粉末入口内の第2位置に移動されると、これらの案内隆起部は、カバー321が第2端部から取り外されるときに、その動きを案内する。
図7eは、上記第2位置に配置された際の、チューブ3の分離された斜視図であり、カバー321の動きを示している。
【0136】
図7Cに示されるように、タンクの粉末入口12の受け領域122は、コネクタのチューブの横方向側部のチューブ案内隆起部3221と協働する、横方向内壁の第1案内溝部1221aを備えており、対応する対称な第1案内溝部が、対称な横方向内壁に存在している(断面図であるために示されない)。受け領域122はまた、コネクタのチューブの横方向側部のピン3211と協働する、横方向内壁の第2案内溝部1221bを備えており、対応する対称な第2案内スロットが、対称な横方向内壁に存在している(断面図であるために示されない)。
【0137】
受け領域の粉末入口の第1案内スロット1221a及び第2案内溝部1221bの両方が、コネクタのチューブの導入を案内するために上方に向けられた、真っ直ぐな設計を有しており、チューブの第2端部32が上方に向けられている。
【0138】
したがって、コネクタのチューブ案内隆起部3221及びピンの第2対3211と、粉末入口の第1案内溝部1221a及び第2案内溝部1221bそれぞれとの協働により
コネクタが第1位置に到達するまで、
コネクタの第2端部32を上方に向けながら、コネクタの受け領域への導入を案内できる。
【0139】
第1位置において、粉末の経路は閉じられているがこれは第1に、第2端部32がカバー321によって閉じられ、カバーが受け領域の端壁1224に対して当接しているからであり、第2に、第2端部32の出口が粉末入口の端壁1224面しており、上記壁部によって閉じられるためである。したがって、コネクタのカバーが外されていても、この第1位置においては、第2端部は壁部1224によって閉じられており、粉末のための経路はどこにも存在しない。更に、チューブの第2端部32が上方位置にあるため、重力によって粉末がパウチ2内に残る。
【0140】
チューブが第1位置に来ると、チューブの第2端部のピンの第2対3211が、対称な横方向内壁上に存在する第3案内溝部1222と協働することができる(この対の一方は、断面図のために示されない)。これらの第3案内溝部は、コネクタが受け領域内で回転できるように、湾曲した設計を有している。回転中、コネクタの第2端部のカバー321は、リップ1223によって受け領域内に保持され、結果として粉末の経路が形成される。カバーが取り外されている間、ピンの対3211は、案内溝部1222に沿って摺動し、カバーの底部案内縁部3213は、
図7eに例示されるように、チューブの横方向側部のカバー案内隆起部3214に沿って案内される。回転中、ピン322は、受け領域の対応する丸い案内溝部で回転することができる。
【0141】
したがって、第2位置に移動している間、チューブの第2端部32は下方に向けられ、チューブは粉末入口12の内側チューブ上に自ら整列する。更に、カバーは、チューブの第2端部から取り外される。結果として、粉末の流路が形成される。更に、チューブの新たな向きにより、操作者は、コネクタに取り付けられたパウチを、粉末入口の上方に移動させるように促され、これにより粉末は、重力によってタンク1を充填することができる。
【0142】
結果的に、第1実施形態において、コネクタは、第1位置まで上方に並進することにより、タンクの粉末入口に導入される。
【0143】
僅かに異なる設計の案内溝部1221a、1221b、1222を備える、異なるタンク1を設計することができ、対応する設計されたピン2111、21112、及び隆起部2113を備える割り当てられた粉末再充填容器2のみが、内部で係合できるようになっている。例えば、この設計は、幅、長さ、高さ、受け領域122の横方向壁部の溝の位置及び/又は向きが異なっていてもよい。例えば、操作者は、コーヒー粉末に割り当てられた容器に、ミルク粉末を含むパッケージを再充填することができなくなる。
【0144】
図8は、タンクと、
図7a〜7cの第1実施形態のパウチに取り付けられたコネクタ3との間の協働のステップを例示している。
【0145】
ステップa1)において、タンクの粉末入口のカバー121は開かれる。
【0146】
ステップa2)において、パウチ2は、コネクタのチューブの第2端部32を上方に向けながら、かつタンクの粉末入口21内の上方への並進移動に従い、これがステップb)の第1位置に到達するまで、動かされる。
【0147】
ステップb)と、ステップc)との間において、パウチはステップc)の第2位置に到達するまで回転され、ここで粉末の経路が形成され、再充填が行われ得る。ステップc)の拡大図に例示されるように、チューブ案内隆起部3221が、受け領域の案内溝1221aに対して横方向に位置付けられ、これは、第2位置において、操作者が、コネクタを反転させずにタンクの粉末入口からコネクタを取り外せないことを意味する。操作者が誤操作によって粉末をパウチから流出させる危険性がない。操作者は、再充填中にパウチを保持するのをやめてもよく、コネクタはタンクの粉末入口に取り付けられたままとなるために、タンクの周囲がちらからない。
【0148】
ステップc)において、軸YYは、コネクタ及びタンクの粉末入口によって形成される粉末流路の向きを示している。流路は、垂直方向に対してある角度で傾いている。β例示される実施形態において、この角度は約45°である。この角度は、タンクに再再充填される粉末の性質、及び特に、粉末の流動性によって変化させることができる。
【0149】
ステップc)と、ステップd)との間において、コネクタは、ステップd)の第1位置に再び到達するまで逆回転され、ここで粉末の経路が閉じられる。
【0150】
ステップe)において、コネクタは、受け領域から取り外すことができ、コネクタの第2端部は上方に向けられる。
【0151】
このシステムは、再充填動作中に、コネクタ又は粉末入口から粉末が落ち得ないことを確実にするものである。
【0152】
図9aは、注出機のタンク1と、コネクタの第2端部32との協働を例示しており、コネクタの第1端部は、粉末パウチ2に既に取り付けられている。これらの図面において、協働は第2実施形態に従って形成される。タンク1は、粉末チャンバ11及び粉末入口12を備える。粉末入口12はタンクの上部で突出している。粉末入口12は、容器が再充填されていないときに、粉末入口12を保護する移動可能カバー121を備える。コネクタ3は、パウチ2に取り付けられている。
【0153】
図9bにおいて、タンクの粉末入口12のカバー121は、粉末入口を開くために取り外されている。粉末入口12は、コネクタ3を受けるように構成された、受け領域122を備える。受け領域122は、第2端部32を受けるように設計されており、この第2端部は上方に向けられている。
図9bは、粉末入口の受け領域122の内側に導入できるように、操作者がコネクタ3を配置するべき方法を例示しており、例示されるように、パッケージは、第2端部32が上方に向けられるように保持されなくてはならず、コネクタは下方に並進移動するようにして導入される(矢印参照)。
【0154】
図9cは、
図9bのAAに沿った粉末入口12の断面を示す
図9bの側面図である(コネクタは側面図で示されている)。コネクタのチューブは、対称なピンの第1対322と、その外側横方向側部の対称なピン3211の第2対を備える(
図9cにおいて、各対の一方のピンだけが示されている)。対称なピンの第1対の各ピン322は、隆起部3221を有している。
【0155】
コネクタの第2端部32は、その外側横方向側部の対称な案内溝の対を有し(
図9cにおいて、各対の一方の溝のみが示されている)、コネクタのピンの第2対2112と協働する、カバー321を備えている。
【0156】
タンクの粉末入口12の受け領域122は、コネクタのチューブの横方向側部のチューブ案内隆起部3221と協働する、横方向内壁の第1案内スロット1221aを備えており、対応する対称な第1案内スロットが、対称な横方向内壁に存在している(断面図であるために示されない)。受け領域のこれらの案内スロット1221aは、操作者がコネクタの第2端部32を上方に向けながら、受け領域のパッケージの粉末出口を導入するときに、操作者が並進移動させるのを案内するための真っ直ぐな設計を呈する。
【0157】
したがって、チューブ案内隆起部3221と、粉末入口の案内溝部1221aとの間の協働により、
コネクタが第1位置に到達するまで、
コネクタの第2端部32は上方に向けながら、粉末出口の受け領域内への導入を案内することができる。
【0158】
第1位置において、第2端部32がカバー321によって閉じられ、カバーが受け領域の端壁1224に対して当接するために、粉末の経路が閉じられる。
【0159】
コネクタが第1位置に来ると、チューブのピンの第2対3211が、受け領域の対称な横方向内壁上に存在する第2案内溝部1222と協働することができる(この対の一方は、断面図のために示されない)。これらの第2案内溝部は、コネクタのチューブが受け領域内で回転できるように、湾曲した設計を有している。回転中、粉末出口のカバーの前縁部3215がリップ1223によって受け領域内に保持され、粉末の経路が形成される。カバーの取り外し中、ピン3211が、対応する案内溝部1222に沿って摺動する。回転中、ピン322は、受け領域の対応する丸い案内溝部で回転することができる。
【0160】
したがって、第2位置に移動している間、チューブの第2端部32は下方に位置付けられ、カバーはチューブの上記端部から取り外される。結果的に、粉末の流路が形成され、粉末はタンクを充填し得る。
【0161】
結果的に、第2実施形態において、システムは、第1位置への下方への並進移動により、タンクの粉末入口にコネクタを導入することを可能にする。
【0162】
図10は、タンク1と、
図9a〜9cの第2実施形態のパウチに取り付けられたコネクタ3との間の協働のステップを例示している。
【0163】
ステップa1)において、タンクの粉末入口のカバー121は開かれている。
【0164】
ステップa2)において、パウチ2は、コネクタの第2端部32を上方に向けながら、かつタンクの受け領域内の下方への並進移動により、これがステップb)の第1位置に到達するまで、動かされる。
【0165】
ステップb)と、ステップc)との間において、コネクタはステップc)の第2位置に到達するまで垂直平面内で回転され、ここで粉末の経路が形成され、再充填が行われ得る。
【0166】
ステップc)と、ステップd)との間において、コネクタは、ステップd)の第1位置に再び到達するまで逆回転され、ここで粉末の経路が閉じられる。
【0167】
ステップe)において、コネクタは、受け領域から取り外すことができ、第2端部32は上方に向けられている。
【0168】
このシステムは、再充填動作中に、コネクタ又はタンク粉末入口から粉末が落ち得ないことを確実にするものである。
【0169】
図11は、本発明によるいくつかの飲料粉末タンク1を含む、飲料注出機4を示している。タンクは、粉末入口12が注出機の前部に、好ましくは注出機の上部にあるように配置されている。したがって、操作者は、注出機の前部ドア43を開かずに、粉末入口12に直接アクセスすることができる。操作者は、粉末入口12のカバー121を開かなければいけない。その後、操作者は、再充填のために注出機から容器を取り外す必要はない。操作者が、再充填中に粉末でマシンを汚す危険性があるため、従来の注出機においてはこの操作は通常必須である。本発明において、このような危険性はない。
【0170】
前部ドア13の後ろにおいて、注出機は通常、粉末タンク1の下に配置された飲料調製ユニットを備える。容器の出口は、1回量の飲料粉末を希釈液と接触させるために飲料調製部に飲料粉末を送出するような向きになっている。希釈液は、通常、注出機の後部に配置されたボイラー、ポンプ、及び加熱器(例示されない)を備える流体システムによって供給される。飲料調製ユニット21は、注出領域42に設置されたカップに飲料を送出する。
【0171】
注出機は通常、顧客が飲料を選択及び注文することを可能にするための、入力装置41を備える。
【0172】
タンク1は、容器内に投入装置を作動させるために、その後端部のモーターシャフトと協働することができる。
【0173】
有利なことに、再充填のため、蓋を取り除いて、コネクタと協働するために、受け領域を備える蓋と交換することによって、既存の注出機の食品又は飲料を貯蔵するための、既存の粉末タンクを組み込むことが可能である。最終的に、注出機の前部ドアも適合させることができる。
【0174】
本発明のシステムは、タンクの粉末入口内のパウチに取り付けられた、コネクタの移動を可能にする利益を有する。システムは、いずれの移動可能部も含まず、システムは、操作者が、コネクタ及びパウチを、粉末のあらゆる漏れを防ぐような方法で向けるように、適切な動作のみを行うように促す。
【0175】
本発明を上記に示した実施形態を参照して説明したが、特許請求した本発明は、示したこれらの実施形態になんら限定されるものではないことが理解されるであろう。例として、粉末再充填容器はパウチに限定されないことがあり、タンクの粉末入口におけるカバーの存在は必須ではない。
【0176】
特許請求の範囲に記載した本発明の範囲を逸脱しない限り、改変及び修正を加えてよい。更に、周知の同等物が特定の特徴に存在する場合、かかる同等物は、本明細書で具体的に表されるかのように組み込まれる。
【0177】
本明細書で使用するとき、用語「を含む」「を含んでいる」、及び類似の単語は、限定的又は包括的なものとして解釈されるべきではない。換言すれば、これらは「を含むが、これらに限定されない」ことを意味することを目的としている。