(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2測定値を測定するステップは、表示部に表示された前記第2測定値の測定開始を受け付ける画面において、前記第2測定値の測定開始を受け付けた場合に、前記第2測定値を測定し、
前記新たな検量線を作成するステップは、前記第2測定値の測定が終了した後、前記第1測定値を前記第2測定値に置き換えることで前記新たな検量線を作成する、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の検量線作成方法。
前記測定部は、血液凝固分析用の試薬と前記調製されたキャリブレーターを混合して測定試料を調製し、調製された前記測定試料を測定することで前記第2測定値を測定する、
請求項9乃至12のいずれか一項に記載の分析装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、血液検体の凝固異常を判定する検査項目である「PT(プロトロンビン時間)活性%」を分析するための検量線を作成する場合、異なる割合で希釈された複数のキャリブレーターの各々に試薬を投入することで作成した複数の試料を用意し、これらの複数の試料を測定することで得られた複数の測定値をグラフ上にプロットすることで検量線を作成する。
【0006】
ここで、例えば、何らかの理由により、複数のキャリブレーターのうち一部のキャリブレーターの希釈に失敗した場合、作成される検量線にはエラーとなる測定値が含まれることになる。このように、作成した検量線にエラーとなる測定値が含まれる場合、当該検量線では正しい測定を行うことができないため、検量線を修正する必要がある。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている分析装置では、検量線がエラーとなった場合に、全ての測定値について再度測定し直す必要がある。そのため、検量線にエラーとなる測定値が含まれる場合に、その修正作業の負荷が高くなってしまう。
【0008】
そこで、本発明は、エラーが疑われる測定値を含む検量線をより迅速に修正可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る検量線作成方法は、分析装置(10)が行う検量線作成方法であって、容器内のキャリブレーターを他の容器に分注することで、希釈倍率の異なる複数のキャリブレーターを調製するステップ(21)と、調製された希釈倍率の異なる複数のキャリブレーターの各々を測定することで複数の測定値を取得するステップ(103)と、複数の測定値を用いて検量線を作成するステップ(104)と、希釈倍率と対応づけて表示される複数の測定値のうち、再測定の対象となる第1測定値の選択を受け付けるステップ(101)と、選択された第1測定値に対応づけて表示される希釈倍率でキャリブレーターを調製するステップ(21)と、調製されたキャリブレーターを測定することで第2測定値を測定するステップ(103)と、複数の測定値のうち、第1測定値を、第2測定値に置き換えることで、新たな検量線を作成するステップ(104)と、を含む。
【0010】
本態様に係る検量線作成方法によれば、検量線の作成に用いられた複数の測定値のうち一部の測定値を置き換えることで新たな検量線を作成することができる。これにより、エラーが疑われる測定値を含む検量線をより迅速に修正することができる。また、分析装置は、測定値を再測定する場合に、再測定する測定値に対応する濃度にキャリブレーターを自ら調製し、調製したキャリブレーターを用いて測定を行うことから、エラーが疑われる測定値を含む検量線を、より迅速に修正することが可能になる。また、分析装置は、エラーが疑われる測定値に対応する希釈率で自動的にキャリブレーターを希釈して再度測定を行うことから、エラーが疑われる測定値に対応する希釈率のキャリブレーターをユーザが自ら調製して分析装置にセッティングする場合と比較して、キャリブレーターの調製ミスが生じる可能性を排除することができ、より迅速かつ正確に検量線を修正することが可能になる。
【0011】
また、測定値の有効数字は、1桁以上4桁以下であってもよい。これにより、キャリブレーターを自動的に希釈する機能を利用した場合でも、検量線の作成に必要な精度を確保することが可能になる。
【0012】
また、希釈倍率の異なる複数のキャリブレーターは、キャリブレーターを100倍未満の希釈倍率で希釈して調製されるようにしてもよい。これにより、キャリブレーターを自動的に希釈する機能を利用して検量線を作成する場合でも、検量線の精度を高めることが可能になる。
【0013】
また、測定値は、血液凝固分析の測定項目の測定値であってもよい。これにより、血液凝固分析に用いる検量線をより迅速かつ正確に修正することが可能になる。
【0014】
また、第2測定値を測定するステップ(103)は、更に、血液凝固分析用の試薬と調製されたキャリブレーターを混合して測定試料を調製するステップと、調製された測定試料を測定することで第2測定値を測定するステップと、を含むようにしてもよい。これにより、血液凝固分析に用いる検量線をより迅速かつ正確に修正することが可能になる。
【0015】
また、検量線作成方法は、新たな検量線を用いて被験者から採取された検体の測定値を分析するステップ(103)を含むようにしてもよい。これにより、修正された検量線で検体を測定することができ、より正確に検体の測定を行うことが可能になる。
【0016】
また、分析は、血液凝固分析であるようにしてもよい。これにより、修正された検量線を用いて、検体の血液凝固分析をより正確に行うことが可能になる。
【0017】
また、第2測定値を測定するステップ(103)は、表示部に表示された第2測定値の測定開始を受け付ける画面において、第2測定値の測定開始を受け付けた場合に、第2測定値を測定し、新たな検量線を作成するステップ(104)は、第2測定値の測定が終了した後、第1測定値を第2測定値に置き換えることで新たな検量線を作成するようにしてもよい。これにより、ユーザは、測定値の再測定を行うタイミングを分析装置に指示することができる。
【0018】
本発明の他の態様に係る分析装置(10)は、容器内のキャリブレーターを他の容器に分注することで、希釈倍率の異なる複数のキャリブレーターを調製する調製部(21)と、調製された希釈倍率の異なる複数のキャリブレーターの各々を測定することで複数の測定値を取得する測定部(103)と、複数の測定値を用いて検量線を作成する作成部(104)と、希釈倍率と対応づけて表示される複数の測定値のうち、再測定の対象となる第1測定値の選択を受け付ける入力受付部(101)と、を有し、調製部(21)は、選択された第1測定値に対応づけて表示される希釈倍率でキャリブレーターを調製し、測定部(103)は、調製されたキャリブレーターを測定することで第2測定値を測定し、作成部(104)は、複数の測定値のうち、第1測定値を、第2測定値に置き換えることで、新たな検量線を作成する。
【0019】
本態様に係る分析装置によれば、検量線の作成に用いられた複数の測定値のうち一部の測定値を置き換えることで新たな検量線を作成することができる。これにより、エラーが疑われる測定値を含む検量線をより迅速に修正することができる。また、分析装置は、測定値を再測定する場合に、再測定する測定値に対応する濃度にキャリブレーターを自ら調製し、調製したキャリブレーターを用いて測定を行うことから、エラーが疑われる測定値を含む検量線を、より迅速に修正することが可能になる。また、分析装置は、エラーが疑われる測定値に対応する希釈率で自動的にキャリブレーターを希釈して再度測定を行うことから、エラーが疑われる測定値に対応する希釈率のキャリブレーターをユーザが自ら調製して分析装置にセッティングする場合と比較して、キャリブレーターの調製ミスが生じる可能性を排除することができ、より迅速かつ正確に検量線を修正することが可能になる。
【0020】
また、測定値の有効数字は、1桁以上4桁以下であってもよい。これにより、キャリブレーターを自動的に希釈する機能を利用した場合でも、検量線の作成に必要な精度を確保することが可能になる。
【0021】
また、希釈倍率の異なる複数のキャリブレーターは、キャリブレーターを100倍未満の希釈倍率で希釈して調製されるようにしてもよい。これにより、キャリブレーターを自動的に希釈する機能を利用して検量線を作成する場合でも、検量線の精度を高めることが可能になる。
【0022】
また、測定値は、血液凝固分析の測定項目の測定値であってもよい。これにより、血液凝固分析に用いる検量線をより迅速かつ正確に修正することが可能になる。
【0023】
また、測定部(103)は、血液凝固分析用の試薬と調製されたキャリブレーターを混合して測定試料を調製し、調製された測定試料を測定することで第2測定値を測定するようにしてもよい。これにより、血液凝固分析に用いる検量線をより迅速かつ正確に修正することが可能になる。
【0024】
また、測定部(103)は、新たな検量線を用いて被験者から採取された検体の測定値を分析するようにしてもよい。これにより、修正された検量線で検体を測定することができ、より正確に検体の測定を行うことが可能になる。
【0025】
また、分析は、血液凝固分析であるようにしてもよい。これにより、修正された検量線を用いて、検体の血液凝固分析をより正確に行うことが可能になる。
【0026】
また、測定部(103)は、表示部に表示された第2測定値の測定開始を受け付ける画面において、第2測定値の測定開始を受け付けた場合に、第2測定値を測定し、作成部(104)は、第2測定値の測定が終了した後、第1測定値を第2測定値に置き換えることで新たな検量線を作成する、これにより、ユーザは、測定値の再測定を行うタイミングを分析装置に指示することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、エラーが疑われる測定値を含む検量線をより迅速に修正可能にする技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。以下、血液の分析を行う血液分析装置が検量線を作成する処理について説明するが、本実施形態が血液分析装置に限定されることを意図しているのではない。本実施形態は、検量線の作成を行う分析装置であればどのような分析装置にも適用することが可能である。
【0030】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る血液分析装置のシステム構成例を示す図である。
図1に示すように、血液分析装置10は、測定装置20と制御装置30を備える。血液分析装置10は、血液検体に試薬を添加することで調製された血液試料に光を照射し、得られた透過光を凝固法、合成基質法、免疫比濁法および凝集法によって解析することにより血液検体の凝固能に関する分析を行って、複数の測定項目についての測定結果を取得できる。
【0031】
測定装置20は、調製部21と測定部22を備える。調製部21は、血液検体を検体容器から分注し、分注した血液検体を加温し、加温した血液検体に試薬を添加し、血液試料を調製する。測定部22は、照射部22aと、検出部22bと、信号処理部22cと、を備える。照射部22aは、調製部21で調製された血液試料に光を照射する。照射部22aは、たとえば、ハロゲンランプやLEDである。検出部22bは、照射部22aにより血液試料に照射された光のうち、血液試料を透過した透過光を受光する。検出部22bは、たとえば、フォトダイオードやアバランシェフォトダイオードである。
【0032】
血液試料の凝固反応が進むと血液試料の濁度が上昇し、濁度の上昇に応じて血液試料からの透過光の光量が減少する。検出部22bは、血液が凝固する過程を、透過光の変化として検出する。この場合、血液試料の凝固反応が進むと、一般的に検出部22bの受光光量は減少する。なお、検出部22bが散乱光を受光する場合、血液試料の凝固反応が進むと、一般的に検出部22bの受光光量は増加する。
【0033】
信号処理部22cは、検出部22bから出力された検出信号をAD変換器によりデジタルデータに変換して制御装置30に送信する。制御装置30に送信されるデータは、検出部22bによる検出を開始してから終了するまでの検出期間において、時間の経過に伴い変化するデータ(以下、「時系列データ」と言う。)である。測定方法として凝固法が用いられる場合、当該時系列データは、血液試料の凝固過程を透過光の強度の経時的な変化として検出したものであり、凝固曲線データである。
【0034】
図2は、
図1に示した測定装置20を上から見た場合の構成を示す図である。測定装置20は、
図1に示した構成に加えて、
図2に示す構成を含む。
【0035】
図2に示すように、測定装置20は、搬送ユニット210と、検体分注部220と、反応容器テーブル230と、加温テーブル240と、試薬テーブル250と、試薬分注部260、270と、移送部280と、測定部22と、を備える。
【0036】
搬送ユニット210は、ラックセット部211と、ラック搬送部212と、ラック回収部213と、を備える。オペレータは、血液検体を収容した検体容器41を検体ラック42にセットし、検体ラック42をラックセット部211に設置する。搬送ユニット210は、ラックセット部211に設置された検体ラック42をラック搬送部212に搬送し、検体容器41を順次、検体吸引位置212aに位置付ける。搬送ユニット210は、検体ラック42に保持された全ての検体容器41に対する検体の吸引が終了すると、検体ラック42をラック回収部213へと搬送する。なお、検体ラック42に保持可能な検体容器41の数は、6個に限らず、他の個数であってもよい。
【0037】
検体分注部220は、ノズル221と、アーム222と、機構部223と、を備える。ノズル221は、アーム222の先端に設置されている。機構部223は、アームを周方向に回転させるとともに上下方向に移動させるよう構成されている。これにより、ノズル221が周方向および上下方向に移動可能となる。検体分注部220は、検体吸引位置212aに位置付けられた検体容器41から血液検体を吸引し、吸引した検体を反応容器テーブル230の保持孔231に保持された反応容器43に吐出する。
【0038】
反応容器テーブル230は、平面視においてリング形状を有し、試薬テーブル250の外側に配置されている。反応容器テーブル230は、周方向に回転可能に構成されている。反応容器テーブル230は、反応容器43を保持するための複数の保持孔231を有する。
【0039】
加温テーブル240は、反応容器43を保持するための複数の保持孔241と、反応容器43を移送するための移送部242と、を備える。加温テーブル240は、平面視において円形の輪郭を有し、周方向に回転可能に構成されている。加温テーブル240は、保持孔241にセットされた反応容器43を37℃に加温する。
【0040】
反応容器テーブル230に保持された反応容器43に血液検体が吐出されると、反応容器テーブル230が回転され、血液検体を収容する反応容器43が加温テーブル240の近傍まで移送される。そして、加温テーブル240の移送部242が、この反応容器43を把持して、加温テーブル240の保持孔241にセットする。
【0041】
試薬テーブル250は、血液凝固検査に関する測定に使用する試薬を収容した試薬容器251を複数設置可能に構成されている。試薬テーブル250は周方向に回転可能に構成されている。試薬テーブル250には、測定項目の測定において用いる試薬を収容した試薬容器251が複数設置され、たとえば、プロトロンビン時間測定用の試薬を収容した試薬容器251や、フィブリノゲン測定用の試薬を収容した試薬容器251などが設置される。
【0042】
試薬分注部260は、ノズル261と機構部262を備える。機構部262は、試薬テーブル250を横切るようにノズル261を水平方向に移動させるとともに、ノズル261を上下方向に移動させるよう構成されている。同様に、試薬分注部270は、ノズル271と機構部272を備える。機構部272は、試薬テーブル250を横切るようにノズル271を水平方向に移動させるとともに、ノズル271を上下方向に移動させるよう構成されている。試薬分注部260、270は、測定装置20の筐体上面の下側に設置されている。
【0043】
試薬分注部260、270は、加温テーブル240で加温された反応容器43に試薬を分注する。試薬の分注の際は、移送部242または移送部280が、加温テーブル240の保持孔241から反応容器43を取り出し、加温テーブル240近傍の所定位置に位置付ける。そして、試薬分注部260、270が、試薬容器251からノズル261、271を介して試薬を吸引し、吸引した試薬を反応容器43に吐出する。これにより、血液検体に試薬が混合され、血液試料が調製される。
図1の調製部21は、加温テーブル240と、試薬テーブル250と、試薬分注部260、270と、移送部280と、に対応する。その後、移送部280が、反応容器43を測定部22の保持孔22dにセットする。
【0044】
測定部22は、複数の保持孔22dを備える。測定部22は、保持孔22dにセットされた反応容器43に対して、照射部22aにより光を照射し、血液試料を透過した光を、検出部22bにより受光する。検出部22bは、血液が凝固する過程を、透過光の変化として検出する。
【0045】
検量線を作成するためにキャリブレーターを測定する際、測定装置20は、以上説明した動作に加えて、セットされたキャリブレーターを、検量線の作成に必要な濃度に自動で希釈してから凝固過程を測定する動作を行う。より具体的には、ノズル221は、検体吸引位置212aに移動し、検体吸引位置212aに位置付けられた検体容器41からキャリブレーターを吸引する。続いて、ノズル221は、希釈液容器290の位置に移動し、希釈液容器290から希釈液を吸引することでノズル内のキャリブレーターを所定の濃度に希釈する。続いて、ノズル221は、希釈されたキャリブレーターを反応容器テーブル230の保持孔231に保持された反応容器43に吐出する。測定装置20は、同一の測定容器41から上記手順により希釈したキャリブレーターを反応容器43に分注し、反応容器43を加熱し、反応容器43に試薬を注入して凝固過程を測定するという一連の動作を、検量線の作成に必要な回数繰り返す。
【0046】
制御装置30は、処理部31と、記憶部32と、表示部33と、入力部34と、を備える。処理部31は、たとえば、CPUである。記憶部32は、たとえば、RAM、ROM、ハードディスクなどである。記憶部32は、処理部31に実行させるためのコンピュータのプログラム32aを記憶している。
【0047】
処理部31は、測定部22の検出結果を処理する。具体的には、処理部31は、血液検体やキャリブレーターを測定することで得られた時系列データを測定装置20から取得し、取得した時系列データを用いて、血液凝固分析用の測定項目である測定値(凝固時間や吸光度変化量)を算出する。
【0048】
また、処理部31は、濃度が異なるキャリブレーターを用いて得られた複数の測定値について、濃度を一方の軸(例えばX軸)とし、測定値を他方の軸(例えばY軸)とする2軸のグラフにプロットすることで検量線を作成する。以下の説明において、当該グラフ上にプロットされた点を「検量線ポイント」と呼ぶことがある。なお、キャリブレーターとは、検量線を作成するための用いられる標準物質であり、例えば、正常者から採取した血漿などである。
【0049】
検量線は、被験者の検体を測定する際に参照される標準曲線であり、一般的には、試薬ロットが変更される度に作成する必要があるとされている。これは、同一の試薬かつ同一の検体であっても、試薬ロットが異なると測定値が変化してしまうためである。
【0050】
表示部33は、たとえば、液晶ディスプレイである。入力部34は、マウスおよびキーボードである。なお、表示部33と入力部34が、タッチパネル式のディスプレイのように、一体的に構成されてもよい。
【0051】
<機能ブロック構成>
図3は、本実施形態に係る制御装置30の機能ブロック構成例を示す図である。制御装置30は、DB(DataBase)100と、入力受付部101と、表示制御部102と、測定処理部103と、作成部104とを含む。DB100には、検量線DB100aが格納される。入力受付部101と、表示制御部102と、測定処理部103と、作成部104とは、制御装置30の処理部31が、記憶部32に記憶されたプログラム32aを実行することにより実現することができる。また、当該プログラム32aは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラム32aを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD−ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0052】
入力受付部101は、ユーザが入力部34を操作することで制御装置30に入力した各種のデータを受け付ける機能を有する。例えば、入力受付部101は、検量線の作成指示や、検量線の作成に用いた複数の測定値のうち再度測定を行う測定値(第1測定値)の選択や、再測定開始の指示等をユーザから受け付ける。
【0053】
表示制御部102は、血液分析装置10の操作に用いられる各種の画面を生成し、生成した画面を表示部33に表示させる機能を有する。表示制御部102が生成する画面には、例えば、検量線の作成に用いた複数の測定値のうち再度測定を行う測定値の選択を受け付ける画面や、再測定開始の指示をユーザから受け付ける画面等が含まれる。
【0054】
測定処理部103は、濃度の異なる複数のキャリブレーター(試料)の各々を測定することで得られた時系列データを測定装置20から取得し、取得した時系列データを用いて、キャリブレーター(試料)ごとに測定値(凝固時間や吸光度変化量など)を算出する。また、測定処理部103は、入力受付部101にて、再度測定を行う測定値(第1測定値)の選択を受け付けた場合、選択された測定値に対応する濃度のキャリブレーターについての測定を再度行うように測定装置20に指示すると共に、再度測定された時系列データを測定装置20から取得して測定値を算出する。
【0055】
作成部104は、測定処理部103で算出された、濃度の異なる複数のキャリブレーターについてのキャリブレーターごとの測定値を用いて検量線を作成する機能を有する。
【0056】
また、作成部104は、検量線を作成する際に用いた複数の測定値のうち、ユーザから指示された一部の測定値(第1測定値)を、当該測定値に対応する濃度と同一の濃度のキャリブレーター(試料)を再度測定することで得られた測定値(第2測定値)に置き換えることで、新たな検量線を作成する機能を有する。
【0057】
また、作成部104は、検量線の作成に用いた測定値、検量線の作成に使用した試薬、及び測定した項目等に関する情報などを検量線DB100aに格納する。
【0058】
図4は、検量線DB100aの具体例を示す図である。「測定項目グループ」には、1又は複数の測定項目をひとまとめにしたグループの名称が格納される。例えば、
図4の例では、「PT THS」という測定項目グループは、PT THS-%及びPT INRといった測定項目が含まれるグループである。「試薬ロット」には、検量線の測定に用いられる試薬のロットを示す情報が格納される。ここで、ロットとは、生産単位を示す情報である。同一のロットであることは、例えば生産された工場や時期等により定められる生産単位が同一であることを意味する。「キャリブレーター」には、検量線の作成に用いられる標準血漿等の名称(例えば市販血漿の商品名など)が格納される。「キャリブレーターロット番号」には、キャリブレーターごとに付与されているロット番号が格納される。「測定項目」は、検量線に対応する測定項目の名称が格納される。「希釈倍率」は、キャリブレーターを希釈する際の希釈倍率を示す。例えば1/1は希釈されていないことを示しており、1/2は、希釈液とキャリブレーターとが1対1の割合で混合されていることを示している。「測定値」には、測定項目及び希釈倍率に対応する測定値が格納される。
【0059】
<処理手順>
(検量線の作成)
図5は、血液分析装置10が検量線の作成を行う際の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の説明では、血液分析装置10は、キャリブレーターを、希釈液を用いて自動的に希釈しながら測定することで、検量線の作成を自動的に行う前提とする。
【0060】
ステップS10で、入力受付部101は、検量線の作成を行う測定項目グループの選択を受け付ける。ここで、血液分析装置10のメニュー画面の一例を
図6に示し、検量線の作成を行う測定項目グループの選択を受け付ける画面の一例を
図7に示す。
図6に示す画面には、検量線を新規に作成する際に用いられる選択ボタンB10を表示する表示エリアA10と、作成した検量線のうち一部の測定値を置き換える際に用いられる選択ボタンB11を表示する表示エリアA11とが含まれる。ボタンB10が押下されると、
図7に示す画面に遷移する。
図7に示す画面には、測定項目グループの選択を受け付ける表示エリアA20が表示されており、ユーザは、表示エリアA20の中に表示される複数の測定項目グループの中から任意の測定項目グループを選択することができる。
図5に戻り説明を続ける。
【0061】
ステップS11で、入力受付部101は、ステップS10の処理手順で選択された測定項目グループについて、検量線の作成に使用する試薬のロット及びキャリブレーターのロット番号の指定を受け付ける。試薬のロット番号を指定する画面の例を
図8に示す。
図8に示す画面には、
図7の画面で選択された測定項目グループを表示する表示エリアA30と、当該選択された測定項目グループでの測定に用いられる試薬のうち、血液分析装置10内に予め登録されている試薬の試薬ロットを一覧表示する表示エリアA31とが含まれる。表示エリアA31において試薬ロットが1つ選択されると、
図9に示す画面に遷移する。
図9に示す画面には、検量線を作成する測定項目の指定を受け付ける表示エリアA40と、検量線を作成する際に用いるキャリブレーターのロット番号の指定を受け付ける入力エリアA41とが含まれる。
図5に戻り説明を続ける。
【0062】
ステップS12で、入力受付部101は、ユーザから、キャリブレーターを入れた検体容器41が挿入されている検体ラック42のラック番号の入力を受け付ける。ラック番号の入力を受け付ける画面の一例を
図10に示す。
図10に示す画面には、検体ラック42のラック番号を入力する入力エリアA50と、入力されたラック番号の検体ラック42が備える複数の挿入位置(
図10の例では6つ)のうち、検体容器41を挿入すべき位置をユーザに指示する表示エリアA51とが含まれる。
【0063】
ステップS13で、測定部22は、ステップS12の処理手順で指定されたラック位置に保持されている検体容器41内のキャリブレーターと、ステップS11の処理手順で指定されたロット番号の試薬とを用いて、キャリブレーターの測定を行う。測定処理部103は、測定部22による測定により得られた時系列データを用いて測定値を算出する。
【0064】
ステップS14で、表示制御部102は、検量線を表示する画面を表示部33に表示させる。
図11に、検量線を表示する画面の一例を示す。表示エリアA60には、検量線の作成に用いられたキャリブレーターに関する情報(ロット番号等)が表示される。表示エリアA61には、検量線ポイントごとに、濃度と測定値とが一覧表示される。検量線は、表示エリアA62に表示される。
図11には、P1、P2及びP3の3つの検量線ポイントが存在する。P1は、濃度が25%(4倍に希釈)である場合における測定値を示す。P2は、濃度が50%(2倍に希釈)である場合における測定値を示す。P3は、濃度が100%(希釈しない)である場合における測定値を示す。タブT10は、検量線を表示させる測定項目グループの選択を受け付ける。ボタンB60は、タブ10で選択された測定項目グループのうち、検量線を表示させる測定項目の選択を受け付ける。
【0065】
(キャリブレーターの測定方法詳細)
図12は、血液分析装置10がキャリブレーターの測定を行う際の詳細な処理手順の一例を示す図である。
図12を用いて、
図5におけるステップS13の処理手順にて、測定部22及び測定処理部103が行う処理手順の詳細を説明する。
【0066】
ステップS130で、調製部21は、ステップS12の処理手順で示された位置に挿入されている検体容器41(容器、第1容器)からキャリブレーターの一部を吸引し、吸引したキャリブレーターに希釈液を加えることで所定の希釈倍率に希釈してから反応容器(他の容器、第2容器)に分注する。なお、希釈倍率と濃度は相互に変換可能であり、100/希釈倍率=濃度(%)である。例えば、希釈倍率2倍と濃度50%は同一である。ステップS131で、調製部21は、希釈された反応容器のキャリブレーターと血液凝固分析用の試薬を混合することで、測定用試料を調製する。ステップS132で、測定部22は、生成された測定用試料に光を照射することで透過光の変化や吸光度の変化を測定し、測定により得られた時系列データを制御装置30に送信する。時系列データを受信した測定処理部103は、時系列データを所定のアルゴリズムを用いて解析することで測定値(キャリブレーターの凝固時間や吸光度変化量など)を算出する。
【0067】
測定部22及び測定処理部103は、ステップS130〜ステップS132の処理手順を繰り返すことで、検量線の作成に必要になる、キャリブレーターの濃度及び測定値のペア(例えば濃度20%のときの凝固時間は28秒など)を複数取得する。なお、検量線を作成するために用いるキャリブレーターの濃度(希釈倍率)の段階は予め定められていてもよい。例えば、濃度25%(希釈倍率4倍)、濃度50%(希釈倍率2倍)、濃度100%(希釈倍率1倍)の3段階であってもよいし、更に細かい段階に分かれていてもよい。測定部22及び測定処理部103は、検量線の作成に必要な全ての測定が完了した場合(S133)、処理を終了する。
【0068】
なお、測定処理部103により算出される測定値の有効数字は、1桁以上4桁以下であってもよい。若しくは、小数点1桁であってもよい。測定部22がキャリブレーターを希釈する際の希釈倍率は、100倍未満(1/100、濃度1%)の希釈倍率であってもよい。
【0069】
(測定値の置き換え)
ユーザは、
図11に示す画面に表示される検量線を確認し、異常な測定値の有無を確認する。測定値の異常は、一例として、検体容器41にセットされたキャリブレーターの量が規定量よりも少なかったために正しい濃度に希釈されなかった場合や、何らかの理由でキャリブレーターに希釈液や試薬を添加する際の溶解不良や混合不良が生じた場合などに生じ得る。この場合、血液分析装置10は、測定された複数の測定値のうち、ユーザにより異常が認められると判定された測定値を、再度キャリブレーターの測定を行うことで得られた測定値に置き換えることで、より正確な検量線の作成を行う。
【0070】
図13は、血液分析装置10が検量線の測定値を置き換える際の処理手順の一例を示すフローチャートである。当該フローチャートに示す処理手順は、
図6に示す画面において選択ボタンB11が押下された場合に開始される。
【0071】
ステップS20で、入力受付部101は、作成済みの検量線のうち測定値を置き換える検量線の測定項目グループについての選択を受け付ける。次に、ステップS21で、入力受付部101は、測定値を置き換える検量線の作成に用いられた試薬ロットの選択を受け付ける。
【0072】
ここで、測定項目グループの選択を受け付ける画面の一例を
図14に示す。
図14に示す画面には、既に検量線を作成済みである測定項目グループの一覧を表示する表示エリアA70が存在する。前述した通り、検量線DB100aには、作成済みの検量線に関するデータが格納されている。表示制御部102は、検量線DB100aを参照し、検量線DB100aの「測定項目グループ」に記録されている測定項目グループを抽出し、抽出した測定項目グループを表示エリアA70に一覧表示させる。
【0073】
試薬ロットの選択を受け付ける画面の一例を
図15に示す。
図15に示す画面には、
図14の画面で選択された測定項目グループを表示する表示エリアA80と、当該測定項目グループの検量線の作成に用いられた試薬ロットの一覧を表示する表示エリアA81が存在する。表示制御部102は、検量線DB100aを参照し、
図14で選択された測定項目グループを含むレコードの「試薬ロット」に記録されている試薬ロットを抽出し、抽出した試薬ロットを表示エリアA81に一覧表示させる。
図13に戻り説明を続ける。
【0074】
ステップS22で、入力受付部101は、表示部33に表示された複数の測定項目の中から、測定値を置き換える測定項目の選択を受け付ける。また、ステップS23で、入力受付部101は、表示部33に表示された複数の測定値の中から、現在の測定値を再測定後の測定値に置き換える測定値の選択を受け付ける。
【0075】
図16に、測定値を置き換える測定項目及び測定値の選択を受け付ける画面の一例を示す。
図16に示す画面には、測定値の置き換えを行う検量線について、再度測定を行う測定項目の選択を受け付けるボタンを表示する表示エリアA90と、表示エリアA90で選択された測定項目について、検量線上の各測定ポイントにおける現在の測定値を表示する表示エリアA91とが存在する。
【0076】
表示制御部102は、検量線DB100aを参照し、
図15で選択された試薬ロットを含むレコードの「測定項目」に記録されている測定項目を抽出し、抽出した測定項目を表示エリアA90に一覧表示させる。また、当該レコードの「キャリブレーター」、「キャリブレーターロット番号」、「希釈倍率」、「測定値」を抽出し、抽出したこれらのデータを表示エリアA91に一覧表示させる。
【0077】
例えば
図16の画面では、測定項目として「PT THS~%」、「PT THS~S」及び「PT THS~INR」が表示され、測定項目「PT THS~%」に対応する3つの測定値(濃度25%の場合の凝固速度は25秒、濃度50%の場合の凝固速度は17.9秒、濃度100%(希釈無し)の場合の凝固速度は12.5秒)が表示されている。ユーザは、
図16の画面において、測定項目と、再測定対象の測定値とを選択する。
図16の例では、測定項目として「PT THS~%」が選択され、濃度25%の場合における測定値と濃度50%の場合における測定値と濃度100%の場合における測定値のうち、濃度25%の場合における測定値が、再測定対象として選択されている。
【0078】
ステップS24で、入力受付部101は、ユーザから、再測定に用いるキャリブレーターを入れた検体容器41が挿入されている検体ラック42のラック番号の入力を受け付ける。ラック番号の入力を受け付ける画面の一例を
図17に示す。
図17に示す画面には、ラック番号を入力する入力エリアA100と、入力されたラック番号の検体ラック42が備える複数の挿入位置(
図17の例では6つ)のうち、検体容器41を挿入すべき位置をユーザに指示する表示エリアA101とが含まれる。ユーザは、再測定に用いるキャリブレーターを入れた検体容器41を、画面16で指定された位置に挿入し、ボタンB100を押下する。
【0079】
ステップS25で、測定部22は、検量線DB100aにアクセスすることで、再測定対象の測定値に対応する希釈倍率を取得する。例えば、
図16の画面に示す場合、測定部22は、希釈倍率として1/4(濃度25%)を取得する。
【0080】
ステップS26で、測定部22は、ステップS24の処理手順で指定されたラック位置で保持されている検体容器41内のキャリブレーターを用いて測定値を測定する。より具体的には、調製部21は、ステップS24の処理手順で指定された位置で保持されている検体容器41内のキャリブレーターを反応容器43に分注し、当該反応容器43に分注されたキャリブレーターに希釈液を注入することで、分注されたキャリブレーターをステップS25の処理手順で取得した濃度に希釈する。続いて、調製部21は、ステップS21の処理手順で指定された試薬ロットの試薬を添加することで試薬を生成する。続いて、測定部22は、生成された試薬を用いて測定値を測定する。測定処理部103は、測定部22が行った測定により得られた時系列データを用いて測定値を算出する。
【0081】
ステップS27で、作成部は、測定値の測定が終了した後(測定処理部103により測定値の算出が完了した後)、再測定前の測定値を再測定後の測定値に置き換えることで新たな検量線を作成する。また、表示制御部102は、新たな検量線を表示する画面を表示部33に表示させる。表示される画面は、
図11に示す画面と同一であるため説明は省略する。ステップS27の処理手順が完了した後、測定処理部103は、新たな検量線を用いて、被験者から採取された検体の測定値と比較することで、血液凝固分析を行う。
【0082】
<変形例>
以上説明した処理手順では、測定値を置き換える検量線を選択する際、ユーザは、
図6に示すメニュー画面から「ポイント置き換え」を選択し、更に、
図14及び
図15の画面にて測定項目グループ及び試薬ロットを指定する必要があったが、これに限定されない。例えば、表示制御部102は、
図11に示す画面に、再測定の指示を受け付けるボタンを表示しておき、当該ボタンが押下された場合、測定部22は、再度、測定項目グループや試薬ロットの選択を受け付けることなく、再測定を行うようにしてもよい。また、表示制御部102は、再測定の指示を受け付けるボタンを、
図11の表示エリアA61に示す又はA62に示す検量線ポイントごとに表示するようにしてもよい。
【0083】
また、表示制御部102は、再測定の指示を受け付けるボタンが押下された後、
図17に示すラック位置の指定を受け付ける画面に遷移させるようにしてもよい。この場合、測定部22は、当該画面で指定されたラック位置にあるキャリブレーターを用いて再測定を行うようにしてもよい。
【0084】
<まとめ>
本実施形態に係る血液分析装置10は、検量線を表示するとともに、検量線の作成に用いられた複数の測定値のうち、ユーザにより指定された測定値を、再度測定した測定値に置き換えた上で再度検量線を作成して表示するようにした。これにより、作成した検量線においてエラーが疑われる測定値を置き換えることができ、検量線を迅速に修正することが可能になった。
【0085】
また、本実施形態に係る血液分析装置10は、ユーザにより指定された再測定対象の測定値を再度測定する際、指定された測定値に対応する希釈倍率を検量線DB100aから取得し、取得した希釈倍率でキャリブレーターを希釈した上で測定を行うようにした。これにより、ユーザは、測定値を再測定する際、自らキャリブレーターを希釈することなく再測定を行うことが可能になった。
【0086】
また、血液分析装置10は、前述したように、同一の測定容器41からキャリブレーターを反応容器43に分注し、反応容器43に希釈液を加えることでキャリブレーターの濃度を調製し、反応容器43を加熱し、反応容器43に試薬を注入して凝固過程を測定するという一連の動作を複数回繰り返す。このとき、測定容器41に格納されたキャリブレーターの量が不足していた場合、後半又は最後に測定するキャリブレーターの希釈倍率が規定された希釈倍率にならず、正しく検量線が作成されないことになる。このような場合、従来技術のように、十分な量のキャリブレーターが格納された測定容器41を再度準備し、全ての測定ポイントについて測定をやり直すと、コストや時間を要することになる。一方、本実施形態では、指定された測定値に対応する希釈倍率を検量線DB100aから取得し、取得した希釈倍率でキャリブレーターを希釈した上で自動的に測定を行うようにした。これにより、エラーが疑われる測定値を含む検量線を、低コストかつより迅速に修正することが可能になった。
【0087】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。