(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6771289
(24)【登録日】2020年10月1日
(45)【発行日】2020年10月21日
(54)【発明の名称】ボルト回転装置
(51)【国際特許分類】
B24B 41/06 20120101AFI20201012BHJP
B24B 5/18 20060101ALI20201012BHJP
【FI】
B24B41/06 J
B24B5/18 D
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-31885(P2016-31885)
(22)【出願日】2016年2月23日
(65)【公開番号】特開2017-148887(P2017-148887A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2019年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】509328928
【氏名又は名称】株式会社日立プラントコンストラクション
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】後藤 啓吾
(72)【発明者】
【氏名】浜川 哲也
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 祐二
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 浄治
(72)【発明者】
【氏名】小林 秀人
(72)【発明者】
【氏名】久保田 益生
【審査官】
山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭60−172461(JP,A)
【文献】
実開平02−023926(JP,U)
【文献】
特開平09−066447(JP,A)
【文献】
特開昭50−072283(JP,A)
【文献】
実開平05−044452(JP,U)
【文献】
特開2003−025209(JP,A)
【文献】
米国特許第04406090(US,A)
【文献】
実開昭53−103258(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 41/06
B24B 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の台座に両持ち支持されたボルトをメンテナンスのために回転させる装置であって、
前記一対の台座の間であると共に、回転対象とするボルトの下側に配置して使用されるベースと、
前記ベースの上面側に配置されて、前記回転対象とするボルトを支持すると共に回転力を付与する駆動ローラと、
前記ベースの上面側であって前記駆動ローラに隣接配置され、前記ボルトを支持すると共に前記駆動ローラにより回転力が付与された前記ボルトと共に転動する従動ローラと、
前記ベースの上面側に配置され、前記ベースの下面側へ突出する伸縮部を備え、前記伸縮部を伸ばす事で前記ベースを上昇させ、前記駆動ローラと前記従動ローラにより支持された前記回転対象とするボルトを地切りさせる昇降手段と、
前記伸縮部が縮んでいる状態の時に接地して、前記ベースを移動させることを可能とする走行手段と、を備え、
前記従動ローラには、前記駆動ローラとの間の距離を変化させるスライド機構が備えられていることを特徴とするボルト回転装置。
【請求項2】
前記走行手段は、前記ベースの上面側に回転軸を配置する車輪であり、接地面を前記ベースの下面側に突出させる構成としたことを特徴とする請求項1に記載のボルト回転装置。
【請求項3】
前記車輪は、接地面にラウンドを設け、中心部の円周が両端部の円周よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載のボルト回転装置。
【請求項4】
前記駆動ローラは、第1ローラ部と第2ローラ部を有し、前記第1ローラ部と前記第2ローラ部との間に回転軸を配した分割構造とされており、前記回転軸に、駆動手段からの動力が伝達される駆動ギアを設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のボルト回転装置。
【請求項5】
前記駆動ローラ及び前記従動ローラは、ローラの表面に弾性部材が被覆されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のボルト回転装置。
【請求項6】
前記駆動ローラの直径を、回転対象とするボルトの最小直径よりも小さくしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のボルト回転装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大型で重量のあるボルトを回転させるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タービン設備のケーシングなどに使用されているスタッドボルトのメンテナンスは、取り外したボルトを角材の上などに並べ、作業員がボルトを磨くといった方法で行われている。ボルトの直径はφ50mm〜φ200mm程度、長さは1000mm程度と、大型で重量があるため、その作業は、ボルトを単純に角材の上に載置したまま行われるのが通例であった。このため、ボルト下側の磨き作業は、目視が困難であると共に作業姿勢が悪く、作業者の負担が大きくなっていた。
【0003】
ボルトを磨く装置としては、例えば特許文献1や特許文献2に開示されているようなものが知られている。特許文献1に開示されている装置は、比較的直径の小さなボルトを磨くための装置であり、台座にボルトを載置し、回転する2つのブラシ間にボルトを押し進める事で、ボルト磨きを完了させるというものである。また、特許文献2に開示されている装置は、直径の大きなボルトを磨くための装置であり、ローラコンベアのローラに沿って配置されたボルトに対して、回転方向の異なる2つのブラシを押し当て、ボルトを回転させながら、外周を磨くというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−180377号公報
【特許文献2】特開平10−217096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2に開示されている装置は、いずれもボルトを磨くという点においては、非常に効果的な装置であると考えられる。しかしながら、いずれの装置も台座やコンベア上にボルトをセットし、上方、あるいは左右からブラシを押し付けるという構成を採っているため、装置が大型なものとなってしまい、機器のメンテナンスを行う現場へ装置を持ち込むという事はできない。このため、特許文献1、2に開示されているようなボルト磨き装置を採用した場合には、機器から取り外したボルトを一旦回収し、装置が置かれている場所へと搬送するという作業が必要となり、作業性の悪化、および労力の増大などの問題が生じることとなる。
【0006】
そこで本発明では、作業現場への持ち込みが可能な簡易かつ小型化を可能とし、従来のボルトメンテナンス作業の効率化を図ることのできるボルト回転装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためのボルト回転装置は、
一対の台座に両持ち支持されたボルトをメンテナンスのために回転させる装置であって、前記一対の台座の間であると共に、回転対象とするボルトの下側に配置して使用されるベースと、前記ベースの上面側に配置されて、
前記回転対象とするボルトを支持すると共に回転力を付与する駆動ローラと、前記ベースの上面側であって前記駆動ローラに隣接配置され、前記ボルトを支持すると共に前記駆動ローラにより回転力が付与された前記ボルトと共に転動する従動ローラと、前記ベースの上面側に配置され、前記ベースの下面側へ突出する伸縮部を備え
、前記伸縮部を伸ばす事で前記ベースを上昇させ、前記駆動ローラと前記従動ローラにより支持された前記回転対象とするボルトを地切りさせる昇降手段と、
前記伸縮部が縮んでいる状態の時に接地して、前記ベースを移動させる
ことを可能とする走行手段と、を備え、前記従動ローラには、前記駆動ローラとの間の距離を変化させるスライド機構が備えられていることを特徴とする。
【0008】
また、上記のような特徴を有するボルト回転装置において前記走行手段は、前記ベースの上面側に回転軸を配置する車輪であり、接地面を前記ベースの下面側に突出させる構成とすると良い。このような特徴を有することにより、車輪をベースの下面側に配置する場合に比べ、ベースと接地面との間の距離を狭めることが可能となる。よって、ボルト回転装置全体の低背化を図ることができ、前記角材も過大なものを使用する必要が無い。
【0009】
また、上記のような特徴を有するボルト回転装置において前記車輪は、接地面にラウンドを設け、中心部の円周が両端部の円周よりも大きくなるように形成されているようにすると良い。このような特徴を有することにより、車輪の設置面積を減らすことができる。これにより、車輪に回転機構を備えない場合でも、ボルト回転装置の進行方向を変える際に、容易にスライドさせることができるようになる。
【0010】
また、上記のような特徴を有するボルト回転装置では、前記駆動ローラは、第1ローラ部と第2ローラ部を有し、前記第1ローラ部と前記第2ローラ部との間に回転軸を配した分割構造とされており、前記回転軸に、駆動手段からの動力が伝達される駆動ギアを設けるようにすることもできる。このような特徴を有することにより、従動ローラのボルト支持位置と駆動ローラのボルト支持位置のバランスをとりつつ、装置全体の幅を狭めることができる。
【0011】
また、上記のような特徴を有するボルト回転装置において前記駆動ローラ及び前記従動ローラは、ローラの表面に弾性部材が被覆されているようにすると良い。このような特徴を有することにより、金属同士の接触によりボルトに傷が付くことを防止することができると共に、ボルトの滑りを抑制し、ボルトを確実に回転させることが可能となる。
【0012】
さらに、上記のような特徴を有するボルト回転装置では、前記駆動ローラの直径を、回転対象とするボルトの最小直径よりも小さくすることが望ましい。このような特徴を有することにより、ボルトを回転させた際、ボルトの回転が速く成り過ぎることを抑えることができる。よって、作業の安全性を確保することができる。
【発明の効果】
【0013】
上記のような特徴を有するボルト回転装置によれば、作業現場への持ち込みが可能な簡易かつ小型化を実現することができる。また、従来のボルトメンテナンス作業の効率化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係るボルト回転装置の平面図である。
【
図2】実施形態に係るボルト回転装置の側面図である。
【
図3】駆動ローラと従動ローラの構成を示す部分断面図である。
【
図4】仮置きされたボルトに対して実施形態に係るボルト回転装置を使用する際の具体例を説明するための図である。
【
図5】実施形態に係るボルト回転装置の使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のボルト回転装置の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、
図1は、実施形態に係るボルト回転装置の平面図であり、
図2は側面図である。また、
図3は、駆動ローラと従動ローラの構造を示す部分断面図である。
【0016】
本実施形態に係るボルト回転装置10は、ベース12と、走行手段14、昇降手段16、駆動ローラ18、および従動ローラ20を基本として構成されている。
【0017】
[ベース]
ベース12は、詳細を後述する走行手段14や昇降手段16、駆動ローラ18、および従動ローラ20を搭載するためのフレームである。ベース12には、走行手段14や昇降手段16を取り付けるための開口部が形成されている他、長手方向両端部に取っ手12aが設けられている。実施形態に係るボルト回転装置10は、装置の全高を所定の高さ、すなわち前記角材の寸法(例えば100mm)以下に抑える必要がある。このため、構成要素をベース12の上面側に集中配置している。そして、ベース12の下面側に突出させる必要がある要素に関しては、ベース12を介して下面側へ突出させる構成としている。このため、ベース12には、開口部が設けられることとなる。
【0018】
取っ手12aは、ボルト回転装置10を搬送する際、あるいは回転対象とするボルト32(
図4、
図5参照)下部への押出、引抜の際に使用する要素である。よって、その機能を発揮することができるものであれば、
図1に示すコの字型の他、L字型など、その形状は限定されるものでは無い。
【0019】
[走行手段]
実施形態に係るボルト回転装置10は、回転対象とするボルト32を下面側から支持した状態で、ボルト32を回転させる構成を採る。このため走行手段14は、ボルト回転装置10を回転対象とするボルト32の下部へ移動させる際の労力を軽減するための役割を担う。
図1、
図2に示す形態では、走行手段として、車輪を採用している。車輪は、ベース12の上面側に配置されたホルダ14aに回転軸が備えられる構成とされており、開口部を介してベース12の下面側に車輪における外周の一部が突出する構成とされている。このような構成とすることで、ベース12の下面側への突出量を抑制することができる。よって、ボルト回転装置10全体の高さを抑制することができる。
【0020】
また、本実施形態に係る走行手段14を構成する車輪は、接地面にラウンドを設けて中心部の円周を両端部の円周より大きくし、断面形状がいわゆる樽型となるように形成されている。このような構成とすることで、車輪の
接地面積を減らすことができる。このため、ボルト回転装置10の進行方向がズレた場合や、回転対象とするボルト32とボルト回転装置10との交差状態が適当でない場合に、ボルト回転装置10自体を車輪の回転方向と異なる方向へスライドさせる際の労力を軽減することができる。
【0021】
[昇降手段]
昇降手段16は、回転対象とするボルト32の下にボルト回転装置10を配置した後、詳細を後述する駆動ローラ18と従動ローラ20のローラ面にボルト32を載置した状態で台座30(
図4参照)から上昇させるための要素である。昇降手段16の具体的構成は限定するものでは無いが、実施形態に係るボルト回転装置10では、作動流体を気体としたエアジャッキを採用している。エアジャッキは、筒状のシリンダ16aと、シリンダ16aから突出するロッド16bを備える構成とされている。実施形態に係るボルト回転装置10では、ベース12の上面側にロッド16bの突出方向を下面側とした状態でシリンダ16aを配置し、開口部を介してロッド16bがベース12の下面側から床面へ向けて突出される構成が採られている。このような配置構成とすることで、ボルト回転装置10の高さを抑制することができる。また、ロッド16bが床面に押し当てられた状態で、さらにロッド16bが伸長されることにより、シリンダ16aが固定されたベース12が床面から持ち上げられた状態となる。
【0022】
[駆動ローラ]
駆動ローラ18は、詳細を後述する従動ローラ20との間に支持したボルト32を回転させる回転力を生じさせるためのローラである。このため、駆動ローラ18には、ギア22を介して駆動手段24が備えられている。駆動手段24は、動力を得ることができるものであれば特別に限定するものでは無いが、
図1、
図2に示す形態では、エアモータを採用している。ギア22は、減速比や駆動手段24の配置形態によって変化するが、少なくとも次のようなものであれば良い。すなわち、駆動手段24の回転軸に備えられるピニオンギアと、駆動ローラ18の回転軸に備えられる駆動ギアを備え、ピニオンギアの回動により駆動ギアが回転する構成であれば良い。なお、
図1に示す形態の場合、駆動手段24の回転軸と駆動ローラ18の回転軸が直交する配置形態であるため、ピニオンギアをウォームギア、駆動ギアをウォームホイールとすると良い。
【0023】
また、
図1に示す形態の場合、駆動手段24の配置形態と設置スペースの縮小化を考慮して、駆動ローラ18を2分割とし(例えば、第1ローラ部と第2ローラ部)、2つの駆動ローラ18の間に駆動手段24を配置する構成としている。実施形態に係るボルト回転手段10は、台座(角材)30間にベース12が入り込むため、ベース12の幅に制限がある。このため、駆動ローラを1つとし、駆動手段を駆動ローラの端部に配置した場合、駆動ローラは、従動ローラに対してズレた位置に配置されることとなる。これに対して、駆動ローラ18を分割構造とすることにより、ボルト32は、3つのローラ(2つの駆動ローラ18と1つの従動ローラ20)により、3点支持されることとなる。そして、2つの駆動ローラ18を互いに離間して配置することで、ボルト32の支持状態を安定させることができるようになる。
【0024】
さらに、駆動ローラ18は、重量物であるボルト32を支持するために金属により構成される。このため、
図3に示すように、その表面には、弾性部材18aが備えられている。弾性部材18aは、回転対象とするボルト32の滑り止めになると共に、金属製のローラ本体18bとの接触により生じる傷を防ぐ役割を担う。弾性部材18aとしては、例えばウレタンなどであれば良く、金属面への焼き付けにより形成することができる。弾性部材18aの厚みは、ローラの直径にもよるが、概ね5mm〜10mm程度とすれば良い。
【0025】
また、駆動ローラ18の直径は、回転対象とするボルト32の直径よりも小さなものとなるように構成されている。このような構成とすることで、駆動ローラ18の回転数に対して、ボルト32の回転数は低いものとなる。本実施形態に係るボルト回転装置10は、手作業でのボルトメンテナンス等の作業を対象としている。このため、上記のような構成によれば、ボルト32の回転数が速く成り過ぎる事により作業者を危険に晒す虞が無い。
【0026】
[従動ローラ]
従動ローラ20は、駆動ローラ18と共に回転対象とするボルト32を支持し、駆動ローラ18によって回転するボルト32の回転に合わせて従動する役割を担うローラである。従動ローラ20も駆動ローラ18と同様に、金属製のローラ本体20bと、その表面に被覆される弾性部材20aにより構成されると良い。
【0027】
また、従動ローラ20は、スライド機構26を備えている。スライド機構26は、従動ローラ20の配置方向と直交する方向に沿ってベース12に配置される一対のスライドレールと、各スライドレール26a上を移動し、位置を定めて固定可能なスライドホルダ26bとによって構成されている。従動ローラ20の回転軸20cは、一対のスライドホルダ26bにより保持されている。このような構成とすることで、従動ローラ20は、回転対象とするボルト32の直径に対応させて、駆動ローラ18との間の間隔を調整することができる。これにより、ボルト32を安定支持することが可能となる。
【0028】
[操作手段]
本実施形態に係るボルト回転装置10では、昇降手段16と駆動手段24の動力をエアとしている。このためボルト回転装置10には、昇降手段16や駆動手段24に提供するエアの調整を行うための操作手段28が付帯されている。操作手段には、図示しないエア供給ラインからエアが供給されており、各昇降手段16や、駆動手段24へのエアの供給方向や供給圧力の調整、切替が可能な構成とされている。なお、エアの供給方向や供給圧力の調整は、切替弁や圧力制御弁などによれば良い。例えば駆動手段24では、エアの供給圧力を変化させることで、回転速度を調整することができる。
【0029】
[動作]
上記のような構成のボルト回転装置10は、使用前に、スライド機構26により、従動ローラ20の配置位置を、回転対象とするボルト32の直径に合わせて調節する。その後、
図4に示すように、枕木などの台座(角材)30に両持ち支持されたボルト32の下側に滑り込ませて使用される。ボルト回転装置10を回転対象とするボルト32の下部側へ配置した後、操作手段を介して昇降手段16にエアを供給し、ロッド16bを突出させることでベース12を上昇させる。これにより、ボルト32は、駆動ローラ18と従動ローラ20により支持された状態で台座30から地切りされることとなる。
【0030】
駆動ローラ18と従動ローラ20によりボルト32を支持した状態で、駆動手段24にエアを供給することで、駆動ローラ18を回転させ、ボルト32を回転させることができる。これにより作業者は、無理の無い姿勢で、ボルト32の磨き作業等のメンテナンス作業を実施することができる。
【0031】
ボルト32のメンテナンス作業が終了した後、台座(角材)30にメンテナンス作業が済んだボルト32をあずけ、次のボルト32へボルト回転装置10を移動する。
【0032】
[効果]
このようなボルト回転装置10によれば、装置自体を小型かつ簡易な構成とすることができる。このため、作業現場への持ち込みが可能となる。また、枕木や角材などの台座(角材)30の上に仮置きしたボルト32をその場で持ち上げて回転させ、メンテナンスを実施することができるため、従来のボルト32のメンテナンス作業の効率化を図ることができる。
【0033】
また、上記実施形態では、ボルト回転装置10は、ボルトの磨きや清掃などのメンテナンスをする際に使用する旨記載した。しかしながら、本実施形態に係るボルト回転装置10は、回転対象とするボルト32をスタッドボルトとした場合、ボルト32の片方の端部に対してナット(不図示)を装着する際にも使用することができる。回転するボルト32の端部にナットをセットすれば良いため、大型で重量であるナットを回転させる労力を削減することができる。
【0034】
また、上記実施形態では、走行手段14について車輪を採用する旨記載した。しかしながら、走行手段14は、ボルト回転装置10を移動させる事ができ、かつ装置の全高を低く保つことができるものであれば良い。よって、車輪の他、摩擦係数の低い樹脂などにより構成されるスライダーなどであっても良い。
【符号の説明】
【0035】
10………ボルト回転装置、12………ベース、12a………取っ手、14………走行手段、14a………ホルダ、16………昇降手段、16a………シリンダ、16b………ロッド、18………駆動ローラ、18a………弾性部材、18b………ローラ本体、20………従動ローラ、20a………弾性部材、20b………ローラ本体、20c………回転軸、22………ギア、24………駆動手段、26………スライド機構、26a………スライドレール、26b………スライドホルダ、28………操作手段、30………台座(角材)、32………ボルト。